(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を水平方向に見た図である。
基板処理装置1は、円形の半導体ウエハ等の基板Wのデバイス形成領域側の表面に対して処理液を用いた薬液処理(洗浄処理やエッチング処理など)を施すための枚葉型の装置である。基板処理装置1は、内部空間を有する箱形のチャンバ2と、チャンバ2内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持手段)3と、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に、処理液を吐出するためのノズル4と、ノズル4に処理液を供給するための処理流体供給ユニット5と、スピンチャック3を取り囲む筒状の処理カップ6と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置7とを含む。
【0023】
チャンバ2は、箱状の隔壁8と、隔壁8の上部から隔壁8内(チャンバ2内に相当)に清浄空気を送る送風ユニットとしてのFFU(ファン・フィルタ・ユニット)9と、隔壁8の下部からチャンバ2内の気体を排出する排気装置10とを含む。スピンチャック3およびノズル4は、隔壁8内に収容配置されている。
FFU9は隔壁8の上方に配置されており、隔壁8の天井に取り付けられている。FFU9は、隔壁8の天井からチャンバ2内に清浄空気を送る。排気装置10は、処理カップ6内に接続された排気ダクト11を介して処理カップ6の底部に接続されており、処理カップ6の底部から処理カップ6の内部を吸引する。FFU9および排気装置10により、チャンバ2内にダウンフロー(下降流)が形成される。
【0024】
スピンチャック3として、基板Wを水平方向に挟んで基板Wを水平に保持する挟持式のチャックが採用されている。具体的には、スピンチャック3は、スピンモータ(基板回転手段)12と、このスピンモータ12の駆動軸と一体化されたスピン軸13と、スピン軸13の上端に略水平に取り付けられた円板状のスピンベース14とを含む。
スピンベース14の上面には、その周縁部に複数個(3個以上。たとえば6個)の挟持部材15が配置されている。複数個の挟持部材15は、スピンベース14の上面周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。
【0025】
また、スピンチャック3としては、挟持式のものに限らず、たとえば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、スピンチャック3に保持された基板Wを回転させる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
ノズル4は、基板Wの上面における処理液の供給位置を変更できるスキャンノズルとしての基本形態を有している。ノズル4は、スピンチャック3の上方でほぼ水平に延びたノズルアーム(支持部材)17の先端部に取り付けられている。ノズルアーム17は、スピンチャック3の側方でほぼ鉛直に延びたアーム支持軸18に支持されている。アーム支持軸18には、モータ等で構成されるアーム揺動ユニット19が結合されている。アーム揺動ユニット19により、ノズルアーム17をスピンチャック3の側方に設定された鉛直な揺動軸線A2を中心として水平面内で揺動させることができ、これにより、揺動軸線A2まわりにノズル4を回動させることができるようになっている。アーム支持軸18には、サーボボータやボールねじ機構などで構成されるアーム昇降ユニット20が結合されている。アーム昇降ユニット20により、アーム支持軸18を昇降させてアーム支持軸18と一体的にノズルアーム17を昇降させることができる。これにより、ノズル4を、その下端縁がスピンチャック3に保持されている基板Wの上面と所定の間隔W2(たとえば5mm。
図2参照)を空けて対向する下位置と、スピンチャック3に保持されている基板Wの上方に大きく退避する上位置との間で昇降させることができる。このように、アーム昇降ユニット20は、ノズル4を基板Wに接近/離反させるための接離駆動機構を構成している。
【0026】
ノズル4は、ノズル保持ユニット(ノズル保持手段)16を介して、ノズルアーム17に支持されている。
図2は、ノズル保持ユニット16およびノズル4の構成を図解的に示す図である。
図2に示すように、ノズル4の後述する内筒35に接続される第1の処理液配管52は、鉛直方向に延びる鉛直配管部21と、鉛直配管部21の上端部から屈曲し水平方向に延びる水平配管部22とを一体的に含む。鉛直配管部21と水平配管部22との間の接続部分23は、ホルダ24の内部を貫通しており、これにより、第1の処理液配管52がホルダ24に固定されている。ホルダ24は上面25を有している。ノズルアーム17の下面と、ホルダ24の上面25との間には、エアシリンダ(第1の荷重付与手段)26およびコイルばね(第2の荷重付与手段)27が介装されている。第1実施形態では、ノズル保持ユニット16は、ホルダ24、エアシリンダ26およびコイルばね27を含む。
【0027】
図2に示すように、コイルばね27は、引っ張りコイルばねである。コイルばね27の上端および下端は、それぞれ、ノズルアーム17の下面およびホルダ24の上面25に固定されている。コイルばね27は、ノズル4およびホルダ24を上方に向けて引っ張る。すなわち、コイルばね27は、ノズル4に上向きの力(離反方向力)を作用させる。
図2に示すように、エアシリンダ26は、伸縮可能な伸縮部28を備えたシリンダである。伸縮部28としてたとえば長手方向に伸縮可能な伸縮ロッドを例示できる。伸縮部28は、鉛直姿勢で配置されている。伸縮部28の内部には、空気供給バルブ29を介して空気供給配管30が接続されている。空気供給配管30には、空気供給配管30の開度を調整するための空気調整バルブ(荷重調整手段)31が介装されている。伸縮部28の内部には、リークバルブ(荷重調整手段)32を介してリーク配管33が接続されている。伸縮部28は、その内部に圧縮空気を導入することにより伸長し、その内部から圧縮空気を抜くことにより短縮する。伸縮部28の最短縮状態における、伸縮部28の上下高さ(エアシリンダ26の上下高さと略同じ)が、コイルばね27にホルダ24を吊り下げた状態におけるコイルばね27の長さよりも短く設けられている。そのため、伸縮部28の最短縮状態では、伸縮部28の下端部分がホルダ24の上面25に接触していない。伸縮部28が最短縮状態にある状態において、リークバルブ32が閉じられつつ空気供給バルブ29が開かれると、圧縮空気が空気供給配管30を通って伸縮部28の内部に供給される。これにより、伸縮部28が伸長し、伸縮部28の長さがコイルばね27の長さと一致すると、伸縮部28の下端部分がホルダ24の上面25に当接する。圧縮空気の供給がさらに継続されることにより、伸縮部28が、コイルばね27のばね力に抗ってその状態からさらに伸長する。すなわち、伸縮部28に下端部分がホルダ24を下方に向けて押圧することによりホルダ24が下降する。これにより、ノズルアーム17の下面とホルダ24の上面25との間の間隔が拡大する。
【0028】
伸縮部28の伸長状態において、リークバルブ32が開かれると、伸縮部28の内部から圧縮空気が抜かれ、これに伴って、伸縮部28が短縮して最短縮状態に復帰する。
また、伸縮部28の周囲は、耐薬性を有する樹脂材料を用いて形成されたベローズ34によって取り囲まれている。ベローズ34は、ノズルアーム17の下面とホルダ24の上面25との間の間隔の増減に応じて伸縮する。
【0029】
図3は、ノズル4に含まれる内筒35の構成を図解的に示す断面図である。
図4は、処理液を吐出している状態のノズル4を拡大して示す断面図である。
図2および
図4を参照しながら、ノズル4の構成について説明する。
図3については適宜説明する。
ノズル4は、内筒(第1の筒体)35と、内筒35に外嵌され、内筒35を包囲する外筒(第2の筒体)36とを有している。内筒35および外筒36は、各々共通の鉛直軸線A3上に同軸配置されている。
図3に示すように、内筒35は、下端部分(先端部分)37を除いて、円筒状をなしている。内筒35の下端部分37は、下方に向かって広がるラッパ状部38を含む。換言すると、内筒35の下端部分37は、下方に向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁41を含む。さらに換言すると、内筒35の下端部分37が、下方に向かうに従って鉛直軸線A3から離れるように拡径する拡径内壁を含む。ラッパ状部38の周縁部(先端縁)39は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)40を含む。ラッパ状部38の周縁部39は、平面視で、外筒36よりも径方向の外方に張り出している。内筒35の内部空間は、後述する第1の処理液配管52からの処理液が流通する直線状の第1の流路42となっている。
【0030】
図2および
図4に示すように、外筒36は、円筒部43と、円筒部43の上端部を閉鎖する閉鎖部44とを含む。内筒35の外周と、閉鎖部44の内周との間は、シール部材(図示しない)によって液密にシールされている。内筒35と外筒36の円筒部43との間には、後述する第2の処理液配管57からの処理液が流通する円筒状の第2の流路45が形成されている。内筒35および外筒36は、それぞれ、塩化ビニル、PCTFE(ポリクロロトリフルエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。
【0031】
図2および
図4に示すように、外筒36の下端部分には、外筒36の下端縁47(先端縁)と内筒35の下端部分37とによって、環状の上吐出口(第2の吐出口)48が区画されている。上吐出口48は横向きの吐出口であり、第2の流路45を流通する処理液を、水平方向に放射状に吐出する。
内筒35の下端部分37が基板Wの上面へ向かって広がるラッパ状部38を含むので、第2の流路45の下流端部分がラッパ状の凹湾曲壁62によって構成される。そのため、処理液が第2の流路45を上吐出口48に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、凹湾曲壁62がラッパ状をなしているから、第2の流路45から上吐出口48に至る処理液の流れに乱流が発生せず、これにより、上吐出口48に向けて処理液をスムーズに案内できる。
【0032】
また、第2の流路45を上吐出口48に向けて処理液が流通することにより、当該処理液がラッパ状部38を下向きに押し付ける。すなわち、第2の流路45を流通する処理液によって、ノズル4に下向きの力(接近方向力)が作用する。
基板処理装置1により基板Wに対して処理を行う際には、ノズルアーム17の揺動および昇降によりノズル4が下位置に配置される。この状態で、ノズル4のラッパ状部38から処理液が吐出される。この状態で、ノズル4が下位置よりもさらに下方の近接位置に向けて下降されると、
図4に示すように、ラッパ状部38の周縁部39と、基板Wの上面との間で、環状の下吐出口(第1の吐出口)49が区画される。
【0033】
図2および
図4に示すように、下吐出口49は、第1の流路42を流れる処理液を、水平方向に放射状に吐出する。そして、ノズル4の鉛直方向の高さ位置は、下向きの力(ノズル4やホルダ24等の自重による下向きの力、エアシリンダ26による下向きの力および、後述する第2の流路45を流通する処理液がラッパ状部38を下向きに押し付ける力との合力)と、上向きの力(コイルばね27の引っ張りによる上向きの力および下吐出口49からの第1の流体の吐出による上向きの力)とが釣り合う位置に保持される。この場合、ノズル4の下端縁と基板Wの上面との間の間隔が極めて微小な間隔になるように、下吐出口49から吐出される処理液の流量およびエアシリンダ26への圧縮空気の流量がそれぞれ設定されている。そのため、環状の下吐出口49における、鉛直方向の開口幅(以下、単に「開口幅」という)W3が極めて微小な幅に設けられている。
【0034】
ノズル保持ユニット16に含まれるエアシリンダ26から下向きの荷重がノズル4に付与されると共に、ノズル保持ユニット16に含まれるコイルばね27から上向きの荷重が付与される。そして、エアシリンダ26に含まれる伸縮部28によって、エアシリンダ26からノズル4に付与される下向きの荷重の大きさが調整される。これにより、下吐出口49の開口幅W3を、精度良く調整できる。
【0035】
また、エアシリンダ26からノズル4に付与される荷重の大きさを調整して、下吐出口49の開口幅W3を調整できる。そのため、下吐出口49の開口幅W3を調整するべく、ノズル4から吐出される処理液の流量が制約されない。したがって、ノズル4から吐出される処理液の流量を小流量に抑制することも可能であり、この場合、処理液の省液を図ることもできる。
【0036】
図1に示すように、処理流体供給ユニット5は、ノズル4の第1の流路42に処理液を供給するための第1の処理液供給ユニット(第1の流体供給手段)50と、ノズル4の第2の流路45に処理液を供給するための第2の処理液供給ユニット(第2の流体供給手段)51とを含む。この実施形態では、処理液として、薬液(洗浄薬液)の一例としてのSC1(アンモニア過酸化水素水混合液:ammonia−hydrogen peroxide mixture)と、リンス液とが用いられている。第1の処理液供給ユニット50は、ノズル4の第1の流路42(
図2参照)に処理液を供給する第1の処理液配管52と、薬液供給源からの薬液(SC1)を第1の処理液配管52に供給する第1の薬液配管53と、第1の薬液配管53を開閉する第1の薬液バルブ54と、リンス液供給源からのリンス液を第1の処理液配管52に供給する第1のリンス液配管55と、第1のリンス液配管55を開閉する第1のリンス液バルブ56とを含む。
【0037】
第2の処理液供給ユニット51は、第2の流路45に第1の流路42に処理液を供給する第2の処理液配管57と、薬液供給源からの薬液(SC1)を供給する第2の薬液配管58と、第2の薬液配管58を開閉する第2の薬液バルブ59と、第2の流路45に、リンス液供給源からのリンス液を第2の処理液配管57に供給する第2のリンス液配管60と、第2のリンス液配管60を開閉する第2のリンス液バルブ61とを含む。
【0038】
リンス液としては、DIW(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水、還元水(水素水)、脱気水等をできる。
第1のリンス液バルブ56および第2のリンス液バルブ61が閉じられた状態で、第1の薬液バルブ54および第2の薬液バルブ59が開かれることにより、ノズル4の第1の流路42および第2の流路45の双方に薬液(SC1)が供給される。これにより、下吐出口49および上吐出口48の双方から薬液(SC1)を同時に吐出できる。
【0039】
また、第1の薬液バルブ54および第2の薬液バルブ59が閉じられた状態で、第1のリンス液バルブ56および第2のリンス液バルブ61が開かれることにより、ノズル4の第1の流路42および第2の流路45の双方にリンス液が供給される。これにより、下吐出口49および上吐出口48の双方からリンス液を同時に吐出できる。
図1に示すように、処理カップ6は、スピンチャック3に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。処理カップ6は、スピンベース14を取り囲んでいる。スピンチャック3が基板Wを回転させている状態で、処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、上向きに開いた処理カップ6の上端部6aは、スピンベース14よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された薬液や水などの処理液は、処理カップ6によって受け止められる。そして、処理カップ6に受け止められた処理液は、図示しない回収装置または廃液装置に送られる。
【0040】
図5は、除去モーメントと、処理液の横向きの流速との関係を模式的に示す図である。
本願発明者らは、基板Wの上面に付着しているパーティクルPを除去するための除去モーメントM
Rは、パーティクルPに作用する横向きの力(以下、「パーティクル除去力F
D」という)に依存していることを見出した。基板Wの上面に処理液(たとえば洗浄薬液)を供給した場合、パーティクル除去力F
Dは、パーティクルPの近傍を流れる処理液の流速に依存していると本願発明者らは考えている。
【0041】
パーティクル除去力F
Dは、次の式(1)で表すことができる。
F
D=32・μ/ρ・(r/v)
2・2τ/ρ ・・・式(1)
(但し、式(1)において、μは処理液の粘度を示し、ρは処理液の密度を示し、rは、パーティクルPの半径を示し、vは処理液の動粘度を示し、τは、処理液の横向きの流速を示す。)
パーティクルPは、基板Wの表面近傍に付着している。すなわち、除去モーメントM
Rは、基板Wの表面近傍における処理液の横向きの流速τに依存していると考えることができる。
【0042】
図6は、下吐出口49の開口幅W3と、下吐出口49からの横向きの吐出速度との関係を示すグラフである。
環状の下吐出口49の半径、すなわちラッパ状部38(
図4参照)の半径をR(
図4参照)とすると、下吐出口49の開口面積Sは、次の式(2)で表すことができる。
S=2・π・R・W3 ・・・式(2)
この場合、第1の流路42を流通する処理液の単位時間当たりの流量をf(図示しない)とすると、下吐出口49における処理液の流速τ(図示しない)は、次の式(3)で表すことができる。
τ=f/(2・π・R・W3) ・・・式(3)
すなわち、下吐出口49の開口幅W3を小さくするのに従って、下吐出口49における処理液の流速を速めることができる。
【0043】
図5および
図6から次のことがわかる。下吐出口49が極めて微小な間隔に設定されている場合、下吐出口49から吐出される処理液が直接パーティクルPに作用する。そして、下吐出口49における横向きの処理液の流速、すなわち、下吐出口49からの処理液の吐出速度を高めることによって、パーティクルPに作用する除去モーメントM
Rを向上させることができる。これにより、基板Wの表面からパーティクルPを良好に除去できる。
【0044】
図7および
図8は、基板処理装置1によって行われる洗浄処理の処理例について説明するためのフローチャートである。
以下、
図1、
図2、
図4、
図7および
図8を参照しつつ洗浄処理の一例について説明する。この洗浄処理では、薬液(洗浄薬液)として、SC1が用いられる。
洗浄処理に際しては、チャンバ2の内部に未洗浄の基板Wが搬入される(ステップS1)。基板Wは、その表面(デバイス形成面)を上方に向けた状態でスピンチャック3に受け渡される。具体的には、制御装置7は、ノズル4がスピンチャック3の上方から退避した退避位置に配置された状態で、基板Wを保持している基板搬送ロボット(図示しない)のハンド(図示しない)をチャンバ2の内部に進入させる。これにより、基板Wが処理対象となる主面を上方に向けた状態でスピンチャック3に受け渡され、スピンチャック3に保持される(基板保持工程)。
【0045】
スピンチャック3に基板が保持された後、制御装置7は、スピンモータ12によって基板Wの回転を開始させる(ステップS2)。基板Wは予め定める液処理速度(たとえば約300rpm)まで上昇させられ、その液処理速度に維持される。
基板Wが液処理速度に達すると、次いで、制御装置7は、アーム揺動ユニット19を制御して、ノズル4を退避位置から基板Wの上方へと引き出す(ステップS3)。
【0046】
ノズル4が基板Wの上方に配置された後、次いで、制御装置7は、アーム昇降ユニット20を制御して、ノズル4を下位置まで下降させる(ステップS4)。
ノズル4が下位置に配置されると、制御装置7は、第1の薬液バルブ54および第2の薬液バルブ59を開く。これにより、ノズル4からのSC1の吐出が開始され(ステップS5)、ノズル4の下吐出口49および上吐出口48の双方からSC1が吐出される。
【0047】
次いで、制御装置7は、空気供給バルブ29を開いて、エアシリンダ26の内部に圧縮空気を供給する。これにより、伸縮部28が伸長し、その結果ノズル4が下位置からさらに下降する。そして、ノズル4は、
図4に示すように、下向きの力(ノズル4やホルダ24等の自重による下向きの力、エアシリンダ26による下向きの力、および第2の流路45を流通するSC1がラッパ状部38を下向きに押し付ける力との合力)と、上向きの力(コイルばね27の引っ張りによる上向きの力および下吐出口49からのSC1の吐出による上向きの力)とが釣り合う位置に保持される。
【0048】
制御装置7は、空気調整バルブ31を制御して、環状の下吐出口49の開口幅W3が極めて微小な幅になるように、エアシリンダ26の伸縮部28の内部に供給する圧縮空気の量を予め調整している(ノズル4に作用する下向きの力を調整する)。開口幅W3は、下吐出口49から吐出されるSC1の吐出圧によって確保されるので、基板Wの上面とノズル4の下端面との間の間隔(開口幅W3)は微小であるが、零になることはない。ラッパ状部38の周縁部39が、水平方向に沿って延びる平板状部40を含むので、下吐出口49から、水平方向にSC1が吐出される。
【0049】
下吐出口49の開口幅W3が極めて微小な幅に設けられている。加えて、内筒35の下端部分37が、下方に向かうに従って鉛直軸線A3から離れるように拡径する拡径内壁を含むので、第1の流路42から下吐出口49に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、前記の拡径内壁がラッパ状に広がる凸湾曲壁41を含むので、第1の流路42から下吐出口49に至るSC1の流れに乱流が発生せず、そのため、下吐出口49に向けてSC1をスムーズに案内できる。これらにより、ノズル4の環状の下吐出口49から水平方向に吐出されるSC1の流速は極めて速い。ゆえに、基板Wの上面に付着したパーティクル等の異物を、より一層良好に除去できる。
【0050】
しかも、ラッパ状部38の周縁部39に設けられる平板状部40は、下吐出口49から吐出されるSC1を水平方向に案内する。そのため、下吐出口49から吐出されるSC1の水平方向の流速がより一層速められる。
また、下吐出口49の上方に隣接した配置された環状の上吐出口48から、SC1が水平方向に放射状に吐出される。上吐出口48から吐出されたSC1は、下吐出口49から吐出されるSC1を、上方側から覆い、下吐出口49から吐出されるSC1の上方側に、上吐出口48から吐出されるSC1の流れが形成される。そのため、下吐出口49から吐出されるSC1が上方に向けて流れることが阻止される。これにより、下吐出口49から吐出されるSC1を、水平方向に流通させることができる。
【0051】
また、下吐出口49の開口幅W3が極めて微小にされている場合には、下吐出口49から吐出されるSC1が強い吐出圧で噴射され、周囲に飛散してパーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、下吐出口49から吐出されるSC1が上吐出口48から吐出されるSC1によって覆われるので、下吐出口49から吐出されるSC1の飛散を防止できる。
【0052】
また、制御装置7は、アーム揺動ユニット19を制御することにより、基板Wの上面における、下吐出口49からのSC1の供給位置を、中央部と周縁部との間で移動させる、これにより、下吐出口49からのSC1の供給位置を、基板Wの上面全域を走査させることができる。これにより、基板Wの上面全域からパーティクルを良好に除去できる。基板Wの上面に供給されたSC1は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に向けて飛散する。
【0053】
ノズル4からのSC1の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置7は、第1の薬液バルブ54および第2の薬液バルブ59を閉じる。これにより、ノズル4からのSC1の吐出が停止される(ステップS7)。また、制御装置7は、第1のリンス液バルブ56および第2のリンス液バルブ61を開く。これにより、ノズル4の下吐出口49および上吐出口48から吐出される処理液が、SC1からリンス液に切り換わる。すなわち、ノズル4からのリンス液の吐出が開始される(ステップS8)。前述のように、下吐出口49の開口幅W3が極めて微小な幅に設けられている。そのため、ノズル4の下吐出口49から吐出されるリンス液の流速は極めて速い。したがって、下吐出口49近傍において、基板Wの上面に残留しているSC1を基板Wの上面から良好に洗い流すことができる。
【0054】
また、下吐出口49の上方に隣接した配置された環状の上吐出口48から、リンス液が水平方向に放射状に吐出される。上吐出口48から吐出されたリンス液は、下吐出口49から吐出されるリンス液を、上方側から覆い、下吐出口49から吐出されるリンス液の上方側に、上吐出口48から吐出されるリンス液の流れが形成される。そのため、下吐出口49から吐出されるリンス液が上方に向けて流れることが阻止される。これにより、下吐出口49から吐出されるリンス液を、水平方向に流通させることができる。
【0055】
また、下吐出口49の開口幅W3が極めて微小にされている場合には、下吐出口49から吐出されるリンス液が強い吐出圧で噴射され、周囲に飛散してパーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、下吐出口49から吐出されるリンス液が上吐出口48から吐出されるリンス液によって覆われるので、下吐出口49から吐出されるリンス液の飛散を防止できる。
【0056】
制御装置7は、アーム揺動ユニット19を制御することにより、基板Wの上面における、下吐出口49からのリンス液の供給位置を中央部と周縁部との間で移動させる、これにより、下吐出口49からのリンス液の供給位置を、基板Wの上面全域を走査させることができる。これにより、基板Wの上面全域からパーティクルを良好に除去できる。基板Wの上面に供給されたリンス液は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に向けて飛散する。
【0057】
ノズル4からのリンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置7は、リークバルブ32を開いて、エアシリンダ26の伸縮部28の内部から圧縮空気を抜く。これにより、伸縮部28が短縮して最短縮状態に復帰する。これにより、エアシリンダ26によりノズル4に付与されていた下向きの荷重が解除される。ノズル4は、コイルばね27から付与されている上向きの力を受けて下位置まで引き上げられる(ステップS9)。コイルばね27の働きにより、他の昇降手段を別途設けることなく、ノズル4を良好に引き上げることができる。ノズル4の引上げにより、ラッパ状部38の周縁部39と、基板Wの上面との間で形成されていた環状の下吐出口49は消失する。
【0058】
次いで、制御装置7は、第1のリンス液バルブ56および第2のリンス液バルブ61を閉じる。これにより、下吐出口49および上吐出口48からのリンス液の吐出が停止される(ステップS10)。
次いで、制御装置7は、アーム昇降ユニット20を制御して、ノズルアーム17を上昇させる(ステップS11)。ノズルアーム17の上昇により、ノズル4が、基板Wの上面から大きく上方に上昇させられる。
【0059】
また、制御装置は、ノズルアーム17を揺動して、ノズル4をスピンチャック3の側方の退避位置に戻す(ステップS12)。
また、制御装置7は、スピンモータ12を制御して、基板Wを高回転速度(たとえば1000rpm以上)で回転させる。これにより、基板Wの上面に付着しているリンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wから液体が除去され、基板Wの上面が乾燥させられる(S13:スピンドライ)。スピンドライ処理が予め定める期間に亘って行われると、制御装置7は、スピンモータ12を制御して、スピンチャック3の回転(基板Wの回転)を停止させる(ステップS14)。これにより、一枚の基板Wに対する洗浄処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みの基板Wがチャンバ2から搬出される(ステップS15)。
【0060】
以上により第1の実施形態によれば、基板Wの上面とノズル4の下端縁との間に形成された環状の下吐出口49から、水平方向に放射状に処理液が吐出される。ノズル4に、ノズル4の自重による下向きの力およびエアシリンダ26による下向きの力が作用する状態では、これらの下向きの力と、コイルばね27の引っ張りによる上向きの力と、下吐出口49からの処理液の吐出による上向きの力とが釣り合う位置に保持される。
【0061】
ノズル4の下端縁と基板Wの上面との間の間隔が極めて微小な間隔になるように、下吐出口49から吐出される処理液の流量およびエアシリンダ26への圧縮空気の流量がそれぞれ設定されている。そのため、環状の下吐出口49の開口幅W3が極めて微小な幅に設けられている。したがって、下吐出口49から吐出される処理液の流速を速めることができる。これにより、基板Wの上面における、下吐出口49からの処理液の供給位置の流速を速めることができ、ゆえに、基板Wの上面に付着したパーティクル等の異物を良好に除去できる。
【0062】
また、内筒35の下端部分37が、下方に向かうに従って鉛直軸線A3から離れるように拡径する拡径内壁を含むので、第1の流路42から下吐出口49に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、前記の拡径内壁がラッパ状に広がる凸湾曲壁41を含むので、第1の流路42から下吐出口49に至る処理液の流れに乱流が発生せず、そのため、下吐出口49に向けて処理液をスムーズに案内できる。さらに、ラッパ状部38の周縁部39に設けられる平板状部40が下吐出口49から吐出される処理液を水平方向に案内するので、下吐出口49から吐出される処理液の水平方向の流速がより一層速められる。これらにより、ノズル4の環状の下吐出口49から水平方向に吐出されるSC1の流速は極めて速い。ゆえに、基板Wの上面に付着したパーティクル等の異物を、より一層良好に除去できる。
【0063】
また、下吐出口49の上方に隣接した配置された環状の上吐出口48から、処理液が放射状に吐出される。上吐出口48から吐出された処理液は、下吐出口49から吐出される処理液を、上方側から覆う。したがって、下吐出口49から吐出される処理液の上方側に、上吐出口48から吐出される処理液の流れが形成されるので、下吐出口49から吐出される処理液が上方に向けて流れることを阻止できる。これにより、下吐出口49から吐出される処理液を、水平方向に流通させることができる。
【0064】
また、下吐出口49の開口幅W3が極めて微小にされている場合には、下吐出口49から吐出される処理液が強い吐出圧で噴射されて周囲に飛散し、パーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、下吐出口49から吐出される処理液が、上吐出口48から吐出される処理液によって覆われるので、下吐出口49から吐出される処理液の飛散を防止できる。
【0065】
第1の実施形態において、ラッパ状部38を有する内筒35と、外筒36とによって構成されたノズル4を例に挙げて説明した。内筒35の形態として、他の変形例を採用できる。
図9に示す第1の変形例に係る内筒(第1の筒体)111は、外郭円筒状を有している。内筒111は、鉛直軸線A3上に配置されている。内筒111の内部空間は、第1の処理液配管52(
図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路112となっている。内筒111の内壁の下端部分113には、下方に向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁(拡径内壁)114が形成されている。内筒111は、水平な平坦面からなる下面(平面部)115を有している。凸湾曲壁114は、下面115を含む。内筒111を、スピンチャック3(
図1参照)に保持されている基板W(
図2参照)に接近させた場合、下面115の外周縁と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(
図4の下吐出口49に相当)が形成される。
【0066】
内筒111の下端部分113が、凸湾曲壁114を含むので、第1の流路112から下吐出口に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、凸湾曲壁114がラッパ状に広がっているので、第1の流路112から下吐出口に至る処理液の流れに乱流が発生せず、そのため、下吐出口に向けて処理液をスムーズに案内できる。
図10に示す第2の変形例に係る内筒(第1の筒体)121は、外郭円筒状を有している。内筒121は、鉛直軸線A3上に配置されている。内筒121の内部空間は、第1の処理液配管52(
図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路122となっている。内筒121の内壁の下端部分123には、下方に向かって広がるテーパ壁124が形成されている。内筒121は、水平な平坦面からなる下面125を有している。テーパ壁124は、下面125を含む。内筒121を、スピンチャック3(
図1参照)に保持されている基板W(
図2参照)に接近させた場合、下面125の外周縁と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(
図4の下吐出口49に相当)が形成される。
【0067】
内筒121の下端部分113が、テーパ壁124を含むので、第1の流路112から下吐出口に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、テーパ壁124がテーパ状に広がっているので、下吐出口に向けて処理液を比較的スムーズに案内できる。
内筒121の下端部分123が、テーパ壁124を含むので、第1の流路122から下吐出口に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、テーパ壁124がテーパ状に広がっているので、第1の流路122から下吐出口に至る処理液の流れに乱流が発生せず、そのため、下吐出口に向けて処理液をスムーズに案内できる。
【0068】
図11に示す第3の変形例に係る内筒(第1の筒体)131は、円筒132と、円筒132の下端に取り付けられた略円錐状(略テーパ状)のテーパ部133とを含む。円筒132は、鉛直軸線A3上に配置されている。円筒132の内部空間は、第1の処理液配管52(
図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路134となっている。テーパ部133は、下方に向かうに従って拡径になるような鉛直姿勢で、円筒132に取り付けられている。テーパ部133の内周には、下方に向かって広がるテーパ壁135が形成されている。テーパ部133の外周の下端部分には、水平な平坦面からなる下端面136が形成されている。内筒131を、スピンチャック3(
図2参照)に保持されている基板W(
図2参照)に接近させた場合、テーパ部133の下端面136と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(
図4の下吐出口49に相当)が形成される。
【0069】
テーパ部133内を下吐出口に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、テーパ壁135がテーパ状に広がっているので、下吐出口に向けて処理液を比較的スムーズに案内できる。
図12に示す第4の変形例に係る内筒(第1の筒体)141は、下端部分がフレア状をなしている。換言すると、内筒141は、その下端部分を除き円筒状をなしている。内筒141は、鉛直軸線A3上に配置されている。内筒141の内部空間は、第1の処理液配管52(
図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路142となっている。内筒141の下端部分143には、下方に向かって広がる円錐台状(テーパ状)のテーパ部144が形成されている。テーパ部144の内周には、下方に向かって広がるテーパ壁145が形成されている。内筒141を、スピンチャック3(
図2参照)に保持されている基板W(
図2参照)に接近させた場合、テーパ部144の外周縁(下端縁)と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(
図4の下吐出口49に相当)が形成される。
【0070】
テーパ部144内を下吐出口に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、テーパ壁145がテーパ状に広がっているので、下吐出口に向けて処理液を比較的スムーズに案内できる。
図3および
図9〜
図12に示す内筒35,111,121,131,141は、略円筒状をなしているとして説明したが、水平方向の一方向に長手を有する略方形筒状をなしていてもよい。
【0071】
たとえば、第5の変形例に係る内筒(第1の筒体)151は、水平方向の一方向に長手を有する略方形筒状をなしている。内筒151の水平方向に沿う断面形状は、角丸長方形(Rounded Rectangle)である。内筒151は、鉛直軸線A3(
図1等参照)上に配置されている。
内筒151は、下端部分(先端部分)152を除いて、方形筒状をなしている。内筒151の下端部分152は、下方に向かって広がる凸湾曲部153を含む。凸湾曲部153は、鉛直方向に沿う断面形状が、下方に向かうラッパ状をなしている。凸湾曲部153の内壁は、下方に向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁154を含む。内筒151の内部空間は、後述する第1の処理液配管52からの処理液が流通する直線状の第1の流路155となっている。凸湾曲部153の周縁部(先端縁)156は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)157を含む。内筒151を、スピンチャック3(
図2参照)に保持されている基板W(
図2参照)に接近させた場合、平板状部157と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(
図4の下吐出口49に相当)が形成される。
【0072】
第1の実施形態では、薬液(洗浄薬液)としてSC1を採用する場合を例に挙げて説明したが、SC2(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水)、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)、O
3とNH
4OHとの混合液等を例示できる。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置201に含まれるノズル202を拡大して示す断面図である。
【0073】
第2の実施形態において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1〜
図13の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第2の実施形態に係る基板処理装置201に含まれるノズル202が、第1の実施形態に係る基板処理装置1に含まれるノズル4と相違する点は、第1の流路42に供給する液体の種類と、第2の流路45に供給する液体の種類とを、互いに異ならせた点にある。
【0074】
図1に示すように、処理流体供給ユニット5は、ノズル4の第1の流路42に第1の液体を供給するための第1の液体供給ユニット(第1の流体供給手段)203と、ノズル4の第2の流路45に、第1の液体とは異なる第2の液体を供給するための第2の液体供給ユニット(第2の流体供給手段)204とを含む。第1の液体供給ユニット203は、第1の流路42に第1の液体を供給する第1の液体配管205と、第1の液体配管205を開閉する第1の液体バルブ206とを含む。第2の液体供給ユニット204は、第2の流路45に第2の液体を供給する第2の液体配管207と、第2の液体配管207を開閉する第2の液体バルブ208とを含む。第1の液体バルブ206が開かれることにより、第1の流路42に第1の液体が供給され、第1の流路42を流通した第1の液体が下吐出口49から吐出される。第2の液体バルブ208が開かれることにより、第2の流路45に第2の液体が供給され、第2の流路45を流通した第2の液体が上吐出口48から吐出される。すなわち、下吐出口49からの第1の液体の吐出と、上吐出口48からの第2の液体の吐出とが並行して行われる。環状の上吐出口48および環状の下吐出口49が上下に隣接しており、そのため、上吐出口48から吐出された第2の液体は、下吐出口49から吐出される第1の液体を上方側から覆う。そのため、第1の液体および第2の液体を基板Wの上面に着液する直前に混合させることができる。上吐出口48および下吐出口49が上下に隣接しているので、第1の液体と第2の液体との接触効率を高めることができ、これにより、第1の液体と第2の液体とを効率良く混合することができる。
【0075】
第1の液体および第2の液体の組合せとして、互いに混合され反応することによって混合液が生成されるような組合せを例示できる。このような第1の液体と第2の液体との組合せ([第1の液体;第2の液体])として、[H
2O
2;H
2O
2]の組合せ、[HCL;H
2O
2]の組合せ、[H
2SO
4;H
2O
2]の組合せ等を例示できる。この場合、第1の液体および第2の液体を基板Wの上面に着液する直前に混合させることで、生成された直後の新鮮な混合液を基板Wの上面に供給することができる。
【0076】
また、第1の液体および第2の液体の組合せとして、第1の液体を薬液(洗浄薬液)とし、第2の液体をH
2O(DIW)とするような組合せを採用してもよい。
この場合、下吐出口49から薬液が吐出され、上吐出口48からH
2Oが吐出される。下吐出口49の開口幅W3が極めて微小にされている場合には、下吐出口49から吐出される薬液が強い吐出圧で噴射され、周囲に飛散してパーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、下吐出口49から吐出される薬液が上吐出口48から吐出される薬液によって覆われるので、下吐出口49から吐出される薬液の飛散を防止できる。
【0077】
また、最も流速の速い下吐出口49の近傍において、薬液のみが存在している。そのため、薬液により、基板Wの上面を良好に処理(洗浄)することができる。したがって、薬液の処理効率(洗浄効率)を低下させることなく、薬液の使用量の低減を図ることができる。
このような第1の液体と第2の液体との組合せ([第1の液体;第2の液体])として、[SC1;DIW]の組合せ、[HOT SC1(高温(たとえば60℃〜80℃)のSC1;HOT DIW(高温(たとえば60℃〜80℃)のDIW]の組合せ、[H
2O
2;NH
4OH+H
2O]の組合せ、[SC2;DIW]の組合せ、[HOT SC2(高温(たとえば60℃〜80℃)のSC2;HOT DIW(高温(たとえば60℃〜80℃)のDIW]の組合せ等を例示できる。
【0078】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置301に含まれるノズル302を拡大して示す断面図である。
第3の実施形態において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1〜
図13の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第3の実施形態に係る基板処理装置301に含まれるノズル302が、第1の実施形態に係る基板処理装置1に含まれるノズル4と相違する点は、第1の流路42に供給する気体を供給し、かつ第2の流路45に処理液(液体)を供給するようにした点である。
【0079】
図1に示すように、処理流体供給ユニット5は、ノズル4の第1の流路42に気体を供給するための気体供給ユニット(第1の流体供給手段)303と、ノズル4の第2の流路45に、処理液を供給するための処理液供給ユニット(第2の流体供給手段)304とを含む。気体供給ユニット303は、第1の流路42に気体を供給する気体配管305と、気体配管305を開閉する気体バルブ306とを含む。処理液供給ユニット304は、第2の流路45に処理液を供給する処理液配管307と、処理液配管307を開閉する処理液バルブ308とを含む。気体バルブ306が開かれることにより、第1の流路42に気体が供給され、第1の流路42を流通した気体が下吐出口49から吐出される。処理液バルブ308が開かれることにより、第2の流路45に処理液が供給され、第2の流路45を流通した処理液が上吐出口48から吐出される。すなわち、下吐出口49からの気体の吐出と、上吐出口48からの処理液の吐出とが並行して行われる。環状の上吐出口48および環状の下吐出口49が上下に隣接しており、そのため、上吐出口48から吐出された処理液に対し、水平方向から高速の気体が吹き付けられる。これにより、基板Wの上面に着液する直前において、処理液と気体とが衝突し、処理液の液滴が形成される。形成された処理液の液滴が基板Wの上面に供給される。この液滴は、噴流となって、基板Wの上面に供給される。この処理液の液滴の運動エネルギーによって、基板Wの上面に付着したパーティクル等の異物を物理的に除去できる。
【0080】
このような気体と処理液との組合せ([気体;処理液])の一例として、[N
2;DIW]の組合せ、[N
2;SC1]の組合せ、[N
2;SC2]の組合せ等を例示できる。
また、気体と処理液との組合せ([気体;処理液])の他の例として、[O
3;NH
4OH+H
2O]の組合せを例示できる。この場合、(NH
4OH+H
2O)と、高速度のO
3とを基板Wの上面に着液する直前に混合させることができ、O
3が混合された直後の(NH
4OH+H
2O)を基板Wの上面に供給することができる。O
3と(NH
4OH+H
2O)との混合後は、時間の経過に伴って、O
3がNH
4OHによって分解されるのであるが、(NH
4OH+H
2O)とO
3とを基板Wの上面に着液する直前に混合させることにより、分解の進んでいない新鮮な(NH
4OH+H
2O+O
3)を基板Wの上面に供給することができる。
【0081】
図16は、本発明の第4の実施形態に係る基板処理装置401に含まれるノズル402を拡大して示す断面図である。
第4の実施形態において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1〜
図13の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第4の実施形態に係る基板処理装置401に含まれるノズル402が、第1の実施形態に係る基板処理装置1に含まれるノズル4と相違する点は、その内部に、第1の流路409および第2の流路413に加え第3の流路422を設けた点にある。
【0082】
ノズル402は、内筒(第1の筒体)403と、内筒403に外嵌され、内筒403を包囲する中筒(第1の筒体)404と、中筒404に外嵌され、中筒404を包囲する外筒(第2の筒体)405とを有している。内筒403、中筒404および外筒405は、各々共通の鉛直軸線A4上に同軸配置されている。
内筒403は、下端部分(先端部分)406を除いて、円筒状をなしている。内筒403の下端部分406は、下方に向かって広がる第1のラッパ状部407を含む。換言すると、内筒403の下端部分406は、下方に向かってラッパ状に広がる第1の凸湾曲壁412を含む。さらに換言すると、内筒403の下端部分406が、下方に向かうに従って鉛直軸線A4から離れるように拡径する拡径内壁を含む。第1のラッパ状部407の周縁部(先端縁)408は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)439を含む。第1のラッパ状部407の周縁部408は、平面視で、中筒404の筒状部410よりも径方向の外方に張り出している。内筒403の内部空間は、後述する第3の液体配管430からの第1の液体が流通する直線状の第1の流路409となっている。
【0083】
中筒404は、筒状部410と、筒状部410の上端部を閉鎖する第1の閉鎖部411とを含む。筒状部410の外周と、第1の閉鎖部411の内周との間は、シール部材(図示しない)によって液密にシールされている。内筒403と中筒404の筒状部410との間には、後述する第4の液体配管432からの第2の液体が流通する円筒状の第2の流路413が形成されている。
【0084】
中筒404の筒状部410は、下端部分(先端部分)414を除いて、円筒状をなしている。筒状部410の下端部分414は、下方に向かって広がる第2のラッパ状部415を含む。換言すると、筒状部410の下端部分414は、下方に向かってラッパ状に広がる第2の凸湾曲壁416を含む。さらに換言すると、筒状部410の下端部分414が、下方に向かうに従って鉛直軸線A4から離れるように拡径する拡径内壁を含む。第2のラッパ状部415の周縁部(先端縁)417は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)418を含む。第2のラッパ状部415の周縁部417は、平面視で、外筒405よりも径方向の外方に張り出している。
【0085】
外筒405は、円筒部419と、円筒部419の上端部を閉鎖する第2の閉鎖部420とを含む。中筒404の筒状部410の外周と、第1の閉鎖部411の内周との間は、シール部材(図示しない)によって液密にシールされている。中筒404の筒状部410と外筒405の円筒部419との間には、後述する第5の液体配管434からの第3の液体が流通する円筒状の第3の流路422が形成されている。
【0086】
内筒403、中筒404および外筒405は、それぞれ、塩化ビニル、PCTFE(ポリクロロトリフルエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。
内筒403の下端部分406は、下方に向かって広がる第1のラッパ状部407を含むので、第2の流路413の下流端部分が、ラッパ状の第1の凹湾曲壁424と、ラッパ状の第2の凸湾曲壁416とによって区画される。そのため、第2の液体が第2の流路413を後述する第2の下吐出口437に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、第1の凹湾曲壁424および第2の凸湾曲壁416がラッパ状をなしているから、第2の流路413から第2の下吐出口437に至る第2の液体の流れに乱流が発生せず、これにより、第2の下吐出口437に向けて第2の液体をスムーズに案内できる。
【0087】
外筒405の下端部分には、外筒405の下端縁421(先端縁)と中筒404の筒状部410の下端部分423とによって、環状の上吐出口(第2の吐出口)424が区画されている。上吐出口438は横向きの吐出口であり、第3の流路422を流通する第3の液体を、水平方向に放射状に吐出する。
中筒404の筒状部410の下端部分423が基板Wの上面へ向かって広がる第2のラッパ状部415を含むので、第3の流路422の下流端部分がラッパ状の第2の凹湾曲壁426によって構成される。そのため、第3の液体が第3の流路422を上吐出口438に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、第2の凹湾曲壁426がラッパ状をなしているから、第3の流路422から上吐出口438に至る第3の液体の流れに乱流が発生せず、これにより、上吐出口438に向けて第3の液体をスムーズに案内できる。
【0088】
処理流体供給ユニット5は、ノズル402の第1の流路409に第1の液体を供給するための第3の液体供給ユニット(第1の流体供給手段)427と、ノズル402の第2の流路413に、第1の液体とは異なる第2の液体を供給するための第4の液体供給ユニット(第1の流体供給手段)428と、ノズル402の第3の流路422に、第1の液体および第2の液体とはそれぞれ異なる第3の液体を供給するための第5の液体供給ユニット(第2の流体供給手段)429とを含む。第3の液体供給ユニット427は、第1の流路409に第1の液体を供給する第3の液体配管430と、第3の液体配管430を開閉する第3の液体バルブ431とを含む。第4の液体供給ユニット428は、第2の流路413に第2の液体を供給する第4の液体配管432と、第4の液体配管432を開閉する第4の液体バルブ433とを含む。第5の液体供給ユニット429は、第3の流路422に第3の液体を供給する第5の液体配管434と、第5の液体配管434を開閉する第5の液体バルブ435とを含む。
【0089】
第3の液体バルブ431が開かれることにより、第1の流路409に第1の液体が供給される。第4の液体バルブ433が開かれることにより、第2の流路413に第2の液体が供給される。第5の液体バルブ435が開かれることにより、第3の流路422に第3の液体が供給される。
基板処理装置401により基板Wに対して処理を行う際には、ノズルアーム17の揺動および昇降によりノズル402が、ノズル402の下端縁が基板Wの上面と間隔(
図2の間隔W2と同程度の間隔)を空けて対向する下位置に配置される。このとき、内筒403の下端縁(第1のラッパ状部407の周縁部408)と、中筒404の下端縁(第2のラッパ状部415の周縁部417)とは、鉛直方向の高さが揃っている。この状態で、第3の液体バルブ431、第4の液体バルブ433および第5の液体バルブ435がそれぞれ開かれる。これにより、ことにより、第1の流路409に第1の液体が供給され、第2の流路413に第2の液体が供給され、かつ第3の流路422に第3の液体が供給される。この状態で、ノズル402が下位置よりもさらに下方の近接位置に向けて下降されると、第1のラッパ状部407の周縁部408と基板Wの上面との間で、環状の第1の下吐出口(第1の吐出口)436が区画されると共に、第2のラッパ状部415の周縁部417と基板Wの上面との間で、環状の第2の下吐出口(第1の吐出口)437が区画される。
【0090】
第1の下吐出口436は、第1の流路409を流れる第1の液体を、水平方向に放射状に吐出する。第2の下吐出口437は、第1の下吐出口436よりも、鉛直軸線A4から離れた位置において、第2の流路413を流れる第1の液体を、水平方向に放射状に吐出する。
第2の流路413を第2の下吐出口437に向けて第2の液体が流通することにより、当該第2の液が第1のラッパ状部407を下向きに押し付ける。また、第3の流路422を上吐出口438に向けて第3の液体が流通することにより、当該第3の液体が第2のラッパ状部415を下向きに押し付ける。すなわち、第2の流路413を流通する第2の液体および第3の流路422を流通する第3の液体によって、ノズル402に下向きの力が作用する。
【0091】
そして、ノズル402の鉛直方向の高さ位置は、下向きの力(ノズル402やホルダ24等の自重による下向きの力、エアシリンダ26による下向きの力、ならびに第2の流路413を流通する第2の液体および第3の流路422を流通する第3の液体による押し付ける力との合力)と、上向きの力(コイルばね27の引っ張りによる上向きの力、第1の下吐出口436からの第1の液体の吐出による上向きの力、および第2の下吐出口437からの第2の液体の吐出による上向きの力の合力)とが釣り合う位置に保持される。この場合、ノズル4の下端縁と基板Wの上面との間の間隔が極めて微小な間隔になるように、第1の下吐出口436からの第1の液体の吐出流量、および第2の下吐出口437からの第2の液体の吐出流量、ならびにエアシリンダ26への圧縮空気の流量がそれぞれ設定されている。そのため、第1の下吐出口436における開口幅W4、および第2の下吐出口437における開口幅W5が、それぞれ極めて微小な幅に設けられている。
【0092】
第1の下吐出口436における、開口幅W4が極めて微小な幅に設けられている。内筒403の下端部分406が、下方に向かうに従って鉛直軸線A4から離れるように拡径する拡径内壁を含むので、第1の流路409から第1の下吐出口436に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、前記の拡径内壁がラッパ状に広がる第1の凸湾曲壁412を含むので、第1の流路409から第1の下吐出口436に至る第1の液体の流れに乱流が発生せず、そのため、第1の下吐出口436に向けて第1の液体をスムーズに案内できる。これらにより、環状の第1の下吐出口436から水平方向に吐出される第1の液体の流速は極めて速い。
【0093】
また、第1の下吐出口436から吐出された第1の液体は、第2の流路413を流通する第2の液体によって、上方側から覆われる。そのため、第1の液体および第2の液体を基板Wの上面に着液する直前に混合させることができる。第1の液体および第2の液体の混合液は、第2の下吐出口437に向けて水平方向に高速で流れる。第2の下吐出口437からは、第1の液体および第2の液体の混合液が吐出される。また、第1の液体と、第2の液体との混合液が狭空間である第2の下吐出口437を通過する過程で、第1の液体と第2の液体とが混合される。これにより、第1の液体と第2の液体とを均一に混ざり合わせることができる。
【0094】
第2の下吐出口437における、開口幅W5が極めて微小な幅に設けられている。第2の流路413の下流端部分が、ラッパ状の第1の凹湾曲壁424と、ラッパ状の第2の凸湾曲壁416とによって区画されるので、第2の液体が第2の流路413を後述する第2の下吐出口437に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、第1の凹湾曲壁424および第2の凸湾曲壁416がラッパ状をなしているので、第2の流路413から第2の下吐出口437に至る第2の液体の流れに乱流が発生せず、そのため、第2の下吐出口437に向けて第2の液体をスムーズに案内できる。これらにより、環状の第2の下吐出口437から水平方向に吐出される、第1の液体および第2の液体の混合液の流速は極めて速い。ゆえに、基板Wの上面に付着したパーティクル等の異物を、より一層良好に除去できる。
【0095】
また、第2の下吐出口437の上方に隣接した配置された環状の上吐出口438から、第3の液体が放射状に吐出される。上吐出口438から吐出された第1の液体は、第2の下吐出口437から吐出される第1の液体と第2の液体との混合液を、上方側から覆う。したがって、第2の下吐出口437から吐出される、第1の液体と第2の液体との混合液の上方側に、上吐出口438から吐出される第3の液体の流れが形成されるので、第2の下吐出口437から吐出される、第1の液体と第2の液体との混合液が上方に向けて流れることを阻止できる。これにより、第2の下吐出口437から吐出される第1の液体と第2の液体との混合液を、水平方向に流通させることができる。
【0096】
また、第2の下吐出口437の開口幅W5が極めて微小にされている場合には、第2の下吐出口437から吐出される、第1の液体と第2の液体との混合液が強い吐出圧で噴射されて周囲に飛散し、パーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、第2の下吐出口437から吐出される第1の液体と第2の液体との混合液が、上吐出口438から吐出される第3の液体によって覆われるので、第2の下吐出口437から吐出される第1の液体と第2の液体との混合液の飛散を防止できる。
【0097】
このような第1の液体と第2の液体と第3の液体との組合せ([第1の液体;第2の液体;第3の液体])として、[H
2O
2;NH
4OH+H
2O;SC1]の組合せ、[H
2O
2;HCL+H
2O;SC2]の組合せ等を例示できる。この場合、第1の液体および第2の液体を基板Wの上面に着液する直前に混合させることで、生成された直後の新鮮な混合液を基板Wの上面に供給することができる。また、第3の液体として、既に混合済みの処理液(SC1、SC2等)を用いる。この場合、第3の液体は、液飛散防止の効果および保温効果を奏する。
【0098】
以上、この発明の5つの実施形態について説明したが、この発明は他の実施形態でも実施することができる。
たとえば、前述の各実施形態では、荷重付与手段として、下向きの荷重を付与するエアシリンダ26(第1の荷重付与手段)26および上向きの荷重を保持するコイルばね(第2の荷重付与手段)27を設けるものとして説明したが、コイルばね(第2の荷重付与手段)は廃止してもよい。
【0099】
また、エアシリンダ26(第1の荷重付与手段)26を設け、バルブ31,32により下向きの荷重を調整するものを例に挙げて説明したが、第1の荷重付与手段として荷重調整不能な構成が採用されていてもよい。この場合、ノズル4の高さ位置の調整は、ノズルアーム17の昇降により行うようにしてもよい。
また、第2〜第4の実施形態の内筒として、第1の実施形態の第1〜第5の変形例に係る内筒111,121,131,141,151を採用してもよい。
【0100】
また、第1〜第4の実施形態では、ノズル4,202,302,402がスキャンノズルであるとして説明したが、吐出位置が固定される固定ノズルであってもよい。
また、ノズル4,202,302,402が、内筒35,111,121,131,141,151、403と、外筒36,405(および中筒404)とによって構成されているものとして説明したが、外筒36,405や中筒404の構成を廃止するようにしてもよい。すなわち、ノズル4,202,302,402が、内筒35,111,121,131,141,151、403のみを備える構成であってもよい。
【0101】
また、第1〜第4の実施形態において、ノズル4,202,302,402が、上下方向の相対変位が可能な状態でノズルアーム17に保持された構成を例に挙げて説明したが、ノズル4,202,302,402が、ノズル保持ユニット16を介在させない状態で、すなわち上下方向の変位が許容されない状態で、ノズルアーム17に保持されていてもよい。この場合、アーム昇降ユニット20によるノズルアーム17の昇降や、ノズル4,202,302,402をノズルアーム17に対して昇降するためのノズル昇降ユニットの駆動により、ノズル4,202,302,402の下端縁と、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面との間の間隔が微小間隔に設定される。
【0102】
また、第1〜第4の実施形態では、基板処理装置1,201,301,401が円板状の基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置1,201,301,401は、液晶表示装置用ガラス基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。