特許第6527265号(P6527265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6527265パワーコンバータで用いるためのコントローラ、およびパワーコンバータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6527265
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】パワーコンバータで用いるためのコントローラ、およびパワーコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20190527BHJP
【FI】
   H02M3/28 H
【請求項の数】33
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-73587(P2018-73587)
(22)【出願日】2018年4月6日
(62)【分割の表示】特願2014-48792(P2014-48792)の分割
【原出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2018-113857(P2018-113857A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2018年4月26日
(31)【優先権主張番号】13/800,769
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バル・バラクリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】ローランド・シルベール・サン−ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・ミン・ファム
(72)【発明者】
【氏名】ランス・エム・ウォン
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−062026(JP,A)
【文献】 特開2011−243787(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0027990(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02299577(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0147630(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H02M 3/00−3/44
H02M 7/42−7/98
H03K 17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーコンバータで用いるためのコントローラであって、
駆動信号を生成してパワースイッチのスイッチングを制御してパワーコンバータ入力からパワーコンバータ出力へのエネルギの転送を制御するように結合される駆動回路と、
イネーブルイベントを含むイネーブル信号を受信するための入力とを備え、前記イネーブルイベントは、前記パワーコンバータ出力での出力量が出力量しきい値を横切ったことを示し、前記駆動回路は、前記イネーブルイベントに応答して前記パワースイッチをオンし前記イネーブル信号の前記イネーブルイベントに応答して変化する電流限界しきい値に、パワースイッチ電流が達するのに応答して前記パワースイッチをオフするように結合される、コントローラ。
【請求項2】
前記イネーブル信号の前記イネーブルイベントに応答して前記電流限界しきい値を変更するように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記イネーブル信号の連続するイネーブルイベント間の時間は前記パワーコンバータ出力と対応しており
前記連続するイネーブルイベント間の時間に応答して前記電流限界しきい値を変更するように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記イネーブルイベントは論理状態間の遷移を含み、
前記駆動信号は、前記論理状態の第1から前記論理状態の第2への遷移に応答して前記パワースイッチをオンするように結合される、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して、電流限界しきい値範囲内で、固定された増大量だけ前記電流限界しきい値を増すように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備え、前記電流限界しきい値範囲は、最小電流限界しきい値と最大電流限界しきい値との間の値の範囲である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記固定された増大量は前記電流限界しきい値範囲よりも小さいため、前記パワースイッチの複数のスイッチングサイクルは、前記電流限界しきい値生成器に、前記最小電流限界しきい値から前記最大電流限界しきい値まで前記電流限界しきい値を変えさせなければならない、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して、前記電流限界しきい値を最大電流限界しきい値まで増すように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
連続するイネーブルイベント間の時間が長くなるにつれて、電流限界しきい値範囲内で前記電流限界しきい値を減少させるように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して、電流限界しきい値範囲内で、固定期間の間固定された増大量だけ前記電流限界しきい値を増すように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記固定期間は実質的にゼロである、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記電流限界しきい値生成器は、前記パワースイッチの各々のオン時間の前記終了後の前記固定期間の後、前記電流限界しきい値範囲内で、減少速度で前記電流限界しきい値を減少させ始めるように結合される、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記減少速度は前記パワーコンバータ入力に結合される入力電圧に応答して調節される、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記駆動回路は、前記駆動信号を生成するように結合されかつ前記イネーブルイベントに応答してセットされるように結合されるラッチを含み、前記駆動回路は、前記パワースイッチ電流を表わす電流検知信号と前記電流限界しきい値との比較に応答して前記ラッチをリセットするように結合される比較器をさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項14】
ワンショットパルスを生成して固定期間を定めるように結合される単安定マルチバイブレータを含み、前記単安定マルチバイブレータは、前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して、前記駆動信号を受信して前記ワンショットパルスを生成するように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項15】
パワーコンバータで用いるためのコントローラであって、
駆動信号を生成してパワースイッチのスイッチングを制御してパワーコンバータ入力からパワーコンバータ出力へのエネルギの転送を制御するように結合される駆動回路と、
前記パワーコンバータ出力に応答するイネーブルイベントを含むイネーブル信号を受信するための入力とを備え、前記イネーブルイベントは論理状態間の遷移を含み、前記駆動回路は、前記イネーブルイベントの前記論理状態の第1から前記論理状態の第2への前記遷移に応答して前記パワースイッチをオンするように結合され、前記駆動回路は前記イネーブル信号の前記イネーブルイベントに応答して変化する電流限界しきい値に、パワースイッチ電流が達するのに応答して前記パワースイッチをオフするように結合される、コントローラ。
【請求項16】
前記イネーブル信号の前記イネーブルイベントに応答して前記電流限界しきい値を変更するように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項15に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記駆動回路は、前記駆動信号を生成するように結合されかつ前記イネーブルイベントの前記論理状態の前記第1から前記論理状態の前記第2への前記遷移に応答してセットされるように結合されるラッチを含み、前記駆動回路は、前記パワースイッチ電流を表わす電流検知信号と前記電流限界しきい値との比較に応答して前記ラッチをリセットするように結合される比較器をさらに含む、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記電流限界しきい値生成器は、ワンショットパルスを生成して固定期間を定めるように結合される単安定マルチバイブレータを含み、前記単安定マルチバイブレータは、前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して前記駆動信号を受信して前記ワンショットパルスを生成するように結合される、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記電流限界しきい値生成器は前記電流限界しきい値を生成するように結合されるコンデンサを含み、前記コンデンサは、前記電流限界しきい値が電流限界しきい値範囲内にあれば固定期間の間第1の電流源によって充電されるように結合され、前記電流限界しきい値範囲は、最小電流限界しきい値と最大電流限界しきい値との間の値の範囲であり、前記コンデンサは、前記電流限界しきい値が前記電流限界しきい値範囲内にあれば前記固定期間の後に第2の電流源によって放電されるように結合される、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記第2の電流源は前記パワーコンバータ入力に結合される入力電圧に応答するように結合される、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項21】
前記第2の電流源は、前記入力電圧の第1の値に応答して第1の速度で前記コンデンサを放電するように結合され、前記第2の電流源は、前記入力電圧の第2の値に応答して第2の速度で前記コンデンサを放電するように結合される、請求項20に記載のコントローラ。
【請求項22】
前記第1の電流源は前記コンデンサと最大電流限界しきい値参照電圧との間に結合される第1の電流ミラーを含み、前記第2の電流源は前記コンデンサと最小電流限界しきい値参照電圧との間に結合される第2の電流ミラーを含む、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項23】
前記第1の電流ミラーは前記コンデンサと前記最大電流限界しきい値参照電圧との間に結合されるp型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含み、前記第2の電流ミラーは前記コンデンサと前記最小電流限界しきい値参照電圧との間に結合されるn型MOSFETを含む、請求項22に記載のコントローラ。
【請求項24】
大速度と前記固定期間との積は前記電流限界しきい値範囲よりも小さいため、前記パワースイッチの複数のスイッチングサイクルは、前記電流限界しきい値生成器に、前記電流限界しきい値範囲の最小電流限界しきい値から最大電流限界しきい値へ前記電流限界しきい値を変えさせなければならない、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項25】
ワーコンバータであって、
パワースイッチを介してパワーコンバータ入力に結合され、パワーコンバータ出力に結合されるエネルギ転送要素を備え、前記パワーコンバータ入力は、前記バワーコンバータ出力から直流絶縁され、
前記パワーコンバータは、さらに、
前記パワーコンバータの出力量を表わすフィードバック信号を受信しかつイネーブル信号を生成するように結合されるイネーブル回路を備える二次コントローラ備え、前記イネーブル信号は、前記パワーコンバータ出力に応答するイネーブルイベントを含み、前記イネーブルイベントは、前記出力量が出力量しきい値を下回ったことに応答して生成され、さらに
前記パワースイッチに結合されて前記パワースイッチのスイッチングを制御して前記パワーコンバータ出力を調整する一次コントローラを備え、前記一次コントローラは
前記イネーブル信号とパワースイッチ電流を表わす電流検知信号とを受信して駆動信号を生成して前記パワースイッチのスイッチングを制御するように結合される駆動回路を含み、前記駆動回路は、前記イネーブルイベントに応答して前記パワースイッチをオンし、前記イネーブル信号の前記イネーブルイベントに応答して変化する電流限界しきい値に、前記パワースイッチ電流が達するのに応答して前記パワースイッチをオフするように結合される、分離されたパワーコンバータ。
【請求項26】
前記一次コントローラは、前記イネーブル信号の前記イネーブルイベントに応答して前記電流限界しきい値を変更するように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項25に記載のパワーコンバータ。
【請求項27】
前記イネーブルイベントは論理状態間の遷移を含み、
前記駆動信号は、前記論理状態の第1から前記論理状態の第2への遷移に応答して前記パワースイッチをオンするように結合される、請求項25に記載のパワーコンバータ。
【請求項28】
前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して、電流限界しきい値範囲内で、固定された増大量だけ前記電流限界しきい値を増すように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備え、前記電流限界しきい値範囲は、最小電流限界しきい値と最大電流限界しきい値との間の値の範囲である、請請求項25に記載のパワーコンバータ。
【請求項29】
前記固定された増大量は前記電流限界しきい値範囲よりも小さいため、前記パワースイッチの複数のスイッチングサイクルは、前記電流限界しきい値生成器に前記最小電流限界しきい値から前記最大電流限界しきい値まで前記電流限界しきい値を変えさせなければならない、請求項28に記載のパワーコンバータ。
【請求項30】
前記電流限界しきい値生成器は、連続するイネーブルイベント間の時間が長くなるにつれて、電流限界しきい値範囲内で前記電流限界しきい値を減少させるように結合される、請求項23に記載のコントローラ。
【請求項31】
前記駆動回路は、前記駆動信号を生成するように結合されかつ前記イネーブルイベントに応答してセットされるように結合されるラッチを含み、前記駆動回路は、前記電流検知信号と前記電流限界しきい値との比較に応答して前記ラッチをリセットするように結合される比較器をさらに含む、請求項25に記載のパワーコンバータ。
【請求項32】
ワンショットパルスを生成して固定期間を定めるように結合される単安定マルチバイブレータを含み、前記単安定マルチバイブレータは、前記パワースイッチの各々のオン時間の終了に応答して、前記駆動信号を受信して前記ワンショットパルスを生成するように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項25に記載のパワーコンバータ。
【請求項33】
前記電流限界しきい値を生成するように結合されるコンデンサを含み、前記コンデンサは、前記電流限界しきい値が電流限界しきい値範囲内にあれば前記パワースイッチの各々のオン時間の終了後の固定期間の間第1の電流源によって充電されるように結合され、前記コンデンサは、前記電流限界しきい値が前記電流限界しきい値範囲内にあれば前記固定期間後に第2の電流源によって放電されるように結合される電流限界しきい値生成器をさらに備える、請求項25に記載のパワーコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景情報
開示の分野
本発明は概してパワーコンバータに関し、より具体的にはスイッチモードパワーコンバータのためのコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
電子機器は動作するのに電力を用いる。スイッチモードパワーコンバータは、それらが高効率、小型および軽量であるために、今日の電子機器の多くへの電力供給に一般的に用いられている。従来のコンセントは高圧交流電流を与える。スイッチングパワーコンバータにおいて、高圧交流(ac)入力は、エネルギ転送要素を通して十分に調整された直流(dc)出力を与えるように変換される。動作の際、デューティサイクル(典型的には全スイッチング周期に対するスイッチのオン時間の比率)を変える、スイッチング周波数を変える、またはスイッチモードパワーコンバータ中のスイッチの単位時間当たりのパルスの数を変えることによって所望の出力を与えるようにスイッチを利用する。
【0003】
スイッチモードパワーコンバータはコントローラも含む。出力の調整は、閉ループ中で出力を検知しかつ制御することによって達成され得る。コントローラは出力を表わす信号を受信し得、コントローラは、信号に応答して1つ以上のパラメータを変更して出力を所望の量に調整する。パルス幅変調(PWM)制御またはオン/オフ制御などのさまざまな制御モードを利用してもよい。
【0004】
以下の図を参照して、本発明の非限定的かつ非網羅的実施形態を記載する。図中、同じ参照番号は、他に示さなければ、さまざまな図を通して同じ部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の教示に従う、コントローラを利用する例示的なスイッチモードパワーコンバータを図示する図である。
図2A】本発明の教示に従う、例示的な電流限界しきい値波形を図示するグラフの図である。
図2B】本発明の教示に従う、例示的な電流限界しきい値およびイネーブル信号を図示するタイミング図である。
図3】本発明の教示に従う、図1のコントローラの一例を図示する図である。
図4】本発明の教示に従う、図3の例示的なコントローラの信号を表わすさまざまな例示的な波形を図示するタイミング図である。
図5】本発明の教示に従う、図4に示される信号を表わすさまざまな例示的な波形をさらに詳細に図示するタイミング図である。
図6】本発明の教示に従う、図3の例示的なコントローラの信号を表わすさまざまな例示的な波形を図示する別のタイミング図である。
図7】本発明の教示に従う、図1のコントローラの別の例を図示する図である。
図8】本発明の教示に従う、図7の例示的なコントローラの信号を表わすさまざまな例示的な波形を図示するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
対応する参照符号は、図面のいくつかの図を通して対応する構成要素を示す。当業者は
、簡潔さおよび明瞭性のために図中の要素が図示され、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを認めるであろう。たとえば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明のさまざまな実施形態の理解を深めるのを助けるために、他の要素に対して誇張されていることがある。また、本発明のこれらのさまざまな実施形態がより妨げられずに見えるのを容易にするために、商業的に実現可能な実施形態で有用または必要な、一般的であるが十分に理解されている要素をしばしば描いていない。
【0007】
以下の説明では、本発明の完全な理解を与えるために、数多くの具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、本発明を実践するのに具体的な詳細を用いる必要がないことが明らかであろう。他の事例では、本発明を曖昧にするのを避けるために、周知の材料または方法を詳細に記載していない。
【0008】
この明細書を通じての「1つの実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」の参照は、実施形態または例と関連して記載する特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このように、この明細書を通じたさまざまな場所での「1つの実施形態では」、「実施形態では」、「一例」、または「例」という文言の出現は、必ずしも、すべてが同じ実施形態または例を参照しているわけではない。さらに、1つ以上の実施形態または例の中で、特定の特徴、構造、または特性を任意の好適な組合せおよび/または副次的組合せで組合せてもよい。特定の特徴、構造、または特性は、集積回路、電子回路、組合せ論理回路、または記載の機能性を提供する他の好適な構成要素に含まれてもよい。さらに、ここに与える図は、当業者に対する説明目的のためのものであり、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことが認められる。
【0009】
パワーコンバータの出力を調整するのにさまざまな制御モードを利用し得る。PWMピーク電流モード制御では、スイッチは、スイッチ中の電流が調整しきい値に達するまでオンのままである。一旦調整しきい値に達すると、コントローラは、スイッチング周期の残余の間、スイッチをオフにする。一般的に、コントローラは、スイッチのデューティ比を変更することによってパワーコンバータの出力を調整する。コントローラは、調整しきい値の大きさを変更することによってデューティ比を変更してもよい。より大きな調整しきい値は、スイッチについてのより長いオン時間およびより大きなデューティ比に対応する。しかしながら、調整しきい値は一般的に、個別のスイッチングサイクルの間固定されることを認めるべきである。PWMピーク電流モード制御については、コントローラは一般的に、パワーコンバータの出力を表わすアナログ信号を受信する。一例では、コントローラが受信する信号は、検知されるパワーコンバータの出力が所望の量からどの程度離れているかを伝え得る。次にコントローラは、受信したアナログ信号に基づいてスイッチのデューティ比を変更する。
【0010】
別の制御モードは、スイッチングサイクルをイネーブルまたはディスエーブルするオン/オフ制御として公知である。サイクルがイネーブルされるとスイッチは電流を導通し得る一方で、ディスエーブルされたサイクルの間はスイッチは電流を導通することができない。コントローラは、イネーブルされたおよびディスエーブルされたスイッチングサイクルのシーケンスを発生してパワーコンバータの出力を調整する。オン/オフ制御については、コントローラは一般的に、パワーコンバータの出力を表わす論理信号を受信する。一例では、コントローラが受信する信号は、スイッチをイネーブルまたはディスエーブルするであろう一連の論理レベルのパルスであり得る。別の例では、コントローラが受信する信号は、スイッチをイネーブルまたはディスエーブルするのに用いられるデジタル信号であり得る。
【0011】
一種のオン/オフ制御では、コントローラは、イネーブルされたサイクルの間の固定オン時間の間、スイッチをオンする。電流制限オン/オフ制御と称される別の種類のオン/
オフ制御では、コントローラは、イネーブルされたサイクルの間スイッチをオンし、スイッチ中の電流が一旦電流限界しきい値に達するとスイッチをオフする。一般的に、論理状態の形態のイネーブル信号を利用してパワーコンバータの出力を表わすことが有利であり得る。というのも、イネーブル信号は出力を表わすアナログ信号よりもノイズ耐性がより高いことがあるからである。しかしながら、サイクルのイネーブルおよびディスエーブルにより、パワーコンバータの有効スイッチング周波数が可聴ノイズ範囲に入ってしまうことがある。さらに、二乗平均平方根(RMS)電流は、オン/オフ制御を用いるパワーコンバータについてより高いことがあり、そのためパワーコンバータの効率がより劣ることがある。
【0012】
論じられるように、本発明の教示に従う例は、可変電流限界しきい値を用いた電流制限オン/オフ制御方式を提供する。論じられる例の場合、コントローラは、パワーコンバータの出力を表わすイネーブル信号を受信する。イネーブル信号は、パワースイッチをイネーブルまたはディスエーブルする一連のイベントを含む。一例では、コントローラは、イネーブル信号のイベントに応答してパワースイッチをオンし、パワースイッチ中の電流が可変電流限界しきい値に達するとパワースイッチをオフする。可変電流限界しきい値は、イネーブル信号の連続するイベント間の時間に応答して変化する。さらに、可変電流限界しきい値は、パワーコンバータの出力に結合される負荷の範囲に亘るイネーブル信号のイベント間の時間に応答して変化してもよい。一例では、可変電流限界しきい値はランプ信号であってもよく、パワースイッチのスイッチングを制御してパワーコンバータの出力を調整する駆動信号の変調にイネーブル信号のイベント間の時間に従うランプ信号を用いてもよい。
【0013】
一例では、可変電流限界しきい値は、固定期間の間または最大電流限界しきい値に達するまで、パワースイッチの各々のオン時間の終わりに増大速度で増大する。別の例では、可変電流限界は、パワースイッチのオン時間の終了に応答して、固定された増大量で増大する。次に、可変電流限界しきい値は、パワースイッチ中の電流が電流限界しきい値に達するまでまたは可変電流限界しきい値が最小電流限界しきい値に達するまで、減少速度で減少する。このように、本発明の教示に従う例は、パワーコンバータの出力を表わす論理信号またはデジタルイネーブル信号の利点を留保しつつ、増大した効率を有し得、かつ可聴ノイズを発生する可能性を低減し得る。
【0014】
図示のため、図1は、入力VIN102、エネルギ転送要素T1 104、エネルギ転送要素T1 104の1次巻線106、エネルギ転送要素T1 104の2次巻線108、スイッチS1 110、入力帰還111、クランプ回路112、整流器D1 114、出力コンデンサC1 116、出力帰還117、負荷118、検知回路120、イネーブル回路122、およびコントローラ124を含む例示的なパワーコンバータ100を示す。コントローラ124は、駆動回路ブロック126と電流限界しきい値生成器128とをさらに含む。一例では、イネーブル回路122および検知回路120もコントローラ124に含まれてもよい。図1はさらに、出力電圧VO130、出力電流IO132、出力量UO
134、フィードバック信号136、イネーブル信号UEN138、スイッチ電流ID14
0、電流検知信号142、駆動信号144、および電流限界しきい値信号UILIM_TH14
8を図示する。図1に図示される例示的なスイッチモードパワーコンバータ100は、本発明の教示から有利であり得るスイッチモードパワーコンバータの単なる一例であるフライバック構成で結合される。スイッチモードパワーコンバータの他の公知のトポロジおよび構成も本発明の教示から有利であり得ることが認められる。
【0015】
図示される例では、パワーコンバータ100は、未調整入力VIN102から負荷118に出力パワーを与える。一例では、入力VIN102は整流されかつフィルタリングされたac線間電圧である。別の例では、入力電圧VIN102はdc入力電圧である。入力VIN
102はエネルギ転送要素T1 104に結合される。いくつかの例では、エネルギ転送要素T1 104は結合されたインダクタであり得る。他の例では、エネルギ転送要素T1 104は変圧器であり得る。図1の例では、エネルギ転送要素T1 104は、2つの巻線、すなわち1次巻線106および2次巻線108を含む。NPおよびNSは、それぞれ1次巻線106および2次巻線108の巻数である。図1の例では、1次巻線106は入力巻線と考えられてもよく、2次巻線108は出力巻線と考えられてもよい。1次巻線106はパワースイッチS1 110にさらに結合され、これは次に入力帰還111にさらに結合される。さらに、クランプ回路112がエネルギ転送要素T1 104の1次巻線106の両端に結合される。
【0016】
エネルギ転送要素T1 104の2次巻線108は整流器D1 114に結合される。図1に図示される例では、整流器D1 114はダイオードとして例示され、2次巻線108がダイオードのアノードに結合される。いくつかの例では、整流器D1 114は、同期整流器として用いられるトランジスタであり得る。トランジスタが同期整流器として利用される場合、(2次コントローラと称される)別のコントローラを利用してトランジスタのオンおよびオフを制御してもよい。例では、イネーブル回路122および/または検知回路120が2次コントローラ(図示せず)に含まれてもよい。描かれる例に示されるように、出力コンデンサC1 116および負荷118は整流器D1 114に結合される。図1の例では、出力コンデンサC1 116および負荷118の両者ともがダイオードのカソードに結合される。出力が負荷118に与えられ、出力は、出力電圧VO13
0、出力電流IO132、またはその2つの組合せのいずれかとして与えられてもよい。
【0017】
パワーコンバータ100は、出力量UO134として例示される出力を調整する回路構
成をさらに含む。検知回路120は、出力量UO134を検知するように、かつ出力量UO134を表わすフィードバック信号UFB136を与えるように結合される。フィードバック信号UFB136は電圧信号または電流信号であり得る。一例では、検知回路120は、エネルギ転送要素T1 104に含まれる付加的な巻線からの出力量を検知し得る。別の例では、コントローラ124とイネーブル回路122との間またはイネーブル回路122と検知回路120との間に直流絶縁(図示せず)が存在し得る。直流絶縁は、光カプラ、コンデンサ、または磁気結合などのデバイスを用いることによって実現可能である。さらなる例では、検知回路120は、パワーコンバータ100の出力からの出力量UO134
を検知するのに分圧器を利用してもよい。一般的に、出力量UO134は、出力電圧VO130、出力電流IO132、またはその2つの組合せのいずれかである。
【0018】
描かれる例に示されるように、イネーブル回路122は検知回路120に結合され、パワーコンバータ100の出力を表わすフィードバック信号UFB136をセンサ回路120から受信する。イネーブル信号UEN138は電圧信号または電流信号であり得る。一例では、イネーブル信号UEN138はパワーコンバータ100の出力も表わし、情報をコントローラ124に与えてパワースイッチS1 110をイネーブルまたはディスエーブルする。さらに、イネーブル信号UEN138は、パワースイッチS1 110をイネーブル(またはディスエーブル)する1つ以上のイネーブルイベントを含んでもよい。たとえば、パワースイッチS1 110は、イネーブル信号UEN138中のイネーブルイベントが受信されるとイネーブルされ得る。一例では、イネーブル回路122は、一例では論理ハイおよび論理ローのセクションの長さが異なる矩形のパルス波形であるイネーブル信号UEN138を出力する。別の例では、イネーブル信号UEN138は論理信号またはデジタル信号であり得る。イネーブル信号UEN138中のイネーブルイベントは、パワースイッチS1 110をイネーブル(またはディスエーブル)するパルスまたは一連のパルスであり得る。別の例では、イネーブル信号UEN138中のイネーブルイベントは、パワースイッチS1 110をイネーブル(またはディスエーブル)する、1つの論理状態から別の論理状態への遷移であり得る。さらなる例では、イネーブル信号UEN138はアナログ信号
であってもよく、イネーブルイベントは、イネーブル信号UEN138がしきい値を交差して示され得る。
【0019】
コントローラ124はイネーブル回路122に結合され、イネーブル回路122からイネーブル信号UEN138を受信する。コントローラ124はさらに、電流検知信号142を受信するため、およびパワースイッチS1 110に駆動信号144を与えるための端子を含む。電流検知信号142は、パワースイッチS1 110中のスイッチ電流ID
40を表わし得る。電流検知信号142は電圧信号または電流信号であり得る。さらに、コントローラ124は、駆動信号144をパワースイッチS1 110に与えてさまざまなスイッチングパラメータを制御して、パワーコンバータ100の入力からパワーコンバータ100の出力へのエネルギの転送を制御する。そのようなパラメータの例は、パワースイッチS1 110のスイッチング周波数、スイッチング周期、デューティサイクル、またはそれぞれのオンおよびオフ時間を含み得る。
【0020】
図1に描かれる例に図示されるように、コントローラ124は駆動回路126および電流限界しきい値生成器128を含む。駆動回路126はイネーブル信号UEN138を受信するように結合される。一例では、駆動回路126は、イネーブル信号UEN138に応答して駆動信号144を出力する。いくつかの例では、駆動回路126は電流検知信号142をさらに受信し、さらに電流検知信号142に応答して駆動信号144を出力する。電流限界しきい値生成器128は駆動回路126から駆動信号144を受信するように結合され、電流限界しきい値信号UILIM_TH148を駆動回路126にさらに出力する。一例
では、電流限界しきい値生成器128は、イネーブル信号UEN138のイネーブルイベント間の時間に応答して電流限界しきい値信号UILIM_TH148を変更するように結合され
る。一例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH148はランプ信号であってもよく、イ
ネーブルイベント間の時間に従うランプ信号を用いて駆動信号144を変調してパワーコンバータの出力を調整し得る。
【0021】
たとえば、一例では、電流限界しきい値生成器128は、電流限界しきい値範囲内で、パワースイッチS1 110の各々のオン時間の終了後の固定期間の間、増大速度で電流限界しきい値信号UILIM_TH148を増すように結合される。例では、パワースイッチS
1 110の各々のオン時間の終了後の固定期間の後に、電流限界しきい値発生器128は、電流限界しきい値範囲内で、パワースイッチS1 110を通る電流が電流限界しきい値に達するまで減少速度で電流限界しきい値信号UILIM_TH148を減少させるように
結合される。一例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH148は電圧信号または電流信
号であり得る。図示されるように、駆動回路126は電流限界しきい値信号UILIM_TH
48に応答して駆動信号144も出力する。
【0022】
図1の例では、入力電圧VIN102は、入力帰還111に対して正であり、出力電圧VO130は出力帰還117に対して正である。図1に図示される例では、入力帰還111
は出力帰還117から直流絶縁される。換言すると、入力帰還111と出力帰還117との間に印加されるdc電圧は実質的にゼロの電流を発生するであろう。したがって、1次巻線106に電気的に結合される回路は、2次巻線108に電気的に結合される回路から直流絶縁される。たとえば、直流絶縁は、コントローラ124とイネーブル回路122との間またはイネーブル回路122と検知回路120との間に、光カプラ、容量カプラ、または磁気カプラを用いることによって実現可能である。
【0023】
一例では、図1のパワーコンバータ100は、未調整入力VIN102から負荷118へ調整出力パワーを与える。パワーコンバータ100はエネルギ転送要素T1 104を利用して1次巻線106と2次巻線108との間でエネルギを転送する。クランプ回路112はエネルギ転送要素T1 104の1次巻線106に結合されてパワースイッチS1
110上の最大電圧を制限する。図1に示される例示的なパワーコンバータ100では、クランプ回路112は、パワースイッチS1 110がオフした後に1次巻線106の漏れインダクタンスによって生じる電圧スパイクを制限する。パワースイッチS1 110は、コントローラ124から受信される駆動信号144に応答して開閉されて、パワーコンバータ100の入力からパワーコンバータ100の出力へのエネルギの転送を制御する。閉じたスイッチは電流を導通し得、オンと考えられる一方で、開いたスイッチは電流を導通することができず、オフと考えられることが一般的に理解される。図1の例では、パワースイッチS1 110はコントローラ124に応答して電流ID140を制御して、
パワーコンバータ100の特定される性能を満たす。いくつかの例では、パワースイッチS1 110はトランジスタであり得、コントローラ124は集積回路および/または別々の電気構成要素を含んでもよい。一例では、コントローラ124およびパワースイッチS1 110は単一の集積回路中にともに含まれる。一例では、集積回路はモノリシック集積回路である。別の例では、集積回路はハイブリッド集積回路である。
【0024】
パワースイッチS1 110の動作は、1次巻線106両端の、経時的に変化する電圧VPも発生する。変圧器の作用により、電圧VPのスケーリングされた複製が2次巻線108の両端に発生される。スケーリング率は、1次巻線106の巻数NPで除算した2次巻
線108の巻数NSである比率である。パワースイッチS1 110のスイッチングは、
整流器D1 114において脈動電流も発生させる。整流器D1 114中の電流は出力コンデンサC1 116によってフィルタリングされて、負荷118において実質的に一定の出力電圧VO130、出力電流IO132、またはその2つの組合せを発生させる。
【0025】
図示される例では、検知回路120は出力量UO134を検知して、パワーコンバータ
100の出力を表わすフィードバック信号UFB136をイネーブル回路122に与える。イネーブル回路122はフィードバック信号UFB136を受信し、イネーブル信号UEN138を発生させる。イネーブル信号UEN138はパワーコンバータ100の出力を表わし、(イネーブルイベントを用いて)コントローラ124に情報を与えてパワースイッチS1 110をイネーブルまたはディスエーブルする。さらに、イネーブル信号UEN138のイネーブルイベント間の時間はパワーコンバータ出力に応答する。例では、イネーブルイベントは、出力量UO134またはフィードバック信号UFB136がしきい値を下回る
と生成され得る。一例では、イネーブル信号UEN138は、イネーブルイベントとしてパルスを利用して(イネーブル信号は論理ハイ値に増大し、論理ロー値に減少する)パワースイッチS1 110を制御し得る。
【0026】
図1の例では、コントローラ124はイネーブル信号UEN138を受信し、パワースイッチS1 110中の検知されたスイッチ電流ID140を表わす電流検知信号142も
受信する。スイッチ電流ID140は、たとえば、別々の抵抗器両端の電圧、またはトラ
ンジスタが導通している場合はトランジスタ両端の電圧など、さまざまなやり方で検知され得る。コントローラ124は、さまざまな入力に応答して、駆動信号144を出力してパワースイッチS1 110を動作させて、出力量UO134を所望の値に実質的に調整
する。検知回路120、イネーブル回路122、およびコントローラ124を用いることにより、パワーコンバータ100の出力は本発明の教示に従って閉ループ中で調整される。
【0027】
描かれる例に示されるように、コントローラ124は駆動回路126をさらに含み、これはイネーブル信号UEN138および電流検知信号142を受信する。駆動回路126は、イネーブル信号UEN138および電流検知信号142に応答して駆動信号144を出力してパワースイッチS1 110のスイッチングを制御し、パワーコンバータ100の入力からパワーコンバータ100の出力へのエネルギの転送を制御する。一例では、駆動回路126はイネーブルイベントに応答してパワースイッチS1 110をオンする。一例
では、駆動回路126は、イネーブル信号UEN138が論理ハイ値にパルスを発するとパワースイッチS1 110をオンする。一例では、駆動回路126は、電流検知信号142で表わされるスイッチ電流ID140が電流限界しきい値信号UILIM_TH148に達するとパワースイッチS1 110をオフする。一例では、駆動信号144は、論理ハイおよび論理ローのセクションの長さが異なる矩形パルス波形である。駆動信号144は電圧信号または電流信号であり得る。一例では、パワースイッチS1 110は、駆動信号144が論理ハイである場合にオンであり、パワースイッチS1 110は、駆動信号144が論理ローである場合にオフである。
【0028】
描かれる例に示されるように、駆動信号144は、電流限界しきい値生成器128によって受信されるようにも結合される。一例では、電流限界しきい値生成器128は、駆動信号144に応答して電流限界しきい値信号UILIM_TH148を生成する。さらに論じる
ように、電流限界しきい値信号UILIM_TH148は、電流限界しきい値範囲内で、パワー
スイッチS1 110のオン時間の終了後の固定期間の間、増大速度で増大する。換言すると、電流限界しきい値信号UILIM_TH148は、電流限界しきい値範囲内で、パワース
イッチS1 110のオン時間の終わりに、固定された量だけ増大する。このように、一例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH148は最大電流限界しきい値を超えて増大す
ることはない。固定期間の後、電流限界しきい値信号UILIM_TH148は、電流限界しき
い値範囲内で減少速度で減少する。一例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH148は
、電流検知信号142が示すスイッチ電流ID140が電流限界しきい値信号UILIM_TH148に達するまで、または電流限界しきい値信号UILIM_TH148が最小電流限界しきい
値に達するまで、減少する。
【0029】
以上言及したように、駆動信号144は、イネーブル信号UEN138に応答して生成される。したがって、一例では、電流限界しきい値生成器128は、イネーブル信号UEN138に応答して電流限界しきい値信号UILIM_TH148も生成する。特に、電流限界しき
い値信号UILIM_TH148は、パワーコンバータ100の出力に結合される負荷の範囲に
亘ってイネーブル信号UEN138のイネーブルイベント間の時間に応答する。別の例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH148はランプ信号であってもよく、イネーブルイベ
ント間の時間に従うランプ信号を用いて駆動信号144を変調してパワーコンバータの出力を調整してもよい。このように、本発明の教示に従う例は、パワーコンバータ100の出力を表わす論理信号またはデジタルイネーブル信号の利点を留保しつつ、増大した効率を有し得、かつ可聴ノイズを発生する可能性を低減し得る。
【0030】
図2Aは、本発明の教示に従う、経時的に減少する電流限界しきい値ILIM250の例示的な関係を図示する例示的なグラフ200を図示する。特に、グラフ200は、電流限界しきい値ILIM250の第1の関係252、電流限界しきい値ILIM250の第2の関係254、最大電流限界しきい値ITH_MAX256、最小電流限界しきい値ITH_MIN258、時間t1260、および時間t2262を図示する。スイッチ電流ID140が到達し得る電流限
界しきい値ILIM250の最も高い値に対応する100%電流限界264がさらに図示される。というのも、電流限界しきい値ILIM250は可変であり、パワースイッチS1 110がオフした後の固定期間減少し始めるからである。一例では、固定期間は実質的にゼロである。さらに、電流限界しきい値範囲265は、最小電流限界しきい値ITH_MIN258
と最大電流限界しきい値ITH_MAX256との間の値の範囲であり、電流限界しきい値生成
器は電流限界しきい値ILIM250を変更し得る。
【0031】
例示的な第1の関係252に示されるように、電流限界しきい値ILIM250は、電流限界しきい値範囲265内で、最大電流限界しきい値ITH_MAX256から最小電流限界しき
い値ITH_MIN258へ第1の減少速度で減少する。電流限界しきい値ILIM250は時間t1260に最小電流限界しきい値ITH_MIN258に達する。電流限界しきい値ILIM250が
一旦最小電流限界しきい値ITH_MIN258に減少すると、電流限界しきい値ILIM250は
減少を止め、最小電流限界しきい値ITH_MIN258と実質的に等しくなる。
【0032】
例示的な第2の関係254に示されるように、電流限界しきい値ILIM250は、電流限界しきい値範囲265内で、最大電流限界しきい値ITH_MAX256から最小電流限界しき
い値ITH_MIN258へ第2の減少速度で減少する。電流限界しきい値ILIM250は時間t2262に最小電流限界しきい値ITH_MIN258に達する。最小電流限界しきい値ITH_MIN258に一旦到達すると、電流限界しきい値ILIM250は減少を止め、最小電流限界しきい値ITH_MIN258と実質的に等しくなる。第1の関係252および第2の関係254は、
時間に対して実質的に線形に減少する電流限界しきい値ILIM250を図示する。しかしながら、例は、電流限界しきい値ILIM250が非線形であるおよび/または単調である関係も含んでもよい。たとえば、関係は、二次、指数関数的、または区分線形であってもよい。さらなる例は、電流限界しきい値ILIM250が一連の減少段階を含み得る関係も含んでもよい。一連の減少段階は実質的に線形に減少するまたは非線形に減少するものであってもよい。
【0033】
一例では、コントローラは、電流限界しきい値250を減少させるために利用する第1の関係252または第2の関係254を選択してもよい。たとえば、一例では、コントローラは、パワーコンバータ100の入力電圧VIN102に応答して第1の関係252または第2の関係254を選択してもよい。図2Aに図示される電流限界しきい値ILIM250を利用して電流限界しきい値信号UILIM_TH148を変更してもよい。特に、図2Aに示
される関係を利用して、電流限界しきい値信号UILIM_TH148がどのようにイネーブル
信号UEN138および/または駆動信号144に応答するかを定めてもよい。
【0034】
図2Bは経時的な電流限界しきい値信号UILIM_TH248の関係を図示する別の例示的
なグラフ201を図示する。描かれる例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH248、
スイッチ電流ID240、およびイネーブル信号UEN238は、図1について以上で論じ
た電流限界しきい値信号UILIM_TH148、スイッチ電流ID140、およびイネーブル信号UEN138のそれぞれの例である。さらに、第1の関係252を利用して、電流限界しきい値信号UILIM_TH248がイネーブル信号UEN238にどのように応答するかを定め
てもよい。
【0035】
描かれる例に図示されるように、電流限界しきい値信号UILIM_TH248は、電流限界
しきい値範囲265内で、最大電流限界しきい値ITH_MAX256から減少する。例では論
理ハイ値にパルスを発するイネーブル信号UEN238で示されるイネーブル信号UEN238でイネーブルイベントが起こると(換言すると、イネーブルパルスが受信されると)、パワースイッチS1 110がオンし、スイッチ電流ID240が増大し始める。スイッ
チ電流ID240が電流限界しきい値信号UILIM_TH248に達すると、パワースイッチS1 110がオフされ、スイッチ電流ID240がゼロに立下がる。さらに、電流限界し
きい値信号UILIM_TH248は、パワースイッチS1 110がオフされるのに応答して
増大する。一例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH248は最大電流限界しきい値ITH_MAX256に増大する。しかしながら、他の例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH
48は電流限界しきい値範囲265内で固定量だけ増大する。図2Bに図示される例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH248が一旦最大電流限界しきい値ITH_MAX256に達すると、電流限界しきい値信号UILIM_TH248が再び減少し始める。図2Bに示される
例では、別のイネーブルパルスはイネーブル信号UEN238から受信されず、そのため、電流限界しきい値信号UILIM_TH248は、電流限界しきい値範囲265内で最小電流限
界しきい値ITH_MIN258に減少する。図2Bは、イネーブル信号UEN238中のイネー
ブルイベントが受信されず、したがってパワースイッチS1 110がオンしなかったならば電流限界しきい値範囲265内で電流限界しきい値信号UILIM_TH248がどのよう
に減少したであろうかを示す破線253も図示する。
【0036】
図3は、一例では図1のコントローラ100であり得る例示的なコントローラ300を図示する。以下で参照する、同様に名称および番号を付与された要素が上述のように結合されかつ機能することを認めるべきである。以上で言及したように、駆動回路326は、イネーブル信号UEN338、電流検知信号342、および電流限界しきい値信号UILIM_TH348を受信するように結合される。図示される例では、駆動回路326は、図示され
る例では比較器368によってリセットされるように結合されるラッチ366を含んで示される。例では、ラッチ366は、比較器の出力がラッチ366のR入力に結合される一方で、イネーブル信号UEN338をそのS入力で受信するように結合される。駆動信号344はラッチ366から出力される。示されるように、駆動信号344はラッチ366のQ出力から出力される。さらに論じるように、ラッチ366のQ出力はイネーブル信号UEN338が論理ハイであれば論理ハイである。一例では、イネーブル信号UEN338は、論理ハイ値に遷移し、迅速に論理ロー値に立下がる矩形のパルス波形である。一例では、イネーブル信号UEN338の論理ハイパルスの発生がイネーブルイベントと称されることがある。イネーブルイベントがラッチ366のS入力で受信されると、駆動信号344は論理ハイ値に遷移する。論理ハイ値がラッチ366のR入力で受信されると、駆動信号344は論理ロー値に遷移する。
【0037】
描かれる例に示されるように、比較器368は電流検知信号342および電流限界しきい値信号UILIM_TH348を受信するように結合される。図3に示される例では、電流検
知信号342は、比較器368の非反転入力で受信される一方で、電流限界しきい値信号UILIM_TH348は、比較器368の反転入力で受信される。駆動信号344は、電流検
知信号342が電流限界しきい値信号UILIM_TH348に達すると論理ロー値に遷移する
。以上で言及したように、一例では、電流検知信号342はスイッチ電流ID140を表
わす。そのため、駆動信号344は、電流検知信号342で表わされるスイッチ電流ID
140が電流限界しきい値信号UILIM_TH348に達すると論理ロー値に遷移する。一例
では、駆動信号344は、論理ハイおよび論理ローのセクションの長さが異なる矩形パルス波形である。一例では、駆動信号344が論理ハイである時間の長さは、パワースイッチS1 110のオン時間(tON)に対応し、駆動信号344が論理ローである時間の長さはパワースイッチS1 110のオフ時間(tOFF)に対応する。さらに、駆動信号3
44の立上がりエッジ間の時間の長さはスイッチング周期TSと称されることがある。
【0038】
電流限界しきい値生成器328は、駆動回路326から駆動信号344を受信するように結合される。図3に描かれる例では、ラッチ366から駆動信号344を受信するように単安定マルチバイブレータ370が結合される。一例では、単安定マルチバイブレータ370は、駆動信号344のエッジに応答して固定期間を有するパルスを生成する(換言すると、パルスは固定期間の間論理ハイである)。一例では、単安定マルチバイブレータ370は、駆動信号344の立下がりエッジに応答して、固定期間を有するパルスを生成する。換言すると、単安定マルチバイブレータ370は、パワースイッチのオン時間(tON)の終わりに、固定期間を有するパルスを生成する。単安定マルチバイブレータ370の出力はワンショット信号OS390と称される。
【0039】
図示されるように、単安定マルチバイブレータ370からワンショット信号OS390を受信するようにANDゲート386およびインバータ389が結合される。インバータ389がANDゲート388にさらに結合され、これによりANDゲート388が反転されたワンショット信号
【0040】
【数1】
【0041】
391を受信する。ANDゲート386および388は(それぞれ)充電信号CHG392および放電信号DIS394を出力してスイッチS2 374およびS3 378のスイッチングを制御する。スイッチS2 374の一方端は電流源372に結合される一方で、スイッチS2 374の他方端はスイッチS3 378の一方端に結合される。スイッチS3 378の他方端は電流源376に結合される。コンデンサ380の一方端はスイッチS2 374とスイッチS3 378との間のノードに結合される。図示されるように、コンデンサ380の両端の電圧は、電流限界しきい値信号UILIM_TH348として
電流限界しきい値生成器328から出力される。
【0042】
一例では、電流源376は制御された電流源であり得る。図3に図示されるように、電流源376は選択信号SELECT396を受信するように結合され得る。選択信号396を利用して電流源376のIDISの大きさを選択し得る。図2Aに描かれる例に戻って、第1または第2の関係252または254は、パワーコンバータ100の入力電圧VIN102に応答して電流限界しきい値250について選択され得る。さらに論じられるように、電流源376のIDISの大きさはコンデンサ380の放電速度に影響する。そのため、選択信号396は、本発明の教示に従い、パワーコンバータの入力電圧VIN102に応答して電流源376のIDISの大きさを選択し得る。たとえば、一例では、本発明の教示に従い、選択信号396はVIN102の第1の入力電圧値のIDISの第1の大きさを設定してもよく、選択信号396は、VIN102の第2の入力電圧値のIDISの第2の大きさを設定してもよい。換言すると、一例では、本発明の教示に従い、電流源376の複数の異なるIDISの大きさは、図3の選択信号396で表わされるような入力電圧VINに応答して選択され得る。一例では、より低い入力電圧VIN102はより大きなIDISの大きさに対応し得る。別の例では、電流源376のIDISの第1の大きさはVIN102の第1の範囲について選択され得、電流源376のIDISの第2の大きさはVIN102の第2の範囲について選択され得る。一例では、VIN102のいくつかの範囲および電流源376の対応するIDISの大きさが存在し得る。一例では、VIN102の範囲は、異なる地域で動作する必要があるac電圧範囲に対応し得る;すなわち、日本および米国については100VAC−15%〜115VAC+15%であり、欧州については230VAC+/−15%、などである。
【0043】
比較器382および384の両者ともが、電流限界しきい値信号UILIM_TH348を受
信するようにコンデンサ380に結合される。図示されるように、比較器382はその非反転入力で電流限界しきい値信号UILIM_TH348を受信する一方で、比較器384はそ
の反転入力で電流限界しきい値信号UILIM_TH348を受信する。比較器382はその反
転入力で最大電流限界しきい値UTH_MAX356も受信する一方で、比較器384はその非反転入力で最小電流限界しきい値UTH_MIN358を受信する。図示される例では、ANDゲート386および388の両方の入力の1つに小さな丸で図示されるように、ANDゲート386および388はそれぞれ、比較器382および384の反転された出力を受信するように結合される。
【0044】
ワンショット信号OS390が論理ハイ値に遷移すると、充電信号CHGは論理ハイ値に遷移し、スイッチS2 374が閉じられる。さらに、放電信号DIS394は論理ロー値に遷移し、スイッチS3 387を開く。このように、コンデンサ380は電流IC
で電流源372によって充電される。一例では、コンデンサ380の両端の電圧(すなわち電流限界しきい値信号UILIM_TH348)が増大する量は、電流源372が与える電流
Cの大きさおよびワンショット信号OS390が論理ハイである時間の量(すなわち、
固定期間)に比例する。特に、電流限界しきい値信号UILIM_TH348が増大する量は、
コンデンサ380の容量で除算した電流ICの大きさと固定期間との間の積に実質的に等
しい。または数学的には、
【0045】
【数2】
【0046】
である。または、換言すると、電流限界しきい値信号UILIM_TH380の増大速度は電流
Cの大きさおよびコンデンサ380の容量に比例する。
【0047】
充電信号CHG392は、ワンショット信号OS390が論理ローの値に遷移するかまたはコンデンサ380の両端の電圧(すなわち電流限界しきい値信号UILIM_TH348)
が最大電流限界しきい値UTH_MAX356に到達するかすれば、論理ローに遷移する。充電信号CHG392が論理ロー値になると、スイッチS2 374が開き、コンデンサ380はもはや電流源372によって充電されなくなる。
【0048】
反転されたワンショット信号
【0049】
【数3】
【0050】
391が論理ハイ値に遷移すると、放電信号DIS394が論理ハイ値に遷移し、スイッチS3 378を閉じる。そのため、コンデンサ380は電流IDISで電流源376によって放電される。電流限界しきい値信号UILIM_TH348の減少速度は電流IDISの大きさお
よびコンデンサ380の容量に比例する。一例では、増大速度の大きさは減少速度の大きさよりも大きい。
【0051】
放電信号DIS394は、反転されたワンショット信号
【0052】
【数4】
【0053】
391が論理ロー値に遷移すればまたはコンデンサ380の両端の電圧(すなわち電流限界しきい値信号UILIM_TH348)が最小電流限界しきい値UTH_MIN358に達すれば、
論理ロー値に遷移する。放電信号DIS394が論理ロー値になると、スイッチS3 378が開き、コンデンサ380はもはや電流源376によって放電されなくなる。
【0054】
図4を参照して、本発明の教示に従う、図3のコントローラ300の信号のさまざまな例示的な波形を図示するタイミング図400が示される。以下に参照する、同様に名称および番号を付与された要素は上述のように結合されかつ機能することを認めるべきである。図4に描かれる例では、電流限界しきい値範囲465は、最小電流限界しきい値UTH_MIN458と最大電流限界しきい値UTH_MAX456との間の値の範囲であり、電流限界しきい値生成器328が電流限界しきい値信号UILIM_TH448を変更し得る。タイミング図
400に記載される波形は、一例では、ワンショット信号OS490が論理ハイである各々の固定期間の間の電流限界しきい値信号UILIM_TH448の固定された増大量は電流限
界しきい値範囲465よりも小さく、そのため電流限界しきい値生成器328が最小電流限界しきい値UTH_MIN458から最大電流限界しきい値UTH_MAX456まで電流限界しき
い値信号UILIM_TH448を変更し得る前にパワースイッチS1 110の複数の連続ス
イッチングサイクルが起こることを図示する。たとえば、図4に示される例では、3つの連続スイッチング周期を利用して、最小電流限界しきい値UTH_MIN458から最大電流限界しきい値UTH_MAX456へ電流限界しきい値信号UILIM_TH448を変更する。(図示
しない)他の例では、各々の固定期間の間の電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、
最小電流限界しきい値UTH_MIN458から最大電流限界しきい値UTH_MAX456まで変化し得る。
【0055】
図示のため、スイッチング周期T1の開始時、(太線で示される)電流限界しきい値信
号UILIM_TH448は最小電流限界しきい値UTH_MIN458に実質的に等しい。(イネー
ブル信号UEN438が論理ハイ値に遷移することによって示されるように)イネーブルイベントがラッチ366によって受信され、駆動信号444は論理ハイ値に遷移する。したがってこれはパワースイッチS1 110をオンする。(スイッチ電流ID140を表わ
す)電流検知信号442がゼロから増大し始める。スイッチ電流ID140および電流検
知信号442が増大する速度はパワーコンバータの入力電圧VINに比例する。電流検知信号442が電流限界しきい値信号UILIM_TH448に達すると、比較器368の出力が論
理ハイ値に遷移し、これはラッチ366をリセットし、駆動信号444を論理ロー値に遷移させて、パワースイッチS1 110がオフされる。示されるように、駆動信号444が論理ハイである時間はパワースイッチS1 110のオン時間(tON)と称され、駆動信号444が論理ローである時間はパワースイッチS1 110のオフ時間(tOFF)と
称され得る。パワースイッチが一旦オフされると、電流検知信号442はゼロに立下がる。
【0056】
スイッチング周期T1の間の駆動信号444の立下がりエッジで、ワンショット信号O
S490は、固定期間の間、論理ハイ値に遷移する。スイッチング周期T1の間、電流限
界しきい値信号UILIM_TH448の値は、固定期間全体の間、最大電流限界しきい値UTH_MAX456よりも小さい。そのため、比較器382の出力は論理ローであり、充電信号C
HG392は、ワンショット信号OS490が論理ハイである限り、論理ハイである。スイッチS2 374が閉じられ、コンデンサは電流源372によって充電される。その結果、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、充電信号CHG392が論理ハイである
限り、増大する。
【0057】
図示されるように、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、電流限界しきい値範囲
465内で、パワースイッチのオン時間tONの終了後の固定期間の間、増大速度で増大する。図3に戻って、電流限界しきい値信号UILIM_TH448の増大速度は、電流源372
が与える電流ICおよびコンデンサ380の容量に実質的に比例する。特に、電流限界し
きい値信号UILIM_TH448が増大し得る最大量は、コンデンサ380の容量で除算され
る電流ICの大きさと固定期間との積に実質的に等しい。図示される例に示されるように
、電流限界しきい値信号UILIM_TH448が増大し得る最大量は電流限界しきい値範囲4
65よりも小さい。
【0058】
反転されたワンショット信号
【0059】
【数5】
【0060】
491は、ワンショット信号OS490が固定期間の終わりに論理ロー値に遷移すると論理ハイ値に遷移する。比較器384の出力は、電流限界しきい値信号UILIM_TH448の
値が最小電流限界しきい値UTH_MIN458よりも大きい限り、論理ローである。そのため
、ANDゲート388から出力される放電信号DIS494は、反転されたワンショット信号
【0061】
【数6】
【0062】
491が論理ロー値に遷移するかまたは電流限界しきい値信号UILIM_TH448の値が最
小電流限界しきい値UTH_MIN458に達するまで、論理ハイである。図示されるように、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、電流検知信号442が電流限界しきい値信号
ILIM_TH448に達するまで、減少速度で減少する。図3に戻って、減少速度は、電流
源376が与える電流IDISおよびコンデンサ380の容量に実質的に比例する。
【0063】
スイッチング周期T2の開始時、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は依然として減少速度で減少している。(スイッチング周期T2の開始時にイネーブル信号UEN438が
論理ハイ値に遷移することによって示されるように)別のイネーブルイベントが受信され、これがラッチ366をセットし、駆動信号444を論理ハイ値に遷移させ、こうしてパワースイッチS1 110をオンする。電流検知信号442が(依然として減少している)電流限界しきい値信号UILIM_TH448に達すると、比較器368の出力は論理ハイ値
に遷移し、これはラッチ366をリセットし、駆動信号444を論理ロー値に遷移させ、こうしてパワースイッチS1 110をオフする。
【0064】
図4に描かれる例を続けて、ワンショット信号OS490は、スイッチング周期T2
間、オン時間tONの終わりに論理ハイ値に遷移する。スイッチング周期T1と同様に、ス
イッチング周期T2の間、電流限界しきい値信号UILIM_TH448の値は、ワンショット信号OS490が論理ハイである固定期間全体の間、最大電流限界しきい値UTH_MAX456よりも小さい。そのため、充電信号CHG492は、固定期間全体の間、論理ハイであり、固定期間の後にワンショット信号OS490が論理ロー値に遷移すると論理ロー値に遷移する。または、換言すると、充電信号CHG492はワンショット信号OS490に実質的に従う。固定期間の終わりに(すなわち、ワンショット信号OS490が論理ロー値に遷移し、反転されたワンショット信号
【0065】
【数7】
【0066】
491が論理ハイ値に遷移すると)、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、最小電
流限界しきい値UTH_MIN458または電流検知信号442が電流限界しきい値信号UILIM_TH448に達するまで、減少速度で減少する。示される例では、電流限界しきい値信号
ILIM_TH448は、電流検知信号442が電流限界しきい値信号UILIM_TH448に達するまで減少する。
【0067】
描かれる例に示されるように、スイッチング周期T3の開始時に、別のイネーブルイベ
ントが受信され、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は依然として減少速度で減少し
ている。スイッチング周期T3はスイッチング周期T2と同様である。しかしながら、ワンショット信号OS490の固定期間の終わりに、電流限界しきい値信号UILIM_TH448
は最大電流限界しきい値UTH_MAX456に到達したばかりである。固定期間の終わりに、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は減少し始める。
【0068】
スイッチング周期T4の開始時に、別のイネーブルイベントが受信され、電流限界しき
い値信号UILIM_TH448は依然として減少速度で減少している。駆動信号444は論理
ハイ値に遷移し、パワースイッチがオンされる。電流検知信号442が電流限界しきい値信号UILIM_TH448に達すると、比較器368の出力は論理ハイ値に遷移し、駆動信号
444は論理ロー値に遷移し、パワースイッチがオフされる。
【0069】
ワンショット信号OS490は、スイッチング周期T4の間に、オン時間tONの終わり
に論理ハイ値に遷移する。スイッチング周期T4の間のオン時間tONの終了時、電流限界
しきい値信号UILIM_TH448の値は最大電流限界しきい値UTH_MAX456よりも小さい
。そのため、比較器382の出力は論理ローであり、充電信号CHG492は論理ハイである。スイッチS2 374はオンされ、電流限界しきい値信号UILIM_TH448が増大
し始める。
【0070】
しかしながら、スイッチング周期T1、T2、およびT3とは異なり、電流限界しきい値
信号UILIM_TH448は、固定期間の終了前に最大電流限界しきい値UTH_MAX456に達
する(すなわちワンショット信号OS490が依然として論理ハイである)。電流限界しきい値信号UILIM_TH448が最大電流限界しきい値UTH_MAX456に達したとき、比較
器382の出力は論理ハイであり、充電信号CHG492は論理ロー値に遷移する。そのため、スイッチS2 374がオフされ、コンデンサ380はもはや電流源372によって充電されなくなる。図5にさらに図示されるように、電流限界しきい値信号UILIM_TH
448は、ワンショット信号OS490が論理ハイ値である固定期間の残余の間、最大電流限界しきい値UTH_MAX456と実質的に等しいままである。または、換言すると、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、ワンショット信号OS490が論理ロー値に遷移
するまで最大電流限界しきい値UTH_MAX456と実質的に等しい。
【0071】
固定期間の終わりに、反転されたワンショット信号
【0072】
【数8】
【0073】
491は論理ハイ値に遷移する。比較器384の出力は論理ローである。というのも、電流限界しきい値信号UILIM_TH448の値は最小電流限界しきい値UTH_MIN458よりも
大きいからである。その結果、放電信号DIS494は論理ハイであり、スイッチS3 378が閉じられ、電流限界しきい値信号UILIM_TH448は、電流検知信号442が電
流限界しきい値信号UILIM_TH448に達するかまたは電流限界しきい値信号UILIM_TH448が最小電流限界しきい値UTH_MIN458に達するまで減少する。図4に示される例では、スイッチング周期T5、T6、T7、およびT8について示される波形は、以上で論じたスイッチング周期T4について記載した波形と同様である。
【0074】
図5は、本発明の教示に従う、図4に示される信号のさまざまな例示的な波形をさらに詳細に図示するタイミング図である。特に、タイミング図500は、電流限界しきい値信号UILIM_TH548が電流限界しきい値範囲内で最大電流限界しきい値UTH_MAX556で
クランプされる例を図示する。(駆動信号544が論理ロー値に遷移することによって示されるような)パワースイッチS1 100のオン時間の終わりに、ワンショット信号OS590は論理ハイ値に遷移する。以上で言及したように、ワンショット信号OS590が論理ハイである時間の長さは固定期間と称されることがある。固定期間の開始時、電流限界しきい値信号UILIM_TH548は最大電流限界しきい値UTH_MAX556よりも小さく
、比較器382の出力は論理ローである。そのため、ワンショット信号OS590が論理ハイ値に遷移すると、充電信号CHG592は論理ハイ値に遷移する。スイッチS2 374が閉じられ、電流限界しきい値信号UILIM_TH548が増大する。
【0075】
しかしながら、電流限界しきい値信号UILIM_TH548は、ワンショット信号OS59
0の固定期間の終了前に最大電流限界しきい値UTH_MAX556に達する。比較器382の出力は論理ハイ値に遷移し、その結果充電信号CHG592は論理ロー値に遷移する。電流限界しきい値信号UILIM_TH548は、ワンショット信号OS590の固定期間の残余
の間最大電流限界しきい値UTH_MAX556と実質的に等しい。ワンショット信号OS590が一旦論理ロー値に遷移すると、反転されたワンショット信号
【0076】
【数9】
【0077】
は論理ハイ値に遷移し、電流限界しきい値信号UILIM_TH548は減少し始める。
ここで図6を参照して、図3のコントローラ300の信号のさまざまな例示的な波形のタイミング図600を示す。以下で参照する、同様に名称および番号を付与された要素は上述のように結合されかつ機能することを認めるべきである。さらに、タイミング図600で記載される波形は、電流限界しきい値信号UILIM_TH648が電流限界しきい値範囲
665内で最小電流限界しきい値UTH_MIN658にクランプされ得る例を図示する。電流限界しきい値範囲665は、最小電流限界しきい値UTH_MIN658と最大電流限界しきい値UTH_MAX656との間の値の範囲であり、電流限界しきい値生成器328が電流限界しきい値信号UILIM_TH648を変更し得る。
【0078】
例に示されるように、スイッチング周期TNの始めにイネーブルイベントが受信され、
パワースイッチがオンされる。電流検知信号642が電流限界しきい値信号UILIM_TH
48に達すると、駆動信号644は論理ロー値に遷移し、パワースイッチがオフされる。スイッチング周期TNは、上述のスイッチング周期T4からT8と同様である。示される例
では、電流限界しきい値信号UILIM_TH648は、電流限界しきい値範囲665内で最大
電流限界しきい値UTH_MAX656へ増大し、放電信号DIS694が論理ハイ値に遷移すると減少し始める。
【0079】
スイッチング周期TN+1の開始時にイネーブルイベントが受信され、電流限界しきい値
信号UILIM_TH648は依然として減少している。駆動信号644は論理ハイ値に遷移し
、パワースイッチS1 110がオンされる。電流検知信号642で表わされるスイッチ電流ID140が電流限界しきい値信号UILIM_TH648に達すると、駆動信号644は論理ロー値に遷移し、パワースイッチS1 110がオフされる。以前に論じたように、電流限界しきい値信号UILIM_TH648は駆動信号644のオン時間(tON)の終わりに増
大し始める。スイッチング周期TN+1の間、電流限界しきい値信号UILIM_TH648の値は最大電流限界しきい値UTH_MAX656よりも小さく、電流限界しきい値信号UILIM_TH
48は、ワンショット信号OSの固定期間全体の間、増大する。そのため、充電信号CHG692は、ワンショット信号OSが論理ハイである限り、論理ハイである。
【0080】
固定期間の終了時、電流限界しきい値信号UILIM_TH648は最小電流限界しきい値UTH_MIN658よりも大きく、反転されたワンショット信号
【0081】
【数10】
【0082】
691は論理ハイ値に遷移する。放電信号DIS694は論理ハイであり、電流限界しきい値信号UILIM_TH648は電流限界しきい値範囲665内で減少し始める。しかしなが
ら、電流限界しきい値信号UILIM_TH648が最小電流限界しきい値UTH_MIN658に達
すると、比較器384の出力は論理ハイ値に遷移し、放電信号DIS694は論理ロー値に遷移し、電流限界しきい値信号UILIM_TH648は最小電流限界しきい値UTH_MIN65
8に実質的に等しいままである。電流限界しきい値信号UILIM_TH648は、駆動信号6
44の次のオン時間の終わりまで最小電流限界しきい値UTH_MIN658にクランプされたままである。示される例では、電流限界しきい値信号UILIM_TH648は、スイッチング
周期TN+2の間のオン時間(tON)の終わりに増大し始める。
【0083】
図7は、本発明の教示に従う、図1に示されるコントローラ100の別の例である例示的なコントローラ700を図示する。以下で参照する、同様に名称および番号を付与された要素は上述のように結合されかつ機能することを認めるべきである。コントローラ700は図3に示されるコントローラ300と多数の類似点を共有するが、コントローラ700は、スイッチS2 774およびS3 778を充放電するように結合される電流ミラーとして共に結合されるトランジスタを含む。さらに、電流限界しきい値生成器728は、図3に示される比較器およびANDゲートよりもむしろ充電ミラーを利用して、電流限界しきい値信号UILIM_TH748を最小電流限界しきい値UTH_MIN758または最大電流
限界しきい値UTH_MAX756のいずれかにクランプする。
【0084】
駆動回路ブロック726は図3に示される駆動回路ブロック326と同様である。駆動信号744はラッチ766から単安定マルチバイブレータ770に出力される。上述の単安定マルチバイブレータ370と同様に、単安定マルチバイブレータ770は、駆動信号744のエッジに応答して、固定期間を有するパルス(換言すると、パルスは固定期間の間論理ハイである)を生成する。たとえば、単安定マルチバイブレータ770は、駆動信号744の立下がりエッジに応答して、固定期間を有するパルスを生成する。単安定マルチバイブレータ770の出力はワンショット信号OS790と称される。
【0085】
単安定マルチバイブレータ770の出力は、スイッチS2 774のスイッチングを制御するようにさらに結合される。示される例では、スイッチS2 774を制御する信号は充電信号CHG792と称される。示される例では、充電信号CHG792はワンショット信号OS790と実質的に同じである。単安定マルチバイブレータ770からワンショット信号OS790を受信するようにインバータ789も結合される。インバータ789の出力は、スイッチS3 778のスイッチングを制御するようにさらに結合される。示される例では、インバータ789の出力は放電信号DIS794と称される。示される例では、放電信号DIS794は反転されたワンショット信号OS790である。
【0086】
コンデンサ780の一方端はスイッチS2 774とスイッチS3 778との間に結合される。さらに、スイッチS2 774の一方端はトランジスタ797に結合される。トランジスタ795および797は共に電流ミラーとして結合される。一例では、トランジスタ795および797はp型金属酸化物半導体トランジスタ(MOSFET)である。図示されるように、トランジスタ795および797は、電流源772が与える電流ICをミラーリングする。示される例では、トランジスタ795および797によって形成
される電流ミラーは最大電流限界しきい値UTH_MAX756を基準とする。
【0087】
スイッチS3 778はトランジスタ799にさらに結合される。トランジスタ798および799は共に電流ミラーとして結合される。一例では、トランジスタ798および799はn型MOSFETである。図示されるように、トランジスタ798および799は、電流源776が与える電流IDISをミラーリングする。一例では、電流源776は制御された電流源であり得る。図7に図示されるように、電流源776は選択信号SELECT796を受信するように結合され得る。一例では、選択信号796を利用して電流源776のIDISの大きさを変更し得る。示される例では、トランジスタ798および799に
よって形成される電流ミラーは最小電流限界しきい値UTH_MIN758を基準とする。例では、選択信号796は、パワーコンバータの入力電圧VINに応答して、電流源776のIDISの大きさを選択し得る。たとえば、一例では、選択信号796は、VIN102の第1の入力電圧値に応答してIDISの第1の大きさを設定し得、選択信号796は、VIN102の第2の入力電圧値に応答してIDISの第2の大きさを設定し得る。一例では、より低い入力電圧VINはより大きなIDISの大きさに対応し得る。
【0088】
動作の際、それぞれ電流源772または776に応答して、スイッチS2 774およびS3 778が開閉されてコンデンサ780を充電または放電する。駆動信号744の立下がりエッジで、ワンショット信号OS790は固定期間の間論理ハイ値に遷移し、スイッチS2 774が閉じられる。さらに、放電信号DIS794が論理ロー値に遷移し、スイッチS3 778を開く。そのため、コンデンサ780は、電流源772に応答して電流ICで充電され、電流限界しきい値信号UILIM_TH748が増大する。ワンショット信号OS790が固定期間の終わりに論理ロー値に遷移すると、放電信号DIS794が論理ハイ値に遷移し、スイッチS3 778を閉じる。そのため、コンデンサ780は、電流源776に応答して電流IDISで放電され、電流限界しきい値信号UILIM_TH748が
減少する。
【0089】
しかしながら、トランジスタ795および797ならびにトランジスタ798および799によって形成される電流源はそれぞれ、最大電流限界しきい値UTH_MAX756および最小電流限界しきい値UTH_MIN758と称される。コンデンサ780の両端の電圧(すなわち電流限界しきい値信号UILIM_TH748)が最大電流限界しきい値UTH_MAX756に
達すると、トランジスタ795および797によって形成される電流ミラーはもはや、電流源772が与える電流ICをミラーリングすることができず、コンデンサ780を充電
するのに与える電流がより少なくなる。同様のことが、コンデンサ780の両端の電圧(すなわち、電流限界しきい値信号UILIM_TH748)が最小電流限界しきい値UTH_MIN
58に達する際に言える。このように、コンデンサ780の両端の電圧が最大電流限界しきい値UTH_MAX756または最小電流限界しきい値UTH_MIN758に近づくと、電流限界しきい値信号UILIM_TH748が増大するまたは減少する速度が遅くなる。または、換言
すると、電流限界しきい値信号UILIM_TH748の増大速度および減少速度の両者の大き
さが小さくなる。一例では、電流ミラーが電流ICおよびIDISを正しくミラーリングする
ことができなくなる点(電流限界しきい値信号UILIM_TH748の増大速度および減少速
度が減少し始める点)はそれぞれ、トランジスタ795、797、798、および799のチャネル幅とチャネル長さとの間の比率に部分的に依存する。最終的に、電流限界しきい値生成器728は、電流限界しきい値信号UILIM_TH748を、最小電流限界しきい値
TH_MIN758または最大電流限界しきい値UTH_MAX756のいずれかにクランプする。
【0090】
図8は、本発明の教示に従う、図7に示される信号のさまざまな例示的な波形を図示するタイミング図である。特に、タイミング図800は、電流限界しきい値信号UILIM_TH
848が電流限界しきい値範囲内で最大電流限界しきい値UTH_MAX856および最小電流限界しきい値UTH_MIN858にクランプされる例を図示する。(イネーブル信号838のパルスによって示されるように)イネーブルイベントが受信され、駆動信号844は論理ハイ値に遷移し、パワースイッチS1 110がオンされる。電流検知信号842で表わされるスイッチ電流ID140が電流限界しきい値信号UILIM_TH848に達すると、駆動信号844は論理ロー値に遷移し、パワースイッチS1 110がオフされる。オン時間の終わりに、充電信号CHG892は論理ハイ値に遷移し、放電信号DIS894は論理ロー値に遷移する。スイッチS2 774が閉じられ、電流限界しきい値信号UILIM_TH
848が増大する。以上で言及したように、充電信号CHG892が論理ハイである時間の長さは固定期間と称されることがある。
【0091】
しかしながら、電流限界しきい値信号UILIM_TH848が、固定期間の終了前に最大電
流限界しきい値UTH_MAX756に近づくと、トランジスタ795および797によって形成される電流ミラーは電流源772が与える電流ICをもはやミラーリングすることがで
きず、コンデンサ780を充電するのに与える電流がより少なくなる。そのため、電流限界しきい値信号UILIM_TH848の増大速度は、最大電流限界しきい値UTH_MAX856に
より近い電流限界しきい値信号UILIM_TH848のカーブした特性によって示されるよう
に減少する。カーブした特性の形状は、トランジスタ795および797のチャネル幅とチャネル長さとの間の比率によって部分的に決まり得る。電流限界しきい値信号UILIM_TH848が最大電流限界しきい値UTH_MAX856に一旦達すると、トランジスタ795お
よび797によって形成される電流ミラーが与える電流は実質的になくなり、電流限界しきい値信号UILIM_TH848は最大電流限界しきい値UTH_MAX856で実質的にクランプ
される。
【0092】
固定されたオン時間の終わりに、放電信号DIS894は論理ハイ値に遷移し、スイッチS3 778が閉じられ、電流限界しきい値信号UILIM_TH848は電流限界しきい値
範囲865内で減少し始める。しかしながら、電流限界しきい値信号UILIM_TH848が
最小電流限界しきい値UTH_MIN858に近づくにつれ、トランジスタ798および799によって形成される電流ミラーは、電流源776が与える電流IDISをもはやミラーリングすることができず、コンデンサ780を放電するのに与える電流がより少なくなる。そのため、電流限界しきい値信号UILIM_TH848の減少速度の大きさは、最小電流限界しき
い値UTH_MIN858により近い電流限界しきい値信号UILIM_TH848のカーブした特性
によって示されるように減少する。カーブした特性の形状は、トランジスタ798および798のチャネル幅とチャネル長さとの間の比率によって部分的に決まり得る。電流限界しきい値信号UILIM_TH848が一旦最小電流限界しきい値UTH_MIN858に達すると、
トランジスタ798および799によって形成される電流ミラーが与える電流が実質的になくなり、電流限界しきい値信号UILIM_TH848は最小電流限界しきい値UTH_MIN85
8で実質的にクランプされる。
【0093】
要約書に記載するものを含む本発明の図示する例の上記記載は、網羅的になることまたは開示される正確な形態への限定を意図するものではない。発明の具体的な実施形態およびそのための例を図示の目的のためにここに記載するが、本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな均等の修正例が可能である。実際に、具体的な例示的な電圧、電流、周波数、電力範囲の値、時間などは説明の目的のために与えられるものであり、本発明の教示に従う他の実施形態および例では他の値も用いてもよいことが認められる。
【符号の説明】
【0094】
100 パワーコンバータ、124、300、700 コントローラ、126、326、726 駆動回路ブロック、128、328、728 電流限界しきい値生成器、142、342、642 電流検知信号、144、344、444、644、744 駆動信号、148、348、448、548、648、748、848 電流限界しきい値信号。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8