特許第6526412号(P6526412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シュティヒティング・フェーウー−フェーウーエムセーの特許一覧 ▶ フェーンホフ・メディカル・デヴァイシズ・ベーフェーの特許一覧

特許6526412患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法、ならびにそれに使用される測定装置
<>
  • 特許6526412-患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法、ならびにそれに使用される測定装置 図000002
  • 特許6526412-患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法、ならびにそれに使用される測定装置 図000003
  • 特許6526412-患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法、ならびにそれに使用される測定装置 図000004
  • 特許6526412-患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法、ならびにそれに使用される測定装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526412
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法、ならびにそれに使用される測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20190527BHJP
   A61B 5/021 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   A61B5/02 D
   A61B5/021
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-518849(P2014-518849)
(86)(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公表番号】特表2014-533120(P2014-533120A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】NL2012050472
(87)【国際公開番号】WO2013006053
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年6月19日
【審判番号】不服2017-11570(P2017-11570/J1)
【審判請求日】2017年8月3日
(31)【優先権主張番号】2007038
(32)【優先日】2011年7月4日
(33)【優先権主張国】NL
(31)【優先権主張番号】61/504,255
(32)【優先日】2011年7月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514000163
【氏名又は名称】シュティヒティング・フェーウー−フェーウーエムセー
(73)【特許権者】
【識別番号】514000174
【氏名又は名称】フェーンホフ・メディカル・デヴァイシズ・ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミフェル・アンヘル・クエスタ・ファレンティン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・アーノルド・フレデリク・アドリアーン・フェーンホフ
【合議体】
【審判長】 林 茂樹
【審判官】 関谷 一夫
【審判官】 二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−525253(JP,A)
【文献】 特開2005−52665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02
A61B 5/021
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムであって、前記体組織は、吻合手術を受けることを目的とされた、システムであって、
コンピューティング装置と、
前記患者の前記体組織における局所的な灌流圧を測定するための第1の圧力測定装置であって、該第1の圧力測定装置が前記コンピューティング装置に接続された、第1の圧力測定装置と、
前記患者の全身の灌流圧を測定するための第2の圧力測定装置であって、該第2の圧力測定装置が前記コンピューティング装置に接続された、第2の圧力測定装置と、
前記コンピューティング装置に接続されたフィードバック指示器と、
を備え、
前記コンピューティング装置は、前記局所的な灌流圧および前記全身の灌流圧に基づいて指標を計算するように適合され、該指標は前記組織のバイアビリティを示しており、
前記フィードバック指示器は、前記コンピューティング装置により計算された前記組織のバイアビリティを示すように適合されており、
前記第1の圧力測定装置が、
前記組織をそれらの間に圧締めするための2つの圧締め部材を有するクランプと、
前記圧締め部材の少なくとも一方に圧力を加えるための加圧ユニットと、
前記加圧ユニットにより加えられた前記圧力を測定するための圧力メータと、
を備えているシステム。
【請求項2】
前記第1の圧力測定装置が、前記クランプまたはその近傍における前記組織内の前記灌流を測定するための灌流センサを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記灌流センサが、前記圧締め部材の一方に配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記加圧ユニットが、ポンプを含んだ空気式加圧ユニットである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧力メータが、例えば前記ポンプの中に一体化されたマノメータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピューティング装置が、前記ポンプおよび前記圧力測定装置を制御するための制御装置をさらに含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の圧力測定装置が動脈ラインである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィードバック指示器が、前記指標を示している、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記灌流センサが、前記圧締め部材の一方の圧締め表面の少なくとも一部を形成している、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の圧力測定装置が、レーザードップラーセンサである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記2つの圧締め部材の第1の圧締め部材が、円筒形のピストンユニットのピストンに取り付けられ、また前記2つの圧締め部材の他方の圧締め部材が、前記円筒形のピストンユニットの円筒に取り付けられている、請求項2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者における体組織のバイアビリティ(viability)を予測するための、特に吻合手術で使用するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結腸直腸手術の後、多くの患者において、2つの健康な腸のセグメント間での新しい接続、いわゆる吻合が行われる。吻合部漏出は、結腸直腸手術の後の重篤な合併症であり、その報告された罹患率は、1%から39%まで広範囲に変化している。この合併症は、急性の命にかかわる症状になるおそれがあるだけではなく、癌患者では、吻合合併症の後、局所的な膿瘍形成を伴う高い局所的な再発率を示している。吻合合併症は、吻合の不十分な灌流に関係するものと考えられている。現在、吻合を行う前の腸のバイアビリティは、組織の色により推定されている。これは非常に主観的なものであり、外科医の経験に基づいた状態のままである。
【0003】
レーザードップラー血流測定法(LDF)による灌流、および近赤外線分光法(NIRS)による酸素化など、腸のバイアビリティを評価する他の方法に関するいくつかの刊行物が最近報告されている。しかし、これらの刊行物では、吻合部位における灌流は、抽象的な値で測定され、それを外科手術時における体全身の灌流と比較することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、患者における体組織のバイアビリティを予測するための信頼性のあるシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムを提供し、システムは、
コンピューティング装置と、
患者の体組織における局所的な灌流圧を測定するための第1の圧力測定装置であって、前記圧力測定装置がコンピューティング装置に接続された、第1の圧力測定装置と、
患者の全身の灌流圧を測定するための第2の圧力測定装置であって、前記灌流圧メータがコンピューティング装置に接続された、第2の圧力測定装置と、
コンピューティング装置に接続され、且つコンピューティング装置により計算された局所的な灌流圧、および全身の灌流圧に基づいた指標を示すように適合されたディスプレイであって、前記指標が組織のバイアビリティを示している、ディスプレイと
を備えている。
【0006】
患者における組織のバイアビリティを予測する方法は、
患者の体組織内の局所的な灌流圧を測定するステップと、
患者の全身の灌流圧を測定するステップと、
灌流圧の測定値をコンピューティング装置に送り、コンピューティング装置がそれを登録し、且つ局所的な灌流圧値および全身の灌流圧値に基づいて指標を計算するステップと、
局所的な灌流圧および全身の灌流圧に基づいた指標を表示するステップであって、前記指標が組織のバイアビリティを示している、ステップと
を含んでいる。
【0007】
局所的な灌流圧と全身の灌流圧とを共に測定することにより、患者独自の指標を取得することが可能になり、それに基づいて、外科医は、組織のバイアビリティを高い信頼性で予測することが可能になり、したがって、手術後に大幅な吻合部漏出が生ずるのを阻止するために、生存能力のない組織を除去するなどの適切な措置を講ずることができる。
【0008】
一実施形態では、第1の圧力測定装置は、組織をその間で圧締めするための2つの圧締め部材を有するクランプと、圧力を圧締め部材の少なくとも一方に加えるための加圧ユニットと、加圧ユニットにより加えられた圧力を測定するための圧力メータとを備えている。特に、それはまた、クランプの少なくとも近傍で組織内の灌流を測定するための灌流センサを備えることができる。
【0009】
クランプは、組織内の灌流に影響を与える圧力を組織に加えることができる。この灌流は、レーザードップラーセンサまたは他の利用可能なセンサなどの灌流センサにより測定することができる。加えられた圧力と灌流の間の関係は登録することができるが、例えば、灌流が停止する圧力、または再灌流が開始する圧力も登録することができる。これらの値は、コンピューティング装置の入力として使用することができ、またこれらの値、および実質的に同時に測定された全身の灌流圧の値の一方に基づいて、指標を計算することができる。
【0010】
灌流センサは、圧力が加えられたちょうどその場所で灌流を測定できるように、圧締め部材の一方に配置することができるが、圧力場所のすぐ下流で灌流を測定することも可能なはずである。
【0011】
単純な実施形態では、加圧ユニットは、ポンプを含んだ空気式加圧ユニットである。空気式加圧ユニットは正確であり、圧力を一定に維持することができ、また圧力の測定を容易に行うことができる。その場合、圧力メータは、例えばポンプに一体化されたマノメータとすることができる。これは、使いやすく、手術室ですでに使用されている装置である。
【0012】
コンピューティング装置がまた、ポンプおよび圧力測定装置を制御するための制御装置を含んでいる場合、測定を自動的に行うことができ、それにより測定が容易になり、より高い信頼性が得られる。
【0013】
第2の圧力測定装置は、動脈ラインとすることができ、それを用いて、全身の灌流圧を連続的に測定することができる。このような装置は、大部分の手術室で利用可能である。
【0014】
本発明はまた、患者の体組織における局所的な灌流圧を測定するための測定装置を含み、測定装置は、
組織をその間で圧締めするための2つの圧締め部材を有するクランプと、
圧締め部材の少なくとも一方に圧力を加えるための加圧ユニットと、
加圧ユニットにより加えられた圧力を測定するための圧力メータと、
クランプの少なくとも近傍で、組織内の灌流を測定するための灌流センサと
を備える。
【0015】
本発明のさらなる詳細および利点は、例として本発明の実施形態を示す図面を参照して行われる以下の説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムの図である。
図2図1のシステムで使用できる局所的な灌流圧を測定するための測定装置の概略的な斜視図である。
図3】測定装置が一部切断された、図2の測定装置に対応する図である。
図4】灌流センサを含まない図2の測定装置の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムを示している。この体組織は、例えば、腸(bowel)、大腸および小腸、食道、胃、直腸などの体器官の一部である。バイアビリティは、特に組織を除去し、隣接する組織部分を、吻合などにより互いに接続する必要がある場合、通常、手術(観血手術または腹腔鏡検査法)中に判定される。吻合部が漏出する危険がかなりあるかどうかを予測するために、接続される組織部分のバイアビリティを判定すべきである。接続される組織が十分に生存可能なものではない場合、例えば、より多くの組織を除去すべきである。
【0018】
システムはコンピューティング装置1を含み、コンピューティング装置1はシステムを制御するために使用され、測定値を処理し、それに基づいて、評価すべき組織のバイアビリティを計算することができる。
【0019】
患者の体組織内の局所的な灌流圧を測定するための第1の圧力測定装置2がある。測定装置2は、測定信号をコンピューティング装置に送り、かつ任意の制御信号を受け取ることもできるように、コンピューティング装置1に接続される。第1の圧力測定装置2は、後でさらに詳細に論ずるものとする。
【0020】
例えば、ポンプ3などの加圧ユニットは、圧力管路4を介して測定装置2に接続され、またコンピューティング装置1から制御信号を受け取り、且つそれに測定値信号を送るためにコンピューティング装置に接続される。ポンプ3は、組織内の局所的な灌流圧を求めるために測定装置2を加圧する手段である。ポンプは、空気式もしくは液圧式とすることができるが、ポンプはまた、ねじと同様な機械的部材のように、他の加圧ユニットで置き換えることもできる。加圧ユニットは、測定装置2と一体化することができるが、あるいは測定装置2から分離することもできる。加圧ユニットが空気式もしくは液圧式のものである場合、加えられた圧力は、ポンプの中に一体化することもできる圧力メータとしてマノメータにより測定することができる。機械的な加圧ユニットの場合、圧力メータは、ひずみ計、ロードセル、ばねサスペンションなどとすることができる。
【0021】
システムは、患者の全身の灌流圧を測定するための第2の圧力測定装置5をさらに含んでいる。灌流圧測定装置または圧力メータ5は、制御信号を受け取り、かつ測定値信号を送るためにコンピューティング装置1に接続される。圧力メータ5は、例えば、血圧を間欠的に測定するための(ベルトの形態の)空気式血圧メータ、または血圧を連続的に/実時間で測定するための動脈ラインもしくは他の装置とすることができる。全身の圧力は、腕(手首、ひじ)で測定できるが、あるいは鼠径部など全身の圧力を測定できる体の他の部分で測定することができる。動脈ラインは、手術のために既に存在しているはずであり、したがって、追加する機器を必要としない。システムは、例えば、ブルートゥースおよび同様のものなどの無線通信手段など手術室にすでに存在する、第2の圧力測定装置と通信するための手段を含むこともまた可能である。
【0022】
測定された局所的な灌流圧および全身の灌流圧に基づいてコンピューティング装置により計算された組織のバイアビリティを示すように適合された視覚的なフィードバック指示器として、ディスプレイ6がコンピューティング装置1に接続される。ディスプレイは、例えば、両方の圧力間の比など、圧力に基づいて計算された指示指標を示すことができるが、それはまた、組織のバイアビリティを示すものとして緑、オレンジ、および赤などの色を示す交通信号灯とすることもできる。聴覚的なフィードバック指示器および同様のものなど、他のフィードバック指示器も考えられる。
【0023】
患者における組織のバイアビリティを予測するために使用される方法は、以下のステップ、すなわち、
第1の圧力測定装置2により、患者の体組織内の局所的な灌流圧を測定するステップと、
第2の圧力測定装置5により、同時に、または(例えば、1分など)何らかの許容可能な時間シフトで、患者の全身の灌流圧を測定するステップと、
灌流圧の測定値をコンピューティング装置1に送り、コンピューティング装置1はそれを登録し、局所的な灌流圧値および全身の灌流圧値に基づいて指標を計算するステップと、
組織のバイアビリティを示す指標に基づいて、ディスプレイ6を介してフィードバックを提供するステップと、
を含むことができる。
【0024】
図2図4は、体組織内の局所的な灌流圧を測定するための第1の圧力測定装置2の例を示している。それは、組織内の灌流に影響を与えるように組織を圧締めするためのクランプを含む。クランプに加えられる圧力は、組織における灌流圧を示している。
【0025】
測定装置2のクランプは、第1の圧締め部材7および第2の圧締め部材8を含んでいる(図3を参照のこと)。第1の圧締め部材7は、この場合、円筒12の中に固定されて組み込まれたPTFEスリーブ11などのスリーブ中で摺動可能なプランジャ10に取り付けられた円形の圧力板9である圧力板を備えている。円筒は、一端にある薄膜13A(図4を参照のこと)により画定され、かつプランジャ10に(圧力室13の液密性を向上させる薄膜を介して)動作可能に接続された圧力室13を含み、圧力室13の圧力が、周囲の圧力を超えたときプランジャに圧力がかかるようにする。圧力室13および円筒12のカバー14は、圧力室13をポンプ3に接続する圧力管路4のための接続部15を備え、ポンプ3は、空気または他の気体などの流体を圧力室13の中にポンプ送りして、それを加圧し、かつ第1の圧締め部材7のプランジャおよび圧力板に対する圧力を高めることができる。
【0026】
第2の圧締め部材8は、第1の圧締め部材7が、第2の圧締め部材に対して移動できるように円筒12に固定されている。第2の圧締め部材は、ここでは灌流センサ16に対して形成された圧力表面を含んでいる。灌流センサは、ここではねじ17により第2の圧締め部材上に圧締めされている。
【0027】
灌流センサ16は、評価すべき組織内の灌流を測定することができる。センサ16は、流れを測定するためのレーザードップラー血流測定法(LDF)、酸素化を測定する近赤外線分光法、パルスオキシメトリ、CCDによる視覚的な測定、パルスオキシメトリと同等のものである、1つまたは複数のLEDまたは他の光源からの光の散乱および/または光の吸収を測定するセンサを用いた灌流測定など、知られた技法に基づいて動作することができる。センサは、圧力測定装置の圧締め表面を形成するので、灌流は、圧力が組織に加えられる位置で測定され、したがって、組織に対する圧力と、そこにおける灌流との間に直接的な関係性がある。灌流はまた、圧力表面のわずかに下流でも測定可能であるが、そこでもやはり、灌流は、組織に対する圧力によって影響を受けるからである。
【0028】
第1の圧力測定装置は、拡張期圧または収縮期圧などの灌流圧を測定することが可能である。収縮期圧は、灌流センサ16により求めることのできる灌流が完全に停止したときに測定される。再灌流時(血液が再度流れ始めるとき)の圧力もまた測定することができる。灌流センサおよび圧力測定装置は、組織のバイアビリティを最もよく示す圧力を測定するために、組み合わせて使用することができる。
【0029】
例えば、腸の組織を評価すべきである場合、腸を平坦に置くことができ、平坦になった腸を圧締めして、2つの組織層を重ねて圧締めすることができる。その場合、閉じた器官に関する組織も評価することができる。しかし、開いた器官の組織の1つの層だけを圧締めすることも考えられる。評価すべき組織の周囲付近で、いくつかの測定を行うことができる。例えば、吻合により組織の2つの部分を相互に接続すべきである場合、接続される両方の組織部分を、そのバイアビリティに関して評価すべきである。
【0030】
前述の内容から、本発明は、簡単であり、かつ使用するのが容易な、患者における体組織のバイアビリティを予測するためのシステムおよび方法を提供することが明らかであろう。
【0031】
本発明は、図面で示され、且つ上記で述べられた諸実施形態に限定されるものではなく、実施形態は、添付の特許請求の範囲内で様々に変化することができる。局所的な灌流圧測定装置は、例えば、腹腔鏡手術の要件に適合することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 コンピューティング装置
2 第1の圧力測定装置
3 ポンプ
4 圧力管路
5 第2の圧力測定装置
6 ディスプレイ、フィードバック指示器
7 第1の圧締め部材
8 第2の圧締め部材
9 圧力板
10 プランジャ
11 スリーブ
12 円筒
13 圧力室
13A 薄膜
14 カバー
15 接続部
16 灌流センサ
17 ねじ
図1
図2
図3
図4