(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における平面方向とは遊技盤90の平面方向に沿う(平行な)方向を、前後方向とは遊技盤90の平面方向に直交する方向(遊技者側を前、その反対側を後とする)を、左右・上下方向とは、遊技盤90を正面から見たときにおける方向をいうものとする。
【0023】
まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0024】
遊技領域902には、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。遊技盤90に形成された開口901を通じて表示画面が視認可能である表示装置10は、例えば液晶表示装置が用いられる。本実施形態では、表示装置10を用いて当否判定結果の報知や、種々の演出が実行される。当該演出の一つとして、詳細を後述するステップアップ演出が実行される。
【0025】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0026】
このような遊技機1では、図示されない発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。遊技球が始動入賞口904、905に入賞したときに、当否判定手段によって大当たりとなるか否かの抽選がなされる。その他、大当たりの抽選方法や以下で説明するステップアップ演出以外の演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
【0027】
以下、表示装置10を用いて実行されるステップアップ演出について説明する。なお、以下で説明するステップアップ演出を実行することが可能なものであれば、その演出を制御するものの構造(演出(表示装置10)を制御する基板の構造や種類等)や、演出の決定(抽選)方法等はどのようなものであってもよいため、かかる点についての説明は省略する(公知の「当否判定結果に基づく演出決定手法」が適用できる)。
【0028】
ステップアップ演出は、当否判定手段による大当たりの当否判定結果を示唆する演出である。具体的には、複数段階に設定された演出がどの段階まで進行するか、すなわち「演出の進行の程度」により、遊技者に対し当否判定結果を示唆する(いわゆる大当たり期待度を示す)ものである。
【0029】
・ステップアップ演出の構成
本実施形態では、ステップアップする対象として、一または複数種のストーリー(動画)が設定されている。かかるストーリーが複数段階に区切られており、どの段階まで進行するかによって、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が異なる。
図2に示すように、本実施形態では、各種ストーリーは四段階(エピソード1〜4)に区切られている。そして、本実施形態では、演出が第一段階まで進行したとき(ステップアップしなかったとき)は大当たりとなる確率(トータルの大当たり期待度)が10%、第二段階まで進行したときは大当たりとなる確率が20%、第三段階まで進行したときは大当たりとなる確率が50%、第四段階(最終段階)まで進行したときは大当たりとなる確率が75%となるように、演出が進行すればするほど、大当たりとなる確率が高まるように設定される。ただし、これはあくまで例示である。例えば、演出が第一段階まで進行したとき(ステップアップしなかったとき)に大当たりとなる確率が、第二段階まで進行したときに大当たりとなる確率よりも高くなるようにしてもよい。つまり、必ずしも、演出が進行すればするほど、大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定しなくてもよい。また、例えば、演出が最終段階まで進行したときには大当たりとなる確率が100%となるように設定してもよい。
【0030】
このように演出が段階的に進行していくステップアップ演出において、各段階の演出が実行されている、すなわち各段階の動画が表示装置10の表示画面に表示されているとき、その動画に重なるようにして複数の予告画像20が表示される。各予告画像20には、その後の演出の進行を示唆する表示がなされる。後述するように、表示される複数の予告画像20の種類によって、大当たり期待度がその都度変化することとなるが、ステップアップ演出がどの段階まで進行したかによって示唆される上記各段階の大当たり期待度は、平均値が上記のようになるように設定されている。本実施形態では、予告画像20として表示される画像として、大きく分けて二種類の画像を含む。一種類は「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」ものであり、もう一種類は「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」ものである。
【0031】
「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」画像(進行程度示唆画像)は、発生したステップアップ演出の進行に関する内容を表示したものである。
図3に示すように、本実施形態では、「NEXT」と「NEXT+」という画像が表示される可能性がある。後述するように「NEXT」は、次段階の演出に進行する(少なくとも一段階ステップアップする)ことを示すものであり、「NEXT+」は次々段階の演出に進行する(少なくとも二段階ステップアップする)ことを示すものである。なお、三段階ステップアップすることを示す画像が表示される可能性があってもよい。つまり、次段階の演出に進行することを示す画像以外に、二段階先以降の演出に進行することを示すものが設定されていればよい。
【0032】
「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」画像(移行演出内容示唆画像)は、発生したステップアップ演出の終了後に実行される演出の内容を表示したものである。具体的には、ステップアップ演出終了後に発展する、いわゆるスーパーリーチ演出の内容を示すものである。当該表示は、スーパーリーチ演出を直接的に示すものであってもよいし、間接的に示す(暗示する)ものであってもよい。スーパーリーチ演出はどのような内容のものであってもよい。一般的なスーパーリーチ演出は、一連のストーリー性を有する動画が表示され、当該動画の結末が大当たりである場合とはずれである場合とで異なるものである。
【0033】
かかるスーパーリーチ演出として複数種類の演出が設定されている。
図4に示すように、本実施形態では、第一群に属する複数のスーパーリーチ演出(リーチAX;本実施形態ではリーチA1〜A4の四種類)と、第二群に属する複数のスーパーリーチ演出(リーチBX;本実施形態ではリーチB1〜B4の四種類)と、第三群に属する複数のスーパーリーチ演出(リーチCX;本実施形態ではリーチC1〜C4の四種類)が設定されている。大当たりとなる確率(いわゆる大当たり期待度)は、第一群、第二群、第三群の順に高くなる。そのため、逆に第一群よりも第三群の方が選択率は低くなるように制御されている。遊技者は、第三群に属するスーパーリーチ演出が実行されたときに最も大当たりを期待することとなる。それぞれの群に属する各スーパーリーチ演出の大当たりとなる確率は異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、スーパーリーチ演出それぞれが複数種の態様を含むものであってもよい(例えばスーパーリーチ演出A1が、大当たり確率の異なる複数種の態様を含むものであってもよい)。
【0034】
このような複数の予告画像20は、ある段階のステップアップ演出が実行されているときにおいて枠画像30(詳細は後述)内で変動表示される。本実施形態では、四種の予告画像20が変動表示されることとなる。また、本実施形態では、各段階のステップアップ演出において、必ず複数の予告画像20の変動表示がなされるように設定されているが、このような変動表示が発生しないことがあるように設定されていてもよい。変動表示の態様の詳細については後述する。
【0035】
また、複数の予告画像20には、「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」もの、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」もの以外の種類が含まれていてもよい。例えば、当該当否判定結果が大当たりとなる蓋然性を示唆するもの(例えば、「チャンス」「激熱」「確定」といった文字)が表示されることがあってもよい。
【0036】
また、複数の予告画像20は、「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」もの、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」ものの少なくともいずれかを含むものであればよい。例えば、複数の予告画像20の全部が「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」ものであってもよいし、複数の予告画像20の全部が「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」ものであってもよい。
【0037】
・ステップアップ演出の流れ
ステップアップ演出がどのように進行していくかについて、一部上記説明と重複するが、以下具体的な演出例(
図5および
図6)を用いて詳細に説明する。
【0038】
本実施形態にかかる遊技機1では、最終的な当否判定結果は、識別図柄40(例えば数字の図柄)の組み合わせによって報知される。スーパーリーチ演出等を経由して、識別図柄40が所定の組み合わせで停止した場合(例えばすべてが同じ図柄で停止した場合)に大当たりとなり、それ以外ははずれとなる。
【0039】
ある当否判定結果を報知するに際し、ステップアップ演出を実行することが決定された場合には、識別図柄40が変動を開始した後、第一段階の演出(エピソード1の動画の表示)が実行される(
図5(a)(b)参照)。なお、その際も識別図柄40の変動が継続していることが表示される。
【0040】
第一段階の演出が実行されている際、識別図柄40の変動は継続しつつ複数の予告画像20が変動表示される。具体的には、識別図柄40の変動表示中に所定の大きさの枠画像30が表示され、当該枠画像30内において複数の予告画像20が横方向に沿ってスクロールするようにして変動表示される(
図5(c)参照)。この変動表示は、第一段階の演出(エピソード1の動画)に重なるようになされる。当該変動スピードは、第一段階の演出中に遊技者が全ての予告画像20を順次視認することができるように設定される。本実施形態では、四つの予告画像20が変動表示される。そして次段階に進む場合、複数の予告画像20は、枠画像30とともに一体的に上下方向に沿って移動する。つまり、複数の予告画像20は、枠画像30の移動に伴って変動する方向と異なる方向に一体的に移動する。本実施形態では、複数の予告画像20を変動表示しながら一体となって表示装置10の表示画面を上から下に向かって移動するように表示される(
図5(c)〜(e)参照)。
【0041】
このように、複数の予告画像20は次段階に進む場合、横方向に沿ってスクロールするように変動しながら、一体となって下方向に沿って移動する。ここで、本実施形態では、変動表示される複数の予告画像20のいずれもが停止しなかった場合(予告画像20が確定停止しなかった場合)、ステップアップ演出におけるある段階の演出が、次段階の演出に進行するように構成されている(
図5(e)(d)参照)。いずれの予告画像20も停止しない場合、複数の予告画像20が一体となって移動し、表示装置10の表示画面を横断するように表示される。つまり、本実施形態では、複数の予告画像20は、横方向に変動しながら一体となって表示画面の上側縁から下側縁に向かって移動する(表示画面を上から下に横断する)。一体となって移動する予告画像20が表示画面を横断する前の所定のタイミングおいて、複数の予告画像20の変動(スクロール)の態様は、当該複数の予告画像20のうちのいずれかが停止しそうな態様となる(
図5(d)参照)。つまり、一体となって移動する予告画像20が表示画面を横断する前の所定のタイミングにおいて、複数の予告画像20の変動のスピードを低下させることで、いずれかの予告画像20で停止させる場合はそのまま停止し、次段階に進む場合であってもいずれかの予告画像20が停止するのではないかという印象を遊技者に与える。
【0042】
ここで、本実施形態では、変動する複数の予告画像20に、上述した「NEXT」や「NEXT+」といった「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」ものが多く含まれていればいるほど、次段階の演出に進行する蓋然性(確率)が高まるように設定されている。つまり、本実施形態では、変動表示される複数の予告画像20のいずれもがある段階の演出で停止しなかった場合に次段階の演出に進行するように設定されているところ、変動表示される複数の予告画像20に含まれる「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」ものの数によって、その期待度を示唆する構成である。
【0043】
そして、本実施形態では、一体となって移動する予告画像20が表示画面を横断する前の所定のタイミングにおいて、複数の予告画像20の変動(スクロール)の速度が低下し、いずれかの予告画像20が停止(確定表示)しそうになる。
図7に示すように、この停止しそうになる画像が「NEXT」である場合(
図7(b)参照)には、次段階の演出に進行することが確定するように(すなわち、いずれの予告画像20も停止せずに、一体となって移動する予告画像20が表示画面を横断する)設定される。例えば、第一段階の演出(エピソード1)で「NEXT」が停止しそうになれば第二段階の演出(エピソード2)に進行する。一方、停止しそうになる画像が「NEXT+」である場合(
図7(b)に示した画像「NEXT」が「NEXT+」である場合)には、次段階の演出に進行した後さらに次段階の演出に進行することが確定するように設定される。例えば、第一段階の演出(エピソード1)で「NEXT+」が停止しそうになれば第三段階の演出(エピソード3)まで進行することが確定する。このように、本実施形態では、複数の予告画像20のうちいずれの予告画像20も停止しなかった場合に次段階の演出に進行することとしているところ、停止しそうな予告画像20の種類によって次段階の演出に進行するか否か、さらに次段階の演出に進行するかどうかを示唆する構成としている。なお、停止しそうな予告画像20が、「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」ものでない場合、例えば「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」ものである場合であっても、いずれの予告画像20も停止しなければ、次段階の演出に進行することとなる。
【0044】
また、本実施形態では、複数の予告画像20が変動表示される向き(スクロールの方向)も、次段階の演出に進行するか否かを示唆する対象として設定されている。例えば、
図8(a)に示すように所定の方向(例えば左方向)に向かってスクロールするように変動表示される場合の方が、
図8(b)に示すように所定の方向の反対方向(例えば右方向)に向かってスクロールするように変動表示される場合よりも発生率(実行割合)が高く設定され、所定の方向の反対方向に向かってスクロールする変動表示が発生した場合よりも、所定の方向に向かってスクロールする変動表示が発生した場合の方が、次段階の演出に進行する蓋然性(次段階の演出に進行する期待度)が高く設定される。つまり、発生頻度が低い方の変動表示が発生した場合の方が、発生頻度が高い方の変動表示が発生した場合よりも次段階の演出に進行する蓋然性が高い。発生頻度が低い方の変動表示が発生した場合に、次段階の演出に進行することが確定する設定としてもよい。
【0045】
上述したように、本実施形態では、演出の段階は進行すればするほど大当たりとなる蓋然性が高まる。したがって、本実施形態においては、所定の方向の反対方向に向かってスクロールする変動表示(発生頻度が相対的に低い変動表示)が発生した場合に次段階の演出に進行する蓋然性が高いということは、当該変動表示が発生した場合の方向が、所定の方向に向かってスクロールする変動表示(発生頻度が相対的に高い変動表示)が発生した場合よりも大当たりとなる蓋然性が高まるということであるともいえる。
【0046】
第一段階の演出において、変動する複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止した場合には、変動中の識別図柄40もリーチ組合せ(ぞろ目の1つ前の状態)となり、その予告画像20が示す内容の演出に進行する。なお、第一段階の演出から必ず第二段階の演出以上にステップアップするように構成した場合は、第一段階の演出において表示される予告画像20に「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」予告画像20を表示しない、あるいは表示しても停止しないように制御する。本実施形態では、「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」予告画像20やその他の予告画像20が停止することはなく、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」予告画像20が停止する。「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」予告画像20が停止した場合には、当該画像が示すリーチ演出に移行する。なお、当該画像が示すリーチ演出に移行しない場合が生じうるようにして(矛盾が生じうるようにして)、その場合には大当たりであることが確定するような設定としてもよい。なお、予告画像20に「チャンス」「激熱」「確定」といったその他の予告画像20が表示された場合も、次段階に発展し表示された内容に応じた当該変動の期待度の演出に移行することとなる。また、以下で説明するように、本実施形態ではこれらの予告画像20が第一段階の演出で表示され、これらのうちいずれかが停止しそうになってから次段階の演出に進行した場合に、次段階の演出以降で選択される予告画像20への期待感を向上させるように制御されている。
【0047】
第一段階の演出において、変動する複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止せず、これらが一体となって表示画面を横断した後、第二段階の演出(エピソード2の動画の表示)が実行される(
図5(f)参照)。第二段階の演出が実行されている際、再び複数の予告画像20が変動表示される(
図5(g)(h)、
図6(a)参照)。ここで、第二段階の演出が実行されている際に表示される複数の予告画像20の少なくとも一部は、第一段階の演出が実行されている際に表示される複数の予告画像20と異なる。つまり、本実施形態では、ある段階の演出から、次段階の演出に進行した場合、複数の予告画像20の組み合わせが異なるものとなる。
【0048】
ある段階(Y段階(Yは0を除く正の自然数(1、2、3・・・)。以下同じ))の演出が実行されているときに変動表示される複数の予告画像20と、次段階(Y+1段階)の演出が実行されているときに変動表示される複数の予告画像20とは、その一部が異なるものとなるようにしてもよいし、その全部が異なるものとしてもよい。
【0049】
そして、ある段階の演出中に表示されていた予告画像20から変化して次段階の演出において異なるものとなった予告画像20のうちの少なくとも一つは、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる演出の進行を示唆する画像となる。例えば、
図9に示すように、Y段階の演出中に予告画像20としてスーパーリーチ演出A1、スーパーリーチ演出A2、スーパーリーチ演出A3、スーパーリーチ演出A4が変動表示されていた場合、Y+1段階の演出においてその少なくとも一部がスーパーリーチ演出B1〜B4やスーパーリーチ演出C1〜C4のいずれかに変化するようにすればよい。
【0050】
Y段階の演出中に表示されていた複数の予告画像20の全部が、Y+1段階の演出において異なるものとなる場合、異なるものとなった予告画像20の全部が、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる演出の進行を示唆する画像となることがあるようにしてもよい。例えば、
図10に示すように、Y段階の演出中に予告画像20としてスーパーリーチ演出B1、スーパーリーチ演出B2、スーパーリーチ演出B3、スーパーリーチ演出B4が変動表示されていた場合、Y+1段階の演出中の予告画像20の全部がスーパーリーチ演出C1〜C4に変化するようにすればよい。
【0051】
また、上述したように、複数の予告画像20に含まれる「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」予告画像20の存在は、次段階の演出に進行する蓋然性(確率)を高めるものであるから、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」画像よりも「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」画像の方が遊技者にとって高価値である(大当たり期待度が高い)設定とすることができる。なお、その価値は、演出の段階に応じて変化するように(例えば演出の段階が低ければ低いほど価値が高くなるように)設定してもよい。このように「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」画像よりも「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」画像の方が遊技者にとって高価値である場合、
図11に示すように、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」画像が、「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」画像に変化してもよい。同様に、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」画像が、「激熱」「確定」といった遊技者にとってより高価値であるその他の種類の予告画像20(大当たり期待度が高い予告画像20)に変化してもよい。また、ある段階で表示される複数の予告画像20のうち「ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆する」画像の数の方が「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」画像よりも多い方が大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定してもよい。
【0052】
第一段階の演出と同様に、第二段階の演出において、変動する複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止した場合には、変動中の識別図柄40もリーチ組合せ(ぞろ目の1つ前の状態)となり、その予告画像20が示す内容の演出に進行する。一方、第二段階の演出において、変動する複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止せず、これらが一体となって表示画面を横断した場合には、その後第三段階の演出(エピソード3の動画の表示)が実行される(
図6(b)参照)。本実施形態にかかるステップアップ演出は、最大四段階目の演出まで進行する可能性がある。つまり、第一段階〜第三段階目の演出において、変動する複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止しなかった場合には、第四段階の演出が実行され(
図6(c)参照)、当該第四段階の演出において変動表示された予告画像20がいずれかの画像で停止し(
図6(d)(e)参照)、変動中の識別図柄40もリーチ組合せ(ぞろ目の1つ前の状態)となり、その予告画像20が示す内容の演出に進行することとなる(
図6(f)参照)。上述したように、本実施形態では、演出が進行すればするほど、各段階で表示される予告画像20の組み合わせは変化し、少なくとも一部が大当たりの蓋然性が高まるものに変化するのであるから、遊技者は演出が進行することを願いつつ、さらには変動表示されている予告画像20内で大当たり期待度の高いスーパーリーチ演出に移行することを示す予告画像20が表示された場合には、当該予告画像20が停止することを願いつつ演出を見守ることとなる。
【0053】
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1(ステップアップ演出)によれば、次のような作用効果が奏される。
【0054】
本実施形態にかかる遊技機1のステップアップ演出では、その後の演出の進行を示唆する複数の予告画像20が変動表示され、当該複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止しなかった場合に、次段階の演出に進行する。つまり、いずれかの予告画像20が停止するのではないかという点に注目させつつ、いずれの予告画像20も停止せずに演出が次の段階に進行することに期待を抱かせる趣向性の高い演出とすることが可能である。
【0055】
また、複数の予告画像20は、「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」もの、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆する」ものを含む。そのため、複数の予告画像20によってステップアップ演出の進行の程度やステップアップ演出終了後に移行する演出について期待を持たせる演出とすることが可能である。本実施形態にかかる遊技機1のように、複数の予告画像20が、「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」もの、「ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆するもの」の両方を含んでいれば、現在実行されているステップアップ演出の進行と、現在実行されているステップアップ演出終了後の演出の内容という、種類の異なる示唆を含む画像が変動表示されるものとなるから、さらに演出の趣向性を向上させることが可能である。
【0056】
また、複数の予告画像20に含まれる「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」ものの数が多いときほど、次段階の演出に進行する蓋然性が高まるように設定されているため、複数の予告画像20に含まれる画像の内容に対する遊技者の注目をさらに高めることが可能である。特に、本実施形態では、停止しそうになる予告画像20が「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」ものであれば、演出が次段階に進行するように構成されているから、どの予告画像20が停止するかということに対する遊技者の注目と、次段階の演出に進行するかどうかということに対する遊技者の注目をリンクさせた趣向性の高い演出とすることが可能である。
【0057】
そして、「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」予告画像20として、少なくとも次段階の演出に進行することを示唆する「NEXT」と、少なくとも二段階先以降の演出に進行することを示唆するもの「NEXT+」が設けられている。つまり、「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」予告画像20の具体的な内容にも遊技者の注目を惹きつける構成とすることが可能である。
【0058】
また、複数の予告画像20の変動方向(本実施形態では横方向)とこれらが一体的に移動する方向(本実施形態では上下方向)が異なる方向に沿い、次段階の演出に進行する場合に当該一体的に移動する複数の予告画像20が表示装置10の表示画面を横断する(本実施形態では上下方向に横断する)ように設定されているため、いずれか予告画像20が停止するのではないか(どの予告画像20が停止するのか)という点に着目した場合の遊技者の視点と、いずれの予告画像20も停止しないこと(演出が次段階に進行すること)を願う場合の遊技者の視点とが異なるものとなるから、演出の趣向性をさらに高めることが可能である。
【0059】
また、複数の予告画像20が変動表示される方向(スクロール方向)が所定の方向の反対方向に向かって変動表示された場合の方が、所定の方向に向かって変動表示された場合よりも次段階の演出に進行する蓋然性が高まるように設定されているため、遊技者は複数の予告画像20の変動方向にも着目することとなり、演出の趣向性をさらに高めることが可能である。
【0060】
また、ある段階の演出から次段階の演出に進行したとき、当該次段階の演出中に表示される複数の予告画像20の組み合わせがある段階(前段階)の演出中に変動表示された複数の予告画像20の組み合わせと異なるものとなるため、演出が進行したことに対する期待だけでなく、予告画像20の種類の変化にも期待がもてる演出とすることが可能である。
【0061】
また、ある段階の演出から次段階の演出に進行した上で異なるものとなった予告画像20のうちの少なくとも一つは、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まるものとなるようにすれば、演出が進行したときにおける予告画像20の種類の変化に対する期待をさらに高めることが可能である。上述したように、異なるものに変化した予告画像20の全部が、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まるものとなるようにし、当該期待をさらに高めるように構成してもよい。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0063】
上記ステップアップ演出は、複数段階に区切られたストーリーが段階的に進行していくものであることを説明したが、ステップアップする対象として複数段階の演出が設定されたものであれば、その内容はどのようなものであってもよい。例えば、S1、S2、S3、S4の順で進行していくストーリーを用い、第一段階の演出がS1、第二段階の演出がS1とS2、第三段階の演出がS1とS2とS3・・・というように、各段階においてストーリーが最初から開始される構成としてもよい。また、各段階の演出が毎回異なる(その都度演出の内容が決定される)ものであってもよい。
【0064】
また、上記ステップアップ演出は、ある一つの当否判定結果を報知するに際して実行されるものであることを説明したが、ある当否判定結果を報知するに際し、それより前の当否判定結果を報知するための演出を利用して実行されるようにしてもよい(いわゆる保留跨ぎのステップアップ演出に適用してもよい)。この場合、演出の段階が進行すればするほど、ステップアップ演出に利用する最後の保留に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる構成となる。
【0065】
また、上記実施形態では、ある段階の演出において変動表示される複数の予告画像20がいずれかの予告画像20で停止しない場合に次段階の演出に進行することを説明したが、ここでいう停止は、確定的に停止することをいい、一旦停止(仮停止)した後、再び変動を開始するような場合における当該「一旦停止(仮停止)」は停止に含まれないものとする。そのため特に「ステップアップ演出の進行の程度を示唆する」予告画像であれば一次的に停止してから次段階に進行するように制御してよいとする。
【0066】
また、例えば各段階の演出において変動表示される複数の予告画像20の数を、当否判定結果を踏まえて抽選により決定する手段を備え、変動表示される予告画像20の数(多少)に応じて大当たりとなる蓋然性(大当たり期待度)が異なるように設定してもよい。さらに、変動表示される複数の予告画像20の数の抽選を演出の段階毎に行い、段階に応じて大当たりとなる蓋然性(大当たり期待度)を異ならせてもよい。このようにすることで、予告画像20の内容や数と、演出の進行度合いをリンクさせた趣向性の高い演出することが可能である。
【0067】
また、各段階の演出において表示される複数の予告画像20は順次変動表示される(スクロールする)ことを説明したが、全ての複数の予告画像20を表示(紹介)してから再び順次予告画像20を表示してもよいとする。つまり、複数の予告画像20を表示(紹介)は複数回行ってもよい(例えば、複数回転スクロールするような表示態様としてもよい)
。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1の発明にかかる遊技機は、複数段階に設定された演出の進行の程度により、当否判定結果を示唆するステップアップ演出が表示装置において実行される遊技機であって、前記ステップアップ演出は、ある段階の演出中に、その後の演出の進行を示唆する表示がそれぞれになされた複数の予告画像が変動表示され、当該複数の予告画像がいずれかの予告画像で停止しなかった場合に、前記ある段階の演出から次段階の演出に進行するように構成されていることを特徴とする。
手段2に記載の発明は、手段1に記載の遊技機において、前記複数の予告画像は、前記ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆するもの、または前記ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆するものの少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
手段3に記載の発明は、手段2に記載の遊技機において、前記複数の予告画像に含まれる前記ステップアップ演出の今後の進行の程度を示唆するものの数が多いときほど、前記ある段階の演出から前記次段階の演出に進行する蓋然性が高まるように設定されていることを特徴とする。
手段4に記載の発明は、手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機において、前記複数の予告画像は所定の方向に沿うように変動表示されつつ、一体的に当該所定の方向と異なる方向に沿って移動し、前記ある段階の演出から前記次段階の演出に進行する場合には、前記複数の予告画像が前記所定の方向と異なる方向に沿って一体的に移動し、前記表示装置の表示画面を横断するように表示されることを特徴とする。
手段5に記載の発明は、手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機において、前記複数の予告画像が変動表示される態様として、当該複数の予告画像が所定の方向に向かって変動表示される態様と、当該複数の予告画像が前記所定の方向の反対方向に向かって変動表示される態様と、が設定され、前記複数の予告画像が前記所定の方向の反対方向に向かって変動表示された場合の方が、前記複数の予告画像が前記所定の方向に向かって変動表示された場合よりも前記ある段階の演出から前記次段階の演出に進行する蓋然性が高まるように設定されていることを特徴とする。
手段6に記載の発明は、手段1から手段5のいずれかに記載の遊技機において、前記ある段階の演出から前記次段階の演出に進行したとき、当該次段階の演出中に表示される複数の予告画像の組み合わせが前記ある段階の演出中に変動表示された複数の予告画像の組み合わせと異なるものとなることを特徴とする。
手段7に記載の発明は、手段6に記載の遊技機において、前記ある段階の演出中に表示されていた複数の予告画像のうちの少なくとも一部が、前記次段階の演出中に表示される複数の予告画像のうちの少なくとも一部と異なるものとなったとき、当該異なるものとなった予告画像のうちの少なくとも一つは、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まる演出の進行を示唆するものであることを特徴とする。
手段8に記載の発明は、手段6に記載の遊技機において、前記次段階の演出中に表示される複数の予告画像の全部が、前記ある段階の演出中に表示されていた複数の予告画像と異なるものとなったとき、当該異なるものとなった予告画像の全部が、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まる演出の進行を示唆するものであることを特徴とする。
手段1に記載の発明にかかる遊技機のステップアップ演出では、その後の演出の進行を示唆する複数の予告画像が変動表示され、当該複数の予告画像がいずれかの予告画像で停止しなかった場合に、次段階の演出に進行する。つまり、いずれかの予告画像が停止するのではないかという点に注目させつつ、いずれの予告画像も停止せずに演出が次の段階に進行することに期待を抱かせる趣向性の高い演出とすることが可能である。
手段2に記載の発明のように、複数の予告画像がステップアップ演出の進行の程度を示唆するもの、ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆するものの少なくともいずれかを含むようにすれば、複数の予告画像によってステップアップ演出の進行の程度やステップアップ演出終了後に移行する演出について期待を持たせる演出とすることが可能である。
この場合、複数の画像がステップアップ演出の進行の程度を示唆するもの、ステップアップ演出終了後に移行する演出の内容を示唆するものの両方を含んでいれば、現在実行されているステップアップ演出の進行と、現在実行されているステップアップ演出終了後の演出の内容という、種類の異なる示唆を含む画像が変動表示されるものとなるから、さらに演出の趣向性を向上させることが可能である。
手段3に記載の発明のように、複数の予告画像に含まれるステップアップ演出の進行の程度を示唆するものの数が多いときほど、次段階の演出に進行する蓋然性が高まるように設定されていれば、複数の予告画像に含まれる画像の内容に対する遊技者の注目をさらに高めることが可能である。
手段4に記載の発明のように、複数の予告画像の変動方向とこれらが一体的に移動する方向が異なる方向に沿うものとし、次段階の演出に進行する場合に当該一体的に移動する複数の予告画像が表示装置の表示画面を横断するようにすれば、いずれか予告画像が停止するのではないか(どの予告画像が停止するのか)という点に着目した場合の遊技者の視点と、いずれの予告画像も停止しないこと(演出が次段階に進行すること)を願う場合の遊技者の視点とが異なるものとなるから、演出の趣向性をさらに高めることが可能である。
手段5に記載の発明のように、複数の予告画像が所定の方向の反対方向に向かって変動表示された場合の方が、所定の方向に向かって変動表示された場合よりも次段階の演出に進行する蓋然性が高まるように設定されていれば、遊技者は複数の予告画像の変動方向にも着目することとなるため、演出の趣向性をさらに高めることが可能である。
手段6に記載の発明のように、次段階の演出に進行したとき、当該次段階の演出中に表示される複数の予告画像の組み合わせがある段階(前段階)の演出中に変動表示された複数の予告画像の組み合わせと異なるものとなるようにすれば、演出が進行したことに対する期待だけでなく、予告画像の種類の変化にも期待がもてる演出とすることが可能である。
手段7に記載の発明のように、次段階の演出に進行した上で異なるものとなった予告画像のうちの少なくとも一つは、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まるものとなるようにすれば、演出が進行したときにおける予告画像の種類の変化に対する期待をさらに高めることが可能である。手段8に記載の発明のように、異なるものに変化した予告画像の全部が、異なるものに変化する前よりも当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まるものとなるようにし、当該期待をさらに高めるように構成してもよい。