特許第6528073号(P6528073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6528073
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】広告管理サーバー及び広告配信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20190531BHJP
【FI】
   G06Q30/02 380
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-54097(P2017-54097)
(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公開番号】特開2018-156514(P2018-156514A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2018年12月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514268774
【氏名又は名称】株式会社ワロップ放送局
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】頃末 敬
(72)【発明者】
【氏名】村山 博之
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−357284(JP,A)
【文献】 特開2015−26985(JP,A)
【文献】 特開2016−61996(JP,A)
【文献】 特開2010−191155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
G09F 27/00
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声のみの広告を管理する広告管理部と、
前記広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、
前記店舗が保有するポイント、及び、前記店舗に設定された前記ランク毎の前記ポイントを管理するポイント管理部と、
前記広告を配信するために必要とされる前記ポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで前記第1店舗の前記広告を前記第2店舗に配信し、前記第2店舗の広告を前記第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、を備える
広告管理サーバー。
【請求項2】
前記配信管理部は、前記第1店舗に割当てられた広告枠の価値と、前記第2店舗に割当てられた広告枠の価値とが同じである場合に、前記第1店舗により出稿された前記広告と、前記第2店舗により出稿された前記広告とを交換する
請求項1に記載の広告管理サーバー。
【請求項3】
前記配信管理部は、前記第1店舗に割当てられた広告枠の価値と、前記第2店舗に割当てられた広告枠の価値とが異なる場合に、前記価値を同じとする前記ポイントを前記第1店舗又は前記第2店舗が保有したことにより、前記第1店舗により出稿された前記広告と、前記第2店舗により出稿された前記広告とを交換する
請求項1又は2に記載の広告管理サーバー。
【請求項4】
前記ポイント管理部は、前記第1店舗に割当てられた広告枠を前記第2店舗に提供した場合に、前記第1店舗に割当てられた広告枠の価値に相当するポイントを前記第2店舗から前記第1店舗に移動させる
請求項1〜3のいずれか一項に記載の広告管理サーバー。
【請求項5】
前記広告枠の価値は、前記ランク毎に決定され、
前記ランクは、前記店舗毎に、所定期間における来店者数、営業延べ時間、及び一人当たりの平均滞在時間により設定される
請求項〜4のいずれか一項に記載の広告管理サーバー。
【請求項6】
さらに、撮像部により撮像された前記店内の画像を含む画像ファイルを前記店舗から取得し、前記画像ファイルを解析して時間毎の来店者数を計測する来店者数計測部と、
前記画像ファイルを解析して前記店内の音量を計測する音量計測部と、を備え、
前記ランク設定部は、前記来店者数及び前記音量に基づいて前記店舗に前記ランクを設定する
請求項〜5のいずれか一項に記載の広告管理サーバー。
【請求項7】
さらに、前記広告を審査する広告審査部を備え、
前記配信管理部は、前記広告審査部により審査され、承認された前記広告を配信する
請求項〜6のいずれか一項に記載の広告管理サーバー。
【請求項8】
音声のみの広告を管理する広告管理部と、
前記広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、
前記店舗が保有するポイント、及び、前記店舗に設定された前記ランク毎の前記ポイントを管理するポイント管理部と、
前記広告を配信するために必要とされる前記ポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで前記第1店舗の前記広告を前記第2店舗に配信し、前記第2店舗の広告を前記第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、
撮像部により撮像された前記店舗内の画像を含む画像ファイルを前記店舗から取得し、前記画像ファイルを解析して時間毎の来店者数を計測する来店者数計測部と、
前記画像ファイルを解析して前記店舗内の音量を計測する音量計測部と、を備え、
前記ランク設定部は、前記来店者数及び前記音量に基づいて前記店舗に前記ランクを設定する
広告管理サーバー。
【請求項9】
音声のみの広告を管理する広告管理部と、
前記広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、
前記店舗が保有するポイント、及び、前記店舗に設定された前記ランク毎の前記ポイントを管理するポイント管理部と、
前記広告を配信するために必要とされる前記ポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで前記第1店舗の前記広告を前記第2店舗に配信し、前記第2店舗の広告を前記第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、
前記広告を審査する広告審査部と、を備え、
前記配信管理部は、前記広告審査部により審査され、承認された前記広告を配信する
広告管理サーバー。
【請求項10】
音声のみの広告を出稿する広告主に関する情報、及び前記広告を前記広告主毎に管理する管理データベースと、前記広告の配信を管理する広告管理サーバーと、を備え、
前記広告管理サーバーは、
前記広告を管理する広告管理部と、
前記広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、
前記店舗が保有するポイント、及び、前記店舗に設定された前記ランク毎の前記ポイントを管理するポイント管理部と、
前記広告を配信するために必要とされる前記ポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで前記第1店舗の前記広告を前記第2店舗に配信し、前記第2店舗の広告を前記第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、を備え、
前記管理データベースを参照して、前記管理データベースから前記広告主に関する情報、及び前記広告を取得する
広告配信システム。
【請求項11】
音声のみの広告を出稿する広告主に関する情報、及び前記広告を前記広告主毎に管理する管理データベースと、前記広告の配信を管理する広告管理サーバーと、を備え、
前記広告管理サーバーは、
前記広告を管理する広告管理部と、
前記広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、
前記店舗が保有するポイント、及び、前記店舗に設定された前記ランク毎の前記ポイントを管理するポイント管理部と、
前記広告を配信するために必要とされる前記ポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで前記第1店舗の前記広告を前記第2店舗に配信し、前記第2店舗の広告を前記第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、
撮像部により撮像された前記店舗内の画像を含む画像ファイルを前記店舗から取得し、前記画像ファイルを解析して時間毎の来店者数を計測する来店者数計測部と、
前記画像ファイルを解析して前記店舗内の音量を計測する音量計測部と、を備え、
前記管理データベースを参照して、前記管理データベースから前記広告主に関する情報、及び前記広告を取得し、
前記ランク設定部は、前記来店者数及び前記音量に基づいて前記店舗に前記ランクを設定する
広告配信システム。
【請求項12】
音声のみの広告を出稿する広告主に関する情報、及び前記広告を前記広告主毎に管理する管理データベースと、前記広告の配信を管理する広告管理サーバーと、を備え、
前記広告管理サーバーは、
前記広告を管理する広告管理部と、
前記広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、
前記店舗が保有するポイント、及び、前記店舗に設定された前記ランク毎の前記ポイントを管理するポイント管理部と、
前記広告を配信するために必要とされる前記ポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで前記第1店舗の前記広告を前記第2店舗に配信し、前記第2店舗の広告を前記第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、
前記広告を審査する広告審査部と、を備え、
前記管理データベースを参照して、前記管理データベースから前記広告主に関する情報、及び前記広告を取得し、
前記配信管理部は、前記広告審査部により審査され、承認された前記広告を配信する
広告配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、音声のみの広告を配信するための広告管理サーバー及び広告配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告伝送媒体としてテレビ放送が主に用いられていた。しかし、近年は、インターネットを通じて企業が自社サイトにユーザーを誘導し、直接ユーザーに広告を提供するようになっている。また、ユーザーにとって、リアルタイムでテレビ放送を視聴することは少なくなっている。例えば、インターネットを通じてゲームを行ったり、ビデオサイトに登録されたビデオを視聴するようになっている。
【0003】
また、ユーザーは、テレビ番組をビデオ録画することにより、テレビ番組が放送された時間帯とは異なる時間帯にテレビ番組を視聴することが多い。この場合、テレビ番組中に挿入されるテレビ広告は早送り等で飛ばされやすい。このようにテレビ放送のプッシュメディアとしての役割が年々低下していることから、企業は、テレビ広告を通じて視聴者に商品、サービスの魅力を訴求することが困難となりつつあった。またテレビやラジオはその媒体に触れる際、能動的に電源をつける必要があり厳密なプッシュメディアの役割が弱くなってきた。
【0004】
テレビ広告に変わるプッシュメディアとして、例えば、屋外看板や交通広告がある。しかし、屋外広告や交通広告は、その特性から広告の画像や映像だけを瞬間的に一般客の視覚から訴求できるに過ぎなかった 。
【0005】
特許文献1には、多数の媒体社を組織化し、多数の媒体社間で広告宣伝枠の交換を行うことができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−357284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたシステムは、新たな伝送媒体を設けなければ、有効な広告を配信することができなかった。そして、伝送媒体を構築するためには多額の費用がかかっていた。また、従来は、店内で放送されるだけの音声広告に適切な価値を見いだすことができないため、企業間で音声広告に用いる広告枠を売買するような音声広告の流通市場は存在していなかった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、簡易な構成としながら、新たな方法で広告を配信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る広告管理サーバーは、音声のみの広告を管理する広告管理部と、広告が配信される店舗のランクを設定するランク設定部と、店舗が保有するポイント、及び、店舗に設定されたランク毎のポイントを管理するポイント管理部と、広告を配信するために必要とされるポイントを第1店舗及び第2店舗の間で交換することで、指定されたスケジュールで第1店舗の広告を第2店舗に配信し、第2店舗の広告を第1店舗で配信するように管理する配信管理部と、を備える。
また、広告配信システムは、上記の広告管理サーバーに加えて、音声のみの広告を出稿する広告主に関する情報、及び広告を広告主毎に管理する管理データベースを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1店舗及び第2店舗の間でポイントを交換することで、指定されたスケジュールで各店舗が他の店舗の広告を配信することができる。このようにポイントを交換するシステムを設けたことにより、音声のみの広告の流動性を高めることができる。また、本発明に係る広告配信システムは、例えば、店舗に来店した客に対して聴覚から広告を訴求できる上、受動的に広告を伝送できる仕組みとなる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る広告配信システムの全体構成例を示す説明図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る価値基準値に応じた店舗ランクと、1つの広告枠あたりの単価の例を示す一覧表である。
図3】本発明の一実施の形態に係る広告配信システムの内部構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施の形態に係る広告配信システムの各装置を構成する計算機のハードウェア構成図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る管理データベースに格納される各テーブルの構成例を示す説明図である。
図6】本発明の一実施の形態に係る広告主が配信サイトにログインしたときの処理例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施の形態に係る配信管理者が配信サイトにログインしたときの処理例を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施の形態に係るログイン画面の表示例を示す説明図である。
図9】本発明の一実施の形態に係る広告主画面の表示例を示す説明図である。
図10】本発明の一実施の形態に係る広告配信画面(地域選択)の表示例を示す説明図である。
図11】本発明の一実施の形態に係る広告配信画面(地域選択)の表示例を示す説明図である。
図12】本発明の一実施の形態に係る広告入稿画面の表示例を示す説明図である。
図13】本発明の一実施の形態に係る広告配信画面(広告主選択)の表示例を示す説明図である。
図14】本発明の一実施の形態に係る広告配信画面(広告主選択)の表示例を示す説明図である。
図15】本発明の一実施の形態に係る配信先検索画面の表示例を示す説明図である。
図16】本発明の一実施の形態に係る検索結果画面の表示例を示す説明図である。
図17】本発明の一実施の形態に係る管理者画面の表示例を示す説明図である。
図18】本発明の一実施の形態に係る企業情報管理画面の表示例を示す説明図である。
図19】本発明の一実施の形態に係る店舗編集画面の表示例を示す説明図である。
図20】本発明の一実施の形態に係る店舗情報登録画面の表示例を示す説明図である。
図21】本発明の一実施の形態に係る広告審査・承認画面の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
[一実施の形態]
図1は、広告配信システム10の全体構成例を示す説明図である。
図1の上に示す広告配信システム10は、インターネット等のネットワークNによって接続された広告主端末1と、管理者端末2と、広告管理サーバー3と、管理データベース4とを備える。
【0014】
広告主端末1は、広告主によって使用される。広告主は、店舗毎に広告主端末1を使用して、配信を望む音声広告(CM(Commercial Message)、以下「広告」と略記する)を配信サイトにアップロードする。店舗には、飲食店、美容院、コンビニエンスストア等の様々な業態が含まれており、店内に広告を配信することが可能である。このため、店舗の来店者は、意識することなく聴くことができる。店内放送には、自社の広告だけではなく、他社の広告も流れる。
【0015】
ここで、広告配信システム10を利用する広告主は、業種、会社、店舗毎に異なるものとする。そして、ある会社が店舗A,Bを保有し、他の会社が店舗X,Zを保有しているものとする。店舗毎に広告は異なるが、同じ会社が保有する店舗であれば、同じ広告が配信されてもよい。以下の説明では、店舗Aを第1店舗の一例とし、店舗Xを第2店舗の一例として扱う。
【0016】
管理者端末2は、広告配信システム10を管理する配信管理者によって使用される。配信管理者は、管理者端末2を用いて、広告主端末1からアップロードされた広告の審査を行ったり、広告主の情報(企業情報)を登録したりする。
【0017】
広告管理サーバー3は、広告主端末1によってアップロードされた広告を管理する。例えば、特定の店舗に対して、1時間に2回、広告や番組など用意した音声メディアを自動的に再生することで広告を来店者に届けるよう管理している。広告管理サーバー3は、広告配信システム10を利用する店舗間で広告枠を交換することが可能である。例えば、ある店舗の広告主が他の業態に広告を出したい場合、自社店舗の広告枠を他社に提供することで、他社の広告枠を利用できる。
【0018】
管理データベース4は、音声のみの広告を出稿する広告主に関する情報、及び広告を広告主毎に管理する。広告管理サーバー3は、管理データベース4を参照して、必要な情報を適宜取得することができる。
【0019】
<広告枠を交換する仕組み>
ここで、広告枠を交換する仕組みについて説明する。
図1の下に示すように、ある広告主がコンビニエンスストアAの店舗を持ち、他の広告主が飲食店Bの店舗を持つとする。コンビニエンスストアA及び飲食店Bでは、それぞれ1時間に2回、広告や番組等の広告を再生し、来店者に広告を届けることが可能な広告枠を持っているとする。ここで、広告配信システム10は、コンビニエンスストアAと飲食店Bとで広告枠を交換することが可能である。これにより、コンビニエンスストアAにて、他業種である飲食店Bの広告を配信することが可能となり、飲食店Bにて、コンビニエンスストアAの広告を配信することが可能となる。
【0020】
広告主がある広告枠にて広告を配信する際、各店舗が保有するポイントが一定数だけ消費される。ポイントは、配信管理者により管理されるものであり、広告主は、配信管理者からポイントを購入して増やすことができる。ポイント数は、店舗の価値、広告枠の価値に応じて変わる。このため、ポイント数に基づいて、店舗の価値、広告枠の価値を可視化することが可能である。また、広告主は、広告主端末1に表示される配信サイトを通じてポイントの購入、広告の入稿、ポイントの交換等を行うことが可能である。このため、広告配信システム10を利用することにより、ポイントを売買し、広告枠を交換するための新たな市場を創出することができる。
【0021】
ところで、店舗毎に広告の価値は異なる。このため、広告の価値基準は、例えば、以下の算出指標(a)〜(c)を用いて店舗毎に算出される 。
(a)月間来店者数
(b)月間営業延べ時間
(c)一人あたりの平均滞在時間
また、店内放送がない状態の店内の音量と、店内放送がある状態の店内の音量とで、音量のデシベル比が高いほど、来店者は店内放送、すなわち広告を聞き取りやすいと考えられる。このため、デシベル比により、店舗ランクが、Aランク、Bランク、Cランクに分類される。そして、店舗ランク毎に、積算値が求められる。積算値として、例えば、店舗ランクがBランクであれば標準とした1.0倍、Aランクでは1.1倍、Cランクでは0.9倍となる。
【0022】
そして、コンビニエンスストアAの店舗Aの上記算出指標は以下に示す(a)〜(d)の通りであるとする。すると、価値基準値は、下記式(1)により算出される。
(a)月間来店者数 2000人
(b)月間営業延べ 300時間
(c)平均滞在時間 5分
(d)Cランクの積算値
【0023】
店舗毎の価値基準値=月間来店者数÷月間営業延べ時間×一人あたりの平均滞在時間×ランク毎の積算値 …(1)
【0024】
すなわち、式(1)より、店舗毎の価値基準値は、2000÷300×5×0.9=30となる。このため、コンビニエンスストアAの店舗Aの価値基準値が“30”であることが判明する。そして、価値基準値に応じて、店舗のランクが確定する。なお、価値基準の算出に際して、所定期間の一例として月間を用いたが、日間、週間、年間等を所定期間として用いてもよい。
【0025】
図2は、価値基準値に応じた店舗ランクと、1つの広告枠あたりの単価の例を示す一覧表である。
店舗ランクとは、広告が行われる店舗の価値を示す指標であり、店舗ランクが高いほど、店舗の来店者に広告が有効に届くと考えられる。図2の上に示すように店舗ランクの高い順に、例えば、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズが設定される。そして、店舗ランクの高い順に、広告を配信するために必要なポイント数が多くなる。例えば、店舗ランクがプラチナであれば、75ポイント以上必要であり、店舗ランクがゴールドであれば、50〜74ポイント必要であり、店舗ランクがシルバーであれば、25〜49ポイント必要であり、店舗ランクがブロンズであれば、0〜24ポイント必要である。
【0026】
また、図2の下に示すように、店舗ランクに応じて、1つの広告枠あたりの単価が変わる。例えば、店舗ランクがプラチナであれば、13ポイント必要であるのに対し、店舗ランクがブロンズであれば、10ポイント必要である。つまり、店舗ランクが高いほど、1つの広告枠あたりの単価も高くなる。上述した店舗Aの価値基準値は、“30”であるため、店舗Aの店舗ランクはシルバーとなる。このため、店舗Aの1つの広告枠あたりの単価は、11ポイントとなる。そして、店舗Aが保有している消費可能枠のポイント数が算出される。このポイント数が基礎ポイントとなる。基礎ポイントの算出は次式(2)により行われる。
【0027】
基礎ポイント=月間営業延べ時間×1時間あたりの広告枠数×1つの広告枠あたりの単価 …(2)
【0028】
式(2)より、基礎ポイントは、300×2×11=6,600として算出される。このため、6,600ポイントが、店舗Aにおける月あたりのポイントの消費可能枠となり、広告主は事前に配信管理者から6,600ポイントを購入することができる。そして、広告主は、消費可能枠内のポイントを、自店舗と他の店舗間で交換することで、自社の広告を他社の店舗で配信することが可能となる。また、他社の店舗での広告回数を増やす場合には、さらにポイントを追加して購入することもできる。
【0029】
例えば、店舗Aの広告主が、以下のランクが設定されている他社の他店舗に、自社の広告を7日間にわたって、全時間帯で配信することを希望した場合を想定する。
(a)月間営業延べ 150時間
(b)プラチナランク
(c)広告単価 13ポイント
この場合の基礎ポイントは、150×7日間×13=13,650として算出される。ここで、店舗Aは、6,600ポイントしか購入していないため、他社の他店舗に広告を配信するためには7,050ポイント不足する。そこで、店舗Aの広告主は、配信管理者から7,050ポイントを購入する必要がある。
【0030】
図3は、広告配信システム10の内部構成例を示すブロック図である。
広告主端末1は、入力部11、表示部12、通信部13、制御部14、撮像部15、集音部16、放音部17を備える。
【0031】
入力部11は、例えば、キーボード、マウス等であり、広告主端末1を使用する広告主によって必要な情報が入力される。
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ装置であり、広告主が表示可能な配信サイト等を表示する。
通信部13は、広告主端末1がネットワークNに接続するための通信インターフェイスである。通信部13は、制御部14から指示された音声ファイル又は画像ファイルを広告管理サーバー3にアップロードしたり、広告管理サーバー3からダウンロードした広告ファイルを制御部14に渡したりする。
【0032】
制御部14は、広告主端末1内の各部の動作を制御する。制御部14は、入力受付部14a、表示制御部14b、広告再生部14cを備える。
入力受付部14aは、入力部11によって入力されたデータを受け付ける。入力部11により入力されるデータとして、例えば、店舗に配信を希望する広告の音声ファイルの選択指示、広告の配信スケジュール、店舗情報等がある。
表示制御部14bは、広告管理サーバー3からダウンロードされる配信サイトを表示部12に表示する制御を行う。広告主は、配信サイトを通じて広告又は店舗等の情報を確認することが可能である。
広告再生部14cは、広告管理サーバー3から配信された広告ファイルを再生する。再生された広告ファイルの音声は、放音部17にて放音される。このため、店内に広告が流れる。
【0033】
撮像部15は、例えば、カメラであって、来客者を撮像して画像ファイルを生成する。
集音部16は、例えば、マイクロフォンであって、店内の音を集音する。撮像部15によって撮像された客の様子、集音部16によって集音された店内の音は、店舗における広告の価値を算出するために利用される。集音部16により集音された音の音声データは、撮像部15が生成した画像ファイルに取り込まれている。
放音部17は、例えば、スピーカーであって、店内に広告ファイルに基づく広告を放音する。
【0034】
管理者端末2は、入力部21、表示部22、制御部23、通信部24を備える。
入力部21は、例えば、キーボード、マウス等であり、管理者端末2を使用する配信管理者によって必要な情報が入力される。
表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ装置であり、配信管理者が表示可能な配信サイト等を表示する。
制御部23は、管理者端末2内の各部の動作を制御する。また、制御部23は、広告管理サーバー3にログインし、広告管理サーバー3における広告等の管理を行う。
通信部24は、管理者端末2がネットワークNに接続するための通信インターフェイスである。
【0035】
広告管理サーバー3は、通信部31,制御部32を備える。
通信部31は、広告管理サーバー3がネットワークNに接続するための通信インターフェイスである。
制御部32は、広告管理サーバー3内の各部の動作を制御する。制御部32は、ログイン処理部32a、音量計測部32b、来店者数計測部32c、広告管理部32d、ランク設定部32e、ポイント管理部32f、広告審査部32g、配信管理部32hを備える。
【0036】
ログイン処理部32aは、管理者端末2から入力されたログインID、パスワードの認証を行い、正規のユーザーであると認証した場合に、広告管理サーバー3へのログインを許可する。
【0037】
音量計測部32bは、撮像部15により撮像され、広告主端末1からアップロードされた画像ファイルを解析して店内の音量を計測する。音量の計測は、上述したように店内の音をデシベル値に換算し、店内の音声のデシベル比を求めることで行われる。
【0038】
来店者数計測部32cは、撮像部15により撮像され、広告主端末1からアップロードされた画像ファイルを解析して時間毎の来店者数を計測する。このとき、来店者数計測部32cは、画像ファイルから来店者の顔認証を行うことで、来店者の性別、年齢等を判断し、来店者の性別、年齢毎に来店者数を計測してもよい。
【0039】
広告管理部32dは、広告主から出稿される音声のみの広告を管理する。
ランク設定部32eは、広告が配信される店舗のランクを設定する。例えば、ランク設定部32eは、音量計測部32bにより計測された店内の音量と、来店者数計測部32cにより計測された来店者数とに基づいて、店舗毎にランクを設定する。
【0040】
ポイント管理部32fは、店舗毎に設定されたランク毎のポイントを管理する。このため、ポイント管理部32fは、店舗毎に消費可能枠を算出する。また、ポイント管理部32fは、店舗が保有するポイントも管理しており、ある店舗が他の店舗との間で交換するポイントも管理する。例えば、ポイント管理部32fは、店舗Aに割当てられた広告枠を店舗Xに提供した場合に、店舗Aに割当てられ、ランク毎に決定される広告枠の価値に相当するポイントを店舗Xから店舗Aに移動させることもできる。
【0041】
広告審査部32gは、広告主端末1から出稿された広告の審査を自動的に行う。広告の審査は、例えば、広告の再生時間が20秒間で規定されている場合に、広告主から入稿された音声ファイルの再生時間が20秒間以内であるか、また、広告の内容が公序良俗に反するものでないかといった観点により、配信管理者により行われる。広告の審査は、管理者端末2を使用する管理者によって1つずつ行われるが、広告審査部32gを用いることにより、定形的なエラーを含む広告は自動的に除くか、配信中止を指示することが可能となる。このため、配信管理者による審査を効率化することができる。
【0042】
配信管理部32hは、広告の配信スケジュール、配信地域等を管理しており、広告審査部32gにより審査され、承認された広告を配信する。このとき、配信管理部32hは、広告を配信するために必要とされるポイントを店舗A及び店舗Xの間で交換することで、指定されたスケジュールで店舗Aの広告を店舗Xに配信し、店舗Xの広告を店舗Aで配信するように管理する。このため、配信管理部32hは、配信スケジュール、配信地域等に従って、特定の店舗の広告主端末1に広告をストリーミング配信することが可能である。配信管理部32hにより広告主端末1に配信される広告は、広告主端末1に保存されない。なお、広告は、広告主端末1を介さず、店内の放音部17等に直接配信されてもよい。
【0043】
ここで、配信管理部32hは、店舗Aに割当てられた広告枠の価値と、店舗Xに割当てられた広告枠の価値とが同じである場合に、店舗Aにより出稿された広告と、店舗Xにより出稿された広告とを交換することができる。また、配信管理部32hは、店舗Aに割当てられた広告枠の価値と、店舗Xに割当てられた広告枠の価値とが異なる場合に、価値を同じとするポイントを店舗A又は店舗Xが保有したことにより、店舗Aにより出稿された広告と、店舗Xにより出稿された広告とを交換することもできる。これにより、店舗毎に配信する広告を交換することが可能となる。
【0044】
管理データベース4は、企業情報テーブル41、広告主店舗情報テーブル42、聞きやすさランクテーブル43、店舗ランクテーブル44、広告単価テーブル45、広告枠数テーブル46、業種テーブル47を備える。広告管理サーバー3により管理される各種の情報は、管理データベース4の各テーブルに保存される。各テーブルの詳細な内容は、図5にて説明する。
【0045】
図4は、広告配信システム10の各装置を構成する計算機Cのハードウェア構成図である。
計算機Cは、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機Cは、バスC4にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)C1、ROM(Read Only Memory)C2、RAM(Random Access Memory)C3を備える。さらに、計算機Cは、表示装置C5、操作装置C6、不揮発性ストレージC7、ネットワークインターフェイスC8を備える。
【0046】
CPU C1は、本実施の形態例に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM C2から読み出して実行する。RAM C3には、演算処理の途中に発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれる。CPU C1には、例えば、図3に示される、制御部14,23,32が対応する。
【0047】
表示装置C5は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、計算機Cで行われる処理の結果等をユーザーに表示する。表示装置C5には、例えば、図3の表示部12,22が対応する。操作装置C6には、例えば、キーボード、マウス等が用いられ、ユーザーが所定の操作入力、指示を行うことが可能である。操作装置C6には、例えば、図3の入力部11,21が対応する。
【0048】
不揮発性ストレージC7としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージC7には、OS(Operating System)、各種のパラメーターの他に、計算機Cを機能させるためのプログラムが記録されている。ROM C2、不揮発性ストレージC7は、CPU C1が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録しており、計算機Cによって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。このため、ROM C2、不揮発性ストレージC7には、このプログラムが永続的に格納される。
【0049】
ネットワークインターフェイスC8には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを装置間で送受信することが可能である。ネットワークインターフェイスC8には、例えば、図3の通信部13,24,31が対応する。
【0050】
図5は、管理データベース4に格納される各テーブルの構成例を示す説明図である。
企業情報テーブル41は、広告主企業ID、広告主店舗名、企業名、企業住所、企業電話番号、企業部署名、企業担当者名、メールアドレス、企業担当者、支払い情報(クレジットカード情報等)のフィールドを有する。
【0051】
広告主店舗情報テーブル42は、店舗ID、店舗名、広告主企業ID、業種、営業時間、月間来店者数、月間営業延べ時間、1人あたりの滞在時間、聞きやすさランク、価値基準、店舗ランク、広告単価(1回あたり)、保有ポイント、広告枠数、店舗住所のフィールドを有する。
【0052】
聞きやすさランクテーブル43は、最低、最高、ランク、デシベル比率のフィールドを有する。
店舗ランクテーブル44は、価値基準、店舗ランクのフィールドを有する。
【0053】
広告単価テーブル45は、店舗ランク、単価ポイントのフィールドを有する。1つの広告は、例えば、20秒間の再生時間の広告である。そして、店舗ランクに応じて、店内で流される広告の1つの広告枠の単価が確定する。
広告枠数テーブル46は、月間営業延べ時間、広告枠のフィールドを有する。
【0054】
業種テーブル47は、農業,林業、漁業、鉱業,採石業,砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業,郵便業、卸売業,小売業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業、教育,学習支援業、医療,福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、公務(他に分類されるものを除く)、分類不能の産業のフィールドを有する。
【0055】
次に、広告主と配信管理者が配信サイトにログインした後に行う処理について、図6図7を参照して説明する。ただし、始めに、図6のフローチャートと、広告主に関連する画面の表示例を図8図16を参照して説明する。図7のフローチャートと、配信管理者に関連する画面の表示例は、図17図21を参照して行う。
【0056】
図6は、広告主が配信サイトにログインしたときの処理例を示すフローチャートである。以下の説明では、適宜、画面の表示例も合わせて説明する。
始めに、広告主は、広告主端末1に表示された図8に示すログイン画面W1を表示する。
【0057】
図8は、ログイン画面W1の表示例を示す説明図である。
ログイン画面W1には、広告主又は管理者が配信サイトにログインする際に、ログインID、パスワードを入力するためのテキストボックスW1a,W1bが、広告主と管理者のそれぞれに対して設けられている。広告主が、「広告主のお客様はこちら」と表示されているテキストボックスW1aにログインID、パスワードを入力して、ログインボタンを押すと、広告管理サーバー3のログイン処理部32aにて認証が行われ、ログインが完了する。
【0058】
そして、広告主がログイン画面W1を通じてログインすると(S1)、広告主端末1には、図9に示す広告主画面W2が表示される。
【0059】
図9は、広告主画面W2の表示例を示す説明図である。
広告主画面W2には、広告主が勤務する株式会社AAAの現在の店舗ランク一覧W2a、現在のポイントW2b、直近の獲得ポイントW2c、お知らせW2d、管理機能ボタンW2eが表示される。
店舗ランク一覧W2aは、例えば、管理データベース4の店舗ランクテーブル44を参照して表示される情報である。店舗ランクとして、例えば、A,B,Cランクがある。Aランクが最もランクが高く、Bランクが標準のランクであり、広告主画面W2では「レギュラー」と表示されている。Cランクが最もランクが低い。
【0060】
現在のポイントW2bは、広告主がこれまでに配信サイトを通じて配信管理者から購入したポイント数である。広告の配信には、このポイントが用いられる。
直近の獲得ポイントW2cには、各店舗にて獲得したポイント数が表示される。例えば、他の店舗により、広告の配信が依頼され、他の店舗に広告枠を提供した場合には、他の店舗から自店舗に対して提供した広告枠に相当するポイント数が獲得ポイントとして表示される。
【0061】
お知らせW2dには、広告主に通知される情報が表示される。例えば、広告主が以前入稿した広告の審査結果や、他社からの広告の掲載依頼等が表示される。
管理機能ボタンW2eには、広告主が企業情報を管理するための画面を表示したり、広告を出稿したりするための指示を与えるために用いられる。広告主が「広告を出す」ボタンW2e1をクリックすると、図10に示す広告配信画面W3が表示される。
【0062】
図10図11は、広告配信画面W3(広告主選択)の表示例を示す説明図である。
広告配信画面W3は、広告主が広告の配信先を業種・地域から選択する場合に用いられる。広告配信画面W3には、広告主が保有する現在のポイント数が保有ポイントW3aに表示される。また、配信方法選択ボタンW3bには、初めのうち「業種・地域から選ぶ」のラジオボタンが選択された状態で表示される。広告主が「広告主から選択する」のラジオボタンを選択すると、後述する図13に示す広告配信画面W5に遷移する。
【0063】
広告配信画面W3には、広告の配信先である業種選択W3c、地域選択W3d、掲載期間W3e(以上、図10)、配信希望時間帯W3f、配信希望回数W3g、配信希望広告W3h、広告増枠ボタンW3i、現在のポイントW3j、配信に必要なポイントW3k、配信指示ボタンW3m(以上、図11)が表示される。
【0064】
広告主は、配信方法選択ボタンW3bの「業種・地域から選ぶ」のラジオボタンを選択すると、以下の項目を選択することが可能となる。例えば、広告主は、業種選択W3c、地域選択W3d、掲載期間W3e、配信希望時間帯W3f、配信希望回数W3g、配信希望広告W3hにて、広告の配信を希望する業種、地域、掲載期間、配信希望時間帯、配信希望回数、配信希望広告を選択することができる。
【0065】
また、新たに広告を入稿する際には、広告入稿リンクW3h1をクリックする。これにより、後述する広告入稿画面W4が表示され、広告主は広告を入稿することができる。なお、配信希望広告W3hが複数あるのは、複数の異なる広告がある場合に、任意の広告を選択可能とするためである。広告主が、さらに配信を希望する広告を増やす場合には、広告増枠ボタンW3iを押して広告枠を増やすことができる。また、広告配信画面W3の下部にも現在のポイントW3jが表示され、ポイントが不足する場合には、ポイントを追加購入することもできる。そして、配信に必要なポイントW3kで示されるポイント数が、広告主が保有しているポイント数以下であるため、配信指示ボタンW3mが表示され、広告主は、配信指示ボタンW3mをクリックして広告の配信を指示することができる。
【0066】
再び、図6のステップS3に戻って説明を続ける。
広告主が広告配信画面W3にて配信方法を「業種・地域から選ぶ」を選択し(S2)、配信先の業種、地域、掲載期間等を選択又は記述した後(S3)、広告主は、新規広告を入稿するか否かを判断する(S4)。新規広告を入稿しない場合(S4のNO)、広告配信画面W3にて選択した業種、地域、掲載期間等で広告が配信され(S15)、本処理が終了する。一方、新規広告を入稿する場合(S4のYES)、図12に示す広告入稿画面W4が表示される。
【0067】
図12は、広告入稿画面W4の表示例を示す説明図である。
広告入稿画面W4は、広告主が新規の広告を入稿する場合に用いられる。広告入稿画面W4には、現在広告一覧W4a、審査待ち広告W4b、新規広告入稿欄W4cが表示される。
現在広告一覧W4aには、現在、広告主が配信可能な広告の一覧が表示される。この広告は、配信管理者によって既に審査が完了したものでもよいし、審査が未完了のものを含めてもよい。
審査待ち広告W4bには、現在、配信管理者によって審査が行われている広告が表示される。
新規広告入稿欄W4cには、音声ファイルの格納場所から配信を希望する広告が入った音声ファイルを選択するためのファイル参照エリアと、入稿指示ボタンW4c1が表示される。広告主は、ファイル参照エリアにて音声ファイルを選択した後、入稿指示ボタンW4c1を押すことで広告を入稿することができる。このとき、音声ファイルが広告管理サーバー3にアップロードされる。
【0068】
図6の説明に戻ると、広告主が広告入稿画面W4の入稿指示ボタンW4c1を押したことにより(S5)、広告管理サーバー3に音声ファイルがアップロードされる(S6)。そして、音声ファイルが広告管理サーバー3に入稿される(S7)。入稿された音声ファイル(広告)は、配信管理者により審査され、審査が完了した広告が配信可能となる。このため、ステップS7の後、ステップS3に戻る。
【0069】
次に、ステップS2にて、広告主を選択した場合について説明する。図10に示した広告配信画面W3にて、広告主が配信方法選択ボタンW3bの「広告主から選択する」のラジオボタンを選択すると、図13図14に示す広告配信画面W5が表示される。
【0070】
図13図14は、広告配信画面W5(広告主選択)の表示例を示す説明図である。
広告配信画面W5は、広告主が広告の配信先を広告主から選択する場合に用いられる。広告配信画面W5には、広告主が保有する現在のポイント数が保有ポイントW5aに表示される。また、配信方法選択ボタンW5bには、初めのうち「広告主から選択する」のラジオボタンが選択された状態で表示される。そして、広告配信画面W5には、配信先検索結果W5cが設けられる。
【0071】
配信先検索結果W5cには、広告主によって以前選択された配信先が表示される。広告主が配信先を再選択する際には、「配信先を選択し直す」ボタンW5c1を選択する。これにより、後述する図15に示す配信先検索画面W6が表示され、広告の配信先を検索することが可能となる。なお、広告配信画面W5が備えるエリアW5d〜W5mは、図10図11に示した広告配信画面W3が備えるエリアW3d〜W3mと同じ内容であるため、詳細な説明を省略する。
【0072】
図6の説明に戻ると、ステップS2にて広告主により広告主が選択されたことにより表示された広告配信画面W5にて、配信先を変更する場合には、図15に示す配信先検索画面W6が表示される。そして、広告主は、配信先検索画面W6にて、業種を指定し、又はキーワードを入力することで(S8)、業種又はキーワードに合致する配信先の広告主を検索することができる。
【0073】
図15は、配信先検索画面W6の表示例を示す説明図である。
配信先検索画面W6は、広告主が広告の配信先を検索する場合に用いられる。配信先検索画面W6には、保有ポイントW6a、配信方法選択ボタンW6b、配信先指定エリアW6c、検索ボタンW6dが表示される。
保有ポイントW6aには、広告主が保有する現在のポイント数が表示される。
配信方法選択ボタンW6bには、「広告主から選択する」のラジオボタンが選択された状態で表示される。
【0074】
配信先指定エリアW6cには、業種を指定、又はキーワードを入力することにより、配信先を指定することが可能である。
検索ボタンW6dは、配信先指定エリアW6cに指定された業種、又はキーワードに合致する配信先の検索を指示するために用いられる。検索結果は、図16に示す検索結果画面W7に表示される。
【0075】
図16は、検索結果画面W7の表示例を示す説明図である。
検索結果画面W7は、配信を依頼する出稿先を一覧表示するために用いられる。出稿先選択エリアW7a、検索結果一覧W7bを備える。
出稿先選択エリアW7aは、検索結果としての総数と、1画面に表示可能な件数、並び替えリストを含む。広告主は、出稿先選択エリアW7aに表示される情報に基づいて、任意の件数及び任意の順で画面に検索結果を表示する指示を行うことができる。例えば、店舗名の昇順又は降順、期間限定のキャンペーンが行われている店舗順に表示することもできる。
検索結果一覧W7bには、配信先検索画面W6にて指定された業種又はキーワードに合致する店舗名、業種名等が一覧表示される。
【0076】
図6の説明に戻ると、広告主は、ステップS8にて検索結果画面W7に表示された広告主から任意の広告主を選択する(S9)。広告主を再選択する場合には、改めて配信先検索画面W6に戻り、業種又はキーワードが指定される。そして、広告主により広告主が選択された後、広告配信画面W5に戻って、広告主が広告配信画面W5にて配信先の業種、地域、掲載期間等を選択又は記述する(S10)。
【0077】
その後、広告主は、新規広告を入稿するか否かを判断する(S11)。新規広告を入稿しない場合(S11のNO)、広告配信画面W3にて選択した業種、地域、掲載期間等で広告が配信され(S15)、本処理が終了する。一方、新規広告を入稿する場合(S11のYES)、図12に示す広告入稿画面W4が表示される。
【0078】
そして、広告主が広告入稿画面W4の入稿指示ボタンW4c1を押したことにより(S12)、音声ファイルがアップロードされる(S13)。そして、音声ファイルが広告管理サーバー3に入稿される(S14)。入稿された音声ファイル(広告)は、配信管理者により審査され、審査が完了した広告が配信可能となる。このため、ステップS14の後、ステップS10に戻る。
【0079】
図7は、配信管理者が配信サイトにログインしたときの処理例を示すフローチャートである。以下の説明では、図8及び図17図21を参照して、適宜、画面の表示例も合わせて説明する。
始めに、配信管理者は、管理者端末2に表示された図8に示すログイン画面W1を表示する。そして、配信管理者がログイン画面W1を通じてログインすると(S21)、管理者端末2には、図17に示す管理者画面W8が表示される。
【0080】
図17は、管理者画面W8の表示例を示す説明図である。
管理者画面W8は、管理者が企業情報を管理し、広告の審査及び承認をし、広告主を登録するために用いられる。管理者画面W8には、お知らせW8a、管理機能W8bが表示される。
お知らせW8aには、配信管理者に通知される情報が表示される。例えば、広告審査の件数が表示される。
管理機能W8bには、配信管理者として広告主を管理するための機能ボタンが表示される。管理機能W8bに表示される機能ボタンとして、企業情報管理画面ボタンW8b1、広告審査・承認ボタンW8b2、管理者登録ボタンW8b3がある。
【0081】
配信管理者が企業情報管理画面ボタンW8b1を押すと、図18に示す企業情報管理画面W9が表示される。
図18は、企業情報管理画面W9の表示例を示す説明図である。
企業情報管理画面W9には、広告主企業IDW9a、広告主店舗W9bが表示される。広告主企業IDW9aには、広告主企業の広告主企業IDが表示され、広告主店舗W9bには、広告主企業に所属する店舗の一覧が表示される。広告主店舗W9bには、店舗編集ボタンW9b1が表示され、配信管理者は、店舗編集ボタンW9b1をクリックすることで表示される図19に示す店舗編集画面W10を通じて店舗情報を編集することが可能である。
【0082】
また、企業情報管理画面W9には、企業名W9c、企業住所W9d、企業電話番号W9e、企業部署名W9f、企業担当者名W9g、企業担当者メールアドレスW9h、支払情報W9iが表示される。各項目には、それぞれ管理データベース4の企業情報テーブル41から読出された、企業名、企業住所、企業電話番号、企業部署名、企業担当者名、メールアドレス、企業担当者、支払い情報(クレジットカード情報等)が表示される。
【0083】
図7にて、配信管理者が企業情報を編集する場合(S22)、配信管理者が店舗編集ボタンW9b1をクリックして、図19に示す店舗編集画面W10と図20に示す店舗情報登録画面W11を表示する。
【0084】
図19は、店舗編集画面W10の表示例を示す説明図である。
店舗編集画面W10は、企業情報管理画面W9の店舗編集ボタンW9b1が押されることにより表示される画面であり、配信管理者が店舗情報を編集することが可能である。店舗編集画面W10には、店舗一覧W10a、新規店舗追加ボタンW10bが表示される。
店舗一覧W10aには、広告主の企業が保有する店舗の店舗名が一覧表示される。配信管理者が、店舗名の隣りに表示される「編集する」リンクを選択すると、図20に示す店舗情報登録画面W11が表示される。
新規店舗追加ボタンW10bは、配信管理者が新たに店舗を追加するときに押されるボタンである。配信管理者が新規店舗追加ボタンW10bを押すと、図20に示す店舗情報登録画面W11が表示される。
【0085】
図20は、店舗情報登録画面W11の表示例を示す説明図である。
店舗情報登録画面W11は、配信管理者が店舗情報を編集又は登録するために用いられる。既に登録された店舗であれば、店舗編集画面W10には店舗情報が入力された状態で表示され、新規に登録される店舗であれば、店舗編集画面W10には店舗情報が入力されていない状態で表示される。
【0086】
店舗情報登録画面W11には、店舗IDW11a、店舗名W11b、企業名W11c、企業住所W11d、業種W11e、営業時間W11f、月間来店者数W11g、月間営業延べ時間W11h、1人あたりの滞在時間W11i、聞きやすさランクW11j、価値基準W11k、店舗ランクW11m、広告単価(1回あたり)W11n、保有ポイントW11o、広告枠数W11pが表示される。これらの各項目には、それぞれ管理データベース4の企業情報テーブル41、広告主店舗情報テーブル42から読出された情報が表示される。
【0087】
また、店舗情報登録画面W11には、広告させたくない業種W11qが表示される。例えば、広告主と同業種である他の広告主の店舗には広告を望まないと考えられる。また、広告主と異業種であっても、広告主にとって利益が見込めない客層の業種にも広告を望まないと考えられる。このため、広告させたくない業種W11qにて、広告させたくない業種を選択することが可能である。また、広告させたくない業種W11qにない業種については、追加ボタンW11q1を押すことにより追加することが可能である。このとき、広告させたくない会社や店舗名をキーワードとして入力し、検索ボタンW11rを押して検索可能である。店舗情報登録画面W11に全ての情報が入力された後、登録ボタンW11sを押すことにより店舗情報が登録される。
【0088】
そして、配信管理者が、店舗編集画面W10と店舗情報登録画面W11により、店舗情報を編集又は追加した後(S24)、ステップS22に戻る。そして、編集又は追加した店舗情報が登録されると(S23)、本処理が終了する。
【0089】
ステップS21にて配信管理者が配信サイトにログインした後に表示される、図17に示す管理者画面W8にて、配信管理者が広告審査・承認ボタンW8b2を押すと、図21に示す広告審査・承認画面W12が表示される(S25)。
【0090】
図21は、広告審査・承認画面W12の表示例を示す説明図である。
広告審査・承認画面W12は、配信管理者が、広告主により入稿された広告を審査し、承認するために用いられる。広告審査・承認画面W12には、審査待ち広告一覧W12a、作業完了ボタンW12bが表示される。
【0091】
審査待ち広告一覧W12aには、現在、配信管理者による審査待ち、又は承認依頼が行われている広告が、企業毎、店舗毎に表示される。配信管理者は、各欄にて、「再生する」リンクW12a1をクリックすると、広告を再生して聴くことができる。そして、配信管理者は、承認ボタンW12a2を押すと、この承認ボタンW12a2に対応する広告を承認することができる。
作業完了ボタンW12bは、広告の審査・承認の作業を完了するときに押されるボタンである。配信管理者により作業完了ボタンW12bが押されると、図17に示す管理者画面W8に戻って表示される。
【0092】
そして、配信管理者が、承認ボタンW12a2を押すことにより、広告が承認される(S26)。その後、ステップS10に戻って処理を続ける。
【0093】
以上説明した一実施の形態に係る広告配信システム10では、広告配信システム10を利用する広告主間で広告枠を交換するための新たなメディアネットワークを形成することができる。そして、従来算出することが困難であった、広告を配信する店舗毎の価値と、その店舗における広告枠の価値とを算出することができる。また、これらの価値に基づくポイントを、広告配信システム10を利用する広告主が購入することで自社の広告だけでなく、他社との間で広告枠を交換して他社の広告を配信することも可能となる。このように、従来は、広告の出稿先として認知されていなかった店内の広告に対して、簡易な広告配信システム10を利用することで新たに他業種、他社からの広告を配信することが可能となる。
【0094】
広告管理サーバー3は、店舗毎の価値と、広告枠の価値とを算出するにあたり、各店舗の来店者数、店内放送のデシベル比を用いる。各店舗の来店者数、店内放送のデシベル比は、共に店舗毎に収録した画像ファイルから計測することが可能である。このため、各店舗の来店者数、店内放送のデシベル比を、店舗毎の自己申告により確定しなくてよく、配信管理者により適正に店舗毎の価値と、広告枠の価値とを算出することが可能となる。
【0095】
また、広告主は、配信サイトを通じて、任意のタイミングでポイントを購入することができる。配信サイトは、PCだけでなく、スマートフォン等の携帯端末でも表示可能である。また、広告主は、音声ファイルを広告管理サーバー3に音声ファイルを簡単にアップロードすることができる。また、広告主は、配信サイトを通じて、広告の配信を希望する業種、期間、予算等を検討しやすい。
【0096】
[変形例]
なお、携帯端末等を広告主端末1として用い、この携帯端末等に全方位を撮像可能な360°カメラを取付け、このカメラが撮像した店内の画像を画像ファイルとして、広告管理サーバー3がリアルタイムに収集してもよい。これにより、店舗には高価な業務用カメラを設置する必要がなくなり、広告配信システム10に加入した広告主が負担する初期費用を抑えることが可能となる。
【0097】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…広告主端末、2…管理者端末、3…広告管理サーバー、4…管理データベース、10…広告配信システム、11…入力部、12…表示部、14…制御部、14a…入力受付部、14b…表示制御部、14c…広告再生部、15…撮像部、16…集音部、17…放音部、21…入力部、22…表示部、23…制御部、32…制御部、32a…ログイン処理部、32b…音量計測部、32c…来店者数計測部、32d…広告管理部、32e…ランク設定部、32f…ポイント管理部、32g…広告審査部、32h…配信管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
図18
図19
図20
図21