(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透明な前面パネルの内側に形成され販売商品の商品サンプルを展示するための商品サンプル展示室を有し、該商品サンプル展示室内に、上下方向に間隔を空けて複数設けられるサンプル台であって、その上に前記商品サンプルが載置される前記サンプル台と、前記各サンプル台の前端側に前記商品サンプルに対応して配置され前記販売商品に関する情報を表示する表示部と、を備える自動販売機であって、
前記各サンプル台において前記表示部の下方であって、前記サンプル台の前端部から前記前面パネルまでの間の所定位置に配置され、下方の前記商品サンプル及び前記表示部を照明する照明装置を含み、
前記照明装置は、前記サンプル台の前端下部に取り付けられる、自動販売機。
透明な前面パネルの内側に形成され販売商品の商品サンプルを展示するための商品サンプル展示室を有し、該商品サンプル展示室内に、上下方向に間隔を空けて複数設けられ前記商品サンプルを配置するためのサンプル台と、前記各サンプル台の前端側に前記商品サンプルに対応して配置され前記販売商品に関する情報を表示する表示部と、を備える自動販売機であって、
前記各サンプル台において前記表示部の下方であって、前記サンプル台の前端部から前記前面パネルまでの間の所定位置に配置され、下方の前記商品サンプル及び前記表示部を照明する照明装置を含み、
前記照明装置は、前記各サンプル台に取り付けられる支持部材を介して前記各サンプル台の前端側に配置される、自動販売機。
前記各表示部に対応して配置され、上方からの光を、該配置箇所に対応する前記表示部の前面に反射させる反射部を、更に備える、請求項1〜10のいずれか1つに記載の自動販売機。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による自動販売機1の概略正面図である。
この自動販売機1は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料などの容器入り飲料を商品として販売するものである。なお、図示は省略するが、自動販売機1内には、それぞれが同種類の複数の商品を収納する複数の商品収納コラムが配設されている。各商品収納コラムは、自動販売機1内を独立した断熱空間に区画された複数の庫室内に配置されており、自動販売機1に設けられた冷却/加温機によって庫室ごとに商品の冷却又は加温を行えるように構成されている。また、各商品収納コラムには、収納している商品を一つずつ搬出するための商品搬出機が設けられている。
【0014】
図1に示すように、自動販売機1の前面(接客面)には、利用者によって金銭が投入される金銭投入口2(紙幣投入口2a,硬貨投入口2b)と、投入金銭の金額等を表示するデジタル表示器3と、投入金銭などの返却レバー4と、前記商品搬出機によって搬出された商品を利用者が取り出すための商品取出口5と、つり銭などを返却する硬貨返却口6とが設けられている。また、自動販売機1の前面上部には、前記複数の商品収納コラムに収納されている各販売商品に対応する商品サンプルSを展示するための商品サンプル展示室7が設けられている。
【0015】
商品サンプル展示室7は、自動販売機1の前面(接客面)上部の開口部に取り付けられた透明な前面パネル7aの内側に形成されている。この商品サンプル展示室7内には、上下方向に間隔を空けて複数設けられ商品サンプルSを配置するためのサンプル台8が備えられている。各サンプル台8は、例えば、それぞれ前面パネル7aから同一距離だけ離間して配置されている。したがって、各サンプル台8に取り付けられ後述する各表示部9についても、前面パネル7aから同一距離だけ離間して配置されている。
【0016】
本実施形態において、サンプル台8は、上下方向に間隔を空けて複数段(ここでは三段)に設けられている。以下において、上段、中段、下段の各サンプル台8を、それぞれ最上段のサンプル台81、中段のサンプル台82、最下段のサンプル台83という。
図2は1つのサンプル台8に複数の商品サンプルSが配置された状態を示す斜視図である。
図3は
図2に示すA矢視方向から見たサンプル台8の部分上面図、
図4は
図2に示すB矢視方向から見たサンプル台8の部分正面図、
図5は
図4に示すC矢視方向から見たサンプル台8の側面図、
図6は
図4に示すD−D矢視の部分断面図、
図7は
図1に示すE−E矢視の部分断面図である。
【0017】
具体的には、各サンプル台8は、
図2〜
図6に示すように、左右方向に延伸し複数の商品サンプルSが載置される載置部8aと、載置部8aの前面パネル側端部と接続すると共に前面パネル7aと対向する前端部8b(
図6及び
図7参照)と、左右両端の開口を閉塞する側壁8c,8cとを有し、例えば、薄板鋼板を板金加工等して形成されている。また、商品サンプル展示室7を区画する背面パネル7c(
図5参照)には、サンプル台8の幅方向両端部を支持するサンプル台支持部材7c1,7c1(
図2〜
図5参照)が前面パネル7a側に突出するように取り付けられている。各サンプル台支持部材7c1は、それぞれサンプル台8の側壁8cの内側に入り込んで、サンプル台8を支持する。このように、サンプル台8は、サンプル台支持部材7c1,7c1を介して背面パネル7cの適宜位置に取り付けられている。
本実施形態において、各サンプル台8は、
図6及び
図7に示すように、前端部8bが下方に向かうほど前面パネル7aに近づくように傾斜させて形成されている。
【0018】
各サンプル台8の前端部8bには、販売商品に関する情報(販売価格や温度状態など)を表示する表示部9が商品サンプルSに対応して取り付けられて配置されている。この表示部9は、例えば、
図6に示すように、各サンプル台8の前端上部8b1に取り付けられている。
このようにして、各サンプル台8の前端側に商品サンプルSに対応して配置され販売商品に関する情報を表示する表示部9が構成されている。なお、前端上部8b1とは、
図6に示すように、載置部8aと前端部8bとが接続する角部周縁8dと、前端部8b全体の領域のうちの上部領域8eの面と、を含む領域をいう。
【0019】
本実施形態において、表示部9は、
図2、
図6及び
図7に示すように、下方に向かうほど前面パネル7aに近づくように傾斜している。具体的には、複数の表示部9を有する表示ユニット(表示装置)90が、
図6に示すように、各サンプル台8の前端上部8b1(上部領域8eの面)に取り付けられている。
【0020】
図1に戻って、透明な前面パネル7aの表面(接客面側)には、利用者が購入商品を選択するための複数の商品選択ボタン10が配設されている。
商品選択ボタン10は、例えば、
図7に示すように、サンプル台8の前端部8b(例えば、後述する前端下部8b2)の前方において、各表示部9と対応して前面パネル7aにそれぞれ設けられている。また、商品選択ボタン10は、
図7に示すように、前面パネル7aの裏面の照明装置11に対応する位置に取り付けられる取付け金具10aを介して、前面パネル7aに固定される。取付け金具10aは、コ字状断面を有しサンプル台8の左右方向に延伸して形成されている。
【0021】
具体的には、本実施形態において、各サンプル台8上には、その延伸方向に沿って12個の商品サンプルSが並んで載置されている。表示ユニット90は、
図2〜
図4に示すように、4個の表示部9を有しており、各サンプル台8の前端上部8b1には、その延伸方向に沿って三つの表示ユニット90が着脱可能に取り付けられている。つまり、サンプル台8が3段である自動販売機1には、全部で9個の表示ユニット90(36個の表示部9)が取り付けられている。
また、透明な前面パネル7aの表面には、それぞれが各サンプル台8の前端下部8b2に位置するように、12個の商品選択ボタン10が配設されている。つまり、自動販売機1(の前面パネル7a)には、全部で36個の商品選択ボタン10が配設されている。
なお、表示ユニット90(表示部9)のサンプル台8への取り付け構造、表示形式及び表示内容については、後に詳述する。
【0022】
また、商品サンプル展示室7内には、
図4〜
図7に示すように、商品サンプルS及び表示部9を照明する照明装置11が備えられている。なお、後述するケース12は光透過性で透明であるため、
図4及び
図5において、照明装置11が見えている。
【0023】
照明装置11は、各サンプル台8において表示部9の下方であって、サンプル台8の前端部8bから前面パネル7aまでの間の所定位置に配置され、下方の商品サンプルS及び表示部9を照明するように構成されている。
照明装置11は、例えば、サンプル台8の前端下部8b2から前面パネル7aまでの間の所定位置に配置されている。前端下部8b2とは、前端部8b全体の領域のうちの下部領域8fの面と、前端部8bの下端(例えば、屈曲形成された鋼板の先端部)8gとを含む領域をいう。つまり、「サンプル台8の前端下部8b2から前面パネル7aまでの間」とは、サンプル台8の下部領域8fの面と前面パネル7aとの間、若しくは、サンプル台8の前端部8bの下端周辺(先端部)8gと前面パネル7aとの間をいう。
【0024】
本実施形態において、照明装置11は、サンプル台8の前端下部8b2、詳しくは、サンプル台8の下部領域8fの面に、取り付けられている。なお、照明装置11は、サンプル台8の下部領域8fの面に限らず、図示省略するが、サンプル台8の前端部8bの下端周辺(先端部)8gに取付けてもよい。このようにして、各サンプル台8において表示部9の下方であって、サンプル台8の前端部8bから前面パネル7aまでの間に位置し、下方の商品サンプルS及び表示部9を照明する照明装置11を構成することができる。
【0025】
具体的には、照明装置11は、最上段のサンプル台81と中段のサンプル台82にそれぞれ設けられている。最下段のサンプル台83の下方には照明対象物がないため、照明装置11は設けられていない。つまり、照明装置11は、各サンプル台8のうち最下段以外のサンプル台(81,82)において表示部9の下方であって、該サンプル台(81,82)の前端部8bから前面パネル7aまでの間の所定位置にそれぞれ配置され、下方の商品サンプルS及び表示部9を照明するように構成されている。なお、最下段のサンプル台83にも、照明装置11を設けてもよい。
【0026】
より具体的には、各照明装置11は、例えば、
図4及び
図6に示すように、サンプル台8と平行して左右方向に延伸する基板11aと、この基板11aに互いに間隔を空け各表示部9と対応してそれぞれ取付けられる複数の光源部11bと、を備えて構成されている。光源部11bは、例えば、LED素子が用いられる。
【0027】
本実施形態において、照明装置11は、
図4〜
図6に示すように、表示部9の下方に該表示部9と一体的に設けられている。この照明装置11と表示部9の一体的な配置の具体的な構成については後に詳述する。
【0028】
また、各サンプル台8のうち最上段のサンプル台81の表示部9の上方には、最上段のサンプル台81の商品サンプルS及び表示部9を照明する照明装置が配置されている。この最上段のサンプル台81用の照明装置は、上記基板11aと光源部11bとを備え、例えば、
図7に示すように、商品サンプル展示室7の天井部7bに取り付けられてなるものである。つまり、最上段のサンプル台81用の照明装置は、照明装置11と取り付け位置が異なるだけであり、照明装置11と同一ユニットからなるものである。天井部7bに取り付けられる上記照明装置も、最上段のサンプル台81の表示部9及び商品サンプルSを照明できるように、中段及び下段用に配置された照明装置11と同様に、サンプル台8の前端部8bから前面パネル7aまでの間の所定位置に対応する位置に配置されている。
【0029】
本実施形態において、照明装置11及び最上段のサンプル台81用の照明装置は、
図7に2点鎖線で示すように、光軸Xを下方の表示部9の前面の中央部に向けて配置されている。各光源部11bは、例えば、表示部9の中央部を通る鉛直線上に配置され、光軸Xは鉛直下方に向かうように構成される。
【0030】
次に、表示ユニット90(表示部9)のサンプル台8への取り付け構造について、
図3〜
図7を参照して詳述する。
【0031】
本実施形態において、自動販売機1は、サンプル台8の前端部8bに取り付けられ、表示部9及び照明装置11を内部に収納する光透過性の透明なケース12を備えている。
ケース12は、具体的には、
図6に示すように、光透過性の合成樹脂製であり、サンプル台8の前端部8(詳しくは、上部領域8eの面及び下部領域8fの面)に沿って延伸する断面概略コ字状のケース本体部12aと、このケース本体部12aの裏面(サンプル台8側)に突設され且つケース本体部12aの延伸方向に延設される隔壁12bとを有して、例えば射出成型により形成されている。ケース12の内部は、隔壁12bによって、表示ユニット90の収容部12cと、照明装置11の収容部12dとに、上下2分割されている。ケース本体部12aの屈曲形成された上壁部12e及び下壁部12fは、サンプル台8の前端部8b(詳しくは、角部周縁8d及び下端8g)と係合するように構成されている。ケース12は、例えば、複数(
図2〜
図4では4個)の表示部9を備えた表示ユニット90毎に形成されている。
このような構造により、照明装置11がケース12により表示部9と一体的に設けられる。
【0032】
また、本実施形態において、ケース12は、照明装置11からの光を下方の商品サンプルS及び表示部9に導くレンズ機能を有する。具体的は、ケース12の下壁部12f(
図5及び
図6参照)を適宜形状に形成して上記レンズ機能を備えるように構成する。これにより、商品サンプルS及び表示部9を効果的に照明することができる。
【0033】
さらに、本実施形態において、ケース12は、
図2〜
図4に示すように、ケース前面の各表示部9の周縁部に対応する周縁部分12gのうち、該周縁部分12gの上縁部12g1以外の部分に凸凹部12hを有する。凸凹部12hは、例えば、しぼ加工やエンボス加工等により適宜模様で形成されている。
なお、
図2〜
図4では、図の簡略化のため、凸凹部12hは黒く塗りつぶして示されている。また、
図1、及び後述する
図8及び
図9では、図の簡略化のため、凸凹部12hは図示省略されている。
【0034】
本実施形態において、自動販売機1は、各表示部9に対応して配置され、上方からの光を、該配置箇所に対応する表示部9の前面に反射させる反射部13を、更に備えている。
反射部13は、具体的には、ケース12に設けられる第1反射部13aと、商品選択ボタン10の取付け金具10aに設けられる第2反射部13bとを備えて構成される。
第1反射部13aは、ケース本体部12aの表面(接客面側)に突設され且つケース本体部12aの延伸方向に延設されてなり、上方からの光の一部をケース12内の表示部9に向けて反射可能に、ケース本体部12aと一体的に形成されている。つまり、第1反射部13aは、ケース12と同じ合成樹脂からなるものである。第1反射部13aは、例えば、傾斜して配置されるケース本体部12aの表面の法線方向に向かって突設され、これにより、上方からの光を表示部9側に反射する。なお、突設方向は、法線方向に限らず、上方からの光を表示部9に反射可能であれば、いずれの方向であってもよい。第1反射部13aの上面(表示部側/光の到来方向)側を、後述の第2反射部13bの表面と同様に鏡面にする加工(塗装、メッキ、反射材(光沢のある金属箔)の張り付けなど)を施してもよい。つまり、第1反射部13aは、上方からの光の一部をケース12内の表示部9に向けて反射可能に、ケース本体部12aと一体的に形成されており、その上面を鏡面仕上げにする加工を施してもよい。
第2反射部13bは、コ字状断面を有する取付け金具10aの上壁10a1を用いて構成されている。この第2反射部13b(上壁10a1)の表面は、鏡面仕上げの塗装が施されている。第2反射部13b(上壁10a1)は、
図7に示すように、表示部9側に向かうほど天井部7bから離れるように傾斜している。これにより、上方からの光を表示部9側に反射する。
【0035】
次に、表示ユニット90(表示部9)の表示形式及び表示内容について、
図8及び
図9を参照して詳述する。
図8及び
図9は、
図1のF部拡大図でありそれぞれ表示部9の作動状態の一例をそれぞれ示している。
【0036】
各表示部9は、対応する販売商品に関する情報(販売価格や温度状態など)を表示するものであり、対応する販売商品の価格を表示する価格表示領域9aと、対応商品の冷温状態を表示する状態表示領域9bと、を有している。
【0037】
本実施形態において、各表示部9は、例えばカラー表示可能な電子ペーパーからなるものである。この電子ペーパーは、低消費電力で駆動可能な表示装置であり、一旦表示した表示等を、エネルギーを消費することなく保持することが可能であり、かつ、表示内容を書き換え可能に構成されたものである。一方、電子ペーパーは、外光を光源とする反射型の液晶表示部材(LCD)や販売価格等の情報が単に印字されたプレート等と同様に、自発光式ではないため、暗所等においては外部からの照明を必要とする。
【0038】
各表示部9には、
図8及び
図9に示すように、価格表示領域9aが中央部に設定され、この価格表示領域9aを挟んで上下にそれぞれ状態表示領域9bが設定されている。
【0039】
価格表示領域9aには、
図8に示すように、対応する販売商品の販売価格(例えば、¥120)が黒色で表示され、その背景が白色で表示される。そして、オペレータにより対応する販売価格の変更(書き換え)操作が行われると、価格表示部9aには、
図9に示すように、変更後の販売価格(例えば、¥130)が表示される。
【0040】
状態表示領域9bは、例えば、対応する販売商品が温かい飲料であるのか、冷たい飲料であるのかを利用者が識別可能に表示する。例えば、上側の状態表示領域9bが温かい飲料であることを表示する領域として予め設定され、下側の状態表示領域9bが冷たい飲料であることを表示する領域として予め設定されている。
上側の状態表示領域9bには、対応する販売商品が温かい飲料である場合、
図8に示すように、例えば、白字で「あたたかーい」と表示され、その背景は暖色系の色(例えば、赤色)で表示される。一方、下側の状態表示領域9bは、全面白色表示される。そして、オペレータにより対応する販売商品が冷たい飲料に変更されて、表示内容の変更操作が行われると、
図9に示すように、上側の状態表示領域9bは、全面白色表示され、下側の状態表示領域9bには、白字で「つめたーい」と表示され、その背景は寒色系の色(例えば、青色)で表示される。
なお、
図8及び
図9では、状態表示領域9bに表示する文字を黒字で示したが実際には白字で表示され、背景は対応する色で表示されている。各表示部9の表示領域の区分けは、これに限らず、適宜設定することができる。また、価格表示領域9aには、販売価格に限らず、対応する販売商品の販売実績本数、残数等の情報を表示可能にしてもよい。例えば、オペレータによる販売商品の変更作業時等に、これらの販売実績本数や残数等を表示することにより、販売管理の効率を向上させることができる。
【0041】
次に、本実施形態に係る自動販売機1の商品サンプルS及び表示部9の照明動作について、
図6及び
図7に基づいて説明する。
【0042】
天井部7b、最上段及び中段のサンプル台81,82に設けられる照明装置11の各光源部11bは、例えば、光軸X(
図7では2点鎖線で示されている)を下方の表示部9の前面の中央部に向けて発光する。各光源部11bからの光の一部は、直接、商品サンプルS及び表示部9の前面に向かう。また、各光源部11bからの残りの光は、例えば、前面パネル7aの裏面、第1反射部13a及び第2反射部13bで反射され、商品サンプルSや表示部9の前面に向かう。このように、前面パネル7aの裏面、第1反射部13a及び第2反射部13bにより、上方からの光を商品サンプルS及び表示部9に向かって反射させる。これら反射光と、光源部11bからの直接光により、各光源部11bの下方の商品サンプルS及び表示部9を照明する。
【0043】
かかる本実施形態による自動販売機1によれば、表示部9は、各サンプル台8の前端側に商品サンプルSに対応してそれぞれ配置され、照明装置11は、各サンプル台8において表示部9の下方であって、サンプル台8の前端部8bから前面パネル7aまでの間の所定位置(例えば、サンプル台8の前端下部8b2)に配置され、下方の商品サンプルS及び表示部9を照明する。これにより、各サンプル台8と前面パネル7aとの間の狭い空間にそれぞれ配置される表示部9の上方に、照明装置11を位置させることができるため、これら各照明装置11により、下方のサンプル台8の商品サンプルSと表示部9をそれぞれ確実に照明することができる。
これにより、例えば、自発光式ではない表示部(電子ペーパー)9を採用する場合であっても、表示部9を確実に照明することができるため、暗所や夜間等においても、表示内容の視認性が低下することはない。また、商品サンプルSと表示部9とを同時に照明することができ、商品サンプル照明用の照明装置とは別に、表示部照明用の照明装置を設ける必要がないため、安価に構成することができる。
このようにして、照明用の消費電力を高めることなく且つ安価な構成で、販売商品に関する情報を表示する表示部の視認性を十分に確保することが可能な、自動販売機を提供することができる。
【0044】
また、本実施形態においては、照明装置11は、光源部11bとしてLEDを採用し、この照明装置11を、表示部9の下方に該表示部9と一体的に設ける構成とした。これにより、表示部9及び照明装置11への電気配線を集約することができると共に、組立性の向上、及び、コンパクト化を図ることができる。また、照明装置として蛍光灯を採用した従来の自動販売機と比べて、商品サンプル室7内にスペースの余裕を確保することができ、商品サンプル展示室7内のレイアウト自由度が高くなり、スペースの有効利用を図ることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、照明装置11(光源部11b)は、光軸Xを下方の表示部9の前面の中央部に向けて配置する構成とした。これにより、傾斜配置された表示部9を効果的に照明することができる。
【0046】
さらに、本実施形態においては、照明装置11は、商品選択ボタン10とサンプル台8との間に配置する構成とした。これにより、照明装置11からの前面パネル7aに向かう直接光は商品選択ボタン10によって遮られるため、商品サンプルS等を見る利用者がまぶしさを感じることはない。
【0047】
本実施形態においては、サンプル台8の前端部8bに取り付けられ、表示部9及び照明装置11を内部に収納する光透過性のケース12を備える構成とした。これにより、表示部9と照明装置11とを、容易に、一体的に配置することができる。また、表示部9の表面をケース12により保護することができると共に、上方からの光を遮ることなく表示部9の視認性を確保することができる。なお、照明装置11は、表示部9と一体的に設けなくてもよい。
【0048】
また、本実施形態においては、ケース12は、ケース前面の各表示部9の周縁部に対応する周縁部分12gのうち、該周縁部分12gの上縁部12g1以外の部分に凸凹部12hを有する構成とした。これにより、隣接する表示部9同士の区別を明確にすることができ、複数隣接する表示部9の視認性を高めることができる。なお、凸凹部12hを上縁部12g1にも形成すると、表示部9に影ができる可能性があるが、本実施形態においては、凸凹部12hは上縁部12g1には形成されないため、視認性を低下させることはない。なお、ケース12に、凸凹部12hを形成しなくてもよい。
【0049】
本実施形態においては、表示部9は、電子ペーパーからなるものとした。これにより、表示部として、発光ダイオードや液晶表示部材(LCD)を採用した従来の自動販売機と比較して、消費電力を減少させることができる。また、データの書き換えのみで確実に表示内容の変更作業を行うことができるので、単に販売価格等が単に印字されたプレート等を表示部として用いた場合と比較して、オペレータのオペレート性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、表示部9は、下方に向かうほど前面パネル7aに近づくように傾斜(言い換えると、後ろ方向に傾斜)する構成とした。これにより、照明装置11からの光を効率的に受光することができ、視認性を効率的に向上させることができる。
【0051】
本実施形態において、各表示部9に対応して配置され、上方からの光を、該配置箇所に対応する表示部9の前面に反射させる反射部13を、備える構成とした。これにより、光源部11bからの光を前面パネル7aだけでなく、反射部(第1反射部13a、第2反射部13b)13によっても、表示部9側に反射させ視認性を高めることができる。
例えば、表示部9の傾斜角度を変更したり、表示部9を前面パネル7aと平行に配置したりする等、表示部9の前面パネル7aに対する角度を変更する場合は、上方からの光を表示部9に反射可能に、反射部13の表示部9の前面に対する角度を適宜決めればよい。
【0052】
また、本実施形態において、反射部13は、第1反射部13aと第2反射部13bとを備えて構成し、第1反射部13aについては、ケース12と一体的に形成し、第2反射部13bについては、商品選択ボタン10の取付け金具10aを利用する構成とした。これにより、安価に反射部13を備えることができる。
なお、反射部13は、ケース12に設けられる第1反射部13aと、商品選択ボタン10に設けられる第2反射部13bとを備えるものとしたが、これに限らず、いずれか、一方だけでもよい。また、反射部13は、設けなくてもよい。
【0053】
ところで、本実施形態のように、表示部9を上述したように後ろ方向に傾斜させて上方の光源部11bからの光を効率的に受光することで、表示部9の表示内容の視認性を一定レベルまで向上することができる。しかし、表示部9の前方に位置するケース本体部12aの前面部分を、
図6に示すように、表示部9に対して平行に配置して空や天井等を仰ぐような状態(つまり、表示部9と同様に後ろ方向に傾斜させた状態)にすると、例えば、前面パネル7aを通過してケース本体部12aの前面部分で反射する外部からの光の反射位置が、前面パネル7aに対面する利用者の目の位置に重なる場合がある。この場合、利用者の目線では、空や天井や背景等がケース本体部12aの前面部分に映り、背景等と表示部9の表示が重なって見えてしまったり、全反射し表示がまったく見えなくなったりしてしまうおそれがある。一方、表示部9は自発光式ではないため、光源部11bからの光を効率的に受光するためには、表示部9を後ろ方向に傾斜させて配置することが好ましい。
そこで、以下の第2実施形態においては、表示部9を後ろ方向に傾斜させて配置した状態において、表示部9の視認性をより向上させるための構成を含む実施例を説明する。
【0054】
図10は、第2実施形態におけるサンプル台8を含む要部を説明するための図であり、
図5と同じ方向から見た側面図である。
図11は、
図10に示すサンプル台8を含む要部を説明するための図であり、
図6と同じ断面位置で示した部分断面図である。
図12は、第2実施形態における照明装置11の配置位置を説明するための図であり、
図7と同じ断面位置で示した部分断面図である。なお、第2実施形態においては、サンプル台8の形状と、照明装置11及び表示部9の取り付け構造が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
第2実施形態において、サンプル台8は、
図10〜
図12に示すように、その側壁8c,8cを含む左右両端部と載置部8aについては、第1実施形態と同じ形状を有して形成されているが、前端部8bの形状については、第1実施形態と異なる。第1実施形態で示したサンプル台8の前端部8bは、第2実施形態においては、
図11の点線の円内に示すように、載置部8aの前面パネル側端部を鋭角に背面パネル7c側に向けて折り曲げられて形成されている。つまり、前面パネル7a側から見ると、サンプル台8は、その前面の大半が開口しており、概略門型に形成されている。
【0056】
また、
図11に示すように、照明装置11と表示部9は、それぞれ個別に配置されている。具体的には、照明装置11は、各サンプル台8に取り付けられる支持部材14を介して各サンプル台8の前端側に配置され、表示部9は、支持部材14を介してサンプル台8の前端側に配置されている。照明装置11と表示部9は、第1実施形態ではサンプル台8の前端部8bに直接的に取り付けられてサンプル台8の前端側に配置されていたが、第2実施形態では支持部材14を介してサンプル台8の前端側に配置されている。
また、第2実施形態では、ケース12に替って、後述する照明装置11用の照明カバー12Aと表示部9用の保護ケース12Bが設けられている。
【0057】
前記支持部材14は、具体的には、
図11に示すように、概略Z字状の断面を有しサンプル台8の左右幅方向に延伸して、薄板鋼板を板金加工等して形成され、各サンプル台8の前端側に取り付けられている。支持部材14は、図示を省略するが、例えば、サンプル台8の側壁8c,8cを含む左右両端部に、サンプル台8の前端側に位置するように取り付けられている。
【0058】
具体的には、照明装置11は、支持部材14の下部に取り付けられると共に下方に向かって突設される光透過性の照明カバー12A内に、光源部11bを下方に向けて配置される。また、表示部9は、支持部材14の上部に取り付けられる保護ケース12B内に、第1実施形態と同様に後ろ方向に傾斜させて配置されている。
このようにして、各サンプル台8の前端側に商品サンプルSに対応して配置され販売商品に関する情報を表示する表示部9と、各サンプル台8において表示部9の下方であって、サンプル台8の前端部8bから前面パネル7aまでの間の所定位置に配置され、下方の商品サンプルS及び表示部9を照明する照明装置11とが構成されている。
【0059】
前記照明カバー12Aは、具体的には、光透過性の合成樹脂製であり、肉厚が均一なU字状の断面を有し支持部材14の左右方向に延伸して形成されている。また、照明カバー12Aの内面には、照明装置11の基板11aを受けるリブ12A1が複数個所に設けられている。
【0060】
前記保護ケース12Bは、具体的には、光透過性の前方カバー15と、光透過性の上方カバー16と、受部17と、支持プレート18と、側面カバー19,19とを有して構成されている。前方カバー15、上方カバー16、受部17及び支持プレート18は、支持部材14の延伸方向に沿って延設されている。保護ケース12Bは、
図11に示すように、概略逆三角形状の断面形状を有するように構成されている。
【0061】
前記前方カバー15は、表示部9の前方にて上方に向かうほど前面パネルに近づくように傾斜(言い換えると、前方向に傾斜)して配置されてなるものである。第1実施形態においては、表示部9の前方に位置するケース本体部12aの前面部分は、表示部9と略平行になるように構成されていたが、第2実施形態においては、このケース本体部12aの前面部分に相当する前方カバー15は、上記のように前方向に傾斜し、上方に向かうにつれて表示部9から離れるようにして傾斜している。
前方カバー15は、具体的には、光透過性の合成樹脂製であり、平滑な面を有する平板材を支持部材14の高さ及び左右方向の幅に応じた適宜寸法に切断して形成される。また、前方カバー15の各長辺部は、上方カバー16及び下端受部17に形成される後述の溝部(16b,17b)内に挿入されて保持されている。
【0062】
前記上方カバー16は、表示部9の上方から前面パネル7a側に向って斜め上方に延びて配置されてなるものである。
上方カバー16は、具体的には、光透過性の合成樹脂製であり、支持部材14の左右方向に延伸して、例えば射出成型により形成されている。上方カバー16の一方の長辺部が支持部材14の上部に適宜固定されることにより、保護ケース12Bが支持部材14の上部に固定される。また、上方カバー16の一方の長辺部側(支持部材14側)に形成される溝部16aには、支持プレート18の上方の長辺部が挿入される。上方カバー16の他方の長辺部側(前面パネル7a側)に形成される溝部16bには、前方カバー15の上方の長辺部が挿入される。そして、上方カバー16の溝部16aと溝部16bとの間であって支持部材14側に形成される溝部16cには、表示部9の上方の長辺部が挿入される。
【0063】
前記受部17は、前方カバー15及び表示部9の下方の長辺部を受ける部材であり、適宜材質により形成され、支持プレート19の下方の長辺部に取り付けられている。この受部17の支持部材14側に形成される溝部17aには、表示部9の下方の長辺部が挿入され、受部17の前面パネル7a側に形成される溝部17bには、前方カバーの下方の長辺部が挿入される。
前記支持プレート18は、保護ケース12Bの支持基板となるものであり、適宜材質により形成されている。
前記各側面カバー19は、
図10に示すように、保護ケース12Bの両側部を覆う蓋となる部材である。
【0064】
次に、第2実施形態に係る自動販売機1の商品サンプルS及び表示部9の照明動作について、
図11及び
図12に基づいて説明する。
【0065】
天井部7b、最上段及び中段のサンプル台81,82に設けられる照明装置11の各光源部11bは、例えば、光軸X(
図12では2点鎖線で示されている)を下方の表示部9の前面の中央部に向けて発光する。
各光源部11bからの光の一部は、直接、商品サンプルS及び上方カバー16に向う。この上方カバー16に向かって上方カバー16を透過する光は、その一部が、直接、表示部9の前面に向かい、その残りの大半が、前方カバー15の裏面で反射され、表示部9の前面に向かう。また、各光源部11bからの残りの光は、例えば、前面パネル7aの裏面、第2反射部13bで反射され、商品サンプルSや表示部9の前面に向かう。このように、前面パネル7aの裏面、第2反射部13b及び前方カバー15の裏面により、上方(光源部11b)からの光を商品サンプルSや表示部9に向かって反射させる。これら反射光と、光源部11bからの直接光により、各光源部11bの下方の商品サンプルS及び表示部9を照明する。
【0066】
次に、第2実施形態に係る自動販売機1の前方カバー15の作用について、
図12に基づいて説明する。なお、自動販売機1は屋外に設置されているものとし、
図12に示すように、自動販売機1の利用者の目(目線)の高さが、例えば、上段のサンプル台81の表示部9の中央部の配置高さとほぼ一致しており、且つ、この利用者が上段のサンプル台81の表示部9を見ている場合を一例として説明する。
【0067】
図12に示すように、日光等の入射光L1が前面パネル7aに向かって斜め上方より入射する。この入射光L1のうち前面パネル7aを透過する光の一部又は全部は、前方カバー15で反射する。ここで、前方カバー15は前方向に傾斜して配置されているため、前方カバー15で反射した光(反射光L2)の反射位置は、利用者の目の位置より下方に位置する。つまり、例えば、前方カバー15を表示部9と平行にして空を仰ぐような状態(後ろ方向に傾斜させた状態)で配置すると、前方カバー15で反射する反射光は、
図12に一点鎖線の太字矢印(L3)で示したように、利用者の目に向かう可能性があるところ、本実施形態においては、前方カバー15を前方向に傾斜して配置することにより、反射位置を利用者の目の高さ位置からずらしている。
【0068】
かかる第2実施形態による自動販売機1によれば、第1実施形態と同様に、照明用の消費電力を高めることなく且つ安価な構成で、販売商品に関する情報を表示する表示部の視認性を十分に確保することが可能な、自動販売機を提供することができる。
【0069】
また、第2実施形態においては、表示部9の前方にて上方に向かうほど前面パネル7aに近づくように傾斜(前方向に傾斜)して配置される光透過性の前方カバー15を更に有する構成とした。これにより、前方カバー15で反射した光(反射光L2)の反射位置を、自動販売機1の一般的な利用者の目の位置からずらすことができる。したがって、利用者の目線で、前方カバー15に背景等が映って見えることはないため、利用者は、前方カバー15越しに表示部9の表示を明確に視認することができる。
このようにして、表示部9を後ろ方向に傾斜して配置した状態において、表示部9の視認性をより向上させることができる。
なお、部品の共通化のため、上段、中段、下段の各サンプル台8のいずれの前方カバー15も、上記のように前方向に傾斜させる構成としたが、これに限らない。大半の利用者の目線の地面からの高さは、上段のサンプル台8の配置高さと概ね一致するため、前方カバー15に背景等が映り込む現象は、中段や下段の前方カバー15よりも上段の前方カバー15において生じる可能性が高い。したがって、少なくとも上段の前方カバー15のみを前方向に傾斜させる構成とすればよい。
【0070】
また、前方カバー15を上記のように前方向に傾斜させる構成において、利用者が中段や下段の表示部9を斜め上方から見る(見下ろす)場合、中段や下段の上方カバー16が邪魔になって表示部9の視認性を低下させる可能性がある。これを解消するため、第2実施形態においては、表示部9の上方から前面パネル7a側に向って斜め上方に延びて配置される光透過性の上方カバー16を更に有する構成とした。これにより、利用者が中段や下段の表示部9を斜め上方から見る場合に、利用者の目線に表示部9が入り易くなるため、中段及び下段の表示部9の視認性を高めることができる。
なお、部品の共通化のため、上段、中段、下段の各サンプル台8のいずれの上方カバー16も、上記のように傾斜させる構成としたが、これに限らず、例えば、視認性が低下する可能性の高い下段の上方カバー16のみを上記のように傾斜させる構成としてもよい。
【0071】
また、第2実施形態において、照明カバー11cは、肉厚が均一なU字状の断面を有して形成されている。これにより、照明カバー11cの光透過距離を全方向にわたって均一にすることができるため、光透過距離の不均一等に起因して、例えば、背面パネル7c等に映り込む線状の明暗差(影やすじ)の発生を防止することができる。
なお、第2実施形態において、照明カバー11cは、U字状に限らず、適宜形状に形成してもよい。また、光を効果的に表示部9に導くように、照明カバー11cを適宜形状に形成して、照明カバー11cのレンズ機能を備えるように構成してもよい。
【0072】
図13は、本発明の第3実施形態に係る自動販売機1における照明装置11の配置状態を示す図であり、
図7の商品選択ボタン10周辺の部分図である。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態において、照明装置11は、商品選択ボタン10の裏面側であって表示部9の下方に取り付けられる構成とする。具体的には、照明装置11は、
図13に示すように、商品選択ボタン10の取付け金具10aの下壁10a2に取り付けて構成する。この場合、光源部11bは、光軸Xを、例えば下方の表示部9の前面の中央部に向けて配置するとよい。つまり、光軸Xを、下方に向かうにしたがってサンプル台8側に近づくように傾斜させて、表示部9の中央部に向かうようにしてもよい。例えば、上壁10a2は、
図13に示すように、表示部9側に向かうほど天井部7bに近づくように傾斜している。これにより、光軸Xを容易にサンプル台8側に近づくように傾斜させることができる。また、光軸Xを表示部9の中央部以外の領域に向くようにしてもよい。
【0073】
第3実施形態において、さらに、
図7の商品選択ボタン10周辺の部分図である
図14に示すように、照明装置11を取付け金具10aの下壁10a2に取り付けると共に、取付け金具10aの上壁10a1に、照明装置11と同一の基板11a及び光源部11bからなる照明装置を取り付けてもよい。また、図示省略するが、照明装置11を、サンプル台8の前端下部8b2に取り付けると共に、取り付け金具10aの下壁10a2に取り付ける構成としてもよい。このように、照明装置11を、サンプル台8と下壁10a2の両方に設ける構成の場合に、さらに、上壁10a1に基板11aと光源部11bからなる照明装置を設けて構成してもよい。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
【0075】
例えば、第1及び第2実施形態において、光源部11bは、光軸Xを表示部9の前面の中央部に向けて配置するものとしたが、これに限らず、光軸Xを表示部9の中央部以外の領域に向かうように配置してもよい。つまり、光源部11bは、光軸Xを下方の表示部9の前面に向けて配置すればよい。
【0076】
また、第1実施形態において、第2実施形態の前方カバー15及び上方カバー16を適用してもよい。具体的には、ケース本体部12aの前面部分を、上方に向かうほど前面パネルに近づくように傾斜させ、上壁部12eを、前面パネル7a側に向って斜め上方にさらに延伸させる。この場合、ケース本体部12aの前面部分が本発明に係る「前方カバー」に相当し、上壁部12eが本発明に係る「上方カバー」に相当する。
【0077】
また、各実施形態において、表示部9は、下方に向かうほど前面パネル7aに近づくように傾斜(後ろ方向に傾斜)する構成としたが、これに限らず、前面パネル7aと平行になるように構成してもよい。この場合でも、光源部11bからの光は、前面パネル7a等で反射して、表示部9に向かうため、表示部9を照明することができる。
【0078】
また、各実施形態において、表示部9は、電子ペーパーからなるものとしたが、これに限らず、例えば、外光を光源とする反射型の液晶表示部材(LCD)や、販売価格等の情報が単に印字されたプレートであってもよい。表示部9が、このような、電子ペーパー、反射型液晶表示部材及び単なるプレート等の自発光式でない表示媒体である場合に、本発明に係る自動販売機1は、好適である。なお、表示部9は、自発光式ではないものに限らず、バックライトを備えた透過型の液晶表示部材等の自発光式のものであってもよい。この場合であっても、視認性をさらに向上させることができる。
【0079】
また、各実施形態において、1個の表示ユニット90を構成する表示部9の個数は、4個であるとしたが、これに限らず、適宜定めることができる。また、1個のサンプル台に載置する商品サンプルSの個数は、12個であるとしたが、これに限らず、適宜定めることができる。さらに、サンプル台8の段数についても、3段に限らず、適宜定めることができる。また、照明装置11は、
図4に示すように、1つの表示部9に対して1つ設ける構成としたが、これに限らず、複数個の表示部9に対して1つ設けるように構成してもよい。
【0080】
照明装置11は、サンプル台8の前端下部8b2や商品選択ボタン10の裏面側等、各サンプル台8において表示部9の下方であって、サンプル台8の前端部8bから前面パネル7aまでの間の所定位置に配置され、下方の商品サンプルS及び表示部9を照明する構成であればよい。