特許第6526061号(P6526061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6526061物体を検査するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526061
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】物体を検査するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20190527BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   G01B11/26 H
   G01N21/88 J
   G01N21/88 Z
【請求項の数】3
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-569713(P2016-569713)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-518496(P2017-518496A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】US2015032776
(87)【国際公開番号】WO2015184032
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2017年6月26日
(31)【優先権主張番号】14/288,790
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】グレゴルスキ,スティーヴン ジョセフ
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−249799(JP,A)
【文献】 特開2004−037248(JP,A)
【文献】 特開2005−274179(JP,A)
【文献】 特開2005−315742(JP,A)
【文献】 特開2005−134140(JP,A)
【文献】 米国特許第07366340(US,B1)
【文献】 特開昭58−155343(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0132988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − 11/30
B28B 11/00 − 19/00
G01N 21/84 − 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端面および第2の端面を有する物体であって、該物体を通って前記第1の端面から前記第2の端面へと延びる複数のセルを含む物体を検査するためのシステムにおいて、
前記複数のセルの少なくとも1つの対応する群を通って出る光を投射するよう前記物体の第1の端面に対向して設けられた少なくとも1つの光源と、
前記物体を挟んで、前記第2の端面に対向して前記物体から離隔して配置されたターゲットであって、前記複数のセルの前記少なくとも1つを通って出て投射された前記光を表示するとともに投射された前記光と前記ターゲットの残りの部分とを区別するよう構成されたターゲットと、
前記ターゲット上に表示された前記光の少なくとも1つの位置を決定するよう構成された撮像システムと、
前記表示された光の前記決定された少なくとも1つの位置を、前記少なくとも1つの光源の位置と比較し、その比較から、前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう構成されたシステムプロセッサと
を含むシステムであって、
前記少なくとも1つの光源が、前記複数のセルの複数の対応する群を通って出る光を投射するよう構成された複数の光源のうちの1つであり、前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群が、前記複数のセルの前記複数の対応する群のうちの1つであり、
前記ターゲットが、前記複数のセルの前記複数の対応する群を通って出て投射された前記光を表示するよう更に構成され、
前記撮像システムが、前記ターゲット上に表示された前記光の複数の位置を決定するよう更に構成され、前記ターゲット上に表示された前記光の前記少なくとも1つの位置が、前記ターゲット上に表示された前記光の前記複数の位置のうちの1つであり、
前記システムプロセッサが、前記表示された光の前記決定された複数の位置を前記複数の光源のそれぞれの位置と比較して、その比較から、前記複数のセルの前記複数の対応する群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう更に構成されたことを特徴とするシステム
【請求項2】
第1の端面および第2の端面を有する物体であって、該物体を通って前記第1の端面から前記第2の端面へと延びる複数のセルを含む物体を検査するためのシステムにおいて、
前記複数のセルの複数の対応する群を通って出る光を同時に投射するよう前記物体の第1の端面に対向して設けられた複数の光源と、
前記物体を挟んで、前記第2の端面に対向して前記物体から離隔して配置されたターゲットであって、前記複数のセルの前記複数の対応する群を通って出て同時に投射された前記光を、前記複数のセルの前記複数の群にそれぞれ対応する複数の領域内に表示するとともに投射された前記光と前記ターゲットの残りの部分とを区別するよう構成されたターゲットと、
前記複数の領域のそれぞれの重心を決定するよう構成された撮像システムと、
前記複数の領域の前記それぞれの重心の位置を前記複数の光源のそれぞれの位置と比較し、その比較から、前記複数のセルの前記複数の対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう構成されたシステムプロセッサと
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
第1の端面および第2の端面を有する物体であって、該物体を通って前記第1の端面から前記第2の端面へと延びる複数のセルを含む物体を検査する方法において、
前記複数のセルの少なくとも1つの群を通って出る光を、前記物体の第1の端面に対向して設けられた少なくとも1つの対応する光源から投射する工程と、
前記物体を挟んで、前記第2の端面に対向して前記物体から離隔して配置されたターゲットに、前記複数のセルの前記少なくとも1つの群を通って出て投射された前記光を前記ターゲットの残りの部分とを区別するよう表示する工程と、
前記表示された光の少なくとも1つの位置を決定する工程と、
前記表示された光の前記決定された少なくとも1つの位置を、前記光を投射した前記少なくとも1つの対応する光源の位置と比較する工程と、
前記位置の前記比較から、前記複数のセルの前記少なくとも1つの群の各々についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出する工程と
を含む方であって、
前記光を投射する前記工程が、前記複数のセルの複数の群を通って出る前記光を複数の対応する光源から投射することを含み、前記複数のセルの前記少なくとも1つの群が、前記複数のセルの前記複数の群のうちの1つであり、前記少なくとも1つの対応する光源が、前記複数の対応する光源のうちの1つであり、
前記光を表示する前記工程が、前記複数のセルの前記複数の群を通って出て投射された前記光を表示することを含み、
前記少なくとも1つの位置を決定する前記工程が、前記表示された光の複数の位置を決定することを含み、前記光の前記少なくとも1つの位置が、前記表示された光の前記複数の位置のうちの1つであり、
前記決定された少なくとも1つの位置を比較する前記工程が、前記表示された光の前記決定された複数の位置を前記複数の対応する光源の位置と比較することを含み、
算出する前記工程が、前記位置の前記比較から、前記複数のセルの前記複数の群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出することを含み、
前記光を投射する前記工程が、拡散光を投射することを含む方法
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第120条に基づき、2014年5月28日に出願された米国特許出願第14/288,790号による優先権を主張するものであり、その内容に依拠すると共に、その全体を参照して本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
以下の記載は、一般的に、物体を検査するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
物体を通って延びる複数のセルを有する物体の形態の物体が、車輌のエンジンの動作と関連づけられた望ましくない微粒子を集める際に、および/または他の環境的な用途で用いられ得る。この物体の形成は、物体の内部に、物体の一方の面から他方の面へと長手方向に複数のセルを形成することと、物体を焼成することとを含む。物体の焼成後、工業用途での使用に備えるために、物体に外皮が施され得る。
【発明の概要】
【0004】
詳細な説明において記載される幾つかの例示的な態様の基本的な理解を提供するために、本開示の簡単な要約を以下に示す。
【0005】
第1の態様において、物体を検査するためのシステムが提供される。この物体は、第1の端面および第2の端面と、物体を通って第1の端面から第2の端面へと延びる複数のセルとを含む。本システムは、複数のセルの少なくとも1つの対応する群を通って出る光を投射するよう構成された少なくとも1つの光源と、複数のセルの少なくとも1つの対応する群を通って出て投射された光を表示するよう構成されたターゲットと、ターゲット上に表示された光の少なくとも1つの位置を決定するよう構成された撮像システムと、表示された光の決定された少なくとも1つの位置を少なくとも1つの光源の位置と比較し、その比較から、複数のセルの少なくとも1つの対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう構成されたシステムプロセッサとを含む。
【0006】
第1の態様の一例において、少なくとも1つの光源は拡散光源である。
【0007】
第1の態様の別の例において、ターゲットは半透明および不透明のうちの一方である。
【0008】
第1の態様の更に別の例において、撮像システムは、ターゲットの表面に関連するデータを集め、集められたデータから、表示された光の重心の位置を決定するよう更に構成される。
【0009】
第1の態様の更に別の例において、システムプロセッサは、重心の決定された位置を少なくとも1つの光源の位置と比較し、その比較から、複数のセルの少なくとも1つの対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう更に構成される。
【0010】
第1の態様の更に別の例において、撮像システムは、デジタル撮像センサを含む。
【0011】
第1の態様の更なる例において、少なくとも1つの光源は、複数のセルの複数の対応する群を通って出る光を投射するよう構成された複数の光源のうちの1つである。複数のセルの少なくとも1つの対応する群は、複数のセルの複数の対応する群のうちの1つである。この例では、ターゲットは、複数のセルの複数の対応する群を通って出て投射された光を表示するよう更に構成される。この例では、撮像システムは、ターゲット上に表示された光の複数の位置を決定するよう更に構成される。ターゲット上に表示された光の少なくとも1つの位置は、ターゲット上に表示された光の複数の位置のうちの1つである。この例では、システムプロセッサは、表示された光の決定された複数の位置を、複数の光源のそれぞれの位置と比較し、その比較から、複数のセルの複数の対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう更に構成される。
【0012】
第1の態様の別の更なる例では、複数の光源は、光を同時に投射するよう更に構成される。
【0013】
第1の態様の別の例において、システムプロセッサが複数のセルの少なくとも1つの対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出した後、少なくとも1つの光源は、複数のセルの別の対応する群を通って出る光を投射するよう移動される。
【0014】
第1の態様は、単独で、または上述の第1の態様の複数の例のうちの1つもしくはそれらの任意の組合せと組み合わされて提供され得る。
【0015】
第2の態様において、物体を検査する方法が提供される。この物体は、第1の端面および第2の端面と、物体を通って第1の端面から第2の端面へと延びる複数のセルとを含む。本方法は、複数のセルの少なくとも1つの群を通って出る光を少なくとも1つの対応する光源から投射する工程と、複数のセルの少なくとも1つの群を通って出て投射された光を表示する工程と、表示された光の少なくとも1つの位置を決定する工程と、表示された光の決定された少なくとも1つの位置を、光を投射した少なくとも1つの対応する光源の位置と比較し、この位置の比較から、複数のセルの少なくとも1つの群の各々についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出する工程とを含む。
【0016】
第2の態様の一例において、光を投射する工程は、拡散光を投射することを含む。
【0017】
第2の態様の別の例において、光を表示する工程は、半透明および不透明のうちの一方であるターゲット上に光を表示することを含む。
【0018】
第2の態様の更に別の例において、光を表示する工程は、ターゲット上に光を表示することを含む。少なくとも1つの位置を決定する工程は、ターゲットの表面に関連するデータを集め、集められたデータから、表示された光の重心の位置を決定することを含む。
【0019】
第2の態様の更に別の例において、位置を比較する工程は、重心の決定された位置を、少なくとも1つの対応する光源の位置と比較することを含む。進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出する工程は、重心の決定された位置と少なくとも1つの対応する光源の位置との比較から、複数のセルの少なくとも1つの群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出することを含む。
【0020】
第2の態様の更に別の例において、少なくとも1つの位置を決定する工程は、デジタル撮像センサによって行われる。
【0021】
第2の態様の更なる例において、光を投射する工程は、複数のセルの複数の群を通って出る光を、複数の対応する光源から投射することを含む。複数のセルの少なくとも1つの群は、複数のセルの複数の群のうちの1つである。少なくとも1つの対応する光源は、複数の対応する光源のうちの1つである。光を表示する工程は、複数のセルの複数の群を通って出て投射された光を表示することを含む。少なくとも1つの位置を決定する工程は、表示された光の複数の位置を決定することを含む。光の少なくとも1つの位置は、表示された光の複数の位置のうちの1つである。決定された少なくとも1つの位置を比較する工程は、表示された光の決定された複数の位置を、複数の対応する光源の位置と比較することを含む。算出する工程は、位置の比較から、複数のセルの複数の群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出する工程を含む。
【0022】
第2の態様の別の例において、複数のセルの群のうちの2以上の群を通って出る光を投射する工程が同時に行われる。
【0023】
第2の態様の更に別の例において、本方法は、進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出する工程の後に、少なくとも1つの対応する光源を移動させる工程と、複数のセルの別の群について、投射する工程、表示する工程、決定する工程、比較する工程、および算出する工程を繰り返す工程とを更に含む。
【0024】
第2の態様は、単独で、または上述の第2の態様の複数の例のうちの1つもしくはそれらの任意の組合せと組み合わされて提供され得る。
【0025】
第3の態様において、物体を検査するためのシステムが提供される。この物体は、第1の端面および第2の端面と、物体を通って第1の端面から第2の端面へと延びる複数のセルとを含む。本システムは、複数のセルの複数の対応する群を通って出る光を同時に投射するよう構成された複数の光源と、複数のセルの複数の対応する群を通って出て同時に投射された光を、複数のセルの複数の群にそれぞれ対応する複数の領域内に表示するよう構成されたターゲットと、複数の領域のそれぞれの重心を決定するよう構成された撮像システムと、複数の領域のそれぞれの重心の位置を複数の光源のそれぞれの位置と比較し、その比較から、複数のセルの複数の対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう構成されたシステムプロセッサとを含む。
【0026】
第3の態様の別の例において、撮像システムは、デジタル撮像センサを含む撮像装置を含む。撮像装置は、複数のセルの複数の対応する群に面したターゲットの表面からデータを集めるよう構成される。
【0027】
第3の態様は、単独で、または上述の第3の態様の複数の例のうちの1つもしくはそれらの任意の組合せと組み合わされて提供され得る。
【0028】
本開示の上記のおよび他の特徴、態様、および長所は、以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読めば、より良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】一実施形態による物体の一例を示す斜視図
図2】一実施形態による図1の物体の一例を示す、線2−2に沿った模式的な断面図
図3】一実施形態による、物体を通って出る光を投射する光源の一例を示す模式的な側面図
図4】一実施形態による、物体の複数のセルの対応する群を通って出る光を投射する光源の一例を示す模式的な斜視図
図5】一実施形態による、物体の複数のセルの複数の対応する群を通って出る光をターゲット上に投射する光源の一例を示す模式的な側面図
図6】一実施形態による、複数の光源の配置の一例を示す模式的な図
図7】一実施形態による、複数の光源の配置の別の例を示す模式的な図
図8】一実施形態による、システムが物体の複数回の個別の検査を行うのを可能にする可動光源の一例を示す模式的な図
図9】一実施形態による、光源の位置と、光源からの光が物体の複数のセルの対応する群を通って出てターゲット上に投射される位置との間の関係の一例を示す模式的な図
図10】一実施形態による、物体を検査するためのシステムの一例を示す模式的な図
図11】一実施形態による、物体を検査するためのシステムの別の例を示す模式的な図
図12】一実施形態による、複数の光源の位置と、複数の光源に対応するターゲット上に表示された光のそれぞれの位置とを示す模式的な図
図13】一実施形態による、物体を検査する方法の一例を示す模式的な図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照し、複数の例をより完全に説明する。可能な場合には常に、複数の図面を通して、同じまたは類似の部分を指すために同じ参照番号が用いられる。しかし、複数の態様は、多くの異なる形態で実施され得るものであり、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0031】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示を限定することは意図しない。本明細書で用いられる単数形の「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り、複数形も包含することが意図される。更に、本明細書で用いられる「含む(comprisesおよび/またはcomprising」は、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、および/または成分の存在を特定するものであり、1以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、成分、および/またはそれらの群の存在または追加を除外するものではないと理解されたい。
【0032】
図1図11に示されている例において、物体102を検査するためのシステムについて説明する。物体102は、第1の端面104と、第2の端面106と、物体102を通って第1の端面104から第2の端面106まで延びる複数のセル110とを含み得る。本システムは、少なくとも1つの光源124、ターゲット136、撮像システム160、およびシステムプロセッサ166を含み得る。
【0033】
物体102は、物体102を通って第1の端面104と第1の端面104の反対側に位置する第2の端面106との間に延びる複数のセル110の網を画成する複数の交差する壁108を含み得る。交差する壁108および複数のセル110は、物体102の第1の端面104と第2の端面106との間に長手方向に延び得る。物体102は、第1の端面104と第2の端面106との間に長手方向に延びる外面116を含み得る。
【0034】
一例において、物体102は、コーディエライト、ムライト、アルミナ、炭化ケイ素、ジルコニア、コランダム、コランダム・ムライト、およびチタン酸アルミニウムのうちの少なくとも1つを含み得るが、それらに限定されない。
【0035】
一例において、物体102は、車輌のエンジンの動作と共にまたは他の環境的な用途で微粒子フィルタとして用いられるハニカムセラミック体であり得る。また、複数のセル110の網はハニカム網であり得る。しかし、本明細書に記載される実施形態はそれらに限定されない。例えば、様々な例示的な実施形態に従って様々な幾何形状が組み込まれ得る。物体102は、長方形(例えば、正方形)の断面の外周または3つ以上の辺を有する他の多角形形状を含み得る。更に、物体102は、円形、楕円形、または別の湾曲した形状の断面の外周を含み得る。
【0036】
一例において、外面116は、円形の断面形状を有する円筒形状を含み得る。しかし、本明細書において開示される実施形態はそれらに限定されない。例えば、物体102の外面116は、楕円形、多角形、または他の形状を有してもよい。更に、多角形形状は、三角形、長方形(例えば、正方形)、または他の多角形形状であり得る。
【0037】
図示されるように、本システムの少なくとも1つの光源124は、セル110の少なくとも1つの対応する群118を通って出る光を投射し得る。図示されている例では、光源124は、拡散光を発する拡散光源であり得る。図3には1つのみの光源124が示されているが、本明細書における実施形態は、物体102検査するために用いられ得る複数の光源124が示されている図5図7、並びに図9図12によって示されているように、それに限定されない。複数の光源124が、セル110の複数の対応する群118を通って出る光を投射する状況では、光源124は、セル110の複数の対応する群118を通る光を同時に投射するために同時に動作し得る。
【0038】
拡散光源124からの光は、物体102のセル110の群118に、多くの非平行な角度で供給され得る。様々な異なるタイプの拡散光源としては、レーザ発生光源、白熱光源、または発光ダイオード(LED)光源を含むがそれらに限定されない光源が用いられ得る。
【0039】
光源124は、セルの110の対応する群118のサイズおよび形状を定義し得る。セル110の群118の形状およびサイズは、光源124の形状およびサイズ、並びに、光源124が光を発する方法に対応し得る。更に、物体102を通って出て投射される光のビームの性質は、セル110の群118に投射される光のビームの性質とは異なり得る。例えば、光源124から拡散光として発せられた光は、物体102のセル110の群118を通って出た際には、僅かに発散または収束する光のビームを含む擬似平行光として投射され得る。例えば、擬似平行光は、約5度以下の角度範囲にわたって発散または収束するものであり得る。物体102のセル110は、光源124から発せられた光を、投射された光が通って出るセル110の群118に従ってコリメートする役割をし得る。
【0040】
光源124は、物体102のセル110の群118を通って出る光を投射するために、物体102の第1の端面104から所定の距離だけ離間されて隣接して配置され得る。一例では、光源124は、物体102から約0.1cm〜約10cmの距離だけ離間され得る。
【0041】
また、光源124は、光源124が物体102の縦軸114と位置合わせされるよう配置され得る。物体102の縦軸114の一例が、図5並びに図9図11に示されている。一例では、物体102の縦軸114は、物体102の第1の端面104および物体の第2の端面106に対してノミナルで垂直な軸である。
【0042】
光源124および物体102の両方は、物体102の検査中に互いに関して静止するよう構成され得る。或いは、図8に示されている一例において示されるように、光源124および物体102のうちの少なくとも一方は、互いに関して可動であるよう構成されてもよい。1つの限定しない例において、光源124は、物体102の複数のセル110の対応する群118に光を供給するために、x方向、y方向、およびz方向のうちの少なくとも1つに所定の距離だけ移動するよう構成され得る。
【0043】
本システムのターゲット136は、複数のセル110の対応する1または複数の群118を通って出て投射された光を表示し得る。ターゲット136は、システムが、ターゲット136上に表示された光140をターゲット136の残りの部分から区別するためにデータをどのように収集するよう構成されているかに応じて、半透明または不透明であり得る。
【0044】
ターゲット136は、物体102に関して光源124とは反対側に配置され得る。ターゲット136は、物体102から所定の距離だけ離間され得る。例えば、ターゲット136は、物体102から約0.25m〜約5mの範囲内の距離だけ離間され得る。ターゲット136は平坦であり得る。
【0045】
上述のように、光源から投射され、セル110の対応する群118を通って出た光124は、群118に属する複数のセル110の配向に対応する擬似平行光であり得る。従って、セル110の対応する群118から出るよう投射されたビームは、ターゲット136上に表示された光140とは異なるサイズを有し得る。ターゲット136上に表示される光140の形状は、光源124の形状に応じて異なり得る。例えば、円形の配向を有する光源124については、表示される光140の形状は円形の配向を有し得る。光源124の配向は円形に限定されず、システムに実装される光源のタイプおよび形状に応じて異なり得る。
【0046】
図5並びに図9図11に示されている例において、物体102は、物体102の縦軸114に関して非平行な関係にあり得るセル110の複数の群142、144、146を含む。図示されるように、物体102の下側の外周付近に位置するセル110の群144と比較して、物体102の上側の外周付近に位置するセル110の群142は、縦軸114に関して傾斜している。この例では、物体102の中心付近に位置するセル118の群146は、縦軸114に対して略平行である。
【0047】
図5並びに図9図11に示されているセル110の複数の群142、144、146は特定の配置で示されているが、本明細書において開示される実施形態は、限定することを意図したものではない。一例では、物体102の下側の外周付近に位置する複数のセル146は、物体102の上側の外周付近に位置する複数のセル142と比較して、より傾斜していてもよい。更に、本システムは、検査される各物体が、各物体に特有の結果を生じる独特のセルの関係を有し得るという見込みで動作し得る。
【0048】
セル110の複数の群142、144、146を通って出る光を投射するための複数の光源124が、図5並びに図9図11に示されており、セル110の複数の群142、144、146の各々は、物体102の複数の光源124と対応している。一例では、複数の光源124は、常に静止していて、複数のセル110を通って出て投射される光を同時に発してもよい。別の例では、複数の光源124は、複数のセル110の異なる群を通って出る光を投射するために、x方向、y方向、およびz方向のうちの少なくとも1つに所定の距離だけ移動し得る。
【0049】
各光源124は、他の光源124から発せられる光の色と同じまたは異なる特定の色を有する光を発するよう構成され得る。例えば、1つの光源124は黄色の光を投射し、別の光源124は同時に赤色の光を投射し、更に別の光源は更に異なる色を投射し得る。各ケースにおいて、光源124によって、複数のセル110の複数の対応する群118を通って出て投射された光の特定の色が、それに従って、ターゲット136上の光140に表示される。
【0050】
図5並びに図9図11に示されている例に従った動作においては、対応する複数の光源124からの光は、セル110の複数の群142、144、146を通って出て投射され、ターゲット136上に表示され得る。ターゲット136は、投射された光140の複数のビームをターゲット136上に同時に表示し得る。或いは、投射された光の複数のビームはそれぞれ、ターゲット136上に一度に1つずつ順次表示されるよう構成され得る。図示されるように、物体102の上側および/または下側の外周付近に位置するセル110の群142、144については、それらを通って出る投射された光のビームは、物体102の縦軸114に関して傾斜したものであり得る。従って、傾斜しているセル110の群142、144についてのターゲット136上に表示された光140の位置は、対応する光源124の位置からずれた位置であり得る。図5並びに図9図11は、セル110の群142、144についての投射された光のビームのz方向のみの傾斜を示しているが、これに限定する意図はなく、図5並びに図9図11におけるセル110の群142、144の傾斜は、例えば、x方向およびz方向であり得る。
【0051】
図6に示されている例では、複数の光源124は、セル110の対応する複数の群118を通って出る光を投射するために、物体102の第1の端面104の外側領域に対応するリング形状に配置され得る。従って、複数の光源124は、物体102の第1の端面104の外側領域に対応するリング形状を形成するよう離間され得る。また、物体102の第1の端面104の中心領域に対応する更なる光源124が、対応するセル110の群118を通って出る光を投射するよう配置され得る。
【0052】
複数の光源124の位置は、図6に示されている例では、第1の端面104の中心領域に対応する光源124と第1の端面104の隣接する複数の外側領域に対応する複数の光源124との間の距離(r)、および第1の端面104の隣接する複数の外側領域に対応する複数の光源124間の角度(θ)に基づく、極座標系によって示され得る。
【0053】
或いは、図7に示されている例のように、複数の光源124の互いに関する位置は、デカルト座標系によって表すことができ、ここでは、他の隣接する光源124に従った1つの光源124の位置は、複数の光源124間のX方向および/またはy方向の距離によって表すことができる。図7に示されている例では、各光源124は、隣接する複数の光源124間のx方向およびy方向のそれぞれの間隙XおよびYを有する格子パターンに配置されている。更に、図7に示されている例では、複数の光源124は、セル110の複数の対応する群118を通って出て投射された表示された光140がターゲット136上で互いに重ならないように配置され得る。図6および図7に示されている配置は限定する意図はなく、複数の光源124は、様々な異なる配置で配置され得る。
【0054】
図8に示されている例では、1つのみの光源124が物体102のセル110の群118を通って出る光を投射するが、最初のセル110の群118に対応するターゲット136上に表示された光140の位置の決定後、別のセル110の群118を通って出る光を投射するために移動可能である。この可動光源124は、所定の経路に沿ってx方向および/またはy方向に第2の位置へと移動可能である。従って、複数の光源124が静止していてセル110の対応する群118のみを通って出る光のビームを投射する図6および図7とは異なり、光源124は、セル110の複数の群118を通って出る光のビームを順次投射できる。図8に示されているように、可動光源124は、ラスタスキャン経路を辿り得る。別の例では、可動光源124は、同心円または螺旋状の経路を辿り得る。光源124は、当業者に知られている光源124等の物を機械的に移動させるために用いられる二軸ステージシステムまたは他の任意のロボット式、空気圧式、油圧式、または電子式システムを用いて、機械的に移動され得る。
【0055】
図9は、本検査システムを用いて決定され得る例示的な関係を示しており、ここでは、セル110の対応する群142についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するために、光源124の位置とターゲット136上に表示された対応する光140の位置とが比較される。この例で示されている複数の光源124は、セル110の対応する群142、144、146を通って出て投射される拡散光を発する。セル110の対応する群142、144、146から出た擬似平行光が投射されて、ターゲット136上に表示されて、表示された光140を形成し得る。物体102の縦軸114と平行ではないセル110の群142については、ターゲット136上に表示された光140の位置は、対応する光源124の位置からずれた位置であり得る。
【0056】
図9に示されている例では、表示された光140の決定された位置を、対応する光源124の位置と比較することにより、セル110の群142の傾斜を表すセル角度(β)が定義され得る。例えば、図9に示されているように、セル角度(β)は、セル110の群142および光源124の位置の進行方向ベクトルと、物体の第1の端面104とターゲット136との間の距離(Z)を示すベクトルとの間の角度である。
【0057】
距離(Z)の決定は、ターゲット136上に表示された光140の位置と、表示された光140が供給された光源124の位置に対応するターゲット136上の位置との間の距離であり得るずれ(Y)の算出を可能にする。更に、図12に示されているように、ずれ(Y)は、表示された光140が供給された光源124の位置に対応するターゲット136上の位置と、ターゲット136上に表示された光140の重心170との間の距離であり得る。この重心は、オブジェクトの幾何学的中心を定める点である。更に、図12に示されているように、位置のずれ(Y)は、表示された光140が供給された光源124の位置に対応するターゲット136上の位置の重心174と、ターゲット136上に表示された光140の重心170との間の距離であり得る。そして、セル110の群142についてのセル角度(β)は、以下の式で表すことができる。
【0058】
β=arctan(Y/Z) …(1)
一例では、Zが2mであり、Yが3.5mmである場合には、セル角度(β)は約0.1度である。なお、式(1)は、セル110の群142を通って出て投射された光のz方向のみのずれ(Y)を示すが、ターゲット136上に表示される光140のずれはこれに限定されず、ずれは、例えば、x方向およびz方向の両方に生じ得ることを理解されたい。更に、表示された光140が供給された光源124の位置に対応するターゲット136上の位置の重心174の位置は、約0.5mm以下の範囲内で既知であり得る。
【0059】
図10に示されている例では、複数の光源124およびターゲット136に加えて、撮像システム160およびシステムプロセッサ166が示されている。撮像システム160は、ターゲット136上に表示された光140の少なくとも1つの位置を決定し得る。一例において、撮像システム160は、ターゲットの表面に関連する136データを集めて、ターゲット136の表示された光140の位置またはターゲット136の表示された光140の重心170の位置を決定し得る。一例では、デジタル撮像センサ162は、ターゲット136上に表示された光の形状、サイズ、色、または重心のうちの少なくとも1つを感知および/またはキャプチャし得る。撮像システム160は、例えば電荷結合素子(CCD)画像センサまたは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ等であるがそれらに限定されないデジタル撮像センサ162を含み得る。デジタル撮像センサ162は、可視スペクトル範囲内で動作可能な画像キャプチャ装置を更に含み得る。
【0060】
デジタル撮像センサ162は、ターゲット136のいずれかの側に配置され得る。例えば、デジタル撮像センサ162は、図10に示されているように、ターゲット136の物体102が位置する側に配置され得る。この場合には、デジタル撮像センサ162は、物体102の上方または下方に配置され得る。図10では、デジタル撮像センサ162は、物体102の上方に配置されて示されている。また、デジタル撮像センサ162は、図11に示されているように、ターゲット136の物体102が位置する側とは反対側に配置されてもよい。この場合には、ターゲット136上に表示された光140の位置を撮像システム160によって決定できるように、ターゲット136は半透明材料を含み得る。或いは、デジタル撮像センサ162がターゲット136上に表示された光140を感知できる限り、デジタル撮像センサ162は物体102の左側または右側に配置されてもよい。
【0061】
撮像プロセッサ164は、ターゲット136上に表示された画像140と関連づけられたデータを集めるために、デジタル撮像センサ162に動作的に結合され得る。撮像プロセッサ164は、ターゲット136上に表示された光140と関連づけられたデータを集めるための1以上のソフトウェアまたはプログラムが格納され得るメモリまたは他のストレージ装置を含み得る。一例では、ソフトウェアまたはプログラムは、1以上の座標系を含み得る。
【0062】
デジタル撮像センサ162を用いて集められたデータに基づき、撮像プロセッサ164は、ターゲット136上に表示された光140の位置と、ターゲット136上に表示された光140の形状、サイズ、または色のうちの少なくとも1つとを決定し得る。一例において、撮像プロセッサ164は、撮像プロセッサ164に格納されている座標系または他のプログラムを用いることにより、図12に示されているように、ターゲット136上に表示された光140の位置の重心170を決定し得る。
【0063】
表示された光140が供給された光源140の位置に対応するターゲット136上の位置に関する、表示された光140の位置は、幾つかの座標系の1つを用いて決定され得る。座標系の限定しない例としては、デカルト座標系または極座標系が挙げられる。従って、座標系は、用いられる座標系の原点に関する、表示された光140の位置と、表示された光140が供給された光源124の位置に対応するターゲット136上の位置とを決定し得る。例えば、座標系は、表示された光140が供給された光源124の位置に対応するターゲット136上の位置の重心174の位置(光源124の重心の位置)と、ターゲット136上に表示された光140の重心170の位置とを決定するよう構成され得る。
【0064】
図5並びに図9図11に示されている例は、複数の光源124およびターゲットと相対的に位置合わせされた物体102を示しているが、最初に物体102と本システムの様々な構成要素との精密な角度的位置決めを行う必要はない。例えば、表示された光140が撮像システム160の視野内のターゲット136上に位置する限り、撮像システム160による測定を行うことができる。従って、撮像システム160によって行われる測定は、本システムの様々な構成要素に関する物体102の傾斜をなくすことによる本システムの様々な構成要素との物体102の位置決めを必要としなくてよい。物体102の傾斜の最初のばらつきは、+/−10度まで許容可能であり得る。
【0065】
更に、図10および図11に示されている例においては、デジタル撮像センサ162と撮像プロセッサ164とは別個の構成要素として示されているが、デジタル撮像センサ162と撮像プロセッサ164とは互いに統合されてもよい。例えば、デジタル撮像センサ162は、撮像プロセッサ164を含むよう構成され得る。
【0066】
システムプロセッサ166は、表示された光140の決定された位置を光源124の位置と比較し、その比較から、光源124に対応するセル110の群142についての進行方向角度またはベクトルを算出し得る。一例において、システムプロセッサ166は、表示された光140の重心170の決定された位置を光源124の位置と比較し、その比較から、光源124に対応するセル110の群142についての進行方向角度またはベクトルを算出し得る。
【0067】
システムプロセッサ166は、ターゲット136上に表示された光140の位置を受け取るために、撮像システム160に動作的に結合され得る。システムプロセッサ166は、表示された光140の決定された位置を光源124の位置と比較するための、1以上の数値計算を実行するための1以上のソフトウェアまたはプログラムを格納し得る1以上のメモリまたは他のストレージ装置を含み得る。このために、システムプロセッサ166内の1以上のソフトウェアまたはプログラムは、撮像システム160によって決定された表示された光140の位置を、表示された光140に対応する光源124の位置と比較するために、上述の座標系を用いることを含み得る。システムプロセッサ166に格納されるソフトウェアまたはプログラムは、進行方向角度または進行方向ベクトルに関して、対応する光源124の位置に関する表示された光140の位置を更に算出し得る。
【0068】
図10および図11には、システムプロセッサ166と撮像システム160とは別個のものとして示されているが、システムプロセッサ166と撮像システム160とは、互いに統合されてもよい。例えば、システムプロセッサ166は、撮像システム160を含むよう構成されてもよく、撮像システム160は、デジタル撮像センサ162および撮像プロセッサ164を含んでもよい。従って、デジタル撮像センサ162、撮像プロセッサ164、およびシステムプロセッサ166は、1つのシステムに統合されてもよい。
【0069】
図12は、物体102のセル110の複数の対応する群118についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するための、複数の重心170にそれぞれ対応する複数の光源124の重心174の位置に関する表示された光140の重心170の位置の一例を示す。図12に示されている例に示されるように、破線の円は複数の光源124の位置を表し、実線の円は、複数の光源124に対応する表示された光140の位置を表す。表示された光140の位置は、対応する複数の光源124の位置と必ずしも一致しない。更に、進行方向角度または進行方向ベクトルに関する、各表示された光140の位置の、対応する光源124の位置からのずれは、光源毎に様々であり得る。これは、図5並びに図9図11に示されている物体102等の物体102の第1の端面104から第2の端面106へと延びる複数のセル110が、物体102の縦軸114に対して必ずしも平行ではないことを意味する。
【0070】
複数の光源124は、物体102のセル110の複数の対応する群118を通って出る光を投射するために、同時に作動され得る。その結果、セル110の複数の群118を通って出て投射された光が、ターゲット136上に同時に表示され得る。従って、ターゲット136上に表示された光140の複数の位置が、撮像システム160によって同時に決定され得る。例えば、表示された光140の重心170の複数の位置が、撮像システム160によって同時に決定され得る。
【0071】
或いは、撮像システム160は、表示された光140の複数の位置から、表示された光140の特定の複数の位置を識別し得る。一例では、表示された光140の1つのみの位置が、撮像システム160によって決定される。別の例では、表示された光140の全ての位置が識別される。表示された光140の位置の数が、撮像システム160によって決定されてもよい。或いは、表示された光140の位置の数が、システムプロセッサ166によって識別されてもよい。
【0072】
表示された光140の複数の位置が識別される場合には、システムプロセッサ166を用いて、複数の位置の各々が、複数の対応する光源124の位置と比較され得る。表示された光140が、実際には、対応する複数の光源124から発せられた光がセル110の複数の対応する群118を通って出て投射された結果として表示されるという意味で、複数の光源124の位置は、表示された光140の複数の位置に対応する。
【0073】
システムプロセッサ166は、セル110の複数の群118の各々についての進行方向角度または進行方向ベクトルを更に算出し得る。例えば、図12に示されているように、対応する光源124に関する表示された光140の進行方向角度は、α1として表すことができ、表示された光140から、表示された光140が供給された対応する光源124までの距離は、R1として表すことができ、それらの両方が、システムプロセッサ166によって、表示された光140の位置と、表示された光140が供給された対応する光源124の位置とを比較することによって算出され得る。
【0074】
一般的に、α1およびR1の数値は、物体102におけるセルの群についての傾斜の程度を表し得る。例えば、進行方向角度α1のばらつきは、セル110の群118のセル角度(β)のばらつきに対応し得る。別の例では、距離R1は、傾斜の程度に対応し得る。
【0075】
対応する光源124に関する表示された光140の進行方向角度α1、およびセル110の群142の進行方向ベクトルは、物体102の複数の領域にわたるセルの複数の群についての進行方向角度および進行方向ベクトルを算出する際に用いられ得る。一例において、進行方向角度α1および進行方向ベクトルは、物体102にどのように外皮を施すべきかを示す際に用いられ得る。例えば、物体102の特定の外側の部分における、研削および外皮を施す手順によって塞がれ得るセル110を最小限にするために、セル110の特定の群118の進行方向角度α1および進行方向ベクトルに基づき、物体102の特定の外側の部分が、所定の方向に沿って所定の深さで研削され得る。
【0076】
図8に示されている例に関しては、表示された光140の位置と、表示された光140が供給された対応する光源124の位置との比較から、表示された光140に対応する最初のセル110の群118についての進行方向角度α1または進行方向ベクトルが算出され得る。例えば、表示された光140の重心170の位置と、表示された光140が供給された対応する光源124の位置との比較から、表示された光140に対応する最初のセル110の群118についての進行方向角度α1または進行方向ベクトルが算出され得る。一例において、対応する光源124の位置は、対応する光源124の重心174によって定義され得る。
【0077】
光源124を移動させて、セル110の群118を通って出る光を投射する工程、ターゲット136上に光140を表示する工程、表示された光140の位置を決定する工程、表示された光140の決定された位置と、対応する光源124の位置とを比較する工程、および、物体102のセル110の群118についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの一方を算出する工程を繰り返すことにより、図8に示されている1つの光源124を有する例で、セル110の複数の群118を通って出る光を同時に投射する複数の光源を含むシステムと同様に、セル110の複数の群118に対応する表示された光140の複数の事例を取得できる。
【0078】
上述の図8に示されている例では、物体102を検査するために物体102を通って出る光を投射するために、1つのみの光源124が所定の経路に沿って移動することを想定しているが、物体102を検査するために、複数の光源124が所定の経路に沿って移動してもよいことが理解されよう。一例では、第1の光源124が物体102の上半分の部分におけるセル110の複数の群118を通って出る光を投射し、第2の光源124が物体102の下半分の部分におけるセル110の複数の群118を通って出る光を投射するよう、2つの光源124が所定の経路に沿って移動し得る。
【0079】
なお、図12に示されているような配置は、限定することは意図せず、本開示の態様に従った、複数の光源124の他の様々な配置が可能である。また、ユーザに、表示された光140が供給された対応する複数の光源124位置に関する、表示された光140の位置についての視覚的情報を提供するために、システムプロセッサ166によって、図12に示されているような図が構築され得ることも理解されよう。或いは、ユーザには、セル110の1以上の群118の位置についての数値情報のみが提供されてもよい。
【0080】
図13は、物体102を検査する方法300の一例を示す模式的な図である。なお、図13に示されている一続きの工程は、単に説明を目的とするものであり、本方法を限定する意図はなく、これらの工程は、本開示から逸脱することなく、異なる論理的順序で進行してもよく、追加のまたは介在する工程が含まれてもよく、または、記載された工程が複数の工程に分割されてもよいことを理解されたい。図13の方法300は、物体102の製造のための動作のサイクルに(例えば、物体102の製造前、製造中、または製造後等に)組み込まれ得る。或いは、図13の方法300は、単独で行われる処理であってもよい。
【0081】
方法300は、セル110の少なくとも1つの群118を通って出る光を少なくとも1つの対応する光源124から投射する工程302を含む。対応する光源124から投射される光は、拡散光を含み得る。1以上の光源124は、物体102に関して静止していてもよい。或いは、1以上の光源124は、所定の経路に沿って、物体102に関してx方向、y方向、およびz方向のうちの少なくとも1つの方向に移動する(または、物体102が光源124に関してそのように移動する)よう構成されてもよい。
【0082】
方法300は、セル110の少なくとも1つの群118を通って出て投射された光をターゲット136上に表示する工程304も含む。ターゲット136は、半透明および不透明のうちの一方であり得る。対応する複数の光源124から投射され、セル110の複数の対応する群118を通って出た光の1以上のビームは、ターゲット136上に同時に表示され得る。或いは、対応する光源124から投射され、セル110の対応する群118を通って出た光の1以上のビームは、1以上の光源124が所定の経路に沿って移動された際に、ターゲット136上に一度に1つずつ順次表示されてもよい。
【0083】
方法300は、表示された光140の少なくとも1つの位置を決定する工程306を更に含み得る。表示された光140の少なくとも1つの位置は、撮像システム160によって決定され得る。撮像システム160は、表示された光140の位置を決定するためのソフトウェアまたはプログラムを含むメモリまたは他のストレージ装置を含み得る。一例では、ソフトウェアまたはプログラムは、ターゲット136上に表示された光140の位置を決定するための座標系を含み得る。
【0084】
方法300は、システムプロセッサ166によって、表示された光の決定された少なくとも1つの位置140を少なくとも1つの対応する光源124の位置と比較する工程308を更に含み得る。システムプロセッサ166は、ソフトウェアまたはプログラムを含み得るメモリまたはストレージ装置を含み得る。一例では、ターゲット136上に表示された光140の位置の重心170が、表示された光140が発せられた対応する光源124の重心174の位置と比較され得る。方法300は、表示された光140の少なくとも1つの位置と少なくとも1つの対応する光源の位置124との位置比較から、セル110の各群118についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出する工程310を更に含み得る。工程308および310は別々の工程として説明したが、工程308および310は、システムプロセッサ166においてほぼ同時に行われ得ることが理解されよう。
【0085】
特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に対して様々な変形および変更が行われ得る。従って、本明細書は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内である限り、本明細書に記載された実施形態の変形および変更を網羅することが意図されると理解されたい。特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変形および変更が行われ得ることが、当業者には自明である。
【0086】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0087】
実施形態1
第1の端面および第2の端面を有する物体であって、該物体を通って前記第1の端面から前記第2の端面へと延びる複数のセルを含む物体を検査するためのシステムにおいて、
前記複数のセルの少なくとも1つの対応する群を通って出る光を投射するよう構成された少なくとも1つの光源と、
前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群を通って出て投射された前記光を表示するよう構成されたターゲットと、
前記ターゲット上に表示された前記光の少なくとも1つの位置を決定するよう構成された撮像システムと、
前記表示された光の前記決定された少なくとも1つの位置を、前記少なくとも1つの光源の位置と比較し、その比較から、前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう構成されたシステムプロセッサと
を含むことを特徴とするシステム。
【0088】
実施形態2
前記少なくとも1つの光源が拡散光源である、実施形態1に記載のシステム。
【0089】
実施形態3
前記ターゲットが半透明および不透明のうちの一方である、実施形態1〜2のいずれか1つに記載のシステム。
【0090】
実施形態4
前記撮像システムが、前記ターゲットの表面に関連するデータを集め、該集められたデータから、前記表示された光の重心の位置を決定するよう更に構成された、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のシステム。
【0091】
実施形態5
前記システムプロセッサが、前記重心の前記決定された位置を前記少なくとも1つの光源の位置と比較し、その比較から、前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルの前記少なくとも一方を算出するよう更に構成された、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のシステム。
【0092】
実施形態6
前記撮像システムがデジタル撮像センサを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のシステム。
【0093】
実施形態7
前記少なくとも1つの光源が、前記複数のセルの複数の対応する群を通って出る光を投射するよう構成された複数の光源のうちの1つであり、前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群が、前記複数のセルの前記複数の対応する群のうちの1つであり、
前記ターゲットが、前記複数のセルの前記複数の対応する群を通って出て投射された前記光を表示するよう更に構成され、
前記撮像システムが、前記ターゲット上に表示された前記光の複数の位置を決定するよう更に構成され、前記ターゲット上に表示された前記光の前記少なくとも1つの位置が、前記ターゲット上に表示された前記光の前記複数の位置のうちの1つであり、
前記システムプロセッサが、前記表示された光の前記決定された複数の位置を前記複数の光源のそれぞれの位置と比較して、その比較から、前記複数のセルの前記複数の対応する群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう更に構成された
実施形態1〜6のいずれか1つに記載のシステム。
【0094】
実施形態8
複数の前記光源が、前記光を同時に投射するよう更に構成された、実施形態1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
【0095】
実施形態9
前記システムプロセッサが、前記複数のセルの前記少なくとも1つの対応する群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの前記少なくとも一方を算出した後、前記少なくとも1つの光源が、前記複数のセルの別の対応する群を通って出る光を投射するよう移動される、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
【0096】
実施形態10
第1の端面および第2の端面を有する物体であって、該物体を通って前記第1の端面から前記第2の端面へと延びる複数のセルを含む物体を検査する方法において、
前記複数のセルの少なくとも1つの群を通って出る光を少なくとも1つの対応する光源から投射する工程と、
前記複数のセルの前記少なくとも1つの群を通って出て投射された前記光を表示する工程と、
前記表示された光の少なくとも1つの位置を決定する工程と、
前記表示された光の前記決定された少なくとも1つの位置を、前記光を投射した前記少なくとも1つの対応する光源の位置と比較する工程と、
前記位置の前記比較から、前記複数のセルの前記少なくとも1つの群の各々についての進行方向角度および進行方向ベクトル少なくとも一方を算出する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【0097】
実施形態11
前記光を投射する前記工程が、拡散光を投射することを含む、実施形態10に記載の方法。
【0098】
実施形態12
前記光を表示する前記工程が、半透明および不透明のうちの一方であるターゲット上に前記光を表示することを含む、実施形態10〜11のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施形態13
前記光を表示する前記工程が、ターゲット上に前記光を表示することを含み、
前記少なくとも1つの位置を決定する前記工程が、前記ターゲットの表面に関連するデータを集め、該集められたデータから、前記表示された光の重心の位置を決定することを含む、
実施形態10〜12のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
実施形態14
前記位置を比較する前記工程が、前記重心の前記決定された位置を前記少なくとも1つの対応する光源の位置と比較することを含み、
前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの前記少なくとも一方を算出する前記工程が、前記重心の前記決定された位置と前記少なくとも1つの対応する光源の位置との前記比較から、前記複数のセルの前記少なくとも1つの群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの前記少なくとも一方を算出することを含む、
実施形態10〜13のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態15
前記少なくとも1つの位置を決定する前記工程が、デジタル撮像センサによって行われる、実施形態10〜14のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態16
前記光を投射する前記工程が、前記複数のセルの複数の群を通って出る前記光を複数の対応する光源から投射することを含み、前記複数のセルの前記少なくとも1つの群が、前記複数のセルの前記複数の群のうちの1つであり、前記少なくとも1つの対応する光源が、前記複数の対応する光源のうちの1つであり、
前記光を表示する前記工程が、前記複数のセルの前記複数の群を通って出て投射された前記光を表示することを含み、
前記少なくとも1つの位置を決定する前記工程が、前記表示された光の複数の位置を決定することを含み、前記光の前記少なくとも1つの位置が、前記表示された光の前記複数の位置のうちの1つであり、
前記決定された少なくとも1つの位置を比較する前記工程が、前記表示された光の前記決定された複数の位置を前記複数の対応する光源の位置と比較することを含み、
算出する前記工程が、前記位置の前記比較から、前記複数のセルの前記複数の群についての前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出することを含む、
実施形態10〜15のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
実施形態17
前記複数のセルの前記複数の群のうちの2以上を通って出る前記光を投射する前記工程が同時に行われる、実施形態10〜16のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
実施形態18
前記進行方向角度および前記進行方向ベクトルのうちの前記少なくとも一方を算出する前記工程の後に、
前記少なくとも1つの対応する光源を移動させる工程と、
前記複数のセルの別の群について、投射する前記工程、表示する前記工程、決定する前記工程、比較する前記工程、および算出する前記工程を繰り返す工程と
を更に含む、実施形態10〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
実施形態19
第1の端面および第2の端面を有する物体であって、該物体を通って前記第1の端面から前記第2の端面へと延びる複数のセルを含む物体を検査するためのシステムにおいて、
前記複数のセルの複数の対応する群を通って出る光を同時に投射するよう構成された複数の光源と、
前記複数のセルの前記複数の対応する群を通って出て同時に投射された前記光を、前記複数のセルの前記複数の群にそれぞれ対応する複数の領域内に表示するよう構成されたターゲットと、
前記複数の領域のそれぞれの重心を決定するよう構成された撮像システムと、
前記複数の領域の前記それぞれの重心の位置を前記複数の光源のそれぞれの位置と比較し、その比較から、前記複数のセルの前記複数の対応する群についての進行方向角度および進行方向ベクトルのうちの少なくとも一方を算出するよう構成されたシステムプロセッサと
を含むことを特徴とするシステム。
【0106】
実施形態20
前記撮像システムが、デジタル撮像センサを含む撮像装置を含み、該撮像装置が、前記複数のセルの前記複数の対応する群に面した前記ターゲットの表面からデータを集めるよう構成された、実施形態19に記載のシステム。
【符号の説明】
【0107】
102 物体
104 第1の端面
106 第2の端面
110 セル
118 群
124 光源
136 ターゲット
140 表示された光
142、144、146 群
160 撮像システム
162 デジタル撮像センサ
164 撮像プロセッサ
166 システムプロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
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図13