【文献】
Virology,2006年,Vol. 353,pp. 166-173
【文献】
Journal of General Virology,1997年,Vol. 78,pp. 2723-2733
【文献】
PNAS,2012年,Vol. 109, No. 19,pp. 7439-7444
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象においてデングウイルスに対する免疫応答を生じさせるために使用するための、または対象においてデングウイルス感染を治療もしくは予防するために使用するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のE糖タンパク質。
対象においてデングウイルスに対する免疫応答を生じさせるために使用するための、または対象においてデングウイルス感染を治療もしくは予防するために使用するための、請求項4に記載のフラビウイルス粒子。
対象においてデングウイルスに対する免疫応答を生じさせるために使用するための、または対象においてデングウイルス感染を治療もしくは予防するために使用するための、請求項5もしくは6に記載の核酸分子。
対象においてデングウイルスに対する免疫応答を生じさせるために使用するための、または対象においてデングウイルス感染を治療もしくは予防するために使用するための、請求項7もしくは8に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、DENV血清型を定めるエピトープ領域を異なるDENV血清型のタンパク質骨格に移入して、両方の血清型に対する抗体標的を含み、それによって、単一供給源に由来する2種の異なるDENV血清型に対する中和抗体を誘導できる二価ワクチンとして機能するキメラ分子を作製することができるという予想外の発見に基づいている。したがって、1つの実施形態において、本発明は、デングウイルスE糖タンパク質骨格のデングウイルス血清型とは異なるデングウイルス血清型と反応する抗体によって認識されるエピトープを導入するアミノ酸置換を含むキメラデングウイルスE糖タンパク質骨格を構築するためのプラットフォームを提供する。
【0021】
いくつかの実施形態において、デングウイルスE糖タンパク質骨格は、デングウイルス血清型1に由来する。いくつかの実施形態において、デングウイルスE糖タンパク質骨格は、デングウイルス血清型2、デングウイルス血清型3、またはデングウイルス血清型4に由来し得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、デングウイルスE糖タンパク質骨格のデングウイルス血清型と異なるデングウイルス血清型と反応する抗体は、デングウイルス血清型3と反応する抗体である。このような抗体の非限定的な例は、モノクローナル抗体5J7である。
【0023】
他の実施形態において、デングウイルスE糖タンパク質骨格のデングウイルス血清型と異なるデングウイルス血清型と反応する抗体は、デングウイルス血清型1、デングウイルス血清型2、またはデングウイルス血清型4と反応する抗体である。
【0024】
第1のデングウイルス血清型および第2のデングウイルス血清型が異なる(すなわち、同じ血清型ではない)ことを条件として、デングウイルスE糖タンパク質骨格のための第1のデングウイルス血清型とE糖タンパク質骨格中に導入されるエピトープを認識する抗体の標的である第2のデングウイルス血清型との任意の組合せを使用できることが理解されるであろう。
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明のキメラデングウイルスE糖タンパク質は、アミノ酸配列:
【0026】
【表3】
を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明のキメラデングウイルスE糖タンパク質は、アミノ酸配列:
【0028】
【表4】
を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得る。
【0029】
また、本発明は、本発明のキメラE糖タンパク質を含むフラビウイルス粒子またはウイルス様粒子(VLP)も提供する。
【0030】
本発明のキメラの作製は、表1において特定されるアミノ酸置換のうちのいくつか(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個など)またはすべてをデングウイルスE糖タンパク質骨格またはフラビウイルスE糖タンパク質骨格中に導入することによって実施することができる。本発明のキメラタンパク質を作製するために、表1において特定されるアミノ酸すべてが置換される必要があるわけではない。例えば、いくつかの実施形態において、それぞれのエピトープ領域として表1において特定される連続したアミノ酸配列のいずれかの端における約1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸のさらなる置換および/または置換の脱落が、本発明のキメラの作製に含まれてよい。所望の立体構造エピトープを作製するのに必要な置換の数は、本明細書の教示に従って、また当技術分野において周知のプロトコルに従って、当業者が容易に決定することができる。表1のアミノ酸位置の番号付けは、本明細書において提供されるWestPac74(DENV−1)のアミノ酸配列またはUNC−3001(DENV−3)のアミノ酸配列に基づいている。しかし、他のデングウイルスE糖タンパク質アミノ酸配列または他のフラビウイルスE糖タンパク質アミノ酸配列中の同等のアミノ酸位置が容易に同定され得、本発明のキメラタンパク質の作製において使用され得ることが、当業者には容易に理解されるであろう。
【0031】
表2は、DENV−3と反応するモノクローナル抗体5J7によって認識されるエピトープを導入するために、DENV−1のE糖タンパク質をコードするヌクレオチド配列に対して施すことができる改変の一例を示す。これらの置換を含むヌクレオチド配列の翻訳の結果として生じるアミノ酸配列は、
【0033】
表2において提供される改変が、上記のアミノ酸配列を得ることができる方法の一例を提供すること、およびアミノ酸コドンの縮重があるため、DENV−3のE糖タンパク質をコードするヌクレオチド配列に多数の他の改変を施して、このアミノ酸配列を得ることができることが理解されるであろう。
【0034】
表3は、500,000感染単位のウイルスに皮下感染させたアカゲザルにおいてWestPac’74−3001ヒンジが感染性であることを示す。各日付の報告値は、イムノフォーカスアッセイによって定量した、形質転換されたサル血清ウイルスの力価の対数である。
【0035】
表4。アカゲザルにおける3001−1F4Eの弱毒化。この表は、500,000感染単位のウイルスに皮下感染させたアカゲザルにおいて3001−1F4Eが感染性であることを示す。しかし、このウイルスは、計量可能な検出レベル(50感染性ウイルス/mL血清)より少なかった。感度のより高いアッセイである遅延フォーカスアッセイは、50感染単位/mL未満のウイルスを検出することはできるが、存在する低レベルのウイルスを定量することはできない。その結果として、本発明者らの感度の最も高いアッセイによってウイルスが検出された日は、「+」を用いて陽性として記録している。感染日数の合計を、左の列に示している。ウイルス血症が低レベルであることと、感染日数の平均数が低いこと(2.25日)は、サルにおけるウイルス弱毒化と一致している。
【0036】
表5。キメラウイルスDENV1/3をさらに特徴付けるために、DENV−1特異的モノクローナル抗体1F4を用いてプローブした。1F4は血清型特異的であり、その標的エピトープは、EDI−IIヒンジの中にある。移植されたDENV−3のEDI−IIヒンジが1F4エピトープを破壊する場合、1F4はキメラWestPac74/3001ウイルスをもはや中和しないはずである。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明は、デングウイルスではないフラビウイルスに由来するフラビウイルスE糖タンパク質にデングウイルスエピトープを導入するためにアミノ酸置換が施された、キメラフラビウイルスE糖タンパク質を提供する。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、デングウイルスE糖タンパク質骨格ではないフラビウイルスE糖タンパク質骨格を含むキメラE糖タンパク質を含むフラビウイルスE糖タンパク質であって、そのフラビウイルスE糖タンパク質骨格が、あるデングウイルスと反応する抗体によって認識されるエピトープを導入するアミノ酸置換を含む、フラビウイルスE糖タンパク質を提供する。
【0038】
使用され得るフラビウイルスの非限定的な例は、黄熱病ウイルス(YFV)(例えば、GenBank(登録商標)データベース受託番号JX503529)、日本脳炎ウイルス(JEV)(例えば、GenBank(登録商標)データベース受託番号U14163)、西ナイルウイルス(WNV)(例えば、GenBank(登録商標)データベース受託番号DQ211652)、および現在公知であるか、または後に同定される他の任意のフラビウイルスを含む。
【0039】
デングウイルスワクチンを作製しようとする多くの試みが、非中和性抗体を生じさせる結果となり、自然感染またはワクチンに次に曝露された際の病変の可能性を増やす場合があることが、当技術分野において公知である。操作されたエピトープを提供するための別のアプローチは、別のフラビウイルス粒子またはVLPに組み込まれたデングウイルスEタンパク質の全体または一部分を送達するものである。代表的な実施形態において、異種フラビウイルスは、西ナイルウイルスまたは黄熱病ウイルスである。Eタンパク質の一部分を異種フラビウイルス骨格のEタンパク質に継ぎ合わせて、例えば、デングウイルスEタンパク質および/または他のデングウイルス構造タンパク質中に存在する非中和性エピトープに対する非中和性デングウイルス抗体の生成を減少させることができる。
【0040】
すなわち、キメラフラビウイルスまたはキメラフラビウイルスVLPは、適切な立体構造の四次構造デングウイルスエピトープ(quaternary dengue virus epitope)を提示し、一方で、キメラフラビウイルスまたはキメラフラビウイルスVLPにおいて提示されないデングウイルスのEタンパク質の他の部分および/または他の構造タンパク質に対する非中和性抗体の生成を減少させることができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態において、フラビウイルスE糖タンパク質またはデングウイルスE糖タンパク質の個々の立体構造エピトープは、人工的な骨格または支持構造体の内部のエピトープがE糖タンパク質、ウイルス粒子、またはVLPの構造内部のエピトープの立体構造および配置を模倣するように、人工的な骨格または支持構造体の上に提示され得る。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、本発明のE糖タンパク質の個々の立体構造エピトープを模倣するペプチドミモトープ(mimitope)(Meloen et al.(2000)J.Mol.Recognit.13,352−359を参照されたい)を提供する。ミモトープは、本発明のE糖タンパク質の個々の立体構造エピトープに対する1つまたは複数の抗体を用いて、表面刺激、ランダムペプチドライブラリー、またはファージディスプレイライブラリーなど当技術分野において公知である任意の技術を用いて同定することができる。
【0043】
本発明はさらに、本発明のデングウイルスエピトープまたはポリペプチドをコードする核酸(例えば、単離核酸)も提供する。
【0044】
本発明はさらに、本発明のキメラフラビウイルスVLPまたはキメラフラビウイルス粒子(例えば、フラビウイルス粒子のウイルスコート)をコードする核酸(例えば、単離核酸)も提供する。
【0045】
また、本発明の核酸をコードするベクターも提供される。
【0046】
また、本発明のベクター、核酸、デングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLP、またはキメラフラビウイルス粒子を含む細胞も、提供される。
【0047】
また、本発明は、本発明の細胞、ベクター、核酸、デングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLP、またはキメラフラビウイルス粒子を含む免疫原性組成物も、提供する。実施形態において、免疫原性組成物は、一価である。実施形態において、免疫原性組成物は、デングウイルス血清型DEN1、DEN2、DEN3、および/またはDEN4に対して多価(例えば、四価)である。
【0048】
本発明は、有効量の本発明のデングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLPもしくはキメラフラビウイルス粒子、核酸、ベクター、細胞、または免疫原性組成物を対象に投与するステップを含む、対象においてデングウイルスに対する免疫応答を生じさせる方法を包含する。
【0049】
さらに、本発明は、有利なことに、DEN1、DEN2、DEN3、およびDEN4の内の1つ、2つ、3つ、または4つすべてに対する免疫応答を誘導するように実施することができる。有効かつ安全な多価デングワクチンは、血清型間の干渉という問題があるため、設計するのは難題であったことは、当技術分野において周知である。例えば、免疫応答は、標的血清型の一部のみを主に対象とする場合がある。その場合、すべての血清型に対する応答を達成しようとするには、複数回のワクチン接種が必要とされる。しかし、デングウイルスの場合、既存の抗体を対象に反復投与すると、デング出血熱を招き得るため、このアプローチは危険であり得る。
【0050】
本発明のさらに別の態様は、有効量の本発明のデングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLPもしくはキメラフラビウイルス粒子、核酸、ベクター、細胞、または免疫原性組成物を対象に投与するステップを含む、デングウイルス感染を治療する方法である。
【0051】
本発明のさらに別の態様は、有効量の本発明のデングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLPもしくはキメラフラビウイルス粒子、核酸、ベクター、細胞、または免疫原性組成物を対象に投与するステップを含む、デングウイルス感染を予防する方法である。
【0052】
本発明のさらに別の態様は、有効量の本発明のデングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLPもしくはキメラフラビウイルス粒子、核酸、ベクター、細胞、または免疫原性組成物を対象に投与するステップを含む、デングウイルス感染の影響から対象を保護する方法である。
【0053】
デングウイルスには四種類の血清型がある(DENV−1、DENV−2、DENV−3、およびDENV−4)。各血清型に、いくつかの異なる株または遺伝子型が存在する。本発明のデングウイルスの抗原およびエピトープは、現在公知であるか、または後に同定されるすべての血清型、株、および遺伝子型を含めて、任意のデングウイルスに由来してよい。
【0054】
本発明の実施形態において、デングウイルスは、UNC1017株(DEN1)、West Pacific 74株(DEN1)、S16803株(DEN2)、UNC2005株(DEN2)、UNC3001株(DEN3)、UNC3043(DEN3、フィリピンに由来する株059.AP−2、1984年)、UNC3009株(DEN3、D2863、スリランカ 1989年)、UNC3066(DEN3、プエルトリコ由来の株1342 1977年)、CH53489株(DEN3)、UNC4019株(DEN4)、またはTVP−360(DEN4)である。
【0055】
本発明の実施形態において、デングウイルスポリペプチド(例えば、Eタンパク質)の「免疫原として活性な断片」は、少なくとも約6個、8個、10個、12個、15個、20個、30個、50個、75個、100個、125個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、もしくは450個以上のアミノ酸、場合によっては連続したアミノ酸、および/または約495個、475個、450個、425個、400個、350個、300個、250個、200個、150個、100個、75個、もしくは50個未満のアミノ酸、場合によっては連続したアミノ酸を、下限が上限より小さい限りにおいて前記の数の任意の組合せを含めて、含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなり、この「免疫原として活性な断片」は、宿主においてデングウイルスに対する免疫応答(例えば、天然抗原と反応するIgGおよび/またはIgA)、場合によっては防御免疫応答を誘導し、また、本発明者らが新たに同定した四次構造デングウイルスエピトープに特異的に結合する抗体の産生を誘導する。
【0056】
本明細書において使用される「エピトープ」という用語は、適切な立体構造で存在する場合に、抗体(例えば、B細胞エピトープ)またはT細胞受容体(例えば、T細胞エピトープ)に対する反応部位を提供する、特異的アミノ酸配列を意味する。
【0057】
B細胞エピトープを含む、所与のポリペプチドの部分は、当技術分野において公知であるいくつものエピトープマッピング技術を用いて、同定することができる。(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,Glenn E.Morris,Ed.,1996,Humana Press,Totowa,N.J.を参照されたい)。例えば、直線状エピトープは、例えば、タンパク質分子の一部分に相当するペプチドを多数、固体支持体上で同時に合成し、それらのペプチドが支持体に引き続き結合している間に、それらのペプチドと抗体を反応させることによって、特定することができる。このような技術は当技術分野において公知であり、例えば、米国特許第4,708,871号、Geysen et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002;Geysen et al.(1986)Molec.Immunol.23:709−715において説明されている。
【0058】
同様に、立体構造エピトープも、例えば、X線結晶解析および二次元核磁気共鳴などによってアミノ酸の空間的立体構造を決定することによって、容易に同定することができる。また、タンパク質の抗原性領域は、例えば、Oxford Molecular Groupから入手可能なソフトウェアプログラムOmigaバージョン1.0を用いて計算されるもののような、標準的な抗原性およびハイドロパシープロットを用いて同定することもできる。このコンピュータープログラムは、抗原性プロファイルを決定するためにホップ/ウッズ(Hopp/Woods)法(Hopp et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA(1981)78:3824−3828)を、また、ハイドロパシープロットのためにカイト・ドーリットル(Kyte−Doolittle)手法(Kyte et al.,J.Mol.Biol.(1982)157:105−132)を用いる。
【0059】
一般に、対象の免疫系の細胞アームを刺激するのに関与しているT細胞エピトープは、約8〜25アミノ酸の短いペプチドである。T細胞エピトープを同定するための一般的な方法は、部分的に重なる合成ペプチドを使用し、関心対象の抗原に対して免疫性である動物に由来するT細胞によって認識されるこれらのペプチドのプールまたは個々のペプチドを、例えば、酵素結合イムノスポットアッセイ(ELISPOT)を用いて解析するものである。また、これらの部分的に重なるペプチドは、サイトカインの放出もしくは分泌の刺激などの他のアッセイにおいて使用され得、またはそのペプチドを含む主要組織適合性(MHC)四量体を構築することによって評価され得る。また、このような免疫原として活性な断片は、関心対象の抗原に由来する様々な断片による刺激に応答したリンパ球増殖を促進する能力に基づいて同定することもできる。
【0060】
本発明は、予防目的、治療目的、および/または診断目的のために実行することができる。さらに、本発明は、診断目的もしくは研究目的などの任意の目的のための、または別の対象への移行による受動免疫化のための抗体を産生させるために実行することもできる。
【0061】
本発明はさらに、1つまたは複数の本発明の組成物を含むキットも提供する。当技術分野において周知であると思われるように、本発明のキットは、適切な緩衝剤および/または希釈剤および/または他の溶液ならびにキットを使用するための指示と共に、キットの試薬(例えば、抗体、抗原、核酸)を入れるための1つまたは複数の容器および/または入れ物を含んでよいことが、当業者には十分に理解されると予想される。当技術分野において周知であるように、このようなキットは、アジュバントおよび/または他の免疫賦活剤もしくは免疫調節剤もさらに含んでよい。
【0062】
また、本発明の組成物およびキットは、他の医薬物質、薬学的物質、担体、希釈剤、免疫賦活性サイトカインなども含んでよい。このような剤形を調製する実際の方法は、当業者には公知であるか、または明らかになると予想される。
【0063】
対象への投与は、当技術分野において公知である任意の経路によって行うことができる。非限定的な例として、投与経路は、吸入(例えば、経口吸入および/または鼻吸入)、経口、口腔内(例えば、舌下)、直腸、膣、局所(気道への投与を含む)、眼内、経皮、非経口(例えば、筋肉内(例えば、骨格筋への投与)、静脈内、動脈内、および腹腔内など)、皮下(足蹠中への投与を含む)、皮内、胸膜内、脳内、および/またはくも膜下腔内の経路によることができる。
【0064】
本発明のエピトープ、ポリペプチド、VLP、およびウイルスベクターは、それ自体で、またはそれをコードする核酸(例えば、DNA)を送達することによって、送達することができる。
【0065】
免疫調節性のケモカインおよびサイトカイン(好ましくは、CTL誘導性サイトカイン)などの免疫調節性化合物は、対象に同時に投与されてよい。
【0066】
サイトカインは、当技術分野において公知である任意の方法によって投与されてよい。外因性サイトカインが対象に投与されてもよく、あるいは、サイトカインをコードする核酸が、適切なベクターを用いて対象に投与され、サイトカインがインビボで産生されてもよい。特定の実施形態において、ウイルスアジュバントはサイトカインを発現する。
【0067】
本発明の実施形態において、複数回の投与量(例えば、2回または3回以上)の本発明の組成物は、検出可能な病原性(例えば、デングショック症候群/デング出血熱)を伴わずに投与することができる。
【0068】
本発明の実施形態において、本発明の多価ワクチンは、免疫干渉をもたらさず、例えば、提示されるあらゆる抗原に対して、バランスの取れた免疫応答が誘導される。本発明の実施形態において、バランスの取れた応答は、DENV−1、DENV−2、DENV−3、およびDENV−4に対する防御免疫をもたらす。
【0069】
本発明の実施形態において、多価ワクチンは、抗デング移行抗体が存在する対象に投与することができる。
【0070】
本発明は、様々な形態で具体化することができ、本明細書において説明する実施形態に限定されると解釈されるべきではないことが理解されると予想される。もっと正確に言えば、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全となり、かつ本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0071】
他に規定されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の本発明の説明において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、本発明を限定することは意図しない。
【0072】
本明細書において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」は、1つまたは1つより多くを意味することができる。例えば、「1つの(a)」細胞は、単一の細胞または多数の細胞を意味することができる。
【0073】
また、本明細書において使用される場合、「および/または」とは、関連する列挙された項目の内の1つまたは複数のありとあらゆる可能な組合せ、ならびに択一的に解釈される場合(「または」)は、組合せがないことを意味し、包含する。
【0074】
用量の量(例えば、脂肪酸の量)などのような測定可能な値について述べる場合、本明細書において使用される「約」という用語は、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらに±0.1%の変動を含むことが意図される。
【0075】
本明細書において使用される場合、移行句「から本質的になる」は、特許請求の範囲が、請求項で列挙された特定の材料またはステップ、さらに特許請求された発明の「基本的かつ新規な特徴に重大な影響を及ぼさないもの」を包含すると解釈されるべきであることを意味する。In re Herz,537 F.2d 549,551−52,190 U.S.P.Q.461,463(CCPA 1976)(原文で強調されている)を参照されたい。また、MPEP§2111.03も参照されたい。したがって、本発明の特許請求の範囲において使用される場合の「から本質的になる」という用語は、「含む」に等しいと解釈されることを意図しない。
【0076】
本明細書において使用される場合、「核酸」という用語は、cDNA、ゲノムDNA、合成(例えば化学合成)DNA、およびRNAとDNAのキメラを含めて、RNAとDNAの両方を包含する。核酸は、二本鎖でも一本鎖でもよい。核酸は、ヌクレオチドの類似体または誘導体(例えば、イノシンヌクレオチドまたはホスホロチオアートヌクレオチド)を用いて合成され得る。このようなヌクレオチドは、例えば、塩基対合能力が変化した、またはヌクレアーゼに対する耐性が高くなった核酸を調製するのに使用することができる。
【0077】
本明細書において使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、別段の定めが無い限り、ペプチドとタンパク質(融合タンパク質を含む)の両方を包含する。
【0078】
「融合タンパク質」は、自然界では一つに融合して存在しない2つ(以上)の異なるポリペプチドをコードする2つの異種ヌクレオチド配列またはその断片が、正確な翻訳リーディングフレーム中で一つに融合している場合に産生されるポリペプチドである。
【0079】
「組換え型の」核酸、ポリヌクレオチド、またはヌクレオチドの配列とは、遺伝子工学技術によって作製されるものである。
【0080】
「組換え」ポリペプチドは、組換え型の核酸、ポリペプチド、またはヌクレオチドの配列から作製される。
【0081】
本明細書において使用される場合、「単離」ポリヌクレオチド(例えば、「単離核酸」または「単離ヌクレオチド配列」)とは、天然に存在する生物またはウイルスの他の構成要素、例えば、細胞もしくはウイルスの構造構成要素または一般にポリヌクレオチドと一緒に存在する他のポリペプチドもしくは核酸の少なくとも一部から少なくとも部分的に分離されているポリヌクレオチドを意味する。場合によっては、ただし必ずしもそうではないが、「単離」ポリヌクレオチドは、出発原料と比べて高い濃度で存在する(すなわち、濃縮されている)(例えば、少なくとも約2倍、3倍、4倍、10倍、20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、または10000倍以上の濃度)。代表的な実施形態において、単離ポリヌクレオチドは、少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%以上の純度である。
【0082】
「単離」ポリペプチドとは、天然に存在する生物またはウイルスの他の構成要素、例えば、細胞もしくはウイルスの構造構成要素または一般にポリペプチドと一緒に存在する他のポリペプチドもしくは核酸の少なくとも一部から少なくとも部分的に分離されているポリペプチドを意味する。場合によっては、ただし必ずしもそうではないが、「単離」ポリペプチドは、出発原料と比べて高い濃度で存在する(すなわち、濃縮されている)(例えば、少なくとも約2倍、3倍、4倍、10倍、20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、または10000倍以上の濃度)。代表的な実施形態において、単離ポリペプチドは、少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%以上の純度である。
【0083】
さらに、「単離」細胞とは、自然界で通常は一緒に存在する他の構成要素から部分的にまたは完全に分離された細胞である。例えば、単離細胞は、培養培地中の細胞および/または薬学的に許容される担体中の細胞であってよい。
【0084】
「免疫原」および「抗原」という用語は本明細書において同義的に使用され、細胞性免疫応答および/または体液性免疫応答が対象とすることができる任意の化合物(ポリペプチドを含む)を意味する。特定の実施形態において、免疫原または抗原は、デングウイルス感染の影響に対する防御免疫応答を誘導することができる。
【0085】
本明細書において使用される「有効量」とは、治療的効果および/または有益な効果であり得る所望の効果をもたらすのに十分である、本発明のベクター、核酸、エピトープ、ポリペプチド、細胞、粒子、VLP、組成物、または製剤の量を意味する。有効量は、対象の年齢、全身状態、治療される病態の重症度、投与される個々の作用物質、治療の継続期間、任意の併用治療の性質、使用される薬学的に許容される担体、ならびに当業者の知識および専門知識の範囲内の同様の因子によって変動する。必要に応じて、任意の個々の事例における「有効量」は、適切な関連図書および文献を参照することにより、かつ/またはごく普通の実験を用いることによって、当業者が決定することができる。
【0086】
別段の定めが無い限り、本明細書において使用される「免疫原性量」または「有効免疫量」という用語は、治療される対象において、免疫化されていない対象の生得的免疫より大きな免疫応答(場合によっては、防御応答であり得る)を誘導するのに十分な量または用量を意味する。任意の特定の状況における免疫原性量または有効免疫量は、当技術分野において公知の方法を用いて、慣例的に決定することができる。
【0087】
「ワクチン」、「ワクチン接種」、および「免疫化」という用語は、当技術分野において十分に理解されており、本明細書において同義的に使用される。例えば、ワクチン、ワクチン接種、または免疫化という用語は、(例えば、活発な免疫応答を実現することによって)免疫原に対する対象の免疫反応を増大させ、したがって、感染に抵抗する、打ち勝つ、および/または感染から回復する能力(すなわち、防御免疫応答)を増大させる、方法または組成物であると理解されてよい。
【0088】
「治療する」、「治療すること」、または「の治療」という用語(およびそれらの文法的変形)は、対象の病態の重症度が軽減されるか、少なくとも部分的に改善されるか、または良くなること、および/あるいは少なくとも1つの臨床症状のいくらかの軽減、緩和、もしくは減少が達成されるか、かつ/または疾患もしくは障害の進行が遅れることを意味する。代表的な実施形態において、「治療する」、「治療すること」、または「の治療」という用語(およびそれらの文法的変形)は、臨床疾患の他の徴候の有無に関わらず、ウイルス血症の重症度を低下させることおよび/またはウイルス血症の進行を遅らせることを意味する。
【0089】
本明細書において使用される「治療有効」量とは、対象を(本明細書において定義するように)治療するのに十分である量である。何らかの恩恵が対象に与えられる限り、治療効果は完全である必要も治癒的である必要もないことが、当業者には理解されよう。
【0090】
「予防する」、「予防すること」、または「の予防」という用語(およびそれらの文法的変形)は、対象における疾患、障害、および/もしくは臨床症状の発症および/もしくは進行を予防することおよび/もしくは遅らせること、ならびに/または本発明の方法を用いない場合に起こると思われるものと比べて、疾患、障害、および/もしくは臨床症状の発症および/もしくは進行の重症度を低下させることを意味する。代表的な実施形態において、「予防する」、「予防すること」、または「の予防」という用語(およびそれらの文法的変形)は、臨床疾患の他の徴候の有無に関わらず、対象におけるウイルス血症の発症および/または進行を予防することおよび/または遅らせることを意味する。予防は、完璧な場合があり、例えば、疾患、障害、および/または臨床症状をまったくなくする。また、予防は、部分的な場合もあり、その結果、対象における疾患、障害、および/もしくは臨床症状の発生、ならびに/または発症および/もしくは進行の重症度が、本発明を用いない場合に起こると思われるものよりも程度が低い。
【0091】
本明細書において使用される「予防有効」量とは、対象において疾患、障害、および/または臨床症状を(本明細書において定義するように)予防するのに十分である量である。何らかの恩恵が対象に与えられる限り、予防レベルは完全である必要はないことが、当業者には理解されよう。
【0092】
本発明の方法によるデングウイルス感染の治療および/または予防の有効性は、当業者には周知であるはずであるとおり、対象の症状および/または臨床的パラメーター(例えば、ウイルス血症)の変化によって示される臨床的改善を検出することによって、判定することができる。
【0093】
別段の定めが無い限り、「保護する」、「保護すること」、「保護」、および「防御的な」という用語(ならびにそれらの文法的変形)は、デングウイルスの1つまたは複数の株に対してであれ、遺伝子型に対してであれ、血清型に対してであれ、対象においてデングウイルス感染を予防する方法および治療する方法の両方を包含する。
【0094】
本明細書において使用される「防御」免疫応答または「防御」免疫という用語は、その免疫応答が、疾患または他の任意の感染徴候を予防するか、またはその発病率および/もしくは重症度および/もしくは持続期間を低減するという点で、対象に何らかの恩恵を与えることを示す。例えば、代表的な実施形態において、防御免疫応答または防御免疫により、臨床疾患を伴うか否かを問わず、ウイルス血症が緩和される。あるいは、防御免疫応答または防御免疫は、既にある疾患の治療的処置において有用である場合がある。
【0095】
「能動免疫応答」または「能動免疫」は、「免疫原との遭遇後に宿主組織および宿主細胞が関与する。これは、リンパ細網組織中の免疫担当細胞の分化および増殖を伴い、抗体合成もしくは細胞媒介性の反応性の発達、または両方をもたらす。」Herbert B.Herscowitz,Immunophysiology: Cell Function and Cellular Interactions in Antibody Formation,in IMMUNOLOGY: BASIC PROCESSES 117(Joseph A.Bellanti ed.,1985)ことを特徴とする。別の言い方をすると、能動免疫応答は、感染またはワクチン接種によって免疫原に曝露された後に宿主によって開始される。能動免疫は、「能動的に免疫化された宿主から免疫性のない宿主への前もって形成された物質(抗体、伝達因子、胸腺移植片、インターロイキン−2)の移動」を通じて獲得される受動免疫と対比することができる。前掲書。
【0096】
本発明の「対象」は、デングウイルスに感染しやすい任意の動物を含む。通常、このような対象は、哺乳動物対象(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、霊長類などの実験動物)、家畜もしくは商用動物(例えば、雌ウシ、ウマ、ヤギ、ロバ、ヒツジなど)、または飼い慣らされた動物(例えば、ネコ、イヌ、フェレット、など)である。特定の実施形態において、対象は、霊長類の対象、ヒト以外の霊長類対象(例えば、チンパンジー、ヒヒ、サル、ゴリラなど)、またはヒトである。本発明の対象は、デングウイルス感染のリスクがあることが公知であるか、またはそう考えられている対象であってよい。あるいは、本発明による対象は、デングウイルスに感染していることが前もって公知でも疑われてもいなく、デングウイルス感染の治療の必要もない対象を含んでもよい。
【0097】
対象は、任意の目的のために、例えば、その対象において防御免疫応答を誘発するか、または抗体産生を誘発するために処置されてよく、それらの抗体は、採取し、例えば、研究目的もしくは診断目的などの他の目的のために、または他の対象に投与してそこで受動免疫を生じさせるために、使用することができる。
【0098】
対象は、新生児、少年少女、十分成長した対象、および老齢の対象を含めて、任意の年齢の男性および/または女性を含む。ヒト対象に関して、代表的な実施形態において、対象は、乳児(例えば、約12ヶ月未満、10ヶ月未満、9ヶ月未満、8ヶ月未満、7ヶ月未満、もしくは6ヶ月未満もしくはそれより若い)、幼児(例えば、少なくとも約12ヶ月、18ヶ月、もしくは24ヶ月、および/または約36ヶ月未満、30ヶ月未満、もしくは24ヶ月未満)、または小児(例えば、少なくとも約1歳、2歳、3歳、4歳、もしくは5歳、および/または約14歳未満、12歳未満、10歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、5歳未満、もしくは4歳未満)であってよい。本発明の実施形態において、対象は、約0〜3、4、5、6、9、12、15、18、24、30、36、48、もしくは60ヶ月齢、約3〜6、9、12、15、18、24、30、36、48、もしくは60ヶ月齢、約6〜9、12、15、18、24、30、36、48、もしくは60ヶ月齢、約9〜12、15、18、24、30、36、48、もしくは60ヶ月齢、約12〜18、24、36、48、もしくは60ヶ月齢、約18〜24、30、36、48、もしくは60ヶ月齢、または約24〜30、36、48、もしくは60ヶ月齢であるヒト対象である。
【0099】
本発明の実施形態において、対象は、デングウイルスに対する移行抗体を有する。
【0100】
本発明の方法を「必要とする対象」は、デングウイルスに感染していることが公知であるか、もしくは疑われているか、またはデングウイルスに感染するリスクがある、対象であり得る。
【0101】
また、本発明のデングウイルスエピトープ、ポリペプチド、キメラフラビウイルスVLP、またはキメラフラビウイルス粒子、核酸、ベクター、細胞、または組成物および薬学的に許容される担体を含む薬学的製剤(例えば、免疫原性製剤)も提供され、公知の技術に従って、薬学的担体中で投与用に製剤化され得る。例えば、Remington,The Science And Practice of Pharmacy(最新版)を参照されたい。本発明の実施形態に従って薬学的組成物を製造する際、典型的には、本発明の組成物は、とりわけ、薬学的に許容される担体と混合される。「薬学的に許容される担体」とは、薬学的組成物中の他の成分と共存でき、かつ対象にとって有害でも有毒でもない担体を意味する。担体は、固体もしくは液体、または両方であってよく、好ましくは、単位用量の製剤、例えば、約0.01重量%もしくは0.5重量%〜約95重量%もしくは99重量%の組成物を含有し得る錠剤として、本発明の組成物と共に製剤化される。薬学的組成物は、これらに限定されないが、1つまたは複数の補助成分を場合によっては含む構成要素を混合することを含めて、周知の製薬技術のいずれかによって調製される。特定の実施形態において、薬学的に許容される担体は無菌であり、担体を含む薬学的組成物に関する規制ガイドラインに従って、ヒト対象に投与するのに適切とみなされると思われる。
【0102】
さらに、本発明による組成物の「薬学的に許容される」構成要素、例えば、塩、担体、賦形剤、または希釈剤は、(i)意図した目的に対して組成物を不適切にすることなく本発明の組成物と混合され得るという点で、組成物の他の成分と共存でき、かつ(ii)過度の有害副作用(毒性、刺激性、およびアレルギー応答など)を伴わずに、明細書において提供される対象と共に使用するのに適している、構成要素である。副作用は、組成物によって提供される恩恵をそれらのリスクが上回る場合、「過度」である。薬学的に許容される構成要素の非限定的な例は、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水エマルジョンのような乳濁液、マイクロエマルジョン、および様々な種類の湿潤剤などの標準的な薬学的担体のいずれかを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1つまたは1つより多くのアジュバントをさらに含んでよい。本発明のアジュバントは、アミノ酸配列の形態、および/またはアジュバントをコードする核酸の形態であってよい。核酸の形態である場合、アジュバントは、ポリペプチドもしくは断片もしくはエピトープをコードする核酸の構成要素、および/または本発明のポリペプチドもしくは断片もしくはエピトープをコードする核酸を含む組成物の別個の構成要素であってよい。本発明によれば、アジュバントは、アジュバントとして機能するペプチド、タンパク質断片、もしくは完全なタンパク質であるアミノ酸配列であってもよく、かつ/またはアジュバントは、アジュバントとして機能するペプチド、タンパク質断片、もしくは完全なタンパク質をコードする核酸であってもよい。本明細書において使用される場合、「アジュバント」とは、本発明の組成物と組み合わされて、対象における免疫応答を増強、改善、またはそうでなければ調節することができる、任意の免疫調節物質であり得る物質を表す。
【0104】
さらなる実施形態において、アジュバントは、免疫賦活性サイトカイン(GM/CSF、インターロイキン−2、インターロイキン−12、インターフェロン−γ、インターロイキン−4、腫瘍壊死因子−α、インターロイキン−1、造血因子flt3L、CD40L、B7.1共刺激分子、およびB7.2共刺激分子を含むが、これらに限定されない)、リン酸緩衝生理食塩水に溶かした5%(重量/体積)スクアレン(DASF、Parsippany、N.J.)、2.5%プルロニックL121ポリマー(Aldrich Chemical、Milwaukee)、および0.2%ポリソルベート(Tween 80、Sigma)から構成されるSYNTEXアジュバント製剤1(SAF−1)であってよいが、これらに限定されない。また、適切なアジュバントは、水酸化アルミニウムゲル(アルム)、リン酸アルミニウム、またはアルガンムリン(algannmulin)などのアルミニウム塩を含むが、カルシウム、鉄、もしくは亜鉛の塩であってもよく、あるいはアシル化チロシン、またはアシル化糖、陽イオン性もしくは陰イオン性に誘導体化された多糖類、またはポリホスファゼンの不溶性懸濁液であってよい。
【0105】
他のアジュバントは、当技術分野において周知であり、MF59、LT−K63、LT−R72(Pal et al.,Vaccine 24(6):766−75(2005))、QS−21、フロイントのアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP 11637、nor−MDPと呼ばれる)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A、MTP−PEと呼ばれる)、ならびに2%スクアレン/Tween80エマルジョン中に、細菌から抽出された3種類の構成要素、すなわちモノホスホリルリピドA、トレハロースジミコラート(trealose dimycolate)、および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含有するRIBIを含むが、これらに限定されない。
【0106】
さらなるアジュバントは、例えば、モノホスホリルリピドA、好ましくは3−O−脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)とアルミニウム塩の組合せを含み得る。強化されたアジュバントの系では、PCT公開番号WO94/00153において開示されているようなモノホスホリルリピドAとサポニン誘導体の組合せ、具体的にはQS21と3D−MPLの組合せ、またはPCT公開番号WO96/33739において開示されているような、QS21がコレステロールを用いて抑制されている、反応原性の低い組成物を使用する。水中油型エマルジョン中にQS21、3D−MPLおよびトコフェロールを含む特に強力なアジュバント製剤が、PCT公開番号WO95/17210において説明されている。さらに、本発明の核酸組成物は、抗原をコードするヌクレオチド配列およびCpG配列などアジュバント機能を提供するヌクレオチド配列を含むことによって、アジュバントを含むこともできる。このようなCpG配列またはモチーフは、当技術分野において周知である。
【0107】
例えば免疫賦活性サイトカインなど、本発明と共に使用するためのアジュバントは、対象に本発明の組成物を投与する前、投与と同時、ならびに/または投与する前および/もしくは後の2〜3時間、数時間、および/もしくは1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、および/もしくは10日以内に、投与されてよい。
【0108】
さらに、免疫賦活性サイトカインなどのアジュバントの任意の組合せは、本発明の免疫原性組成物の投与の前、後、および/または同時に、対象に併用投与されてもよい。例えば、免疫賦活性サイトカインの組合せは、GM/CSF、インターロイキン−2、インターロイキン−12、インターフェロン−γ、インターロイキン−4、腫瘍壊死因子−α、インターロイキン−1、造血因子flt3L、CD40L、B7.1共刺激分子、およびB7.2共刺激分子などの2種以上の免疫賦活性サイトカインからなってよい。アジュバントまたはアジュバントの組合せの有効性は、本明細書において説明し、また当技術分野において公知であるように、標準的手順を用いて、アジュバントまたはアジュバントの組合せがある場合およびない場合の、対象への本発明の組成物の投与に応答して生じる免疫応答を測定することによって、判定することができる。
【0109】
本発明の実施形態において、アジュバントは、例えば米国特許第7,862,829号において記載されているようなアルファウイルスアジュバントを含む。
【0110】
ブースト投与が、数日間、数週間、数ヶ月間、または数年間の時間経過の間、さらに投与されてもよい。慢性感染の場合、最初の高用量とそれに続くブースト用量が、有利である場合がある。
【0111】
本発明の薬学的製剤は、他の医薬物質、薬学的物質、安定化剤、緩衝剤、担体、希釈剤、塩、浸透圧調整剤、および湿潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートなどを場合によっては含んでよい。
【0112】
注射の場合、典型的には担体は液体である。他の投与方法の場合、担体は、固体または液体のいずれかでよい。吸入投与の場合、担体は、呼吸に適するものであり、典型的には、固体粒子形態または液体粒子形態で存在する。
【0113】
本発明の組成物は、公知の技術に従って、薬学的担体中で投与用に製剤化され得る。例えば、Remington,The Science And Practice of Pharmacy(9
th Ed.1995)を参照されたい。本発明による薬学的組成物を製造する際、典型的には、VLPは、とりわけ、許容される担体と混合される。担体は、固体もしくは液体、または両方であってよく、単位用量の製剤、例えば錠剤として、化合物と共に場合によっては製剤化される。様々な薬学的に許容される水性担体、例えば、水、緩衝水、0.9%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸、パイロジェンフリーの水、パイロジェンフリーのリン酸緩衝生理食塩水溶液、静菌水、またはCremophor EL(登録商標)(BASF、Parsippany、N.J.)などが使用され得る。これらの組成物は、従来の技術によって滅菌することができる。本発明の製剤は、周知の製薬技術のいずれかによって調製することができる。
【0114】
薬学的製剤は、そのままの状態で使用するために包装されても凍結乾燥されてもよく、一般に、凍結乾燥された製剤は、投与前に滅菌済みの水溶液と混合される。さらに、これらの組成物は、単位投与用容器または多回投与用容器中に、例えば、密閉式のアンプルおよびバイアル中に入れられてもよい。
【0115】
薬学的製剤は、従来の製薬技術に従う当技術分野において公知である任意の方法によって、投与用に製剤化することができる。例えば、組成物は、鼻腔内に、吸入(例えば、経口吸入)によって、経口的に、口腔内に(例えば、舌下に)、直腸に、腟内に、局所的に、くも膜下腔内に、眼内に、経皮的に、非経口投与によって(例えば、筋肉内[例えば、骨格筋]、静脈内、皮下、皮内、胸膜腔内、脳内、および動脈内、くも膜下腔内)、または局所的に(例えば、気道表面を含めて、皮膚表面および粘膜表面の両方に)投与するために、製剤化することができる。
【0116】
鼻腔内投与または吸入投与のために、薬学的製剤は、エアロゾル剤(この用語は、液状エアロゾル剤と乾燥粉末エアロゾル剤の両方を含む)として製剤化することができる。例えば、薬学的製剤は、界面活性剤および噴射剤と共に微粉砕された形態で提供され得る。組成物の典型的な比率は、0.01〜20重量%、好ましくは1〜10%である。通常、界面活性剤は、非毒性で、噴射剤に溶解できる。このような作用物質の代表例は、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリン酸(olesteric)、およびオレイン酸など6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸と脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物とのエステルまたは部分エステルである。混合グリセリドまたは天然グリセリドなどの混合エステルが使用されてもよい。界面活性剤は、組成物の0.1〜20重量%、好ましくは0.25〜5%を構成してよい。普通は、組成物の残りの部分は、噴射剤である。また、所望の場合は、鼻腔内送達用のレシチンのように、担体も含まれてよい。液状粒子のエアロゾル剤は、任意の適切な手段によって、例えば、当業者に公知であるように、圧力によって動かされるエアロゾル剤噴霧器または超音波噴霧器を用いて作製することができる。例えば、米国特許第4,501,729号を参照されたい。同様に、固体粒子のエアロゾル剤も、薬学分野において公知の技術によって、任意の固体微粒子医薬エアロゾル剤発生器を用いて作製することができる。また、鼻腔内投与は、鼻腔面への液滴投与によってもよい。
【0117】
注射剤は、液状の液剤もしくは懸濁剤、注射前に液体中に溶解もしくは懸濁するのに適した固形形態として、またはエマルジョンとして、従来の形態で調製することができる。あるいは、例えば、デポー製剤または徐放性製剤において、全身的よりはむしろ局所的に、薬学的製剤を投与することもできる。
【0118】
用時溶解の注射用の液剤および懸濁剤は、既に説明した種類の無菌の散剤、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。例えば、密閉容器に入れられた、単位剤形の注射用の安定な無菌の本発明の製剤が提供され得る。製剤は、凍結乾燥物の形態で提供されてよく、適切な薬学的に許容される担体を用いてこの凍結乾燥物を元に戻して、対象に注射するのに適した液体組成物を形成させることができる。単位剤形は、約1μg〜約10gの製剤であり得る。製剤が実質的に非水溶性である場合、薬学的に許容される十分な量の乳化剤を、水性担体中で製剤を乳化するのに十分な量で含めてよい。1つのこのような有用な乳化剤は、ホスファチジルコリンである。
【0119】
経口投与に適した薬学的製剤は、カプセル剤、カシェ剤、ロゼンジ、もしくは錠剤など個別の単位で、散剤もしくは顆粒剤として、水性液体もしくは非水性液体に溶かした液剤もしくは懸濁剤として、または水中油型エマルジョンもしくは油中水型エマルジョンとして、提供されてよい。経口送達は、本発明の化合物と動物の腸内の消化酵素による分解に耐えることができる担体との複合体を形成させることによって実施することができる。このような担体の例は、当技術分野において公知であるように、プラスチックカプセル剤または錠剤を含む。このような製剤は、タンパク質と(上記の1つまたは複数の補助成分を含み得る)適切な担体とを結合させるステップを含む、任意の適切な製薬方法によって調製される。一般に、薬学的製剤は、化合物を液状担体もしくは微粉砕した固形担体または両方と均一かつ密接に混合し、次いで、必要な場合には、得られた混合物を成形することによって、調製される。例えば、錠剤は、場合によっては1つまたは複数の補助成分と共に粉末または顆粒を圧縮または成形することによって、調製することができる。圧縮錠剤は、場合によっては、結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、および/または界面活性剤/分散剤と混合された、粉末または顆粒など易流動性の形態の調合物を、適切な機械中で圧縮することによって、調製される。成形錠剤は、不活性な液状結合剤で湿らせた粉末状タンパク質を適切な機械中で成形することによって、製造される。
【0120】
口腔内(舌下)投与に適した薬学的製剤は、風味付きの基剤、通常、スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴム中の化合物を含むロゼンジ、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性な基剤中のトローチを含む。
【0121】
非経口投与に適した薬学的製剤は、無菌の水性注射液剤および非水性注射液剤を含んでよく、これらの製剤は、好ましくは、意図される受領者の血液と等張性である。これらの製剤は、組成物を意図される受領者の血液と等張性にする、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および溶質を含有してよい。水性および非水性の無菌の懸濁剤、液剤、および乳剤は、懸濁化剤および増粘剤を含んでよい。非水性溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなど注射可能な有機エステルである。水性担体は、生理食塩水および緩衝媒体を含めて、水、アルコール性/水性溶液、乳濁液、または懸濁液を含む。非経口ビヒクルは、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース、および塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル、または不揮発性油を含む。静脈内用ビヒクルは、流動体および栄養素補充液、ならびに電解質補充液(例えば、リンゲルデキストロースをベースとするもの)などを含む。また、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなどの保存剤および他の添加剤も存在してよい。
【0122】
直腸投与に適した薬学的製剤は、場合によっては、単位用量の坐剤として提供される。これらは、活性物質を1つまたは複数の従来の固形担体、例えばココアバターと混合し、次いで、得られた混合物を成形することによって、調製することができる。
【0123】
皮膚への局所適用に適した薬学的製剤は、好ましくは、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パスタ剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤、またはオイル剤の形態をとる。使用され得る担体は、これらに限定されないが、石油ゼリー、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮浸透促進剤(transdermal enhancer)、およびそれらの2つ以上の組合せを含む。いくつかの実施形態において、例えば、局所送達は、本発明の薬学的製剤を、皮膚中に通過することができる親油性試薬(例えば、DMSO)と混合することによって実施することができる。
【0124】
経皮投与に適した薬学的製剤は、長時間にわたって対象の表皮にじかに接触した状態のままであるように適合された個別の貼付剤の形態で存在してよい。また、経皮投与に適した製剤は、イオン導入法(例えば、Pharmaceutical Research 3:318(1986)を参照されたい)によっても送達することができ、典型的には、化合物の緩衝水溶液の形態をとる。適切な製剤は、クエン酸緩衝液またはビス/トリス緩衝液(pH6)もしくはエタノール/水を含んでよく、また、0.1〜0.2Mの活性成分を含有してよい。
【0125】
本発明の実施形態において、本発明のウイルス粒子の投与量は、約10
4〜約10
7プラーク形成単位(PFU)の範囲であってよい。本発明の実施形態において、本発明のVLPの投与量は、約500マイクログラム〜約5ミリグラムの範囲であってよい。本発明の実施形態において、本発明のタンパク質の投与量は、約10
0〜約10
4マイクログラム+/−アジュバントの範囲であってよい。
【0126】
さらに、組成物は、リポソーム製剤として製剤化されてもよい。使用される脂質層は、任意の従来の組成物からなってよく、コレステロールを含有してもよく、またはコレステロールを含まなくてもよい。作製されるリポソームは、例えば、標準的な超音波処理技術およびホモジナイゼーション技術を用いて、大きさを小さくすることができる。
【0127】
リポソーム製剤を凍結乾燥して、水などの薬学的に許容される担体を用いて元に戻してリポソーム懸濁液を再生することができる凍結乾燥物を作製することができる。
【0128】
本発明の免疫原性製剤は、場合によっては無菌であってよく、またさらに、病原体を通さない密閉式容器に入れて提供されてもよい。
【実施例】
【0129】
合成生物学は、ウイルスゲノムのゲノム構造、発現、および編成に対する比類のない遺伝的制御を提供する。デングウイルス(DENV)複合体は、抗原性は類似しているが、ヒト集団において複雑なパターンの交差反応性の中和抗体応答および促進抗体応答を誘導する、DENV血清型1〜4と呼ばれる4種の近縁ウイルスからなる。DENV血清型間の抗原性関係を研究するために、本発明者らは、安定なDENV1〜4分子クローンおよび継代回数の少ない臨床分離株に基づく組換えウイルスのパネルの構築および特徴付けについて説明する。組換えウイルスは、野生型ウイルスのように複製し、適切なマーカー変異をコードした。DENV3における自然変異の役割を評価するために、遺伝学的および地理学的に異なる4種のDENV−3遺伝子型に基づくE遺伝子により親エンベロープ(E)糖タンパク質遺伝子を置換することによって、合成によって設計した4つの同質な遺伝子構築物を作製した。組換えウイルスは、昆虫宿主および哺乳動物宿主における増殖に関して評価したところ、生存能力があった。また、モノクローナル中和試験およびポリクローナル中和試験により、DEN3中和の自然微小変異が交差中和の感受性のパターンに影響することが実証される。所定のエピトープをマッピングするための組換えDNA技術の使用を評価するために、本発明者らは、エスケープ変異およびエピトープマッピングを用いて、いくつかのエピトープの座標をマッピングした。次いで、本発明者らは、株間でこれらのエピトープを交換した。組換えウイルスは生存能力があった。また、モノクローナル血清およびポリクローナル血清を用いた機能獲得および機能喪失のアッセイにより、ワクチン設計において重要な考慮すべき事柄を示す抗原性パターンが明らかになった。
【0130】
抗デングウイルス(DENV)ヒトモノクローナル抗体(mAb)5J7は、DENV−3エンベロープ(E)糖タンパク質上のエピトープに結合することによって、DENV血清型3(DENV−3)を強力に中和する。このエピトープは、EドメインI−II(EDI−II)ヒンジとして公知であるE領域にまたがっている。DENV感染クローンプラットフォームを用いて、DENV−3 5J7エピトープをDENV血清型1(DENV−1)E糖タンパク質に移植した。この移植により、組換えDENV−1/3ウイルスは、mAb−5J7による中和に対して感受性になる。意義あることだが、移植は、天然のDENV−1抗原性構造を破壊せず、組換えウイルスは、DENV−1ヒトポリクローナル血清とDENV−3ヒトポリクローナル血清の両方に対して感受性である。この感受性から、DENV−1/3キメラE糖タンパク質が、2種のウイルス血清型、すなわちDENV−1およびDENV−3に対する中和抗体を誘導できる二価ワクチンとして機能し得ることが示される。
【0131】
前述の内容は、本発明を例示するものであり、それを限定するものとして解釈されるべきではない。本発明は、以下の特許請求の範囲、およびその中に含まれ得る特許請求の範囲の等価物によって、定義される。
【0132】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献はすべて、参考文献が提示される文章および/または段落に関連する教示のために、その全体が参照により本明細書の一部をなすものとする。
【0133】
【表6】
【0134】
【表7】
【0135】
【表8】
【0136】
【表9】
【0137】
【表10】
【0138】
<配列>
UNC 3001(DENV−3)アミノ酸配列
【表11】
【0139】
WestPac74(DENV−1)アミノ酸配列
【表12】
【0140】
WestPac74ヒンジ(DENV1/3)アミノ酸配列
【表13】
【0141】
3001−1F4E(DENV3/1)アミノ酸配列
【表14】
【0142】
icデング(Dengue)III UNC 3001
【表15A】
【表15B】
【表15C】
【0143】
icデングI WestPac’74
【表16A】
【表16B】
【表16C】