特許第6528027号(P6528027)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6528027-積雪凍結水槽ポンプ吸水装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6528027
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】積雪凍結水槽ポンプ吸水装置
(51)【国際特許分類】
   A62C 33/00 20060101AFI20190531BHJP
   A62C 99/00 20100101ALI20190531BHJP
【FI】
   A62C33/00 Z
   A62C99/00
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-219848(P2018-219848)
(22)【出願日】2018年11月26日
【審査請求日】2018年11月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391027734
【氏名又は名称】山本 増男
(72)【発明者】
【氏名】山本 増男
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−119196(JP,A)
【文献】 鵜沼良友,無蓋防火水槽の凍結防止対策「凍結防止袋」の作成について,平成23年度消防に関する論文,日本,一般財団法人全国消防協会,2012年 5月,第1〜9頁,URL,http://www.ffaj-shobo.or.jp/ronbun/data/h23/h23_ronbun01.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 27/00〜99/00
B65D 88/76
E03B 9/00〜11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒吸水管下部に ストレーナー (1) 上部に 傾斜角自在却架台 (2) 先端に 開閉蓋 (3) が具備された構造の 積雪凍結水槽ポンプ吸水管 (4) 内に バルブ (5) が接続された 耐寒性長チューブ袋 (6) を円筒吸水管上から挿入してエヤーポンプで長チューブ袋内に高圧空気を注入行い、円筒吸水管内に長チューブ袋体を満杯膨張させて円筒吸水管内浸水を排出させて フランジストッパー (7) の効果で、空気入り長チューブ袋体の浮上を防止行うと同時に、円筒吸水管下部浸水を長期間防止して消防車が積雪凍結水槽を緊急使用する場合、吸水管内長チューブ袋バルブを開き、チューブ袋内空気を抜いた空洞に ホース吸水口 (8) を挿入し 凍結層 (9) 下部 貯水 (10) を消防ポンプで吸水して 大積雪 (12) 地域では 補助吸水管 (11) を接続して、吸水消火行うことを特徴とした、積雪凍結水槽ポンプ吸水装置。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冬季 貯水池、屋外防火水槽等は積雪凍結で、表面に厚い氷が張るため、これまで消防車が火災現場に到着しても、迅速に初期消火活動が出来なかったものである。現在各消防車に、ハンマー、ツルハシ、ノコギリ、スコップ等が搭載されているが積雪凍結貯水槽の対応作業が困難で、隊員の消火活動に支障が生じていたものである。
【背景技術】
【0002】
水道管、消火栓等の凍結には、ガスバーナ加温、熱湯かけ方法が実施されているが積雪凍結貯水池、防火水槽等には、迅速に対応できる方法は無いのが実状である。冬季、関西、中国、九州地方では積雪凍結貯水槽の被害は少ないが、関東、東北、北海道地方では、毎年積雪凍結貯水池、防火水槽等の除雪凍結除去作業に消防隊員が大変困窮していることが報告されている。現在に至って、積雪凍結貯水池、屋外防火水槽等には迅速に吸水が出来る装置開発は行われていないのが実状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2006−305446
【特許文献2】特開2008−119196
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冬季、貯水池、屋外防火水槽等が積雪凍結した場合、水面に厚い氷が張る為 火災発生時、消防車が現場に到着しても迅速消火活動が出来ない課題があった。消防車には、ハンマー、ツルハシ、ノコギリ スコップ 等が搭載されており、積雪凍結氷の除去作業を消防隊員が行っている為、初期消火活動に支障が生じていたものである。
特に夜間の貯水池、屋外防火水槽等に積雪凍結の被害が生じた場合でも、消防隊員が容易に、迅速初期消火活動が出来る、新しい消防ポンプ吸水技術の開発が、これまで長年望まれていたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
貯水池、防火水槽等の水面に積雪、凍結氷層が発生する位置を想定して、前もって想定位置を貫通させた、長円筒吸水管を水槽内に設置して置く方法を考案した。貯水面に凍結氷層が張っても長円筒吸水管が水槽内に設置してあれば、円筒吸水管の下から貯水を消防車が容易にポンプ吸水することができる理論である。しかしこの方法では、貯水が円筒吸水管下から自然浸水して、貯水槽と同じく円筒吸水管内にも氷が張ってしまう欠陥がある。解決手段として円筒吸水管内に完全浸水防止を行う方法として、新しく潜水艦が高圧空気で艦内海水を排出する装置を応用して、円筒吸水管内浸水をエアーチュウブ袋内の高圧空気圧で管内浸水排水を行う方法を新たに発明したものである。発明の手段を詳しく説明すると下記の通りである。
【0006】
開閉バルブが接続された耐寒性長チューブ袋を円筒吸水管の上から挿入して、更に長チューブ袋内エアーポンプで高圧空気を注入すれば、長チューブ袋は円筒管内満杯に膨張する為、管内浸水は高圧空気圧で容易に排出される。更にフランジストッパーの効果で、空気入り長チューブ袋の浮上現象をフランジストッパーが固定制止するため、長チューブは長期間吸水管内浸水を完全に防止することが出来るのである。消防車が緊急積雪凍結水槽を使用する場合、円筒吸水管内長チューブのバルブを開けて、チューブ袋内の空気を放出した空洞内に消防ホース吸水口を挿入すれば、積雪凍結水槽の貯水が容易に吸水出来て、迅速に消火放水が出来る手段である。
【発明の効果】
【0007】
厳寒地方に於いて火災発生時、積雪凍結貯水池、凍結防火水槽等の貯水が即時、使用出来て迅速に消火活動ができる効果は実に優れたものである。本発明の積雪凍結水槽消防ポンプ吸水装置は、円筒吸水管を貯水槽内に設置するだけでの簡単な装置で更に、ランニングコストも空気を使用するため、長期維持費は不要である。
消防プロが考えても積雪凍結貯水池、屋外凍結防火水槽には本発明ポンプ吸水装置は絶対必需品であり、火災消火に大きく寄与する製品であることから早期大量生産して日本の積雪厳寒地方に普及することが望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】円筒吸水管の側面図
図2】バルブ接続耐寒性チユーブ袋の側面図
図3】円筒吸水管吸水装置の設置側面図
図4】積雪凍結水槽ポンプ吸水装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
円筒吸水管下部に ストレーナー (1) 上部に 傾斜角自在却架台 (2) 先端に 開閉蓋 (3) が具備された構造の 積雪凍結水槽ポンプ吸水管 (4) 内に バルブ (5) が接続された 耐寒性長チューブ袋 (6) を円筒吸水管上から挿入してエヤーポンプで長チューブ袋内に高圧空気を注入行い、円筒吸水管内に長チューブ袋体を満杯膨張させて円筒吸水管内浸水を排出させて フランジストッパー (7) の効果で、空気入り長チューブ袋体の浮上を防止行うと同時に、円筒吸水管下部浸水を長期間防止して消防車が積雪凍結水槽を緊急使用する場合、吸水管内長チューブ袋バルブを開き、チューブ袋内空気を抜いた空洞に ホース吸水口 (8) を挿入し 凍結層 (9) 下部
貯水 (10) を消防ポンプで吸水して 大積雪 (12) 地域では 補助吸水管 (11) を接続して、吸水消火行うことを特徴とした、積雪凍結水槽ポンプ吸水装置である。
【実施例】
【0010】
関西地方には30cm〜40cm厚の氷が張る貯水池、防火水槽等はないが、2cm位の氷が張ることは1月〜2月にはよくある。しかしハンマーで砕けば簡単に破壊できる氷層であることから消防隊員が困ることは無いのである。本発明は、一般財団法人全国消防協会から出版されている、無蓋防火水槽の凍結防止対策資料に掲載されている実施例写真を参考に発明したもので、凍結貯水槽ポンプ吸水装置設置の実施例は無い。でも平成29年12月15日特許第6259152発明の名称 融雪効果持続車両滑り止めゴムシートの特許を取得し更に平成30年2月15日特許第6402295号 発明の名称 路面凍結防止埋設ピット装置の特許を取得していることから積雪凍結貯水槽の凍結防止装置については長年凍結防止研究を行った実施がある。
【産業上の利用可能性】
【0011】
主に各自治体消防署、自治体消防団等が使用する積雪凍結貯水槽消防ポンプ吸水装置であるため、用途は厳寒地方には必需品であると思われる。山間温泉旅館街、ゴルフ場、スキー場、別荘地帯等の防火水槽に使用されることが予想される。しかし厳寒季節は日本国だけでなく、韓国、中国、ロシヤ、カナダ、北アメリカ、に於いても積雪凍結貯水池、凍結防火水槽等は多々あることから、本特許が査定されると単品で海外輸出が可能となる為、日本の産業発展に大きく貢献できるものと思われる。
【符号の説明】
【0012】
1 ストレーナー
2 傾斜角自在却架台
3 開閉蓋
4 積雪凍結水槽ポンプ吸水管
5 バルブ
6 耐寒性長チューブ袋
7 フランジストッパー
8 ホース吸水口
9 凍結層
10 貯水
11 補助吸水管
12 大積雪
【要約】
【課題】
厳寒地方の貯水池、屋外防火水槽の水面には30cm〜40cmの氷が張る為、火災発生時 消防車が緊急積雪凍結貯水槽を使用する場合、積雪凍結氷除去作業に時間が掛かる為 初期消火活動が遅れる課題があった。現在に至っても、迅速に積雪凍結貯水槽の消防ポンプ吸水方法、吸水装置等は開発されてないのが実状である。
【解決手段】
積雪凍結貯水池、凍結防火水槽は、表面に氷層があっても、水槽内には貯水のあることが報告されている。解決手段は表面凍結氷層を貫通して円筒吸水管を水槽内に設置して更に吸水管内にバルブ付耐寒性長チューブ袋を挿入して高圧空気を注入すれば、袋体は管内満杯に膨張して管内自然浸水を長期間防止ができる、消防車が積雪凍結貯水槽使用の場合、チューブ空気を抜いた空洞内に吸水ホースを挿入すれば容易に積雪凍結貯水槽からポンプ吸水ができて火災消火ができる手段である。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4