特許第6526737号(P6526737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許65267377−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む肌の疾患および状態を治療するための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526737
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む肌の疾患および状態を治療するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4709 20060101AFI20190527BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20190527BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190527BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20190527BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20190527BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   A61K31/4709
   A61K8/49
   A61P17/00
   A61P9/14
   A61Q19/00
   A61K9/10
   A61K9/06
   A61K9/08
   A61K9/107
   A61K9/12
   A61K9/50
   A61K9/16
   A61K9/70
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-92572(P2017-92572)
(22)【出願日】2017年5月8日
(62)【分割の表示】特願2014-541225(P2014-541225)の分割
【原出願日】2012年11月8日
(65)【公開番号】特開2017-149767(P2017-149767A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2017年6月6日
(31)【優先権主張番号】61/558,104
(32)【優先日】2011年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018268
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】ディーバス モハメッド アイ
(72)【発明者】
【氏名】シア エドワード シー
(72)【発明者】
【氏名】ドネッロ ジョン イー
(72)【発明者】
【氏名】ギル ダニエル ダブリュ
【審査官】 伊藤 清子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07323477(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4709
A61K 8/49
A61K 9/06
A61K 9/08
A61K 9/10
A61K 9/107
A61K 9/12
A61K 9/16
A61K 9/50
A61K 9/70
A61P 9/14
A61P 17/00
A61Q 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌の状態を患う患者について肌の状態を治療する為の医薬組成物であって、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、もしくはその互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、
治療される状態は、閉経に関連した顔面潮紅、睾丸切除による顔面潮紅、光老化、血管拡張症、酒さ鼻(小胞膨張による鼻の異常肥大)、軽症型多形紅斑、重症型多形紅斑、および結節性紅斑から選択される、前記医薬組成物。
【請求項2】
局所皮膚投与に適した製剤中にある、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物は、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、ローション、軟膏、フォーム、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、マイクロカプセル、ベシクル、微小粒子、濡れた布、乾燥した布、顔面用の布、または直接注射剤から選択される形態として投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全ての開示内容が参照によって本願に組み込まれる、2011年11月10日に出願された米国特許仮出願番号第61/558,104号の利点を主張するものである。
【0002】
本発明は、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各光学異性体もしくはその各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む、肌の疾患または肌の状態を治療する必要がある患者について、肌の疾患または肌の状態を治療する方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
3α−1及び3α−2アドレナリン受容体は分子的及び薬学的方法によって特徴づけがなされている。これらのαアドレナリン受容体の活性化は治療に有効な生理的作用をもつ生理学的な反応を誘発させる。αアドレナリン作動薬は、抹消血管系に血管収縮を引き起こし、それにより紅斑または発赤を含む炎症性の肌の不調を改善する。αアドレナリン作動薬は、眼粘膜細胞において結膜発赤(充血)の治療、鼻粘膜においてアレルギー性鼻炎の治療のための鼻炎薬として、および痔の治療および治癒に適した直腸粘膜投与に有用である。
【0004】
H.E.Baldwinは、the Journal of Drugs in Dermatology 2012,Vol.11(6)ページ725−730において、酒さおよび関連する肌の疾患の診断および実際の治療について記載している。
【0005】
米国特許番号第6,680,062号は、肌の治療のための局所的な美容的および医薬的組成物を開示している。
【0006】
米国特許出願公開第2012/0035123号は、肌の治療のための組成物の組み合わせについて記載している。
【0007】
米国特許第7,812,049は、オキシメタゾリンを含む、酒さからもたらされる紅斑を治療する方法を開示している。オキシメタゾリンは、選択的α−1作動および部分的α−2作動局所充血除去薬である。
【0008】
化合物7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンは、強いα−1およびα−2アドレナリン受容体パン作動薬として知られている。米国特許第7,323,477B2号では、7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンのラセミ化合物の混合物および2つの光学異性体が開示されている。米国特許第7,943,641号は、緑内障または結膜発赤の治療のための、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む組成物を開示している。

【発明の概要】
【0009】
医薬組成物(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンが肌の疾患および肌の状態の治療に有用であることが発見されている。
【0010】
本発明は、肌の疾患および肌の状態の治療のための、活性成分として7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物に関連する。
【0011】
別の態様において、本発明は、肌の疾患および肌の状態の治療のための、活性成分として(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物に関連する。
【0012】
別の態様において、本発明は、肌の疾患および肌の状態の治療のための、活性成分として(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物に関連する。
【0013】
別の態様において、本発明は、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各光学異性体もしくはその各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む、肌の疾患を治療する必要がある患者について、肌の疾患を治療する方法に関連する。
【0014】
別の態様において、本発明は、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む肌の疾患を治療する必要がある患者について、肌の疾患を治療する方法に関連する。
【0015】
別の態様において、本発明は、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む、肌の疾患を治療する必要がある患者について、肌の疾患を治療する方法に関連する。
【0016】
別の態様において、本発明は、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む、肌の疾患を改善する必要のある患者について、肌の疾患を改善する方法に関連する。
【0017】
別の態様において、本発明は、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む、肌の疾患を改善する必要のある患者について、肌の疾患を改善する方法に関連する。
【0018】
別の態様において、本発明は、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはそれらの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む、肌の疾患を改善する必要のある患者について、肌の疾患を改善する方法に関連する。
【0019】
上記組成物は、効果的な投与量の局所皮膚外用、直接注射、または徐放性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、軟膏、フォーム、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、パッチ、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、マイクロカプセル、ベシクル、微小粒子、濡れた布、乾燥した布、顔面用の布などの長時間作用性をさらに強化する製剤、または当技術分野で周知の薬剤送達システムなどの持続的送達デバイス、を含むがこれらに限定されない様々な経路で投与されうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】1回投与後の治療後少なくとも4時間、及び1日4回投与後の治療後少なくとも6時間、局所的(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンが、37℃で誘発されたラットの足の皮膚血管の拡張を抑制することを示す。
図2】生体外ヒト胴体部皮膚用製品中の皮膚の下の受容体溶液中に見られる(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの変動としての経皮吸収率を示す。
図3】回復したまとまりとしての生体外ヒト胴体部皮膚への48時間の投与暴露後の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの質量分布を示す。
図4】(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンによる局所的治療の後、LL−37によって引き起こされるマウスの肌の炎症が抑制されたことを示す。
図5】(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンによる治療の後、少なくとも48時間、UVBによって引き起こされるマウスの肌の紅斑(発赤)が減少したことを示す。
図6】(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンによる治療の後、少なくとも48時間、UVBによって引き起こされたマウスの耳における皮膚血管拡張が減少したことを示す。
図7】(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンによる治療の4時間後の、UVBを照射されたマウスの肌における触覚過敏性が減少したことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一態様において、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各光学異性体もしくはその各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、本質的にからなる、またはからなる治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む、本質的にからなる、またはからなる、肌の疾患または肌の状態を治療する必要がある患者について、肌の疾患または肌の状態を治療する方法が提供される。
【0022】
本発明の別の態様において、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、本質的にからなる、またはからなる治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む、本質的にからなる、またはからなる、肌の疾患または肌の状態を治療する必要がある患者について、肌の疾患または肌の状態を治療する方法が提供される。
【0023】
本発明の別の態様において、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、本質的にからなる、またはからなる治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む、本質的にからなる、またはからなる、肌の疾患または肌の状態を治療する必要がある患者について、肌の疾患または肌の状態を治療する方法が提供される。
【0024】
「肌の疾患」とは上掲の疾患に関連したあらゆる状態、病状、苦痛のことと理解されよう。
【0025】
活性成分として7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその光学異性体のいずれか:(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたは(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物によって治療されうる肌の疾患および肌の状態は、限定されないが、酒さ、劇症酒さ、日焼け、乾癬、閉経に関連した顔面潮紅、顔面潮紅に関連した潮紅および発赤、顔面潮紅に関連した紅斑、睾丸切除よる顔面潮紅、アトピー性皮膚炎、虫刺されによる発赤およびかゆみの治療、光老化、脂漏性皮膚炎、ざ瘡、アレルギー性皮膚炎、顔面の毛細管拡張症(以前から存在していた毛細血管の膨張)、血管拡張症、酒さ鼻(小胞膨張による鼻の異常肥大)、ざ瘡状皮疹(にじみ出たり固くなったりする)、灼熱感や刺激感、肌の紅斑、皮膚血管の膨張を伴う皮下の機能昂進、ライエル症候群、スティーブン・ジョンソン症候群、痔に関連した局所的掻痒または不快感、痔、軽症型多形紅斑、重症型多形紅斑、結節性紅斑、目の周りのむくみ、じんましん、心因性掻痒症、紫斑病、静脈瘤、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、口囲皮膚炎、髭の偽性毛嚢炎、環状肉芽腫、光線角化症、基底細胞がん、扁平上皮細胞がん、湿疹を含む。
【0026】
酒さをもたらす肌の状態は、スパイスの効いた食べ物、アルコール、チョコレート、熱いもしくはアルコール飲料の摂取、温度変化、熱、紫外線もしくは赤外線への暴露、低相対湿度への暴露、強風もしくは空気の流れへの肌の暴露、界面活性剤、刺激物、皮膚刺激性局所薬および化粧品への肌の暴露または心理的ストレスによって引き起こされうる。
【0027】
任意の症例において実際に投与される量は、状態の深刻さ、患者の年齢および体重、患者の一般的な健康状態、原因および投与経路など関連状況を考慮して主治医によって決定される。
【0028】
本発明の別の態様において、治療上有効な量の4−ブロモ−N−(イミダゾリン−2−イリデン)−1H−ベンズイミダゾール−5−アミンを含む、本質的にからなる、またはからなる医薬組成物が懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、ローション、軟膏、フォーム、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、マイクロカプセル、ベシクル、微小粒子、濡れた布、乾燥した布、顔面用の布、徐放性ペレット、直接注射または当技術分野で周知の薬剤送達システムなどの持続的送達デバイスなどの長時間作用性をさらに強化する塗布および製剤を含む局所的な肌への投与から選択される、肌の疾患を治療する方法が提供される。本発明の医薬組成は、溶液、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、フォーム、ムース、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、パッチ、ミセル、リポソーム、マイクロカプセル、ベシクルおよびその微小粒子を含む局所投与に使用されうる。
【0029】
クリームおよびローションなどの乳濁液、および局所担体として使用されうるローション、およびそれらの調整は、本明細書に参照として組み込まれる、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 282−291(Alfonso R. Gennaro Ed.19th ed.1995)に開示される。
【0030】
本発明の使用に適したゲルは、本明細書に参照として組み込まれる、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 1517−1518(Alfonso R.Gennaro Ed.19th ed.1995)に開示される。ほかの本発明での使用に適したゲルは、米国特許第6,387,383号、米国特許第6,517,847号及び米国特許第6,468,989号に開示される。
【0031】
本発明の別の態様において、肌の疾患を改善する必要のある患者に、活性成分として7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物を投与することにより、肌の疾患(限定されないが、酒さ、劇症酒さ、日焼け、乾癬、閉経に関連した顔面潮紅、顔面潮紅に関連した潮紅および発赤、顔面潮紅に関連した紅斑、睾丸切除よる顔面潮紅、アトピー性皮膚炎、虫刺されによる発赤およびかゆみの治療、光老化、脂漏性皮膚炎、ざ瘡、アレルギー性皮膚炎、顔面の毛細管拡張症(以前から存在していた毛細血管の膨張)、血管拡張症、酒さ鼻(小胞膨張による鼻の異常肥大)、ざ瘡状皮疹(にじみ出たり固くなったりする)、灼熱感や刺激感、肌の紅斑、皮膚血管の膨張を伴う皮下の機能昂進、ライエル症候群、スティーブン・ジョンソン症候群、痔に関連した局所的掻痒または不快感、痔、軽症型多形紅斑、重症型多形紅斑、結節性紅斑、目の周りのむくみ、じんましん、心因性掻痒症、紫斑病、静脈瘤、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、口囲皮膚炎、髭の偽性毛嚢炎、環状肉芽腫、光線角化症、基底細胞がん、扁平上皮細胞がん、湿疹を含む)を改善する方法が提供される。
【0032】
本発明の別の態様において、肌の疾患を改善する必要のある患者に、活性成分として(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物を投与することにより、肌の疾患(限定されないが、酒さ、劇症酒さ、日焼け、乾癬、閉経に関連した顔面潮紅、顔面潮紅に関連した潮紅および発赤、顔面潮紅に関連した紅斑、睾丸切除よる顔面潮紅、アトピー性皮膚炎、虫刺されによる発赤およびかゆみの治療、光老化、脂漏性皮膚炎、ざ瘡、アレルギー性皮膚炎、顔面の毛細管拡張症(以前から存在していた毛細血管の膨張)、血管拡張症、酒さ鼻(小胞膨張による鼻の異常肥大)、ざ瘡状皮疹(にじみ出たり固くなったりする)、灼熱感や刺激感、肌の紅斑、皮膚血管の膨張を伴う皮下の機能昂進、ライエル症候群、スティーブン・ジョンソン症候群、痔に関連した局所的掻痒または不快感、痔、軽症型多形紅斑、重症型多形紅斑、結節性紅斑、目の周りのむくみ、じんましん、心因性掻痒症、紫斑病、静脈瘤、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、口囲皮膚炎、髭の偽性毛嚢炎、環状肉芽腫、光線角化症、基底細胞がん、扁平上皮細胞がん、湿疹を含む)を改善する方法が提供される。
【0033】
本発明の別の態様において、肌の疾患を改善する必要のある患者に、活性成分として(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物を投与することにより、肌の疾患(限定されないが、酒さ、劇症酒さ、日焼け、乾癬、閉経に関連した顔面潮紅、顔面潮紅に関連した潮紅および発赤、顔面潮紅に関連した紅斑、睾丸切除よる顔面潮紅、アトピー性皮膚炎、虫刺されによる発赤およびかゆみの治療、光老化、脂漏性皮膚炎、ざ瘡、アレルギー性皮膚炎、顔面の毛細管拡張症(以前から存在していた毛細血管の膨張)、血管拡張症、酒さ鼻(小胞膨張による鼻の異常肥大)、ざ瘡状皮疹(にじみ出たり固くなったりする)、灼熱感や刺激感、肌の紅斑、皮膚血管の膨張を伴う皮下の機能昂進、ライエル症候群、スティーブン・ジョンソン症候群、痔に関連した局所的掻痒または不快感、痔、軽症型多形紅斑、重症型多形紅斑、結節性紅斑、目の周りのむくみ、じんましん、心因性掻痒症、紫斑病、静脈瘤、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、口囲皮膚炎、髭の偽性毛嚢炎、環状肉芽腫、光線角化症、基底細胞がん、扁平上皮細胞がん、湿疹を含む)を改善する方法が提供される。
【0034】
本発明の別の態様において、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを局所的に用いる、酒さの治療計画に関連した肌の炎症を減少させる方法、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを用いた毛細管拡張症または血管拡張症の治療方法が提供され、したがって、酒さの発現に関連した発赤を減少させる方法も含まれる。
【0035】
本発明の別の態様において、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを局所的に用いる、酒さの治療計画に関連した肌の炎症を減少させる方法、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを用いた毛細管拡張症または血管拡張症の治療方法が提供され、したがって、酒さの発現に関連した発赤を減少させる方法も含まれる。
【0036】
本発明の別の態様において、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを局所的に用いる、酒さの治療計画に関連した肌の炎症を減少させる方法、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを用いた毛細管拡張症または血管拡張症の治療方法が提供され、したがって、酒さの発現に関連した発赤を減少させる方法も含まれる。
【0037】
本発明の別の態様において、限定されないがスパイスの効いた食べ物、チョコレート、アルコール、熱いもしくはアルコール飲料の摂取、温度変化、熱、紫外線もしくは赤外線への暴露、低相対湿度への暴露、強風もしくは空気の流れへの肌の暴露、界面活性剤、刺激物、皮膚刺激性局所薬および化粧品への肌の暴露または心理的ストレスによって引き起こされる酒さを含む、肌の疾患を治療する方法が提供される。
【0038】
(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンは、米国特許第7,491,383B2号に開示されるように、効能を高める要素と共に製剤化されうる。
【0039】
本発明の別の態様において、包装材と前記包装材内部に含まれる医薬品を含む製造品で、前記医薬品が皮膚疾患の治療にあたり治療上有効であり、前記包装材は前記医薬品が皮膚疾患を治療するために用いることができることを示すラベルを含み、前記医薬品は治療上有効量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその塩を含む、製造品が提供される。
【0040】
本発明の別の態様において、包装材と前記包装材内部に含まれる医薬品を含む製造品で、前記医薬品が皮膚疾患の治療にあたり治療上有効であり、前記包装材は前記医薬品が皮膚疾患を治療するために用いることができることを示すラベルを含み、前記医薬品は治療上有効量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその塩を含む、製造品が提供される。
【0041】
本発明の別の態様において、包装材と前記包装材内部に含まれる医薬品を含む製造品で、前記医薬品が皮膚疾患の治療にあたり治療上有効であり、前記包装材は前記医薬品が皮膚疾患を治療するために用いることができることを示すラベルを含み、前記医薬品は治療上有効量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその塩を含む、製造品が提供される。
【0042】
本発明の別の態様において、眼の疾患および状態を治療する必要のある患者について、眼の疾患および状態を治療する方法であって、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各光学異性体もしくはその各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、本質的にからなる、またはからなる、治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む、本質的にからなる、またはからなる方法、が提供される。
【0043】
本発明の別の態様において、眼の疾患および状態を治療する必要のある患者について、眼の疾患および状態を治療する方法であって、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各光学異性体もしくはその各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、本質的にからなる、またはからなる、治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む、本質的にからなる、またはからなる方法、が提供される。
【0044】
本発明の別の態様において、眼の疾患および状態を治療する必要のある患者について、眼の疾患および状態を治療する方法であって、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、その各光学異性体もしくはその各互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、本質的にからなる、またはからなる、治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む、本質的にからなる、またはからなる方法、が提供される。
【0045】
「眼の疾患」とは上掲の疾患に関連したあらゆる状態、病状、苦痛のことと理解されよう。
【0046】
活性成分として7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたはその光学異性体のいずれか:(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンまたは(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む医薬組成物によって治療されうる眼の疾患および状態は、限定されないが、眼酒さ、翼状片、発赤、充血、結膜充血、角膜血管新生、眼類瘢痕性天疱瘡およびスティーブン・ジョンソン症候群を含む。
【0047】
(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン化合物は、持続性作用、特に薬剤が連続して送達される場合(例えば皮膚パッチにより肌に)有益な生理化学および薬物動態特性を持つ。
【0048】
本明細書で使用される「医薬組成物」は、疾患の治療のためにヒトである患者に投与するのに適した組成物を意味している。一実施形態において、本発明の化合物は薬学的に許容される塩として製剤化され、皮膚病への使用に適した1つ以上の有機もしくは無機の担体または賦形剤をさらに含む。薬学的に許容される賦形剤は1つ以上の肌浸透性剤、保湿剤、保存料、ゲル化剤、保護剤、水中油型、油中水型、水中油中水型およびシリコン中水中油型乳濁液を含みうる。上記医薬組成物は賦形剤、結合剤、潤滑剤、溶剤、崩壊剤または皮膚への浸透のエンハンサーを含みえて、好ましくは局所的に投与される。上記活性成分は、化合物の総重量をベースに約0.01重量%から約20重量%、好ましくは約0.1重量%から10重量%の量で使用される。
【0049】
「薬学的に許容される塩」は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、またはたとえば酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸シュウ酸、タルタル酸、こはく酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、クエン酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ぎ酸、サリチル酸などの有機酸との反応によってその遊離塩基の生物学的効果および特性を保つような塩を指す(Handbook of Pharmaceutical Salts,P.Heinrich Stahal& Camille G.Wermuth (Eds),Verlag Helvetica Chemica Acta−Zurich,2002,329−345)。
【0050】
本発明の別の態様において、肌の疾患および肌の状態を治療する方法であって、治療上有効な量の7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む、本質的にからなる、またはからなる上記医薬組成物は、局所的な皮膚への使用、直接注射、徐放性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、軟膏、フォーム、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、マイクロカプセル、ベシクル、微小粒子、濡れた布、乾燥した布、顔面用の布などの長時間作用性をさらに強化する使用および製剤から選択される方法が提供される。
【0051】
本発明の別の態様において、肌の疾患および肌の状態を治療する方法であって、治療上有効な量の(R)−(−)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む、本質的にからなる、またはからなる上記医薬組成物は、局所的な皮膚への使用、直接注射、徐放性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、軟膏、フォーム、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、マイクロカプセル、ベシクル、微小粒子、濡れた布、乾燥した布、顔面用の布などの長時間作用性をさらに強化する使用および製剤から選択される方法が提供される。
【0052】
本発明の別の態様において、肌の疾患および肌の状態を治療する方法であって、治療上有効な量の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを含む、本質的にからなる、またはからなる上記医薬組成物は、局所的な皮膚への使用、直接注射、徐放性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、ローション、クリーム、軟膏、フォーム、乳濁液、ミクロ乳濁液、乳液、美容液、エアロゾル、スプレー、分散液、マイクロカプセル、ベシクル、微小粒子、濡れた布、石けん、清掃棒、乾燥した布、顔面用の布などの長時間作用性をさらに強化する使用および製剤から選択される方法が提供される。
【0053】
本発明は、アベルメクチン系大環状ラクトン、ミルベマイシンとして知られるマクロライド、その他α‐1またはα‐2受容体作動薬、レチノイド、フィトスフィンゴシン、緑茶抽出物、アゼライン酸などの局所的に塗布される剤による酒さの治療と併せて使用されうる。
【0054】
本発明はまた、例えば下記のその他の化合物の部類と併せて使用されてよい。
抗菌薬(抗寄生虫性、抗菌性の、抗真菌性、抗ウイルス性など);
メトロニダゾール、イベルメクチン、クリンダマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン;
ステロイド系および非ステロイド系抗炎症剤(コルチコステロイド、タクロリムス、ピメクロリムス、シクロスポリンAなど);
抗血管新生剤;
抗抗酸菌剤(ダプソンなど);
サンスクリーンまたはサンブロックまたはサンスクリーン/サンブロックのような機能を持つもの(二酸化チタン、酸化亜鉛、アヴォベンゾンなど);
酸化防止剤(ビタミンC、E、ケルセチン、レスベラトロルなど);
その他α‐作動薬(ブリモニジン、オキシメタゾリン、クロニジンなど);
βブロッカー(ナドロール、プロプラノロール、カルベジロールなど);
抗ヒスタミン薬;
レチノイド(トレチノイン、アダパレン、タゾロテン、イソトレチノイン、レチノアルデヒドなど);
過酸化ベンゾイル;
メントールおよびその他の「冷感」剤;
スルファセタミドナトリウム;
抗真菌薬(イミダゾール誘導体、ポリエン化合物、アリルアミン化合物など);
セリンプロテアーゼ(カリクレイン)阻害剤(アミノカプロン酸など)。
【0055】
本発明は、例示された実施形態によって範囲を制限されず、実施形態は本発明の具体的態様の説明としてのみ意図される。本明細書に開示されているものに加え、本発明の様々な変更は、当業者には明らかであろう。当初出願された、特許請求の範囲を含む本明細書を注意深く読むことにより、すべての変更は添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【実施例】
【0056】
実施例1
ラットの血流分析
背景
酒さは熱への暴露によって引き起こされる。生理的交感神経系を介した身体冷却への応答は、皮膚血管収縮であり、身体加温への応答は皮膚血管拡張である。交感神経系の流出に作用するα‐アドレナリン作動薬は、温度変化に応答して皮膚の血流を調節する。
【0057】
方法
後足の肉球の微小血管赤血球のかん流を観測するため、レーザードップラー微小血管かん流モニター(レーザードップラー流量測定技術:LDP)が用いられた。レーザードップラー流量計(LDP)は Oxford Optronix LTd.(英国)製のOxyFlo Microvascular Perfusion Monitorを用いた。
【0058】
簡潔に、15μLの試験品を、麻酔をかけた無毛CDラットの後足の肉球の一つに、局所的に1回または繰り返し(1日1回4日間連続して)塗布し、15μLのビヒクルを他方の足の肉球に塗布した。
【0059】
最後の試験品投与から8時間後までの様々な時点で、5段階の各温度間隔(22℃→37℃→4℃→37℃→22℃)で、動的血流変化を測定し、15分ごとに4分間記録した。ラットは体温を上げる37℃の熱パッド、体温を下げる4℃の冷パッドの上に置かれた。両前足の血流レベルを比較した。
【0060】
図1は局所的な(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンにより、0.1%の濃度での肌への単回局所的投与の後、37℃で誘発された血管拡張が最大4時間、顕著に抑制されることを示す。局所的投与(1日1回)の4日後、統計的に顕著な抑制の持続期間は少なくとも6時間まで増加した。血流抑制率は、薬剤で治療した前足とビヒクルで治療した前足との間のレーザードップラー記録のピーク1(加熱および冷却間隔の最初の8分間)の濃度曲線下面積の差(割合)として計算される。データは、グループあたり8〜10匹のラットでの抑制値の平均値(%)である。
【0061】
このデータにより、局所的(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンにより、ラットにおいて熱誘発された皮膚の血管拡張(または皮膚の全血流)が抑制されえて、1回の局所的使用(0.1%ゲルを15μl)の効果が少なくとも4時間持続することが実証される。4日反復投与の後、持続期間は少なくとも6時間に延長される。
【0062】
実施例2
体外でのヒトの皮膚に対する浸透性分析
ヒトの胴体の外部皮膚をわずか2cm2のフランツ分散セルにピッタリ入れるのに十分な大きさを有する複数の部分に切り分けた。真皮受け入れコンパートメントに0.1Xリン酸緩衝溶液で構成される受容体溶液を0.1%オレス(Oleth)−20と共にその容積一杯に満たして、表皮チェンバー(チムニー)を実験室内の空気に露出したままにしておく。それらのセルをそれらのセルを分散装置内に入れ、その装置内で、真皮の下側と接触している受容体溶液を約600rpmの回転速度で磁力によって撹拌し、その温度は皮膚の表面温度が32.0±1.0℃となるように維持された。
【0063】
各皮膚部分の一体性を確認するために、試験製品を適用する前に三重水素水の浸透性について判定した。32Oの吸収が1.56μL−equ/cm2未満である皮膚標本を受け入れ可能とみなした。
【0064】
(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンを、各ドナーに関して同じドナーの皮膚の3つの重複部分に対して個別に適用し、設定した用量の薬効持続に関して3名のドナーについての評価を行った。皮膚部分1cm2あたり製剤5mgの用量を均等に分散して、ガラスロッドを用いて皮膚表面内部に擦り込んだ。
【0065】
設定した時点と用量薬効持続調査の終了時に、受容体溶液を完全に取り出して、所定の体積画分をその後に行われる分析のために保存した。最後の受容体サンプルが回収された後、ドナー・コンパートメント(チムニー)を取り外して、皮膚の表面を2度洗い、すべての未吸収の製剤をその皮膚の表面から回収した。表面の洗浄に続いて、その皮膚の外皮をテープではがして、角質層を取り除いた。テープではがした外皮をアセトニトリルで一晩抽出して、関心対象の化合物の含量を分析した。その後、皮膚を分散用セルから取り出して、表皮部分と真皮部分に分け、表皮と真皮のそれぞれに関して、50%:50%(体積基準)のエタノール/水あるいは50%:50%(体積基準)のメタノール/水で各皮膚サンプルを一晩抽出処理にかけた。皮膚部分サンプルについては、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの含量に関する分析を行った。すべてのサンプルは分析中、約−20℃(±15℃)の温度で保存された。(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの量は、タンデム質量分析(PLC/MS)による液体クロマトグラフィによって分析された。
【0066】
ドナーの重複部分は平均化され、重要なパラメータに関して標準偏差が計算された。ドナー内で、それらの平均値が照合され、ドナー全体での母平均を標準誤差を考慮に入れつつ求めた。
【0067】
図2は、0.58%(重量基準)の用量で処理した後に皮膚の下側の受容体溶液内に現れる(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの変動として、経皮吸収の量を示す。
【0068】
図3は、回復したまとまりとしての生体外ヒトの胴体皮膚に対して、0.58%(重量基準)の用量で48時間用量に露出した後の、各皮膚層における(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの分散を示す。
【0069】
これらのデータは、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンが体外のフランツ分散セルを用いた場合に生体外ヒトの胴体皮膚を貫通することを示す。18および36時間の時点での変動率の増加(図2)および表皮での高濃度(図3)により、薬剤が肌内に貯蔵され、作用の長期持続性および反復投与後の持続時間の延長と一致することが示唆される。
【0070】
実施例3
LL−37に誘発された肌の炎症マウスモデル
背景
酒さ肌は、通常の肌と比較して、LL−37カテリシジンのレベルが高いことと関連している。マウスへのLL−37の皮内注射は、酒さ肌に見られるものに似た肌の炎症を引き起こす(Yamasaki 2007)。
【0071】
方法
(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンゲルまたはその対応するビヒクルが、BALB/cマウスの耳の後表面に塗布された。塗布の1時間後、左耳にはLL−37ペプチドを皮内注射し、右耳にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を注射した。耳の厚み測定が、デジタルキャリパー(Mitutoyo製)を用いてLL−37注射の8時間までの各時点でなされた。耳の腫れは炎症の指標である。
【0072】
図4は、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの局所的治療の6および9時間後、LL−37に誘発された肌の炎症が統計的に顕著に抑制されたことを示す。データは、1グルプあたり9〜10匹のマウスの平均値である。
【0073】
これらのデータは、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの局所的投与が、酒さの治療に関連のある抗炎症効果を持つことを示している。
【0074】
実施例4
紫外線Bに誘発されたマウスの日焼けモデル
背景
酒さは紫外(UV)光への暴露によって引き起こされうる。無毛マウスのUVB照射への暴露は、紅斑、皮膚血管拡張、触覚過敏および少なくとも48時間続く炎症に特徴づけられる、日焼けに似た応答をもたらす。
方法
【0075】
腹ばいになり左側を覆った状態のSKH1無毛マウスが、UVBに、120mJ/cm2の強度で91秒間暴露された。照射の約30分後、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンゲルまたはその対応するビヒクルが背中および耳の後表面に局所的に塗布された。UVB照射後48時間までの各時点で、次のアセスメントが行われた。
【0076】
1.照射されたおよび非照射の耳における血管系面積の、ImagePro Premier(Media Cybernetics製)ソフトウェアを用いたデジタル写真画像分析。画像はグレースケールに変換され、拡張され、それぞれの耳のベースラインピクセル値を基に閾値化が画像に適用される。閾値化は所望の「目的物」の特徴(つまり血管系ネットワーク)をバックグラウンド(つまり肌組織)から識別する。「目的物の」ピクセルは定量化され、血管系面積として報告される。
【0077】
2.比色計(Chromameter、Konica Minolta製)を用いた、照射されたおよび非照射の背中の紅斑。
【0078】
3.絵筆を用いた試験による触覚過敏アセスメント。小さな絵筆を用いて、5分ごと、35分以上マウスの脇腹を軽くなでることによって過敏性が評価される。挙動の反応を次のようにスコア化する。0:反応なし、1:筆から逃げるようと軽く鳴く、2:筆に喚起され激しく鳴き、筆に噛みつき、逃げようと努力する。8つの時点でのスコアを合計し、1マウスの最大の過敏性スコアを16とする。照射された(右)および非照射の(左)脇腹は独立にスコア化された。
【0079】
図5は、UVB照射30分後の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの背中への局所的投与は、紅斑がほぼベースラインまで、少なくとも48時間、統計的に顕著に減少すること(比色計で測定)を示す。データは1グループあたり6匹のマウスの値の平均である。
【0080】
図6は、UVB照射30分後の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの耳への局所的投与は、統計的に顕著な皮膚血管収縮を(皮膚の血管系面積の減少として測定される)がほぼベースラインまで、少なくとも48時間もたらすことを示す。データは1グループあたり6匹のマウスの値の平均である。
【0081】
図7は、UVB照射30分後の(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの背中への局所的投与は、UVB照射4時間後に評価された触覚過敏(絵筆でなでた時の応答でスコア化)で統計的に顕著な減少をもたらすことを示す。UV照射、コントロールの両方に過敏の減少がみられた。データは1グループあたり6匹のマウスの値の平均である。
【0082】
データは、(S)−(+)−7−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの局所的投与は、多くの皮膚の疾患および状態の兆候や症状である炎症、紅斑(発赤)および過敏症に対して長時間持続する有益な効果をもつことを示す。上記地検は特に日焼け、酒さおよび乾癬の治療に関連がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7