(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記拡張要素は、前記カニューレと連結されたバルーン要素を含み、前記バルーン要素は、偏向要素または流体加圧を介して、拡張可能である、請求項2に記載のポンプ。
前記ポンプを血管特徴に対する標的位置において保定するように構成された保定具構成要素をさらに含み、前記保定具構成要素は、前記カニューレの先端部分または前記カテーテルに連結されている、請求項1に記載のポンプ。
前記カニューレは、インペラ導管区画と、首部区画と、ポート固定区画とを画定し、前記ポート固定区画は、前記ポンプを血管特徴に係留するように構成されている、請求項1に記載のポンプ。
前記動作可能構成において、前記首部区画は、前記インペラ導管区画および前記ポート固定区画の拡張直径より小さい直径に拡張するように構成されている、請求項6に記載のポンプ。
前記誘導システムは、前記カテーテルの可撓性遠位端によって画定される操向可能カテーテル先端を含み、前記操向可能カテーテル先端は、連結された外部制御システムから受け取られた入力に応答して所望の方向に前記カテーテルを向けさせるように構成されている、請求項8に記載のポンプ。
前記カニューレは、さらに、前記カテーテルと前記カニューレとの間に延在している複数の整流器を含み、前記整流器は、非軸方向流動を軸方向流動に再指向するように構成されている、請求項1に記載のポンプ。
前記カテーテルの軸方向長さに沿って平行移動可能な駆動シャフト層であって、前記駆動シャフト層は、前記インペラを調節するように構成されている、駆動シャフト層と、
前記カテーテルの軸方向長さに沿って平行移動可能なカニューレシースであって、前記カニューレシースは、前記カニューレを調節するように構成されている、カニューレシースと
をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
前記インペラを駆動するように構成された電力伝送システムをさらに含み、前記電力伝送システムは、磁気連結デバイスと組み合わせて流体駆動または静力学的伝送システムを含む、請求項15に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、限定されないが、緊急心臓支援および一時的心臓支援を含む、心臓支援のための新規かつ有利な血液ポンプに関する。特に、本開示は、新規かつ有利な拡張可能血液ポンプと、一時的循環支援を迅速に提供するためのその展開および使用の方法とに関する。本明細書に提供される拡張可能血液ポンプの種々の実施形態の例示的使用は、高リスクの心臓外科手術の間の有事支援から、心筋梗塞後の即時全面支援まで及び得る。
【0007】
一般に、ポンプは、圧潰された展開用構成におけるカニューレおよびインペラとともに、例えば、主要血管内に挿入され、心臓に誘導され得る。ポンプが、所望の場所、例えば、所望の心室内またはその近傍に留置されると、臨床医またはオペレータは、カテーテル制御を使用して、ポンプのカニューレを拡張させてもよい。カニューレが拡張され、導管が生成された状態で、臨床医またはオペレータは、次いで、ポンプのインペラをカニューレ内で拡張させてもよい。代替として、カニューレおよびインペラの拡張は、同時に生じてもよい。
【0008】
インペラの回転は、カニューレの入口と出口との間のカニューレ内に血流を発生させる。カニューレはまた、任意の周囲組織と回転インペラとの間の分離を提供し得る。インペラは、カテーテル内の電力伝送システムを介して駆動され、制御および/または電力ユニットから制御されてもよい。臨床医またはオペレータは、療法用のシステムパラメータを制御ユニットに入力し、ポンプを所望の速度で駆動させてもよい。圧潰された展開用構成は、いくつかの解剖学的位置への迅速挿入およびそこからの迅速除去を可能にし得る一方、拡張された動作可能構成は、適切な療法を可能にし得る。
【0009】
本開示は、一実施形態では、拡張可能血液ポンプと、循環支援のためのその展開および使用の方法とに関する。血液ポンプは、調節可能支持部材および可撓性メッシュカバーから構築され、減少または最小圧潰サイズの展開構成と、増加または最大拡張サイズの動作可能構成とを可能にする、カニューレを含んでもよい。
【0010】
別の実施形態では、カニューレは、その軸方向長に沿って、直径が変動し、拡張カニューレと組織開口部との間の干渉を低減または最小限にしてもよい。加えて、カニューレ直径変動は、操縦性を改善し得る、カニューレの前縁狭小部分を可能にし、生体構造内で届く距離の増加をもたらすことができる。さらに、カニューレ直径変動は、通過する脈管開口部または他のポートに対して、ポンプの位置を固定することを可能にすることができる。
【0011】
カニューレは、組織がカニューレの入口端部で圧潰する場合、ゼロ流動を防止するよう補助し得る、複数の開口部を含んでもよい。カニューレは、いくつかの実施形態では、出口が、概して、ポンプの回転軸に垂直に、流動を噴出するように構成されてもよい。血液ポンプは、機械的発電機を回転させる、カテーテル供給および戻りチャネルを含む、流体システムによって給電されてもよい。機械的発電機は、血液ポンプのインペラに機械的にまたは磁気的に連結されてもよい。
【0012】
本開示は、別の実施形態では、ポンプに対して流体の運動を誘発するためのポンプに関する。ポンプは、第1の直径を有する動作可能構成と、実質的により小さい直径を有する展開構成との間において調節可能な少なくとも1つの区画を有する、伸長カニューレを含んでもよい。
【0013】
ポンプはまた、カニューレの調節可能区画内に位置付けられ、インペラ軸を中心として、その中で回転可能なインペラを含んでもよい。インペラは、可撓性ウェブを支持する剛性または半剛性マストあるいは可撓性支持体部材を含むことができ、マストまたは支持部材は、動作可能構成と展開用構成との間において、カニューレに対して別個に位置付け可能であって、動作可能構成は、ウェブの少なくとも一部をインペラ軸から第1の半径方向距離まで延在させ、展開用構成は、ウェブの一部をインペラ軸から実質的により短い距離の第2の半径方向位置まで圧潰させる。
【0014】
いくつかの実施形態では、カニューレは、渦巻支持部材を含んでもよく、渦巻支持部材は、インペラ軸を中心として渦を巻く。渦巻支持部材は、渦巻支持部材を捻転させることによって、動作可能構成から展開用構成に調節可能であってもよい。代替として、または加えて、渦巻支持部材は、渦巻支持部材の近位および遠位端を相互から離れるように軸方向に位置付けることによって、動作可能構成から展開用構成に調節可能であってもよい。カニューレはさらに、渦巻支持部材によって支持されるカバーを含んでもよい。
【0015】
カバーは、いくつかの事例では、複数の入口開口部および/または出口開口部を備え、インペラ軸に実質的に垂直に、流動をポンプから流出させてもよい。いくつかの実施形態では、カニューレはまた、第2の直径を有する動作可能構成と、第2の直径より実質的に小さい直径を有する展開用構成との間において調節可能な第2の区画を含んでもよい。特定の実施形態では、カニューレは、第1および第2のカニューレ区画間にポート固定首部を含むことができる。
【0016】
さらなる実施形態では、インペラは、可撓性ウェブを支持する2つ以上の剛性または半剛性マストあるいは可撓性支持体部材を有してもよく、支持部材は、動作可能構成では、インペラ軸に実質的に垂直であって、展開用構成では、インペラ軸に実質的に平行である。遠位カテーテル区画は、支持部材のうちの第1の部材を支持してもよく、近位カテーテル区画は、支持部材のうちの第2の部材を支持してもよく、遠位および近位カテーテル区画のうちの少なくとも一方は、支持部材を半径方向にオフセットするように、他方に対して回転可能である。
【0017】
他の実施形態では、剛性または半剛性マストあるいは可撓性支持体部材の第1の端部は、インペラの第1のカテーテル区画と動作可能に接続されてもよく、剛性または半剛性可撓性支持体部材の第2の端部は、第2のカテーテル区画と動作可能に接続されてもよく、第1および第2のカテーテル区画のうちの少なくとも一方は、カテーテル区画が、相互に向かって位置付けられ、支持部材が、動作可能構成に向かって付勢され、カテーテル区画が、相互から離れるにつれて、支持部材が、展開用構成に向かって付勢されるように、他方に対して軸方向に位置付け可能である。加えて、第1および第2のカテーテル区画のうちの少なくとも一方は、支持部材の第1および第2の端部を半径方向にオフセットするように、他方に対して回転可能であってもよい。
【0018】
ポンプは、インペラの回転運動を駆動するための駆動シャフトを含んでもよい。駆動シャフトは、その遠位端に第1の歯車を有する近位区画と、その近位端に第2の歯車を有する遠位区画とを含んでもよく、近位区画の回転は、第1および第2の歯車を隣接して位置付けることによって、遠位区画に伝達される。別の実施形態では、インペラの回転運動を駆動させるためのポンプの電力伝送システムは、それを通して流体運動をインペラ軸を中心とする発電機の回転運動に伝達するための機械的発電機と、流体を機械的発電機に駆動する第1の内腔と、流体を機械的発電機から移送する第2の内腔とを含んでもよい。機械的発電機は、インペラと動作可能に接続され、それによって、インペラ軸を中心とする発電機の回転運動をインペラ軸を中心とするインペラの回転運動に伝達してもよい。
【0019】
さらなる実施形態では、電力伝送システムはさらに、インペラ軸を中心として半径方向に位置付けられ、機械的発電機の遠位端またはその近傍に動作可能に接続され、インペラ軸を中心としてそれとともに回転可能である、1つ以上の第1の磁石と、インペラと動作可能に接続され、機械的発電機の遠位端に隣接して位置付けられる、磁石筐体とを含んでもよく、筐体は、インペラ軸を中心として半径方向に位置付けられ、第1の磁石と相互作用し、第1の磁石の回転運動をインペラ軸を中心とする第2の磁石の回転運動に磁気的に伝達する、1つ以上の第2の磁石を有する。
【0020】
本開示は、さらなる実施形態では、心臓支援のためのポンプを展開する方法に関する。本方法は、概して、前述のもの等のポンプを提供するステップと、カニューレおよびインペラがその展開用構成に、カテーテルを、その遠位端またはその近傍に動作可能に接続されるポンプとともに、血管内に挿入するステップと、ポンプを所望の場所に誘導するステップと、カニューレおよびインペラをその展開用構成からその動作可能構成に調節するステップとを含んでもよい。
【0021】
本方法はまた、剛性または半剛性マストあるいは可撓性支持体部材および可撓性ウェブを調節し、所望のインペラブレード角度を生成するステップを含んでもよい。インペラは、電力伝送システムを介して、所望の速度で駆動されてもよい。付加的方法は、カニューレおよびインペラをその展開用構成に逆調節するステップと、カテーテルおよびポンプを血管から除去するステップを含んでもよい。
【0022】
複数の実施形態が、開示されるが、依然として、本開示の他の実施形態が、本開示の例証的実施形態を図示および説明する、以下の発明を実施するための形態から、当業者に明白となるであろう。認識されるように、本開示の種々の実施形態は全て、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、種々の明白な側面の修正が可能である。故に、図面および発明を実施するための形態は、制限ではなく、性質上、例証と見なされるものとする。
【0023】
図1は、本開示による、拡張可能血液ポンプ100の一実施形態を図示する。さらに
図2を参照すると、拡張可能血液ポンプ100は、概して、カテーテルの挿入端またはその近傍に位置付けられるポンプ104を伴う、カテーテル102と、カテーテルの外部端に、またはそれに対して動作可能に接続される、制御および/または駆動ユニット106とを含んでもよい。ポンプ104は、インペラ108と、カニューレ110と、誘導システム112とを含んでもよい。
【0024】
カテーテル102は、ポンプ104および制御および/または駆動ユニット106に動作可能に連結する、電力伝送システムを含んでもよい。限定されないが、インペラ108、カニューレ110、誘導システム112、および電力伝送システム等のこれらの構成要素のうちのいくつかは、以下の説明から理解されるように、種々の実施形態を有することができ、血液ポンプ100内で交換される、または交換可能であって、種々の異なる血液ポンプ実施形態を生成してもよい。
【0025】
(インペラ)
一般に、本開示のインペラの種々の実施形態は、1つ以上の概して可動性かつ可撓性の剛性または半剛性支持部材あるいはマストによって、もしくはその間に懸架される材料の薄い可撓性ウェブまたはフィルムから成る、1つ以上のインペラブレードを含んでもよい。本明細書に開示されるインペラの種々の実施形態では、インペラは、可動性の剛性または半剛性支持部材の位置を変化させ、それによって、可撓性ウェブを所望の位置に伸展させ、インペラブレード表面を生成することによって、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間で起動されてもよい。すなわち、可撓性ウェブおよび可動性の剛性または半剛性支持部材によって、インペラは、減少または最小サイズの圧潰された展開用構成および増加または最大サイズの拡張された動作可能構成をもたし得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、インペラは、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間におけるカニューレ(以下にさらに詳細に論じられる)の起動とは別個に、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間で起動されてもよい。代替として、カニューレおよびインペラの拡張は、実質的に同時に、ともに生じてもよい。本明細書に開示される種々の実施形態では、インペラブレードの幾何学形状および尺度は、溶血を低減させ、それによって、改良された療法により、手技転帰を改善することができる。さらに、インペラは、遠位先端から任意の軸方向距離において、カニューレ内に位置してもよい。
【0027】
図3に図示される一実施形態では、インペラ300は、1つ以上のインペラブレード302から成ってもよく、各ブレードは、カテーテル308に取着された剛性または半剛性の片持ち梁状の支持部材306間に懸架される、可撓性ウェブ304を有する。支持部材306は、ポンプの回転軸310に実質的に平行および垂直である位置間において回転または調節されてもよい。支持部材306が、ポンプの回転軸310に実質的に平行な位置にある状態で、可撓性ウェブ304は、圧潰された展開用構成に、それとともに後退されてもよい。支持部材306が、
図3に図示されるように、ポンプの回転軸310に実質的に垂直である位置に調節されるにつれて、可撓性ウェブ304は、拡張された動作可能構成に、それとともに延在されてもよい。
【0028】
カテーテル308は、相互に対して回転され得る、近位区画312および遠位区画314を有する、カテーテル層を含んでもよい。各ブレード302は、近位区画312に位置付けられる支持部材306と、遠位区画314に位置付けられる支持部材とを有してもよい。このように、可撓性ウェブ304が、拡張された動作可能構成にある状態で、可撓性ウェブ、したがって、インペラブレード表面の角度は、相互に対するカテーテル308の近位312および遠位314区画の回転によって生成または修正されてもよい。
【0029】
図4Aおよび4Bに図示される別の実施形態では、インペラ400は、略半剛性であるが、可撓性である支持部材404と、随意に、カテーテル406によって、またはその間に懸架される、可撓性ウェブ402を含んでもよい。略半剛性であるが、可撓性である支持部材404は、いくつかの実施形態では、中程度の靭性ワイヤであってもよいが、それに限定されず、両端408、410において、カテーテル406に取着されてもよい。一実施形態では、カテーテル406は、摺動区画412と、摺動区画に対して回転され得る、回転区画414とを含んでもよく、支持部材404は、両端408、410において、カテーテルの摺動区画に取着されてもよい。支持部材404の一部はまた、概して、回転区画414に沿った固定場所416において、軸方向に定位置に保持されてもよい。
【0030】
例えば、一実施形態では、
図4Aに示されるように、可撓性支持体部材404は、支持部材の一部が、概して、回転区画に沿った固定場所416において、軸方向に定位置に保持されるように、回転区画414を通過してもよい。別の実施形態では、支持部材404は、2つの区画に分割されてもよく、各区画は、摺動区画412に取着された端部と、固定場所416において、回転区画414に取着された端部とを有する。しかしながら、可撓性支持体部材404の近位および遠位端を相互に対して軸方向に移動させるための他の好適な要素も、本開示の精神および範囲内で検討される。支持ワイヤが、1つ以上の可撓性支持体のために使用される場合、支持ワイヤは、丸形または平坦であってもよい。代替として、支持体は、切断された管、中空ワイヤ、または類似構造から形成されてもよい。
【0031】
カテーテル406の摺動区画412は、固定場所416に向かう、およびそこから離れる、軸方向位置間において、回転区画414に沿って、摺動される、または軸方向に調節されてもよい。摺動区画412が、概して比較的に固定場所416から離れた位置に摺動された状態で、支持部材404の一部が、ポンプの回転軸418により近接するように引張され、それによって、可撓性ウェブ402を圧潰された展開用構成へとそれとともに後退させてもよい。
【0032】
摺動区画412が、概して比較的に固定場所416に向かった位置に摺動されるにつれて、支持部材404の一部が、
図4Aに図示されるように、ポンプの回転軸418から離れるように付勢され、それによって、可撓性ウェブ402を拡張された動作可能構成へとそれとともに拡張させてもよい。可撓性ウェブ402が、拡張された動作可能構成にある状態で、可撓性ウェブ、したがって、インペラブレード表面の角度が、
図4Bに図示されるように、摺動区画412に対するカテーテル406の回転区画414の回転によって、生成または修正されてもよい。
【0033】
図5Aおよび5Bに図示されるさらに別の実施形態では、インペラ500は、それぞれ、略半剛性であるが、可撓性である支持部材506と、随意にカテーテル508とによって、またはその間に懸架される可撓性ウェブ504を含み得る、1つ以上のインペラブレード502を含んでもよい。略半剛性であるが、可撓性である支持部材504は、いくつかの実施形態では、中程度の靭性ワイヤであってもよいが、それに限定されず、両端510、512において、カテーテル508に取着されてもよい。
【0034】
一実施形態では、カテーテル508は、近位(代替として、遠位)区画514および遠位(代替として、近位)区画516を有する、カテーテル層を含んでもよく、一方または両方の区画は、ポンプの回転軸518に沿って、軸方向に位置付け可能であって、一方または両方の区画は、遠位および近位区画が、軸方向に位置付けられ、相互に対して回転され得るように、ポンプの回転軸を中心として回転可能である。
【0035】
支持部材506は、一端510において、遠位区画514に、一端512において、近位区画516に取着され、それによって、端部はまた、軸方向に位置付けられ、遠位および近位区画によって、相互に対して回転させられてもよい。しかしながら、可撓性支持体部材506の遠位510および近位512端を軸方向におよび/または相互に対して回転可能に移動させるための他の好適な要素も、本開示の精神および範囲内と見なされる。
【0036】
図5C、5D、および5Eに示されるように、インペラ幾何学形状は、より急峻(回転軸により垂直かつあまり平行ではない)となるであろう、入口におけるブレード角度(θ
1)と、より平坦(回転軸により平行)となるであろう、出口におけるブレード角度(θ
2)とによって特徴付けられ得る。2つの角度間の遷移は、流動性能を改善し、乱流および他の損失を低減させるために、徐々に生じてもよい。
【0037】
例えば、ブレード角度(θ)は、
図5Bに示されるように、軸(または、回転軸)518の方向とインペラブレード502に対する接線519との間で測定され得、接線519は、ウェブ504の半径方向外側部分において、または可撓性支持体506に沿って、画定される。さらに、入口または近位ブレード角度(θ
1)は、インペラ500の近位または入口区画516に向かって、比較的により大きくなり得る。すなわち、ウェブ504の可撓性支持体506または外側部分に沿ったブレード縁または接線は、軸518の方向に多かれ少なかれ垂直に配向される。逆に言えば、出口または遠位ブレード角度(θ
2)は、遠位または出口区画514に向かって、比較的により小さくなり得る(θ
2<θ
1)。すなわち、ウェブ504の可撓性支持体506または外側部分に沿ったブレード縁または接線は、軸518の方向に、またはそれに沿って、多かれ少なかれ平行に配向される。
【0038】
ブレード遷移角度が、徐々に変化する場合、ブレード角度(θ)の値は、実質的に連続的であり得、軸方向部材またはカテーテル508の遠位端514と近位端516との間に実質的に連続的(例えば、第1の)微分値を伴う。さらに、ブレード角度は、近位端516に向かって略垂直または幾分垂直に満たない角度(すなわち、θ
1≦90°)から、遠位端514に向かって略平行または幾分平行を上回る角度(θ
2≧0°)に変動し得る。代替として、ブレード角度(θ)は、上限と下限との間、すなわち、両方、例えば、θ≧10°、θ≧20°、またはθ≧30°、および/またはθ≦80°、θ≦70°、またはθ≦60°間で変動し得る。
【0039】
カテーテル508の近位516および遠位514区画間の関係はまた、θ
1>θ
2となるように、反転されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、流動F(矢印520)の方向は、一般性を失うことなく、端部514から端部516に向かって、または端部516から端部514に向かって、インペラ500に沿って、いずれかの方向に進み得る。
【0040】
さらなる実施形態では、ブレード角度(θ)は、θ
1≒θ
2となり得るように、インペラ500に沿って、実質的に一定であり得る、またはブレード角度(θ)は、θ
1とθ
2との間で実質的に単調に増加または減少し得る(θ
1≠θ
2)。ブレード角度が変動する場合、変動は、軸方向位置zの関数として線形となり得る。例えば、ブレード角度は、以下のように定義され得る。
θ(z)=θ
1+mz [1]
式中、傾斜は、m=(θ
1−θ
2)/ΔzおよびΔz=z
2−z
1であって、それぞれ、第1および第2のブレード角度θ
1およびθ
2間の軸方向間隔である。
対数プロファイルでは、ブレード角度は、以下のように変動し得る。
θ(z)=θ
1+Δθ×log[1+(b−1)(z−z
1)/Δz] [2]
式中、Δθ=θ
2−θ
1およびbは、θ(z
1)=θ
1+θ
2×log(1)(θ
1である)となるような、かつθ(z
2)=θ
1+Δθ×log(b)(θ
2である)となるような対数の基数である。代替として、変動は、正弦関数となり得る。θ(z)=θ
1+Δθ×sin[(z−z
1)π/nΔz] [3]
式中、nは、周期性を判定し、例えば、n=2である。ブレード角度(θ)はまた、指数関数的に変動する、または別の関数形式をとり得る。ブレード角度(θ)はまた、θ
1とθ
2との間に極小値および極大値を有し得る。
【0041】
カテーテル508の遠位514および/または近位516区画の一方あるいは両方は、他方に向かって、かつそこから離れるように、軸方向位置間のポンプの回転軸518に沿って、摺動する、もしくは軸方向に調節されてもよい。遠位514および近位516区画が、概して比較的に相互から離れる位置に調節された状態で、支持部材506の一部は、ポンプの回転軸518により近接するように引張され、それによって、可撓性ウェブ504を圧潰された展開用構成へとそれとともに後退させてもよい。
【0042】
遠位514および近位516区画が、概して比較的に相互に向かった位置に調節されるにつれて、支持部材506の一部は、
図5Aに図示されるように、ポンプの回転軸518から離れるように付勢され、それによって、可撓性ウェブ504を拡張された動作可能構成へとそれとともに拡張させてもよい。可撓性ウェブ504が拡張された動作可能構成にある状態で、可撓性ウェブ、したがって、インペラブレード表面の角度は、
図5Bに図示されるように、相互に対するカテーテル410の遠位514および/または近位516区画の一方あるいは両方の回転によって、生成もしくは修正されてもよい。
【0043】
動作方向R(矢印522)またはそれに沿ったインペラ500の回転は、インペラ500が、流体流動、圧力、バイアス、遠心力、またはそれらの組み合わせを利用して、展開および拡張し、ウェブ504を回転軸518に対して半径方向に外向き位置に広げるための機構であり得る。すなわち、カテーテル508の外向き動作可能位置にブレード502を伴う。反対方向における回転は、機構を圧潰させ得、ブレード502は、カテーテル508により近接して位置付けられ、ウェブ504は、軸518に対してより半径方向内向き位置に収集される。
【0044】
概して、回転Rの動作方向は、
図5Eに示されるように、ブレード(または、ブレード対)522の比較的により高い圧力表面から、ブレード(または、ブレード対)522の比較的により低い圧力表面に向かい得る。いくつかの実施形態では、ウェブ504はまた、負荷下、撓曲し、ブレード502(例えば、502A)の片側に沿って、実質的に凹状圧力表面と、ブレード502(例えば、502B)の反対側に沿って、実質的に凸状吸引表面とを生成する。代替として、動作方向または曲率(または、両方)は、流動状態およびインペラ500に供給される電力またはトルクに基づいて、反転されてもよい。
【0045】
前述のカニューレの種々の実施形態の可撓性ウェブは、任意の好適な材料から製造されてもよい。例えば、前述のカニューレの種々の実施形態は、ポリマー、金属または金属合金、形状記憶材料、あるいは材料の組み合わせから製造されてもよいが、それらに限定されない。ウェブ504の材料はまた、ニチノールまたは布織物等、支持部材506に取着された織布メッシュであってもよい。メッシュは、流動動態改善のために、開口部が残されてもよく、メッシュは、コーティングされてもよい。コーティングが使用される場合、コーティングは、シリコーンまたはポリウレタン(PU)であってもよい。
【0046】
支持部材またはマスト506はさらに、直線または湾曲ワイヤ、編組ワイヤまたは管類、例えば、レーザ切断管またはレーザ切断管類から形成される、あるいはそれから成ってもよい。ウェブ504および支持部材506の一方または両方はまた、付加的カバー材料、例えば、(延伸)ポリテトラフルオロエチレン(ePTFEまたはPTFE)、高密度ポリエチレン(HDPEまたはPEHD)、テレフタル酸ポリエチレン(PETまたはPETE)、あるいはポリイミドまたはシリコーン材料から形成される、もしくはそれを含んでもよい。レーザ切断または切断された管類が、説明される場合、レーザ切断および他の形態のパターン切断が、例えば、ニチノールまたは別の形状記憶金属、あるいは別の生物学的に好適な金属合金、ポリマー、または複合材料等の材料の形成された管またはシートを切断することによって、採用されてもよい。
【0047】
(カニューレ)
一般に、本開示のカニューレの種々の実施形態は、複数の支持部材またはリブを含んでもよく、リブの相対的位置を変化させることによって、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間で起動されてもよい。いくつかの実施形態では、前述のように、カニューレは、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間のインペラの起動とは別個に、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間で起動されてもよい。
【0048】
拡張された動作可能構成では、導管が、生成されてもよく、その中で、ポンプのインペラが、拡張および動作されてもよい。インペラの動作は、典型的には、それぞれ、カニューレの近位および遠位端に提供され得る、カニューレの入口と出口との間のカニューレ内に血流を発生させることができる。いくつかの実施形態では、カニューレはまた、任意の周囲組織とインペラとの間に分離を提供し得る。
【0049】
図6ならびに
図7A、7B、および7Cに図式的に図示される一実施形態では、カニューレ600は、渦巻構成における、1つ以上の実質的に剛性または半剛性支持部材604によって、またはその間に支持され、複数のリブ606を生成する、薄い可撓性フィルムまたはメッシュカバー602を含んでもよい。拡張された動作可能構成では、
図6に図示されるように、リブ606は、カバー602を伸展および/または支持し、導管608を生成し、その中で、インペラ(例えば、
図6に示されるようなインペラ500であるが、前述の説明されるインペラのいずれも、好適である)は、その動作可能構成に拡張されてもよい。いくつかの実施形態では、渦巻構成における実質的に剛性または半剛性支持部材604は、拡張された動作可能構成に偏向されてもよい。
【0050】
カニューレ600は、
図7Aおよび7Bに示されるような開放または動作構成から、
図7Cに図示されるような圧潰された展開または挿入用構成に調節されてもよい。一実施形態では、再び、
図6を参照すると、カテーテル610は、遠位区画612および近位区画614を有するカテーテル層を含んでもよく、一方または両方の区画は、遠位および近位区画が、相互に対して軸方向に位置付けられ得るように、ポンプの回転軸616に沿って軸方向に位置付け可能である。
【0051】
カニューレ600、またはより具体的には、いくつかの実施形態では、支持部材604は、一端618において、遠位区画612に、一端620において、近位区画614に取着され、それによって、また、カニューレ600または支持部材604の端部を遠位および近位区画によって、相互に対して軸方向に位置付けさせてもよい。したがって、一実施形態では、カニューレ600は、支持部材604を概して比較的に相互から離れるように軸方向に調節させ、それによって、支持部材の一部をポンプの回転軸616により近接するように引張させ、可撓性メッシュカバー602をそれとともに後退させることによって、開放構成から圧潰された展開用構成に調節されてもよい。
【0052】
加えて、または代替として、遠位612および近位614区画の一方または両方は、遠位および近位区画が、相互に対して回転され得るように、ポンプの回転軸616を中心として回転可能であってもよい。この点において、カニューレ600または支持部材604の端部は、加えて、または代替として、遠位612および近位614区画によって、相互に対して回転可能に位置付けられてもよい。したがって、一実施形態では、カニューレ600は、加えて、または代替として、渦巻支持部材604の端部を相互に対して回転させ、それによって、導管608のサイズを縮小させ、その間に支持されるメッシュカバー602を圧潰させることによって、圧潰された展開用構成に調節されてもよい。
【0053】
しかしながら、支持部材604の遠位618および近位620端部を軸方向におよび/または相互に対して回転可能に移動させるための任意の他の好適な要素も、本開示の精神および範囲内と見なされる。さらなる実施形態では、カニューレ600および/またはカテーテル610は、引きひもを含んでもよく、これは、後退されたメッシュカバー602の任意の弛緩材料を収集し、メッシュカバーを比較的にカテーテル本体により近接して保持するように引張され得る。
【0054】
支持部材604およびリブ606、または両方は、
図7Dおよび7Eに示されるように、ワイヤフレームまたは編組あるいはレーザ切断形状記憶管から形成されてもよい。また、カニューレ600の近位614および遠位612端部によって支持される、直線、実質的に縦方向、または軸方向支持部材604またはリブ606と、端部614と612との間の中心における実質的に円周方向または螺旋支持部材604あるいはリブ606の編組またはメッシュパターンとの組み合わせ設計が、存在してもよい。
【0055】
パターンはまた、反転されてもよく、端部上の円周方向または螺旋編組あるいは支持部材604またはリブ606のメッシュパターンと、その間の支持部材604またはリブ606の実質的直線および軸方向または縦方向パターンとを伴う。リブパターン606が、レーザ切断管支持部材604から形成される場合、その幾何学形状はまた、突起を伴わずに、または実質的に伴わずに、例えば、カニューレ600を覆って提供され得る、あるいは圧潰または展開用構成において、カニューレ600を覆って乗設され得る、シースまたは類似要素に引っ掛かり得る、鋭利突起を伴わずに、提供され得る。
【0056】
図7Fは、管状フレーム実施形態内のカニューレ600の側面図である。本構成では、カニューレ600は、近位端または領域614から遠位端または領域612に延在する、実質的に直線および軸方向に整合されたリブ606から形成される、支持構造を含み、端部612と614との間の中間または中央領域613内に少なくとも1つの交差筋違構造607を伴う。
【0057】
カニューレ600の支持構造606および607は、例えば、ニチノール管等の形状記憶金属からレーザ切断することによって、または本明細書に説明される別の好適な材料を使用することによって、形成されてもよい。例えば、
図7Fの構成は、
図7Eの実施形態と同様に形成されてもよく、交差筋違構造607は、中央領域613内に円周方向強度を追加するために、正弦波、鋸歯状、またはステント状パターンに形成される。代替として、交差筋違607は、前述のように、1つ以上の螺旋または円周方向リブから形成されてもよい。
【0058】
支持リブ606は、一端、例えば、近位領域614の第1の端部620において、カテーテル610に固定または取着される。反対端部(例えば、遠位領域612の第2の端部618)は、カテーテル610および近位端620に対して、軸方向寸法に遊動する。シース622が、圧潰カニューレ600から摺動されるにつれて、支持部材606および607は、その動作形態に拡張するように偏向されてもよく、縦方向リブ606は、半径方向および軸方向に、第1の端部620から近位領域614に、実質的に軸方向に、近位領域614から中央領域613を通して遠位領域612に、および軸方向および半径方向に、遠位領域612から第2の端部618に延在する。交差筋違構造607は、前述のように、実質的に円周方向および半径方向に、カニューレ600の中央領域613を支持するように拡張する。
【0059】
メッシュカバー602は、前述のように、ePTFEまたはポリウレタン、あるいは別の好適な布材料またはシリコーンから形成されてもよい。カニューレシース622は、近位方向に摺動させることによって、カニューレ622を展開するように後退されるにつれて、第2の(遊離端)618は、典型的には、第1の(固定)端部610に向かって、摺動または再位置付けし、展開および動作のために、カニューレ600およびメッシュ602を半径方向に拡開させるであろう。支持部材606および607は、展開用状態から動作状態に変形し、メッシュまたはカバー602を拡張させ、インペラ500のための流路を形成する。シース622が、遠位方向に逆摺動するにつれて、支持部材606および607ならびにメッシュ602は、シース622によって被覆され、除去のために、動作状態から展開用状態に逆変形する。
【0060】
インペラ500は、前述のように、メッシュまたはウェブ材料で被覆され、ブレード502を形成する、ニチノールワイヤ501等の形状記憶金属によって支持されたブレードとともに形成されてもよい、ブレード502およびワイヤ501は、ブレード502およびインペラ500の近位端532において、駆動シャフト630に固定される。インペラ500およびブレード502の遠位端531は、近位端532に対して、軸方向寸法に遊動する。
【0061】
カニューレ600が拡張するにつれて、支持部材607および606は、その動作形態に偏向され、インペラ500の遠位(遊離)端部531は、近位(固定)端部532に向かって、軸方向に摺動または変位する。停止部632は、遠位領域612内の駆動シャフト630上に提供され、例えば、カニューレ606の遊離端531と遠位端618との間における遊離インペラ端部531の過進行を防止してもよい。インペラ500およびブレード502(例えば、前述のウェブ504)ならびにカニューレ600(例えば、カバー材料602)のための好適なカバー材料として、シリコーン、ポリウレタン、生物学的に好適な布材料、ワイヤメッシュ、および切断金属シート、ならびにそれらの組み合わせが挙げられ、例えば、ある材料は、構造形態として使用するために選択され、別の材料は、コーティングまたはウェブとして使用するために選択される。
【0062】
駆動シャフト630は、近位領域614の少なくとも一部内では、例えば、駆動シャフト630が、近位端532におけるインペラ500に到達するまで、可撓性ワイヤコイルから形成されてもよい。駆動シャフト630は、中央領域613および遠位領域612内では、例えば、近位端532から、遠位端531、停止部632、およびカニューレ600の遠位端618を通して、実質的に直線または半剛性ワイヤから形成されてもよい。近位領域614では、駆動シャフト630は、端部620において、カテーテル610によって支持される。遠位領域612では、駆動シャフト630は、カニューレ600の遠位端618において、カテーテルの短区画によって支持されてもよく、遠位端618は、構造部材606および607によって支持される。
【0063】
他の設計とは対照的に、縦方向支持体606は、近位および遠位領域614および612内において半径方向におよび軸方向に延在する部分606Aと、近位および遠位領域614および612間の中央区画613内において実質的に軸方向に延在する領域606Bとを含む。さらに、駆動シャフト632は、カテーテル610におけるカニューレ600の第1の(近位)端部620から、近位領域614、インペラ500を伴う中央領域613、および停止部632を伴う遠位領域612を通して、第2の(遠位)端部618に延在してもよい。したがって、カニューレ600は、近位領域614内の支持体606の部分606Aを支持する半径方向および軸方向負荷を介して、近位端620において、カテーテル610に軸方向および半径方向に固定される。
【0064】
しかしながら、遠位領域612では、縦方向支持体606の軸方向/半径方向部分606Aが、駆動シャフト630を中心として半径方向向きにカニューレ600の遠位端618を固定するが、遠位端618は、前述のように、駆動シャフト630に沿って摺動し、近位端620に対する軸方向における運動の自由度を提供してもよい。代替として、カニューレ600の遠位端618は、駆動シャフト630に対して半径方向に固定されてもよく、運動の軸方向自由度は、カテーテル610内において、摺動駆動シャフトによって軸方向に提供される。
【0065】
これは、いくつかの固定−固定設計の軸方向に折畳された展開用構成を回避する一方、カニューレ600の遠位端618を半径方向向きに固定するための半径方向支持を提供し、固定−遊離設計によって生じる構造問題を回避する。遠位端618におけるカニューレ600の本軸方向に遊動する構成では、シース622は、拘束することなく、カニューレ600の完全軸方向長にわたって、近位(開放)および遠位(圧潰)方向において、行ったり来たりするように構成される。
【0066】
代替として、カニューレ600の近位端620は、カテーテル610および(例えば、軸方向に定常)シース622に対する駆動シャフト630の遠位および近位軸方向運動によって、カニューレ600が、展開または圧潰され得るように、カテーテル610および(固定)遠位端618に対して軸方向に摺動するように構成されてもよく、駆動シャフト630は、前述のように、遠位端618において、カニューレ630に軸方向に固定される。本構成では、駆動シャフト630の軸方向運動もまた、カニューレ600と組み合わせて、インペラ500を圧潰および展開させるために利用され得、インペラ500は、カニューレ600内で圧潰および展開し、カニューレ600は、(例えば、軸方向に定常)シース622内に牽引またはそこから延在されるにつれて、圧潰および展開するであろう。
【0067】
カニューレ600およびカテーテル610の一方または両方はまた、固定要素を具備し、ポンプ流送システム100を解剖学的要素、例えば、血管壁、弁、または心臓の解剖学的特徴に対して位置付けあるいは保定してもよい。種々の実施形態では、例えば、ネジまたは他の機械的保定具または連結要素652が、カニューレ600およびポンプシステム100を心臓壁に固着するために、ポンプシステム100の先端、例えば、カニューレ600の遠位端または先端618のカテーテル区画上に提供されてもよい。
【0068】
代替として、1つ以上のフックまたは尖叉型の機械的保定具652が、例えば、心室または心臓壁上の類似特徴内の小柱または類似小柱形成部に取着するために、カニューレ600と組み合わせて、展開するように構成されるように提供されてもよい。1つ以上の保定具652はまた、以下に説明されるように、ガイドワイヤアンカとして提供され、ガイドワイヤに取着または係留するために提供されてもよく、ポンプシステム100は、ガイドワイヤにわたって繰り出され、所望のアンカ場所内に至らせることによって、位置付けられる。
【0069】
さらなる実施形態では、1つ以上のバルーンまたは他の拡張要素654が、ポンプ100を弁または大動脈壁等の血管特徴に固着するために、カニューレ600の外側に提供されてもよい。バルーン要素654は、前述のように、偏向要素の作用によって、あるいは、例えば、ポンプ100によって、もしくは、例えば、以下に説明されるように、流体駆動システムに連結されるような付加的チャネルまたは内腔を介して、提供されるような流体加圧を通して、拡張してもよい。
【0070】
バルーン要素654は、カニューレ600の近位、中央、および遠位領域614、613、および612の任意の組み合わせにおいて提供されてもよい。バルーン要素654はまた、カテーテル610を大動脈壁または他の血管構造に固着するために、カテーテル610またはシース622に沿って提供されてもよい。
【0071】
図8A、8B、および8Cに図式的に図示される別の実施形態では、カニューレ800は、線形軸方向構成における1つ以上の実質的に剛性または半剛性支持部材804によって、あるいはその間に支持され、概して、カテーテル本体に平行に整合される、複数のリブ806を生成する、薄い可撓性フィルムまたはメッシュカバー802を含んでもよい。拡張された動作可能構成では、
図8Aおよび8Bに示されるように、リブ806は、カバー802を伸展および/または支持し、導管808を生成し、その中で、インペラは、その動作可能構成に拡張されてもよい。いくつかの実施形態では、線形軸方向構成における実質的に剛性または半剛性支持部材804は、拡張された動作可能構成に偏向されてもよい。
【0072】
図6および7の実施形態と同様に、カニューレ800は、
図8Cに図示されるように、圧潰された展開用構成に調節されてもよい。一実施形態では、前述のように、カテーテル810は、遠位区画および近位区画を有するカテーテル層を含んでもよく、一方または両方の区画は、遠位および近位区画が、相互に対して軸方向に位置付けられ得るように、ポンプの回転軸812に沿って軸方向に位置付け可能である。カニューレ800、またはより具体的には、いくつかの実施形態では、支持部材804は、一端814において、遠位区画に、一端816において、近位区画に取着され、それによって、また、遠位および近位区画によって、カニューレ800または支持部材804の端部を相互に対して軸方向に位置付けさせてもよい。
【0073】
したがって、一実施形態では、カニューレ800は、支持部材804を概して比較的に相互から離れるように軸方向に調節させ、それによって、支持部材の一部をポンプの回転軸812により近接するように引張させ、可撓性メッシュカバー802をそれとともに後退させることによって、圧潰された展開用構成に調節されてもよい。逆に言えば、カニューレ800は、支持部材804を概して比較的に相互に向かって軸方向に調節させ、それによって、支持部材の一部をポンプの回転軸812から離れるように位置付けさせ、および可撓性メッシュカバー802をそれとともに拡張または展開させることによって、拡張または動作可能構成に開放されてもよい。これは、例えば、カニューレ800の近位816および遠位814端部、またはカテーテル810の対応する近位および遠位部分の相対的軸方向位置付けによって達成されてもよい。
【0074】
前述の実施形態同様に、支持部材804の遠位814および近位816端部を相互に対して軸方向に移動させるための任意の他の好適な要素も、本開示の精神および範囲内と見なされる。さらなる実施形態では、カニューレ800および/またはカテーテル810は、引きひもを含んでもよく、これは、後退されたメッシュカバー802の任意の弛緩材料を収集し、メッシュカバーを比較的にカテーテル本体により近接して保持するように引張され得る。これらの実施形態のそれぞれでは、カニューレ800の圧潰はまた、インペラを展開位置に圧潰させてもよく、カニューレ800の拡張または展開はまた、インペラを圧潰展開位置から拡張させ、動作可能または展開位置に外向きに開放させてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、
図6−8Cに図示されるように、カニューレは、カテーテル本体に沿って、軸方向に略一定の直径を有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、
図9Aに図示されるように、カニューレ900は、カテーテル本体902に沿って、軸方向に変動する直径を有してもよい。そのような実施形態では、カニューレ900は、実質的に一定の直径の2つ以上の軸方向区画904、906と、一定直径のある区画から、一定であるが、異なる直径の異なる区画への遷移908の1つ以上の軸方向区画とを有してもよい。
【0076】
それらの前述のもの等のインペラは、任意の好適な軸方向区画内に提供されてもよい。図示されるように、インペラ(例えば、
図9Aに示されるようなインペラ500であるが、前述の説明されるインペラのいずれも、好適である)は、遠位軸方向区画904より比較的に大きな直径の近位軸方向区画906内に提供されてもよい。そのような実施形態では、比較的により大きい直径導管から比較的により小さい直径導管への遷移もまた、遠位軸方向区画904を通したカニューレ900からの流動率を増加させ得る。
【0077】
いくつかの実施形態によると、本明細書に説明されるカニューレの種々の実施形態内のインペラの動作は、カニューレの反対端部における出口開口部から、カニューレを通して、カニューレの一端における入口開口部内への流体、例えば、血液の流動を生じさせ得る。概して、流体の流動は、インペラの回転軸と実質的に軸方向であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、カニューレ900は、加えて、または代替として、インペラの回転の軸918に対して実質的に垂直に、カニューレ900内外への流体の流動をもたらす、入口911または出口開口部909を含んでもよい。さらに他の実施形態では、カニューレは、例えば、カニューレ900の入口区画または近位軸方向区画906内に、複数の入口911、および/または例えば、カニューレ900の出口区画または遠位軸方向区画904内に、複数の出口909を含んでもよく、ポンプへまたはそこからの流体の流入および/または流出の遮断の防止を補助してもよい。
【0078】
本明細書に説明されるカニューレ900および他のデバイスはまた、整流器、例えば、
図9Bおよび9Cに示されるように、整流器916を利用してもよい。整流器916は、半径方向に、カテーテル910からカニューレ900に(
図9B)、または縦方向に、カテーテル910とカニューレ900との間の流路920の軸918に沿って、(
図9C)、またはそれらの組み合わせにおいて、延在する、より可撓性の膜のうちの1つから成ってもよい。整流器916は、したがって、カテーテル910とカニューレ916との間の流路920をいくつかの半径方向にまたは同心状に分割されたチャネルに分割する。代替として、整流器916は、長方形、正方形、三角形、または六角形チャネル構成、あるいは別の設計を有する。整流器916はまた、前述のように、付加的入口および出口孔、開口、またはポート909ならびに911と組み合わせて利用されてもよい。
【0079】
整流器916は、通路920を通して回転可能または円周方向に移動している渦および他の非軸方向流動を軸方向流動に再指向し、流路920に沿って形成される異なるチャネルを通して、実質的に軸918に沿って移動させる。整流器916は、カニューレ900およびカテーテル910の近位(入口)端部914に沿って、またはそれを横断して、カニューレ900およびカテーテル910の遠位(出口)端部912に沿って、またはそれを横断して、あるいは両端914および912に位置してもよい。
【0080】
なおもさらなる実施形態では、
図10Aおよび10Bに図示されるように、カニューレ1000は、ポート固定のための1つ以上の特徴1002を含んでもよい。より具体的には、
図11Aの断面に示されるように、例えば、限定されないが、心室および血管の任意の組み合わせ間において、壁1103内に開口部1102が存在する場合、カニューレ1000は、開口部内に留置され、種々の前述の様式に説明されるように拡張し、
図11Bの断面に図示されるように、ポート固定のための1つ以上の特徴1002によって、開口部に対して実質的に添着されたままにされ得るように構成されてもよい。
【0081】
ある特定の実施形態では、限定されないが、遠位端1004等のカニューレ1000の一端は、インペラ導管区画1006と、首部区画1008と、ポート固定区画1010を含んでもよい。前述で種々のカニューレ実施形態に関して説明されたように、インペラ導管区画1006、首部区画1008、およびポート固定区画1010を含む、カニューレ1000は、圧潰された展開用構成と拡張された動作可能構成との間で調節されてもよい。
【0082】
図10Aおよび10Bに図示されるように、拡張された動作可能構成では、首部区画1008は、インペラ導管区画1006およびポート固定区画1010の拡張直径より小さい直径に拡張し、それによって、インペラ導管区画と首部区画におけるポート固定部分との間に生成されるポケット1012を有する、略砂時計形状を形成するように構成されてもよい。
【0083】
図11Bに図示されるように、カニューレ1000は、カニューレの拡張に応じて、首部区画1008に形成されるポケット1012が、概して、壁開口部1102と整合し得るような位置で拡張されてもよい。インペラ導管区画1006およびポート固定区画1010の比較的により大きな直径は、カニューレが拡張された動作可能構成にあるとき、壁開口部1102を容易に通過せず、したがって、ポケット1012によって、カニューレ1000を開口部に対して実質的に添着されたままにさせるように設計されることができる。付加的実施形態では、
図11Cに示されるように、ポートまたは類似デバイス等の中間デバイス1104は、壁開口部1102に固定され、実施例にすぎないが、開口部強度を改善し、および/または開口部幾何学形状を改善し得る。
【0084】
前述のカニューレの種々の実施形態の可撓性フィルムまたはメッシュカバーは、限定されないが、ポリマー、金属または金属合金、形状記憶材料、あるいはそのような材料の組み合わせ等の任意の好適な材料から製造されてもよい。さらなる実施形態では、前述の種々のカニューレは、可撓性フィルムまたはメッシュカバーを伴わずに提供され、それによって、支持部材を露出させて残してもよい。代替として、異なるカバーまたは構造支持材料が、提供されてもよく、限定されないが、PTFEまたはePTFE、HDPEまたはPEHD、PETまたはPETE、PU、ポリイミド、シリコーン材料、およびそれらの組み合わせを含む。
【0085】
ポンプおよびインペラ機構と、対応するカニューレならびに流路およびチャネル構造もまた、前述のように、カテーテル支持体によって、脈管壁または弁1103に対して静置するカニューレによって、心臓、静脈、動脈、または血管の内部あるいは外部解剖学的構造に対して静置する誘導特徴によって、コイルアンカによって、もしくは、例えば、カニューレと、脈管壁、弁、または他の解剖学的構造1103との間でバルーンを膨張させることによって、解剖学的位置に固定されてもよい。
【0086】
再び、
図1を参照すると、一実施形態では、本開示に説明されるインペラおよびカニューレの種々の実施形態は、例えば、以下にさらに詳細に説明されるように、カテーテルの複数の同心層またはシースを使用して、拡張された動作可能構成と圧潰された展開用構成との間でインペラおよび/またはカニューレを拡張ならびに後退させるように調節されてもよい。しかしながら、概して、種々の実施形態では、複数の同心層は、インペラを調節するためにカテーテルの軸方向に沿って平行移動可能な駆動シャフト層と、カニューレを調節するためにカテーテルの軸方向に沿って平行移動可能なカニューレシースとを含んでもよい。代替または付加的実施形態では、駆動シャフト層および/またはカニューレシースは、前述のように、例えば、インペラブレード角度の変動をもたらし、および/または例えば、渦巻支持部材、可撓性支持体部材、可撓性メッシュまたは可撓性メッシュ、あるいは支持要素カバーの圧潰を補助するように、回転軸を中心として回転可能であってもよい。
【0087】
(誘導)
一般に、本明細書に開示されるポンプの種々の実施形態は、血管系内およびそれを通して、所望の解剖学的位置へ、例えば、心臓にカテーテルおよびポンプを指向させるための誘導システムを含んでもよい。
図12に図示される、本開示の一実施形態による、好適な誘導システムは、カテーテルおよびポンプ1208が、当業者によって理解されるであろうように、ガイドワイヤ1210を覆って挿入され、それに沿って進行し得るように、カテーテル1206の中心軸1204を通して、またはそれに沿って、開口部または通路1202を含んでもよい。
【0088】
図13に図示される別の実施形態では、血管系内およびそれを通して、所望の解剖学的位置にカテーテルおよびポンプを指向させるための誘導システムは、操向可能カテーテル先端1302を含んでもよい。より具体的には、カテーテル1304は、その遠位端またはその近傍に略可撓性区画1306を含んでもよい。可撓性区画1306は、カテーテルの可撓性区画が調節され、カテーテルが所望の進行方向に向けさせる、調節可能曲率を有してもよい。一実施形態では、可撓性区画1306は、所定の方向における曲率に対するバイアスを有してもよく、またはいくつかの実施形態では、無曲率に対するバイアスを有してもよい。
【0089】
可撓性区画1306は、可撓性区画の曲率を制御するために、その中にあって、かつそれに係留される、ケーブルを含んでもよく、ケーブルは、カテーテルを通して、外部制御システムまで延設される。特定の実施形態では、ケーブルは、可撓性区画1306の先端1308またはその近傍に係留され、容易な制御をもたらし得る。ケーブルは、例えば、外部制御システムにおいて、ケーブルを操作または引張し、可撓性区画の所望の曲率を生じさせることによって、可撓性区画1306を制御するために使用されてもよい。同様に、ケーブルが、異なる方向に操作される、または解放されると、可撓性区画1306は、その通常の偏向位置に戻ってもよい。
【0090】
これらの実施例のいずれにおいても、放射線不透過性マーク等の留置補助が、蛍光透視法または他の撮像技法を介して、留置を補助するために、ポンプ近傍または他の場所に含まれ得る。代替として、そのような留置補助、マーカー、またはタグは、ポンプ、カニューレ、カテーテル、インペラ、または他の構造要素のうちの1つ以上内に含まれ得る、または提供され得る。
【0091】
(電力伝送)
一般に、本明細書に開示されるポンプの種々の実施形態は、インペラを駆動させるために、カテーテル内に電力伝送システムを含んでもよい。伝送システムは、例えば、カテーテルの外部端に、またはそれに対して動作可能に接続される、制御および/または電力ユニットから、制御されてもよい。電力伝送システムは、概して、外部制御および/または電力ユニットからの電力をポンプまたはインペラによって必要とされる機械的電力に伝送するために提供されてもよい。
【0092】
一実施形態では、
図14に図示されるように、伝送システムは、直接、クラッチを通して、インペラを制御および/または電力ユニットの駆動モータと接続する、駆動シャフトを含んでもよい。一実施形態では、前述で簡単に説明されたように、カテーテル1402は、複数の同心層を含んでもよい。そのような実施形態の1つでは、最内から最外の順序におけるこれらの層は、ケーブル1404と、内側カテーテルシース1406と、駆動シャフトの回転可能層1408と、回転可能層1408に対して軸方向に位置付け可能であって、いくつかの実施形態では、それとともに回転可能であり得る、駆動シャフト層1410と、軸方向に位置付け可能なカニューレシース1412とを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0093】
ケーブル1404は、例えば、前述の操向可能カテーテル先端等の誘導システムを制御するために使用されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、ケーブル1404は、それに沿ってカテーテルが進行し得る、ガイドワイヤのための通路を残して排除されてもよい。内側カテーテルシース1406は、ケーブル1404を囲繞してもよい。回転可能駆動シャフト層1408は、回転運動をインペラに提供し、回転運動をそこに伝達してもよい。
【0094】
回転可能層1408に対して軸方向に位置付け可能である、駆動シャフト層1410は、前述のように、本開示のインペラ実施形態のいずれかを後退および展開させるように使用されてもよい。カニューレシース1412は、内側カテーテルシース1406に対して、軸方向に位置付け可能であってもよく、前述のように、本開示のカニューレ実施形態のいずれかを後退および展開させるために使用されてもよい。外側シース1406は、トルク伝達を増加させるための埋込編組または他の構造要素、または捩れ抵抗を改善するためのコイル、あるいは両方を含んでもよい。
【0095】
1つ以上の実施形態では、駆動シャフト層1408、1410は、縦方向に可撓性であるが、捩れに対して剛性であってもよく、それによって、血管系を通して操作されるとき、駆動シャフトに可撓性を持たせるが、回転運動を送達するための能力を維持する。駆動シャフトおよび駆動シャフト層1408、1410は、単または多繊維コイル(または、糸または繊維)構造から構築されてもよい。
【0096】
カテーテル要素の中空中心、例えば、内側カテーテルシース1406あるいは駆動シャフト層1408または1410は、ガイドワイヤが通過することを可能にし得る。また、ポンプに取着するための短剛性区画も存在し得る。
【0097】
駆動シャフト層1408、1410の一方または両方は、限定されないが、生理食塩水等の潤滑流体で潤滑されてもよい。構造はまた、比較的に可動または回転層あるいは要素、例えば、シース層、ガイドワイヤ、ケーブル、およびシャフト層間に、Teflon等の低摩擦コーティングを使用してもよい。剛性区画はさらに、ボール、流体力学的、または滑り軸受等、機械的軸受によって支持されてもよい。回転可能駆動シャフト層1408または両方の駆動シャフト層1408、1410は、これまで説明されたように、回転運動をインペラに送達または伝達することによって、ポンプを制御するために使用されてもよい。
【0098】
図15に図示されるさらなる実施形態では、伝送システムは、概して、前述のように構成されるが、駆動シャフトに沿った1つ以上の場所に、一式の歯車1502が採用され、遠位駆動シャフト区画1504と近位駆動シャフト区画1506との間の駆動シャフト内に比較的により急峻な屈曲または角度をもたらす一方、駆動シャフトに沿ってトルクを維持し得る、駆動シャフト要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、その隣接する端部に歯車1502を伴う、駆動シャフト区画1504、1506は、限定されないが、ケーブルまたはシース等の張力要素を介して、相互と接触される、あるいは相互との接触を維持することができる。駆動シャフト区画1504、1506間の角度は、調節可能であってもよい。
【0099】
図16に図示される別の実施形態では、伝送システムは、磁気連結デバイス1604と組み合わせて、流体駆動または静力学的伝送システム1602を含んでもよい。一般に、外部システムは、流体を機械的発電機に駆動させ、機械的発電機の回転運動を生じさせ、これが、磁気連結を介して、インペラに伝達され得る。特定の実施形態では、静力学的伝送システム1602は、カテーテル本体または外側シース1606と、外側シース内に同心状に位置付けられる、内側シース1608とを含んでもよく、その遠位端は、機械的発電機1610と動作可能に接続される。
【0100】
内側シース1608は、入口チャネルまたは内腔を提供してもよく、それによって、外部システムから機械的発電機1610に流体を送達する一方、外側シース1606は、出口チャネルまたは内腔を提供してもよく、それによって、機械的発電機から外部システムに流体を戻す。当然ながら、他の実施形態では、外側シースが、入口チャネルを提供してもよい一方、内側シースが、出口チャネルを提供してもよい。機械的発電機1610は、それを通して通過する流体の軸方向運動をカテーテルの中心軸1612を中心とする発電機の回転運動に変換してもよい。
【0101】
発電機1610の遠位端またはその近傍に、発電機は、1つ以上の磁石1614を含む、磁気連結デバイス1604の近位端を含んでもよい。磁石1614はまた、発電機の回転運動によって、カテーテルの中心軸1612を中心として、それとともに回転し、機械的発電機1610の遠位端に可変磁場を生成してもよい。
【0102】
静力学的伝送システム1602の遠位端またはその近傍に位置付けられるのは、磁気連結デバイスの近位端の磁石1614と相互作用し、筐体1616の回転運動を生じさせる、1つ以上の磁石1618もまた含む、筐体1616を有する磁気連結デバイス1604の遠位端であってもよい。より具体的には、磁気連結デバイス1604の近位端の磁石1614の回転運動によって生成される可変磁場は、筐体1616内の磁石1618と相互作用し、その回転運動を生じさせる。
【0103】
本明細書に説明されるインペラの種々の実施形態のいずれか等のインペラ1620は、磁気連結デバイス1604または筐体1616の遠位端と動作可能に接続され、したがって、それとともに回転してもよい。磁気連結デバイス1604と組み合わせた、そのような流体駆動または静力学的伝送システム1602の利点の1つとして、インペラの互換性が挙げられ、これは、伝送システムとインペラとの間の磁気連結デバイスによって提供される間接接続が、インペラ実施形態間を変化させるために、比較的に容易な相互接続を提供するためである。
【0104】
図17に図式的に図示される別の実施形態では、伝送システムは、単に、動作可能に接続されるインペラを駆動する、流体駆動または静力学的伝送システム1702を含んでもよい。一般に、外部システムは、流体を機械的発電機に駆動させ、機械的発電機の回転運動を生じさせ、これが、実質的に直接、インペラに伝達され得る。特定の実施形態では、静力学的伝送システム1702は、カテーテル本体または外側シース1704と、外側シース内に同心状に位置付けられる内側シース1706とを含んでもよく、その遠位端は、機械的発電機1708と動作可能に接続される。
【0105】
内側シース1706は、入口チャネルまたは内腔を提供してもよく、それによって、外部システムから機械的発電機1708に流体を送達する一方、外側シース1704は、出口チャネルまたは内腔を提供し、それによって、機械的発電機から外部システムに流体を戻す。当然ながら、他の実施形態では、外側シースが、入口チャネルを提供してもよい一方、内側シースが、出口チャネルを提供してもよい。機械的発電機1708は、それを通して通過する流体の軸方向運動をカテーテルの中心軸1710を中心とする発電機の回転運動に変換してもよい。機械的発電機1708は、直接、本明細書に説明されるインペラの種々の実施形態のいずれか等のインペラに接続されてもよい。しかしながら、限定されないが、伝動システム等、間接的にまたは動作可能に、機械的発電機1708およびインペラを接続するための任意の好適な要素も、本開示の精神および範囲内であることを認識されたい。
【0106】
前述の種々の流体駆動または静力学的伝送システムに関して、流体駆動または静力学的伝送システムは、例えば、油圧コネクタまたは圧縮性管と外部接続されてもよく、これは、当業者によって理解されるであろうように、流体を駆動させるために、流体駆動または静力学的伝送システムを外部コントローラと結び付ける。外部コントローラは、本明細書に説明される制御および/または電力ユニットの構成要素であってもよく、またはそうでなくてもよい。
【0107】
さらに別の実施形態では、伝送システムは、電気的に駆動されてもよい。より具体的には、本明細書に説明されるインペラの種々の実施形態のいずれか等のインペラは、カテーテルのポンプ端またはその近傍のモータと動作可能に接続されてもよい。電気システムは、当業者によって認識されるように、カテーテルの外部端に、またはそれに対して動作可能に接続される制御および/または電力ユニットによって駆動されてもよく、モータを制御し、インペラを回転させる際に使用するためのエネルギーを調整してもよい。
【0108】
電気システムまたはその一部は、モータまたはその近傍に位置してもよく、あるいはカテーテルの外部端に、またはそれに対して動作可能に接続される制御および/または電力ユニットを含むが、それらに限定されない、任意の他の好適な場所に位置付けられてもよい。電気システムおよび制御および/または電力ユニットは、電気コネクタまたは導体によって、動作可能に接続されてもよい。
【0109】
本明細書に説明される種々の実施形態による、拡張可能血液ポンプを展開および使用する方法が、
図18を参照して説明される。ステップ1802に図示されるように、その遠位端またはその近傍にポンプを伴う、カテーテルが、主要血管内に挿入され、心臓等の所望の場所に誘導されてもよい。
【0110】
前述で詳細に説明されたように、ポンプは、インペラおよびカニューレを含んでもよく、インペラおよびカニューレは、最初は、圧潰された展開用構成において挿入されてもよい。インペラおよびカニューレは、展開用構成に偏向されてもよく、または代替として、カテーテルの外部端またはその近傍に動作可能に連結された制御ユニットを使用して、展開用構成に後退されてもよい。ステップ1804において、ポンプが、所望の場所、例えば、所望の心室またはその近傍に位置付けられると、臨床医またはオペレータは、前述のように、制御ユニットを使用して、ポンプのカニューレを拡張された動作可能構成に調節し、それによって、ポンプ流動のための導管を生成してもよい。
【0111】
ステップ1806において、カニューレが拡張され、導管が生成された状態で、臨床医またはオペレータは、カニューレ内のポンプのインペラをその拡張された動作可能構成に調節してもよい。別個のステップ1804、1806として図示されるが、いくつかの実施形態では、その拡張された動作可能構成へのカニューレおよびインペラの調節は、実質的に同時に行なわれてもよい。
【0112】
ステップ1808では、所望に応じて、インペラブレード角度は、種々のインペラ実施形態のそれぞれに関して前述で詳細に説明されたように調節され、所望のポンプ流動方向を生成してもよい。ステップ1810では、電力伝送システムは、例えば、制御ユニットを使用して起動され、インペラの回転およびカニューレの入口と出口との間のカニューレ内のポンプ流動の発生を生じさせてもよい。臨床医またはオペレータは、インペラを所望の速度で駆動させるように、療法システムパラメータを制御ユニットに入力してもよい。一般に、圧潰された展開用構成は、いくつかの解剖学的位置への迅速な挿入およびそこからの迅速な除去をもたらす一方、拡張された動作可能構成は、適切な療法をもたらし得る。
【0113】
図18に関して説明される特定の方法ステップに加え、付加的方法ステップが、本明細書に説明される他の機能のうちの1つ以上を行なうために含まれてもよい。特に、付加的方法ステップは、
図18の方法ステップのうちの1つ以上の有無にかかわらず、任意の順序または組み合わせにおいて、
図1−3、4A、4B、5A−5E、6、7A−7F、8A−8C、9A−9C、10A、10B、11A−11C、および12−15に示され、付随の文章に説明されるような種々の機能のうちの任意の1つ以上を行なうために含まれてもよい。
【0114】
本開示の種々の実施形態が、好ましい実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に変更が成され得ることを認識するであろう。特に、図の種々の要素は、一般性を失うことなく特徴の異なる群および配列を形成するように交換または組み合わせられてもよい。例えば、本明細書において種々の参照番号を使用して、異なる図に示され、説明されるようなカニューレ、インペラ、リブ、支持部材、カテーテル、ウェブ、ブレード、マスト、および他の特徴はそれぞれ、本発明の異なる実施形態に従って、交換または組み合わせられ、異なる用途、機能、および材料に適合されてもよい一方、以下の請求項によって包含される本発明の精神および範囲内にある。