(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6528411
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】バッテリー
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20190531BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20190531BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20190531BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20190531BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20190531BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20190531BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20190531BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20190531BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
H01M2/10 M
H01M2/10 S
H01M2/20 A
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/643
H01M10/6551
H01M10/6554
H01M10/625
H01M10/48 P
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-5856(P2015-5856)
(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公開番号】特開2016-134196(P2016-134196A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】安則 裕通
【審査官】
山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−274903(JP,A)
【文献】
特開2014−116328(JP,A)
【文献】
特開2012−119147(JP,A)
【文献】
特開平07−050157(JP,A)
【文献】
特開2011−060614(JP,A)
【文献】
特開2014−123516(JP,A)
【文献】
特開2004−095357(JP,A)
【文献】
特開2002−343320(JP,A)
【文献】
特開2007−202341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 10/48
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/643
H01M 10/647
H01M 10/6551
H01M 10/6554
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ2つの電極を有する複数のセルと、
回路基板を有して前記複数のセルの充放電を制御する制御部と、
2つの端子が同方向に面するように設けられるとともに、前記複数のセル及び前記制御部を収容するハウジングと、を有し、
前記ハウジングの一方の端子は前記複数のセルの内で前記一方の端子に最も近接するように配置される端子側セルが接続され、
前記ハウジングの他方の端子は前記複数のセルよりも前記他方の端子に最も近接するように配置される前記制御部を介して該制御部と隣接する制御部側セルが接続され、
前記端子側セルと、前記制御部側セルとの間において折り返し部が設定され、
前記複数のセルは、前記2つの電極が対向するよう二列に配置され、同列において隣接しあうセルは極性の異なる電極同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極同士が電気的に接続され、
前記折り返し部は、前記ハウジングの端子とは反対側に位置し、異なる列の対向する少なくとも一対のセルにおける一方の異なる極性の電極同士を接続する配線部材で構成されることを特徴とするバッテリー。
【請求項2】
それぞれ2つの電極を有する複数のセルと、
回路基板を有して前記複数のセルの充放電を制御する制御部と、
2つの端子が同方向に面するように設けられるとともに、前記複数のセル及び前記制御部を収容するハウジングと、を有し、
前記ハウジングの一方の端子は前記複数のセルの内で前記一方の端子に最も近接するように配置される端子側セルが接続され、
前記ハウジングの他方の端子は前記複数のセルよりも前記他方の端子に最も近接するように配置される前記制御部を介して該制御部と隣接する制御部側セルが接続され、
前記端子側セルと、前記制御部側セルとの間において折り返し部が設定され、
前記複数のセルは、前記2つの電極が同方向を向くように二段に配置され、同段において隣接しあうセルは極性の異なる電極同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極同士が電気的に接続され、
前記折り返し部は、前記ハウジングの端子とは反対側に位置し、異なる段の2つのセルの異なる極性の電極同士を接続する配線部材で構成されることを特徴とするバッテリー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバッテリーにおいて、
前記セルは、その外郭が略多角柱状又は略円柱状をなすように形成され、前記2つの電極が同一面から同一方向に突出してなり、
前記制御部は、前記セルが収容される最小体積の直方体と同じ、又は該直方体に収容可能な大きさであることを特徴とするバッテリー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のバッテリーにおいて、
前記ハウジングは、扁平な箱状をなし、3つ以上の奇数個の前記セルと1個の前記制御部を収容することを特徴とするバッテリー。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のバッテリーにおいて、
前記制御部には、放熱を行う放熱部が設けられることを特徴とするバッテリー。
【請求項6】
請求項5に記載のバッテリーにおいて、
前記放熱部は、前記複数のセルの少なくとも1つと当接し、当接する前記セルの放熱も行うことを特徴とするバッテリー。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のバッテリーにおいて、
前記制御部は、前記回路基板上に電流検出回路と昇降圧回路と制御回路とを有し、
前記電流検出回路と前記昇降圧回路は、前記制御回路よりも前記回路基板上において隣接する前記制御部側セルの電極が面する側に配置されることを特徴とするバッテリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、奇数個のセルを有するバッテリーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりセル(単電池)を複数組み合わせたバッテリーが広く知られている。このようなバッテリーは例えば車両などに用いられている(例えば特許文献1参照)。
このようなバッテリーは、略扁平箱状(六面体)のセルを複数積層し、積層したものを2つ(2列)並設して1つのモジュールとしている。このとき、各セルは六面の内で最も表面積の大きな面で積層している。このため、各セルの積層方向における厚みは薄く、積層しても同積層方向においては比較的薄型化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−125612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなバッテリーでは、複数のセルやこれらセルの充放電を制御する制御部とをハウジング内に収容することが考えられる。そして、各セルや制御部は配線部材によってそれぞれ接続され、ハウジングに形成された2つの端子とも配線部材によって接続される。ところで、ハウジング内に複数のセルと制御部とを収容した状態ではその配置方法によっては配線部材が複雑に入り組み、配線部材が長くなる虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用する配線部材の長さを短くできるバッテリーを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するバッテリーは、それぞれ2つの電極を有する複数のセルと、回路基板を有して前記複数のセルの充放電を制御する制御部と、2つの端子が同方向に面するように設けられるとともに、前記複数のセル及び前記制御部を収容するハウジングと、を有し、前記ハウジングの一方の端子は前記複数のセルの内で
前記一方の端子に最も近接するように配置される端子側セルが接続され、前記ハウジングの他方の端子は前記複数のセル
よりも前記他方の端子に最も近接するように配置される前記制御部
を介して該制御部と隣接する制御部側セルが接続され、前記端子側セルと、前記制御部側セルとの間において折り返し部が設定され、前記複数のセルは、前記2つの電極が対向するよう二列に配置され、同列において隣接しあうセルは極性の異なる電極同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極同士が電気的に接続され、前記折り返し部は、前記ハウジングの端子とは反対側に位置し、異なる列の対向する少なくとも一対のセルにおける一方の異なる極性の電極同士を接続する配線部材で構成されることを特徴とするバッテリー。
【0007】
この構成によれば、2つの端子間の電流経路が折り返し部によって折り返されるため、同一方向に面する2つの端子間の電流経路を短くすることが可能となる。これによって配線部材の長さを短くすることができる。
加えて、各列のセルの電極同士が対向するため、各列のセルの電極同士を接続する際の距離を近づけることができ、折り返し部を構成する配線部材を短くすることができる。また、隣接するセルは極性の異なる電極同士が近接するため、配線部材の長さをより短くすることができ、電流経路をより短くすることができる。
【0010】
バッテリーは、それぞれ2つの電極を有する複数のセルと、回路基板を有して前記複数のセルの充放電を制御する制御部と、2つの端子が同方向に面するように設けられるとともに、前記複数のセル及び前記制御部を収容するハウジングと、を有し、前記ハウジングの一方の端子は前記複数のセルの内で
前記一方の端子に最も近接するように配置される端子側セルが接続され、前記ハウジングの他方の端子は前記複数のセル
よりも前記他方の端子に最も近接するように配置される前記制御部
を介して該制御部と隣接する制御部側セルが接続され、前記端子側セルと、前記制御部側セルとの間において折り返し部が設定され、前記複数のセルは、前記2つの電極が同方向を向くように二段に配置され、同段において隣接しあうセルは極性の異なる電極同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極同士が電気的に接続され、前記折り返し部は、前記ハウジングの端子とは反対側に位置し、異なる段の2つのセルの異なる極性の電極同士を接続する配線部材で構成される。
【0011】
この構成によれば、各セルの電極が同方向に面するように配置されるため、電極同士を接続する際の距離を近づけることができ、折り返し部を構成する配線部材を短くすることができる。また、隣接するセルは極性の異なる電極同士が近接するため、配線部材の長さをより短くすることができ、電流経路をより短くすることができる。
【0012】
上記バッテリーにおいて、前記セルは、その外郭が略多角柱状又は略円柱状をなすように形成され、前記2つの電極が同一面から同一方向に突出してなり、前記制御部は、前記セルが収容される最小体積の直方体と同じ、又は該直方体に収容可能な大きさ
であることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、制御部をハウジングに配置する際にセルが収容される最小体積の直方体以下の大きさであるため、ハウジング内においてセルと制御部とを効率よく配置することができる。
【0014】
上記バッテリーにおいて、前記ハウジングは、扁平な箱状をなし、3つ以上の奇数個の前記セルと1個の前記制御部を収容することが好ましい。
この構成によれば、3つ以上の奇数個のセルと1個の制御部をハウジング内に収容する構成であるため、ハウジング内においてセルと制御部とを効率よく配置することができる。
【0015】
上記バッテリーにおいて、前記制御部は、放熱を行う放熱部が設けられることが好ましい。
この構成によれば、制御部の放熱を放熱部によって行うことができる。また、例えば制御部の厚みがセルの厚みよりも薄い場合には、制御部のみに放熱部を設けることで、バッテリー全体としてセルの厚み方向における大型化を抑えることができる。
【0016】
上記バッテリーにおいて、前記放熱部は、前記奇数個のセルの一部と当接し、当接する前記セルの放熱も行うことが好ましい。
この構成によれば、放熱部によってセルの放熱を行うことができる。
【0017】
上記バッテリーにおいて、前記制御部は、前記回路基板上に電流検出回路と昇降圧回路と制御回路とを有し、前記電流検出回路と前記昇降圧回路は、
前記制御回路よりも前記回路基板上において隣接する前記制御部側セルの電極が面する側に配置されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、発熱しやすい電流検出回路と昇降圧回路とを電流経路となる
制御部側セルの電極側に寄せて配置することで熱の拡散を抑えることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のバッテリーによれば、使用する配線部材の長さを短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態におけるバッテリーの概略構成図である。
【
図3】バッテリーの放熱構造について説明するための側面図である。
【
図4】バッテリーの放熱構造について説明するための側面図である。
【
図5】別例におけるバッテリーの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、バッテリーの一実施形態について説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態のバッテリー10は、略扁平箱状のハウジング11内に奇数個(本実施形態では3個)のセル12,13,14が収容されている。また、
図2に示すようにハウジング11内には制御部20が収容されている。
【0022】
各セル12,13,14は、各セル12,13,14を支持する支持部(図示略)によってハウジング11の所定位置に固定される。各セル12,13,14は、それぞれ略扁平箱状をなすように形成される。また、各セル12,13,14の一面にはマイナス電極12a,13a,14aとプラス電極12b,13b,14bとがそれぞれ設けられる。以下ではマイナス電極12a,13a,14a及びプラス電極12b,13b,14bが設けられた各セル12,13,14の一面を電極面12c,13c,14cという。ちなみに、各セル12,13,14は同一構成である。
【0023】
3つのセル12,13,14は、3辺の内で最も長さの短い厚さ方向が同方向となるように配置されている。なお、ハウジング11の厚さ方向も各セル12,13,14の厚さ方向と一致する。
【0024】
また、3つのセル12,13,14の内の2つのセル12,13は、各電極面12c,13cが同方向を向くように隣接するように配置される。このとき、隣接する2つのセル12,13は、一方のセル12のプラス電極12bと他方のセル13のマイナス電極13aとが近接するように配置される。
【0025】
また、セル13の電極面13cはセル14の電極面14cと対向するように配置される。より具体的には、セル13のマイナス電極13aとセル14のプラス電極14bとが対向し、セル13のプラス電極13bとセル14のマイナス電極14aとが対向するように配置される。
【0026】
上記構成において、セル12及びセル13が2列のセルの内の一方の列のセルに相当し、セル14が2列のセルの内の他方の列のセルに相当する。このため、扁平箱状のハウジング11内において他方の列のセルであるセル14の隣には、各セル12,13,14の1つを収容可能なスペースSが自ずと形成され、このスペースSに制御部20が設けられる。
【0027】
制御部20は、その体格が前記スペースSと同様又はスペースSよりも小さく構成される。制御部20は、回路基板21上に、制御回路22と、電圧測定のためのシャント抵抗23と、昇降圧回路24とを有する。また、制御回路22は、ハウジング11の外部に露出するコネクタCと電気的に接続され、コネクタCに接続された外部機器と信号の送受信が可能となっている。
【0028】
本実施形態の制御部20は、略正方形板状の回路基板21の板厚方向が各セル12,13,14の厚さ方向と一致するように配置されている。さらに、制御部20は、セル14及びセル12と対向するように配置されている。このとき、発熱しやすいシャント抵抗23及び昇降圧回路24は、回路基板21上において対向するセル12側に配設される。
【0029】
次に、上記のように配置された各セル12,13,14、制御部20及びハウジング11の外部露出するボルト端子11a,11bの電気的接続関係を説明する。
ハウジング11の外部に露出したマイナス側のボルト端子11aは、セル12のマイナス電極12aとバスバー31によって電気的に接続される。セル12のプラス電極12bは、バスバー32によって同列で隣接するセル13のマイナス電極13aと電気的に接続される。そして、セル13のプラス電極13bは異なる列であって電極面13cの面直交方向において対向するセル14のマイナス電極14aとバスバー33によって電気的に接続される。このとき、バスバー33はハウジング11の端子11a,11bとは反対側に位置し、対向する異なる列のセル13,14の異なる電極13b,14b同士を接続しており、折り返し部に相当する。
【0030】
また、セル14のプラス電極14bは、隣接する制御部20とバスバー34によって電気的に接続される。そして、制御部20は、バスバー35によってハウジング11の外部に露出したプラス側のボルト端子11bと電気的に接続される。
【0031】
次に、本実施形態のバッテリー10の作用を説明する。
本実施形態のバッテリー10は、セル12,13,14の充放電が制御部20によって制御されて充電や放電(給電)がなされるようになっている。本実施形態のバッテリー10は、ハウジング11内部において扁平箱状のセル12,13,14の厚さ方向と回路基板21の板厚方向とが一致するとともに、厚さ方向と直交する方向においてセル12,14と回路基板21(回路部20)とが対向する。これによって、セル12,13,14の厚さ方向にバッテリーが大きくなることが抑えられている。
【0032】
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)2つの端子11a,11b間の電流経路が折り返し部としてのバスバー33によって折り返されるため、同一方向に面する2つの端子11a,11b間の電流経路を短くすることが可能となる。これによってバスバーの長さを短くすることができる。
【0033】
(2)各列のセル13,14の電極13a,13b,14a,14b同士が対向するため、13,14の電極13a,13b,14a,14bの電極同士を接続する際の距離を近づけることができ、折り返し部を構成するバスバー33を短くすることができる。また、隣接するセル12,13は極性の異なる電極12b,13a同士が近接するため、バスバー32の長さをより短くすることができ、電流経路をより短くすることができる。
【0034】
(3)制御部20をハウジング11に配置する際にセル12,13,14が収容される最小体積の直方体以下の大きさであるため、ハウジング11内においてセル12,13,14と制御部20とを効率よく配置することができる。
【0035】
(4)3つの奇数個のセル12,13,14と1個の制御部20をハウジング11内に収容する構成であるため、ハウジング11内においてセル12,13,14と制御部20とを効率よく配置することができる。
【0036】
(5)発熱しやすいシャント抵抗23(電流検出回路)と昇降圧回路24とを回路基板上において隣接するセルの電極が面する側に配置することで、電流経路が集中する方に寄せて配置することができる。これによって熱の拡散を抑えることができる。
【0037】
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、奇数個のセル12,13,14としてその個数を3個としたが、これに限らない。セルの数を5個以上の奇数としてもよい。この場合であっても、上記実施形態同様に、2列のセルの一方の列のセルの個数が必ず1個多くなるため、少ない方の列のセルに制御部20を設けることができる。また、セルの数を1個としてもよい。また、セルの個数を偶数個としてもよい。
【0038】
・上記実施形態では、発熱しやすい(高熱となりやすい)シャント抵抗23と昇降圧回路24とを電極面12c,14c側に寄せて配置したが、これに限らず、分散させてもよい。
【0039】
・上記実施形態では特に言及していないが、
図3や
図4に示すように、制御部20(制御回路21)に放熱部としてのヒートシンク40を設ける構成を採用してもよい。
図3に示すヒートシンク40は、制御部20の回路基板21のみと当接して主に制御部20の放熱を行う構成である。これによって制御部20の放熱を行うことができる。また、
図3に示すように例えば制御部20の厚みがセル(
図4ではセル12)の厚みよりも薄い場合には、制御部20のみにヒートシンク40を設けることで、バッテリー10全体としてセルの厚み方向における大型化を抑えることができる。
【0040】
図4に示すヒートシンク40は、制御部20の回路基板21に加えてセル(
図4ではセル12のみ)と当接させてセルの放熱も担っている。
・上記実施形態では、一方の列のセル12,13と他方の列のセル14とがセルの厚さ方向と直交する方向で対向する構成としたが、これに限らない。
【0041】
例えば、
図5に示すように、複数のセル12,13,14の配置方法として、2つの電極12a,12b,13a,13b,14a,14bが同方向を向くように厚さ方向において二段に積層配置してもよい。
図5の構成においては、セル12,13が一方の段のセルに相当し、セル14が他方の段のセルに相当する。
【0042】
この場合、制御部20を収容するためのスペースSはハウジング11内においてセル12と厚さ方向において対向する位置であって、前記セル14と隣接する位置となる。また、各電極面12c,13c,14cが同方向に面するように配置されるため、電極12a,12b,13a,13b,14a,14b同士を接続する際の距離を近づけることができ、電流経路を短くすることができる。このような構成において、更に、同段において隣接しあうセル12,13は極性の異なる電極12b,13a同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極12b,13a同士が電気的に接続することが好ましい。このように、隣接するセル12,13は極性の異なる電極12b,13a同士が近接するため、バスバー32の長さをより短くすることができ、電流経路をより短くすることができる。
【0043】
また、セルを二列多段に配置してもよい。例えば二列二段のセルの配置構成について説明する。一段目のセルは、
図1に示すように、3つのセルにて二列となるように配置される。このとき、2つの電極が対向するよう二列に配置され、同列において隣接しあうセルは極性の異なる電極同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極同士が電気的に接続される。二段目のセルは、4つのセルにて二列となるように配置される。即ち、
図1におけるスペースSにもセルが配置された構成である。このとき、一段目のセルと同様に2つの電極が対向するよう二列に配置され、同列において隣接しあうセルは極性の異なる電極同士が近接するように配置されて近接する異なる極性の電極同士が電気的に接続される。このように配置することで、同列の異なる段のセル同士は2つの電極が同方向を向くように配置されることとなる。そして、
図1及び
図2に示したように、ハウジングの端子とは反対側に位置し、異なる列の対向する少なくとも一対のセルにおける一方の異なる極性の電極同士を配線部材(バスバー)で接続することによって折り返される。
【0044】
・上記実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…バッテリー、11…ハウジング、11a,11b…端子、12…セル(端子側セル)、13…セル、14…セル(制御部側セル)、12a,13a,14a…マイナス電極(電極)、12b,13b,14b…プラス電極(電極)、12c,13c,14c…電極面、20…制御部、21…回路基板、23…シャント抵抗、24…昇降圧回路。