【実施例】
【0126】
本明細書に記述する実施例は、本発明の実施形態を例示するためのものである。他の実施形態、他の方法、他の種類の分析は、当業者の能力の範囲内であり、本明細書に詳細に記述する必要がない。当技術分野の範囲内の他の実施形態は、本発明の一部であるとみなされる。
【0127】
無水溶媒は、商業的に入手する。空気の影響を受けやすい反応は、Ar下で行う。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、60F
254シリカで被覆されたアルミニウムシートで実施する。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merck若しくはSiliCycleのシリカゲル(40〜63μm)又はSiliCycle逆相(C18)シリカゲル(40〜63μm)で実施する。NMRスペクトルは、Bruker500MHz分光計で記録する。
1H NMRスベクトルは、0ppmでのテトラメチルシラン(内部標準)、又は残留溶媒ピーク(CHCl
37.26ppm、CHD
2OD3.31ppm)を基準とする。
13C NMRスペクトルは、0ppmでのテトラメチルシラン(内部標準)、又は重水素化溶媒ピーク(CDCl
377.0ppm、CD
3OD49.0ppm)を基準とする。CDCl
3−CD
3OD溶媒混合物は、常に、メタノールピークを基準とする。高分解能エレクトロスプレーイオン化質量スペクトルは、Q−Tof Premier質量分析計で記録する。
【0128】
(例1)−(2S,3S,4R)−2−アミノ−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコサノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN089)の合成
(例1.1)−(2S,3S,4R)−2−アジド−3,4−O−ジベンジル−1−O−α−D−ガラクトピラノシルオクタデカ−6−エン−1,3,4−トリオール(18)の合成
【化43】
氷冷した、ペル(トリメチルシリル)ガラクトース(Bhat及びGervay−Hague、2001)(1.44g、2.66mmol)の乾燥CH
2Cl
2(13mL)溶液に、TMSI(0.34mL、2.5mmol)を滴下した。混合物を、0℃で40分間、次いで、rtで10分間撹拌し、CH
2Cl
2(12mL)中の、Bu
4NI(2.9mg、7.9mmol)、i−Pr
2NEt(0.90mL、5.2mmol)、4Åの分子篩(200mg)及び受容体17(442mg、0.847mmol)を含むフラスコに移す。反応物を、Ar下で、rtで24時間撹拌し、メタノール(0.3mL、3時間)でクエンチし、いかなる残留ガラクトシルヨウ化物も破壊する。石油エーテル(100mL)で希釈し、セライトで濾過した後、濾液を、10%NaS
2O
3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濃縮して、黄色油状物(1.7g)を得る。シリル基を、rtで、5:1MeOH−CH
2Cl
2(36mL)中で、DOWEX50WX8−200樹脂(200mg)と共に60分間撹拌することによって除去し、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色固体を与える(926mg)。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%〜10%i−PrOH/CH
2Cl
2)により、未反応の受容体17(54mg、90%純粋、11%)、その後に、E/Z混合物としての18(381mg、66%)が得られる。Z−異性体のデータ:
【化44】
【0129】
(例1.2)−(2S,3S,4R)−3,4−O−ジベンジル−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−2−ヘキサコサノイルアミノ−オクタデカ−6−エン−1,3,4−トリオール(1)の合成
【化45】
アジド18(267mg、0.39mmol)の10:1のTHF−水(11mL)溶液を、PMe
3(1MのTHF溶液、1.95mL、1.95mmol)と共に、0℃で45分間、次いで、rtで2時間撹拌し、1MのNaOH溶液(3.9mL)を添加する。二相混合物をrtで2時間撹拌した後、反応物をEtOAc(4mL)でクエンチし、rtで一晩中放置する。反応混合物を、水とCH
2Cl
2とに分け、生成物を、有機相に完全に抽出し、乾燥し(MgSO
4)、減圧下で濃縮し、粗アミン生成物(310mg)を与える。別のフラスコにおいて、クロロギ酸イソブチル(68μl、0.52mmol)を、乾燥CH
2Cl
2(5mL)中の、ヘキサコサン酸(205mg、0.517mmol)とNEt
3(0.10mL、0.72mmol)との混合物に添加し、rtで35分間撹拌し、氷で冷やし、上述のアミンの氷冷したCH
2Cl
2(4mL)溶液に移す。反応物を25分間撹拌し、飽和NaHO
3水溶液(20mL、5分)でクエンチし、CH
2Cl
2で生成物を抽出する。この時点で、Et
2NH(0.5mL)を有機抽出物に添加し、過剰な活性化エステルを破壊する。溶液を乾燥し(MgSO
4)、減圧下で濃縮し、粗製物質(506mg)を与える。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(6%〜8%i−PrOH/CH
2Cl
2)により、アミド1(323mg、収率80%)が得られる。Z−異性体のデータ:
【化46】
【0130】
(例1.3)−化合物1の水素化分解による、(2S,3S,4R)−2−アミノ−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN089)の合成
【化47】
3:7のCHCl
3/MeOH(30mL)中の、化合物1(324mg、0.303mmol)と20%Pd(OH)
2/C(300mg)との混合物を、水素バルーン下で、35℃で21時間撹拌する。混合物をセライトで濾過し、3:1のCHCl
3/MeOH(2×100mL)で洗浄し、濾液を濃縮する。粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(1:4のi−PrOH/CHCl
3、次いで、1:4のEtOH/CHCl
3)によって精製し、標題化合物CN089(45mg、17%)を白色固体として得る。
【化48】
【0131】
(例1.4)−α−GalCerの異性化による、(2S,3S,4R)−2−アミノ−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN089)の合成
【化49】
α−GalCer(80mg、0.093mmol)の1,4−ジオキサン−水(10:1、16mL)溶液を、80℃に温めて、1MのHCI(2.96mL)を添加する。溶液を、90℃で45分間加熱し、次いで、凍結乾燥して、白色固体を与える。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:10〜2:3)で精製し、標題化合物CN089を白色固体として得る(50.5mg、63%)。
【0132】
(例2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコサノイル−2−ホスホリルオキシメトキシカルボニルアミノオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN131)の合成
【化50】
【0133】
(例2.1)−(ビス(ベンジルオキシ)ホスホリルオキシ)メチル4−ニトロフェニルカルバナート
【化51】
酸化銀(I)(0.770g、3.32mmol)を、Ar下で、クロロメチル4−ニトロフェニルカルバナート(Alexander、Cargillら、1988)(0.70g、3.02mmol)及びリン酸ジベンジル(0.925g、3.32mmol)の無水MeCN(30mL)溶液に添加する。反応物を、還流で18時間撹拌する。冷却した混合物を、EtOAc(30mL)で希釈し、セライトで濾過し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1:4〜1:1)によって精製し、標題化合物(0,12g、9%)を無色油状物として得る。
【化52】
【0134】
(例2.2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコサノイル−2−ホスホリルオキシメトキシカルボニルアミノオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN131)
【化53】
(ビス(ベンジルオキシ)ホスホリルオキシ)メチル4−ニトロフェニルカルバナート(0.055g、0.117mmol)のCH
2Cl
2(10mL)溶液を、ピリジン(10mL)中のアミンCN089(0.050g、0.058mmol)に添加する。トリエチルアミン(10mL)を添加し、反応物を1時間撹拌する。混合物をMeOH(30mL)でクエンチし、次いで、CHCl
3(20mL)で希釈し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜2:3)で精製し、ベンジル化ホスファートの試料を得る。Pd(OH)
2(Cで20%、30mg)を、中間体(0.032g、0.027mmol)のTHF/MeOH(1:1、10mL)撹拌溶液に添加する。溶液を、水素雰囲気下で1時間撹拌する。混合物をセライトで濾過し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3/H
2O=40:70:0〜40:70:6)で精製し、標題化合物CN131(0.023g、39%)を白色固体として得る。
【化54】
【0135】
(例3)−(2S,3S,4R)−2−アセトキシメトキシカルボニルアミノ−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコサノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN136)
【化55】
(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチルアセタート(Lin、Bithaら、1997)(0.050g、0.200mmol)を、ピリジン(3mL)中のアミンCN089(0.025g、0.029mmol)に添加する。トリエチルアミン(1mL)を添加し、反応物を1時間撹拌する。混合物をMeOH(30mL)でクエンチし、次いでCHCl
3(20mL)で希釈し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜3:7)で精製する。試料を、RP−C18(MeOH/CHCl
3=1:0〜6:4)でさらに精製し、標題化合物CN136(0.019g、70%)を白色固体として得る。
【化56】
【0136】
(例4)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−ヘキサコサノイル−2−(ピバロイルオキシメトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN145)
【化57】
乾燥ピリジン(0.33mL)中のアミンCN089(28.4mg、0.033mmol)の混合物に、(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチルピバラート(Lin、Bithaら、1997)(11mg、0.037mmol)のCHCl
3(0.20mL)溶液、その後、NEt
3(8μL、0.057mmol)を添加する。rtで1.5時間後、揮発性物質を減圧下で濃縮する。粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(1%〜7%MeOH/CHCl
3)によって精製し、生成物を含有する部分を与え、それを、シリカゲルでの自動フラッシュクロマトグラフィー(1%〜8%MeOH/CHCl
3)によってさらに精製し、標題化合物CN145(14.4mg、43%)を白色固体として得る。
【化58】
【0137】
(例5)−(2S,3S,4R)−2−((2−ベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトキシ)メトキシカルボニルアミノ)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN142)の合成
【化59】
【0138】
(例5.1)−(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)アセタート
【化60】
Ag
2O(0.71g、3.1mmol)を、ヨードメチル4−ニトロフェニルカーボナート(Gangwar、Paulettiら、1997)(0.50g、1.55mmol)及びCbz保護グリシン(0.65g、3.1mmol)のベンゼン撹拌溶液に添加し、反応混合物を、還流で撹拌する。3時間後、溶液を濾過し、溶媒を除去する。残留物を、EtOAc(30ml)に溶解し、水(30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(EtOAc/石油エーテル=3:7〜1:1)で精製し、標題化合物(0.24g、38%)を淡黄色油状物として得る。
【化61】
【0139】
(例5.2)−(2S,3S,4R)−2−((2−ベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトキシ)メトキシカルボニルアミノ)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN142)
【化62】
(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)アセタート(0.060g、0.146mmol)を、ピリジン(3mL)中のアミンCN089(0.025g、0.029mmol)に添加する。トリエチルアミン(1mL)を添加し、反応物を1時間撹拌する。混合物をMeOH(30mL)でクエンチし、次いで、CHCl
3(20mL)で希釈し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜1:4)で精製する。試料を、RP−C18(MeOH/CHCl
3=1:0〜7:3)でさらに精製し、標題化合物CN142(0.022g、67%)を白色固体として得る。
【化63】
【0140】
(例6)−(2S,3S,4R)−2−(ベンゾイルオキシメトキシカルボニルアミノ)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイルオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN141)
【化64】
(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチルベンゾアート(Lin、Bithaら、1997)(0.050g、0.158mmol)を、ピリジン(3mL)中のアミンCN089(0.025g、0.029mmol)に添加する。トリエチルアミン(1mL)を添加し、反応物を1時間撹拌する。混合物をMeOH(30mL)でクエンチし、次いで、CHCl
3(20mL)で希釈し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜1:4)で精製する。試料を、RP−C18(MeOH/CHCl
3=1:0〜7:3)でさらに精製し、標題化合物CN141(0.006g、20%)を白色固体として得る。
【化65】
【0141】
(例7)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−オキソペンタノイルオキシ)メトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN146)の合成
【化66】
【0142】
(例7.1)−(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−オキソペンタノアート
【化67】
AgNO
3(700mg、4.1mmol)水(10mL)溶液をレブリン酸のナトリウム塩(約10mlの水中4.3mmol、1MのNaOH水溶液によるレブリン酸のpH7〜8への塩基性化により調製する)に添加することにより、レブリン酸の銀塩を作製する。30分後、得られた析出物を、濾過によって単離し、冷水、その後、Et
2Oで洗浄する。生成物を真空中で乾燥し、銀塩を白色固体として得る(636mg、69%)。乾燥トルエン(1.5mL)中のヨードメチル4−ニトロフェニルカーボナート(Gangwar、Paulettiら、1997)(105mg、0.325mmol、トルエンを用いた共沸蒸留によって乾燥する)と、4Åの分子篩(約250mg)と、レブリン酸銀(89mg、0.40mmol)との混合物を、光から保護し、40℃で撹拌する。4時間後、混合物を、Et
2Oで希釈し、セライトで濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(30%〜40%EtOAc/石油エーテル)によって精製し、標題化合物(85mg、84%)を無色油状物として得る。
【化68】
【0143】
(例7.2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−オキソペンタノイルオキシ)メトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN146)
【化69】
アミンCN089(22mg、0.026mmol)のd
5−ピリジン(0.30mL)溶液に、(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−オキソペンタノアート(8.0mg、0.026mmol)のCDCl
3(0.15mL)溶液を添加する。反応の進行を、NMR管において追跡する。rtで3時間後、NEt
3(2.5mg、0.025mmol)を添加し、反応を、さらに2.25時間継続させ、その時間の後、95%超のアミンCN089が消費されている。揮発性物質を減圧下で濃縮し、粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(1.5:40:60〜1.5:45:55のMeOH/dioxane/CHCl
3)によって精製し、標題化合物CN146(14.1mg、53%)を白色固体として得る。
【化70】
【0144】
(例8)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−(2−メトキシ(ポリ(2−エトキシ))イミノ)ペンタノイルオキシ)メトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN147)
【化71】
1:1のCDCl
3/CD
3OD(0.15mL)中の、ケトンCN146(10mg、0.0097mmol)と、2−メトキシ(ポリ(2−エトキシ))アミン(平均Mw約500)(Iha、van Hornら、2010)(5.4mg、0.009mmol)と、酢酸(0.5mg、0.008mmol)との混合物をrtで反応させる。反応の進行を、NMR管において追跡する。15時間後、さらなる一部のアルコキシアミン(3mg、0.005mmol)を添加し、反応を3日間放置して、CHCl
3/トルエンで希釈し、揮発性物質を減圧下で濃縮する。粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(5%〜10%MeOH/CHCl
3)によって精製し、標題化合物C147(12.3mg、78%)を油状物として得る。
【化72】
【0145】
(例9)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−メトキシベンゾイルオキシ)メトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN150)
【化73】
【0146】
(例9.1)−(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−メトキシベンゾアート
【化74】
4−メトキシ安息香酸銀(レブリン酸銀(例7.1)と同じ方法で調製した、0.32g、1.24mmol)を、ロータリーエバポレーターにおいて、トルエン(20mL)を用いた共沸蒸留によって乾燥する。残留物を、乾燥トルエン(40mL)に懸濁させ、ヨードメチル4−ニトロフェニルカーボナート(Gangwar、Paulettiら、1997)(200mg、0.619mmol)を添加する。混合物を、還流で1時間撹拌し、冷却し、濾過する。濾液の濃縮後、粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(5%〜30%EtOAc/石油エーテル)によって精製し、標題化合物(190mg、88%)を白色固体として得る。
【化75】
【0147】
(例9.2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−(4−メトキシベンゾイルオキシ)メトキシカルボニルアミノオクタデカン−1,3,4−トリオール(CN150)
【化76】
(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−メトキシベンゾアート(0.050g、0.14mmol)を、1:1のCH
2Cl
2/ピリジン(4mL)に溶解したアミンCN089(0.030g、0.037mmol)に添加する。トリエチルアミン(2mL)を添加し、反応物をrtで1時間撹拌する。混合物を、CH
2Cl
2(10mL)で希釈し、濃縮する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜15:85)で精製し、標題化合物CN150(0.020g、61%)を白色固体として得る。
【化77】
【0148】
(例10)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−ニトロベンゾイルオキシ)メトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN151)
【化78】
【0149】
(例10.1)−(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−ニトロベンゾアート
【化79】
標題化合物を、(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−ニトロベンゾアート(例9.1)と同じ方法で、白色固体として作製する(81mg、36%)。
【化80】
【0150】
(例10.2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−ニトロベンゾイルオキシ)メトキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN151)
【化81】
(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル4−メトキシベンゾアート(0.060g、0.17mmol)を、2:1のCH
2Cl
2/ピリジン(6mL)に溶解したアミンCN089(0.040g、0.047mmol)に添加する。トリエチルアミン(1mL)を添加し、反応物をrtで30分間撹拌する。混合物を、CHCl
3(10mL)で希釈し、濃縮する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜15:85)で精製し、標題化合物CN151(0.020g、61%)を白色固体として得る。
【化82】
【0151】
(例11)−(2S,3S,4R)−2−アセトキシメトキシカルボニルアミノ−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−(6−フェニルヘキサノイル)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN135)の合成
(例11.1)−(2S,3S,4R)−3,4−ジ−O−ベンジル−1−O−(2,3−ジ−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−α−D−ガラクトピラノシル)−2−(6−フェニルヘキサノイルアミノ)オクタデカ−6−エン−1,3,4−トリオール(20)の合成
【化83】
フェニルヘキサン酸(0.031g、0.162mmol)を、EDC−HCI(0.041g、0.216mmol)及びHOBt−H
2O(0.033g、0.216mmol)のCH
2Cl
2/DMF(5:2、10mL)撹拌溶液に添加する。30分後、(2S,3S,4R)−2−アミノ−3,4−ジ−O−ベンジル−1−O−(2,3−ジ−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−α−D−ガラクトピラノシル)オクタデカ−6−エン−1,3,4−トリオール(19)(Plettenburg、Bodmer−Narkevitchら、2002)(0.10g、0.108mmol)のCH
2Cl
2(10ml)溶液、次いで、DIPEA(0.075mL、0.432mmol)を添加する。18時間後、反応混合物を、CH
2Cl
2(50mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(EtOAc/石油エーテル=0:1〜2:3)で精製し、化合物20(0.101g、85%)を淡黄色油状物として与える。
【化84】
【0152】
(例11.2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−2−(6−フェニルヘキサノイルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(21)の合成
【化85】
Pd(OH)
2(Cで20%、100mg)を、化合物20(0.101g、0.092mmol)のCH
2Cl
2/MeOH(1:4、5mL)撹拌溶液に添加する。溶液を、H
2の雰囲気下で4時間撹拌する。混合物をセライトで濾過し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=1:9〜3:7)で精製し、化合物21(0.046g、77%)を無色油状物として得る。
【化86】
【0153】
(例11.3)−(2S,3S,4R)−2−アセトキシメトキシカルボニルアミノ−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−O−(6−フェニルヘキサノイル)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN135)の合成
【化87】
前もって80℃に温め(5分)、90℃で加熱した(45分)、化合物21(0.045g、0.068mmol)のジオキサン/水(10:1、4mL)溶液に、HCl(1M、0.74mL)を添加する。次いで、溶液を凍結乾燥し、残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=1:4〜1:1)で精製し、アミンエステル22(0.030g、67%)を白色固体として得る。(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)メチルアセタート(0.040g、0.160mmol)を、ピリジン(3mL)中のアミンエステル(0.030g、0.045mmol)に添加する。NEt
3(1mL)を添加し、反応物を1時間撹拌する。混合物を、MeOH(30mL)でクエンチし、次いで、CHCl
3(20mL)で希釈し、溶媒を除去する。粗残留物を、シリカゲル(MeOH/CHCl
3=0:1〜1:4)で精製する。試料を、RP−C18(MeOH/CHCl
3=1:0〜4:1)でさらに精製し、標題化合物CN135(0.017g、48%)を白色固体として得る。
【化88】
【0154】
(例12)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((ω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))アセトキシ)メチレンオキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN155)
(例12.1)−ω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))酢酸
【化89】
ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(平均Mw5000)(2g、0.4mmol)とt−BuOK(t−BuOH中1M、1.6mL、1.6mmol)との混合物を、t−BuOHにおいて、50℃で一晩中撹拌する。混合物に、ブロモ酢酸(80mg、0.58mmol)のt−BuOH(1.1mL)溶液を添加し、反応物を、50℃で26時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で濃縮し、残留物を、水に溶解し、1MのHClによりpH2に酸性化する。生成物を、ジクロロメタン(×3)で抽出し、MgSO
4で乾燥する。粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0:10〜1:9のMeOH/ジクロロメタン)によって精製し、標題化合物を白色固体として与える(601mg、30%)。
【化90】
【0155】
(例12.2)−(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチルω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))アセタート
【化91】
ω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))酢酸(561mg、約0.11mmol)と、Ag
2O(14.3mg、0.0617mmol)と、4Åの分子篩(約290mg)との混合物を、トルエンにおいて、一晩中撹拌する。混合物に、ヨードメチル4−ニトロフェニルカーボナート(Gangwar、Paulettiら、1997)(50mg、0.155mmol)を添加し、反応物を、Ar下で40℃で撹拌する。100分後、混合物を、ジクロロメタンで希釈し、セライトで濾過し、減圧下で濃縮する。生成物を、Et
2O(3倍容量)の添加によって、濃縮ジクロロメタン溶液から析出させ、濾過して、標題化合物をオフホワイト色の固体として与える(524mg、90%)。
【化92】
【0156】
(例12.3)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((ω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))アセトキシ)メチレンオキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN155)
【化93】
1:1のジクロロメタン−ピリジン(0.7mL)中の、アミンCN089(13mg、0.015mmol)と(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチルω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))アセタート(82mg、約0.015mmol)との混合物を、4Åの分子篩と共に室温で撹拌しながら、NEt
3を、1.5時間かけて、3回に分けて(3×2.5μL、合計で0.054mmol)添加する。その7時間後、混合物を濾過し、濃縮する。粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(2:98〜15:85のMeOH/ジクロロメタン)によって精製し、標題化合物CN155(44mg、48%)を白色固体として得る。
【化94】
【0157】
(例13)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−((4−(ω−メトキシ(ポリ(エチレンオキシ))イミノ)ペンタノイルオキシ)メチレンオキシカルボニルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN158)
【化95】
α−メトキシ−ω−アミノオキシ(ポリ(エチレンオキシド))(平均Mw約5000)を、Iha、Van Hornら、2010に記載されているより低いMwのポリマーと同様の方法で合成する。C18シリカゲルクロマトグラフィーを使用して、未反応の出発物質から、中間体を分離する。1:1のCDCl
3/CD
3OD(1.5mL)中の、前述のアルコキシアミン(75mg、0.015mmol)と、ケトンCN146(13mg、0.013mmol)と、酢酸(5mg、0.09mmol)との混合物を、室温で反応させる。反応の進行を、NMR管において追跡する。3日後、さらなる一部のアルコキシアミン(50mg、0.010mmol)を添加し、反応をさらに18時間させておき、減圧下で揮発性物質を濃縮する。粗残留物を、逆相C18シリカゲルクロマトグラフィー(60%〜100%MeOH/水)によって精製し、標題化合物CN158(33mg、43%)を白色固体として得る。
【化96】
【0158】
(例14)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−(3−(2−アセトキシ−4,6−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロピノイルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN162)
(例14.1)−3−(2−アセトキシ−4,6−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロピオン酸スクシンイミジルエステル
【化97】
N−ヒドロキシスクシンイミド(90mg、0.77mmol)、その後、DCC(160mg、0.77mmol)を、3−(2−アセトキシ−4,6−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロピオン酸(100mg、0.38mmol)(Amsberry、Gerstenbergerら、1991)のDCM(6mL)撹拌溶液に添加する。5時間後、混合物をセライトで濾過し、濃縮残留物(170mg)を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。EtOAc/石油エーテル(0:10〜9:1)による溶出によって、標題化合物(128mg、94%)が白色固体として得られる。
【化98】
【0159】
(例14.2)−(2S,3S,4R)−1−O−α−D−ガラクトピラノシル−4−ヘキサコサノイル−2−(3−(2−アセトキシ−4,6−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロピノイルアミノ)オクタデカン−1,3,4−トリオール(CN162)
【化99】
3−(2−アセトキシ−4,6−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロピオン酸スクシンイミジルエステルを、CH
2Cl
2(2mL)に溶解し、CN089(18mg、0.021mmol)ピリジン(2mL)撹拌溶液に添加し、トリエチルアミン(2mL)を添加する。18時間後、溶媒を真空中で除去し、粗残留物を与え、それを、MeOH/CHCl
3(0:100〜35:75)で溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィー、その後、C18シリカゲルでのさらなるクロマトグラフィーによって精製する。CHCl
3/MeOH(0:100〜50:50)による溶出によって、標題化合物CN162(16mg、0.014mmol、67%)を、白色固体として得る。
【化100】
【0160】
(例15)−静脈内注射のための本発明の化合物の製剤化
本発明の化合物を、α−GalCerについて報告された方法と同じように製剤化する。手短に言えば、α−GalCerの溶解度は、Giacconeら(Giaccone、Puntら、2002)により記載されている賦形剤の割合に基づく。したがって、α−GalCer又は本発明の化合物の9:1THF/MeOH溶液10mg/mLの100μLを、Tween20(15.9mg)、スクロース(177mg)及びL−ヒスチジン(23.8mg)の水溶液1.78mLに添加される。この同種の混合物をフリーズドライし、得られた発泡体を、Ar下で−18℃で保存する。この材料を、PBSでの逐次的な希釈の前に、1.0mLのPBS又は水で戻して、α−GalCer又は本発明の化合物の最終的な注射用溶液を実現する。
【0161】
(例16)−HPLC−ESI−MSMSによるα−GalCerの定量化
本発明の化合物の異なる試験試料中のα−GalCerの量の定量化を、Waters2795HPLC、及びWatersのQ−TOF Premier(商標)タンデム質量分析計を使用するHPLC−ESI−MSMS分析によって行う。クロマトグラフィーは、流速0.2mL/分で、10mMギ酸アンモニウム+0.5%ギ酸を含有する定組成メタノールで溶出させる、PhenomenexのKinetex C18 2.6mm3.0×50mmカラムが使用される。α−GalCerを、858.7〜696.7Daの選択的な反応物モニタリングによってモニタリングする。α−GalCerの量の概算を、イオンカウントの積分値と同じ日に引かれた標準の曲線との比較によって、又は既知量のα−GalCerをスパイクした試験試料との比較によって行う。
【0162】
特に断りがない限り、α−GalCerのレベルを、新しく戻した製剤化試料について決定する。主要化合物についてのα−GalCerの概算した最大レベルを以下に示す。
【表2】
【0163】
(例17)−生物学的研究
マウス。C57BL/6は、Jackson Laboratories、Bar Harbor、Maineから元々得た、つがいからのものであり、Victoria University of Wellington Animal Ethics Committeeの承認を受けた制度ガイドラインに従って使用する。
【0164】
本発明の化合物の投与。本発明の各化合物を、製剤化された製品(例12を参照されたい)として与え、側尾静脈(lateral tail vein)静脈内注射することによって注入する(マウス1匹あたり200ng)ために、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈する。ヒトにおいて、予想される治療的用量は、50〜4800(μg/m
2)の範囲にある(Giaccone、Puntら、2002)。マウスにおける200ngは、ヒトの30μg/m
2の用量に等しいことに留意されたい。
【0165】
すべての抗体標識化は、FACS緩衝液(1%のFCSを補給したPBS、0.05%のアジドナトリウム、及び2mMのEDTA)中の氷上で行う。非特異的なFcR介在性抗体の染色を、抗CD16/32Ab(24G2、ハイブリドーマ上清から社内で作製された)と共に、10分間インキュベートすることによって妨げる。フローサイトメトリーは、FlowJoソフトウェア(Tree Star,Inc.,OR、USA)を使用してデータ分析する、BD BiosciencesのFACSCalibur、又はBD LSRII SORPフローサイトメーターで行う。
【0166】
脾臓由来の表現型のDC。抗体染色及びフローサイトメトリーを使用して、本発明の化合物の注入後の、脾臓の樹状細胞での成熟マーカーの発現を調べる。脾臓細胞の調製物は、2mMのグルタミン、1%のペニシリン−ストレプトマイシン、5×10
−5Mの2−メルカプトエタノール及び5%のウシ胎児血清(すべて、Invitrogen、Auckland、New Zealand)を含有するイスコフ改変ダルベッコ培地において、ガーゼを介して脾臓組織を優しく裂くこと、その後に、RBC溶解緩衝液(Puregene,Gentra Systems、Minneapolis、MN、USA)を用いて赤血球を溶解することによって調製する。抗体染色は、2%のウシ胎児血清及び0.01%アジドナトリウムを含むPBS中で行う。抗FcgRIIモノクローナル抗体である2.4G2を10mg/mlで使用して、非特異的な染色を阻止する。モノクローナル抗体(すべて、BD Biosciences Pharmingen、San Jose、CA、USA)を使用して、CD11c+樹状細胞での、成熟マーカーであるCD40、CD80及びCD86の発現を調べる。
【0167】
血清へのサイトカイン放出の分析。血液を、糖脂質投与後に、異なる時間間隔で側尾静脈から採集する。血清を、血液が凝固した後に採集し、サイトカインであるIL−12p70、IL−4及びIFN−gのレベルを、製造業者の使用説明書に従って、サイトカインビーズアレイ技術(Bioplex、Biorad)によって評価する。
【0168】
in vivoでのペプチド特異的T細胞の増殖の分析。プールされたリンパ節細胞の懸濁液を、H−2K
b分子との関連で、オボアルブミンエピトープであるSIINFEKLに特異的なトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を発現するOT−Iマウスと、CD45.1
+マーカーについて、C57BL/6マウスとコンジェニックである、B6.SJL−Ptprc
aPepc
b/BoyJマウスとの交配種の動物から調製する。試料は、抗体で被覆された磁石ビーズ(Miltenyi)を使用してCD8
+細胞を富化させ、次いで、C57BL/6マウスに移す(マウス1匹あたり1×10
4)。受容動物の群(n=5)には、1日後に、本発明の化合物で免疫を与える。同等のモル値のSIINFEKLペプチドをもたらすように、用量を選択する。対照動物には、リン酸緩衝生理食塩水を与える。7日後、血液試料を、側尾静脈から採集し、ex vivoで、TCR Vα2、CD45.1及びCD8に対する抗体で、直接染色し、フローサイトメトリーにより、SIINFEKL特異的なCD8
+T細胞を検出する。
【0169】
抗腫瘍活性の分析。C57BL/6マウスの群(n=5)は、脇腹に1×10
5のB16.OVA黒色腫細胞の皮下注射を受ける。その細胞は、ニワトリオボアルブミン(OVA)配列をコードするcDNAを発現する。腫瘍が十分に生着した時である7日後に、異なる群を、以下のもの、すなわち、200μgのOVAタンパク質と200ngのα−GalCer、200μgのOVAタンパク質と200ngの本発明の化合物、又は、PBSのうちの1つを静脈内注射することによって処置する。腫瘍成長について、3〜4日ごとにマウスをモニタリングし、各群の腫瘍サイズを二等分法による直径の積の平均(±SEM)として算出する。第1の動物の腫瘍が、200mm
2を超えたら、各群について測定をやめる。
【0170】
本発明の化合物に対するヒトNKT細胞の反応性の分析。末梢血をヘパリン化チューブに引き込み、PBS中で1:1に希釈し、ジアトリゾ酸ナトリウム及び多糖の溶液(Lymphoprep;Axis−Shield、Oslo、Norway)に積層して、室温で、800×gで25分間遠心分離機にかけ、NKT細胞を含有する末梢血単核球(PMBC)画分を採集する。NKT細胞の増殖を評価するために、PBMC(1ウェルあたり2×10
5)を、37℃で、5%ヒトAB血清を含有するイスコフ改変ダルベッコ培地で培養し、24時間後に、示した濃度のα−GalCer又は本発明の化合物を、50U/mLのヒトIL−2組換え体(Chiron Corporation、Emeryville、CA)と共に添加する。培養の7日後、NKT細胞を同定するために、α−GalCerを負荷している蛍光の可溶性CD1dテトラマーを使用して、フローサイトメトリーによって細胞を分析する。データを、最終培養物における全体のT細胞(CD3に特異的な抗体の結合によって同定される)のうちのNKT細胞(CD1d/α−GalCerテトラマー結合細胞)のパーセンテージとして示す。
【0171】
先の説明において、それと等価のものを知られている整数に言及した場合、その等価のものは、あたかも個々に記述されたかのように本明細書に組み込まれる。
【0172】
本発明を、特定の好ましい実施形態と関連させて説明しているが、特許請求する本発明が、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないと理解すべきである。
【0173】
本明細書に記述した発明を、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、さらに変更することができることを理解されたい。