(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6529344
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】精密真空調理装置用のコード変換方法
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20190531BHJP
【FI】
A47J27/00 109L
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-111595(P2015-111595)
(22)【出願日】2015年6月1日
(65)【公開番号】特開2015-226780(P2015-226780A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2018年4月12日
(31)【優先権主張番号】62/005,860
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/491,961
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518197683
【氏名又は名称】アノーバ アプライド エレクトロニクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ ウー
【審査官】
岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/019018(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0220143(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0136581(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯真空調理装置において無線で機械可読コードを受信するステップと、
前記携帯真空調理装置においてプロセッサーにより前記機械可読コードの変換から1以上の調理属性を取得するステップと、
前記携帯真空調理装置において前記1以上の調理属性に基づいて温度および調理時間を決定するステップと、
前記携帯真空調理装置のヒータおよび撹拌装置を自動的に作動させて容器内の水を前記温度まで加熱するステップと、
前記調理時間および前記温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記携帯真空調理装置の表示装置に表示するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記携帯真空調理装置において補充調理属性を受信するステップと、
前記携帯真空調理装置において調理加減レベルを受信するステップと、
前記携帯真空調理装置において前記1以上の調理属性と、前記補充調理属性と、前記調理加減レベルとに基づいて新たな温度および新たな調理時間を決定するステップと、
前記新たな温度および前記新たな調理時間に応じて前記携帯真空調理装置を設定し、前記設定は、前記携帯真空調理装置の前記ヒータおよび前記撹拌装置を作動させることを含むステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記新たな調理時間および前記新たな温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記携帯真空調理装置の前記表示装置に表示するステップ
をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械可読コードはQRコードである
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記機械可読コードは三次元バーコードである
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記調理時間および前記温度を前記携帯真空調理装置の前記表示装置に表示するステップ
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記機械可読コードは前記携帯真空調理装置の外部装置から受信される
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサーと、メモリと、表示装置と、加熱素子と、光学読取装置と、撹拌装置とを備え、
前記メモリは前記プロセッサーと結合され、前記メモリから前記プロセッサーに指令を供給可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが
前記光学読取装置を介して機械可読コードを読み取り、
前記機械可読コードを1以上の調理属性に変換し、
前記1以上の調理属性に基づいて温度と、速度と、調理時間とを決定し、
前記加熱素子を前記決定された温度に、前記撹拌装置を容器内の水を前記温度まで加熱するための前記決定された速度に、前記表示装置を前記決定された調理時間に自動的に制御する
携帯真空調理装置。
【請求項9】
前記メモリから前記プロセッサーにさらに指令を供給可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが
補充調理属性と調理加減レベルを受信し、
前記1以上の調理属性と、前記補充調理属性と、前記調理加減レベルとに基づいて新たな温度および新たな調理時間を決定し、
前記加熱素子に前記新たな温度を、
前記撹拌装置に前記容器内の水を前記新たな温度まで加熱するための前記新たな速度を、
前記表示装置に前記新たな調理時間を
設定する
請求項8に記載の携帯真空調理装置。
【請求項10】
前記メモリから前記プロセッサーにさらに指令を供給可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが
前記新たな調理時間および前記新たな温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記表示装置に表示する
請求項9に記載の携帯真空調理装置。
【請求項11】
前記メモリから前記プロセッサーにさらに指令を供給可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが
前記調理時間および前記温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記表示装置に表示する
請求項8に記載の携帯真空調理装置。
【請求項12】
前記機械可読コードはQRコードである
請求項8に記載の携帯真空調理装置。
【請求項13】
前記機械可読コードは三次元バーコードである
請求項8に記載の携帯真空調理装置。
【請求項14】
前記メモリから前記プロセッサーにさらに指令を供給可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが
前記調理時間および前記温度を前記表示装置に表示する
請求項8に記載の携帯真空調理装置。
【請求項15】
プロセッサーと、メモリと、表示装置と、加熱素子と、無線受信装置と、撹拌装置と、容器の水に少なくとも部分的に浸水するように構成されたハウジングと、を備え、
前記メモリは前記プロセッサーと結合され、前記プロセッサーに指令を供給可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが
前記無線受信装置を介して機械可読コードを受信し、
前記機械可読コードを1以上の調理属性に変換し、
前記1以上の調理属性に基づいて温度と、速度と、調理時間とを決定し、
前記加熱素子に前記温度を、前記撹拌装置に前記容器内の前記水を前記温度まで加熱するための前記速度を、前記表示装置に前記調理時間を自動的に設定し、
前記調理時間および前記温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記表示装置に表示する
携帯真空調理システム。
【請求項16】
前記機械可読コードは前記携帯真空調理システムの外部装置から受信される
請求項15に記載の携帯真空調理システム。
【請求項17】
プロセッサーと、
前記プロセッサーと結合された表示装置と、
指令を格納するメモリと、
入力を無線で受信する無線受信装置と、
加熱素子と、
撹拌装置と、
を備え、
前記プロセッサーは、前記メモリ、前記無線受信装置、前記加熱素子および前記撹拌装置と結合され、前記プロセッサーは、前記メモリに格納された前記指令にアクセス可能に構成され、該指令を実行することで前記プロセッサーが、
前記無線受信装置で受信した機械可読コードの変換を含む入力から取得される調理属性に基づいて調理時間および温度を設定し、
前記無線受信装置から補充調理属性を受信し、前記補充調理属性は新たな温度を含み、
前記補充調理属性の受信に応じて、前記設定した温度を前記新たな温度に変更し、
前記加熱素子を前記新たな温度まで自動的に作動させ、
新たな調理時間を自動的に設定し、
前記容器内の前記水を前記新たな温度まで加熱するための前記撹拌装置の速度を調節し、
前記新たな調理時間および前記新たな温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記携帯真空調理装置の前記表示装置に表示する
携帯真空調理装置。
【請求項18】
前記プロセッサーはさらに、前記メモリに格納された前記指令の実行の際、
前記表示装置を制御して前記新たな調理時間を表示する
請求項17に記載の携帯真空調理装置。
【請求項19】
携帯真空調理装置において無線で機械可読コードを受信するステップと、
前記携帯真空調理装置においてプロセッサーにより前記機械可読コードの変換から1以上の調理属性を取得するステップと、
前記携帯真空調理装置において前記1以上の調理属性に基づいて温度および調理時間を決定するステップと、
前記携帯真空調理装置のヒータおよび撹拌装置を自動的に作動させて容器内の水を前記温度まで加熱するステップと、
前記携帯真空調理装置において補充調理属性を受信するステップと、
前記携帯真空調理装置において調理加減レベルを受信するステップと、
前記携帯真空調理装置において前記1以上の調理属性と、前記補充調理属性と、前記調理加減レベルとに基づいて新たな温度および新たな調理時間を決定するステップと、
前記新たな温度および前記新たな調理時間に応じて前記携帯真空調理装置を設定し、前記設定は、前記携帯真空調理装置の前記ヒータおよび前記撹拌装置を作動させることを含むステップと、
前記新たな調理時間および前記新たな温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を前記携帯真空調理装置の表示装置に表示するステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本特許出願は2014年5月30日に出願された米国特許仮出願第62/005,860号および2014年9月19日に出願された米国特許出願第14/491,961号に基づいて優先権を主張するものであり、その全内容を参照により包含する。
【技術分野】
【0002】
本開示は概して食品調理装置に関し、特に水中で食品を調理するための、精密な温度制御が可能に構成された、水漕ヒーターおよび送水ポンプを備えた加熱サーキュレーター型調理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
真空調理法は、温度が非常に精密に管理された環境の下、食品を水槽中で通常の調理時間よりも長い時間をかけて調理する調理法である。厳密に管理される温度は通常の調理温度よりはるかに低く、典型的には肉類であれば55°C〜85°C(113°F〜185°F)程度、野菜類であればより高めの温度である。
【0004】
しかしながら、真空調理の結果は温度、時間、食品の脂肪/タンパク質含量によって異なる。このことは多くの料理において問題となる。なぜなら食料品店で購入する食品は品質や脂肪含量に大きなばらつきがあるのに加えて、検証されていない真空調理向け温度レシピが多数オンラインで出回っていて、不適切な調理時間や温度のせいで、最良の結果が得られないことがあるからである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下に本開示の技術的特徴の実現方法を、添付の図面に示された具体的な実施形態を参照して説明する。だたし、図示の実施形態は例示を目的としたものであって、開示範囲の何ら限定を意図するものではないと理解されたい。以下に説明する本開示の技術思想は、下に挙げる添付の各図面を参照することにより、より具体的、より詳細に理解されよう:
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【
図4】一実施形態による流体温度制御装置を示す断面図である。
【0010】
【
図5】一実施形態による流体温度制御装置におけるクランプ機構を示す。
【
図6】一実施形態による流体温度制御装置におけるクランプ機構を示す。
【0011】
【
図7】一実施形態による流体温度制御装置を示す断面図である。
【0012】
【
図8】一実施形態による調理時間および温度の生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0013】
本開示の様々な実施形態を以下に詳細に説明する。以下に説明する具体的な実現形態はいずれも単に例示を目的としたものである。当業者であれば開示の趣旨から外れることなく他の部品や構成を用いることができることが理解できよう。
【0014】
本開示で用いるいくつかの用語をここで定義しておく。「サーキュレート」(循環させる)とは1種類以上の流体を撹拌、混和、または混合することである。したがって「サーキュレーター」(循環装置)とは流体を撹拌、圧出、空気圧出、混和、または混合する装置のことである。「流体」は液体を含むものとする。「結合」は2部分間の直接の、または1以上の介在部分を介した間接の、接続を指し、この接続は必ずしも物理的なものに限られない。互いに接続された装置とは、信号による通信が相互に可能な状態にある装置のことである。「接続」は2部分間の直接の、または間接の、接続を指す。「プロセッサー」は1以上の総合情報処理系統を指す。「密閉」とは気密/水密に封止すること、機械的に封止すること、または空気や流体に対して不透過とすることを表す。
【0015】
本開示は概して家庭での真空調理用のサーキュレーター型真空調理装置および調理レンジに関する。本開示の装置は一般家庭のキッチンにおける使用に特に適しているが、これに限らず、業務用として用いることができる。
【0016】
本開示を通して、用語「真空調理装置」「サーキュレーター」「サーキュレーター型調理装置」「流体温度制御装置」「調理装置」は相互交換可能に用いられており、いずれも、温度が制御された水槽内で食品を調理するように構成された装置を意味する。
【0017】
一実施形態によれば、流体温度制御装置に1以上の回動可能または回転可能な情報表示器を設ける。表示器は調理装置の上部に設け、その内部に収容された電子部品が蒸気や水や熱に曝されないように、また複数の異なる角度から容易に視認できるように構成する。
【0018】
一実施形態によれば、流体温度制御装置に取り外し可能な裾部を設けて、裾部自体ならびにそれに覆われるヒーター、空気ポンプ、および/または送水ポンプのクリーニングを可能とする。一実施形態によれば、取り外し可能な裾部は送水ポンプのインペラーも露出させるようにして、食品や残り屑をユーザーが除去できるようにする。一実施形態によれば、裾部は工具を用いずに取り外し可能である。一実施形態によれば、裾部はステンレス鋼、アルミニウム、および/またはプラスチック製である。
【0019】
一実施形態によれば、流体温度制御装置に水密な水中ポンプを設ける。このポンプはモーターが水中、水面、または水上に配置可能で、流入経路と流出経路を有する。一実施形態によれば、水中ポンプはクリーニング時には工具を用いずに開けたり内部に触れたりできる。一実施形態によれば、流体温度制御装置はそれが備える1以上のモーターがクリーニング時または交換時に取り外し容易に構成する。
【0020】
他の一実施形態によれば、サーキュレーターのシステム全体を密閉して、意図的であれ不意であれ水浸させてもサーキュレーターの構成部品を損なうことがないようにする。
【0021】
一実施形態によれば、流体温度制御装置はハウジングを備え、これが装置の外形を決める。ハウジングはその内部に様々な電気部品(例えば、モーター、ファン、および/または電子部品)を包み込み、支持する。一実施形態によれば、ハウジングは円筒状である。他の一実施形態によれば、ハウシングは円筒状以外の、例えば直方体状、球状、立方体状、または楕円体状でる。
【0022】
一実施形態によれば、真空調理用の流体温度制御装置に以下のものを設ける:コントローラーと、コントローラーに結合された表示装置および入力装置とを含む上部;上部に接続され、コントローラーに結合されたモーターが収容された中間部;および、中間部に接続され、モーターに結合された流体撹拌装置とコントローラーに結合された加熱素子とが収容され、流体中に少なくとも部分的に水浸可能な下部。一実施形態によれば、コントローラーは調理レンジに設ける。他の一実施形態によれば、加熱素子は調理レンジに設ける。
【0023】
一実施形態によれば、流体温度制御装置にクランプを設けて、操作者により流体温度制御装置を容器に固定可能とする。一実施形態によれば、クランプまたは他の固定装置は、水槽またはそれを含む領域(例えば調理鍋:cooking pot)に対する調理装置の高さを調節可能に構成する。一実施形態によれば、真空調理装置にはリングクランプを設けて、操作者によりシステム全体を回動させてポンプ出力の向きを設定したり、表示の良く見える角度を調節したりできるようにする。
【0024】
一実施形態によれば、流体温度制御装置の諸部品は外部装置からの制御が可能とする。外部装置として例えば、電話機、サーバー、タブレット、パーソナルコンピューター(PC)、そのほかの電子機器が挙げられる。外部装置は調理装置と無線通信可能に結合される。その手段として例えば、Wifi、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、短距離無線、またはデータの送受信が可能な他の同様なシステムが挙げられる。一実施形態によれば、流体温度制御装置またはそれを制御する外部装置は調理操作に関する情報を無線で送信可能に構成する。情報として例えば、食品を調理中の領域に水を足す必要があるとの通知や、調理が完了したとの通報が含まれる。一実施形態によれば、流体温度制御装置は外部装置からレシピ情報を受信可能とする。情報に基づいて調理装置の調理時間、送水ポンプ速度、調理温度を設定することができる。
【0025】
一実施形態によれば、流体温度制御装置にメモリ/記憶装置を設ける。メモリ/記憶装置にはお気に入りのレシピや特定の食品に対する調理設定などの情報を記憶させておく。一実施形態によれば、流体温度制御装置はレシピ情報やユーザー作成データファイルを複数記憶する。装置のユーザーは内蔵のレシピ本からレシピ情報を呼び出せる。一実施形態によれば、真空調理用サーキュレーター型調理装置は記憶されているレシピ情報や作成されたデータファイルを分類して、検索可能とする。
【0026】
一実施形態によれば、流体温度制御装置を無線温度センサーと通信可能に構成して、その無線温度センサーを、調理装置によって調理中の食品が入った袋またはそのほか適切な容器の中の、食品の近くに配置する。温度センサーを食品の近くに配置することによって、調理中の食品の温度についての極めて正確な情報を調理装置は得ることができる。食品の温度の正確な情報を得ることによって、調理食品の品質を高めることができ、また確実に食品を適切かつ完全に調理する(それによって食品の安全性を確保する)ことができる。一実施形態によれば、無線温度センサーは電磁誘導によって充電される。
【0027】
一実施形態によれば、流体温度制御装置は、調理に伴う環境要因、例えば高温や水や水蒸気、から装置の電子部品を保護するような構造とする。一実施形態によれば、流体温度制御装置の動作状態に応じて装置の1以上の部分の色が動的に変化するようにする。一実施形態によれば、密閉されたハウジングの一部の色が変化することで、装置の動作状態についての情報を伝えるようにする。
【0028】
一実施形態によれば、流体温度制御装置の上部を、装置使用時に蒸気からコントローラー、表示装置、および入力装置を保護するように構成する。一実施形態によれば、撹拌装置はインペラー、プロペラ、回転羽根、送水ポンプ、または空気ポンプからなる。
【0029】
一実施形態によれば、流体温度制御装置またはそのハウジングの下部は少なくともステンレス鋼、アルミニウム、またはプラスチックからなり、工具を用いずに取り外し可能とする。一実施形態によれば、下部に下部の長さの少なくとも一部に亘るスリットまたは開孔を設ける。一実施形態によれば、下部は中間部から取り外し可能とし、中間部を取り外すと撹拌装置が露出するようにする。一実施形態によれば、流体温度制御装置の上部は中間部に対して回転可能とする。
【0030】
一実施形態によれば、加熱素子は撹拌装置の近傍に配置する。さらには、加熱素子を実質的に撹拌装置内に収容してもよい。一実施形態によれば、加熱素子は調理レンジ内に設ける。一実施形態によれば、コントローラーは加熱素子の温度を制御可能に構成する。一実施形態によれば、コントローラーは入力装置を介して入力されるデータを受信可能に構成し、データは加熱素子の温度を制御するための制御指令からなるものとする。一実施形態によれば、コントローラーは流体温度制御装置内に配置する。一実施形態によれば、コントローラーは調理レンジ内に配置する。真空調理用の流体温度制御装置の一実施形態によれば、装置に以下のものを設ける:マイクロプロセッサーからなるコントローラーに結合された回動可能な表示器と入力装置とを含む上部;上部に接続され、マイクロプロセッサーに制御される温度制御部が収容される中間部;および中間部に接続された下部。下部にはインペラーとモーターとを含む水浸可能な撹拌装置および温度制御部に結合された加熱素子を収容し、下部を少なくとも部分的に流体に水浸可能に構成する。
【0031】
一実施形態によれば、上部および中間部は密閉構造とする。そうすれば水の浸入が防げ、流体温度制御装置内の電子回路や表示器その他の電子部品を保護することができる。一実施形態によれば、撹拌装置は全体的に、または部分的に、水浸可能とする。撹拌装置は、モーターとインペラーとを有するポンプシステムであってよい。撹拌装置を回転可能なインペラー羽根としてもよい。一実施形態によれば、撹拌装置は水中ポンプとする。
【0032】
一実施形態によれば、下部を中間部から取り外し可能に構成し、下部を取り外すと撹拌装置とヒーターが露出するようにする。一実施形態によれば、中間部に、水位を検出するための2つの調節可能な電極を設ける。一実施形態によれば、電極の長さ(位置)の調節により、異なる水位を検出可能とする。一実施形態によれば、電極にアタッチメントを設け、これによって電極の長さ(位置)を調節可能に構成する。
【0033】
一実施形態によれば、コントローラーは入力装置を介して入力されるデータを受信可能に構成し、データは加熱素子の温度を制御するための制御指令からなるものとする。一実施形態によれば、温度制御部は加熱素子の温度を制御可能に構成する。一実施形態によれば、加熱素子は撹拌装置の近傍に配置する。一実施形態によれば、加熱素子は調理レンジ内に配置する。
【0034】
流体温度制御装置の一実施形態によれば、装置に次のものを設ける:密閉されたハウジングに収容されたコントローラー;封入されたコントローラーに接続された水中ポンプ;水位を検出するための、調節可能な電極;および装置の回動を可能にするリングクランプ。
【0035】
一実施形態によれば、装置全体を水浸してもシステムの動作に悪影響が出ない。一実施形態によれば、水中ポンプは工具を用いずに中を開けてインペラー羽根を露出可能である。一実施形態によれば、水中ポンプはチューブ受けを有するポンプ出口部に脱落防止凸部を備える。
【0036】
コードは任意のコード体系のものでよい。いくつかの例を挙げると、バーコード、英数字コード、色/形状コード、QRコード(登録商標)である。
【0037】
本開示によれば、方法には、流体温度制御装置において機械可読コードを受信するステップと、流体温度制御装置において機械可読コードを1以上の調理属性に変換するステップと、流体温度制御装置において1以上の調理属性に基づいて温度および調理時間を決定するステップと、温度および調理時間に応じて流体温度制御装置を自動的に設定するステップが含まれる。
【0038】
一実施形態によれば、方法には、流体温度制御装置において補充調理属性を受信するステップと、流体温度制御装置において調理加減レベルを受信するステップと、流体温度制御装置において1以上の調理属性と、補充調理属性と、調理加減レベルとに基づいて新たな温度および新たな調理時間を決定するステップと、新たな温度および新たな調理時間に応じて流体温度制御装置を設定する ステップがさらに含まれる。一実施形態によればさらに、新たな調理時間および新たな温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を流体温度制御装置の表示装置に表示する工程が含まれる。
【0039】
一実施形態によれば、調理時間および温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知が流体温度制御装置の表示装置に表示される。
【0040】
一実施形態によれば、機械可読コードはQRコードである。一実施形態によれば、機械可読コードは三次元バーコードである。
【0041】
一実施形態によれば、調理時間および温度が流体温度制御装置の表示装置に表示される。
【0042】
一実施形態によれば、システムは、プロセッサーと、メモリと、表示装置と、加熱素子と、光学読取装置と、撹拌装置とを含む流体温度制御装置を備える。 メモリはプロセッサーと結合され、プロセッサーに指令を供給可能に構成される。該指令を実行することでプロセッサーは、光学読取装置を介して機械可読コードを読み取り、機械可読コードを1以上の調理属性に変換し、1以上の調理属性に基づいて温度と、速度と、調理時間とを決定し、加熱素子を温度に応じて、撹拌装置を速度に応じて、表示装置を調理時間に応じて自動的に設定する。
【0043】
一実施形態によれば、システムは補充調理属性と調理加減レベルを受信し、1以上の調理属性と、補充調理属性と、調理加減レベルとに基づいて新たな温度および新たな調理時間を決定し、加熱素子を温度に応じて、撹拌装置を速度に応じて、表示装置を調理時間に応じて設定する。一実施形態によれば、システムはまた新たな調理時間および新たな温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を表示装置に表示する。
【0044】
一実施形態によれば、システムは調理時間および温度が安全範囲の閾値外であればそれらが危険な調理時間および温度である旨の通知を表示装置に表示する。
【0045】
一実施形態によれば、機械可読コードはQRコードである。一実施形態によれば、機械可読コードは三次元バーコードである。
【0046】
一実施形態によれば、システムは調理時間および温度を表示装置に表示する。
【0047】
一実施形態によれば、システムは、プロセッサーと、メモリと、表示装置と、加熱素子と、無線受信装置と、撹拌装置とを含む流体温度制御装置を備える。メモリはプロセッサーと結合され、プロセッサーに指令を供給可能に構成される。該指令を実行することでプロセッサーは、無線受信装置を介して機械可読コードを受信し、機械可読コードを1以上の調理属性に変換し、1以上の調理属性に基づいて温度と、速度と、調理時間とを決定し、加熱素子を温度に、撹拌装置を速度に、表示装置を調理時間に設定する。
【0048】
図1および
図2に一実施形態による流体温度制御装置105を示す。流体温度制御装置105は上部130、中間部120、および下部110からなる。一実施形態によれば、流体温度制御装置は上部および下部の2つの部分からなる。一実施形態によれば、流体温度制御装置は1つの部分からなる。一実施形態によれば、流体温度制御装置は1以上の部分からなる。上部130は表示装置132を備える。表示装置132には例えば次のような情報が表示される:下部110の少なくとも一部が浸される流体の温度;導入口および排出口における通過総量;下部に収容されているインペラーの回転速度。上部130にはさらに入力装置(図示せず)を設けてもよい。入力装置は例えば1以上のボタンその他の操作部材からなり、ユーザーはこれを利用して下部の少なくとも一部が浸される水の温度を選択することができる。一実施形態によれば、入力装置は物理的なボタンおよび/または表示装置132に表示されるバーチャルなボタンを含む。ボタンその他の入力操作部材は容量センサーパッドを含んでいてもよい。中間部120はリングクランプ112を備える。リングクランプ112を介して、制御装置105を容器などに取り付けることができる。中間部120はまたハウシング124を備え、ここにモーターおよびヒーター基部(図示せず)が収容される。下部110は、1以上の開口102を有するキャップ100を備える。下部110には、1以上の液体導入口107と1以上の液体排出口108とを有する水中ポンプ109が包み込まれている。排出口108は流体排出口であってよく、導入口107は流体導入口であってよい。下部110には液体導入(流入)開口118が形成されている。下部110内に収容された水中ポンプ109、インペラー、その他の撹拌装置によって、熱せられた水が液体導入開口118から下部110内に導入され、液体排出(流出)開口102から下部110外へ排出される。開口118を液体排出(流出)開口とし、開口102を液体導入(流入)開口としてもよい。下部110に、それが浸される流体の温度を計測するための温度センサーを設けてもよい。他の一実施形態によれば、温度センサーを装置105とは別体として、装置105と無線通信を行わせる。
【0049】
図3に一実施形態による流体温度制御装置105の構成部品を示す。装置は下部110を備える。下部110は工具を必要としない捩じ込み式または嵌め込み式の取り外し可能なハウジングで、その中にサーキュレーターポンプその他の撹拌装置が収容される。下部110にはヒーター125、駆動軸101、およびインペラー104を設ける。下部110はステンレス鋼または他の適切な素材からなる。一実施形態によれば、下部110は取り外し可能な嵌め込み式裾部である。下部110には1以上の液体導入(流入)開口118が形成される。開口118は液体排出(流出)開口であってよい。装置105はまた液体排出(流出)キャップ100を備え、キャップ100の側部または底部には液体が通過可能な(液体の導入(流入)または排出(流出)が可能な)1以上の開口102が形成される。中間部120にはモーターとヒーター基部123とが包み込まれており、後者は電気ヒーター125に接続される。中間部120には、蒸気の発生時にこれを排出するためのファンをさらに設けてもよい。中間部120は襟部124を含み、ここに1以上の孔を形成することでモーターおよびヒーター基部123に対する通気を確保している。装置105は上部130を備える。上部130にはタッチ操作が可能な液晶表示器132を設ける。装置105は水密/気密に密閉され、装置によって熱せられる流体の入った調理容器内に長時間に亘って全体を浸しても問題ない。
【0050】
図4は一実施形態による、クランプ112を備えた流体温度制御装置105の断面図である。クランプ112は流体温度制御装置105を鍋など、流体を入れた容器に取り外し可能に固定できるように構成される。クランプ112はその最上部に襟部117と取り付け部111とを備える。襟部117は取り付け部111によって装置105に、これの全周に亘って当接させられる。取り付け部111を、バネの働きによってクランプ112を流体温度制御装置105に取り付ける構成とすることができる。クランプ112はさらに固定当接部113を備え、これが鍋の内面と当接する。クランプ112はさらに可動当接部116を備え、これが鍋の外面と当接することにより流体温度制御装置105が鍋に固定される。襟部117は流体温度制御装置105沿いの任意の位置へ移動させることができ、これによって容器114内の流体に浸す下部110の長さを調節することができる。
【0051】
図5および
図6はそれぞれクランプ112の一例の分解図および組立図である。クランプ112は襟部117を有し、これが温度制御装置(図示せず)に当接する。襟部117の当接は取り付け部111の操作により得られる。取り付け部111はバネによって付勢されている。取り付け部111が操作されると襟部117が温度制御装置と当接して動かなくなる。クランプ112は固定当接部113を有する。固定当接部113は容器の内壁と当接する。クランプ112はさらに可動当接部116を有する。可動当接部116は容器の外壁と当接する。可動当接部116はネジ機構によって操作可能である。他の一実施形態によれば、可動当接部116はバネによって付勢されている。
【0052】
図7に、無線温度センサーと通信する流体温度制御装置の例を示す。装置105は、流体150(例えば水)を入れた容器114に調節可能に取り付けられる。先述のように、流体150の温度は装置105によって制御可能である。無線温度センサー156は密閉容器152(例えば樹脂製の袋そのほか樹脂製の包装材)内に収めた食品154に接近して(またはその中に)設置することができる。他の一実施形態によれば、温度センサーは有線接続されて流体温度制御装置105自体に設けられる。
【0053】
図8は調理時間および温度の生成方法の一例を示すフローチャートである。本方法800は一例に過ぎず、所期の目的は様々な方法で実現可能である。以下に説明する方法800は例えば少なくとも
図1および
図7に示す構成を用いて実行でき、方法800の説明にあたってはそれらの図に示された各要素を参照する。
図8に示す方法は一例に過ぎず、所期の目的は様々な方法で実現可能である。また、本例の方法800の図示において各ステップは特定の順序に並べられているが、当業者には理解されるように、
図8に示す各ステップは本開示の効果が得られる限りにおいていかなる順序で実行されてもよく、一部のステップを省いたり更なるステップを加えてもよい。
【0054】
図8に示す各ブロックそれぞれが、本例の方法800で実行されるプロセス、方法、またはサブルーチンの1以上に相当する。
図8に示す各ステップは少なくとも
図1および
図7に示す装置105に実装することができる。また、
図8に示す各ステップに、少なくとも装置105と通信可能に結合された非過渡的でコンピューター可読な記憶媒体に格納されたプロセスの指令が含まれ得ることは、当業者には自明であろう。以下では
図8を装置105の観点から説明する。
【0055】
方法800はブロック802から始まる。ブロック802において、真空調理用の流体温度制御装置は機械可読コードを受信する。例えば英数字コード、QRコード、二次元バーコード、三次元バーコード、そのほか任意のバーコードまたはコード体系のものである。一実施形態によれば、機械可読コードの内容は対象密封食品の調理時間、調理温度、厚さ、脂肪含量、サイズ、重量、形状である。一実施形態によれば、機械可読コードの情報を後で補充してもよい(ブロック810〜812に示すように)。一実施形態によれば、機械可読コードは、流体温度制御装置に内蔵され、機械可読コードを読み取り可能に構成されたカメラ、スキャナー、または光学読取装置から受信される。一実施形態によれば、流体温度制御装置は機械可読コードを無線で例えばスマートフォン、タブレット、コンピューター、バーコードスキャナー、QRコードスキャナー、光学読取装置、そのほか機械可読コードを読み取り可能でかつ機械可読コードを送信可能な任意の情報処理装置、周辺装置、および/またはそれらの組み合わせから受け取る。一実施形態によれば、流体温度制御装置は機械可読コードを有線接続を介して受け取る。ブロック802で真空調理用の流体温度制御装置が機械可読コードを受信した後、フローはブロック804に進む。
【0056】
ブロック804において、流体温度制御装置は機械可読コードを1以上の調理属性に変換する。例えば、密封食品の調理時間、調理温度、厚さ、脂肪含量、サイズ、重量、形状である。一実施形態によれば、食品の調理時間、調理温度、厚さ、脂肪含量、サイズ、重量、形状などのうちの1以上への変換が可能である。例えば機械可読コードは、「リブ・アイ(牛ロース芯)、調理温度130°F、調理時間1時間」と変換される。また例えば、機械可読コードは「豚肩肉、厚さ5インチ、脂肪含量10%、サイズ8ポンド、調理時間8時間、温度120°F」と変換される。一実施形態によれば、機械可読コードの情報は後から補充できる(ブロック810〜812に示すように)。一実施形態によれば、流体温度制御装置はユーザー選択用の1以上の調理属性を表示装置に表示する。ブロック804で流体温度制御装置が機械可読コードを1以上の調理属性に変換した後、フローはブロック806に進む。
【0057】
ブロック806において、補充調理属性の受信があったかどうかの判断がなされる。ブロック806で1以上の補充調理属性の受信があれば、フローはブロック810に進む。ブロック806で補充調理属性の受信がなければ、フローはブロック808に進む。
【0058】
ブロック808において、流体温度制御装置が動作に向けて設定される。例えば、調理時間が表示装置に表示され、加熱制御部が調理温度に合わせて設定される。一実施形態によれば、流体温度制御装置105は特定の華氏(または摂氏)温度を目標に加熱制御部を起動し、調理時間を時・分・秒単位で設定する。一実施形態によれば、装置の設定は機械可読コードを受信すると自動的に行われる。一実施形態によれば、装置の設定は機械可読コードの変換後に自動的に行われる。一実施形態によれば、装置の設定は調理属性が選択されると行われる。一実施形態によれば、装置は補充調理属性を受信する(ブロック810〜812に示すように)。一実施形態によれば、撹拌装置の速度は、機械可読コード、調理属性、および調理加減レベルのうち少なくとも1つが選択されると決定される。ブロック808で流体温度制御装置が動作に向けて設定されると、フローは終了する。
【0059】
ブロック810において、流体温度制御装置は1以上の補充調理属性を受信する。一実施形態によれば、補充調理属性は装置105の表示装置での選択により受信される。一実施形態によれば、選択は外部装置から行われる。外部装置とは、例えば携帯電話、パーソナルコンピューター、タブレット、そのほか装置105と無線で接続可能に構成された装置である。補充調理属性は例えば、食品についての補充の調理時間、温度、厚さ、脂肪含量、サイズ、重量、または形状である。流体温度制御装置105は補充調理属性の複数の画像を記憶することができる。一実施形態によれば、1以上の補充調理属性を選択することができる。補充調理属性はそれに対応するブロック804で機械可読コードから変換された調理属性と組み合わせられて、総合的な調理時間および調理温度が決定される。例えば、機械可読コードが「リブ・アイ(牛ロース芯)、調理温度130°F、調理時間1時間」であるときに、補充調理属性が「厚さ2インチ、重量2ポンド、調理温度0°、調理時間2時間」である。補充調理属性に基づいた総合的な温度および調理時間はそれぞれ130Fおよび3時間になる。ブロック810で1以上の補充調理属性が受信されると、フローはブロック812に進む。
【0060】
ブロック812において、流体温度制御装置は調理加減レベルを受信する。調理加減レベルは調理時間および温度と関連付けられている。一実施形態によれば、調理加減レベルは装置105の表示装置上での選択により受信される。一実施形態によれば、選択は外部装置から行われる。外部装置とは、例えば携帯電話、パーソナルコンピューター、タブレット、そのほか装置105と無線で接続可能に構成された装置である。調理加減レベルは例えば、ウェルダン、ミディアムウェル、ミディアム、ミディアムレア、レア、ブルー、アルデンテ、テンダー(柔らか)、ソフト(柔らかめ)、またはファーム(硬め)である。流体温度制御装置105は調理加減レベルとそれに対応する補充調理時間および温度として複数の画像を記憶することができる。選択された調理加減レベルに対応する調理時間および温度は、ブロック804で機械可読コードから変換された調理属性と、および/またはブロック810で得た補充調理属性と組み合わせられて、総合的な調理時間および温度が決定される。例えば、機械可読コードから変換された調理属性が「リブ・アイ(牛ロース芯)、厚さ2インチ」であり、補充調理属性が「重量2ポンド」であるときに、調理加減レベルが「ミディアム」でそれに対応する温度および調理時間がそれぞれ0°および調理時間であれば、総合的な温度および調理時間はそれぞれ130°Fおよび2時間になる。また例えば、調理加減レベルが「ウェルダン」でそれに対応する温度および調理時間がそれぞれ50°および0時間であれば、総合的な温度および調理時間はそれぞれ180Fおよび3時間になる。ブロック810で調理加減レベルが受信されると、フローはブロック808に進む。
【0061】
一実施形態によれば、装置105は、調理時間および温度が推奨安全範囲の閾値外であれば、装置の表示装置にその調理時間および温度が危険である旨の通知を表示する。
【0062】
本開示の範囲内で様々な実施形態が、多様な動作環境において実施可能である。1台以上のユーザーコンピューター、演算装置、処理装置を用いて任意の数のアプリケーションを実行することができる。ユーザー/クライアント側装置には任意の数の汎用パーソナルコンピューターが含まれていてよく、これには例えば一般的なオペレーティングシステムが稼働するデスクトップまたはラップトップコンピューターや、モバイルソフトウェアが稼働し複数のネットワーキングおよびメッセージングプロトコルをサポートする携帯電話装置、無線装置、ハンドヘルド装置が含まれる。システムには複数のワークステーションが含まれていてもよく、これらにおいては市販の様々なオペレーティングシステムのいずれかに加えて、例えば開発およびデータベース管理のための公知のアプリケーションが稼働する。諸装置の中には以上のほかの電子機器が含まれていてもよく、例としてダミー端末、小型軽量クライアント(thin-client)、ゲーム装置、そのほかネットワーク経由の通信が可能な装置が挙げられる。
【0063】
様々な実施形態は少なくとも1つのサービスまたはWebサービスの一部として実施可能であり、例えばサービス指向型アーキテクチャーの一部として実施できる。Webサービスなどのサービスにおいては、適切な種類のメッセージングによって通信が可能であり、例えば拡張マークアップ言語(XML)で記述されたメッセージをSOAP(Simple Object Access Protocol)などの適切なプロトコルを用いて交換することができる。このようなサービスにおいて提供あるいは実行されるプロセスの記述には、WSDL(Web Services Description Language)など任意のプログラム言語を用いてよい。WSDLなどの言語を用いることにより、様々なSOAPフレームワークの中でクライアント側コードを自動発生する機能が実現できる。
【0064】
様々な実施形態において、TCP/IP、OSI、FTP、UPnP、NFS、CIFS、AppleTalk(商標)などの市販の各種プロトコルのうちの任意のものを用いた通信を支援するために、当業者に知られたネットワークのうちの少なくとも1つが利用されている。ネットワークとしては、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網(PSTN)、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク、およびこれらの適切な任意の組み合わせが考えられる。
【0065】
Webサーバーを利用する実施形態においては、Webサーバー上で様々なサーバーアプリケーションまたは中間層アプリケーションのうちの任意のものが稼働する。例として、HTTPサーバー、FTPサーバー、CGIサーバー、データサーバー、Javaサーバー、ビジネスアプリケーションサーバーが挙げられる。サーバーはまたユーザー装置からの要求に応えてプログラムまたはスクリプトを実行できるものであってもよい。その場合Java(登録商標)、C、C#、C++などの任意のプログラム言語、またはPerl、Python、TCLなどの任意のスクリプト言語、さらにはそれらの組み合わせで記述された1以上のスクリプトまたはプログラムとして実装可能な1以上のWebアプリケーションが実行可能である。サーバーはまたデータベースサーバーを含んでいてもよく、例として、これらに限定しないが、Oracle(登録商標)、Microsoft(登録商標)、Sybase(登録商標)、IBM(登録商標)から市販されているものが挙げられる。
【0066】
運用環境には、上に述べた様々なデータ格納装置、メモリ、記憶媒体などが含まれる。これらの配置場所は様々であって、1以上のコンピューターに対して局所に(および/または内蔵して)設けた、またはいずれかあるいは全てのコンピューターから遠隔にネットワークを介して設けた記憶媒体上であってよい。実施形態によっては情報を、当業者に知られたストレージエリアネットワーク(SAN)に置いてもよい。同様に、コンピューター、サーバー、そのほかのネットワーク装置に帰属する機能を実行するのに必要なファイルは、必要に応じて局所に格納しても、遠隔に格納してもよい。システムにコンピューター化された装置が含まれる場合、そのような装置それぞれに、バスを介して電気的に接続が可能なハードウェア要素が含まれていてよい。そのようなハードウェア要素とは例えば、少なくとも1つの中央演算処理装置(CPU)、少なくとも1つの入力装置(例えばマウス、キーボード、コントローラー、タッチパネル、キーパッド)、および少なくとも1つの出力装置(例えば、表示装置、プリンター、スピーカ)である。そのようなシステムにはさらに1以上の記憶装置が含まれていてもよく、例としてディスクドライブ、光学記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリーメモリ(ROM)などの固体記憶装置、さらには取り外し可能な媒体装置、メモリカード、フラッシュカードなどが挙げられる。
【0067】
そのような装置としてさらに、上述したように、コンピューター可読な記憶媒体の読取装置、通信装置(例えばモデム、ネットワークカード(無線または有線)、赤外線通信装置など)、および上述のような作業メモリが含まれていてもよい。コンピューター可読な記憶媒体の読取装置はコンピューター可読な記憶媒体と接続されるか、またはそれを装着可能に構成される。そのような記憶媒体には遠隔の、局所の、固定の、および/または取り外し可能な記憶装置、さらにはコンピューター可読な情報の一時的および/または恒久的な保持、格納、送信、取り出しのための記憶媒体が含まれる。システムおよび諸装置は通常複数のソフトウェアアプリケーション、モジュール、サービス、その他の要素を含んでいて、これらが少なくとも1つの作業メモリ装置に、オペレーティングシステムおよびクライアントアプリケーションやWebブラウザなどのアプリケーションプログラムと共に収められている。上に述べた実施形態は様々な変形が可能であると理解されたい。例えば、専用ハードウエアを用いてもよいし、および/または特定の要素をハードウェア、ソフトウェア(アプレットなどの高移植性ソフトウェアを含む)、またはその両方で実現してもよい。さらにネットワーク入出力装置など、他の情報処理装置との接続があってもよい。
【0068】
コード、またはその一部、を保持するための記憶媒体やコンピューター可読な媒体は当該技術分野で知られ、用いられる適切な任意の媒体、例えば記憶媒体や通信媒体、を含む。これには例えば、以下に限定しないが、コンピューター可読な指令、データ構造、プログラムモジュール、その他のデータなどの情報の記憶および/または送信のための任意の方法または技術を利用した媒体であって、揮発性および不揮発性のもの、取り外し可能および取り外し不可能なものが含まれる。例としてRAM、ROM、EEPROM、フラシュメモリ、その他のメモリ類;CD−ROM、DVD、その他の光学記憶装置;磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク装置、またはその他の磁気記憶装置;そのほか、所望の情報が格納でき、システムの装置によってアクセス可能な他の任意の媒体を挙げることができる。
【0069】
本開示の実施形態は、本開示に記載の工程または方法をコンピューター(または他の電子機器)に実行させるためのプログラムとなる一連の指令(圧縮された、または非圧縮の)が格納された、非過渡的で機械可読な記憶媒体を含んだコンピュータープログラム製品として提供することができる。機械可読な記憶媒体とは例えば、以下に限定しないが、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、光学ディスク、CD−ROM、DVD、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気あるいは光学カード、固体メモリ装置、その他、電子的な指令の格納に適した機械可読な任意の記憶媒体である。本開示の実施形態はまた、過渡的で機械可読な信号(圧縮された、または非圧縮の)を含んだコンピュータープログラム製品として提供することもできる。機械可読な信号とは、搬送波を用いて変調されているか否かを問わず、例えば、以下に限定しないが、コンピュータープログラムをホストしているまたはそれが稼働しているコンピューターシステムまたは装置によってアクセス可能な信号を含み、インターネットや他のネットワークを介してダウンロードされる信号を含む。たとえば、ソフトウェアの頒布はインターネットを介したダウンロードにより可能である。
【0070】
本開示の内容に基づけば、上述の様々な実施形態を上述とは異なる手段および方法で実現することが可能であることが理解されよう。明細書及び図面は例示的なものに過ぎず、添付の請求項に記載の請求範囲を何ら限定するものではないと理解されるべきである。