(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6528417
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】匿名性管理プログラム、匿名性管理装置及び電子付箋管理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 17/24 20060101AFI20190531BHJP
G06F 17/22 20060101ALI20190531BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20190531BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20190531BHJP
【FI】
G06F17/24 610
G06F17/22 664
G06F21/62 354
G06F3/0484
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-11502(P2015-11502)
(22)【出願日】2015年1月23日
(65)【公開番号】特開2016-136345(P2016-136345A)
(43)【公開日】2016年7月28日
【審査請求日】2017年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(72)【発明者】
【氏名】久野 徹
(72)【発明者】
【氏名】堀切 和典
【審査官】
長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−199406(JP,A)
【文献】
特開2007−148601(JP,A)
【文献】
特開2013−061752(JP,A)
【文献】
特開平07−058858(JP,A)
【文献】
特開2014−116857(JP,A)
【文献】
特開2013−228945(JP,A)
【文献】
特開2014−119809(JP,A)
【文献】
西村 祐貴 外2名,グループレビューにおける匿名性の利用に関する研究,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,2001年 5月25日,第2001巻第48号,p.77-82
【文献】
村田 和義 外4名,遅延時間を用いたチャット参加者の発言制御,ヒューマンインタフェース学会誌,日本,ヒューマンインタフェース学会,2004年11月25日,第6巻第4号,p.411-422
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/20−28
G06F 3/048
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
利用者が使用する端末である送信元から電子付箋情報を受け付けてから、前記送信元からの送信時より人間の短期記憶が失われる時間経過後以降のある時点で、次第に減少していく送信確率に従って、前記電子付箋情報を表示処理する送信先へ送信するように、前記電子付箋情報を前記送信先へ送信する時間を遅延させることにより前記利用者の匿名性を高める遅延手段として機能させるための匿名性管理プログラム。
【請求項2】
前記電子付箋情報が送信されるまでにダミーの電子付箋情報を前記送信先に送信するダミー付箋送信手段としてさらに機能させる請求項1に記載の匿名性管理プログラム。
【請求項3】
前記電子付箋情報の個人情報を削除又は変換して匿名化する匿名化手段としてさらに機能させる請求項1又は2に記載の匿名性管理プログラム。
【請求項4】
前記電子付箋情報に手書き文字が含まれる場合、当該手書き文字をテキスト化するテキスト化手段としてさらに機能させる請求項1−3のいずれか1項に記載の匿名性管理プログラム。
【請求項5】
利用者が使用する端末である送信元から電子付箋情報を受け付けてから、前記送信元からの送信時より人間の短期記憶が失われる時間経過後以降のある時点で、次第に減少していく送信確率に従って、前記電子付箋情報を表示処理する送信先へ送信するように、前記電子付箋情報を前記送信先へ送信する時間を遅延させることにより前記利用者の匿名性を高める遅延手段を有する匿名性管理装置。
【請求項6】
利用者が使用する端末である送信元から電子付箋情報を受け付けてから、前記送信元からの送信時より人間の短期記憶が失われる時間経過後以降のある時点で、次第に減少していく送信確率に従って、前記電子付箋情報を表示処理するように、前記電子付箋情報を表示処理するまでの時間を遅延させることにより前記利用者の匿名性を高める遅延手段を有する電子付箋管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、匿名性管理プログラム、匿名性管理装置及び電子付箋管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、文書中の固有名を開示相手に合わせたレベルで変名にする匿名性管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された匿名性管理装置は、文書を受け付けると、文書中の固有名を抽出してタグ付けし、開示する相手に合わせて予め設定された開示レベルを参照して、当該開示レベルに合わせて文書中の固有名を変名に変換し、文書からタグを外す等の後処理をして出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−92037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電子付箋の表示について匿名性を管理する匿名性管理プログラム、匿名性管理装置及び電子付箋管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の匿名性管理プログラム、匿名性管理装置及び電子付箋管理装置を提供する。
【0007】
[1]コンピュータを、
利用者が使用する端末である送信元から電子付箋情報を受け付けてから、
前記送信元からの送信時より人間の短期記憶が失われる時間経過後以降のある時点で、次第に減少していく送信確率に従って、前記電子付箋情報を表示処理する送信先へ送信する
ように、前記電子付箋情報を前記送信先へ送信する時間を遅延させる
ことにより前記利用者の匿名性を高める遅延手段として機能させるための匿名性管理プログラム。
[2]前記電子付箋情報が送信されるまでにダミーの電子付箋情報を前記送信先に送信するダミー付箋送信手段としてさらに機能させる前記[1]に記載の匿名性管理プログラム。
[3]前記電子付箋情報の個人情報を削除又は変換して匿名化する匿名化手段としてさらに機能させる前記[1]又は[2]に記載の匿名性管理プログラム。
[4]前記電子付箋情報に手書き文字が含まれる場合、当該手書き文字をテキスト化するテキスト化手段としてさらに機能させる前記[1]−[3]のいずれかに記載の匿名性管理プログラム。
[5]
利用者が使用する端末である送信元から電子付箋情報を受け付けてから、
前記送信元からの送信時より人間の短期記憶が失われる時間経過後以降のある時点で、次第に減少していく送信確率に従って、前記電子付箋情報を表示処理する送信先へ送信する
ように、前記電子付箋情報を前記送信先へ送信する時間を遅延させる
ことにより前記利用者の匿名性を高める遅延手段を有する匿名性管理装置。
[6]
利用者が使用する端末である送信元から電子付箋情報を受け付けてから、
前記送信元からの送信時より人間の短期記憶が失われる時間経過後以降のある時点で、次第に減少していく送信確率に従って、前記電子付箋情報を表示処理する
ように、前記電子付箋情報を表示処理するまでの時間を遅延させる
ことにより前記利用者の匿名性を高める遅延手段を有する電子付箋管理装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、5又は6に係る発明によれば、電子付箋の表示について匿名性を管理することができる。
請求項2に係る発明によれば、電子付箋情報が送信されるまでにダミーの電子付箋情報を送信先に送信することができる。
請求項3に係る発明によれば、電子付箋情報の個人情報を削除又は変換することができる。
請求項4に係る発明によれば、電子付箋情報に手書き文字が含まれる場合、当該手書き文字をテキスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る電子付箋管理システムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る匿名性管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、匿名性管理サーバの動作を説明するためのグラフ図及び概略図である。
【
図4】
図4は、匿名性管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
(電子付箋管理システムの構成)
図1は、実施の形態に係る電子付箋管理システムの構成の一例を示す概略図である。
【0011】
この電子付箋管理システム6は、匿名性管理サーバ1と、電子付箋管理サーバ2と、端末3a、3b、3c、3dとをネットワークによって互いに通信可能に接続することで構成される。端末3a、3b、3c、3dは、それぞれ利用者4a、4b、4c、4dによって操作されて電子付箋情報を生成するものであり、例えばタブレット端末である。
【0012】
送信元としての端末3a、3b、3c、3dから送信先としての電子付箋管理サーバ2に電子付箋情報が送信され、電子付箋管理サーバ2によって情報が処理されることにより電子付箋表示部21aは電子付箋等を表示する。また、書類表示部21bは書類の内容等を表示する。電子付箋表示部21a及び書類表示部21bはタッチパネル等で構成され管理者5によって操作される。
【0013】
上記構成において、利用者4a−4d及び管理者5は同室にいて会議をする場合について以下説明する。利用者4a−4dが端末3a−3dを操作して自己の意見等を記載した電子付箋を作成すると、端末3a−3dは匿名性管理サーバ1を介して電子付箋管理サーバ2へ電子付箋情報を送信する。なお、匿名性管理サーバ1は利用者4a−4dから匿名化を要求されている場合、電子付箋管理サーバ2へ電子付箋情報を送信する前に電子付箋情報の匿名化及び送信の遅延処理等を行う。電子付箋管理サーバ2は電子付箋情報を受け付けると電子付箋表示部21aに表示処理する。管理者5は電子付箋表示部21aを操作して表示された電子付箋の位置を変更したりして、会議を進行する。
【0014】
匿名性管理サーバ1は、サーバ型の情報処理装置であり、端末3a、3b、3c、3dの要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPU(Central Processing Unit)やフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0015】
電子付箋管理サーバ2は、サーバ型の情報処理装置であり、端末3a、3b、3c、3dの要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0016】
端末3a、3b、3c、3dは、タブレット端末等の装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0017】
ネットワークは、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信網である。
【0018】
なお、匿名性管理サーバ1の構成は、電子付箋管理サーバ2に含めるものであってもよい。
【0019】
(匿名性管理装置の構成)
図2は、実施の形態に係る匿名性管理サーバ1の構成例を示すブロック図である。
【0020】
匿名性管理サーバ1は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワークを介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0021】
制御部10は、後述する匿名性管理プログラム110を実行することで、付箋情報受付手段100、匿名化手段101、テキスト化手段102、送信遅延手段103、ダミー付箋送信手段104及び個人情報追跡手段105等として機能する。
【0022】
付箋情報受付手段100は、端末3a−3dから電子付箋情報を受け付ける。また、電子付箋情報とともに匿名化の要求の有無を示す情報を受け付ける。
【0023】
匿名化手段101は、匿名化の要求が「有」の場合、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報を匿名化する。匿名化手段101は、匿名化のため、一例として、電子付箋情報に付随するユーザID等の個人情報を削除し、代わりに電子指紋を付与する。なお、削除した個人情報は付与した電子指紋に関連付けて個人情報111として記憶部11に格納する。また、個人情報を削除する他、会議に参加している利用者に予め設定された開示レベルに応じて個人情報を変換してもよい。変換の例としては、イニシャル化、ニックネーム化の他、付箋を作成した利用者の在住地域や所属組織・部門など、利用者の属性情報の一部を抜き出して表示したり、書き込み順を表す通し番号を付与するなどの方法及びこれらを組み合わせた方法が挙げられる。
【0024】
テキスト化手段102は、匿名化の要求が有りの場合に、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報に含まれる手書き文字をOCR(Optical Character Recognition)等によりテキスト化する。
【0025】
送信遅延手段103は、匿名化の要求が有りの場合に、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報であって、匿名化手段101及びテキスト化手段102によって処理された電子付箋情報の、電子付箋管理サーバ2に送信するタイミングを遅延させる。遅延させる時間は、一例として、人間の短期記憶時間を考慮して30秒より長いものとする。なお、遅延させる時間は、会議の状況等によって短期記憶の時間が変動する場合は、これに合わせて変動させるものであってもよい。
【0026】
ダミー付箋送信手段104は、電子付箋表示部21aに電子付箋が貼られていない場合や、貼られていても数が少ない場合等、タイミングを遅延させても匿名性を守れないと考えられる場合、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報を電子付箋管理サーバ2に送信する前に、ダミーの付箋を生成し、電子付箋管理サーバ2に送信して電子付箋表示部21aに表示する。なお、ダミーの付箋を表示するタイミングは、電子付箋情報がいずれの利用者から送信されたものか特定できないようにするものであれば、電子付箋情報の送信前に限らず、送信と同時であってもよいし、送信前であってもよい。
【0027】
個人情報追跡手段105は、管理者5等により匿名化された電子付箋情報の個人情報の参照要求があった場合に、参照要求のあった電子付箋情報の電子指紋に基づいて該当する個人情報を個人情報111から追跡する。
【0028】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100−105として動作させる匿名性管理プログラム110、個人情報111等を記憶する。
【0029】
(匿名性管理装置の動作)
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0030】
図3は、匿名性管理サーバ1の動作を説明するためのグラフ図及び概略図である。また、
図4は、匿名性管理サーバ1の動作例を示すフローチャートである。
【0031】
まず、利用者4a−4dは、
図3の「1.付箋送信」に示すように、端末3a−3dを操作して自己の意見等を記載した電子付箋を作成し、送信ボタンを操作する。端末3a−3dは、匿名性管理サーバ1を介して電子付箋管理サーバ2へ電子付箋情報を送信する。この電子付箋情報の送信タイミングをt=t
1とする。
【0032】
次に、付箋情報受付手段100は、端末3a−3dから電子付箋情報を受け付ける。また、電子付箋情報とともに匿名化の要求の有無を示す情報を受け付ける。
【0033】
ここで、匿名化手段101は、匿名化の要求が「有」の場合(S1;Yes)、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報を匿名化する(S2)。匿名化手段101は、
図3の「2−1.匿名化、テキスト化」に示すように、匿名化のため電子付箋情報に付随するユーザID等の個人情報を削除し、代わりに電子指紋を付与する。
【0034】
また、匿名化手段101は、削除した個人情報は付与した電子指紋に関連付けて個人情報111として記憶部11に格納する(S3)。
【0035】
次に、テキスト化手段102は、
図3の「2−1.匿名化、テキスト化」に示すように、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報に含まれる手書き文字をOCR等によりテキスト化する(S4)。
【0036】
次に、ダミー付箋送信手段104は、電子付箋表示部21aに電子付箋が貼られていない場合(S5;Yes)、その他、貼られていても数が少ない場合等、電子付箋情報を貼り付けるタイミングを遅延させても匿名性を守れないと考えられる場合、付箋情報受付手段100が受け付けた電子付箋情報を電子付箋管理サーバ2に送信する前(時刻t=t
1より前)に、
図3の「2−2.ダミー貼付」に示すように、ダミーの付箋を生成し、電子付箋管理サーバ2に送信して電子付箋表示部21aに表示する(S6)。
【0037】
なお、ダミー付箋の内容としては、会議の内容に関連した情報にするといった方法が考えられる。例えば、会議の議題を表すキーワードに関連したWebページの検索結果に関する情報などを表示する。また、連続して開催される会議の場合であれば、前回の会議での決定事項や指示事項、主要な要旨に関する情報、今回の会議で検討する議事事項などをダミー付箋として表示する。他の例として、会議の議題キーワードに即した情報分析の結果を表示することなども考えられる。このように、ダミー付箋に会議の内容に関連した情報を表示することによって、付箋の貼り付け枚数が少ない時点での匿名性を守りながら、会議参加者による発言や情報整理に役立つという効果が期待できる。
【0038】
次に、送信遅延手段103は、
図3の「3.付箋貼付」に示すように、電子付箋情報の電子付箋管理サーバ2に送信するタイミングを遅延させ(S7)、電子付箋表示部21aに表示する(貼り付ける)(S8)。遅延させる時間、つまりt
2−t
1は、一例として、人間の短期記憶時間を考慮して30秒より長いものとする。また、時刻t
2以降の送信する確率Pは、
図3のグラフ図に示すように、時刻t
2以降で減少していくものを採用できる。時刻t
2以降で減少していくものとしては、一例として、χ二乗分布に従ったものが挙げられる。これは、利用者が操作してから電子付箋情報が表示される期間が、短期記憶時間よりは長くしたいが、あまりに長すぎると情報伝達の観点からタイミングを逸する等、支障が出るためである。
【0039】
なお、その後、管理者5等により匿名化された電子付箋情報の個人情報の参照要求があった場合、個人情報追跡手段105は、参照要求のあった電子付箋情報の電子指紋に基づいて該当する個人情報を個人情報111から追跡し、管理者5に提示する。
【0040】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0041】
例えば、上記実施の形態は閉じた空間で特定多数の利用者を対象とした会議を例に説明したが、街頭等の開いた空間において不特定多数の利用者が電子付箋情報を送信するような場合についても適用できる。この場合、利用者がある程度多数であって、いずれの利用者が操作したか判別しづらい状況においては、貼付のタイミングを遅延しなくてもよい。
【0042】
また、匿名性管理サーバ1と電子付箋管理サーバ2とを一体としてもよいし、一方の機能の一部を他方によって実現するものであってもよい。また、匿名性管理サーバ1と電子付箋管理サーバ2とを一体にした場合(匿名性管理サーバ1の機能を実現する手段を電子付箋管理サーバ2に組み込んだ場合)、送信遅延手段103は送信を遅延させるものではなく、電子付箋表示部21aに対する表示を遅延させる手段に置き換えられる。また、ダミー付箋送信手段104についても送信を遅延させるものではなく、電子付箋表示部21aに対する表示を遅延させる手段に置き換えられる。
【0043】
上記実施の形態では制御部10の各手段100〜105の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD−ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 匿名性管理サーバ
2 電子付箋管理サーバ
3a−3d 端末
4a−4d 利用者
5 管理者
6 電子付箋管理システム
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
21a 電子付箋表示部
21b 書類表示部
100 付箋情報受付手段
101 匿名化手段
102 テキスト化手段
103 送信遅延手段
104 ダミー付箋送信手段
105 個人情報追跡手段
110 匿名性管理プログラム
111 個人情報