【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%である。
<実施例1>
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール186部(1モル部)、過塩素酸マグネシウム0.27部及び水酸化マグネシウム0.03部を投入してから100℃にて均一混合し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド(EO)44部(1モル部)を150℃にて、ゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入して、反応物を得た。この反応物をGPCによって測定した結果、ラウリルアルコールが15%、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルエーテルが85%(m=1:68%、m=2:11%、m=3:4%、m=4:1.5%、m=5:0.5%)含有していた。
この反応物にクロルスルホン酸120部(1.03モル部)を20℃に保ちながら徐々に滴下した後、同温度で2時間脱塩酸(窒素を液層からバブリング)を行って、硫酸化物を得た。この硫酸化物に、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル部)及び水1045部からなる水溶液を添加し硫酸化物を中和して、ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)及びポリオキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン(m=1〜5)塩(a−1)の混合物を得た。なお、(a−1)の含有量は25.3%、(b−1)の含有量は5.1%であった{(a−1)/(b−1)=83/17:硫酸化前のGPC測定結果からの計算値、以下同様}。この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(日光ケミカルズ株式会社製TEALS)305.2部を加えて、ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)及びポリオキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン(m=1〜5)塩(a−1)の混合物を得た。なお、(a−1)の含有量は21%、(b−1)の含有量は21%であった{(a−1)/(b−1)=50/50}。
得られた(b−1)及び(a−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)191部及びブチルセロソルブ382部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−1)を得た。
【0034】
<実施例2>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1150部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)357.3部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は50/50であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c2−2)/(c3−1)=トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール(50部/50部)(c−2)211部及びブチルセロソルブ422部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−2)を得た。
【0035】
<実施例3>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1113部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)499部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は40/60であった。
得られた(a−1)及び(b−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)48部及びブチルセロソルブ405部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−3)を得た。
【0036】
<実施例4>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1038部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)159部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は65/35であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)292部及びブチルセロソルブ377部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−4)を得た。
【0037】
<実施例5>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1000部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)305.2部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は50/50であった。
得られた(a−1)及び(b−1)の混合物と、(c2−2)/(c3−1)=トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール(50部/50部)(c−2)153部及びブチルセロソルブ306部からなる溶液と、カプリン酸トリエタノールアミン塩(d−1)230部とを均一混合して、本発明の起泡材(e−5)を得た。
【0038】
<実施例6>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1200部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)290部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は54/46であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)194部及びブチルセロソルブ388部からなる溶液と、カプリン酸トリエタノールアミン塩(d−1)540部とを均一混合して、本発明の起泡材(e−6)を得た。
【0039】
<実施例7>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)305.2部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は50/50であった。
得られた(b−1)及び(a−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)191部とを均一混合して、本発明の起泡材(e−7)を得た。
【0040】
<実施例8>
(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)を(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(20部/30部/50部)混合物(c−9)に変更した以外、実施例1と同様にして、本発明の起泡材(e−8)を得た。
【0041】
<実施例9>
(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)を(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/80部/10部)混合物(c−10)に変更した以外、実施例1と同様にして、本発明の起泡材(e−8)を得た。
【0042】
<実施例10>
(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)を(c2−1)/(c2−2)/(c3−1)/(c3−2)/(c3−3)=ラウリルアルコール/トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール/ペンタデシルアルコール/セチルアルコール(15部/15部/30部/10部/30部)混合物(c−11)に変更した以外、実施例1と同様にして、本発明の起泡材(e−8)を得た。
【0043】
<比較例1>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水648部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は83/17であった。
得られた(a−1)及び(b−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)69部及びブチルセロソルブ138部からなる溶液とを均一混合して、比較用の起泡材(e’−8)を得た。
【0044】
<比較例2>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水3000部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)1620部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は20/80であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c2−2)/(c3−1)=トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール(50部/50部)(c−2)316部及びブチルセロソルブ632部からなる溶液とを均一混合して、比較用の起泡材(e’−9)を得た。
【0045】
<比較例3>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1140部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)305.2部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。この混合物をこのまま比較用の起泡材(e−’10)とした。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は50/50であった。
【0046】
<比較例4>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水840部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)357.3部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は50/50であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)843部及びブチルセロソルブ1686部からなる溶液とを均一混合して、比較例の起泡材(e’−11)を得た。
【0047】
<比較例5>
ポリオキシエチレン(m=3)ラウリルサルフェートナトリウム塩(a−3)25%水溶液(花王株式会社製、エマール20C)200部とポリオキシエチレン(m=3)ラウリルエーテル(花王株式会社製、エマルゲン103)(f−1)50部とを均一混合して、比較例の起泡材(e’−12)水溶液を得た。
【0048】
<比較例6>
ポリオキシエチレン(m=2)ラウリルサルフェートナトリウム塩(a−4)70%水溶液(花王株式会社、エマール270J)107.1部とラウリルアルコール(g−1)25部と水117.9部とを均一混合して、比較例の起泡材(e’−13)水溶液を得た。
【0049】
実施例1〜10の本発明の気泡シールド工法用起泡材(e)、比較例1〜6の組成を下記の表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
a:一般式(1)で示される化合物
a−1:ポリオキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩
(m=1〜5の混合物)
a−2:ポリオキシエチレンテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩
(m=1〜5の混合物)
a−3:ポリオキシエチレンラウリルサルフェートナトリウム塩
(m=3)
a−4:ポリオキシエチレンラウリルサルフェートナトリウム塩
(m=2)
b:一般式(2)で示される化合物
b−1:ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩
b−2:テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩
c:脂肪族アルコール
c−1:オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコールの混合物
(10部/50部/40部)
c−2:トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール
(50部/50部)
c−9:オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコールの混合物
(20部/30部/50部)
c−10:オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコールの混合物
(10部/80部/10部)
c−11:ラウリルアルコール/トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール/
ペンタデシルアルコール/セチルアルコールの混合物
(15部/15部/30部/10部/30部)
f−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(m=3)
g−1:ラウリルアルコール
d:脂肪酸(塩)
d−1:カプリン酸トリエタノールアミン塩
【0052】
尚、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定条件は次の通り。
<GPCの測定条件>
カラム:TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000及びTSKgelSuperH2000(いずれも東ソー株式会社製)を直列につないだカラム
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25%
注入量:10μl
基準物質:ポリオキシエチレングリコール(東ソー株式会社製;TSK STANDARDPOLYETHYLENEOXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
【0053】
<気泡安定性試験>
水5000部に、起泡材(e−1)〜(e−6)、(e−8)〜(e−10)、比較の起泡材(e’−8)〜(e’−13)のいずれか100部、あるいは起泡材(e−7)40部を加えて起泡材水溶液を調製した後、0.5MPaの圧縮空気と起泡材水溶液を圧縮空気/起泡材水溶液(体積比)=30/1で、直径4mmのガラスビーズで満たした発泡筒(内径4cm、長さ40cm:
図1)の流入口に送り込み、流出口から溢れ出た泡の一部を直径約15cmで内容量が既知の3Lポリビーカに充填し、泡の重量を計量することにより、得られた泡の比重を測定した。
次に、砂質土もしくは粘性土を、JIS A1203に従って含水比を測定した後、適当量の水を加え、砂質土の含水比を20%、粘性土の含水比を50%に調整した。含水比を調整した砂質土もしくは粘性土に、泡/土(体積比)=40/100となるよう上記で作製した泡を加え、モルタルミキサーを用いて30秒間混合した。
得られた気泡混合土をさらに混合し、混合前(0分)、混合3分後、及び混合6分後の空気量をJIS A1116に従い測定し、混合3分後気泡破泡率[={(空気量0分値)−(空気量3分値)}×100/(空気量0分値)]、混合6分後気泡破泡率[={(空気量0分値)−(空気量6分値)}×100/(空気量0分値)]を算出した。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
<流動性試験(フロー試験)>
水5000部に、起泡材(e−1)〜(e−6)、(e−8)〜(e−10)、比較の起泡材(e’−8)〜(e’−13)のいずれか100部、あるいは起泡材(e−7)40部を加えて起泡材水溶液を調製した後、0.075MPaの圧縮空気と起泡材水溶液を圧縮空気/起泡材水溶液(体積比)=30/1で、直径4mmのガラスビーズで満たした発泡筒(内径4cm、長さ40cm:
図1)の流入口に送り込み、流出口から溢れ出た泡の一部を直径約15cmで内容量が既知の3Lポリビーカに充填し、泡の重量を計量することにより、得られた泡の比重を測定した。
豊浦標準砂1500部と水100部をモルタルミキサーにて30秒間混合し、上記で得られた泡沫を泡沫/豊浦標準砂(体積比)=60/100となるよう加え60秒間混練し、気泡混合砂を作製した。上部内径5cm×下部内径10cm×高さ15cmのコーンに気泡混合砂を詰め、突き棒で上部を10回突き、上部をヘラでならし、コーンを引き上げ、その広がり(フロー値mm)を測定した。
作製後30分、60分間静置した気泡混合砂についても同様に測定を行った。
【0057】
【表5】
【0058】
<止水性試験(透水試験)>
水5000部に、起泡材(e−1)〜(e−6)、(e−8)〜(e−10)、比較の起泡材(e’−8)〜(e’−13)のいずれか100部、あるいは起泡材(e−7)40部を加えて起泡材水溶液を調製した後、0.5MPaの圧縮空気と起泡材水溶液を圧縮空気/起泡材水溶液(体積比)=30/1で、直径4mmのガラスビーズで満たした発泡筒(内径4cm、長さ40cm:
図1)の流入口に送り込み、泡沫を作製した。
豊浦標準砂1500部と水100部をモルタルミキサーにて30秒間混合し、上記で得られた泡沫を泡沫/豊浦標準砂(体積比)=30/100となるよう加え60秒間混練し、気泡混合砂を作製した。気泡混合砂を直径20cmの有底円筒状の容器に高さ20cmとなるよう充填した。容器底面の中央部には水が抜けるための穴があり、シリコンチューブを接続し容器外に排出されるように設計した。充填した気泡混合砂の上から深さ10cmとなるよう水を投入し、容器下部からの排水量を測定し透水係数(cm/秒)を計算した。
【0059】
【表6】
【0060】
表3、4から、本発明の起泡材を使用した場合、土質によらず、気泡混合土中の気泡安定性が極めて高いことが確認できた。
泡の比重は、値が小さい程、起泡材が高起泡性であることを意味し、気泡破泡率が小さく、かつ気泡混合土の空気量の値が大きい程、気泡安定性に優れていることを意味する。
【0061】
表5から、高起泡性であるほど流動性が高く、気泡安定性が高いほど流動性の経時変化が小さいことが確認できた。
フロー値は、値が大きい程、流動性が高いことを意味する。
【0062】
表6から、高起泡性かつ高気泡安定性である程、止水性が高いことが確認できた。
透水係数は、値が小さい程、止水性が高いことを意味する。
【0063】
本発明の起泡材は、高起泡性と高気泡安定性とを有し、気泡混合土の流動性や止水性を向上することができるため、気泡シールド工法用起泡材として有用である。比較例1、4は表3より、泡比重が著しく大きく、かつ気泡混合土の空気量(混合0分以降)が著しく小さいことから、起泡性が著しく低い。比較例2〜4は表4より、気泡破泡率が著しく大きいことから、気泡安定性が著しく低い。比較例5、6は表3より、泡比重が大きく、かつ気泡混合土の空気量(混合0分以降)の値が小さく、かつ表4より、気泡破泡率が大きいことから、起泡性,気泡安定性ともに低い。