(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0029] 本明細書は本発明の典型的な実施例及び適用を説明する。しかしながら、本発明はこれらの典型的な実施例及び適用、あるいは本明細書においてこれらの典型的な実施例及び適用がどのように動作するか又はどのように記載されているかに限定されるものではない。また、図面は簡略図又は部分図を示してもよく、図面中の要素の寸法は、明確にするために誇張されていても、又は釣り合いがとれていなくてもよい。そして、「〜の上に」、「〜に取り付けられた」、又は「〜に連結された」という用語が本明細書において用いられるときには、1つの要素(例えば材料、層、基板等)は、その1つの要素が直接的に別の1つの要素の上にあるか、これに取り付けられるか、連結されているか、それともその1つの要素とその別の1つの要素との間に1つ以上の介在する要素が存在するかにかかわりなく、その別の1つの要素「の上に」あり、「に取り付けられ」、又は「に連結され」得る。また、方向(例えば上方、下方、上部、底部、側部、上へ、下へ、下の、上の、上位の、下位の、水平の、垂直の、「x」、「y」、「z」など)は、記載されている場合には、相対的であって単に例として説明及び検討を容易にするために記載されているもので、限定するためのものではない。さらに、要素の一覧(例えば要素a,b,c)を参照する場合には、そのような参照は、列挙された要素のいずれか1つのみ、列挙された要素のすべてよりも少ないものの組み合わせ、及び/又は列挙されたすべての要素の組合せを含むことが意図されている。
【0008】
[0030] 「実質的に」及び「概ね」という語は、意図された目的のために役立つのに十分であることを意味する。「一個一個(ones)」という用語は1つよりも多いことを意味する。
【0009】
[0031] 「細胞」という用語は生体細胞を指す。「クローン」という用語は、細胞に関連する場合、同一の細胞を意味する。なぜなら、各細胞は同じ親細胞から成長されたためである。したがって、クローンはすべて、同じ親細胞の「娘細胞(daughter cells)」である。
【0010】
[0032] 本明細書において、「生物学的微小物体」という用語は、タンパク質、胚、プラスミド、卵母細胞、精子、遺伝物質(例えばDNA)、トランスフェクションベクタ、ハイブリドーマ、トランスフェクト細胞、及び類似のものなどといった生体細胞及び化合物、ならびに上記のものの組み合わせを含む。
【0011】
[0033] 本明細書において、誘電泳動(DEP)電極とは、液状媒体を収容するチャンバの内表面上の端子又は該内表面の一領域であって、媒体中の微小物体を引き付けるか又はこれに反発する媒体中のDEP力がそこで選択的に活性化及び非活性化されるものを指す。
【0012】
[0034] 「流れ」という用語は、本明細書において液体又は気体に関連して用いられる場合、液体又は気体の継続的な、パルス状の、周期的な、無作為の、断続的な、又は往復の流れを制限なく含む。「対流」とは、圧力により駆動される液体又は気体の流れである。「拡散流」又は「拡散」とは、無作為な熱運動により駆動される液体又は気体の流れである。2つ以上の液体又は気体媒体との関連で用いられる「拡散混合」という用語は、無作為な熱運動の結果としての媒体の自然発生的な混在に起因する媒体の混合を意味する。本明細書において「対流」、「拡散流」、「拡散」、又は「拡散混合」と関連して用いられる「実質的に」という用語は、50パーセントよりも高いことを意味する。
【0013】
[0035] 「確定的(deterministic)」という用語は、微小物体を選択すること又は置くことを説明するために用いられる場合には、微小物体のグループから1つの具体的に特定された所望の微小物体を選択すること又は置くことを意味する。したがって、微小物体を確定的に選択すること又は置くことは、微小物体のグループ又はサブグループ中の微小物体のうち任意の1つにすぎないものを無作為に選択すること又は置くことは含まない。
【0014】
[0036] 本明細書において、微小物体を「処理する」という用語の意味は、以下のうちいずれか1つ以上を含む。:(例えば液状媒体の流れの中で、OET装置又は類似のものにより)移動させること、分類すること、及び/又は微小物体のうち1つ以上を選択すること;微小物体のうち1つ以上を変形すること(ここで、そのような変形の例は、細胞又は他の生きている生物学的実体である微小物体の集団を成長させること、2つ以上のそのような微小物体を融合させること、及び1つ以上の微小物体をトランスフェクトすることを含む);微小物体を監視すること;細胞又は他の生きている生物学的実体である微小物体の成長、分泌物などを監視すること;及び/又は、細胞又は他の生きている生物学的実体である微小物体を調節すること。
【0015】
[0037] 本発明の実施例は、個々の生物学的微小物体をマイクロ流体デバイス中の保持ペン内に確定的に置くことを含む。ペンには第1の液状媒体の流れが提供されてもよいが、これらのペンは、流れの中の第1の媒体とペン内の第2の媒体との拡散混合を可能にしつつ、ペン内の第2の媒体への第1の媒体の直接の流入を妨げるように構成されていてもよい。
【0016】
[0038]
図1A乃至1Cは、本発明のいくつかの実施例によるマイクロ流体デバイス100の一例を示す。図示するように、マイクロ流体デバイス100は、ハウジング102と、電極機構108と、監視機構118と、を備えていてもよい。やはり図示するように、ハウジング102は1つ以上の液状媒体114を保持するための内部チャンバ110を備えていてもよく、該媒体中には複数の生物学的微小物体116が懸濁されてもよい。媒体114はチャンバ110の内表面120上に配設されてもよい。微小物体116用の複数の保持ペン112がチャンバ110内に配設されてもよい。見ていくように、各ペン112は、仮想のペンであっても、有形のペンであっても、及び/又は、仮想/有形のペンの組み合わせであってもよい。
【0017】
[0039] デバイス100中の媒体114は、例えば第1の媒体122と第2の媒体124とを含んでいてもよい。第1の媒体122は流路126内にある媒体114であってもよく、第2の媒体124は保持ペン112の内部にある媒体114であってもよい。第1の媒体122は第2の媒体124と同一の種類の媒体であってもよい。代替的には、第1の媒体122は第2の媒体124とは異なる種類の媒体であってもよい。
【0018】
[0040] ハウジング102は、チャンバ110を規定する筐体を備えていてもよい。図示するように、ハウジング102は1つ以上の注入口104を備えていてもよく、これを通じて媒体114及び微小物体116がチャンバ110内に流入され得る。チャネル110内には媒体114用の1つ以上の流路126があってもよい。例えば
図1Cに示すように、チャネル110は、注入口104から排出口106まで、媒体114用の流路126を備えていてもよい。
【0019】
[0041] 注入口104は、例えば流入ポート、開口、弁、チャネル、又は類似のものであってもよい。ハウジング102は1つ以上の排出口も備えていてもよく、これを通じて媒体114及び微小物体116が除去されてもよい。微小物体116は、代替的には、他の手法でハウジング102から除去されてもよい。例えば、後述するように、針状の吸入器(図示せず)がハウジング102に穴を開けて、1つ以上の微小物体116が該吸入器によって除去されてもよい。排出口106は、例えば流出ポート、開口、弁、チャネル、又は類似のものであってもよい。別の一例として、排出口106は、2013年4月4日に提出された米国特許出願第13/856,781号(代理人整理番号BL1−US)に開示されている流出機構のうちいずれかのような液滴流出機構を備えていてもよい。ハウジング102の全部又は一部は、例えば、チャンバ110内の生物学的微小物体116を維持するために気体(例えば外気)がチャンバ110に出入りできるよう、気体透過性であってもよい。例えば、気体の流れはハウジング102の気体透過部に適用されてもよい。例えば、パルス状の、規制された、あるいは他の制御をされた気体の流れが必要に応じて(例えば試験が、ハウジング102内の微小物体(例えば細胞)が気体を必要としていることを示す場合に)適用されてもよい。
【0020】
[0042] 図示はしないが、デバイス100は、温度、媒体114の化学組成(例えば媒体114中の溶存酸素や二酸化炭素などのレベル)、媒体114のpH、媒体114のオスモル濃度等といった、媒体114又はチャンバ110の関連の状態を検出するセンサ又は類似の構成要素を備えていてもよい。ハウジング102は、例えば、そのようなセンサ又は構成要素を備えていてもよく、これは媒体114の(上記の状態などの)特定の状態を一定に維持又は制御可能に調節するよう注入口104を通じた媒体114の流入を制御するコントローラ(図示せず)によって構成されていてもよい。
【0021】
[0043] 電極機構108(
図1Bに示す)は、媒体114中の微小物体116にかかる界面動電力を選択的に作り出すよう構成されてもよい。例えば、電極機構108は、上に媒体114が配設されているチャンバ110の内表面120の誘電泳動(DEP)電極を、選択的に活性化(例えばオンにする)及び非活性化(例えばオフにする)よう構成されていてもよい。DEP電極は、媒体114中に微小物体116を引き付けるか又はこれに反発する力を作り出すことができ、したがって電極機構108は媒体114中の微小物体116のうち1つ以上を選択及び/又は移動させることができる。例えば、実施例によっては、電極機構108は、内表面120のDEP電極との配線による電気的接続が個々のDEP電極を活性化及び非活性化できるように構成されてもよい。他の実施例においては、内表面120の個々のDEP電極は光学的に制御されてもよい。光電子ピンセット機構を備えた例を
図2に示すとともに以下に記載する。
【0022】
[0044] 例えば、電極機構108は、1つ以上の光学(例えばレーザ)ピンセット装置及び/又は1つ以上の光電子ピンセット(OET)装置(例えば米国特許第7,612,355号に開示のもの。同文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含んでいてもよい。さらに別の例として、電極機構108は、1つ以上の微小物体116が懸濁されている媒体114の液滴を移動させるための1つ以上の装置(図示せず)を含んでいてもよい。そのような装置(図示せず)は、光電子ウェッティング(OEW)装置(例えば米国特許第6,958,132号に開示のもの)のようなエレクトロウェッティング装置を含んでいてもよい。このように、電極機構108は、実施例によってはDEP装置として特徴づけることができる。
【0023】
[0045] 監視機構118は、媒体114中の個々の微小物体116を観察し、同定し、又は検出する任意の機構を備えていてもよい。実施例によっては、監視機構118は、ペン112内の微小物体116の生物活動又は生物学的状態を監視する機構も備えていてもよい。
【0024】
[0046]
図2に示すように、監視機構118は撮像装置220を備えていてもよい。例えば、撮像装置220は、ペン112内を含め、チャンバ110内の微小物体116の像を撮像するためのカメラ又は類似の装置を備えていてもよい。やはり図示するように、コントローラ218が撮像装置220を制御し、撮像装置220により撮像された像を処理してもよい。
図2においてはデバイス102の下方に配設されているものとして図示されているが、撮像装置220は、デバイス102の上方又は側方といった他の箇所に配設されてもよい。
【0025】
[0047] 同じく
図2に示すように、電極機構108はOET装置を備えていてもよい。例えば、図示するように、電極機構108は、第1電極204と、第2電極210と、電極活性化基板208と、電源212と、を備えていてもよい。図示するように、チャンバ110内の媒体114と電極活性化基板208と電極204,210を分離してもよい。光源214からの光のパターン216が、チャンバ110の内表面120の所望のパターンの個々のDEP電極を選択的に活性化してもよい。すなわち、光パターン216の光が、チャンバ110の内表面120の小さな「電極」領域のパターンにおける電極活性化基板208の電気インピーダンスを、媒体114のインピーダンスよりも小さくなるまで低減させてもよい。上記のことにより、媒体114中に表面120の電極領域から第1電極204までの電場勾配が作り出され、これが順に、周辺の微小物体116を引き付けるか又はこれに反発する局所的なDEP力を作り出す。このように、媒体114中の微小物体116を引き付けるか又はこれに反発する様々なパターンの個々のDEP電極が、光源214(例えばレーザ源又は他の種類の光源)からマイクロ流体デバイス100内へと投射される様々な光パターン216によって、チャンバ110の内表面120の多くの異なるそのような電極領域で選択的に活性化及び非活性化され得る。
【0026】
[0048] 実施例によっては、電極活性化基板208は光導電性材料であってもよく、内表面120には特徴がなくてもよい。そのような実施例においては、DEP電極は、光パターン126に従って、チャンバ110の内表面120上のどこにでも、任意のパターンで作り出され得る(
図2を参照)。前述の米国特許第7,612,355号に例が示されており、ここで、上記の特許の図面に示された非ドープ非晶質シリコン材料24は、電極活性化基板208を構成することのできる光導電性材料の一例であり得る。
【0027】
[0049] 他の実施例においては、電極活性化基板208は、半導体の分野で知られているような半導体集積回路を形成する複数のドープ層と、電気絶縁層と、導電層と、を備えた半導体材料などの回路基板を備えていてもよい。そのような実施例においては、電気回路素子がチャンバ110の内表面120の電極領域と光パターン216のパターンを変更することにより選択的に活性化及び非活性化され得る第2電極210との間の電気的接続を形成してもよい。活性化されないときには、各電気的接続は、チャンバ110の内表面120の対応する電極領域から第2電極210までの電圧降下が第1電極204から媒体114を通って対応する電極領域までの電圧降下よりも大きくなるように、高いインピーダンスを有していてもよい。しかしながら、光パターン216の光により活性化されたときには、各電気的接続は、チャンバ110の内表面120の対応する電極領域から第2電極210までの電圧降下が第1電極204から媒体114を通って対応する電極領域までの電圧降下よりも小さくなるように、低いインピーダンスを有していてもよく、これが上述のように対応する電極領域のDEP電極を活性化する。このように、媒体114中の微小物体116を引き付けるか又はこれに反発するDEP電極は、光パターン216によって、チャンバ110の内表面120の多くの様々な「電極」領域において選択的に活性化及び非活性化され得る。電極活性化基板208のそのような構成の非制限的な例には、米国特許第7,956,339号の
図21及び22に示されるフォトトランジスタベースのOET装置200がある。
【0028】
[0050] 実施例によっては、概ね
図2に示されるように、第1電極204はハウジング102の上壁202の一部であってもよく、電極活性化基板208及び第2電極210はハウジング102の下壁206の一部であってもよい。図示するように、上壁202及び下壁206がチャンバ110を規定してもよく、媒体114はチャンバ110の内表面120上に配設されてもよい。しかしながら、上記はほんの一例に過ぎない。他の実施例においては、第1電極204が下壁206の一部であってもよく、電極活性化基板208及び/又は第2電極210の一方又は両方が上壁202の一部であってもよい。別の一例として、第1電極204は、電極活性化基板208及び第2電極210と同一の壁202又は206の一部であってもよい。例えば、電極活性化基板208が第1電極204及び/又は第2電極210を備えていてもよい。また、光源214は代替的にはハウジング102の下方に位置していてもよく、及び/又は、撮像装置220及び光源214は代替的にはハウジング102の同じ側に位置していてもよい。
【0029】
[0051] 既に述べたように、本発明のいくつかの実施例においては、各ペン112の一部又は全部が「仮想」であり得る。これは、本明細書においては、ペン112の一部又は全部が、有形のバリアではなく、(上述のように)チャンバ110の内部表面120の電極領域の活性化されたDEP電極からのDEP力を備えることを意味する。
【0030】
[0052]
図3(同図はハウジング102の一部の部分上部断面図を示す)は
図1A乃至1Cのデバイス100の一例を示しており、ここで、ペン112(
図3においては302と指定されている)は、本発明のいくつかの実施例による仮想のペン302である。
図3の仮想のペン302は、チャンバ110内において、例えば
図2のOET装置として構成された電極機構108によって作り出されてもよい。すなわち、仮想のペン302は、チャンバ110の内表面120の活性化されたDEP電極のパターンを備えていてもよい。各ペン302内には1つの微小物体116が図示されているが、代替的には各ペン内には1つよりも多くの微小物体116が存在していてもよい。
【0031】
[0053]
図3に示すように、チャンバ110を通る媒体114の流れ314は流路126内に提供されてもよい。
図3に例示するように、各ペン302は、ペン302内の(単数又は複数の)微小物体116を他のペン302内の微小物体116から隔離し得る。しかしながら、媒体114の流れ314は、ペン302のうちいくつか又はすべて、ひいてはペン302内の微小物体116に提供される共通の流れ314であってもよい。このように、
図3に示すように構成されていることにより、各ペン302は、媒体114の共通の流れ314が複数のペン302に(対流により)流入及びそこから流出し、それによって例えば複数のペン302内の微小物体116に栄養素を供給するとともにそこから廃物を運び去ることを可能にしつつ、ペン302内の(単数又は複数の)微小物体116を、他のペン302内の微小物体116を含む該ペン302の外部の微小物体116から隔離することができ、したがって、ある特定のペン302の外部からの微小物体116がその特定のペン302の内部の(単数又は複数の)微小物体と混合することを防止することができる。
【0032】
[0054] 仮想のペン302は、
図2に示すようにマイクロ流体デバイス100のハウジング102内に光源214により投射された光パターン216の光筐体から成っていてもよい。
図2のOETの電源212は、各ペン302が微小物体116をペン302内に保持するように、各ペン302を規定する光筐体を微小物体116に対して反発させる周波数で構成されてもよい。また、仮想のペン302のうち1つ以上が、ハウジング102内に投射される光パターン216を変更することにより、移動され、拡張又は収縮され、あるいはオフにされるなどしてもよい。
【0033】
[0055]
図3に示すように、
図2に図示するOET装置は、微小物体116を選択し移動させるために、微小物体116を捕捉する光トラップ304(例えばケージ)を作り出すこともできる。光トラップ304は、例えば、微小物体116を捕捉する光ケージであってもよい。
図2の電源212の周波数は、光トラップ304が選択された微小物体116に反発する程度であってもよい。このように、微小物体116は、電極活性化基板208上の光トラップ304を移動させることにより、チャンバ110内において移動され得る。検出部220が、共有空間の一例であり得るチャネル110(例えば流路126)内の微小物体116の像を撮像してもよい。このようにして、微小物体116のうち特定の所望の一個一個が同定され、次いで(例えば
図2のOET装置として構成された)選択部118により、例えば
図3及び4に関して後述する光トラップ302,412を用いて選択されてもよい。このように、検出部220及び(例えば
図2のOET装置として構成された)選択部118は、微小物体116のうち1つ以上を確定的に選択し又は置く手段の例であり得る。
【0034】
[0056]
図3においては正方形として示されているが、ペン302は代替的には他の形状であってもよい。例えば、ペン302は、円形、楕円形、長方形、三角形等であってもよい。また、ペン302は完全に閉鎖されていなくてもよい。例えば、ペン302のうちいずれかが、
図3のペン302aにより示されるように、開口部308を有していてもよい。円形として示されてはいるが、光トラップ304は、正方形、楕円形、長方形、三角形等であってもよい。さらに、ペン302は異なる大きさであってもよく、異なる配向で配設されてもよい。
【0035】
[0057]
図4(同図はハウジング102の一部の部分上部断面図を示す)は、
図1A乃至1Cのデバイス100の構造の別の一例を示す。
図4に例示する構造において、ペン112(
図4においては402と指定されている)は完全に有形であっても、あるいは有形及び仮想の両方であってもよい。例えば、図示するように、各ペン402は(例えばハウジング102の一部として)有形のバリア404を備えていてもよく、これが、チャンバ110を通る媒体114の流れ314と流体連通(例えば接触)する、開口部408を有する筐体406を規定するか又はその一部であってもよい。
【0036】
[0058] 概ね
図3に関して述べたように、チャンバ110を通る媒体114の流れ314は流路126内に提供されてもよい。各ペン402はペン402内の(単数又は複数の)微小物体116を他のペン302内の微小物体116から隔離してもよい。例えば、各ペン302は、ペン302の外部のいずれかの微小物体116がペン302の内部の微小物体のいずれかと混合することを防止してもよい。しかしながら、媒体114の流れ314はペン402のすべて、ひいてはペン402内の微小物体116のすべてに提供される共通の流れ314であってもよい。もっとも、ペン402は、流れ314からの第1の媒体122はペン402のうちいずれにも直接流入しないが、ペン402の構造が流れ314からの第1の媒体122とペン402の内部の第2の媒体124との拡散混合を可能とすることができるように、構成されていてもよい。
【0037】
[0059] 例えば、各ペン402のバリア404は、流路126内の流れ314からペン402内への第1の媒体122の直接の流入を妨げるように造形され配向されていてもよい。例えば、各ペン402は、有形のバリア404の一部は流れ314の方向に直接対向するが、開口部(例えば開口部408)はいずれも流れ314の方向に直接対向しないように造形され配向されていてもよい。このように、
図4に示す例においては、ペン402の各々が、流路126内の流れ314からペン402内への第1の媒体122の直接の流入を妨げる。
【0038】
[0060] 別の一例としては、バリア404は、流路126内の流れ314からペン402内への第1の媒体122の対流を防止するよう造形され配向されていてもよい。もっとも、各ペン402は、流路126内の流れ314からの第1の媒体122とペン402の内部の第2の媒体424との拡散混合のみが実質的に可能なように造形され配向されていてもよい。例えば、各ペン402は、そのような拡散混合を可能にするように造形され配向された開口部を備えていてもよい。
【0039】
[0061] しかしながら、実施例によっては、ペン402は、開口部408が媒体114の流れ314に対して任意の方向に向けられた状態で配向されてもよい。やはり図示するように、ペン402のうちいずれもが、有形のバリアと仮想の部分との両方を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施例においては、チャンバ110の内表面120上の隣接する活性化されたDEP電極を備えた仮想扉410が、有形のバリア404のうち1つ以上の開口部408において作り出され、及び/又は除去されて、概ね
図4に示すようにペン402を選択的に完全に閉鎖してもよい。仮想扉410は、電極活性化基板208上に投射される光パターン214の光に対応していてもよい(
図2を参照)。
【0040】
[0062] 同じく
図4に示すように、ペン402のうち1つ以上が、1つよりも多くのそのような仮想扉410を備えていてもよい。例えば、図示するように、ペン402aは、ペン402a内への1つよりも多くの開口部408a,408bを備えており、そのような開口部408a,408bの各々に仮想扉410a,410bがあってもよい。動作時には、第1の仮想扉410aがオフにされている間に微小物体116が第1の開口部408aを通じてペン402a内へと移動されてもよく、微小物体116は後で、第2の仮想扉410bがオフにされている間に、第2の開口部408bを通じてペン402aの外へと移動されてもよい。
【0041】
[0063] 光トラップ412(これは光トラップ304と類似又は同一のものであってもよい)は、チャンバ110の表面120上に、
図2のOET装置として構成された電極機構108によって作り出されてもよい。微小物体116を選択するために微小物体116を捕捉する光トラップ412が作り出されてもよい。
図2の電源212の周波数は、光トラップ412が選択された微小物体116に反発する程度であってもよい。このように、微小物体116は、光導電層308上で光トラップ412を移動させることにより、チャンバ110内で移動され得る。例えば、微小物体116は、微小物体116を捕捉する光トラップ412を形成し、それから内表面102上で光トラップ412を移動させることによって、選択され、ペン402内に移動され、及び/又は、そこから流出されてもよい。
【0042】
[0064]
図4においては部分的な正方形として示されているが、ペン402は代替的には他の形状であってもよい。例えば、ペン402は、部分的な円形、楕円形、長方形、三角形等であってもよい。光トラップ412も同様に、図示する円形以外の形状を有していてもよい。
【0043】
[0065] ペン302及び402のように、ペン112も、実施例によっては、流路126内の共通の流れ314からの第1の媒体122とペン112の内部の第2の媒体との拡散混合のみを実質的に可能にしつつ、流路126内の共通の流れからペン112内への第1の媒体122の直接の流れ(例えば対流)を妨げるように構成されていてもよい。
【0044】
[0066] しかしながら、ハウジング102は、媒体114用の単一の共有空間によって構成される必要はない。むしろ、ハウジング102は、媒体114を収容するとともに媒体114がそこを通って流れることができる1つ以上の相互接続されたチャンバ、チャンネル、又は類似のものを備えていてもよい。
図5A乃至7は例を示す。
【0045】
[0067]
図5A及び5Bに示されるように、デバイス100(
図1A乃至1Cを参照)のハウジング102は基部(例えば基板)502を備えていてもよく、その上に1つ以上のマイクロ流体構造500が配設される。基部502は、例えば、
図2に関して上述した下壁206を備えていてもよく、マイクロ流体構造500の上面の全部又は一部は、上述のいずれの変形をも含む上壁202を備えていてもよい。
【0046】
[0068] 図示するように、マイクロ流体構造500はチャネル504及びペン506を備えていてもよく、その各々が筐体510と、チャネル504への開口部508と、を備えていてもよい。図示するように、ペン506及びチャネル504は、基部502からの高さが同一又は異なっていてよい。チャネル504及びペン506は
図1A乃至1C及び
図2のチャンバ110に対応していてもよく、基部502の表面522は
図1A乃至1C及び
図2のチャンバ110の内表面120に対応していてもよい。したがって、ハウジング102が基部502と
図2のOET装置とを備えている本発明の実施例においては、DEP電極は、チャンバ110の内表面120ではなく、基部502の表面522の光パターン216に従って活性化及び非活性化され得る。
【0047】
[0069] 1つ以上の微小物体116は、ペン506の筐体510内への開口部508を通じてチャネル504(これは共有空間及び/又は流路の一例であり得る)から(例えば上述の検出部220及び選択部118を用いて)確定的に選択され移動されてもよい。(単数又は複数の)微小物体116は次いで一定の期間ペン506内に保持され得る。各ペンの開口部508及び筐体510の大きさ及び構成、ならびに、チャネル504における媒体114の流れ520の速さは、流れ520が筐体510の内部にはっきりと認識できる還流をほとんど又は全く作り出さない程度であってよい。したがって、一旦ペン506内に置かれると、(単数又は複数の)微小物体116は、ペン506から能動的に除去されるまで、ペン506内に留まる傾向がある。チャネル504内と筐体510内との媒体114の間での開口部508を通じた拡散が、ペン506内の(単数又は複数の)微小物体116のための栄養素のチャネル504から筐体510内への流入と、(単数又は複数の)微小物体116の廃物の筐体510からチャネル504内への流出と、をもたらしてもよい。
【0048】
[0070] ペン506は、チャネル504内の流れ520の第1の媒体122がペン506のうちいずれにも直接流入しないように構成されていてもよいが、このペン506の構造が、概ね上述のように、流れ520から開口部508を通じてペン506に流入する第1の媒体122とペン506の内部の第2の媒体124との拡散混合を可能にする。
【0049】
[0071] チャネル504及びペン506は、
図5A及び5Bに示すように有形の構造物であってもよい。例えば、マイクロ流体構造500は、可撓性材料(例えばゴム、プラスチック、エラストマ、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)など)から成っていてもよく、また、実施例によっては気体透過性であってもよい。代替的には、マイクロ流体構造500は、剛性材料などの他の材料から成っていてもよい。1つのチャネル504と3つのペン506とが図示されているが、マイクロ流体構造500は、1つよりも多くのチャネル504及び3つよりも多い又は少ないペン506を備えていてもよい。
図5Bに示すように、ペン506の各々の開口部508を開閉する仮想扉512が任意選択的に作り出されたり除去されたりしてもよい。そのような仮想扉512は、内表面120に関して概ね上述したように、基部502の表面522のDEP電極を活性化することにより作り出されてもよい。
【0050】
[0072] チャネル504及びペン506は
図5A及び5Bにおいては有形のものとして図示されているが、このチャネル504及びペン506は代替的には仮想のものであってもよい。例えば、チャネル504及び/又はペン506の全部又は一部は、概ね上述したように、基部502の表面522のDEP電極を活性化することにより作り出されてもよい。
【0051】
[0073]
図6A及び6Bに示す例においては、デバイス100(
図1A乃至1Cを参照)のハウジング102は、
図5A及び5Bの基部502と、基部502の表面522上に配設されたマイクロ流体構造602と、を備えていてもよい。
図6Bからわかるように、マイクロ流体構造602はペン構造612を備えていてもよく、該ペン構造はペン606を備えていてもよい。そのような各ペン606は、内部に微小物体116が置かれ一定の期間保持され得る筐体610を備えていてもよい。やはり
図6Bに示すように、マイクロ流体構造602はチャネル604を規定してもよく、各ペン606の開口部608はチャネル604のうち1つの媒体114と流体連通(例えば接触)してもよい。
【0052】
[0074] 1つ以上の微小物体116が(上述のように)確定的に選択され、チャネル604(これは共有空間及び/又は流路の一例であり得る)のうち1つから開口608を通じてペン606の筐体610内へと移動されてもよい。次いで、(1つ又は複数の)微小物体116は、一定の期間ペン606内に保持されてもよい。その後、(1つ又は複数の)微小物体116は筐体610から開口部608を通じてチャネル604内へと移動されてもよい。チャネル604内の媒体114の流れ620がチャネル604内において微小物体116を移動させてもよい。
【0053】
[0075] ペン606の開口部608がチャネル604と流体連通しているため、チャネル604内の媒体114の流れ620は、微小物体116がペン606内に保持されている期間中に、ペン606内の微小物体116に栄養素を提供することができるとともに、微小物体116からの廃物の流出を可能にする。このように、チャネル604内の流れ620はペン606への媒体114の共通の流れを構成してもよく、あるいは該ペンはペン506のように微小物体116を物理的に分離及び隔離してもよい。
【0054】
[0076] ペン606は、チャネル604内の流れ620の第1の媒体122がペン606のうちいずれにも直接流入しないように、しかしペン606の構造が流れ620から開口部608を通じてペン606内に流入する第1の媒体122とペン606内の第2の媒体124との拡散混合を可能にするように、構成されていてもよい。例えば、ペン606は(仮想のものではなく)有形のものであってもよく、ペン606の開口部608は、開口部608のいずれの部分も流れ620に直接向けられない限りは、任意の方向に配向されてもよい。このようにして、ペン606は、ペン606内への第1の媒体122の直接の流入を妨げることができる。
【0055】
[0077] ペン606は
図6Bに示すように有形の構造物であってもよい。例えば、マイクロ流体構造600は、
図5A及び5Bのマイクロ流体構造500に関して上述した材料のうちいずれから成っていてもよい。
図6Bには2つのチャネル604と12個のペン606とが示されているが、マイクロ流体構造602は2つよりも多い又は少ないチャネル604及び12個よりも多い又は少ないペン606を備えていてもよい。図示しないが、
図5Bの扉512のような仮想扉が、ペン606のうち1つ以上の開口部608に任意選択的に作り出されてもよい。
【0056】
[0078] ペン構造612を含むマイクロ流体構造602は
図6A及び6Bにおいては有形のものとして示されているが、構造602のすべての部分は代替的には仮想のものであってもよく、したがって内表面120に関して上述したように基部502の表面522のDEP電極を活性化することにより作り出されてもよい。例えば、ペン構造612の全部又は一部は、有形のものではなく仮想のものであってもよい。
【0057】
[0079]
図7は、図示するようにチャネル704(これは流路126の一例であり得る)がペン構造712の間に配設されている点を除き、
図6Bと類似している。あるいは、各ペン706は各ペン606と類似していてもよい。例えば、各ペン706は、内部に微小物体116が置かれ保持され得る筐体710を備えていてもよい。やはり
図7に示すように、各ペン706の開口部708は、チャネル704内の媒体114と流体連通(例えば接触)していてもよい。1つ以上の微小物体116が、上述のように確定的に選択され、チャネル704(これは共有空間の一例であり得る)から開口部708を通じてペン706の筐体710内へと移動され、そこで(単数又は複数の)微小物体116が一定の期間保持されてもよい。その後、(単数又は複数の)微小物体116は、筐体710から開口部708を通じてチャネル704内へと移動されてもよい。チャネル704内の媒体114の流れ720がチャネル704内の微小物体116を移動させてもよい。代替的に又はこれに加えて、微小物体116はDEP力、遠心力及び/又は類似のものにより移動されてもよい。
【0058】
[0080] ペン706の開口部708がチャネル704と流体連通しているため、チャネル内の媒体114の流れ720は、微小物体116がペン706内に保持されている期間中に、ペン706内の微小物体116に栄養素を提供することも、微小物体116からの廃物の流出を提供することもできる。このように、チャネル704内の流れ720はペン706のすべてへの媒体114の共通の流れを構成してもよい。
【0059】
[0081] ペン706は、チャネル704内の流れ720の第1の媒体122がペン706のうちいずれにも直接流入しないように、しかしペン706の構造が開口部708を通じてペン706内に流入するチャネル704内の第1の媒体122とペン706内の第2の媒体124との拡散混合を可能にするように、構成されていてもよい。例えば、ペン706は有形のものであってもよく、ペン706のいずれの開口部も流れ720に直接向かわないように配向されてもよい。
【0060】
[0082]
図7には1つのチャネル704と12個のペン706とが示されているが、これより多く又は少なくてもよい。図示しないが、
図5Bの扉512のような仮想扉がペン706のうち1つ以上の開口部708に任意選択的に作り出されてもよい。ペン構造712は
図7においては有形のものとして示されているが、ペン構造712の全部又は一部は代替的には仮想のものであってもよく、したがって内表面120に関して上述したように基部502の表面522のDEP電極を活性化することにより作り出されてもよい。
【0061】
[0083]
図5A乃至7に示されているペン506,606,706(又は本明細書に開示されている任意のペン)の形状及び構造は例に過ぎず、これらのペン506,606,706(又は本明細書に開示されている任意のペン)は他の形状及び/又は構造をとってもよい。例えば、ペン506,606,706(又は本明細書に開示されている任意のペン)のいずれもが、正方形又は長方形でなく、円形、楕円形、三角形等であってもよい。他の例として、ペン506,606,706(又は本明細書に開示されている任意のペン)は、
図8A乃至10に示されているペン806,826,906,926に置き換えられてもよい。
【0062】
[0084]
図8Aに示すように、ペン806は、(例えば筐体510,610,710に対応する)筐体810の全幅よりも小さい(例えば開口部506,606,706に対応する)開口部812を備えていてもよい。同じく
図8Aに示すように、ペン806は1つ以上の二次開口部814を備えていてもよい(1つが示されているがもっと多くが存在してもよい)。開口部812は(
図8Aには図示しない)微小物体116よりも大きくてもよく、二次開口部814は、微小物体116より小さくてもよい。二次開口部814は、例えば(
図8Aには図示しない)媒体114をペン806に流入又はそこから流出させてもよい。例えば、媒体114は、開口部812を通ってペン806に流入し、二次開口部814を通ってペン806から流出してもよい。やはり
図8Aに示すように、ペンの壁は同一の厚さでなくてもよい。
【0063】
[0085]
図8Bに示すように、ペン826は、(例えば筐体510,610,710に対応する)筐体840内に内部収容空間836を作り出すために、(例えば開口部508,608,708,812に対応する)開口部832から延びる内壁834を備えていてもよい。
【0064】
[0086]
図9に図示するように、ペン906は1つ以上の追加的なペン916を備えていてもよい(1つが示されているがもっと多くがあってもよい)。例えば、開口部922と筐体920とを備えた1つ以上の内ペン916(1つが示されているがもっと多くがあってもよい)が外ペン906の筐体910の内部に配設されてもよく、該外ペンが開口部912を備えていてもよい。(
図9には図示しない)1つ以上の微小物体116が各内ペン916及び外ペン906の筐体内に配設されてもよい。
【0065】
[0087]
図10に示すように、(開口部932及び筐体930を備えた)ペン926は、内壁934によって分離された複数の保持空間936を備えていてもよい(3つが示されているが、もっと多く又は少なくてもよい)。(
図10には図示しない)1つ以上の微小物体116が各保持空間936内に配設されてもよい。例えば、異なる種類の微小物体116が各保持空間936内に配設されてもよい。
【0066】
[0088] 本明細書に開示されているペンのいずれもが、
図8A乃至10に示すペン806,826,906,926のように、あるいはそれらの特徴のいずれかを有するように、構成されてもよい。
【0067】
[0089] ペンの構成に関係なく、微小物体116は、様々な機構のうちいずれかによって、確定的に選択され、チャネル504,604,704内の流れ520,620,720から
図5A乃至7のペン506,606,706(
図8A乃至10に示すペン506,606,706の変化させたものを含む)内へと移動されてもよい。
図11A乃至12Bは、
図2のOET装置を用いてこれを行う例を示す。
図11A乃至12Bにおいて、チャネル1104は
図5A乃至7のチャネル504,604,704のうちいずれであってもよく、ペン1106はペン506,606,706のうちいずれであってもよく、媒体114の流れ1120は流れ520,620,720のいずれであってもよい。
【0068】
[0090]
図11Aに示すように、微小物体116は、微小物体116を捕捉する(例えば光トラップ304のような)光トラップ1108を作り出すことによってチャネル1104内の流れ1120において確定的に選択されてもよく、これによってトラップ1108内に微小物体116を捕捉することができる。
図11Bに示すように、光トラップ1108は次いでチャネル1104からペン1106内へと移動されてもよく、そこで微小物体116が光トラップ1108から解放されてもよい。光トラップ1108は光トラップ304,412のようであってもよく、光トラップ304,412が上述のように内表面120上で作り出され移動されるのと同じように、
図2のOET装置により基部502の表面522上に作り出され移動されてもよい。
【0069】
[0091]
図12Aに示すように、微小物体116は、チャネル1104内の微小物体116の経路に仮想のバリア1208を作り出すことによって、チャネル1104内の流れ1120において確定的に選択されてもよい。
図12Bに示すように、仮想のバリア1208が微小物体116をペン1106内へと偏向させてもよい。仮想のバリア1208は、概ね上述のように
図2のOET装置を用いて基部502の表面522上のDEP電極を活性化することにより作り出されてもよい。選択された微小物体116が一旦ペン1106内へと偏向されれば、仮想のバリア1208はチャネル1104から除去されてもよい。
【0070】
[0092] 上述のように、微小物体116は本明細書に開示されているペンのうちいずれかの内部に一定の期間収容されてもよく、その後微小物体116はペンから除去されてもよい。実施例によっては、微小物体116は、
図11A乃至12Bに示す手法のうちいずれかによってペンから除去されてもよい。
【0071】
[0093] 例えば、ペン1106内において微小物体116を捕捉する光トラップ1108が形成されてもよく、この光トラップ1108がペン1106からチャネル1104内へと持ち出されてもよい。これは、
図11A及び11Bに示す工程の逆転である。一旦チャネル1104に入れば、光トラップ1108はオフにされ、微小物体116をチャネル1104内の媒体114の流れ1120の中に解放してもよい。
【0072】
[0094] 別の一例としては、
図12A及び12Bに示すバリア1208に類似の仮想のバリアがペン1106内に形成されて、微小物体116をペン1106から外へ、チャネル1104内の媒体114の流れ1120の中へと少しずつ動かしてもよい。上記は
図12A及び12Bに示す工程の逆転である。
【0073】
[0095] さらに別の一例としては、本明細書に開示されている有形のペンのいずれもが、前述の米国特許出願第13/856,781号(代理人整理番号BL1−US)に開示されている流出機構800のように構成されてもよい。そのような構成においては、ペンは、上記の特許出願における圧搾機構804のように構成されてもよく、また、上記の特許における打撃機構802のような、ペンから微小物体116を圧搾するための打撃機構(図示せず)が提供されてもよい。
【0074】
[0096]
図13A及び13Bはマイクロ流体デバイス1300を示す。これは
図1A乃至1Cのデバイス100の一例であってもよく、ここで、基部502及びマイクロ流体構造1302はハウジング102の例であり、チャンバ1308はチャンバ110の例であり、注入口1314は注入口104の例であり、排出口1316は排出口106の例であり、ペン1306はペン112の例である。(
図1A乃至1Cと比較のこと。)
【0075】
[0097]
図13A及び13Bに示すように、デバイス1300は(
図5A及び5Bに関して上述した)基部502上に配設されたマイクロ流体構造1302を備えていてもよい。
図13Bからわかるように、マイクロ流体構造1302及び基部502が媒体114及び微小物体116用のチャンバ1308を規定してもよい。微小物体116を含む媒体114は、注入口1314を通じてチャンバ1308内へと流入され、排出口1316を通じてチャンバ1308から流出されてもよい。このようにして、チャンバ1308内に注入口1314から排出口1316への媒体114の流れ1320が提供されてもよい。注入口1314及び排出口1316は、上述の
図1A乃至1Cの注入口104及び排出口106と同一又は類似であってもよい。チャネル1304は媒体114用の共有空間及び/又は流路の例である。
【0076】
[0098] 同じく
図13Bに示すように、気体交換器1310と、ペン1306及びチャネル1304のアレイ1312と、が、チャンバ1308内の注入口1314と排出口1316との間、したがって媒体114の流れ1320の中に配設されてもよい。よって、媒体114の流れ1320は、注入口1314から気体交換器1310を通り、ペンアレイ1312のチャネル1304を通って、排出口1316の外へと流出してもよい。代替的には、注入口1314は気体交換器1310とペン1304との間に位置していてもよく、したがって気体交換器1310が注入口1314の上流に位置していてもよい。
【0077】
[0099] チャネル1304及びペン1306は、本明細書において述べたチャネル及びペンのうちいずれのようであってもよい。例えば、チャネル1304は、変化させたものも含め上述したチャネルのチャネル504,604,704,1104,1204のうちいずれのようであってもよく、ペン1306は、変化させたものも含め上述したペン112,302,402,506,606,706,806,906,1106,1206のうちいずれのようであってもよい。
【0078】
[00100] ペン1306の開口部はチャネル1304のうち1つと流体連通(例えば接触)していてもよい。(
図13A及び13Bには図示しない)微小物体116が媒体114の流れ1320とともに移動するにつれて、チャネル1304内の微小物体116の一個一個が選択され、ペン1306内へと移動されてもよい。微小物体116は、上述のいずれかの技術又は機構を用いて(例えば光トラップ304,412,1108のような光トラップ、バリア1208のような仮想のバリア、又は類似のものにより)、チャネル1304内において確定的に選択され、ペン1306内へと移動されてもよい。また、媒体114の流れ1320は、ペン1306内の微小物体116へと栄養素を運ぶとともにそこからの廃物の流出を提供する共通の流れであってもよく、そうでなければ該ペンが微小物体116を互いに隔離してもよい。さらに、ペン1306の各々は、チャネル1304内の流れ1320の媒体114(例えば
図1B及び1Cに示す第1の媒体122)がペン1306のいずれにも直接流入しないように、しかし各ペン1306の構造が概ね上述のようにチャネル1304内の流れ1320からの媒体114とペン1306内の媒体114(例えば
図1B及び1Cに示す第2の媒体124)との拡散混合を可能にするように、構成されていてもよい。
【0079】
[00101]
図13Bのペンアレイ1312の構成は一例に過ぎない。
図14及び15は、代替的な構成の例を示す。
【0080】
[00102]
図14に示すように、ペンアレイ1400はペン1402の行を備えていてもよく、ペン1402の開口部は単一のチャネル1404と流体連通(例えば接触)していてもよい。ペンアレイ1400及びチャネル1404は
図13Bのペンアレイ1312及びチャネル1304に取って代わってもよく、
図13Bの媒体114の流れ1320はチャネル1404内を通ってもよい。
【0081】
[00103]
図15のペンアレイ1500及びチャネル1504もまた、
図13Bのペンアレイ1312及びチャネル1304に取って代わってもよい。
図15に示すように、ペンアレイ1500は、チャネル1504cと直接流体連通している開口部を有するペン1502の行を備えていてもよい。複数の第1の分流チャネル1504bが、流入チャネル1504aを、ペン1502を直接通り過ぎて流れるチャネル1504cに接続してもよい。他の(第2の)分流チャネル1504dがチャネル1504cを流出チャネル1504eに接続してもよい。
図13Bの媒体114の流れ1320は、第1のチャネル1504aに入り、分流チャネル1504bを通って、ペン1502と直接流体連通しているチャネル1504cへ、他の分流チャネル1504dを通って、第2のチャネル1504eへと流れてもよい。
【0082】
[00104]
図14及び15のチャネル1404,1504は上述のチャネル1304のようであってもよい。ペン1402,1502も同様に、上述のペン1306のようであってもよい。チャネル1404,1504は共有空間及び/又は流路の例であり得る。各ペン1402,1502は、チャネル1404,1504内の流れの媒体114(例えば
図1B及び1Cの第1の媒体122)が、ペン1402,1502内に直接流入はしないが各ペン1402,1502の構造が概ね上述のようにチャネル1404,1504内の流れからの媒体とペン1402,1502内の媒体(例えば
図1B及び1Cの第2の媒体124)との拡散混合を可能にすることができるように、構成されていてもよい。
【0083】
[00105]
図16は、ペン内の生物学的微小物体を処理するための工程1600の一例を示す。工程1600は、上述のマイクロ流体デバイスのうちいずれか又は類似のデバイスを用いて実施することができる。例えば、工程1600は、変化させたもの(例えば
図2乃至12B,14及び15に示す)も含め上述のマイクロ流体デバイス100及び1300を用いて実施することができる。
【0084】
[00106]
図16に示すように、ステップ1602において、工程1600は、生物学的微小物体をマイクロ流体デバイス内に取り込んでもよい。例えば、工程1600は、媒体114中の微小物体116を、注入口104を通じて
図1A乃至1Cのデバイス100のチャンバ110内へと導入してもよい。別の一例としては、工程1600は、媒体114中の微小物体116を、注入口1314を通じて
図13A及び13Bのデバイス1300のチャンバ1308内へと導入してもよい。
【0085】
[00107] ステップ1604において、この工程は、ステップ1602で取り込まれた生物学的微小物体の一個一個を選択してもよい。例えば、工程1600は、媒体114中の特定の特徴を有する微小物体116のうち全部よりも少ないサブセットを選択してもよい。微小物体116は、例えば
図2の撮像装置220を用いて監視されてもよい。ステップ1604においては、ステップ1604の結果、複数のペンの各々の内部に1つの微小物体116のみがあることになるように、特定の所望の特徴を有する1つの微小物体116が確定的に選択され、1つのペン内に取り込まれてもよい。代替的には、1つよりも多くの微小物体116が1つのペン内に取り込まれてもよい。
【0086】
[00108] ステップ1606において、工程1600は、ステップ1604で選択された微小物体116をマイクロ流体デバイスのペン内に置いてもよい。例えば、ステップ1606において、工程1600は、上述の技術のうちいずれかを用いて、選択された微小物体116をペン112,302,402,506,606,706,806,906,1106,1206,1306,1402,1502内に置いてもよい。上述し、また図面の全体を通じて示すように、上記のペンは微小物体116を互いに物理的に分離してもよい。すなわち、各ペンは、ペン内の1つの微小物体116又は複数の微小物体116を、マイクロ流体デバイス100,1300内のすべての他の微小物体116と物理的に分離してもよい。ステップ1606において選択された微小物体116をペン内に置いた後、工程1600は、微小物体116をペン内に一定の期間保持してもよい。
【0087】
[00109] ステップ1608において、工程1600は、液状媒体114の流れをペンに提供してもよい。ステップ1608は、上述のチャンバ110,1308又はチャネル504,604,704,1104内の流れ314,314,520,620,720,1120,1320のうちいずれかを提供することにより達成される。注意すべき点は、ステップ1606においては、個々の微小物体116が物理的に分離されたペン内に置かれることにより互いに物理的に隔離されてもよいが、ステップ1608においては、ペン内のこれらの微小物体116に媒体114の同じ流れが提供されてもよいということである。上述のように、ペン112,302,402,506,606,706,806,906,1106,1206,1306,1402,1502は、流れ314,314,520,620,720,1120,1320からの媒体114(例えば
図1B及び1Cに示す第1の媒体122)とペンの内部の媒体114(例えば
図1B及び1Cに示す第2の媒体124)との拡散混合を可能にしつつ、チャンバ110,1308又はチャネル504,604,704,1104内の流れ314,314,520,620,720,1120,1320からペン112,302,402,506,606,706,806,906,1106,1206,1306,1402,1502内への媒体114(例えば
図1B及び1Cに示す第1の媒体122)の直接の流入を妨げるように構成されていてもよい。
【0088】
[00110] 既に述べたように、ステップ1606においてペン内に置かれた微小物体116は、ステップ1608が微小物体116に媒体114の流れを提供し得る一定の期間、ペン内に保持されてもよく、これにより、上述の拡散混合を通じて、ペン内の微小物体116に栄養素が提供されるとともに、微小物体116からの廃物の流出が提供されてもよい。ステップ1610において、工程1600は、ペン内の微小物体116の1つ以上の生物活動を監視してもよい。そのような生物活動の例は、クローン作製、特定の生体物質の分泌などを含み得る。ステップ1610における監視は、その期間中継続的に、その期間中周期的に、その期間の最後に、といったように行われてもよい。ステップ1610における監視は、微小物体116の生物活動の分析に適した任意の手法で実施され得る。例えば、ステップ1610における監視は、
図2の撮像系220をペンの内部にある又はペンに隣接するセンサ(図示せず)とともに用いるなどして行うことができる。
【0089】
[00111] ステップ1612において、工程1600は、ステップ1610で監視された生物活動又は状態に関連する所定の基準、閾値、又は条件を満たすペン内の微小物体116を選択してもよい。ステップ1612で選択された微小物体116は、さらなる処理又は利用のためにペンから除去されてもよい。例えば、選択された微小物体116は、上述のいずれかの技術又は処理を用いてペンから除去されてもよい。別の一例としては、1つ以上の微小物体116は、針状の吸入器(図示せず)でハウジングに穴を開け、該吸入器により微小物体116を除去することによって、ペンから除去されてもよい。特定の、制御された数の微小物体116が、例えばその数の微小物体116を選択及び除去することにより、あるいは、その微小物体116が生体細胞である場合には、クローン細胞のコロニが所望の数に達したときにその細胞のすべてを除去することにより、除去されてもよい。
【0090】
[00112] ステップ1614において、工程1600は、ステップ1610で監視された生物活動又は状態に関連する所定の基準、閾値、又は条件を満たさない微小物体116である、ステップ1612で選択されなかった微小物体116を廃棄してもよい。
【0091】
[00113]
図17は、本発明のいくつかの実施例による、単一の親細胞からクローン細胞のコロニを成長させる工程1700の例を示す。工程1700は
図16の工程1600の例であり得る。例えば、工程1700は、
図16のステップ1602及び1604が実施された後で開始してもよい。ステップ1702乃至1706はステップ1606及び1608の最中に実施されてもよい。ステップ1708はステップ1610の例であってもよい。ステップ1710はステップ1614の例であってもよい。ステップ1712はステップ1612の例であってもよい。
【0092】
[00114] 説明及び検討を容易にするために、工程1700は以下においては、
図3の仮想のペン302を作り出して操作する
図2のOET装置によって構成されたデバイス100で実施されるものとして検討される。しかしながら、工程1700は、ペンが仮想のペンであるデバイス100又はデバイス1300の他の構成で実施されてもよい。
【0093】
[00115]
図17に示すように、ステップ1702において、工程1700はペン内の細胞を処理してもよい。そのような処理は、2つの細胞を融合して1つの細胞にすること、細胞中に生物学的ベクタを注入することにより細胞をトランスフェクトすること、などを含み得る。
図18A乃至18Cは例を示す。
【0094】
[00116]
図18Aに示すように、2つの異なる種類の微小物体116及び1804がチャンバ110内の媒体114中に置かれ得る。
図2のOET装置が(例えば光トラップ304のような)光トラップ1806,1808を生成して、第1の細胞種類116のうち1つと第2の細胞種類1804のうち1つとを選択してもよい。次いで、第1の細胞種類116及び第2の細胞種類が
図18Bに示すように接触するよう、光トラップ1806及び1808が移動されて接触されてもよい。そのような対を成す細胞1810は、次に、対を成す細胞1810を融合して
図18Cに示す融合細胞1812を形成する1つ以上の処理(例えば流れ314に融合化学物質(例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウィルス、細胞116,1804のうち一方の膜に穴を開けること、電界、圧力など)を含めること)にさらされてもよい。すなわち、各融合細胞1812は、融合された第1の細胞種類116のうち1つと第2の細胞種類1804のうち1つとを備えていてもよい。光トラップ1806及び1808は、変化させたものを含めて上述の光トラップ304,412のようであってもよく、またそれらのように作り出され操作されてもよい。
【0095】
[00117] やはり
図18Cに示すように、個々の融合細胞1812は、仮想のペン1814,1816,1818,1820内に置かれてもよい。4つのペン1814,1816,1818,1820が図示されているが、もっと多く又は少なくてもよい。仮想のペン1814,1816,1818,1820は、上述の
図3のペン302と同一又は類似のものであってもよい。
【0096】
[00118] 代替的には、
図18Aの要素1804は、微小物体116中にトランスフェクトされる生物学的ベクタであってもよい。そのような場合、
図18Cの各細胞1812は、ベクタ1804でトランスフェクトされた微小物体116のうち1つであってもよい。
【0097】
[00119] さらに別の代替案としては、
図18Cの細胞1812は(融合細胞であろうとトランスフェクトされた細胞であろうと)、別のデバイスにおいて処理されてからペン1814,1816,1818,1820内に置かれてもよい。そのような代替案においては、ステップ1702は
図17の工程には含まれない。さらなる代替案としては、細胞1812は、融合細胞又はトランスフェクトされた細胞ではなく、単純細胞であってもよい。
【0098】
[00120] 再び
図17を参照すると、ステップ1704において、各ペン1814,1816,1818,1820内ではペン内の細胞1812からクローンが成長されてもよい。これは、チャンバ114を通る流れ314に成長培地を含めることにより促進されてもよい。ステップ1706において、ペン1814,1816,1818,1820は、各ペン内においてクローンが成長するにつれて拡張されてもよい。
図19は一例を示す。
図19に示すように、各ペン1814,1816,1818,1820内の細胞1812の数が増加するにつれて、ペン1814’,1816’,1818’,1820’の大きさは、各ペン内で増大するクローン集団を収容するように拡張されてもよい。
【0099】
[00121]
図17のステップ1708において、各ペン1814,1816,1818,1820が検査され、ペン内のクローン成長が分析されてもよい。例えば、クローンに結合する蛍光標識(例えば、刺激されたときなどに蛍光を発する生物学的蛍光性化合物)がチャンバ110を通る流れ314に含められてもよい。そして、各ペン内のクローン成長を判断するべく各ペン1814,1816,1810,1820が蛍光を発するレベルが分析されてもよい。
【0100】
[00122] ステップ1710において、クローン1812が最小量よりも少なく成長している(又は望ましくない)ペン1814,1816,1818,1820内のクローンは廃棄されてもよい。
図20は一例を示す。
図20に示された例では、ステップ1710において、
図19のペン1814’,1820’内のクローン1812が最小閾値量よりも少なく成長し、廃棄されるべきものと判断されたものと推測される。
図20に示すように、ペン1814’,1820’がオフにされ、これらのペン内のクローン1812が解放されてもよい。ペン1814’,1820’は、
図2においてハウジング102内に向けられている光パターン216からペン1814’,1820’に対応する光を単に除去することによってオフにされ得る。ペン1814’,1820’内にあった、今や解放されたクローン1812は、(例えば流れ314によって)チャンバ110の外に流し出され、廃棄されてもよい。
【0101】
[00123]
図17に示すように、ペン1816’,1818’内のクローン1812の成長を継続するために、ステップ1704乃至1710が繰り返されてもよい。代替的には、ステップ1712において、ペン1814’,1820’からクローン1812の一個一個が選択され、娘クローンとして新たなペン内に置かれてもよく、新たなペン内の成長の遅いものを成長させ、試験し、廃棄するべくステップ1704乃至1710が繰り返されてもよい。
図21は、
図20のペン1816’,1818’からの個々の娘クローン1812が選択され、それぞれ新たなペン2102内に置かれる例を示す。新たなペン2102は、上述のペン1814,1816,1818,1820が作り出され操作されるのと同様に作り出され操作されてもよい。個々の娘クローン1812は、概ね上述のように(例えば
図4の光トラップ304,412のような光トラップにより)選択され移動されてもよい。
【0102】
[00124]
図22は工程2200を示す。これは
図17の工程1700を変化させたものである。
【0103】
[00125]
図22に示すように、1つ以上の細胞がペン内に保持され分泌してもよい。例えば、
図18Cに示すように、ペン1814,1816,1818,1820の各々の中に細胞1812が配設されてもよい。代替的には、各ペン1814,1816,1818,1820内には1つよりも多くの細胞1812があってもよい。細胞1812は、
図18A乃至18Cに関して上述したように、融合細胞又はトランスフェクトされた細胞であってもよい。代替的には、細胞1812は、融合細胞又はトランスフェクトされた細胞ではなく、単純細胞であってもよい。
【0104】
[00126]
図22のステップ2204においては、各ペン1814,1816,1818,1820が検査されてもよく、そのペン内の細胞1812の生産性が分析されてもよい。例えば、1つ以上の細胞1812が各ペン1814,1816,1818,1820から除去されて、観察され、検査されるなどして除去された細胞1812の分泌物生産性が判断されてもよい。
【0105】
[00127] ステップ2206において、閾値よりも低いレベルで細胞1812が分泌しているペン1814,1816,1818,1820は廃棄されてもよい。これは、概ね
図20に図示し上述したように達成され得る。すなわち、低産生細胞1812を含むペン1814,1816,1818,1820はオフにされてもよく、低性能細胞1812は概ね上記の
図20の議論に従って洗い流されてもよい。
【0106】
[00128] 再び
図22を参照すると、残っているペン内の細胞1812に分泌させ、各ペン内の細胞の分泌物生産性を試験し、低産生ペン内の細胞1812を廃棄することを継続するために、ステップ2202乃至2206が繰り返されてもよい。代替的には、ステップ2208において、(例えば概ね
図21に示す例に従って)高産生細胞1812の一個一個が選択され、新たなペン内に娘細胞として置かれてもよく、これらの娘細胞に新たなペン内において分泌させ、各ペン内の娘細胞の分泌物生産性を試験し、低産生ペン内の娘細胞を廃棄するために、ステップ2202乃至2206が繰り返されてもよい。
【0107】
[00129] 本明細書においては本発明の具体的な実施例及び適用を記載してきたが、これらの実施例及び適用は例示的なものに過ぎず、多くの変形が可能である。