(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の画像形成システム100の全体図である。
図2は、本実施形態の大容量用紙供給装置2の全体図である。
画像形成システム100は、
図1に示すように、画像形成装置1と、画像形成装置1に用紙P(記録材の一例)を供給する大容量用紙供給装置2(記録材収容装置の一例)とを備えている。
【0010】
なお、本実施形態では、
図1に示す画像形成システム100の紙面手前側と奥側との方向を前後方向Dとして説明する。また、
図1に示す画像形成システム100の紙面上側と下側の方向を上下方向Vとして説明する。さらに、画像形成システム100の紙面左側と右側との方向を左右方向Hとして説明する。また、本実施形態では、左右方向Hにおいて、大容量用紙供給装置2が位置する側を一方側と称し、画像形成装置1が位置する側を他方側と称する。
【0011】
画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部10と、原稿の画像を読み取る画像読取装置20と、用紙Pを搬送する用紙搬送系30と、画像形成部10に用紙Pを供給する第1用紙供給部40と、画像形成部10に用紙Pを供給する第2用紙供給部50とを備えている。また、画像形成装置1は、画像形成部10、用紙搬送系30および第1用紙供給部40を収容する本体筐体部60を備えている。
【0012】
大容量用紙供給装置2は、画像形成装置1とは別体に構成され、画像形成装置1に隣り合うように並列に設置される。そして、本実施形態の大容量用紙供給装置2は、全体的に左右方向Hにおいて移動可能に構成されている。そして、本実施形態では、大容量用紙供給装置2が画像形成装置1から遠ざかる位置に移動することで、画像形成装置1の後述する開閉扉61を外側に開放可能にしている。
【0013】
また、
図2に示すように、本実施形態の大容量用紙供給装置2は、用紙Pを収容する収容部21(後述)を有している。そして、収容部21は、前後方向Dにおいて移動可能に構成されている。そして、本実施形態では、大容量用紙供給装置2から収容部21を引き出した状態で、収容部21内に用紙Pを補充できるようにしている。
以上のように、本実施形態の大容量用紙供給装置2は、少なくとも収容部21が、左右方向Hと、左右方向Hに交差(直交)し左右方向Hとは異なる方向である前後方向Dとにおいて、それぞれ移動可能に構成されている。
なお、大容量用紙供給装置2については、後に詳しく説明する。
【0014】
<画像形成装置1の機能・構成>
画像形成部10は、一定の間隔をおいて並列的に配置される4つの画像形成ユニット11(11Y,11M,11C,11K)が備えられている。各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12を備えており、いわゆる電子写真方式によってトナー像を形成する。各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0015】
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12上に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト13を備えている。また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト13に順次転写(一次転写)する一次転写ロール14を備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト13上に重畳して形成された各色トナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写部15と、二次転写された各色トナー像を用紙Pに定着させる定着部16とを備えている。
【0016】
画像読取装置20は、読み取った画像データを、画像形成部10の制御部に送ったり、本装置外部の装置に対して送信したりする。
【0017】
用紙搬送系30は、第1用紙供給部40から供給された用紙Pを二次転写部15に向けて搬送する第1搬送経路31、第2用紙供給部50から供給された用紙Pを二次転写部15に向けて搬送する第2搬送経路32、大容量用紙供給装置2から供給された用紙Pを二次転写部15に向けて搬送する第3搬送経路33、用紙Pを二次転写部15から定着部16に搬送する第4搬送経路34、および定着部16を通過した用紙Pを反転させて再び二次転写部15に搬送する第5搬送経路35を有している。そして、用紙搬送系30の各搬送経路は、用紙Pを案内する案内部材と、案内部材において用紙Pを移動させる搬送ロールとを有している。
【0018】
第1用紙供給部40は、複数の用紙収容部41を備えて構成される。また、各用紙収容部41は、収容する用紙Pを繰り出す繰出ロール42を有している。そして、第1用紙供給部40は、各用紙収容部41から用紙Pを繰り出して用紙搬送系30に向けて供給する。
【0019】
第2用紙供給部50は、画像形成装置1の外部に積載面を形成する手差しトレイ51を有する。手差しトレイ51は、積載面が上下方向Vにおける上側を向く開いた状態と、積載面を本体筐体部60の側部に対向させた閉じた状態とに位置するように回転可能に設けられている。なお、本実施形態の第2用紙供給部50は、手差しトレイ51が閉じた状態であっても、本体筐体部60の側部にて左右方向Hの一方側に向けて突出する。
【0020】
本体筐体部60は、第1搬送経路31の対向箇所に開閉扉61を有している。開閉扉61は、外側に開かれることによって、第1搬送経路31を露出させる。そして、本実施形態では、開閉扉61を開くことで、例えば第1搬送経路31に用紙Pが詰まった場合などに、用紙Pを取り除くことができるようにしている。
また、本実施形態の画像形成装置1では、開閉扉61を覆うように大容量用紙供給装置2が設置される。なお、本実施形態において、大容量用紙供給装置2が開閉扉61を覆うとは、開閉扉61を完全に覆うことに限定されず、開閉扉61の大部分を覆っている状態や、開閉扉61を部分的に覆う状態も含まれる。
【0021】
<大容量用紙供給装置2の機能・構成>
図3は、本実施形態の大容量用紙供給装置2の断面図である。
図4は、本実施形態の大容量用紙供給装置2の内部の詳細図である。
図5は、本実施形態の第2前後スライドレール27B周辺の部材を説明する図である。
【0022】
大容量用紙供給装置2は、
図3および
図4に示すように、用紙Pを収容する収容部21と、収容部21から画像形成装置1に向けた用紙Pの搬送経路を形成する搬送部22と、搬送部22における用紙Pの搬送の動力源である駆動モータ23と、収容部21等を収容または支持する筐体部24と、大容量用紙供給装置2を全体的に移動可能にする移動ベース部25(移動基礎部の一例)と、左右方向Hの移動を案内する第1左右スライドレール26A(第1方向移動部の一例)と、左右方向Hの移動を案内する第2左右スライドレール26B(第1方向移動部の一例)と、前後方向Dの移動を案内する第1前後スライドレール27Aと、前後方向Dの移動を案内する第2前後スライドレール27B(第2方向移動部の一例)とを有する。
【0023】
(収容部21)
収容部21は、
図3に示すように、下側に設けられる底部211と、底部211の上側に設けられる上昇部212と、底部211の上側に設けられる固定側面部213と、底部211の上側に設けられる可動側面部214とを有する。また、収容部21は、
図3に示すように、第1ブラケット215と、第2ブラケット216とを有している。そして、本実施形態の収容部21は、数千枚の用紙Pを収容可能になっている。
【0024】
底部211は、
図3に示すように、上側において上昇部212を支持する。また、底部211は、下側にて第2ブラケット216を介して第2前後スライドレール27Bに接続する。
上昇部212は、上下方向Vにおいて移動可能に設けられる。そして、上昇部212は、収容する用紙Pの枚数にかかわらず、搬送部22の後述する繰出ロール221に最上位の用紙Pを対向させる。
【0025】
固定側面部213は、
図3に示すように、前後方向Dにおける前側および後側、左右方向Hの他方側にそれぞれ設けられる。そして、複数の固定側面部213は、用紙Pの周囲を囲うように底部211から切り立つように設けられる。
可動側面部214(
図4参照)は、左右方向Hの一方側に設けられる。そして、可動側面部214は、閉じた状態において、底部211から切り立つように設けられる。また、可動側面部214は、上下方向Vに沿って伸びる回転軸を中心として回転可能に設けられる。そして、本実施形態では、可動側面部214は、収容部21を引き出した状態で、外側に向けて開くように回転する(
図2参照)。そして、可動側面部214は、開いた状態になることで、収容部21の上下方向Vにおける上側から下側までを開放する。これにより、ユーザが収容部21の内側に積載される用紙Pに対する操作を容易にする。
【0026】
第1ブラケット215は、
図3に示すように、収容部21において上下方向Vの上側であって、左右方向Hにおける他方側に設けられる。そして、第1ブラケット215は、収容部21(固定側面部213)と第1前後スライドレール27Aとを接続する。
第2ブラケット216は、収容部21において上下方向Vの下側であって、左右方向Hの一方側に設けられる。そして、第2ブラケット216は、収容部21(底部211)と第2前後スライドレール27Bとを接続する。
【0027】
(搬送部22)
搬送部22は、
図3に示すように、繰出ロール221と、搬送ロール222と、ピンチロール223とを有する。
繰出ロール221は、収容部21に収容される用紙Pを繰り出す。そして、繰出ロール221は、繰り出した用紙Pを後段の搬送ロール222およびピンチロール223に供給する。
【0028】
搬送ロール222は、複数(本実施形態では3つ)設けられる。そして、搬送ロール222は、用紙Pを後段の画像形成装置1に向けて搬送する。
ピンチロール223は、各搬送ロール222に対向して設けられる。本実施形態では、搬送ロール222が複数設けられるため、ピンチロール223も複数(本実施形態では3つ)設けられる。そして、ピンチロール223は、搬送ロール222と共に用紙Pを挟み込みながら回転する。
【0029】
(駆動モータ23)
駆動モータ23は、図示しない第1伝達ベルトを介して、繰出ロール221および複数の搬送ロール222を回転させる。
【0030】
(筐体部24)
筐体部24は、
図4に示すように、本体ベース部241(基礎部の一例)と、本体ベース部241の上側に設けられる収容部格納部242と、筐体ブラケット243とを有している。
本体ベース部241は、例えばキャスターなどが取り付けられ、装置本体を設置する設置面に置かれて基礎となる部分である。そして、本実施形態では、本体ベース部241は、大容量用紙供給装置2本体を左右方向Hにおいて移動させる際や、収容部21を前後方向Dに移動させる際に、設置面や画像形成装置1に対して移動せずに固定されている部分である。
そして、本体ベース部241は、第1左右スライドレール26Aおよび第2左右スライドレール26Bを介して移動ベース部25を支持する。
【0031】
収容部格納部242は、
図4に示すように、収容部21の周囲を囲うように設けられる。より詳細には、収容部格納部242は、左右方向Hの一方側にて上下方向Vに沿って延びる一方側フレームポスト242aと、一方側にて前後方向Dに延びる第1前後ビーム部242bと、一方側にて後側に設けられる支持部242cと、前後方向Dの後側に設けられる後側板部242dと、左右方向Hの他方側にて前後方向に延びる第2前後ビーム部242eと他方側にて上下方向Vに沿って延びる他方側フレームポスト242fと、上下方向Vの上側にて左右方向Hに延びる左右ビーム部242gとを有する。
を有している。
【0032】
一方側フレームポスト242aおよび支持部242cは、移動ベース部25の後述する前後レール接続部252に支持される。そして、一方側フレームポスト242aは、第1前後ビーム部242bおよび左右ビーム部242gと接続する。支持部242cは、後側板部242dに接続する。
また、他方側フレームポスト242fは、移動ベース部25の後述する左右レール接続部251に支持される。そして、他方側フレームポスト242fは、第2前後ビーム部242eに接続する。
【0033】
筐体ブラケット243は、本実施形態では、第2前後ビーム部242eに支持される。そして、筐体ブラケット243には、第1前後スライドレール27Aが固定して接続される。
【0034】
(移動ベース部25)
移動ベース部25は、
図3に示すように、左右レール接続部251と、左右レール接続部251と一体的に形成される前後レール接続部252と、さらに前後レール接続部252と一体的に形成される筐体接続部253とを有している。
【0035】
左右レール接続部251は、
図3に示すように、左右方向Hに延びて設けられる部分である。そして、左右レール接続部251は、前後方向Dの前側と後側との2箇所にそれぞれ形成されている。そして、2箇所の左右レール接続部251には、第1左右スライドレール26Aと第2左右スライドレール26Bとがそれぞれ固定して接続される。
また、本実施形態では、左右レール接続部251は、前後方向Dに沿って切断した断面形状は、前後方向Dと比較して上下方向Vが長くなる矩形状に形成されている。つまり、左右レール接続部251は、上下方向Vにおける荷重に対する強度が、例えば前後方向Dと比較して高くなっている。
【0036】
前後レール接続部252は、前後方向Dに沿って延びて設けられる部分である。そして、前後レール接続部252は、
図5に示すように、断面がL字状に形成される箇所である。具体的には、前後レール接続部252は、前後方向Dに長く延びる板状に形成される第1構造部252Aと、前後方向Dに長く延びる板状に形成されるとともに第1構造部252Aから屈曲する第2構造部252Bとを有している。そして、第1構造部252Aは、第2前後スライドレール27Bの下側にて第2前後スライドレール27Bに対向する。また、第2構造部252Bは、第2前後スライドレール27Bの左右方向Hの一方側に位置し、第2前後スライドレール27Bが固定して接続される。そして、前後レール接続部252は、第2前後スライドレール27Bの下側から回り込んで設けられ、第2前後スライドレール27Bを囲うように接続する。
【0037】
筐体接続部253は、
図4に示すように、前後方向Dに沿って延びて設けられる部分である。そして、筐体接続部253は、
図5に示すように、断面がL字状に形成される箇所である。具体的には、筐体接続部253は、前後方向Dに長く延びる板状に形成される第1構造部253Aと、前後方向Dに長く延びる板状に形成されるとともに第1構造部253Aから屈曲する第2構造部253Bとを有している。
そして、左右方向Hの一方側において収容部格納部242の一方側フレームポスト242aと接続する。また、筐体接続部253は、
図4に示すように、収容部格納部242の支持部242cと接続する。このように、筐体接続部253は、左右方向Hの一方側にて、収容部格納部242の上下方向Vにおける下側を支持する。
【0038】
(第1左右スライドレール26A)
第1左右スライドレール26Aは、
図3に示すように、上下方向Vにおける下側であって、前後方向Dにおける手前側に配置される。また、第1左右スライドレール26Aは、左右方向Hに沿って形成される。そして、第1左右スライドレール26Aは、相対移動する一方のレールが本体ベース部241に固定され、他方のレールが移動ベース部25の左右レール接続部251に固定される。
【0039】
(第2左右スライドレール26B)
第2左右スライドレール26Bは、
図4に示すように、上下方向Vにおける下側であって、前後方向Dにおける後側に配置される。また、第2左右スライドレール26Bは、左右方向Hに沿って形成される。そして、第2左右スライドレール26Bは、相対移動する一方のレールが本体ベース部241に固定され、他方のレールが移動ベース部25の左右レール接続部251に固定される。
【0040】
そして、本実施形態の大容量用紙供給装置2において、第1左右スライドレール26Aと第2左右スライドレール26Bとは、左右方向Hにおいて移動ベース部25を本体ベース部241に対して相対的に移動させる。
【0041】
(第1前後スライドレール27A)
第1前後スライドレール27Aは、
図3に示すように、上下方向Vにおける上側であって、左右方向Hにおける他方側に配置される。そして、第1前後スライドレール27Aは、相対移動する一方のレールが第1ブラケット215に固定され、他方のレールが筐体ブラケット243に固定される。
また、第1前後スライドレール27Aは、収容部21に対して搬送部22の付近に配置される。そして、本実施形態の大容量用紙供給装置2では、第1前後スライドレール27Aを、搬送部22が設けられる付近の収容部21に取り付けることによって、搬送部22と収容部21との位置精度を高めて用紙搬送の信頼性を高めている。
【0042】
(第2前後スライドレール27B)
第2前後スライドレール27Bは、
図3に示すように、上下方向Vにおける下側であって、左右方向Hにおける一方側に配置される。特に、本実施形態では、第2前後スライドレール27Bは、左右方向Hにおいて、第1左右スライドレール26Aの横に設けられる。本実施形態では、
図5に示すように、第1左右スライドレール26Aが、本体ベース部241および移動ベース部25の左右レール接続部251に取り付けられる。従って、第2前後スライドレール27Bは、左右方向Hにおいて、本体ベース部241および移動ベース部25の横に配置される。
【0043】
そして、
図5に示すように、第2前後スライドレール27Bは、相対移動する一方のレールが第2ブラケット216に固定され、他方のレールが左右レール接続部251に固定される。
また、本実施形態の第2前後スライドレール27Bは、断面の概形が矩形状に形成されている。そして、本実施形態では、第2前後スライドレール27Bの長手方向が、上下方向に沿うように取り付けられる。
【0044】
そして、本実施形態の大容量用紙供給装置2において、第1前後スライドレール27Aと第2前後スライドレール27Bとは、前後方向Dにおいて、収容部21を収容部格納部242に対して相対的に移動させる(
図2参照)。
【0045】
なお、上述した第1左右スライドレール26A、第2左右スライドレール26B、第1前後スライドレール27Aおよび第2前後スライドレール27Bは、本実施形態では、ボールベアリングを有する2段式のタイプを用いることができる。ただし、この態様に限定されず、一方向に沿って相対的に移動する部材であれば、他のタイプを用いても構わない。
【0046】
続いて、本実施形態の大容量用紙供給装置2における、第1左右スライドレール26A、第2左右スライドレール26B、および第2前後スライドレール27Bとの位置関係について説明する。
なお、以下の説明において、第1左右スライドレール26Aと第2左右スライドレール26Bとを特に区別しない場合には、第1左右スライドレール26Aを代表例として説明する。
【0047】
まず、本実施形態では、
図5に示すように、第1左右スライドレール26A、第2左右スライドレール26B、および第2前後スライドレール27Bは、上下方向Vにおいて、収容部21の底部211よりも下側に配置される。
上記の配置により、例えば、第1左右スライドレール26Aおよび第2左右スライドレール26Bは、収容部21の前後方向Dにおける移動を阻害しないようにしている。
また、本実施形態において、第2前後スライドレール27Bは、収容部21において回転可能に設けられる可動側面部214(
図2参照)の回転動作を阻害しないように配置されている。なお、収容部21において可動側面部214が設けられない場合であっても、第2前後スライドレール27Bを収容部21(底部211)よりも下側に配置することによって、底部211上に用紙Pを積載する際に、第2前後スライドレール27Bが積載作業の邪魔にならないようにしている。
【0048】
そして、
図5に示すように、本実施形態の大容量用紙供給装置2では、第2前後スライドレール27Bは、上下方向Vにおいて、第1左右スライドレール26Aと重なるように設けられる。つまり、第2前後スライドレール27Bと第1左右スライドレール26Aとは、高さ方向でオーバーラップするように配置されている。
具体的には、例えば第1左右スライドレール26Aを左右方向Hに沿って延長した領域(
図5の上下方向Vにおいて上側の仮想線Lvと下側の仮想線Lvとに挟まれた範囲)に、第2前後スライドレール27Bの少なくとも一部が位置するようにしている。この配置は、第2前後スライドレール27Bと第2左右スライドレール26B(
図4参照)との関係においても同様である。
【0049】
また、本実施形態では、第2前後スライドレール27Bの上下方向Vにおける上端部の位置は、第1左右スライドレール26A(第2左右スライドレール26B)の上下方向Vにおける上端部の高さ以下に設定している。
このように構成することによって、本実施形態の大容量用紙供給装置2では、収容部21における底部211の位置をより下側に設け、収容部21における用紙Pの積載容量をより大きくするようにしている。
【0050】
特に、本実施形態では、大容量用紙供給装置2の上側には、第2用紙供給部50のトレイ51が設けられる(
図1参照)。このような装置においては、用紙Pの積載容量を大きくするにあたって、大容量用紙供給装置2の上下方向Vにおける上側に制約が生じる。これに対して、本実施形態の大容量用紙供給装置2では、上下方向Vにおける上側に制約がある場合であっても、収容部21の用紙Pの積載容量をより大きくできる。
【0051】
<第2ブラケット216の取付け位置について>
図6は、第2前後スライドレール27B、収容部21および移動ベース部25の接続関係の説明図である。なお、
図6(a)は、本実施形態の大容量用紙供給装置2を示し、
図6(b)は、変形例1の大容量用紙供給装置2を示す。
まず、上述した本実施形態の大容量用紙供給装置2における第2前後スライドレール27B、第2ブラケット216および移動ベース部25の接続関係および作用について説明する。
図6(a)に示すように、第2前後スライドレール27Bの一方側に前後レール接続部252および筐体接続部253が接続し、第2前後スライドレール27Bの他方側に第2ブラケット216が接続している。
ここで、一方側フレームポスト242aと第2前後スライドレール27Bとの間隔を距離L1とする。また、第2前後スライドレール27Bと左右レール接続部251の一方側の端部との間隔を距離L2とする。
【0052】
そして、本実施形態の大容量用紙供給装置2においては、一方側フレームポスト242aと第2前後スライドレール27Bとの間には、筐体接続部253以外の部材を設ける必要がないため、距離L1を出来る限り広げることができる。つまり、筐体接続部253の断面積を出来る限り大きく形成することが可能となる。一方で、第2前後スライドレール27Bと左右レール接続部251との間には、第2ブラケット216が設けられており、少なくとも第2ブラケット216の幅の分だけ距離L2を縮めることができない。また、第2ブラケット216が移動するため、第2ブラケット216の他方側には一定の間隔を設ける必要があり、距離L2を縮めることができない。
【0053】
そして、本実施形態の大容量用紙供給装置2では、距離L1を比較的大きくとることができるため、一方側フレームポスト242aからの外力に対して、移動ベース部25(筐体接続部253)の強度を高められる。
一方で、本実施形態の大容量用紙供給装置2では、距離L2が比較的広くなる。そのため、移動ベース部25に、第2ブラケット216を介して、多くの用紙Pが収容される収容部21の荷重が掛けられた際に、前後レール接続部252に負荷が掛かる可能性が高まる。
【0054】
次に、変形例1の大容量用紙供給装置2における第2前後スライドレール27B、第2ブラケット216および移動ベース部25の接続関係および作用について説明する。
図6(b)に示すように、変形例1の大容量用紙供給装置2では、第2前後スライドレール27Bの一方側に第2ブラケット216が接続し、第2前後スライドレール27Bの他方側に左右レール接続部251が接続している。
【0055】
そして、変形例1の大容量用紙供給装置2においては、一方側フレームポスト242aと第2前後スライドレール27Bとの間には、第2ブラケット216が設けられるため、少なくとも第2ブラケット216の分だけ、距離L1を大きくとることができない。また、第2ブラケット216が移動するため、第2ブラケット216の一方側に一定の間隔を設ける必要があり、距離L1を大きくとることができない。すなわち、筐体接続部253の断面積の大きさが限られる。一方で、第2前後スライドレール27Bと左右レール接続部251との間には、第2ブラケット216が設けられていないため、第2前後スライドレール27Bと左右レール接続部251とを直接接続するなど、距離L2を出来る限り短くすることができる。
【0056】
そして、変形例2の大容量用紙供給装置2では、距離L1が比較的小さくなるため、一方側フレームポスト242aからの外力に対する移動ベース部25(筐体接続部253)の強度が比較的小さくなる可能性がある。
一方で、変形例2の大容量用紙供給装置2では、距離L2が比較的短くなる。そのため、移動ベース部25に、第2ブラケット216を介して、多くの用紙Pが収容される収容部21の荷重が掛けられた際に、前後レール接続部252に対する負荷を抑制できる。
【0057】
<変形例2および変形例3の第2前後スライドレール27B>
図7は、変形例2および変形例3の大容量用紙供給装置2の全体図である。
図7(a)に示すように、変形例2の大容量用紙供給装置2は、第2前後スライドレール27Bの設置方向が、上述した実施形態とは異なるものである。
具体的には、変形例2では、第2前後スライドレール27Bの断面における長手方向が、左右方向Hに沿うように設けられる。そして、変形例2においても、第2前後スライドレール27Bは、少なくとも一部が、左右方向Hにおいて第1左右スライドレール26Aを延長した領域に位置するように設けられる。
【0058】
図7(b)示すように、変形例3の大容量用紙供給装置2は、第2前後スライドレール27Bの設置方向が、上述した実施形態とは異なるものである。
具体的には、変形例3では、第2前後スライドレール27Bの断面における長手方向が、左右方向Hに対して斜めになるように設けられる。そして、変形例3においても、第2前後スライドレール27Bは、少なくとも一部が、左右方向Hにおいて第1左右スライドレール26Aを延長した領域に位置するように設けられる。
【0059】
以上のように構成される変形例2および変形例3の大容量用紙供給装置2では、第2前後スライドレール27Bの断面における長手方向が、上下方向Vに対して交差する方向を向くようにしている。これによって、変形例2および変形例3では、収容部21における底部211の位置をより下側に設け、収容部21における用紙Pの積載容量を大きく形成することができる。
【0060】
なお、大容量用紙供給装置2が対向して設けられる開閉部は、本実施形態の画像形成システム100において、第1搬送経路31周辺を開閉する開閉扉61であるが、この例に限定されない。つまり、大容量用紙供給装置2が対向する開閉部は、他の構成部を開閉する扉であっても良い。さらに、大容量用紙供給装置2が対向する開閉部は、扉の態様に限定されず、例えば引出しのような一方向において往復移動するものであっても構わない。