(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば文化財を展示する展示ケースにおいては、収容されている文化財へ悪影響を与えるおそれのある有害物質(アンモニア、酢酸、ホルムアルデヒド等)の濃度が規定値以下になるように、展示空間の環境を整える必要がある。
【0003】
展示ケース内の有害物質の濃度を既定値以下にするためには、一般に有害物質吸着部材が使用されることがある。吸着部材の有害物質吸着量には限界があり、限界を超える吸着は期待できないので、有害物質の吸着量が限界になった吸着部材は寿命に達したとして交換する必要がある。ところが吸着部材の寿命は現場で簡単に確認することができないため、吸着量に余裕があるのに吸着量とは関係無く設定された交換時期の到来によって交換されてしまったり、何らかの問題が生じるまで吸着性能が低下した吸着部材を使用し続けてしまうことが考えられる。前者の場合には吸着部材の性能を残した状態で廃棄することになるので無駄が出ることになり、後者の場合には文化財に悪影響が出てしまうおそれがある。
【0004】
そこで、吸着部材の吸着性能がどれだけ低下したかを把握することが考えられるが、吸着性能を把握しようとすると、使用されている現場の吸着部材を回収して分析装置が置いてある所まで持って行って分析しなければならないが、そのような方法はコスト面で現実的ではない。
【0005】
そこで、例えば特許文献1〜3に開示されているようなインジケータが考案されている。特許文献1のインジケータ付吸着シートは、酸素濃度が上昇すると変色する酸素検知剤と、酸素を吸収する脱酸素剤とを袋に封入することによって構成されており、袋の酸素透過率を調整することにより、酸素検知剤が変色する期間を、吸着シートが吸着力を発揮できる期間に合わせることで吸着シートの交換時期を知らせることができるようになっている。
【0006】
特許文献2は、シリカの活性白土を含有する粒状吸着剤に3価鉄及び硫酸塩を付着させることでアンモニアを吸着すると同時に鉄イオンを生成させ、これにより吸着剤が乳白色から濃い茶色に変色して交換時期を知らせることができるようになっている。
【0007】
特許文献3は、器具に形成された通気孔を通ったガスが除去材とスペーサを介して検知部材に吸着され、これにより検知部材が発色して検知した特定ガスの量を外部から確認することができるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1、2ではインジケータの色が変色することによって交換時期を知らせることができるものであるが、例えば特許文献1では酸素検知剤の全体の色が徐々に変化していくので、新品時の色が時間の経過と共に酸素検知剤から消えていき、その結果、新品時の色と現在の色とがどの程度異なっているのか分かり難い。特許文献2の場合も同様に吸着剤の全体が乳白色から濃い茶色に変色するので、新品時の色と現在の色とがどの程度異なっているのか分かり難い。特許文献3の場合もインジケータとして用いた場合には全体の色が一様に変化することになるので同様な問題が生じ得る。
【0010】
新品時の色と現在の色との差が分からないと、そもそも交換時期であるのか否かが分からず、また交換時期までに余裕があるのか、あるいは交換時期がさし迫った状況にあるのか直感的に把握しづらいので、交換用の吸着部材を計画的に準備することができない。このことは特に管理担当者が吸着部材の使用途中で交替した場合等には顕著な問題となり、展示ケース内の環境を適切に維持することが難しくなるおそれがある。
【0011】
また、特許文献1は、吸着部材の吸着量と酸素濃度の上昇とは直接関係がなく、有害物質の汚染度に対応した正しい交換時期を知らせることができるとは限らない。さらに、特許文献2は、吸着部材自体がインジケータ機能を持っており、例えば文化財を展示する展示ケース内の環境を良好に維持するために、吸着部材を大量に使用した場合、吸着部材自体が変色したときに展示の邪魔になり展示物と共に使用するのには適さない。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸着部材の交換時期を誰でも容易に、かつ、低コストで直感的に把握できるようにすることで、吸着部材を置いている空間の環境を良好に維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明では、吸着部材が吸着する物質との反応を利用したインジケータとし、インジケータの変色領域によって交換時期を知らせることができるようにした。
【0014】
第1の発明は、物質を吸着する吸着部材と、上記吸着部材の交換時期を示すインジケータとを備えたインジケータ付吸着部材において、上記インジケータは、上記物質と反応して変色する変色部材と、上記物質を透過させない非透過部材からなり、上記変色部材を外部から視認可能に収容する収容部材とを備え、上記収容部材は、上記変色部材の一部のみ外気に接触させて他の部分を覆っておくことが可能に構成され、
上記収容部材には、上記インジケータの使用開始時に該収容部材の一部を他の部分から切除して上記変色部材の一部のみ露出させるための切り取り線が設けられ、上記インジケータの使用開始時に上記収容部材の切除される部分には、上記吸着部材が吸着する物質名が表示される吸着物質表示部が設けられ、上記変色部材は、上記吸着部材による上記物質の吸着力を発揮することができる期間が短くなればなるほど、変色した領域が広くなるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、例えば展示ケースの内部にインジケータ付吸着部材を置いておくことで、有害物質が吸着部材に吸着される。また、インジケータの変色部材には、外気に接触する一部にのみ、有害物質が直接接触することになり、収容部材で覆われている部分には有害物質が直接接触しない。従って、変色部材における有害物質が接触した部分が早期に変色し、収容部材で覆われている部分は遅れて変色することになる。このように、時間の経過によって変色部材の一部から他の部分に徐々に有害物質が入り込んでいくことで、変色部材の変色した領域が広がっていく。
【0016】
よって、従来例のように検知剤の全体が一度に変色するのではなく、本発明では変色部材の一部が変色した後、その変色した領域が時間の経過とともに徐々に広がっていくことになるので、その領域の広さが狭ければ吸着部材の交換までに余裕があると分かり、その領域の広さが広くなっていれば吸着部材の交換がさし迫っていると分かる。
【0017】
また、収容部材の切り取り線に沿って該収容部材の一部を切り取ることで変色部材の一部のみを容易に露出させて外気に接触させることが可能になる。
【0018】
また、吸着する物質名をインジケータの使用前に把握することができるので、誤った物質の吸着に使用されてしまうのが防止される。そして、インジケータの使用を開始するときには物質名が表示されている部分が切除されるので、例えば展示ケース等に設置する際に邪魔になることはない。
【0019】
尚、上記インジケータ付吸着部材は、展示ケースの内部以外にも、各種書籍、書類、美術品、衣装、器具、楽器等が収容されているケースの内部に置いて使用することができる。
【0020】
第2の発明は、
物質を吸着する吸着部材と、上記吸着部材の交換時期を示すインジケータとを備えたインジケータ付吸着部材において、上記インジケータは、上記物質と反応して変色する変色部材と、上記物質を透過させない非透過部材からなり、上記変色部材を外部から視認可能に収容する収容部材とを備え、上記収容部材は、上記変色部材の一部のみ外気に接触させて他の部分を覆っておくことが可能に構成され、上記収容部材は、上記変色部材が配置される変色部材配置領域を備え、該変色部材配置領域は、上記吸着部材が吸着する物質毎に予め決められた色に着色された部分と、上記変色部材を外部から視認可能にする透光性を持った透光部とを有しており、上記変色部材は、上記吸着部材による上記物質の吸着力を発揮することができる期間が短くなればなるほど、変色した領域が広くなるように構成されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、
吸着する物質を色によって判別することか可能になるので、誤った物質の吸着に使用されてしまうのが防止される。
【0022】
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記収容部材には、使用者が記入可能な記入領域が設けられていることを特徴とする
。
【0023】
第
4の発明は、物質を吸着する吸着部材と共に使用されるインジケータにおいて、上記インジケータは、上記物質と反応して変色する変色部材と、上記物質を透過させない非透過部材からなり、上記変色部材を外部から視認可能に収容する収容部材とを備え、上記収容部材は、上記変色部材の一部のみ外気に接触させて他の部分を覆っておくことが可能に構成され、
上記収容部材には、上記インジケータの使用開始時に該収容部材の一部を他の部分から切除して上記変色部材の一部のみ露出させるための切り取り線が設けられ、上記インジケータの使用開始時に上記収容部材の切除される部分には、上記吸着部材が吸着する物質名が表示される吸着物質表示部が設けられ、上記変色部材は、上記吸着部材による上記物質の吸着力を発揮することができる期間が短くなればなるほど、変色した領域が広くなるように構成されていることを特徴とする。
【0024】
第5の発明は、物質を吸着する吸着部材と共に使用されるインジケータにおいて、上記インジケータは、上記物質と反応して変色する変色部材と、上記物質を透過させない非透過部材からなり、上記変色部材を外部から視認可能に収容する収容部材とを備え、上記収容部材は、上記変色部材の一部のみ外気に接触させて他の部分を覆っておくことが可能に構成され、上記収容部材は、上記変色部材が配置される変色部材配置領域を備え、該変色部材配置領域は、上記吸着部材が吸着する物質毎に予め決められた色に着色された部分と、上記変色部材を外部から視認可能にする透光性を持った透光部とを有しており、上記変色部材は、上記吸着部材による上記物質の吸着力を発揮することができる期間が短くなればなるほど、変色した領域が広くなるように構成されていることを特徴とする。
【0025】
第6の発明は、第4または5の発明において、上記収容部材には、使用者が記入可能な記入領域が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
第1の発明によれば、吸着部材によって吸着される物質と反応して変色する変色部材と、上記物質を透過させない非透過部材からなる収容部材とを備えており、変色部材の一部のみ外気に接触させることができるので、変色部材は吸着部材による物質の吸着力を発揮することができる期間が短くなればなるほど、変色した領域が広くなり、吸着部材の交換時期を誰でも容易に、かつ、低コストで直感的に把握できるので、吸着部材を置いている空間の環境を良好に維持することができる。
【0027】
また、収容部材の一部を容易に露出させることができる。
【0028】
また、使用前に吸着する物質名を把握することで誤った物質の吸着に使用されないようにすることができ、また、使用を開始するときには物質名が表示されている部分を切除するので邪魔になることはない。
【0029】
また、吸着部材が吸着する物質毎に予め決められた色に着色することで、誤った物質の吸着に使用されないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係るインジケータ付吸着部材Aの使用状態を示す図である。この
図1では、インジケータ付吸着部材Aが展示ケース100の内部に置かれた状態で使用される場合について示している。展示ケース100は、従来から周知のものであり、文化財、書籍、書類、美術品、衣装、器具、楽器等を収容することができるケースである。尚、本発明は、展示ケース100の内部で使用されるのに限られるものではなく、図示しないが、例えば、収容ケース、保管ケース等の密閉又は一部が少しだけ開放されたケースの内部で使用することもできる。
【0033】
インジケータ付吸着部材Aは、物質を吸着する吸着部材200と、吸着部材200の交換時期を示すインジケータ1とを備えている。尚、
図1では、吸着部材200及びインジケータ1が見えやすいところに置いてある場合を示しているが、これに限らず、吸着部材200及びインジケータ1を展示ケース100の内部における見えにくい所に置くこともできる。
【0034】
インジケータ付吸着部材Aの使用例は上述した例に限られるものではなく、色々な使用形態がある。例えば、展示ケース100の底面に吸着部材200を配置し、その上にインジケータ1を配置するなど、吸着部材200とインジケータ1が別々となっていてもよい。また、展示ケース100の底面側に有害物質の発生源がある場合のように、展示ケース100の底面全体に吸着部材200を配置した場合には、インジケータ1が展示ケース100の底面にも接するように、吸着部材200の一部を切り欠いたり、切れ目を入れたり、または折ったりしてインジケータ1を配置することもできる。
【0035】
また、
図12、
図14に示すようにインジケータ1の樹脂製シート4、5にクリップ形状の切れ目Cを設け、
図13、
図15に示すように、この切れ目Cに吸着部材200の一部を差し込むことにより、インジケータ1を吸着部材200に取り付けることもできる。このとき、樹脂製シート4、5における切れ目Cで囲まれた部分と、切れ目Cよりも上側部分及び下側部分とによって、吸着部材200を厚み方向に挟持することができ、この挟持力は樹脂製シート4、5が持っている弾性によって得ることができる。これにより、インジケータ1の脱落を抑制できる。
【0036】
また、壁面展示ケースなどの場合には、吸着部材200を吊り下げておき、クリップ形状の切れ目Cを入れたインジケータ1を当該吸着部材200に取り付けることもできる。
【0037】
また、吸着部材200に両面テープや接着剤を使用してインジゲータ1を貼り付けることもできるが、この場合、両面テープや接着剤とインジケータ1とが近接しているため、インジケータ1が両面テープや接着剤から放出された有害物質と反応して、インジケータ1の変色部材2の変色した領域の広さが、吸着部材200の吸着力を発揮することができる期間とずれて、適切な交換時期を示さない可能性があり、吸着部材200にインジケータ1を取付ける場合には、上述したようなクリップ形状の切れ目Cを設けたインジケータ1を使用することが望ましい。なお、インジケータ1に切れ目Cを設けて吸着部材200に取り付ける場合は、
図13に示すように、変色部材2における第1目印部44及び第2目印部46近傍だけを吸着部材200の表側に配置して容易に見えるようにしておき、変色部材2における外部への露出部分を吸着部材200の裏側に隠すように配置することもできる。切れ目Cはスリット形状であってもよく、樹脂製シート4、5の一部を切り起こす形状であってもよい。
【0038】
(吸着部材200の構成)
吸着部材200は、空気中の有害物質を吸着することができるものであればよく、材料は特に限定されるものではない。吸着部材200は、シート状、フィルム状、フィルタ状であってもよいし、例えば、粒状、粉状、ゲル状等であってもよい。また、吸着部材200は、図示しないが、通気性を有する容器に収容されていてもよい。吸着部材200が吸着する有害物質は、例えば、アンモニア、酢酸、ホルムアルデヒド等である。これら有害物質は、例えば展示ケース100に収容されている文化財等に悪影響を与えるおそれのある物質であり、このような有害物質を吸着部材200が吸着することで、展示ケース100に収容されている文化財等を良好な状態で長期間に亘って保存することが可能になる。
【0039】
吸着部材200を構成する物質(吸着剤)の例を挙げると、例えば、活性炭、添着活性炭、天然ゼオライト、合成ゼオライト、ゼオライト類似体、セピオライト、セピオライト類似体、シリカゲル、珪藻土、粘土、多孔質セラミック、銀、銅、鉄、チタン、カリウム、アルミニウム、亜鉛などの金属、これら金属化合物ならびに金属錯体等があり、これら吸着剤のうち、任意の1種の吸着剤または複数種の吸着剤を組み合わせて使用することができる。また、吸着剤の吸着官能基としては、例えばスルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基等を挙げることができる。また、吸着部材200を構成する吸着剤に吸着官能基を持たせた、いわゆるハイブリッドタイプの吸着部材であってもよい。
【0040】
吸着部材200は、不織布や布などの基材に、バインダーを用いて上記吸着剤を添着させた吸着シート、フィルム、又はフィルタ等であってもよい。また、表面改質により吸着官能基を基材に持たせてもよい。上記吸着シート、フィルム、又はフィルタを複数枚重ねて用いることや、蛇腹状に加工して用いることもできる。
【0041】
また、吸着部材200は、不織布や布などからなる2枚の基材の間に上記吸着剤を配置したパック状に構成されていてもよい。また、吸着部材200は、ハニカム構造体に上記吸着剤を添着させた吸着フィルタ、または表面改質により吸着官能基をハニカム構造体に持たせてもよい。また、吸着部材200は、上記吸着剤を添着させた糸、または表面改質により吸着官能基を持つ糸を使用した織物シートであってもよい。さらに、吸着部材200は、上記吸着剤を練り込んだフィルム、または表面改質により吸着官能基を持たせたフィルムであってもよい。
【0042】
(インジケータ1の構成)
インジケータ1は、吸着部材200と一体化されていてもよいし、別体とされていて互いに離して配置することができるように構成されていてもよい。また、インジケータ1と吸着部材200とは別々に調達して、インジケータ1を吸着部材200と共に使用することもできる。
【0043】
図2に示すように、インジケータ1は、上記有害物質と反応して変色する変色部材2と、有害物質を透過させない非透過部材からなり、変色部材2を外部から視認可能に収容する収容部材3とを備えている。
【0044】
(変色部材2の構成)
まず、変色部材2について説明する。変色部材2は、所定方向に長い形状、例えば長方形のシート状に形成されており、通気性を持った部材からなる基材を備えている。変色部材2の基材を構成する部材としては、例えばろ紙、不織布、布等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。変色部材2の基材の形状は、長方形以外にも、例えば、
図6に示す三角形、図示しない長円形等であってもよいが、短径と長径、または短辺と長辺を有するような形状が好ましい。
【0045】
変色部材2の変色進行の速さについては、例えば
図11のグラフ等に示すように、有害物質の濃度時間積分値が大きい方が、有害物質の濃度時間積分値が小さい方に比べて時間が経過するほど変色部材2の変色の長さの変化が小さくなるため、変色部材2の露出部分から遠い方を三角形の頂点とし、変色部材2の露出部分を広くすることで、変色部材2の有害物質との反応感度を向上させることも可能である。
【0046】
変色部材2の変色原理は次のとおりである。まず、有害物質としての酢酸を吸着する吸着部材200と共に使用されるインジケータ1の変色部材2の場合は、酸と塩基による中和反応を利用しており、従って、変色部材2の基材には、塩基試薬(アルカリ試薬)と、pH指示薬とが予め含浸されている。塩基試薬としては、例えば水酸化ナトリウムやメタ珪酸ナトリウム等を挙げることができる。この実施形態では、メタ珪酸ナトリウムを使用している。pH指示薬は、変色部材2のpHの変化を呈色反応で視覚的に示すために使用している。pH指示薬を含浸させていることで、変色部材2の初期の色は桃色であり、その桃色が中和反応によって黄色に変化する。
【0047】
また、有害物質としてのアンモニアを吸着する吸着部材200と共に使用されるインジケータ1の変色部材2の場合は、酢酸を吸着する場合と同様に中和反応を利用しており、従って、変色部材2の基材には、酸性試薬と、pH指示薬とが予め含浸されている。酸性試薬としては、例えば硫酸やリン酸等を挙げることができる。この実施形態では、リン酸を使用している。pH指示薬は、変色部材2のpHの変化を呈色反応で視覚的に示すために使用している。pH指示薬を含浸させていることで、変色部材2の初期の色は淡桃色であり、その淡桃色が中和反応によって淡黄色に変化する。
【0048】
また、有害物質としてのホルムアルデヒドを吸着する吸着部材200と共に使用されるインジケータ1の変色部材2の場合は、反応試薬としてリン酸ヒドロキシルアミン等を使用することができる。このリン酸ヒドロキシルアミンとpH指示薬とを変色部材2の基材に予め含浸させておけばよい。
【0049】
次に、変色部材2の基材について具体的に説明する。変色部材2の基材は、セルロースろ紙で構成することができる。変色部材2の基材の厚さは0.22mmとされている。変色部材2の基材の幅は7mm、長さは20mmとされている。これが寸法は一例であり、本発明を限定するものではない。
【0050】
後述するが、変色部材2は一部が切り取られてから使用される。このとき切り取られる変色部材2の基材は、5mm程度に設定することができる。また、変色部材2の基材を構成するろ紙の種類、厚さを変更することで、後述する変色の速さを変えることができる。
【0051】
(収容部材3の構成)
次に、収容部材3の構成について説明する。
図3にも示すように、収容部材3は、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5とで構成されている。表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の材料は同じものであり、例えば無色透明なポリエステルフィルム等を用いることができるが、これに限られるものではなく、各種樹脂製シートを用いることができる。表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の色は、変色部材2の呈色反応、即ち、色の変化をはっきりと見るためには無色透明が好ましいが、これに限られるものではなく、変色部材2の色の変化を見ることが可能な程度に着色されていてもよい。また、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の厚さは、変色部材2の厚さより薄くてもよい。
【0052】
表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の大きさは同じであり、共に変色部材2の大きさよりも大きく設定されている。具体的には、
図2に示すように、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5は長方形であり、その長辺方向の寸法は、変色部材2の長辺方向の寸法よりも長く設定されている。
【0053】
また、
図3に示すように、変色部材2は、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の間に挟まれた状態で保持されている。変色部材2は、いわゆるラミネートシートで覆われた状態になっている。すなわち、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の間に変色部材2を配置した後、外部から熱を加えて圧着することで表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5を溶着し、これにより、変色部材2が所定位置から動かないように、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5と一体化される。この状態では、変色部材2の全体が表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5により覆われるので、有害物質が変色部材2に接触することはない。また、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5は、変色部材2の表面及び裏面にそれぞれ密着していて、表側樹脂製シート4と変色部材2の表面との間、及び、裏側樹脂製シート5と変色部材2の裏面との間には空気が殆ど入らないようになっている。
【0054】
この実施形態の説明では、
図2及び
図3に示すようにインジケータ1の上下方向及び左右方向を定義するが、これは説明の便宜を図るために定義するのであり、本発明及び実施形態のインジケータ1の使用方向を限定するものではない。例えば、
図2及び
図3に示す上下が逆になるようにしてインジケータ1を使用することもできるし、
図2及び
図3に示す左右が逆になるようにしてインジケータ1を使用することもできる。
【0055】
図2及び
図3の定義に従うと、変色部材2の長辺方向(長手方向)はインジケータ1の上下方向となり、変色部材2の短辺方向はインジケータ1の左右方向となる。また、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の長辺方向(長手方向)はインジケータ1の左右方向となり、表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の短辺方向はインジケータ1の上下方向となる。
【0056】
表側樹脂製シート4には、左右方向中央部よりも左側寄りに上下方向に延びる第1境界線4aがあると想定する。第1境界線4aは仮想的なものである。そして、表側樹脂製シート4における第1境界線4aよりも左側の領域は、変色部材2が配置される変色部材配置領域40とされている。変色部材2は、変色部材配置領域40の略中央部に配置されている。
【0057】
変色部材配置領域40には、変色部材2の右辺に隣接して右側透光部47が設けられるとともに、変色部材2の左辺に隣接して左側透光部48が設けられている。右側透光部47及び左側透光部48は無色透明であり、それぞれ、変色部材2の右辺及び左辺に沿って上下方向に延びる矩形状をなしている。右側透光部47及び左側透光部48の上下方向の寸法は、変色部材2の上下方向の寸法よりも短くなっており、右側透光部47及び左側透光部48は変色部材2の上下方向の中間部に対応する部分にのみ設けられている。
【0058】
変色部材配置領域40は、本発明の着色部であり、吸着部材200が吸着する物質毎に予め決められた色に着色されている。ただし、変色部材配置領域40の全体が着色されているのではなく、変色部材配置領域40内における右側透光部47、左側透光部48及び変色部材2が配置されている部分は着色されていない。よって、変色部材2が配置されている部分は無色透明であり、外部から容易に視認することが可能になる。
【0059】
変色部材配置領域40の色としては、例えば吸着部材200が吸着する有害物質が酸であれば「赤」にし、アンモニアであれば「青」にすることができる。有害物質と色との関係は一例であり、これに限定されるものではないが、吸着部材200が吸着する有害物質毎に予め定められた色にしておくことで、使用者が使用開始時や使用中に迷いにくくなる。
【0060】
表側樹脂製シート4には、切り取り線42が設けられている。切り取り線42は、収容部材3の一部を他の部分から切除して変色部材2の一部のみ露出させて外気に接触させるためのものであり、詳細は後述するが、収容部材3における切り取り線42よりも下側の部分が、切除される部分となっている。切除する際には、表側樹脂製シート4の一部だけではなく、裏側樹脂製シート5の一部も切除されることになる。
【0061】
切り取り線42は、左右方向に延びており、切り取り線42の右端部は表側樹脂製シート4の右端部に達し、切り取り線42の左端部は表側樹脂製シート4の左端部に達している。切り取り線42は、変色部材2の下端部から5mm程度上に離れた所にあるので、変色部材2の下部も表側樹脂製シート4と一緒に切除されることになる。切り取り線42の色は、変色部材配置領域40の色と同じすることができるが、変色部材配置領域40においても切り取り線42を視認することができるように、変色部材配置領域40においては変色部材配置領域40の色とは異なる色とされている。
【0062】
表側樹脂製シート4には、収容部材3の切除される部分に、吸着部材200が吸着する物質名が表示される吸着物質表示部45が設けられている。
図2では、吸着部材200が酢酸を吸着する場合を示しており、吸着物質表示部45には「酢酸」と表示されている。
図7では、吸着部材200がアンモニアをする場合を示しており、吸着物質表示部45には「アンモニア」と表示されている。吸着物質表示部45に記載される文字の色は、変色部材配置領域40の色と同じにすることができる。また、この
図7に示すように吸着物質がアンモニアの場合には、変色部材配置領域40の色が
図2に示す酢酸の場合とは異なる色とされている。吸着物質がアンモニアの場合と酢酸の場合とで変色部材配置領域40の色を同じにしてもよい。
【0063】
吸着物質表示部45を切り取り線42よりも下側に設けているので、切り取り線42に沿って収容部材3の下側を切除すると、吸着物質表示部45も切除されることになる。よって、使用中において吸着物質表示部45が邪魔になることはない。
【0064】
表側樹脂製シート4には、切り取り線42よりも上でかつ第1境界線4aよりも右側の領域に、使用者が例えば文字やマーク等を記入することが可能な記入領域41が設けられている。記入領域41は無色透明とされているが、白色等に着色されていてもよい。記入領域41には、例えばインジケータ1の使用開始年月日等を記入することができる。
【0065】
表側樹脂製シート4には、変色部材2の変色した領域の広さが吸着部材200の交換時期に対応する広さとなったことを示す第1目印部44及び第2目印部46が設けられている。第1目印部44は、例えば三角形等の形状にすることができる。第2目印部46は、第1目印部44とは異なる形状、例えば直線等の形状にすることができる。第2目印部46は、表側樹脂製シート4における変色部材2の上端部から5mm程度下に離れた所にあり、左右方向に延びている。第1目印部44は、変色部材2から離れた所、即ち、記入領域41に設けられており、その頂部が、第2目印部46の端に向くように配置されている。
【0066】
(変色部材2の色の変化)
次に、変色部材2の色の変化について詳しく説明する。インジケータ1の使用を開始する際には、収容部材3の切り取り線42に沿って当該収容部材3の切り取り線42よりも下側の部分を切除する。すると、切り取り線42が変色部材2の下端部から上に離れているので、変色部材2の下側(長手方向一側)のみが切断面から収容部材3の外部に露出する。これにより、変色部材2の一部のみ収容部材3から露出させて他の部分を収容部材3で覆っておくことが可能になる。
【0067】
インジケータ1を空気中に置いておくと、変色部材2の下側のみが露出しているので、空気が変色部材2の下側のみに接触することになる。空気中に酢酸が含まれている場合には、酢酸が変色部材2の塩基試薬と中和反応する。使用開始後、間もない頃は、変色部材2の下側に含浸されている塩基試薬と中和反応するだけであり、それよりも上に達する酢酸は殆ど無いので変色部材2の下側の試薬のみが中和し、これによりpH指示薬の色が変化する。このpH指示薬の色の変化は外部から視認可能であるため、
図8に示すように、変色部材2の下側のみ変色したことを見ることができる。
【0068】
変色部材2が通気性を持っているので空気が変色部材2の上側に向けて流れていく。使用開始後、時間が経過すると、変色部材2の下側の試薬の中和が進み、空気中に含まれる酢酸が変色部材2の中間部に達して変色部材2の中間部に含浸している試薬と中和反応し、変色部材2の中間部が変色する。このようにして、変色部材2が下側から中間部、上側に向けて色が変化していくので、変色した領域が時間の経過と共に次第に広がることになる。
【0069】
ここで、変色部材2の変色の進行度は、有害物質の濃度と、有害物質にばく露されている時間(ばく露時間)の積に比例する。変色部材2の変色の進行の速さは、変色部材2の基材の種類(通気性)や、試薬の基材への含浸量等により調整することができる。試薬を減らせば変色部材2の変色の進行の速さは速くなり、一方、試薬を増やせば変色部材2の変色の進行の速さを遅くすることができる。また、変色部材2の基材の通気性が高くなれば、変色部材2の変色の進行の速さは速くなり、一方、変色部材2の基材の通気性が低くなれば、変色部材2の変色の進行の速さを遅くすることができる。
【0070】
この実施形態では、吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮することができる期間を予め調べておき、この吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮することができる期間と、変色部材2の変色した領域の広さとが対応するように、変色部材2の変色の進行の速さを設定している。
【0071】
すなわち、例えば吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮することができる期間の半分が経過したときには、変色部材2の変色した領域が、切除後の変色部材2の全領域の半分となるように、変色部材2の変色の進行の速さを設定することができる。変色部材2の変色した領域は、変色部材2の変色した領域の上下方向の寸法としてもよい。
【0072】
吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮することができる期間については、次のようにして調べることができる。例えば、密閉されたバッグ内に所定濃度の有害物質を充填するとともに、吸着部材200とインジケータ1を収容しておき、バッグ内の有害物質の濃度変化を経時的に検出する。有害物質の濃度変化の検出を開始してから濃度変化が殆ど無くなるまでの時間が、吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮することができる期間になる。この期間と、変色部材2の色が下側から第1目印部44及び第2目印部46まで変化する期間とが同じになるように、変色部材2の変色の進行の速さを設定すればよい。
【0073】
または、有害物質の濃度変化の検出を開始してから濃度変化が殆ど無くなるまでの時間が、吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮することができる期間になる。この期間と、変色部材2の色が下側から上端まで変化するのに要する期間とが同じになるように、変色部材2の変色の進行の速さを設定してもよい。そして、変色部材2の色が下側から第1目印部44及び第2目印部46まで変化する期間と、吸着部材200による有害物質の吸着容量の70%〜80%に達した期間とが同じなるように、変色部材2の変色の進行の速さを設定してもよい。その場合に、第1目印部44及び第2目印部46とは別に、吸着部材200による有害物質の吸着力を発揮できなくなる期間、すなわち吸着部材200が吸着力を失い、吸着部材200の使用限界を警告する目印を設けてもよい。
【0074】
変色部材2の変色の進行の速さを速くする手段としては、
図9及び
図10に示すように、収容部材3に、通気性を持った通気部材7を変色部材2と重ねた状態で収容する方法がある。通気部材7は、変色部材2の基材と同様な部材で構成することができる。通気部材7も変色部材2と同様に下側のみ収容部材3の外部に露出している。通気部材7が変色部材2と重なっていることで、空気が変色部材2の上側に流れ易くなる。これにより、変色部材2の上側に向かう有害物質の量が多くなるので、変色部材2の変色の進行の速さが速くなる。
【0075】
変色部材2の変色の進行の速さについて
図11に示すグラフに基づいて説明する。
図11に示すグラフの横軸は、有害物質の濃度の時間積分値(ppm・hr)であり、右側へ行くほど大きくなる。縦軸は、変色部材2の変色した部分の長さ(mm)であり、上側へ行くほど長くなる。変色部材2の変色した部分が長くなることは、変色部材2の変色の変色した領域が広くなることと同義である。
【0076】
グラフ中、「試薬基準量」とは変色部材2の基材に含浸させた試薬が所定量である場合を示す。この所定量とは任意の量に設定することができる。「試薬 −40%量」とは、「試薬基準量」における試薬のマイナス40%(4割減)の量の試薬を変色部材2の基材に含浸させた場合である。「試薬基準量(通気部材有り)」とは、「試薬基準量」と同じ量の試薬を変色部材2の基材に含浸させ、かつ、
図10に示すように通気部材7を設けた場合である。
【0077】
濃度の時間積分値を同じにして見たとき、「試薬基準量」の変色長さに対し、「試薬 −40%量」の変色長さは長くなっている。また、「試薬基準量(通気部材有り)」では、他の場合に比べて変色長さが顕著に長くなっている。これは反応感度が大幅に向上したということである。このように、通気部材7があることによる効果は試薬の量を調整するのに比べて顕著に現れる。
【0078】
(インジケータ1の製造方法)
次に、インジケータ1の製造方法について説明する。まず、変色部材2の基材となるろ紙を用意する。このろ紙は、基材を複数枚取ることができる大きなものであり、例えば12cm四方の大きさとすることができる。また、含浸させる薬液を調製する。酢酸用の場合、0.5%メタ珪酸ナトリウム水溶液26mlと、0.1%pH指示薬溶液108mlとの混合液を用意する。アンモニア用の場合、0.2%リン酸水溶液36.6mlと、0.04%pH指示薬溶液100mlとの混合液を用意する。
【0079】
上記ろ紙に上記薬液を含浸させ、未使用のろ紙を用いて余剰液を拭き取る。その後、デシケータ−にろ紙を入れて減圧乾燥し、乾燥後のろ紙をデシケータ−から取り出し、所望の大きさにカットして変色部材2の基材を得る。通気部材7を設ける場合には、上記薬液を含浸させていないろ紙を用意し、この薬液を含浸させていないろ紙と、上記薬液を含浸させたろ紙とをペーパークリンチを用いて綴じる。
【0080】
次いで、変色部材2を表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5の間に配置して加熱することで表側樹脂製シート4及び裏側樹脂製シート5を貼り合わせるとともに、変色部材2を所定位置で保持する。
【0081】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係るインジケータ1を使用する場合には、切り取り線42に沿って収容部材3の下側の一部を切除することで、収容部材3を開口させることができ、その開口から変色部材2の下側のみを露出させることができる。そして、例えば展示ケース100の内部にインジケータ付吸着部材200を置いておくことで、有害物質が吸着部材200に吸着されていく。また、インジケータ1の変色部材2には、収容部材3から露出した一部にのみ、有害物質が直接接触することになり、収容部材3で覆われている部分には有害物質が直接接触しない。従って、変色部材2における有害物質が接触した部分が早期に変色し、収容部材3で覆われている部分は遅れて変色する。時間の経過により、有害物質が、変色部材2における収容部材3から露出した部分から他の部分に徐々に入り込んでいくことで、変色部材2の変色した領域が広がっていく。
【0082】
よって、従来例のように検知剤の全体が一度に変色するのではなく、変色部材2の一部が変色した後、その変色した領域が時間の経過とともに徐々に広がっていくことになるので、その領域の広さが狭ければ吸着部材100の交換までに余裕があると分かり、その領域の広さが広くなっていれば吸着部材100の交換がさし迫っていると分かる。従って、吸着部材200の吸着力を発揮可能な期間を、変色部材2の変色領域の広さによって直感的に把握することができる。
【0083】
また、収容部材3に第1目印部44及び第2目印部46を設けているので、変色部材2の変色した領域が第1目印部44及び第2目印部46まで達した場合には、吸着部材200が寿命であり、交換時期にあることが容易に分かる。従って、吸着部材200の交換時期を誰でも容易に、かつ、低コストで直感的に把握できるので、吸着部材200を置いている空間の環境を良好に維持することができる。
【0084】
または、変色部材2の変色した領域が第1目印部44及び第2目印部46まで達した場合に、吸着部材200による有害物質の吸着容量の70%〜80%に達した期間になるように、変色部材2の変色の進行の速さを設定してもよい。こうすることで、吸着性能が低下し、環境に悪影響が出てしまう前に、適切に吸着剤200を交換することができる。
【0085】
(その他の実施形態)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0086】
上記実施形態では、収容部材3の一部を切り取ることによって変色部材2の一部を露出させるようにしたが、これに限らず、収容部材3に孔や切欠部を形成して変色部材2の一部を露出させるようにしてもよい。また、収容部材3の一部を有害物質透過性フィルムで構成しておき、使用前には有害物質透過性フィルムを、有害物質非透過性フィルムで覆っておき、使用開始時に有害物質非透過性フィルムを剥離するようにしてもよい。この場合も、変色部材2の一部のみ外気に接触させて他の部分を覆っておくことが可能になる。