特許第6526411号(P6526411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6526411低温で印刷可能、フレキシブル、もしくは共形な、電子装置及びアンテナに対する銅ナノ粒子塗付プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526411
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】低温で印刷可能、フレキシブル、もしくは共形な、電子装置及びアンテナに対する銅ナノ粒子塗付プロセス
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/52 20140101AFI20190527BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20190527BHJP
   B22F 1/02 20060101ALI20190527BHJP
   B22F 9/00 20060101ALI20190527BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20190527BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20190527BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20190527BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20190527BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20190527BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   C09D11/52
   B22F1/00 L
   B22F1/02 Z
   B22F9/00 B
   H01B1/00 E
   H01B1/22 A
   H05K1/03 670
   H05K1/09 A
   H05K1/16 B
   H05K1/16 C
   H05K1/16 D
   H05K3/10 D
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-513768(P2014-513768)
(86)(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公表番号】特表2014-525944(P2014-525944A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】US2012040579
(87)【国際公開番号】WO2012167175
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年5月14日
【審判番号】不服2017-2591(P2017-2591/J1)
【審判請求日】2017年2月22日
(31)【優先権主張番号】13/151,232
(32)【優先日】2011年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598028028
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Lockheed Martin Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】ジン,アルフレッド,エー.
【合議体】
【審判長】 蔵野 雅昭
【審判官】 川端 修
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−174313(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0065616(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電素子形成に適合されたインクであって、
20ナノメートルより短い直径を有する複数の銅ナノ粒子と、
キャリア液と、
を含んで構成され、
前記複数の銅ナノ粒子のそれぞれは、前記キャリア液内で隣接する銅ナノ粒子と分離するよう構成された界面活性剤の少なくとも部分的なコーティングを含んで構成され、
前記インクは、基板温度が70℃以下の基板に衝突する一連の滴としてノズルから放出され、粒子間力をナノ粒子の公称断面積で割った値を粒子間圧力とすると、前記基板上に静止している一の銅ナノ粒子が移動してきた他の一の銅ナノ粒子により600kPa−13800kPaの粒子間圧力で押圧されたとき、各銅ナノ粒子の表面の前記界面活性剤の部分的なコーティングが押しのけられて、各銅ナノ粒子のコア同士が互いに接触して融合し、前記基板上に固体層を形成するよう構成されることを特徴とするインク。
【請求項2】
前記銅ナノ粒子は、10ナノメートルより短い直径を有する請求項1に記載のインク。
【請求項3】
前記銅ナノ粒子は、1−7ナノメートルの範囲の直径を有する請求項2に記載のインク。
【請求項4】
前記銅ナノ粒子は、3−5ナノメートルの範囲の直径を有する請求項3に記載のインク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント(印刷)エレクトロニクス及び特に、銅のナノ粒子を使用した回路素子の作成に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の参照)
本出願は、2009年7月30日出願され、現在係属中の米国出願第12/512,315号に関連する。
【0003】
(連邦政府資金による研究開発の記載)
適用なし。
【0004】
(関連技術分野の記載)
電気的アセンブリは、現在、個々の構成要素を基板に取り付け、基板上で導電経路もしくは「トレース」で相互接続されているリジット基板を用いて製造される。トレースは、一般的に、基板の表面の全体に銅の層でコーティングし、フォトリソグラフィプロセスを用いて相互接続パターンで銅をマスキングし、そして、マスクされていない銅を選択的にエッチング除去すること、によって、基板の表面上に作られる。トレースの最小限の分離は、しばしば、エッチングプロセスによって制限される。より複雑な回路は、回路トレースの複数の層を用いて製造される。その回路トレース層は、絶縁層によって分離されているが、導電層間の接続は、導電性物質で満たされた絶縁層の間にあるホールによって形成される。これらの層間接続は、「バイアス」と呼ばれている。一つもしくは複数の回路トレース層を備えるリジット基板は、リジット基板プリント回路板(PCB)と呼ばれ、そして、電気的構成要素をPCBに搭載することによって形成された電子的アセンブリは、プリント回路板アセンブリ(PCBA)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より小さい、もしくは湾曲したパッケージ内にエレクトロニクスを収めるドライブにより、トレースがリジット基板を処理する際のめっき及びエッチング、もしくは、フレキシブル基板上への導電素材のスクリーン印刷によって作られるフレキシブル基板の発展が推進された。これらのフレキシブルプリント回路(FCPs)は、回路を作るために同一のプロセスを用いるため、従来のリジットPCBの製造と同じように、トレースの「ピッチ」と呼ばれる、回路素子の分離において制限される。
【0006】
回路素子を直接印刷する性能は、過去10年間で発展し、もしくは、そのようにして、低コストの印刷技術というメリットを得た。スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、そして、インクジェットのような共通の印刷プロセスは、導電性を有する炭素性化合物及び金属の両方を用いて回路を作成するために用いられる。それぞれのプロセスには、解像度、スループット、費用に関して利点も不利な点もある。炭素系化合物から製造された回路は、金属回路より低い導電性を有する。金属インクは、金属粒子を融合して連続した導電ストリップになるように300℃までの温度を必要とするため、基板をこの温度で安定する素材に制限される。
【0007】
リジット基板及びフレキシブル基板上に、現在の印刷技術で可能なものよりも、より微細なピッチを備え及び/又は高い加工温度を必要とせずに、高い導電性を有する回路及び回路素子が製造可能なことは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、銅ナノ粒子を用いた電子回路及び素子の印刷を含み、それは、様々なリジット及びフレキシブル基板上への100マイクロメートルより短いピッチでの銅回路及び素子の作成を可能とする。20ナノメートルより小さい、好ましくは、10ナノメートルより小さい、より好ましくは1−7ナノメートルの範囲の、さらにより好ましくは3−5ナノメートルの範囲の直径を有するナノ粒子がインクジェットプリンターと同様の方法で基板上に印刷されたとき、ナノ粒子は、基板と衝突した際に融合(fuse)する。これらの大きさの銅ナノ粒子は、また、パターンで塗布され、レーザーもしくは明るい光のような、放射エネルギーの短時間パルスへの露光(暴露)によって、もしくは、200℃より低い温度下、及び好ましくは、70℃より低い温度下でさらす(暴露する)ことにより融合が可能となる。これらの大きさの銅ナノ粒子は、また、型の下での圧縮のような押し付けにより、もしくは、ナノインスクライバーのような機械的なスタイラスで所望のパターンをトレースすることにより、融合が可能となる。本明細書に記載の回路素子の形成方法により、化学薬品や、電子アセンブリ用基板上の回路素子を形成するのに用いられる従来プロセスの温度に耐えることができない基板材料、特にフレキシブル材料の使用が可能となる。本明細書に記載されるように、銅粒子からの回路素子の印刷及び形成方法は、また、より微細なピッチの回路、すなわち、他のプロセスで可能なものより、短い導電素子間の離間距離を有する回路を可能とする。銅粒子から形成された回路素子は、抵抗、キャパシタ、及びインダクタのような受動素子、トランジスタのような能動素子、アンテナ、リフレクター、導波管のような無線(RF)素子、グラウンドプレーン及び電源プレーン、シールディング、信号経路のような回路素子、さらには、電波による個体識別(RFID)タグのような完全装置までも含んでもよい。
【0009】
ある実施形態において、銅を含んで構成され、融合される前には20ナノメートルより短い直径を有する融合したナノ粒子を含んで構成された第1金属形成層を含んで構成された回路素子が開示されている。
【0010】
ある実施形態において、基板と、その基板と連結された第1金属形成層と、を含んで構成されて、その第1金属形成層は、銅を含んで構成され、融合される前には20ナノメートルより短い直径を有する融合したナノ粒子を含んで構成された、回路アセンブリが開示されている。
【0011】
ある実施形態において、銅を含んで構成され、20ナノメートルより短い直径を有するナノ粒子を含んで構成された混合物の複数の滴を、基板に対して、前記ナノ粒子が前記基板と衝突した際に互いに融合し、前記基板上に複数のドットを形成するのに十分な速度で噴射するように構成された噴射器を含んで構成された回路プリント装置が開示されているが、この場合、前記ドットのそれぞれは、融合したナノ粒子の層を含んで構成され、重なり合ったドットは互いに融合されることが開示されている。
【0012】
ある実施形態において、基板上の導電素子を作成する方法が開示されている。その方法は、銅を含んで構成され、20ナノメートルより短い直径を有するナノ粒子を含んで構成された混合物の複数の滴を、基板に対して、前記ナノ粒子が前記基板と衝突した際に互いに融合し、前記基板上に複数のドットを形成するのに十分な速度で噴射する段階を含んで構成され、前記ドットのそれぞれは、融合したナノ粒子の層を含んで構成され、重なり合ったドットは互いに融合される。
【0013】
ある実施形態において、基板上の導電素子を作成する方法が開示されている。その方法は、銅を含んで構成され、20ナノメートルより短い直径を有するナノ粒子を含んで構成された混合物の層を、基板の表面の少なくとも一部の上に塗布する段階、及び、前記混合物の層の少なくとも一部において前記ナノ粒子を融合させる段階を含んで構成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示のある態様に係る、その上に電気部品及び回路が印刷されてもよいフレキシブル基板を有するプリント回路アセンブリ(PCA)を説明する例である。
図2】本開示のある態様に係る、回路素子を印刷する例示的な方法を示す。
図3A】本開示のある態様に係る、印刷により作成されたPCAの一部分を示す。
図3B】本開示のある態様に係る、印刷により作成されたPCAの一部分を示す。
図4】本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成された抵抗を示す。
図5】本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成されたキャパシタを示す。
図6A】本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成されたインダクタを示す。
図6B】本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成されたインダクタを示す。
図7A】本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成された能動素子を示す。
図7B】本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成された能動素子を示す。
図8】本開示のある態様に係る、レーザーを用いたナノ粒子の融合方法を示す。
図9A】本開示のある態様に係る、型を用いたナノ粒子の圧縮によるナノ粒子の融合方法を示す。
図9B】本開示のある態様に係る、型を用いたナノ粒子の圧縮によるナノ粒子の融合方法を示す。
図9C】本開示のある態様に係る、型を用いたナノ粒子の圧縮によるナノ粒子の融合方法を示す。
図9D】本開示のある態様に係る、型を用いたナノ粒子の圧縮によるナノ粒子の融合方法を示す。
図10】本開示のある態様に係る、ナノインスクライブによるナノ粒子の融合方法を示す。
図11】本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物のパターン層を塗布する方法を示す。
図12A】本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物のパターン層を融合する方法を示す。
図12B】本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物のパターン層を融合する方法を示す。
図12C】本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物のパターン層を融合する方法を示す。
図12D】本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物のパターン層を融合する方法を示す。
図13】本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物層をローラーを用いて融合する方法を示す。
図14A】本開示のある態様に係る、通路内の銅ナノ粒子を含んで構成される混合物層の融合方法を示す。
図14B】本開示のある態様に係る、通路内の銅ナノ粒子を含んで構成される混合物層の融合方法を示す。
図14C】本開示のある態様に係る、通路内の銅ナノ粒子を含んで構成される混合物層の融合方法を示す。
図15A】本開示のある態様に係る、回路素子を印刷する他の方法を示す。
図15B】本開示のある態様に係る、回路素子を印刷する他の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかのインクジェットプリンターは、インクが充填されたチャンバ(カートリッジ)もしくはそれぞれのノズルの下のチャネルからインクの滴を噴出する圧電アクチュエータを使用する。電圧が印可されるとき、圧電材料は、形を変えて、イメージがその上に作成される紙に届くのに十分な速度でノズルからインクの液滴を噴出するチャネル内に、圧力波をつくる。圧電インクジェットテクノロジーは、揮発成分が必要なく、そして、インクのコゲーションの問題もないので、サーマルインクジェットテクノロジーより、より多様なインクを使用することができる。一つの印刷プロセスは、「ドロップオンデマンド」と呼ばれ、ノズルのすぐ前方にある紙の一部の上にイメージを作成することが望まれるときにだけ、ソフトウェアがプリントヘッドに、ノズルから一つもしくは複数のインクの液滴を噴出するよう指示する。
【0016】
20ナノメートルより短い直径を有する銅粒子は、それらのバルク特性の線形的な拡張とはならない特性を有する。これらの直径で、銅ナノ粒子は、「準安定」となり、ナノ粒子が直接接触したときに、原子を動かして融合させるエネルギーがほとんど必要とされないと考えられている。必要とされるエネルギーは、ナノ粒子の直径が減少するにつれ、非線形的に減少し、金属と金属の直接接触時にナノ粒子が融合する、概して10ナノメートルより短い範囲の水準に達する。銅ナノ粒子は、そのナノ粒子が液体内で分散したときに融合しないよう界面活性剤でコーティングされなければならない。キャリア液と界面活性剤でコーティングされたナノ粒子との混合物は、銅を含む混合物が所望するときに銅ナノ粒子を融合させるためのある付加条件を必要とすることを除き、インクが取り扱われるのとほぼ同じ方法で取り扱われることができる。20ナノメートルより小さい銅ナノ粒子は、凝集作用及び凝集の度合い次第で、赤から黒に変化する色を有するよう見え、放射エネルギーの吸収を容易にする。回路素子又は他の導電構造を作成する一つの利点は、銅ナノ粒子を融合するのに必要なエネルギーが基板温度を70℃より高く上げず、そして、ある実施形態においては、ほとんど熱することがないことである。これは、70℃より高く300℃までの温度のオーブン内で、ほぼ30分間、金及び銀ナノ粒子を融合させる従来のプロセスと対照的である。
【0017】
図1は、本開示のある態様に係る、その上に電気部品14及び回路12が印刷可能なフレキシブル基板16を有するPCA10を説明する例である。単純な電気回路は、従来、回路をめっきするのに用いられる化学薬品、及びエッチングするのに用いられる化学薬品に耐え、200℃を越える暴露を乗り切ることができるポリイミドのようなフレキシブル基板上に作られている。フレキシブルPCAの一つの利点は、このフレキシブルPCA上に構築された電子機器が小さく、かつ、イレギュラーな形のスペース内にパッケージされてもよいことである。フレキシブル基板は、また、熱がより効果的に構体に伝達されるような湾曲した支持構体にPCAが適合が可能となる。リジットプリント回路板(PCB)に構築された電子機器から熱を取り除くことが困難なために、電子機器の機能性は制限される。高温へさらす必要のないプロセスを用いて、基板16上に回路12及び部品14を印刷することは、他の方法では材料の低温制限により除外される様々な基板材料までその対象を広げる。
【0018】
図2は、本開示のある態様に係る、回路素子を印刷する例示的な方法を示す。インクジェットプリンタ29、もしくは、類似したプリント装置は、インクマニホールド38と接続されたノズル32を有するプリントヘッド30を含む。この実施形態において、圧電駆動素子36は、ノズル32に押し入れられ、それにより、無加圧(non-energized)の構成においては、駆動素子36は、図2の方向で左に縮み、そして、インクマニホールド38をノズル32に接続する。インクは、インクマニホールド38からノズル32内に流れ、部分的にノズル32を満たす。インクの滴の噴出を所望するときに、電圧は、図2の方向で右に拡大する圧電駆動素子36に印可される。このノズル32内への拡大は、滴20を噴出する。
【0019】
図2の実施形態において、「インク」は、銅を含んで構成された複数のナノ粒子22を含む混合物である。ある実施形態において、これらのナノ粒子22の大きさは、20ナノメートルより小さく、好ましくは、10ナノメートルより小さく、より好ましくは、1−7ナノメートルの範囲内であり、さらにより好ましくは、3−5ナノメートルの範囲内である。ナノ粒子22は、必ずしも真球でないが、ナノ粒子22は、そのナノ粒子22の質量の中心を通って計測された、そのナノ粒子22の様々な位置での複数の表面間距離の平均である「大きさ」もしくは「直径」を有すると考えられる。球状に近い形状ではないナノ粒子22も、また、本明細書に記載された特性のいくつかを示すが、しかし、その粒子の振る舞いは、球状に近い形状であるナノ粒子の振る舞いほど一定ではないし、一貫性があるものではない。ある実施形態において、混合物は、その中にナノ粒子22が分散した液体を含む。ある実施形態において、液体は、一もしくは複数の、水、アルコール、溶剤、又は他のキャリア原料を含んで構成されてもよいし、界面活性剤、分散剤、安定剤、又はナノ粒子22の表面に塗布される、又は粒子分離を維持するよう溶剤に溶かされて混合物内のナノ粒子22の集塊もしくは癒着を避ける、又は、粘性、表面張力、もしくは混合物の他の特質を改質する他の化学薬品をさらに含んで構成されてもよい。ある実施形態において、ナノ粒子22は、少なくとも部分的な界面活性剤のコーティングを含んで構成される(図2には、表されていない)。
【0020】
大きさが20ナノメートルもしくはそれより小さい、好ましくは、10ナノメートルより小さい、さらに好ましくは1−7ナノメートルの範囲内である、さらに好ましくは、3−5ナノメートルの範囲内である銅ナノ粒子の特質の一つは、このナノ粒子22が互いに金属間接触で融合できることである。ナノ粒子22が印刷される前に、混合物の中で融合することを防止する一つの方法は、それぞれのナノ粒子22を界面活性剤の層もしくは所定の間隔を設けやすい、もしくは同様の材料でコーティングされる他のナノ粒子22と反発しやすい他の材料でコーティングすることである。
【0021】
混合物の滴20がプリンター29のノズル32から放出されたとき、それは、プリンター29と基板28との間の解放空間に移動し、秒速10メートル(時速22マイル)を超える速度で基板28に打ち付けられる。滴20が基板28に打ち付けられたときに、ナノ粒子22は、滴20の元の方向に、液体を通って動く傾向にある。最初のナノ粒子22が基板28に衝突して止まる(基板28に付着する)ので、次のナノ粒子22は、液体を通して動き続け、停止(付着)したナノ粒子22に、二つのナノ粒子22の界面活性剤のコーティングを置替し、ナノ粒子22間の金属間接触を許容する十分なエネルギーで打ち付けられる。分子レベルの衝突誘起反応は、「ハンマーでの化学反応」と称される。ナノ粒子22は、二つのナノ粒子22のメタルコアを接触させるように、衝突したナノ粒子22の表面上の界面活性剤を押しのけるのに十分なエネルギーを有していなければならない。この金属間接触により、反応表面の原子は流れ始め、これにより、ナノ粒子22間の融着を生じさせて、より大きな結晶や固体層となる。混合物の滴20のより多くのナノ粒子22がナノ粒子22の増大する融合塊に打ち付けられるので、金属層26は、基板28上にドットとして形成される。多くの表面がナノスケールの凹凸を有し、融合した金属層は、基板28の凹凸を有する表面と連結するので、この層は、単純な機械的接着(圧着、熱融着、融着)により基板に接着(圧着、熱融着、融着)しやすい。図2は、滴24が基板28に打ち付けられ、そして、ナノ粒子22が衝突して、その基板28の表面上に金属のドットを形成した基板28の断面図を示す。
【0022】
約25ナノメートル、そしてそれより小さいナノ粒子22を融合するのに必要とされる粒子間圧力(粒子間力をナノ粒子の公称断面積で割った値)は、ナノ粒子22の大きさ、及び混合物の中に含まれる界面活性剤に応じて、およそ600−13,800キロパスカル(ka)(概略で平方インチ当たり90から2000ポンド(psi))の範囲である。より大きな粒子は、高圧もしくは熱と連動する圧力が必要となり、融合の困難性が増大しやすい。
【0023】
ある実施形態において、混合物中の液体は、プリンターノズル32から基板28に飛んでいる間、滴20のそれぞれの中の液体が少なくとも部分的に蒸発するよう配合されてもよい。ある実施形態において、各滴20の中にある液体全てが、個々のナノ粒子22から離れながら蒸発し、そして、基板に打ち付けられて融合する。
【0024】
図3A及び3Bは、本開示のある態様に係る、印刷によって作成されたPCAの一部分を示す。図3Aは、図2に示された印刷プロセスによって作られた、三つのドット、26A,26B,26Cを示す。この実施形態のそれぞれのドットは、混合物のキャリア液が蒸発した後に残る金属の不整形円である。他の実施形態において、これらのドット26は、プリンターノズル32を通過する、もしくはプリンターノズル32の下での、基板28の横方向の速度によって生じた細長い形状を有する。図3Aの実施形態において、基板28は、混合物の滴20によって形成されたドット26A,26B,26Cが重ね合わさったパターン(overlapping pattern)でオフセットされるよう、一連の滴20の放出の間、ノズル32に対して位置を変更(シフト)している。
【0025】
図3Bは、図3Aのドット26及び基板28の側面断面図である。ドットを形成する金属層26は、隣合う金属層26に重なりあっていることがわかる。基板28に到達したドット26Bを形成した混合物の滴の最初のナノ粒子2の中には、それ以前のドット26Aの金属層に打ち付けられ、その上、ドット26A及び26Bの金属層が電気的に接続されるようにドット26Bのナノ粒子は、ドット26Aの金属層と融合する。同様にして、ドット26Cの金属層は、ドット26Bの金属層と融合され、それゆえ、ドット26Bと26Cの両方の金属層と電気的に接続される。このようにして、電気経路もしくは回路は、電気的に接続されることとなる2点間の、連続的に重ね合わさったドット26によって形成される。この電気回路は、ドットの一列より幅広く、そして、プリンターのパターニングの能力の制限を受ける限りにおいては、いかなるパターンにもフォローは可能である。電気回路及び素子の印刷方法は、紙の上にインクを印刷するのと同様な方法で制御が可能であるが、その場合、画像が標準的なプリンターで印刷されるのと同一の方法で、いかなる形状の、もしくは、いかなるパターンの金属層も形成されうる。
【0026】
図2A及び図3A−3Bの印刷方法を用いることによって、多層PCAの作成が可能となる。回路構成の第一層がベア基板上に印刷することによって形成され、そして、金属形成層を作る。それから、非導電性材料の層は、第一金属形成層の一部分の上に塗布される。ある実施形態において、この非導電層は、塗付後に養生硬化する非導電性の混合物を用いた、同様の印刷方法によって塗付される。次に、第二金属形成層は、第一金属形成層及び非導電層の上に印刷することにより作成される。第二金属形成層が第一金属形成層の露出された領域に重ね合わされたときに、層間の電気的な接続が形成される。これは、図6Bに関する詳細により後述される。
【0027】
図4は、本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子22の融合により形成された抵抗30を示す。その抵抗30は、金属26の一つの層で形成される。その抵抗は、図4の実施形態において、最小限の領域で通路31を最大限の長さで作成するよう蛇状の経路を辿る、導電金属の長細い通路31を形成することにより作成される。
【0028】
図5は、本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成されたキャパシタを示す。キャパシタ32の実施形態は、金属26の単層で形成される。二つの電極34A及び34Bは、その電極34A,34Bを分離する狭い隙間36を伴い作成される。ある実施形態において、電極34A,34Bは、別々の層に、一方の電極の上方に他方の電極を位置させた状態で作成される。
【0029】
図6A及び図6Bは、本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子の融合により形成されたインダクタを示す。図6Aは、インダクタ38の導電部分の斜視図を示し、図6Bは、インダクタ38の中心を通り、インダクタの一部の全体にわたり記載された、インダクタの断面図を示す。図6A及び図6Bの実施形態において、金属26の第一層は、渦線38Aを形成する。非導電材料層40(図6Aには示していない)は、渦線38Aの上方に形成される。金属26の第二層は、非導電層40の上方にストリップ38Bとして形成され、渦線38Aの中心の上方にストリップ38Bの端が位置する状態となる。ビア42(図6Aにおいて接続線として示された)は、非導電層を貫いて形成され、渦線38Aにストリップ38Bを電気的に接続する。ある実施形態において、ビア42は、ストリップ38Bを形成する前に、レーザ穴あけ加工などのプロセスを用いて層40を貫通して、渦線38Aに達する孔を形成し、これにより、ストリップ38Bが形成されるのと同時に金属26で前記孔を充填してビア42を作成する。ある実施形態において、孔は、ストリップ38Bが形成された後に作成され、前記孔は、ストリップ38及び層40を貫通して渦線38Aに至り、当該孔は、その後の作業にて、金属26で充填される。ある実施形態において、ビア42を埋めるのに十分なナノ粒子22を供給するために、プリンター29は、ビア42が形成される孔の上方に混合物の余分な滴を置くよう印刷作業を調整する。ある実施形態において、ビア42は、大きさが調整され、これにより、表面張力の特性を利用するように配合されたナノ粒子22の混合物が孔に十分に入り、孔内に広がる。
【0030】
これらと同じ技術が、例えば、能動素子コンポーネントからヒートシンクに熱を伝導する等して、熱管理用の熱伝導路を提供するといった他の目的のための3次元構造作成に用いられることは、明らかである。
【0031】
図7A及び7Bは、本開示のある態様に係る、印刷及び銅ナノ粒子22の融合により形成された能動素子50を示す。この実施形態において、第一電極52は、基板28(図7には示していない)上に矩形で印刷される。他の実施形態において、第一電極52は、円を含む他の形状を有する。非導電材料層40は、第一電極52の上方に形成される。この実施形態において、半導体56の層は、第一電極52の一部の上方に塗布される。この半導体は、能動素子50の所望の機能に基づき選択される。ある実施形態において、半導体56は、電子輸送に適合される。ある実施形態において、半導体56は、光子放出に適合される。ある実施形態において、半導体56は、有機物である。この実施形態において、コンダクタ54は、非導電材料40の上方に形成され、半導体56に接続される。この実施形態において、第二電極58は、半導体56の一部の上方に形成される。第一電極52,コンダクタ54及び第2電極58は、能動素子50を操作する他の回路素子に接続される。本技術分野における通常の知識を有する者にとっては、多くの種類の能動素子が、本明細書に記載されているのと同様、銅ナノ粒子22から形成された導電層を用いて構築されうることは、明らかである。
【0032】
図8は、本開示のある態様に係る、レーザーを用いたナノ粒子の融合方法を示す。この実施形態において、20ナノメートルより小さい、好ましくは、10ナノメートルより小さい、より好ましくは、1−7ナノメートルの範囲にある、さらにより好ましくは、3−5ナノメートルの範囲にある直径を有する銅ナノ粒子22を含む混合物62の層は、基板28のストリップの全体にわたり均一に広がっている。銅ナノ粒子22が20ナノメートルより小さい直径を有するとき、このナノ粒子22は、融合するためのエネルギーをほとんど必要としない。この実施形態において、レーザー64は、光放射(optical radiation)66の光線を作り、この光線を、融合したナノ粒子のパターン68の形成が所望される層62の一部に向ける。ある実施形態において、光放射66は、決められた周波数帯を有する。ある実施形態において、光放射66の周波数帯は、ナノ粒子22の吸収帯の少なくとも一部を包含する。光放射66のエネルギーは、混合物62の層の中でナノ粒子が融合するのに過不足ないエネルギーを供給するよう調整される。ある実施形態において、ナノ粒子22を融合するのに必要なエネルギーは、基板の温度を20℃より低い温度まで上昇させる。融合した金属のパターン68が完成した後に、非融合の混合物62は、回路素子のストリップ60から取り除かれ、そして離れる。
【0033】
図9A−9Dは、本開示のある態様に係る、型70を用いたナノ粒子の圧縮、もしくは圧縮成型によるナノ粒子の融合方法を示す。図9Aは、基板28上に形成された、混合物72の層を示す。型70は、作成される回路素子の形状である、隆起した部分76のパターンを有する。この型は、それが混合物72の層と接触するまで、力を受けて下方に押される。
【0034】
図9Bは、型70が混合物72の層及び基板28に対する圧力を増した後のプロセスを示す。隆起した部分76の下のナノ粒子22は、そのナノ粒子22が互いに直接接触するまで圧縮し続けられる。20ナノメートルより小さい、好ましくは、10ナノメートルより小さい、より好ましくは1−7ナノメートルの範囲の、さらにより好ましくは3−5ナノメートルの範囲の、直径を有するナノ粒子22は、相対的に低圧下で、かつ、基板28の温度を上昇させることなく、融合されることが示されている。ナノ粒子の大きさ及び混合物72の配合に応じて、90−2000psiの圧力が必要とされる。
【0035】
図9Cは、型70の隆起した部分76のパターンと一致する、金属74の融合パターンを残したまま、型70が取り除かれ後のプロセスを示す。圧縮されなかった混合物72の部分は、融合せず、水系洗浄(図示していない)などのプロセスによって取り除かれる。
【0036】
図9Dは、基板28に接着(圧着)した金属の仕上がったパターンを示す。ある実施形態において、追加コンポーネント(図示していない)は、基板28に取り付けられ、金属74のパターンによって形成された回路素子の一部と電気的に接触する。ある実施形態において、金属74のパターンによって作成された回路素子は、基板28から取り除かれ、異なる支持構体(図示していない)に運ばれる。
【0037】
図10は、本開示のある態様に係る、ナノインスクライブによるナノ粒子の融合方法を示す。ナノインスクライブは、銅を含むナノ粒子を含有する混合物72の層の上に機械要素100で回路素子の形状をトレースするプロセスである。前述のように、20ナノメートルより小さい、好ましくは、10ナノメートルより小さい、より好ましくは1−7ナノメートルの範囲の、さらにより好ましくは3−5ナノメートルの範囲の、直径を有する銅ナノ粒子22は、周囲温度で、相対的に低圧、例えば、90psiより低圧で、かつ、基板28の温度を上げることなく、融合が可能である。機械要素100は、先端部102の下で混合物72中の銅ナノ粒子22を融合するのに十分な圧力で混合物72を金属74の層内へ圧縮する。この機械要素100は、ある実施形態においては、マイクロメートルオーダーの直径を有する先端部102を有する。
【0038】
図11は、本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物72のパターン層を塗布する方法を示す。この実施形態において、混合物72は、銅ナノ粒子22を融合することにより回路素子作成が意図された場所(位置)にだけ塗付される。混合物72は、コンダクタを形成する単純な線のようなパターン、もしくは図4及び5の装置が作られるような形状で塗付される。図11の実施形態は、リザーバ110の移動方向を指示する矢印114によって示されるように、基板28上を移動しているリザーバ110のノズル112から押し出されている混合物72を示す。ノズルの直径により、混合物72のパターンの幅及び厚さが制御される。混合物72のパターンの全体が基板上に形成された後、その混合物72のパターンの全体は、図12Aに示されるようなプロセスによって硬化される。ある実施形態において、押し出しプロセスによって作られた圧力は、ナノ粒子22の少なくとも部分的な融合を引き起こす。
【0039】
図12A−12Dは、本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物72のパターン層を融合する方法を示す。図12Aは、銅ナノ粒子22が互いに融合するのに十分なエネルギーで混合物72のパターン層の一領域を照らす光源120に露光(暴露)される基板28上に形成された混合物のパターン層を示す。ある実施形態において、光源120は、第一出力レベルで1秒より短い間、エネルギーを与えられる。ある実施形態において、光源120は、第一出力レベルより低い出力の第二出力レベルで1秒より長い間、エネルギーを与えられる。ある実施形態において、光源120によって伝達されるエネルギーは、基板28の温度を70℃より低い温度に上げるまでの間で、銅ナノ粒子22を融合するのに十分である。ある実施形態において、光源120によって伝達されたエネルギーは、20℃より低い基板28の温度を上げるその間に、銅ナノ粒子22を融合するのに十分である。ある実施形態において、光源120から放出された放射物(radiation)は、決められた周波数帯を有する。ある実施形態において、光源120から放出された放射物の周波数帯は、ナノ粒子22の吸収帯の少なくとも一部を包含する。図12Cは、基板28及び光源120がオフにされ、かつ、任意のキャリア素材もしくは混合物72の融合しない部分が水系洗浄(図示していない)のようなプロセスによって取り除かれた後に残った融合した金属層124を示す。
【0040】
ある実施形態において、前述のレーザー64は、ナノ粒子22を融合しながら、混合物のパターンの上をトレースするのに用いられることができる。同様に、ナノインスクライバー100は、ナノ粒子を融合するよう混合物のパターンをトレースするのに用いられることができる。
【0041】
図12Bは、銅ナノ粒子22が互いに融合するのに十分なエネルギーで混合物72のパターン層を熱する熱源122に露出(暴露)されて基板28上に形成された混合物72のパターン層を示す。ある実施形態において、熱源122は、放射エネルギー源である。ある実施形態において、熱源122は、基板28に対流的に伝達される熱を発生する。ある実施形態において、熱源120によって伝達されるエネルギーは、基板28の温度を70℃より低い温度に上げるまでの間で、銅ナノ粒子22を融合するのに十分である。ある実施形態において、熱源122によって伝達されたエネルギーは、20℃より低い基板28の温度を上げる間で、銅ナノ粒子22を融合するのに十分である。ある実施形態において、熱源120(訳注:おそらく122の誤記)によって伝達されるエネルギーは、基板の温度を70℃より低い温度に上げるまでの間で、銅ナノ粒子を融合するのに十分である。図12Dは、基板28及び熱源122により作られた熱が取り除かれ、かつ、任意のキャリア材料もしくは混合物72の非融合部分が水系洗浄(図示していない)のようなプロセスによって取り除かれた後に残った融合した金属層124を示す。
【0042】
図12Aもしくは図12Bに示された、ナノ粒子22を融合する他の方法は、既存の気相リフロー法の設備を利用することである。気相法において液体は対流式オーブン(コンベクションオーブン)内の空気より熱エネルギーを伝達する点でより効果的であるので、適切な処理速度を達成し続けている間、蒸気の温度は、対流式オーブンの空気より低温に制限しておくことが可能である。この低温により、その低温がナノ粒子22を融合するのに必要とされるのと併せて、原料又は高温のプロセスに適さないコンポーネントを使用しての成形加工を可能としてもよい。
【0043】
図13は、本開示のある態様に係る、銅ナノ粒子を含んで構成された混合物72の層をローラー130を用いることにより融合する方法を示す。 図13の実施形態において、ローラー130は、金属74の融合パターンを形成するよう混合物72を圧縮しながら、基板28上を速度Vで移動する。ある実施形態において、ローラー132は、角速度シータ(θ)で回転し、そうして、ローラー表面132は、基板28に対してゼロではない速度を有する。ある実施形態において、ローラー表面132は、テクスチャ加工された表面(図示されていない)を含んで構成される。ある実施形態において、ローラー表面132は、並行溝(図示されていない)を含んで構成される。ある実施形態において、ローラー130は、基板に対して回転してもよいし、もしくは回転せずに基板28上を移動してもよい球体(図示されていない)に置き換えてもよい。
【0044】
図14A−14Cは、本開示のある態様に係る、通路134内の、銅ナノ粒子を含んで構成される混合物72の層を融合する方法を示す。ある実施形態において、通路134は、ビアであり、基板28は、PCBである。図14Aにおいて、混合物72の層は、通路134の内表面135上に形成される。ある実施形態において、混合物72は、通路134を埋める。ある実施形態において、混合物72は、通路134の長さの一部分だけを埋める。
【0045】
図14Bは、内表面135上に金属74の融合パターンを形成するよう混合物72を圧縮しながら通路134を通過する球体136を示す。ある実施形態において、通路134は、内径D1を有する円柱形状のものである。14Bの実施形態において、球体136は、通路の内径D1より小さい直径D2を有する。ある実施形態において、球体136は、シャフト137に連結される。ある実施形態において、球体136が通路134を通過するときに、シャフト137及び球体136は、基板に対して回転する。ある実施形態において、球体136は、丸みを帯びた、形作られた、もしくは尖った下方先端部(lower tip)を有する円柱形状のエレメント(示されていない)で置換される。ある実施形態において、球体138は、軸対称な形状を有するエレメント(示されていない)で置換される。
【0046】
14Cは、図14Bと同様に、金属74の融合パターンを形成するよう混合物72を圧縮しながら通路134を通過する球体138を示す。球体138は、通路の内径D1より大きいか、もしくは同じ大きさの直径D3を有する。球体138が通路134を通過するときに、基板28は、球体138に隣接する領域140において変形する。ある実施形態において、領域140における変形は、弾性的であり、基板28は、球体138が通過した後に、その原型に戻る。ある実施形態において、基板28は、その原型に完全には戻らない。ある実施形態において、球体137(訳注:おそらく、138の誤記)は、シャフト137に連結される。ある実施形態において、球体138が通路134を通過するとき、シャフト137及び球体138は、基板に対して回転する。ある実施形態において、球体138は、丸みを帯びた、成形された、もしくは尖った下方先端部(lower tip)を有する円柱形状のエレメント(示されていない)で置換される。ある実施形態において、球体138は、軸対称な形状を有するエレメント(示されていない)で置き換えられる。
【0047】
金属74の融合パターンをバニシングする(burnishing)ことは、疲労破損の減少、腐食又は応力腐食の防止、視覚欠損を除去するよう金属74の融合パターンの表面をテクスチャ加工すること、金属74の融合したパターンの気孔率の減少、及び金属74の融合パターン内での余剰の圧縮応力の生成を含む、一つもしくは複数の利益を提供してもよい。
【0048】
球体136もしくは138,ローラー130,ナノスクライブ機械要素100,又は他の接触要素のいずれかによるバニシングは、基板28が接触領域で弾性的に変形し、そして接触要素が移動して離れた後に、原型に戻る際の圧力で達成されてもよい。ある実施形態において、接触要素によって加えられた圧力は、基板28の測定可能な変形を生じさせなくてもよい。
【0049】
ある実施形態において、バニシングは、基板28及び金属74の融合パターンが周囲より高い温度である間、実行される。ある実施形態において、バニシングは、基板28で実行され、金属74の融合パターンは、およそ、周囲温度である。ある実施形態において、接触要素によって加えられた圧力は、金属74の融合パターンの接触領域内で熱を生成する。ある実施形態において、基板に対する接触要素の相対運動は、摩擦を生じ、それゆえ、金属74の融合パターンの接触領域に熱を加える。
【0050】
図15A−15Bは、本開示のある態様に係る、回路素子を印刷する他の方法を示す。図15Aは、図2と同様のプリンター(図15Aもしくは15Bに示されていない)によって放出された界面活性剤(図15A及び15Bでは見えない)で、少なくとも部分的にコーティングされた、銅を含んで構成されたナノ粒子152を、含んで構成された第一混合物の滴150を示す。ある実施形態において、混合物は、キャリアを含んで構成され、また、ある実施形態においては、そのキャリアは、液体である。ある実施形態において、ナノ粒子152は、直径が50ナノメートルより小さい。ある実施形態において、ナノ粒子152は、直径が20ナノメートルより小さい。ある実施形態において、ナノ粒子152は、直径が10ナノメートルより小さい。ある実施形態において、ナノ粒子152は、直径が1−7ナノメートルの範囲内である。ある実施形態において、ナノ粒子152は、直径が3−5ナノメートルの範囲内である。滴150は、基板28に打ち付けられ、非融合のナノ粒子152の層154を形成する。
【0051】
図15Bは、ナノ粒子152の界面活性剤を変位させるように構成された分散剤を含んで構成された第二混合物の滴160を示す。分散剤の化学的作用と、層154に打ち付ける、動いている滴160から与えられた運動エネルギーとが結合することによって、ナノ粒子を少なくとも部分的に融合させて融合層156とするだけの十分な圧力で、非融合のナノ粒子152を層154内で互いに接触させる。
【0052】
以上のように、70℃より低い温度で銅ナノ粒子を融合させて作成した回路素子及びその回路素子の形成方法が開示されている。20ナノメートルより短い、好ましくは10ナノメートルより短い、より好ましくは4ナノメートルより短い、直径を有する、銅ナノ粒子は、それらのバルク特性の線形拡張ではない特性を有する。好ましくは4ナノメートルより短い直径を有する銅ナノ粒子のほとんどが、基板上に噴射された銅ナノ粒子を含む混合物の滴の衝突により融合される。好ましくは10ナノメートルより小さい直径を有する銅ナノ粒子は、圧縮もしくは銅ナノ粒子を含む混合物を70℃より低い温度まで熱することにより融合される。
【0053】
以上の記載は、当技術分野の通常の知識を有する者が本明細書に記載の様々な態様を実行できるように提供される。以上の記載には、何が最適な実施形態であるか、及び/又は他の例であるかが記載されており、当然のことながら、これらの態様に対する様々な変形例は、当業者に対し直ちに理解でき、本明細書において定義された包括的原理は、他の態様に適用されてもよい。これにより、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定することを意図するものではなく、これに、すべての特許請求の範囲の文言と矛盾しない適用範囲が与えられるものであるが、ここでは、単数形で一要素を言及した場合には、特に述べられない限り、「一つかつ一つだけ」を意味するのではなく、むしろ「一つもしくは複数」を意味することを意図している。特に他に述べられていない限り、用語「一組」及び「いくつかの」は、一つもしくは複数であることを言及する。男性における代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性(例えば、彼女のおよびその)やその他のものも含む。見出しや小見出しが、もしあれば、それらは、便宜上用いられるだけであり、発明を限定するものではない。
【0054】
当然のことながら、開示された過程における特定の順序、または、段階の順位は、例示的な手法の例である。当然のことながら、デザイン志向に基づき、その過程における特定の順序もしくは段階の順位は、再配置されてもよい。その段階の中には、同時に実施されてもよいものもある。添付する方法の請求項は、順序の一例における様々な段階の要素を提示し、そして、提示された特定の順序や順位に限定されることを意味しない。本開示において、用語「上部(top)」「下部(bottom)」「前部(front)」「後部(rear)」などは、通常の重力座標系ではなくて、むしろ任意の座標系を言及するものとして理解されるべきである。それゆえ、上部表面、下部表面、前部表面、後部表面は、重力座標系において、上方に、下方に、対角線上に、もしくは、水平にと拡大されてもよい。
【0055】
「態様」のような語は、そのような態様が発明の主題に必須であること、もしくは、そのような態様が発明の主題のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一態様に関連する一開示は、すべての構成、一つの構成もしくは複数の構成に適用されてもよい。一態様のような語は、一つもしくは複数の態様を言及してもよく、また、その逆も同様である。「実施形態」のような語は、そのような実施形態が発明の主題に必須であること、もしくはそのような実施形態が発明の主題のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施形態に関連する一開示は、すべての実施形態か、一つもしくは複数の実施形態に適用されてもよい。一実施形態のような語は、一つもしくは複数の実施形態を言及してもよく、また、その逆も同様である。
【0056】
用語「例示的な」は、本明細書では「一例もしく一例証として機能すること」を意味するために用いられる。「例示的」として本明細書に記載された、いずれの態様もしくは設計は、他の態様もしくは設計より好ましい、または、有利であると必ずしも解釈されるわけではない。
【0057】
用語「光」は、10ナノメートルから1ミリメートルの範囲の波長を含んでいる、赤外線に対する紫外線からの電磁放射を包含し、その語は、限定はしないが、人間の目に対する可視光を含み、それは、380−760ナノメートルの範囲を包含する。
【0058】
当業者に周知の、もしくは後程知られるようになる、本開示に記載された様々な態様の要素と構造上及び機能上均等物は、参照によって、本明細書に明確に組み入れられており、特許請求の範囲により包含するよう意図されている。さらに、本明細書に開示されたものは、このような開示が特許請求の範囲で明らかに引用されているか否かにかかわらず、公に供することを意図したものではない。いかなる特許請求の範囲の要素も、その要素が明確に用語「の手段」を用いて記載されている場合、もしくは、方法の発明の場合において、用語「の方法」を用いて要素が記載されてる場合を除き、米国特許法(35 U.S.C)第112条第6段落に従って解釈されるものではない。 さらにまた、明細書もしくは特許請求の範囲において「含む(include)」「有する(have)」などの用語が用いられている限りは、これらの語は、用語「を含んで構成される(comprise)」と同様に、すべてを含むよう意図されている。請求項において移行語として用いられるときに、「を含んで構成する(comprise)」は、そのように解釈されるのと同様である。
出願当初の特許請求の範囲は、以下の内容であった。
[請求項1]
導電素子形成に適合されたインクであって、
銅を含んで構成され、20ナノメートルより短い直径を有する複数のナノ粒子と、
キャリアと、
を含んで構成され、
前記ナノ粒子のそれぞれは、隣接するナノ粒子と分離するよう構成された界面活性剤の少なくとも部分的なコーティングを含んで構成されることを特徴とするインク。
[請求項2]
前記ナノ粒子は、10ナノメートルより短い直径を有する請求項1に記載のインク。
[請求項3]
前記ナノ粒子は、1−7ナノメートルの範囲の直径を有する請求項2に記載のインク。
[請求項4]
前記ナノ粒子は、3−5ナノメートルの範囲の直径を有する請求項3に記載のインク。
[請求項5]
前記ナノ粒子は、一のナノ粒子が秒速0.5ナノメートルより速い相対速度で他の一のナノ粒子に打ち付けられときに互いに融合するよう構成される請求項1に記載のインク。
[請求項6]
前記ナノ粒子は、一のナノ粒子が秒速1.0ナノメートルより速い相対速度で他の一のナノ粒子に打ち付けられたときに互いに融合する請求項5に記載のインク。
[請求項7]
前記ナノ粒子は、一のナノ粒子が、600kPsより小さい、ナノ粒子の公称断面積によって分割された粒子間力として考えられる粒子間圧力で他の一のナノ粒子に対して押圧されたときに互いに融合するよう構成される請求項1に記載のインク。
[請求項8]
前記ナノ粒子は、前記粒子間圧力が5000kPaより小さいときに互いに融合するよう構成される請求項7に記載のインク。
[請求項9]
前記ナノ粒子は、前記粒子間圧力が14000kPaより小さいときに互いに融合するよう構成される請求項8に記載のインク。
[請求項10]
200℃より低い最高暴露温度を有する基板と、
前記基板に連結された第1金属形成層と、
を含んで構成され、
前記第1金属形成層は、少なくとも部分的に融合した、銅を含んで構成され、融合される前には50ナノメートルより小さい直径を有するナノ粒子を含んで構成されることを特徴とする回路アッセンブリ。
[請求項11]
前記ナノ粒子は、融合される前には20ナノメートルより小さい直径を有する請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項12]
前記ナノ粒子は、融合される前には10ナノメートルより小さい直径を有する請求項11に記載の回路アッセンブリ。
[請求項13]
前記ナノ粒子は、融合される前には1−7ナノメートルの範囲にある直径を有する請求項12に記載の回路アッセンブリ。
[請求項14]
前記ナノ粒子は、融合される前には3−5ナノメートルの範囲にある直径を有する請求項13に記載の回路アッセンブリ。
[請求項15]
前記基板は、フレキシブルである請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項16]
前記基板は、70℃より低い最高暴露温度を有する請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項17]
前記第一金属形成層の少なくとも一部の上方にある非導電性物質の第一層と、
前記第一非導電層の上方にある第2金属形成層と、
を更に含んで構成され、
前記第二金属形成層は、少なくとも部分的に融合したナノ粒子を含んで構成される請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項18]
更に、前記第1非導電層を貫通し、前記第1及び第2金属形成層に電気的に接続された少なくとも一つのビアを含んで構成され、
前記ビアは、銅を含んで構成された、融合したナノ粒子を含んで構成される請求項17に記載の回路アッセンブリ。
[請求項19]
前記第1金属形成層は、前記一組の抵抗、キャパシタ、インダクタ、ダイオードから選択された受動素子の少なくとも一部を形成する請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項20]
前記第1金属形成層は、トランジスタの少なくとも一部を形成する請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項21]
前記第1金属形成層は、バッテリーの少なくとも一部を形成する請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項22]
更に、個別的な電気的構成要素を含んで構成される請求項10に記載の回路アッセンブリ。
[請求項23]
銅を含んで構成され、20ナノメートルより小さい直径を有するナノ粒子を含んで構成された混合物の複数の滴を、基板に対して、前記ナノ粒子が前記基板と衝突した際に互いに少なくとも部分的に融合し前記基板上に複数のドットを形成するのに十分な速度で、放出するよう構成された噴射器を含んで構成され、
前記ドットのそれぞれは、少なくとも部分的に融合したナノ粒子の層を含んで構成され、重なり合ったドットが互いに融合されていることを特徴とする回路プリント装置。
[請求項24]
前記ナノ粒子は、10ナノメートルより小さい直径を有する請求項23に記載の回路プリント装置。
[請求項25]
前記ナノ粒子は、1−7ナノメートル範囲の直径を有する請求項24に記載の回路プリント装置。
[請求項26]
前記ナノ粒子は、3−5ナノメートルの範囲の直径を有する請求項25に記載の回路プリント装置。
[請求項27]
前記放出された滴の前記速度は、秒速0.5ナノメートルより速い請求項23に記載の回路プリント装置。
[請求項28]
前記放出された滴の前記速度は、秒速1.0ナノメートルより速い請求項27に記載の回路プリント装置。
[請求項29]
更に、200℃より高い温度まで前記基板の暴露なしに金属の導体パターンを作るよう構成される請求項23に記載の回路プリント装置。
[請求項30]
更に、70℃より高い温度まで前記基板の暴露なしに金属の導体パターンを作るよう構成される請求項29に記載の回路プリント装置。
[請求項31]
基板上に導電素子を作成する方法であって、
銅を含んで構成され、20ナノメートルより短い直径を有するナノ粒子を含んで構成された混合物の複数の滴を、基板に対して、前記ナノ粒子が前記基板と衝突した際に互いに少なくとも部分的に融合し前記基板上に複数のドットを形成するのに十分な速度で、噴射する段階を含んで構成され、
前記ドットのそれぞれは、融合したナノ粒子の層を含んで構成され、重なり合ったドットが互いに融合されることを特徴とする導電素子作成方法。
[請求項32]
前記ナノ粒子は、10ナノメートルより小さい直径を有する請求項31に記載の導電素子作成方法。
[請求項33]
前記ナノ粒子は、1−7ナノメートルの範囲の直径を有する請求項32に記載の導電素子作成方法。
[請求項34]
前記ナノ粒子は、3−5ナノメートルの範囲の直径を有する請求項33に記載の導電素子作成方法。
[請求項35]
前記基板の温度は、前記ナノ粒子が互いに融合している間、周囲温度の20℃以下を維持する請求項31に記載の導電素子作成方法。
[請求項36]
前記基板の温度は、前記ナノ粒子が互いに融合している間、200℃より低い温度を維持する請求項31に記載の導電素子作成方法。
[請求項37]
前記基板の前記温度は、前記ナノ粒子が互いに融合している間、70℃より低い温度を維持する請求項36に記載の導電素子作成方法。
[請求項38]
前記基板は、フレキシブルである請求項31に記載の導電素子作成方法。
[請求項39]
更に、保護物質のコーティングを前記融合したナノ粒子の上に塗布する段階を含んで構成される請求項31に記載の導電素子作成方法。
[請求項40]
前記滴は、秒速0.5メートルより速い速度で噴射される請求項31に記載の導電素子作成方法。
[請求項41]
前記滴は、秒速1.0メートルより速い速度で噴射される請求項40に記載の導電素子作成方法。
[請求項42]
基板上に導電素子を作成する方法であって、
銅を含んで構成され、20ナノメートルより小さい直径を有するナノ粒子を含んで構成される混合物の層を基板の表面の少なくとも一部の上に塗布する段階と、
前記混合物層の少なくとも一部の中で、前記ナノ粒子を互いに少なくとも部分的に融合させる段階と、
を含んで構成されることを特徴とする導電素子作成方法。
[請求項43]
前記ナノ粒子は、10ナノメートルより小さい直径を有する請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項44]
前記ナノ粒子は、1−7ナノメートルの範囲の直径を有する請求項43に記載の導電素子作成方法。
[請求項45]
前記ナノ粒子は、3−5ナノメートルの範囲の直径を有する請求項44に記載の導電素子作成方法。
[請求項46]
前記融合させる段階は、前記混合物層の一部の上に光放射を向けることを含んで構成される請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項47]
前記光放射は、前記ナノ粒子の吸収帯の範囲に少なくとも部分的に存在する周波数帯を有する請求項46に記載の導電素子作成方法。
[請求項48]
前記融合させる段階は、前記混合物層に対して圧力を加える請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項49]
前記圧力は、前記混合物層を型で押し付けることにより加えられる請求項48に記載の導電素子作成方法。
[請求項50]
前記圧力は、前記混合物層の上にダイナミックナノインスクライビングすることによって加えられる請求項48に記載の導電素子作成方法。
[請求項51]
前記圧力は、前記混合物層の少なくとも一部をローラーでバニシングすることによって加えられる請求項48に記載の導電素子作成方法。
[請求項52]
バニシングは、前記混合物層と接触している前記ローラーの表面が前記基板に対して0より速い速度を有するように回転することを含んで構成される請求項51に記載の導電素子作成方法。
[請求項53]
前記圧力は、ボールで前記混合物層の少なくとも一部をバニシングすることによって加えられる請求項48に記載の導電素子作成方法。
[請求項54]
前記塗布する段階は、前記基板を貫通している円柱形の通路の内表面に前記混合物層を塗布することを含んで構成され、
前記融合させる段階は、前記ボールを、前記通路内を通過させることを含んで構成される請求項53に記載の導電素子作成方法。
[請求項55]
前記円柱形の通路は、内径とともに内表面を有し、
前記ボールは、前記円柱形の通路の内径と同じかそれより大きい直径を有する請求項54に記載の導電素子作成方法。
[請求項56]
前記融合させる段階は、前記混合物層と接触する前記ボールの表面が前記円柱形の通路の前記内表面に対して0より大きい速度を有するように前記ボールを回転させることを含んで構成される請求項54に記載の導電素子作成方法。
[請求項57]
前記塗布する段階は、前記基板上に、ある量の混合物を供給することと、
前記基板の全面にわたって引かれるツールで前記混合物を広げることと、
を含んで構成され、
前記圧力を加えることは、前記ツールが前記基板に全面にわたって引かれたときに、前記基板に対して前記ツールを押し付けることによって達成される請求項48に記載の導電素子作成方法。
[請求項58]
更に、前記混合物層の非融合部分を除去する段階を含んで構成される請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項59]
前記塗布する段階は、前記混合物の層をパターンで塗布する請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項60]
前記混合物のパターン層を塗布する段階は、ノズルから前記混合物を前記基板の前記表面上に押し出す段階を含んで構成される請求項59に記載の導電素子作成方法。
[請求項61]
前記融合させる段階は、前記混合物のパターン層を光子エネルギー源で照らす段階を含んで構成される請求項59に記載の導電素子作成方法。
[請求項62]
前記融合させる段階は、前記基板に対して前記混合物のパターン層を押し付けることを含んで構成される請求項59に記載の導電素子作成方法。
[請求項63]
前記融合させる段階は、前記混合物のパターン層を、周囲の温度より高く、200℃より低く熱することを含んで構成される請求項59に記載の導電素子作成方法。
[請求項64]
前記融合させる段階は、前記混合物のパターン層を、周囲の温度より高く、70℃より低く熱することを含んで構成される請求項63に記載の導電素子作成方法。
[請求項65]
前記混合物のパターン層を塗布する段階は、転写要素に前記混合物を塗布し、その後、前記転写要素から前記混合物を前記基板に転写することを含んで構成される請求項64に記載の導電素子作成方法。
[請求項66]
前記ナノ粒子を互いに融合させる段階は、転写された、前記混合物のパターン層を、前記基板に対して押圧することを含んで構成される請求項65に記載の導電素子作成方法。
[請求項67]
前記基板の前記温度は、導電素子が前記基板上に形成されている間、200℃より低い温度に維持される請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項68]
導電素子が前記基板上に形成されている間、70℃、導電素子が前記基板上に形成されている間、請求項67に記載の導電素子作成方法。
[請求項69]
前記基板の前記温度は、前記導電素子が前記基板上に形成されている間、周囲温度の20℃以内に維持されている請求項68に記載の導電素子作成方法。
[請求項70]
前記塗布する段階は、前記基板を前記混合物でスピンコーティングすることを含んで構成される請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項71]
前記塗布する段階は、前記基板上に前記混合物を噴射することを含んで構成される請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項72]
前記塗布する段階は、前記基板の全面にわたって、スキージを引くことを含んで構成される請求項42に記載の導電素子作成方法。
[請求項73]
回路プリント装置であって、
隣合うナノ粒子を分離するよう構成された界面活性剤の少なくとも一部のコーティングをそれぞれが含んで構成されたナノ粒子であって、銅を含んで構成されて、50ナノメートルより短い直径を有するナノ粒子、を含んで構成された第一混合物の複数の滴を基板上に放出するように構成された第一噴射器と、
前記基板に前もって塗付された前記ナノ粒子の少なくとも一部から前記界面活性剤の少なくとも一部を変位させるように構成された分散剤を含んで構成された第二混合物の複数の滴を放出するように構成され、前記第二混合物の複数の滴を放出して、前記塗付されたナノ粒子と衝突させて、前記塗付されたナノ粒子の少なくとも一部を少なくとも部分的に互いに融合させる、第二噴射器と、
を含んで構成される回路プリント装置。
[請求項74]
前記ナノ粒子は、20ナノメートルより短い直径を有する請求項73に記載の回路プリント装置。
[請求項75]
前記ナノ粒子は、10ナノメートルより短い直径を有する請求項74に記載の回路プリント装置。
[請求項76]
前記ナノ粒子は、1−7ナノメートルの範囲の直径を有する請求項75に記載の回路プリント装置。
[請求項77]
前記ナノ粒子は、3−5ナノメートルの範囲の直径を有する請求項76に記載の回路プリント装置。
[請求項78]
更に、200℃より高い温度まで前記基板の暴露をせずに、金属の導電パターンを作成するよう構成される請求項73に記載の回路プリント装置。
[請求項79]
更に、70℃より高い温度まで前記基板の暴露をせずに、金属の導電パターンを作成するよう構成される請求項78に記載の回路プリント装置。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B