【実施例】
【0045】
下記の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1:組換えP30タンパク質の発現と精製)
マイコプラズマ・ニューモニエ M129株のP30タンパク質のアミノ酸配列をDDBJ(国立遺伝学研究所データベース)より入手した。前記P30タンパク質のアミノ酸配列から、膜貫通ドメインを除いた細胞外領域である配列番号2に示すアミノ酸配列(AA74−274)を特定し、対応する遺伝子配列を合成した。His−tag発現用ベクターであるpET302/NT−Hisを制限酵素EcoRIで切断した後、脱リン酸化処理としてアルカリフォスファターゼにより処理し、前記遺伝子配列と混合し、DNA Ligation Kit Ver.2(タカラバイオ)を用いてライゲーション反応をおこなった。目的遺伝子を組み込んだ組換えP30プラスミドを組換え蛋白発現用宿主E.coli BL(DE3)pLysS(Novagen)に導入した。導入菌をLB寒天平板培地で培養し、得られたコロニーをLB液体培地で培養した。さらに1mM IPTG(タカラバイオ)を添加して組換えP30タンパク質の発現を誘導した後、E.coli回収した。回収した菌を可溶化バッファー[0.5%Triron X−100(sigma)、10mM Imidazole、20mM Phosphateおよび0.5M NaCl(pH7.4)(Amersham)]に再浮遊し、超音波処理により可溶化した後、組換えP30タンパク質をHis trap Kit(Amersham)を用いて精製した。この精製タンパク質をリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと称する)に対して透析し、目的の組換えP30タンパク質とした。
【0047】
(実施例2:組換えP30タンパク質に対するモノクローナル抗体の作出)
実施例1で得られた組換えP30タンパク質を免疫用抗原として、組換えP30タンパク質に対するモノクローナル抗体(以下、抗P30抗体と称する)を作出した。モノクローナル抗体の作出は常法に従っておこなった。100μgの組換えP30タンパク質と等量のAduvant Complete Freund(Difco)を混合して、マウス(BALB/c、5週齢、日本SLC)に3回免疫し、その脾臓細胞を細胞融合に用いた。細胞融合には、マウスの骨髄腫細胞であるSp2/0−Ag14細胞(Shulmanら、1978)を用いた。細胞の培養には、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(Gibco)にL−グルタミン 0.3mg/ml、ペニシリンGカリウム 100単位/ml、硫酸ストレプトマイシン 100μg/ml、Gentacin 40μg/mlを添加し(DMEM)、これに牛胎児血清(JRH)を10%となるように加えた培養液を用いた。細胞融合は、免疫マウスの脾臓細胞とSp2/0−Ag14細胞を混合し、そこにPolyethylene glycol solution(Sigma)を添加することにより行った。融合細胞はHAT−DMEM[0.1mM Sodium Hypoxantine、0.4μM Aminopterinおよび0.016mM Thymidine(Gibco)を含む血清加DMEM]で培養し、酵素結合抗体法(ELISA)により培養上清中の抗体産生を確認した。抗体産生陽性の細胞をHT−DMEM[0.1mM Sodium Hypoxantineおよび0.16mM Thymidineを含む血清加DMEM]で培養し、さらに血清加DMEMで培養を続けた。
【0048】
(実施例3:モノクローナル抗体の調製)
クローニングした細胞は、2,6,10,14−Tetramethylpentadecane(Sigma)を接種しておいたマウス(BALB/c、リタイア、日本SLC)に腹腔内接種し、腹水を採取した。この腹水をプロテインGカラムに供し、モノクローナル抗体を精製した。作出したモノクローナル抗体のアイソタイプは、Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Reagents(Sigma)を用いて同定した。
最終的にP30タンパク質に対するモノクローナル抗体産生細胞が5クローン得られた。これらのモノクローナル抗体のイムノグロブリンアイソタイプは全てIgG
1であった。
【0049】
(参考例1:試験用標準菌液の作製)
マイコプラズマ・ニューモニエのM129株およびFH株の標準株をPPLO培地に接種し、所定濃度になるまで5%CO
2雰囲気下、37℃で培養した。得られた培養液をPPLO液体培地にて、10万倍希釈液まで10倍段階希釈液を調製し、その各希釈液をPPLO寒天培地上の発育コロニー数を実体顕微鏡下にて計測し、菌濃度を算出した。得られた培養液を試験用菌液とした。
【0050】
(比較例1:マイコプラズマ・ニューモニエP1タンパク質の精製)
マイコプラズマ・ニューモニエM129株をPPLO液体培地に接種し、37℃にて培養した。得られた培養液を遠心分離し、菌体を回収した。菌体からのP1タンパク質の精製方法はNakaneらの方法(Journal of Bacteriology、2011)に基づき実施した。
得られた菌体はリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと称する)、pH7.4にて二回洗浄した。前記菌体を1% CHAPSを含むPBSに懸濁させた後、前記懸濁液を遠心分離し、さらに得られた沈渣に対し、2%オクチルグルコシドを含むPBSを添加し溶解させた。前記溶液を遠心分離し、上清を回収した。得られた上清を硫安分画に供し、遠心分離により残渣を得た。得られた残渣を0.3% Triton X−100を含むPBSに溶解させ、Superdex200を用いたゲル濾過カラムクロマトグラフィーにより精製した。この精製タンパク質を含む画分をSDS−pageにより分析し約170kDaに単一のバンドを確認し、目的のP1タンパク質を得た。
前記方法と同様の方法を用いて、マイコプラズマ・ニューモニエFH株由来のP1タンパク質を菌体から精製し、目的のP1タンパク質を得た。
【0051】
(比較例2:P1タンパク質に対するモノクローナル抗体の作製)
比較例1で得られた精製P1タンパク質を免疫用抗原として、P1タンパク質に対するモノクローナル抗体(以下、抗P1抗体と称する)を作出した。モノクローナル抗体の作出は実施例2に記載した方法に準拠して行った。得られた細胞は、比較例1にて得られたM129株由来のP1タンパク質およびFH株由来のP1タンパク質を固相化抗原とした酵素抗体法(以下、ELISA法と称する)を用いて、抗P1抗体産生細胞をスクリーニングした。ELISA法にて吸光度2.0以上を示した抗体産生細胞を選択した。
抗P1抗体産生細胞は、2,6,10,14−Tetramethylpentadecane(Sigma)を接種しておいたマウス(BALB/c、リタイア、日本SLC)に腹腔内接種し、腹水を採取した。この腹水をプロテインGカラムに供し、精製抗P1抗体として用いた。最終的にM129およびFH由来のP1タンパク質に対するモノクローナル抗体産生細胞を、それぞれ5クローン選択した。これらのモノクローナル抗体のイムノグロブリンアイソタイプは全てIgG
1であった。
【0052】
(実施例4:抗P30抗体と抗P1抗体の反応性の比較検討)
実施例3により得られた抗P30抗体及び比較例2で得られた抗P1抗体の反応性を確認した。参考例1にて調製したマイコプラズマ・ニューモニエM129株及びFH株、マイコプラズマ・ジェニタリウムの菌液を所定濃度にて固相化したマイクロプレートに、実施例2及び比較例2にて作製した各抗体を添加し、室温にて1時間反応させた。次にウェル内の溶液を吸引除去し、洗浄後、ビオチン標識抗マウス抗体を反応させた。1時間の反応の後、ウェル内の溶液を吸引除去し洗浄した後、アビジン標識ホースラディッシュペルオキシダーゼを添加し反応させた。その後、発色基質として3,3‘,5,5’−テトラメチルベンジン(TMBZ)溶液を添加し反応させ、2規定の硫酸により反応を停止させた。マイクロプレートリーダー(Biorad)にて主波長450nmにて測定した。結果を表1から表3に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
表1から明らかなように、実施例2にて作製された抗P30抗体は、マイコプラズマ・ニューモニエのM129株およびFH株のいずれにも高い反応性を示し、陰性対照のマイコプラズマ・ジェニタリウムに対しては交差反応しないことを確認した。
また表2および表3から明らかなように、比較例2にて作製した抗P1抗体は、マイコプラズマ・ニューモニエのM129株とFH株に対し、いずれか一方に反応性が偏る抗体であることが示された。反応性の偏りはP1遺伝子型によるものであり、P1遺伝子型によるP1タンパク質のアミノ酸配列の相違がモノクローナル抗体の反応性に表れている可能性が高い。また陰性対照としたマイコプラズマ・ジェニタリウムに対する若干の交差反応性を認めた。
したがって、P30タンパク質はマイコプラズマ・ニューモニエにおいて共通して保存されており、かつ、特異的なタンパク質であることが示され、さらにP30タンパク質を特異的に認識するモノクローナル抗体を取得した。
【0057】
(実施例5:抗P30抗体を用いたイムノクロマトグラフィーテストストリップの作製)
(1)抗P30抗体の調製
実施例3で得られたハイブリドーマBLA−001およびBLA−002をマウス腹腔に接種し得られた腹水それぞれを、さらに常法によりプロテインGを用いたIgG精製を行い、抗P30抗体とした。
【0058】
(2)白金−金コロイド粒子溶液の調製
使用するガラス器具の全てを王水で洗浄した。390mlの超純水をフラスコに入れて沸騰させ、この沸騰水に塩化金酸水溶液(水溶液1リットル当たり金として1g 、片山科学工業株式会社製)30mlを加え、その後、1重量% クエン酸ナトリウム水溶液60mlを加え、6分45秒後に、塩化白金酸水溶液(水溶液1リットル当たり白金として1g、和光純薬工業株式会社製) 30mlを加えた。塩化白金酸水溶液添加から5分後に1重量% クエン酸ナトリウム水溶液60mlを加え、4時間、還流を行い、白金−金コロイド懸濁液を得た。
【0059】
(3)白金−金コロイド標識抗P30抗体溶液の調製
白金ー金コロイド標識する抗P30抗体として、上記(1)で得られたクローンBLA−002を用い、下記の手順で白金−金コロイド標識を行った。
抗P30抗体の蛋白換算重量1μg(以下、抗体の蛋白換算重量を示すとき、単に、その精製蛋白質の重量分析による重量数値で示す)と上記(2)の白金−金コロイド溶液1mlとを混合し、室温で2分間静置してこの抗体のことごとくを白金−金コロイド粒子表面に結合させた後、白金−金コロイド溶液における最終濃度が1%となるように10%ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す)水溶液を加え、この白金−金コロイド粒子の残余の表面をことごとくこのBSAでブロックして、白金−金コロイド標識抗P30抗体(以下、「白金−金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(5600×G、30分間)して白金−金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて白金−金コロイド標識抗体を得た。この白金−金コロイド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.5%Triton−X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して白金−金コロイド標識抗体溶液を得た。
【0060】
(4)マイコプラズマ・ニューモニエのP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップの作製
(4−1)マイコプラズマ・ニューモニエのP30タンパク質と白金―金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位
幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体3として用意した。抗P30抗体1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、このクロマト展開用膜担体3におけるクロマト展開開始点側の末端から7.5mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、マイコプラズマ・ニューモニエのP30タンパク質と白金ー金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位31とした。この塗布用抗P30抗体として、上記(1)で得られたクローンBLA−001を用いた。
(4−2)白金ー金コロイド標識抗体含浸部材
5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布に、白金−金コロイド標識抗体溶液37.5μlを含浸せしめ、これを室温で乾燥させて白金ー金コロイド標識抗体含浸部材2とした。
(4−3)イムノクロマトグラフィーテストストリップの作製
上記クロマト展開用膜担体3、上記標識抗体含浸部材2の他に、試料添加用部材5として綿布と、吸収用部材4として濾紙を用意した。そして、これらの部材を用いて、
図1と同様のイムノクロマトグラフィーテストストリップを作製した。
【0061】
(5)試験
参考例1で得られたマイコプラズマ・ニューモニエのM129株およびFH株の培養菌液を検体抽出液で希釈して、所定濃度に調製し、被検試料とした。そして、被検試料120μlを用いて上記(4)で得られたテストストリップの試料添加用部材5にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、上記捕捉部位31で捕捉されたP30タンパク質と白金ー金コロイド標識抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、その量に比例して増減する黒色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(顕著な着色)、+++(顕著な着色)の5段階に区分して判定した。
その結果を表4に示す。表4から明らかなように、2種の抗P30抗体を使用したイムノクロマトグラフィー測定法により、マイコプラズマ・ニューモニエのP30タンパク質を検出できることがわかった。またBlankにおける非特異的呈色も確認されなかった。
【0062】
【表4】
【0063】
(比較例4:P1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップの作製)
実施例3に記載のイムノクロマトグラフィーテストストリップの作製手順に従い、比較例2にて作製した抗P1抗体において、M129株とFH株の両方に対して反応する抗P1抗体を使用し、標識用抗体としてBLM−002を、捕捉部位用抗体としてBLF−001を用い、イムノクロマトグラフィーテストストリップを作製した。
上記抗P1抗体を使用したイムノクロマトグラフィーテストストリップにより、マイコプラズマ・ニューモニエP1タンパク質を検出することができることが示された。
【0064】
(実施例6:P30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップとP1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップの反応性比較試験)
参考例1にて調製したマイコプラズマ・ニューモニエのM129株およびFH株の培養菌液を、検体抽出液にて所定濃度に調製し、被検試料とした。各イムノクロマトグラフィーテストストリップに、被検試料120μlを試料添加用部材5にマイクロピペットでそれぞれ滴下してクロマト展開し、室温で15分間放置後、捕捉部位31で捕捉された抗原と白金−金コロイド標識抗体との複合体を肉眼で観察して判定を行った。捕捉量は、その量に比例して増減する黒色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(顕著な着色)、+++(顕著な着色)の5段階に区分して判定した。結果を表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
表5から明らかなように、P30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用いた場合、M129株では1×10
7CFU/ml、FH株では1×10
6CFU/mlで顕著な呈色を示し、M129株では1×10
6CFU/ml、FH株では1×10
5CFU/mlで明確な呈色を示した。
一方、P1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用いた場合には、M129株では1×10
8CFU/ml、FH株では1×10
7CFU/mlにて明確な呈色を示した。
【0067】
表5の結果から明らかなように、同じ呈色強度を示した被検試料の菌濃度を比較した結果、P30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップが、P1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップに対し、M129株およびFH株との反応性において100倍の検出感度差があることが示された。
以上の結果より、抗P30抗体を用いた、P30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップにより、マイコプラズマ・ニューモニエを高感度かつ特異的に検出することが可能であることが示された。
【0068】
(実施例6:咽頭拭い液からのマイコプラズマ・ニューモニエの検出)
臨床的にマイコプラズマ・ニューモニエの感染が疑われる患者から、滅菌した綿棒を用いて、咽頭拭い液を採取した。前記咽頭拭い液は国立感染症研究所作成の遺伝子検査法により、咽頭拭い液中にマイコプラズマ・ニューモニエの遺伝子が存在するか確認した。その結果より、採取した咽頭拭い液中からマイコプラズマ・ニューモニエの遺伝子が検出された検体の7例と遺伝子が検出されなかった検体の3例を選択し、選択された咽頭拭い液を検体抽出液に抽出し、被験試料として調製した。被験試料は本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィー測定用テストストリップを用いて、マイコプラズマ・ニューモニエの検出を実施した。
【0069】
被検試料120μlを実施例3にて作製したイムノクロマトグラフィーテストストリップの試料添加用部材5にマイクロピペットでそれぞれ滴下してクロマト展開し、室温で15分間放置後、捕捉部位31で捕捉された抗原と白金−金コロイド標識抗体との複合体を肉眼で観察して判定を行った。
試験の結果を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】
表6から明らかなように、本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用いた検出法と遺伝子検査法の結果は全て一致し、本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用いることにより、咽頭拭い液からのマイコプラズマ・ニューモニエを迅速かつ簡便に検出することができることが示された。
【0072】
(実施例7:咽頭拭い液からのマイコプラズマ・ニューモニエの検出)
臨床的にマイコプラズマ・ニューモニエの感染が疑われる患者81名を対象とし、患者咽頭を滅菌した綿棒により擦過し、81例の咽頭拭い液を採取した。咽頭拭い液を採取した綿棒を0.7mlの検体抽出液に抽出し、被験試料として調製した。被検試料は本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用いて、マイコプラズマ・ニューモニエの検出を実施した。また対照として、P1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用い、性能比較試験を実施した。採取した全ての臨床検体は、国立感染症研究所作成の遺伝子検査法に基づく核酸増幅法(PCR法)を実施し、マイコプラズマ・ニューモニエの存在確認を実施した。
【0073】
被験試料120μlを実施例3にて作製したイムノクロマトグラフィーテストストリップの試料添加用部材5にマイクロピペットにて滴下してクロマト展開させ、室温にて15分間放置後、捕捉部位31で捕捉された抗原と白金−金コロイド標識抗体との複合体を肉眼で観察して判定を行った。結果を表7に示す。また対照として比較例4にて作製したイムノクロマトグラフィーテストストリップを用い、同様の方法にて反応後、判定を行った。結果を表8に示す。
【0074】
【表7】
【0075】
核酸増幅法を標準とした場合、本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップは、陽性一致率(感度)79.2%、陰性一致率(特異度)100.0%、及び全体一致率:87.7%を示した。
【0076】
【表8】
【0077】
一方、比較例のP1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップは、陽性一致率(感度)16.7%、陰性一致率(特異度)100.0%、及び全体一致率50.6%を示した。
【0078】
表7及び表8から明らかなように、本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップを用いた検出法と核酸増幅法(PCR法)の結果は良好に相関することが示された。また比較例のP1タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップと比較して、本発明は高い検出感度を示した。本結果から臨床現場において、本発明のP30タンパク質検出イムノクロマトグラフィーテストストリップにより、マイコプラズマ・ニューモニエを高感度かつ特異的に検出することが可能であることが示された。