特許第6529135号(P6529135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6529135トランスコアを閉ループで脱磁するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6529135
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】トランスコアを閉ループで脱磁するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20190531BHJP
   H01F 13/00 20060101ALI20190531BHJP
   G01R 33/02 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   G01R15/20 C
   H01F13/00 600
   G01R33/02 V
【請求項の数】19
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-527036(P2016-527036)
(86)(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公表番号】特表2016-532862(P2016-532862A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014046699
(87)【国際公開番号】WO2015009724
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】14/176,171
(32)【優先日】2014年2月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/846,408
(32)【優先日】2013年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】カスパー ペトラス ラウレンティウス ファン ブルーンノーヴェン
(72)【発明者】
【氏名】スダーシャン ウダヤシャンカール
(72)【発明者】
【氏名】ゲブハード ホウグ
(72)【発明者】
【氏名】ミクハイル ヴァレルヴィッヒ イヴァノフ
【審査官】 島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−110345(JP,A)
【文献】 特開平07−043389(JP,A)
【文献】 特開昭60−104263(JP,A)
【文献】 特開2011−106890(JP,A)
【文献】 特開昭61−095298(JP,A)
【文献】 特開昭57−073914(JP,A)
【文献】 特開2012−112842(JP,A)
【文献】 特開2012−225664(JP,A)
【文献】 特表2009−536743(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0263151(US,A1)
【文献】 特開平07−073615(JP,A)
【文献】 特開平11−87138(JP,A)
【文献】 特開2000−357611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
G01R 33/02
H01F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気コアを消磁するため自動消磁装置であって、
前記コアに近接するセンサから信号を受け取り、前記コアの磁化極性を示す出力信号を提供するように構成されるセンサインターフェイス回路要素と、
前記コアと磁気的に結合される補償コイルの対応する第1及び第2の端部と結合可能な第1及び第2の出力を備えるコイルインターフェイス回路要素であって、前記第1及び第2の出力をパルス電圧供給ノードに又は共通ノードに選択的に個別に結合するように構成される、前記コイルインターフェイス回路要素と、
自動的に前記コイルインターフェイス回路要素に、前記補償コイルを介して前記コアに複数のパルスを選択的に印加させ、閉ループ式で前記コアを少なくとも部分的に脱磁するために前記センサインターフェイス回路要素からの前記出力信号に少なくとも部分的に従って個々のパルスの極性とエネルギーとを制御させるように構成される制御回路要素と、
を含み、
前記制御回路要素が、前記コイルインターフェイス回路要素に、対応する複数のパルスサイクルにおいて前記複数のパルスを選択的に印加させるように構成され、前記個々のパルスサイクルが、
第1状態における、前記第1及び第2の出力の所与の一方の前記パルス電圧供給ノードへの接続及び前記第1及び第2の出力の他方の前記共通ノードへの同時接続と、
第2の状態における前記第1及び第2の出力両方の前記共通ノードへの接続と、
を含み、
前記制御回路要素が、前記パルスサイクルの少なくとも一部に対して、前記コアの磁化を直近に測定された前記コアの磁化極性と反対の方向に変える次のパルスを提供するために、直前の第2の状態の間前記センサインターフェイス回路要素から受け取られ前記出力信号に従って後続の第1の状態に対して前記第1及び第2の出力の前記所与の一方を選択するように構成され、
前記制御回路要素が、後続のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間を直前のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間より短くるように制御するように構成される、装置。
【請求項2】
請求項に記載の装置であって、
前記制御回路要素が、後続のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間を前記直前のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間の半分より長くるように制御するように構成される、装置。
【請求項3】
請求項に記載の装置であって、
前記制御回路要素が、前記出力信号に従って前記後続の第1の状態に対して前記第1及び第2の出力の前記所与の一方を選択する前に、前記補償コイルにおける電流を実質的にゼロにし得るように前記個々のパルスサイクルにおける前記第2の状態の期間を制御するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項に記載の装置であって、
前記制御回路要素が、所定の終了条件が満たされたとき記コイルインターフェイス回路要素にパルスを前記コアに印加させることを停止、消磁動作の間前記コアに印加された個々のパルスの極性を表すブール符号を提供するように構成される、装置。
【請求項5】
請求項に記載の装置であって、
前記制御回路要素が、前記コイルインターフェイス回路要素に前記第1及び第2の出力両方を前記共通ノードに接続させ、前記コイルインターフェイス回路要素に前記複数のパルスの第1のパルスを前記コアに印加させる前に前記出力信号に従って前記第1及び第2の出力の前記所与の一方を選択するように構成される、装置。
【請求項6】
請求項に記載の装置であって、
前記制御回路要素が、前記コイルインターフェイス回路要素に前記複数のパルスの第1のパルスを前記コアに印加させる前に、前記出力信号とは無関係に前記第1及び第2の出力の前記所与の一方を選択するように構成される、装置。
【請求項7】
請求項に記載の装置であって、
前記センサインターフェイス回路要素が、前記コアの磁化の大きさ前記磁化極性を示す前記出力信号を提供するように構成され、
前記制御回路要素が、前記コイルインターフェイス回路要素に前記複数のパルスの第1のパルスを前記コアに印加させる前に、前記制御インターフェイス回路要素に前記第1及び第2の出力両方を前記共通ノードに接続させ、前記出力信号によって示される前記磁化極性に従って前記第1及び第2の出力の前記所与の一方を選択するように構成され、
前記制御回路要素が、前記出力信号によって示される前記磁化の大きさに少なくとも部分的に従って、前記複数のパルスの前記第1のパルスにおける前記第1の状態の期間を制御するように構成される、装置。
【請求項8】
磁気コアを消磁するため自動消磁装置であって、
前記コアに近接するセンサから信号を受け取り、前記コアの磁化極性を示す出力信号を提供するように構成されるセンサインターフェイス回路要素と、
前記コアと磁気的に結合される補償コイルの対応する第1及び第2の端部と結合可能な第1及び第2の出力を備えるコイルインターフェイス回路要素であって、前記第1及び第2の出力をパルス電圧供給ノードに又は共通ノードに選択的に個別に結合するように構成される、前記コイルインターフェイス回路要素と、
自動的に前記コイルインターフェイス回路要素に、前記補償コイルを介して前記コアに複数のパルスを選択的に印加させ、閉ループ式で前記コアを少なくとも部分的に脱磁するために前記センサインターフェイス回路要素からの前記出力信号に少なくとも部分的に従って個々のパルスの極性とエネルギーとを制御させるように構成される制御回路要素と、
を含み、
前記制御回路要素が、所定の終了条件が満たされたとき前記コイルインターフェイス回路要素にパルスを前記コアに印加させることを停止、消磁動作の間前記コアに印加された個々のパルスの極性を表すブール符号を提供するように構成される、装置。
【請求項9】
請求項に記載の装置であって、
前記センサインターフェイス回路要素前記コイルインターフェイス回路要素前記制御回路要素前記センサが単一の集積回路に統合される、装置。
【請求項10】
請求項に記載の装置であって、
前記制御回路要素が、第1のモードで前記磁気コアを自動的に消磁し、第2のモードで閉ループ電流感知を提供するように、前記センサインターフェイス回路要素前記コイルインターフェイス回路要素を動作させるように構成される、装置。
【請求項11】
磁気コアを消磁するための自動消磁装置であって、
前記コアに近接するセンサから信号を受け取、前記コアの磁化を示す出力信号を提供するように構成されるセンサインターフェイス回路
前記コアと磁気的に結合される補償コイルの対応する第1及び第2の端部と結合可能な第1及び第2の出力を備えコイルインターフェイス回路であって、前記第1及び第2の出力をパルス電圧供給ノードに又は共通ノードに選択的に個別に結合するように構成される、前記コイルインターフェイス回路
制御回路であって
前記センサインターフェイス回路からの前記出力信号が第1の閾値を満足するか又は超えるまで自動的に前記コイルインターフェイス回路に第1の極性の連続的信号を前記補償コイルに印加させ、
前記センサインターフェイス回路からの前記出力信号が前記第1の閾値を満足した後、前記センサインターフェイス回路からの前記出力信号が第2の閾値を満足するか又は超えるまで自動的に前記コイルインターフェイス回路に第2の反対の極性の連続的信号を前記補償コイルに印加させる
ように構成される、前記制御回路と、
を含む、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の自動消磁装置であって、
前記制御回路が、前記センサインターフェイス回路からの前記出力信号が前記第2の閾値を満足した後
自動的に前記コイルインターフェイス回路に、複数のパルスを前記補償コイルを介して前記コアに印加、前記センサインターフェイス回路からの前記出力信号に少なくとも部分的に従って個々のパルスの極性エネルギーを制御させる
ように構成される、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記コイルインターフェイス回路に、対応する複数のパルスサイクルにおいて前記複数のパルスを選択的に印加させるように構成され、前記複数のパルスサイクルが、
第1状態における前記第1及び第2の出力の所与の一方の前記パルス電圧供給ノードへの接続及び前記第1及び第2の出力の他方の前記共通ノードへの同時接続と、
第2の状態における前記第1及び第2の出力両方の前記共通ノードへの接続と
を含み、
前記制御回路が、前記パルスサイクルの少なくとも一部に対して、前記コアの磁化を直近に測定された前記コアの磁化極性と反対の方向に変える次のパルスを提供するために、直前の第2の状態の間前記センサインターフェイス回路から受け取られた前記出力信号に従って後続の第1の状態に対して前記第1及び第2の出力の前記所与の一方を選択するように構成され、
前記制御回路が、後続のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間を直前のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間より短くるよう制御するように構成される、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記制御回路が、後続のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間を前記直前のパルスサイクルにおける前記第1の状態の期間の半分より長くなるよう制御するように構成される、装置。
【請求項15】
磁気コアを自動的消磁するため閉ループ方法であって、
前記コアの少なくとも部分的な脱磁を促進するために前記コアと磁気的に結合される補償コイルに複数のパルスを印加することと、
閉ループ式で前記パルスの少なくとも一部のエネルギーを自動的に制御することと、
前記複数のパルスの直前のパルスに続く期間の間の前記補償コイルにおいて電流が実質的に流れない間に測定される前記コアの磁化極性に少なくとも部分的に従って個々のパルスの所与の1つの極性を自動的に制御することと、
を含み、
前記補償コイルに前記複数のパルスを印加することが、複数のパルスサイクルの各々において、
前記補償コイルの両端を共に接続すること
前記補償コイルの両端が共に接続されており前記補償コイルに実質的に電流が流れない間に前記コアの磁化極性を測定すること
前記補償コイルにパルスを印加することであって、前記印加されるパルスが、前記測定された磁化極性と反対の極性と、直前のパルスのエネルギーより小さなエネルギーとを有する、前記パルスを印加することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記コアの前記磁化極性を測定する前に、前記複数のパルスの第1のパルスを印加することを更に含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
個々のパルスのエネルギーを直前のパルスのエネルギーより小さくなるように自動的に制御することを更に含む、方法。
【請求項18】
磁気コアを自動的消磁するため閉ループ方法であって、
前記コアと磁気的に結合される補償コイルの両端を共に接続すること
前記補償コイルの両端が共に接続されて前記補償コイルに実質的に電流が流れない間に前記コアの磁化極性磁化の大きさを測定すること
前記コアの少なくとも部分的な脱磁を促進するために前記補償コイルに複数のパルスを印加することであって、前記複数のパルスの第1のパルスが、前記コアの前記測定された磁化極性と反対の極性と、前記測定された磁化の大きさに従って決定されるエネルギーとを有する、前記複数のパルスを印加すること
閉ループ式で前記パルスの少なくとも一部のエネルギーを自動的に制御することと、
前記複数のパルスの直前のパルスのパルスに続く期間の間の前記補償コイルにおいて電流が実質的に流れない間に測定される前記コアの磁化極性に少なくとも部分的に従って個々のパルスの所与の1つの極性を自動的に制御することと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
個々のパルスのエネルギーを直前のパルスのエネルギーより小さくなるように自動的に制御することを更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して電流センサに関し、特に、閉ループ磁流センサにおいてトランスコアを脱磁するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
閉ループ電流センサは、一次巻線又は一次導体を取り囲む高透磁率コアとインターフェイスし、二次巻線又は補償コイルは、コア内の磁束がゼロになるまでセンサによって駆動される。この時点で二次電流が測定され、二次電流は一次電流に概して比例する。閉ループ電流センサは、良好な精度及びガルバニック絶縁を提供し、多くの工業応用例において電流を感知するための好ましい解決策である。動作において、閉ループ電流センサのコアは、一次及び二次電流に関してトランスコアの様に動作する。しかし、コアは経時的に磁化され得、これは電流感知性能の精度のオフセット及び低下につながる。例えば、ホストシステムにおいて外部磁石からの強磁界又は過電流状態にコアを曝すと、トランスコアが磁化されることがあり望ましくない。また、センサが無通電の間、コアは大きな一次電流により磁化されることがある。トランスコアが磁化されると磁区がオフセットされ、それによって、二次巻線に印加されるフィードバック電流にオフセットが生じ、磁流センサの精度及びダイナミックレンジが制限される。また、異なるコアの場合、このような磁化の量の追跡又は推定が難しい。
【0003】
センサコア磁化は、電気ドメインにおけるキャリブレーション又はオフセット解除技術によって部分的に対処されてきている。しかし、この手法は磁区オフセットを低減しない。また、電気ドメインにおけるオフセットキャリブレーションは、コストが高く、時間がかかり、熱ドリフトに影響されやすい。
【0004】
開ループ消磁(degaussing)又は脱磁(demagnetizing)技術が試みられてきている。こういった技術では、周波数が増加し且つ/又は振幅が減衰する磁気コアに交流信号が印加される。しかし、これらの消磁技術では、2つの一次電流間の小さな差を正確に感知しなければならない差動電流感知など、多くの応用例に対して指定される精度が確実に得られていない。例えば、感知コアを正確に消磁する能力は、タイミング誤差、消磁動作の間の外部磁化効果、及び磁束密度−磁界強度(B−H)曲線上の脱磁処理が完了する端部位置の不確かさによって制限され、これらの技術は通常、最終的に得られる精度が初期磁化の約±10%しかない。また、系統的な磁化を追跡するために、磁化の初期状態を記録することは難しい。別の欠点は、消磁にかかる時間の長さである。これは、初期磁化レベルに関する知見の不足が、或る特定の方向におけるコアの完全磁化、及びその後、他の方向における全長脱磁シーケンスによって対処されているからである。したがって、既存の消磁及びオフセットキャリブレーションの選択肢では、磁化されたトランスコアを用いた動作に対していくらかの改善が得られるものの、閉ループ磁流センサのための多くの応用例では、これらの技術を用いては達成され得ない精度を指定する。閉ループ磁流センサ及び他の脱磁応用例のための改善された消磁又は脱磁方法及び装置が求められている。
【発明の概要】
【0005】
記載の例において、センサインターフェイス回路要素が、センサから信号を受け取るように、及びコアの磁化極性を示す出力信号を提供するように構成される。コイルインターフェイス回路要素が第1及び第2の出力を有し、第1及び第2の出力は、補償コイルの対応する第1及び第2の端部に結合可能である。この回路要素は、パルス電圧供給ノードに又は共通ノードに第1及び第2の出力を選択的に個別に結合するように構成される。制御回路要素が、自動的にこの回路要素にコイルを介してコアにパルスを選択的に印加させるように、及び離散フィードバックアルゴリズムを用いて閉ループ式でコアを少なくとも部分的に脱磁するようこの回路要素からの出力信号に少なくとも部分的に従って個々のパルスの極性及びエネルギーを制御させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つ又は複数の実施形態の集積された閉ループ自動消磁装置を備えた、例示の閉ループ電流センサシステムの概略図である。
【0007】
図2】自動閉ループ消磁のための第1の例示の方法のフローチャートである。
【0008】
図3】自動閉ループ消磁のための第2の例示の方法のフローチャートである。
【0009】
図4】自動閉ループ消磁のための第3の例示の方法のフローチャートである。
【0010】
図5】磁流センサコアについての例示のヒステリシス曲線のグラフである。
【0011】
図6図1の閉ループ電流センサシステムの補償コイルに印加される例示の消磁電圧パルスのグラフである。
【0012】
図7】集積された閉ループ自動消磁装置の動作において図6の消磁電圧パルスから得られる例示のセンサコア磁化振幅のグラフである。
【0013】
図8図1の閉ループ電流センサシステムにおいてフラックスゲート磁気センサをインターフェイスするための例示の励起及び感知回路の概略図である。
【0014】
図9図1の閉ループ電流センサシステムにおける例示のホールセンサ励起及び感知回路の概略図である。
【0015】
図10】集積された閉ループ自動消磁装置を備えた別の例示の閉ループ電流センサシステムの概略図である。
【0016】
図11A】コイルパルスの印加が続く連続的信号の閉ループ制御を用いる自動的消磁のための別の例示の方法のフローチャートである。
図11B】コイルパルスの印加が続く連続的信号の閉ループ制御を用いる自動的消磁のための別の例示の方法のフローチャートである。
【0017】
図12図10の集積された閉ループ自動消磁装置の消磁動作から得られる例示のセンサコア磁化振幅のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、磁気コア6と磁気的に相互作用する一次コイル又は巻線4を流れる一次電流IPRIを測定するように動作可能な例示の閉ループ電流センサ2を示す。一次コイル4は、任意の適切な方式でコア6と磁気的にインターフェイスされ得、コア6を通過する単一の導電体とし得、又は、コア6の一部を1回又は複数回取り巻く巻線、又はコイル4において流れる電流IPRIがコア6における磁束に影響を及ぼす他の適切な磁気相互作用構成としてもよい。磁気センサ8が、例えば図1のコア材料6における或る隙間内など、コア6に近接して動作可能に配置される。フラックスゲートセンサ又はホール効果センサなどの任意の適切な磁気センサ8が用いられ得、磁気センサ8はコア6の磁気状態を示す1つ又は複数の信号又は値を提供する。また、センサ8は、好ましくは、コア6の磁化極性を示す出力を提供し、幾つかの実装では、磁化の大きさ又は振幅出力を提供し、そのため、センサ8は、磁化極性及び大きさの両方を確認し得る単一信号を提供し得る。
【0019】
センサ8を、センサインターフェイス回路要素12及び22を含む自動消磁装置20とインターフェイスさせるために1つ又は複数の電気接続10が提供される。この例では、励起及び感知回路要素12が差動出力信号12aを提供し、コンパレータ22が差動コンパレータ出力22aを提供する。或いは、シングルエンデッド信号12a及び22aが用いられてもよい。コンパレータ出力22aは、制御回路要素24への入力として提供され、この場合、消磁パルスが自動閉ループ式で補償又は二次コイル16を介してコア6に選択的に提供されるように、コイルインターフェイス回路要素26及び28を消磁モードで動作させるように消磁論理及びタイミング制御を提供する。制御回路要素24は、本明細書で説明する動作を行なうように構成されるか又は他の方式で適合される、任意の適切な論理、処理構成要素、電子メモリアナログ回路要素、又はこれらの組合せとし得る。図1に示すように、例示のコイルインターフェイス回路要素26及び28は、第1及び第2の出力26a及び28aを含み、これらは、リード16a及び16bを介して補償コイル16の第1及び第2の端部と結合される。幾つかの実施形態では、センサインターフェイス回路要素12及び22、コイルインターフェイス回路要素26及び28、制御回路要素24、並びにセンサ8は、単一集積回路21において、構築されるか又は他の方式で作製される。一例では、センサ8は、半導体基板上及び/又はその中に作製されるコア構造を備えたフラックスゲートセンサであり、導電性構造として形成される適切な励起及び感知コイル巻線がこのコア構造を少なくとも部分的に取り囲み、励起及び感知回路要素12は、接続10を介してセンサ8の1つ又は複数の励起コイルに励起交流波形を提供するための適切な回路要素を含む。また、このような実施形態における回路12は、任意の適切な整流又は復調回路要素及び適切な積分器又は他のフィルタリング回路を備えた感知回路要素を含み、それによって、出力信号12aが、センサ8近傍の外部磁界を示すか又は他の方式で表す。以下でさらに説明するように、幾つかの実装は、別個のコイルインターフェイス回路要素26及び28の代わりに、閉ループ電流感知のためのドライバ回路14を用い得る。ドライバ回路要素14は、消磁装置20及びセンサ8と共に単一の集積回路製品に作製される。
【0020】
図8及び図9を参照すると、消磁装置20は、所与の磁気センサ8とともに用いるためのセンサインターフェイスを提供する任意の適切な励起及び感知回路要素12を含み得る。2つの非限定な例において、インターフェイス回路12は、フラックスゲートタイプの磁気センサ8との又はホール効果センサ8との動作可能な結合を提供し得る。図8は、励起巻線LE及び感知巻線LSを有するフラックスゲートセンサ8とインターフェイスするように動作可能な例示の励起及び感知回路12を示す。この実施形態では、回路12は、供給電圧VSSと等しい大きさを有するパルスを提供することによって励起巻線LEを選択的に励起するためPMOSトランジスタQ1及びQ2並びに下側のNMOSトランジスタQ3及びQ4を含むHブリッジ励起回路を動作させる制御回路100を含む。また、インターフェイス回路要素12は、フラックスゲートセンサ8の感知コイルに接続される復調回路102と、復調器出力を受け取りコンパレータ22に差動出力信号12aを提供する積分器104とを含む。図9は、ホールセンサ8とインターフェイスするための別の実施形態を示す。この実施形態において、励起及び感知回路要素12は、センサ8への正の電圧VSS及び接地のための接続を提供し、差動アンプ回路106が、ホールセンサ8の2つの付加的なリードから差動信号を受け取り、コンパレータ22に差動電圧出力12aを提供する。これらの例の各々において、差動出力信号12aはコンパレータ22によって受け取られ、コンパレータ22はコア6の磁化極性を示すコンパレータ出力を提供する。また、幾つかの実施形態では、センサインターフェイス回路要素12は、コア6の磁化の大きさを示す出力信号12a(又は図1に示すような別個の信号12b)を制御回路要素24に提供するように構成される。磁化の大きさは、センサ8による測定時のコア6における磁化の量を表す任意の適切な信号又は値によって制御回路要素24に示され得る。
【0021】
図1を再度参照すると、消磁装置20は、閉ループ電流感知システム2の一部として、コア6に対して自動オンボード消磁又は脱磁を提供する。自動消磁装置20の他の実施形態が可能であり、こういった他の実施形態は、結合可能な出力26a及び28aを介して二次コイル16に結合可能であり、1つ又は複数の磁気センサリード10のための接続を含む、別個のシステム又は回路要素を構成する。電流感知システム2は電流感知モードで動作可能であり、この場合、励起及び感知回路要素12はドライバ回路14に差動出力12aを提供し、ドライバ回路14は、磁気センサ8からのフィードバックに従って、コイルインターフェイス回路要素26及び28並びに二次又は補償コイルリード16a及び16bを介して二次又は補償コイル16にパルス幅変調交流二次電流ISECを提供する。このような電流感知モード動作の間、ドライバ回路14は、センサ出力がゼロまで減少するような方式で二次電流ISECをレギュレートし、二次電流ISECの値は、一次コイル4を流れる一次電流IPRIに比例する。また、システム2は、補償コイル16と直列に接続される感知レジスタRSの両端の電圧を感知するように、レジスタR1〜R3及びフィードバックレジスタRFを介して構成されるオペアンプ18を備えた差動アンプ回路を含む。差動アンプ回路は、二次電流に比例する値を有する出力電圧VOUTを提供する。二次電流は、ドライバ回路14の閉ループ動作によって一次インダクタ又は巻線4を流れる一次電流IPRIに比例する。差動アンプ回路がアナログデジタルコンバータ又は他の適切な回路要素で置き換えられるなど、他の実装が可能である。
【0022】
この例では、制御回路要素24は、閉ループ電流感知モード、或いは消磁又は脱磁モードのいずれかでの選択的動作のためモード制御信号又は値24d(MODE)に従って、コイルインターフェイス回路のスイッチング回路要素26及び28を動作させるようスイッチ制御信号24a及び24bを提供する。一実装では、制御回路要素24は、MODE信号24dが連続的に1つの段階(例えばハイ)である場合、スタートアップの間自動消磁動作が開始されるように構成され、制御回路要素24は、消磁モードに入り、消磁を終了し、それ以降後続のスタートアップ動作まで電流感知動作のため制御を閉ループ信号経路に内部的に切り替える。この例では、スイッチ26及び28は、上述したような動作のためドライバ回路14の出力を補償コイルリード16a及び16bに接続するための閉ループ電流感知動作のため上側位置に設定される。この構成では、ドライバ回路14は、例えば磁気センサ8の出力をゼロ又は何らかの他の所定の値に駆動するよう、一次コイル4を流れる一次電流IPRIに関連付けられるコア6における磁気効果を相殺するように、補償又は二次コイル電流ISECをレギュレートする。閉ループ電流感知回路要素は、任意の電気的オフセット及び他の基準に適合するようにキャリブレーションされ得る。
【0023】
消磁又は脱磁モードにおいて、制御回路要素24は、対応する出力26a及び28aをパルス電圧供給ノードVDD(図1に示す中間位置の対応するスイッチ)に又は共通ノードGND(下側位置の対応するスイッチ)に接続するように、個々のスイッチング回路26及び28を選択的に制御する。スイッチング回路26及び28は、消磁モードにおいて、二次コイルリード16a及び16bを個別に同じ電圧に効果的に結合するように、或いは、リード16a及び16bの両端に正又は負の電圧を提供するように動作可能である。従って、閉ループ電流感知応用例において、本明細書で説明するような消磁モード動作についてのコイルインターフェイス回路要素特徴は、代替として、ドライバ回路14によって提供され得る。この例では、一連のパルスをパルスサイクルの対応するセットにおいて提供することによって制御回路要素24によって脱磁動作が実装される。ここで、個々のパルスサイクルは、第1の状態(パルス印加)及び第2の状態(測定)を含む。第1の状態において、制御回路要素24は、パルス電圧供給ノードVDDに第1及び第2の出力26a及び26bの所与の一方を接続し、同時に、共通ノードGNDに他方の出力を接続する。第2状態において、制御回路要素24は、インターフェイス回路要素出力26a及び26bをいずれも同じ電位に、例えば共通ノードGNDに、接続する。
【0024】
消磁動作のパルスサイクルの一部又は全部に対し、制御回路要素24は、コンパレータ出力22aの状態によって示されるように、励起及び感知回路要素12におけるセンサ8から得られる直近の測定によって示される磁化極性に従って、供給ノードVDDに接続されるべき所与の出力26a及び28aを選択又は選抜する。この目的のため、消磁論理及びタイミング制御回路要素24は、コンパレータ出力22aの状態に基づいて現在のコア磁化の極性を確認し、また、消磁論理及びタイミング制御回路要素24は、コア6の磁化をコア6の直近に測定された磁化極性とは反対の方向に変化させるために、正の供給電圧VDD(5Vなど)に接続されるべき出力26a、28aの一方を選抜するように構成されている。このようにして、制御回路要素24は、個々のパルスの極性を、コア6の測定された磁化の反対となるように制御し、コア6の脱磁又はコア6における現在の磁化の量の低減が促進される。
【0025】
また、制御回路要素24は、下記で説明するような継続的(successive)近似技術などの離散フィードバックアルゴリズムに基づいて消磁の間提供される個々のパルスのエネルギーを制御する。この例では、印加されるパルスのエネルギーは、継続的パルスサイクルにおける第1の状態の期間を制御することによって制御され得る。幾つかの実装では、制御回路要素24は、継続的パルスサイクルについて第1の状態における期間Tを、直前のパルスサイクルにおける第1の状態の期間TN−1より短くなるように制御する。この技術は、フィードバックに基づくパルス極性決定と組み合わせると、コア磁化をゼロに向けて駆動するために消磁パルスの量及び方向の継続的近似を提供し、そのため、制御回路要素24は閉ループ離散フィードバックアルゴリズムを実装する。継続的近似レジスタアナログ−デジタル変換技術に類似する、後続パルスの期間(及び同様にエネルギー)が、先行するパルスの期間の約半分であるバイナリ実装が可能である。ただし、継続的パルスサイクルにおける第1の状態の期間Tを、先行するサイクルにおいて用いられる期間TN−1の半分より長く設定することによって(例えば、TN−1>T>0.5TN−1)特定の利点が促進され、幾つかの実装において約0.75TN−1の期間値Tが用いられ得る。
【0026】
開ループ脱磁技術は、自動化されるか否かに関わらず、磁気的に影響を受け易い材料の磁化を低減し得るが、コア磁化がゼロになることは保証されない。例えば、増加周波数又は減少振幅の交番パルスが開ループ式で以前に用いられていたが、これは、最終的なコア磁化が大きく改善されることは保証しない。閉ループ電流感知応用例では、コア6の磁化によりシステム動作に磁気オフセットが生じ、それによって出力電圧VOUTにオフセット誤差が生じ、したがって、一次導体4における一次電流IPRIの量を測定又は評価する際に全体的なシステムの精度が制限される。閉ループ離散フィードバックアルゴリズム、並びに、センサ8、回路要素12、及びコンパレータ22を介して得られる磁化極性情報を用いることによって、コア6の磁化状態の急速な低減が促進され、磁化を継続的に下げる閉ループ経路が提供され、これにより、従来の開ループ消磁技術より短い時間でよりよい結果が容易に得られる。
【0027】
印加されるパルスの期間を制御することに加え、幾つかの実施形態での制御回路要素24は、個々のパルスサイクルにおける第2の状態の期間を制御する。例えば、制御回路要素24は、コンパレータ出力22aを評価する前に補償コイル16の電流をゼロ又は実質的にゼロにし得るために充分な時間にわたって第2の状態(この状態では、補償コイル16の2つの端部が共に接続される)における動作を維持するように構成される。したがって、後に続く第1の状態にわたって正の電圧VDDが印加される出力26a及び28aの所与の一方の選択は、二次電流が実質的に存在しないときの測定に基づいてなされる。コア6の磁化がセンサ8を介して測定されるとき一次電流IPRIが一次導体4内を流れていないことが好ましくい。この目的のため、ホストシステムが、制御回路要素24を消磁又は脱磁モードに切り替えるタイミングを制御し得、この動作モードの間一次電流が一次導体4内を流れていないことを保証し得る。幾つかの実施形態では、制御回路要素24は、(信号24dを介した要求に応じて)閉ループ電流感知モード動作と消磁モード動作との間で切り替えるように動作可能であり、装置20はまた、電源投入時に消磁又は脱磁動作を実装するように構成され得、ホストシステムは、消磁動作を促進するために一次電流IPRIが電源投入時に特定の時間量にわたって本質的にゼロであることが保証されるように構成される。したがって、消磁動作の様々な実装が比較的迅速に(例えば数十ミリ秒で)実装され得、電源投入時の消磁を実装しながら、ホストシステムの電源がタイミングよく投入されることが促進される。
【0028】
また、図1に示すように、幾つかの実施形態での制御回路要素24は、消磁動作の間コア6に印加される個々のパルスの極性を表すブール符号24cを提供する。様々な実装において、制御回路要素24は、一連のパルスを所与の消磁動作の対応するパルスサイクルにおいて提供するように動作し、所定の終了条件が満たされたとき、コイルインターフェイス回路要素26及び28にパルスをコア6に印加させることを終了又は停止し得る。一例では、制御回路要素24は、パルスの所定数の反復、例えば12パルス、を実装するように、及び消磁動作の間正又は負のパルスの提供をそれぞれ示す「1」又は「0」の値を有するブール符号24cを報知又は提供するように構成される。したがって、ホストシステムは、消磁前にコア6の磁気状態を評価又は推定するために符号24cを用い得る。これは、符号24cが、コア6の磁気状態を理想状態に近付けるために必要とされる消磁を表すからである。また、下記でさらに詳しく述べるような消磁装置20及び消磁方法の幾つかの実装は、コア6の初期状態を推定するための値として、前の消磁動作からの符号24cを用い得、したがって、次に来る消磁動作を符号24cに従って適合し得、場合によっては後続の消磁動作において費やされる時間量が低減される。
【0029】
図2は、図1のコア6などの磁気コアを自動的に消磁するための方法又はプロセス30を示す。この方法又はプロセスでは、少なくとも部分的な脱磁において助けとなるようにパルスが補償コイル16に印加され、パルスの少なくとも一部のエネルギーが、離散フィードバックアルゴリズムに従って閉ループ式で制御される。また、方法30は、所与の個々のパルスの極性の自動制御を、補償コイル16において実質的に電流が流れない間において、直前のパルスに続く時間期間の間測定されるコア6の磁化極性に少なくとも部分的に従って提供する。幾つかの実施形態では、制御回路要素24は、概して、プロセス30、又は図3及び図4に関連して下記で説明するプロセス50及び70に従って動作する。
【0030】
図2の方法30は有利にも、最初のパルスを印加する前に初期コア磁化を測定し、測定されたコア磁化極性に従って初期脱磁パルスの極性を選択的に決定する。方法30は、図2の32において始まり、34において補償コイルの両端を接地することによるなど、補償コイル16の両端を共に接続することを提供する。一実装では、制御回路要素24は、図2の34において、スイッチング回路26に第1の出力26aを接地又は共通端子GNDに接続させるようにスイッチング制御信号24aを提供し、スイッチング回路28に第2の出力28aを同様にGNDに接続させるように信号24bを提供する。36において、例えば磁気センサ8の出力に基づいて、例示の励起及び感知回路12、及び補償コイルの両端が共に接続される間コア6の磁化の極性を示すコンパレータ出力信号22aを提供するコンパレータ22を用いて、コア6の磁化極性が測定され、一次導体4を流れる一次電流IPRIは好ましくはゼロである。幾つかの実施形態では、制御回路要素24は、36において測定がなされるとき補償コイル16を流れる電流が実質的にゼロであることが保証されるよう、34において補償コイルの両端が共に接続されてから充分な時間が経過するように、36における測定のタイミングを制御する。
【0031】
測定されたコア磁化極性に基づいて、制御回路要素24は、図2の38において、好ましくは一次導体4を流れる一次電流IPRIがゼロの状態で、コイルインターフェイス回路要素26及び28に、測定された磁化極性と反対の極性のパルスを補償コイル16に印加させる。図1の実施形態では、制御回路要素24は、対応する出力26a又は28aを供給電圧VDDに接続するよう回路26及び28の所与の一方を切り替えることにより、及び共通ノードGNDへの他方の出力の接続を維持することにより、パルスを印加する。ここで、消磁論理及びタイミング制御回路要素24は、36で得られた直前のコア磁化極性測定に従って回路26及び28の所与の一方を選択する。一実装では、制御回路要素24は、20ミリ秒などの所定の初期パルス期間値に従って、38においてパルスを印加するための第1の段階の期間を制御する。このようにして、38において、先行するコア磁化状態を低減するように選択された極性を有する、所定のエネルギーの初期パルスが印加される。
【0032】
38における初期パルスに続いて、40において補償コイルの両端が再度接地され、42において、好ましくはゼロ一次電流フローIPRIで、コア磁化極性が測定される。44において、パルスが補償コイル16を介してコア6に印加され、制御回路要素24は、回路26及び28のいずれがその出力を対応する制御信号24a又は24bを介してVDDに接続するかを、コンパレータ出力22aによって示される直近の磁化測定の極性に基づいて選択することによって、パルス極性を制御する。また、44において印加されるパルスの期間は、前のパルスの期間より短くなるように制御回路要素24によって制御され、幾つかの実装では好ましくは前のパルスの期間の半分より長い。
【0033】
図2の46において、あらかじめ定義された終了条件が満たされたか否かについて判定が制御回路要素24によってなされる。例えば、コントローラは、あらかじめ定義される数(例えば12)のパルス印加を実装し得、印加(46においてYES)の後、制御回路要素24は、図2の48において消磁動作30を終える。別の例において、制御回路要素24は、励起及び感知回路要素12からの出力信号12a(又は図1の信号12b)に関連付けられる大きさを評価し得る。磁化の大きさが所定の閾値未満である(例えば、現在のコア磁化レベルが充分にゼロに近いことを示す)と判定される場合、制御回路要素24は、48において消磁動作30を終える。これらの及び/又はその他の終了条件が様々な実施形態において、単独又は組み合わせて、用いられ得る。
【0034】
幾つかの実施形態では、制御回路要素24は、内部レジスタにデジタル(ブール)符号24c(図1)を記憶し、このような符号を48における消磁プロセスの終了後の出力として提供する。幾つかの実施形態での符号24cは、消磁プロセス30の間(例えば図2の44において)コア6に印加される個々のパルスの極性を表すブール符号である。図1の例では、最上位ビット又はMSB(図1の左側のビット)は、図2の38において印加された最初のパルスの極性を表し、磁気センサ8からの読み出しに基づくコア6の初期負方向磁化を示す直前のコンパレータ出力信号22aに従って、正の最初のパルスが印加されたことを示す。図1の符号24cを進むと、次の2つのビットはいずれも「1」であり、これは、最初の3つのパルスが同じ(例えば正の)方向に印加されたことを示し、符号24cの残りのビットが後続パルスのそれぞれの極性を示す。この例では、制御回路要素24は、12パルス消磁動作を実装し、12ビットの対応する符号24cを出力する。幾つかの実装では、表される消磁動作が固定パルス数より多いパルスを含み得る場合でも、制御回路要素24は固定ビット数を有する符号24cを出力し得る。
【0035】
終了条件が満たされていない(図2の46においてNO)場合、プロセス30は前に戻り、40において再び補償コイルの両端を共に接続し、42においてコア磁化極性を測定し、44において別のパルスを印加する。継続的サイクルにおいて、パルス極性は、先行するパルスが印加された後補償コイル電流がゼロである時間の間測定される磁化極性に従って再び制御され、それによって、次の消磁パルスが、コア磁化を現在の磁化極性と反対の方向に変える傾向の極性のものであることが保証される。図5図7に関連して下記でさらに説明するように、図2のプロセス30は、直前の磁化極性測定に基づき、また、パルス極性がサイクル毎に変えられる従来の開ループ技術より速くコア6の磁化をゼロに収束させる傾向となり得る方向で、パルスを補償コイル16に送るよう閉ループ動作を用いる。方法30は、場合によっては(例えば、下記の図6)、コア6の磁化状態に応じて、幾つかのパルスを同じ極性のシーケンスで提供し得る。
【0036】
図3は、消磁方法又はプロセス50の別の実施形態を示し、消磁方法又はプロセス50は52で開始する。この例では、図2の例とは異なり、制御回路要素24は、54において、コア6の磁化極性(又は大きさ)を前もって測定せずに、補償コイル16に最初のパルスを印加する。幾つかの実施形態では、54において印加される初期パルスの極性は所定の値とすることができ、或いは、他の実施形態において、制御回路要素24は初期パルスについて極性を無作為に選択し得る。図3の56において、制御回路要素24は、コイルインターフェイス回路要素26及び28に(この例では補償コイルリード16a及び16b両方を接地することなどによって)補償コイル16の両端を互いに接続させ、58において、上述のようにセンサインターフェイス回路要素12及び22を用いてコア磁化極性を測定する。制御回路要素24は、図3の60において、測定された磁化極性と反対の極性の、54において先に印加されたパルスの期間より短い期間のパルスを補償コイル16に印加する。制御回路要素24は、62において、終了条件が満たされたか否かを判定し、満たされていない(62においてNO)場合、前に戻り、56において補償コイルの端部が接続された状態で58において磁化極性を再び測定し、60において、先行する測定に従って決定された極性で、先行するパルスのエネルギー(例えば、期間)より小さいエネルギーで次のパルスを提供する。終了条件が満たされた(62においてYES)後、制御回路要素24は、64において消磁プロセス50を終え、任意選択で上述のように符号24cを出力し得る。
【0037】
図4は、図1の制御回路要素24を介して実装され得る消磁プロセス70の別の非限定的な例を示す。この場合、プロセスは72で開始し、制御回路要素24は、74において補償コイル16の両端を接続させる。ただし、76において、制御回路要素は、センサインターフェイス回路要素12及び22を用いて、(例えば、コンパレータ22の出力を介して)コア磁化極性と、(例えば、図1の励起及び感知回路要素12の出力12a又は信号12bを介して)磁化の大きさ又は振幅との両方を測定する。76において磁化の大きさを測定するための1つの技術は、特定の閾値を超えるまでコイル16を駆動することを含み、磁化の大きさは、駆動信号の期間に従って計算される。別の技術は、感知された磁界振幅に対応する出力を用いる線形磁気センサを用いることである。一実装では、制御回路要素24は、励起及び感知回路要素12からの出力信号12aの連続的な大きさの値を評価し、78において、測定された磁化極性と反対の極性の、測定されたコア磁化の大きさに少なくとも部分的に従って設定される期間の後続パルスを、補償コイル16に印加する。別の非限定的な実施形態において、制御回路要素24は、感知回路要素12aの出力が第1の範囲内にあるか又は第2の範囲内にあるかを識別するように、及びそれに従って、78において、初期パルスの期間を、対応する第1又は第2の予め定義された期間に設定するように、ウィンドウコンパレータを用い得る。様々な実施形態における任意の適切な磁化大きさ評価と78において印加される初期パルスの期間の対応する調整とを用いて、他の実施形態が可能である。
【0038】
76における大きさ測定及び78におけるパルス期間制御を介した初期パルス期間の選択的制御は、消磁処理時間の短縮を有利に促進する。例えば、コア6の初期磁化状態がゼロ状態から大きく外れている場合、比較的高いエネルギー値のパルスを補償コイル16に提供するために、パルス期間は、図4の78において制御回路要素24によって自動的にインテリジェントに設定され得、それによって、コア磁化がゼロに向かって迅速に駆動され、場合によっては、所定の終了条件を満たすための反復が少なくなり得る。別の例において、コア6の初期磁化状態がプロセス70の開始時にゼロに比較的近い場合、制御回路要素24は、有利に、78においてこの磁化大きさを評価し得、78においてパルスの期間(及び補償コイル16に印加されるパルスのエネルギー)を比較的小さな値に設定することができ、それによって、磁化をゼロにするための目標値を超える過剰な数の反復が避けられる。比較のため、幾つかの従来の開ループ技術では、初期パルスエネルギーは、消磁されるコイルの初期磁化状態に関わらず、一定である。
【0039】
図4におけるプロセス70は、制御回路要素24が、上述のように、80において、再度、コイルインターフェイス回路要素26及び28に補償コイル16の両端を互いに接続させること、及び82において、励起及び感知回路要素12及びコンパレータ22を介してコア磁化極性を測定することで継続する。84において、制御回路要素24は、測定された磁化極性と反対の極性を有し、前のパルスの期間より短い期間の次のパルスを、補償コイル16に印加する。86において、所定の終了条件(例えば、あらかじめ設定される印加パルス数)が満たされたか否かについて制御回路要素24によって判定がなされる。満たされていない(86においてNO)場合、先に説明したように、80〜84において、さらなる測定が行われ、パルスが提供される。終了条件が満たされた(86においてYES)後、制御回路要素24は、88において消磁プロセスを完了し、先に説明したように任意選択で符号24cを出力し得る。
【0040】
図1の閉ループ電流センサシステム2では、自動消磁装置20は、モード選択入力信号24dの状態に基づいて、消磁モード及び電流感知モードの両方で動作する。幾つかの実施形態では、先に説明したように、制御回路要素24は、システム電源投入で消磁モード動作を自動的に開始及び実施し得、任意選択でホストシステムに符号24cを報知するか、又は、他の方式でホストシステムに対しこのような符号24cを利用可能とする。その後、ホストシステムは、装置20を介して別の消磁動作を開始するため、適宜、モード選択信号24dをアサートし得る。幾つかの実装では、制御回路要素24は有利にも、符号24cを記憶し得、前の消磁動作に対応する符号24cに少なくとも部分的に従って初期的に印加されるパルスの期間を選択的に制御し得る。このようにして、装置20は有利にも、所与の応用例における磁化状態の推論学習、及び所与の応用例における磁化状態への適合を促進し、また、予期されるコア磁化の最良の推定に従って設定されるエネルギー及び/又は極性のパルスを用いて脱磁処理を開始することによって、改善された及び/又はより迅速な消磁を促進し得る。このさらなる概念は、従来の開ループ消磁技術を用いては実現可能性が低かった。これは、それらのプロセスの最終結果が、所与のシステムについて実際に指定される脱磁の量を示す充分な情報又は符号をもたらさなかったためである。
【0041】
上述の又は他の離散フィードバックアルゴリズムを用いると、有利にも、装置20を、カスタム化をせずに、様々な異なるサイズ及び形状並びに磁気特性のコア構造6とともに用いるために適切とすることができる。したがって、パルスエネルギーの選択的制御、及び上述した離散フィードバックアルゴリズムによるパルスエネルギーの漸進的な低減により、システムが、所与のコア6についての大小の量の初期磁化に対処するように、また、比較的容易に消磁されるコア6や消磁するためにより多くのエネルギーを必要とするコアとともに用いられるように動作可能となる。これらの例では、補償コイル16にパルスが印加される各パルスサイクルの第1の状態の期間の時間制御を用い、アルゴリズムは、装置20が接続される特定のコア6の初期磁化状態に関係なく、経時的に、消磁の所与の許容範囲(例えば、コア6の最終的な磁化値の許容範囲)に向かって収斂し得る。
【0042】
また、コイルインターフェイス回路要素26及び28は、コイル両端の互いに対する接続が介在する状態で、補償コイル16に異なる極性のパルスを選択的に提供するように動作するので、この機能は、他の実施形態において図1のシステム2などの閉ループ電流感知システムにおいて効果的に実装され得、こういった他の実施形態において、例えば、スイッチング回路要素26及び28が省かれ、それらの機能が、システム2の閉ループ電流感知動作に対して通常用いられるドライバ回路要素14を用いて実装され、制御回路要素24が、コンパレータ22の出力を介して磁化極性を評価し、消磁モードにおいてドライバ回路要素14を動作させるよう適切な制御シグナリングを提供して、通常の電流感知モードにおいてドライバ回路要素14の通常の閉ループ動作を可能にする。
【0043】
図5図7も参照し、例示の消磁動作を示す。グラフ90(図5)は、磁束密度(例えば、単位がトールである「B」)に対応する垂直方向に、及び磁界強度(例えば、単位がヘンリーである「H」)に対応する水平方向に、例示のコア構造6についてのヒステリシスを有する曲線92に沿う磁化遷移を示す。グラフ90の遷移は、グラフ94(図6)の曲線96で示されるように印加されるパルスに対応し、対応する磁束曲線99をグラフ98(図7)に示す。図5図7の例では、コア6は、初めに、図5及び図7において「M0」として示される或る磁化極性(負)及び大きさ(例えば、約−108mT)で始まる。図2の上述の処理を用いて、制御回路要素24は、初期的に、この場合は負である磁化状態M0の極性を測定し、それに従って、期間T1にわたって補償コイル16の第1の端部を正電圧VDDに選択的に接続することにより及びコイル16の他方の端部をGNDに接続することにより、図6に示すように約20ミリ秒の第1の状態の(オン時間)期間T1を有する正の第1パルスP1を印加する。
【0044】
図5及び図7に示すように、この第1のパルスの印加は、コア磁化を、電圧パルスP1を取り去った後の第2の状態におけるレベルM1まで変化させる。この例では、磁化状態M1は依然として負であるが、初期状態M0よりゼロに近い。この状況で、制御回路要素24は、磁化が依然として負であると判定し、それに従って後続の正のパルスP2を提供する。パルスP2は、期間T1より短く、好ましくはT1の50%より長い、期間T2を有する。パルスP2に続いて、磁化状態M2において得られる測定は再び負の磁化極性を示し、制御回路要素24は、それに従って第3の正のパルスP3を提供し、それによって、M3において測定される正の磁化の最初の兆候となる。各後続パルスに対する50%の厳密なバイナリ低減が、図5のB−H曲線90において示す非線形関係と良好に相関しないことがある。したがって、直前のパルスの期間TN−1より短いが、0.5TN−1より長い期間T(及び同様にエネルギー)を有する各継続的パルスによって、次の印加パルスの方向を決定するために極性測定を用いて、比較的ロバストな離散フィードバックアルゴリズムが提供される。例えば、第1のパルスP1は、約20ミリ秒の期間提供され得、一実装での第2のパルスP2は、約15ミリ秒の期間提供され得る。図5図7に示すように、消磁処理は、残りのパルスP4〜P14の後続の印加が、対応して短くなる第1の状態の(オン時間)期間T4〜T14で進行し、それによって、コア6の磁化状態は、合理的なパルス数の後、首尾よくゼロまで(又は実質的にゼロまで)低減される。
【0045】
図10図12も参照すると、別の例示の閉ループ電流感知システム2が例示の実施形態の消磁装置20を有して示されている。この場合、上述したように、補償コイル16へのパルス及び他の消磁シグナリングの提供は、消磁モードにおいてドライバ回路14を用いて実装され、ドライバ回路要素14は、通常の閉ループ電流感知モードにおいても用いられ、ドライバ回路14の動作モードは、上述したように信号24a及び24bを介して消磁論理及びタイミング制御回路要素24によって制御される。また、図10の消磁装置20は、励起及び感知回路出力線12aとコンパレータ回路22への入力との間の接続を選択的に切り替えるように(例えば、コンパレータ22に印加される信号の極性を反転するように)動作可能なスイッチング回路23を含み得る。このようにして、消磁装置20は、単一のコンパレータ回路22を用いてセンサ出力信号12aを複数の閾値と比較することができる。例えば、図10に示すように、幾つかの実施形態における回路要素22は、第1の(例えば正の)閾値(図12におけるTH+)、ゼロ電圧閾値、及び第2の又は負の閾値(図12におけるTH−)など、この例ではVTH1〜VTHnとして示される、整数「n」個の閾値参照電圧とともに提供され得る。
【0046】
図11A及び図11Bのプロセス200も参照すると、幾つかの実施形態における制御回路要素24は、センサ8の出力に少なくとも部分的に従って、閉ループ消磁の他の形態を実装し得る。こういった他の形態には、例えば、非パルス形態の信号印加及びモニタリングを用いる連続的プロセス、パルスベースの離散フィードバックアルゴリズムタイプのプロセス、又はこれらの組合せが含まれる。プロセス200において、制御回路要素24は有利にも、粗い消磁を実施するよう初期連続的(例えば非離散)フィードバックアルゴリズムを実装し、より精密な又は「微細な」消磁のため離散閉ループ(例えばパルスベース)消磁フェーズの開始がそれに続く。有利にも、センサ8及びコンパレータ回路要素22を介してコア磁化を測定しモニタリングする一方で、1つ又は複数の連続的信号を初期的に用いることによって、全体的な消磁動作が迅速化され得る。
【0047】
プロセス200は図11Aの202で始まり、図11Aの204において、制御回路要素24は補償コイル16に第1の極性の連続的信号を印加し、206において、コア磁化が(好ましくは一次電流IPRIがゼロの状態で)測定される。測定された磁化は、連続的な第1のパルスの印加の間、概して連続的な方式で第1の閾値と比較される。下記の説明では、第1の極性が正であり、対応する第1の閾値が正の磁化閾値であると仮定している。初期又は第1の極性が負となるよう選択され、第1の閾値がコア6の負の方向の磁化を表す他の実施形態が可能である。
【0048】
制御回路要素24は、208において、第1の閾値が満足されたか否かについて判定する。図12のB−Hグラフ230に示すように、初期コア磁化が先の例のように負の方向であったと仮定し、204において連続的信号が正の方向に印加される仮定すると、制御回路要素24は、コア磁化測定が図12に示す第1の閾値TH−を満たさない(208においてNO)限り、204においてこの信号を印加し、206においてセンサ8の出力を連続的にモニタリングする。204、206、及び208におけるこの信号の連続的印加の間、コア磁化は、測定されたコア磁化が、図12において測定M1として示される第1の閾値TH+を満足する(208においてYES)まで、図12のB軸の左(負の磁界強度又はH)に破線で示す経路232に沿って上向きに進む。
【0049】
この例では、第1の閾値TH+が満足された(208においてYES)後、制御回路要素24は、210において第2の(例えば負の)極性の連続的信号を印加する一方で、212においてコア磁化を(好ましくは一次電流がゼロの状態で)測定し、測定された磁化を図12においてTH−として示す第2の閾値と比較することによって、210〜214における処理を継続する。第2の連続的信号の印加の間であり第2の閾値が満足される(214においてNO)前、制御回路要素24は、この信号を印加すること及びセンサ8の出力に基づく測定された磁化をモニタリングすることを継続する。第2の閾値が満足された(図12におけるM2、図11Aの214におけるYES)後、制御回路要素24は、例えば上述の技術を用いて、自動的にコイルインターフェイス回路(例えば、図1のシステム2の回路26及び28、又は図10の例におけるドライバ回路14を介して)に、パルスを補償コイル16を介してコア6に印加させ、及び、図11A図11Bの216〜226において閉ループ式でコア6を完全に又は少なくとも部分的に消磁するようにセンサ出力信号12a及び12bに従って個々のパルスの極性及びエネルギーを制御させる。図11Aの破線で示すように、幾つかの実施形態での制御回路要素24は、第1の閾値が満足された(208においてYES)直後、離散フィードバックアルゴリズムを用いてパルスの印加を開始し得るが、この例は、第2の閾値が満足される(214においてYES)まで、210〜214において自動的にコイルインターフェイス回路要素に第2の反対の極性の連続的信号を印加させる。
【0050】
図11Aの216において、制御回路要素24は、信号24a及び24bを適切な様式で提供して、コイルインターフェイス回路要素26、28、又は14に、前に印加された信号と反対の極性の、満足された閾値に従って設定されるパルス期間を有するパルスを補償コイル16に、やはり好ましくは一次導体4を流れる一次電流がゼロの状態で、印加させる。204において正の連続的信号が印加され、210において後続の負の信号が印加されるこの例では、216において印加されるパルスは正の方向であり、216における初期パルスの期間は、直近に満足された閾値、この例ではTH−、の磁化の大きさに従って設定される。図12に示すように、216におけるパルスの印加は磁化をM2から破線に沿って移動させ、制御回路要素24は、図11Bの218において補償コイル16の両端を接地し、220において、図12で測定M3として示されるコア磁化極性を測定する。その後、制御回路要素は、図11Bの222において、M3における測定から、コアの磁化が正であると判定し、それに従って、222において、216において印加された初期パルスの期間より短い期間を有するパルスを負の方向で印加する。制御回路要素24は、224において、終了条件が満たされたか否かを判定する。満たされていない(224においてNO)場合、制御回路要素24は、前に戻り、再度、218において補償コイル端を接地し、220においてコア磁化極性を測定する。図12の例では、これによりM4において負の測定が得られ、図12において後続の測定M5及びM6で示されるように、プロセス200は、予め定義された終了条件が満たされる(224においてYES)まで継続され、その後226においてプロセス200は終了する。
【0051】
別の可能な実施形態において、制御回路要素24が、ゼロ磁化を表す第2の閾値を用いて、厳密に連続的なフィードバック消磁プロセスが実装される。この例では、制御回路要素24は、第1の閾値が満足されるか又は超えられる(208においてYES)まで、図11Aの204において、コイルインターフェイス回路26及び28(又は14)に第1の極性(例えば、正)の連続的な第1の信号を補償コイル16に印加させ、206において、センサ8を介して磁化を測定する。その後、制御回路要素24は、210及び212において、コイルインターフェイス26、28、及び14に第2の反対の極性の連続的信号を印加させる一方で、コアの磁化を測定する。第2の閾値が満足されるか又は超えられた(214においてYES)後、手順200は終了する。このようにして、自動閉ループ連続的脱磁プロセスが実装される。その後、制御回路要素24は、システム2を介して閉ループ電流感知を実装するよう制御モードを変更し得、幾つかの実施形態でのホストシステムは、上述のようにMODE信号24dを介して別の消磁動作を開始し得る。幾つかの実装では、制御回路要素24は、図11A図11Bに示すように第2の閾値が満足されるか又は超えられた後コア6を少なくとも部分的に脱磁するために、自動的にコイルインターフェイス回路要素26、28、及び14に、複数のパルスをコア6に印加させ得、センサインターフェイス回路要素12及び22からの出力信号12a及び22aに少なくとも部分的に従って個々のパルスのエネルギー及び極性を制御させ得る。このようにして、幾つかの実施形態において、連続的脱磁はセンサ8からのフィードバックに従って閉ループによる「粗い」脱磁調整として用いられ、任意選択の後続の継続的近似パルスベース脱磁が「微細な」脱磁調整を提供する。
【0052】
また、制御回路要素24は有利にも、二次電流ISECを実質的にゼロまで低減するために充分に長く補償コイル16の両端が互いに接続された時点で、磁化状態(極性及び/又は大きさ)の測定を促進するように測定のタイミングにおいて印加パルス間の第2の状態期間を制御する。これにより、コア6の実際の磁化状態の精密な測定が促進され、コア6を自動的に消磁するための閉ループ離散フィードバックアルゴリズムの性能が高められる。また、この手法により、迅速な消磁動作が促進され、これによって、最小限のシステムダウンタイムのみでコア6を効果的に消磁するために、現在の感知能力に冗長に介入することなく、全体システム(図1及び図10の閉ループ電流感知システム2など)内で動作する装置20の能力が高められる。また、この例は、有利にも、既存の磁気センサ8、並びに既存の閉ループ電流感知システム2の励起及び感知回路要素及び接続10及び12を用い、また、オンボード自動消磁を備えた閉ループ電流感知ドライバ回路のためのシングルチップソリューションに比較的容易に統合される。
【0053】
消磁装置20及び方法は、単独で用いられ得るか又は励起及び感知回路要素12における電気的オフセットのキャリブレーションとともに用いられ得る、自動消磁を促進する。また、装置20はセンサ8及び回路要素12に関連付けられるフィードバック回路要素を用いるので、このような回路要素におけるいかなるキャリブレーションされていないオフセットも、装置20の自動消磁動作によって補償され得る。したがって、こういった脱磁の概念は、磁化オートゼロ特徴として機能し得、これはまた、いかなる電気的オフセットもキャリブレーション除去する。これは、励起及び感知回路要素12が閉ループ消磁又は脱磁システム20に含まれるからである。その結果、別個の電気的キャリブレーションが必ずしも必要とされず、それによって、装置20及び全体システム2の製造及び動作が容易になる。この利点は、開ループシステムでは実現することが難しい。
【0054】
また、装置20は有利にも符号24cを提供する。符号24cから、コア磁化の評価が導出され得るが、閉ループ消磁手法は、初期磁気残余の正確な計算又は推定を必要としない。ただし、幾つかの実施形態では、後続の消磁動作においてこれを用いてプロセスを迅速化し得る。
【0055】
また、例示の消磁装置20の補償範囲は時間ドメインにおいて定義され、こういった例示実施形態及び技術を用いて様々な磁気体6を脱磁することができる。各パルスサイクルの第2の状態におけるセトリング時間が、正確な極性測定のためにパルス電流をゼロ又はゼロ近傍まで低下させるために充分に長い場合、磁化をゼロまで又はゼロ近辺の許容公差範囲まで効果的に低減する必要がある限り、反復が有効であり得る。したがって、例示の実施形態の様々な概念が任意の磁気体に関連して用いられ得、残余磁化の任意の初期量が(少なくとも部分的に)消磁され得る。こういった概念は、外部及びオンチップのいずれの磁気センサ8にも関連して実装され得、また、システム2で用いられる磁気センサ8の種類と無関係である。
【0056】
したがって、例示の実施形態は、自動化された閉ループ式でのコアの完全又は部分的な脱磁のための脱磁又は消磁技術及び装置を含む。一例では、自動消磁装置が、磁気センサとインターフェイスされ、コアの磁化極性を表す出力信号を提供するセンサインターフェイス回路要素と、コアと磁気的に結合される二次又は補償コイルの両端に結合され得る出力を備えたコイルインターフェイスとを含む。また、この装置は制御回路要素を含み、制御回路要素は、自動的にコイルインターフェイスに、補償コイルを介してコアにパルスを選択的に印加させ、離散フィードバックアルゴリズムを用いて閉ループ式でコア消磁又は脱磁を全体的又は部分的に促進するようセンサインターフェイス出力信号に少なくとも部分的に基づいてパルスの極性及びエネルギーを制御させる。一例では、期間又はエネルギーが、離散フィードバックアルゴリズムに従って後続のパルスサイクルにおいて減少され、個々のパルス極性が、直前のパルスに続いて測定されるコア磁化極性に従って設定される。
【0057】
幾つかの実施形態では、制御回路要素は、コイルインターフェイス出力の所与の一方の、パルス電圧供給ノードへの接続、及び他方の出力の共通ノードへの接続を介して、第1の状態において個々のパルスサイクルを生成し、第2状態において両方の出力を共通ノードに接続する。制御回路要素は、コアの磁化を直近に測定された磁化極性と反対の方向に変えるよう次のパルスを提供するように、直前の第2の状態の間受け取られたセンサインターフェイス回路出力信号に従って、後続の第1の状態のためにこの所与の出力を選抜又は選択する。
【0058】
幾つかの実施形態では、制御回路要素は、継続的ポールサイクルにおける第1の状態の期間を、直前のパルスサイクルの期間より短く、例えば幾つかの実装では直前のパルスサイクルの期間の半分より長く、なるように制御する。
【0059】
幾つかの実施形態では、制御回路要素は、後続の第1の状態のために所与の出力を選択する前に、補償コイルにおける電流フローを実質的にゼロまで減少させるように第2の状態の期間を制御し得る。
【0060】
幾つかの実施形態では、制御回路要素は、測定された極性に従って第1のパルスを印加する前に磁化極性測定値を得る。他の実施形態において、制御回路要素は、コア磁化を測定する前に、予め選択された又は無作為に選択された極性を有する第1のパルスを開始する。
【0061】
幾つかの実施形態では、センサインターフェイス回路要素は、コアの磁化の大きさ及び磁化極性を示す出力信号を提供し、制御回路要素は、出力信号によって示される磁化の大きさに少なくとも部分的に従って、第1のパルスにおける第1の状態の期間を制御する。このようにして、全消磁動作のための時間が低減され得る。
【0062】
幾つかの実装では、制御回路要素は、所定の終了条件が満たされたときパルスの印加を停止し得、例えば、自動消磁動作が開始される前のコアの磁化状態をホストシステムが評価し得るように、消磁動作の間印加された個々のパルスの極性を表すブール符号を提供し得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、制御回路要素は、第1のモードにおいて磁気コアを自動的に消磁するように、及び異なる第2のモードにおいて閉ループ電流感知を提供するように、コイルインターフェイス回路におけるセンサインターフェイス回路を動作させ、これは、閉ループ電流センサシステムのコアを消磁する際に動作するための単一の装置の提供を促進する。また、センサインターフェイス回路要素、コイルインターフェイス回路要素、制御回路要素、及びセンサは、単一の集積回路製品に統合される。
【0064】
磁気コアを消磁するための例示の実施形態のさらなる態様では、自動装置が、コアに近接するセンサから信号を受け取り、コア磁化を示す出力信号を提供するセンサインターフェイスと、補償コイルに第1の極性の信号を印加するため、及び測定されたコア磁化をモニタリングし閉ループにおいて対応する閾値と比較するため、及び、閾値が満足された後、ゼロなどの第2の閾値に到達するまで反対の磁化信号を提供するための、コイルインターフェイス回路及び制御回路とを含む。幾つかの実施形態では、第1の閾値までの磁化に続いて、第2の連続的信号が反対の第2の極性で印加され得、制御回路は、測定された磁化が第2の閾値を満足した後、パルス状の消磁を開始する。これらの技術によって、総消磁時間が低減され得、継続的近似又は他の閉ループフィードバックアルゴリズムが自動化された様式で適用される。
【0065】
さらなる態様が、磁気コアを自動的に消磁するための閉ループ方法に関する。この方法は、コアと磁気的に結合される補償コイルにパルスを印加すること、離散フィードバックアルゴリズムに従って閉ループ式でパルスエネルギーを自動的に制御すること、及び直前のパルスに続く時間期間の間補償コイルに実質的に電流が流れない間に測定されるコアの磁化極性に少なくとも部分的に従って所与のパルスの極性を自動的に制御することを含む。
【0066】
この方法の幾つかの実施形態では、複数のパルスサイクルにおいてパルスが印加され、この方法は、補償コイルの両端が共に接続され補償コイルに実質的に電流が流れない間、コアの磁化極性を測定することを含む。測定された磁化極性と反対の極性と、直前のパルスのエネルギーより小さなエネルギーとを有するパルスが、補償コイルに印加される。幾つかの実装では、コア磁化極性を測定する前に、初期又は第1のパルスが印加される。
【0067】
幾つかの実施形態では、この方法は、パルスを印加する前に、補償コイルの両端を共に接続し、コアの磁化極性及び磁化の大きさを測定すること、及び、測定された磁化極性と反対の極性と、測定されたコアの磁化の大きさに従って決定されるパルスエネルギーとを有する初期パルスを印加することを含む。
【0068】
様々な実施形態では、この方法は、離散フィードバックアルゴリズムに従って個々のパルスのエネルギーを直前のパルスのエネルギーより小さくなるように自動的に制御することを含む。
【0069】
特許請求の範囲内で、説明した実施形態において改変が可能であり、他の実施形態が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12