(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
権限者(U)が識別されたときには、第1の光スポット(12a、12a’)と第2の光スポット(12b、12b’)とが、同時に地面上に投光されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
第1の光スポット(12a、12a’)の上で停止するステップと第2の光スポット(12b、12b’)の上で停止するステップとの間の経過時間を測定するステップと、測定された経過時間を所定の時間間隔と比較するステップとを備えることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
第2の光スポット(12b、12b’)は、第1の光スポット(12a、12a’)よりも車両の近くに投光されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
前記少なくとも2つの光スポット(12a、12b)は、自動車(V)の縦方向軸に沿って整列されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
前記少なくとも2つの光スポット(12a、12b)は、互いに相対的に整列して配置され、自動車(V)の縦方向軸に関して角度を形成していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
所定のトリガシーケンスが正しく実行されなかったときに再びトリガシーケンスの実行を指示する警報信号を送信するステップを備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
車両(V)の近傍に接近する人物を検出する前記ステップは、1つ以上の光学検出器(3)、例えば、赤外線検出器(3)によって実行されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
車両(V)の近傍に接近する人物(U)を検出するための検出装置(3)を備え、検出装置(3)は、1つ以上の光学検出器(3)、例えば、赤外線検出器(3)を備えていることを特徴とする、請求項10に記載の開扉制御装置。
処理手段を備え、前記処理手段は、接近してくる人物が検出された場所に応じて投光手段(9)の方向を適応的に変化させることを特徴とする、請求項10または11に記載の開扉制御装置。
複数の投光手段(9)と1つの処理手段とを備え、前記複数の投光手段(9)は、互いに相対的に異なる方向に向けて自動車(V)の上に配置され、前記処理手段は、接近する人物(U)が検出された場所に応じて、活性化されるべき少なくとも1つの投光手段(9)を選択することを特徴とする、請求項10または11に記載の開扉制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、自動車の可動パネルを開扉するための方法であって、信頼性が高く、かつ不正侵入、また非権限者の開扉を防止するとともに、電力消費を低減した方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明による、自動車の可動パネルを開扉するための方法によって達成される。本発明の方法は、
− 車両に接近する人物を、検出装置によって検出するステップと、
− 検出された人物が、車両をロック解除する権限者であることを、認証手段により識別するステップと、
− 可動パネルを開扉する意図があるか否かを判定するステップと、
− 可動パネルを開扉する意図がある権限者が検出された場合には、可動パネルの開扉を認可するステップとを備え、可動パネルを開扉する意図があるか否かを判定するステップは、
− 自動車が位置する地面上に、少なくとも1つの第1の光スポットを投光するサブステップと、
− 自動車が位置する地面上に、第1の光スポットから所定の距離離して、少なくとも1つの第2の光スポットを投光するサブステップと、
− 第1の光スポットの上で停止するステップと、第2の光スポットの上で停止するステップとを所定の順序で実行し、第1の光スポットの上で停止するステップと第2の光スポットの上で停止するステップとの間の時間を所定の時間間隔で実行することにより、権限者として識別された人物が、所定のトリガシーケンスを実行することを識別するサブステップとを備えていることを特徴としている。
【0010】
従って、光ビームは、権限ユーザが識別された場合だけに投光される。そのために2つの条件が必要である。1つの条件は、自動車の近くでユーザが検出されること、もう1つの条件は、検出された人物が権限者であることの識別は、開扉を起動するための仮想スイッチが投光される以前に実行されなければならないと言うことである。これにより、投光をし続けることが回避できて、電力を削減することができる。
【0011】
従って、光ビームの少なくとも2つの光スポットによって形成される少なくとも2つの仮想スイッチの投光によって、第1の仮想スイッチの上で停止するステップと、第2の仮想スイッチの上で停止するステップとの所定の順序と、それらの間の所定の経過時間に従った正確なトリガシーケンスが定められる。
【0012】
本発明による方法はまた、次に示す特徴の1つ以上を、個別に、または組み合わせて具備することができる。
− 権限者が識別されたときには、第1の光スポットおよび第2の光スポットは、一緒に、同時に地面上に投光される。
− 第1の光スポットの上で停止するステップが実行されるときと、第2の光スポットの上で停止するステップが実行されるときとの間の経過時間を測定するステップと、測定された経過時間を所定の時間間隔と比較するステップとを備えている。
− 権限者が識別されたときに、第1の光スポットが地面上に投光される。
− 権限者が、第1の光スポットの上で所定の時間間隔の間、停止したときに第2の光スポットが、地面上に投光される。
− 第2の光スポットは、第1の光スポットよりも車両の近くに投光される。
− 前記少なくとも2つの光スポットは、自動車の縦方向軸に関して整列して配列される。
− 前記少なくとも2つの光スポットは、自動車の縦方向軸に関して、ある角度をもって配列されている。
− 所定のトリガシーケンスが正しく実行されないときには、警報信号を送出して再びトリガシーケンスを実行するよう指示するステップを備えている。車両の近傍に接近する人物を検出するステップは、1つ以上の光学検出器によって実行され、この光学検出器は、例えば、赤外線検出器である。
【0013】
本発明はまた、開扉制御装置にも関する。この開扉制御装置は、
− 車両の近傍に接近する人物を検出する手段と、
− 検出された人物が、車両のロック解除することを許可されているか否かを、認証手段を通して識別する手段と、
− 可動パネルを開扉する意思があるか否かを、判定する手段と、
− 権限者が可動パネルの開扉の意志を有していると検出された場合に、可動パネルの開扉を認可する手段との内の少なくとも1つの手段を備え、可動パネルを開扉する意志があるか否かを判定する手段は、
− 少なくとも1つの第1の光スポット、および少なくとも1つの第2の光スポットを、自動車が位置する地面上に投光する手段と、
− 権限者として識別された人物が、第1の光スポットの上で停止するステップと、第2の光スポットの上で停止するステップとを所定の順序で実行し、第1の光スポットの上で停止するステップと第2の光スポットの上で停止するステップとの間の時間を所定の時間間隔で実行することにより、権限者として識別された人物が、所定のトリガシーケンスを実行することを識別する手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】
本発明による開扉制御装置はまた、次に示す特徴の1つ以上を、個別に、または組み合わせて具備することができる。
− 開扉制御装置は、車両の近傍に接近する人物を検出するための検出装置を備えている。検出装置は、1つ以上の光学検出器を備え、光学検出器は、例えば、赤外線検出器である。
− 開扉制御装置は、処理手段を備え、この処理手段は、接近してくる人物がどこで検出されたかによって、投光手段の方向を適応的に変化させることができる。
− 開扉制御装置は、互いに相対的に異なる方向で自動車の上に配置された複数の投光手段を備え、また、接近してくる人物がどこで検出されたかによって、活性化するべき少なくとも1つの投光手段を選択するための処理手段を備えている。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として示す以下の説明を読み、添付図面を参照することによって、より明らかになると思う。
【発明を実施するための形態】
【0018】
自動車のための開扉制御装置
図1に示すように、本発明は、自動車Vのための開扉制御装置1に関する。
【0019】
本発明の開扉制御装置1は、
− 車両Vに近づく人物Uを検出して、開扉制御装置の開扉指令手段を活性化し、車両Vの可動パネル7を開扉させるための少なくとも1つの光学検出器3と、
− 車両の近傍に検出された人物Uが、車両Vのロックを解除することに対して認可された人物であるか否かを検証し、車両Vのロックを解除することに対して認可された人物であることが検証された場合に、開扉指令手段を活性化させるための認証手段(図示せず)と、
− 可動パネルの開扉指令手段とを備えている。
【0020】
光学検出器3は、車両Vに搭載されている。1つの実施形態においては、光検出器3は、サイドドアまたはテールゲート7等の、開扉されるべき車両可動パネル7上に配置されている。
【0021】
光学検出器3は、送信機と受信機とを備えている。送信機は、検出ビームを投光することができる。投光される検出ビームは、人間には不可視なスペクトルの波長であることが望ましく、好適な実施形態においては、赤外ビームである。従って、光学検出器3は、赤外線検出器3であれば有利である。
【0022】
送信機は、更に、長距離検出ビームを投光するように構成されている。
【0023】
認証手段(図示せず)は、車両Vの近傍に検出された人物U(ユーザUとも呼ばれる)が、車両Vをロック解除するための権限者であることを検証するために使用され、アンテナを備えることがある。アンテナは、ユーザUが保持するトランスポンダと、識別子を通信することができる。トランスポンダは、例えば、キーの中に、または、ユーザに隣接して配置されている。トランスポンダは、アンテナから送信される信号を受信できるようになっている。
【0024】
アンテナは、車載の識別手段に接続されている。この識別手段は、トランスポンダを保持しているか、またはトランスポンダの近接にいる人物が権限者であるか否かを判定することができる。
【0025】
開扉指令手段は、少なくとも1つの光ビームを投光する投光手段9を備えている。
【0026】
投光手段9は、車両Vに搭載されている。例えば、サイドドアまたはテールゲート7等の、可動パネル7の上に搭載されている(
図1)。
【0027】
投光手段9は、1つ以上のダイオードを備えることができ、これにより、1つ以上の光ビームを発現している。光ビームの色は、任意でよい。
【0028】
光ビームは、車両Vが位置している地面上に投光され、これにより、光パタン11が地面上に形成される。これは、
図1に示されている。光パタンの形状は、円形、方向を示す矢印、十字形等、任意である。この形状は、「U字形」等の開放形であってもよく、また円形、楕円形等、閉鎖形状であってもよい。
【0029】
本発明においては、投光手段は、少なくとも2つの光スポット12a、12b(例えば、複数の円形、または1組の矢印でもよい)を投光することができる。これらの光スポット12a、12bは、それぞれが1つの光パタン11を形成することもできるし、両方が一緒になって、1つの光パタン11を形成することもできる。
【0030】
光スポット12a、12bは、実質的に同じ形状であってもよいし、また、同じ形状でなくてもよいことは、言うまでもない。これらの投光された光スポット12a、12bは、仮想スイッチを形成し、ユーザUは、それらと相互作用をすることにより、可動パネル7の開扉を起動させなければならない。
【0031】
図1に示す例においては、第1の光スポット12aおよび第2の光スポット12bは、2つの仮想スイッチ12aおよび12bを形成しており、2つの仮想スイッチ12aおよび12bは、所定の距離離れて投光させている。従って、12a、12bは、重なり合っていることはない。1つの例として、2つの光スポットの間の所定の距離は、5cm程度とすることができる。
【0032】
図1に示す例においては、第2の光スポット12bは、第1の光スポット12aよりも、車両に近い。ここでは、距離が短い第2の光スポット12bのほうが、第1の光スポット12aよりも小さい。
【0033】
図1に示すように、これら少なくとも2つの光スポット12a、12bは、車両Vの縦方向軸に沿って整列させることができる。
【0034】
他の配向も可能であることは言うまでもない。
図2に示すように、投光手段9は、2つの光スポット12a、12bを車両Vの縦方向軸に沿って配列することもできるし、および/または、車両Vの縦方向軸に関してある角度で(すなわち角度ゼロではなくて)配列して、12a’12b’とすることもできる。
【0035】
換言すれば、開扉制御装置1は、1つの投光手段9と、接近してくる人物が、例えば光学検出器3によってどこに検出されたかに従って、投光手段9の方向を適応的に変化させることができる処理手段とを備えることができる。あるいは、開扉制御装置1は、車両Vの上に異なる方向に配置された複数の投光手段と、例えば光学検出器3によって、接近してくる人物Uが検出された場所に従って、活性化されるべき投光手段9を選択する処理手段とを備えることができる。
【0036】
光パタンの、少なくとも2つの光スポット12aおよび12b、または12a’および12b’は、それぞれ、ジェスチャーコマンドを実行する体の一部(例えば足)の動きの検出角α、α’を定めている。検出角α、α’は、例えば所定の値である。あるいは、開扉制御装置1は、これらの角度を適応的に変化させる手段を備えることができる。
【0037】
1つの実施形態においては、投光手段9は、権限者Uが識別されたときに、第1の光スポット12a、12a’と第2の光スポット12b、12b’とを一緒に同時に投光する
ようになっている。
【0038】
あるいは、投光手段9は、車両Vの近傍に権限者Uが検出されて、それが識別されたときに、第1の光スポット12a、12a’だけを投光するように構成することもできる。そして次に、ユーザUが、第1の光スポット12a、12a’の上で停止したときに第2の光スポット12b、12b’を投光するように構成することができる。投光手段9は、第2の光スポット12b、12b’を投光するときには、第1の光スポット12a、12a’の投光を停止させることができる。
【0039】
また、投光手段9は、所定の時間間隔(例えば、30秒程度)で、第2の光スポット12b、12b’を投光するように構成することもできる。
【0040】
ユーザが第2の光スポット12b、12b’の投光時間内に第2の光スポット12b、12b’の上で停止しない場合には、投光手段9は、第2の光スポット12b、12b’の投光を停止する。第2の光スポット12b、12b’の投光時間の間に、ユーザUが、第1の光スポット12a、12a’の上で停止しないときには、投光手段9は、この場合にも、第1の光スポット12a、12a’の投光を停止できることは、言うまでもない。
【0041】
ユーザUは、投光される連続光スポット12a、12b、または12a’、12b’を通して案内されるので、この実施例は、ユーザUに対して、人間工学的な支援を提供している。この実施形態は、更に、同時に2つの光スポットを投光する第1の実施形態と比較して、電力の供給を低減させている。
【0042】
開扉指令手段は、更に、判定手段を備えている。判定手段は、可動パネル7を開扉する意志があるか否かを判定する。判定手段は、人体の一部(片手、または片足)を置くまたは移動させることによるジェスチャーコマンドが所定の要領に従って実行されているか否か、また、可動パネル7が開扉可能であるか否かを判定するようになっている。
【0043】
前記の所定の要領とは、トリガシーケンスである。ユーザは、第1の光スポット12a、12a’の上で停止して、次に、第2の光スポット12b、12b’の上で停止しなければならない。これは、第1および第2双方の光スポット12a、12b、または12a’、12b’が一緒に同時に投光される場合、または、ユーザが第1の光スポット12a、12a’の上で停止した後だけに、第2の光スポット12b、12b’が投光される場合の両方の場合に対して、あてはまる。
【0044】
従って、ユーザUは、車両Vの方向に移動して行かなければならない。
【0045】
図1に示すように、車両Vに向かう矢印Fの方向に移動することになり、この間に、ユーザUは、第1の光スポット12aの上で停止し、それを行って初めて、その後に第2の光スポット12bの上で停止するのである。これが、正しいトリガシーケンスとして識別される。
【0046】
従って、開扉制御装置1は、識別された権限者Uが、第1の光スポット12aの上で停止し、次いで第2の光スポット12bの上で停止するという所定の順序に従って停止することにより、所定のトリガシーケンスを実行するか否かを判定する手段を備えている。
【0047】
双方の光スポット12aおよび12bは、所定の順序で、順次に過ぎられなければならないのであり、同時に過ぎられてはならない。
【0048】
より正確には、第1の光スポット12aの上で停止するときと、第2の光スポット12bの上で停止するときとの間の所定の時間間隔が重要なのである。この時間間隔は、ゼロでない値を有する下限時間と上限時間とを定めている。従って、第2の光スポット12bの上で停止するときと、第1の光スポット12aの上で停止するときとの間の経過時間、またはその時間差は、所定の時間間隔の中に含まれていなければならない。この所定の時間間隔は、下限時間より長く、上限時間よりは短い。この2つの条件が、満足されない場合、または1つだけしか満足されない場合には、可動パネル7の開扉を起動することができない。
【0049】
これにより、木の枝、ボール、または小動物等の予期せぬ物体が侵入し、地面上の光パタン11によって形成されている仮想スイッチ12a、12bと相互作用することにより、可動パネル7の開扉を起動してしまうことを回避することができるが、これは、有利なことである。
【0050】
その目的のために、開扉制御装置1は、第1の光スポット12aの上で停止するときから、第2の光スポット12bの上で停止するときまでの経過時間を測定する手段と、第1の光スポット12aの上で停止するときから、第2の光スポット12bの上で停止するときまでの経過時間が、所定の時間間隔の中に含まれているか否かを判定するための手段とを、更に備えることができる。
【0051】
あるいは、ユーザUが第1の光スポット12aの上で停止したときに、第2の光スポット12bを投光する場合には、第2の光スポット12bは、所定の時間間隔の間だけ、投光される。そして、ユーザUは、この所定の時間間隔以内に、第2の光スポット12bの上で停止しなければならない。
【0052】
図3a〜
図3dは、可動パネル7の開扉を起動することはできない間違ったシーケンスの例を示す。これらは、仮想スイッチを形成する1つの光スポットの上だけで停止する場合、2つの光スポットの上を同時によぎる場合、また、間違った順序(すなわち、最初に第2の光スポット12b、次に第1の光スポット12aの順序)で光スポットの上で停止する場合等である。
【0053】
例として、
図3aおよび
図3cの場合について説明する。小物体が、矢印F1’またはF2’に従って移動してきて、2つの光スポット12aおよび12bの内の1つだけを過ぎるとする。これは、例えば、片側(例えば、左側、矢印F1’参照)から、または他の片側(例えば右側、矢印F2’参照)から現れたとする。これらは、正しいシーケンスと識別することができない。
【0054】
図3aに示す例では、小物体は、
図3aの左側から矢印F1’に従って現れ、第2の光スポット12bを過ぎるが、第1の光スポット12aを過ぎることは決してしない。従って、この予期せぬ物体の動きは、第2の仮想スイッチ12bをランダムに活性化させるが、第1の仮想スイッチ12aを活性化させることはない。従って、これは、正しいシーケンスであるとは識別されない。
【0055】
図3aにおいて、右側から矢印F2’に沿って現れる小物体においても同様である。この小物体は、第2の光スポット12bを過ぎるが、第1の光スポット12aを、決して過ぎらない。この場合も、正しいシーケンスであるとは認識されない。
【0056】
図3cにおいては、小物体は、それぞれ、矢印F1’、F2’に沿って、それぞれ
図3cの左側、右側から移動してきたとする。小物体は、第1の光スポット12aだけを過ぎり、第2の光スポット12bを、決して過ぎらない。従って、この予期せぬ物体の動きは、第1の仮想スイッチ12aをランダムに活性化するが、第2の仮想スイッチ12bを活性化することはない。従って、正しいトリガシーケンスであると認識することはできない。
【0057】
次に、より大きな物体の場合を考える。
図3bに示すように、大きな物体が、
図3bの矢印F1’およびF2’に沿って、それぞれ左側および右側から移動してきたとする。この物体が、第2の光スポット12bと第1の光スポット12aとを、同時に過ぎるとすれば、両方の仮想スイッチ12aと12bとを同時に活性化するこの動きは、正しいトリガシーケンスと認識することはできない。実際、この場合には、双方の仮想スイッチ12aおよび12bが活性化されるが、それらが順々に活性化されるのではなく、この場合、時間差は、ゼロであり、従って、時間差の最小限度値よりも小さな値となる。
【0058】
別の例として、
図3dを参照する。この場合、物体は、矢印F’に沿って移動し、まず、第2の光スポット12b、次いで、第1の光スポット12aを過ぎる。これは、正しいトリガシーケンスであるとは認識されない。これは、所定の順序が確認されなかったからである。
【0059】
図1および
図2に戻って説明を続ける。1つ以上の光学センサ13は、光ビームからの変化を検出して、これにより、ユーザが、第1の光スポット12a、12a’の上で停止したか、および/または、第2の光スポット12b、12b’の上で停止したかを検知するように構成することができる。
【0060】
図1に示す実施形態においては、光学センサ13は、開扉されるべき可動パネルの上(例えば、テールゲート7の上)に配置されている。
【0061】
光学検出器3、投光手段9、および光学センサ13は、互いに近接して配置することができる。例えば、これらは、後部登録ナンバープレート15の上に、またはその近くに配置されている。これは、
図2に示されている。
【0062】
光学センサ13は、物体、または人体の一部(足または手等)による光ビームの遮光に起因する明るさの変動を検出するようになっている。
【0063】
光学センサ13は、判定手段に接続することができる。判定手段は、動きが適切に実行されたか否か、すなわち、上記で説明した、所定のトリガシーケンスに従って実行されたか否かを判定する。判定手段は、動きが適切に実行された場合には、可動パネル7の開扉を起動し、また動きが適切に実行されなかった場合には、可動パネル7の開扉を起動しないでいることができる。
【0064】
次に、
図4を参照して、自動車の可動パネルを開扉するための方法について説明する。
自動車の可動パネル7を開扉するための方法
【0065】
図4に示すように、自動車の可動パネル7を開扉するための方法は、以下に示すステップS1〜S7を備えている。
【0066】
ステップS1において、1つ以上の光学検出器3により、車両Vに接近してくる人物を検出する。これにより、人物Uの、少なくとも体の一部を検出することができる。
【0067】
ステップS1が実行され、有効化されると、これは、人物が検出されたことを意味し、ステップS2を開始することができる。
【0068】
ステップS2において、認証手段によって、検出された人物Uを、車両Vのロックを解除する権限者として認証する。このステップは、車両にアクセスする権利を与えられるべき人物の識別子を確認して有効化するステップである。
【0069】
権限者が識別された場合には、本発明の方法ではステップS3を実行する。
【0070】
接近してくる人物が権限者として識別されない場合には、再び、ステップS1が開始される。
【0071】
権限者Uが識別された場合には、ステップS3において、開扉指令手段を活性化して、自動車の可動パネル7を開扉する。ステップS3は、ステップS1およびステップS2が有効化された場合にのみ実行される。
【0072】
1つの例として、例えば、光学検出器、および/または認証手段によって、接近してくる人物がどこに検出されたかに応じて、光スポットの投光手段9の方向を、変化させることができる。
【0073】
あるいは、接近してくる人物Uが、例えば、光学検出器、および/または認証手段によってどこに検出されたかに応じて、本発明の方法は、自動車の上に配置された、互いに異なる方向を向いた複数の投光手段9の中の活性化するべき少なくとも1つの投光手段9を選択するサブステップを備えることができる。
【0074】
第1の実施形態においては、ステップS4において、少なくとも1つの第1の光
スポット12a、12a’を、
図1に示すように、車両Vが位置する地面上に投光し、そして、少なくとも1つの第2の光スポット12b、12b’を、車両Vが位置する地面上に投光する。
【0075】
両方の光スポット12a、12b、または12a’、12b’は、同時に一緒に投光することができる。
【0076】
両方の光スポット12a、12b、または12a’、12b’は、重なり合わされず、所定の距離離して投光される。
【0077】
これらの光スポット12a、12b、12a’、12b’は、可動パネル7の開扉指令を起動するための少なくとも2つの仮想スイッチを形成する。
【0078】
あるいは、ステップS4においては、最初の光スポット12a、12a’だけが投光される。
【0079】
ステップS5においては、車両可動パネル7を開扉するための所定のジェスチャーコマンドが実行される。これは、ユーザUが、所定のトリガシーケンスを実行しなければならないことを意味する。
【0080】
図1に示す例においては、ユーザUは、光ビームの中に、片手または片足等の体の一部を置くことができる。これにより、最初に、地面上に投光された第1の光スポット12a、12a’によって形成された第1の仮想スイッチを、そして次に、地面上に投光された第2の光スポット12b、12b’によって形成された第2の仮想スイッチを、暗くするまたは遮蔽する。
【0081】
第2の光スポット12b、12b’を過ぎる前に、第1の光スポット12a、12a’を過ぎらなければならない。また、第1の光スポット12a、12a’の上で停止するステップと、第2の光スポット12b、12b’の上で停止するステップとの間の時間は、所定の時間間隔の中に含まれなければならない。これにより、物体や小動物が現れて侵入し、例えば、地面上に投光された光パタンを陰らせることにより車両可動パネル7の開扉を起動してしまうのを防止することができ、このことは、有利なことである。
【0082】
あるいは、ステップS5において、ユーザUは、片手、または片足等の体の一部を光ビームの中に置くことにより、最初に、地面上に投光された第1の光スポット12a、12a’によって形成された第1の仮想スイッチを暗くするか、または隠すことができる。その後、第2の仮想スイッチを形成する第2の光スポット12b、12b’が、所定の時間間隔の間、地上に投光される。第1の光スポット12a、12a’の投光は、停止させることができる。ユーザUは、第2の光スポット12b、12b’が投光されている所定の時間間隔の間に、第2の光スポット12b、12b’を過ぎらなければならない。
【0083】
ステップS6において、許可されたジェスチャーコマンドを識別する。これは、足または手、または人体の他の任意の一部を置くこと、またはその運動が、所定のトリガシーケンスに従って実行されているか否かを判定することを意味している。
【0084】
その目的のために、本発明の方法の、第1の実施の形態においては、第1の光スポット12a、12a’の上で停止したときと、第2の光スポット12b、12b’の上で停止したときとの間の経過時間を測定するステップと、測定した経過時間を所定の時間間隔と比較するステップとを備えている。
【0085】
あるいは、本発明の方法は、ステップS6を備え、ステップS6においては、第2の光スポット12b、12b’が投光されている時間内に、ユーザUが、その上で停止したか否かを判定する。
【0086】
ステップS6において、開扉制御装置1は、車両可動パネル7を開扉する意思があることを識別することができる。
【0087】
例えば、足または手のジェスチャーが、所定のトリガシーケンスに従って実行されていない場合には、信号を送信し、ステップS5で再びトリガシーケンスを実行するように指示することができる。ステップS5を繰り返す必要がある場合には、ユーザUは、例えば、自分の足または手を動かして、所定のトリガシーケンスに従って、正しくそれを再配置しなければならない。例えば手や足等の身体の一部の再配置を促す信号は、光ビームの点滅、光ビームの色の変化等の視覚信号、および/または信号音とすることができる。
【0088】
権限者Uが所定のトリガシーケンスを実行した場合には、信号を送信して、可動パネル7の開扉を許可することができる。そして、開扉指令手段は、可動パネル7を開扉することができる。光スポットの投光は、停止される。
【0089】
ステップS7において、所定のトリガシーケンスが実行された場合、車両可動パネル7が開扉される。その結果、ユーザUのジェスチャーが正確なトリガシーケンスに従って実行された場合にのみ、車両可動パネル7は、開扉される。
【0090】
そして、可動パネル7が開扉され、ユーザUは、車両に乗車し、荷物をトランクの中に入れることができる。
【0091】
このように、仮想スイッチは、権限者ユーザが識別された場合にのみ表示される。可動パネルの開扉を起動するための仮想スイッチが投光される前に、第1の条件として2つの条件が満たされなければならない。これにより、トリガエリア(ここでは、仮想スイッチを形成している、少なくとも2つの光スポット12a、12a’、12b、12b’)に対して投光し続けることを回避することができる。
【0092】
そして、少なくとも2つの仮想スイッチ12a、12b、または12a’、12b’を投光することによって、第1の仮想スイッチの上で停止するときと、第2の仮想スイッチの上で停止するときとの間に関して、その所定の順序およびそれらの所定の経過時間に従った正確なトリガシーケンスを定めることができる。
【0093】
以上説明した方法と、これに関連する開扉制御装置とによって、自動車Vの可動パネル7の開扉は、信頼性高く、かつ効率よく実行することができるとともに、電力を低減させることができる。