(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の機械であって、前記支持基台の前記第一部分(8)は、前記歩行可能な面(P)に配置される固定プレート(14)に接続される第一シャフト(13)を備えており、前記第一シャフト(13)により前記第一回転軸(Z13)が定義されている機械。
【背景技術】
【0003】
本発明の具体的な関連の機械は、例えば本発明の範囲を限定するものではないが、便器やビデを生産する機械である。
【0004】
従来技術タイプの機械は、同じ出願人の欧州特許出願公開第2 366 517号に記載されている。
【0005】
この機械は、
・閉じた構成において、製品を鋳造する(キャスティングする)ための内部キャビティを形成するよう設計された少なくとも二つの部品から構成される鋳型と、
・端部が開口している管状の、鋳型を締め付けるとともに収容するためのボディと、
・閉じた構成において動作位置と第二動作位置との間で、一つの移動軸(通常水平である)に沿って、締め付け・収容ボディと鋳型との間での相対的摺動を可能にするよう、締め付け・収容ボディと鋳型との間での相対的な移動を行うための手段と、を備える。動作位置においては、鋳型と締め付け・収容ボディとは互いから離間する方向に移動される。第二動位置においては、鋳型と締め付け・収容ボディとは、一方が他方の内側で密着して連結される。
【0006】
好ましい態様においては、締め付け・収容ボディが、鋳型に向かう方向および離間する方向に移動する。
【0007】
この点に関して、管状の締め付け・収容ボディは、鋳型の支持フレームの一部および締め付けボディの一部を形成する一ペアのレール上に配置されるスライド(車輪)を有する。
【0008】
欧州特許出願公開第2 366 517号において既知の解決法では、締め付け・収容ボディは、内側に、鋳型を締め付けるおよび/または鋳型に作用する力を抑えるための少なくとも一つの膨張要素を備えるチューブ体である。
【0009】
この点に関して、膨張要素(またはチューブ体の幾何学的な構成によっては、二つ以上の要素)には、最小圧力でありサイズが低減された第一非動作制限構成と、最大圧力でありサイズが最大となる第二動作制限構成と、の間で加圧された流体を供給することができる。
【0010】
フレームは、歩行可能な面に配置されるとともに、
・鋳型の構成部品を動作させるとともに支持するための区域と、
・鋳型から離間する方向に移動するとき、締め付け・収容ボディが配置される区域と、を有する。二つの区域は、フレームの異なる二点(フレームの端部)に位置する。
【0011】
フレームの鋳型を動作させるとともに支持するための区域には、鋳造サイクルの間、鋳型へ流体(泥漿(スリップ))を供給するための手段、排水のための空気の注入おとびスリップ固化の手段などの、鋳型の部品によって形成されるキャビティのための稼働(サービス)手段が配置される。
【0012】
また、鋳型の動作区域には、排水システムのための稼働手段が配置されている。
【0013】
排水システムは、鋳造サイクルにおいて鋳型の内面を通り抜ける流体が外側に流出できるよう、または成形された製品を鋳型壁から分離するためにまたは鋳型部品を再調整するために加圧された流体を反対方向に注入できるよう、多孔性の鋳型の内側に配置されている。
【0014】
上述した機械構成要素は、形成された製品を鋳型から外すためのサーボ支援装置を、あるいはもう一つの選択肢として、同じ目的に用いられるが、必要に応じて、成形された製品を処理し、かつ仕上げる他の機能を行うよう設計できる自動化ユニットを備える作業領域(ワークアイランド)に配置される。
【0015】
当該自動化ユニットが備えられる場合には、フレームの動作区域から鋳型の部品を置き換えるよう適切に設置され得る。
【0016】
しかしながら、ここで説明したものを含む、セラミック製品を製造するための種々のタイプの機械にはいくつかの欠点がある。
【0017】
第一の欠点は、特に形状が非常に複雑な製品の場合には、鋳造サイクルの終わりにキャビティの内側に残った過剰な液体を、鋳型のキャビティから完全にかつ効果的に空にすることが不可能であることに起因する。
【0018】
この問題はまた、鋳型が、静置されており、水平な面(あるいは歩行可能な面に対して大きくても数度傾斜した面)に設置されているという事実からも生じる。
【0019】
機械のこの特徴(固定配置)によって、(重力が緩やか、なだらかであるために)過剰な流体を空にすることが不完全となり、製品の品質が悪化し、または、極端な場合には、製品を廃棄しなければならないこともある。
【0020】
この理由で、現在の機械では、形状が複雑な製品を技術的に得ることができない。
【0021】
従来技術において、この問題への技術的解決法がいくつか知られている。これらの解決法のうちの一つが欧州特許出願公開第0 427 184号に記載されている。
【0022】
この公報には、鋳造キャビティを有するとともに支持台の面上に載置された鋳型を備える加圧スリップ鋳造装置が記載されている。支持台は、水平な歩行可能面に対して第一角度で回動軸回りに鋳型を傾斜させるための傾斜手段を有する。
【0023】
第二の欠点は、スリップのレベルが鋳型の内側で上昇するまたは「成長する」ときの、「凝析(coagulation)」もしくは「フロキュレーション(flocculation)」またはジョイント・ラインの問題として知られているものに起因し、最終製品の品質が許容できなくなる重大な欠陥が生じる。
【0024】
この問題は特に、製品のための自由度が最大限活用され、当然、鋳型が種々の内部寸法比を有することができ、そして鋳造キャビティを非常に大きくできる、液体鋳造製品(liquid-cast products)の場合に現れる。
【0025】
実際、鋳型キャビティは、オス部品とメス部品とに単純には分けられず、代わりに、製品の壁は鋳型内の一つ面によって形成される。
【0026】
スリップが加圧されて(通常、底部から)供給され、鋳型の内側で次第に「成長して」完全にキャビティが充填されるまでそのレベルが上昇する場合、その問題が鋳型の内部で生じる。
【0027】
実験室の試験では、鋳型の容量の大きさ、相対的な内部空気容積、および重力が主要因であることを示しているが、その問題の実際の原因は未だ明らかではない。
【0028】
原因が何であろうとも、鋳型を充填するときに、スリップにおける種々の物質はランダムに「分離する」傾向があるという事実がある。それは、スリップは完全に均一な混合物でなく、基本的には比重量が異なる粘土および他の物質の、水における懸濁液であり、スリップのレベルが上がるにつれ、比重量が小さい(浮上する傾向がある)物質と比重量が大きい(沈む傾向がある)物質との間で分離が生じるからである。
【0029】
鋳型が充填されるとき、分離プロセスにより、似ている物質がそれらを囲んでいる異なる物質から分離される、濃縮(thickening)または集塊(agglomeration)が生じる。
【0030】
集塊の結果、混合物の非同質性を示す一種の着色した「汚れ」が、上昇するスリップの面に現れる。この汚れが鋳型の面と接触すると、製品にはその時点で欠陥が生じる。
【0031】
しかしながら、欠陥は、製品が加熱されまたは最後に上薬が塗られ、出てきた後に、製品を廃棄する必要があるような明らかに見える表面欠陥(例えばハンプまたは凹部の態様で)として見ることができるに過ぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
(発明の目的)
本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を解消する、セラミック製品、特にセラミックの衛生陶器を製造するための機械を提供することにある。
【0033】
より詳細には、本発明の目的は、最終製品の品質を向上でき、そしてまた、複雑な輪郭を有する製品を製造することができる、セラミック製品、特にセラミックの衛生陶器を製造するための機械を提供することにある。
【0034】
本発明のさらなる目的は、鋳型および収容ボディの基本的構造部を変更せずに信頼性が高い製造を保証できる、セラミック製品、特にセラミックの衛生陶器を製造するための機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0035】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲に記載した本発明の、セラミック製品、特にセラミックの衛生陶器を製造するための機械によってまさに達成される。
【0036】
より具体的には、セラミック製品を製造するための機械は、閉じた構成において、製品を鋳造するためのキャビティを形成するよう設計された少なくとも二つの部品から構成される鋳型を備える。
【0037】
機械はまた、閉じた構成における鋳型に作用する、鋳型を締め付けるとともに収容するための手段を備える。本発明にかかる機械は、支持フレームと歩行可能な面との間に配置される支持基台を備える。
【0038】
また本発明では、支持基台は、支持フレームを歩行可能な面に対して回転可能とするようフレームに対して回動する第一部分を有する。
【0039】
また本発明では、支持基台は、第一部分から間隔を空けて配置されるとともに、少なくとも第一制限動作位置から第二制限動作位置へと支持フレームを傾斜させるよう支持フレームに接続される少なくとも一つのアクチュエータ要素を備える第二部分を備える。第一制限動作位置においては、支持フレームが歩行可能な面に対して第一角度で傾斜する。第二制限動作位置においては、支持フレームが歩行可能な面に対して第一角とは別の第二角度で傾斜する。
【0040】
本発明では、フレームは、延設の長手方向軸を有する。
【0041】
また本発明では、二つの制限動作位置間の歩行可能な面に対するフレームの第一回転を可能にするよう、支持基台の第一部分が、フレームの延設の長手方向軸を通る面内にある第一回転軸でフレームと関節状に接続されている。フレームのこの構造により、鋳型(およびそれぞれの締め付け・収容手段)が、
製品の形状の複雑性に関係なく、鋳型から過剰な液体を迅速に、確実にそして完全に排出し、
形成する製品の面へダメージを与えない位置にフロキュレーションまたはジョイントを移動させるよう、成型キャビティを充填するステップの間に供給されたスリップを均質な状態に維持する
ような角度で上昇および/または回転することができる。
【0042】
好ましくは、二つの制限動作位置間の歩行可能な面に対するフレームの第二回転を可能にするよう、支持基台の第一部分が、フレームの延設の長手方向軸に対して垂直な面内にある第二回転軸でフレームと関節状に接続されている。
【0043】
したがって、また、二つの異なる回転軸(すなわち回動点)を有する一つの部分により、フレームは二つの異なる方向に傾斜することができる。
【0044】
スリップの適切な均質性およびジョイント・ラインの移動を保証するよう、第一回転軸により、フレームの(したがって、また鋳型の)回転(すなわち横方向の傾斜)が可能となる。
【0045】
過剰な流体を空にすることができるよう、第二回転軸により、フレームの一端部を上昇させる(その結果、鋳型が傾斜する)ことができる。
【0046】
フレームの構造のサイズは大きく低減され、そして、フレームを移動させるための要素はフレームの寸法内に配置される。
【0047】
したがって、同じ寸法を維持しながら、鋳型に供給されたスリップをよりよく混合し、製品を形成するステップの際にスリップをより均質にするよう、フレームは、好ましくは、まず一端部において上昇し(傾斜)、次に、回転する(回転)ことができる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
添付図面を、特に
図1〜
図3を参照して、その全体において符号1で示される本発明にかかる機械は、セラミック製品の製造に用いられる。
【0050】
より具体的には、機械1は、例えば本発明の範囲を限定するものではないが、便器やビデといった衛生陶器の製造に用いられる。
【0051】
機械1は、閉じた構成において、製品を鋳造するためのキャビティを形成するよう設計された少なくとも二つの部品3,4から構成される鋳型2を備える。
【0052】
なお、添付図面に示す鋳型2は、限定するものではない単なる例として、二つの側部部品3,4、上部部品2aおよび下部基礎部(図面には現れていない)の、四つ部品を備えることを記載しておく。
【0053】
いくつかの動作構成において、鋳型はまた五つ目の部品(図示しないリアプラグ)を備えることもできる。
【0054】
いずれにしても、鋳型2の部品の数は、製造する製品のタイプに応じるが、部品の数は本発明の範囲に影響を与えない。
【0055】
機械1はまた、閉じた構成における鋳型2に作用する、鋳型2を締め付けるとともに収容するための手段5を備える。
【0056】
より具体的には、締め付け・収容手段5は、端部が開口しており、使用時に(鋳型2の外側密閉面にカバーを形成するよう)鋳型2と接続されるチューブ(管状)体6を備える。
【0057】
機械1はまた、鋳型2と締め付け・収容手段5とを支持する(好ましくは歩行可能な面Pに配置される)フレーム7を備える。
【0058】
フレーム7は、延設の長手方向軸Xを有する。
【0059】
フレーム7は、延設の横方向軸Yを有する。
【0060】
本発明によれば、機械は、支持フレーム7と歩行可能な面P(すなわち機械が設置される床)との間に配置される支持基台を備える。
【0061】
また本発明では、支持基台は、歩行可能な面Pに対して支持フレーム7の第一の回転を可能とするようフレーム7に対して回動する第一部分8を有する。
【0062】
また本発明では、支持基台は、第一部分8から間隔を空けて配置される第二部分9を有する。
【0063】
また本発明では、第二部分9は、少なくとも第一制限動作位置から第二制限動作位置へと支持フレーム7を傾斜させるよう支持フレーム7に接続される少なくとも一つのアクチュエータ要素10,11を有する。第一制限動作位置においては、支持フレーム7が歩行可能な面Pに対して第一角度αまたはβで傾斜する。第二制限動作位置においては、支持フレーム7が歩行可能な面Pに対して第一角度αまたはβとは別の第二角度αまたはβで傾斜する。
【0064】
また本発明では、二つの制限動作位置間の歩行可能な面Pに対するフレーム7の第一回転を可能にするよう、支持基台の第一部分8が、フレーム7の延設の長手方向軸Xを通る面内にある第一回転軸Z13でフレーム7と関節状に接続されている。
【0065】
好ましくは、二つの制限動作位置間の歩行可能な面Pに対するフレーム7の第二回転を可能にするよう、支持基台の第一部分8が、フレーム7の延設の長手方向軸Xに対して垂直な面内にある第二回転軸Z12でフレーム7と関節状に接続されている。
【0066】
実用的には、上述した二つの制限動作位置間の歩行可能な面Pに対するフレーム7の第二回転(フレーム7の一端が上昇する)を可能にするよう(
図3および
図4ならびに角度α参照)、第一部分8が、フレーム7の長手方向軸に延びる鉛直面Qに対して垂直な(面Pと平行な)第二回転軸Z12でフレーム7と関節状に接続されている。
【0067】
なお、フレーム7は、第二回転軸Z12に対して、フレーム7の延設の長手方向軸Xに対する角度αに従って傾斜することを記載しておく。
【0068】
フレーム7の第二回転に用いる基準系(reference system)を分かりやすくするために、面Qを
図1に明示する。
【0069】
上述した通り、フレーム7の第一回転を可能にするよう、支持基台の第一部分8が、フレーム7の延設の長手方向軸Xを通る面内にある第一回転軸Z13でフレーム7と関節状に接続されている。
【0070】
言い換えれば、支持フレーム7の第一回転(
図7および角度βを参照)を可能とするよう、支持基台の第一部分8は、フレーム7に対して横方向に延びる鉛直面Rに対して垂直な(面Pと平行な)第一回転軸Z13でフレーム7と関節状に接続されている。
【0071】
なお、フレーム7は、第一回転軸Z13に対して、フレーム7の延設の横方向軸Yに対する角度βに従って傾斜することを記載しておく。
【0072】
また、フレーム7の第一回転(横揺れ(ローリング))に用いる基準系を分かりやすくするために、面Rを
図1に明示する。
【0073】
言い換えれば、フレーム7を支持する三点を用いて、二つの異なる傾斜が可能となる(また互いを組み合わせることができる)。
【0074】
好ましくは、単なる例示として以下により詳細に説明する通り、フレーム7の支持基台は、歩行可能な面Pに配置される二つの独立部分に分割される。
【0075】
好ましくは、第二部分9は、一ペアのアクチュエータ要素10,11を有する。
【0076】
この点に関して、したがって、フレーム7は、歩行可能な面Pに配置される、一端部(第一部分8)における二つの回動点を有する一つの点と、他端部(一ペアのアクチュエータ10,11を有する第二部分9)における一ペアの点と、の三点を有する。
【0077】
なお、限定するものではない単なる例としての、図示する実施形態において、(より詳細に以下に説明する通り)、フレーム7は二つの独立部分8,9によって支持されることを記載しておく。
【0078】
この点に関して、第一部分8はフレーム7の第一端部(近端部)に配置される。
【0079】
第二部分9はフレーム7の第二端部(遠端部)に配置される。
【0080】
製品鋳造サイクルの最後に鋳型2のキャビティを完全にかつ迅速に空にすることを保証するよう、第一部分8は、フレーム7の傾斜に関する第二回転軸Z12を形成する。
【0081】
第一部分8はまた、フレーム7の第一回転(ローリング)に関する第一回転軸Z13を形成する。
【0082】
実施形態の一つ(限定するものではない例として挙げる)において、以下に説明する通り、第一回転軸は、第二回転軸と相互に依存して調整される。
【0083】
好適には、フレーム7は、一端部(上述の第二遠端部)において上昇し、第二部分9に配置される一ペアのアクチュエータ10,11によって回転される。
【0084】
好ましくは、フレーム7は、水平にかつ互いに平行に延設される第一ペアの水平材7a,7bを備える。第一ペアの水平材7a,7bは、延設の長手方向軸Xと平行に延びている。
【0085】
第一ペアの水平材7a,7bの上方に(そしてそれらに接続される)、鋳型2の部品を支持する第二ペアの水平材7c,7dが配置され、フレーム7の固定部品から、すなわちフレーム7の一端部(近端部)から延出されている。
【0086】
第一ペアの水平材7a,7bはそれぞれ、レールを構成するよう設計された輪郭を有する。
【0087】
これに関して、機械1は、締め付け・収容手段5(チューブ体6)と支持フレーム7との間に作用する、締め付け・収容手段5および鋳型2の両方向における相対的摺動のための作動手段17を備える。
【0088】
本発明の範囲を限定するものではないが、好ましくは、鋳型2と締め付け・収容手段5とが互いから離間する方向に移動される第一非動作位置(
図1)と、閉じた構成における鋳型2と締め付け・収容手段5とが一方が他方の内側で密着して連結される第二動作位置(
図2、
図3および
図4)との間で、チューブ体6が支持フレーム7に沿って摺動する。
【0089】
締め付け・収容手段5の、すなわちチューブ体6およびそこに収容されている作動的収容要素の構造は、その手段の部分が欧州特許出願公開第2 366 517号に明瞭に説明されているので、ここでは詳細には記載しない。
【0090】
フレーム7に沿ってチューブ体6を移動させるよう、チューブ体6および駆動ユニット17mに接続された接続要素17aを用いて、フレーム7と連係する駆動ユニット17mを(フレーム7の遠端部に)、上述の作動手段17が備える。
【0091】
フレーム7に沿って両方向に摺動可能とするために、チューブ体6は、第一ペアの水平材7a,7bに備えられるレール上に配置される複数の車輪6rを有する。
【0092】
第一実施形態において、第一部分8は、少なくとも、フレーム7の第二回転軸Z12を定義するよう支持フレーム7に接続される第二シャフト12を備える。
【0093】
この点に関して(
図5および
図6も参照して)、第二シャフト12の長手方向軸Z12はフレーム7に対して横方向である。
【0094】
なお、第二シャフト12は管状の断面を有することを記載しておく。
【0095】
第二シャフト12の二つの端部は、フレーム7から下方へ突出する、対応する支持体18に接続される。
【0096】
軸Z12回りの支持体18のしたがってフレーム7の回転を可能にする回転部材19(ベアリング)が、第二シャフト12のそれぞれの端部と対応する支持体18との間に配置される。
【0097】
好ましくは、第一部分8は、歩行可能な面P上に配置される固定プレート14に接続される第一シャフト13を備える(基台の第一支持点を形成する)。
【0098】
第一シャフト13の第一回転軸Z13は、第二シャフト12の第二回転軸Z12に対して垂直である。
【0099】
なお、第一シャフト13は例えば管状の断面を有することを記載しておく。
【0100】
さらに、第一シャフト13の二つの端部は、プレート14から突出する対応する支持体20に接続される。
【0101】
第一回転軸Z13(第一回動点を定義する軸)回りの第一シャフト13の回転を可能にする回転部材21(ベアリング)が第一シャフト13のそれぞれの端部と対応する支持体20との間に配置される。
【0102】
これに関して、第一シャフト13は、第二シャフト12に安定して接続される。
【0103】
より具体的には、第二シャフト12は、その中央部において第二シャフト13の内側を横方向に通り、それ自体の第二軸Z12(第二回動点を定義する軸)回りに第一シャフト13に対して回転することができる。
【0104】
次に、第二シャフト12が支持フレーム7に接続されることを考慮すると、第一シャフト13の回転により、それとともに第二シャフト12が駆動され、支持フレーム7の第一回転すなわちローリングが行われるようそれが傾斜される。
【0105】
好ましくは、二つのシャフト12,13によって定義された「十字」に、二つの補強板8aが配置され、十字の中央区域の両側で接続される。
【0106】
好ましくは(上述の通り)、第一部分8は、互いに連結された鋳型2および締め付け・収容手段5を支持するフレーム7の一部分の下方に配置される。この区域は、支持フレーム7の第一端部(すなわち近接端部)を形成する。
【0107】
図9〜
図11に示す第二実施形態においては、支持基台の第一部分8は、フレーム7と歩行可能な面Pとの間に配置され、第一回転軸Z13および第二回転軸Z12を形成し、フレーム7の第一回転および/または第二回転を実行可能とする玉継手40を備える。
【0108】
この点に関して、玉継手40は、(上部に向かって開口している)下部半球状キャビティ41と、半球状キャビティ41に部分的に接続されて、半球状キャビティ41に対して回転自在である球状ヘッド43を有するシャフト42と、を備える。
【0109】
なお、玉継手40は、半球状キャビティ43が形成される歩行可能な面Pに配置される下部架台44を備えることを記載しておく。
【0110】
シャフト42は、その自由上端において、フレーム7に接続されるプレート45と連係する。
【0111】
鉛直面Rに対して平行に延設される溝46が、球状ヘッド43の外面に形成されている。
【0112】
溝46は、半球状キャビティ41の縁部と一体的な水平ピン47によって係合する。
【0113】
このピン47は、球状ヘッド43の移動を、面Pに対して平行であるとともに、鉛直面Q,Rに対して垂直であるフレーム7の上述した二つの第一回転および第二回転のみに制限することができる。
【0114】
実際には、第二回転の間にフレーム7が上昇すると、球状ヘッド43は前方にピン47回りに回転し、一方、溝46が形成されているので、フレーム7の第一回転の間には、球状ヘッド43は両方向に回転し、ピン47に対して摺動する。
【0115】
上述の第二支持部分9は、支持フレーム7の第一端部と反対である支持フレーム7の第二端部つまり遠端部に配置される。
【0116】
この点に関して、第二部分9は、好ましくは、歩行可能な面Pに配置される対応する支持架台15に一端部において接続されるとともに、他端部において両側部で支持フレーム7に、支持フレーム7の異なる二点で接続される一のペアのアクチュエータ10,11(シリンダ)を備える。
【0117】
なお、二つの架台15は、フレーム7の他の二つの支持点を定義することを記載しておく。
【0118】
それぞれのアクチュエータ10,11は、支持フレーム7の第一回転および/または第二回転またはローリングが可能となるようアクチュエータ10,11を同時にまたは互いに独立して作動させることができる共通の制御装置16(ブロックで示す)によって駆動される独立した作動ユニット10m,11mを有する。
【0119】
好ましくは、二つアクチュエータ10,11は一端部において、歩行可能な面Pと平行であるそれぞれの軸Z10,Z11回りに対応する支持架台15と関節状に接続される。
【0120】
この点に関して、アクチュエータ10,11はそれぞれ、その他端部において、フレーム7の第二ペアの水平材7c,7dの遠端部において突出している(水平に)剛体肩部22の外側端部に関節状に接続されている。この双関節接続(double articulation)により、アクチュエータ10,11が架台15に対して両方向に軸Z10,Z11回りに回転することが可能になり、これにより、支持フレーム7の第一回転および/または第二回転が行われる。
【0121】
剛体肩部22上の両側方部でアクチュエータ10,11が拘束されているので、二つのアクチュエータ10,11を同時に作動させることにより(フレーム7の遠端部を上げることにより)フレーム7を傾斜させることが可能になる(
図4を参照)。
【0122】
好適には、例えば第一水平姿勢に配置されるフレーム7を、二つのアクチュエータ10,11を反対方向に連係させて作動させることにより、第一回転軸Z13回りのみに単に傾斜させる(すなわちロールさせる)ことができる。
【0123】
再び第一水平位置に配置されたまたは既に部分的に傾斜された第二位置にフレーム7を、アクチュエータ10,11の一方を上方へまたは下方へと交互に繰り返しながら作動させることにより、傾斜させる(すなわちロールさせる)ことができ、同時に、他方のアクチュエータ11,10はその位置において静止させておく(
図7を参照)。
【0124】
このタイプの作動を交互に行うことにより、すなわち、二つのアクチュエータ10,11を同時にまたは交互に降下させ上昇させることにより、特に鋳型のキャビティをスリップで充填するステップの間に供給されたスリップが均質なままとなるよう、フレーム7をしたがって鋳型2を締め付け・収容手段5とともに連続的にローリングさせることができる。
【0125】
実際に、この運動により、形成する製品の面にダメージを与えないような位置へとフロキュレーションまたはジョイント・ラインを移動させることができる。
【0126】
この点に関して、支持基台の二つの部分8,9の、フレーム7の構造、および二つのアクチュエータ10,11のサイズ設定によって、少なくとも0°〜15°の角度αで表される延設軸Xの第二傾斜が決定される。
【0127】
また、このように得られた機械1の構造により、延設軸X回りの第一回転すなわちローリングが、ローリングの両方向で少なくとも0°〜15°の角度βの範囲で可能になる。
【0128】
第一実施形態の第一部分8において、第一部分8の固定プレート14は少なくとも三つのタブ14aを備える。一つのタブは、プレート14の前側から突出しており、支持フレーム7が第二回転の間にその最大到達可能傾斜に達すると、フレーム7と接触する(前側)。他の二つのタブ14aは、プレート14の側部から突出しており、第一回転の間にそれら2つの最大傾斜に達すると、フレーム7と接触する(側部)。
【0129】
玉継手40を有する実施形態において、図には、溝46の端部とのピン47の接触によって生じる第一回転に対して相対的なストローク位置の少なくとも一つの端部を示しているが、第一実施形態において上述したものと同様なストローク要素の端部を同じ玉継手40に関連付けることもできる。
【0130】
またフレーム7は、動作区域に配置される鋳型2の少なくとも二つの部品の芯出し(センタリング)手段(centring means)23を備える。
【0131】
好ましくは、センタリング手段23は、フレーム7の近接端部に近いところに配置され、鋳型2の正確な支持位置を定める。
【0132】
この点に関して、鋳型2の種々の部品が、フレーム7への設置および取り替えのための自動化ユニット(図示せず)によって扱われるので、センタリング手段23は好適である。
【0133】
これらのセンタリング手段23は、フレーム7の第二ペアの水平材7c,7d上の所定の点において連係する少なくとも基準ブロック24を備える(特に
図8を参照)。
【0134】
一セットのブロック24は角度基準(四つ)を定義し、一方、一ペアのブロック24(一つの側当たり一つ)は、鋳型の部品3,4をフレーム7上に設置する高さ(フレーム7に対して)のための中間基準区域を定義する。
【0135】
図8には、手段23を有するフレーム7の一方側のみを示しているが、フレーム7の他方側の構造も同様である。
【0136】
センタリング手段23は、鋳型3,4の少なくとも二つの部品のそれぞれが有する基準プレート25と相互作用する。基準プレート25は、センタリング手段23と相互作用する予め調整されたまたは調整可能な位置決定手段を有する。
【0137】
好ましくは、それぞれの鋳型部品3,4は、それぞれの側に関連したプレート25を、特に使用時においてチューブ体6によって覆われないそれぞれの側に、有する。
【0138】
それぞれのプレート25は、フレーム7に互いにある角度で配置されたコーナーブロック24の対応する面と互いにある角度で接触するための第一下部ペアの水平ピン26を備える。
【0139】
この点に関して、ブロック24の面は、一つの面がフレーム7の延設軸Xと平行であり、一つの面が当該軸Xに対して横方向である。こうして、フレーム7への鋳型の部品3または4の設置は、人間が何ら介在する必要なく、二つの正確な基準に基づいて実行され、フレーム7の動作区域に対してセンタリングされる。
【0140】
なお、それぞれのプレート25は、フレーム7上に配置された中間ブロック24と接触するためのさらなる垂直ピン28を有する下部ウィング27を備えることを記載しておく。
【0141】
中間のブロック24上のこの垂直ピン28の接触により、鋳型の部品3または4の高さでフレーム7上での正確な位置決めを行うことができる。
【0142】
対応するピン26,28と接触するフレーム7上のブロック24のそれぞれの面には、位置決めの間に鋳型の部品3または4が詰まって動かなくなってしまうことを防止するために、輪郭に斜面が形成されている。
【0143】
好適には、配置されるそれぞれのピン26,28は、初めてフレーム7に配置されると、その位置を一度だけ調整できるように、相対的な延設軸に沿って予め調整されるまたは後で調整可能である。より具体的には、それぞれのピン26,28は、プレート25のキャビティに連結される。
【0144】
またそれぞれのプレート25は、鋳型2の側部を締め付けるための手段29を備える。
【0145】
より具体的には、鋳型2の部品3または4の一方のプレート25は、水平軸を有する(油圧または空気圧)シリンダ30を有しており、鋳型2の他方の部品4または3は、シリンダ30のステムが通ることができるよう形成される前側開口部を有する接続体31を備える。
【0146】
シリンダ30のステムは、接続体31の内側で回転して鋳型の二つの部品間の連結をロックするために、回転可能なハンマー状ヘッドを有する。
【0147】
さらに、鋳型2の部品3,4の間の側方方向における締め付け力を増加させるために、シリンダ30のステムを、チューブ体の内側での固定回転後に引き抜くこともできる。
【0148】
好ましくは、鋳型2のそれぞれの部品3,4上のそれぞれのプレート25は、その上部に、鋳型の部品3,4をフレーム7上に位置決めし、フレームから取り出すための適当な把持アームを有する自動化ユニット(図示せず)と連結するための少なくとも一つのペアの突起ピン32を有する。
【0149】
また、予め調整された、または調整可能なピンと基準ブロックとのシステムを、鋳型の下部基礎部(備えられている場合)にも用いることができる。
【0150】
この場合、基礎部は、側方基準のために下部基礎部を受けている区域におけるフレーム7の内側に備えられる基準ブロックと相互作用するそれぞれの四つの側にペアのピンを有することができる。
【0151】
高さで基礎部の正確な位置を定義するために、さらなるピンを基礎部に鉛直方向に配置することもできる。
【0152】
予め設定された目的は、このように得られた機械構造によって達成される。
【0153】
フレームの支持基台は、アクチュエータとともに、実行される動作に応じて変更される鋳型の位置決めを可能とする。
【0154】
歩行可能な面に対するフレームの第一傾斜により、過剰な液体が鋳造サイクルの終わりに迅速にかつ完全に排出することができる。
【0155】
フレームの第二傾斜により、キャビティに成形のための液体を充填する間に、スリップを適切に混合された状態に維持し、製品の形成の間により均質にすることができる。
【0156】
フレームのこのタイプの調整を可能にするように設計された構造は、簡単で嵩張っておらず、実際に、機械のコストおよび寸法を最小限とする効果がある。
【0157】
また、フレームと鋳型との間のセンタリングシステムが備えられているので、鋳型を非常に迅速にかつ正確に変更することができ、したがって、生産ラインの中断時間を低減できる。
センタリングプレートは、新しい鋳型および既に用いられている鋳型の両方に、それらの機能性に影響を与えることなく、適用することができるという利点がある。