(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の側部及び第二の側部のそれぞれには複数の被設置部が設けられ、前記第一の側部に形成された被設置部から選択され一の被設置部と前記第二の側部に形成された被設置部から選択された一の被設置部とからなる選択された一対の被設置部に前記少なくとも一部が設置され、その一対の被設置部の選択により、前記間隔を調整する、請求項6に記載された挟持器具。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
本実施形態は、高さ調整の可能な挟持器具についての実施形態である。
【0012】
図1は、本実施形態の挟持器具020を表す側面概念図である。
【0013】
挟持器具020は、第一挟持部材001と、バネ002と、被保持部003と、調整部004と、第二挟持部材005と、を備える。
【0014】
第二挟持部材005上には、調整部004が固定されている。
【0015】
調整部004は、自らに設置される物の高さを調整する部材である。調整部004は、同図に表した第一挟持部006と第二挟持部007との安定状態における間隔を調整することができる。ここで、「安定状態」とは、バネに対し、バネが設置された状態からは、さらにばねを変形させる力が加えられていない状態をいい、以下においても同じである。
【0016】
調整部004には被保持部003が固定され、調整部004により保持されている。
【0017】
被保持部003には、バネ002の一端002xが固定されている。
【0018】
バネ002の他の一端002yには第一挟持部材001が固定されている。
【0019】
バネ002は、第一挟持部材001の第一挟持部006を、第二挟持部材005の第二挟持部007の方向に付勢する働きをする。すなわち、バネ002は、第一挟持部006と第二挟持部007との間に力が加えられて、第一挟持部006と第二挟持部007の距離が大きくなり自己が変形すると、自己の変形を修復する力を第一挟持部006と第二挟持部007の距離を縮める方向に加える。すなわち、第一挟持部006に、同図に表した矢印009の方向の力が、バネ002により加えられる。この力が、第一挟持部006と第二挟持部007とのより図示しない挟持対象物を挟持するための挟持力になる。
【0020】
図2は、挟持器具020による物の挟持の様子を表す概念図である。
【0021】
同図(a)に表したように、挟持器具020は、調整部004の高さ004hを高くした場合には、第一挟持部006と第二挟持部007により、厚みの厚い物300aを挟持することができる。しかしながら、この状態では余りに厚みの薄い物は、第一挟持部006と第二挟持部007により挟持することはできない。安定状態において、第一挟持部006と第二挟持部007との間に隙間が生じるためである。
【0022】
一方、同図(b)に表したように、挟持器具020は、調整部004の高さ004hを低くした場合には、厚みの薄い物300bを第一挟持部006と第二挟持部007により挟持することができる。安定状態において、第一挟持部006と第二挟持部007との間に隙間が生じないためである。
【0023】
図3は、
図1に表した調整部004の構成例を表す概念図である。同図(a)は側面図、同図(b)は、切断線218cに沿って切断したことを想定した場合の断面図、同図(c)は、切断線218dに沿って切断したことを想定した場合の断面図、である。
【0024】
調整部004は、外側部207と、内側部204と、ねじ200aと、ねじ200bと、を備える。
【0025】
ねじ200aは、その側面にねじ山が形成されている。また、その一方の端部には、ドライバ受け201aが形成されており、ドライバによる締め付け等が可能になっている。さらに、他方の端部には図示しない凹凸が形成されている。
【0026】
ねじ200bは、その側面にねじ山が形成されている。また、その一方の端部には、ドライバ受け201bが形成されており、ドライバによる締め付け等が可能になっている。さらに、他方の端部には図示しない凹凸が形成されている。
【0027】
外側部207には、同図に表したように、内側部204が挿入できる穴205が形成されており、穴205に、内側部204が挿入されている。
【0028】
外側部207には、さらに、同図に表したように、ねじ200aを挿入できるねじ受け203aと、ねじ200bを挿入できるねじ受け203bと、が形成されている。ねじ受け203a及び203bの内側面には、ねじ200a及び200bの側面に形成されたねじ山を収納できるねじ溝が形成されている。
【0029】
内側部204の側面208には図示しない凹凸が形成されている。
【0030】
上記構造により、内側部204が外側部207からはみ出すはみ出し高さ210を調整し、ねじ201a及びねじ201bをドライバで締め付けることにより、そのはみ出し高さ210を維持したまま、内側部204を外側部207に固定することができる。前述のように、ねじ200a及び200bの、締め付けにより接触する、内側部204の側面208、に接触する端部、及び、側面208には図示しない凹凸が形成されている。これらの凹凸は、ねじ200a及びねじ200bの締め付けにより互いに噛み合うことになる。そのため、締め付けられた状態では、内側部204は外側部207に固定される。
【0031】
図4は、ずれ防止部を追加した挟持器具の構成を表す概念図である。また、
図5は、
図4に表した構成を分解した場合を想定した概念図である。両図において、(a)は側面図であり、(b)は(a)に表した矢印016の方向を見たことを想定した場合の図、(c)は、(a)に表した矢印015の方向を見た場合を想定した上面図である。
【0032】
両図においては、
図1に表した挟持器具020の構成のうち、調整部004と第二挟持部材005は省略した構成を表してある。
【0033】
図4に表した構成は、第一挟持部材001の第一挟持部006が、所定の回転軸の周りに正確に回転移動することを規定するためのずれ防止部040を備える。
【0034】
ずれ防止部040は、
図5に表したように、ずれ防止部材040a、040b、040cと、芯050とを備える。ずれ防止部材040aと040cは第一挟持部材001に固定されている。ずれ防止部材040bは被保持部003に固定されている。ずれ防止部材040a、040b及び040cはいずれも略円柱状であり、それらの円形平面の略中心部には、芯050を挿入できる穴が形成されている。芯050は細長い略円柱状の部材である。芯050は、ずれ防止部材040a、040b及び040cの前記穴に挿入されている。
【0035】
上記構成により、第一挟持部材001と被保持部003は、芯050を回転中心とした回転を行うことになる。そのため、第一挟持部006と図示しない他の端部とにより物を挟持する場合に、挟持するためにその物に加えられる挟持力の方向が一定になる。従い、挟持動作が安定し、挟持した対象物が外れにくくなる。
【0036】
図6は、第一挟持部材001の第一挟持部006近傍に、挟持補助部材070を設けた構成例である。挟持する際に挟持対象物に接することが想定される箇所近傍に挟持補助部材070を設ける。挟持補助部材070は、ゴム等の滑りにくい素材や、表面に凹凸を設けた部材を用いることにより、挟持を容易にし、また、挟持した物を滑りにくくするための部材である。また、図示はしないが、
図1に表した第二挟持部材005の第二挟持部007における、挟持により挟持対象物と接触することが想定される近傍にも、同様の、挟持補助部材を設けることができる。
[効果]
本実施形態の挟持器具020は、調整部004の高さを調整することにより、第一挟持部材001の第一挟持部006と、第二挟持部材005の第二挟持部007との安定状態における間隔を変えることができる。そのため、より広い範囲の厚みの物を挟持することができる。
<第二実施形態>
本実施形態は、第一挟持部と第二挟持部との距離を段階的に変えることのできる挟持器具に関する実施形態である。
【0037】
図7は、本実施形態の挟持器具030の構成を表す概念図である。また、
図8は、
図7に表した挟持器具030の構成のうち、挟持器具第一部030aの構成を表す概念図である。また、
図9は、
図7に表した挟持器具030の構成のうち、挟持器具第二部030bの構成を表す概念図である。
図7乃至
図9において、(a)は側面図、(b)は各図(a)に表した矢印016の方向を見たことを想定した図、(c)は各図(a)に表した矢印015の方向を見ることを想定した上面図、である。
【0038】
挟持器具030は、挟持器具第一部030aと、挟持器具第二部030bとを備え、挟持器具第一部030aと挟持器具第二部030bとを後述のように組合せ、
図7に表した構成にすることにより、対象物を挟持することができる。
【0039】
図8に表したように、挟持器具第一部030aは、被保持部003と、バネ002a、002b、002cと、第一挟持部材001と、を備える。被保持部003には、バネ002a、002b、002cのそれぞれの一端が固定されており第一挟持部材001には、バネ002a、002b、002cのそれぞれの、被保持部003に固定されていない方の他の一端が固定されている。
【0040】
挟持器具第一部030aとしては、
図4や
図6に表した構成を用いることもできる。
【0041】
図9に表したように、挟持器具第二部030bは、第二挟持部材005と、側部017と、側部018とを備える。
【0042】
側部017は、側板013と、ガイド011a、011b、011c、011d、011e、011fを備える。
【0043】
側板013上には、ガイド011a、011b、011c、011d、011e、011fにより、溝021a、021b、021c、021d、021eが形成されている。各溝には、
図7(b)に表した端部003aが挿入できるように、各ガイドの厚み及び設置位置が定められている。
【0044】
側板014上には、ガイド012a、012b、012c、012d、012e、012fにより、溝022a、022b、022c、022d、022eが形成されている。各溝には、
図7(b)に表した端部003bが挿入できるように、各ガイドの厚み及び設置位置が定められている。
【0045】
図8(b)に表した挟持器具第一部030aの被保持部003の端部003aは、
図9(b)に表した溝021a、021b、021c、021d、021eのいずれか一に挿入される。
【0046】
また、
図8(b)に表した挟持器具第一部030aの被保持部003の端部003bは、
図9(b)に表した溝022a、022b、022c、022d、022eのうちのいずれか一に挿入される。挿入される溝は、端部003aが挿入された溝021a、021b、021c、021d、021eと、第二挟持部005の上面からの高さが等しい溝である。。
【0047】
こうして、
図7に表した挟持器具030が形成される。同図では、同図(b)に表したように、溝021cに端部003aが、溝022cに端部003bが、それぞれ挿入された例を表している。
【0048】
同図に表した挟持器具030は、端部003a及び端部003bを挿入する溝を変更することにより、被保持部003の高さを段階的に変えることができる。それにより、挟持器具030は、第一挟持部006と第二挟持部007との安定状態における間隔を段階的に変更することができる。
【0049】
図10は、挟持器具第二部030bの第一のバリエーションを表す概念図である。同図には、
図9の(b)に相当する方向から見た場合を想定した図を表してある。
【0050】
同図に表した挟持器具第二部030bは、側板013及び014の上部に、上板060を備える。挟持器具第二部030bの側板013及び014は、第二挟持部材005と上板060との両方により固定されることになる。そのため、同図に表した挟持器具第二部030bは強度が向上する。
【0051】
図11は、挟持器具第二部030bの第二のバリエーションを表す概念図である。(a)は側面図、(b)は(a)に表した矢印016の方向を見たことを想定した図、(c)は(a)に表した矢印015の方向を見ることを想定した上面図、である。
【0052】
同図に表した挟持器具第二部030bは、溝021及び022の矢印016に近い部分に、止め部080を備える。
図8に表した被保持部003の端部003a及び003bを、
図11の矢印016bの方向に、溝021及び022のうちの、対応する(第二挟持部材005の上面から等しい高さにある。)いずれかの一対に挿入した場合を想定する。その場合において、止め部080は、被保持部003がその一対の溝を通過して、矢印016に近い方向にはみ出すのを防ぐ働きをする。
【0053】
図12は、挟持器具第二部030bの第三のバリエーションを表す概念図である。(a)は側面図、(b)は(a)に表した矢印016bの方向を見たことを想定した図、(c)は(a)に表した矢印015の方向を見ることを想定した上面図、である。
【0054】
同図に表した挟持器具第二部030bは、溝021及び022の矢印016bに近い部分に、止め部080bを備える。
図8に表した被保持部003の端部003a及び003bを、
図12の矢印016の方向に、溝021及び022のうちの対応する(第二挟持部材005の上面から等しい高さにある。)いずれかの一対に挿入した場合を想定する。その場合において、止め部080bは、被保持部003がその一対の溝を通過して、矢印016bに近い方向にはみ出すのを防ぐ働きをする。
[効果]
本実施形態の挟持器具030は、まず、第一実施形態の挟持器具020と同じ効果を奏し、それに加えて以下に説明する効果を奏する。
【0055】
挟持器具030は、挟持対象物を挟持する第一挟持部006と第二挟持部007との間隔の調整を、被保持部003の端部003a及び003bを挿入する一対の溝を選択し、挿入することにより行う。挟持器具030は、一対の溝を選択し、端部003a及び003bを挿入するだけで前記間隔の調整ができるので、前記間隔の調整が容易である。さらに、選択する一対の溝により、第一挟持部006と第二挟持部007との間隔が正確に決定される。そのため、選択する一対の溝と、第一挟持部006と第二挟持部007との間隔の関係を記録しておくことにより、挟持対象物の厚さに対し適当な端部003aと端部003bとの間隔を、容易に求めることができる。さらに、挟持器具030は、第一挟持部材001とバネ002と被保持部003を備える構成を、前記一対の溝により支えるので、壊れにくい頑丈な構造にすることが容易である。
<第三実施形態>
本実施形態は、挟持した物を設置場所に設置することのできる設置器具に関する実施形態である。
【0056】
本実施形態の設置器具としては、そのままで挟持対象物を設置できる場合には、第一実施形態及び第二実施形態の挟持器具をそのまま用いることもできる。また、第一実施形態及び第二実施形態の挟持器具に、設置のための補助器具を加えて、設置器具として用いることもできる。 補助器具としては例えば以下において説明する補助器具030cxを用いることもできる。
【0057】
図13は、組み立てた状態の、本実施形態の設置器具500を表すイメージ斜視図である。また、
図14は、設置器具500の3つの構成部分である挟持器具第一部030axと、挟持器具第二部030bxと、補助器具030cxを取り外した場合の、設置器具500を表す概念図である。
【0058】
挟持器具第一部030axは、被保持部003と、第一挟持部材001と、ずれ防止部040と、挟持補助部材070と、図示しない3つのバネとを備える。被保持部003と、第一挟持部材001と、図示しない3つのバネについての説明は、
図8における、被保持部003と、第一挟持部材001と、バネ002a、002b、002cについての説明と同じである。また、ずれ防止部040についての説明は、
図4及び
図5におけるずれ防止部040についての説明と同じである。そして、挟持補助部材070についての説明は、
図6における挟持補助部材070についての説明と同じである。
【0059】
挟持器具第二部030bxは、第二挟持部材005と、側部017と、側部018と、上板060とを備える。側部018には溝022が形成されており、側部017の側部018に対向する部分にも同様の図示しない溝が形成されている。また、溝022及び前記図示しない溝の前方端部には止め部080bが形成されている。各構成についての説明は、
図9、
図10及び
図12において説明した通りである。
【0060】
次に、
図13に表した、組み立てた状態の設置器具500を組み立てる方法を、
図14を参照して説明する。
【0061】
まず、溝022のうちの一の溝、及び、その一の溝と第二挟持部材005上面からの高さの等しい017に形成された図示しない溝から構成される、第一の一対の溝を選択する。
【0062】
次に、挟持器具第一部030axを挟持器具第二部030bxに対して矢印016e方向に移動させる。
【0063】
そして、第一の一対の溝に、挟持器具第一部030axの被補助部003の端部003a及び003bを挿入する。その挿入は、端部003a及び003bが止め部080b及び側部017に形成された図示しない同様の止め部に接触するまで行う。
【0064】
次に、溝022の一、及び、その一の溝022と第二挟持部材005からの高さの等しい側部017に形成された図示しない溝の、第二の一対の溝を選択する。
【0065】
そして、補助器具030cxを矢印016eの方向に移動させる。
【0066】
そして、選択した第二の一対の溝に、高さ調整板090の端部090b及び090の図示しないもう一方の端部を挿入する。その挿入は、後板093が挟持器具第二部030bxの後部(矢印016eに近い部分)に接触するまで行う。
【0067】
こうして、
図13に表した、組み立てた状態の設置器具500になる。
【0068】
図15は、補助器具030cxの構成を表す概念図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)に表した矢印016cの方向を見たことを想定した側面図、同図(c)は同図(a)に表した矢印016dの方向に見たことを想定した場合の正面図、である。
【0069】
補助器具030cxは、底板091と、側板092aと、側板092bと、後板093と、高さ調整板090とを備える。それぞれの構成の形状と配置は例えば同図に示した通りである。
【0070】
図16及び
図17は、
図14に表した補助器具030cxと挟持器具第二部030bxとの組み立て例を表わす概念図である。
図16及び
図17においては、
図14に表した挟持器具第一部は省略している。
【0071】
図16に表したように、高さ調整板090の端部090a及び090bを、底板091から高い位置にある溝022xa及び022xbに挿入した場合には、第二挟持部材005下面の底板091上面からの距離094aは短くなる。
【0072】
一方、
図17に表したように、高さ調整板090の端部090a及び090bを、底板091から低い位置にある溝022ya及び022ybに挿入した場合には、第二挟持部材005下面の底板091上面からの距離094aは長くなる。
【0073】
このようして、補助器具030cxと挟持器具第二部030bx(及びそれに組み合わされた挟持器具第一部)との距離は、高さ調整板090を挿入する、挟持器具第二部に形成された溝を変えることにより調整することができる。
【0074】
以降、本実施形態の設置器具500の使用例を、設置対象物をキーボードとした場合を例に説明する。
【0075】
図18は、2個の設置器具500x及び500yを用いて、キーボード100aを立てて設置した例を表わすイメージ図である。
【0076】
キーボード100aの被挟持部130aは、設置器具500xの備える第二挟持部材005xの第二挟持部007xと図示しない第一挟持部材の第一挟持部とにより挟持される。
【0077】
また、キーボード100aの被挟持部130bは、設置器具500yの備える第二挟持部材005yの第二挟持部007yと図示しない第一挟持部材の第一挟持部とにより挟持される。
【0078】
その状態で、設置器具500x及び500yは、それらの背部600x及び600yが設置場所140に接するように設置され、設置器具500x及び500yの設置対象であるキーボード100aは立てて設置される。
【0079】
この際に、設置器具500x及び500yは、第二挟持部材005xと後板093xとの間隔、及び、第二挟持部材005yと後板093yとの間隔を大きくすることにより、キーボード100aを立てて設置した状態での、その設置の安定性が向上する。すなわち、キーボード100aが倒れにくくなる。一方、設置器具500x及び500yは、第二挟持部材005xと後板093xとの間隔、及び、第二挟持部材005yと後板093yとの間隔を小さくすることにより、キーボード100aを立てて設置した状態での、設置面積を小さくすることができる。このように、設置器具500x及び500yは、キーボード100a立てて設置した際の、設置の安定性や設置面積を調整することができる。設置器具500x及び500yは、これらの調整を、第二挟持部材005xと後板093xとの間隔、及び、第二挟持部材005yと後板093yとの間隔を調整することにより、行う。
【0080】
図19は、比較的厚みの厚いキーボードを本実施形態の設置器具で立てずに設置した例を表わすイメージ図である。
【0081】
同図の例では、キーボード100bの比較的厚みの厚い被挟持部130cが、第一挟持部006v及び第二挟持部007vにより挟持された状態で略横向きに設置されている。同図では底板091vの上面と第二挟持部007vの下面とはほぼ接触し、それらの間隔094cがゼロである場合を表している。
【0082】
同図の例では、底板091vの厚み及び第二挟持部007vの厚みの分だけ、被挟持部130cが持ち上げられ、その分設置器具500vを用いない場合より少しだけ立てられた状態で、キーボード100bは設置場所140に設置されている。
【0083】
キーボード100bをさらに立てた状態で設置したい場合には、
図16及び17の説明で述べたような方法により、底板091vの上面と第二挟持部007vの下面の間隔094cを大きくすればよい。
【0084】
図20は、被挟持部の厚みが薄いキーボードを立てずに設置した場合を表すイメージ図である。
【0085】
同図では、キーボード100cの比較的薄い被挟持部130dが、第一挟持部006wと第二挟持部007wとにより挟持されている。同図の例では、底板の上面と第二挟持部007wの下面との間隔094dは
図19に表した間隔094cより長く設定されている。それにより、同図に表したように、100cの後下部700wが設置場所から浮き、設置器具500wを用いない場合より、キーボードが少し立てられた状態で設置場所140上に設置されている。
【0086】
図18乃至
図20を参照して説明したように、本実施形態の設置器具を用いることにより、キーボードを立てて設置することもできるし、キーボードを略横向きに設置して、その設置角度を調節することもできる。
【0087】
キーボードを立てた場合には、キーボードを横向きに設置した場合と比べて、より少ない設置面積に設置することができる。また、キーボード使用時の設置角度は個人による好みがあるが、立てずに設置した場合に設置角度を調整することで、そのような個人の好みに合わせた設置角度による設置を行うことができる。
【0088】
キーボードを立てた状態で設置する際に、その設置をさらに安定なものにするために、例えば、
図21に表したように、安定化部150を設けた設置器具500zとすることもできる。
[効果]
本実施形態の設置器具は、広い範囲の厚みの対象物を挟持した上で、その対象物の姿勢の調節を行うことができる。姿勢の調節は、例えば、対象物である挟持したキーボードを縦方向に設置し、あるいは、横方向に設置する際の設置角度を調節する等である。本実施形態の設置器具は、さらに、その設置した対象物の設置の安定性や、設置面積を調整することができる。
【0089】
なお、
図22は、本発明の最小限の挟持器具800の構成を表す概念図である。
【0090】
挟持器具800は、第一挟持部806と、第二挟持部807と、挟持力発生部803と、調整部804とを備える。
【0091】
第一挟持部及び第二挟持部は、それらの間に挟持する対象物を挟持するためのものである。
【0092】
挟持力発生部803は、前記第一挟持部と前記第二挟持部との間に対象物を挟持するための力である挟持力を発生させる。
【0093】
調整部804は、前記第一挟持部と前記第二挟持部との間隔を調整する。
【0094】
挟持器具800は、上記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
【0095】
以上、好ましい実施形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することができる。
【0096】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
【0097】
(付記A1)
第二挟持部との間に挟持する対象物を挟持するための第一挟持部と、
前記第二挟持部と、
前記第一挟持部と前記第二挟持部との間に前記対象物を挟持するための力である挟持力を発生させる挟持力発生部と、
前記第一挟持部と前記第二挟持部との間隔を調整する調整部と、
を備える、挟持器具。
【0098】
(付記A2)
前記調整部が、前記間隔を段階的に調整する、付記A1に記載された挟持器具。
【0099】
(付記A3)
前記第一挟持部を備える第一挟持部材をさらに備える、付記A1又は付記A2に記載された挟持器具。
【0100】
(付記A4)
前記第二挟持部を備える第二挟持部材をさらに備える、付記A1乃至付記A3のうちのいずれか一に記載された挟持器具。
【0101】
(付記A5)
前記第一挟持部材と接続された前記挟持力発生部に接続され、調整部により保持される、被保持部をさらに備える、付記A1乃至付記A4のうちのいずれか一に記載された挟持器具。
【0102】
(付記A6)
前記調整部が、前記被保持部の少なくとも一部を設置及び除去することのできる複数の被設置部を有し、
前記一部を設置する前記被設置部を選択することにより、前記間隔を調整する、付記A5に記載された挟持器具。
【0103】
(付記A7)
前記調整部が側部を備え、前記被設置部が、前記側部に形成されている、付記A6に記載された挟持器具。
【0104】
(付記A8)
前記調整部が第一の側部と、第二の側部と、を備え、前記被設置部が前記第一の側部及び前記第二の側部に形成されている、付記A7に記載された挟持器具。
【0105】
(付記A9)
前記第一の側部及び第二の側部のそれぞれには複数の被設置部が設けられ、前記第一の側部に形成された被設置部から選択され一の被設置部と前記第二の側部に形成された被設置部から選択された一の被設置部とからなる選択された一対の被設置部に前記少なくとも一部が設置され、その一対の被設置部の選択により前記間隔を調整する、付記A8に記載された挟持器具。
【0106】
(付記A10)
前記被保持部が板であり、前記少なくとも一部が当該板の両端部である、付記8又は付記9に記載された挟持器具。
【0107】
(付記A11)
前記被設置部が前記両端部を挿入しあるいは抜去することのできる溝である、付記10に記載された挟持器具。
【0108】
(付記A12)
前記両端部の設置及び除去を、前記溝の長手方向にスライドさせることにより行うことのできる、付記A11に記載された挟持器具。
【0109】
(付記A13)
前記挟持力発生部がバネを備える、付記A1乃至付記A12のうちのいずれか一に記載された挟持器具。
【0110】
(付記A14)
前記対象物がキーボードである、付記A1乃至付記A13のうちのいずれか一に記載された挟持器具。
【0111】
(付記B1)
付記A1乃至付記A14のうちのいずれか一の挟持器具と、
当該挟持器具が前記対象物を挟持した状態で、前記挟持器具を、前記挟持器具を設置する場所である設置場所上に設置するための補助器具と、を備える設置器具。
【0112】
(付記B2)
前記補助器具が、前記対象物が設置された状態における前記対象物の設置の安定性を調節する、付記B1に記載された設置器具。
【0113】
(付記B3)
前記補助器具が、前記対象物が設置された状態における前記対象物の設置の設置面積を調節する、付記B1又は付記B2に記載された設置器具。
【0114】
(付記B4)
前記補助器具が、前記対象物が設置された状態における前記対象物の姿勢を調節する、付記B1乃至付記B3のうちのいずれか一に記載された設置器具。