【文献】
TURECEK PETER L,STRUCTURE AND FUNCTION OF A RECOMBINANT VON WILLEBRAND FACTOR DRUG CANDIDATE,SEMINARS IN THROMBOSIS AND HEMOSTASIS,2010年 7月 1日,V36 N5,P510-521
【文献】
FISHER, Bernhard E. et al.,Effect of multimerization of human and recombinant von Willebrand factor on platelet aggregation, bi,Thrombosisi Research,1996年,Vol.84, No.1,p.55-66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フォンウィルブランド病を治療する方法に使用するための、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)および組換え第VIII因子(rFVIII)を含む組成物であって、前記rVWFが、少なくとも40%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む高分子量のVWF多量体組成物であり、前記rVWFが、フーリン(Furin)での処理によってインビトロで成熟され、対象に投与されるrFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率が、2:1〜1:4であり、前記組成物が、血漿由来フォンウィルブランド因子および血漿由来第VIII因子を静脈内投与した対象と比較して、FVIIIの半減期が少なくとも5時間延長されるように、前記対象に静脈内投与されることを特徴とし、かつ前記rVWFおよびrFVIIIが、初回投与において一緒に投与され、その後のrVWFによる再投与が単独で行われる、前記組成物。
前記高分子量のVWF多量体組成物が、少なくとも50%のVWF十量体またはより高次の多量体を含み、より好ましくは少なくとも60%のVWF十量体またはより高次の多量体を含み、最も好ましくは少なくとも70%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、請求項1または2に記載の組成物。
1投与量当たり1.0IU/kgのVWF:RCo〜150IU/kgのVWF:RCoが対象に投与され、好ましくは1投与量当たり2IU/kgのVWF:RCo〜50IU/kgのVWF:RCoが対象に投与され、より好ましくは1投与量当たり5IU/kgのVWF:RCo〜40IU/kgのVWF:RCoが対象に投与され、最も好ましくは1投与量当たり10IU/kgのVWF:RCo〜20IU/kgのVWF:RCoが対象に投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
前記rVWFが、1日1回を超えない頻度、1日おきに1回を超えない頻度、2日おきに1回を超えない頻度、3日おきに1回を超えない頻度、4日おきに1回を超えない頻度、週に2回を超えない頻度、週に1回を超えない頻度、隔週1回を超えない頻度、または1ヶ月に1回を超えない頻度で投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
前記rVWFが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞培養物)における発現を介して産生され、好ましくは前記rFVIIIおよびrVWFが、同一の細胞培養物における発現を介して産生される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
前記rVWFが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞培養物)における発現を介して産生され、好ましくは前記rFVIIIおよびrVWFが、同一の細胞培養物における発現を介して産生される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を、単独で、または組換え第VIII因子(rFVIII)と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することによって凝固疾患を治療するための方法および組み合わせを提供し、その結果、第VIII因子のインビボ半減期が増加する。
【0007】
一態様において、本発明は、治療を必要とする対象におけるフォンウィルブランド病または血友病Aを治療するための方法であって、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象と比較して、第VIII因子の半減期が延長されるように、該対象に組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含む方法を提供し、ここで該rVWFは、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物であり、該rVWFは、血漿由来フォンウィルブランド因子よりも高い比活性を有する。
【0008】
さらなる実施形態において、かつ上述に従って、本発明の方法は、対象に、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)および組換え第VIII因子(rFVIII)を同時投与する段階を含む。
【0009】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFおよびrFVIIIは、単一組成物中で一緒に投与される。
【0010】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり1.0IU/kgのVWF:RCo〜150IU/kgのVWF:RCoが投与される。
【0011】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり2IU/kgのVWF:RCo〜50IU/kgのVWF:RCoが投与される。
【0012】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり5IU/kgのVWF:RCo〜40IU/kgのVWF:RCoが投与される。
【0013】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり10IU/kgのVWF:RCo〜20IU/kgのVWF:RCoが投与される。
【0014】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、本発明の方法で使用されるrVWFは、フーリン(Furin)での処理によってインビトロで成熟する。
【0015】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞培養物)における発現を介して産生される。
【0016】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIIIおよびrVWFは、同一の細胞培養物における発現を介して産生される。
【0017】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、rVWFが1日おきに1回を超えない頻度で投与される。
【0018】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、rVWFが週に2回を超えない頻度で投与される。
【0019】
さらなる態様において、かつ上述のいずれかに従って、高分子量のVWF多量体組成物は、投与後少なくとも3時間、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を維持する。
【0020】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、第VIII因子の半減期は、約5時間延長される。
【0021】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、第VIII因子の半減期は、少なくとも12時間延長される。
【0022】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、第VIII因子の半減期は、少なくとも24時間延長される。
【0023】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、第VIII因子の半減期は、少なくとも36時間延長される。
【0024】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、第VIII因子の半減期は、少なくとも48時間延長される。
【0025】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、第VIII因子の半減期は、少なくとも72時間延長される。
【0026】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:4である。
【0027】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜1:3である。
【0028】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、1:1〜1:2である。
【0029】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、23、対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、約3:4である。
【0030】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFは、約20〜150mU/μgの比活性を有する。
【0031】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも30%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む。
【0032】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも40%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む。
【0033】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも50%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む。
【0034】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも60%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む。
【0035】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも70%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む。
【0036】
さらなる態様において、かつ上述のいずれかに従って、本発明は、治療を必要とする対象における血友病Aまたはフォンウィルブランド病を治療するための方法であって、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象と比較して、第VIII因子の半減期が延長されるように、該対象に組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含む方法を提供し、ここで(a)rVWFは、血漿由来フォンウィルブランド因子よりも高い比活性を有し、rVWFの比活性は、約20〜150mU/μgであり、かつ(b)FVIIIの半減期は、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象におけるFVIIIの半減期と比較して、少なくとも1.5倍高い。
【0037】
さらなる態様において、かつ上述のいずれかに従って、本発明は、治療を必要とする対象における血友病Aまたはフォンウィルブランド病を治療するための方法であって、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象と比較して、第VIII因子の半減期が延長されるように、該対象に組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含む方法を提供し、ここで(a)rVWFは、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物であり、(b)rVWFは、血漿由来フォンウィルブランド因子よりも高い比活性を有し、rVWFの比活性は、少なくとも約20〜150mU/μgであり、かつ(c)FVIIIの半減期は、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象におけるFVIIIの半減期と比較して、少なくとも1.5倍高い。
【0038】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFの投与から24時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも90%である。
【0039】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から24時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも100%である。
【0040】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から36時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも80%である。
【0041】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から48時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも50%である。
【0042】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも6時間安定している。
【0043】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも12時間安定している。
【0044】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも18時間安定している。
【0045】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも24時間安定している。
【0046】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも36時間安定している。
【0047】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも48時間安定している。
【0048】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも72時間安定している。
【0049】
さらなる態様において、かつ上述のいずれかに従って、本発明は、対象に、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含む、治療を必要とする対象における血友病Aまたはフォンウィルブランド病を治療するための方法を提供する。
【0050】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、本発明は、対象に、組換え第VIII因子(rFVIII)および組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を同時投与する段階を含む。
【0051】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIIIおよびrVWFは、単一組成物中で一緒に投与される。
【0052】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:4である。
【0053】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜1:3である。
【0054】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、1:1〜1:2である。
【0055】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、約3:4である。
【0056】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFは、フーリンでの処理によってインビトロで成熟する。
【0057】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFは、哺乳動物細胞培養物において発現される。
【0058】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIIIは、哺乳動物細胞培養物において発現される。
【0059】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、哺乳動物培養物は、CHO細胞を含む。
【0060】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIIIおよびrVWFは、同一の培養物において共発現される。
【0061】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIIIおよびrVWFは、同時精製される。
【0062】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIIIおよびrVWFは、別々に精製される。
【0063】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rFVIII/rVWF複合体は、投与前に再構成される。
【0064】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWFは、rFVIII/rVWF複合体を再構成する前に、フーリンで処理される。
【0065】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、再構成rFVIII/rVWF複合体は、フーリンで処理される。
【0066】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、フーリンは、組換えフーリンである。
【0067】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、rVWFが1日1回を超えない頻度で投与される。
【0068】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、rVWFが1日おきに1回を超えない頻度で投与される。
【0069】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、rVWFが2日おきに1回を超えない頻度で同時投与される。
【0070】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、rVWFが3日おきに1回を超えない頻度で投与される。
【0071】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり1.5IU/kgのFVIII:C〜150IU/kgのFVIII:Cが投与される。
【0072】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり10IU/kgのFVIII:C〜100IU/kgのFVIII:Cが投与される。
【0073】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり25IU/kgのFVIII:C〜75IU/kgのFVIII:Cが投与される。
【0074】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に、1投与量当たり40IU/kgのFVIII:C〜60IU/kgのFVIII:Cが投与される。
【0075】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から24時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも90%である。
【0076】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から24時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも100%である。
【0077】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から36時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも80%である。
【0078】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、投与から48時間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)のレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性のレベルの少なくとも50%である。
【0079】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrVWFは、少なくとも10%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物を有する。
【0080】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrVWFは、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物を有する。
【0081】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrVWFは、少なくとも30%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物を有する。
【0082】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrVWFは、少なくとも40%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物を有する。
【0083】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrVWFは、少なくとも50%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物を有する。
【0084】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも3時間インビトロで安定している。
【0085】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも6時間インビトロで安定している。
【0086】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも12時間インビトロで安定している。
【0087】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも18時間インビトロで安定している。
【0088】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも24時間インビトロで安定している。
【0089】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも36時間インビトロで安定している。
【0090】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも48時間インビトロで安定している。
【0091】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも72時間インビトロで安定している。
【0092】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、内因性FVIII活性は、少なくとも12時間安定化される。
【0093】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、内因性FVIII活性は、少なくとも24時間安定化される。
【0094】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、内因性FVIII活性は、少なくとも36時間安定化される。
【0095】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、内因性FVIII活性は、少なくとも48時間安定化される。
【0096】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、内因性FVIII活性は、少なくとも72時間安定化される。
【0097】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、同時投与されたrFVIIIの活性は、少なくとも12時間安定化される。
【0098】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、同時投与されたrFVIIIの活性は、少なくとも24時間安定化される。
【0099】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、同時投与されたrFVIIIの活性は、少なくとも36時間安定化される。
【0100】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、同時投与されたrFVIIIの活性は、少なくとも48時間安定化される。
【0101】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、同時投与されたrFVIIIの活性は、少なくとも72時間安定化される。
【0102】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、同時投与されたrFVIIIの活性は、インビボでのrFVIIIの半減期を延長することによって安定化される。
【0103】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、FVIIIの半減期は、pdFVIIIを投与した患者と比較して、約5時間延長される。
【0104】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、少なくとも1%の同時投与されたrFVIIIの活性は、該rFVIIIを投与した患者において、少なくとも36時間維持される。
【0105】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、少なくとも1%の同時投与されたrFVIIIの活性は、該rFVIIIを投与した患者において、少なくとも48時間維持される。
【0106】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、少なくとも1%の同時投与されたrFVIIIの活性は、該rFVIIIを投与した患者において、少なくとも72時間維持される。
【0107】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、少なくとも1%の同時投与されたrFVIIIの活性は、該rFVIIIを投与した患者において、少なくとも90時間維持される。
【0108】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、少なくとも1%の同時投与されたrFVIIIの活性は、該rFVIIIを投与した患者において、少なくとも120時間維持される。
【0109】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、少なくとも1%の同時投与されたrFVIIIの活性は、該rFVIIIを投与した患者において、少なくとも168時間維持される。
[本発明1001]
それを必要とする対象におけるフォンウィルブランド病または血友病Aを治療するための方法であって、
血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象と比較して、第VIII因子の半減期が延長されるように、前記対象に組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含み、前記rVWFは、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物であり、かつ前記rVWFは、血漿由来フォンウィルブランド因子よりも高い比活性を有する、方法。
[本発明1002]
前記対象に、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)および組換え第VIII因子(rFVIII)を同時投与する段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記rVWFおよびrFVIIIは、単一組成物中で一緒に投与される、本発明1002の方法。
[本発明1004]
前記対象に、1投与量当たり1.0IU/kgのVWF:RCo〜150IU/kgのVWF:RCoが投与される、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
前記対象に、1投与量当たり2IU/kgのVWF:RCo〜50IU/kgのVWF:RCoが投与される、本発明1004の方法。
[本発明1006]
前記対象に、1投与量当たり5IU/kgのVWF:RCo〜40IU/kgのVWF:RCoが投与される、本発明1004の方法。
[本発明1007]
前記対象に、1投与量当たり10IU/kgのVWF:RCo〜20IU/kgのVWF:RCoが投与される、本発明1004の方法。
[本発明1008]
前記rVWFは、フーリン(Furin)での処理によってインビトロで成熟する、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
前記rVWFは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞培養物)における発現を介して産生される、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記rFVIIIおよびrVWFは、同一の細胞培養物における発現を介して産生される、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記対象に、rVWFが1日おきに1回を超えない頻度で投与される、本発明1001〜1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記対象に、rVWFが週に2回を超えない頻度で投与される、本発明1011の方法。
[本発明1013]
前記高分子量のVWF多量体組成物は、投与後少なくとも3時間、前記少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を維持する、本発明1001〜1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記第VIII因子の半減期は、少なくとも5時間延長される、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記第VIII因子の半減期は、少なくとも12時間延長される、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記第VIII因子の半減期は、少なくとも24時間延長される、本発明1014の方法。
[本発明1017]
前記第VIII因子の半減期は、少なくとも36時間延長される、本発明1014の方法。
[本発明1018]
前記第VIII因子の半減期は、少なくとも48時間または72時間延長される、本発明1014の方法。
[本発明1019]
前記対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:4である、本発明1002〜1018の方法。
[本発明1020]
前記対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜1:3である、本発明1019の方法。
[本発明1021]
前記対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、1:1〜1:2である、本発明1019の方法。
[本発明1022]
前記対象に投与されるFVIII凝固促進活性(IU FVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、約3:4である、本発明1019の方法。
[本発明1023]
前記rVWFは、約20〜150mU/μgの比活性を有する、本発明1001〜1022の方法。
[本発明1024]
前記高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも30%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、本発明1001〜1023の方法。
[本発明1025]
前記高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも40%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、本発明1001〜1024の方法。
[本発明1026]
前記高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも50%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、本発明1001〜1025の方法。
[本発明1027]
前記高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも60%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、本発明1001〜1026の方法。
[本発明1028]
前記高分子量のVWF多量体組成物は、少なくとも70%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、本発明1001〜1027の方法。
[本発明1029]
それを必要とする対象における血友病Aまたはフォンウィルブランド病を治療するための方法であって、
血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象と比較して、第VIII因子の半減期が延長されるように、前記対象に組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含み、
(a)前記rVWFは、血漿由来フォンウィルブランド因子よりも高い比活性を有し、前記rVWFの比活性は、約20〜150mU/μgであり、かつ
(b)前記FVIIIの半減期は、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象におけるFVIIIの半減期と比較して、少なくとも1.5倍高い、方法。
[本発明1030]
それを必要とする対象における血友病Aまたはフォンウィルブランド病を治療するための方法であって、
血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象と比較して、第VIII因子の半減期が延長されるように、前記対象に組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を投与する段階を含み、
(a)前記rVWFは、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む高分子量のVWF多量体組成物であり、
(b)前記rVWFは、血漿由来フォンウィルブランド因子よりも高い比活性を有し、前記rVWFの比活性は、少なくとも約20〜150mU/μgであり、かつ
(c)前記FVIIIの半減期は、血漿由来フォンウィルブランド因子を投与した対象におけるFVIIIの半減期と比較して、少なくとも1.5倍高い、方法。
[本発明1031]
3型フォンウィルブランド病を治療するための方法である、本発明1001〜1030の方法。
【発明を実施するための形態】
【0111】
概要
本発明は、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を、単独で、または第VIII因子(組換えであるか、または血漿由来であり得る)と組み合わせて投与することによって、対象における凝固疾患を治療するための組成物および方法を提供する。幾つかの態様において、本発明の組成物および方法は、フォンウィルブランド病(VWD)または血友病A等の凝固疾患を治療するために使用される。
【0112】
一態様において、対象に投与されるrVWFは、投与される血漿由来VWFによるFVIIIの安定性と比較して、インビボでの第VIII因子(FVIII)活性に関して増大した安定性を提供し、凝固疾患のための従来の治療よりもより低い用量および/または治療頻度を可能にする。FVIII活性の安定性およびFVIIIレベルの増大は、標準的アッセイ、例えば、一段階凝固アッセイ、色素基質アッセイ、およびイムノアッセイ等を含む、当技術分野で公知であり、本明細書に記載される方法を用いて測定することができる(例えば、Lippi et al.,Blood Coagulation&Fibrinolysis,2009,20(1):1−3およびChandler et al.,Am J.Clin.Pathol.,2003,120:34−39を参照されたく、これらのそれぞれは、あらゆる目的のために、具体的には、FVIIIレベルおよび活性のアッセイに関連するあらゆる教示のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)。
図20に示されるように、rVWFにより、pdVWFを受容する患者における半減期に比べ、FVIIIの平均半減期が5.2時間以上増加した。
図2および7はまた、pdVWFを投与した患者と比較して、rVWFを投与した患者におけるFVIII活性の増大も示す。
図2は、rVWFを投与した患者については、pdVWFを投与した患者と比較して、FVIIIの平均半減期が、4.7時間増加したことを示し、
図7中のコホート4Aからのデータは、rVWFを投与した患者については、pdVWFを投与した患者と比較して、5.3時間のFVIII半減期の増加を示す。加えて、
図21に示されるように、血漿FVIIIの半減期は、FVIII(すなわち、Advate)のみを受容する患者と比較して、rFVIIIと組み合わせてrVWFを受容するVWD患者において12.27時間増加する。
【0113】
さらなる態様において、rVWFの投与は、内因性および/または同時投与されたFVIII活性を安定化させ、その結果、FVIIIのインビボ半減期および/または活性が増加する。rVWFおよびFVIIIが同時投与される実施形態において、rVWFおよびFVIIIは、対象に、単一組成物中で一緒に投与することができる。さらなる実施形態において、rVWFまたはFVIIIはいずれも水溶性ポリマーで修飾されない。他の実施形態において、rVWFもしくはFVIIIのいずれか、またはその両方とも、水溶性ポリマーで修飾される。rVWFがFVIIIと同時投与される実施形態において理解されるように、FVIIIは、組換えであっても、血漿由来であってもよい。
【0114】
さらなる態様において、かつ上述のいずれかに従って、対象に投与されるrVWFは、rVWFの十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量の多量体組成物である。上で論じられるように、本発明のrVWF組成物の使用は、FVIII(組換えまたは血漿由来)を用いるかまたは用いない投与(または再投与)について治療の柔軟性を提供する。さらなる実施形態において、対象に投与されるrVWFは、少なくとも20%のVWF十量体またはより高次の多量体を含む、高分子量のVWF多量体組成物である。特定の実施形態において、対象に投与されるrVWFは、水溶性ポリマーで修飾されない。
【0115】
なおさらなる態様において、対象に投与されるrVWFは、pdVWFよりも高い比活性を有する。
【0116】
なおさらなる態様において、rVWFは、単独で、またはpdFVIIIもしくはrFVIIIと組み合わせて、対象に、週に2回を超えない頻度で投与される。
【0117】
なおさらなる態様において、rVWFは、対象に投与される前にフーリンで処理される。ある特定の実施形態において、rVWFは、組換えフーリンで処理される。
【0118】
さらなる態様において、本発明で用いるrVWFは、当技術分野で公知の方法、ならびに例えば、2011年7月8日に出願された米国特許出願公開第2012/0035110号および2012年5月8日に発行された米国特許第8,173,597号に記載される方法に従って産生され、これらのそれぞれは、あらゆる目的のために、具体的には、rVWF組成物およびこれらの組成物を産生するための方法に関連するあらゆる教示のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
上述のいずれかに従って、rVWFは、単独でまたはFVIIIと組み合わせて、VWDおよび血友病A等の凝固疾患に罹患している患者を治療するために使用される。VWDに罹患している患者は、あるレベルのFVIIIを有するが、これらの患者はVWFを欠くため、そのFVIIIの安定性は、概して損なわれる。幾つかの実施形態において、VWD患者の治療は、rVWFおよびrFVIIIの両方による初回治療、続いて、単独でrVWFの反復投与を含み得る。他の実施形態において、初回治療は、rVWFのみによるものであり得るが、その後の反復投与は、rVWFおよびrFVIIIの両方を用いたものである、または初回もしくはその後の反復投与はすべて、rVWFおよびrFVIIIの両方の同時投与を含み得る。同様に、血友病A患者(FVIIIを欠いている)は、rVWFおよびrFVIIIの両方の初回治療を受けてもよく、その後の反復治療は、rFVIIIのみまたはrVWFのみの投与を含んでもよい。他の実施形態において、初回治療は、rFVIIIのみであってもよいが、その後の反復治療は、rVWFおよびrFVIIIの同時投与を含む。
【0120】
定義
本明細書で使用される、「rVWF」は、組換えVWFを指す。
【0121】
本明細書で使用される、「rFVIII」は、組換えFVIIIを指す。
【0122】
例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用される場合の「組換え」という用語は、その細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが異種核酸もしくはタンパク質の導入、またはネイティブ核酸もしくはタンパク質の変化によって修飾されることを示すか、またはその細胞がそのように修飾された細胞に由来するものであることを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、ネイティブ(非組換え)の形態の細胞内では見られない遺伝子を発現するか、あるいは、異常発現されたネイティブ遺伝子もしくは過小発現されたネイティブ遺伝子を発現するか、またはネイティブ遺伝子を全く発現しない。
【0123】
本明細書で使用される、「組換えVWF」は、組換えDNA技術によって得られたVWFを含む。ある特定の実施形態において、本発明のVWFタンパク質は、例えば、1986年10月23日に公開された国際公開第1986/06096号、およびGinsburgらの名において、1990年7月23日に出願された米国特許出願第07/559,509号(組換えVWFの産生方法に関して参照によって本明細書に組み込まれる)等におけるように調製された構築体を含むことができる。本発明のVWFは、単量体および多量体の形態を含むすべての可能な形態を含むことができる。本発明は、組み合わせに使用されるべきVWFの異なる形態を包含することも理解されるべきである。例えば、本発明のVWFは、異なる多量体、異なる誘導体、ならびに生物学的に活性な誘導体および生物学的に活性でない誘導体の両方を含み得る。
【0124】
本発明の文脈において、組換えVWFは、例えば、霊長類、ヒト、サル、ウサギ、ブタ、齧歯動物、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、犬科動物、猫科動物等の哺乳動物、およびその生物学的に活性な誘導体からのVWFファミリーのいかなるメンバーをも包含する。また、VWFタンパク質の機能的断片および融合タンパク質であるような、活性を有する突然変異体および変異体VWFタンパク質も包含する。さらに、本発明のVWFは、精製、検出、またはその両方を促進するタグをさらに含み得る。本明細書に記載されるVWFは、治療用部分、またはインビトロもしくはインビボで画像化するのに好適な部分でさらに修飾され得る。
【0125】
本明細書で使用される「血漿由来VWF(pdVWF)」は、少なくとも1つのFVIII分子をインビボで安定化させる、例えば、この分子と結合するという特性を有する、哺乳動物から得られた成熟VWFを含む血液中に見られるタンパク質のすべての形態を含む。
【0126】
「高度に多量体形成したVWF」または「高分子量のVWF」という用語は、少なくとも10個のサブユニット、または12、14、もしくは16個のサブユニットから約20、22、24、もしくは26個もしくはそれ以上のサブユニットを含むVWFを指す。「サブユニット」という用語は、VWFの単量体を指す。当技術分野で公知であるように、それは、通常、重合してより高次の多量体を形成する、VWFの二量体である(Turecek et al.,Semin.Thromb.Hemost.2010,36(5):510−521を参照されたく、これはあらゆる目的のために、具体的には、VWFの多量体分析に関するあらゆる教示のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0127】
本明細書で使用される、「第VIII因子」または「FVIII」という用語は、患者に対して内因性であるか、血漿由来であるか、または組換えDNA技術の使用を通して産生されたかどうかにかかわらず、血液凝固第VIII因子の典型的な特徴を有する第VIII因子分子のあらゆる形態を指し、これには第VIII因子のすべての修飾された形態が含まれる。第VIII因子(FVIII)は、天然におよび治療用調製物中に、単一遺伝子産物から生じるポリペプチドの不均一な分布として存在する(例えば、Andersson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:2979−2983(1986)を参照のこと)。第VIII因子を含有する市販の治療用調製物の例には、HEMOFIL M、ADVATE、およびRECOMBINATE(Baxter Healthcare Corporation,Deerfield,Ill.,U.S.A.から入手可能)の商標名で販売されているものを含む。
【0128】
本明細書で使用される、「血漿FVIII活性」および「インビボでのFVIII活性」は、相互交換可能に使用される。標準的アッセイを用いて測定されるインビボでのFVIII活性は、内因性FVIII活性、治療的に投与されたFVIII(組換えもしくは血漿由来)活性、または内因性および投与されたFVIII活性の両方であり得る。同様に、「血漿FVIII」は、内因性FVIIIまたは投与された組換えもしくは血漿由来FVIIIを指す。
【0129】
本明細書で使用される、「フォンウィルブランド病」は、フォンウィルブランド因子の欠乏によって生じる疾患群を指す。フォンウィルブランド因子は、正常な血液凝固に必要である、血小板が凝集しかつ血液壁に粘着するのを助長する。本明細書にさらに詳述されるように、数種類のフォンウィルブランド病がある。
【0130】
本明細書で使用される、「血友病(hemophilia)」または「血友病(haemophilia)」という用語は、血液の凝固(clotting)または凝固(coagulation)の減少によって広く特徴付けられる病態群を指す。血友病は、A型、B型、またはC型血友病、または3つすべての疾患型の複合型を指し得る。A型血友病(血友病A)は、第VIII因子(FVIII)活性の減少または損失により引き起こされ、血友病サブタイプのうちで最も顕著なものである。B型血友病(血友病B)は、第IX因子(FIX)凝固機能の損失または減少によって起こる。C型血友病(血友病C)は、第XI因子(FXI)凝固活性の損失または減少の結果である。血友病AおよびBは、X連鎖疾患であるが、血友病Cは、常染色体疾患である。血友病の一般的な治療は、Bebulin(登録商標)VH、およびFXIを含むFVIII、FIX等の凝固因子、ならびにFEIBA−VH、デスモプレシンの予防的およびオンデマンド投与の両方、および血漿注入を含む。
【0131】
「単離された」、「精製された」、または「生物学的に純粋な」という用語は、ネイティブな状態において見られるような通常それに付随する成分を、実質的にまたは本質的に含まない物質を指す。純度および均質性は、一般的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高性能液体クロマトグラフィー等の分析化学技術を使用して決定される。調製物に存在する優勢種であるVWFが、実質的に精製される。幾つかの実施形態において、「精製された」という用語は、核酸またはタンパク質が、電気泳動ゲルにおいて本質的に1つのバンドを生じることを示す。他の実施形態において、核酸またはタンパク質は、少なくとも純度50%、より好ましくは、少なくとも純度60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上であることを意味する。他の実施形態において、「精製する」または「精製」は、精製されるべき組成物から少なくとも1つの不純物を除去することを意味する。この意味において、精製は、精製された化合物が均質、例えば、純度100%であることを必要としない。
【0132】
本明細書で使用される、「投与」(およびすべての文法的等価語)は、対象への静脈投与、皮下投与、経口投与、坐剤としての投与、局所接触、腹腔内、病巣内、もしくは鼻腔内投与、または徐放デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプの埋め込みを含む。投与は、非経口、および経粘膜(例えば、経口、経鼻、経膣、経直腸、または経皮)を含む任意の経路によるものである。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内を含む。別の送達様式としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチ等の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
「治療上有効な量もしくは用量」または「治療的に十分な量もしくは用量」または「有効なもしくは十分な量もしくは用量」という用語は、投与目的の治療効果を生じさせる用量を指す。例えば、血友病を治療するのに有用である治療上有効な量の薬物は、血友病と関連する1つ以上の症状を予防または緩和することができる量であり得る。正確な用量は、治療の目的に依存し、既知の技術を使用することで当業者によって確認されよう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999)、Pickar,Dosage Calculations(1999)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照のこと)。
【0134】
本明細書で使用される、「患者」および「対象」という用語は、相互交換可能に使用され、疾患を有する、または疾患に罹患する可能性を有する哺乳動物(好ましくはヒト)を指す。
【0135】
本明細書で使用される、「約」という用語は、指定された値のプラスまたはマイナス10%のおよその範囲を示す。例えば、「約20%」という用語は、18〜22%の範囲を包含する。
【0136】
本明細書で使用される、「半減期」という用語は、減衰中の物質の量が半分に減少するのに(またはサンプルからもしくは患者からのクリアランスに)要する期間を指す。
【0137】
本発明の組成物
本発明は、VWDおよび血友病A等の凝固疾患の治療のために組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)を含む組成物を利用する。幾つかの実施形態において、本発明は、第VIII因子(FVIII)と組み合わせてrVWFを利用する。同時投与されるFVIIIは、組換え(rFVIII)または血漿由来(pdFVIII)であり得る。好ましい態様において、本発明の組成物は、第VIII因子のインビボ半減期が、rVWFを投与されなかった対象またはpdVWFを投与された対象におけるものと比較して延長されるように、インビボでの第VIII因子活性(本明細書では、血漿第VIII因子活性とも称される)を安定化させる。rVWFがFVIII活性を安定化させる程度(FVIII半減期の延長を含む)の測定は、当技術分野で公知の方法を用いて行うことができる。FVIII活性レベルは、例えば、一段階凝固アッセイ、色素基質アッセイ、およびイムノアッセイによって測定することができる(例えば、Lippi et al.,Blood Coagulation & Fibrinolysis,2009,20(1):1−3,European Pharmacopoeia(Ph.Eur.,3.sup.rd Ed.1997:2.7.4)、およびChandler et al.,Am J.Clin.Pathol.,2003,120:34−39を参照されたく、これらのそれぞれは、あらゆる目的のために、具体的には、FVIIIレベルおよび活性のアッセイに関連するすべての教示のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0138】
ある特定の実施形態において、本発明のVWFタンパク質は、例えば、1986年10月23日に公開された国際公開第1986/06096号、およびGinsburgらの名において、1990年7月23日に出願された米国特許出願第07/559,509号(組換えVWFの産生方法に関しては参照によって本明細書に組み込まれる)におけるように調製された構築体を含むことができる。本発明に有用なVWFは、単量体および多量体の形態を含むすべての可能な形態を含む。VWFのある特定の有用な形態は、少なくとも2つのVWFのホモ多量体である。VWFタンパク質は、生物学的に活性な誘導体であり得るか、またはFVIIIに対する安定剤として単に使用される場合、VWFは、生物学的に活性でない形態のものであり得る。本発明は、組み合わせに使用されるべきVWFの異なる形態を包含することも理解されるべきである。例えば、本発明に有用な組成物は、異なる多量体、異なる誘導体、ならびに生物学的に活性な誘導体および生物学的に活性でない誘導体の両方を含み得る。
【0139】
一次止血において、VWFは、血小板とコラーゲン等の細胞外マトリックスの特定成分との間の架け橋としての役割を果たす。このプロセスにおけるVWFの生物学的活性は、異なるインビトロアッセイによって測定することができる(Turecek et al.,Semin.Thromb.Hemost.28:149−160,2002)。リストセチン補因子アッセイは、VWFの存在下で、抗生物質リストセチンによって誘導される、新鮮なまたはホルマリン固定された血小板の凝集に基づく。血小板凝集度は、VWF濃度に依存し、比濁法によって、例えば、アグリゴメーターの使用によって測定することができる(Weiss et al.,J.Clin.Invest.52:2708−2716,1973、Macfarlane et al.,Thromb.Diath.Haemorrh.34:306−308,1975)。2つ目の方法は、ELISA技術に基づくコラーゲン結合アッセイである(Brown et Bosak,Thromb.Res.43:303−311,1986、Favaloro,Thromb.Haemost.83:127−135,2000)。マイクロタイタープレートを、IまたはIII型コラーゲンでコーティングする。次いで、VWFをコラーゲン表面に結合させ、その後、酵素標識されたポリクローナル抗体を検出する。最終ステップは、基質反応であり、これはELISAリーダーを用いて光度測定によってモニターすることができる。本明細書に提供されるように、本発明のVWFの特定のリストセチン補因子活性(VWF:RCo)は、概して、インビトロアッセイを用いて測定して、VWF 1μgあたりのmU(mU/μg)を単位として記載される。
【0140】
pdVWFと比べた本発明のrVWF組成物の利点は、rVWFがpdVWFよりも高い比活性を示すことである。幾つかの実施形態において、本発明のrVWFは、少なくとも約20、22.5、25、27.5、30、32.5、35、37.5、40、42.5、45、47.5、50、52.5、55、57.5、60、62.5、65、67.5、70、72.5、75、77.5、80、82.5、85、87.5、90、92.5、95、97.5、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150mU/μg、またはそれより高い比活性を有する。一実施形態において、本明細書に記載される方法に使用されるrVWFは、20mU/μg〜150mU/μgの比活性を有する。別の実施形態において、VWFは、30mU/μg〜120mU/μgの比活性を有する。別の実施形態において、rVWFは、40mU/μg〜90mU/μgの比活性を有する。さらに別の実施形態において、rVWFは、表1中に見られる変形形態1〜133から選択される比活性を有する。
【0141】
(表1)組成物中に見出され、本明細書に提供される方法において使用されるrVWFの比活性に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0142】
本発明のrVWFは、約10〜約40個のサブユニットを含む高度な多量体である。さらなる実施形態において、本発明の方法を用いて産生された多量体rVWFは、約10〜30、12〜28、14〜26、16〜24、18〜22、20〜21個のサブユニットを含む。さらなる実施形態において、rVWFは、大きさが二量体から40個を超えるサブユニット(1000万ダルトンを超える)の多量体に変化する多量体の状態で存在する。最大の多量体は、血小板受容体および内皮細胞下マトリックスの損傷部位の両方と相互に作用することができる複数の結合部位を提供し、VWFの最も止血活性が高い形態である。
図2(下のパネル)中の多量体分析に示されるように、ADAMTS13の適用は、時間が経過すると巨大rVWF多量体を切断するが、産生中(概して、細胞培養物における発現を通して)、本発明のrVWF組成物は、概して、ADAMTS13に曝露されず、その高度な多量体構造を保持する。
【0143】
一実施形態において、本明細書に記載される方法において使用されるrVWF組成物は、オリゴマーの95%が、6個のサブユニットから20個のサブユニットを有することを特徴とするrVWFオリゴマーの分布を有する。他の実施形態において、rVWF組成物は、95%のオリゴマーが、表2中に見られる変形形態458〜641から選択される一連のサブユニットを有することを特徴とするrVWFオリゴマーの分布を有する。
【0144】
(表2)組成物中に見出され、本明細書に提供される方法において使用されるrVWFオリゴマーの分布に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0145】
一実施形態において、rVWF組成物は、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在するrVWF分子のパーセンテージに従って特徴付けることができる。例えば、一実施形態において、本明細書に記載される方法において使用されるrVWF組成物中の少なくとも20%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットのオリゴマー複合体の状態で存在する。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において使用されるrVWF組成物中の少なくとも20%のrVWF分子は、少なくとも12個のサブユニットのオリゴマー複合体の状態で存在する。なお他の実施形態において、本明細書に提供される方法において使用されるrVWF組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体(例えば、少なくともY個のサブユニットの多量体)の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する(例えば、少なくともX%を有する)。
【0146】
(表3)組成物中に見出され、本明細書に提供される方法において使用される特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在するrVWF分子のパーセンテージに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0147】
(表4)組成物中に見出され、本明細書に提供される方法において使用される特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在するrVWF分子のパーセンテージに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0148】
(表5)組成物中に見出され、本明細書に提供される方法において使用される特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在するrVWF分子のパーセンテージに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0149】
上述に従って、対象に投与されたrVWF組成物(FVIIIを伴うかまたは伴わない)は、概して、かなりのパーセンテージの高分子量(HMW)のrVWF多量体を含む。さらなる実施形態において、高分子量のrVWF多量体組成物は、少なくとも10%〜80%のrVWF十量体またはより高次の多量体を含む。さらなる実施形態において、組成物は、約10〜95%、20〜90%、30〜85%、40〜80%、50〜75%、60〜70% の十量体またはより高次の多量体を含む。さらなる実施形態において、高分子量のrVWF多量体組成物は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90% の十量体またはより高次の多量体を含む。
【0150】
rVWF多量体の数およびパーセンテージの評価は、例えば、Cumming et al(J Clin Pathol.1993 May;46(5):470−473、これはあらゆる目的のために、具体的には、VWF多量体の評価に関連するあらゆる教示のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって論じられるような、サイズによってVWF多量体を分離するために電気泳動法およびサイズ排除クロマトグラフィー法を用いる方法等であるが、これに限定されない当技術分野で公知の方法を用いて行うことができる。そのような技術は、免疫ブロット法(ウェスタンブロット等)をさらに含むことができ、ゲルがVWFに対する放射性標識抗体で免疫ブロットされ、それに続き化学発光により検出される(例えば、Wen et al.,(1993),J.Clin.Lab.Anal.,7:317−323を参照されたく、これはあらゆる目的のために、具体的には、VWF多量体の評価に関連するあらゆる教示のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。VWFに対するさらなるアッセイには、VWF:抗原(VWF:Ag)、VWF:リストセチン補因子(VWF:RCof)、およびVWF:コラーゲン結合活性アッセイ(VWF:CBA)が含まれ、これらは、しばしば、フォンウィルブランド病の診断および分類のために使用される(例えば、Favaloro et al.,Pathology,1997,29(4):341−456を参照されたく、これはあらゆる目的のために、具体的には、VWFに対するアッセイに関連するあらゆる教示のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0151】
さらなる実施形態において、本発明のより高次のrVWF多量体は、投与後約1〜約90時間安定している。なおさらなる実施形態において、より高次のrVWF多量体は、投与後約5〜80、10〜70、15〜60、20〜50、25〜40、30〜35時間安定している。なおさらなる実施形態において、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも3、6、12、18、24、36、48、72時間安定している。ある特定の実施形態において、rVWF多量体の安定性は、インビトロで評価される。
【0152】
一実施形態において、本明細書に提供される組成物および方法において使用されるより高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも12時間の半減期を有する。別の実施形態において、より高次のrVWF多量体は、投与後少なくとも24時間の半減期を有する。なお他の実施形態において、より高次のrVWF多量体は、表6中に見られる変形形態642〜1045から選択される半減期を有する。
【0153】
(表6)組成物中に見出され、本明細書に提供される方法において使用されるより高次のrVWF多量体の半減期に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0154】
さらなる態様において、本発明で用いるrVWFは、血漿FVIIIの安定性を増大させ、これは、理解されるように、患者に投与されたpdFVIIまたはrFVIIIを含み得、または、患者に対して内因性であるFVIIIを含み得、またはそのあらゆる組み合わせを含み得る。例えば、
図22に示されるように、血漿FVIIIの半減期は、FVIII(すなわち、Advate)を単独で受容する患者と比較して、rFVIIIと組み合わせてrVWFを受容するVWD患者において増加する。さらなる実施形態において、FVIIIを単独で受容する患者により見られる半減期と比較して、rVWFはFVIIIの半減期を約1.5〜5倍増加させる。なおさらなる実施形態において、rVWFは、FVIIIの半減期を約1.0〜4.5、1.5〜4.0、2.0〜3.5、2.5〜3.0倍増加させる。一実施形態において、rVWFの投与は、表7中に見られる変形形態1046〜1089から選択される量で、血漿由来VWFの投与と比較して、血漿FVIIIの安定性を増大させる。特定の実施形態において、rVWF/FVIII複合体の投与は、表7中に見られる変形形態1046〜1089から選択される量で、血漿由来VWFの投与と比較して、血漿FVIIIの安定性を増大させる。
【0155】
(表7)血漿由来VWFおよび血漿由来VWF/FVIII複合体の投与後と比較して、rVWFおよびrVWF/FVIII複合体の投与後の血漿FVIIIで認められる半減期の増加に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0156】
なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の増加は、rVWFの投与後少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100時間維持される。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の増加は、rVWFの投与後少なくとも5〜125、10〜115、15〜105、20〜95、25〜85、30〜75、35〜65、40〜55時間維持される。
【0157】
一実施形態において、血漿FVIIIの平均滞留時間(MRT)の増加は、rVWFの投与後、表8中に見られる変形形態1090〜1299から選択される時間維持される。特定の実施形態において、血漿FVIIIの半減期の増加は、rVWF/FVIII複合体の投与後、表8中に見られる変形形態1090〜1299から選択される時間維持される。
【0158】
(表8)rVWFおよびrVWF/FVIII複合体の投与後、血漿FVIIIの安定性が維持される時間に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0159】
さらなる態様において、本発明のrVWFは、pdVWFの効果と比較して、FVIIIの安定性に対する増加した効果を示す。例えば、
図20に示されるように、rVWFにより、pdVWFを受容する患者における半減期に比べ、FVIIIの平均半減期が5.2時間以上増加した。さらなる実施形態において、rVWFは、FVIIIの平均半減期を約1〜15、2〜14、3〜13、4〜12、5〜11、6〜10、5〜9、6〜8時間増加させる。なおさらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、FVIIIの半減期を約10%〜約75%増加させる。なおさらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、FVIIIの半減期を約10〜80%、15〜65%、20〜60%、25〜55%、30〜50%、35〜45%増加させる。ある特定の実施形態において、rVWFの投与は、血漿由来VWFの投与と比較して、表9中に見られる変形形態1300〜1643から選択される量で、FVIIIの半減期を増加させる。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の平均またはパーセンテージの増加は、rVWFの投与後少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100時間維持される。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の増加は、rVWFの投与後少なくとも5〜125、10〜115、15〜105、20〜95、25〜85、30〜75、35〜65、40〜55時間維持される。
【0160】
(表9)rVWFおよびrVWF/FVIII複合体の投与後の血漿FVIIIで認められる半減期の増加に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0161】
なおさらなる態様において、かつ上述のいずれかに従って、pdVWFと比較した、rVWFによるFVIII活性の安定化は、FVIII半減期に加えて、平均滞留時間(MRT)および曲線下面積(AUC)を含む、評価指標によって測定することができる。例示的実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、MRTを約1〜15時間増加させる。さらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、MRTを約1〜25、2〜20、3〜15、4〜10、5〜9、6〜8時間増加させる。なおさらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、FVIIIのMRTを約10〜80%、15〜65%、20〜60%、25〜55%、30〜50%、35〜45%増加させる。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の平均またはパーセンテージの増加は、rVWFの投与後少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100時間維持される。ある特定の実施形態において、rVWFの投与は、血漿由来VWFの投与と比較して、表10中に見られる変形形態1644〜1987から選択される量で、FVIIIのMRTを増加させる。
【0162】
なおさらなる実施形態において、MRTの増加は、rVWFの投与後少なくとも5〜125、10〜115、15〜105、20〜95、25〜85、30〜75、35〜65、40〜55時間維持される。ある特定の実施形態において、rVWFの投与によって生じるFVIIIのMRTの増加は、表8中に見られる変形形態1090〜1299から選択される時間維持される。
【0163】
(表10)血漿由来VWFおよび血漿由来VWF/FVIII複合体の投与後と比較して、rVWFおよびrVWF/FVIII複合体の投与後のFVIIIの平均滞留時間の増加に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0164】
pdVWFとrVWFとのさらなる例示的な違いが、以下の表に提供される。
【0165】
幾つかの実施形態において、rFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:1〜1:5である。さらなる実施形態において、この比率は、2:1〜1:4である。なおさらなる実施形態において、この比率は、5:2〜1:4である。さらなる実施形態において、この比率は、3:2〜1:3である。なおさらなる実施形態において、この比率は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、2:1、2:3、2:4、2:5、3:1、3:2、3:4、または3:5である。さらなる実施形態において、この比率は、1:1〜1:2である。なおさらなる実施形態において、この比率は、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、または2:1である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法に有用な組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、表11中に見られる変形形態1988〜2140から選択される。
【0166】
(表11)組成物中でのおよび本明細書に提供される方法において使用されるrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0167】
特定の態様において、本発明に従って使用されるrVWFおよび/またはFVIII(組換えまたは血漿由来)は、いかなる複合体化、翻訳後修飾、または共有結合修飾でも修飾されない。特定の実施形態において、本発明のrVWFおよび/またはFVIIIは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリシアル酸、ヒドロキシルエチルデンプン、ポリ炭水化物部分等を含むが、これらに限定されない、水溶性ポリマーで修飾されない。
【0168】
他の態様において、本発明に従って使用されるrVWFおよび/またはFVIII(組換えまたは血漿由来)は、NもしくはC末端残基の修飾、ならびに選択された側鎖、例えば、遊離スルフヒドリル基、第1級アミン、およびヒドロキシル基での修飾を含む、複合体化、翻訳後修飾、または共有結合修飾を通して修飾される。一実施形態において、水溶性ポリマーが、リジン基または他の第1級アミンによって(直接またはリンカーによって)タンパク質に結合される。一実施形態において、本発明のrVWFおよび/またはFVIIIタンパク質は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリシアル酸、ヒドロキシルエチルデンプン、ポリ炭水化物部分等を含むが、これらに限定されない、水溶性ポリマーとの複合体化によって修飾され得る。
【0169】
rVWFおよび/またはFVIIIを修飾するために使用してもよい水溶性ポリマーには、直鎖および分岐構造が含まれる。複合体化ポリマーは、本発明の凝固タンパク質に直接結合されてもよく、または代替として結合部分を通して結合されてもよい。水溶性ポリマーによるタンパク質複合体化の非限定的な例は、米国特許第4,640,835号、第4,496,689号、第4,301,144号、第4,670,417号、第4,791,192号、および第4,179,337、ならびにAbuchowski and Davis"Enzymes as Drugs,"Holcenberg and Roberts,Eds.,pp.367 383,John Wiley and Sons,New York(1981)、およびHermanson G.,Bioconjugate Techniques 2nd Ed.,Academic Press,Inc.2008において見出され得る。
【0170】
タンパク質複合体化は、当技術分野で多くの公知の技術によって行うことができ、例えば、Hermanson G.,Bioconjugate Techniques 2nd Ed.,Academic Press,Inc.2008を参照されたい。事例には、凝固タンパク質もしくは水溶性ポリマー部分のうちの一方のカルボキシル基と他方のアミン基の間のペプチド結合、または一方のカルボキシル基と他方のヒドロキシル基の間のエステル結合による結合が含まれる。本発明の凝固タンパク質を水溶性ポリマー化合物と複合体化し得る別の結合は、シッフ塩基を介する、過ヨウ素酸塩酸化によりポリマーの非還元末端で形成されるアルデヒド基と反応するポリマー部分の遊離アミノ基間の結合である(Jennings and Lugowski,J.Immunol.1981;127:1011−8、Femandes and Gregonradis,Biochim Biophys Acta.1997;1341;26−34)。生成したシッフ塩基を、NaCNBH
3による特異的還元によって安定化し、第2級アミンを形成することができる。代替のアプローチは、事前酸化後のNH
4Clを用いた還元的アミン化による、ポリマー上での末端遊離アミノ基の生成である。2つのアミノ基または2つのヒドロキシル基を結合するために、二官能性試薬を使用することができる。例えば、アミノ基を含有するポリマーを、BS3(ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート/Pierce,Rockford,Ill.)のような試薬を用いて凝固タンパク質のアミノ基に結合することができる。加えて、アミン基およびチオール基を結合するために、スルホ−EMCS(N−ε−マレインイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル/Pierce)等のヘテロ二官能性架橋結合試薬を使用することができる。他の実施形態において、PEGアルコキシド+ブロモアセトアルデヒドのジエチルアセタール;PEG+DMSOおよび無水酢酸、およびPEGクロリド+4−ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシド、スクシンイミジル活性エステル、活性化ジチオカーボネートPEG、2,4,5−トリクロロフェニルクロロホルメートおよびP−ニトロフェニルクロロホルメート活性化PEG等のアルデヒド反応基が、凝固タンパク質の共役において使用されてもよい。
【0171】
幾つかの態様において、本発明の方法において使用されるrVWFは、フーリンによってインビトロで成熟されている。さらなる実施形態において、フーリンは、組換えフーリンである。
【0172】
さらなる態様において、本発明の方法において使用されるrVWFおよび/またはrFVIIIは、当技術分野で周知の方法を用いて哺乳動物細胞培養物における発現を介して産生される。特定の実施形態において、哺乳動物の培養物は、CHO細胞を含む。さらなる実施形態において、rVWFおよびrFVIIIは、同じ培養物において共発現される。そのような実施形態において、rVWFおよびrFVIIIは、当技術分野で周知の方法を用いて一緒に精製される(同時精製される)か、または別々に精製される。他の実施形態において、rVWFおよびrFVIIIは、異なる培養物において発現される。
【0173】
例示的実施形態において、本発明のrVWFは、CHO細胞発現系から単離されたrVWFタンパク質を含む。さらなる実施形態において、プロペプチド除去は、フーリンへのプロVWFの曝露によってインビトロで媒介され、なおさらなる実施形態において、プロペプチド除去のために使用されるフーリンは、組換えフーリンである。なおさらなる実施形態において、完全にグリコシル化された/ABO血液型グリカンが不在である。
【0174】
なおさらなる実施形態において、rVWFは、好適な真核宿主系での発現によって本発明の方法および組成物において使用される。真核細胞の例としては、CHO、COS、HEK293、BHK、SK−Hep、およびHepG2等の哺乳動物細胞、SF9細胞、SF21細胞、S2細胞、およびHigh Five細胞等の昆虫細胞、ならびにサッカロミセス(Saccharomyces)属もしくはシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)細胞等の酵母細胞が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、VWFは、酵母細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、哺乳動物細胞等において発現され得る。例えば、ヒト細胞株、ハムスター細胞株、またはマウス細胞株において発現され得る。ある特定の実施形態において、この細胞株は、CHO、BHK、またはHEK細胞株である。典型的には、哺乳動物細胞、例えば、連続細胞株からのCHO細胞を、本発明のVWFを発現するために使用することができる。
【0175】
ある特定の実施形態において、VWFをコードする配列を含む核酸配列はベクターであり得る。ベクターは、ウイルスによって送達され得るか、またはプラスミドであり得る。タンパク質をコードする核酸配列は、特異的遺伝子またはその生物学的な機能を持つ一部であり得る。一実施形態において、タンパク質は、VWFの少なくとも生物学的に活性な部分である。
【0176】
広範な範囲のベクターが、VWFの発現のために使用可能であり、真核生物発現ベクターから選択することができる。真核生物発現のためのベクターの例としては、(i)酵母における発現では、AOX1、GAP、GAL1、AUG1等のプロモーターを用いた、pAO、pPIC、pYES、pMET等のベクター、(ii)昆虫細胞における発現では、PH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polh等のプロモーターを用いたpMT、pAc5、pIB、pMIB、pBAC等のベクター、および(iii)哺乳動物細胞における発現では、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、pBPV等のベクター、ならびにCMV、SV40、EF−1、UbC、RSV、ADV、BPV、およびβ−アクチン等のプロモーターを用いた、ワクシニアウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルス等のウイルス系由来のベクターを含む。
【0177】
本発明の幾つかの実施形態において、核酸配列は、プロモーター配列、エンハンサー、TATAボックス、転写開始部位、ポリリンカー、制限部位、ポリ−A−配列、タンパク質のプロセシング配列、選択マーカー等、通常、当業者に周知であるタンパク質の制御された発現に適する、他の配列をさらに含む。
【0178】
ある特定の実施形態において、本発明の細胞培養法は、マイクロキャリアの使用を含み得る。幾つかの実施形態において、実施形態の細胞培養は、高い細胞密度およびタンパク質発現を達成するために、高容量の特定の培養表面積を提供するのに適した条件下で、大型のバイオリアクター中で実施され得る。そのような増殖条件を提供するための一手段は、撹拌タンク型バイオリアクターにおいて、細胞培養用のマイクロキャリアを使用することである。マイクロキャリア上での細胞増殖の概念は、最初にvan Wezel(van Wezel,A.L.,Nature 216:64−5(1967))によって説明され、増殖培地中に懸濁した固形小粒子の表面上への細胞付着が可能である。これらの方法は、高い表面対体積比を提供し、それ故に、効率的な栄養利用を可能にする。さらに、真核細胞系における分泌タンパク質の発現において、増加した表面対体積比は、高レベルの分泌を可能にし、ひいては、培養物上清中のタンパク質の高収率を可能にする。最終的に、これらの方法は、真核生物発現培養の容易なスケールアップを可能にする。
【0179】
VWFを発現する細胞は、細胞培養で増殖中に、球形または多孔質のマイクロキャリアに結合され得る。マイクロキャリアは、デキストラン、コラーゲン、プラスチック、ゼラチン、およびセルロース、ならびにButler(1988.In:Spier&Griffiths,Animal Cell Biotechnology 3:283−303)に記載される他のものに基づくマイクロキャリアの群から選択されるマイクロキャリアであり得る。球形マイクロキャリア上で細胞をバイオマスに増殖させることができ、それらが最終の発酵槽レベルのバイオマスに達した時、かつ多孔質マイクロキャリア上で発現タンパク質を産生する前に、細胞を継代培養することも可能であり、またはその逆も可能である。好適な球形マイクロキャリアは、Cytodex(商標)1、Cytodex(商標)2、およびCytodex(商標)3(GE Healthcare)等の平滑表面のマイクロキャリア、ならびにCytopore(商標)1、Cytopore(商標)2、Cytoline(商標)1、およびCytoline(商標)2(GE Healthcare)等のマクロ多孔質マイクロキャリアを含み得る。
【0180】
ある特定の実施形態において、rVWFは、高分子量のrVWFを産生する細胞培養培地において培養された細胞中で発現する。「細胞培養液」、「細胞培養培地または培地」、および「細胞培養上清」という用語は、当技術分野で一般的に公知の細胞培養プロセスの側面を指す。本発明の文脈において、細胞培養液は、細胞培養用の培養培地および細胞培養上清を含むことができる。細胞培養培地を、外部から細胞培養液に、任意で補充物質と一緒に添加して、VWFを発現する細胞を培養するための栄養物質および他の成分を提供する。細胞培養上清は、細胞培養培地からの栄養物質および他の成分、ならびに培養中に細胞から放出、代謝、および/または排出される産物を含む、細胞培養液を指す。さらなる実施形態において、培地は、動物性タンパク質を含まない、既知組成であり得る。動物性タンパク質を含まない既知組成の培養培地を調製する方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0009040号および同第2007/0212770号等、当技術分野で周知であり、これらは共に、あらゆる目的のために、具体的には、細胞培養培地に関連するあらゆる教示のために本明細書に組み込まれる。「タンパク質を含まない」および関連用語は、培養物中の細胞に対して外因性であるか、またはその細胞以外の供給源由来のタンパク質について、増殖中にそもそもそのタンパク質が除かれていることを指す。別の実施形態において、培養培地は、ポリペプチドを含まない。別の実施形態において、培養培地は、血清を含まない。別の実施形態において、培養培地は、動物性タンパク質を含まない。別の実施形態において、培養培地は、動物性成分を含まない。別の実施形態において、培養培地は、タンパク質、例えば、ウシ胎仔血清等の血清からの動物性タンパク質を含有する。別の実施形態において、培地は、外因的に追加された組換えタンパク質を有する。別の実施形態において、タンパク質は、認定された病原菌を含まない動物由来である。本明細書で使用される、「既知組成」という用語は、培地が、例えば、動物成分、器官、腺、植物、または酵母の抽出物のようないかなる規定されない補充物質も含まないことを意味する。したがって、既知組成培地のそれぞれの成分は、厳密に規定される。好ましい実施形態において、培地は、動物成分を含まず、タンパク質を含まない。
【0181】
ある特定の実施形態において、VWFを発現する細胞の培養物は、少なくとも約7日間、または少なくとも約14日間、21日間、28日間、または少なくとも約5週間、6週間、7週間、または少なくとも約2ヶ月間、もしくは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18ヶ月もしくはそれ以上維持され得る。組換えVWFタンパク質の産生のために細胞培養物が維持される細胞密度は、タンパク質発現に使用される培養条件および培地に依存する。当業者は、VWFを産生する細胞培養物の最適な細胞密度を容易に決定することができるだろう。一実施形態において、培養物は、長期間、約0.5×10
6〜4×10
7細胞/mLの密度で維持される。他の実施形態において、細胞密度は、長期間、約1.0×10
6〜約1.0×10
7細胞/mLの濃度で維持される。他の実施形態において、細胞密度は、長期間、約1.0×10
6〜約4.0×10
6細胞/mLの濃度で維持される。他の実施形態において、細胞密度は、長期間、約1.0×10
6〜約4.0×10
6細胞/mLの濃度で維持される。なお他の実施形態において、細胞密度は、長期間、約2.0×10
6〜約4.0×10
6、または約1.0×10
6〜約2.5×10
6、または約1.5×10
6〜約3.5×10
6、またはあらゆる他の類似する範囲の濃度で維持される。細胞培養における適切な時間後、rVWFは、当技術分野で周知の方法を用いて発現系から単離され得る。
【0182】
特定の実施形態において、rVWFの産生のための連続細胞培養の細胞密度は、長期間、2.5×10
6細胞/mLを超えない濃度で維持される。他の特定の実施形態において、細胞密度は、2.0×10
6細胞/mLを超えない、1.5×10
6細胞/mLを超えない、1.0×10
6細胞/mLを超えない、0.5×10
6細胞/mLを超えない、もしくはそれ未満を超えない密度で維持される。一実施形態において、細胞密度は、1.5×10
6細胞/mL〜2.5×10
6細胞/mLで維持される。
【0183】
上述の細胞培養物の特定の一実施形態において、細胞培養液は、銅を含む培地補充物質を含む。そのような細胞培養液は、例えば、2011年7月8日に出願された米国特許出願公開第2012/0035110号に記載され、これはあらゆる目的のために、具体的には、組換えVWFを産生するための細胞培養法および組成物に関連するあらゆる教示のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0184】
さらなる実施形態において、哺乳動物細胞培養物から(別々にまたは一緒に)精製した後、rFVIII/rVWF複合体は、投与前に再構成される。なおさらなる実施形態において、rVWFは、rFVIII/rVWF複合体の再構成前またはその後、フーリンで処理される。さらなる実施形態において、フーリンは、組換えフーリンである。
【0185】
なおさらなる実施形態において、本発明のrVWFは、ADAMTS13に曝露されず、その結果、巨大な(すなわち、10個以上のサブユニットを含む)rVWFが、本発明のrVWF組成物中に存在する。
【0186】
特定の態様において、本発明の方法において使用されるrVWFおよび/またはrFVIIIは、緩衝液、糖および/または糖アルコール(トレハロースおよびマンニトールを含むが、これらに限定されない)、安定剤(グリシン等)、および界面活性剤(ポリソルベート80等)を含有する製剤中に含有される。rFVIIIを含有する製剤のためのさらなる実施形態において、製剤は、ナトリウム、ヒスチジン、カルシウム、およびグルタチオンをさらに含み得る。
【0187】
一態様において、rVWFおよび/またはrFVIIIを含む製剤は、投与前に凍結乾燥される。凍結乾燥は、当技術分野で一般的な技術を用いて行われ、開発される組成物向けに最適化されるべきである[Tang et al.,Pharm Res.21:191−200,(2004)およびChang et al.,Pharm Res.13:243−9(1996)]。
【0188】
薬学的製剤を調製する方法は、凍結乾燥前に、該混合物に本明細書に記載される安定剤を添加する段階、増量剤、浸透圧調整剤、および界面活性剤(これらのそれぞれは本明細書に記載される)から選択される少なくとも1つの薬剤を凍結乾燥前に該混合物に添加する段階の1つまたはそれ以上の段階を含み得る。一態様において、凍結乾燥された製剤は、少なくとも緩衝液、増量剤、および安定剤のうちの1つ以上からなる。この態様において、凍結乾燥ステップ中または再構成中に凝集が問題になる場合に、界面活性剤の有用性を評価し、選択する。凍結乾燥中に、製剤をpHの安定領域内に維持するために、適切な緩衝剤が含まれる。
【0189】
凍結乾燥された物質の標準的な再構成の実施は、純水または注射用滅菌水(WFI)の一定量(典型的には凍結乾燥中に除去した量と同等量)を戻し加えるものであるが、非経口投与用の調合薬の作製では抗菌剤の希薄溶液を使用する場合もある[Chen,Drug Development and Industrial Pharmacy,18:1311−1354(1992)]。したがって、希釈剤を本発明の凍結乾燥された再構成されたVWF組成物に添加するステップを含む、再構成された組換えVWF(組換え第VIII因子を伴うかまたは伴わない)組成物を調製するための方法が提供される。
【0190】
凍結乾燥された物質は、水溶液として再構成され得る。様々な水性担体、例えば、注射用滅菌水、複数回投与で使用するための保存剤を含む水、または適切な量の界面活性剤を含む水(例えば、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合で、活性な化合物を含む水性懸濁液)。様々な態様において、そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、限定されないが、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴムであり、分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、限定されないが、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えば、限定されないが、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えば、限定されないが、ヘプタデカエチル−エネオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから得られた部分エステルとの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られた部分エステルとの縮合物、例えば、限定されないが、ポリエチレンソルビタンモノオレエートである。様々な態様において、水性懸濁液は、1つ以上の保存剤、例えば、限定されないが、エチル、またはn−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸塩も含む。
【0191】
ある特定の実施形態において、本発明の組成物は、注射器または他の保存容器を用いた投与のための液体製剤である。さらなる実施形態において、これらの液体製剤は、水溶液として再構成された本明細書に記載される凍結乾燥された物質から生成される。
【0192】
さらなる態様において、本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体をさらに含む。「薬学的」または「薬理学的に」許容されるという表現は、安定しており、凝集および切断生成物等のタンパク質分解を阻害し、さらに以下に説明される、当技術分野で公知の経路を用いて投与されるときに、アレルギー反応または他の有害反応をもたらさない、分子の実体および組成物を指す。「薬学的に許容される担体」としては、上で開示された薬剤を含む、任意およびすべての臨床的に有用な溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等が含まれる。
【0193】
疾患を治療する方法のための本発明の組成物の投与
凝固疾患を治療するために対象にrVWFを投与する利点の1つは、pdVWFと比較してrVWFのより高い比活性が、投与されるrVWFの量および対象にrVWF(同時投与のFVIIIを伴うかまたは伴わない)を再投与する回数に柔軟性を持たせることである。加えて、rVWF組成物は、FVIIIを含むさらなる投与を必要とすることなく、rVWFおよびFVIIIの初回同時投与後、rVWFを単独で再投与するさらなる柔軟性を提供する。本明細書で理解されるように、そして本明細書でさらに詳述されるように、同時投与されるFVIIIは、組換えまたは血漿由来であり得る。
【0194】
一態様において、本発明に従って、rVWFの投与は、pdVWFを投与される対象で見られるものよりも対象においてより高い血漿FVIIIレベルおよび/または活性をもたらす。上述のように、FVIIIレベルおよび活性の増加は、当技術分野で標準的な方法を用いて測定することができ、そのため、FVIIIを伴うかまたは伴わないrVWFに関する適切な投与量の決定を可能にする。
【0195】
rVWF(FVIIIを伴うかまたは伴わない)の単回または複数回投与は、治療する医師によって選択される用量レベルまたはパターンで実行される。疾患の予防または治療では、適切な投与量は、治療すべき疾患(例えば、フォンウィルブランド病)の型、疾患の重症度および経過、薬物が予防または治療目的のために投与されているか、治療歴、患者の病歴および薬物への応答、ならびに担当医の裁量に依存する。
【0196】
さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、VWDまたは血友病A等の凝固疾患の治療は、単独でまたはFVIIIと組み合わせたrVWFの初回治療、続いて、rVWFを単独で、rVWFとFVIIIを一緒に、またはFVIIIを単独で1つ以上の反復投与を含み得る。初回投与、次いで、その後の反復投与の性質は、治療すべき疾患にある程度依存するであろう。例えば、VWDに罹患している患者は、あるレベルのFVIIIを有するが、これらの患者がVWFを欠乏しているため、そのFVIIIの安定性は、概して、損なわれる。したがって、VWD患者の治療は、幾つかの実施形態において、rVWFおよびrFVIIIの両方による初回治療、続いて、単独でのrVWFの反復投与を含み得る。他の実施形態において、初回治療は、単独でrVWFを用いて行われ得るが、その後の反復投与は、rVWFおよびrFVIIIの両方を用いて行われる。さらに他の実施形態において、初回およびその後の反復投与はすべて、rVWFおよびrFVIIIの両方の同時投与を含み得る。同様に、血友病A患者(FVIIIを欠いている)は、rVWFおよびrFVIIIの両方の初回治療を受けてもよく、その後の反復治療は、単独でrFVIIIまたは単独でrVWFの投与を含んでもよい。他の実施形態において、初回治療は、単独でのrFVIIIであってもよいが、その後の反復治療は、rVWFおよびrFVIIIの同時投与を含む。
【0197】
さらなる態様において、rVWFは、対象に、0.5IU/kg〜200IU/kgの範囲の用量で投与される。幾つかの実施形態において、rVWFは、1〜190、5〜180、10〜170、15〜160、20〜150、25〜140、30〜130、35〜120、40〜110、45〜100、50〜90、55〜80、または60〜70IU/kgの範囲の用量で投与される。さらなる実施形態において、かつ上述のいずれかに従って、rVWF(FVIIIを伴うかまたは伴わない)は、対象に、約1IU/kg〜約150IU/kgのrVWFの用量で投与される。なおさらなる実施形態において、rVWFおよびrFVIIIは、1.5IU/kg〜150IU/kg、2IU/kg〜50IU/kg、5IU/kg〜40IU/kg、10IU/kg〜20IU/kg、10IU/kg〜100IU/kg、25IU/kg〜75IU/kg、および40IU/kg〜75IU/kgの用量で投与される。なおさらなる実施形態において、rVWFは、2、5、7.5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50IU/kgで投与される。本明細書で理解されように、そしてさらに論じられるように、rVWF(またはFVIIIを伴うrVWF)の適切な投与量は、適切な用量反応データに従って血液レベルの投与量を決定するために構築されたアッセイの使用によって確認され得る。一実施形態において、rVWFは、対象に、表12中の変形形態2141〜2338から選択される用量で投与される。
【0198】
(表12)本明細書に提供される方法に従って対象に投与されるrVWFの投与量に関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0199】
なおさらなる実施形態において、rVWFは、血漿FVIIIの半減期を約1.0〜4.5、1.5〜4.0、2.0〜3.5、2.5〜3.0倍増加させるような用量で投与される。なおさらなる実施形態において、rVWF投与の用量および/または頻度は、FVIIIの半減期の増加が、rVWFの投与後少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100時間維持されるものである。なおさらなる実施形態において、rVWF投与の用量および/または頻度は、FVIIIの半減期の増加が、rVWFの投与後少なくとも5〜125、10〜115、15〜105、20〜95、25〜85、30〜75、35〜65、40〜55時間維持されるものである。一実施形態において、rVWFは、表7中に見られる変形形態1046〜1089から選択される値で、血漿FVIIIの半減期を増加させるような用量で投与される。
【0200】
上述のように、本発明のrVWFは、pdVWFの効果と比較して、FVIIIの安定性に対する増加した効果を示す。ある特定の態様において、rVWFは、FVIIIの平均半減期を約1〜15、2〜14、3〜13、4〜12、5〜11、6〜10、5〜9、6〜8時間増加させるような用量および/または頻度で投与される。なおさらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、FVIIIの半減期を約10%〜約75%増加させるような用量および/または頻度で投与される。なおさらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、FVIIIの半減期を約10〜80%、15〜65%、20〜60%、25〜55%、30〜50%、35〜45%増加させる。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の平均またはパーセンテージの増加は、rVWFの投与後少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100時間維持される。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の増加は、rVWFの投与後少なくとも5〜125、10〜115、15〜105、20〜95、25〜85、30〜75、35〜65、40〜55時間維持される。理解されるように、FVIIIの安定性、半減期、および/または活性の増加は、凝固アッセイを含むが、これに限定されない、当技術分野で周知の方法を用いて評価することができる。他の実施形態において、rVWFの投与は、血漿由来VWFの投与と比較して、表9中に見られる変形形態1300〜1643から選択される量で、FVIIIの半減期を増加させる。
【0201】
本明細書で論じられるように、pdVWFと比較して、rVWFによるFVIII活性の安定化は、FVIIIの半減期に加えて、平均滞留時間(MRT)および曲線下面積(AUC)を含む、評価指標によって測定することができる。例示的実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、MRTを約1〜15時間増加させるような用量および/または頻度で投与される。さらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、MRTを約1〜25、2〜20、3〜15、4〜10、5〜9、6〜8時間増加させる。なおさらなる実施形態において、rVWFは、pdVWFと比較して、FVIIIのMRTを約10〜80%、15〜65%、20〜60%、25〜55%、30〜50%、35〜45%増加させる。なおさらなる実施形態において、FVIIIの半減期の平均またはパーセンテージの増加は、rVWFの投与後少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100時間維持される。なおさらなる実施形態において、MRTの増加は、rVWFの投与後少なくとも5〜125、10〜115、15〜105、20〜95、25〜85、30〜75、35〜65、40〜55時間維持される。他の実施形態において、rVWFの投与は、血漿由来VWFの投与と比較して、表9中に見られる変形形態1300〜1643から選択される量で、FVIIIのMRTを増加させる。
【0202】
さらなる態様において、患者に投与されるrVWFの用量は、pdVWF/pdFVIIIの投与において使用される用量と同程度である。
【0203】
FVIIIを伴うかまたは伴わないrVWFの組成物は、本明細書に記載されるように、薬学的製剤中に含有され得る。そのような製剤は、経口的、局所的、経皮的、非経口的、吸引スプレーによって、経膣的、経直腸的、または頭蓋内注射によって、投与され得る。本明細書で使用される非経口という用語には、皮下注射、静脈注射、筋肉内注射、胸骨内注射、または注入技法が含まれる。静脈内、皮下、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、眼球後、肺内注射、およびまたは特定の部位での外科的移植による投与も企図される。一般に、組成物は、発熱物質、ならびに受容者に有害である可能性がある他の不純物を本質的に含んでいない。
【0204】
一態様において、本発明の製剤は、初回ボーラス投与によって投与され、その後に薬物生成物の治療的循環レベルを維持するための持続注入が続く。別の例として、本発明の化合物は、単回投与として投与される。当業者は、良好な医療行為および個々の患者の臨床状態によって決定される有効量および投与計画を容易に最適化するであろう。投与経路は、静脈内、腹腔内、皮下、または筋肉内投与によるものであり得るが、これらに限定されない。投与の頻度は、薬剤の薬物動態パラメータおよび投与経路に依存する。最適な薬学的製剤は、投与経路および所望の投与量に応じて当業者によって決定される。例えば、Remington′s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,1990,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.18042 pages 1435〜1712を参照されたく、この開示は、あらゆる目的のために、具体的には、製剤、投与経路、および薬学的生成物の投与量に関連するあらゆる教示のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。そのような製剤は、投与される薬剤の物理的状態、安定性、インビボでの放出速度、およびインビボでのクリアランス速度に影響し得る。投与経路に応じて、体重、体表面積、または器官の大きさによって好適な用量が、算出される。適切な投与量は、適切な用量反応データに併せて血液レベルの投与量を決定するために構築されたアッセイの使用により確認され得る。最終的な投与計画は、薬剤の作用を変える様々な要因、例えば、薬剤の比活性、損傷の重症度、患者の応答性、患者の年齢、状態、体重、性別、および食事、任意の感染の重症度、投与時間、ならびに他の臨床学的因子を考慮して、担当医によって決定される。例として、本発明の組換えVWFの一般的な用量は、約50U/kgであり、500μg/kgに等しい。研究が行われると、様々な疾患および状態に対する適切な投与量レベルおよび治療期間に関するさらなる情報が浮上するであろう。
【0205】
幾つかの実施形態において、rVWFは、単独で、対象に投与される。幾つかの実施形態において、rVWFは、1つ以上の凝固因子と組み合わせて、対象に投与される。さらなる実施形態において、rVWFと共に投与される凝固因子は、FVIIIである。なおさらなる実施形態において、rVWFは、FVIII等の凝固因子より前、その後、または同時に投与される。ある特定の実施形態において、rVWFおよびFVIIIは、単一組成物中で一緒に投与される。理解されるように、rVWFと同時投与されるFVIIIは、組換えFVIIIまたは血漿由来のいずれかであり得る。
【0206】
さらなる実施形態において、rVWF(FVIIIを伴うかまたは伴わない)が、対象に、1日1回を超えない頻度で投与される。さらなる実施形態において、rVWF(FVIIIを伴うかまたは伴わない)が、対象に、1日おきに1回を超えない頻度、2日おきに1回を超えない頻度、3日おきに1回を超えない頻度、4日おきに1回を超えない頻度、週に1回を超えない頻度、隔週1回を超えない頻度、1ヶ月に1回を超えない頻度で投与される。なおさらなる実施形態において、rVWF(FVIIIを伴うかまたは伴わない)が、対象に、1日2回を超えない頻度で投与される。
【0207】
さらなる実施形態において、rVWFおよびFVIIIは、初回投与において、対象に一緒に投与され、次いで、その後のrVWFによる再投与が単独で行われる。他の実施形態において、rVWFおよびFVIIIの両方による再投与が行われる。
【0208】
なおさらなる実施形態において、rVWF(rFVIIIを伴うかまたは伴わない)が、血漿FVIII活性を約10〜約90時間安定化させるような用量で投与される。さらなる実施形態において、血漿FVIII活性は、少なくとも12、24、36、48、または72時間安定化される。理解されるように、安定化された血漿FVIII活性は、内因性FVIII、同時投与されたFVIII(血漿由来もしくは組換え)、または内因性FVIIIと同時投与されたFVIIIの両方の組み合わせのものであり得る。
【0209】
幾つかの実施形態において、rVWFおよびFVIIIは、血漿FVIII活性のインビボ半減期の延長を少なくとも12、24、36、48、または72時間安定するような用量で一緒に投与される。さらなる実施形態において、血漿FVIII活性は、約10〜約90時間安定する。なおさらなる実施形態において、血漿FVIIIの半減期の増加は、患者において、少なくとも24、36、48、72、90、120、または168時間維持される。同時投与されるFVIIIは、rFVIIIまたはpdFVIIIであり得る。幾つかの実施形態において、血漿FVIII活性は、rVWFおよびFVIIIの同時投与後、表8中に見られる変形形態1090〜1299から選択される時間安定している。
【0210】
好ましい態様において、本発明は、血友病およびフォンウィルブランド病(VWD)を含む、凝固疾患を治療するための方法を提供する。
【0211】
本明細書で使用される、「血友病(hemophilia)」または「血友病(haemophilia)」という用語は、血液の凝固(clotting)または凝固(coagulation)の減少によって広く特徴付けられる病態群を指す。血友病は、A型、B型、またはC型血友病、または3つすべての疾患型の複合型を指し得る。A型血友病(血友病A)は、第VIII因子(FVIII)活性の減少または損失により引き起こされ、血友病サブタイプのうちで最も顕著なものである。B型血友病(血友病B)は、第IX因子(FIX)凝固機能の損失または減少によって起こる。C型血友病(血友病C)は、第XI因子(FXI)凝固活性の損失または減少の結果である。血友病AおよびBは、X連鎖疾患であるが、血友病Cは、常染色体性である。血友病の一般的な治療は、Bebulin(登録商標)VH、およびFXIを含むFVIII、FIX等の凝固因子、ならびにFEIBA−VH、デスモプレシンの予防的およびオンデマンド投与の両方、および血漿注入を含む。
【0212】
本明細書で使用される、「フォンヴィレブランド病」は、フォンヴィレブランド因子の欠乏によって生じる疾患群を指す。フォンヴィレブランド因子は、血小板が凝集し、正常な血液凝固に必要な血液壁に付着するのを助長する。幾つかの型のフォンヴィレブランド病がある。以下の表は、異なる型のVWDの特徴を要約する。
Sadler,J Thromb Haemost 2006;4,2103から採用された。
【0213】
凝固疾患を治療するための方法は、本明細書に記載される、および当技術分野で周知の投与方法のいずれかに従って、治療を必要とする対象にrVWFまたはrVWFとrFVIIIの組み合わせを投与することを含む。そのような対象は、フォンウィルブランド病または血友病等であるが、これらに限定されない、あらゆる凝固疾患に罹患し得る。理解されるように、上表に列記されるいずれの型をも含む、いずれの型のフォンウィルブランド病も、本明細書に記載される方法および組成物のいずれかに従って治療することができる。
【0214】
幾つかの実施形態において、投与から24、36、48時間またはそれより長い期間後の対象の血漿中の第VIII因子凝固促進活性(FVIII:C)レベルが、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性レベルの少なくとも90%であるように、rVWF(rFVIIIを伴うかまたは伴わない)が対象に投与される。さらなる実施形態において、投与から24、36、48時間またはそれより長い期間後の対象の血漿中のFVIII:Cレベルが、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性レベルの少なくとも50%〜100%である。なおさらなる実施形態において、投与から24、36、48時間またはそれより長い期間後の対象の血漿中のFVIII:Cレベルは、投与から1時間後に血漿中に存在するFVIII:C活性レベルの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%である。
【0215】
rVWFの投与
一態様において、本開示は、治療を必要とする対象におけるフォンウィルブランド病(VWD)または血友病Aを治療するための方法であって、血漿由来フォンウィルブランド因子(pdVWF)の組成物を投与した対象におけるFVIIIの半減期と比較して、第VIII因子(FVIII)の安定性が増大するように、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)の組成物を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0216】
一実施形態において、本方法は、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が、少なくとも10%、20%、30%、2時間、4時間、6時間、または表9中に見られる変形形態1300〜1643から選択される量で延長されるように、rVWFの組成物を投与することを含む。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0217】
一実施形態において、本方法は、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が少なくとも10%延長されるように、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0218】
一実施形態において、本方法は、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が少なくとも20%延長されるように、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0219】
一実施形態において、本方法は、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が少なくとも30%延長されるように、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0220】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0221】
(表13)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0222】
(表14)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0223】
(表15)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0224】
(表16)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0225】
(表17)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0226】
(表18)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0227】
(表19)本明細書で使用される組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0228】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも30%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0229】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも50%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0230】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも70%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0231】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0232】
一実施形態において、本方法は、10IU/kg〜40IU/kgのrVWF:RCo活性を含有するrVWF組成物の投与量を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、本組成物は、20IU/kg〜30IU/kgのrVWF:RCo活性を含有する。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0233】
一実施形態において、本方法は、25IU/kg〜75IU/kgのrVWF:RCo活性を含有するrVWF組成物の投与量を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、本組成物は、40IU/kg〜60IU/kgのrVWF:RCo活性を含有する。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0234】
一実施形態において、本方法は、75IU/kg〜125IU/kgのrVWF:RCo活性を含有するrVWF組成物の投与量を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、本組成物は、75IU/kg〜100IU/kgのrVWF:RCo活性を含有する。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0235】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に表12中の変形形態2141〜2338から選択されるrVWFの用量が投与され、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0236】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、rVWFの用量およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0237】
(表20)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0238】
(表21)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0239】
(表22)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0240】
(表23)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0241】
(表24)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0242】
(表25)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0243】
(表26)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0244】
(表27)rVWFの投与量と、pdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して達成されたFVIIIの増大した安定性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0245】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも30%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0246】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも50%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0247】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも70%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0248】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する高分子量のrVWF多量体の組成物であり、rVWFの用量、およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0249】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、40mU/μg〜60mU/μgの比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0250】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、少なくとも60mU/μgの比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0251】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、少なくとも80mU/μgの比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0252】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、表1中に見られる変形形態1〜133から選択される比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWFの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0253】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0254】
(表28)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0255】
(表29)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0256】
(表30)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0257】
(表31)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0258】
(表32)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0259】
(表33)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0260】
(表34)本明細書に記載される方法において有用であるrVWFの投与量とrVWFの比活性との組み合わせに関する、例示的実施形態
Var.=変形形態
【0261】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも30%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0262】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも50%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0263】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも70%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0264】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWFの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する高分子量のrVWF多量体の組成物であり、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0265】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象におけるFVIIIを、投与後少なくとも18時間安定化させ、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0266】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象におけるFVIIIを、投与後少なくとも24時間安定化させ、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0267】
一実施形態において、本方法は、rVWFの組成物を投与することを含み、対象におけるFVIIIを、投与後少なくとも30時間安定化させ、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWFの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0268】
rVWF/rFVIIIの投与
一態様において、本開示は、治療を必要とする対象におけるフォンウィルブランド病(VWD)または血友病Aを治療するための方法であって、血漿由来フォンウィルブランド因子(pdVWF)の組成物を投与した対象におけるFVIIIの半減期と比較して、第VIII因子(FVIII)の安定性が増大するように、組換えフォンウィルブランド因子(rVWF)および組換えFVIII(rFVIII)の組成物を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWFの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWFの組成物よりも高いVWFの比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0269】
一実施形態において、本方法は、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が、少なくとも10%、20%、30%、2時間、4時間、6時間、または表9中に見られる変形形態1300〜1643から選択される量で延長されるように、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含む。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0270】
一実施形態において、本方法は、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が少なくとも10%延長されるように、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0271】
一実施形態において、本方法は、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が少なくとも20%延長されるように、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0272】
一実施形態において、本方法は、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較して、FVIIIの安定性が少なくとも30%延長されるように、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0273】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0274】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも30%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0275】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも50%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0276】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも70%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0277】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与したrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中に見られる変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0278】
一実施形態において、本方法は、10IU/kg〜40IU/kgのrVWF:RCo活性を含有するrVWF/rFVIIIの組成物の投与量を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、本組成物は、20IU/kg〜30IU/kgのrVWF:RCo活性を含有する。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0279】
一実施形態において、本方法は、25IU/kg〜75IU/kgのrVWF:RCo活性を含有するrVWF/rFVIIIの組成物の投与量を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、本組成物は、40IU/kg〜60IU/kgのrVWF:RCo活性を含有する。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0280】
一実施形態において、本方法は、75IU/kg〜125IU/kgのrVWF:RCo活性を含有するrVWF/rFVIIIの組成物の投与量を投与することを含み、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、本組成物は、75IU/kg〜100IU/kgのrVWF:RCo活性を含有する。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0281】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に表12中の変形形態2141〜2338から選択されるrVWFの用量が投与され、この組成物中でのrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0282】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWFの組成物よりも高い比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0283】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも30%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0284】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも50%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0285】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも70%のrVWF分子が少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0286】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する高分子量のrVWF多量体の組成物であり、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0287】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、40mU/μg〜60mU/μgの比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0288】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、少なくとも60mU/μgの比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0289】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、少なくとも80mU/μgの比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0290】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrVWFは、表1中に見られる変形形態1〜133から選択される比活性を有し、rVWFの用量、およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0291】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。さらに別の実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0292】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも30%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0293】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも50%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0294】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物であり、この組成物中の少なくとも70%のrVWF分子は、少なくとも10個のサブユニットの多量体の状態で存在し、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0295】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する高分子量のrVWF多量体の組成物であり、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0296】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象におけるFVIIIを、投与後少なくとも18時間安定化させ、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0297】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象におけるFVIIIを、投与後少なくとも24時間安定化させ、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0298】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、対象におけるFVIIIを、投与後少なくとも30時間安定化させ、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0299】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、4:1〜3:2であり、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:1〜3:2である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0300】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:2であり、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜2:3である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0301】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:6であり、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:5である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0302】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、表11中に見られる変形形態1988〜2140から選択され、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、表3〜表5中に見られる変形形態134〜457のうちのいずれか1つに従って、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体の状態で存在する最小パーセンテージのrVWF分子を有する、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0303】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、表11中に見られる変形形態1988〜2140から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0304】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、4:1〜3:2であり、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:1〜3:2である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0305】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:2であり、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜2:3である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0306】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:6であり、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:5である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0307】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、表11中に見られる変形形態1988〜2140から選択され、この組成物中のrVWFの比活性と、pdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性との組み合わせは、表13〜表19中の変形形態2339〜4868から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、高分子量のrVWF多量体の組成物である。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0308】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、4:1〜3:2であり、rVWFの用量およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:1〜3:2である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0309】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:2であり、rVWFの用量およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜2:3である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0310】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:6であり、rVWFの用量およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:5である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0311】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、表11中に見られる変形形態1988〜2140から選択され、rVWFの用量およびpdVWF/FVIIIの組成物を投与した対象におけるFVIIIの安定性と比較したFVIIIの増大した安定性は、表20〜表27中の変形形態4869〜8003から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高い比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0312】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、4:1〜3:2であり、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:1〜3:2である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0313】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:1〜1:2であり、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、3:2〜2:3である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0314】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:6であり、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。特定の実施形態において、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、2:3〜1:5である。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0315】
一実施形態において、本方法は、rVWF/rFVIIIの組成物を投与することを含み、この組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比率は、表11中に見られる変形形態1988〜2140から選択され、rVWFの用量およびこの組成物中のrVWFの比活性は、表28〜表34中の変形形態8004〜10625から選択される。一実施形態において、対象に投与されるrVWF/rFVIIIの組成物は、pdVWF/FVIIIの組成物よりも高いVWFの比活性を有する。一実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの半減期によって特徴付けられる。別の実施形態において、FVIIIの安定性は、FVIIIの平均滞留時間(MRT)によって特徴付けられる。さらなる実施形態において、本方法は、あらゆる型のVWDを治療するためのものである。特定の実施形態において、本方法は、3型VWDを治療するためのものである。
【0316】
本発明の実施は、別に示されない限り、有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来技術および説明を利用することができ、これらは当技術分野の範囲内である。そのような従来技術には、ポリマーアレイ合成、ハイブリダイゼーション、およびライゲーション、標識を用いたハイブリダイゼーションの検出が含まれる。好適な技術の具体的な説明は、以下の本明細書中の実施例を参照することにより得ることができる。しかしながら、当然、他の等価な従来手順を用いることもできる。そのような従来技術および説明は、標準的な実験マニュアル、例えば、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(I〜IV巻)、Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cells:A Laboratory Manual、PCR Primer:A Laboratory Manual、およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual(すべてCold Spring Harbor Laboratory Pressより)、Stryer,L.(1995)Biochemistry(4th Ed.)Freeman,Highly stabilized York,Gait,"Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach"1984、IRL Press,London,Nelson and Cox(2000)、Lehninger,Principles of Biochemistry 3
rd Ed.、W.H.Freeman Pub.,Highly stabilized York,N.Y.、およびBerg et al.(2002)Biochemistry,5
th Ed.,W.H.Freeman Pub.,Highly stabilized York,N.Y.に見出すことができ、これらのすべては、あらゆる目的のために、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0317】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別に指示しない限りは、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリメラーゼ(a polymerase)」への言及は、1つの薬剤またはそのような薬剤の混合物を指し、「方法(the method)」への言及は、当業者に周知の同等のステップおよび方法等への言及が含まれる。
【0318】
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に言及されるすべての刊行物は、その刊行物に説明され、現在説明されている発明に関連して使用され得る機器、組成物、製剤、および方法を説明および開示する目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0319】
値の範囲が提供される場合には、文脈が明確に別に指示しない限りは、その範囲の上限と下限の間で、下限の単位の1/10までの介在する値のそれぞれ、およびその言及された範囲の他の言及された値もしくは介在する値が、本発明において包含されると理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、そのより小さい範囲に含まれることができ、また、明記された範囲内の任意の具体的に除外される限界を条件として、本発明に包含される。明記された範囲が限界の片方または両方を含む場合、これらの含まれた限界のいずれかまたは両方を除外した範囲も、本発明に含まれる。
【0320】
上の説明では、本発明がより完全に理解されるように、数多くの具体的な詳細を示す。しかしながら、本発明が、これらの具体的な詳細事項の1つ以上を用いることなく実施可能であることは、当業者に理解されるであろう。他の例では、当業者によく知られている公知の特性および手順は、本発明を不明瞭にすることを避けるために説明されていない。
【0321】
本発明は、主に、特定の実施形態に関して説明されているが、本開示を読めば、他の実施形態は、当業者には理解されるであろうことも企図され、そのような実施形態が本発明の方法に含まれることが意図される。
【実施例1】
【0322】
rVWF:rFVIIIの同時投与試験
2IU/kg、7.5IU/kg、20IU/kg、および50IU/kgのVWF:RCoによるrVWF:rFVIIIの単回投与後の即時の耐容性および安全性を試験の主要評価項目として評価した。副次的評価項目には、VWF:RCo、VWF:CB、VWF:Ag、FVIII、およびVWFの多量体組成物についての薬物動態が含まれる。さらなる副次的評価項目は、pdVWF//pdFVIII[コホート4(50IU/kgのVWF:RCo)]との薬物動態の比較であった。試験設計の略図については、
図1を参照のこと。
【0323】
組換えヒトフォンウィルブランド因子(rVWF)が、CHO細胞内で発現された。プロペプチド除去は、組換えフーリンへのプロVWFの曝露を通してインビトロで媒介された。完全にグリコシル化された/ABO血液型グリカンが不在であった。組換えVWFは、血漿由来VWF(pdVWF)よりも高い比活性を有し、rFVIIIを用いてまたは用いることなく投与への治療の柔軟性を提供する。この試験に使用されるrVWFは、ADAMTS13に曝露されなかったため、巨大VWF多量体および無傷のVWFサブユニットが存在した。ADAMTS13は、TYR
1605−MET
1606でサブユニットの切断をもたらす。
【0324】
VWF:RCoの薬物動態/VWF多量体の動態は、rVWFとHumate Pとの間のVWF:RCo(VWF活性)に対して極めて類似性の高い薬物動態を示した(
図2A)。Humate Pは、VWFに複合体化したヒト由来の中間純度第VIII因子の濃縮物である。有効性および投与の提案のために、代用マーカーが使用された。
図2A中のデータは、rVWFが血漿由来VWの活性に類似した活性を示す。高分子量のrVWFの漸進性消失は、ADAMTS13への曝露時に見られ(
図2B)、これは、rVWFがADAMTS13曝露前に高分子量の多量体の状態で存在することを示す。
【0325】
Humateと比較して、より高いFVIIIレベルが、rVWF患者において観察された(
図3)。これらのデータは、rVWFがインビボで内因性FVIIIを安定化することを示す。異なるVWF:FVIIIの比率(1.3:1対約2.1のVWF/FVIII)で見られる効果の違いがあった。これらの異なる比率は、血漿由来VWFを使用する場合に必要とされるよりも少ないrVWFを使用して、FVIIIを安定化することができることを示唆している。試験設計により、初回投与後、rVWFのみ(rFVIIIなし)で再投与する柔軟性が提供された。
【0326】
巨大分子量の多量体が、rVWFと共に存在し、これらの巨大分子量の多量体は、注入後、急速に消失する。ADAMTS13媒介の切断断片が、すべての対象において見られた。VWF:RCoの薬物動態プロファイルは、pdVWFのプロファイルと同様であった。rVWFを伴う内因性FVIIIには、pdVWFで観察されるものと同等の持続的な安定があった。rVWFによる薬物有害反応プロファイルは、pdVWF/pdFVIIIのプロファイルと同様であり、すべての関連有害事象(AE)は軽度であった。
【0327】
全体の安全性および薬物動態プロファイルは、rVWFが、pdVWFの使用による効果と比較して、FVIIIのレベルを増強すると同時に、pdVWF/pdFVIIIと同等の用量で出血症状の治療および予防のために使用可能であることを示唆している。理論に拘束されることなく、rVWFの集団内の高比率の巨大多量体(十量体以上)が、血漿由来VWFによるものと比較して、rVWFで見られるFVIIIの増強した安定性をもたらす可能性がある。
【実施例2】
【0328】
重度のフォンウィルブランド病(VWD)における安全性および耐容性を示す薬物動態を評価するヒトでの試験
この試験は、3型VWDまたは重度の1型VWDに罹患している患者におけるpdVWFおよびrVWFの効果を比較した。
【0329】
この試験において使用されたpdVWFは、内皮細胞および巨核球内で合成された。翻訳後修飾のプロペプチド除去は、ゴルジおよびポストゴルジの区画へのタンパク質の通過中、細胞内で生じた。グリコシル化/ABO血液型グリカンが存在した。pdVWFは、血漿ADAMTS13に曝露されているVWFサブユニットからなった。pdVWF集団内には巨大VWF多量体がなく、サブユニットはTYR
1605−MET
1606で切断された。pdVWF濃縮物は、ADAMTS13および血球凝集素を含む、他のタンパク質を含有した。
【0330】
この試験に使用されたrVWFは、CHO細胞内で発現された。プロペプチド除去は、組換えフーリンへのプロVWFの曝露を通してインビトロで媒介された。完全にグリコシル化された/ABO血液型グリカンはなかった。rVWFは、ADAMTS13に曝露されなかった。rVWFのサブユニットは無傷であり、巨大VWF多量体が存在した。サブユニットの切断がADAMTS13曝露時に生じた。rVWFは、pdVWFより高い比活性を示した。
【0331】
この試験に対する組み入れ基準は以下とした:
・3型VWD(3IU/dL以下のVWF:Ag)
・重度の1型VWD(10IU/dL以下のVWF:RCoおよび20IU/dL未満のFVIII:C
・18〜60歳
・凝固因子の補充療法(25ED以上)を受けたことがある
・出血状態がない。
【0332】
この試験に対する除外基準は以下とした:
・他の凝固障害
・VWFおよび/またはFVIII阻害剤の経歴
・心臓血管疾患
・血栓塞栓事象の病歴
・他の免疫障害の病歴。
【0333】
2IU/kg、7.5IU/kg、20IU/kg、および50IU/kgのVWF:RCoでのrVWF:rFVIIIの単回投与後の即時の耐容性および安全性をこの試験の主要評価項目として評価した。副次的評価項目には、VWF:RCo、VWF:CB、VWF:Ag、FVIII、およびVWFの多量体組成物についての薬物動態を含んだ。さらなる副次的評価項目は、pdVWF//pdFVIII[コホート4(50IU/kgのVWF:RCo)]との薬物動態の比較であった。この試験に関する患者の個体群統計を
図4に示す。コホート4A(3型VWD)のVWF:RCo/VWF:Agの薬物動態分析を
図5に示す。これらのデータは、rVWFの全活性が、pdVWFのものと同等であったことを示す。高分子量のrVWFの漸進性消失は、ADAMTS13への曝露時に見られた(
図6)。コホート4A(3型VWD)のFVIII:Cのさらなる薬物動態分析を
図7に示す。
図7中のデータは、FVIIIのインビボ活性を安定化させるときにはpdVWFよりもrVWFがより有効であり、pdVWF/pdFVIIIによる治療と比較して、rVWF/rVWFによる治療後にFVIIIの凝固促進活性の増大を得たことを示唆している。
【0334】
巨大分子量の多量体がrVWF中に存在し、注入後、急速に消失した。ADAMTS13媒介の切断断片がすべての対象において見られた。VWF:RCoの薬物動態プロファイルは、pdVWFのプロファイルと同様であった。内因性FVIIIには、pdVWFで観察されるものと同等の持続的な安定があった。薬物有害反応プロファイルは、pdVWF/pdFVIIIのプロファイルと同様であり、すべての関連有害事象は軽度であった。
【0335】
全体の安全性および薬物動態プロファイルは、rVWFが、pdVWF/pdFVIIIと同等の用量で出血症状の治療および予防のために使用可能であることを示唆している。
【実施例3】
【0336】
rVWF:rFVIII複合体の臨床試験
この試験は、先天性の3型フォンウィルブランド病における薬物動態、即時の安全性および耐容性試験であった。
図9は、本試験における3人の患者に対するrVWFの薬物動態パラメータを示す。
【0337】
図10は、患者1に関する薬物動態データを示す。VWF:RCoとVWF:CBAとの間に良好な相関関係があった。活性は、12時間まで測定可能であった(両方とも、24時間時点で定量限界を下回った)。VWF:Agは、96時間時点でも依然として測定可能であった。内因性FVIII活性は、0.13IU/mLの最大限界まで増大した。
【0338】
図11は、患者2に関する薬物動態データを示す。患者1と同様に、VWF:RCoとVWF:CBAとの間に良好な相関関係があった。活性は共に、(定量限界であっても)12時間まで測定可能であった。VWF:Agは、72時間時点でも依然として測定可能であった(96時間のサンプルは試験されなかった)。内因性FVIII活性は、この患者については、0.18IU/mLの最大限界まで増大した。
【0339】
図12は、患者3に関する薬物動態データを示す。VWF:RCoの活性は、(定量限界であっても)最大24時間まで測定可能であったが、VWF:CBAが、24時間時点で定量限界を下回った。VWF:Agは、48時間時点でも依然として測定可能であった。内因性FVIII活性は、この患者については、0.13IU/mLの最大限界まで増大した。
【0340】
図13は、3人の患者に関するVWFのパラメータおよびFVIII活性を比較するデータを示す。試験したすべてのパラメータ(VWF:RCo、VWF:CBA、VWF:Ag、およびFVII:Chr活性)については、3人すべての患者において見られる良好な相関関係があった。
【0341】
rVWFは、すべての患者においてほぼ100%の回復があった。3人の患者は、やや異なるrVWFの薬物動態を示した。VWF抗原については、2IUのVWF:RCo/kgの適用から30分後、0.06IU/mLの最大限界があり、続いて、着実な減少があった。FVIII活性については、ベースラインFVIII活性は、rVWF+rFVIIIの適用から15分後、約0.1IU/mL増大した。その後、活性は、0.16IU/mLまでさらに増大し、3〜6時間時点で安定期に達し、最大28時間まで停滞した後、着実に減少した。FVIIIの遅延した増大は、二次上昇がrVWFによって誘発されたことを示す。
【実施例4】
【0342】
rVWF試験−FVIIの薬物動態評価およびTA評価
図14は、すべてのコホートに関するFVIII活性のデータを示す。
図15は、コホート1(2IU/kgのVWF:RCo/1.5IU/kgのFVIII)からのデータを示す。試験したすべてのパラメータについては、このコホートの3人すべての患者について良好な相関関係があった。
【0343】
図15は、コホート2(7.5IU/kgのVWF:RCo/5.8IU/kgのFVIII)からのデータを示す。
図16は、FVIII:Cに対するこのコホートについての薬物動態データを示す。
【0344】
図17は、コホート3(20IU/kgのVWF:RCo/15.4IU/kgのFVIII)についてのデータを示す。これらのデータは、VWFおよびFVIIIに対する血漿パラメータの比較を示す。
図18は、FVIII:Cに対するこのコホートについての薬物動態データを示す。
【0345】
図19は、コホート4(50IU/kgのVWF:RCo)についてのデータを示す。FVIIIの投与は、38.5IU/kgのrFVIIIまたは25IU/kgのpdFVIIIであった。これらのデータは、rVWFについてのパラメータがpdVWF(Haemate)についてのものと同様であるが、FVIII活性を安定化させるときにはrVWFがより有効であり、pdVWFを用いて見られる活性と比較して、FVIII活性において見られる増大を生じることを示す。
図20は、FVIII:Cに関するこのコホートについての薬物動態データの要約を示す。これらのデータに見られるように、pdVWF/FVIIIと比較して、rVWF/FVIIIについてのT
1/2の中央値および平均が増大しており、rVWFが、pdVWFより、インビボでFVIIIを安定化させるのにより有効であり、結果的に半減期が増加することが示唆される。
【実施例5】
【0346】
血友病Aの治療におけるrFVIIIの半減期へのrVWFの影響の臨床試験
この試験は、50IU/kgのrFVIII(Advate)を、単独で、または10もしくは50IU/kgのフォンウィルブランド因子:リストセチン補因子活性(VWF:RCo)でrVWFと組み合わせて、単回投与した後のrVWFの即時の耐容性および安全性を評価する。この試験はまた、50IU/kgのrFVIII(Advate)を、単独で、または10もしくは50IU/kg(VWF:RCo)でrVWFと組み合わせて、単回投与した後の薬物動態も評価する。
【0347】
本試験のための集団は、以下の基準を用いて選択される。
【0348】
組み入れ基準:
・重度の血友病A(1IU/dL未満のFVIII:C)
・18〜60歳
・凝固因子の補充療法(150ED以上)を受けたことがある
・出血状態がない。
【0349】
除外基準:
・他の凝固障害
・VWFおよび/またはFVIII阻害剤の経歴
・心臓血管疾患
・血栓塞栓事象の病歴
・他の免疫障害の病歴(例外)。
【0350】
対象の参加は16週間であり、全試験期間は7ヶ月間である。
【0351】
本試験の設計は、遺伝性の重度の血友病Aに罹患している対象(1%未満のFVIII:C)におけるrFVIII:rVWFの安全性、即時の耐容性、および薬物動態を評価するための多施設無対照非無作為化非盲検臨床試験である。
【0352】
三重期間の薬物動態分析に参加しているそれぞれの対象(N=14)は、非無作為化様式で、50IU/kgのrFVIII(Advate)と、VWF:RCoなし、10IU/kgのVWF:RCo、または50IU/kgのVWF:RCoのrVWFとを受容し、約16週間参加することが期待される。
【0353】
個々の薬物動態は、5〜14日間の間隔を置き、少なくとも5日間の「ウォッシュアウト」期間および適時の試験の完了を確立した。安全性分析は、6人の対象に、10IU/KGのVWF:RCoのrVWFが投与された時点および6人の対象に、50IU/KGのVWF:RCoのrVWFが投与された時点で、別々に行われる。
【0354】
対象は、いずれかの注入前の少なくとも5日間、寒冷沈降物、新鮮凍結血漿、またはVWFもしくはFVIIIの薬物動態に干渉する他の薬物を受容していてはならない。
【0355】
最少6人の対象が10IUのVWF:RCoのrVWFで処置された後、即時の耐容性および安全性を示す場合には、rVWFの投薬量が増量される。バイタルサイン、血液学、および臨床化学パラメータにおける被験物の効果が、短期間の安全性を決定する。
【0356】
FVIII活性(FVIII:C)、VWF抗原(VWF:Ag)、VWF活性(VWF:RCo)、VWF:CBのレベル、(およびVWF多量体の分布)を決定するためのサンプルは、注入前(注入開始前の30分以内)、ならびに注入を終了してから15分間(±5分間)、30分間(±5分間)、1時間(±5分間)、3時間(±10分間)、6時間(±10分間)、9時間(±15分間)、24時間(±2時間)、および48時間(±2時間)、72時間(±2時間)、96時間(±2時間)、および120時間(±2時間)(またはFVIIIが1%未満まで下落するまで少なくとも24時間おき)後に採取される。FVIII活性は、現地および中央検査室で行われる、発色アッセイ法および一段階aPTTベースのアッセイ法の両方を用いて決定される。
【0357】
バイタルサイン、および有害事象(AE)を示す他の症状、血液学、および臨床化学パラメータにおけるそれぞれの注入における効果が、短期間の安全性の指標として使用される。バイタルサイン、臨床化学、および血液学パラメータは、注入する前および注入してから120時間後まで評価される。有害事象の発生は、注入してから2時間後までおよび追跡期間の様々な時点で(rVWFで治療された対象)について継続的にモニターされる。
【0358】
FVIIIおよびVWFへの阻害剤の存在は、被験物の注入前および試験の完了の来院時に評価される。
【0359】
いかなる時点でも、被験物に関連する重度の有害事象が生じる場合、独立したデータモニタリング委員会(DMC)が本試験を続行するかどうかを勧告するであろう。
【0360】
本試験に対する薬物動態の主要評価項目には、AUC
0〜∞/用量(時間0から無限までの血漿濃度/時間曲線下面積)、AUC
0〜96時間/用量(時間0から96時間までの血漿濃度/時間曲線下面積)、平均滞留時間(MRT)、クリアランス(CL)、T1/2(排泄相半減期)、VWF:RCo、VWF:Ag、VWF:CB、およびFVIIIの定常状態での分布体積(Vss)が含まれる。
【0361】
薬物動態の主要評価項目の分析には、治療群(50IU/kgのrFVIII(Advate)を単独で、10IU/kgのVWF:RCoでrVWFと予混合した50IU/kgのrFVIII(Advate)、50IU/kgのVWF:RCoでrVWFと予混合した50IU/kgのrFVIII(Advate))ごとに、中央値、その中央値に対する両側95%信頼区間、平均、標準偏差、変動係数、および幾何平均によって、要約された、AUC
0〜96時間/用量、AUC
0〜∞/用量、MRT、CL、T
1/2、およびVssが含まれる。既述統計(中央値および範囲)を用いて、経時的にVWF:RCo、VWF:Ag、VWF:CB、およびFVIIIのレベルを要約する。
【0362】
安全性の主要評価項目には、治療に関連した有害事象の発生が含まれる。安全性の主要評価項目の分析には、治療に関連した有害事象を経験する対象の数およびパーセンテージが含まれる。治療に関連した有害事象の数および割合を表に集計する。
【0363】
薬物動態の副次的評価項目には、FVIII、VWF:RCo、VWF:Ag、およびVWF:CBのインビボでの回復(IVR)および増分回復(IR)が含まれる。薬物動態の副次的評価項目の分析には、対象ごとにFVIII、VWF:RCo、VWF:Ag、およびVWF:CBのIVRおよびIRを決定することと、中央値および範囲によって要約することと、が含まれる。
【0364】
安全性の副次的評価項目には、阻害性かつ全結合抗VWF抗体の発生、FVIIIに対する阻害性抗体の発生、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)タンパク質、マウス免疫グロブリンG(IgG)、およびrフーリンに対する抗体の発生、血栓事象の発生が含まれる。
【0365】
安全性の副次的評価項目は、重篤有害事象を経験する対象の数および重篤有害事象の数を表に集計することによって分析される。さらに、治療に関連した有害事象を経験する対象の数、ならびに治療に関連した有害事象の数および割合が、血栓事象、阻害性かつ全結合抗VWF抗体、FVIIIに対する阻害性抗体、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)タンパク質に対する抗体、マウス免疫グロブリンG(IgG)に対する抗体、およびrフーリンに対する抗体について副分類される。
【0366】
すべての有害事象の一覧が、対象の識別、年齢、性別、有害事象の好ましい用語および報告された用語、持続期間、重症度、重篤性、取られた行為、結果、因果関係評価、開始日、終了日、および有害事象を治療するための薬物または非薬物療法によって表される。有害事象に対する要約表が提供され、これは有害事象の数、有害事象を有する対象の数、対象全体における対応する割合を、重篤性および治療との関係別に表す。さらなる要約表は、器官系分類および治療との関係を用いた好ましい用語によって、(軽度、中等度、重度の)有害事象の総数を表す。
【0367】
この試験では、公式のサンプルサイズの計算は実施していない。
【0368】
本明細書に記載される実施例および実施形態は、単なる例証的目的のためであって、それを考慮して、様々な修正または変更が、当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲、ならびに添付された特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。本明細書に引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的のために参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。