(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
勘定科目の入力を受け付ける入力手段と、摘要情報を構成する1以上の摘要語句の組み合わせである摘要パターンと入力された勘定科目を関連付けて登録する科目摘要パターンテーブルを参照して借方に入力された勘定科目と貸方に入力された勘定科目をキーとして一致する摘要パターンを抽出する抽出手段と、抽出した前記摘要パターンから摘要パターンリストを作成する手段と、前記摘要パターンリストを前記摘要パターンの優先順位情報を登録する機能を持つ手段と、前記摘要パターンリストから取得した前記摘要パターンを摘要文章候補として優先順位の高い順に表示する第一の手段と、前記表示した摘要文章候補から選択された摘要文章候補を摘要文章として確定する第二の手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
勘定科目の入力を受け付ける手段と、摘要情報を構成する1以上の摘要語句の組み合わせである摘要パターンと入力された勘定科目を関連付けて登録する科目摘要パターンテーブルを参照して借方に入力された勘定科目と貸方に入力された勘定科目をキーとして一致する摘要パターンを抽出する抽出手段と、抽出した前記摘要パターンから摘要パターンリストを作成する手段と、前記摘要パターンリストを前記摘要パターンの優先順位情報を登録する機能を持つ手段と、入力された勘定科目と関連する摘要語句に取引内容を示すカテゴリを関連付けたキーワードとして登録するキーワード辞書を参照して前記摘要パターンリストからキーワード毎に分解して各摘要パターンの摘要語句と摘要語句数を取得する手段と、取得した前記摘要語句を摘要語句候補として優先順位の高い順に表示する第一の手段と、前記表示した摘要語句候補から選択された摘要語句候補を摘要語句として確定する第二の手段と、第一の手段と第二の手段を含む処理を前記摘要パターンの優先順位情報を元に最も優先順位の高い摘要パターンの摘要語句数の数だけ繰り返す手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項1または請求項2に記載の会計処理装置であって、前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた少なくとも課税区分コード、税率コード、部門名のいずれか1以上をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置。
請求項1から3に記載の会計処理装置であって、入力手段はさらに金額の入力を受け付け、前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた金額をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置。
請求項1から請求項3に記載の会計処理装置であって、入力手段はさらに金額の入力を受け付け、金額の比率の基準対象となる勘定科目を対象勘定科目と規定し、前記入力した金額と前記対象勘定科目の総額の比である比率を求め、前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた比率をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置。
請求項1から請求項3に記載の会計処理装置であって、少なくとも勘定科目と金額を含む仕訳データを仕訳データDBに登録する手段とを備え、入力手段はさらに金額の入力を受け付け、前記仕訳データDBに含まれる全仕訳データの金額に基づき算出された所定の確率分布に従った乱数に基づき金額を発生させ、 前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた前記算出した金額をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置。
請求項1または請求項2に記載の会計処理装置であって、 任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する勘定科目と関連付けた取引構成パラメータ毎の評価情報を含む前記科目摘要パターンテーブルを参照し、各前記摘要パターンの取引構成パラメータ毎の評価情報の構成が類似している前記摘要パターン同士を同じ取引構成とする所定の語群毎に分類することで各前記摘要パターンの所属を示す取引構成情報を抽出する手段と、 前記取引構成情報に基づき、各取引構成からそれぞれ前記摘要パターンを選出することで、取引に対する勘定科目と課税区分コードと税率コードの最適な組み合わせとなる前記摘要パターンを取得する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
勘定科目の入力を受け付ける手段と、取引内容や取引状況を取引カテゴリ毎に分類した摘要類型と入力された勘定科目と関連付けて登録する科目摘要テーブルを参照して借方に入力された勘定科目をキーとして借方の勘定科目と対応する借方摘要類型を取得する手段と、前記科目摘要テーブルを参照して貸方に入力された勘定科目をキーとして貸方の勘定科目と対応する貸方摘要類型を取得する手段と、借方摘要類型と前記貸方摘要類型を比較する手段と、借方摘要類型と前記貸方摘要類型から一致する摘要類型を抽出する手段と、取引内容や取引状況をキーワード毎に分解しカテゴリ毎にまとめた摘要項目の組み合わせである摘要項目構成と摘要類型を関連付けて登録する摘要類型テーブルを参照して前記抽出した摘要類型をキーとして摘要項目数と摘要項目構成を取得する手段と、入力された勘定科目と関連する摘要語句に取引内容を示すカテゴリを関連付けたキーワードとして登録するキーワード辞書の任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する勘定科目と関連付けた取引構成パラメータ毎の評価情報を参照し、各キーワードの取引構成パラメータ毎の評価情報の構成が類似しているキーワード同士を同じ取引構成とする所定の語群毎に分類することで各前記キーワードの所属を示す取引構成情報を抽出する手段と、前記取引構成情報に基づき、各取引構成からそれぞれキーワードを選出することで、前記摘要項目構成の項目毎に最適なキーワードを摘要語句として取得する手段と、取得した前記摘要語句を摘要語句候補として優先順位の高い順に表示する第一の手段と、前記表示した摘要語句候補から選択された摘要語句候補を摘要語句として確定する第二の手段と、第一の手段と第二の手段を含む処理を前記摘要項目数の数だけ繰り返す手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項1から請求項9に記載の会計処理装置であって、前記勘定科目と前記確定した摘要語句から作成された摘要情報から前記勘定科目、課税区分コード、税率コードと前記摘要情報を含む仕訳データを作成する手段と、前記仕訳データを仕訳データDBに登録する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項10に記載の会計処理装置であって、前記勘定科目と前記摘要情報を含む仕訳データを作成する手段と、前記仕訳データを仕訳データDBに登録する際に、前記キーワード辞書に前記摘要情報で使用されている摘要語句の有無により、該当摘要語句の選択回数に1を追加又は該当摘要語句を新たなキーワードとして自動で登録する第一の手段と、前記第一の手段により前記キーワード辞書にフィードバックする手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項10のいずれかに記載の会計処理装置であって、前記勘定科目と前記摘要情報を含む仕訳データを作成する手段と、前記仕訳データを仕訳データDBに登録する際に、前記科目摘要パターンテーブルに前記摘要情報の登録の有無により、該当摘要情報と一致する摘要パターンの選択回数に1を追加又は該当摘要情報を新たな摘要パターンとして自動で登録する第一の手段と、前記第一の手段により前記科目摘要パターンテーブルにフィードバックする手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項10のいずれかに記載の会計処理装置であって、 会計処理を行なう会社の入力を受け付ける手段と、会計処理の対象となる会社情報を登録した会社DBを参照して入力された会社の会社コードを取得する手段と、取得した会社コードをキーとして前記仕訳データDBから一致する仕訳データを取得する手段と、前記キーワード辞書を参照して取得した仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句を抽出する手段と、前記抽出した摘要語句を元に会社毎のキーワード辞書を作成する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項10のいずれかに記載の会計処理装置であって、 会計処理を行なう会社の入力を受け付ける手段と、会計処理の対象となる会社情報を登録した会社DBを参照して入力された会社の会社コードを取得する手段と、取得した会社コードをキーとして前記仕訳データDBから一致する仕訳データを取得する手段と、前記科目摘要パターンテーブルを参照して取得した仕訳データの摘要情報と一致する摘要パターンを抽出する抽出手段と、前記抽出した摘要パターンを元に会社毎の摘要パターンテーブルを作成する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
請求項10のいずれかに記載の会計処理装置であって、会計処理対象の取引の発生年月である対象年月を取得する手段と、参照対象となる過去取引の発生時期が設定された参照設定および前記対象年月に基づいて、参照対象となる過去取引の発生した年月日を限定するための参照期間を決定する手段と、前記仕訳データから当該参照期間に該当する仕訳データを抽出する手段と、前記抽出した仕訳データを元に前記会社毎のキーワード辞書を作成する手段とを備えることを特徴とする記載の会計処理装置。
請求項10のいずれかに記載の会計処理装置であって、会計処理対象の取引の発生年月である対象年月を取得する手段と、参照対象となる過去取引の発生時期が設定された参照設定および前記対象年月に基づいて、参照対象となる過去取引の発生した年月日を限定するための参照期間を決定する手段と、前記仕訳データから当該参照期間に該当する仕訳データを抽出する手段と、前記抽出した仕訳データを元に前記会社毎の摘要パターンテーブルを作成する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は従来の仕訳辞書を利用した場合、毎月発生する電気代等の金額以外は勘定科目や摘要情報が同じ定型的な取引等には仕訳辞書をそのまま利用できるが、摘要情報が異なる場合は再度入力しなければいけないという課題があった。また、頻繁に発生する仕訳や担当者がよく使う仕訳の摘要情報を仕訳辞書に事前に登録する必要があるという問題点がある。
また、特許文献2は、自科目を選択後に摘要情報と相手科目を選択することで簡単に仕訳を作成できるが、摘要情報を摘要辞書に事前に登録しておく必要があるという課題があった。また、摘要情報として取引内容が摘要辞書に登録されるが、登録される取引内容は定型的な取引内容であり、取引内容(例:飲食等)が同じで勘定科目(例:交際費や会議費等)が違う場合に取引状況が不明な為取引内容のチェックが不十分になるという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、勘定科目の入力を受け付ける入力手段と、摘要情報を構成する1以上の摘要語句の組み合わせである摘要パターンと入力された勘定科目を関連付けて登録する科目摘要パターンテーブルを参照して借方に入力された勘定科目と貸方に入力された勘定科目をキーとして一致する摘要パターンを抽出する抽出手段と、抽出した前記摘要パターンから摘要パターンリストを作成する手段と、前記摘要パターンリストを前記摘要パターンの優先順位情報を登録する機能を持つ手段と、前記摘要パターンリストから取得した前記摘要パターンを摘要文章候補として優先順位の高い順に表示する第一の手段と、前記表示した摘要文章候補から選択された摘要文章候補を摘要文章として確定する第二の手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第2の発明は、勘定科目の入力を受け付ける手段と、
摘要情報を構成する1以上の摘要語句の組み合わせである摘要パターンと入力された勘定科目を関連付けて登録する科目摘要パターンテーブルを参照して借方に入力された勘定科目と貸方に入力された勘定科目をキーとして一致する摘要パターンを抽出する手段と、
抽出した前記摘要パターンから摘要パターンリストを作成する手段と、
前記摘要パターンリストを前記摘要パターンの優先順位情報を登録する機能を持つ手段と、
入力された勘定科目と関連する摘要語句に取引内容を示すカテゴリを関連付けたキーワードとして登録するキーワード辞書を参照して前記摘要パターンリストからキーワード毎に分解して各摘要パターンの摘要語句と摘要語句数を取得する手段と、
取得した前記摘要語句を摘要語句候補として優先順位の高い順に表示する第一の手段と、
前記表示した摘要語句候補から選択された摘要語句候補を摘要語句として確定する第二の手段と、
第一の手段と第二の手段を含む処理を前記摘要パターンの優先順位情報を元に最も優先順位の高い摘要パターンの摘要語句数の数だけ繰り返す手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載の会計処理装置であって、
前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた少なくとも課税区分コード、税率コード、部門名のいずれか1以上をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明に記載の会計処理装置であって、入力手段はさらに金額の入力を受け付け、前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた金額をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置である。
第5の発明は、第1の発明から第3の発明に記載の会計処理装置であって、入力手段はさらに金額の入力を受け付け、金額の比率の基準対象となる勘定科目を対象勘定科目と規定し、前記入力した金額と前記対象勘定科目の総額の比である比率を求め、前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた比率をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置である。
第6の発明は、第1の発明から第3の発明に記載の会計処理装置であって、少なくとも勘定科目と金額を含む仕訳データを仕訳データDBに登録する手段とを備え、入力手段はさらに金額の入力を受け付け、前記仕訳データDBに含まれる全仕訳データの金額に基づき算出された所定の確率分布に従った乱数に基づき金額を発生させ、前記抽出手段は前記科目摘要パターンテーブルを参照して前記摘要パターンと関連付けた前記算出した金額をさらにキーとして一致する摘要パターンを抽出することを特徴とする会計処理装置である。
第7の発明は、任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する勘定科目と関連付けた取引構成パラメータ毎の評価情報を含む前記科目摘要パターンテーブルを参照し、各前記摘要パターンの取引構成パラメータ毎の評価情報の構成が類似している前記摘要パターン同士を同じ取引構成とする所定の語群毎に分類(クラスタリング)することで各前記摘要パターンの所属を示す取引構成情報を抽出する手段と、前記取引構成情報に基づき、各取引構成からそれぞれ前記摘要パターンを選出することで、取引に対する勘定科目と課税区分コードと税率コードの最適な組み合わせとなる前記摘要パターンを取得する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第8の発明は、勘定科目の入力を受け付ける手段と、取引内容や取引状況を取引カテゴリ毎に分類した摘要類型と入力された勘定科目と関連付けて登録する科目摘要テーブルを参照して借方に入力された勘定科目をキーとして借方の勘定科目と対応する借方摘要類型を取得する手段と、前記科目摘要テーブルを参照して貸方に入力された勘定科目をキーとして貸方の勘定科目と対応する貸方摘要類型を取得する手段と、借方摘要類型と前記貸方摘要類型を比較する手段と、借方摘要類型と前記貸方摘要類型から一致する摘要類型を抽出する手段と、取引内容や取引状況をキーワード毎に分解しカテゴリ毎にまとめた摘要項目の組み合わせである摘要項目構成と摘要類型を関連付けて登録する摘要類型テーブルを参照して前記抽出した摘要類型をキーとして摘要項目数と摘要項目構成を取得する手段と、入力された勘定科目と関連する摘要語句に取引内容を示すカテゴリを関連付けたキーワードとして登録するキーワード辞書の任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する勘定科目と関連付けた取引構成パラメータ毎の評価情報を参照し、各キーワードの取引構成パラメータ毎の評価情報の構成が類似しているキーワード同士を同じ取引構成とする所定の語群毎に分類(クラスタリング)することで各前記キーワードの所属を示す取引構成情報を抽出する手段と、前記取引構成情報に基づき、各取引構成からそれぞれキーワードを選出することで、前記摘要項目構成の項目毎に最適なキーワードを摘要語句として取得する手段と、取得した前記摘要語句を摘要語句候補として優先順位の高い順に表示する第一の手段と、前記表示した摘要語句候補から選択された摘要語句候補を摘要語句として確定する第二の手段と、第一の手段と第二の手段を含む処理を前記摘要項目数の数だけ繰り返す手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明に記載の会計処理装置であって、取引内容を示す原始証憑を画像データ化する手段と、前記画像データからテキスト情報を抽出する手段と、前記キーワード辞書を参照してテキスト情報を入力キーワードとしてキーワード毎に分解し、前記確定した摘要語句と前記入力キーワードを関連付ける手段と、前記確定した摘要語句とから摘要情報を自動作成する手段と、前記摘要情報と前記画像データを関連付ける手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明に記載の会計処理装置であって、前記勘定科目と前記確定した摘要語句から作成された摘要情報から前記勘定科目、課税区分コード、税率コードと前記摘要情報を含む仕訳データを作成する手段と、前記仕訳データを仕訳データDBに登録する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第11の発明は、第10の発明に記載の会計処理装置であって、前記勘定科目と前記摘要情報を含む仕訳データを作成する手段と、前記仕訳データを仕訳データDBに登録する際に、前記キーワード辞書に前記摘要情報で使用されている摘要語句の有無により、該当摘要語句の選択回数に1を追加又は該当摘要語句を新たなキーワードとして自動で登録する第一の手段と、前記第一の手段により前記キーワード辞書にフィードバックする手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第12の発明は、第10の発明のいずれかに記載の会計処理装置であって、前記勘定科目と前記摘要情報を含む仕訳データを作成する手段と、前記仕訳データを仕訳データDBに登録する際に、前記科目摘要パターンテーブルに前記摘要情報の登録の有無により、該当摘要情報と一致する摘要パターンの選択回数に1を追加又は該当摘要情報を新たな摘要パターンとして自動で登録する第一の手段と、前記第一の手段により前記科目摘要パターンテーブルにフィードバックする手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第13の発明は、第10の発明のいずれかに記載の会計処理装置であって、会計処理を行なう会社の入力を受け付ける手段と、会計処理の対象となる会社情報を登録した会社DBを参照して入力された会社の会社コードを取得する手段と、取得した会社コードをキーとして前記仕訳データDBから一致する仕訳データを取得する手段と、前記キーワード辞書を参照して取得した仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句を抽出する手段と、前記抽出した摘要語句を元に会社毎のキーワード辞書を作成する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第14の発明は、第10の発明のいずれかに記載の会計処理装置であって、会計処理を行なう会社の入力を受け付ける手段と、会計処理の対象となる会社情報を登録した会社DBを参照して入力された会社の会社コードを取得する手段と、取得した会社コードをキーとして前記仕訳データDBから一致する仕訳データを取得する手段と、前記科目摘要パターンテーブルを参照して取得した仕訳データの摘要情報と一致する摘要パターンを抽出する手段と、前記抽出した摘要パターンを元に会社毎の摘要パターンテーブルを作成する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第15の発明は、第10の発明のいずれかに記載の会計処理装置であって、会計処理対象の取引の発生年月である対象年月を取得する手段と、参照対象となる過去取引の発生時期が設定された参照設定および前記対象年月に基づいて、参照対象となる過去取引の発生した年月日を限定するための参照期間を決定する手段と、前記仕訳データから当該参照期間に該当する仕訳データを抽出する手段と、前記抽出した仕訳データを元に前記会社毎のキーワード辞書を作成する手段とを備えることを特徴とする記載の会計処理装置である。
第16の発明は、第10の発明のいずれかに記載の会計処理装置であって、会計処理対象の取引の発生年月である対象年月を取得する手段と、参照対象となる過去取引の発生時期が設定された参照設定および前記対象年月に基づいて、参照対象となる過去取引の発生した年月日を限定するための参照期間を決定する手段と、前記仕訳データから当該参照期間に該当する仕訳データを抽出する手段と、前記抽出した仕訳データを元に前記会社毎の摘要パターンテーブルを作成する手段とを備えることを特徴とする会計処理装置である。
第17の発明は、第1から第14の発明までのいずれかに記載の会計処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、担当者が事前に辞書によく使われる仕訳や摘要情報を事前に登録する必要がなく、勘定科目を入力することで最適な摘要語句候補又は摘要文章(摘要語句の組み合わせ)を表示し、選択することで仕訳を効率よく作成することができる。
また、勘定科目に部門名、金額や課税区分コードおよび税率コード(消費税の軽減税率又は標準税率)を追加することでさらに精度の高い摘要語句候補や摘要文章候補を抽出することができる。
【0007】
また、摘要の組み合わせに課税区分コードや税率コードを加えることで、使用される摘要構成から課税区分コードを参照し、課税区分コードが課税の場合は税率コードから軽減税率か標準税率かを自動判定して、消費税を考慮した仕訳を簡単に作成することができる。
上記抽出された摘要文章候補又は摘要語句候補を選択することで、選択された摘要文章候補又は摘要語句候補に応じた課税区分と税率コードを元に消費税(10%や8%等)がセットされるため、消費税の入力が不要になる。
なお、勘定科目と課税区分と消費税の税率(10%や8%等)を指定するだけでクラスタリングを利用して軽減税率か標準税率かに対応した摘要語句候補又は摘要文章候補を抽出することもできる。
【0008】
また、特許文献1では頻繁に発生する仕訳や担当者がよく使う仕訳の摘要情報を仕訳辞書に事前に登録する必要があるので、事前に辞書に登録する作業が発生するのに対し、本発明では担当者が登録する必要がないので、わざわざ辞書やテーブルの編集管理を行なう必要はないため、担当者の負担を軽減できる。
【0009】
また、特許文献2では取引内容(例:飲食等)が同じで勘定科目(例:交際費や会議費等)が違う場合に取引状況が不明な為取引内容のチェックが不十分になるのに対し、本発明では取引内容だけでなく取引状況も記載することで各勘定科目に最適な摘要情報を作成することができる。
【0010】
また、勘定科目毎に一般的な取引用語を集めた辞書から摘要項目の組み合わせを元に摘要情報を作成できる(例1)。前記例1は勘定科目と作成した摘要との組み合わせを全て登録しなければならないのに対し、1つの勘定科目に摘要項目の組み合わせを一定のパターンに分類した摘要類型を関連づけることで、勘定科目と作成した摘要との組み合わせのうち、必要最小限の組み合わせを登録するだけで済む。また、勘定科目を特定するのに必要最小限の取引項目や取引状況等の取引情報を摘要類型にまとめることで、勘定科目を選択した時に適切な摘要情報が作成される。
【0011】
また、勘定科目と関連する摘要の組み合わせを複数設定することで、借方勘定科目の関連する借方摘要類型と貸方勘定科目の関連する貸方摘要類型を比較し、一致する摘要類型を使用することにより、作成する摘要情報の精度を高めることができる。また、摘要類型の項目(日付や金額等)によって定型的な処理で使用される摘要(11月家賃や月額50,000円)から一部の用語(11月や50,000円)を除外することで、登録する摘要の数を減らし、摘要の登録を効率化できる。
【0012】
また、勘定科目を入力し、摘要情報をテンプレート化することで入力の効率化ができる(例2)。前記例2は事前に摘要項目の順番が固定化され、各項目を辞書等に事前に登録しておく必要があるのに対し、勘定科目と関連する摘要類型を勘定科目毎に設定する事により、摘要項目の順番や内容が勘定科目毎に自由に設定する事ができる。
【0013】
また、「貸借科目」から摘要語句を推測している点についてですが、「貸借科目」に加えて
「部門」や「金額」等のパラメータも加味することでより精度の高い推測が可能となる。
例えば、同じ貸借科目でも、金額が高額な場合と低額な場合では入力する摘要の内容が異なってくるため、より的確な推測が可能となる。
【0014】
また、推測結果として「摘要語句」単位で一覧表示しているが、変形例として、例えば「電車代 立替精算 山田太郎」のように「摘要文章」として推測結果を表示することで、1回の選択処理で摘要入力が完了できる。従ってより入力作業を簡略化できる。
【0015】
また、仕訳の摘要は本来、何も記載しなくても問題ない。ただし、消費税の課税事業者は「帳簿及び請求書」の保存の必要がある。この「帳簿」は仕訳の摘要に該当し、要件を満たす摘要を記載する必要がある。そこで、摘要語句を消費税の記載要件でグループ化し取引の内容から消費税の記載要件を満たす摘要を自動で生成することでより入力作業を簡略化できる。
【0016】
また、抽出した単語(キーワード)に予め設定した要素(「取引内容等を示すカテゴリ」、「取引状況を示す項目」、「貸借」、「課税区分コード」や「税率コード」等の取引構成パラメータ)の評価値(キー)を元にクラスタリング(=語群を分類)し、各要素からそれぞれ最適な単語を抽出することで、法律上要請される要件を満たす漏れのない摘要を形成することができる。なお、「語群」とは、いくつかの語を集めたもの、すなわち所定のキーに基づく摘要情報(自然な文章も含む)を構成する「摘要語句」(キーワード)または「摘要文章」(それらの組み合わせ)の集合体をいう。
【0017】
また、従前の仕訳の金額と摘要(摘要語句、摘要文章、摘要情報の全てを含む)の組み合わせのセット(科目摘要パターンテーブル)を用意しておくことで、摘要+金額のデータセット(科目摘要パターンテーブル)を参照し、仕訳データの「金額」と科目摘要パターンテーブルの「金額」である「ユーザーが設定した金額」を比較して大小を決めることで精度の高い絞り込みを行うことができる。
【0018】
また、従前の仕訳の金額と摘要の組み合わせのセット(科目摘要パターンテーブル)を用意しておくことで、摘要+金額のデータセット(科目摘要パターンテーブル)を参照し、
仕訳データの「金額」と科目摘要パターンテーブルの「比率」であるユーザーが設定した売上高の比を比較して大小を決めることで精度の高い絞り込みを行うことができる。売上高の比は売上高の総額を求めた上で、各仕訳データに売上高の比(仕訳の金額と売上高の総額の比)を求める。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0021】
<会計処理システム100の全体構成>
図1は、本実施形態に係る会計処理システム100の全体構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係る会計処理装置1の機能ブロックを示す図である。
【0022】
図1に示す会計処理システム100は、主に会計データ保存や計算処理を行なうサーバ装置1aと処理を行なうためのデータ入力および指示を行なう端末1bとがネットワークで接続され、協働して会計処理を行なうシステム構成となっている。また、顧問先から依頼を受けた会計事務所の会計処理装置1が、各種の業務用アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションプログラムのことを、「プログラム」ともいう。)を実行して会計処理を行うシステムである。
【0023】
会計処理システム100は、例えば、サーバ1aと、複数台の端末1bとにより構成される。サーバ1aは、端末1bから受信した操作データに基づいて処理を行う。複数台の端末1bは、例えば、税理士や公認会計士である先生やベテラン職員である番頭等の会計事務所で業務を行なう業務処理担当者(以下、「担当者」や会計事務所だと「職員」、顧問先(会計事務所と顧問契約を結んだ企業)だと「社員」ともいう。)が操作する端末である。なお、会計事務所で説明しているが、企業内の経理や会計処理を行なう部署でもよい。
【0024】
また、
図1では、会計処理システム100を、サーバ1aと、端末1bとからなるものとして説明しているが、これは、一例である。例えば、会計事務所内のサーバと端末をネットワークで接続したシステムや会計事務所と顧問先間の会計処理システムや本社営業所間の会計処理システムや本社支社間の会計処理システムや本支店間の会計処理システムであってもよい。
【0025】
会計処理装置1は、例えば、会計事務所に設けられ、各種会計処理を行う装置であり、サーバ1aと、端末1b等の1装置(単体機)が該当する。会計処理装置1は、各種の会計処理に対応する複数の業務処理を行う。また、会計処理装置1は、例えば、1台のスタンドアロン(単体機)のコンピュータ(PC)で構成されていてもよい。また、会計処理装置1は、複数台のPCによって構成されたワークステーション(WS)であってもよい。このように、装置構成は、単体機として処理してもよいし、サーバ装置1aと端末1bをネットワークで接続されたシステムの構成として実現してもよい。
【0026】
また、会計処理装置1は、会計事務所ではなく、顧問先企業内にあったり、業務委託等のサービスを行っている企業内であったり、クラウドサービスであってもよい。例えば、端末1bは、必ずしも会計事務所内に設けられる必要はなく、外出先や自宅勤務の職員の端末や、外注先の職員の端末も含まれる。また、会計処理装置1は携帯電話、タブレット等の携帯端末やデジタルカメラやスキャナ等であってもよい。
【0027】
さらに、その他、会計処理装置1は、サーバ装置のみ、あるいは複数のサーバ装置で構成されていてもよく、会計事務所のサーバ装置である場合の他、複数の企業(の従業員)の会計ファイルを預かって管理するサービスを行うIDC(インターネットデータセンター)のサーバ装置でもよい。
【0028】
さらに、会計処理装置1は、実体が仮想化された仮想マシンやクラウドであってもよい。
さらにまた、企業の本社等が各部門や各支店(の従業員)等を対象に財務管理を行う場合には、会計処理装置1は、企業内のサーバ装置であってもよい。
会計処理装置1は、本発明の処理を専用的に行う装置であってもよいし、会計処理を行う装置が、様々な機能のうちの1つとして、会計処理装置1の機能を有してもよい。
【0029】
また会計処理装置1は、例えば、顧問先に設けられ、顧問先のレシートや領収書等の伝票(原始証憑)を読み取って、伝票画像を生成する装置のように使用してもよい。伝票(原始証憑)は、例えば、顧問先から郵送によって、又は、顧問先の担当者が持参することによって、会計事務所に届けられたものである。なお、本支店間等で行う場合は、会計処理装置1が本店内又は本社経理部内及び支店内又は各拠点の営業所内や支社内の両方の場所にあればよい。
【0030】
上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信や、情報を受信する受信などでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信におけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0031】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(端末情報送信部、端末情報受信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。会計処理装置1は単体機として処理してもよいし、会計処理装置1を使用するサーバ装置1aと会計処理装置1を使用する端末1bをネットワークで接続された会計処理システム100として実現してもよい。
【0032】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。また、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0033】
図2は、本実施の形態における会計処理装置1のブロック図である。
<会計処理装置1>
会計処理装置1は、記憶部30、制御部10を備える。
図2に示すように、会計処理装置1は、制御部10と、記憶部30と、入力部45と、表示部を46と、通信部49とを備える。
図1の会計処理装置1の構成によれば、サーバ装置1aは、制御部10と、記憶部30と、通信部49とに相当し、端末1bは、入力部45と、表示部46とに相当する。
【0034】
制御部10は、各種の会計処理に対応する複数の業務処理におけるプログラムを実行し、データ更新等のデータに関する処理や管理等を行なう。
また、制御部10は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。制御部10の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0035】
また、制御部10は、会計処理装置1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
また、制御部10は、データ更新等のデータ管理を行なう管理部(図示せず)、データ比較等のデータ処理を行なう処理部(図示せず)とを備える。
【0036】
記憶部30は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。記憶部30の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
また、記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部(図示せず)と、取引先DB(図示せず)と、会社DB31と、仕訳データDB32と、科目摘要テーブル33と、摘要類型テーブル34と、科目摘要パターンテーブル35と、キーワード辞書36とを備える。
【0037】
プログラム記憶部は、各種プログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部は、会計処理等を行う等の各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶している。取引先DBは会社DBの会社の取引先の情報を記憶したデータベースである。取引先DBは、取引先を識別する識別情報である取引先IDに対応付けて業種、どの会社の取引先を示す会社ID、取引先名、住所、店舗名の他、電話番号、企業ロゴ、取引担当者等の取引先に関するデータを記憶する。これらの取引先のデータは売上、仕入、売掛金、買掛金等の相手先として利用される。
【0038】
アプリケーションプログラムとして1つのプログラムによって上述した制御部10の各種機能を実行して記載したが、機能ごとに細分化した複数のプログラムとして上述した制御部10の各種機能を実行してもよい。
【0039】
図3に示す会社DB31は、会社コードをキーに、会計処理の対象となる会社情報を記憶する。会社DB31は、会社コードと、組織コードと、部門コードと、会社名と、組織名と、部門名と、種類と、年度と、住所と、組織長と、区分と、登録場所と、担当者とを対応付けて記憶している。会計事務所がこの会計処理装置1を複数の顧問先に対して使用する場合の他、企業が本支店間(図示せず)や本社支社間(図示せず)や本社と各拠点の営業所間で使用する場合(図示せず)にも対応している。
【0040】
図3に示す会社DB31では、会社コードは、顧問先を識別する識別情報であり、組織店コードその企業の本支店や本社支社であり、部門コードは所属部署を識別する識別情報である。業種は製造業や小売業等のその企業の事業の種類である。会社名はその企業(例:ABC工業等)の名称であり、組織名は本社や支社や営業所等のその企業の拠点(例:○島支社等)の名称であり、部門名は経理部や営業等の部署の名称である。種類は会計や税務や経理等の業務の種類である。住所はその企業の組織の住所である。組織長は本社であれば代表者(例:ABC工業なら○山×男)等のその企業の組織の長の名称である。区分は法人や個人等の区分である。登録場所は会社毎の仕訳データ等の業務データの保存先である。担当者は会計処理等の業務の担当者である。
【0041】
会社DB31は、
図3に記載の各項目の他、例えば、代表者名、企業ロゴ、DB登録日、事業形態、受任業務等を記憶してもよい。代表者名は、例えば、企業の親子関係の紐付けに用いてもよい。DB登録日は、顧問契約日や支店設置日が該当する。事業形態は、法人事業であるか、個人事業であるか、単なる個人であるか等である。受任業務は、会計業務(月次監査、決算等)、税務(法人税申告、青色申告等)である。
【0042】
仕訳データDB32は、仕訳データを識別する仕訳IDをキーにして、仕訳データを記憶するデータベースである。
仕訳データDB32は、仕訳データを識別する仕訳IDに対応付けて、仕訳データと、伝票画像受付部11が受け付けた伝票画像を識別する伝票IDとを記憶する。また、仕訳データDB32に記憶された仕訳データは、編集画面を用いて入力及び編集がされることにより、更新することができる。
【0043】
図4に示す仕訳データDB32は、仕訳IDと、会社コードと、組織コードと、部門コードと、日付と、借方科目(借方勘定科目)と、貸方科目(貸方勘定科目)と、課税区分コードと、税率コードと、取引区分と、金額と、消費税額と、摘要と、伝票IDと、伝票分類と、伝票内容とを対応付けて記憶している。ここで、日付は、仕訳データの発生日付であり、伝票画像に含まれる日付と同じである。消費税においては課税仕入れを行った年月日またはまとめ期間である。課税区分コードは消費税が課税か、非課税か、不課税か、課税対象外かを示す。なお、課税に関するコードは消費税の取引内容に応じてコードを明細化してもよい。
【0044】
税率コードは消費税の税率を示す。消費税は同じ勘定科目であっても、取引内容で税率(標準税率又は軽減税率)が異なる。軽減税率は定期刊行物、食料品に適用されるが、イートインであれば標準税率、テイクアウトであれば軽減税率と判断が分かれるため、税率コードを元に軽減税率か標準税率かを自動判定して各仕訳の消費税を計算する。例えば、軽減税率8%なら「8」、標準税率10%なら「10」を税率として消費税が計算され、取引区分は税込か、税抜かを示し、後述する金額と消費税額との関係を示す。
【0045】
また、金額は取引における支払対価の額であり、単一仕訳の借方金額や貸方金額である。単一仕訳の場合は借方金額と貸方金額を同じ金額になるからである。また、借方金額と貸方金額が異なる複合仕訳を作成できるよう借方金額、貸方金額に項目を分けて記憶してもよい。例えば、取引区分が税込の場合は、金額に消費税額が含まれるので、仕訳データ(仕訳IDの値が「J001」の場合)の金額(の値「1,080」)は取引金額(の値「1,000」)に消費税額(の値「80」)が含まれる。また、取引区分が税抜の場合は、金額に消費税額が含まれないので、仕訳データ(仕訳IDの値が「J003」の場合)の金額(の値「1,000」)は取引金額のみで消費税額(の値「80」)が含まれない。
【0046】
消費税額は消費税の金額であり、課税区分コード(の値「課税」)と税率コード(の値「標準税率」又は「軽減税率」)を元に設定された税率(8%や10%等)を元に消費税を計算し、取引区分の税込、税抜の設定内容(金額に消費税額を加算するかどうか)を考慮して消費税額に金額をセットする。なお、課税区分コードの値が「課税対象外」の場合は税率コードの値が「なし」となり、消費税額の値は「0」になる。
【0047】
摘要は、取引の相手方の氏名、名称や資産または役務の提供の内容等の取引内容であり、勘定科目に対する補足内容である。仕訳の摘要は本来、何も記載しなくてもよいが、消費税の課税事業者は仕訳の摘要に消費税の記載要件を記載する必要がある。そのため、摘要語句(キーワード)を消費税の記載要件(消費税仕訳における所定の語群)でグループ(分類)化し、取引の内容から消費税の記載要件を満たす摘要を自動で生成することで、入力の負担を軽減でき、適切な摘要を簡単に生成することができる。所定の語群は消費税の記載要件以外の取引構成パラメータでもよい。
【0048】
伝票分類は伝票画像がレシート、領収書等である伝票(原始証憑)の分類である。伝票内容は伝票画像からOCR等を利用した文字認識処理に取得したテキスト情報の内容である。詳細は後述するが、このテキスト情報は摘要情報を自動作成するのに利用される。
【0049】
図5に示す科目摘要テーブル33は勘定科目とその貸借(借方、貸方)と摘要類型の関連付けを示す図である。勘定科目と貸借(借方、貸方)と摘要類型を対応付けて記憶している。
また、摘要類型は取引内容や取引状況を取引カテゴリ毎に分類したものである。また、摘要類型と入力された勘定科目と関連付けて登録する科目摘要テーブルである。
図5に記載の各項目の他、例えば、使用回数等の優先順位による重みづけ等を行なう項目を記憶してもよい。重みづけを行なうことでよく使われる勘定科目と関連する摘要類型を優先順位の高い順に表示させ担当者に選択させるようにしてもよいし、使用回数の多い摘要類型を学習しフィードバックを行なうことにより会社毎や年月毎に最適な摘要類型テーブルを作成することができる。
【0050】
また、摘要類型は勘定科目とその貸借と勘定科目に関連する取引カテゴリの組み合わせにより、現金の借方の場合は売上、売掛、物品購入、その他入金、預金のような現金の勘定科目が借方に仕訳される取引カテゴリが記憶されている。同様に現金の貸方の場合は飲食、交通、物品購入、公共料金・税金、仕入、買掛、未払、その他支払、預金のような現金の勘定科目が貸方に仕訳される取引カテゴリが記憶されている。預金については現金の借方、貸方両方存在するが、現金の借方の場合の預金は預金から引き出しであり、現金の貸方の場合の預金は預金への預け入れである。摘要類型を利用することにより、勘定科目をキーに勘定科目と関連する取引カテゴリを絞り込むことができる。
【0051】
図6に示す摘要類型テーブル34は取引内容や取引状況の組み合わせを取引カテゴリ毎にまとめた摘要項目構成を示す図である。また、摘要項目とは取引内容や取引状況をキーワード毎に分解しカテゴリ毎にまとめたものである。また、摘要項目の組み合わせである摘要項目構成と摘要類型を関連付けて登録する摘要類型テーブルである。摘要類型テーブル34は摘要類型と、摘要項目構成の項目数と、摘要項目構成の各項目の内容を対応付けて記憶している。
図6に記載の各項目の他、例えば、使用回数等の優先順位による重みづけ等を行なう項目を記憶してもよい。
【0052】
重みづけを行なうことでよく使われる勘定科目と関連する摘要類型のうち、同じ摘要類型(例:交通)であっても摘要項目構成が異なる場合(「交通」−「交通/運賃/内容/支払先/訪問先/訪問理由」や「交通」−「交通/宿泊等/内容/支払先/宿泊先/訪問理由/課税区分コード/税率コード/金額」等)に優先順位の高い順に表示させ担当者に選択させるようにしてもよいし、使用回数の多い摘要類型を学習しフィードバックを行なうことにより会社毎や年月毎に勘定科目と関連する最適な摘要類型テーブルを作成することができる。年月毎に最適化することで最新の傾向を反映した会社毎の摘要類型テーブルを作成してもよい。
【0053】
図6では摘要項目構成が異なっても摘要類型で同じ名称(例:交通)を使用しているが、摘要項目構成が異なっている場合に異なる名称(例:交通1、交通2等)を用いてもよい。摘要類型テーブルで異なる名称(例:交通1、交通2等)を使用する場合は科目摘要テーブル33の摘要類型も異なる名称(例:交通1、交通2等)で記憶される。
【0054】
図7に示す科目摘要パターンテーブル35は摘要語句の組み合わせを定型化した摘要パターンと勘定科目の組み合わせの関連付けを示す図である。また、摘要パターンは摘要情報を構成する1以上の摘要語句の組み合わせである。また、摘要パターンと入力された勘定科目を関連付けて登録する科目摘要パターンテーブルである。科目摘要パターンテーブル35は借方科目と、貸方科目と、部門名と、金額と、比率と、対象と、課税区分コードと、税率コードと、標準偏差と、判定基準と、摘要パターンと、登録回数と、評価情報と、取引構成情報を対応付けて記憶している。
【0055】
勘定科目(借方科目と貸方科目)に部門名、金額(金額と判断基準との組み合わせ)、比率(比率と対象と判断基準との組み合わせ)、課税区分コード、税率コード、標準偏差を組み合わせることでさらに摘要パターンを絞り込むことで精度の高い摘要語句の組み合わせを候補として表示することができる。絞り込みに全ての項目を使ってもよいし、「勘定科目(借方科目と貸方科目)」、「部門名と金額」や「勘定科目と部門名」のようにいくつかの項目(「部門名と金額」、「勘定科目と金額」、「勘定科目と対象と比率」、「勘定科目と課税区分コードと税率コード」や「勘定科目と標準偏差」等)の組み合わせでもよい。
【0056】
借方科目(借方勘定科目)と貸方科目(貸方勘定科目)は
図4に示す仕訳データDBの借方科目(借方勘定科目)と貸方科目(貸方勘定科目)である。部門名は
図3に示す会社DBの部門名であり、同じ摘要の内容でも部門が異なる場合がある。金額は高額な場合と低額な場合では同じ勘定科目でも入力する摘要の内容が異なってくる場合があるので、各仕訳の金額と
図7で設定された金額とを判定基準(判定基準が大のときは金額が高額、判定基準が小のときは金額が定額)に基づいて比較することで摘要パターンを絞り込むことができる。
【0057】
比率は基準となる対象の金額に対する各仕訳の金額の比率を求めて、求めた金額の比率と
図7で設定された比率とを判定基準に基づいて比較することで摘要パターンを絞り込むことができる。課税区分コードと税率コードは
図4に示す仕訳データDBの課税区分コードと税率コードである。標準偏差は全仕訳の金額に対する正規分布(平均値と標準偏差)を求め、求めた標準偏差と
図7で設定された標準偏差とを判定基準に基づいて比較することで摘要パターンを絞り込むことができる。登録回数は担当者により摘要語句を選択して作成された摘要情報が科目パターンテーブルに登録された回数である。
【0058】
評価情報は後述するクラスタリング(語群を分類)で使用する任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する複数の勘定科目を分類するための予め設定した要素である貸借、カテゴリ、項目、課税区分コードや税率コード等の取引構成パラメータ毎の評価値である。取引構成情報は後述するクラスタリングで使用するクラスタ単位の各摘要語句又は各摘要パターンの所属(所定の語群)を示し、各クラスタ(所定の語群)を構成するための取引構成パラメータ(クラスタリングのキー)の組み合わせから構成される。
【0059】
図7に記載の各項目の他、例えば、使用回数等の優先順位による重みづけ等を行なう項目を記憶してもよい(変形摘要パターン例)。使用回数を追加する場合は摘要パターン(例:書籍代 − 雑誌A − コンビニE − 1冊)のうちよく使われる部分の摘要語句の組み合わせを摘要パターン1(例:書籍代 − 雑誌A)、それ以降の摘要語句の組み合わせを摘要パターン2(例:コンビニE − 1冊)とすることにより摘要パターン1の重みづけを登録回数で行い、摘要パターン2の重みづけを使用回数で行なう。なお、登録回数の多い摘要パターンを摘要情報で使用する取引内容を示した摘要文章候補として表示してもよい。
【0060】
摘要パターン1(例:書籍代 − 雑誌A)は同じだが摘要パターン2(例:D書店 − 1冊)が異なる場合は
図7の場合だと摘要パターン(例:「書籍代 − 雑誌A − コンビニE − 1冊」、「書籍代 − 雑誌A − D書店 − 1冊」等)を検索することになるが、変形摘要パターン例だと、摘要パターン1(例:書籍代 − 雑誌A)を検索した上で、摘要パターン2(例:「コンビニE − 1冊」、「D書店 − 1冊」等)を検索することで、
図7の場合に比べてよく使われる勘定科目の組み合わせと関連する摘要パターンを絞り込むことで摘要パターンの検索時間を減らせるので、摘要パターン1と摘要パターン2の組み合わせである摘要パターンから優先順位の高い順に表示される摘要語句候補の表示時間を短くさせることができ、選択された摘要パターン1と摘要パターン2の組み合わせを学習しフィードバックを行なうことにより会社毎や年月毎に最適な科目摘要パターンテーブルを作成することができる。さらに部門名、金額、比率、課税区分コード、税率コード、標準偏差やその組み合わせで絞り込むことで精度の高い絞り込みを行なうことができる。
年月毎に最適化することで最新の傾向を反映した会社毎の科目摘要パターンテーブルを作成してもよい。
【0061】
具体的には前記会社DBから選択した会社コードをキーとして前記仕訳データDBから一致する仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句を前記科目摘要パターンテーブルから抽出し、会社毎の科目摘要パターンテーブルを作成する。また、参照対象となる過去取引の発生時期が設定された参照設定(図示せず)を元に会計処理対象の取引の発生年月である対象年月を取得し、前記対象年月および前記参照設定に基づいて、参照対象となる過去取引の発生した年月日を限定するための参照期間を決定したうえで、当該参照期間をキーに前記仕訳データDBから一致する仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句を前記科目摘要パターンテーブルから抽出し、年月毎の科目摘要パターンテーブルを作成する。
【0062】
図8に示すキーワード辞書36は過去に登録された仕訳データの摘要情報から摘要語句毎に分解し、取引先や人名等のカテゴリと対応付けた摘要の文字列(語句)であるキーワードと勘定科目の関連付けを示す図である。また、入力された勘定科目と関連する摘要語句に取引内容を示すカテゴリを関連付けたキーワードとして登録するキーワード辞書である。キーワード辞書36はキーワードと、勘定科目と、貸借と、カテゴリと、項目と、処理と、助詞と、課税区分コードと、税率コードと、出現回数と、選択回数を対応付けて記憶している。
【0063】
勘定科目は複式簿記の仕訳や財務諸表等で用いる表示金額の名目を表すのに必要な分類項目の名称である。また、クラスタリングのキーとしても利用される。
【0064】
貸借は借方と貸方を示し、勘定科目と組み合わせて使用する。また、クラスタリングのキーとしても利用される。
【0065】
カテゴリは取引先、人名、支払、商品等の取引内容や取引状況に基づく取引の区分や分類等を示す。また、キーワードと取引カテゴリの対応づけることにより、勘定科目(例:旅費交通費と給料手当て)と関連がないが同じカテゴリ(例:人名)にある場合に、摘要語句候補がない場合(例:過去に交通費の精算をしたことない社員を摘要語句候補として表示)等に同じカテゴリ(例:人名)のキーワード(例:給与を払っているので過去に交通費の精算をしたことない社員を候補として抽出できる)を優先して摘要語句候補として利用できる。また、クラスタリングのキーとしても利用される。
【0066】
項目は現金、売上、仕入、交通、支払先、訪問先、訪問理由等の取引内容や取引状況に基づく取引の構成、種類や属性等を示す。また、項目は摘要類型テーブルの摘要項目構成の各項目の内容とキーワードが関連付けられており、摘要項目構成の項目に該当するキーワードを摘要語句候補として利用できる。また、クラスタリングのキーとしても利用される。
【0067】
処理はキーワードと関連付けられた特定の処理を行なうことで、摘要語句候補に日付や金額を追加した語句(例:日付が11月24日、金額が50,000円、キーワードが「家賃」で処理が日付だと摘要語句候補は「11月家賃」、処理が金額だと摘要語句候補は「家賃50,000円」)を表示でき、新たにキーワード辞書に登録する場合に数字だけが異なるキーワードを登録しなくて済む(例:「11月家賃」、「12月家賃」、「10月家賃50,000円」のキーワードがあった場合に異なるキーワードであるため、通常は全部登録することになるが、「月家賃」で登録すれば「月家賃」、「家賃50,000円」の登録は2つで済むし、「家賃」とすれば登録は1つで済む)。
【0068】
助詞は摘要情報を作成する際に助詞を利用して文章整形処理を行うことで自然な文章の摘要情報を作成することできる。
【0069】
課税区分コードおよび税率コードは
図4に示す仕訳データDBの課税区分コードおよび税率コードである。また、クラスタリングのキーとしても利用される。
【0070】
図8に記載の各項目の他、例えば、助詞を使用するかしないかのフラグ等を記憶してもよい。出現回数はそのキーワードを摘要語句候補として表示した回数である。選択回数は摘要語句候補からそのキーワードを選択した回数である。出現回数や選択回数を利用した重みづけを行なうことでよく使われる勘定科目と関連する摘要類型を優先順位の高い順に表示させ担当者に選択させるようにしてもよいし、出現回数や選択回数の多い摘要類型を学習しフィードバックを行なうことにより会社毎や年月毎に最適なキーワード辞書を作成することができる。年月毎に最適化することで最新の傾向を反映した会社毎のキーワード辞書を作成してもよい。
【0071】
具体的には前記会社DBから選択した会社コードをキーとして前記仕訳データDBから一致する仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句を前記キーワード辞書から抽出し、会社毎のキーワード辞書を作成する。また、参照対象となる過去取引の発生時期が設定された参照設定(図示せず)を元に会計処理対象の取引の発生年月である対象年月を取得し、前記対象年月および前記参照設定に基づいて、参照対象となる過去取引の発生した年月日を限定するための参照期間を決定したうえで、当該参照期間をキーに前記仕訳データDBから一致する仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句を前記キーワード辞書から抽出し、年月毎のキーワード辞書を作成する。
【0072】
図2の入力部45は、キーボードやマウス等の入力装置である。また、入力部45は、タッチパネルやペン入力であってもよい。また、入力部45は、音声入力するためのマイク等や画像入力のためのカメラ、スキャナ等の入力装置であってもよい。
表示部46は、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示装置である。
通信部49は、例えば、スキャナ等の伝票画像読み取り装置や、通信ネットワークを介して外部装置との間での通信を行うインタフェースである。
なお、本発明でいうコンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、会計処理装置1は、制御部10、記憶部30等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0073】
<会計処理装置1の処理>
次に、会計処理装置1による処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る会計処理装置1での処理を示すフローチャートである。
実施例1の処理をフローチャートで説明する。なお、実施例2、実施例3や各実施例の変形例等の別の記載例については、実施例1との差異のみを記載し、共通部分の記載は省略する。
【0074】
担当者(例:会計事務所の職員や経理部の社員等)が会計アプリを起動し、会計処理を行う会社(例:ABC工業)を選択し、会計処理年度(例:平成29年度)及び処理する年月(例:平成29年11月)を設定する。会社DBから選択された会社の決算年度等を含む会社情報を取得し、選択した会計処理年度の会計データの入力画面を表示する(ステップS(以下、単に「S」という。)101)。
【0075】
1つの取引について領収書やレシートを見ながら該当する取引で、日付(例:11月20日)、借方の勘定科目(例:交際費)、貸方の勘定科目(例:現金)、金額(例:8,000円)を入力する。なお、領収書やレシートについては、事前に電子化して、イメージを表示させて参照しながら入力するようにしてもよい(S102)。
【0076】
科目摘要パターンテーブルを参照して入力された勘定科目である借方科目(例:借方科目−交際費)と貸方科目(例:貸方科目−現金)をキーにして一致する摘要パターン(例:「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」、「タクシー代 − 東□商事接待 − ×島三郎」、「慶弔費 − 東□商事様へ − ○田太郎」、「慶弔費 − △木商会様へ − ○田太郎」等)を取得する。なお、科目摘要パターンテーブルで絞り込みをして一致する摘要パターンが見つからない場合は、仕訳データDBを参照して勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)で絞り込みを行い、一致した摘要情報から後述するキーワード辞書を参照して摘要パターンを作成する。
【0077】
また、同じ摘要内容で部門名が異なる場合は部門名でさらに絞り込むことで精度の高い摘要パターンを取得することができる。例えば、勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)で絞り込んだ場合、摘要パターン3(「タクシー代 − 立替精算」、部門名 − 営業)と摘要パターン4(「タクシー代 − 立替精算」、部門名 − 総務)が抽出されるため、部門名を「総務」としてさらに絞り込むことで摘要パターン4を抽出することができる。
【0078】
また、金額が高額な場合と低額な場合では同じ勘定科目でも入力する摘要の内容が異なってくる場合があり、金額による判断と金額比率による判断がある。金額による判断として例えば、勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)で絞り込んだ場合に、さらにユーザー等により設定された金額「5,000(円)」と判断基準「大」で比較を行い、比較結果を条件に絞り込み(5,000円より大きい)を行なうことにより、科目摘要パターンテーブルに登録済みの摘要パターン「飲食代 − 得意先への接待 − 東□商事 − ×島三郎」だけでなく、類似する摘要パターン「飲食代 − 得意先への接待 − 東□商事」や「飲食代 − 得意先への接待 − 東□商事 − ○田太郎」等も抽出することができる。
【0079】
次に金額比率による判断として例えば、対象を売上高とした場合は売上高の総額を基準として各仕訳の金額と売上高の総額の比率を求め、勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)で絞り込んだ場合に、さらにユーザー等により設定された比率「0.3」と判断基準「大」で比較を行い、比較結果を条件に絞り込み(0.3より大きい)を行なうことにより、科目摘要パターンテーブルに登録済みの摘要パターン「飲食代 − 得意先への接待 − 東□商事 − ×島三郎」だけでなく、類似する摘要パターン「飲食代 − 得意先への接待 − 東□商事」や「飲食代 − 得意先への接待 − 東□商事 − ○田太郎」等も抽出することができる。実施例として対象を売上高としているが、販売費及び一般管理費等の別の勘定科目を指定してもよい。
【0080】
また、実施例として売上高の総額(年額の合計)としているが売上高の月額の合計でもよいし、日額の合計でもよく合計に限られない。
また、同じ勘定科目であっても消費税の税率が異なるため、例えば、勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)および課税区分コード「課税」で絞り込んだ場合に、税率コード「軽減税率」で絞り込むことで、摘要パターン「新聞代 − Y新聞 − コンビニE − 1部」等を抽出することができる。
【0081】
また、勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)で絞り込んだ場合に、仕訳データDBに登録されている全仕訳データの金額から平均値及び標準偏差から所定の確率分布を求めることで、所定の確率分布が正規分布(平均値と標準偏差)の場合だと特定のデータ(1つ以上の金額)が「平均値−1×標準偏差」から「平均値+1×標準偏差」の範囲内に含まれる確率が約68%、「平均値−2×標準偏差」から「平均値+2×標準偏差」の範囲内に含まれる確率が約95%となることから、標準偏差α(例えばα=2,600円、平均値13,450円)を元に正規分布等の所定の確率分布に従った確率変数から生成(例えば乱数により生成)された複数の特定データである金額(例えば6,000円)と勘定科目(例:借方科目−交際費、貸方科目−現金)に該当する金額の値「5,000円」を比較し、判断基準の値「大」をみたす比較結果を条件に絞り込み(5,000円より大きい特定データを抽出)を行なうことで、該当する摘要パターンを複数抽出することができ、精度の高い絞り込みを行うことができる。本実施例では正規分布で説明したが、2項分布等の他の確率分布を用いてもよい。
【0082】
また、仕訳データの摘要情報から抽出した単語(キーワード)や文章(摘要パターン)に対して、抽出した単語(キーワード)に予め設定した要素(例えば、「取引事象や取引内容」等を示す「カテゴリ」、「取引先や取引状況」を示す「項目」、勘定科目の「貸借」、「課税区分コード」や「税率コード」等の取引構成パラメータ)をキーとしてクラスタリング(=語群を分類)し、各要素からそれぞれ最適な単語を抽出する。そして、抽出した単語を元に一致する摘要パターンを絞り込むことができるので、法律上要請される要件を満たす漏れのない摘要を形成することができる。なお、科目摘要パターンテーブルで一致する摘要パターンが見つかった場合は、クラスタリングのキーを科目摘要パターンテーブルの「取引構成情報」に保存される。
【0083】
なお、科目摘要パターンテーブルで一致する摘要パターンが見つからない場合は、仕訳データDBから各仕訳データの摘要情報(取引内容や取引状況)に含まれる摘要語句又は摘要パターン(摘要語句の組み合わせ)と対応する勘定科目を参照し、各仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句又は摘要パターンの取引構成パラメータ(貸借、カテゴリ、項目、課税区分コードや税率コード等)毎の評価情報の構成が類似している摘要語句同士又は摘要パターン同士を同じ取引構成とするようにクラスタリングすることで各摘要語句又は各摘要パターンの所属を示す取引構成情報(貸借、カテゴリ、項目、課税区分コードや税率コード等の取引構成パラメータの組み合わせ)を得て、前記取引構成情報をキーワード辞書又は科目摘要パターンテーブルに出力する。
【0084】
ここで、類似性を表す指標としては、取引構成パラメータ毎の評価情報の代表値として取引内容間の平均値などを算出し、代表値間のユークリッド距離の近さを類似性の指標とする方法や、各摘要語句又は摘要パターン同士の評価情報について取引内容全体で算出した相関係数を類似性の指標とする方法などが考えられる。また、クラスタリング方法としては一般的な手法を活用して良く、例えば、凝集型階層的クラスタリング(群平均法、重心法、ウォード法等)や分割最適化型クラスタリング(k−means法等)が考えられる。
【0085】
クラスタリングにおけるクラスタの数は、教師なしクラスタリングの場合、データ数によって変動するが、半教師ありクラスタリングを行なう場合には、取引内容や取引状況の種類数に応じて任意に設定して良い。前記取引構成情報に基づき、課税区分コードおよび税率コードの異なる各取引構成からそれぞれ摘要語句又は摘要パターンを選出することで、取引に対する勘定科目と課税区分コードと税率コードの最適な組み合わせとなる摘要語句又は摘要パターンを選定する。摘要語句又は摘要パターンの選出は各取引構成から1個ずつ選出しても良いし、前記キーワード辞書又は前記科目摘要パターンテーブルから各取引構成と取引構成特徴が相対的に近い取引構成もしくは摘要語句又は摘要パターンの出現回数、選択回数、登録回数や部門名等を抽出して、出現回数、選択回数、登録回数や部門名等に応じて各クラスタから選出する摘要語句又は摘要パターン(摘要文章)の数を重み付けしても良い。
【0086】
借方科目と貸方科目をキーにして一致する摘要パターンが複数あるので、摘要パターンを複数まとめて摘要パターンリストを作成する。摘要パターンリストを前記摘要パターンの登録回数の多い順に優先順位付けを行い、摘要パターンを並べ替える(例:「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」(登録回数7回)、「タクシー代 − 東□商事接待 − ×島三郎」(登録回数5回)、「バス代 − △木商会様へ − ○田太郎 − 商談」(登録回数4回)、「慶弔費 − 東□商事様へ − ○田太郎」(登録回数3回)等)。並べ替えた摘要パターンリストから登録回数の最も多い摘要パターン(例:摘要パターン「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」(登録回数7回))を取得する(S103)。
【0087】
ここで抽出した摘要パターンを摘要文章候補としてもよいし、摘要語句を抽出するためにS104へ進んでもよい。
【0088】
S103の変形例として科目摘要パターンテーブルから任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する勘定科目と関連付けた取引構成パラメータ毎の評価情報を含む前記摘要パターンリストを参照し、各摘要パターンの取引構成情報(貸借、カテゴリ、項目、課税区分コードや税率コード等の取引構成パラメータの組み合わせ)毎の評価情報の構成が類似している摘要パターン同士を同じ取引構成とするようにクラスタリングすることで各摘要パターンの所属を示す取引構成情報を得て、前記取引構成情報を科目摘要パターンテーブルに出力する。
【0089】
前記取引構成情報に基づき、課税区分コードおよび税率コードの異なる各取引構成からそれぞれ摘要パターンを選出することで、選出した複数の摘要パターンから取引に対する勘定科目と課税区分コードと税率コードの最適な組み合わせである摘要パターンを抽出する。摘要パターンの選出は各取引構成から1個ずつ選出しても良いし、前記科目摘要パターンテーブルから各取引構成と取引構成特徴が相対的に近い取引構成もしくは摘要パターンの登録回数や部門名を抽出して、登録回数や部門名に応じて各クラスタから選出する摘要パターンの数を重み付けしても良い。なお、摘要パターンリストは選出した複数の摘要パターンから作成する。
【0090】
キーワード辞書を参照して前記摘要パターンリストからキーワード毎に分解して各摘要パターンの摘要語句と摘要語句を取得する(例:摘要パターン「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」から摘要語句数3と「タクシー代」、「立替精算」、「○田太郎」の摘要語句を取得する)。次に摘要パターンリストを摘要語句使用数合計の多い順に摘要パターンリストの摘要パターンから最初の摘要語句候補を表示する。具体的には摘要パターンリストの各摘要パターンの最初の摘要語句をそれぞれ抽出し、抽出した摘要語句を優先順位の高い順に並べることで摘要語句候補(例:「タクシー代」、「手土産代」、「慶弔費」等)として表示する(S104)。
【0091】
摘要語句候補の表示としては後述する「未選択」(固定)、「優先順位の高い順に摘要パターンリストから絞り込まれた複数の摘要語句(例:「タクシー代」、「手土産代」、「慶弔費」等)」(可変)、後述する「直接入力」(固定)の順に表示される。
なお、抽出した摘要語句で摘要語句が重複する場合は重複する摘要語句の2つ目以降の摘要語句を除外する除外処理を行なう(例:上記4つの摘要パターンの場合は最初の摘要語句として「タクシー代」、「タクシー代」、「バス代」、「手土産代」、「慶弔費」が取得されるが、除外処理により候補は「タクシー代」、「バス代」、「手土産代」、「慶弔費」となる)。
【0092】
また、実施例では登録回数による優先順位により摘要語句候補を表示しているが、摘要パターンの登録更新日が最近の摘要パターンや摘要語句使用数合計や摘要語句使用数や摘要語句と一致するキーワードの出現回数または選択回数を元に優先順位をつけてもよいし、摘要語句使用数合計、摘要語句使用数、登録回数、登録更新日、出現回数、選択回数を利用した重みづけによる優先順位をつけてもよい。
【0093】
S104で表示された摘要語句候補(例:「タクシー代」)を選択して摘要語句として確定させる(S105)。摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。また、選択した摘要語句候補の選択回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。本実施例は出現回数と選択回数の両方を更新しているが、優先順位で利用する項目だけを更新するようにしてもよい。S103で取得した摘要パターンから取得した摘要語句数が1の場合(S106:No)はS112へ移動する。
【0094】
またS103で取得した摘要パターンから取得した摘要語句数が2以上の場合(S106:Yes)はS108からS111までの処理を摘要語句数数だけ繰り返す(S107)。
摘要語句数の数だけ摘要語句候補を順に表示することで段階的に摘要語句が絞り込まれ、使用頻度の高い摘要語句や前の摘要語句と関連性の高い摘要語句が適切に摘要語句候補として表示される。
また、S106の判断条件は摘要語句数が2以上で判断しているが、摘要パターンの摘要語句が単数なのか複数なのかが判断できる条件であればどのような条件でもよい。
【0095】
また、摘要パターンに登録されている摘要語句が1つの場合は摘要語句候補としてそのまま表示し、選択した摘要語句候補を摘要として確定させる。摘要語句候補に選択肢がない場合は直接摘要語句を入力してもよいし、過去に登録された仕訳データの摘要情報から摘要語句毎に分解し、取引先や人名等のカテゴリと対応付けたキーワード辞書から取引先や人名等のカテゴリを選択して摘要語句候補を表示してもよい。摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。また、選択した摘要語句候補の選択回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。本実施例は出現回数と選択回数の両方を更新しているが、優先順位で利用する項目だけを更新するようにしてもよい。
【0096】
つまり、仕訳データを仕訳データDBに登録する際に、前記キーワード辞書に前記摘要情報で使用されている摘要語句の有無により、該当摘要語句の選択回数に1を追加又は該当摘要語句を新たなキーワードとして自動で登録することにより前記キーワード辞書にフィードバックを行なうことでキーワード辞書が学習によりよく使われる最適なキーワードを効率よく登録できる。また、仕訳データを仕訳データDBに登録する際に、前記科目摘要パターンテーブルに前記摘要情報の登録の有無により、該当摘要情報と一致する摘要パターンの選択回数に1を追加又は該当摘要情報を新たな摘要パターンとして自動で登録することにより前記科目摘要パターンテーブルにフィードバックを行なうことで科目摘要パターンテーブルが学習によりよく使われる最適な摘要パターンを効率よく登録できる
【0097】
また、S103で取得した摘要パターンから当該選択した摘要語句候補(例:「タクシー代」)を含む摘要パターン(例:「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」、「タクシー代 − 東□商事接待 − ×島三郎」等)のみを抽出するようにしてもよい(S108)。
【0098】
抽出した摘要パターンから選択した摘要語句候補の次の摘要語句(選択した摘要語句候補が最初の語句なので、次の摘要語句は2番目となる)を抽出し、抽出した摘要語句を摘要語句候補(例:「立替精算」、「東□商事接待」等)として表示する(S109)。
【0099】
また、表示された摘要語句候補(例:「立替精算」、「東□商事接待」等)から選択(例:「立替精算」)する。選択した摘要語句候補の選択回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する(S110)。摘要語句候補に選択肢がない場合は直接摘要語句を入力してもよいし、キーワード辞書から取引先や人名等のカテゴリを選択して摘要語句候補を表示してもよい。摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。
【0100】
確定させた摘要語句(例:「タクシー代」)に選択した摘要語句候補選択(例:「立替精算」)を結合し、摘要語句として確定させる(S111)。S111の処理について本実施例ではそのまま結合しているが、確定させた摘要語句に助詞を追加することで文章整形処理を行ってから、結合してもよい。
【0101】
確定した摘要語句(S111で結合させた場合を含む)が科目摘要パターンテーブルに摘要パターンとして登録されている場合(S112:Yes)は摘要パターンの選択回数に1を追加し(S113)、登録されていない場合(S112:No)は新たな摘要パターンとして科目摘要パターンテーブルに登録する(S114)。確定した摘要語句又は摘要文章から摘要情報が自動生成され、確定した摘要語句又は摘要文章に対応する課税区分コードと税率コードが自動で決定される。
【0102】
その後、入力された日付、勘定科目、金額、摘要情報と課税区分コードと税率コードを元に仕訳データが生成される。具体的には仕訳データの税込、税抜の設定内容(課税区分コードや税率コード等)を考慮して消費税率(10%や8%等)に基づく消費税額に金額をセットする。生成された仕訳データは仕訳データDBに登録される。
【0103】
変形例の具体的な内容は借方科目と貸方科目をキーにして一致する摘要パターンが複数あるので、摘要パターンを複数まとめて摘要パターンリストを作成する。借方科目(例:借方科目−交際費)をキーとしてキーワード辞書から借方科目に関連付けられたキーワードである借方キーワード(例:タクシー代、立替精算、○田太郎等)を取得する。また貸方科目(例:貸方科目−現金)をキーとしてキーワード辞書から貸方科目に関連付けられたキーワードである貸方キーワード(例:タクシー代、立替精算、現金支払等)を取得する。
【0104】
次に取得した借方キーワードと貸方キーワードをそれぞれキーとして一致する摘要語句を摘要パターンリストから摘要パターン毎に取得し、取得した語句毎に一致する数で摘要語句使用数(「摘要語句(摘要語句使用数)」で表示)を集計する(例:「タクシー代(7回) − 立替精算(5回) − ○田太郎(4回)」、「タクシー代(7回) − 東□商事接待(3回) − ×島三郎(3回)」、「慶弔費(5回) − 東□商事様へ(5回) − ○田太郎(4回)」、「バス代(5回) − △木商会様へ(3回) − ○田太郎(4回) − 商談(5回)」等)。
【0105】
S103で取得した摘要パターンの取得した摘要語句毎の摘要語句使用数を集計し摘要パターン毎の摘要語句使用数合計(「摘要パターン(摘要語句使用数合計)」で表示)を取得する(例:「タクシー代(7回) − 立替精算(5回) − ○田太郎(4回)」(16回)、「タクシー代(7回) − 東□商事接待(3回) − ×島三郎(3回)」(13回)、「慶弔費(5回) − 東□商事様へ(5回) − ○田太郎(4回)」(11回)、「バス代(5回) − △木商会様へ(3回) − 商談 − ○田太郎(4回)」(12回)等)。
【0106】
摘要パターンリストに含まれるすべての摘要パターンを分解し、摘要語句数と摘要語句を取得する(例:摘要パターン「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」から摘要語句数3と「タクシー代」、「立替精算」、「○田太郎」の摘要語句を取得する)。次に摘要パターンリストを摘要語句使用数合計の多い順に摘要パターンを並べ替える(例:「タクシー代(7回) − 立替精算(5回) − ○田太郎(4回) 摘要語句数3」(16回)、「タクシー代(7回) − 東□商事接待(3回) − ×島三郎(3回) 摘要語句数3」(13回)、「バス代(5回) − △木商会様へ(3回) − ○田太郎(4回) − 商談(5回) 摘要語句数4」(12回)、「慶弔費(5回) − 東□商事様へ(5回) − ○田太郎(4回) 摘要語句数3」(11回)等)。
【0107】
並べ替えた摘要パターンリストから摘要語句使用数合計の最も多い摘要パターン(例:摘要パターン「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」(16回))を取得する(S103)。摘要パターンリストの摘要パターンから最初の摘要語句候補を表示する。具体的には摘要パターンリストの各摘要パターンの最初の摘要語句をそれぞれ抽出することで段階的に摘要語句が絞り込まれ、抽出した摘要語句を摘要語句候補(例:「タクシー代」、「手土産代」、「慶弔費」等)として表示する(S104)。
【0108】
S103で取得した摘要パターン(例:摘要パターン「タクシー代 − 立替精算 − ○田太郎」(16回) 摘要語句数3)から摘要語句数が3であり、最初の摘要語句候補の最上位は「タクシー代」、2番目の摘要語句数の最上位は「立替精算」、最後の摘要語句候補の最上位は「○田太郎」となる。次に摘要語句使用数合計の多い順に摘要パターンを並べ替えた摘要パターンリスト(例:タクシー代(摘要語句使用数:7回) − 立替精算(摘要語句使用数:5回) − ○田太郎(摘要語句使用数:4回) 摘要語句数3」(摘要語句使用数合計:16回)、「タクシー代(7回) − 東□商事接待(3回) − ×島三郎(3回) 摘要語句数3」(13回)、「バス代(5回) − △木商会様へ(3回) − ○田太郎(4回) − 商談(5回) 摘要語句数4」(12回)、「慶弔費(5回) − 東□商事様へ(5回) − ○田太郎(4回) 摘要語句数3」(11回))に基づいて、パターンリストから「タクシー代(7回)、タクシー代(7回)、バス代(5回)、慶弔費(5回)」が取得され、除外処理により最初の摘要語句候補は「タクシー代(7回)、バス代(5回)、慶弔費(5回)」となる。
【0109】
また、パターンリストから2つ目の摘要語句候補は「立替精算(5回)、東□商事接待(3回)、△木商会様へ(3回)、東□商事様へ(5回)」となる。また、パターンリストから「○田太郎(4回)、×島三郎(3回)、○田太郎(4回)、○田太郎(4回)」が取得され、除外処理により3つ目の摘要語句候補は「○田太郎(4回)、×島三郎(3回)」となる。本実施例では摘要パターンの摘要語句使用数合計による優先順位の高い順に表示をしているが、各摘要語句候補表示時に摘要語句使用数による優先順位の高い順に表示するように変更してもよい。
【0110】
S105で確定した摘要語句(例:「タクシー代 − 立替精算 − ×島三郎」)を摘要情報として入力を確定させる。仕訳データを作成後、仕訳DBに登録する。仕訳データの登録時に、仕訳データの摘要情報が摘要パターンとして科目摘要パターンテーブルにあるかチェックし、当該摘要情報と一致する摘要パターンがない場合(S112:No)は当該摘要情報(例:「タクシー代 − 立替精算 − ×島三郎」)を新たな摘要パターンとして科目摘要パターンテーブルに登録する(S114)。また、当該摘要情報と一致する摘要パターンがある場合(S112:Yes)は登録済みの一致する摘要パターンの登録回数に1を加算し、科目摘要パターンテーブルを更新する(S113)。
【0111】
別の記載例として、日付(例:11月20日)、借方の勘定科目(例:地代家賃)、貸方の勘定科目(例:現金)、金額(例:5,000円)の取引で摘要パターン「月分駐車場代 − 第2駐車場 − 月額」の場合に、キーワード辞書を参照し、「月分駐車場代」のキーワード辞書の処理欄の値が「日付」なので、S104やS105で日付から取得した「11月」と抽出した「月分駐車場代」と結合した「11月分駐車場代」を摘要語句候補として表示する。「11月分駐車場代」を摘要語句候補として表示しているが、「月分駐車場代」を摘要語句候補として表示し、「月分駐車場代」が選択された段階で「11月分駐車場代」を作成し摘要情報に代入してもよい。
【0112】
また、S104やS105で日付から取得した「5,000円」と抽出した「月額」と結合した「月額5,000円」を摘要語句候補として表示する。「月額5,000円」を摘要語句候補として表示しているが、「月額」を摘要語句候補として表示し、「月額」が選択された段階で「月額5,000円」を作成し摘要情報に代入してもよい。さらに摘要語句候補にない場合に摘要語句に新たに追加した場合は、摘要語句候補の一番下の直接入力(図示せず)を選択し、摘要語句(例:「社用車」)を新たに入力する。入力が確定した段階で、キーワード辞書に登録される。
【0113】
S106で科目摘要パターンテーブルに登録する際に「11月分駐車場代 − 第2駐車場 − 月額5,000円 − 社用車」等のように日付や金額が摘要情報に含まれている場合は、日付については日付の数字部分を除去し、金額については金額の数字と円等の単位を除去する処理をした上で「月分駐車場代 − 第2駐車場 − 月額 − 社用車」を新たな摘要パターンとして科目摘要パターンテーブルに登録する。
本実施例では、摘要パターンから摘要情報を作成しているが、摘要情報を作成する際に科目摘要テーブルを参照して、該当する摘要類型を設定した上で摘要パターンを摘要して摘要情報を作成するようにしてもよい。
【0114】
本実施例により、担当者が事前に摘要情報を登録したり、仕訳データ入力時に摘要情報を手入力したりすることなく、摘要語句を選択するだけで簡単に摘要情報を作成することができ、仕訳データの入力の手間が軽減される効果がある。また、勘定科目を選択するのに必要な取引に関する情報を摘要情報として作成することができる。また選択を繰り返すことにより摘要語句候補の精度が高まり、前後の語句が関連付けていなくてもまるで連動しているかのような摘要語句候補を項目ごとに表示することができる。
【0115】
さらに作成した摘要情報や選択した摘要語句を登録し、登録した摘要情報を科目摘要パターンテーブルやキーワード辞書にフィードバックすることで、摘要情報や摘要語句の学習を繰り返すことにより摘要情報作成や摘要語句候補の表示の精度が高まり、適切な摘要情報の作成や適切な摘要語句候補の表示をすることができる。「段階的に絞り込まれる」
【0116】
実施例1は借方及び貸方の勘定科目と摘要パターンを対応付けた科目摘要パターンテーブルを利用した摘要情報を作成するのに対し、実施例2として摘要情報を作成する処理を
図10のフローチャートで説明する。
【0117】
会計データの入力画面を表示するまでの処理はS101と同じため記載を省略する。1つの取引について領収書やレシートを見ながら該当する取引で、日付(例:11月20日)、金額(例:8,000円)、借方の勘定科目(例:旅費交通費)、貸方の勘定科目(例:現金)を入力する(S201)。
【0118】
入力された借方の勘定科目(例:旅費交通費)に科目摘要テーブルを参照して、対応する摘要類型である借方摘要類型(例:「交通」)を取得する(S202)。
【0119】
入力された貸方の勘定科目(例:現金)に科目摘要テーブルを参照して、対応する摘要類型である貸方摘要類型(例:「飲食」、「交通」、「物品購入」、「その他支払」等)を取得する(S203)。
【0120】
S202で取得した借方摘要類型(例:「交通」)とS203で取得した貸方摘要類型(例:「飲食」、「交通」、「物品購入」、「その他支払」等)を制御部が比較し、一致する摘要類型(例:「交通」)を借方摘要類型及び貸方摘要類型に設定する。一致する摘要類型が複数存在する場合はリストとして表示し、選択してもよいし、摘要類型に優先度を設定し優先度の高いものを設定するようにしてもよい(S204)。
【0121】
摘要類型テーブルを参照して借方摘要類型(又は貸方摘要類型)で設定された摘要類型(例:「交通」)の摘要項目構成(例:「交通」−項目数7「交通/運賃/内容/支払先/訪問先/訪問理由」)を取得する(S205)。
【0122】
S205で取得した摘要項目構成に基づいて、各項目についてキーワード辞書から勘定科目に関連付けられたキーワード(摘要語句)を摘要語句候補として優先順位の高い順に表示する(S207)。なお、優先順位は、出現回数や選択回数等を元に設定する。表示された摘要語句候補の摘要語句に該当するキーワードの出現回数に1を追加してキーワード辞書を更新する。
【0123】
S207の変形例として、キーワード辞書から任意の取引カテゴリに属する複数の取引に対する勘定科目と関連付けた取引構成パラメータ毎の評価情報を含む各摘要項目構成毎のキーワードを参照し、各キーワードの取引構成パラメータ(貸借、カテゴリ、項目、課税区分コードや税率コード等)毎の評価情報の構成が類似しているキーワード同士を同じ取引構成とするようにクラスタリングすることで各キーワードの所属を示す取引構成情報を得て、前記取引構成情報をキーワード辞書(図示せず)に出力する。
【0124】
前記取引構成情報に基づき、課税区分コードおよび税率コードの異なる各取引構成からそれぞれキーワードを選出することで、選出した複数のキーワードから取引に対する勘定科目と税率コードの最適な組み合わせである最適なキーワードを摘要語句として摘要項目構成の項目毎に抽出する。キーワードの選出は各取引構成から1個ずつ選出しても良いし、前記キーワード辞書から各取引構成と取引構成特徴が相対的に近い取引構成もしくはキーワードの出現回数や選択回数を抽出して、出現回数や選択回数に応じて各クラスタから選出するキーワードの数を重み付けしても良い。
【0125】
なお、キーワード辞書で一致するキーワードが見つからない場合は、仕訳データDBから各仕訳データの摘要情報に含まれる摘要語句に対応する勘定科目を参照し、各仕訳データの摘要情報(取引内容や取引状況)に含まれる摘要語句の取引構成パラメータ(貸借、カテゴリ、項目、課税区分コードや税率コード等)毎の評価情報の構成が類似している摘要語句同士を同じ取引構成とするようにクラスタリングすることで各摘要語句の所属を示す取引構成情報(貸借、カテゴリ、項目や課税区分コード、税率コード等の取引構成パラメータの組み合わせ)を得て、前記取引構成情報(図示せず)をキーワード辞書に出力する。
【0126】
前記取引構成情報に基づき、課税区分コードおよび税率コードの異なる各取引構成からそれぞれ摘要語句を選出することで、取引に対する勘定科目と課税区分コードおよび税率コードの最適な組み合わせとなる摘要語句を選定する。摘要語句の選出は各取引構成から1個ずつ選出しても良いし、前記キーワード辞書から各取引構成と取引構成特徴が相対的に近い取引構成もしくは摘要語句の出現回数、選択回数、登録回数や部門名等を抽出して、出現回数、選択回数、登録回数や部門名等に応じて各クラスタから選出する摘要語句の数を重み付けしても良い。
【0127】
S205で表示された摘要語句候補から摘要語句を選択する。選択された摘要語句候補を摘要語句として確定し、確定した摘要語句に該当するキーワードの選択回数に1を追加してキーワード辞書を更新する。
(S208)。
【0128】
S205で取得した摘要項目構成の項目の数(例:項目数7)だけS207,S208の処理を繰り返す(S206)。
【0129】
各項目で選択した摘要語句候補をS205で取得した摘要項目構成の順番に結合し、摘要情報として作成する(S209)。具体的には項目数が2であれば、項目2に選択した摘要語句候補を摘要語句(例:タクシー代)として代入(確定)し、項目1(例:交通)に代入された摘要語句(例:8,000円)の後に項目2(例:運賃)に代入された摘要語句を結合して摘要情報(例:タクシー代 8,000円)を作成する。
実施例ではそのまま結合しているが、各項目で選択した摘要語句候補に助詞を追加することで文章整形処理を行ってから、結合してもよい。
【0130】
S209で作成した摘要情報を入力し、仕訳データを作成後、仕訳DBに登録する。なお、今回入力した摘要情報を摘要パターンとして登録してもよい。
【0131】
S207、S208について具体例を用いて説明する。日付(例:11月20日)、金額(例:8,000円)、借方の勘定科目(例:旅費交通費)の場合は、摘要類型が「交通」となり、摘要類型テーブルを参照してS207で摘要項目構成(「交通」−「交通/運賃/内容/支払先/訪問先/訪問理由」)を取得する。
【0132】
項目「交通」について、キーワード辞書から借方の勘定科目「旅費交通費」と項目「交通」と一致するキーワードを検索し、摘要語句候補として取得する。キーワード辞書から取得したキーワードはキーワード辞書の処理欄の値が「なし」なので、勘定科目(例:旅費交通費)に関連付けられたキーワードである「タクシー代」、「バス代」等を摘要語句候補として選択回数の多い順である「タクシー代」(選択回数7回)、「バス代」(選択回数5回)、…のように表示し、「タクシー代」を選択した場合は項目「交通」に「タクシー代」が代入され、次の項目「運賃」の設定に移る。
【0133】
「タクシー代」、「バス代」等の摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。また、選択した「タクシー代」(選択回数7回)の選択回数に1を加算し(選択回数8回)、キーワード辞書を更新する。本実施例は出現回数と選択回数の両方を更新しているが、優先順位で利用する項目だけを更新するようにしてもよい。
【0134】
次に項目「運賃」について、キーワード辞書から借方の勘定科目「旅費交通費」と項目「運賃」と一致するキーワードを検索し、摘要語句候補として取得する。キーワード辞書から取得したキーワードである「運賃」、「料金」等はキーワード辞書の処理欄の値が「金額」なので、「運賃」、「料金」等が摘要語句候補として表示され、「運賃」を選択した場合は、項目「運賃」に摘要語句候補「運賃」と金額「8,000円」が結合された「運賃8,000円」が代入され、次の項目「内容」の設定に移る。
【0135】
「運賃」、「料金」等の摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。また、選択した「運賃」の選択回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。本実施例は出現回数と選択回数の両方を更新しているが、優先順位で利用する項目だけを更新するようにしてもよい。運賃を入力したくない場合は、摘要語句候補の上に「未選択」等の入力スキップ項目を用意しておき、「未選択」等の入力スキップ項目を摘要語句として選択した場合は項目「運賃」には空文字が代入される。
【0136】
次に項目「内容」について、キーワード辞書から借方の勘定科目「旅費交通費」と項目「内容」と一致するキーワードを検索し、摘要語句候補として取得する。キーワード辞書から取得したキーワードである「立替精算」、「接待」等はキーワード辞書の処理欄の値が「なし」なので、「立替精算」、「接待」等は摘要語句候補として表示され、「未選択」を選択した場合は項目「内容」に空文字が代入され、次の項目「支払先」の設定に移る。「立替精算」、「接待」等の摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。
【0137】
次に項目「支払先」について、キーワード辞書から借方の勘定科目「旅費交通費」と項目「支払先」と一致するキーワードを検索し、摘要語句候補として取得する。キーワード辞書から取得したキーワードである「□京タクシー」、「都○バス」等はキーワード辞書の処理欄の値が「なし」なので、「□京タクシー」、「都○バス」等は摘要語句候補として表示され、「□京タクシー」を選択した場合は項目「支払先」に「□京タクシー」が代入され、次の項目「訪問先」の設定に移る。「□京タクシー」、「都○バス」等の摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。
【0138】
また、選択した「□京タクシー」の選択回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。本実施例は出現回数と選択回数の両方を更新しているが、優先順位で利用する項目だけを更新するようにしてもよい。
【0139】
次に項目「訪問先」について、キーワード辞書から借方の勘定科目「旅費交通費」と項目「訪問先」と一致するキーワードを検索し、摘要語句候補として取得する。キーワード辞書から取得したキーワードである「東□商事」、「△木商会」等はキーワード辞書の処理欄の値が「なし」なので、「東□商事」、「△木商会」等は摘要語句候補として表示され、「未選択」を選択した場合は項目「訪問先」に空文字が代入され、次の項目「訪問理由」の設定に移る。「東□商事」、「△木商会」等の摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。
【0140】
次に項目「訪問理由」について、キーワード辞書から借方の勘定科目「旅費交通費」と項目「訪問理由」と一致するキーワードを検索し、摘要語句候補として取得する。キーワード辞書から取得したキーワードである「得意先回り」、「商談」等はキーワード辞書の処理欄の値が「なし」なので、「得意先回り」、「商談」等は摘要語句候補として表示され、「得意先回り」を選択した場合は項目「訪問理由」に「得意先回り」が代入され、次の項目はないため、S206に移る。
【0141】
「得意先回り」、「商談」等の摘要語句候補として表示された摘要語句の出現回数に1を加算し、キーワード辞書を更新する。また、選択した「得意先回り」の選択回数に1を加算し(S208)、キーワード辞書を更新する。本実施例は出現回数と選択回数の両方を更新しているが、優先順位で利用する項目だけを更新するようにしてもよい。
【0142】
S206により、摘要情報として「タクシー代 運賃8,000円 (空文字) □京タクシー 得意先回り」が入力される(S209)。文章整形処理をする場合は、「タクシー代として 運賃8,000円を (空文字) □京タクシーに 得意先回りのため」として入力される。
【0143】
本実施例により、担当者が事前に摘要情報を登録したり、仕訳データ入力時に摘要情報を手入力したりすることなく、摘要語句を選択するだけで簡単に摘要情報を作成することができ、仕訳データの入力の手間が軽減される効果がある。また、勘定科目を選択するのに必要な取引に関する情報を摘要情報として作成することができる。
【0144】
また選択を繰り返すことにより摘要語句候補の精度が高まり、前後の語句が関連付けていなくてもまるで連動しているかのような摘要語句候補を項目ごとに表示することができる。さらに作成した摘要情報や選択した摘要語句を登録し、登録した摘要情報を科目摘要パターンテーブルやキーワード辞書にフィードバックすることで、摘要情報や摘要語句の学習を繰り返すことにより摘要情報作成や摘要語句候補の表示の精度が高まり、適切な摘要情報の作成や適切な摘要語句候補の表示をすることができる。
【0145】
実施例1と実施例2は摘要語句候補を選択して摘要情報を作成するのに対し、実施例3は摘要情報を自動で作成する処理を
図11のフローチャートで説明する。
【0146】
会計データの入力画面を表示するまでの処理はS101と同じため記載を省略する。領収書やレシートについては、事前に電子化して、イメージを表示させて参照しながら入力するようにし、領収書やレシートの内容(例:コンビニE 書籍代 雑誌 1冊 300円)をあらかじめOCR等の文字認識処理によりテキスト化して、イメージと関連付けておく(S301)。
【0147】
レシートのイメージ(例:コンビニE 書籍代 雑誌 1冊 300円)を見ながら該当する取引で、日付(例:11月20日)、金額(例:300円)、借方の勘定科目(例:新聞図書費)、貸方の勘定科目(例:現金)を入力する(S302)。
【0148】
科目摘要パターンテーブルを参照して入力された勘定科目(例:借方科目−新聞図書費、貸方科目−現金)に対応する摘要パターン(例:「書籍代 − 雑誌A − コンビニE」、「書籍代 − 雑誌B − D書店」、「新聞代 − 新聞C − ○田太郎」等)を取得する(S303)。
【0149】
科目摘要テーブルを参照して、入力された借方の勘定科目(例:新聞図書費)と対応する摘要類型である借方摘要類型(例:「物品購入」)と、貸方の勘定科目(例:現金)と対応する摘要類型である貸方摘要類型(例:「飲食」、「交通」、「物品購入」、「その他支払」等)を制御部が比較し、一致する摘要類型(例:「物品購入」)を借方摘要類型及び貸方摘要類型に設定する。一致する摘要類型が複数存在する場合はリストとして表示し、表示したリストから選択してもよいし、摘要類型に優先度を設定し、一致した摘要類型のうち優先度の高いものを自動で設定するようにしてもよい(S304)。
【0150】
摘要類型が「物品購入」となり、摘要類型テーブルを参照してS304で摘要項目構成(「物品購入」−「物品購入/書籍代/内容/品名/支払先/数量/金額」)を取得する(S305)。
【0151】
S303で取得した摘要パターン(例:「書籍代 − 雑誌A − コンビニE − 1冊」、「書籍代 − 雑誌B − D書店 − 1冊」、「新聞代 − 新聞C − コンビニE − 1部」等)からS301で取得したレシート内容(例:コンビニE 書籍代 雑誌 1冊 300円)と一致する摘要パターン(例:「書籍代 − 雑誌A − コンビニE − 1冊」)を抽出する(S306)。
【0152】
S306で抽出した摘要パターンを分解して摘要語句を取得し(S307)、S305で取得した摘要項目構成(「物品購入」−「物品購入/書籍代/内容/品名/支払先/数量/金額」)にキーワード辞書を参照しながら取得した摘要語句を代入して摘要情報(「物品購入/書籍代/内容(例:雑誌A)/品名(例:月号)/支払先(例:コンビニE)/数量(例:1冊)/金額(例:金額)」)を自動作成する(S308)。
【0153】
品名の「月号」のキーワード辞書の処理欄の値が「日付」なので、入力された日付(例:11月20日)から取得した「11月」と「月号」を結合して「11月号」を品名の項目に代入する。また、金額の項目なので、「金額」の摘要語句を追加し、キーワード辞書の処理欄の値が「金額」なので、入力された金額(例:300円)から取得した「300円」と結合された「金額300円」を金額の項目に代入してもよいし、入力された金額(例:300円)から取得した「300円」をそのまま金額の項目に代入してもよい。
よって、摘要情報(「物品購入/書籍代/内容(例:雑誌A)/品名(例:11月号)/支払先(例:コンビニE)/数量(例:1冊)/金額(例:金額300円)」)が自動作成される。
【0154】
当該摘要情報と一致する摘要パターンがある場合(S309:Yes)は登録済みの一致する摘要パターンの登録回数に1を加算し(S310)、科目摘要パターンテーブルを更新し、一致するものがない場合(S309:No)は科目摘要パターンテーブルに追加する(S311)。
【0155】
本実施例により、担当者が事前に摘要情報を登録したり、仕訳データ入力時に摘要語句を選択したりすることなく摘要情報を自動作成することができ、仕訳データの入力の手間が軽減される効果がある。また自動作成した摘要情報を登録し、登録した摘要情報や選択された摘要語句を科目摘要パターンテーブルやキーワード辞書にフィードバックすることで、摘要情報の学習を繰り返すことにより摘要情報作成の精度が高まり、領収書やレシートのイメージからテキストを取得できれば適切な摘要情報を自動作成することができる。
【0156】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、実施例1から実施例3やそれらの実施例の変形例を実行するプログラムであってもよい。
【解決手段】 入力された勘定科目から該当する摘要情報を決定するための摘要決定支援機能を有する会計処理装置であって、 摘要情報を構成する1以上の摘要語句と、入力された勘定科目と関連付けた摘要語句をキーワードとして登録するキーワード辞書と、勘定科目と摘要情報を関連付けた摘要パターンを保存する記憶部30と、借方に入力された勘定科目と貸方に入力された勘定科目をキーとして一致する摘要パターンを取得する制御部10と、一致した摘要パターンからキーワード辞書を参照してキーワード毎に分解した摘要語句を使用頻度の高い順に摘要語句候補として表示することを特徴とする会計処理装置により、事前に登録しなくても摘要情報を作成することができる。