特許第6530032号(P6530032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6530032
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】カルボジイミド系化合物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/45 20060101AFI20190531BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20190531BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20190531BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20190531BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   A61K8/45
   A61Q17/04
   A61K8/36
   A61K8/44
   A61K8/898
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2017-205938(P2017-205938)
(22)【出願日】2017年10月25日
(62)【分割の表示】特願2016-537517(P2016-537517)の分割
【原出願日】2014年9月5日
(65)【公開番号】特開2018-12732(P2018-12732A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2017年10月26日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0152312
(32)【優先日】2013年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0152316
(32)【優先日】2013年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0152317
(32)【優先日】2013年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0152356
(32)【優先日】2013年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0152357
(32)【優先日】2013年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソン・キル・ソン
(72)【発明者】
【氏名】シー・ウォン・キム
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ウー・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ホン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・ウク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】テク・キュン・カン
(72)【発明者】
【氏名】サン・ミン・イ
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05733959(US,A)
【文献】 特開平07−017939(JP,A)
【文献】 特開2003−335638(JP,A)
【文献】 特表2004−525122(JP,A)
【文献】 特表2004−536039(JP,A)
【文献】 特表2004−525121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式2で表示されるカルボジイミド系化合物;及び紫外線遮断成分を含む紫外線遮断用組成物:
【化1】
前記化学式2で、nは、1〜100であり、mは、1〜100である。
【請求項2】
前記紫外線遮断成分は、分子内にカルボキシル基またはアミン基を含む、請求項1に記載の紫外線遮断用組成物。
【請求項3】
前記紫外線遮断成分は、ケイ皮酸、グリセリルPABA、ドロメトリゾール、ジガロイルトリオレエート、3、(4−メチルベンジリデン)カンファー、メンチルアントラニレート、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−8、ブチルメトキシベンゾイルメタン、シノキセート、アデニンリボサイド、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリシレート、オクチルトリアゾン、パラアミノ安息香酸、2−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ホモサレート、ジンクオキサイド、チタンジオキサイド、イソアミル−p−メトキシシンナメート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジソジウムフェニルジベンジミダゾールテトラスルホネート、アモジ−ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、ポリシリコーン−15(マロン酸ジメチコジエチルベンザル)、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリデンジカンファースルホン酸及びその塩よりなる群から選択された1つ以上である、請求項1に記載の紫外線遮断用組成物。
【請求項4】
前記紫外線遮断成分は、毛髪、肌または繊維表面のタンパク質残基と共有結合する官能基を有する、請求項1に記載の紫外線遮断用組成物。
【請求項5】
前記タンパク質と共有結合する官能基は、カルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上である、請求項4に記載の紫外線遮断用組成物。
【請求項6】
カルボジイミド系化合物は、全体組成物100重量部に対して0.001〜10重量部である、請求項1に記載の紫外線遮断用組成物。
【請求項7】
カルボジイミド系化合物及び紫外線遮断成分がカプセル化された形態の単一剤に剤形化されるか;カルボジイミド系化合物及び紫外線遮断成分が各々分離した形態の2剤に剤形化された、請求項1に記載の紫外線遮断用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボジイミド系化合物を含む染色剤組成物、保湿用化粧料組成物、コンディショニング化粧料組成物、紫外線遮断用組成物及び生体接合用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、毛髪染色剤、すなわち染毛剤は、着色された色の耐久性及び組成物の特性によって永久毛髪染色剤(酸化型染毛剤)、半永久毛髪染色剤(非酸化型染毛剤)及び一時的着色剤に分類される。酸化型染毛剤の場合、低分子量の酸化染料または顔料が毛髪内で酸化重合反応を起こして、色素を形成するようになり、多様な色を得ることができ、染毛力に優れた特徴があるため、最も広く利用される種類の染毛剤である。このような酸化型染毛剤組成物は、酸化剤によって酸化されることによって、染料または顔料を形成する1種以上の染料または顔料前駆体と1種以上のカップラーを含有し、このような酸化染色用染毛剤組成物は、毛髪に適用する直前に、希釈の過酸化水素溶液等よりなる酸化剤と混合して使用する。このような染毛剤の使用目的は、なるべく完全に毛髪を染色させ、染毛効果を長期間持続することにある。また、非酸化型染毛剤は、原色に近い天然色を毛髪に提供するのに有用な染毛剤であって、毛髪損傷が比較的少ないため、パーマと同時に簡便に施術することもでき、その活用度が徐々に拡大されている。しかし、現在市販されている染毛剤は、明るい色相で染色するとき、繰り返し的なシャンプーによる色抜け現象で変色しやく、特に酸化型染毛剤の場合、過酸化水素等の酸化剤の作用による毛髪の脱色過程で毛髪内のジスルフィド結合(S−S)が破壊され、毛髪にひどい損傷を与えて、元気な毛髪に比べて染色毛髪の触感が悪くなり、毛髪のつやが減少する短所を持っている。
【0003】
一般的に、保湿化粧品というのは、ヒトの肌や毛髪等に正常な水分を維持することによって、柔らかくて且つ生気があるように見せ、割れ、荒れ等の損傷を防止する機能を有する化粧品を言う。このような保湿用化粧品は、肌や毛髪に正常な水分維持を通じて肌や毛髪を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、または肌を元気に維持するために身体に塗布、散布、その他これらと類似の方法で使用することを目的にする。また、医薬部外品は、人体に作用があっても、作用が軽微であり、疾病の治療または予防に使用せず、身体の構造、機能に影響を及ぼすような使用目的を一緒に有していないものと定義されている。
【0004】
保湿化粧品は、一般的に肌を整頓、保護用の基礎保湿化粧品、ベース、ポイント、手足の爪用、メーキャップ保湿化粧品及び洗浄用、サンケア、タンニング等のボディー保湿化粧品製品をも一部含んでいる。
【0005】
一般的に、肌、毛髪及び繊維は、水分の含量が低いと、肌の場合、肌が乾燥して割れ、荒れてしまう。また、肌の表面には、鱗屑が生じ、かゆみを伴う場合が多い。また、乾燥した肌は、細菌や真菌に感染されやすく、このように肌が非常にひどく乾燥した場合を肌乾燥症と言う。しかし、肌を保湿する場合には、肌が乾燥して生ずる損傷を防止し、肌の表面の薄い脂質膜が外部汚染物質に肌が直接露出されることを防止し、肌を保護できる。また、肌がしっとりされれば、柔らかくて生気があるように見え、小じわの一部も隠されたように見え、毛穴が小さく見える効果が得られることもある。
【0006】
このような保湿剤は、水とよく混ざり、肌に塗布すれば、水素結合を通じて角質層の水分含有量を維持させる成分であって、皮脂と類似の機能を示す保湿剤、天然保湿因子の機能を利用した保湿剤、一般有機化合物保湿剤、セラマイド及び構造的に層状構造であるラメラ形態を維持し、保湿効果を与える保湿剤等に大きく区分することができる。
【0007】
保湿剤を機能によって区分すれば、まず、自然保湿因子と類似の機能を有する肌湿潤剤は、水分と強い親和性を有する物質であって、自分の周辺の水分を引き入れて、水分を維持する機能をする。最も代表的な肌湿潤剤は、グリセリンであり、これは、角質層に浸透して角質層内のタンパク質や脂質と堅い結合を成して、表皮での水分損失を抑制する機能をする。しかし、乾燥した環境では、湿潤剤が肌から水分を吸収して、肌をさらに乾燥させることができ、肌密閉剤よりはその効果が劣る短所がある。このような肌湿潤剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸、ソジウムラクテート、尿素等が挙げられる。
【0008】
皮脂と類似の機能を有する肌密閉剤は、脂性物質であって、肌の表面に水が透過しない水不透過性膜を形成し、正常肌の皮質膜と類似の役目をする。洗顔等を通じてあらかじめ肌に水分を供給した状態で使用すると、供給された水分が長時間維持され、さらに効果的であり得る。このような肌密閉剤として使用される物質は、ミネラルオイル、ワセリン、ラノリン、ホホバオイル、オリーブオイル、脂質混合体等多様なオイル成分が用いられている。しかし、一部の肌密閉剤の場合は、べたついて、脂っぽく、使用時や使用後に不便さを示すことがある。
【0009】
最近、角質層の角質細胞間脂質の重要性が強調され、セラマイドを含有する保湿成分に対する研究や製品化が多く進行されている。その結果として、セラマイド、コレステロール、脂肪酸を適正の比率で混合して、肌に塗布する場合に、損傷肌を回復させ、保湿機能を有するものと確認された。
【0010】
その他、エマルジョンやラメラ層状構造等の構造を用いた保湿効果の増大に対する研究も多く進行されており、実際にO/W型の保湿剤に比べては、W/O剤形の保湿剤が効果に優れているが、製造の容易性や製品の使用感の点から、O/W剤形の保湿製品が多く販売されている。
【0011】
このような保湿化粧品を剤形化するために使用される一般的な原料としては、油脂、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等のような油性原料、陰イオン、陽イオン、両側性、非イオン系界面活性剤、保湿剤、粘増剤及び被膜形成剤に使用される高分子化合物、紫外線吸収及び遮断剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、染料及び顔料を含む色材、香料、防腐剤等が挙げられる。
【0012】
しかし、このような保湿成分を肌に使用する場合、処理後に次の洗浄時まで一時的な効果を提供するだけで、洗浄後には、再処理しなければならないという不都合が常時存在している。
【0013】
一般的に、コンディショニング用化粧品は、肌や毛髪に滑らかさ、柔らかさ、ボリューム感、落ち着き等有益な特性を付与して肌や毛髪を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、または毛髪及び肌を元気に維持するために身体に塗布、散布、その他これらと類似の方法で使用することを目的にする。また、医薬部外品は、人体に作用があっても、作用が軽微で、疾病の治療または予防に使用せず、身体の構造、機能に影響を及ぼすような使用目的を一緒に有していないものと定義されている。
【0014】
コンディショニング用製品は、一般的に毛髪及び肌を整頓、保護用の基礎コンディショニング化粧品、ベース、ポイント、手足の爪用メーキャップコンディショニング製品及び洗浄用、サンケア、タンニング等のボディー用コンディショニング製品をも一部含んでいる。
【0015】
コンディショナーというのは、或る製品が改善しようとする表面の損傷と関連した特定側面の訂正または予防と関連した場合、特に或る物質が適用されている表面の品質が向上する場合に、コンディショナーとして見なされる。
【0016】
毛髪を例に取って説明すれば、毛髪のコンディショニングは、持続的な管理過程が必要である。髪の毛は、基本的に肌の表面に深く存在する少数の生きている細胞から派生した基本的に死んでいる細胞であると言える。したがって、毛髪コンディショニング成分は、実質的な細胞の成長に何らの影響がなく、根源的な細胞の修復に影響を及ぼすことができない。したがって、毛髪のコンディショニングは、一時的に損傷された毛髪の特性を向上させてから除去されれば、さらに適用しなければならない。
【0017】
物理的・化学的処理による毛髪の損傷は、毛髪の物理的構造の変更を誘発する。コンディショニング成分が毛髪の根源的な治癒を行うことはできないが、洗浄剤を利用してコンディショナーをクレンジングして除去する前までは、一時的に毛髪の化粧学的価値と機能を高めることができる。
【0018】
大部分の毛髪損傷は、美容を目的とするシャンプー、乾燥、ブラッシング、スタイリング、コンディショニング、パーマのような毛髪手入れの習慣と化学物質の露出、日光、大気汚染、風、海水及び塩素化プールのような環境的要因によって起きる。コンディショナーは、静電気の減少、毛髪強度の向上、紫外線放射から保護、光沢の増加等様々な形態のメカニズムを通じて風化された毛髪の化粧学的価値を向上させることができる。
【0019】
毛髪のコンディショニングは、毛髪の切れと多孔性を減少し、強度と光沢を増加させることによって毛髪損傷を緩和できる。陽イオン高分子コンディショナーは、ポリマーと毛髪表面の間の反対する電荷の間に電気的な相互作用に直接的に関与する親和性を有するため、非常に効率的なコンディショニング成分である。コンディショナーは、一般的に毛髪の筋の表面に残ってブラッシングに対する摩擦力と飛ばし現象を減少させ、また、他の一部システムでは、ボリューム強化、カール維持、毛髪の豊かさ、手入れの容易性等を付与する。
【0020】
最近のコンディショナーは、濡れと乾燥状態の毛髪に対するブラッシング容易性の提供、毛髪損傷部分を補完し再配列して柔らかさの提供、多孔性の最小化、頭に光沢を付与してシルキー(Silky)な感触の付与、熱及び機械的損傷に対する保護機能の提供、保湿、ボリュームと厚い感じの付与、静電気を除去する機能のうち1つ以上を提供するように考案されている。
【0021】
一般的に、ヒトの毛髪キューティクルは、平たく重畳された細胞(鱗)で構成される。キューティクル細胞は、毛髪繊維の根の側から端部の側にまるで屋根のタイルのように付着している。各キューティクル層は、約0.3〜0.5μmの厚さであり、これらのうち見えるキューティクルの部分は、約5〜10μm程度である。ヒトの毛髪のキューティクルは、一般的に5〜10層が積もられている。毛髪の各キューティクル細胞は、エピキューティクル(epicuticle)、A−層(A−layer)、エキソキューティクル(exocuticle)、エンドキューティクル(endocuticle)、内層(inner layer)のような多様な補助ラメラ(sublamella)層と、セルメンブレイン複合体(cell membrane complex)で構成される。最外角のエピキューティクル層は、共有結合された脂質(脂肪酸)で覆われており、このうち最も多く含まれた成分が18−メチルエイコサン酸(18−Methyl Eicosanoic Acid、18−MEA)である。この層は、キューティクルセルメンブレイン複合体(cell membrane complex)の外郭−層(−layer)を構成し、潤滑、摩擦減少、疎水性表面形成のような役目をする。
【0022】
毛髪において頭皮より外側に突出している部分を毛幹と言い、この部分は、毛髪の寿命と長さによって変わる。また、髪を刈るときやシャンプー、ドライヤーを使用するとき、ブラッシングやパーマ、ヘアカラー等を使用するとき、乾燥、紫外線、海水、プールの石灰分等の環境的ストレスによって変わる。特に毛幹の外側を取り囲んでいる毛小皮は、このようなストレスの影響を直接受けないとしても、複合的に蓄積される場合、損傷を被るようになる。損傷された毛髪は、毛小皮の端部が伸びているか、部分的に剥離して脱落がいっそう進行されている。このような毛髪は、光が乱反射されるため、光沢を失って、滑らかではなくなる。毛髪の損傷がより多く進行されると、毛小皮の層が完全に脱落し、内部の毛皮質が露出するようになり、結局、毛髪が割れるか、切れやすくなる。
【0023】
このように18−MEAが損傷された毛髪の表面を改善するために多様な処理が試みられており、特にシリコーンを使用して毛髪表面をコーティングするヘアマニキュアやヘアエッセンスのような毛髪にコンディショニング効果を提供する製品が販売されるか、美容室を通じて施術されており、肌または毛髪にコンディショニング効果を与える製品が最近になって多く製品化されている状況である。
【0024】
しかし、このようなコンディショニング成分を毛髪及び肌に使用する場合、処理後に次の洗浄時まで一時的で且つ短期的な効果を提供するだけで、洗浄後には再処理しなければならないという不都合が常時存在している。
【0025】
一般的に、紫外線遮断というのは、ヒトの肌や毛髪等または繊維等を生活で露出される紫外線から保護し、紫外線によって現れる弊害及び損傷を防止することを意味する。
【0026】
紫外線は、通常、100〜400nmの電波を発散し、通常、波長が短い側から真空紫外線(100〜190nm)、UVC(190〜280nm)、UVB(280〜320nm)、UVA(320〜400nm)に分類される。そのうち、太陽光に含まれる紫外線のうち地表に当接する紫外線は、UVBの長波長部分とUVAであるが、人体の最外層を構成する肌は、紫外線によって様々な傷害を被ることができる。短波長であるUVBは、表皮の中で吸収、散乱されるが、生物に対する傷害が高くて、表皮の中で多くの急性傷害を起こす。これに比べて長波長であるUVAは、生物に対する傷害性が低いため、皮膚傷害に対する関与が今まで重要視されなかった。しかし、太陽光の中に含まれたUVAの影響もそのまま看過することはできない。また、UVAは、肌の中に浸透し、真皮の下層まで到逹するため、真皮層に関する紫外線の直接的な影響が、光老化と呼ばれる慢性的な紫外線傷害と関連していることを考えるべきである。
【0027】
UVAとUVBを互いに比較してみれば、UVAは、多くの量が地表に到逹するが、紫外線の強さは弱くて、表皮及び真皮層まで肌に透過し、肌の黒化、コラーゲン、エラスチン等肌弾力成分を破壊することによって、肌老化(しわ)の原因となるものと知られており、UVBは、地表到達量は、UVAに比べて相対的に少ないが、紫外線の強さは強くて、大部分表皮で散乱反射するが、紅斑及び炎症を誘発し、肌の異常角化現象が発生する。
【0028】
一般的に、紫外線遮断効果は、SPF(Sun Protection Factor)で表示し、SPF=紫外線遮断剤品を塗った肌のMED/紫外線遮断剤品を塗っていない肌のMDE;MDE(Minimal Erythma Does−紅斑を起こすのに所要される最小紫外線量(時間))を意味する。但し、紫外線に露出して紅斑が現れる時間は、天気、人種及び人ごとに異なり、韓国の場合、夏季にMEDは約10〜30分程度であると知られている。SPFは、紫外線による紅斑が起きることを防止する程度を示すものであって、主にUVB遮断効果を意味する。これは、SPFが高い製品を塗って日光に露出されると、相対的に肌の黒化及び老化に影響が強いUVAには、無防備状態で露出される可能性があるということである。したがって、高いSPFだけでなく、UVAをも効果的に遮断できる製品を作ることが重要である。UVAの遮断効果は、PA+、PA++、PA+++で表示し、これは、次の式で計算する。
【0029】
PFA=紫外線遮断剤品を塗った肌のMPPD/紫外線遮断剤品を塗っていない肌のMPPD、ここでMPPD(Minimal Persistent Pigment Darkening Does)は、黒化を起こすのに所要される最小持続型即時黒化量(時間)である。これは、SPFとは異なって、具体的な数値で示しにくいため、「PFA2以上4未満(PA+)−UVA遮断効果がある、PFA4以上8未満(PA++)−UVA遮断効果が非常に高い、PFA8以上(PA+++)−UVA遮断効果が非常に高い」のように、一定範囲に分けて表示するように規定されている。
【0030】
紫外線から来る皮膚傷害は、日焼け(Sunburn)セル、紅斑、黒化(即時型黒化、遅延型黒化)、免疫抑制等のような急性傷害と光老化、皮膚癌のような慢性傷害に区分できる。
【0031】
一般的に、紫外線遮断剤は、分子内に二重結合を有する化合物であって、紫外線を受けると、分子内の電子のエネルギー準位が上昇し、励起状態になり、且つ紫外線を吸収するp−アミノベンゾイン酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体等のような紫外線吸収剤と、物理的に紫外線を散乱させることによって、紫外線が肌に直接当接しないようにする素材である酸化チタン、酸化亜鉛のような紫外線散乱剤、耐水性の増大を目的に使用するセルロース系、PVP/アルファオレフィン系重合体、アクリル酸重合体、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂等樹脂類及び高分子被膜形成剤に区分できる。
【0032】
このような紫外線遮断化粧品を剤形化するために使用される一般的な原料としては、油脂、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等のような油性原料、陰イオン、陽イオン、両側性、非イオン系界面活性剤、紫外線遮断剤、粘増剤及び被膜形成剤として使用される高分子化合物、紫外線吸収及び遮断剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、染料及び顔料を含む色材、香料、防腐剤等が挙げられる。
【0033】
また、実際紫外線遮断機能に作用する有効成分としては、前記に言及した成分以外に、ケイ皮酸、グリセリルPABA、ドロメトリゾール、ジガロイルトリオレエート、3、(4−メチルベンジリデン)カンファー、メンチルアントラニレート、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−8、ブチルメトキシベンゾイルメタン、シノキセート、アデニンリボサイド、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリシレート、オクチルトリアゾン、パラアミノ安息香酸、2−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ホモサレート、ジンクオキサイド、チタンジオキサイド、イソアミル−p−メトキシシンナメート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジソジウムフェニルジベンジミダゾールテトラスルホネート、アモジ−ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、ポリシリコーン−15(マロン酸ジメチコジエチルベンザル)、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリデンジカンファースルホン酸及びその塩類等を含むことができる。
【0034】
しかし、このような紫外線遮断成分を肌、毛髪または繊維に使用する場合、処理後に次の洗浄時まで一時的な効果を提供するだけであり、洗浄または洗浄後には再処理しなければならないという不都合が常時存在している。
【0035】
一般的に、創傷は、外部から加えられた力によって身体組織の正常構造の連続性が破壊された状態で原因によって外力による皮下組織の毛細管が損傷された打撲傷、鋭い外力による傷である擦過傷、氷片、くぎ、木の枝等で汚染された傷である刺創、刀、ガラス破片及び手術による傷である切創、鈍重な外力による肌が破れる傷である挫創、肌が引っ張られるか、垂れて生じた傷である裂創等に分類され得る。
【0036】
創傷の治癒効果を増大させるために使用される方法は、初期乾燥治療方法で創傷を覆って、乾燥に維持管理することによって、創傷を治癒する方法と、既存乾燥治療剤の短所である、創傷面と固着性を無くして、上皮化に損傷を与えないための方法であって、不織布ガーゼ、非固着性ガーゼ、非固着性吸収パッド等がある。湿潤治療方法として、床ずれ等慢性難治性肌潰ようの治療に画期的に役立つ代表的治療剤は、フィルム、充填型ビーズ、ハイドロコロイド、アルジネート、ポリウレタンフォーム、ハイドロゲル等がある。最近広く使用されている薬物伝達システムは、治癒が難しい慢性創傷の治療に効果的な方法であり、成長因子が創傷治癒過程を調節し、効果的な創傷治療が可能な方法であって、代表的な生体接合成分として、成長因子、生理活性物質、壊死組織除去剤、抗菌被覆剤等を含む。
【0037】
このような創傷等の肌損傷部位治療のための生体接合用組成物の目的は、創傷部位を効果的に且つ迅速に治療しながらも、傷あとを残さないようにして、傷部位を本来状態の肌のように美化し、魅力を増加させる目的で使用される。
【0038】
また、生体接合用組成物は、毛髪の割れを接合するための用途としても使用可能である。
肌または毛髪間の接合が可能な生体接合用組成物は、一般的に肌をケアするための洗顔、整頓、基礎用の肌または毛髪間の接合が可能な機能の組成物またはベース、ポイント用製品等の肌または毛髪間の接合が可能な機能の組成物を含んでいる。頭皮のための肌または毛髪間の接合が可能な機能の組成物には、まず、洗浄、トリートメント、整髪、養毛、育毛用トリートメント等のような頭皮用の肌または毛髪間の接合が可能な機能の組成物を含むこともできる。
【0039】
このような肌または毛髪間の接合が可能な機能の組成物を構成するために使用される一般的な原料としては、油脂、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等のような油性原料、陰イオン、陽イオン、両側性、非イオン系界面活性剤、保湿剤、粘増剤及び被膜形成剤に使用される高分子化合物、紫外線吸収及び遮断剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、染料及び顔料を含む色材、香料、防腐剤等を含んでいる。
【0040】
しかし、このような肌または毛髪間の接合が可能な生体接合用組成物原料及び薬剤成分だけで肌または毛髪に使用する場合には、処理後に次の洗浄まで一時的な効果を提供するだけで、洗浄後には再処理しなければならないという不都合及び効果持続性の限界が常時存在している。
【0041】
特許文献1には、肌または毛髪用非水系パーソナルケア製品に関するもので、非水系パートに毛髪または肌の表面のタンパク質残基と共有結合が可能な官能基であって、カーボネート(carbonate)、アルデヒド(aldehyde)、プロピオンアルデヒド(propionaldehyde)、ブチルアルデヒド(butylaldehyde)、ニトロフェニルカーボネート(nitrophenyl carbonate)、アジリジン(aziridine)、イソシアネート(isocyanate)、チオシアネート(thiocyanate)、エポキシド(epoxide)、トシルレイト(tosylate)、スクシンイミド(succinimide)、ヒドロキシスクシンイミジルエステル(hydroxysuccinimidyl ester)、イミダゾール(imidazole)、オキシカルボニルイミダゾール(oxycarbonylimidazole)、イミン(imine)、チオール(thiol)、マレイミド(maleimide)、ビニルスルホン(vinylsulfone)、エチレンイミン(ethyleneimine)、チオエーテル(thioether)、アクリロニトリル(acrylonitrile)、アクリル酸またはメタクリル酸エステル(acrylic acid or methacrylic ester)、ジスルフィド(disulfide)、ケトン(ketone)及びRXで表示される官能基(Rは、アルキル、アリール、アラルキル、環及び不飽和環よりなる群から選択されたいずれか1つであり、Xは、I、BrまたはClである)よりなる群から選択されたいずれか1つ以上を有するコンディショニング成分を含み、且つ非水系パートと水系パートとに分離しており、使用直前に混合して使用することを特徴とする毛髪または肌用パーソナルケア製品を開示しているが、前記に提示された多様な官能基の場合、人体に有害であるか、または毛髪または肌を構成するタンパク質のアミノ酸のうちその含量が毛髪(1.9〜3.1%)、肌ケラチン(3.1〜6.9%)程度の少ない量を含有するリシンを標的するか、毛髪(16.6〜18%)、肌ケラチン(2.3〜3.8%)程度のシステインを標的して反応させるため、反応効率が低下し、各々の物質を1つ1つ別に合成しなければならない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】韓国特許公開第2008−0064467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0043】
本発明の目的は、毛髪、肌、繊維または皮に損傷なしに半永久的な染色効果を持続的に付与できる染色剤組成物を提供することにある。
【0044】
また、本発明の他の目的は、毛髪または肌に損傷なしに半永久的な保湿効果を持続的に付与できる保湿用化粧料組成物を提供することにある。
【0045】
また、本発明のさらに他の目的は、毛髪または肌に損傷なしに半永久的なコンディショニング効果を持続的に付与できるコンディショニング化粧料組成物を提供することにある。
【0046】
また、本発明のさらに他の目的は、毛髪、肌または繊維に損傷なしに半永久的な紫外線遮断効果を持続的に付与できる紫外線遮断用組成物を提供することにある。
【0047】
また、本発明のさらに他の目的は、毛髪または肌に損傷なしに半永久的な生体接合効果を持続的に付与できる生体接合用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0048】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、カルボジイミド系化合物及び染料を含む染色剤組成物を提供する。
【0049】
前記課題を解決するための他の手段として、本発明は、カルボジイミド系化合物及び保湿成分を含む保湿用化粧料組成物を提供する。
【0050】
前記課題を解決するためのさらに他の手段として、本発明は、カルボジイミド系化合物及びコンディショニング成分を含むコンディショニング化粧料組成物を提供する。
【0051】
前記課題を解決するためのさらに他の手段として、本発明は、カルボジイミド系化合物及び紫外線遮断成分を含む紫外線遮断用組成物を提供する。
【0052】
前記課題を解決するためのさらに他の手段として、本発明は、カルボジイミド系化合物及び生体接合成分を含む生体接合用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0053】
本発明による染色剤組成物は、毛髪、肌、繊維または皮のタンパク質残基と共有結合が可能な特定の官能基を導入した反応性染料及び/またはカルボジイミド系化合物が含有されていて、毛髪、肌、繊維または皮に損傷なしに共有結合を形成し、半永久的に所望の色相を提供する。
【0054】
本発明による保湿用化粧料組成物は、毛髪または肌のタンパク質残基と共有結合が可能な特定の官能基を導入した反応性保湿成分及び/またはカルボジイミド系化合物が含有されていて、毛髪または肌に損傷なしに共有結合を形成し、半永久的に保湿効果を提供する。
【0055】
本発明によるコンディショニング化粧料組成物は、毛髪または肌のタンパク質残基と共有結合が可能な特定の官能基を導入した反応性コンディショニング成分及び/またはカルボジイミド系化合物が含有されていて、毛髪または肌に損傷なしに共有結合を形成し、半永久的にコンディショニング効果を提供する。
【0056】
本発明による紫外線遮断用組成物は、毛髪、肌または繊維のタンパク質残基と共有結合が可能な特定の官能基を導入した反応性紫外線遮断成分及び/またはカルボジイミド系化合物が含有されていて、毛髪、肌または繊維に損傷なしに共有結合を形成し、半永久的に紫外線遮断効果を提供する。
【0057】
本発明による生体接合用組成物は、毛髪または肌のタンパク質残基と共有結合が可能な特定の官能基を導入した反応性生体接合成分及び/またはカルボジイミド系化合物が含有されていて、毛髪または肌に損傷なしに共有結合を形成し、半永久的に生体接合効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】10回シャンプー後の比較例1と実施例1に対するヤクの毛の染色状態を示す写真である。
図2】1回シャンプー後、10回シャンプー後の実施例4と5に対する羊毛布の染色状態を示す写真である。
図3】本発明の実施例42による生体接合用組成物を毛髪に処理する前と後の毛髪状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明は、カルボジイミド系化合物及び染料を含む染色剤組成物に関する。
本発明による染色剤組成物は、例えば、既存に知られた染料にカルボジイミド系化合物を反応させて、カルボジイミド基が結合された反応性染料を介して毛髪、肌、繊維または皮のタンパク質と共有結合を形成させることによって、染料活性を極大化させることができる。
【0060】
前記カルボジイミド系化合物は、全体組成物100重量部に対して0.001〜10重量部、0.01〜7重量部または0.1〜5重量部を使用できる。その含量が0.001重量部未満であれば、持続的な染色効果が現れにくい問題があり、10重量部を超過すると、肌に存在する反応位置以上に過度に存在するカルボジイミド系化合物が肌と反応しない状態で効能物質と反応することによって、持続性の向上に役立たずに、損失される成分として作用し得る問題がある。
【0061】
本発明で使用される染料は、発色団としてNO、N=N、C=O、C=C、C=N、C=S、N=O及びN=NOよりなる群から選択された1つ以上の原子団を含むことができるが、これに制限されない。また、前記染料は、調色団として−OCH、−N(CH、−NH(CH)、−NO、−CF、−OH、−OCH、−Cl及び−NHよりなる群から選択された1つ以上の原子団を含むことができるが、これに制限されない。また、前記染料は、−COONa、−COOK、−COOH、−NH、−NHR、−NR、−Cl、−Br、−I及び−Fよりなる群から選択された1つ以上の反応基を含むことができるが、これに制限されない。また、前記染料は、毛髪、肌、繊維、皮等に使用する天然染料または合成染料であることができ、前記天然染料は、プルプリン(purpurin)、ムンジスチン(Munjistin)、メラニン(Melanin)またはメラニン前駆体であることができるが、これに制限されず、前記合成染料は、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色201号、赤色202号、赤色220号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色405号、黄色4号、黄色202号、橙子色207号、赤色106号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、黄色404号、黄色405号、青色403号、ディスパースブルー1(Disperse Blue 1)、ディスパースバイオレット1(Disperse Violet 1)、ディスパースオレンジ3(Disperse Orange 3)、ディスパースブラック9(Disperse Black 9)、エイチシーブルー2(HC Blue 2)、エイチシーレッド3(HC Red 3)、エイチシーイエロー5(HC Yellow 5)またはエイチシーレッド1(HC Red 1)であることができるが、これに制限されない。
【0062】
前記染料は、全体組成物100重量部に対して0.001〜50重量部、0.001〜30重量部、0.01〜10重量部または0.1〜5重量部を使用することが好ましい。その含量が0.001重量部未満であれば、効果的な性能発揮限界の問題があり、50重量部を超過すると、剤形化及び剤形安定化に問題がある。
【0063】
特に、本発明で染料は、分子内にカルボキシル基またはアミン基を含むことによって、カルボジイミド系化合物との反応効率を増大させることができる。
【0064】
また、本発明で染料は、毛髪、肌、繊維または皮の表面のタンパク質残基と共有結合する官能基を有するものであることができる。
【0065】
前記タンパク質と共有結合する官能基は、カルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上であることができるが、これに制限されない。
【0066】
また、前記タンパク質は、チオール(thiol)、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)またはアミン(amine)の反応性残基を含むことができる。
【0067】
前記カルボジイミド系化合物は、下記化学式1で表示される構造を分子内に含む化合物を総称する。
【0068】
[化学式1]
−N=C=N−
【0069】
前記カルボジイミド系化合物は、化学式1の構造が最小限1個〜1000個程度を含むことが好ましく、化学式1で表示された構造を分子内に1個〜100個を含むことがより好ましく、化学式1で表示される構造を分子内に1個〜10個含むことがさらに好ましい。
【0070】
この場合において1つの分子内に化学式1で表示されるカルボジイミド基が1000個を超過すると、原料の粘度が非常に大きく、分子量が非常に過度に大きく、反応できる反応位置が非常に過度に多くなり、カルボジイミド基を保有する分子が非常に巨大になって、実質的な機能を有する分子の機能効果を示す部分を遮ることによって、効率が低下する問題が発生する。
【0071】
本発明においてカルボジイミド系化合物の具体的な例としては、下記化学式2で表示される化合物であることができ、下記化学式2でnが4であり、mが11である化合物は、ベンゼン、1、3、−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)−、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ−メ−エーテル−ブロックト(Benzene、1、3−bis(1−isocyanato−1−methylethyl)−、homopolymer、polyethylene glycol mono−Me−ether−blocked)(以下、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物という)と命名される。
【0072】
【化1】
【0073】
前記化学式2で、nは、1〜100であり、mは、1〜100である。
【0074】
本発明においてカルボジイミド系化合物の他の例として、下記化学式3で表示される化合物であって、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)を使用できる。
【0075】
【化2】
【0076】
本発明による染色剤組成物の好ましい一具現例として、カルボキシル基を有する染料を、直接生体反応性を有する反応性エステル染料形態に作るか、毛髪(17.5〜21.9%)、肌ケラチン(15.5〜23.5%)または繊維(19〜23%)に過量存在するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)を反応性エステル化させて、アミン基を含む染料が標的化できるカルボジイミド系化合物を使用して反応性を有するエステル形態(反応性染料)を作って反応効率を増大させることによって、その効果を確実に増大させることができる。また、その他、他のアミノ酸を標的できるカルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイドのような官能基を分子内に含む染料を使用してその効果をさらに増大させることができる。
【0077】
より好ましい具現例として、カルボキシル基を有する染料分子または肌または毛髪のタンパク質の表面に、まず、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)のようなカルボジイミド系化合物を1次反応して反応性エステルを形成し、形成された反応性エステル官能基にさらにアミンを分子内に有する染料を反応させるか、毛髪、肌、繊維または皮の表面のアミンと反応させることによって、人体に穏やかで且つマイルドした条件で優れた染色効果を得ることができる。前記反応時には、好ましくは、pH2〜10の条件で反応が可能であり、より好ましくは、pH3〜9で反応することが好ましく、最も好ましくは、pH4〜5程度の酸性ないし弱酸性水溶液上で反応することが、最も反応効率が増大され得る。反応は、1分〜30分以内に完結される。
【0078】
下記反応式1でカルボキシル基を有する染料分子がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する生体のアミノ酸と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0079】
【化3】
【0080】
下記反応式2で毛髪のタンパク質表面のカルボキシル基を有する生体アミノ酸であるアスパラギン酸及びグルタミン酸がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する染料と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0081】
【化4】
【0082】
カルボジイミド系化合物によって毛髪のタンパク質と染料の反応効率を増大させて、毛髪に結合された反応性染料は、シャンプーや洗剤、せっけん等による一般的な洗浄時に離脱しにくくなり、ほぼ永久的に毛髪に付着した状態を維持できる。
【0083】
前記反応式は、毛髪に関する代表的な例として、毛髪以外に肌、繊維、皮等にも適用可能である。
【0084】
本発明は、また、染料にカルボジイミド基、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上のタンパク質と共有結合する官能基が結合された反応性染料を含むことができる。
【0085】
例えば、前記反応式1のように、カルボジイミド系化合物を1次反応させて生成されたカルボジイミド基が結合された染料(反応性染料)を含むことができる。
【0086】
また、本発明は、前記反応性染料を含む染色剤組成物を含むことができる。
本発明による染色剤組成物において付随的に効果増大のためにパルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)等の脂肪酸、脂肪アルコール、直鎖と分岐鎖の長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン化界面活性剤、陽イオン化セルロース、陽イオン化グアー、陽イオン化ポリビニルピロリドン等の陽イオン化ポリマー、シリコーン等と混用する場合、製剤化が容易になり得る。また、剤形化のために、溶剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、パール化剤、外観改善剤、顔料、粉体粒子等の製剤化のための成分を付随的に含むことができる。前記製剤化のための成分は、全体組成物100重量部に対して40〜99重量部を使用できる。
【0087】
本発明による染色剤組成物は、官能基を有する染料成分を含み、すべての毛髪及び肌の染色剤組成物の処方に利用され得る。染色剤組成物の例としては、プレシャンプー(pre−shampoo)組成物、シャンプー、リンストリートメント、ワックス、スプレー、ヘアムース、ヘアローション、エッセンス、ヘアクリーム、永久染毛剤、一時染毛剤、パーマ剤、不織布、シート等の毛髪及び人体に使用できる化粧品製剤をすべて含むことができ、肌においてもすべての製剤を含むことができる。繊維製品の場合には、繊維染色剤等の製剤を含むことができる。
【0088】
より好ましくは、本発明による染色剤組成物は、カルボジイミド系化合物を含むと同時に、反応性官能基を有する染料を含み、前記製剤が水系で活性が低下する場合には、非水系剤形でその活性を維持することがより容易であり、使用直前にpH調節のために緩衝液(buffer)と混合するか、洗浄過程で水と接触する方法で反応が起きるようにしてもよい。非水系剤形の例としては、通常の非水系化粧品製剤として使用される液状タイプ、シートタイプ、粉末粉体タイプ、錠剤タイプ、オイル、ワックス、アンプル、ジェル等が挙げられる。また、カルボジイミド系化合物と染料をカプセル化形態の単一剤または各々分離した形態の2剤に剤形化することができる。また、カプセル化を通じて反応性を有する官能基と染料機能を有する成分が結合された形態の誘導体を水分から遮断する方法も用いられる。
【0089】
本発明による染色剤組成物において官能基を有する染料の効果を増大させるために、ジオクチルスクシネート、ジオクチルアジペート、ジエチルセバケート等のような2−塩基酸エステル油とポリオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブタンジオール及びそれらの異性体、グリセロール、ベンジルアルコール、エトキシジグリコール及びその誘導体を使用できる。前記言及された溶剤は、毛髪、肌、繊維または皮の浸透性を増加させて難溶性物質の溶剤として用いられる。より好ましくは、官能基を有する染料の活性油脂効果を増大させるために使用される溶剤は、ジエチルセバケート、エトキシグリコール、ビス−エトキシグリコールシクロヘキサン1、4−ジカルボキシレート等がある。
【0090】
本発明は、カルボジイミド系化合物及び保湿成分を含む保湿用化粧料組成物に関する。
本発明による保湿用化粧料組成物は、例えば、既存に知られた保湿成分にカルボジイミド系化合物を反応させて、カルボジイミド基が結合された反応性保湿成分を介して毛髪または肌のタンパク質と共有結合を形成させることによって、保湿効果を極大化させることができる。
【0091】
前記カルボジイミド系化合物は、全体化粧料組成物100重量部に対して0.001〜10重量部、0.01〜7重量部または0.1〜5重量部を使用できる。その含量が0.001重量部未満であれば、持続的な保湿効果が現れにくい問題があり、10重量部を超過すると、肌に存在する反応位置以上に過度に存在するカルボジイミド系化合物が肌と反応しない状態で効能物質と反応することによって、持続性の向上に役立たずに、損失される成分として作用できる問題がある。
【0092】
本発明において、「保湿効果」というのは、ヒトの肌や毛髪等に正常な水分を維持することによって、柔らかくて且つ生気があるように見せ、割れ、荒れ等の損傷を防止する機能を意味する。
【0093】
本発明で使用される保湿成分は、動・植物、鉱物等の天産物由来抽出物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖類、ビタミン等のように肌または毛髪の損傷部位を充填できる保湿作用成分を含むことができるが、これに制限されない。例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリルグリコール、ジグリセリン、メチルグルセス、エトキシジグリコール、グリセレス、プロパンジオール、ジエトキシジグリコールピロリドンカルボン酸、ソジウムラクテート、ソジウムPCA、ミネラルオイル、ワセリン、ラノリン、ホホバオイル、オリーブオイル、グリコスフィンゴリピド、ホスホリピド、脂質混合体、イソノニルイソノナノエート、ベタイン、カルボキシメチルキチン、セラマイド、グルコシルセラマイド、グリコースアミノグルカン、アルファ−グルカン、ヒアルロン酸、ハイドロライズドヒアルロン酸、ベタイン、キトサン、キトサンスクシンアミド、ビタミンE(トコフェロール)、ウレア、ヒドロキシエチルウレア、グルコシド類、ガンマPGA、キシリチルグルコシド、キシリトール、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ソジウムコンドロイチンサルフェート、コンドロイチン−4−サルフェート、アテロコラゲン、ベータグルカン、PEG、ピリドキシントリス−ヘキシルデカノエート、ポタシウムPCA、ソジウムポリガンマ−グルタメート、ポリグルタミン酸、グリセリルポリアクリレート、ガラクトアラビナン、ポリグリセリン−3クロスポリマー、ソジウムヒアルロネート、ビス−PEG−18メチルエーテルジメチルシラン、ビス−エトキシジグリコールスクシネート、レシチン、アスコビルテトライソパルミテート、グリコシルトレハロス、ヒドロゼネイティドスターチヒドロールセイト(Hydrogenated Starch Hydrolysate)、1、2−ヘキサンジオール、マンニトール、アルジニン、セリン、スクロース、PCA、シトルリン、グリコゲン、ヒスチジンHCL、アラニン、スレオニン、グルタミン酸、リシンHCL、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate Buffered Saline)、クレアチン、コレステリルイソステアレート、コレステリルクロライド、コレステリルノナノエート、BHT、ソジウムジラウラミドグルタミドリシン、マルトデクストリン、ポリクオタ
ニウム−39、コレカルシフェロールPEG−12エーテル、サッカライドイソマレイト、ソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選択された1つ以上であることができる。
【0094】
前記保湿成分は、全体化粧料組成物100重量部に対して0.001〜50重量部、0.001〜30重量部、0.01〜10重量部または0.1〜5重量部を使用することが好ましい。その含量が0.001重量部未満であれば、効果的な性能発揮限界の問題があり、50重量部を超過すると、剤形化及び剤形安定化に問題がある。
【0095】
特に、本発明で保湿成分は、分子内にカルボキシル基またはアミン基を含むことによって、カルボジイミド系化合物との反応効率を増大させることができる。
【0096】
また、本発明で保湿成分は、毛髪または肌の表面のタンパク質残基と共有結合する官能基を有するものであることができる。
【0097】
前記タンパク質と共有結合する官能基は、カルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上であることができるが、これに制限されない。
【0098】
また、前記タンパク質は、チオール(thiol)、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)またはアミン(amine)の反応性残基を含むことができる。
【0099】
前記カルボジイミド系化合物は、下記化学式1で表示される構造を分子内に含む化合物を総称する。
【0100】
[化学式1]
−N=C=N−
【0101】
前記カルボジイミド系化合物は、化学式1の構造が最小限1個〜1000個程度を含むことが好ましく、化学式1で表示された構造を分子内に1個〜100個を含むことがより好ましく、化学式1で表示される構造を分子内に1個〜10個含むことがさらに好ましい。
【0102】
この場合において、1つの分子内に化学式1で表示されるカルボジイミド基が1000個を超過すると、原料の粘度が非常に大きく、分子量が非常に過度に大きく、反応できる反応位置が非常に過度に多くなり、カルボジイミド基を保有する分子が非常に巨大になって、実質的な機能を有する分子の機能効果を示す部分を遮ることによって、効率が低下する問題が発生する。
【0103】
本発明においてカルボジイミド系化合物の具体的な例としては、下記化学式2で表示される化合物であることができ、下記化学式2でnが4であり、mが11である化合物は、ベンゼン、1、3、−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)−、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ−メ−エーテル−ブロックト(Benzene、1、3−bis(1−isocyanato−1−methylethyl)−、homopolymer、polyethylene glycol mono−Me−ether−blocked)(以下、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物という)と命名される。
【0104】
【化5】
【0105】
前記化学式2で、nは、1〜100であり、mは、1〜100である。
【0106】
本発明においてカルボジイミド系化合物の他の例として、下記化学式3で表示される化合物として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)を使用できる。
【0107】
【化6】
【0108】
本発明による保湿用化粧料組成物の好ましい一具現例として、カルボキシル基を有する保湿成分を直接生体反応性を有する反応性エステル保湿成分形態に作るか、毛髪(17.5〜21.9%)及び肌ケラチン(15.5〜23.5%)に過量存在するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)を反応性エステル化させて、アミン基を含む保湿成分が標的化できるカルボジイミド系化合物を使用して反応性を有するエステル形態(反応性保湿成分)を作って反応効率を増大させることによって、その効果を確実に増大させることができる。また、その他、他のアミノ酸を標的できるカルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイドのような官能基を分子内に含む保湿成分を使用してその効果をさらに増大させることができる。
【0109】
より好ましい具現例として、カルボキシル基を有する保湿成分分子または肌または毛髪のタンパク質の表面に、まず、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)のようなカルボジイミド系化合物を1次反応して反応性エステルを形成し、形成された反応性エステル官能基にさらにアミンを分子内に有する保湿成分を反応させるか、毛髪または肌の表面のアミンと反応させることによって、優れた保湿効果を得ることができる。前記反応時には、好ましくは、pH2〜10の条件で反応が可能であり、より好ましくは、pH3〜9で反応することが好ましく、最も好ましくは、pH4〜5程度の酸性ないし弱酸性水溶液上で反応することが最も反応効率が増大され得る。反応は、1分〜30分以内に完結される。
【0110】
下記反応式3でカルボキシル基を有する保湿成分分子がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する生体のアミノ酸と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0111】
【化7】
【0112】
下記反応式4で毛髪または肌のタンパク質表面のカルボキシル基を有する生体アミノ酸であるアスパラギン酸及びグルタミン酸がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する保湿成分と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0113】
【化8】
【0114】
カルボジイミド系化合物によって毛髪または肌のタンパク質と保湿成分の反応効率を増大させて毛髪または肌に結合された反応性保湿成分は、シャンプーやせっけん等による一般的な洗浄時に離脱しにくくなり、ほぼ永久的に毛髪または肌に付着した状態を維持できる。
【0115】
本発明は、また、保湿成分にカルボジイミド基、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上のタンパク質と共有結合する官能基が結合された反応性保湿成分を含むことができる。
【0116】
例えば、前記反応式1のようにカルボジイミド系化合物を1次反応させて生成されたカルボジイミド基が結合された保湿成分を含むことができる。また、本発明は、前記反応性保湿成分を含む保湿用化粧料組成物を含むことができる。
【0117】
本発明による保湿用化粧料組成物において付随的に効果増大のためにパルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)等の脂肪酸、脂肪アルコール、直鎖と分岐鎖の長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン化界面活性剤、陽イオン化セルロース、陽イオン化グアー、陽イオン化ポリビニルピロリドン等の陽イオン化ポリマー、シリコーン等と混用する場合、製剤化が容易になり得る。また、化粧品製剤への剤形化のために、溶剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、パール化剤、外観改善剤、顔料、粉体粒子等の化粧品製剤化のための成分を付随的に含むことができる。前記製剤化のための成分は、全体組成物100重量部に対して40〜99重量部を使用できる。
【0118】
本発明による保湿用化粧料組成物は、官能基を有する保湿機能の成分を含み、保湿用化粧料組成物の処方に用いられる。肌製品の適用例としては、一般的に肌を整頓、保護用の基礎化粧品(化粧水、セラム、エッセンス、ローション、クリーム等)、色調化粧品(メーキャップベース、ファンデーション、パウダー、アイシャドー、リップグローズ、リップスティック、リップバム等)、手足の爪用メーキャップ(マニキュア、栄養剤、強化剤、トップコート等)、洗浄用化粧品(フォームクレンジング、クレンジングオイル、クレンジングローション、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、パック、マスク、せっけん、クレンジングティッシュペーパ等)、サンケア化粧品、ボディー用化粧品(ボディーローション、シャワー用ジェル、ボディークリーム、ボディーオイル等)をすべて含むことができ、毛髪においてもシャンプー、リンス、トリートメント、ヘアパック、ヘアエッセンス、ワックス、ジェル、スプレー等のすべての製剤を含むことができる。
【0119】
より好ましくは、本発明による保湿化粧料組成物は、カルボジイミド系化合物を含む同時に、反応性官能基を有する保湿成分を含み、前記製剤が水系で活性が低下する場合には、非水系剤形でその活性を維持することがより容易であり、使用直前にpH調節のために緩衝液(buffer)と混合するか、洗浄過程で水と接触する方法で反応が起きるようにすることもできる。非水系剤形の例としては、通常の非水系化粧品製剤として使用される液状タイプ、シートタイプ、粉末粉体タイプ、錠剤タイプ、オイル、ワックス、アンプル、ジェル等が挙げられる。また、カルボジイミド系化合物と保湿成分をカプセル化形態の単一剤または各々分離した形態の2剤に剤形化することができる。また、カプセル化を通じて反応性を有する官能基と保湿機能を有する成分が結合された形態の誘導体を水分から遮断する方法も用いられる。
【0120】
本発明による保湿用化粧料組成物で官能基を有する保湿効果を増大させるために、ジオクチルスクシネート、ジオクチルアジペート、ジエチルセバケート等のような2−塩基酸エステル油とポリオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブタンジオール及びそれらの異性体、グリセロール、ベンジルアルコール、エトキシジグリコール及びその誘導体を使用できる。前記言及された溶剤は、毛髪または肌の浸透性を増加させ、難溶性物質の溶剤として用いられる。より好ましくは、官能基を有する保湿成分の活性油脂効果を増大させるために使用される溶剤は、ジエチルセバケート、エトキシグリコール、ビス−エトキシグリコールシクロヘキサン1、4−ジカルボキシレート等がある。
【0121】
本発明は、カルボジイミド系化合物及びコンディショニング成分を含むコンディショニング化粧料組成物に関する。
【0122】
本発明によるコンディショニング化粧料組成物は、例えば、既存に知られたコンディショニング成分にカルボジイミド系化合物を反応させて、カルボジイミド基が結合された反応性コンディショニング成分を介して毛髪または肌のタンパク質と共有結合を形成させることによって、コンディショニング効果を極大化させることができる。
【0123】
前記カルボジイミド系化合物は、全体化粧料組成物100重量部に対して0.001〜10重量部、0.01〜7重量部または0.1〜5重量部を使用できる。その含量が0.001重量部未満なら持続的なコンディショニング効果が現れにくい問題があり、10重量部を超過すると、毛髪及び肌に存在する反応位置以上に過度に存在するカルボジイミド系化合物が肌と反応しない状態で効能物質と反応することによって、持続性の向上に役立たずに、損失される成分として作用できる問題がある。
【0124】
本発明において、「コンディショニング」というのは、肌や毛髪に滑らかさ、柔らかさ、落ち着き、つや、ボリューム感等有益な特性を付与することによって、肌や毛髪を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、または毛髪及び肌を元気に維持するために、身体に塗布、散布、その他これらと類似の方法で使用できる。コンディショニング効果により、例えば、光沢及びつや付与、静電気減少等の効果を示すことができる。
【0125】
本発明で使用されるコンディショニング成分は、動・植物、鉱物等の天産物由来抽出物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質等のように肌または毛髪の損傷部位を充填できるコンディショニング作用成分を含むことができるが、これに制限されない。例えば、ポリマー類、シリコーン類、脂肪アルコール類、脂肪酸類、ワックス類、エステル油及びこれらの誘導体よりなる群から選択された1つ以上であることができる。
【0126】
前記天産物由来抽出物としては、海藻抽出物、ひまわりの種抽出物、苦参抽出物、高麗人参抽出物、黄連抽出物、金せん花抽出物、白華樹液、白華抽出物、花草抽出物、ヘチマ抽出物、ベルガモット抽出物、扁柏抽出物、 高山紅景天抽出物、蒼朮抽出物、ツボクサ抽出物、紅参水、貝母抽出物、スズラン抽出物、蜂の巣抽出物、カシス抽出物、石榴抽出物、レモン抽出物、松の緑抽出物、緑茶抽出物、ブロッコリー抽出物、蜂蜜抽出物、クランベリー抽出物、ベリー抽出物、ラベンダー抽出物、レンズマメ抽出物、生姜水抽出物等を含むことができ、前記タンパク質及びペプチドとしては、天蚕シルク、シルク、ポリリシン、海藻、ウール及び毛髪、小麦から得られたタンパク質及びペプチド等を含むことができる。
【0127】
前記アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、セリン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパルト酸、アスパラギン、グルタミン酸、ジヨードチロシン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、オキシプロリン等を含むことができる。
【0128】
また、前記ポリマー類は、分子量1000〜100万程度の鎖(linier)及び分岐(branched)鎖型、ネットワーク(network)型ポリマー化合物を使用することができ、必要によって、これら炭素の間に二重結合やリング構造の多様な置換体が含まれた場合も使用することができ、分子内の末端のいずれか1つに生体反応性官能基を付着するための反応が容易となるように、−COONa、−COOK、−COOH、−NH、−NHR、−NR、−Cl、−Br、−I、または−F基のような生体反応基を付着するために、反応性を有する残基を少なくとも1つ以上分子内に含むことが好ましい。より好ましくは、炭素数10000〜50万程度の鎖及び分岐鎖型ポリマーであり、且つ分子内の末端のいずれか1つに生体反応性官能基を付着するための反応が容易となるように、−COONa、−COOK、−COOH、−NH、−NHR、−NR、−Cl、−Br、−I、または−F基のような生体反応基を付着するために、反応性を有する残基を少なくとも1つ以上分子内に含む化合物を使用できる。例えば、ポリアミンポリマー、ポリカルボン酸ポリマー、ポリマーとしてメタクリロイルエチルベタイン/メタクリレート共重合体(Methacryloylethyl Betaine/Methacrylate Copolymer)、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート共重合体(Octylacrylamide/Acrylates/Butylaminoethyl Methacrylate Copolymer)のような両側性のポリマーまたはポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone)、PVP/VA共重合体(PVP/VA Copolymer)、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(PVP/Dimethylaminoethylmethacrylate Copolymer)のような非イオン性ポリマー、そしてアクリレートメタクリレート共重合体(Acrylate Methacrylate Copolymer)、VA/クロトネイト/ビニルネオデカノエート共重合体(VA/Crotonates/Vinyl Neodecanoate Copolymer)のような陰イオン性ポリマー等であることができるが、これに制限されな
い。
【0129】
前記シリコーン類としては、例えば、ジメチコン、トリメチコン、フェニルトリメチコン、アモジメチコン、アモジフェニルトリメチコン、アモジ−ペンタフェニルトリメチコン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、フェニルトリメチコン、メチコン、シクロメチコン、アルキルメチルシロキサン、ジメチコンコポリオール、トリメチルシリルアモジメチコン形態の化合物であることができるが、これに制限されない。
【0130】
前記脂肪アルコール類は、炭素数10〜50個程度の鎖及び分岐型の脂肪アルコール化合物であって、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が好ましいが、これに制限されない。
【0131】
前記脂肪酸類は、炭素数10〜50個程度の鎖及び分岐型脂肪酸化合物として、例えば、18−メチルエイコサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が好ましいが、これに制限されない。
【0132】
前記ワックス類は、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ビーズワックス、ラノリン、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワックス、マイクロ結晶体ワックス、ポリエチレンワックス等であることができるが、これに制限されない。
【0133】
前記エステル油は、例えば、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルステアレートイソプロピルリノレート、デシルミリステート、セチルミリステート、セチルパルミテート、ハイドロゲンネイティドポリイソブテン(Hydrogenated polyisobutaine)等であることができるが、これに制限されない。
【0134】
前記コンディショニング成分は、全体化粧料組成100重量部に対して0.001〜50重量部、0.001〜30重量部、0.01〜10重量部または0.1〜5重量部を使用することが好ましい。その含量が0.001重量部未満であれば、有効成分による効果の提供に限界があり、50重量部を超過すると、剤形化及び剤形の経時安定性に問題があり、反応されずに損失される成分として作用する問題がある。
【0135】
特に、本発明でコンディショニング成分は、分子内にカルボキシル基またはアミン基を含むことによって、カルボジイミド系化合物との反応効率を増大させることができる。
【0136】
また、本発明でコンディショニング成分は、毛髪または肌の表面のタンパク質残基と共有結合する官能基を有するものであることができる。
【0137】
前記タンパク質と共有結合する官能基は、カルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上であることができるが、これに制限されない。
【0138】
また、前記タンパク質は、チオール(thiol)、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)またはアミン(amine)の反応性残基を含むことができる。
【0139】
前記カルボジイミド系化合物は、下記化学式1で表示される構造を分子内に含む化合物を総称する。
【0140】
[化学式1]
−N=C=N−
【0141】
前記カルボジイミド系化合物は、化学式1の構造が最小限1個〜1000個程度を含むことが好ましく、化学式1で表示された構造を分子内に1個〜100個を含むことがより好ましく、化学式1で表示される構造を分子内に1個〜10個含むことがさらに好ましい。
【0142】
この場合において1つの分子内に化学式1で表示されるカルボジイミド基が1000個を超過すると、原料の粘度が非常に大きく、分子量が非常に過度に大きく、反応できる反応位置が非常に過度に多くなって、カルボジイミド基を保有する分子が非常に巨大になって、実質的な機能を有する分子の機能効果を示す部分を遮ることによって、効率が低下する問題が発生する。
【0143】
本発明においてカルボジイミド系化合物の具体的な例としては、下記化学式2で表示される化合物であることができ、下記化学式2でnが4であり、mが11である化合物は、ベンゼン、1、3、−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)−、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ−メ−エーテル−ブロックト(Benzene、1、3−bis(1−isocyanato−1−methylethyl)−、homopolymer、polyethylene glycol mono−Me−ether−blocked)(以下、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物)と命名される。
【0144】
【化9】
【0145】
前記化学式2で、nは、1〜100であり、mは、1〜100である。
【0146】
本発明においてカルボジイミド系化合物の他の例として、下記化学式3で表示される化合物として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)を使用できる。
【0147】
【化10】
【0148】
本発明によるコンディショニング化粧料組成物の好ましい一具現例として、カルボキシル基を有するコンディショニング成分を直接生体反応性を有する反応性エステルコンディショニング成分形態に作るか、毛髪(17.5〜21.9%)及び肌ケラチン(15.5〜23.5%)に過量存在するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)を反応性エステル化させて、アミン基を含むコンディショニング成分が標的化できるカルボジイミド系化合物を使用して反応性を有するエステル形態(反応性コンディショニング成分)を作って反応効率を増大させることによって、その効果を確実に増大させることができる。また、その他、他のアミノ酸を標的できるカルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイドのような官能基を分子内に含むコンディショニング成分を使用してその効果をさらに増大させることができる。
【0149】
より好ましい具現例として、カルボキシル基を有するコンディショニング成分分子または肌または毛髪のタンパク質の表面に、まず、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)のようなカルボジイミド系化合物を1次反応して反応性エステルを形成し、形成された反応性エステル官能基にさらにアミンを分子内に有するコンディショニング成分を反応させるか、毛髪または肌の表面のアミンと反応させることによって、優れたコンディショニング効果を得ることができる。前記反応時には、好ましくは、pH2〜10の条件で反応が可能であり、より好ましくは、pH3〜9で反応することが好ましく、最も好ましくは、pH4〜5程度の酸性ないし弱酸性水溶液上で反応することが最も反応効率が増大され得る。反応は、1分〜30分以内に完結される。
【0150】
下記反応式5でカルボキシル基を有するコンディショニング成分分子がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する生体のアミノ酸と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0151】
【化11】
【0152】
下記反応式6で毛髪または肌のタンパク質表面のカルボキシル基を有する生体アミノ酸であるアスパラギン酸及びグルタミン酸がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有するコンディショニング成分と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0153】
【化12】
【0154】
カルボジイミド系化合物によって毛髪または肌のタンパク質とコンディショニング成分の反応効率を増大させて、毛髪または肌に結合された反応性コンディショニング成分は、シャンプーやせっけん等による一般的な洗浄時に離脱しにくくなり、ほぼ永久的に毛髪または肌に付着した状態を維持できる。
【0155】
本発明は、また、コンディショニング成分にカルボジイミド基、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上のタンパク質と共有結合する官能基が結合された反応性コンディショニング成分を含むことができる。
【0156】
例えば、前記反応式1のように、カルボジイミド系化合物を1次反応させて生成されたカルボジイミド基が結合されたコンディショニング成分を含むことができる。また、本発明は、前記反応性コンディショニング成分を含むコンディショニング化粧料組成物を含むことができる。
本発明によるコンディショニング化粧料組成物において付随的に効果増大のためにパルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)等の脂肪酸、脂肪アルコール、直鎖と分岐鎖の長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン化界面活性剤、陽イオン化セルロース、陽イオン化グアー、陽イオン化ポリビニルピロリドン等の陽イオン化ポリマー、シリコーン等と混用する場合、製剤化が容易になり得る。また、化粧品製剤への剤形化のために溶剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、パール化剤、外観改善剤、顔料、粉体粒子等の化粧品製剤化のための成分を付随的に含むことができる。前記製剤化のための成分は、全体組成物100重量部に対して40〜99重量部を使用できる。
【0157】
本発明によるコンディショニング化粧料組成物は、官能基を有するコンディショニング機能の成分を含み、コンディショニング化粧料組成物の処方に用いられる。肌製品の適用例としては、一般的に肌を整頓、保護用の基礎化粧品(化粧水、セラム、エッセンス、ローション、クリーム等)、色調化粧品(メーキャップベース、ファンデーション、パウダー、アイシャドー、リップグローズ、リップスティック、リップバム等)、手足の爪用メーキャップ(マニキュア、栄養剤、強化剤、トップコート等)、洗浄用化粧品(フォームクレンジング、クレンジングオイル、クレンジングローション、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、パック、マスク、せっけん、クレンジングティッシュペーパ等)、サンケア化粧品、ボディー用化粧品(ボディーローション、シャワー用ジェル、ボディークリーム、ボディーオイル等)をすべて含むことができ、毛髪においても、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアパック、ヘアエッセンス、ワックス、ジェル、スプレー等のすべての製剤を含むことができる。
【0158】
より好ましくは、本発明によるコンディショニング化粧料組成物は、カルボジイミド系化合物を含むと同時に、反応性官能基を有するコンディショニング成分を含み、前記製剤が水系で活性が低下する場合には、非水系剤形でその活性を維持することがより容易であり、使用直前にpH調節のために緩衝液(buffer)と混合するか、洗浄過程で水と接触する方法で反応が起きるようにすることもできる。非水系剤形の例としては、通常の非水系化粧品製剤として使用される液状タイプ、シートタイプ、粉末粉体タイプ、錠剤タイプ、オイル、ワックス、アンプル、ジェル等が挙げられる。また、カルボジイミド系化合物とコンディショニング成分をカプセル化形態の単一剤または各々分離した形態の2剤に剤形化することができる。また、カプセル化を通じて反応性を有する官能基とコンディショニング機能を有する成分が結合された形態の誘導体を水分から遮断する方法も用いられる。
【0159】
本発明によるコンディショニング化粧料組成物で官能基を有するコンディショニング効果を増大させるために、ジオクチルスクシネート、ジオクチルアジペート、ジエチルセバケート等のような2−塩基酸エステル油とポリオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブタンジオール及びそれらの異性体、グリセロール、ベンジルアルコール、エトキシジグリコール及びその誘導体を使用できる。前記言及された溶剤は、毛髪または肌の浸透性を増加させ、難溶性物質の溶剤として用いられる。より好ましくは、官能基を有するコンディショニング成分の活性油脂効果を増大させるために使用される溶剤は、ジエチルセバケート、エトキシグリコール、ビス−エトキシグリコールシクロヘキサン1、4−ジカルボキシレート等がある。
【0160】
本発明は、カルボジイミド系化合物及び紫外線遮断成分を含む紫外線遮断用組成物に関する。
本発明による紫外線遮断用組成物は、例えば、既存に知られた紫外線遮断成分にカルボジイミド系化合物を反応させて、カルボジイミド基が結合された反応性紫外線遮断成分を介して毛髪、肌または繊維のタンパク質と共有結合を形成させることによって、紫外線遮断効果を極大化させることができる。
【0161】
前記カルボジイミド系化合物は、全体組成物100重量部に対して0.001〜10重量部、0.01〜7重量部または0.1〜5重量部を使用できる。その含量が0.001重量部未満であれば、持続的な紫外線遮断効果が現れにくい問題があり、10重量部を超過すると、肌に存在する反応位置以上に過度に存在するカルボジイミド系化合物が肌または繊維と反応しない状態で効能物質と反応することによって、持続性の向上に役立たずに、損失される成分として作用し得る問題がある。
【0162】
本発明において、「紫外線遮断効果」というのは、肌や毛髪等を生活で露出される紫外線から保護し、紫外線によって現れる弊害及び損傷を防止する機能を意味する。
【0163】
本発明で使用される紫外線遮断成分は、p−アミノベンゾイン酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤、セルロース系、PVP/アルファオレフィン系重合体、アクリル酸重合体、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂等の樹脂類、高分子被膜形成剤を含むことができる。実際紫外線遮断機能を有する成分としては、例えば、ケイ皮酸、グリセリルPABA、ドロメトリゾール、ジガロイルトリオレエート、3、(4−メチルベンジリデン)カンファー、メンチルアントラニレート、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−8、ブチルメトキシベンゾイルメタン、シノキセート 、アデニンリボサイド、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリシレート、オクチルトリアゾン、パラアミノ安息香酸、2−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ホモサレート、ジンクオキサイド、チタンジオキサイド、イソアミル−p−メトキシシンナメート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジソジウムフェニルジベンジミダゾールテトラスルホネート、アモジ−ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、ポリシリコーン−15(マロン酸ジメチコジエチルベンザル)、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリデンジカンファースルホン酸及びその塩よりなる群から選択された1つ以上であることができる。
【0164】
前記紫外線遮断成分は、全体組成100重量部に対して0.001〜50重量部、0.001〜30重量部、0.01〜10重量部または0.1〜5重量部を使用することが好ましい。その含量が0.001重量部未満であれば、効果的な性能発揮限界の問題があり、50重量部を超過すると、剤形化及び剤形安定化に問題がある。
【0165】
特に、本発明で紫外線遮断成分は、分子内にカルボキシル基またはアミン基を含むことによて、カルボジイミド系化合物との反応効率を増大させることができる。
【0166】
また、本発明で紫外線遮断成分は、毛髪、肌または繊維の表面のタンパク質残基と共有結合する官能基を有するものであることができる。
【0167】
前記タンパク質と共有結合する官能基は、カルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上であることができるが、これに制限されない。
【0168】
また、前記タンパク質は、チオール(thiol)、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)またはアミン(amine)の反応性残基を含むことができる。
【0169】
前記カルボジイミド系化合物は、下記化学式1で表示される構造を分子内に含む化合物を総称する。
【0170】
[化学式1]
−N=C=N−
【0171】
前記カルボジイミド系化合物は、化学式1の構造が最小限1個〜1000個程度を含むことが好ましく、化学式1で表示された構造を分子内に1個〜100個を含むことがより好ましく、化学式1で表示される構造を分子内に1個〜10個含むことがさらに好ましい。
【0172】
この場合において1つの分子内に化学式1で表示されるカルボジイミド基が1000個を超過すると、原料の粘度が非常に大きく、分子量が非常に過度に大きく、反応できる反応位置が非常に過度に多くなり、カルボジイミド基を保有する分子が非常に巨大になって、実質的な機能を有する分子の機能効果を示す部分を遮ることによって、効率が低下する問題が発生する。
【0173】
本発明においてカルボジイミド系化合物の具体的な例としては、下記化学式2で表示される化合物であることができ、下記化学式2でnが4であり、mが11である化合物は、ベンゼン、1、3、−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)−、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ−メ−エーテル−ブロックト(Benzene、1、3−bis(1−isocyanato−1−methylethyl)−、homopolymer、polyethylene glycol mono−Me−ether−blocked)(以下、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物)と命名される。
【0174】
【化13】
【0175】
前記化学式2で、nは、1〜100であり、mは、1〜100である。
【0176】
本発明においてカルボジイミド系化合物の他の例として、下記化学式3で表示される化合物として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)を使用できる。
【0177】
【化14】
【0178】
本発明による紫外線遮断用組成物の好ましい一具現例として、カルボキシル基を有する紫外線遮断成分を、直接生体反応性を有する反応性エステル紫外線遮断成分形態に作るか、毛髪(17.5〜21.9%)、肌ケラチン(15.5〜23.5%)または繊維(19〜23%)に過量存在するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)を反応性エステル化させて、アミン基を含む紫外線遮断成分が標的化できるカルボジイミド系化合物を使用して反応性を有するエステル形態(反応性紫外線遮断成分)を作って反応効率を増大させることによって、その効果を確実に増大させることができる。また、その他、他のアミノ酸を標的できるカルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイドのような官能基を分子内に含む紫外線遮断成分を使用してその効果をさらに増大させることができる。
【0179】
より好ましい具現例として、カルボキシル基を有する紫外線遮断成分分子または肌または毛髪のタンパク質の表面に、まず、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)のようなカルボジイミド系化合物を1次反応して反応性エステルを形成し、形成された反応性エステル官能基にさらにアミンを分子内に有する紫外線遮断成分を反応させるか、毛髪、肌または繊維の表面のアミンと反応させることによって、優れた紫外線遮断効果を得ることができる。前記反応時には、好ましくは、pH2〜10の条件で反応が可能であり、より好ましくは、pH3〜9で反応することが好ましく、最も好ましくは、pH4〜5程度の酸性ないし弱酸性水溶液上で反応することが最も反応効率が増大され得る。反応は、1分〜30分以内に完結される。
【0180】
下記反応式7でカルボキシル基を有する紫外線遮断成分分子がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する生体のアミノ酸と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0181】
【化15】
【0182】
下記反応式8で毛髪、肌または繊維のタンパク質表面のカルボキシル基を有する生体アミノ酸であるアスパラギン酸及びグルタミン酸がカルボジイミド系化合物と1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する紫外線遮断成分と反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0183】
【化16】
【0184】
カルボジイミド系化合物によって毛髪、肌または繊維のタンパク質と紫外線遮断成分の反応効率を増大させて毛髪、肌または繊維に結合された反応性紫外線遮断成分は、シャンプーや洗剤、せっけん等による一般的な洗浄または洗浄時に離脱しにくくなり、ほぼ永久的に毛髪、肌または繊維に付着した状態を維持できる。
【0185】
本発明は、また、紫外線遮断成分にカルボジイミド基、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上のタンパク質と共有結合する官能基が結合された反応性紫外線遮断成分を含むことができる。
【0186】
例えば、前記反応式1のように、カルボジイミド系化合物を1次反応させて生成されたカルボジイミド基が結合された紫外線遮断成分を含むことができる。また、本発明は、前記反応性紫外線遮断成分を含む紫外線遮断用組成物を含むことができる。
【0187】
本発明による紫外線遮断用組成物において付随的に効果増大のためにパルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)等の脂肪酸、脂肪アルコール、直鎖と分岐鎖の長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン化界面活性剤、陽イオン化セルロース、陽イオン化グアー、陽イオン化ポリビニルピロリドン等の陽イオン化ポリマー、シリコーン等と混用する場合、製剤化が容易になり得る。また、化粧品製剤への剤形化のために、溶剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、パール化剤、外観改善剤、顔料、粉体粒子等の化粧品製剤化のための成分を付随的に含むことができる。前記製剤化のための成分は、全体組成物100重量部に対して40〜99重量部を使用できる。
【0188】
本発明による紫外線遮断用組成物は官能基を有する紫外線遮断機能の成分を含み、紫外線遮断用化粧料組成物の処方に用いられる。肌製品の適用例としては、一般的に肌を整頓、保護用の基礎化粧品(化粧水、セラム、エッセンス、ローション、クリーム等)、色調化粧品(メーキャップベース、ファンデーション、パウダー、アイシャドー、リップグローズ、リップスティック、リップバム等)、手足の爪用メーキャップ(マニキュア、栄養剤、強化剤、トップコート等)、洗浄用化粧品(フォームクレンジング、クレンジングオイル、クレンジングローション、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、パック、マスク、せっけん、クレンジングティッシュペーパ等)、サンケア化粧品、ボディー用化粧品(ボディーローション、シャワー用ジェル、ボディークリーム、ボディーオイル等)をすべて含むことができ、毛髪においても、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアパック、ヘアエッセンス、ワックス、ジェル、スプレー等のすべての製剤を含むことができ、繊維製品の場合には、繊維柔軟剤、液状洗剤、粉末洗剤、シートタイプ洗剤、繊維染色剤、繊維トリートメント、繊維リンス、漂白剤、部分汚染処理剤、繊維スタイリング剤、アイロンがけ補助剤、衣類保管剤のすべての製剤を含むことができる。
【0189】
より好ましくは、本発明による紫外線遮断用組成物は、カルボジイミド系化合物を含むと同時に、反応性官能基を有する紫外線遮断成分を含み、前記製剤が水系で活性が低下する場合には、非水系剤形でその活性を維持することがより容易であり、使用直前にpH調節のために緩衝液(buffer)と混合するか、洗浄過程で水と接触する方法で反応が起きるようにすることもできる。非水系剤形の例としては、通常の非水系化粧品製剤として使用される液状タイプ、シートタイプ、粉末粉体タイプ、錠剤タイプ、オイル、ワックス、アンプル、ジェル等が挙げられる。また、カルボジイミド系化合物と紫外線遮断成分をカプセル化形態の単一剤または各々分離した形態の2剤に剤形化することができる。また、カプセル化を通じて反応性を有する官能基と紫外線遮断機能を有する成分が結合された形態の誘導体を水分から遮断する方法も用いられる。
【0190】
本発明による紫外線遮断用組成物で官能基を有する紫外線遮断効果を増大させるために、ジオクチルスクシネート、ジオクチルアジペート、ジエチルセバケート等のような2−塩基酸エステル油とポリオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブタンジオール及びそれらの異性体、グリセロール、ベンジルアルコール、エトキシジグリコール及びその誘導体を使用できる。前記言及された溶剤は、毛髪、肌または繊維の浸透性を増加させて難溶性物質の溶剤として用いられる。より好ましくは、官能基を有する紫外線遮断成分の活性油脂効果を増大させるために使用される溶剤は、ジエチルセバケート、エトキシグリコール、ビス−エトキシグリコールシクロヘキサン1、4−ジカルボキシレート等がある。
【0191】
本発明は、カルボジイミド系化合物及び生体接合成分を含む生体接合用組成物に関する。
本発明による生体接合用組成物は、例えば、既存に知られた生体接合成分にカルボジイミド系化合物を反応させてカルボジイミド基が結合された反応性生体接合成分を介して毛髪または肌のタンパク質と共有結合を形成させることによって、生体接合効果を極大化させることができる。
【0192】
前記カルボジイミド系化合物は、全体組成物100重量部に対して0.001〜10重量部、0.01〜7重量部または0.1〜5重量部を使用できる。その含量が0.001重量部未満であれば、持続的な生体接合効果が現れにくい問題があり、50重量部を超過すると、肌に存在する反応位置以上に過度に存在するカルボジイミド系化合物が肌と反応しない状態で存在するようになって、損失される成分として作用し得る問題がある。
【0193】
本発明において、「生体接合効果」というのは、肌や毛髪等の生体組織の損傷部位を本来の状態で効果的に速く再生または接合させて、肌損傷または毛髪の割れを防止または改善する機能を意味する。
【0194】
本発明で使用される生体接合成分は、フィブリン、アルブミン、グルコサミン、n−アセチルグルコサミン、アルジネート、ハイドロゲル、成長因子、生理活性因子、壊死組織除去剤、枝毛接合剤、抗菌被覆剤等を含むことができる。前記成長因子としては、例えば、FGF(Fibroblast Growth Factor)、KGF(Keratinocyte Growth Factor)、VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)、EGF(Epidermal Growth Factor)、PDGF−AA(Platelet Derived Growth Factor AA)、PDGF−AB(Platelet Derived Growth Factor AB)、PDGF−BB(Platelet Derived Growth Factor BB)、TGF−(Transforming Growth Factor−)、TGF−、IGF(Insulin−like Growth Factor)、TNF(Tumor Necrosis Factor)、GM−CSF(Granulocyte Macrophage Colony Stimulating Factor)、NGF(NerveGrowth Factor)等であることができる。前記生理活性因子としては、インターフェロン、赤血球造血因子、1L−1(インターロイキン−1)、IL−2、IL−6、IL−8等であることができる。前記枝毛接合剤は、N−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−フェニル)マレイミド、トランスグルタミネイズ等であることができる。前記抗菌被覆剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、2、4、4−卜リクロロ−2−ヒドロキシフェノール、トリクロサン、卜リクロカルバン、イソプロピルメチルフェノール、アラトイン、ε−アミノカプリン酸、グリチル酸類等であることができる。
【0195】
前記生体接合成分は、全体組成物100重量部に対して0.001〜50重量部、0.001〜30重量部、0.01〜10重量部または0.1〜5重量部を使用することが好ましい。その含量が0.001重量部未満であれば、有効成分による効果の提供に限界があり、50重量部を超過すると、剤形化及び剤形の経時安定化及び反応せずに損失される成分として作用する問題がある。
【0196】
特に、本発明で生体接合成分は、分子内にカルボキシル基またはアミン基を含むことによって、カルボジイミド系化合物との反応効率を増大させることができる。
【0197】
また、本発明で生体接合成分は、毛髪または肌の表面のタンパク質残基と共有結合する官能基を有するものであることができる。
【0198】
前記タンパク質と共有結合する官能基は、カルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上であることができるが、これに制限されない。
【0199】
また、前記タンパク質は、チオール(thiol)、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)またはアミン(amine)の反応性残基を含むことができる。
【0200】
前記カルボジイミド系化合物は、下記化学式1で表示される構造を分子内に含む化合物を総称する。
【0201】
[化学式1]
−N=C=N−
【0202】
前記カルボジイミド系化合物は、化学式1の構造が最小限1個〜1000個程度を含むことが好ましく、化学式1で表示された構造を分子内に1個〜100個を含むことがより好ましく、化学式1で表示される構造を分子内に1個〜10個含むことがさらに好ましい。
【0203】
この場合において1つの分子内に化学式1で表示されるカルボジイミド基が1000個を超過すると、原料の粘度が非常に大きく、分子量が非常に過度に大きく、反応できる反応位置が非常に過度に多くなって、カルボジイミド基を保有する分子が非常に巨大になって、実質的な機能を有する分子の機能効果を示す部分を遮ることによって、効率が低下する問題が発生する。
【0204】
本発明においてカルボジイミド系化合物の具体的な例としては、下記化学式2で表示される化合物であることができ、下記化学式2でnが4であり、mが11である化合物は、ベンゼン、1、3、−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)−、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ−メ−エーテル−ブロックト(Benzene、1、3−bis(1−isocyanato−1−methylethyl)−、homopolymer、polyethylene glycol mono−Me−ether−blocked)(以下、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物)と命名される。
【0205】
【化17】
【0206】
前記化学式2で、nは1〜100であり、mは1〜100である。
【0207】
本発明においてカルボジイミド系化合物の他の例として、下記化学式3で表示される化合物であって、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)を使用できる。
【0208】
【化18】
【0209】
本発明による生体接合用組成物の好ましい一具現例として、カルボキシル基を有する生体接合成分を直接生体反応性を有する反応性エステル生体接合成分形態に作るか、毛髪(17.5〜21.9%)または肌ケラチン(15.5〜23.5%)に過量存在するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)を反応性エステル化させて、アミン基を含む生体接合成分が標的化できるカルボジイミド系化合物を使用して反応性を有するエステル形態(反応性生体接合成分)を作って反応効率を増大させることによって、その効果を確実に増大させることができる。また、その他、他のアミノ酸を標的できるカルボジイミド、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイドのような官能基を分子内に含む生体接合成分を使用してその効果をさらに増大させることができる。
【0210】
より好ましい具現例として、カルボキシル基を有する生体接合成分分子が肌または毛髪のタンパク質の表面に、まず、化学式2の高分子形態のカルボジイミド系化合物または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide HCl)のようなカルボジイミド系化合物を1次反応して反応性エステルを形成し、形成された反応性エステル官能基にさらにアミンを分子内に有する生体接合成分を反応させるか、毛髪または肌の表面のアミンと反応させることによって、優れた生体接合効果を得ることができる。前記反応時には、好ましくは、pH2〜10の条件で反応が可能であり、より好ましくは、pH3〜9で反応することが好ましく、最も好ましくは、pH4〜5程度の酸性ないし弱酸性水溶液上で反応することが最も反応効率が増大され得る。反応は、1分〜30分以内に完結される。
【0211】
下記反応式9でカルボン酸末端を有する肌及び毛髪タンパク質のアスパラギン酸やグルタミン酸にカルボジイミド系化合物が1次反応して反応性エステルを形成し、引き続いてアミン残基を有する肌及び毛髪タンパク質に存在するリシンと反応して共有結合を形成する反応模式図を示す。
【0212】
【化19】
【0213】
下記反応式10でシステインアミノ酸を含む肌及び毛髪タンパク質と1つの分子内にカルボン酸残基と生体反応基としてpH7〜8の条件で生体アミノ酸であるシステインと結合するマレイミドを同時に含有する生体接合物質とカルボジイミド系化合物1−エチル−3−(3−ジメチル アミノプロピル)カルボジイミドの1次反応による反応性エステル生成及び生成された反応性エステルの頭皮及び毛髪リシンアミノ酸のアミン反応を用いた生体接合模式図を示す。
【0214】
【化20】
【0215】
カルボジイミド系化合物によって毛髪または肌のタンパク質と生体接合成分の反応効率を増大させて、毛髪または肌に結合された反応性生体接合成分はシャンプーやせっけん等による一般的な洗浄時に離脱しにくくなり、ほぼ永久的に毛髪または肌に付着した状態を維持できる。
【0216】
本発明は、また、生体接合成分にカルボジイミド基、イミドエステル、アリルアザイド、ジアジリン、ヒドロキシメチルホスフィン、ペンタフルオロフェニルエステル、ピリジルジスルフィド、スルホ−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アルコキシアミン、ハイドラザイド、ハロアセチル、アザイド、カーボネート、アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ニトロフェニルカーボネート、アジリジン、イソシアネート、チオシアネート、エポキシド、トシルレイト、スクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミダゾール、オキシカルボニルイミダゾール、イミン、チオール、マレイミド、ビニルスルホン、エチレンイミン、チオエーテル、アクリロニトリル、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、ジスルフィド及びケトンよりなる群から選択された1つ以上のタンパク質と共有結合する官能基が結合された反応性生体接合成分を含むことができる。
【0217】
例えば、前記反応式1のように、カルボジイミド系化合物を1次反応させて生成されたカルボジイミド基が結合された生体接合成分を含むことができる。また、本発明は、前記反応性生体接合成分を含む生体接合用組成物を含むことができる。
【0218】
本発明による生体接合用組成物において付随的に効果増大のためにパルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)等の脂肪酸、脂肪アルコール、直鎖と分岐鎖の長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン化界面活性剤、陽イオン化セルロース、陽イオン化グアー、陽イオン化ポリビニルピロリドン等の陽イオン化ポリマー、シリコーン等と混用する場合、製剤化が容易になり得る。また、剤形化のために、溶剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、パール化剤、外観改善剤、顔料、粉体粒子等の製剤化のための成分を付随的に含むことができる。前記製剤化のための成分は、全体組成物100重量部に対して40〜99重量部を使用できる。
【0219】
本発明による生体接合用組成物は、官能基を有する生体接合機能の成分を含み、生体接合用化粧料組成物の処方に用いられる。毛髪製品の適用例としては、プレシャンプー(pre−shampoo)組成物、シャンプー、リンス、トリートメント、ワックス、スプレー、ヘアムース、ヘアローション、エッセンス、ヘアクリーム、永久染毛剤、一時染毛剤、パーマ剤、不織布、シート等をすべて含むことができ、肌製品の適用例としては、一般的に肌を整頓、保護用の基礎化粧品(化粧水、セラム、エッセンス、ローション、クリーム等)、色調化粧品(メーキャップベース、ファンデーション、パウダー、アイシャドー、リップグローズ、リップスティック、リップバム等)、手足の爪用メーキャップ(マニキュア、栄養剤、強化剤、トップコート等)、洗浄用化粧品(フォームクレンジング、クレンジングオイル、クレンジングローション、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、パック、マスク、せっけん、クレンジングティッシュペーパ等)、サンケア化粧品、ボディー用化粧品(ボディーローション、シャワー用ジェル、ボディークリーム、ボディーオイル等)をすべて含むことができる。
【0220】
より好ましくは、本発明による生体接合用組成物は、カルボジイミド系化合物を含むと同時に、反応性官能基を有する生体接合成分を含み、前記製剤が水系で活性が低下する場合には、非水系剤形でその活性を維持することがより容易であり、使用直前にpH調節のために緩衝液(buffer)と混合するか、洗浄過程で水と接触する方法で反応が起きるようにすることもできる。非水系剤形の例としては、通常の非水系化粧品製剤として使用される液状タイプ、シートタイプ、粉末粉体タイプ、錠剤タイプ、オイル、ワックス、アンプル、ジェル等が挙げられる。また、カルボジイミド系化合物と生体接合成分をカプセル化形態の単一剤または各々分離した形態の2剤に剤形化することができる。また、カプセル化を通じて反応性を有する官能基と生体接合機能を有する成分が結合された形態の誘導体を水分から遮断する方法も用いられる。
【0221】
本発明による生体接合用組成物で官能基を有する生体接合効果を増大させるために、ジオクチルスクシネート、ジオクチルアジペート、ジエチルセバケート等のような2−塩基酸エステル油とポリオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブタンジオール及びそれらの異性体、グリセロール、ベンジルアルコール、エトキシジグリコール及びその誘導体を使用できる。前記言及された溶剤は、毛髪または肌の浸透性を増加させて難溶性物質の溶剤として用いられる。より好ましくは、官能基を有する生体接合成分の活性油脂効果を増大させるために使用される溶剤は、ジエチルセバケート、エトキシグリコール、ビス−エトキシグリコールシクロヘキサン1、4−ジカルボキシレート等がある。
【実施例】
【0222】
以下、本発明を実施例及び実験例により詳しく説明する。但し、下記実施例及び実験例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記実施例及び実験例に限定されるものではない。
【0223】
実施例1〜5及び比較例1〜2:染色剤組成物
下記表1に示す組成と含量で、実施例1〜5及び比較例1〜2の染色剤組成物を製造し、製造された組成物各10gに毛髪のタンパク質組成と非常に類似の白色ヤクの毛と羊毛布(5cm*5cm)を浸漬させて25℃で10分間反応させ、1次に流れる水で洗浄し、1次シャンプーを実施し、乾燥させて、色差計を使用してa*値(赤色)、b*(青色)を比較測定し、初期反応された染料の量を比較し、処理された同一ヤクの毛と羊毛布をシャンプーと洗浄、乾燥を10回繰り返した後、乾燥させて、色差計を使用してa*、b*値を比較測定し、反応による持続性効果を確認した。(比較例1と実施例1は、ヤクの毛を、比較例2と実施例3〜5は、羊毛布を実験に使用した)
【0224】
【表1】
【0225】
前記実施例1〜5及び比較例1〜2の実験結果(表2)、生体反応性基が置換されない染料としてカルボジイミドを含まずに染色した比較例1、2に比べて、生体反応性基を置換した誘導体を使用した実施例1の場合が染色性及び持続性に優れたものと評価され、カルボジイミド系化合物を反応させて、反応性染料を介して製造された染色剤である実施例2〜5は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れた染色性と持続性を示し、特にポリマー形態の化学式2のカルボジイミド系化合物を使用した実施例4〜5が最も優れた染色性及び染色持続効果を示す。
【0226】
【表2】
【0227】
図1は、前記条件で染色し、10回シャンプー後の比較例1と実施例1に対するヤクの毛の染色状態を示す写真である。
図2は、前記条件で染色し、1回シャンプー後、10回シャンプー後の実施例4と5に対する羊毛布の染色状態を示す写真である。
【0228】
実施例6〜12及び比較例3〜5:保湿用組成物
下記表3に示す組成と含量で実施例6〜12及び比較例3〜5の保湿用組成物を製造し、製造された組成物10gを各々の例に対して10個の5gのヘアトレスに塗布し、常温で30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水で洗浄した後、ソジウムラウリルサルフェート15%水溶液で洗浄し、乾燥させて処理する過程を1回繰り返した。その後、これらのうち1gの毛髪を取って乾燥減量秤を利用して60度温度で水分量を定量して保湿量とし、SLES15%水溶液で洗浄し、て乾燥させて処理する過程を10回繰り返した後、さらに1gの毛髪を取って乾燥減量秤を利用して60度温度で水分量を定量し、保湿持続性効果を確認した。
【0229】
【表3】
【0230】
前記実施例6〜12及び比較例3〜5の実験結果(表4)、生体反応性基が置換されない保湿成分としてカルボジイミドを含まない比較例3〜5に比べて生体反応性基を置換した誘導体を使用した実施例6の場合が、保湿性及び持続性が優れたものと評価され、生体反応性基を置換せずにカルボジイミドを含む実施例7〜12は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れた保湿性と持続性を示し、特にポリマーカルボジイミドを使用した実施例10〜12が最も優れた保湿性及び保湿持続効果を示す。
【0231】
【表4】
【0232】
製剤例1:保湿ヘアローション製造
通常的な化粧料の製造方法によって、下記表5の成分と含量で、保湿化粧料を製造した。
【0233】
【表5】
【0234】
実施例13〜19及び比較例6〜8:コンディショニング用組成物
下記表6に示す組成と含量で実施例13〜19及び比較例6〜8の毛髪コンディショニング用組成物を製造し、製造された組成物を4g程度のヘアトレス(tress)に10gずつを均一に塗布し、常温で30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水とシャンプーで洗浄して、初期コンディショニング効果を比較した。その後、毎日1回ずつシャンプーし、10日後に、毛髪のコンディショニング効果を5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)の官能で評価して比較した。
【0235】
【表6】
【0236】
前記実施例13〜19及び比較例6〜8の実験結果(表7)、生体反応性基が置換されないコンディショニング成分としてカルボジイミドを含まずにコンディショニングした比較例6〜8に比べて生体反応性基を置換した誘導体を使用した実施例13の場合が、コンディショニング効果及び持続性に優れたものと評価され、生体反応性基を置換せずにカルボジイミドを含む実施例14〜19は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れたコンディショニング効果と持続性を示し、特にポリマーカルボジイミドを使用した実施例17〜19が最も優れたコンディショニング効果及びコンディショニング持続効果を示す。
【0237】
【表7】
【0238】
実施例20〜26及び比較例9〜11:コンディショニング用組成物
下記表8に示す組成と含量で実施例20〜26及び比較例9〜11の毛髪コンディショニング用組成物を製造し、製造された組成物を4g程度のヘアトレスに10gずつを均一に塗布し、常温で30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水とシャンプーで洗浄し、初期コンディショニング効果を比較した。
その後、毎日1回ずつシャンプーし、10日後に、毛髪のコンディショニング効果を5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)の官能で評価して比較した。
【0239】
【表8】
【0240】
前記実施例20〜26及び比較例9〜11の実験結果(表9)、生体反応性基が置換されないコンディショニング成分としてカルボジイミドを含まない比較例9〜11に比べて生体反応性基を置換した誘導体を使用した実施例20の場合が、コンディショニング効果及び持続性が優れたものと評価され、生体反応性基を置換せずにカルボジイミドを含む実施例21〜26は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れたコンディショニング効果と持続性を示し、特にポリマーカルボジイミドを使用した実施例24〜26が最も優れたコンディショニング効果及びつや持続効果を示す。
【0241】
【表9】
【0242】
実施例27〜30及び比較例12〜13:コンディショニング用組成物
下記表10に示す組成と含量で実施例27〜30及び比較例12〜13の毛髪コンディショニング用組成物を製造し、製造された組成物を4g程度のヘアトレス(tress)に10gずつを均一に塗布し、常温で30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水とシャンプーで洗浄する過程を2日間毎日2回ずつ繰り返し後、毛髪を乾燥し、処理直後の毛髪コーティング及びボリュームを比較し、毎日1回ずつシャンプーし、15日後に、毛髪のコーティング及びボリューム効果を5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)の官能で評価して比較した。
【0243】
【表10】
【0244】
実験例
前記実施例27〜30及び比較例12、13の実験結果(表11)カルボジイミドを含まずにポリマーを含む比較例12、13に比べてカルボジイミドを含む実施例27〜30は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れた毛髪ボリューム効果を示し、特にポリマーカルボジイミドを使用した実施例29、30の場合が優れた毛髪ボリューム効果を示す。
【0245】
【表11】
【0246】
製剤例2:コンディショニング用ヘア製品製造
通常的なヘア製品の製造方法によって、下記表12の成分と含量でヘア製品を製造した。
【0247】
【表12】
【0248】
実施例31〜38及び比較例14〜17:紫外線遮断用組成物
下記表13に示す組成と含量で実施例31〜38及び比較例14〜17の紫外線遮断組成物を製造し、製造された組成物各3gを10名の対象者を対象として背中の部分に塗布し、30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水で洗浄した後、せっけんで洗浄し、乾燥させて処理する過程を1日午前と午後2回で2日繰り返して、5日が経過した後に、3日間毎日5分ずつ塗布された部分に紫外線を照射した後、5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)の官能で紫外線防止効果を比較確認し、紫外線防止物質が生体反応で長時間維持され、効果が現れることを確認した。
【0249】
【表13】
【0250】
前記実施例31〜38及び比較例14〜17の実験結果(表14)、カルボジイミドを含まない比較例14〜17に比べてカルボジイミドを含む実施例31〜38は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れた紫外線遮断性と持続性を示し、特にポリマーカルボジイミドを使用した実施例35〜38が最も優れた紫外線遮断性及び紫外線遮断持続効果を示す。
【0251】
【表14】
【0252】
製剤例3:紫外線遮断用化粧料製造
通常的な化粧料の製造方法によって、下記表15の成分と含量で紫外線遮断用化粧料を製造した。
【0253】
【表15】
【0254】
実施例39〜40及び比較例18:生体接合組成物
下記表16に示す組成と含量で実施例39、40及び比較例18の毛髪接合組成物を製造し、製造された組成物3gを各々20個すじの先端が割れた毛髪における割れた部分に均一に塗布し、常温で30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水とシャンプーで洗浄する過程を3日間毎日2回ずつ繰り返し後、接合された毛髪の数を比較した。
【0255】
【表16】
【0256】
実施例41〜42及び比較例19:生体接合組成物
下記表17に示す組成と含量で実施例41、42及び比較例19の2剤式毛髪接合組成物を製造し、製造された1剤の組成物3gを各々20個ずしの先端が割れた毛髪における割れた部分に均一に塗布し、流れる水で洗浄した後、2剤の組成物3gを毛髪の割れた部分に均一に塗布した後、常温で30分間放置して反応を誘導し、1次に流れる水とシャンプーで洗浄する過程を3日間毎日2回ずつ繰り返し後、接合された毛髪の数を比較した。
【0257】
【表17】
【0258】
前記実施例39〜42及び比較例18、19の実験結果(表18)、カルボジイミドを含まずに ε −アミノカプリン酸を含む比較例18に比べてカルボジイミドを含む実施例39及び40は、カルボジイミドの共有結合形成効果により、一層優れた毛髪結合効果を示し、特にポリマーカルボジイミドを使用した実施例40の場合が一層優れた割れた毛髪の接合効果を示す。
【0259】
また、分子にカルボキシル基とマレイミド基を有するN−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−フェニル)マレイミドを使用した場合にも、カルボジイミド系化合物が存在する場合、実施例41、42の結果と同様に、優れた毛髪接合効果が確認された。
【0260】
前記組成物に対して処理前後の毛髪状態を図3に示す。
【0261】
【表18】
【0262】
製剤例4:生体接合用化粧料の製造
通常的な化粧料の製造方法によって、下記表19の成分と含量で生体接合用化粧料を製造した。
【0263】
【表19】
図1
図2
図3