(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526022
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】トランシーバにおける電力消費低減
(51)【国際特許分類】
H04B 7/04 20170101AFI20190527BHJP
H01Q 3/24 20060101ALI20190527BHJP
H01Q 3/36 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
H04B7/04
H01Q3/24
H01Q3/36
【請求項の数】21
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-547048(P2016-547048)
(86)(22)【出願日】2015年1月8日
(65)【公表番号】特表2017-506031(P2017-506031A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】US2015010568
(87)【国際公開番号】WO2015108745
(87)【国際公開日】20150723
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】14/158,337
(32)【優先日】2014年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ウェイスマン、ハイム・メンデル
(72)【発明者】
【氏名】ブッラ、ギャンガドハー
(72)【発明者】
【氏名】ラビブ、ライオール
(72)【発明者】
【氏名】ツファティ、ヨセフ
【審査官】
大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0266085(US,A1)
【文献】
特開2007−174090(JP,A)
【文献】
特開2009−260993(JP,A)
【文献】
特開2013−131898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/04
H01Q 3/24
H01Q 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置において、
移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの第1のアンテナに結合するように構成されている第1の増幅器と、
前記アンテナエレメントのアレイの第2のアンテナに結合するように構成されている第2の増幅器と、
送信または受信メトリックがしきい値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、前記第1および前記第2の増幅器のうちの1つをオフにするように構成されている制御回路とを具備し、
前記しきい値は、受信した信号または送信されることになる信号の、エラーベクトル振幅(EVM)に基づいている装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記第1の増幅器に結合されている第1のバイアスレジスタと前記第2の増幅器に結合されている第2のバイアスレジスタとを備え、
前記第1のバイアスレジスタと前記第2のバイアスレジスタは、プロセッサに結合されている請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナに結合するように構成されている第1の低ノイズ増幅器と、前記第2のアンテナに結合するように構成されている第2の低ノイズ増幅器とをさらに具備し、
前記第1の低ノイズ増幅器は前記第1の増幅器に結合するように構成され、前記第2の低ノイズ増幅器は前記第2の増幅器に結合するようにさらに構成され、
前記第1の増幅器と前記第2の増幅器は、電力増幅器であり、
前記制御回路は、前記第1の低ノイズ増幅器と前記第2の低ノイズ増幅器とにさらに結合されている請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第1の増幅器の入力と前記第1の低ノイズ増幅器の出力とに結合されている第1の位相シフターと、
前記第2の増幅器の入力と前記第2の低ノイズ増幅器の出力とに結合されている第2の位相シフターとをさらに具備する請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記移動体デバイスのアンテナエレメントの第2のアレイ中のアンテナに結合するように構成されている少なくとも1つの増幅器をさらに具備し、
前記アンテナエレメントの第2のアレイは、選択的にディセーブルされるように構成されている請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記制御回路は、制御信号を受信して、前記制御信号に基づいて、前記第1および第2の増幅器のうちの1つをオフにする一方で、前記第1および第2の増幅器のうちの他はアクティブなままであるようにさらに構成され、
前記制御信号は、前記送信または受信メトリックが前記しきい値を超えているか否かを示す請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記送信または受信メトリックは、前記移動体デバイスの送信スループットまたは前記移動体デバイスの信号対ノイズ比に関連する請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記移動体デバイスの受信機の信号対ノイズ比(SNR)条件にさらに基づいて、前記第1および第2の増幅器のうちの1つをオフにするように構成されている請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記しきい値は、前記EVMに基づく特定のエラーの数に関連する特定の送信データレートに対応する請求項1記載の装置。
【請求項10】
装置において、
第1の入力信号を増幅する第1の手段と、
第2の入力信号を増幅する第2の手段と、
送信または受信メトリックがしきい値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、前記増幅する第1の手段と前記増幅する第2の手段とのうちの1つを選択的にディセーブルする手段とを具備し、
前記増幅する第1の手段は、移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの第1のアンテナに結合するように構成され、
前記増幅する第2の手段は、前記アンテナエレメントのアレイの第2のアンテナに結合するように構成され、
前記しきい値は、受信した信号または送信されることになる信号の、エラーベクトル振幅(EVM)に基づいている装置。
【請求項11】
前記増幅する第1の手段に結合されている、位相シフトする第1の手段と、
前記増幅する第2の手段に結合されている、位相シフトする第2の手段をさらに具備する請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記送信または受信メトリックは、前記移動体デバイスの送信スループットに関連し、前記送信スループットが前記しきい値を超えることに基づいて、前記選択的にディセーブルする手段は、前記増幅する第1の手段と前記増幅する第2の手段とのうちの1つをディセーブルするように構成されている請求項10記載の装置。
【請求項13】
第3の入力信号を増幅する第3の手段と、
第4の入力信号を増幅する第4の手段とをさらに具備し、
前記増幅する第3の手段の入力は、前記第1のアンテナに結合するように構成され、
前記増幅する第4の手段の入力は、前記第2のアンテナに結合するように構成されている請求項10記載の装置。
【請求項14】
前記増幅する第3の手段と前記増幅する第4の手段は、前記選択的にディセーブルする手段に結合されている請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記しきい値は、前記EVMに基づく特定のエラーの数に関連する特定の送信データレートに対応する請求項10記載の装置。
【請求項16】
方法において、
送信または受信メトリックがしきい値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの、第1のアンテナまたは第2のアンテナのうちの少なくとも1つの使用を選択的にディセーブルすることと、
前記送信または受信メトリックが前記しきい値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナに結合されている第1の増幅器と前記第2のアンテナに結合されている第2の増幅器とのうちの少なくとも1つに提供される電流を選択的に低減させることとを含み、
前記しきい値は、受信した信号または送信されることになる信号の、エラーベクトル振幅(EVM)に基づいている方法。
【請求項17】
前記送信または受信メトリックが前記しきい値より大きい間、少なくとも1つの信号を受信することをさらに含み、
前記送信または受信メトリックは、前記移動体デバイスの送信データレートに関連する請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記送信データレートが前記しきい値を下回るまで、
前記少なくとも1つの信号を使用する電流低減と、
前記少なくとも1つの信号を使用する、アクティブなアンテナの数の低減とのうちの少なくとも1つを実行することをさらに含む請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナのうちの少なくとも1つの使用を選択的にディセーブルすることは、低ノイズ増幅器を選択的にディセーブルすることを含む請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記移動体デバイスのアンテナエレメントの第2のアレイのうちの少なくとも1つのアンテナの使用をディセーブルすることをさらに含む請求項16記載の方法。
【請求項21】
前記しきい値は、前記EVMに基づく特定のエラーの数に関連する特定の送信データレートに対応する請求項16記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001]
本願は、共通して所有している、2014年1月17日に出願された米国非仮特許出願第14/158,337号からの優先権を主張し、その内容は、参照によってその全体が明確にここに組み込まれている。
【0002】
[0002]
本開示は、一般的に電力消費を低減させることに関連している。
【0003】
[0003]
テクノロジーにおける進歩は、結果として、より小型で、より強力なコンピューティングデバイスをもたらした。例えば、現在は、ポータブルワイヤレス電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ページングデバイスのような、ワイヤレスコンピューティングデバイスを含む、さまざまなポータブルパーソナルコンピューティングデバイスが存在し、それらは、小型で、軽量で、ユーザにより容易に持ち運べる。より具体的には、セルラ電話機およびインターネットプロトコル(IP)電話機のようなポータブルワイヤレス電話機は、ワイヤレスネットワーク上で音声およびデータパケットを通信できる。さらに、多くのこのようなワイヤレス電話機は、そこに組み込まれる他のタイプのデバイスを含んでいる。例えば、ワイヤレス電話機は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルレコーダ、およびオーディオファイルプレーヤーも含むことができる。また、このようなワイヤレス電話機は、インターネットにアクセスするために使用することができるウェブブラウザアプリケーションのようなソフトウェアアプリケーションを含む、実行可能命令を処理できる。このように、これらのワイヤレス電話機は、かなりの計算能力を含むことができる。
【0004】
[0004]
ワイヤレス電話機は、ワイヤレスネットワークを使用して、信号を受信および送信するように動作可能なトランシーバを含んでいてもよい。例えば、ビーム形成を使用して、パス損失を克服し、受信信号の信号対ノイズ比を増加させるような、向上した送信能力のために、複数のアンテナを有するアレイを、ワイヤレスネットワークは含んでいてもよい。各複数のアンテナアレイは、動作の間、比較的大量の電力を消費する、非常に多くの無線周波数(RF)コンポーネント(例えば、低ノイズ増幅器、電力増幅器、ミキサ等)を含んでいるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】[0005]
図1は、ワイヤレスシステムと通信するワイヤレスデバイスを示している。
【
図2】[0006]
図2は、トランシーバにおいて、電力消費を低減させるために動作可能な、システムの例示的な実施形態を描いているブロックダイヤグラムである。
【
図3】[0007]
図3は、
図1のシステムにしたがって、電力増幅器に提供される電流の量を選択的に低減させ、トランシーバにおけるアンテナの使用を選択的にディセーブルする効果を図示しているグラフである。
【
図4】[0008]
図4は、トランシーバにおける電力消費を低減させるための方法の例示的な実施形態を図示しているフローチャートである。
【
図5】[0009]
図5は、トランシーバにおける電力消費を低減させるための方法の例示的な実施形態を図示しているフローチャートである。
【
図6】[0010]
図6は、トランシーバにおける電力消費を低減させるための方法の別の実施形態を図示しているフローチャートである。
【
図7】[0011]
図7は、トランシーバにおける電力消費を低減させるための方法の別の実施形態を図示しているフローチャートである。
【0006】
[0012]
以下で述べる詳細な説明は、本開示の例示的な設計の説明として意図され、本開示が実現できる唯一の設計を表すようには意図されていない。用語「例示的な」は、「例、事例、または実例として機能すること」を意味するようにここで使用される。「例示的な」ものとしてここで記述する何れの設計も、他の設計と比較して、必ずしも好ましいまたは有利なものと解釈されるものではない。詳細な説明は、本開示の例示的な設計の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含んでいる。ここで説明する例示的な設計は、これらの特定の詳細なしで実現できることが当業者にとって明らかだろう。いくつかの事例において、周知の構造およびデバイスは、ここで提示する例示的な設計の新規性を曖昧にすることを避けるために、ブロックダイヤグラム形態で示される。
【0007】
[0013]
図1は、ワイヤレス通信システム120と通信するワイヤレスデバイス110を示している。ワイヤレス通信システム120は、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))システム、コード分割多元接続(CDMA)システム、移動体通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、または、他の何らかのワイヤレスシステムであってもよい。CDMAシステムは、ワイドバンドCDMA(WCDMA(登録商標))、CDMA1X、エボリューションデータオプティマイズド(EVDO)、時分割同期CDMA(TD−SCDMA)、またはCDMAの他の何らかのバージョンを実現してもよい。簡略化のために、
図1は、2つの基地局130および132と、1つのシステム制御装置140とを含むワイヤレス通信システム120を示している。一般的に、ワイヤレスシステムは、任意の数の基地局と任意のセットのネットワークエンティティとを含んでいてもよい。
【0008】
[0014]
ワイヤレスデバイス110はまた、ユーザ機器(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局等として呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110は、セルラ電話機、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスモデム、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレス電話機、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイス等であってもよい。ワイヤレスデバイス110は、ワイヤレス通信システム120と通信してもよい。ワイヤレスデバイス110は、ブロードキャスト局(例えば、ブロードキャスト局134)からの信号、1つ以上のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)中の衛星(例えば衛星150)からの信号等も受信してもよい。ワイヤレスデバイス110は、LTE、WCDMA、CDMA1X、EVDO、TD−SCDMA、GSM、802.11等のような、ワイヤレス通信のための1つ以上の無線テクノロジーをサポートしていてもよい。
【0009】
[0015]
図2を参照すると、トランシーバにおける電力消費を低減させるように動作可能なシステム200の例示的で実例的な実施形態が示されている。システム200は、プロセッサ202(例えば、動的電力制御装置)、無線周波数(RF)回路204、206、および信号処理回路208を含んでいる。システム200は、移動体デバイスに対応していてもよく、または、移動体デバイス内に含まれていてもよい。例えば、移動体デバイスは、移動体電話機、ラップトップコンピュータ、タブレット、音楽プレーヤー、ビデオプレーヤー、エンタテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等に対応していてもよい。例示的な実施形態において、電気電子技術者協会(IEEE)802.11adのような業界標準規格にしたがって使用される、ミリメータ(mm)周波数システム(例えば、60ギガヘルツ(GHz)無線周波数集積回路(RFIC))を、システム200は含んでいてもよい。
【0010】
[0016]
プロセッサ202は、以下で説明するように、電力消費を動的に低減させるために、RF回路204、206のコンポーネントに、そして信号処理回路208のコンポーネントに結合されていてもよい。プロセッサ202は、命令を実行するように構成されていてもよい。
図2中に図示するように、プロセッサ202に関係付けられている接続は、点線を使用して示されている。
【0011】
[0017]
第1のアンテナ210a、第2のアンテナ210b、第Nのアンテナ210cは、RF回路204に結合されていてもよく、Nは、1より大きい任意の整数に対応する。非限定的な例として、Nが7と等しい場合、RF回路204は、7つのアンテナに結合されているだろう。各アンテナ210a−210cは、対応する電力増幅器(PA)212a−212cに、そして対応する低ノイズ増幅器(LNA)214a−214cに結合されていてもよい。例えば、第1のアンテナ210aは、第1の電力増幅器(PA
1)212aに、そして第1の低ノイズ増幅器(LNA
1)214aに結合されていてもよく、第2のアンテナ210bは、第2の電力増幅器(PA
2)212bに、そして第2の低ノイズ増幅器(LNA
2)214bに結合されていてもよく、第Nのアンテナ210cは、第Nの電力増幅器(PA
N)212cに、そして第Nの低ノイズ増幅器(LNA
N)214cに結合されていてもよい。
【0012】
[0018]
各電力増幅器212a−212cは、対応するアンテナ210a−210cを介して、(示していない)ワイヤレスネットワーク上で送信されることになる信号を増幅するように構成されていてもよい。各低ノイズ増幅器214a−214cは、対応するアンテナ210a−210cを介して、ワイヤレスネットワークから受信する信号の利得を、増幅して、改善するように構成されていてもよい。第1のアンテナ210aは、第1の方向に関する信号を送信および受信するように結合されていてもよく、第2のアンテナ210bは、第2の方向に関する信号を送信および受信するように結合されていてもよく、第Nのアンテナ210cは、第3の方向に関する信号を送信および受信するように結合されていてもよい。
【0013】
[0019]
第1の位相シフタ216aは、第1の電力増幅器212aに、そして第1の低ノイズ増幅器214aに結合されていてもよく、第2の位相シフタ216bは、第2の電力増幅器212bに、そして第2の低ノイズ増幅器214bに結合されていてもよく、第Nの位相シフタ216cは、第Nの電力増幅器212cに、そして第Nの低ノイズ増幅器214cに結合されていてもよい。各位相シフタ216a−216cは、ビーム形成動作において、対応するビームをステアリングしてもよい。
【0014】
[0020]
第1の制御回路218a(例えば、第1のバイアスレジスタ)は、第1の電力増幅器212aに結合されていてもよく、第2の制御回路218b(例えば、第2のバイアスレジスタ)は、第2の電力増幅器212bに結合されていてもよく、第Nの制御回路218c(例えば、第Nのバイアスレジスタ)は、第Nの電力増幅器212cに結合されていてもよい。例示的な実施形態において、第1の制御回路218a、第2の制御回路218b、および第Nの制御回路218cを、単一の制御回路として実現してもよい。各制御回路218a−218cは、プロセッサ202によって提供されるデジタルコード(例えば、制御信号)に基づいて、対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を調節(例えば、増加または減少)するように構成されていてもよい。電力増幅器212a−212cに提供される電流を低減させること(例えば、減少させること)は、システム200において消費される電力の量を低減させる。
【0015】
[0021]
各制御回路218a−218cはまた、各電力増幅器212a−212cを選択的に「オン」してもよく、したがって、対応するアンテナ210a−210cの使用を選択的にイネーブル(例えば、アンテナ210a−210cを信号処理回路208に結合)してもよい。さらに、各制御回路218a−218cは、各電力増幅器212a−212cの使用を選択的に「オフ」してもよく、したがって、対応するアンテナ210a−210cの使用を選択的にディセーブル(例えば、アンテナ210a−210cを信号処理回路208から減結合)してもよい。アンテナ210a−210cの使用をディセーブルすることは、システム200において消費される電力の量を低減させる。制御回路218a−218cは、対応するLNA214a−214cにも結合され、LNA214a−214cを選択的にイネーブル(またはディセーブル)してもよい。
【0016】
[0022]
図2中に図示するように、RF回路204は、電力増幅器212a−212c、低ノイズ増幅器214a−214c、位相シフタ216a−216c、および制御回路218a−218cを含んでいる。別の実施形態では、RF回路204は、
図2中で図示されているコンポーネントのサブセットを含んでいてもよい。非限定的な例として、RF回路204は、電力増幅器212a−212c、位相シフタ216a−216c、および制御回路218a−218c(例えば、送信機タイプコンフィギュレーション)を含んでいてもよい。
【0017】
[0023]
RF回路206は、RF回路204に関して説明したのと類似するコンポーネントを含んでいてもよく、RF回路206は、RF回路204と実質的に類似する方法で動作してもよい。例えば、RF回路206は、電力増幅器、低ノイズ増幅器、位相シフタ、制御回路、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。複数のアンテナは、RF回路204に関して説明したのと類似する方法で、RF回路206に結合されていてもよい。
【0018】
[0024]
RF回路204は、第1のスイッチ220を介して信号処理回路208に選択的に結合されてもよく、RF回路206は、第2のスイッチ222を介して信号処理回路208に選択的に結合されてもよい。第1のスイッチ220および第2のスイッチ222は、プロセッサ202によって制御されてもよい。例えば、プロセッサ202からの制御信号に応答して、第1のスイッチ220はRF回路204をディセーブル(例えば、信号処理回路208からアンテナエレメント204の第1のアレイを減結合)してもよい。類似した方法で、第2のスイッチ222は、プロセッサ202からの制御信号に応答して、RF回路206をディセーブルしてもよい。RF回路204、RF回路206、または、これらの任意の組み合わせをディセーブルすることは、システム200において消費される電力の量を低減させる。
【0019】
[0025]
信号処理回路208は、受信した信号および/または送信されることになる信号を処理するように構成されていてもよい。例えば、信号処理回路208は、(示されていない)送信ミキサ、(示されていない)受信ミキサ、(示されていない)送信可変利得増幅器、(示されていない)受信可変利得増幅器、(示されていない)デジタルアナログ変換器(DAC)、(示されていない)アナログデジタル変換器等を含んでいてもよい。信号処理回路208は、(示されていない)電力調節ユニットを含んでいてもよい。電力調節ユニットは、プロセッサ202に応答して、送信されることになるデータの送信レート(例えば、送信スループットレート)を調節してもよい。送信されることになるデータの送信レートを低減させることは、システム200において消費される電力の量を低減させることができる。
【0020】
[0026]
プロセッサ202は、電子デバイス(例えば、移動体通信デバイス)の送信スループットを決定するように構成されてもよい。送信スループットは、特定の時間におけるデータ送信のためのワイヤレスチャネルに関係付けられているデータレートに対応していてもよい。例えば、少なくとも1つの受信信号、または、送信されることになる信号において、ビーム形成プロセスを実行して、エラーベクトル振幅(EVM)を決定(例えば、計算)してもよい。ビーム形成は、特定の角度における信号が、互いに強め合う干渉ができるようにする一方で、他の信号が、互いに弱め合う干渉ができるようにして、指向性信号送信および/または指向性信号受信を提供する。ノイズ、干渉信号(例えば、ビーム形成)、非線形歪み等の関数である、信号品質の尺度として、EVMを使用してもよい。したがって、送信スループットは、計算されたEVMの関数であってもよい。例えば、例示的な実施形態において、EVMに基づいて、エラーなく、システム200がデータ(例えば、信号)を送信する最大送信スループットを、プロセッサ202は決定してもよい。
【0021】
[0027]
プロセッサ202は、EVMに基づく送信スループットが、しきい値スループットを超える(例えば、より大きい)か否かを決定してもよい。しきい値スループットは、システム200がデータ完全性を維持するために下回って落ちるべきではない、データレートに対応していてもよい。例示的な実施形態において、送信スループットが絶対しきい値スループット(例えば、要求されるスループット)を下回って落ちることを防ぐように設定されるマージンを、しきい値スループットは含んでいてもよい。そうではないと述べられない限り、用語「しきい値スループット」および「絶対しきい値スループット」を交換可能に使用してもよいが、しきい値スループットは、絶対しきい値スループットよりも大きい(例えば、より高いデータレートを有する)かもしれないと理解すべきである。
【0022】
[0028]
送信スループットがしきい値スループットより小さいとの決定に応答して、プロセッサ202は、制御信号をRF回路204、RF回路260、または、これらの任意の組み合わせに提供することにより、少なくとも1つのアンテナの使用を選択的にイネーブルするように構成されていてもよい。例えば、プロセッサ202は制御信号を制御回路(例えば、RF回路204中の制御回路218a−218cのうちの少なくとも1つ)に送って、1つ以上の電力増幅器212a−212cをオンにしてもよい(例えば、対応するアンテナと信号制御回路208との間の伝導性をイネーブルする)。代替的にまたはさらに、プロセッサ202は、少なくとも1つの電力増幅器212a−212c、RF回路206中の少なくとも1つの電力増幅器、または、これらの任意の組み合わせ、に提供される電流の量を選択的に増加させるように構成されていてもよい。例えば、プロセッサ202は、制御信号を制御回路(例えば、制御回路218a−218cのうちの少なくとも1つ)に送って、対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を増加させてもよい。例示的な実施形態において、同一のコード(例えば、制御信号)を各制御回路218a−218cに提供して、実質的に類似する量だけ、各対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流を増加させてもよい。
【0023】
[0029]
アンテナ210a−210cの使用をイネーブルすること、および/または、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を増加させることは、増加した電力消費を犠牲にして、送信スループットを増加させる。代替的にまたはさらに、プロセッサ202は、1つ以上の制御信号を信号処理回路208中の電力調節ユニットに送って、送信されることになるデータの送信レートを増加させる(例えば、送信スループットを増加させる)。送信されることになるデータの送信レートを増加させることはまた、電力消費増加を犠牲にして、送信スループットを増加させる。
【0024】
[0030]
送信スループットがしきい値スループットを超えるという決定に応答して、プロセッサ202は、アンテナ210a−210cに結合されている電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を選択的に低減させるように構成されていてもよく、RF回路206中の電力増幅器に提供される電流の量を低減させるように構成されていてもよく、または、これらの任意の組み合わせであってもよい。さらに、プロセッサ202は、RF回路204に結合されている少なくとも1つのアンテナ、RF回路206に結合されている少なくとも1つのアンテナ、または、これらの任意の組み合わせを選択的にディセーブルするように構成されていてもよい。
【0025】
[0031]
電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させること、および/または、アンテナ210a−210cの使用をディセーブルすることは、システム200において消費される電力の量を低減させる。代替的にまたはさらに、プロセッサ202は、1つ以上の制御信号を信号処理回路208中の電力調節ユニットに送り、送信されることになるデータの送信レートを減少(例えば、送信スループットを減少)させてもよい。送信されることになるデータの送信レートを減少させることは、システム200において消費される電力の量も減少(例えば、低減)させることができる。
【0026】
[0032]
例示的な実施形態において、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cのうちの1つをオフにし、他の電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を選択的に低減させるように構成されていてもよい。例えば、プロセッサ202は、制御信号を第1の制御回路218aに送り、第1の電力増幅器212aをオフにしてもよく、制御信号を第2の信号回路212bに送り、第2の電力増幅器212bに提供される電流の量を低減させてもよい。
【0027】
[0033]
プロセッサ202は、送信スループットが送信しきい値を超えるという決定に応答して、RF回路を選択的にディセーブルするようにも構成されていてもよい。例えば、プロセッサ202は、制御信号を第1のスイッチ220および/または第2のスイッチ222に送り、RF回路204またはRF回路206を、信号処理回路208から減結合してもよい。
【0028】
[0034]
特定の実施形態において、RF回路206をディセーブルする(例えば、オフにする)一方で、RF回路204をイネーブルすること(例えば、システム200の放射エレメント(アンテナ)のおおよそ半分の使用をディセーブルすること)は、おおよそ6デシベル(dB)だけ出力電力を低減できる。電力増幅器212a−212cに提供される電流がRF回路204の送信電力比をおおよそ3dBだけ増加させるように、RF回路204中の制御回路218a−218cに提供されるバイアスコードは調節される(例えば、増やされる)。例えば、RF回路204の送信電力比が、おおよそ4.5dBmからおおよそ7.5dBmに増やされるように、バイアスコードは調節されてもよい。結果として、RF回路204に関係付けられている利得は、おおおよそ1.8dBまで増やされる。さらに、ベースバンド信号電力は、送信電力比における増加と利得における増加との差だけ増やされる(例えば、3dB−1.8dB=1.2dB)。
【0029】
[0035]
したがって、上記で説明したように、RF回路206をディセーブルし、電力増幅器212a−212cに提供される電流を増加させることは、線形を劣化させることなく(例えば、追加の信号の歪みなく)、おおよそ3dBだけ(例えば、6dBだけ減少させ、その後、3dB増加させる)出力電力を減少させることができる。さらに、ビーム形成プロセスの間のビームは、より少ない放射エレメント(アンテナ)が原因で、幅広くてもよい。また、RF回路206をディセーブルすることは、システム200における電力消費を低減させることができる。例えば、システム200において消費される電力を、おおよそ20パーセントだけ低減させることができる。
【0030】
[0036]
上記で述べたように、プロセッサ202は、送信スループットがしきい値スループットを超えるという決定に応答して、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも1つに提供される電流の量を選択的に低減させてもよく、少なくとも1つの他の電力増幅器212a−212cを選択的にオフにしてもよい。これらの動作は、
図2のシステム200を参照するとともに
図3を参照して、さらに説明する。
【0031】
[0037]
図3を参照すると、
図2のシステムにしたがって、電力増幅器に提供される電流の量を選択的に低減させ、電力増幅器を選択的にディセーブルする(例えば、トランシーバにおけるアンテナをディセーブルする)効果を図示しているグラフ300を示している。グラフ300は、例示的な目的で提供されていると理解すべきであり、限定するものとして解釈すべきではない。特定の実施形態において、グラフ300は、RF回路206がディセーブルされ(例えば、信号処理回路208から減結合され)、RF回路204が3つのアンテナに結合されているシナリオに対応している。
【0032】
[0038]
グラフ300の水平軸は、電力低減ステップに対応している。例えば、水平軸上の各Nの倍数(例えば、N、2N、および3N)は、電力増幅器がディセーブルされる事例に対応していてもよい。水平軸上のNの倍数間の間隔は、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させる事例に対応していてもよい。
【0033】
[0039]
グラフ300の垂直軸は、システム200の送信スループットに対応している。グラフ300中に示すように、しきい値スループット302は、マージンにだけ、絶対しきい値スループット304から分離されている。特定の実施形態において、電力増幅器(例えば、
図2の電力増幅器212a−212c)に提供される電流の量の低減が、絶対しきい値スループット304を下回るように送信スループットを低下させるのを防ぐために、マージンを設定してもよい。
【0034】
[0040]
送信スループットがしきい値スループット302を超えるという決定に応答して、
図2のプロセッサ202は、特定の量(例えば、単一の2進値だけ、制御回路218a−218cに提供されるデジタルコードをデクリメントすることにより特定される量)だけ、各電力増幅器212a−212cに提供される電流の量(例えば、初期(または最初)の電流の量)を低減させて、第2の電流の量(例えば、低減させた電流の量)を各電力増幅器212a−212cに提供してもよい。例えば、送信スループットが第1のレベル306であるという決定に応答して、プロセッサ202は制御信号(例えば、デジタルコード)を各制御回路218a−218cに送り、各制御回路218a−218cは、制御信号に基づいて、特定の量だけ、対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させてもよい(例えば、第2の電流の量を各電力増幅器212a−212cに提供する)。
【0035】
[0041]
プロセッサ202は、各電力増幅器212a−212cに提供される第2の電流の量に応答して、送信スループットを決定してもよい。EVMを決定するために、ビーム形成プロセスを実行してもよく、プロセッサ202は、EVMに基づく送信スループットがしきい値スループット302を超えるか否かを決定してもよい。第2の電流の量に基づく送信スループットが、しきい値スループット302を超える(例えば、送信スループットが第2のレベル308である)という決定に応答して、プロセッサ202は、第2の電流の量がしきい値電流の量より大きいか否かを決定してもよい。
【0036】
[0042]
例えば、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量は、制御回路218a−218cに提供されるデジタルコードが減少されるにしたがって、低減させる。デジタルコードが最小値に達するとき、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量が、しきい値電流の量より大きくないと決定してもよい。第2の電流の量がしきい値電流の量より大きい場合、プロセッサ202は、制御信号(例えば、デジタルコード)を各制御回路218a−218cに送ってもよく、各制御回路218a−218cは、対応する電力増幅器212a−212cに提供される第2の電流の量を低減させて、第3の電流の量(例えば、低減させた電流の量)を電力増幅器212a−212cに提供してもよい。
【0037】
[0043]
特定の実施形態において、第2の電流の量が結果としてしきい値スループット302より低い送信スループットとなる場合、プロセッサ202は、電流を低減させおよび/または電力増幅器をディセーブルするための制御信号の送信をやめてもよい。代替的に、第2の電流の量が結果としてしきい値スループット302よりも大きい送信スループットとなり、第2の電流の量がしきい値電流の量より大きくない場合、プロセッサ202は、アンテナエレメント204の第1のアレイ中の少なくとも2つのアンテナの使用がイネーブルされている(例えば、信号処理回路208に結合されている)か否かを決定してもよい。例えば、アンテナエレメント204の第1のアレイ中の少なくとも2つのアンテナの使用がイネーブルされている場合、プロセッサ202は、RF回路204中の少なくとも1つの電力増幅器をディセーブルしてもよい。例えば、プロセッサ202は1つ以上の制御信号を第1の制御回路218aに送り、第1の電力増幅器212aをディセーブルしてもよい。
図3中に示すように、第1のアンテナ210aをディセーブルすることは、送信スループットを、加速されたレートで低減させる(例えば、跳び下りる)ことになるかもしれない一方で、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させることは、送信スループットを徐々に低減させるかもしれない。
【0038】
[0044]
RF回路204中の少なくとも1つの電力増幅器をディセーブルするより前に、プロセッサ202は、電力増幅器をディセーブルすることに応答して、送信スループットがしきい値スループット302を下回って落ちるであろうか否かを決定してもよい。例えば、プロセッサ202は、送信スループットから送信スループットバッファ値(例えば、
図3中の「しきい値A」)を減算して、保護スループット値を発生させてもよい。保護スループット値は、
図3中の点線によって図示されている。プロセッサ202は、保護スループット値としきい値スループット302を比較してもよい。しきい値スループット302が保護スループット値より大きい場合、プロセッサ202は、電力増幅器をディセーブルすることに応答して、送信スループットがしきい値スループット302を下回って落ちるだろうと決定してもよい。
【0039】
[0045]
第1の電力増幅器をディセーブルした後、プロセッサ202は、送信スループットを決定してもよい(例えば、ビーム形成プロセスを実行し、計算されたEVMに基づいて、送信スループットを決定する)。送信スループットがしきい値スループット302より大きい場合、プロセッサは、第2および第3の制御回路218b、218cに提供されるデジタルコードをリセットしてもよく、上記で説明したのと実質的に類似する方法で、第2および第3の電力増幅器212b、212cに提供される電流の量を選択的に低減させてもよい。例えば、第2および第3の電力増幅器212b、212cに提供される電流の量は、送信スループットがしきい値スループット302とおおよそ同等となる(例えば、送信スループットが第3のレベル310になる)まで、インクリメント的に低減させてもよい。送信スループットがしきい値スループット302を下回って落ちる場合、しきい値スループット302と絶対しきい値スループット304との間のマージンは、送信スループットが絶対しきい値スループット304を下回って落ちることを防ぐことができることが正しく認識されるであろう。
【0040】
[0046]
システム200の受信機側で信号対ノイズ比(SNR)が満足されている限り、送信スループットがしきい値スループット302より大きいとき、プロセッサ202は、消費される電力の量を動的に調節(例えば、低減)してもよい(例えば、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を選択的に低減させてもよく、および/または、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも1つを選択的にディセーブルしてもよい)。例えば、電力増幅器212a−212cのうちの1つ以上をディセーブルすることは、アンテナ210a−210cを介して受信され、低ノイズ増幅器214a−214cによって処理される(例えば、増幅される)信号のSNRを低減させるかもしれない。したがって、特定の実施形態では、受信信号のSNRは、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも1つをディセーブルして、システム200において消費される電力の量を低減させるか否かの決定に、考慮に入れてもよい。
【0041】
[0047]
図2のシステム200は、送信スループットがしきい値スループット302よりも大きいとき、トランシーバにおいて消費される電力の量を低減させてもよい。例えば、システム200が、高スループットモード(例えば、送信スループットがおおよそ毎秒4ギガビット(Gbps))で動作しているとき、および、低スループットデータレート(例えば、毎秒500メガビット(Mbps)のしきい値スループット302)を満足するであろうとき、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を選択的に低減させてもよく、および/または、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも1つを選択的にディセーブルして、電力消費を低減させてもよい。
【0042】
[0048]
図4を参照すると、トランシーバにおいて、電力消費を低減させるための方法400の例示的な実施形態を図示しているフローチャートが示されている。方法400は、
図1のワイヤレスデバイス110、
図2のシステム200、または、これらの任意の組み合わせによって実行してもよい。
【0043】
[0049]
方法400は、402において、第1の信号に基づいて、移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの第1のアンテナまたは第2のアンテナのうちの少なくとも1つの使用を選択的にディセーブルすることを含んでいる。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202は、移動体デバイス(例えば、
図1のワイヤレスデバイス110)の送信スループットをしきい値(例えば、しきい値スループット302)と比較してもよい。送信スループットがしきい値スループット302を超えるという決定に応答して、プロセッサ202は、制御信号(例えば、第1の信号)を第1の制御回路218a(例えば、第1のバイアスレジスタ)に、または、第2の制御回路218b(例えば、第2のバイアスレジスタ)に送ってもよい。第1の実施形態にしたがうと、第1の制御回路218aは、第1の電力増幅器212aへの電力をオフにすることにより、第1の信号に基づいて、第1のアンテナ210aの使用をディセーブルしてもよい。第1のアンテナ210aの使用をディセーブルすることは、第1の低ノイズ増幅器214aをディセーブルすることも含んでいてもよい。第2の実施形態にしたがうと、第2の制御回路218bは、第2の電力増幅器212bへの電力をオフにすることにより、第1の信号に基づいて、第2のアンテナ210bの使用をディセーブルしてもよい。第2のアンテナ210bの使用をディセーブルすることは、第2の低ノイズ増幅器214bをディセーブルすることも含んでいてもよい。
【0044】
[0050]
方法400は、第2の信号に基づいて、第1のアンテナに結合されている第1の増幅器と第2のアンテナに結合されている第2の増幅器とのうちの少なくとも1つに提供される電流を選択的に低減させることも含んでいてもよい。例えば、
図2を参照して、送信スループットがしきい値スループット302を超えるという決定に応答して、プロセッサ202は、制御信号(例えば、第2の信号)を第1の制御回路218aまたは第2の制御回路218bに送ってもよい。第1の実施形態にしたがうと、第2の制御回路218bは、第2の信号に基づいて、第2の電力増幅器212bに提供される電流の量を低減させてもよい。第2の実施形態にしたがうと、第1の制御回路218aは、第2の信号に基づいて、第1の電力増幅器212aに提供される電流の量を低減させてもよい。
【0045】
[0051]
特定の実施形態では、方法400は、送信スループットがしきい値を下回って落ちるまで、第2の信号を使用する電流低減と、第1の信号を使用するアクティブなアンテナの数の低減とを交互に繰り返すことを含んでいてもよい。例えば、
図2〜3を参照すると、プロセッサ202は、制御信号を電力増幅器212a−212cに送り、送信スループットを第1のレベル306から第2のレベル308へ徐々に低減させること(例えば、電流低減)と、アクティブなアンテナの数を低減させること(例えば、第1のアンテナ210aをディセーブル)とを交互に繰り返してもよい。
【0046】
[0052]
特定の実施形態において、方法400は、移動体デバイスのアンテナエレメントの第2のアレイのうちの少なくとも1つのアンテナの使用をディセーブルすることを含んでいてもよい。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202は、制御信号をRF回路206中の電力増幅器に送り、電力増幅器に結合されている対応するアンテナをディセーブルしてもよい。
【0047】
[0053]
図4の方法400は、送信スループットが送信しきい値よりも大きいとき、トランシーバにおいて消費される電力の量を低減させてもよい。例えば、システム200が高スループットモード(例えば、送信スループットがおおよそ4Gbps)で動作しているとき、および、低スループットデータレート(例えば、500Mbpsのしきい値スループット302)を満足するであろうとき、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を選択的に低減させてもよく、および/または、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも1つを選択的にディセーブルして、電力消費を低減させてもよい。
【0048】
[0054]
図5を参照すると、電力増幅器をディセーブルすることに基づいて、トランシーバにおける電力消費を低減させるための方法500の例示的な実施形態を図示しているフローチャートが示されている。方法500は、しきい値スループットを下回って落ちることに対する補正アクションをイネーブルしてもよく、
図4の方法400、(以下で説明するような)
図7の方法700、または、これらの任意の組み合わせ内に組み込んでもよい。
図1のワイヤレスデバイス110、
図2のシステム200、または、これらの任意の組み合わせにより、方法500を実行してもよい。
【0049】
[0055]
方法500は、502において、ビーム形成プロセスを実行することを含んでいる。例えば、
図2を参照すると、特定の角度における信号は、互いに強め合うように干渉するかもしれない一方で、他の信号は、互いに弱め合うように干渉して、指向性信号送信および/または指向性信号受信を提供するかもしれない。例えば、アンテナ210a−210cを介して受信した信号は、互いに強め合うおよび/または弱め合うように干渉して、指向性信号受信を提供してもよい。504において、エラーベクトル振幅(EVM)を計算してもよい。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202は、ビーム形成プロセスに基づいて、EVMを決定(例えば、計算)してもよい。506において、EVMに基づいて、送信スループットを設定してもよい。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202は、計算されたEVMに基づいて、送信スループットを計算してもよい。例えば、EVMに基づいて、エラーなく、システム200がデータ(例えば、信号)を送信する最大送信スループットを、プロセッサ202は決定してもよい。
【0050】
[0056]
508において、プロセッサ202は、送信スループットがしきい値スループット302により大きいか否かを決定してもよい。510において、送信スループットがしきい値スループット302により大きい場合、プロセッサ202は、イネーブルされているアンテナ210a−210cの数が1より大きいか否かを決定してもよい。イネーブルされているアンテナ210a−210cの数が1より大きくない場合、プロセッサ202は、電力消費低減技術を実行せず、520において、プロセスを終了する。
【0051】
[0057]
512において、イネーブルされているアンテナ210a−210cの数が1より大きい場合、プロセッサ202は、RF回路214中の1つの電力増幅器をオフにしてもよい。例えば、プロセッサ202は、1つ以上の制御信号を第1の制御回路218aに送り、第1の電力増幅器212aをディセーブルしてもよい。第1の電力増幅器212aをオフにした後、方法はステージ502に戻ってもよい。
【0052】
[0058]
508において、送信スループットがしきい値スループットより大きくない場合、514において、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cのうちの1つがオフか否かを決定してもよい。電力増幅器212a−212cのすべてがイネーブルされている場合、プロセッサ202は、電力消費低減技術を実行せず、520において、プロセスを終了する。電力増幅器212a−212cがオフである場合、516において、プロセッサ202は、ディセーブルされている電力増幅器212a−212cをオンにしてもよい。例えば、第1の電力増幅器212aがディセーブルされているという決定に応答して、プロセッサ202は、1つ以上の制御信号を第1の制御回路218aに送り、第1の電力増幅器212aをイネーブル(例えば、第1のアンテナ210aを介してデータ送信をイネーブル)してもよい。
【0053】
[0059]
図5の方法500は、しきい値スループットを「アンダーシュートすること」(例えば、下回って落ちること)に対する補正アクションをイネーブルしてもよい。例えば、方法500は、しきい値スループットが送信スループットより大きいという決定に応答して、プロセッサ202が、少なくとも1つの電力増幅器をオンできるようにしてもよい。他の特定の実施形態において、しきい値スループットが送信スループットより大きいという決定に応答して、追加の電力増幅器をイネーブルしてもよい。例えば、しきい値スループットが送信スループットよりも大きいという決定に応答して、送信スループットを改善(例えば、増加)するように、第2の電力増幅器212bもイネーブルしてもよい。
【0054】
[0060]
図6を参照すると、電力増幅器に提供される電流を低減させることに基づいて、トランシーバにおいて、電力消費を低減させるための方法600の例示的な実施形態を図示しているフローチャートが示されている。方法600は、しきい値スループットを下回って落ちることに応答して、追加の補正アクションをとってもよく、
図4の方法400、
図5の方法500、(以下で説明するような)
図7の方法700、または、これらの任意の組み合わせ内に組み込んでもよい。方法600は、
図1のワイヤレスデバイス110、
図2のシステム200、または、これらの任意の組み合わせによって実行してもよい。
【0055】
[0061]
方法600は、602において、ビーム形成プロセスを実行することを含んでいる。例えば、
図2を参照すると、特定の角度における信号は、互いに強め合うように干渉するかもしれない一方で、他の信号は、互いに弱め合うように干渉して、指向性信号送信および/または指向性信号受信を提供するかもしれない。例えば、アンテナ210a−210cを介して受信した信号は、互い強め合うおよび/または弱め合うように干渉して、指向性信号受信を提供してもよい。604において、エラーベクトル振幅(EVM)を計算してもよい。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202は、ビーム形成プロセスに基づいて、EVMを決定(例えば、計算)してもよい。606において、EVMに基づいて、送信スループットを設定してもよい。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202は、計算されたEVMに基づいて、送信スループットを決定してもよい。例えば、EVMに基づいて、エラーなく、システム200がデータ(例えば、信号)を送信する最大送信スループットを、プロセッサ202は決定してもよい。
【0056】
[0062]
608において、プロセッサ202は、送信スループットがしきい値スループット302より大きいか否かを決定してもよい。送信スループットがしきい値スループット302より大きい場合、610において、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに提供される電流を低減させてもよい。例えば、プロセッサ202は、制御信号(例えば、デジタルコード)を各制御回路218a−218cに送り、各制御回路218a−218cは、対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させてもよい(例えば、低減させた電流の量を各電力増幅器212a−212cに提供する)。電力増幅器212a−212cに提供される電流を低減させた後、方法600はステージ602に戻ってもよい。
【0057】
[0063]
送信スループットがしきい値スループットより大きくない場合、612において、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに適用される電流を増加させることができるか否かを決定してもよい。例えば、プロセッサ202は、デジタルコード(n)が初期値(n=0)(例えば、電力増幅器212a−212cに提供される最大電流の量に対応する値)に対応するか否かを決定してもよい。デジタルコード(n)が初期値に対応する(例えば、電力増幅器212a−212cに提供される電流を増加させることができない)という決定に応答して、616において、プロセスは終了する。デジタルコード(n)が初期値に対応していないという決定に応答して、614において、プロセッサ202は、電流を電力増幅器212a−212cに追加してもよい。例えば、プロセッサ202は、制御信号(例えば、デジタルコード)を各制御回路218a−218cに送ってもよく、各制御回路218a−218cは、対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を増加させて、送信スループットを改善(例えば、増加)してもよい。
【0058】
[0064]
図6の方法600は、しきい値スループットを「アンダーシュートすること」(例えば、下回って落ちる)に対する補正アクションをイネーブルしてもよい。例えば、方法600は、しきい値スループットが送信スループットより大きいという決定に応答して、プロセッサ202が、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を増加させることができるようにしてもよい。電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を増加させることは、送信スループットを徐々に増加させるかもしれない。
【0059】
[0065]
図7を参照すると、トランシーバにおいて、電力消費を低減させるための方法700の別の例示的な実施形態を図示しているフローチャートが示されている。方法700は、
図1のワイヤレスデバイス110、
図2のシステム200、または、これらの任意の組み合わせによって実行してもよい。
【0060】
[0066]
方法700は、702において、ビーム形成プロセスを実行することを含んでいてもよい。例えば、
図2を参照すると、特定の角度における信号は互いに強め合うように干渉するかもしれない一方で、他の信号は、互いに弱め合うように干渉して、指向性信号送信および/または指向性信号受信を提供するかもしれない。例えば、アンテナ210a−210cを介して受信した信号は、互いに強め合うようにおよび/または弱め合うように干渉して、指向性信号受信を提供してもよい。704において、エラーベクトル振幅(EVM)にしたがって、送信スループットを調節してもよい。例えば、
図2を参照すると、プロセッサ202または他のプロセッサは、EVMを決定(例えば、計算)してもよい。システム200の送信スループットは、計算されたEVMに基づいて、調節してもよい。例えば、EVMに基づいて、エラーなく、システム200がデータ(例えば、信号)を送信する最大送信スループットを、プロセッサ202は決定してもよい。
【0061】
[0067]
706において、プロセッサ202は、しきい値スループット302(例えば、絶対しきい値スループット304プラスマージン)が送信スループットより小さいか否かを決定してもよい。しきい値スループット302が送信スループットより小さくないという決定に応答して、プロセッサ202は、電力消費低減技術を実行せず、708において、プロセスを終了する。しきい値スループットが送信スループットより小さいという決定に応答して、712において、プロセッサ202は、制御回路218a−218cを使用して、電力増幅器212a−212cに供給される電流を低減させてもよい。例えば、プロセッサ202は、各電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させて、低減された電流の量を各電力増幅器212a−212cに提供してもよい。
図3に関して、送信スループットが第1のレベル306であるとの決定に応答して、プロセッサ202は、制御信号(例えば、デジタルコード)を各制御回路218a−218cに送ってもよく、各制御信号218a−218cは、制御信号に基づいて、対応する電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を低減させてもよい。したがって、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量は、制御回路218a−218cに提供されるデジタルコード(n)に基づいていてもよい。例えば、デジタルコード(n)の値が減少する(例えば、n=n−1)毎に、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を、均一な量だけ低減させてもよい。非限定的な例として、デジタルコード(n)が減少する毎に、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を、20ミリアンペア(mA)だけ低減させてもよい。
【0062】
[0068]
714において、電力増幅器212a−212cに提供されている低減された電流に基づいて、送信スループットを調節してもよい。例えば、プロセッサ202は、各電力増幅器212a−212cに提供されている第2の電流の量に応答して、送信スループットを決定してもよい。716において、プロセッサ202は、新たなEVMに基づいて、しきい値スループット302が送信スループットより小さいか否かを決定してもよい。
【0063】
[0069]
新たなEVMに基づいて、しきい値スループット302が送信スループットより小さくないと決定することに応答して、プロセッサ202は、追加の電力消費低減技術を実行せず、718において、プロセスを終了する。
図5に関して説明したように、特定の実施形態において、しきい値スループット302は送信スループットより小さくないという決定に応答して、1つ以上の電力増幅器212a−212cをオンに戻してもよい。新たなEVMに基づいて、しきい値スループット302が送信スループットより小さいと決定することに応答して、720において、プロセッサ202は、デジタルコード(n)が最小値(N)に達したか否かを決定(例えば、電力増幅器212a−212cに提供される電流をさらに低減させることができるか否かを決定)してもよい。デジタルコード(n)が最小値(N)に達していない場合、方法700はステージ712に戻ってもよい。
【0064】
[0070]
デジタルコード(n)が最小値(N)に達している場合、722において、プロセッサ202は、新たなEVMマイナス送信スループットバッファ値(例えば、
図3の「しきい値A」)に基づいて、しきい値スループットが送信スループットより小さいか否かを決定してもよい。新たなEVMマイナス送信スループットバッファ値に基づいて、しきい値スループットが送信スループットより小さくない場合、724において、デジタルコード(n)を初期化して(例えば、n=0)、方法700は712に戻る。新たなEVMマイナス送信スループットバッファ値に基づいて、しきい値スループットが送信スループットより小さい場合、726において、プロセッサ202は、動作エレメント(例えば、電力増幅器)の数が1より大きいか否かを決定してもよい。例えば、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも2つがイネーブルされているか否かを決定してもよい。
【0065】
[0071]
動作エレメントの数が1より大きくないと決定することに応答して、プロセッサ202は、追加の電力消費低減技術を実行せず、718において、プロセスを終了する。動作エレメントの数が1より大きいと決定することに応答して、728において、プロセッサ202は、特定の数(M)の動作エレメントをオフにして、702に戻ってもよい。例えば、プロセッサ202は、1つ以上の制御信号を第1の制御回路218aに送り、第1の電力増幅器212a(例えば、M=1)をディセーブルしてもよい。
図3中に示すように、第1の電力増幅器212aをディセーブルすることは、送信スループットにおける実質的な低減をもたらすことができる。別の例として、プロセッサ202は、1つ以上の制御信号を、第1の制御回路218aおよび第2の制御回路218bに送り、第1の電力増幅器212aおよび第2の電力増幅器212b(例えば、M=2)をそれぞれディセーブルしてもよい。
【0066】
[0072]
図7の方法700は、送信スループットがしきい値スループット302よりも大きいとき、トランシーバにおいて消費される電力の量を低減させてもよい。例えば、システム200が高スループットモードで動作しているとき(例えば、送信スループットがおおよそ4Gbps)、および、低スループットデータレート(例えば、500Mbpsのしきい値スループット302)を満足するとき、プロセッサ202は、電力増幅器212a−212cに提供される電流の量を選択的に低減させてもよく、および/または、電力増幅器212a−212cのうちの少なくとも1つを選択的にディセーブルして、電力消費を低減させてもよい。
【0067】
[0073]
説明した実施形態に関連して、装置は、第1の入力信号を増幅する第1の手段を含んでいる。増幅する第1の手段は、移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの第1のアンテナに結合するように構成されていてもよい。例えば、増幅する第1の手段は、
図2の第1の電力増幅器212a、
図2の第2の電力増幅器212b、
図2の第Nの電力増幅器212c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0068】
[0074]
装置は、第2の入力信号を増幅する第2の手段も含んでいる。増幅する第2の手段は、アンテナエレメントのアレイの第2のアンテナに結合するように構成されていてもよい。例えば、増幅する第2の手段は、
図2の第1の電力増幅器212a、
図2の第2の電力増幅器212b、
図2の第Nの電力増幅器212c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0069】
[0075]
装置はまた、増幅する第1の手段と増幅する第2の手段とうちの1つに提供される電流を選択的に低減させる手段と、増幅する第1の手段と増幅する第2の手段とうちの他を選択的にディセーブルする手段と含んでいる。例えば、電流を選択的に低減させる手段と選択的にディセーブルする手段は、
図2の第1の制御回路218a、
図2の第2の制御回路218b、
図2の第Nの制御回路218c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0070】
[0076]
装置は、増幅する第1の手段に結合されている位相シフトする第1の手段も含んでいてもよい。例えば、位相シフトする第1の手段は、
図2の第1の位相シフタ216a、
図2の第2の位相シフタ216b、
図2の第Nの位相シフタ216c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0071】
[0077]
装置は、増幅する第2の手段に結合されている位相シフトする第2の手段も含んでいてもよい。例えば、位相シフトする第2の手段は、
図2の第1の位相シフタ216a、
図2の第2の位相シフタ216b、
図2の第Nの位相シフタ216c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0072】
[0078]
装置は、選択的に電流を低減させる手段と選択的にディセーブルする手段とに結合されている、処理する手段も含んでいてもよい。例えば、処理する手段は、
図2のプロセッサ202、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。処理する手段は、移動体デバイスの送信スループットをしきい値と比較し、送信スループットがしきい値より大きいことに基づいて、選択的に電流を低減させる手段と選択的にディセーブルする手段とを介して、電力消費を低減させるように構成されていてもよい。
【0073】
[0079]
装置は、第3の入力信号を増幅する第3の手段も含んでいてもよい。増幅する第3の手段の入力は、第1のアンテナに結合するように構成されていてもよい。例えば、増幅する第3の手段は、
図2の第1の低ノイズ増幅器214a、
図2の第2の低ノイズ増幅器214b、
図2の第Nの低ノイズ増幅器214c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。増幅する第3の手段は、選択的に電流を低減させる手段と選択的にディセーブルする手段とに結合されていてもよい。
【0074】
[0080]
装置は、第4の入力信号を増幅する第4の手段も含んでいてもよい。増幅する第4の手段の入力は、第2のアンテナに結合するように構成されていてもよい。例えば、増幅する第4の手段は、
図2の第1の低ノイズ増幅器214a、
図2の第2の低ノイズ増幅器214b、
図2の第Nの低ノイズ増幅器214c、1つ以上の他のデバイス、回路、モジュール、または、これらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。増幅する第4の手段は、選択的に電流を低減させる手段と選択的にディセーブルする手段とに結合されていてもよい。
【0075】
[0081]
当業者であれば、ここで開示した実施形態に関連して説明したさまざまな例示的な論理ブロック、コンフィギュレーション、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、プロセッサによって実行されるコンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実現してもよいとさらに認識するであろう。さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、コンフィギュレーション、モジュール、回路、およびステップは、一般的にそれらの機能性に関して上記で説明した。このような機能性が、ハードウェアとして、またはプロセッサ実行可能な命令として実現されるか否かは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられる設計制約に依存する。当業者は、各特定のアプリケーションに対して、さまざまな方法で、説明した機能性を実現できるが、このようなインプリメンテーションの決定を、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈すべきではない。
【0076】
[0082]
ここで開示した実施形態に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはこれら2つの組み合わせで、具現化してもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、コンパクトディスクプログラマブルリードオンリーメモリ(CD−ROM)、または技術的に既知である非一時的な記憶媒体の他の何らかの形態中に存在してもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ったり、記憶媒体に情報を書き込んだりできるように、プロセッサに結合されている。代替実施形態では、記憶媒体は、プロセッサと一体化されていてもよい。プロセッサと記憶媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)に存在してもよい。ASICは、コンピューティングデバイスまたはユーザ端末に存在してもよい。代替実施形態では、プロセッサと記憶媒体は、コンピューティングデバイスまたはユーザ端末においてディスクリートコンポーネントとして存在してもよい。
【0077】
[0083]
開示した実施形態の前の説明は、当業者が開示した実施形態を行うまたは使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態へのさまざまな修正は当業者に容易に明らかであり、ここで規定した原理は、開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本開示は、ここに示した実施形態に限定するようには意図されず、以下の特許請求の範囲によって規定されるような原理および新規な特徴と一致する、可能である最も広い範囲に一致させるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 装置において、
移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの第1のアンテナに結合するように構成されている第1の増幅器と、
前記アンテナエレメントのアレイの第2のアンテナに結合するように構成されている第2の増幅器と、
前記第1および前記第2の増幅器のうちの1つをオフにし、前記第1および前記第2の増幅器のうちの他に提供される電流の量を選択的に低減させるように構成されている制御回路とを具備する装置。
[2] 前記制御回路は、前記第1の増幅器に結合されている第1のバイアスレジスタと前記第2の増幅器に結合されている第2のバイアスレジスタとを備える[1]記載の装置。
[3] 制御信号パスを介して、前記第1のバイアスレジスタと前記第2のバイアスレジスタとに結合されているプロセッサをさらに具備する[2]記載の装置。
[4] 前記第1のアンテナに結合するように構成されている第1の低ノイズ増幅器と、前記第2のアンテナに結合するように構成されている第2の低ノイズ増幅器とをさらに具備し、
前記第1の増幅器と前記第2の増幅器は、電力増幅器である[1]記載の装置。
[5] 前記第1の増幅器の入力と前記第1の低ノイズ増幅器の出力とに結合されている第1の位相シフターと、
前記第2の増幅器の入力と前記第2の低ノイズ増幅器の出力とに結合されている第2の位相シフターとをさらに具備する[4]記載の装置。
[6] 前記制御回路は、前記第1の低ノイズ増幅器と前記第2の低ノイズ増幅器とにさらに結合されている[4]記載の装置。
[7] 前記移動体デバイスのアンテナエレメントの第2のアレイ中のアンテナに結合するように構成されている少なくとも1つの増幅器をさらに具備する[1]記載の装置。
[8] 前記アンテナエレメントの第2のアレイは、選択的にディセーブルされるように構成されている[7]記載の装置。
[9] 装置において、
第1の入力信号を増幅する第1の手段と、
第2の入力信号を増幅する第2の手段と、
前記増幅する第1の手段と前記増幅する第2の手段とのうちの1つに提供される電流を選択的に低減させ、前記増幅する第1の手段と前記増幅する第2の手段とのうちの他を選択的にディセーブルする手段とを具備し、
前記増幅する第1の手段は、移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの第1のアンテナに結合するように構成され、
前記増幅する第2の手段は、前記アンテナエレメントのアレイの第2のアンテナに結合するように構成されている装置。
[10] 前記増幅する第1の手段に結合されている、位相シフトする第1の手段と、
前記増幅する第2の手段に結合されている、位相シフトする第2の手段をさらに具備する[9]記載の装置。
[11] 前記選択的に電流を低減させ、選択的にディセーブルする手段に結合されている、処理する手段をさらに具備する[9]記載の装置。
[12] 前記処理する手段は、前記移動体デバイスの送信スループットをしきい値と比較し、前記送信スループットが前記しきい値より大きいことに基づいて、前記選択的に電流を低減させ、選択的にディセーブルする手段を介して、電力消費を低減させるように構成されている[11]記載の装置。
[13] 第3の入力信号を増幅する第3の手段と、
第4の入力信号を増幅する第4の手段とをさらに具備し、
前記増幅する第3の手段の入力は、前記第1のアンテナに結合するように構成され、
前記増幅する第4の手段の入力は、前記第2のアンテナに結合するように構成されている[9]記載の装置。
[14] 前記増幅する第3の手段と前記増幅する第4の手段は、前記選択的に電流を低減させ、選択的にディセーブルする手段に結合されている[13]記載の装置。
[15] 方法において、
第1の信号に基づいて、移動体デバイスのアンテナエレメントのアレイの、第1のアンテナまたは第2のアンテナのうちの少なくとも1つの使用を選択的にディセーブルすることと、
第2の信号に基づいて、前記第1のアンテナに結合されている第1の増幅器と前記第2のアンテナに結合されている第2の増幅器とのうちの少なくとも1つに提供される電流を選択的に低減させることとを含む方法。
[16] 前記第1の信号は、前記第1の増幅器に結合されている第1のバイアスレジスタと前記第2の増幅器に結合されている第2のバイアスレジスタとのうちの1つによって受け取られ、
前記第2の信号は、前記第1のバイアスレジスタと前記第2のバイアスレジスタとのうちの他によって受け取られる[15]記載の方法。
[17] 前記移動体デバイスの送信スループットをしきい値と比較することと、
前記送信スループットが前記しきい値より大きい間、前記第1の信号と前記第2の信号とのうちの少なくとも1つを送ることにより、前記移動体デバイスの電力消費を低減させることとをさらに含む[15]記載の方法。
[18] 前記送信スループットが前記しきい値を下回るまで、
前記第2の信号を使用する電流低減と、
前記第1の信号を使用する、アクティブなアンテナの数の低減とを交互に繰り返すことをさらに含む[17]記載の方法。
[19] 前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナのうちの少なくとも1つの使用を選択的にディセーブルすることは、低ノイズ増幅器を選択的にディセーブルすることを含む[15]記載の方法。
[20] 前記移動体デバイスのアンテナエレメントの第2のアレイのうちの少なくとも1つのアンテナの使用をディセーブルすることをさらに含む[15]記載の方法。