【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両に取り付けられると共に、乗員側に面する姿勢で携帯機器を保持可能な車載機器であって、
保持される携帯機器に下側から当接する支持面を含む支持部と、
保持される携帯機器に外周側から当接する一対のガイド部と、を備え、
前記一対のガイド部は、ガイド部間の間隔を変更可能であり、
前記一対のガイド部をなす各ガイド部は、前記支持面からの高さを変更可能である車載機器にある。
【0009】
本発明の車載機器は、保持される携帯機器に下側から当接する前記支持部のほか、携帯機器に外周側から当接する一対のガイド部を備えている。この車載機器によれば、前記一対のガイド部が幅方向(水平方向)両側から挟み込むと共に前記支持部が下側から支持する保持姿勢、あるいは前記支持部と前記各ガイド部とが高さ方向に挟持する保持姿勢で、携帯機器を保持できる。いずれの保持姿勢でも、前記支持部と前記一対のガイド部とによる少なくとも3点以上で携帯機器を支持できるため、2点支持の場合と比べて確実に携帯端末を保持できる。
【0010】
この車載機器においては、前記一対のガイド部は、他方のガイド部との間隔を変更可能であり、前記各ガイド部は、前記支持面からの高さを変更可能である。したがって、本発明の車載機器によれば、保持される際の水平方向の寸法が前記一対のガイド部の間隔の変更範囲に属しているか、あるいは、保持される際の高さ方向の寸法が前記各ガイド面の前記支持面からの高さの変更範囲に属している様々な大きさの携帯機器を保持可能である。
【0011】
以上のように、本発明の車載機器は、様々な大きさの携帯機器を確実性高く保持できる汎用性の高い車載機器である。
【0012】
本発明における携帯機器としては、通話機能がメインの携帯電話や、スマートフォンと称呼される多機能携帯電話や、音楽プレーヤーや、携帯ゲーム機や、小型タブレット型のPCや、電子ブックリーダーや、携帯情報端末(PDA)等がある。
本発明において、乗員側に面する姿勢としては、例えば、必ずしも乗員に正対する姿勢である必要はないが、乗員に正対する姿勢とすると特に良い。また「乗員側」は広く捉えてもかまわない。例えば車両の後方側を乗員側として捉えても良い。しかし、特に「乗員側」は乗員自身の側とすると良い。面するとは、例えば、携帯機器の一部が面していれば良いが、特に、携帯機器が保持される際の乗員側に面する姿勢としては、携帯機器の表示画面が乗員側から視認できたり、携帯機器の操作ボタン等が乗員側から操作可能な姿勢とすると特に良い。
本発明における支持面とは、目視による外観的には、点による支持のように見える支持面を含む広い概念である。厳密な意味で、点が持つ面積はゼロであるため、物と物とが接触する際、完全な点接触はあり得ない。本発明における支持面は、このような点接触のように見える接触面を包含している。
【0013】
本発明における好適な一態様の車載機器では、前記ガイド部間の間隔の変更範囲と、前記支持面から前記ガイド部までの高さの変更範囲と、の間に重複範囲が設定されている。
この場合には、短辺方向の寸法が前記重複範囲に属している携帯機器であれば、縦置き横置きが可能になる。
【0014】
前記一対のガイド部の間隔の変更範囲、及び前記各ガイド部の前記支持面からの高さの変更範囲の設定パターンの例としては、例えば、次のようなパターンがある。
例えば、前記間隔の変更範囲及び前記高さの変更範囲をいずれも8〜13cmに設定すれば、正面が縦長の長方形状を呈し、その横幅が8〜13cmの携帯機器を縦置きでも横置きでも保持できる。縦置きの場合には、前記一対のガイド部の間隔を携帯機器の前記横幅に合致させれば良い。一方、横置きの場合には、前記各ガイド部の高さを携帯機器の前記横幅に合致させれば良い。
例えば、前記間隔の変更範囲を5〜10cmに設定する一方、前記高さの変更範囲を10〜15cmというように範囲をずらして設定すれば、正面が縦長の長方形状を呈し、その横幅が5〜15cmの携帯機器を縦置きか横置きで保持できる。前記横幅が5〜10cmの携帯機器の場合には、前記一対のガイド部の間隔をその横幅に合致させて縦置きでき、前記横幅が10〜15cmの携帯機器の場合には、前記各ガイド部の高さをその横幅に合致させた上で横置きできる。
さらに、例えば、前記間隔の変更範囲を7〜12cmに設定する一方、前記高さの変更範囲を9〜14cmに設定することにより、一方の範囲の一部を他方の範囲と重複させても良い。この場合には、正面が縦長の長方形状を呈し、その横幅が7〜14cmの携帯機器を縦置き及び横置きの少なくと一方で保持できる。その横幅が9〜12cmの携帯機器については、縦置きも横置きも可能になる、一方、その横幅が7〜9cmの携帯機器については、前記一対のガイド部の間隔をその横幅に合致させれば縦置きできる。また、その横幅が12〜14cmの携帯機器については、前記各ガイド部の高さを横幅に合致させて横置きできる。
【0015】
本発明の好適な一態様の車載機器が備えるガイド部は、前記ガイド部間の間隔を狭めると共に、前記支持面からの高さを低くする方向に向けて付勢されている。
この場合には、携帯機器が縦置きか横置きかに関わらず、携帯機器の外周に前記ガイド部を押し付けることができる。縦置きの場合には、前記一対のガイド部によって携帯機器を挟み込むように保持できる。横置きの場合には、前記ガイド部と前記支持部とで挟むようにして携帯機器を保持できる。
【0016】
本発明の好適な一態様の車載機器における各ガイド部は、車載機器の本体をなす筐体の両外側に向けて回動変位可能なように軸支された一対のアームにそれぞれ取り付けられている。
前記アームの先端に前記ガイド部を取り付ければ、このアームの軸支構造のみにより、前記一対のガイド部の間隔が変更される機構と、前記支持面からの前記各ガイド部の高さが変更される機構と、を実現できる。前記アームの軸支は、一般的な回動ドアの軸支構造のように機械的に簡単な構造で実現できるため、比較的シンプルな構造で上記の2つの機構を実現できる。
【0017】
前記一対のアームとしては、例えば、ガイド部を先端側に有すると共に、回動中心を越えた後端側で相互に連結されたアームの組み合わせであっても良い。一対のアームの連結部を鉛直方向に沿って変位させると、各アームの先端側のガイド部が回動変位することになる。このとき、回動中心から連結箇所までの距離が固定されていると、アームが回動できなくなる。各アームの後端側に長孔を設けると共に、各アームの長孔が交差して形成される貫通孔にピン等を貫通配置して連結部を構成することも良い。このピンを鉛直方向上方に引っ張り上げると、前記ガイド部間の間隔が狭くなるように各アームが回動変位する。ピンを下方に押し下げると、前記ガイド部間の間隔が広くなるように各アームが回動変位する。ピンをコイルバネ等で吊っておくことも良い。この場合には、前記ガイド部間の間隔が狭くなるように、各アームを付勢できる。
一方、一対のアームについて、各アームが全く独立に回動変位可能なように構成することも良い。このような構成であれば、一対のアームを相互に連結する構造が不要となり、その連結構造を収容するスペースも不要になる。一対のアーム同士を連結せず、隙間を空けて配置すれば、その隙間に電子部品を配置することが可能になる。特に、前記筐体の両外側に向けて回動変位可能なように設けられた前記一対のアームに、それぞれ前記ガイド部が設けられる構成を採用すると良い。特に、前記筺体は、電子部品を収容可能な中空構造を呈していると共に、各回動アームを支持する一対の取付部を有しており、当該取付部が前記電子部品の外側に配置される構成を採用すると良い。
【0018】
本発明の好適な一態様の車載機器における一対のガイド部のうちの少なくともいずれか一方のガイド部は、車載機器の本体をなす筐体により回動可能に軸支されたアームに取り付けられており、かつ、
該アームの回動に応じて他方のガイド部との間隔、及び前記支持面からの高さが変更される。
【0019】
本発明の好適な一態様の車載機器を構成する筐体は、表側部材と裏側部材との分割構造を呈していると共に、その分割方向に貫通する複数の固定ねじによって相互に固定され、
前記アームは、前記複数の固定ねじのうちのいずれかのねじの周りを回動するように配設されている。
【0020】
前記筐体の固定ねじを活用して前記アームを軸支すれば、その支持構造の構造的な強度を向上できる。前記固定ねじ周辺の強度は、前記筐体の強度を確保するために元来必要である。このような固定ねじの周辺の強度を活用すれば、前記アームの軸支構造の強度確保を大きなコストをかけることなく実現できる。
【0021】
本発明の好適な一態様の車載機器を構成する筐体は、電子回路を収容可能な中空構造を呈していると共に、各アームを支持する一対の取付部を有しており、
当該一対の取付部は、前記筐体の両外側に張り出すように設けられている。
前記筐体の両外側に張り出すように前記一対の取付部を設ける場合には、前記筐体の内周側に対する前記取付部のスペース的な侵食を抑制でき、中空形状の正面形状を矩形状に近づけることができる。正面形状が矩形状に近い中空形状は、例えば、電子回路を形成した電子基板等を収容するのに好適である。なお、電子回路としては、スピーカを含む音声出力回路や、FMトランスミッタやWIFIやブルートゥース等の通信回路や、ワイヤレス給電規格であるQI(チー)に対応する充電回路など各種の電源回路が考えられる。
【0022】
本発明の好適な一態様の車載機器が備える一対のガイド部のうちの一方が前記アームに取り付けられ、他方のガイド部は、前記支持面からの高さの変更を伴って直線的に変位可能な状態で前記筐体側に取り付けられている。
回動変位するガイド部と、少なくとも高さの変更を伴って直線的に変位するガイド部と、を組み合わせれば、前記一対のガイド部の間隔が変更可能になると共に、前記各ガイド部の前記支持面からの高さが変更可能になる。
【0023】
本発明の好適な一態様の車載機器が備えるアームは、取り付けられたガイド部の前記支持面からの高さが最も低くなると共に、当該ガイド部と前記他方のガイド部との間隔が最も狭くなる回動位置に向けて付勢されている。
この場合には、前記アームに作用する付勢力により、前記ガイド部が携帯機器の外周に押し付けられる。前記ガイド部を携帯機器の外周に押し付ければ、さらに確実に携帯機器を保持できるようになる。
【0024】
本発明の好適な一態様の車載機器におけるガイド部が回動変位できる変位範囲は、前記アームの回動中心の直下に当たる位置を含まず、前記回動位置に位置するアームのガイド部は、前記回動中心の直下に当たる位置よりも前記変位範囲側にずれて位置している。
【0025】
この場合には、前記アームが前記回動位置に位置するとき、そのガイド部を下側から真上に押し上げる力の作用方向が、前記回動中心を貫くことなくオフセットして作用する。そのため、前記押し上げる力の一部は、前記アームを回動させる力に変換され、これにより、アームの回動を生じさせることができる。アームをこのように回動させる力を活用すれば、例えば、次の手順により、前記支持部と前記各ガイド部とで高さ方向に挟持される携帯機器の保持姿勢をワンタッチで実現できる。この手順では、まず、携帯機器を下側から前記各ガイド部に押し当てて前記アームの回動を生じさせ、これにより前記ガイド部を上方に押し上げる。高さ方向の間隙が十分に確保できたら、そのまま携帯機器を奥側に押し込む。
【0026】
一方、前記回動中心と前記ガイド部とが前記高さ方向に沿って配置されていると、前記ガイド部を下側から押し上げる力の作用方向が前記回動中心を貫くことになり、前記回動中心に対してオフセットして作用する力が発生しない。前記押し上げる力がアームを回動させる力に変換されることもなく、この押し上げる力によってアームを回動させることが不可能である。このような場合、上記のように携帯機器を下側から前記ガイド部を押し当てても、前記アームを回動させることが困難である。手などを使って前記アームを押し上げておき、前記ガイド部と前記支持部との高さ方向の間隙を確保した後、携帯機器を保持させる必要があり面倒である。
【0027】
本発明の好適な一態様の車載機器を構成する前記筐体は、前記回動位置に位置するアームの少なくとも一部を収容する構造を有し、
前記アームのうち前記筐体に収容される部分の少なくとも一部が、前記回動位置から回動変位したときに前記筐体の外側に露出する。
【0028】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、前記回動位置に位置するアームの外周面の少なくとも一部が、前記筐体の外周面と略面一をなしている。
携帯機器が保持されないときに前記アームを収容しておけば、前記車載機器をコンパクトに見せることができる。そのとき、前記アームの外周面の一部が前記筐体の外周面と面一をなしていれば、美観が向上する。
【0029】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、保持される携帯機器の裏面に面する載置面を有し、
保持される携帯機器に対する前記各ガイド部の当接面は、携帯機器の厚さ方向において前記載置面から離れるに伴って携帯機器の内周側に位置するように傾斜している。
この場合には、前記ガイド部を携帯機器の外周に押し付けると、上記のように傾斜する当接面を介して、その押し付け力の一部が載置面側に向かう押し付け力に変換される。このような押し付け力は、保持する携帯機器を載置面に押し付けるように作用する。
【0030】
さらに、携帯機器の厚さを超える位置まで前記当接面を延設されるように前記ガイド部を構成しておくことも良い。この場合には、厚さを超える範囲にある当接面が携帯機器の内周側に位置することになり、携帯機器の手前側への脱落のおそれを未然に抑制できる。保持する携帯機器の厚さに応じて、前記ガイド部を数種類用意しておくことも良い。厚さ方向の突出量が適切となるガイド部に交換すれば、携帯機器を保持したときの美観を向上できる。
【0031】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、前記当接面の傾斜角度が5度以上10度以下である。
傾斜角度が5度以下であると、上記のように携帯機器を保持できるという効果が十分とは言えなくなるおそれがある。一方、傾斜角度が10度を超えると携帯機器の角部との接触面積が小さくなり、携帯機器に対してガイド部を押し付けたとき、単位面積当たりの接触荷重が過大になるおそれがある。例えば、携帯機器にシリコン等のカバーが装着されている場合、そのカバーに一時的に凹みが生じるおそれがある。
【0032】
本発明の好適な一態様の車載機器が備えるガイド部は、回転可能に支持された回転ローラを有し、該回転ローラの外周面を介して携帯機器に当接する。
携帯機器を前記ガイド部に押し当てながらアームを回動させる際、携帯機器の外周に沿って前記ガイド部が移動しながらアームが回動する。上記のようにガイド部に回転ローラを設ければ、携帯機器の外周に沿う前記ガイド部の変位が容易となり、上記のようなアームの回動動作がスムースになる。
【0033】
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持される携帯機器の裏面に面する載置面を有し、
前記支持面は、前記載置面から離れるに伴って上方側に位置するように傾斜している。
この場合には、前記支持面に作用する携帯機器の荷重の一部が、傾斜する支持面を介して前記載置面側に向かう押し付け力に変換される。このような押し付け力は、保持された携帯機器を確実性高く保持するために有効に作用する。
【0034】
本発明の好適な一態様の車載機器が備える支持部は、所定の間隔を空けて配置されていると共に前記支持面がそれぞれ設けられた一対の受け部を含み、
前記所定の間隔は、保持される携帯機器に接続されるコネクタを前記一対の受け部の間隙に収容可能なように設定されている。
この場合には、保持された携帯機器に対するコネクタのアクセスが容易になる。
【0035】
本発明の好適な一態様の車載機器は、車載機器の本体をなし、保持される携帯機器の裏面に面する載置面をなす筐体を有し、
当該筐体の下端を基準とした前記支持面の高さは、前記コネクタが筐体の外周側に突出しないように設定されている。
この場合には、携帯機器に接続されたコネクタが車両のダッシュボード等に干渉することを未然に回避できる。コネクタの干渉を抑制できれば、コネクタの断線等のトラブルを未然に回避できる。
【0036】
本発明の好適な一態様の車載機器では、前記一対のガイド部の間隔を変更可能な範囲と、前記各ガイド部の前記支持面からの高さを変更可能な範囲と、が少なくとも5.5cm以上7.0cm以下の範囲において重複している。
携帯機器の大きさは、手の平の大きさや、ワイシャツのポケット等を基準として決定されることが多いと言われている。上記のように一対のガイド部の間隔や、前記各ガイド部の高さを設定すれば、100%近くほぼ全ての携帯機器を保持可能になり、汎用性を十分に確保できる。
【0037】
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持される携帯機器の作動状況に応じた動作モードを選択可能である。
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持可能な携帯機器が備える機能と同様の機能を備えていると共に、当該機能を動作させるか否かを切り換える切換手段を備えている。
例えば、携帯機器で実行されるアプリによって実現される機能と同様の機能を本発明の車載機器が備えている場合には、その機能を動作させるか否かの切換手段を車載機器側に設けると良い。このようにすれば、当該アプリを携帯機器で実行しているときに、同様の機能が前記車載機器で実行されるという重複を排除できると共に、当該アプリを携帯機器で実行していないときには前記車載機器側でその機能を実現できる。
特に、前記切換手段は、物理的な切り換えスイッチで構成すると良い。このようにすれば、前記車載機器の重複する機能を容易かつ手早く停止できる。車載機器では特に、手早く操作できることが重要視されることが多い。
【0038】
本発明の好適な一態様の車載機器は、現在位置の測位機能を備える携帯機器を保持可能な車載機器であって、
現在位置を測位する機能を有している一方、現在位置の測位が実行される動作モードと、現在位置の測位が実行されない動作モードと、のいずれかを選択的に設定可能である。
測位機能を備えた携帯機器を保持している場合であれば、携帯機器から現在位置を取り込んだり、現在位置を利用した車載機器の機能を携帯機器側で実現するという構成も可能である。このような場合、車載装置側の測位機能を停止させる動作モードを選択すれば、その消費電力を抑制して省エネ効果を向上できる。
【0039】
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持される携帯機器に対して電力を供給可能である。
保持した携帯機器を充電できれば、ユーザーが車両を降りた後の携帯機器の充電切れ等を未然に回避できる。給電方法としては、コネクタを利用する方法のほか、QIなどワイヤレス給電による方法等がある。
【0040】
本発明の好適な一態様の車載機器は、前記一対のガイド部が幅方向(水平方向)両側から挟み込むと共に前記支持部が下側から支持する第1の保持姿勢、及び前記支持部と前記各ガイド部とが高さ方向に挟持する第2の保持姿勢のうちの少なくとも一方の姿勢で、携帯機器を保持可能であると共に、
前記第1及び第2の保持姿勢のうち、いずれの保持姿勢で携帯機器が保持されているか検知可能である。
例えば、第1の保持姿勢によっても第2の保持姿勢によっても保持できる携帯端末の場合であれば、保持姿勢の違いは、縦置きか横置きかの違いになる。例えば、GPS機能を有する携帯機器のGPSアンテナの指向性が縦方向に設定され、かつ、車載機器にもGPS機能が設けられている場合には、縦置きのとき車載機器のGPS機能を停止して携帯機器のGPS機能を利用し、横置きのとき車載機器のGPS機能を利用するといった制御が可能になる。
【0041】
本発明の好適な一態様の車載機器は、使用者が操作する操作部を有し、当該操作部のうちの少なくともいずれかは、携帯機器が保持された場合であっても操作可能な位置に配置されている。
操作可能な位置とは、保持された携帯機器によって隠蔽されず、ユーザーの指等でアクセス可能な位置を意味している。上記のように操作部を配置すれば、携帯機器を保持した状態であっても車載機器を操作できるようになる。
【0042】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、前記操作部のうちの少なくともいずれかは、携帯機器が保持されていても操作できるように前記支持部あるいは前記ガイド部の先端部分に配置されている。
前記支持部あるいは前記ガイド部の先端面であれば、保持した携帯機器によって隠蔽されることがない。このような先端面に配置された操作部は、携帯機器の有無や保持姿勢等に関わらず操作可能である。
【0043】
本発明の好適な一態様の車載機器における操作部としては、携帯機器が保持された場合であっても操作可能な位置に配置された第1の操作部と、携帯機器が保持された場合に操作不可能となる可能性がある第2の操作部と、があり、
前記第1の操作部と前記第2の操作部とでは、車両の運転中に想定される操作頻度の度合いが相違しており、前記第2の操作部の方が想定される操作頻度が低い。
操作不可能な位置とは、保持された携帯機器によって隠蔽され、ユーザーの指等でアクセスできない位置を意味している。前記第2の操作部を前記操作不可能な位置に配置する一方、携帯機器が保持されても操作可能な位置に操作頻度の高い前記第1の操作部を配置すれば、保持された携帯機器が車載機器の操作のじゃまになるおそれを未然に抑制できる。
【0044】
例えば、保持する携帯機器の縦置きか横置きかの姿勢によっては操作できなくなる可能性がある操作部と、保持する携帯機器の姿勢によらず操作可能な操作部と、を備え、操作できなくなる可能性がある操作部は、携帯機器を保持したときに操作の必要性が少なくなる操作部であるか、あるいは操作を禁止したほうが良い操作部であることが良い。
例えば、携帯機器の設置状態が縦(例えば携帯機器の長手方向が概ね鉛直方向)である場合に当該携帯機器によって隠れる位置に配置され、携帯機器の設置状態が横(例えば携帯機器の長手方向が概ね水平方向)である場合に当該携帯機器によって隠れない位置に配置された操作部は、当該携帯機器の設置状態が横である場合に操作の必要性がある操作部とすると良い。例えば、携帯機器の長手方向が携帯機器に備えた表示画面の長手方向となる携帯機器において、当該携帯機器が横の設置状態の際に画面を左右に分割表示するか、分割表示をせずに全画面表示をするかの切換スイッチをこの操作部として設けるなどすると良い。
【0045】
本発明の好適な一態様の車載機器は、使用者が操作する操作部を有し、当該操作部の少なくともいずれかは、保持された携帯機器を介在して操作可能である。
携帯機器を介在して操作可能とする構成としては、電気的に実現される構成や、機械的に実現される構成等がある。電気的に実現される構成としては、例えば、携帯機器と車載機器とを無線あるいは有線で通信可能な状態で接続しておき、車載機器の操作部に対応する操作部を携帯機器側で実現する構成がある。表示画面上の操作部が操作された旨を携帯機器から車載機器に送信すれば、携帯機器側の操作に応じて車載機器を操作できる。機械的に実現される構成としては、例えば、保持された携帯装置の背面に当接し、背面によって押し込み可能な操作部を設けておき、携帯機器を正面側から押し込むことで操作部が押し込み操作されるような構成がある。
【0046】
本発明の好適な一態様の車載機器が備える支持部は、車載機器の本体をなす筐体に回動可能に軸支された一対の支持アームを有し、当該一対の支持アームの先端側にそれぞれ前記支持面が設けられている。
この場合には、前記支持アームの回動位置に応じて、保持される携帯機器の高さを調整できるようになる。さらに、前記支持アームの回動に応じて支持面の高さを変更できるようになるため、前記支持面からの前記各ガイド部の高さの調整範囲を拡大できる。