(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2画像を前記転写体に転写する第2画像転写モードにおいて、転写電圧を前記第2転写部材に印加し、前記第1画像転写モードにおいて、前記第2画像転写モードにおける転写電圧よりも低い転写電圧を前記第2転写部材に印加し、又は、転写電圧を前記第2転写部材に印加しない印加部
を備える請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向を示し、矢印Wは水平方向であって装置幅方向を示す。
【0016】
≪第1実施形態≫
<画像形成装置10の構成>
図1は、画像形成装置10を正面側から見た構成を示す概略図である。この図に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式により用紙等の記録媒体Pに画像を形成する画像形成部12と、記録媒体Pを搬送する搬送装置50と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部70と、を有している。
【0017】
(搬送装置50)
図1に示されるように、搬送装置50は、記録媒体Pが収容される収容器51と、収容器51から二次転写位置NTへ記録媒体Pを搬送する複数の搬送ロール52と、を有している。さらに、搬送装置50は、二次転写位置NTから定着装置40へ記録媒体Pを搬送する複数の搬送ベルト58と、定着装置40から記録媒体Pの排出部(図示省略)へ向けて記録媒体Pを搬送する搬送ベルト54を有している。
【0018】
(画像形成部12)
画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写する転写装置30と、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱及び加圧して記録媒体Pに定着する定着装置40と、を有している。
【0019】
トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特別色(V)の計5色のトナー画像形成部20が設けられている。この各色のトナー画像形成部20は、特別色(V)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順で、後述の転写ベルト31の搬送方向の上流側から下流側に向けて配置されている。
【0020】
画像形成部12では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像形成部20が標準装備されており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)が標準色となっている。一方、特別色(V)のトナー画像形成部20は、例えば、オプションとして、追加装備が可能なトナー画像形成部20として構成されている。
【0021】
図1に示す(V)、(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色に対応する構成部分を示している。なお、本明細書の説明では、(V)、(Y)、(M)、(C)、(K)の括弧を省略して、V、Y、M、C、Kと記載する場合がある。特別色(V)には、例えば、銀色や金色等の色が用いられる。本実施形態では、後述するように、特別色(V)として、扁平状の顔料(以下、扁平顔料という)を含むトナーによる銀色を用いる例について説明する。なお、扁平顔料を含むトナーにおいては、扁平顔料以外の顔料を含んでいてもよい。
【0022】
〔トナー画像形成部20〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。具体的には、各色のトナー画像形成部20は、
図2に示されるように、
図2における時計周り方向に回転する感光体ドラム21と、感光体ドラム21を帯電させる帯電器22と、を有している。さらに、各色のトナー画像形成部20は、帯電器22によって帯電された感光体ドラム21を露光して感光体ドラム21に静電潜像を形成する露光装置23と、露光装置23によって感光体ドラム21に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置24と、を有している。
【0023】
具体的には、露光装置36は、制御部70が取得した画像データに応じて変調された露光光を感光体ドラム21に照射して、感光体ドラム21に静電潜像を形成するようになっている。この静電潜像が、現像装置24によって現像されることで、画像データに基づくトナー画像が形成される。制御部70が取得する画像データとしては、例えば、外部装置(図示省略)で生成され該外部装置から取得した画像データなどがある。
【0024】
〔転写装置30〕
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を、転写ベルト31(中間転写体)に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像を二次転写位置NTで記録媒体Pに二次転写するようになっている。具体的には、転写装置30は、
図1に示されるように、トナー画像が転写され該トナー画像を記録媒体Pに転写する転写体の一例としての転写ベルト31と、一次転写ロール33と、二次転写ロール34と、を備えている。
【0025】
[転写ベルト31]
転写ベルト31は、
図1に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、
図1に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。転写ベルト31は、矢印A方向に周回することで、一次転写された各色のトナー画像を、各色の一次転写位置Tから二次転写位置NTへ搬送するようになっている。
【0026】
また、複数のロール32のうち、
図1に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、
図1に示すロール32Bは、二次転写ロール34の対向ロール32Bとして機能する。対向ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
【0027】
[一次転写ロール33]
一次転写ロール33は、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写するロールであり、転写ベルト31の内側に配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで、対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33には、給電部37(
図2参照)によって、トナー極性とは逆極性の一次転写電圧(一次転写電流)が印加されるようになっている。これにより、トナー画像形成部20の感光体ドラム21と一次転写ロール33との間に転写電界が形成されて、感光体ドラム21に形成されたトナー画像に対して静電力が作用し、当該トナー画像が一次転写位置Tで転写ベルト31に転写される。
【0028】
また、本実施形態では、一次転写ロール33は、
図3(A)(B)に示されるように、駆動部(図示省略)によって回転するカム230によって、感光体ドラム21との軸間距離が可変とされている。
【0029】
具体的には、
図3(A)に示されるように、カム230の長径部分が一次転写ロール33の軸部35に接触する回転位置でカム230が停止することで、一次転写ロール33は、転写ベルト31に押し付けられる。これにより、転写ベルト31は、一次転写ロール33と感光体ドラム21Vとよって挟まれた状態(ニップ状態)となる。
【0030】
また、
図3(B)に示されるように、カム230の短径部分が一次転写ロール33の軸部35に接触する回転位置でカム230が停止することで、一次転写ロール33が感光体ドラム21から遠ざかる。これにより、転写ベルト31は、一次転写ロール33と感光体ドラム21Vとによるニップ状態が解除される。なお、転写ベルト31は、一次転写ロール33と共に感光体ドラム21から遠ざかり、感光体ドラム21に対して非接触となる。
【0031】
このように、一次転写ロール33は、感光体ドラム21とで転写ベルト31を挟むニップ状態と、当該ニップ状態を解除する解除状態とに可変とされている。
【0032】
[二次転写ロール34]
二次転写ロール34は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像を記録媒体Pに転写するロールである。二次転写ロール34は、
図1に示されるように、対向ロール32Bとの間に転写ベルト31を挟むように配置されており、二次転写ロール34と転写ベルト31とは予め定められた荷重にて接触している。このように接触している二次転写ロール34と転写ベルト31の間が二次転写位置NTとされる。この二次転写位置NTには、収容器51から適時に記録媒体Pが供給されるようになっている。二次転写ロール34は、
図1における時計周り方向へ回転駆動される。
【0033】
また、二次転写ロール34には、給電部80によって、対向ロール32Bに負極性の電圧が印加され、対向ロール32Bと二次転写ロール34との間に電位差が生じる。すなわち、対向ロール32Bに負極性の電圧が印加されることで、対向ロール32Bの対向電極をなす二次転写ロール34にトナー極性と逆極性の二次転写電圧(正極性の電圧)が間接的に印加される。これにより、対向ロール32Bと二次転写ロール34との間に転写電界が形成されて、転写ベルト31のトナー画像に対して静電力が作用し、二次転写位置NTを通過する記録媒体Pに、転写ベルト31からトナー画像が転写される。
【0034】
〔定着装置〕
定着装置40は、複数のロール43に巻き掛けられた定着ベルト41と加圧ロール42とで形成される定着ニップNFにおいてトナー画像を加熱しつつ加圧することで、トナー画像を記録媒体Pに定着する構成とされている。
【0035】
ロール43のうち、例えば、ロール43Hが駆動ロールとされており、ロール43Hが回転駆動することで、定着ベルト41が矢印R方向に周回するようになっている。
【0036】
また、ロール43Hの内部には、ハロゲンランプ等の熱源44が設けられている。この熱源44によってロール43Hを介して定着ベルト41が加熱される。
【0037】
また、加圧ロール42は、図示せぬモータから伝達される駆動力により、定着ベルト41の周速度と同様の周速度で回転するようになっている。
【0038】
<要部構成>
本実施形態では、トナー画像形成部20V(第1形成部の一例)は、特別色(V)としての銀色のトナー(以下、銀色トナーという)でトナー画像(第1画像の一例)を形成する構成とされている(
図1参照)。このトナー画像は、前述のように、一次転写ロール33V(第1転写部材の一例)によって、一次転写位置TVにて感光体ドラム21Vから転写ベルト31へ転写される。なお、以下、説明の便宜上、銀色トナーで形成されたトナー画像を「銀色画像」と称する。
【0039】
トナー画像形成部20Vで用いられる銀色トナー112は、
図5に示されるように、扁平顔料の一例としての顔料110とバインダー樹脂111とを含んで構成されている。顔料110は、アルミニウム等の金属で構成されている。そして、顔料110を平面に置いて側方から見ると、顔料110は、
図4(B)に示されるように、図中左右方向の寸法が図中上下方向の寸法に対して長くなる形状とされている。顔料110は、左右方向の寸法と上下方向の寸法との寸法比が、後述のカラー色トナーの顔料における当該寸法比よりも大きくされている。また、銀色トナーは、粒径が後述のカラー色トナーよりも大きくなっている。具体的には、後述のカラー色トナーの体積平均粒径が、例えば4〜6μm程度とされるのに対して、銀色トナーの体積平均粒径は、例えば10μm程度とされる。
【0040】
また、
図4(B)に示す顔料110を図中上方から見ると、顔料110は、
図4(A)に示されるように、側方から見た形状に対して広がった形状とされ、顔料110は、顔料110を平面に置いた状態(
図4(B)参照)で、上方及び下方を向く一対の反射面110Aを有している。このように、顔料110は、扁平形状とされている。なお、銀色トナーは、顔料の形状に倣って扁平形状をしている。
【0041】
一方、トナー画像形成部20Y、20M、20C、20K(第2形成部の一例)は、それぞれ、前述のように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナーでトナー画像(第2画像の一例)を形成する構成とされている(
図1参照)。このトナー画像は、前述のように、各一次転写ロール33Y、33M、33C、33K(第2転写部材の一例)によって、各一次転写位置TY、TM、TC、TK(以下、TY〜TKと示す)にて各感光体ドラム21Y、21M、21C、21K(以下、21Y〜21Kと示す)から転写ベルト31へ転写される。
【0042】
具体的には、各給電部37Y、37M、37C、37K(印加部の一例)によって、各一次転写ロール33Y、33M、33C、33K(以下、33Y〜33Kと示す)にトナー極性とは逆極性の一次転写電圧(一次転写電流)が印加される。これにより、各感光体ドラム21Y〜21Kと各一次転写ロール33Y〜33Kとの間に転写電界が形成されて、感光体ドラム21Y〜21Kに形成されたトナー画像に対して静電力が作用し、当該トナー画像が転写ベルト31に転写される。
【0043】
トナー画像形成部20Y、20M、20C、20K(以下、20Y〜20Kと示す)で用いられるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナーは、扁平顔料を含まず、扁平顔料以外の顔料(例えば、有機顔料、無機顔料)とバインダー樹脂とを含んで構成されている。当該顔料は、銀色トナーの顔料110に比して、球形状に近い形状をしている。
【0044】
なお、本明細書では、説明の便宜上、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)を「カラー色」と称し、カラー色のトナーを「カラー色トナー」と称し、カラー色トナーで形成されたトナー画像を「カラー色画像」と称する。
【0045】
ここで、本実施形態では、制御部70は、外部装置(図示省略)から画像形成指令と共にジョブデータを受けるように構成されている。
【0046】
ジョブデータには、各トナー画像形成部20V、20Y〜20Kに形成させるトナー画像の画像データと、画像データに付随する他のデータとが含まれる。他のデータには、画像が形成される記録媒体Pのサイズ(搬送方向と交差する方向における記録媒体Pの幅)等が含まれる。また、画像データには、画像を形成するため画像密度(%)のデータと、画像幅のデータとが含まれている。
【0047】
画像形成指令としては、例えば、銀色画像の形成指令と、カラー色画像の形成指令と、混色画像の形成指令と、がある。銀色画像の形成指令は、カラー色画像を記録媒体Pに形成せずに銀色画像を記録媒体Pに形成する画像形成指令である。カラー色画像の形成指令は、銀色画像を記録媒体Pに形成せずにカラー色画像を記録媒体Pに形成する画像形成指令である。混色画像の形成指令は、銀色画像及びカラー色画像を記録媒体Pに形成する画像形成指令である。
【0048】
また、制御部70は、銀色画像の形成指令を受けた場合に、カラー色画像を記録媒体Pに形成せずに銀色画像を記録媒体Pに形成する動作(単色モード)を実行する。単色モードでは、トナー画像形成部20Vの感光体ドラム21Vに銀色画像が形成され、当該銀色画像が転写ベルト31に転写される。一方、トナー画像形成部20Y〜20Kは稼働されない。このため、カラー色画像が形成されず、カラー色画像が転写ベルト31に転写されない。そして、転写ベルト31に転写された銀色画像は、記録媒体Pに転写された後、定着装置40で記録媒体Pに定着される。
【0049】
このように、単色モードは、銀色画像を転写ベルト31に転写し、かつカラー色画像を転写ベルト31に転写しない第1画像転写モードの一例である。
【0050】
また、制御部70は、カラー色画像の形成指令を受けた場合に銀色画像を記録媒体Pに形成せずに、カラー色画像を記録媒体Pに形成する動作(カラー色モード)を実行する。カラー色モードでは、各トナー画像形成部20Y〜20Kの感光体ドラム21Y〜21Kに各カラー色画像が形成される。当該カラー色画像は、各一次転写ロール33Y〜33Kにトナー極性とは逆極性の一次転写電圧(一次転写電流)が印加されることで、転写ベルト31に転写される。一方、トナー画像形成部20Vでは、銀色画像は形成されず、銀色画像が転写ベルト31に転写されない。そして、転写ベルト31に転写されたカラー色画像は、記録媒体Pに転写された後、定着装置40で記録媒体Pに定着される。
【0051】
さらに、制御部70は、混色画像の形成指令を受けた場合に、銀色画像とカラー色画像とを記録媒体Pに形成する動作(混色モード)を実行する。混色モードでは、トナー画像形成部20Vの感光体ドラム21Vに銀色画像が形成され、当該銀色画像が転写ベルト31に転写される。また、混色モードでは、各トナー画像形成部20Y〜20Kの感光体ドラム21Y〜21Kに各カラー色画像が形成され、当該カラー色画像が転写ベルト31に転写される。そして、転写ベルト31に転写された銀色画像及びカラー色画像は、記録媒体Pに転写された後、定着装置40で記録媒体Pに定着される。
【0052】
このように、混色モード及びカラー色モードは、カラー色画像を転写ベルト31に転写する第2画像転写モードの一例である。
【0053】
そして、本実施形態では、単色モードにおいて、トナー画像形成部20Y〜20Kが稼働されないものの、各一次転写位置TY〜TKにおいて、転写ベルト31が各一次転写ロール33Y〜33Kと各感光体ドラム21Y〜21Kとに挟まれたニップ状態となる。なお、トナー画像形成部20Y〜20Kでは、帯電器22による帯電動作、露光装置23による露光動作及び現像装置24による現像動作が行われないが、転写ベルト31の移動抵抗とならないように感光体ドラム21は回転する。
【0054】
単色モードでは、具体的には、制御部70が、各一次転写ロール33Y〜33Kにおいて、
図3(A)に示す回転位置にカム230を停止させる。これにより、各一次転写ロール33Y〜33Kが転写ベルト31に押し付けられて、転写ベルト31が各一次転写ロール33Y〜33Kと各感光体ドラム21Y〜21Kとで挟まれる。
【0055】
さらに、単色モードでは、制御部70によって、各給電部37Y〜37Kは、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加を停止する構成とされている。
【0056】
<要部構成の作用>
次に、要部構成の作用について説明する。ここでは、制御部70が、カラー色画像を記録媒体Pに形成せずに銀色画像を記録媒体Pに形成する銀色画像の形成指令を受けた場合における作用を説明する。
【0057】
制御部70は、銀色画像の形成指令を受けると、カラー色画像を記録媒体Pに形成せずに銀色画像を記録媒体Pに形成する動作(単色モード)を実行する。単色モードでは、トナー画像形成部20Y〜20Kは稼働されず、トナー画像形成部20Vが稼働される(
図1参照)。
【0058】
さらに、単独モードでは、トナー画像形成部20Y〜20Kが稼働されないものの、各一次転写位置TY〜TKにおいて、転写ベルト31が各一次転写ロール33Y〜33Kと各感光体ドラム21Y〜21Kとに挟まれたニップ状態にする。具体的には、制御部70が、各一次転写ロール33Y〜33Kにおいて、
図3(A)に示す回転位置にカム230を停止させることで、転写ベルト31がニップ状態となる。なお、各感光体ドラム21Y〜21Kは、転写ベルト31の移動抵抗とならないように回転する。
【0059】
また、単独モードでは、制御部70によって、各給電部37Y、37M、37C、37Kは、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加を停止する。
【0060】
そして、トナー画像形成部20Vが稼働されることで、トナー画像形成部20Vにおいて、帯電器22による帯電動作、露光装置23による露光動作及び現像装置24による現像動作が行われ、感光体ドラム21Vに銀色画像が形成される。
【0061】
この銀色画像は、一次転写位置TVにおいて、転写ベルト31がニップ状態とされると共に、給電部37Vによって一次転写ロール33Vへ転写電圧が印加されることで、転写ベルト31に転写される。
【0062】
転写ベルト31に転写された銀色画像は、転写ベルト31がニップ状態とされた各一次転写位置TY〜TKを通過する。そして、転写ベルト31に転写された銀色画像は、二次転写位置NTにて転写ベルト31から記録媒体Pに転写される。
【0063】
銀色画像が転写された記録媒体Pは、定着装置40の定着ニップNFへ搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過する記録媒体Pに対し、熱及び圧力を付与する。これにより、記録媒体Pに転写された銀色画像が記録媒体Pに定着される。
【0064】
ここで、転写ベルト31に転写された銀色トナー112は、
図5に示されるように、転写ベルト31上において、分極化することで、銀色トナー112の長手方向が、転写ベルト31に対する直交方向に沿った状態(立った状態)となりやすい。また、各一次転写位置Vにおける転写電圧の印加により、電荷の注入が生じて分極化が促進され、転写ベルト31上に立った状態で存在するトナーの量が増加する。
【0065】
また、銀色画像を転写ベルト31から記録媒体Pに転写する際に、例えば、二次転写ロール34にその軸方向への振動等が発生すると、転写ベルト31に対して記録媒体Pが二次転写ロール34の軸方向の一方及び他方へ交互に相対移動しながら、銀色画像が記録媒体Pに転写される。これにより、転写された銀色画像における銀色トナーの顔料110の姿勢が振動周期に従って変化する。この顔料110の周期的な姿勢の変化によって、定着後の銀色画像において、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが生じる。すなわち、定着後の銀色画像において、
図6に示されるような顔料110の配向ムラが発生する。顔料110の配向ムラが発生すると、顔料110からの反射光によって視認される金属光沢感にムラが発生する。
【0066】
図6に示す例では、記録媒体Pの搬送方向Dと交差する方向に帯状にされた暗部PAと明部PBとが、搬送方向Dに交互に並んだムラとなっている。このムラは、
図6の矢印X方向から視認した場合に視認されるムラである。具体的には、暗部PAは、
図7(A)に示されるように、顔料110が視認方向Xに沿った姿勢とされ、視認側への反射光が相対的に低い状態となっている。一方、明部PBは、
図7(B)に示されるように、顔料110が視認方向Xに対面する姿勢とされ、視認側への反射光が相対的に高い状態となっている。なお、
図7(A)は、
図6の矢視Aにおける模式的な断面図であり、
図7(B)は、
図6の矢視Bにおける模式的な断面図である。
【0067】
これに対して、本実施形態では、前述のように、転写ベルト31に転写された銀色画像は、転写ベルト31がニップ状態とされた各一次転写位置TY〜TKを通過する。
【0068】
このため、各一次転写位置TY〜TKにおいて、転写ベルト31上の銀色トナーが加圧され、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されている場合に比べ、銀色画像における銀色トナー同士が寝た状態で密着し、銀色トナーが凝集する。さらに、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されている場合に比べ、銀色画像の銀色トナーと転写ベルト31との接触面積が増大し、銀色トナーと転写ベルト31との付着力(密着性)が高まる。
【0069】
さらに、本実施形態では、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加が停止される。このため、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧が各一次転写ロール33Y〜33Kへ印加される場合に比べ、銀色トナーの分極化が抑制される。このため、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧が各一次転写ロール33Y〜33Kへ印加される場合に比べ、銀色トナーが、転写ベルト31上で立ちにくく、転写ベルト31上で寝た状態を維持しやすい。
【0070】
以上により、本実施形態では、銀色画像を転写ベルト31から記録媒体Pに転写する際に、二次転写ロール34にその軸方向への振動等が発生しても、銀色トナーの顔料110が動きにくく、顔料110の姿勢が局所的に変化しにくい。
【0071】
したがって、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されている場合に比べ、転写ベルト31から記録媒体Pに転写された銀色画像の銀色トナーに含まれる顔料110の姿勢の周期的なばらつきが抑制される。また、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧が各一次転写ロール33Y〜33Kへ印加される場合に比べ、転写ベルト31から記録媒体Pに転写された銀色画像の銀色トナーに含まれる顔料110の姿勢の周期的なばらつきが抑制される。これにより、記録媒体Pに形成された銀色画像において、金属光沢感のムラが発生することが抑制される。
【0072】
<評価>
前述した画像形成装置10の構成を有する実機(Color 1000 Press 改造機(富士ゼロックス株式会社製))を用い、一次転写位置TY〜TKにおける転写ベルト31のニップ状態と、一次転写ロール33Y〜33Kに対する転写電圧の値を変えて銀色画像を定着した場合に、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが発生するか否かを評価した。
【0073】
当該評価では、定着された画像を目視にて金属光沢感のムラを確認することで、顔料110の姿勢の周期的なばらつきの発生の有無を評価した。また、当該評価では、画像密度100%の銀色画像を記録媒体の全幅に形成した。
【0074】
なお、当該評価の結果を示す
図8の表において、「ニップオン」とは、一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31がニップ状態であることを示し、「ニップオフ」とは、一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されていることを示す。
【0075】
また、「転写電圧通常」とは、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧を用いた場合を示し、具体的な電圧値として、例えば、2.3(kv)を用いた。「転写電圧半減」、「転写電圧3/4減」は、それぞれ「転写電圧通常」の電圧値を半減、3/4減した電圧値を用いたことを示す。「転写電圧オフ」とは、一次転写ロール33Y〜33Kに対する電圧印加を停止したことを示す。すなわち、一次転写ロール33Y〜33Kに対する転写電圧の電圧値を0としたことを示す。
【0076】
本評価の結果、比較例(ニップオフ+転写電圧通常)の場合には、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが発生した。
【0077】
実施例1(ニップオン+転写電圧通常)の場合には、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが発生したものの、比較例よりも良化していた。
【0078】
実施例2(ニップオン+転写電圧半減)の場合には、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが発生したものの、実施例1よりも良化し、顔料110の姿勢の周期的なばらつきの発生の程度が軽微であった。
【0079】
実施例3(転写ニップオン+転写電圧3/4減)及び実施例4(転写ニップオン+転写電圧オフ3/4減)の場合は、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが未発生となった。
【0080】
さらに、比較例、実施例1、2において、画像密度95%の銀色画像を記録媒体(A3サイズ)の幅に対して、どの程度の画像幅で形成した場合に姿勢の周期的なばらつきが発生するかを評価した。
【0081】
この結果、比較例では、
図9に示されるように、150mm以上の画像幅で形成した場合に姿勢の周期的なばらつき(金属光沢感のムラ)が視認された。これに対して、実施例1では、
図10に示されるように、223mm以上の画像幅で形成した場合に姿勢の周期的なばらつきが視認された。実施例2では、
図11に示されるように、260mm以上の画像幅で形成した場合に姿勢の周期的なばらつきが視認された。
【0082】
このように、比較例よりも実施例1のほうが、姿勢の周期的なばらつきが視認されにくく、さらに、実施例1よりも実施例2のほうが、姿勢の周期的なばらつきが視認されにくいことが確認された。
【0083】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。なお、第1実施形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を適宜省略する。
【0084】
<第2実施形態の構成>
第2実施形態では、単色モードにおいて、画像密度95%以上の銀色画像が記録媒体の幅の50%以上を占める場合(
図12において破線で囲まれた領域B参照)に、各一次転写位置TY〜TKにおいて、転写ベルト31が各一次転写ロール33Y〜33Kと各感光体ドラム21Y〜21Kとに挟まれたニップ状態となる。
【0085】
具体的には、制御部70が、各一次転写ロール33Y〜33Kにおいて、
図3(A)に示す回転位置にカム230を停止させる。これにより、各一次転写ロール33Y〜33Kが転写ベルト31に押し付けられて、転写ベルト31が各一次転写ロール33Y〜33Kと各感光体ドラム21Y〜21Kとで挟まれる。
【0086】
さらに、単色モードにおいて、制御部70によって、各給電部37Y〜37Kは、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加を停止する構成とされている。
【0087】
また、単色モードにおいて、カラー色画像及び銀色画像を転写ベルト31に転写し、かつ、画像密度95%以上の銀色画像が記録媒体の幅の50%未満を占める場合(
図12において破線で囲まれた領域A参照)に、各一次転写位置TY〜TKにおいて、転写ベルト31のニップ状態が解除される。なお、単色モードにおいて、カラー色画像及び銀色画像を転写ベルト31に転写し、かつ、画像密度95%以上の銀色画像が記録媒体の幅の50%未満を占める場合(
図12において破線で囲まれた領域B参照)でも、各給電部37Y、37M、37C、37Kは、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加を停止する。
【0088】
ここで、制御部70は、銀色画像の形成指令を受けた場合に、ジョブデータから画像密度95%以上の銀色画像が、記録媒体の幅の50%以上を占めるか否かを判断する。具体的には、制御部70は、ジョブデータに基づいて、実際に画像が形成される記録媒体Pの媒体幅に対して、画像密度95%以上の銀色画像が形成される画像幅の比率が、50%以上であるか否かで判断する。
【0089】
画像密度とは、露光装置23が感光体ドラム21上に形成する露光ドットを1画素とした場合、単位面積当たりに含まれる総画素数に対して、現像装置24により現像されるトナー画像の画素数の百分率のことをいう。
【0090】
また、画像幅は、銀色画像における記録媒体の幅方向に沿った幅のうち最大幅とされる。媒体幅は、実際に画像が形成される記録媒体Pの幅のうち最大幅とされる。
【0091】
ここで、記録媒体Pに形成されるトナー画像の画像密度が高く、当該トナー画像の画像幅が広い場合に、転写ベルト31と記録媒体Pとの間の付着力が低下し、記録媒体Pが転写ベルト31に対して相対移動しやすい。このため、
図6に示されるような顔料110の姿勢の周期的なばらつきが発生しやすい。また、記録媒体Pに形成されるトナー画像の画像密度が高く、当該トナー画像の画像幅が広い場合に、顔料110の姿勢が局所的に変化したときに、銀色トナーにおける顔料110の姿勢の周期的なばらつきが、金属光沢感のムラとして目視により視認されやすい。
【0092】
発明者は、特に、画像密度95%以上の銀色画像が記録媒体Pの幅の50%以上を占める場合(
図12において破線で囲まれた領域B参照)において、記録媒体Pが転写ベルト31に対して相対移動しやすく、銀色トナーにおける顔料110の姿勢の周期的なばらつきが、金属光沢感のムラとして視認されやすいとの知見を得た(前述の評価参照、
図9参照)。
【0093】
<第2実施形態の作用>
制御部70は、銀色画像の形成指令を受けると、ジョブデータに基づいて、実際に画像が形成される記録媒体Pの媒体幅に対して、画像密度95%以上の銀色画像が形成される画像幅の比率が50%以上であるか否かで判断する。
【0094】
この判断の結果、画像密度95%以上の銀色画像が記録媒体の幅の50%以上を占める場合には、制御部70は、トナー画像形成部20V(
図1参照)を稼働すると共に、各一次転写ロール33Y〜33Kにおけるカム230の駆動及び各給電部37Y〜37Kの駆動を以下のように制御する。
【0095】
すなわち、制御部70が、各一次転写ロール33Y〜33Kにおいて、
図3(A)に示す回転位置にカム230を停止させることで、転写ベルト31がニップ状態となる。
【0096】
また、制御部70によって、各給電部37Y〜37Kは、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加を停止する。なお、このとき、トナー画像形成部20Y〜20Kは稼働されないが、各感光体ドラム21Y〜21Kは、転写ベルト31の移動抵抗とならないように回転する。
【0097】
そして、トナー画像形成部20Vが稼働されることで、トナー画像形成部20Vにおいて、帯電器22による帯電動作、露光装置23による露光動作及び現像装置24による現像動作が行われ、感光体ドラム21Vに銀色画像が形成される。
【0098】
この銀色画像は、一次転写位置TVにおいて、転写ベルト31がニップ状態とされると共に、給電部37Vによって一次転写ロール33Vへ転写電圧が印加されることで、転写ベルト31に転写される。
【0099】
転写ベルト31に転写された銀色画像は、転写ベルト31がニップ状態とされた各一次転写位置TY〜TKを通過する。そして、転写ベルト31に転写された銀色画像は、二次転写位置NTにて転写ベルト31から記録媒体Pに転写される。
【0100】
銀色画像が転写された記録媒体Pは、定着装置40の定着ニップNFへ搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過する記録媒体Pに対し、熱及び圧力を付与する。これにより、記録媒体Pに転写された銀色画像が記録媒体Pに定着される。
【0101】
本実施形態では、前述のように、転写ベルト31に転写された銀色画像は、転写ベルト31がニップ状態とされた各一次転写位置TY〜TKを通過する。
【0102】
このため、各一次転写位置TY〜TKにおいて、転写ベルト31上の銀色トナーが加圧され、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されている場合に比べ、銀色画像における銀色トナー同士が寝た状態で密着し、銀色トナーが凝集する。さらに、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されている場合に比べ、銀色画像の銀色トナーと転写ベルト31との接触面積が増大し、銀色トナーと転写ベルト31との付着力(密着性)が高まる。
【0103】
さらに、本実施形態では、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加が停止される。このため、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧が各一次転写ロール33Y〜33Kへ印加される場合に比べ、銀色トナーの分極化が抑制される。このため、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧が各一次転写ロール33Y〜33Kへ印加される場合に比べ、銀色トナーが、転写ベルト31上で立ちにくく、転写ベルト31上で寝た状態を維持しやすい。
【0104】
以上により、本実施形態では、銀色画像を転写ベルト31から記録媒体Pに転写する際に、二次転写ロール34にその軸方向への振動等が発生しても、銀色トナーの顔料110が動きにくく、顔料110の姿勢が局所的に変化しにくい。
【0105】
したがって、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31のニップ状態が解除されている場合に比べ、転写ベルト31から記録媒体Pに転写された銀色画像の銀色トナーに含まれる顔料110の姿勢の周期的なばらつきが抑制される。また、混色モードにおける転写電圧と同じ転写電圧が各一次転写ロール33Y〜33Kへ印加される場合に比べ、転写ベルト31から記録媒体Pに転写された銀色画像の銀色トナーに含まれる顔料110の姿勢の周期的なばらつきが抑制される。これにより、記録媒体Pに形成された銀色画像において、金属光沢感のムラが発生することが抑制される。
【0106】
一方、記録媒体Pの媒体幅に対する画像密度95%以上の銀色画像における画像幅の比率が50%以上であるか否かの判断の結果、画像密度95%以上の銀色画像が記録媒体の幅の50%未満を占める場合には、制御部70は、トナー画像形成部20V(
図1参照)を稼働すると共に、各一次転写ロール33Y〜33Kにおけるカム230の駆動及び各給電部37Y〜37Kの駆動を制御する。
【0107】
すなわち、制御部70が、各一次転写ロール33Y〜33Kにおいて、
図3(B)に示す回転位置にカム230が停止されることで、転写ベルト31のニップ状態が解除される。すなわち、各一次転写位置TY〜TKにおいて転写ベルト31が挟まれていない状態となる。
【0108】
また、制御部70によって、各給電部37Y〜37Kは、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加を停止する。なお、このとき、トナー画像形成部20Y〜20Kは稼働されない。
【0109】
このように、本実施形態では、前述のように、転写ベルト31に転写された銀色画像は、転写ベルト31のニップ状態が解除された各一次転写位置TY〜TKを通過する。
【0110】
このため、転写ベルト31に転写された銀色画像が、転写ベルト31がニップ状態とされた各一次転写位置TY〜TKを通過する場合に生じる二次障害が発生しない。二次障害としては、例えば、各感光体ドラム21Y〜21Kに残留したカラー色トナーが、転写ベルト31に転移することが挙げられる。
【0111】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、制御部70は、記録媒体Pの媒体幅に対する画像密度95%以上の銀色画像における画像幅の比率に基づき、各一次転写位置TY〜TKにおける転写ベルト31のニップ状態を変えたがこれに限られない。例えば、画像密度95%以上の銀色画像における画像幅が、予め定められた幅(例えば、148.5mm(A3サイズの50%幅))以上であるか否かで、各一次転写位置TY〜TKにおける転写ベルト31のニップ状態を変えてもよい。
【0112】
≪第1、第2実施形態の変形例≫
また、前述の実施形態では、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧の印加が停止されていたが、これに限られない。例えば、混色モードにおける転写電圧の1/4以下の転写電圧を各一次転写ロール33Y〜33Kに印加してもよい。すなわち、各給電部37Y、37M、37C、37Kは、混色モードにおける転写電圧よりも(絶対値が)低い転写電圧を各一次転写ロール33Y〜33Kに印加する構成であってもよい。なお、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧を混色モードにおける転写電圧の1/4以下することで、前述の評価で示すように、顔料110の姿勢の周期的なばらつきが未発生となる。
また、一次転写ロール33Y〜33Kのうち、少なくとも1つにおいて、転写電圧の印加が停止する構成であってもよい。さらに、各一次転写ロール33Y〜33Kへの転写電圧が、混色モードにおける転写電圧と同じであってもよい。
【0113】
前述の実施形態では、一次転写位置TY〜TKの全てで転写ベルト31がニップ状態となっていたが、これに限られない。各一次転写位置TY〜TKのうち少なくとも一か所で、転写ベルト31がニップ状態となっていればよい。
【0114】
また、前述の実施形態では、特別色(V)のトナー画像形成部20Vが、複数のトナー画像形成部20のうち最上流側に配置されていたが、これに限られない。特別色(V)のトナー画像形成部20Vは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像形成部20のいずれかの上流側に配置されていればよい。
【0115】
また、前述の実施形態では、扁平顔料を含むトナーとして、銀色トナーを用いたが、これに限られず、金色などの金属色のトナーを用いてもよい。なお、金色のトナーは、例えば、アルミニウムなどで構成された扁平顔料と黄色の顔料と含んで構成される。すなわち、扁平顔料を含むトナーとしては、扁平顔料以外の顔料を含んでいてもよい。
【0116】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。