特許第6526770号(P6526770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526770
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】パイプ要素を継合するための継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 43/00 20060101AFI20190527BHJP
   F16L 21/06 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   F16L43/00
   F16L21/06
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-223590(P2017-223590)
(22)【出願日】2017年11月21日
(62)【分割の表示】特願2016-196954(P2016-196954)の分割
【原出願日】2013年1月14日
(65)【公開番号】特開2018-28390(P2018-28390A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2017年11月21日
(31)【優先権主張番号】13/364,412
(32)【優先日】2012年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ギブ
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス アール. ドール
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−304468(JP,A)
【文献】 米国特許第04461498(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 43/00−43/02
F16L 41/12
F16L 17/00−17/10
F16L 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのパイプ要素をともに接続するための継手であって、前記継手は、
相互に取り付けられ、少なくとも第1の受口および第2の受口を規定する第1の筐体部分および第2の筐体部分であって、前記第1の受口は、前記第2の受口と同軸に整合されず、前記第1の受口は、前記少なくとも2つのパイプ要素を受け取るための第1の開口部を規定し、前記第2の受口は、前記少なくとも2つのパイプ要素を受け取るための第2の開口部を規定し、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1の受口と前記第2の受口との間に延在する流体路をさらに規定する、第1の筐体部分および第2の筐体部分と、
前記第1の受口内に配置され、前記第1の開口部を囲む第1のシールと、
前記第2の受口内に配置され、前記第2の開口部を囲む第2のシールと、
前記第1のシールと前記第2のシールとの間で前記継手内に延在する管と、
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に取り付ける複数の調節可能ファスナーであって、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分が相互に取り付けられている間、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1のシールおよび前記第2のシールとの接触によって、前記少なくとも2つのパイプ要素が前記第1の受口および前記第2の受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持され、前記複数の調節可能ファスナーは、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に向かって引き寄せ、前記第1の受口および前記第2の受口を前記少なくとも2つのパイプ要素と係合させ、それによって、前記少なくとも2つのパイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である、複数の調節可能ファスナーと
を備え、
前記第1のシールおよび前記第2のシールは、前記少なくとも2つのパイプ要素が前記第1の受口および前記第2の受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、継手。
【請求項2】
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して角度を付けて配向されている、請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して配向角度90°〜174°を有する、請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、第3の受口をさらに規定し、前記第3の受口は、前記少なくとも2つのパイプ要素のうちの1つを受け取るための第3の開口部を規定し、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1の受口と、前記第2の受口と、前記第3の受口との間に延在するように前記流体路をさらに規定する、請求項1に記載の継手。
【請求項5】
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第3の受口は、前記第3の開口部と同軸に配向された第3の軸を囲み、前記第1の軸および前記第3の軸は、相互に同一直線上にあり、前記第2の軸は、前記第1の軸および前記第3の軸に対して角度を付けて配向されている、請求項4に記載の継手。
【請求項6】
前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して配向角度30°〜150°を有する、請求項5に記載の継手。
【請求項7】
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグをさらに備え、前記複数のラグのそれぞれは、前記複数の調節可能ファスナーのうちの1つを受け取るための孔を規定する、請求項1に記載の継手。
【請求項8】
前記管は、前記第1のシールおよび前記第2のシールと一体的に形成されている、請求項1に記載の継手。
【請求項9】
前記第1のシールおよび前記第2のシールは、前記第1のシールおよび前記第2のシールが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間で圧縮されると、前記管に密閉係合する、請求項1に記載の継手。
【請求項10】
前記第3の受口内に配置され、前記第3の開口部を囲む第3のシールと、
前記第1のシールと、前記第2のシールと、前記第3のシールとの間で前記継手内に延在する管と
をさらに備える、請求項4に記載の継手。
【請求項11】
前記管は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールと一体的に形成されている、請求項10に記載の継手。
【請求項12】
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールは、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間で圧縮されると、前記管に密閉係合する、請求項10に記載の継手。
【請求項13】
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールとの接触によって、前記離間関係に支持されている、請求項10に記載の継手。
【請求項14】
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールは、前記少なくとも2つのパイプ要素が前記第1の受口、前記第2の受口、および前記第3の受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、請求項13に記載の継手。
【請求項15】
少なくとも2つのパイプ要素と、前記少なくとも2つのパイプ要素をともに接続するための継手との組み合わせ物であって、前記継手は、
相互に取り付けられ、少なくとも第1の受口および第2の受口を規定する第1の筐体部分および第2の筐体部分であって、前記第1の受口は、前記第2の受口と同軸に整合されず、前記第1の受口は、前記少なくとも2つのパイプ要素を受け取るための第1の開口部を規定し、前記第2の受口は、前記少なくとも2つのパイプ要素を受け取るための第2の開口部を規定し、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1の受口と前記第2の受口との間に延在する流体路をさらに規定する、第1の筐体部分および第2の筐体部分と、
前記第1の受口内に配置され、前記第1の開口部を囲む第1のシールと、
前記第2の受口内に配置され、前記第2の開口部を囲む第2のシールと、
前記第1のシールと前記第2のシールとの間で前記継手内に延在する管と、
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に取り付ける複数の調節可能ファスナーであって、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分が相互に取り付けられている間、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1のシールおよび前記第2のシールとの接触によって、前記少なくとも2つのパイプ要素が前記第1の受口および前記第2の受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持され、前記複数の調節可能ファスナーは、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に向かって引き寄せ、前記第1の受口および前記第2の受口を前記少なくとも2つのパイプ要素と係合させ、それによって、前記少なくとも2つのパイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である、複数の調節可能ファスナーと
を備え、
前記第1のシールおよび前記第2のシールは、前記少なくとも2つのパイプ要素が前記第1の受口および前記第2の受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、組み合わせ物。
【請求項16】
前記少なくとも2つのパイプ要素のうちの少なくとも1つのパイプ要素は、前記少なくとも1つのパイプ要素の一端部に配置される円周方向溝を備え、前記継手は、前記第1の受口および前記第2の受口のうちの少なくとも1つの受口上に配置された弧状キーを備え、前記弧状キーは、前記第1の受口および前記第2の受口が前記少なくとも2つのパイプ要素に係合するときに、前記少なくとも1つのパイプ要素に向かって突出し、前記円周方向溝に係合する、請求項15に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、第3の受口をさらに規定し、前記第3の受口は、前記少なくとも2つのパイプ要素のうちの1つを受け取るための第3の開口部を規定し、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1の受口と、前記第2の受口と、前記第3の受口との間に延在するように前記流体路をさらに規定する、請求項15に記載の組み合わせ物。
【請求項18】
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第3の受口は、前記第3の開口部と同軸に配向された第3の軸を囲み、前記第1の軸および前記第3の軸は、相互に同一直線上にあり、前記第2の軸は、前記第1の軸および前記第3の軸に対して角度を付けて配向されている、請求項17に記載の組み合わせ物。
【請求項19】
前記第3の受口内に配置され、前記第3の開口部を囲む第3のシールと、
前記第1のシールと、前記第2のシールと、前記第3のシールとの間で前記継手内に延在する管と
をさらに備える、請求項17に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールとの接触によって、前記離間関係に支持されている、請求項19に記載の組み合わせ物。
【請求項21】
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールは、前記少なくとも2つのパイプ要素が前記第1の受口、前記第2の受口、および前記第3の受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、請求項20に記載の組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、米国特許出願第13/364,412号(2012年2月2日出願)に基づき、その優先権の利益を主張し、これによって、その出願は、その全体が参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、パイプ要素をともに継合するために使用される、エルボ継手および「T」継手等の継手に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
パイプ要素の端と端とをともに継合するための継手(例えば、エルボおよびT)は、パイプ要素の端部分を円周方向に囲むように配置可能である相互接続可能筐体部分を備える。用語「パイプ要素」は、本明細書では、パイプ状形態を有する任意のパイプ状アイテムまたは構成要素を説明するために使用される。パイプ要素は、パイプストック、ならびに、弁、濾過器、リストリクタ、圧力調節器、および同等物等の流体制御構成要素を含む。
【0004】
各筐体部分は、「キー」とも呼ばれる、突起を有し、その突起は、半径方向内向きに延在し、例えば、平面端パイプ要素の外側表面、ショルダまたはショルダおよびビードを有するパイプ要素、あるいは継合されるパイプ要素のそれぞれの周囲に延在する円周方向溝に係合する。キーとパイプ要素との間の係合は、機械的拘束を継合部に提供し、パイプ要素が、高内部圧力推力および外力下でも、結合されたままであることを確実にする。筐体部分は、環状チャネルまたは凹部、例えば、受口を規定し、その環状チャネルまたは凹部は、シール、例えば、リングガスケット、典型的には、エラストマーリングを受け取り、そのシールは、各パイプ要素の端部に係合し、筐体部分およびパイプ要素と協働し、液密シールを提供する。継手内の管は、リングガスケット間に延在し、継手全体が液密のままであることを確実にする。筐体部分は、典型的には、筐体から外向きに突出するラグの形態である、接続部材を有する。ラグは、筐体部分を相互に向かって引き寄せるように調節可能に締付可能であるナットおよびボルト等の調節可能ファスナーを受け取るように適合される。
【0005】
パイプ要素をともに固着させる方法は、先行技術による継手が使用されるとき、順次取付プロセスを含む。典型的には、継手は、筐体部分がともにボルト締めされ、リングガスケットおよび管が、継手の筐体部分間に捕捉される密閉要素を備える状態で技術者によって受け取られる。技術者は、最初に、ボルトを外すことによって、継手を分解し、リングガスケットを除去し、潤滑させ(事前に潤滑されていない場合)、継合されるパイプ要素の端部の周囲に設置する。リングガスケットの取付は、多くの場合、リングガスケットが潤滑され、パイプ要素を収容するように伸展されることを要求する。リングガスケットが両パイプ要素上の定位置にある状態で、管は、各パイプ要素上のリングガスケットと係合される。筐体部分は、次いで、パイプ要素の端部にまたがるように、リングガスケットおよび管の周囲に1度に1つずつ設置される。設置の際、筐体部分が、リングガスケットに係合し、キーが、パイプ要素内の溝と整合され(存在するとき)、ボルトが、ラグを通して挿入され、ナットが、ボルト上に螺着されて締め付けられ、筐体部分を相互に向かって引き寄せ、リングガスケットを圧縮し、パイプ要素と管との間にシールをもたらす。キーは、パイプ要素内の溝の中に係合され、機械的拘束を提供する。
【0006】
前述の説明から明白なように、先行技術による継手の取付は、技術者が、典型的には、13個もの個々の部品を取り扱い、継手を完全に分解および再組立しなければならないことを要求する。技術者が、最初に継手を完全に分解し、次いで1つ1つ再組立することなく継手を据え付け得る場合、有意な時間、労力、および費用が、節約される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも2つのパイプ要素をともに接続するための継手に関する。一例示的実施形態では、継手は、相互に取り付けられて、少なくとも第1および第2の受口を規定する第1および第2の筐体部分を備え、第1の受口は、第2の受口と同軸に整合されない。第1の受口は、パイプ要素を受け取るための第1の開口部を規定し、第2の受口は、パイプ要素を受け取るための第2の開口部を規定する。筐体部分はさらに、第1の受口と第2の受口との間に延在する流体路を規定する。複数の調節可能ファスナーが、第1および第2の筐体部分を相互に取り付ける。筐体部分は、筐体部分が相互に取り付けられている間、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持される。ファスナーは、筐体部分を相互に向かって引き寄せ、受口をパイプ要素と係合させ、それによって、パイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である。
【0008】
第1の受口は、第2の受口と同軸に整合されない。そのような例示的実施形態の1つでは、第1の受口は、第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、第2の受口は、第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、第1および第2の軸は、相互に対して角度を付けて配向される。第1および第2の軸は、相互に対して配向角度約90°〜約174°を有してもよい。
【0009】
別の実施形態では、第1および第2の筐体部分はさらに、第3の受口を規定してもよい。本実施形態では、第3の受口は、パイプ要素のうちの1つを受け取るための第3の開口部を規定する。筐体部分はさらに、第1の受口と、第2の受口と、第3の受口との間に延在する流体路を規定する。第3の受口を有する継手の例示的実施形態では、第1の受口は、第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲んでもよく、第2の受口は、第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲んでもよく、第3の受口は、第3の開口部と同軸に配向された第3の軸を囲んでもよい。第1および第3の軸は、相互に同一直線状にあってもよく、第2の軸は、第1および第3の軸に対して角度を付けて配向されてもよい。第1および第2の軸は、相互に対して配向角度約30°〜約150°を有してもよい。
【0010】
例示的継手実施形態はさらに、少なくとも、第1の筐体部分上に位置する、角度を付けて配向された第1の表面と、少なくとも、第2の筐体部分上に位置する、角度を付けて配向された第2の表面とを備えてもよい。角度を付けて配向された第1の表面および角度を付けて配向された第2の表面は、対向関係にあり、ファスナーが第1および第2の角度を付けて配向された表面が接触するように締め付けられると、相互に摺動する。角度を付けて配向された第1の表面と角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、第1および第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる。
【0011】
実施例では、継手はさらに、第1および第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグを備えてもよい。ラグのそれぞれは、ファスナーの1つを受け取るための孔を規定する。本例示的実施形態では、角度を付けて配向された第1の表面部分は、第1の筐体部分上のラグのうちの1つに配置され、角度を付けて配向された第2の表面部分は、第2の筐体部分上のラグのうちの1つに配置される。
【0012】
別の例示的実施形態では、継手は、第1および第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグを備えてもよい。ラグのそれぞれは、ファスナーの1つを受け取るための孔を規定する。第1の筐体部分上のラグの少なくとも2つはそれぞれ、角度を付けて配向された第1の表面を有する。第2の筐体部分上のラグの少なくとも2つはそれぞれ、角度を付けて配向された第2の表面を有する。角度を付けて配向された第1の表面はそれぞれ、角度を付けて配向された第2の表面のそれぞれの1つと対向関係にある。第1および第2の角度を付けて配向された表面は、ファスナーが角度を付けて配向された第1の表面および角度を付けて配向された第2の表面が接触するように締め付けられると、相互に摺動する。角度を付けて配向された第1の表面と角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、第1および第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる。
【0013】
継手はさらに、第1の受口内に配置される第1のシールを備えてもよい。第1のシールは、第1の開口部を囲む。第2のシールは、第2の受口内に配置され、第2の開口部を囲む。管は、第1のシールと第2のシールとの間で継手内に延在する。管は、第1および第2のシールと一体的に形成されてもよく、または、シールは、第1の筐体部分と第2の筐体部分との間で圧縮されると、管に密閉係合してもよい。
【0014】
例示的継手実施形態は、第1の受口内に配置され、第1の開口部を囲む第1のシールを有する。第2のシールは、第2の受口内に配置され、第2の開口部を囲む。第3のシールは、第3の受口内に配置され、第3の開口部を囲む。管は、第1のシールと、第2のシールと、第3のシールとの間で継手内に延在する。
【0015】
管は、第1、第2、および第3のシールと一体的に形成されてもよい。代替実施形態では、シールは、シールが第1の筐体部分と第2の筐体部分との間で圧縮されると、管に密閉係合する。第1および第2の筐体部分は、第1および第2のシールとの接触によって、離間関係に支持されてもよい。本目的のために、第1および第2のシールは、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有してもよい。代替実施形態では、第1および第2のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在する少なくとも1つの突起を有してもよい。シールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1および第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持する。
【0016】
特定の例示的実施形態では、第1および第2のシールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1および第2のシールのそれぞれから外向きに延在する弧を備える。受口のうちの少なくとも1つは、第1および第2のシールの一方から延在する少なくとも1つの突起を受け取るために、その内側表面上に配置された陥凹を備えてもよい。
【0017】
別の実施形態では、第1および第2の筐体部分は、第1、第2、および第3のシールとの接触によって、離間関係に支持されてもよい。第1、第2、および第3のシールは、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有してもよい。
【0018】
例示的実施形態では、第1、第2、および第3のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在する少なくとも1つの突起を有する。シールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1および第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持する。第1および第2のシールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1、第2、および第3のシールのそれぞれから外向きに延在する弧を備えてもよい。受口のうちの少なくとも1つは、第1、第2、および第3のシールのうちの1つから延在する少なくとも1つの突起を受け取るために、その内側表面上に配置された陥凹を備えてもよい。
【0019】
少なくとも2つのパイプ要素をともに接続するための継手の別の例示的実施形態では、継手は、相互に取り付けられて、少なくとも第1および第2の受口を規定する第1および第2の筐体部分を備え、第1の受口は、第2の受口と同軸に整合されない。第1の受口は、パイプ要素を受け取るための第1の開口部を規定し、第2の受口は、パイプ要素を受け取るための第2の開口部を規定する。筐体部分はさらに、第1の受口と第2の受口との間に延在する流体路を規定する。
【0020】
複数の調節可能ファスナーは、第1および第2の筐体部分を相互に取り付ける。ファスナーは、筐体部分を相互に向かって引き寄せ、受口をパイプ要素と係合させ、それによって、パイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である。少なくとも、角度を付けて配向された第1の表面は、第1の筐体部分上に位置し、少なくとも、角度を付けて配向された第2の表面は、第2の筐体部分上に位置する。角度を付けて配向された第1の表面および角度を付けて配向された第2の表面は、対向関係にあり、ファスナーが、角度を付けて配向された第1の表面および角度を付けて配向された第2の表面が接触するように締め付けられると、相互に摺動する。角度を付けて配向された第1の表面と角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、第1および第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる。
【0021】
特定の例示的実施形態では、第1の受口は、第2の受口と同軸に整合されない。第1の受口は、第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲んでもよく、第2の受口は、第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲んでもよい。第1および第2の軸は、相互に対して角度を付けて配向される。第1および第2の軸は、相互に対して配向角度約90°〜約174°を有してもよい。
【0022】
別の例示的実施形態では、第1および第2の筐体部分はさらに、第3の受口を規定してもよい。第3の受口は、パイプ要素のうちの1つを受け取るための第3の開口部を規定する。筐体部分はさらに、第1の受口と、第2の受口と、第3の受口との間に延在する流体路を規定する。特定の例示的実施形態では、第1の受口は、第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、第2の受口は、第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、第3の受口は、第3の開口部と同軸に配向された第3の軸を囲む。第1および第3の軸は、相互に同一直線状にあり、第2の軸は、第1および第2の軸に対して角度を付けて配向される。本例示的実施形態では、第1および第2の軸は、相互に対して配向角度約30°〜約150°を有してもよい。
【0023】
例示的継手実施形態では、少なくとも、第1の筐体部分上のラグの2つ目は、角度を付けて配向された第1の表面を有してもよく、少なくとも、第2の筐体部分上のラグの2つ目は、角度を付けて配向された第2の表面を有してもよい。第1および第2の筐体部分上のラグの2つ目に関して、角度を付けて配向された第1の表面は、角度を付けて配向された第2の表面と対向関係にあり、第1および第2の角度を付けて配向された表面は、ファスナーが角度を付けて配向された第1の表面および角度を付けて配向された第2の表面が接触するように締め付けられると、相互に摺動する。角度を付けて配向された第1の表面と角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、第1および第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる。
【0024】
例示的継手はさらに、第1および第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグを備えてもよい。ラグのそれぞれは、上記ファスナーのうちの1つを受け取るための孔を規定する。角度を付けて配向された第1の表面は、第1の筐体部分のラグのうちの1つに配置され、角度を付けて配向された第2の表面は、第2の筐体部分上の上記ラグのうちの1つに位置する。
【0025】
例示的継手では、第1のシールは、第1の受口内に配置され、第1の開口部を囲んでもよく、第2のシールは、第2の受口内に配置され、第2の開口部を囲んでもよい。管は、第1のシールと第2のシールとの間で継手内に延在してもよい。一例示的実施形態では、管は、第1および第2のシールと一体的に形成される。別の例示的実施形態では、シールは、シールが第1の筐体部分と第2の筐体部分との間で圧縮されると、管に密閉係合する。
【0026】
別の例示的継手実施形態はさらに、第1の受口内に配置され、第1の開口部を囲む第1のシールと、第2の受口内に配置され、第2の開口部を囲む第2のシールと、第3の受口内に配置され、第3の開口部を囲む第3のシールとを備える。管は、第1のシールと、第2のシールと、第3のシールとの間で継手内に延在する。本実施形態では、管は、第1、第2、および第3のシールと一体的に形成されてもよい。代替として、シールは、シールが第1の筐体部分と第2の筐体部分との間で圧縮されると、管に密閉係合してもよい。
【0027】
例示的継手実施形態では、第1および第2の筐体部分は、筐体部分が相互に取り付けられている間、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持されてもよく、筐体部分は、第1および第2のシールとの接触によって支持される。本実施形態では、第1および第2のシールは、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有してもよい。代替として、第1および第2のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在する少なくとも1つの突起を有してもよい。シールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1および第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持する。第1および第2のシールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1および第2のシールのそれぞれから外向きに延在する弧を備えてもよい。本実施例では、受口のうちの少なくとも1つは、第1および第2のシールの一方から延在する少なくとも1つの突起を受け取るために、その内側表面上に配置された陥凹を備えてもよい。
【0028】
別の例示的継手では、第1および第2の筐体部分は、筐体部分が相互に取り付けられている間、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持され、筐体部分は、第1、第2、および第3のシールとの接触によって支持される。本例示的実施形態では、第1、第2、および第3のシールは、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有してもよい。代替として、第1、第2、および第3のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在する少なくとも1つの突起を有してもよい。シールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1および第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、パイプ要素が受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分を支持する。第1および第2のシールのそれぞれの少なくとも1つの突起は、第1、第2、および第3のシールのそれぞれから外向きに延在する弧を備えてもよい。本実施例では、受口のうちの少なくとも1つは、第1、第2、および第3のシールのうちの1つから延在する少なくとも1つの突起を受け取るために、その内側表面上に配置された陥凹を備えてもよい。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも2つのパイプ要素をともに接続するための継手であって、前記継手は、
相互に取り付けられ、少なくとも第1の受口および第2の受口を規定する第1の筐体部分および第2の筐体部分であって、前記第1の受口は、前記第2の受口と同軸に整合されず、前記第1の受口は、前記パイプ要素を受け取るための第1の開口部を規定し、前記第2の受口は、前記パイプ要素を受け取るための第2の開口部を規定し、前記筐体部分は、前記第1の受口と前記第2の受口との間に延在する流体路をさらに規定する、第1の筐体部分および第2の筐体部分と、
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に取り付ける複数の調節可能ファスナーであって、前記筐体部分が相互に取り付けられている間、前記筐体部分は、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持され、前記ファスナーは、前記筐体部分を相互に向かって引き寄せ、前記受口を前記パイプ要素と係合させ、それによって、前記パイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である、ファスナーと
を備える、継手。
(項目2)
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して角度を付けて配向されている、項目1に記載の継手。
(項目3)
前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して配向角度約90°〜約174°を有する、項目2に記載の継手。
(項目4)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、第3の受口をさらに規定し、前記第3の受口は、前記パイプ要素のうちの1つを受け取るための第3の開口部を規定し、前記筐体部分は、前記第1の受口と、前記第2の受口と、前記第3の受口との間に延在するように前記流体路をさらに規定する、項目1に記載の継手。
(項目5)
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第3の受口は、前記第3の開口部と同軸に配向された第3の軸を囲み、前記第1の軸および前記第3の軸は、相互に同一直線上にあり、前記第2の軸は、前記第1の軸および前記第3の軸に対して角度を付けて配向されている、項目4に記載の継手。
(項目6)
前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して配向角度約30°〜約150°を有する、項目5に記載の継手。
(項目7)
少なくとも、前記第1の筐体部分上に位置する、角度を付けて配向された第1の表面と、
少なくとも、前記第2の筐体部分上に位置する、角度を付けて配向された第2の表面と
をさらに備え、前記角度を付けて配向された第1の表面および前記角度を付けて配向された第2の表面は、対向関係にあり、前記ファスナーが締め付けられることにより、前記角度を付けて配向された第1の表面および前記角度を付けて配向された第2の表面が接触すると、相互に摺動し、前記角度を付けて配向された第1の表面と前記角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる、項目1に記載の継手。
(項目8)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグであって、前記ラグのそれぞれは、前記ファスナーのうちの1つを受け取るための孔を規定している、複数のラグと、
前記第1の筐体部分上の前記ラグの1つに位置する、前記角度を付けて配向された第1の表面の部分と、
前記第2の筐体部分上の前記ラグの1つに位置する、前記角度を付けて配向された第2の表面の部分と
をさらに備える、項目7に記載の継手。
(項目9)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグをさらに備え、前記ラグのそれぞれは、前記ファスナーのうちの1つを受け取るための孔を規定し、前記第1の筐体部分上の前記ラグの少なくとも2つはそれぞれ、角度を付けて配向された第1の表面を有し、前記第2の筐体部分上の前記ラグの少なくとも2つはそれぞれ、角度を付けて配向された第2の表面を有し、前記角度を付けて配向された第1の表面のそれぞれは、前記角度を付けて配向された第2の表面のそれぞれの1つと対向関係にあり、前記角度を付けて配向された第1の表面および前記角度を付けて配向された第2の表面は、前記ファスナーが締め付けられることにより、前記角度を付けて配向された第1の表面および前記角度を付けて配向された第2の表面が接触すると、相互に摺動し、前記角度を付けて配向された第1の表面と前記角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる、項目1に記載の継手。
(項目10)
前記第1の受口内に配置され、前記第1の開口部を囲む第1のシールと、
前記第2の受口内に配置され、前記第2の開口部を囲む第2のシールと、
前記第1のシールと前記第2のシールとの間で前記継手内に延在する管と
をさらに備える、項目1に記載の継手。
(項目11)
前記管は、前記第1のシールおよび前記第2のシールと一体的に形成されている、項目10に記載の継手。
(項目12)
前記シールは、前記シールが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間で圧縮されると、前記管に密閉係合する、項目10に記載の継手。
(項目13)
前記第1の受口内に配置され、前記第1の開口部を囲む第1のシールと、
前記第2の受口内に配置され、前記第2の開口部を囲む第2のシールと、
前記第3の受口内に配置され、前記第3の開口部を囲む第3のシールと、
前記第1のシールと、前記第2のシールと、前記第3のシールとの間で前記継手内に延在する管と
をさらに備える、項目4に記載の継手。
(項目14)
前記管は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールと一体的に形成されている、項目13に記載の継手。
(項目15)
前記シールは、前記シールが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間で圧縮されると、前記管に密閉係合する、項目13に記載の継手。
(項目16)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1のシールおよび前記第2のシールとの接触によって、前記離間関係に支持されている、項目10に記載の継手。
(項目17)
前記第1のシールおよび前記第2のシールは、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、項目16に記載の継手。
(項目18)
前記第1のシールおよび前記第2のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在している少なくとも1つの突起を有し、前記シールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持する、項目16に記載の継手。
(項目19)
前記第1のシールおよび前記第2のシールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1のシールおよび前記第2のシールのそれぞれから外向きに延在している弧を備える、項目18に記載の継手。
(項目20)
前記受口のうちの少なくとも1つは、前記第1のシールおよび前記第2のシールの一方から延在している前記少なくとも1つの突起を受け取るために、前記受口の内側表面上に配置された陥凹を備える、項目18に記載の継手。
(項目21)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールとの接触によって、前記離間関係に支持されている、項目13に記載の継手。
(項目22)
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールは、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、項目21に記載の継手。
(項目23)
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在している少なくとも1つの突起を有し、前記シールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持する、項目21に記載の継手。
(項目24)
前記第1のシールおよび前記第2のシールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールのそれぞれから外向きに延在している弧を備える、項目23に記載の継手。
(項目25)
前記受口のうちの少なくとも1つは、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールのうちの1つから延在している前記少なくとも1つの突起を受け取るために、前記受口の内側表面上に配置された陥凹を備える、項目23に記載の継手。
(項目26)
少なくとも2つのパイプ要素をともに接続するための継手であって、前記継手は、
相互に取り付けられ、少なくとも第1の受口および第2の受口を規定する第1の筐体部分および第2の筐体部分であって、前記第1の受口は、前記第2の受口と同軸に整合されず、前記第1の受口は、前記パイプ要素を受け取るための第1の開口部を規定し、前記第2の受口は、前記パイプ要素を受け取るための第2の開口部を規定し、前記筐体部分は、前記第1の受口と前記第2の受口との間に延在する流体路をさらに規定する、筐体部分と、
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に取り付ける複数の調節可能ファスナーであって、前記筐体部分を相互に向かって引き寄せ、前記受口を前記パイプ要素と係合させ、それによって、前記パイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である、ファスナーと、
少なくとも、前記第1の筐体部分上に位置する、角度を付けて配向された第1の表面と、
少なくとも、前記第2の筐体部分上に位置する、角度を付けて配向された第2の表面と
を備え、前記角度を付けて配向された第1の表面および前記角度を付けて配向された第2の表面は、対向関係にあり、前記ファスナーが締め付けられることにより、前記角度を付けて配向された第1の表面および前記角度を付けて配向された第2の表面が接触すると、相互に摺動し、前記角度を付けて配向された第1の表面と前記角度を付けて配向された第2の表面との間の摺動運動は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分を相互に対して反対方向に回転させる、継手。
(項目27)
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して角度を付けて配向されている、項目26に記載の継手。
(項目28)
前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して配向角度約90°〜約174°を有する、項目27に記載の継手。
(項目29)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、第3の受口をさらに規定し、前記第3の受口は、前記パイプ要素のうちの1つを受け取るための第3の開口部を規定し、前記筐体部分は、前記第1の受口と、前記第2の受口と、前記第3の受口との間に延在するように前記流体路をさらに規定する、項目26に記載の継手。
(項目30)
前記第1の受口は、前記第1の開口部と同軸に配向された第1の軸を囲み、前記第2の受口は、前記第2の開口部と同軸に配向された第2の軸を囲み、前記第3の受口は、前記第3の開口部と同軸に配向された第3の軸を囲み、前記第1の軸および前記第3の軸は、相互に同一直線状にあり、前記第2の軸は、前記第1の軸および前記第3の軸に対して角度を付けて配向されている、項目29に記載の継手。
(項目31)
前記第1の軸および前記第2の軸は、相互に対して配向角度約30°〜約150°を有する、項目30に記載の継手。
(項目32)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分のそれぞれから延在する複数のラグであって、前記ラグのそれぞれは、前記ファスナーのうちの1つを受け取るための孔を規定している、複数のラグと、
前記第1の筐体部分上の前記ラグの1つに位置する、前記角度を付けて配向された第1の表面と、
前記第2の筐体部分上の前記ラグの1つに位置する、前記角度を付けて配向された第2の表面と
をさらに備える、項目26に記載の継手。
(項目33)
前記第1の受口内に配置され、前記第1の開口部を囲む第1のシールと、
前記第2の受口内に配置され、前記第2の開口部を囲む第2のシールと、
前記第1のシールと前記第2のシールとの間で前記継手内に延在する管と
をさらに備える、項目26に記載の継手。
(項目34)
前記管は、前記第1のシールおよび前記第2のシールと一体的に形成されている、項目33に記載の継手。
(項目35)
前記シールは、前記シールが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間で圧縮されると、前記管に密閉係合する、項目33に記載の継手。
(項目36)
前記第1の受口内に配置され、前記第1の開口部を囲む第1のシールと、
前記第2の受口内に配置され、前記第2の開口部を囲む第2のシールと、
前記第3の受口内に配置され、前記第3の開口部を囲む第3のシールと、
前記第1のシールと、前記第2のシールと、前記第3のシールとの間で前記継手内に延在する管と
をさらに備える、項目29に記載の継手。
(項目37)
前記管は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールと一体的に形成されている、項目36に記載の継手。
(項目38)
前記シールは、前記シールが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間で圧縮されると、前記管に密閉係合する、項目36に記載の継手。
(項目39)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記筐体部分が相互に取り付けられている間、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持され、前記筐体部分は、前記第1のシールおよび前記第2のシールとの接触によって支持されている、項目33に記載の継手。
(項目40)
前記第1のシールおよび前記第2のシールは、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、項目39に記載の継手。
(項目41)
前記第1のシールおよび前記第2のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在している少なくとも1つの突起を有し、前記シールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持する、項目39に記載の継手。
(項目42)
前記第1のシールおよび前記第2のシールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1のシールおよび前記第2のシールのそれぞれから外向きに延在している弧を備える、項目41に記載の継手。
(項目43)
前記受口のうちの少なくとも1つは、前記第1のシールおよび前記第2のシールの一方から延在している前記少なくとも1つの突起を受け取るために、前記受口の内側表面上に配置された陥凹を備える、項目41に記載の継手。
(項目44)
前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分は、前記筐体部分が相互に取り付けられている間、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持され、前記筐体部分は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールとの接触によって支持されている、項目36に記載の継手。
(項目45)
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールは、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持するようにサイズを合わせられた外周を有する、項目44に記載の継手。
(項目46)
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールはそれぞれ、そこから半径方向外向きに延在している少なくとも1つの突起を有し、前記シールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分の一方に係合し、それによって、前記パイプ要素が前記受口内に挿入されることを可能にするために十分な前記離間関係に前記筐体部分を支持する、項目44に記載の継手。
(項目47)
前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールのそれぞれの前記少なくとも1つの突起は、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールのそれぞれから外向きに延在している弧を備える、項目46に記載の継手。
(項目48)
前記受口のうちの少なくとも1つは、前記第1のシール、前記第2のシール、および前記第3のシールのうちの1つから延在している前記少なくとも1つの突起を受け取るために、前記受口の内側表面上に配置された陥凹を備える、項目46に記載の継手。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明による、例示的エルボ継手の分解等角図である。
図2図2は、取付準備ができた構成における、事前に組み立てられた図1に示されるエルボ継手の等角図である。
図3図3は、パイプ要素をともに継合する、図1に示されるエルボ継手の等角図である。
図4図4は、本発明による、エルボ継手の代替実施形態の等角分解図である。
図5図5は、取付準備ができた構成における、事前に組み立てられた図4に示されるエルボ継手の等角図である。
図6図6は、パイプ要素をともに継合する、図4に示されるエルボ継手の等角図である。
図7図7および図8は、図6に示されるエルボ継手の部分上面図である。
図8図7および図8は、図6に示されるエルボ継手の部分上面図である。
図9図9は、図6の線9−9に沿った縦断面図である。
図10図10は、本発明による、例示的T継手の等角図であり、取付準備ができた構成において事前に組み立てられて示されている。
図11図11は、図10に示されるT継手の一部の側面図であり、継手の内部表面を示す。
図12図12は、パイプ要素をともに継合する、図10に示される継手の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(詳細な説明)
図1は、本発明による、例示的継手10の分解図を示す。継手10は、第1および第2の筐体部分12および14を備える。図2に示されるように、相互に取り付けられると、筐体部分12および14は、少なくとも、第1の受口16および第2の受口18を規定し、第1の受口16および第2の受口18は、相互に継手の両端に位置する規定。受口16および18は、想像線で示されるそれぞれのパイプ要素24および26を受け取るためのそれぞれの第1および第2の開口部20および22を規定する。筐体部分12および14はまた、ともに、第1の受口16と第2の受口18との間に延在する流体路を規定し、流体路は、明確にするために、図1に示される矢印28によって描写される。
【0031】
複数のラグ30が、各筐体部分12および14から延在する。図1の例示的継手では、各筐体部分は、3つのラグを有する。ラグ30は、孔32を規定する。筐体部分12および14が、図2に示されるように、対向関係に組み立てられると、ラグ30内の孔32は、ファスナー34を受け取るように整合し、ファスナー34は、筐体部分を相互に取り付け、継手10を形成する。ファスナー34は、第1および第2の筐体部分12および14を相互に向かって引き寄せ、第1および第2の受口16および18をパイプ要素24および26(それぞれ)と係合させ、それによって、図3に示されるように、パイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である。
【0032】
例示的継手実施形態10では、第1の受口16は、第2の受口18と同軸に整合されない。図3に示されるように、第1の受口16は、第1の開口部20と同軸に配向された第1の軸36を囲み、第2の受口18は、第2の開口部22と同軸に配向された第2の軸38を囲む。軸36および38は、受口16および18の角配向を相互に対して規定するために使用され、それによって、継手のタイプを規定してもよい。継手10では、軸36と38との間の配向角度40は、約90°であり、本継手を90度エルボとする。実用的エルボ設計では、配向角度40は、想像線に示されるように、約90°〜約174°の範囲であってもよい。
【0033】
継手10によって形成されるパイプ要素間の継合部の液密性を確立および維持するために、密閉要素42が、筐体部分12と筐体部分14との間に配置される。図1に示されるように、密閉要素42は、第1の受口16内に配置される第1のシール44と、第2の受口18内に配置される第2のシール46と、第1のシール44と第2のシール46との間の流体路28に沿って継手10内に延在する管48とを備える。本実施例では、第1および第2のシール44および46は、管48と1つの部品として、一体的に形成される。密閉要素42は、EPDM、ならびにニトリル、シリコーン、ネオプレン、およびフルオロポリマーエラストマー等のエラストマー材料から形成されてもよい。
【0034】
図2は、「取付準備ができた」状態にある継手10、すなわち、継手10を分解することなく、パイプ要素24および26が、うまい具合に、それぞれの開口部20および22内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に第1および第2の筐体部分12および14が保持された状態で、部分的に組み立てられている継手10を示す。液密継合部をもたらすために、パイプ要素24および26は、開口部20および22内に挿入され、そこで、パイプ要素24は、第1のシール44に係合し、パイプ要素26は、第2のシール46に係合する。ファスナー34が、次いで、締め付けられ、筐体部分12および14をともに引き寄せ(図3に示されるように)、筐体部分とパイプ要素24および26との間の第1および第2のシールを圧縮すると同時に、さらに、受口16および18をそのそれぞれのパイプ要素24および26と係合させ、パイプ要素を機械的に捕捉して保持する。本実施例では、継手10とパイプ要素24および26との間の確動的機械係合は、各筐体部分12および14上に配置された半径方向に突出する弧状キー50によってもたらされる。キー50は、両端に切り欠き52を有することにより、隙間を提供し、パイプ要素挿入を容易にし得る。継手10の組立の際、キーは、開口部20および22を囲み、パイプ要素24および26内の円周方向溝54に係合する(図2参照)。本発明による継手は、当然ながら、溝付きパイプ要素との併用に限定されず、平面端パイプ要素、フレア状パイプ要素、ならびに、ショルダパイプ要素、および、ショルダおよびビードパイプ要素にも適合され得る。
【0035】
筐体部分12および14は、うまい具合に、第1および第2のシール44および46との接触によって、離間関係に支持されてもよい。図1から図3に示される例示的継手10では、第1および第2のシール44および46はそれぞれ、突起56(図1参照)を有し、突起56は、半径方向外向きに延在し、筐体部分に係合する。本実施例では、突起は、弧58の形態をとり、弧58は、筐体部分を支持するために十分なスチフネスを有するが、シール44および46が圧縮され、キー50が、パイプ要素24および26内の溝54に係合することを可能にするようにファスナーが締め付けられる場合に、筐体部分間で圧縮されると潰れる。筐体部分12および14はまた、受口16および18の内側表面上に配置された陥凹60を有してもよい。陥凹60は、突起56を受け取り、突起56が筐体部分12および14によって圧縮される場合に、その変形のための空間を提供する。
【0036】
図4から図6は、本発明による、継手62の別の例示的実施形態を図示する。継手10と同様に、継手62は、筐体部分12および14から成り、筐体部分12および14は、調節可能ファスナー34によって相互に取り付けられ、第1および第2の受口16および18を規定する。受口は、図5に示されるように、パイプ要素24および26を受け取るための開口部20および22を規定する。図4に示されるように、継手62の密閉要素42は、3つの別個の構成要素から形成され、第1および第2のシール64および66と、管68とを備える。シール64は、筐体部分によって規定された第1の受口16内に配置され、シール66は、筐体部分によって規定された第2の受口18内に配置され、管68は、シール64と66との間の継手62内に延在する。本実施形態では、シール64および66は、可撓な材料、例えば、EPDM、ならびにニトリル、シリコーン、ネオプレン、およびフルオロポリマーエラストマー等のエラストマーから作製される。管68は、ガラス、セラミック、金属、または、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーの両方を含む1つ以上のエンジニアリングポリマー等の比較的により剛な材料から形成される。管68を形成するために使用され得る例示的な剛なエンジニアリング熱可塑性ポリマーとして、ポリフェニレンおよびポリスチレンが挙げられる。異なる材料の本選択肢は、図9に図示されるように、筐体部分12と筐体部分14との間で圧縮されると、シール64および66が、管68に密閉係合することを可能にする。シール64および66と、パイプ要素24および26と、管68との間の密閉相互作用は、図6に示されるように、継手62がパイプ要素24および26をともに継合するために使用されるとき、液密継合部が形成されることを可能にする。
【0037】
継手10と同様に、継手62は、第1および第2の筐体部分から延在する複数のラグ70を有する。ラグ70は、孔72を規定し、孔72は、継手62が、図5および図6に示されるように、組み立てられると、相互に整合し、筐体部分を相互に取り付けるための調節可能ファスナー34を受け取る。図4に示されるように、筐体部分14は、角度を付けて配向された2つの表面74を有する。筐体部分12は、同様の表面76(見えない)を有し、表面76は、同様に、角度を付けて配向され、表面74と平行である。表面74は、表面76と対向関係にある。ファスナー34が、筐体部分12および14を相互に向かって引き寄せるように締め付けられると、表面74は、表面76と接合し、その角配向により、表面は、相互に対して摺動し、筐体部分12および14を相互に対して反対方向に回転させる。本作用は、図7および図8に図示されており、図7は、ファスナー34が締め付けられる場合に、筐体部分12上の表面76が筐体部分14上の表面74と接触した時点を示す。図8は、筐体部分の回転された位置を図示し、ファスナー34がさらに締め付けられるにつれて、ファスナーによって及ぼされる圧縮力が、表面74および76を反対方向に相互に摺動させ、矢印78によって示されるように、筐体部分12および14を相互に対して反対方向に移動させる。これは、受口16および18によって規定された開口部20および22を囲むキー50の不整合を生じさせる(受口16のみ示される)。キー50が、24等のパイプ要素内の溝54内に係合されると(図6および図9参照)、キーは、溝側面表面と接触するように付勢され、ラグ表面が角度を付けて配向されていない実施例10等の継手から得られるものよりも剛な継合部を継手とパイプ要素との間にもたらす。剛性の増加は、軸方向屈曲時、ならびにねじれ時に実感される。本特定の例示的継手では、角度を付けて配向された表面74は、筐体部分14のラグ70aおよび70b上に配置され、角度を付けて配向された表面76は、筐体部分12のラグ70cおよび70d上に配置される。これらの表面は、筐体部分上の任意の場所に位置し得るが、効果向上のために、角度を付けて配向された表面74および76をファスナー34の近傍に定めることが有利である。
【0038】
継手10のように、継手62もまた、取付準備ができた状態にあり、パイプ継合部を形成するために分解される必要がないことを意味する。図5は、離間関係にある筐体部分12および14を有する、取付準備ができた構成における継手64を示す。本実施例では、筐体部分は、第1および第2のシール64および66との接触によって、離間関係に支持される。図4に示されるように、第1および第2のシールはそれぞれ、パイプ要素24および26(図5参照)が、継手を分解することなく、開口部20および22内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分12および14を支持するようにサイズを合わせられた外周80を有する。キー50の端部における切り欠き52は、隙間を提供することによって、パイプ要素挿入を容易にする。
【0039】
組立の方法は、図5から図8に図示される。図5および図6の比較によって示されるように、パイプ要素24および26は、その取付準備ができた構成において、継手に挿入され(図5)、調節可能ファスナー34は、筐体部分12および14を相互に向かって引き寄せるように締め付けられる(図6)。ファスナー34が締め付けられると、ラグ70aおよび70c上の角度付けられた表面74および76が接触し、同様に、ラグ70bおよび70d上の角度付けられた表面74および76が接触する(図7)。ファスナーがさらに締め付けられると、接合する表面74および76が、相互に対して摺動し、図8における矢印78によって示されるように、筐体部分12および14を相互に対して反対方向に回転させ、それによって、キー50を相互に不整合となるように移動させ、パイプ要素内の溝54の側壁に接触させ、その接点は、図9における82および84に示される。本例示的継手62では、回転は、実質的に、ラグ70eおよび70fを通るファスナー34を中心として生じる。
【0040】
図10から図12は、本発明による、例示的T継手86を図示する。図10に示されるように、継手86は、第1および第2の筐体部分88および90を備える。相互に取り付けられると、筐体部分88および90は、第1の受口92、第2の受口96、および第3の受口94を規定する。受口92、96、および94は、想像線に示されるそれぞれのパイプ要素104、108、および106を受け取るためのそれぞれの第1、第2、および第3の開口部98、102、および100を規定する。筐体部分88および90はまた、ともに、第1の受口92と、第2の受口96と、第3の受口94との間に延在する流体路を規定し、流体路は、明確にするために、図11に示される矢印110によって描写される。
【0041】
再び、図10を参照すると、複数のラグ112が、各筐体部分88および90から延在する。例示的T継手86では、各筐体部分は、4つのラグを有する。ラグ112は、孔114を規定する。筐体部分88および90が、図10に示されるように、対向関係に組み立てられると、ラグ112内の孔114は、ファスナー116を受け取るように整合し、ファスナー116は、筐体部分を相互に取り付け、T継手86を形成する。ファスナー116は、第1および第2の筐体部分88および90を相互に向かって引き寄せ、第1、第2、および第3の受口92、94および96をパイプ要素104、106および108(それぞれ)と係合させ、それによって、図12に示されるように、パイプ要素を付け合わせるように、調節可能に締付可能である。
【0042】
例示的T継手実施形態86では、図12に示されるように、第1の受口92は、第1の開口部98と同軸に配向された第1の軸118を囲む。第2の受口96は、第2の開口部102と同軸に配向された第2の軸122を囲む。第3の受口94は、第3の開口部100と同軸に配向された第3の軸120を囲む。軸118、120、および122は、受口92、94、および96の相互に対する角配向を説明するために使用されてもよい。例示的T継手86では、第1の受口92は、第3の受口94と同一直線状にある。第2の受口96は、第1および第3の受口に対して角度をつけて配向される。軸122と軸118または120のいずれかとの間の配向角度124は、約90°である。実用的T設計に対して、配向角度124は、想像線に示されるように、約30°〜約150°の範囲であってもよい。さらに、筐体部分88および90は、受口92、96、および94間で任意の実用的形状をとってもよいことを理解されたい。したがって、例えば、受口間に延在する特定の区画は、示されるように、直線状区分であってもよく、または本明細書に定義され、図12に図示されるように、そのそれぞれの軸間の配向角度によって規定されるように、受口が相互に対して配向される限り、曲線状であってもよい。
【0043】
T継手86によって形成されるパイプ要素間の継合部の液密性を確立および維持するために、図11に示される密閉要素126が、筐体部分88と90との間に配置される。密閉要素126は、第1の受口92内に配置される第1のシール128と、第2の受口94内に配置される第2のシール130と、第3の受口96内に配置される第3のシール132とを備える。管134は、第1のシール128と、第2のシール130と、および第3のシール132との間で矢印110によって説明される流体路に沿って、T継手86内に延在する。本実施例では、第1、第2、および第3のシールは、管134と別個であるが、3つのシールと管とを備える、密閉要素126が、図1に示される密閉要素42と同様に、1つの部品から一体的に形成され得ることを理解されたい。1つの部品から形成されるとき、密閉要素126は、EPDM、ならびにニトリル、シリコーン、ネオプレン、およびフルオロポリマーエラストマー等のエラストマー材料から形成されてもよい。密閉要素126が、図11に示されるように、別個の部品として形成されるとき、シール128、130、および132は、可撓な弾性のある材料、例えば、EPDM、ならびにニトリル、シリコーン、ネオプレン、およびフルオロポリマーエラストマー等のエラストマーから形成されてもよい。管68は、ガラス、セラミック、金属、または、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーの両方を含む、1つ以上のエンジニアリングポリマー等の比較的により剛な材料から形成される。管68を形成するために使用され得る、例示的な剛なエンジニアリング熱可塑性ポリマーは、ポリフェニレンおよびポリスチレンを含む。
【0044】
図10は、「取付準備ができた」状態にあるT継手86、すなわち、T継手を分解することなく、パイプ要素104、106、および108が、うまい具合に、それぞれの開口部98、100、および102内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に第1および第2の筐体部分88および90が保持された状態で、部分的に組み立てられているT継手86を示す。液密継合部をもたらすために、パイプ要素104、106、および108は、開口部98、100、および102内に挿入され、そこで、パイプ要素104は、第1のシール128に係合し、パイプ要素106は、第2のシール130に係合し、パイプ要素108は、第3のシール132に係合する。ファスナー116は、次いで、締め付けられ、筐体部分88および90をともに引き寄せ(図12に示されるように)、筐体部分とパイプ要素104、106、および108との間の第1、第2、および第3のシールを圧縮すると同時に、さらに、受口92、94および96をそのそれぞれのパイプ要素104、106、および108と係合させ、パイプ要素をともに機械的に捕捉して保持する。本実施例では、T継手86とパイプ要素104、106、および108との間の確動的機械係合は、各筐体部分88および90上に配置された半径方向に突出する弧状キー136によってもたらされる。キー136は、切り欠き138を両端に有することにより、隙間を提供し、パイプ要素挿入を容易にし得る。T継手86の組立の際、キーは、開口部98、100、および102を囲み、パイプ要素104、106、および108内の円周方向溝140に係合する。本発明によるT継手は、当然ながら、溝付きパイプ要素との併用に限定されず、また、平面端パイプ要素、フレア状パイプ要素、ならびに、ショルダパイプ要素、および、ショルダおよびビードパイプ要素にも適合され得る。
【0045】
筐体部分88および90は、うまい具合に、第1、第2、および第3のシール128、130、および132との接触によって、離間関係に支持されてもよい。図10から図12に示される例示的T継手86では、筐体部分88および90は、第1、第2、および第3のシール128、130、および132との接触によって、離間関係に支持される。図10に示されるように、シールはそれぞれ、パイプ要素104、106および108が、T継手を分解することなく、開口部98、100、および102内に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に筐体部分88および90を支持するようにサイズを合わせられた外周142を有する。以前に説明され、図1に示された密閉要素42と同様に、密閉要素の代替実施形態では、密閉要素126の第1、第2、および第3のシール128、130、および132はそれぞれ、突起を有し得、突起は、半径方向外向きに延在し、筐体部分に係合する。突起は、弧の形態をとってもよく、弧は、筐体部分を支持するために十分なスチフネスを有するが、シール128、130、および132が圧縮され、キー136がパイプ要素104、106、および108内の溝140に係合することを可能にするようにファスナーが締め付けられる場合に、筐体部分間で圧縮されると、潰れる。突起を有するシールが使用されるとき、筐体部分88および90はまた、図1に示される陥凹60と同様の陥凹を有してもよい。陥凹は、受口92、94、および96の内側表面上に配置される。陥凹は、筐体部分88および90によって圧縮されると、突起を受け取り、その変形のための空間を提供するように設計される。
【0046】
T継手86は、比較的に可撓な継合部または比較的に剛な継合部を提供するように提供されてもよい。比較的に可撓な継合部をもたらすために、ラグ112は、角度を付けて配向されていない表面において、相互に接合する。そのような表面は、筐体部分88と筐体部分90との間で相対的回転を生じさせず、キー136は、溝140に係合し、1つのみの溝側面表面に接触するように設計され得る。示されるような例示的T継手86のようなより剛な継合部をもたらすために、筐体部分90上のラグ112aおよび112bの2つはそれぞれ、角度を付けて配向された表面144を有する。筐体部分88上のラグ112cおよび112dは、同様の表面146(見えない)を有し、表面146は、同様に、角度を付けて配向され、ラグ112aおよび112b上の表面144と平行である。ラグ112a上の表面144は、ラグ112c上の表面146と対向関係にあり、ラグ112b上の表面144は、ラグ112d上の表面146と対向関係にある。ファスナー116が、筐体部分88および90を相互に向かって引き寄せるように締め付けられると、表面144は、表面146と接合し、その角配向により、表面は、相互に対して摺動し、筐体部分88および90を相互に対して反対方向に回転させる。本作用は、ファスナー116が完全に締め付けられる場合の筐体部分の回転された位置を示す図12に図示される。ファスナーによって及ぼされる圧縮力が、表面144および146を相互に反対方向に摺動させ、矢印148によって示されるように、筐体部分88および90を相互に反対方向に移動させる。これは、受口92、94、および96によって規定された開口部98、100、および102を囲むキー136の不整合を生じさせる。キー136が、104、106、または108等のパイプ要素内の溝140内に係合されると、キーは、溝側面表面と接触するように付勢され、ラグ表面が角度を付けて配向されていない継手から得られるものよりも剛な継合部を継手とパイプ要素との間にもたらす。剛性の増加は、軸方向屈曲時、ならびにねじれ時に実感される。
【0047】
本発明による、エルボおよびT継手は、継合部を作成するために継手を分解および再組立する必要がないため、パイプ継合部の形成において著しい効率の増加を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12