特許第6528245号(P6528245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6528245
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190531BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-24286(P2016-24286)
(22)【出願日】2016年2月12日
(65)【公開番号】特開2017-140262(P2017-140262A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2016年5月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 唯史
【審査官】 佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−223684(JP,A)
【文献】 特開2015−198794(JP,A)
【文献】 特開2014−161410(JP,A)
【文献】 特開2015−144764(JP,A)
【文献】 特開2014−161436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の入賞が当否判定抽選の契機となる入賞口であって、第一遊技領域に配置された第一入賞口および第二遊技領域に配置された第二入賞口と、
所定の確率で前記当否判定抽選を実行する低確率抽選状態、および当該低確率抽選状態よりも前記当否判定抽選に当選する確率が高い高確率抽選状態のいずれかに抽選状態を設定する抽選状態設定手段と、
前記第一入賞口の方が前記第二入賞口よりも遊技球が入賞しやすい状態であって遊技者に対して前記第一遊技領域に遊技球が進入するような遊技を促す通常入賞状態、および前記第二入賞口の方が前記第一入賞口よりも遊技球が入賞しやすい状態であって遊技者に対して前記第二遊技領域に遊技球が進入するような遊技を促す特定入賞状態のいずれかに入賞状態を設定する入賞状態設定手段と、
前記第二遊技領域に進入した遊技球は進入できず、かつ前記第一遊技領域に進入した遊技球が進入可能となるように当該第一遊技領域に配置され、遊技球の進入が前記抽選状態を前記低確率抽選状態とする契機となる転落口と、
を備え、
前記第一入賞口と前記転落口は、ある遊技球が前記第一入賞口に入賞する事象が発生しなくても当該ある遊技球が前記転落口に進入する事象が発生しうるように、かつ、ある遊技球が前記転落口に進入する事象が発生しなくても当該ある遊技球が前記第一入賞口に入賞する事象が発生しうるような位置関係となるように前記第一遊技領域に配置されており、
前記第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後には抽選状態移行確率で前記抽選状態が前記高確率抽選状態となるとともに、前記第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後にも前記抽選状態移行確率で前記抽選状態が前記高確率抽選状態となるように設定され、
前記第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は前記抽選状態移行確率とは異なる所定の入賞状態移行確率で前記入賞状態が前記特定入賞状態となるように設定される一方、前記第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は前記抽選状態が前記高確率抽選状態となる場合に前記入賞状態が前記特定入賞状態となるように設定される
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
低確率抽選状態(通常状態)中の大当たり遊技終了後に高確率抽選状態(確率変動状態)に突入する確率(以下、通常時確変割合と称することもある)と、高確率抽選状態中の大当たり遊技終了後に再び高確率抽選状態に突入する確率(以下、高確時確変割合と称することもある)を異ならせた遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。この種の遊技機は、大当たり遊技中にVアタッカ等と称される特別な入賞領域に遊技球が入賞した場合に高確率抽選状態に突入するよう構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−245172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常時確変割合と高確時確変割合を異ならせる手法は、上記特許文献1に記載される手法等、特定の手法に限定されている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、新たな遊技性を実現することが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技球の入賞が当否判定抽選の契機となる入賞口であって、第一遊技領域に配置された第一入賞口および第二遊技領域に配置された第二入賞口と、所定の確率で前記当否判定抽選を実行する低確率抽選状態、および当該低確率抽選状態よりも前記当否判定抽選に当選する確率が高い高確率抽選状態のいずれかに抽選状態を設定する抽選状態設定手段と、前記第一入賞口の方が前記第二入賞口よりも遊技球が入賞しやすい状態であって遊技者に対して前記第一遊技領域に遊技球が進入するような遊技を促す通常入賞状態、および前記第二入賞口の方が前記第一入賞口よりも遊技球が入賞しやすい状態であって遊技者に対して前記第二遊技領域に遊技球が進入するような遊技を促す特定入賞状態のいずれかに入賞状態を設定する入賞状態設定手段と、前記第二遊技領域に進入した遊技球は進入できず、かつ前記第一遊技領域に進入した遊技球が進入可能となるように当該第一遊技領域に配置され、遊技球の進入が前記抽選状態を前記低確率抽選状態とする契機となる転落口と、を備え、前記第一入賞口と前記転落口は、ある遊技球が前記第一入賞口に入賞する事象が発生しなくても当該ある遊技球が前記転落口に進入する事象が発生しうるように、かつ、ある遊技球が前記転落口に進入する事象が発生しなくても当該ある遊技球が前記第一入賞口に入賞する事象が発生しうるような位置関係となるように前記第一遊技領域に配置されており、前記第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後には抽選状態移行確率で前記抽選状態が前記高確率抽選状態となるとともに、前記第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後にも前記抽選状態移行確率で前記抽選状態が前記高確率抽選状態となるように設定され、前記第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は前記抽選状態移行確率とは異なる所定の入賞状態移行確率で前記入賞状態が前記特定入賞状態となるように設定される一方、前記第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は前記抽選状態が前記高確率抽選状態となる場合に前記入賞状態が前記特定入賞状態となるように設定されることを特徴とする。
【0007】
上記本発明にかかる遊技機は、第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は抽選状態移行確率とは異なる所定の入賞状態移行確率で入賞状態が特定入賞状態となる。第一遊技領域には、遊技球の進入が抽選状態を低確率抽選状態とする契機となる転落口が設けられているため、入賞状態が特定入賞状態とならなければ、抽選状態が高確率抽選状態となったとしても、転落口に遊技球が入球することで抽選状態が強制的に低確率抽選状態となってしまう(高確率抽選状態から転落してしまう)。そして、第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は抽選状態が高確率抽選状態となる場合に入賞状態が特定入賞状態となる。つまり、抽選状態移行確率で、高確率抽選状態かつ特定入賞状態が継続する(遊技者にとって有利な状態が継続する)。このように、本発明にかかる遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態に突入する確率と、一旦有利な状態に突入したときにそれが継続する確率を異ならせることが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる遊技機によれば、新たな遊技性を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】本実施形態にかかる遊技機の遊技性を説明するための概念図である。
図3】第一変形例にかかる遊技機の正面図である。
図4】第二変形例にかかる遊技機の正面図である。
図5】第三変形例にかかる遊技機の正面図である。
図6】第四変形例にかかる遊技機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0023】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0024】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状や大きさ等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0025】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0026】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0027】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0028】
以下、図1に示す本実施形態にかかる遊技機1の具体的構成について説明する。本実施形態にかかる遊技機1は、第一始動入賞口10(本発明における第一入賞口に相当する)と第二始動入賞口20(本発明における第二入賞口に相当する)と、転落口401と、を備える。
【0029】
第一始動入賞口10および第二始動入賞口20は、当否の抽選(当否判定)は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が、第一始動入賞口10や第二始動入賞口20への遊技球の入賞を契機として実行する。なお、本実施形態における第一始動入賞口10および第二始動入賞口20は、入賞した遊技球が遊技盤90後方の内部に取り込まれるような態様であってもよいし、入賞した遊技球がそのまま遊技領域902を流下するもの(遊技球が通過可能なゲートのような態様としたもの)であってもよい。つまり、本明細書においては入賞「口」と称するが、遊技球が進入可能な領域であって、当該領域に遊技球が進入したことを検出可能なものであればその態様はどのようなものであってもよい。なお、以下の説明における「口」と称する構成(以下で説明する転落口401や維持口402等)についても同様である。本実施形態では、第一始動入賞口10に入賞した遊技球は内部に取り込まれ、所定の通路60を通じて特別領域30に誘導される。
【0030】
特別領域30は、遊技盤90の後方に設けられた領域であって、遊技者に視認可能な領域である。つまり、遊技盤90の一部が光透過性を通じた材料で形成されており、当該部分の後方に特別領域30が設けられる。特別領域30は、第一始動入賞口10に進入した遊技球が誘導される領域(第一始動入賞口10を経由して進入する領域)である。特別領域30には、振分部40が設けられている。振分部40は、特別領域30に進入した遊技球を転落口401または維持口402に振り分けるものである。
【0031】
本実施形態における振分部40は、特別領域30に進入した遊技球がほぼ転落口401に進入するよう構成されている。換言すれば、特別領域30に進入した遊技球が維持口402に進入する可能性はわずかにある(不可能ではない)ものの、ほぼ100%の確率で転落口401に進入するよう構成されている。このようなものであれば振分部40の具体的構成はどのようなものであってもよい。本実施形態では、特別領域30の上流側(第一始動入賞口10側)に転落口401が位置し、下流側に維持口402が位置する。そして、転落口401と維持口402の間には仕切部403が設けられている。遊技球が仕切部403を乗り越えることは極めて困難となるように設定される。したがって、特別領域30に進入した遊技球は、ほぼ100%の確率でそのまま転落口401に進入する。仕切部403の上端と特別領域30の上壁面との距離を、遊技球の直径と同じまたはわずかに大きく設定すれば、遊技球が仕切部403を乗り越えることは極めて困難になる。なお、仕切部403の上端と特別領域30の上壁面との距離を、遊技球の直径よりも小さく設定すれば、遊技球が仕切部403を乗り越えることは不可能になる。振分部40をこのように構成してもよい。
【0032】
転落口401および維持口402には、それぞれに遊技球が進入したことを検出する図示しない検出スイッチが設けられている。転落口401は、抽選状態を移行させる契機となるものである。具体的には、転落口401に遊技球が進入したことが検出されたとき、抽選状態は強制的に低確率抽選状態とされる。一方、維持口402に遊技球が進入したことが検出された場合であっても、抽選状態は変化しない。維持口402に遊技球が進入することは、抽選状態を変化させる遊技球を用いた物理的な抽選に漏れたともとれる。なお、このような維持口402が設けられていない構成としてもよい。つまり、第一始動入賞口10に入賞した遊技球が、特別領域30内に設けられた唯一の要素である転落口401に必ず進入するような構成としてもよい。
【0033】
抽選状態について説明する。本実施形態にかかる遊技機1は、抽選状態として低確率抽選状態と高確率抽選状態(いわゆる確率変動状態)が設定されている。図示されない制御基板には、抽選状態を制御する抽選状態設定手段(制御回路)が設けられている。上述したように、遊技球が第一始動入賞口10または第二始動入賞口20に入賞したことを契機として大当たりに当選したか否かの抽選(大当たり抽選)が実行されることになるが、当該大当たり抽選に当選する確率が低い低確率抽選状態と、当該低確率抽選状態よりも高い高確率抽選状態が設定されている。遊技者にとってみれば、低確率抽選状態よりも高確率抽選状態の方が有利な状態であるといえる。
【0034】
抽選状態は、大当たりに当選することにより移行することがある。具体的には、大当たりに当選することによって実行される大当たり遊技終了後に移行することがある。大当たり遊技は公知であるから詳細な説明を省略するが、ある程度の遊技球(いわゆる出玉)を獲得することができる大当たり遊技だけでなく、ほとんど遊技球を獲得することができないような大当たり遊技であってもよい。本実施形態では、80%の確率で大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率抽選状態となり、20%の確率で大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率抽選状態となる。つまり、第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを契機として当選した大当たり(以下、第一大当たりと称することもある)、および第二始動入賞口20に遊技球が入賞することを契機として当選した大当たり(以下、第二大当たりと称することもある)のいずれも、大当たりの80%が高確率(確率変動)大当たりであり、残りの20%が低確率(通常)大当たりである。抽選状態がいずれの場合であっても、転落口401に遊技球が進入したとき、抽選状態は低確率抽選状態となる。つまり、高確率抽選状態であった場合には、転落口401に遊技球が進入することを契機として、抽選状態が低確率抽選状態に移行するということである。
【0035】
本実施形態にかかる遊技機1は、図示されない制御基板に設けられた入賞状態設定手段により、抽選状態とは別の状態である入賞状態が制御される。入賞状態としては、遊技者に対して第一始動入賞口10を狙って遊技するよう促す状態であって、始動入賞口(第一始動入賞口10)に遊技球が入賞しにくい状態である通常入賞状態と、遊技者に対して第二始動入賞口20を狙って遊技するよう促す状態であって、始動入賞口(第二始動入賞口20)に遊技球が入賞しやすい状態である特定入賞状態が設定されている。本実施形態では、通常入賞状態においては遊技領域902の左側(第一遊技領域902a)に遊技球が進入するような遊技(いわゆる左打ち遊技)を行うよう遊技者に促し、特定入賞状態においては特定通路50を通って遊技領域902の右側(第二遊技領域902b)に遊技球が進入するような遊技(いわゆる右打ち遊技)を行うよう遊技者に促す。本実施形態では、第一遊技領域902aに進入した遊技球は第二遊技領域902bに設けられた第二始動入賞口20に入賞することが不可能(極めて困難)に設定され、第二遊技領域902bに進入した遊技球は第一遊技領域902aに設けられた第一始動入賞口10に入賞することが不可能(極めて困難)に設定されている。
【0036】
第二始動入賞口20の近傍には、第二始動入賞口20を覆うようにして位置する二つの開閉部材20aが設けられている。当該開閉部材20aが閉状態(二つの部材の間隔が狭い状態)から開状態(二つの部材の先端が外側に向かうように回動した状態)に変化することで、第二始動入賞口20への入賞ルートが第一始動入賞口10への入賞ルートよりも広がる。特定入賞状態は、通常入賞状態に比して当該開閉部材20aが開状態となりやすい状態である。具体的には、普通抽選ゲート20b(いわゆるスルー)を遊技球が通過することを契機として実行される開閉部材20aを開状態とするか否かの抽選に当選しやすい状態である。したがって、特定入賞状態中は、第一始動入賞口10よりも第二始動入賞口20に入賞しやすい状態であるため、遊技者は第二始動入賞口20を狙って遊技した方が(いわゆる右打ち遊技をした方が)大当たり抽選を受けやすくなる。また、第二始動入賞口20に入賞したことを契機とするいわゆる賞球の払い出しが設定されていれば、特定入賞状態では遊技者は遊技球をあまり減らすことなく遊技することができる。一方、通常入賞状態中は、開閉部材20aはほとんど開状態とならないように設定されているため、遊技者は第一始動入賞口10を狙って遊技した方が(いわゆる左打ち遊技をした方が)大当たり抽選を受けやすくなるが、通常入賞状態中における第一始動入賞口10への遊技球の入賞しやすさは、特定入賞状態中における第二始動入賞口20への遊技球の入賞しやすさに劣る。なお、特定入賞状態が通常入賞状態に比して始動入賞口に遊技球が入賞しやすい設定であれば、上記構成はあくまで一例である。
【0037】
入賞状態は、抽選状態と同様に、大当たりに当選することによって実行される大当たり遊技終了後に移行することがある。本実施形態では、第一大当たりに当選したときに、当該大当たり遊技終了後に入賞状態が特定入賞状態となる確率は50%である。それ以外の第一大当たりに当選したときに、当該大当たり遊技終了後の入賞状態は通常入賞状態となる(通常入賞状態が維持される)。なお、特定入賞状態となる第一大当たりに当選した場合、当該大当たり遊技終了後の抽選状態は必ず高確率抽選状態となる。つまり、本実施形態における第一大当たりは、大当たり遊技終了後に高確率抽選状態かつ特定入賞状態となるものが50%、高確率抽選状態かつ通常入賞状態となるものが30%、低確率抽選状態かつ通常入賞状態となるものが20%となるように振り分けられている。すなわち、第一大当たり当選時に、当該大当たり遊技終了後、抽選状態が低確率抽選状態から高確率抽選状態に移行する確率(抽選状態移行確率)は80%であり、入賞状態が通常入賞状態から特定入賞状態に移行する確率(入賞状態移行確率)は50%である。
【0038】
一方、第二大当たりに当選したときに、当該大当たり遊技終了後に入賞状態が特定入賞状態となるのは、抽選状態が高確率抽選状態となる場合である。つまり、本実施形態における第二大当たりは、大当たり遊技終了後に高確率抽選状態かつ特定入賞状態となるものが80%、低確率抽選状態かつ通常入賞状態となるものが20%となるように振り分けられているこのように、第二大当たり当選時には、当該大当たり遊技終了後、抽選状態として高確率抽選状態が維持される場合に限り、入賞状態として特定入賞状態が維持されることになる。
【0039】
このように構成される本実施形態にかかる遊技機1の遊技性について、図2を参照しつつ一部上記説明と重複するが以下詳細に説明する。
【0040】
遊技機1がリセットされた状態においては、抽選状態は低確率抽選状態に、入賞状態は通常入賞状態(図2(イ))にある。通常入賞状態において、遊技者は、第一始動入賞口10に向かって遊技球が流下するようにいわゆる左打ち遊技を行う。つまり、第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを契機として大当たり(第一大当たり)に当選することを目指して遊技する。上述したように、第一大当たりは、大当たり遊技終了後に高確率抽選状態かつ特定入賞状態(図2(ロ))となるものが50%、高確率抽選状態かつ通常入賞状態(図2(ハ))となるものが30%、低確率抽選状態かつ通常入賞状態(図2(イ))となるもの、すなわち状態が維持されるものが20%である。第一大当たりに当選した場合、その大当たり遊技終了後にはいずれかの状態に移行することになる。
【0041】
高確率抽選状態かつ特定入賞状態となる第一大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後、遊技者は、第二始動入賞口20に向かって遊技球が流下するようにいわゆる右打ち遊技を行う。つまり、第二始動入賞口20に遊技球が入賞することを契機として大当たり(第二大当たり)に当選することを目指して遊技する。特定入賞状態では、開閉部材20aが頻繁に開状態となるため、遊技球をあまり減らさずに次の大当たり(第二大当たり)に当選することになる。
【0042】
上述したように、第二大当たりは、大当たり遊技終了後に高確率抽選状態かつ特定入賞状態(図2(ロ))となるものが80%、低確率抽選状態かつ通常入賞状態(図2(イ))となるものが20%である。大当たり遊技終了後に高確率抽選状態かつ特定入賞状態となるものに当選した場合、大当たり遊技終了後もいわゆる右打ち遊技を継続する状態となる。つまり、高確率抽選状態かつ特定入賞状態に一旦突入した場合、80%の確率でいわゆる連チャンすることになる。換言すれば、第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを契機とした大当たりを目指すとき、すなわち第一大当たりを契機として高確率抽選状態かつ特定入賞状態に突入することを目指すとき(いわゆる初当たり)においては、50%の確率で当該状態に突入することになり、一旦当該状態に突入した後は80%の確率で当該状態が継続することになる。
【0043】
大当たり遊技終了後に低確率抽選状態かつ通常入賞状態となる第二大当たりに当選した場合には、当該大当たり遊技終了後は再び第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを契機とした大当たりを目指す状態に戻る。
【0044】
一方、高確率抽選状態かつ通常入賞状態となる第一大当たりに当選した場合には、入賞状態が通常入賞状態であるため、大当たり遊技終了後も遊技者はいわゆる左打ち遊技を継続する。つまり、第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを目指して遊技する。高確率抽選状態となってから最初に第一始動入賞口10に遊技球が入賞したとき、当該遊技球は特別領域30に誘導される。そして、当該特別領域30に設けられた振分部40により、遊技球はほぼ100%の確率で転落口401に進入することになる。したがって、当該転落口401への進入により、抽選状態は高確率抽選状態から低確率抽選状態に移行する。つまり、それ以降の第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを契機とした大当たり抽選は、低確率抽選となる。なお、本実施形態では、高確率抽選状態となってから最初に第一始動入賞口10に遊技球が入賞することを契機とした大当たり抽選は高確率抽選である(一回は高確率での抽選を受けることができる)。つまり、大当たり遊技終了後の抽選状態は高確率抽選状態であるが、入賞状態が特定入賞状態に移行しない場合、転落口401に遊技球が進入することによってすぐに低確率抽選状態に移行するため、実質的には高確率抽選状態の恩恵を受けることはできない。
【0045】
なお、最初に遊技球が第一始動入賞口10に入賞することを契機とした抽選を即座に行わず、当該遊技球が転落口401または維持口402に振り分けられた後、当該抽選を実行するようにしてもよい。このような構成とすれば、遊技球はほぼ100%の確率で転落口401に進入することになるから、最初の大当たり抽選も低確率での抽選となる。
【0046】
また、低確率抽選状態かつ通常入賞状態となる第一大当たりに当選した場合には、入賞状態が通常入賞状態であるため、大当たり遊技終了後も遊技者はいわゆる左打ち遊技を継続することになる。なお、第一始動入賞口10に遊技球が入賞した場合、当該遊技球は転落口401に誘導されることになるが、当該転落口401に遊技球が進入したとしてももともと低確率抽選状態であるのであるから、抽選状態は変化しない。
【0047】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、大当たり遊技終了後、抽選状態が高確率抽選状態となる確率は、第一大当たりと第二大当たりの両方とも同じである。しかし、大当たり遊技終了後に入賞状態が特定入賞状態に移行しなければ、転落口401の作用により即座に低確率抽選状態に移行してしまう。つまり、入賞状態が特定入賞状態に移行しなければ高確率抽選状態の恩恵を受けることはほとんどない。すなわち、実質的には、第一大当たり(いわゆる初当たり)時において、遊技者にとって最も好ましい状態である高確率抽選状態かつ特定入賞状態に突入する確率と、一旦高確率抽選状態かつ特定入賞状態に突入したとき、第二大当たり後にそれが継続する確率が異なるという遊技性を実現することが可能である。
【0048】
そして、本実施形態では、第一大当たり(いわゆる初当たり)時において特定入賞状態に突入する確率(入賞状態移行確率;本実施形態では50%)は、一旦高確率抽選状態かつ特定入賞状態に突入したときに第二大当たり後にそれが継続する確率(抽選状態移行確率;本実施形態では80%)よりも低く設定されている。これにより、遊技者にとって有利な状態(いわゆる連チャン状態)に突入する確率が低く、一旦有利な状態に突入したときにそれが継続する確率が高い遊技性を実現している。
【0049】
また、本実施形態では、第一始動入賞口10に入賞した遊技球は、そのまま特別領域30に進入し、ほぼ100%の確率で振分部40によって転落口401に誘導される。このような構成とすることで、抽選状態が高確率抽選状態となった場合に、即座に抽選状態が低確率抽選状態となる遊技性とすることが可能である。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる初当たり時に入賞状態が特定入賞状態に移行する確率(本実施形態では50%)を、高確率抽選状態となる大当たりの確率(本実施形態では80%)と異ならせた上で、特定入賞状態には移行せずに、高確率抽選状態に移行した場合(いわゆる初当たり時の30%)に、転落口401を利用して即座に低確率抽選状態に移行させるようにすることで、通常入賞状態であるにもかかわらず抽選状態が高確率抽選状態である遊技状態が長く継続しないようにしたものであるともいえる。
【0050】
なお、上記実施形態では、第一始動入賞口10に入賞した遊技球がほぼ100%の確率で転落口401に進入するように振分部40が構成されているが、必ずほぼ100%としなければならないわけではない。例えば、90%の確率で転落口401に進入するように振分部40を構成してもよい。このように構成しても、最初に第一始動入賞口10に入賞した遊技球は90%の確率で転落口401に進入することになるから、ほとんどのケースにおいて、次の大当たり抽選は低確率での抽選となる。つまり、第一始動入賞口10に入賞した遊技球が一定程度の確率で転落口401に誘導されるよう構成されていれば、比較的早く高確率抽選状態から低確率抽選状態に移行する遊技性となる。
【0051】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1の変形例について、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、以下の変形例のそれぞれを単独で適用した構成としてもよいし、複数を組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0052】
・第一変形例
上記実施形態にかかる遊技機1は、第一始動入賞口10に入賞した遊技球がほぼ100%の確率で転落口401に誘導されることで、抽選状態が低確率抽選状態となることを説明したが、第一始動入賞口10および転落口401の一方に進入した遊技球が、ほぼ100%の確率で他方に進入するように構成されていればよい。
【0053】
図3に示す本例にかかる遊技機1aは、第一始動入賞口10の上流側に転落口401が設けられた構成である。なお、上記実施形態にかかる遊技機1は、第一始動入賞口10の下流側に転落口401が設けられた構成であるといえる。本例では、第一始動入賞口10の真上に転落口401が設けられている。転落口401は、上下方向に貫通するゲート状を呈しており、それを通過した遊技球が真下に流下するような形状である。したがって、転落口401を通過した遊技球は、なんらかの要因によって遊技球がイレギュラーな動きをした場合を除き、そのまま第一始動入賞口10に入賞する。
【0054】
本例のような構成とする利点は次の通りである。上記実施形態にかかる遊技機1は、高確率抽選状態かつ通常入賞状態であるとき、最初に第一始動入賞口10に入賞した遊技球が転落口401に誘導される構成であるため、当該第一始動入賞口10への遊技球の入賞を契機とした抽選は、転落口401に遊技球が進入する前の抽選であるため高確率での大当たり抽選となる。しかし、本例では、先に転落口401に進入するため、それにより抽選状態が低確率抽選状態となる。つまり、第一始動入賞口10への遊技球の入賞を契機とした最初の抽選も低確率での大当たり抽選となる。したがって、入賞状態が通常入賞状態である限り、第一始動入賞口10への遊技球の入賞を契機とする高確率での大当たり抽選を受けることができない(ほとんどできない)ものとすることが可能である。
【0055】
なお、本例においても、転落口401に進入した遊技球がほぼ100%の確率で第一始動入賞口10に入賞する構成としなければならないわけではない。第一始動入賞口10への遊技球の入賞を契機とした高確率の大当たり抽選が実行されないようにするためには、転落口401に進入しない限り、第一始動入賞口10に入賞することがないような構成とすればよい。
【0056】
・第二変形例(第一変形例の改良例)
高確率抽選状態に移行した場合であっても、入賞状態が特定入賞状態に移行しない場合に即座に抽選状態が低確率抽選状態に移行させる手法としては、上記第一実施形態や第一変形例のような構成に限られない。入賞状態が特定入賞状態に移行せず、通常入賞状態が維持される場合、遊技者は第一始動入賞口10に遊技球が入賞するよう第一遊技領域902aを狙っていわゆる左打ち遊技することになるため、当該第一遊技領域902aに転落口401が配置されていればよい。
【0057】
例えば、図4に示す遊技機1bのように、表示装置91の左側に転落口401を設けた構成とする。このようにすることで、遊技者が第一遊技領域902aに遊技球が進入するよう継続的に遊技を行うと、いずれ遊技球が転落口401に進入し、抽選状態が低確率抽選状態に移行することになる。上記実施形態や第一変形例のように、第一始動入賞口10に入賞することと転落口401へ進入することが表裏一体である構成ではないため、遊技球がなかなか転落口401に進入せずに高確率抽選状態が長く継続してしまう(高確率抽選の実行回数が多くなってしまう)可能性はある。つまり、転落口401に進入しなければ遊技者にとって有利な状況が継続することになるから、上記実施形態や第一変形例とは異なる遊技性を実現することが可能である。
【0058】
・第三変形例
上記実施形態にかかる遊技機1は、第一始動入賞口10に入賞した遊技球が特別領域30(以下で説明する第二特別領域32と区別するため本例の説明において形式的に第一特別領域31と称する)に設けられた振分部40(以下で説明する第二振分部42と区別するため本例の説明において形式的に第一振分部41と称する)到達することを説明したが、図5に示す本例にかかる遊技機1cは、第二始動入賞口20に入賞した遊技球が第二特別領域32に進入するよう構成され、当該第二特別領域32に第二振分部42が設けられた構成である。
【0059】
第二振分部42は、第一振分部41と同様、遊技球を転落口401または維持口402に振り分けるものである。ただし、第二特別領域32に進入した遊技球が、ほぼ100%の確率で維持口402に振り分けられるよう第二振分部42が構成されている。つまり、第一振分部41とは逆の構成である。したがって、入賞状態が特定入賞状態に移行したとき、遊技者は第二始動入賞口20に遊技球が入賞するよういわゆる右打ち遊技を行うことになるが、遊技球が第二始動入賞口20に入賞しても、当該遊技球は第二振分部42によって維持口402に振り分けられることになる(転落口401に進入しない)。したがって、そのまま特定入賞状態が維持される。
【0060】
このように、第一始動入賞口10および第二始動入賞口20のいずれに遊技球が入賞したとしても、当該遊技球が振分部(第一振分部41・第二振分部42)によって転落口401または維持口402に振り分けられるような構成とすることが可能である。つまり、一方の始動入賞口(第一始動入賞口10)側にのみ振分部(第一振分部41)が設けられた構成ではないから、遊技者の見た目上バランスのとれた遊技領域とすることが可能である。
【0061】
・第四変形例(第三変形例の改良例)
上記第三変形例で説明したように、第一始動入賞口10および第二始動入賞口20に入賞した遊技球がいずれも特別領域30(第一特別領域31・第二特別領域32)内の振分部(第一振分部41・第二振分部42)に送られる構成とする場合、図6に示す本例にかかる遊技機1dのように振分部40を共通化することができる。具体的は以下の通りである。
【0062】
第一始動入賞口10は、第一通路61を介して共通特別領域30cに繋がっている。第二始動入賞口20は、第二通路62を介して共通特別領域30cに繋がっている。共通特別領域30c内には、共通振分部40cが設けられている。共通振分部40cは、第一始動入賞口10から送られた遊技球がほぼ100%の確率で転落口401に進入し、第二始動入賞口20から送られた遊技球がほぼ100%の確率で維持口402に進入するよう構成される。例えば、共通特別領域30cの第一通路61側に転落口401が、第二通路62側に維持口402が設けられ、転落口401と維持口402の間に仕切部403が設けられている。第一通路61を通じて転落口401側に進入した遊技球は、仕切部403を乗り越えない限り維持口402側に到達せず、第二通路62を通じて維持口402側に進入した遊技球は、仕切部403を乗り越えない限り転落口401側に到達しないように構成されている。遊技球が仕切部403を乗り越えることは不可能または極めて困難となるように設定される。仕切部403の上端と共通特別領域30cの上壁面との距離を、遊技球の直径よりも小さく設定すれば、遊技球が仕切部403を乗り越えることは不可能になる。仕切部403の上端と共通特別領域30cの上壁面との距離を、遊技球の直径と同じまたはわずかに大きく設定すれば、遊技球が仕切部403を乗り越えることは極めて困難になる。
【0063】
本例のような構成とすることで、第一始動入賞口10および第二始動入賞口20のそれぞれに対応する振分部40(特別領域30)を共通化(共用化)することが可能である。
【0064】
以上、本発明の実施形態(およびその変形例)について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態(およびその変形例)に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0065】
上記実施形態において説明した各種確率等はあくまで例示である。例えば、高確率抽選状態が、所定回数の当否判定が連続してはずれとなるまで継続する、いわゆるST機に対しても同様の技術思想が適用可能である。例えば第一大当たりおよび第二大当たりのいずれも、大当たりの100%が大当たり遊技終了後に抽選状態が高確率抽選状態となる大当たりとする。一方、第一大当たりは50%、第二大当たりは100%で入賞状態が特定入賞状態となる大当たりとする。このようにすれば、いわゆる初当たり時に50%の確率で高確率抽選状態かつ特定入賞状態(ST状態)に突入する遊技性となる。当該状態は、所定回数の当否判定が連続してはずれとなるまで継続する。つまり、所定回数の当否判定の間に大当たりに当選し続ける限り当該状態が継続する
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
遊技球の入賞が当否判定抽選の契機となる入賞口であって、第一遊技領域に配置された第一入賞口および第二遊技領域に配置された第二入賞口と、所定の確率で前記当否判定抽選を実行する低確率抽選状態、および当該低確率抽選状態よりも前記当否判定抽選に当選する確率が高い高確率抽選状態のいずれかに抽選状態を設定する抽選状態設定手段と、前記第一入賞口の方が前記第二入賞口よりも遊技球が入賞しやすい状態であって前記第一遊技領域に遊技球が進入するような遊技を促す通常入賞状態、および前記第二入賞口の方が前記第一入賞口よりも遊技球が入賞しやすい状態であって前記第二遊技領域に遊技球が進入するような遊技を促す特定入賞状態のいずれかに入賞状態を設定する入賞状態設定手段と、前記第一遊技領域に配置され、遊技球の進入が前記抽選状態を前記低確率抽選状態とする契機となる転落口と、を備え、前記第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後および前記第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後のいずれにおいても、所定の抽選状態移行確率で前記抽選状態が前記高確率抽選状態となるように設定され、前記第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は前記抽選状態移行確率とは異なる所定の入賞状態移行確率で前記入賞状態が前記特定入賞状態となるように設定される一方、前記第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は前記抽選状態が前記高確率抽選状態となる場合に前記入賞状態が前記特定入賞状態となるように設定されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、第一入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は抽選状態移行確率とは異なる所定の入賞状態移行確率で入賞状態が特定入賞状態となる。第一遊技領域には、遊技球の進入が抽選状態を低確率抽選状態とする契機となる転落口が設けられているため、入賞状態が特定入賞状態とならなければ、抽選状態が高確率抽選状態となったとしても、転落口に遊技球が入球することで抽選状態が強制的に低確率抽選状態となってしまう(高確率抽選状態から転落してしまう)。そして、第二入賞口に遊技球が入賞することを契機として当選した当たり遊技終了後は抽選状態が高確率抽選状態となる場合に入賞状態が特定入賞状態となる。つまり、抽選状態移行確率で、高確率抽選状態かつ特定入賞状態が継続する(遊技者にとって有利な状態が継続する)。このように、本発明にかかる遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態に突入する確率と、一旦有利な状態に突入したときにそれが継続する確率を異ならせることが可能である。
前記入賞状態移行確率の値は、前記抽選状態移行確率の値よりも小さいとよい。
このような構成とすれば、遊技者にとって有利な状態に突入する確率が低く、一旦有利な状態に突入したときにそれが継続する確率が高い遊技機とすることが可能である。
前記第一入賞口および前記転落口の一方に進入した遊技球が、ほぼ他方に進入するように構成されているとよい。
このような構成とすれば、入賞状態が特定入賞状態とならずに、抽選状態が高確率抽選状態となった場合に、即座に抽選状態が低確率抽選状態となる遊技性(高確率の当否判定抽選を受ける回数が最大1回である遊技性)とすることが可能である。
前記転落口に進入した遊技球が、その後前記第一入賞口に入賞するよう構成されているとよい。
このような構成とすれば、入賞状態が特定入賞状態とならずに、抽選状態が高確率抽選状態となった場合に、高確率の当否判定抽選を受けることなく、抽選状態が低確率抽選状態となる遊技性とすることが可能である。
前記第一入賞口に入賞した遊技球が進入する特別領域が設けられており、当該特別領域内には、進入した遊技球を前記転落口および前記抽選状態を維持する維持口のいずれかに振り分け可能な振分部が設けられているとよい。
このように、特別領域に進入した遊技球を振分部によって振り分けることにより、抽選状態を強制的に変化させる構成(高確率抽選状態となった場合であっても、転落口により抽選状態を低確率抽選状態とする構成)を実現することが可能である。
前記第二入賞口に入賞した遊技球が前記特別領域内に進入するように構成されているとよい。
このように第二入賞口に入賞した遊技球も振分部によって転落口または維持口に振り分けられる構成とすることで、遊技の趣向性を向上させることが可能である。
前記振分部は、前記第一入賞口を経由して前記特別領域内に進入した遊技球はほぼ前記転落口に進入し、前記第二入賞口を経由して前記特別領域内に進入した遊技球はほぼ前記維持口に進入するように構成されているとよい。
第一入賞口に入賞した遊技球および第二入賞口に入賞した遊技球のいずれもが特別領域内に進入する構成とする場合、両遊技球が進入する特別領域(振分部)を共通化(共用化)することが可能である。そして、第一入賞口を経由したものが転落口に、第二入賞口を経由したものが維持口に進入するよう振分部を構成すれば、特別領域(振分部)を共通化(共用化)しつつ、上記のような遊技性を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
1(1a〜1d) 遊技機
10 第一始動入賞口
20 第二始動入賞口
30(31、32、30c) 特別領域
40(41、42、40c) 振分部
401 転落口
402 維持口
902 遊技領域
902a 第一遊技領域
902b 第二遊技領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6