(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
温水から熱を回収して冷媒を加熱する排熱回収器、該排熱回収器を出た冷媒を圧縮する圧縮機、該圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器及び該凝縮器を出た冷媒を膨張させる絞り膨張器を環状に接続し、冷媒を循環させるヒートポンプ部と、
前記温水を前記排熱回収器に供給して排出させる温水供給部と、
前記凝縮器に被加熱水を供給し、該被加熱水を前記冷媒によって加熱して蒸気を生成する蒸気生成部と、
を備えるヒートポンプ式蒸気生成装置であって、
前記温水供給部によって前記排熱回収器に供給される、該排熱回収器の上流側の温水の熱量を監視する熱量監視部と、
前記熱量監視部での監視結果に基づき、前記冷媒の流通量を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするヒートポンプ式蒸気生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ヒートポンプ式蒸気生成装置では、熱源として工場排水等の排温水を利用するため、例えば排温水の供給量や温度が通常時に比べて大幅に低下した場合には、ヒートポンプ装置が排熱回収器から熱を十分に回収することができなくなる可能性がある。そうすると、排熱回収器で冷媒が蒸発できなくなり、液相の冷媒が圧縮機に吸入される液バックと呼ばれる状態となり、最悪の場合圧縮機の破損に至る。
【0006】
このような圧縮機の破損を避けるため、上記した過熱度制御を利用して過熱度を監視し、例えば吐出側の過熱度がゼロとなった場合にヒートポンプ装置(圧縮機)を緊急停止する方法もある。ところが、一旦圧縮機を停止してしまうと、冷媒回路内の温度や圧力が均等になるまで待機する必要があり、再起動までに相当な時間を要する。その結果、その後に排温水の供給量や温度が回復した場合であっても、安定して蒸気を生成するまでにはある程度の時間が必要となり、蒸気の利用設備に影響を及ぼす懸念がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、熱源となる温水の状態の変化に対応することができ、運転を安定して継続することができるヒートポンプ式蒸気生成装置及び該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置は、温水から熱を回収して冷媒を加熱する排熱回収器、該排熱回収器を出た冷媒を圧縮する圧縮機、該圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器及び該凝縮器を出た冷媒を膨張させる絞り膨張器を環状に接続し、冷媒を循環させるヒートポンプ部と、前記温水を前記排熱回収器に供給して排出させる温水供給部と、前記凝縮器に被加熱水を供給し、該被加熱水を前記冷媒によって加熱して蒸気を生成する蒸気生成部とを備えるヒートポンプ式蒸気生成装置であって、前記温水供給部によって前記排熱回収器に供給される温水の熱量を監視する熱量監視部と、前記熱量監視部での監視結果に基づき、前記温水及び前記冷媒の少なくとも一方の流通量を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置の運転方法は、ヒートポンプサイクルを用いて温水から熱を回収し、回収した熱を被加熱水に伝達して蒸気を生成するヒートポンプ式蒸気生成装置の運転方法であって、前記温水の熱量を監視し、その監視結果に基づき、前記温水及び前記ヒートポンプサイクルを流通する冷媒の少なくとも一方の流通量を制御することを特徴とする。
【0010】
このような構成及び方法によれば、ヒートポンプ部(ヒートポンプサイクル)の熱源となる温水の状態が変化した場合に温水及び冷媒の少なくとも一方の流通量を制御することで、温水の熱量不足に基づくヒートポンプ部の運転の緊急停止を可及的に回避することができる。このため、装置の運転を安定して継続することができ、蒸気利用設備に対して蒸気を安定して供給することができる。
【0011】
上記構成において、前記制御部は、前記熱量監視部によって監視される前記温水の熱量が設定熱量となるように前記温水供給部によって前記排熱回収器に供給する温水の流量を制御する構成であってもよい。また、上記方法において、前記監視される前記温水の熱量が設定熱量となるように前記排熱回収器に供給する温水の流量を制御してもよい。これにより、排熱回収器に供給される温水の熱量を設定熱量に維持することができる。
【0012】
上記構成において、前記温水供給部には、前記排熱回収器に供給する温水の熱量を測定する熱量測定手段と、前記排熱回収器を流通する温水量を調節する温水流量調節手段とが設けられ、前記制御部は、前記熱量測定手段によって測定される温水の熱量が予め設定された熱量となるように前記温水流量調節手段を駆動制御して温水の流量を制御することで、前記温水の熱量を前記設定熱量に制御する構成であってもよい。
【0013】
上記構成において、前記熱量測定手段は、前記排熱回収器に供給する温水の温度を測定する温度測定手段であり、前記制御部は、前記温度測定手段によって測定される温水の温度と、前記温水流量調節手段によって送り出される温水の流量とに基づき、前記排熱回収器に供給する温水の熱量が予め設定された熱量となるように前記温水流量調節手段を駆動制御して温水の流量を制御することで、前記温水の熱量を前記設定熱量に制御する構成であってもよい。
【0014】
上記構成において、前記制御部は、前記熱量監視部によって監視される前記温水の熱量が所定値未満となった場合に、前記ヒートポンプ部での冷媒流量を通常運転モードよりも低減するように制御する待機運転モードを実行する構成であってもよい。また、上記方法において、前記監視される前記温水の熱量が所定値未満となった場合に、前記冷媒流量を通常運転モードよりも低減するように制御する待機運転モードに切り替えてもよい。これにより、ヒートポンプ部(ヒートポンプサイクル)の熱源となる温水の熱量が不足した場合にヒートポンプ部を待機運転モードに移行させてその冷媒流量を通常運転モードよりも低減することで、排熱回収器に供給する温水の熱量が不足している間もヒートポンプ部の運転を継続し、その緊急停止を可及的に回避することができる。そして、温水の熱量が回復した後は迅速に通常運転モードに移行することができるため、蒸気の生成が滞る時間を最小限に抑えることができる。
【0015】
上記構成において、前記熱量監視部は、前記排熱回収器に供給される温水の流量に基づき、前記熱量が所定値未満であるか否かを判定する構成であってもよい。
【0016】
上記構成において、前記熱量監視部は、前記排熱回収器に供給される温水の温度と、前記排熱回収器から排出される温水の温度との温度差に基づき、前記熱量が所定値未満であるか否かを判定する構成であってもよい。
【0017】
上記構成において、前記温水供給部には、前記温水を前記排熱回収器へと送り出すポンプが設けられ、前記熱量監視部は、前記ポンプの駆動回転数に基づき、前記熱量が所定値未満であるか否かを判定する構成であってもよい。
【0018】
上記構成において、前記熱量監視部は、前記排熱回収器に供給される温水の温度に基づき、前記熱量が所定値未満であるか否かを判定する構成であってもよい。
【0019】
上記構成において、前記待機運転モード中に、前記熱量監視部によって前記熱量が所定値以上と判定された場合には、前記制御部は、前記ヒートポンプ部での冷媒流量を増加させ、通常運転モードに復帰させる制御を行うことで、温水の熱量回復後には迅速に待機運転モードから通常運転モードに移行することができる。
【0020】
上記構成において、前記制御部は、前記待機運転モードから前記通常運転モードに復帰させる場合は、前記ヒートポンプ部の起動時と同じ制御パターンを実行する構成であってもよい。これにより、待機運転モードから通常運転モードに復帰させる際に圧縮機の駆動回転数及び絞り膨張器の開度が急激に増大することを防ぎ、圧縮機に液相の冷媒が吸入されることを回避できる。
【0021】
上記構成において、前記制御部は、前記圧縮機の吐出側若しくは吸入側の過熱度、前記排熱回収器に供給される温水の温度と前記排熱回収器から排出される温水の温度との温度差、又は、前記排熱回収器に供給される温水の温度若しくは流量が一定時間以上所定値未満であった場合に、前記ヒートポンプ部の運転を停止する構成であってもよい。
【0022】
上記構成において、前記制御部は、前記熱量監視部によって監視される前記温水の熱量が設定熱量となるように前記温水供給部から前記排熱回収器に供給する温水の流量を制御すると共に、前記排熱回収器に供給される温水の熱量が所定値未満となった場合には、前記ヒートポンプ部での冷媒流量を低減する制御を行う待機運転モードを実行する構成であってもよい。また、上記方法において、前記監視される前記温水の熱量が設定熱量となるように前記排熱回収器に供給する温水の流量を制御すると共に、前記排熱回収器に供給される温水の熱量が所定値未満となった場合には、前記冷媒流量を低減する制御を行う待機運転モードに切り替えてもよい。これにより、排熱回収器に供給される温水の熱量を設定熱量に維持しつつ、温水供給源の状態の影響によってその維持が困難になった場合には待機運転モードに移行することで排熱回収器に供給する温水の熱量が不足している間もヒートポンプ部の運転を継続し、その緊急停止を可及的に回避することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ヒートポンプ部の熱源となる温水の状態が変化した場合に温水及び冷媒の少なくとも一方の流通量を制御することで、排熱回収器に供給する温水の熱量不足に基づくヒートポンプ部の運転の緊急停止を可及的に回避することができ、装置の運転を安定して継続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置及びその運転方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
1.第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置の説明
図1は、本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10の構成図である。ヒートポンプ式蒸気生成装置10は、工場排水や使用済冷却水等の温水(排温水)から排熱を回収し、回収した排熱を利用して水蒸気を生成するシステムであり、生成した水蒸気は乾燥装置や殺菌装置等の外部の蒸気利用設備12に送られる。
【0027】
図1に示すように、ヒートポンプ式蒸気生成装置10は、水を蒸発させて水蒸気を生成し、外部へと送り出す蒸気生成部14と、温水から熱を回収し、この熱を蒸気生成部14での蒸気生成のための熱源として供給するヒートポンプ部16と、ヒートポンプ部16の熱源となる温水を供給する温水供給部18と、制御部19とを備える。
【0028】
ヒートポンプ部16は、温水から熱を回収して冷媒を加熱する排熱回収器(蒸発器)20と、排熱回収器20を出た冷媒を圧縮する圧縮機22と、圧縮機22で圧縮された冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器24と、凝縮器24を出た冷媒を膨張させる絞り膨張器26とを順に冷媒配管で環状に接続し、冷媒を循環させる冷凍サイクル装置(ヒートポンプサイクル)である。
【0029】
圧縮機22で圧縮されて高温高圧となった冷媒は、凝縮器24で蒸気生成部14を循環する水(被加熱水)と熱交換して冷却され凝縮する。凝縮器24を出た冷媒は電子膨張弁である絞り膨張器26で絞り膨張され、排熱回収器20で温水供給部18の温水配管28を流れる温水から吸熱して蒸発し、再び圧縮機22へと戻る。
【0030】
ヒートポンプ部16は制御部19の制御下に、例えば通常運転時、圧縮行程中の冷媒が所定の過熱度以上になるように圧縮機22の駆動回転数及び絞り膨張器26の開度を調整する過熱度制御(通常運転モード)で運転される。この過熱度制御は、例えば圧縮機22の吐出側に設けられた図示しない圧力センサ及び温度センサの検出値(吐出圧及び吐出温度)に基づき実行される。
【0031】
蒸気生成部14は、容器内部に水を貯留する気液分離器30と、ヒートポンプ部16を循環する冷媒を熱源として水を蒸発させる蒸気生成器として機能する凝縮器24と、気液分離器30から送り出される水蒸気を圧縮して昇圧する蒸気圧縮機32とを備える。気液分離器30と凝縮器24との間は、気液分離器30の下部壁から凝縮器24を介して気液分離器30の上部壁までを接続する循環配管34によって連通されている。
【0032】
気液分離器30の下部壁に接続された循環配管34に接続された給水配管35から水が補給される。給水ポンプ36は、制御部19の制御下に、供給水の質量流量Q1が、蒸気送出配管38から取出される蒸気の質量流量Q2及び循環配管34へ導入される循環水の質量流量Q3との合計量(Q2+Q3)となるように駆動回転数が制御される場合が多い。また、気液分離器30内に貯留された水の水位を測定する図示しない水位センサの検出値(水位)に基づき、駆動回転数を制御してもよく、両方の制御を併用してもよい。
【0033】
気液分離器30の上端壁には、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10で生成した水蒸気を外部の蒸気利用設備12側へと送り出す蒸気送出配管38が接続されている。凝縮器24を出た水と水蒸気とが混在した二相流は、凝縮器24の出口側の循環配管34から気液分離器30内に導入され、ここで水が分離された後の水蒸気が蒸気送出配管38へと送り出される。
【0034】
温水供給部18は、排熱回収器20に温水を供給すると共に排熱回収器20を出た温水(排水)を排出する温水配管28と、排熱回収器20の上流側の温水配管28に設けられた温水ポンプ(ポンプ)40と、温水ポンプ40と排熱回収器20との間の温水配管28に設けられた熱流量計42とを備える。
【0035】
熱流量計42は、温水配管28によって排熱回収器20に供給される温水の単位時間当たりに流通する熱量(J)である熱流量(W(=J/s))を測定する測定器である。熱流量計42での測定値は、制御部19の熱量監視部44に送信され、温水の熱流量として演算される。熱量監視部44は、熱流量計42による温水の熱流量の測定値に基づき、排熱回収器20に供給する温水の熱量(J)を制御するために、温水ポンプ40の駆動回転数を制御するインバータ46に所定の制御信号を出力する。排熱回収器20を通過した温水は、排熱回収器20の下流側の温水配管28によって系外に排出されるか、或いは別の排熱回収装置によりカスケード利用される。
【0036】
なお、温水供給部18によって排熱回収器20に供給される温水は、例えば常温より高温の水(排温水)であり、例えば60℃以上の温水を排熱回収器20に供給することでヒートポンプ部16を安定して通常運転させることができる。温水の最低温度及び最適温度は圧縮機22の種類やその他機器構成によって適宜決定される。
【0037】
制御部19は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10を統括的に制御するコントローラであり、蒸気生成部14、ヒートポンプ部16及び温水供給部18の運転制御を行う。熱量監視部44は、制御部19の一機能として設けられている。熱量監視部44は、温水配管28によって排熱回収器20に供給される温水の熱量を監視し、その監視結果に基づき、温水供給部18による排熱回収器20への温水の流通量やヒートポンプ部16での冷媒の流通量を制御する。熱量監視部44は、制御部19とは別体に設けられてもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10の動作について、
図2のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
先ず、ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転を開始して起動処理が開始されると(
図2中のステップS1)、圧縮機22、蒸気圧縮機32、給水ポンプ36及び温水ポンプ40の運転が開始される。
【0040】
この起動処理において、制御部19は、ヒートポンプ部16を起動運転モードの制御パターンで運転制御する。起動運転モードでは、例えば圧縮機22の吸入側に設けられた図示しない圧力センサ及び温度センサの検出値(吸入圧及び吸入温度)に基づき、圧縮機22の吸入側の過熱度がゼロとならないように圧縮機22の駆動回転数及び絞り膨張器26の開度を調整しつつ、次第にその駆動回転数及び開度を増大させ、定格運転状態へと導く。
【0041】
そして、起動運転モード中に圧縮機22の吐出側の過熱度が所定値以上となった場合、制御部19はヒートポンプ部16を通常運転モード(定常運転モード)の制御パターンに切り替えることで起動処理が終了する。通常運転モードでは、例えば圧縮機22の吐出圧及び吐出温度に基づき、圧縮機22の吐出側の過熱度が所定値以上となるように圧縮機22の駆動回転数及び絞り膨張器26の開度を調整する。これにより、循環配管34を循環する被加熱水は凝縮器24で蒸発して水蒸気となり、気液分離器30から蒸気送出配管38へと導入され、蒸気圧縮機32によって昇圧された後、外部の蒸気利用設備12へと送り出される。
【0042】
通常運転モードが開始されると、制御部19の熱量監視部44は、熱流量計42の測定値を随時取得することで排熱回収器20に供給される温水の熱量の監視を開始する(ステップS2)。なお、温水の熱量監視は、起動運転モード中に実行開始してもよい。そして、排熱回収器20に供給される温水の熱量が設定熱量の範囲内にある場合には、熱量監視を継続する(ステップS3のYes)。ここで、設定熱量とは、例えばヒートポンプ部16での温水からの回収熱量が不足することなく、ヒートポンプ部16を通常運転モードで安定して運転継続できる程度の範囲内にある熱量である。換言すれば、設定熱量とは、ヒートポンプ部16が温水から回収する熱量により、圧縮機22の吐出側の過熱度を所定値以上に維持することができる程度の熱量である。
【0043】
一方、ステップS3において、排熱回収器20に供給される温水の熱量が設定熱量の範囲外となった場合には(ステップS3のNo)、ステップS4が実行される。温水の熱量が設定熱量の範囲外になる要因は、例えば温水温度が大きく低下した場合、温水ポンプ40に導入される温水流量が低下することで温水ポンプ40から十分な流量の温水を送出できなくなった場合、又は、温水の温度や流量が過度に大きくなり熱量が増大した場合等が挙げられる。
【0044】
ステップS4では、ステップS3の監視結果から温水の熱量の変動に応じた流量となるように温水ポンプ40を制御する。例えばステップS3の監視結果から温水の熱量が低下したと判定された場合、熱量監視部44はPID制御等によってインバータ46を制御し、温水ポンプ40の駆動回転数を増加させ、排熱回収器20に供給される温水の流量を増加させて熱量を増加させる。また、例えばステップS3の監視結果から温水の熱量が増加したと判定された場合、熱量監視部44はPID制御等によってインバータ46を制御し、温水ポンプ40の駆動回転数を低下させ、排熱回収器20に供給される温水の流量を低下させて熱量を低減させる。このように、熱量監視部44は、排熱回収器20に供給される温水の熱量を設定熱量の範囲内とするように温水の供給流量を制御する。なお、排熱回収器20に流通する温水量を調節する温水流量調節手段は温水ポンプ40以外であってもよく、例えばその開度で温水流量を制御可能な調節弁(流量制御弁)等が挙げられる。
【0045】
なお、ステップS3での排熱回収器20への温水の供給熱量の監視は、熱流量計42を用いた方法以外で行うこともできる。例えば
図1に示すように、温水ポンプ40と排熱回収器20との間の温水配管28に温水の温度を測定する温度センサ41を設ける方法が挙げられる。すなわち、熱量監視部44は、インバータ46による温水ポンプ40の駆動回転数(制御回転数)を把握しているため、この駆動回転数から推定される温水の流量と、温度センサ41によって測定される温水温度とから排熱回収器20に供給される温水の熱量を演算し、この演算結果に基づき、ステップS3,S4の制御ステップを行ってもよい。このように熱量測定手段として、熱流量計42に代えて温度測定手段である温度センサ41を用いることで、比較的高コストな熱流量計を比較的低コストな温度センサで代替でき、装置のコストを低減することができる。なお、温度センサ41は排熱回収器20の上流側に設けられていればよく、排熱回収器20に供給される温水の温度が分かる範囲であれば温水ポンプ40より上流側に設けてもよい。
【0046】
続いてステップS5において、制御部19は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10が所定の緊急停止条件範囲内の運転状態にあるか否かを判定する。この緊急停止条件とは、ヒートポンプ部16の運転を緊急に停止するか否かを判断するための条件であり、例えばヒートポンプ部16での冷媒の過熱度、排熱回収器20での入口側と出口側での温水の温度差、及び、排熱回収器20に供給される温水の温度若しくは流量の状態のうちの1又は2以上を利用する。なお、2以上の条件を利用する場合には、いずれか1の条件を満たした際に緊急停止を行うとよい。
【0047】
緊急停止条件として冷媒の過熱度を用いる場合、制御部19は、ヒートポンプ部16での圧縮機22の吐出側又は吸入側の過熱度を求め、求めた過熱度が一定時間所定値未満となった場合、液バックを生じる懸念があると判断し、圧縮機22の運転を緊急停止する。
【0048】
緊急停止条件として温水の温度差を用いる場合、制御部19は、排熱回収器20の入口側及び出口側での温水の温度差を求め、求めた温度差が一定時間所定値未満となった場合、冷媒が回収する温水の熱量が十分ではなく、圧縮機22の吐出側の過熱度がゼロとなり液バックを生じる懸念があると判断し、圧縮機22の運転を緊急停止する。従って、この制御を行う場合には、排熱回収器20の上流側に温度センサ41を設けると共に、下流側にも温度センサ(図示せず)を設ける必要がある。
【0049】
緊急停止条件として温水の温度又は流量を用いる場合、制御部19は、排熱回収器20に供給される温水の温度又は流量を測定し、測定した温度又は流量が一定時間所定値未満となった場合、冷媒が回収する温水の熱量が十分ではなく、圧縮機22の吐出側の過熱度がゼロとなり液バックを生じる懸念があると判断し、圧縮機22の運転を緊急停止する。
【0050】
このように、ステップS5において、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10が所定の緊急停止条件範囲内にあると判定された場合(ステップS5のYes)、圧縮機22の運転が緊急停止される(ステップS6)。その後は、ヒートポンプ部16の冷媒配管内の冷媒の温度や圧力が低下して均温・均圧となり、再起動が可能な条件となった場合には(ステップS7のYes)、再びステップS1に戻って起動処理が行われる。
【0051】
一方、ステップS5において、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10が所定の緊急停止条件範囲内にないと判定された場合(ステップS5のNo)、つまり正常な運転状態にある場合には再びステップS3に戻る。或いは、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転を停止する場合には、停止操作又はタイマ等によって所定の停止処理が行われ、ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転が終了される。
【0052】
ところで、上記ステップS6のようにヒートポンプ部16を緊急停止した場合、その後に再起動が可能な状態となるまでは相当な時間が必要であり、その間、蒸気を生成し蒸気利用設備12に供給することができない事態を生じる。そこで、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10では、緊急停止させる前に待機運転モードを実行し、緊急停止状態となることを未然に防ぐ運転方法を用いることもできる。
【0053】
図3は、第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10の別の運転方法の手順を示すフローチャートである。
【0054】
この運転方法においても、
図3中のステップS11〜S14は、
図2中のステップS1〜S4と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0055】
ステップS15において、制御部19の熱量監視部44は、熱流量計42又は温度センサ41の測定値に基づき排熱回収器20に供給される温水の熱量の監視を継続し、監視熱量が所定値以上の場合はステップS13に戻る(ステップS15のNo)。このステップS15で、監視熱量が所定値以上とは、例えばヒートポンプ部16での温水からの回収熱量が不足することなく、ヒートポンプ部16を通常運転モードで安定して運転継続できる程度の範囲内にある熱量である。つまり、例えばステップS13で温水温度が大きく低下したことで監視熱量が設定熱量範囲外であると判定された後(ステップS13のNo)、ステップS14で温水ポンプ40の流量を増大制御したことで排熱回収器20に供給する温水の熱量が十分に回復した状態である。
【0056】
一方、ステップS15において、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となった場合には(ステップS15のYes)、ステップS16が実行される。例えば、ステップS13で温水温度が大きく低下したことで監視熱量が設定熱量範囲外であると判定された後(ステップS13のNo)、ステップS14で温水ポンプ40の流量を増大制御しても排熱回収器20に供給する温水の熱量が十分に回復しない場合等には、ステップS16で待機運転モードに移行する。つまり、ステップS15での所定値としては、ステップS13での設定熱量と同一又は設定熱量より小さい熱量の値が設定される。
【0057】
待機運転モードでは、制御部19はヒートポンプ部16を、その冷凍サイクルでの冷媒循環量を通常運転モードよりも抑制した運転状態、或いはその冷凍サイクルで実行可能な最低の冷媒循環量とした運転状態に制御する。
【0058】
具体的には、待機運転モードでヒートポンプ部16での冷媒循環量を最低とする場合には、絞り膨張器26の開度を制御可能な範囲で最小の開度まで閉じ、同時に圧縮機22の駆動回転数を制御可能な最低回転数まで減速させる。なお、圧縮機22は、一般的には潤滑油給油機構の関係で最低回転数が規定されているため、例えばこの最低回転数まで減速させる。また、待機運転モードでヒートポンプ部16での冷媒循環量を通常運転モードよりも抑制する場合には、絞り膨張器26の開度を通常運転モード時よりも閉じ、同時に圧縮機22の駆動回転数を通常運転モードよりも減速させる。
【0059】
このような待機運転モードが実行されると、例えば最小開度まで絞られた絞り膨張器26から僅かずつ供給される液冷媒が排熱回収器20内に存在する僅かな熱量を回収して蒸発し、最低回転数まで減速された圧縮機22に吸入されることで、ヒートポンプ部16の運転が継続される。この際、排熱回収器20に導入される液冷媒は、排熱回収器20に存在する僅かな熱量で蒸発を継続できれば圧縮機22に液バックが生じることがない。なお、待機運転モードでは、蒸気生成部14の運転は停止され、凝縮器24での蒸気生成は中断される。
【0060】
このような待機運転モード中にも、制御部19の熱量監視部44は、熱流量計42又は温度センサ41の測定値に基づき排熱回収器20に供給される温水の熱量の監視を継続する(ステップS17)。そして、監視熱量が所定値以上の場合(ステップS17のYes)はステップS18に進み、待機運転モードから通常運転モードに切り替え、ステップS13に戻る。或いは、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転を停止する場合には、停止操作又はタイマ等によって所定の停止処理が行われ、ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転が終了される。なお、ステップS17で監視熱量が所定値以上とは、排熱回収器20に供給される温水の熱量がステップS15の所定値と同一又はステップS15の所定値以上の値となり、ヒートポンプ部16が温水から十分な熱量を回収可能であると判断された熱量である。つまり、温水の熱量が待機運転モード移行前の状態に回復した場合である。
【0061】
但し、待機運転モードから通常運転モードに復帰させる際、その制御パターンを待機運転モードでのパターンから通常運転モードでのパターンに急激に変化させてしまうと、圧縮機22の駆動回転数及び絞り膨張器26の開度が急激に増大し、冷媒が冷凍サイクル内を突然大量に循環して圧縮機22への液バックを生じる懸念がある。
【0062】
そこで、待機運転モードから通常運転モードに復帰させる際には、ステップS11での起動処理における起動運転モードの制御パターンと同じ制御パターンを適用することが好ましい。これにより、圧縮機22の駆動回転数及び絞り膨張器26の開度を次第に増大させ、液バックの発生を未然に防ぐことができる。
【0063】
一方、待機運転モード中に排熱回収器20に供給される監視熱量が所定値未満の場合(ステップS17のNo)には、ステップS19で緊急停止条件の判定が行われる。ステップS19,S20,S21は、それぞれ
図2中のステップS5,S6,S7と同様な制御ステップである。
【0064】
すなわち、排熱回収器20に供給される温水の熱量が回復せず、待機運転モード中に排熱回収器20内に残された温水の熱量を使い切ったような場合には、最早ヒートポンプ部16で冷媒の蒸発が行えなくなり、圧縮機22の吐出側の過熱度がゼロとなる。そのため、ステップS19で緊急停止条件範囲内であると判定され(ステップS19のYes)、圧縮機22の運転が緊急停止される(ステップS20)。その後、再起動が可能な条件となった場合には(ステップS21のYes)、再びステップS1に戻って起動処理が行われる。
【0065】
これに対し、ステップS19において、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10が所定の緊急停止条件範囲内にないと判定された場合には、再びステップS17に戻って待機運転モードを継続する。
【0066】
以上のように、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10では、温水供給部18によって排熱回収器20に供給される温水の熱量を監視する熱量監視部44と、熱量監視部44での監視結果に基づき、温水及び冷媒の少なくとも一方の流通量を制御する制御部19とを備え、制御部19は、熱量監視部44によって監視される温水の熱量が設定熱量となるように温水供給部18によって排熱回収器20に供給する温水の流量を制御する。
【0067】
従って、ヒートポンプ部16の熱源となる温水の状態の変化に柔軟に対応し、排熱回収器20に供給される温水の熱量が不足することを抑制できるため、運転を安定して継続することができ、蒸気利用設備12に対して蒸気を安定して供給することができる。
【0068】
また、制御部19は、排熱回収器20に供給する温水の流量を制御することが困難になり、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となった場合には、ヒートポンプ部16での冷媒流量を低減する制御を行う待機運転モードを実行する。これにより、熱源となる温水の状態の変化によってヒートポンプ部16を緊急停止することを可及的に抑制することができ、例えば温水の流量や温度が低下した場合であってもその回復後に迅速に通常運転モードに移行することで、蒸気生成が長時間に亘って滞ることを回避できる。
【0069】
2.第2の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置の説明
図4は、本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの構成図である。なお、第2の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aにおいて、上記第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0070】
図4に示すように、ヒートポンプ式蒸気生成装置10Aは、
図1に示すヒートポンプ式蒸気生成装置10と同様に、蒸気生成部14と、ヒートポンプ部16と、温水供給部18と、制御部19とを備える。但し、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aは、
図1に示すヒートポンプ式蒸気生成装置10と比べて温水供給部18の構成が変更されており、熱流量計42に代えて流量計50を備え、排熱回収器20の入口側の温水温度を測定する温度センサ41に加えて出口側の温度を測定する温度センサ52を備える。
【0071】
流量計50は、温水配管28によって排熱回収器20に供給される温水の流量(m
3/s)を測定する測定器である。流量計50での測定値は、制御部19の熱量監視部44に送信され、温水の熱量(熱流量)を推定する指標となる。熱量監視部44は、流量計50による温水の流量の測定値に基づき、排熱回収器20に供給する温水の熱量(J)を制御するために、温水ポンプ40の駆動回転数を制御するインバータ46に所定の制御信号を出力する。
【0072】
本実施形態の制御部19を構成する熱量監視部44は、温水配管28によって排熱回収器20に供給される温水の熱量を監視し、その監視結果に基づき、ヒートポンプ部16を通常運転モードから待機運転モードへと移行させる。
【0073】
次に、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの動作について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの運転方法においても、
図5中のステップS101,S102は、
図2中のステップS1,S2と同様である。
【0075】
但し、本実施形態の通常運転モード中における熱量監視にかかるステップS102は、
図2中のステップS2とは温水の熱量の監視方法が異なり、以下の第1〜第4の方法を例示できる。なお、第1〜第4の方法は、複数同時に利用してもよく、その場合は複数の方法のうちの1つが判定基準に達したか否かで判定すればよい。
【0076】
第1に、ステップS102での通常運転モード中の熱量監視を、流量計50の測定値を随時取得することで、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となったか否かを監視する。すなわち、温水の流量が低下するとその熱量が低下したと推定することができる。そこで、例えば流量計50による流量の測定値を、その直前の一定時間(例えば、10秒間)の平均流量と比較し、一定割合(例えば、50%)を下回ったか否かを判定する。従って、この方法を用いる場合には、温度センサ41,52を省略することもできる。
【0077】
第2に、ステップS102での通常運転モード中の熱量監視を、温水ポンプ40の駆動回転数を随時把握しておくことで、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となったか否かを監視する。すなわち、制御部19はインバータ46に指令を送信して温水ポンプ40の駆動回転数を制御しており、そのため温水ポンプ40の駆動回転数を常時取得しているため、温水ポンプ40の駆動回転数を低下させた際には、温水の熱量が低下したと推定することができる。そこで、例えば温水ポンプ40の駆動回転数を、その直前の一定時間(例えば、10秒間)の平均駆動回転数と比較し、一定割合(例えば、50%)を下回ったか否かを判定する。従って、この方法を用いる場合には、温度センサ41,52を省略することもできる。
【0078】
第3に、ステップS102での通常運転モード中の熱量監視を、排熱回収器20の入口側と出口側での温水の温度差、つまり温度センサ41と温度センサ52との測定値の差を随時取得することで、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となったか否かを監視する。すなわち、排熱回収器20の前後の温度差が大きくなるとその流量が低下し、結果としてその熱量が低下したと推定することができる。そこで、例えば温度センサ41,52での測定温度の温度差を、その直前の一定時間(例えば、10秒間)の平均温度差と比較し、一定割合(例えば、150%)を超えたか否かを判定する。従って、この方法を用いる場合には、流量計50を省略することもできる。
【0079】
第4に、ステップS102での通常運転モード中の熱量監視を、排熱回収器20の入口側での温水の温度、つまり温度センサ41の測定値を随時取得することで、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となったか否かを監視する。すなわち、排熱回収器20に供給される温水の温度が低下した場合にはその熱量が低下したと推定することができる。そこで、例えば温度センサ41で測定される温度を、その直前の一定時間(例えば、10秒間)の平均温度と比較し、一定割合(例えば、50%)を下回ったか否かを判定する。従って、この方法を用いる場合には、温度センサ52及び流量計50を省略することもできる。
【0080】
なお、これら第1〜第4に示した熱量監視方法は、上記した第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10の熱量監視(ステップS2,S3,S12,S13)に使用することもでき、また、第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10の熱量監視(ステップS2,S12)を本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの熱量監視に利用することもできる。
【0081】
このような各方法により、ステップS103において、排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となった場合には(ステップS103のYes)、ステップS104で待機運転モードが実行される。ステップS104で実行する待機運転モードは、
図3中のステップS16で実行する待機運転モードと同一又は同様な制御パターンである。
【0082】
なお、ステップS105〜S106,S107〜S109は、
図3中のステップS17〜S18,S19〜S21と同一又は同様な制御ステップでよいため、詳細な説明を省略する。
【0083】
以上のように、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aでは、温水供給部18によって排熱回収器20に供給される温水の熱量を監視する熱量監視部44と、熱量監視部44での監視結果に基づき、冷媒の流通量を制御する制御部19とを備え、制御部19は、熱量監視部44によって監視される排熱回収器20に供給される温水の熱量が所定値未満となった場合に、ヒートポンプ部16での冷媒流量を通常運転モードよりも低減するように制御する待機運転モードを実行する。
【0084】
従って、ヒートポンプ部16の熱源となる温水の状態が変化してその熱量が不足した場合であっても、待機運転モードに移行することでヒートポンプ部16での冷媒循環量を抑制し、排熱回収器20内に残った温水の熱量等を利用してヒートポンプ部16の運転を継続することができ、ヒートポンプ部16を緊急停止することを可及的に抑制することができる。これにより、温水の熱量の回復後には迅速に通常運転モードに移行することができ、蒸気生成が長時間に亘って滞ることを回避できる。
【0085】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。