(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作動装置は、前記第1検出体が検出し続けながら前記第2検出体が検出した場合に、前記サイドサポート装置を作動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態の車両用シートの外観斜視図である。
【
図3】乗員が乗車する前のサイドサポート装置の状態を示す図である。
【
図4】乗員が乗車している際のサイドサポート装置の状態を示す図である(その1)。
【
図5】乗員が乗車している際のサイドサポート装置の状態を示す図である(その2)。
【
図6】乗員が着座している際のサイドサポート装置の状態を示す図である。
【
図7】乗員が降車している際のサイドサポート装置の状態を示す図である(その1)。
【
図8】乗員が降車している際のサイドサポート装置の状態を示す図である(その2)。
【
図9】乗員が降車した後のサイドサポート装置の状態を示す図である。
【
図10】
図3のサイドサポート装置において、ロック装置がサイド部を着座可能位置でロックした状態を示す図である。
【
図11】
図4のサイドサポート装置において、第2ロック解除レバーがロック位置からロック解除位置へ移動した状態を示す図である。
【
図12】
図5のサイドサポート装置において、第2ロック解除レバー、第1ロック解除レバーの順にロック解除位置へ移動した状態を示す図である。
【
図13】
図6のサイドサポート装置において、第2ロック解除レバーがロック解除位置からロック位置へ戻った状態を示す図である。
【
図14】
図7のサイドサポート装置において、第1ロック解除レバー、第2ロック解除レバーの順にロック解除位置へ移動した状態を示す図である。
【
図15】
図8のサイドサポート装置において、ロック装置のロックが解除され、サイド部を着座可能位置から降車補助位置へ移動させた状態を示す図である。
【
図16】
図9のサイドサポート装置において、第1ロック解除レバー、第2ロック解除レバーの順にロック位置へ戻り、再びロック装置のロックがされた状態を示す図である。
【
図17】第2実施形態の車両用シートの外観斜視図である。
【
図18】サイドサポート装置の電気的構造を示すブロック図である。
【
図19】サイドサポート装置の制御の一例を示すフロー図である。
【
図20】第3実施形態の車両用シートの外観斜視図である。
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、
図1〜
図16を参照しながら説明する。
本実施形態は、シートクッションのサイド部を着座可能状態と降車補助状態との間で切り替え可能となるように支持するサイドサポート装置を備えた車両用シートであって、サイド部を着座可能状態でロックするロック装置と、ロック装置のロック状態を解除するロック解除装置と、を備えており、ロック解除装置は、乗員がシート本体に着座していることを検出する第1ロック解除レバーと、乗員が降車動作としてサイド部に着座していることを検出する第2ロック解除レバーとを有し、第1ロック解除レバーが検出し続けながら第2ロック解除レバーが検出した場合にロック状態を解除することを特徴とする車両用シートの発明に関するものである。
なお、ロック解除装置が、特許請求の範囲において作動装置に相当し、第1ロック解除レバー、第2ロック解除レバーが、それぞれ第1検出体、第2検出体に相当する。
なお、着座シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。
【0024】
本実施形態の車両用シートSは、例えば車両の後部座席に相当するリアシートである。
車両用シートSは、
図1に示すように、シートクッション1と、シートバック2と、を有し、乗員が着座可能なシート本体と、シート本体のサイド部を着座可能位置と降車補助位置との間で移動可能となるように支持するサイドサポート装置30と、サイド部を着座可能位置でロックするロック装置40と、ロック装置40のロック状態を解除するロック解除装置50と、から主に構成されている。
なお、サイドサポート装置30は、シートクッション1のシート幅方向のクッションサイド部10に設けられているが、特に限定されることなく、シートバック2のバックサイド部20に設けられていても良い。
【0025】
車両用シートSは、サイドサポート装置30を動作させることで、着座している乗員の降車動作を補助することが可能なシートであって、クッションサイド部10を、
図3に示すようにクッション中央部15よりも着座面が突出するように設けた着座可能位置(着座可能状態)と、
図8に示すようにクッション中央部15よりも着座面が後退するように設けた降車補助位置(降車補助状態)との間で移動可能なシートである。
そのため、クッションサイド部10がサイドサポート装置30によって着座可能位置で支持されている場合には、着座している乗員のホールド性を向上できる。また、クッションサイド部10が降車補助位置で支持されている場合には、乗員が車両のドアを開いて降車するときに乗員のクッションサイド部10を乗り越えるための負担を軽減することができる。
【0026】
シートクッション1は、
図1、
図3に示すように、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる不図示のクッションフレームにクッション材1aを載置して、表皮1bで被覆されて構成されている。
シートバック2は、
図1に示すように、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる不図示のバックフレームにクッション材2aを載置して、表皮2bで被覆されて構成されている。シートバック2には、不図示のチャイルドシートに設けられた被取り付け部を取り付けるための左右のアンカー部材2cが取り付けられている。
シートクッション1、シートバック2のシート幅方向の左右側方部分は、着座している乗員をシート幅方向の外側から包み込むように支持するクッションサイド部10、バックサイド部としてそれぞれ形成されている。
【0027】
クッションサイド部10は、
図1、
図3に示すように、樹脂製のサイドフレーム11にクッション材12を載置して表皮材13で被覆されており、上下方向においてサイドフレーム11とクッション材12の間にはサイドサポート装置30が取り付けられている。
クッションサイド部10は、
図3に示す着座可能位置と、
図8に示すように、サイドフレーム11が固定された状態でクッション材12が下方へ後退する降車補助位置との間で移動可能となるようにサイドサポート装置30によって支持されている。
【0028】
サイドサポート装置30は、乗員の降車動作に対応させてクッションサイド部10を移動可能となるように支持する装置であって、
図1、
図3に示すように、クッションサイド部10及びクッション中央部15の内部にわたって配置されている。
サイドサポート装置30は、
図2に示すように、クッションサイド部10を下方から支持するプレート状のサイドプレート31と、サイドプレート31の底面に取り付けられる縦断面コ字形状のサイドブラケット32と、サイドプレート31及びサイドブラケット32を着座可能位置と降車補助位置の間で回転可能となるように回転軸33を介して支持するサイドベース34と、サイドベース34に中央部分が連結され、サイドベース34から外側に張り出すように延びているサイドワイヤー35と、から主に構成されている。
なお、サイドワイヤー35は、クッション材12内部に設けられた不図示の取り付け孔に挿入されるものであって、クッションサイド部10内部にサイドサポート装置30を取り付けるための取り付けワイヤーである。
【0029】
サイドプレート31は、
図1、
図2に示すように、金属プレートからなり、クッションサイド部10においてシート前後方向の中央部分に配置されている。
サイドプレート31の上面においてシート幅方向の外側部分には、上下方向に貫通した矩形状の貫通穴31aと、貫通穴31aの外縁部分においてシート前後方向の両端部分を下方に屈曲させて形成した一対の側壁部31bとが設けられている。
当該貫通穴31aが形成された部分には、第2ロック解除レバー54が配置されており、第2ロック解除レバー54は、一対の側壁部31bに回動軸55を介して回転可能となるように取り付けられている。
【0030】
サイドブラケット32は、
図2に示すように、シート幅方向に長尺なコ字形状体からなり、サイドプレート31を取り付けるための上壁部32aと、上壁部32aのシート前後方向の両端部分から下方に屈曲して延びている一対の側壁部32bと、から主に構成されている。
一対の側壁部32bは、シート前後方向に沿って延びる回転軸33を介して、コ字形状体からなるサイドベース34の側壁部34bに取り付けられている。
また、後方側の側壁部32bの内側面には、
図10に示すように、ロック装置40と、ロック解除装置50の構成部品とが取り付けられている。
【0031】
サイドベース34は、サイドフレーム11上に取り付けられる底壁部34aと、底壁部34aのシート前後方向の両端部分から上方に屈曲して延びている一対の側壁部34bとから主に構成されている。
一対の側壁部34bには、シート前後方向に沿って延びる回動軸52を介して第1ロック解除レバー51が回転可能となるように取り付けられている。
【0032】
ロック装置40は、サイドプレート31及びサイドブラケット32を着座可能位置でロックする装置であって、
図2、
図10に示すように、サイドブラケット32においてシート後方側の側壁部32bの内側面に配置されている。
ロック解除装置50は、ロック装置40のロック状態を解除する装置であって、
図2に示すように、第1ロック解除レバー51と、第2ロック解除レバー54とを備えている。
第1ロック解除レバー51は、回動軸52を中心として
図2に示すロック位置と、ロック位置よりも下方に移動したロック解除位置との間で回転する部材であって、第1伝達ケーブル53によってロック位置に付勢されている。
第2ロック解除レバー54は、回動軸55を中心として
図2に示すロック位置と、ロック位置よりも下方に移動したロック解除位置との間で回転する部材であって、第2伝達ケーブル56によってロック位置に付勢されている。
第1ロック解除レバー51は、第2ロック解除レバー54よりも乗員による着座荷重を受ける面積が大きくなるように構成されている。
なお、ロック装置40及びロック解除装置50の詳細は後述する。
【0033】
<<サイドサポート装置の動作>>
次に、
図3〜
図9に基づいてサイドサポート装置30の具体的な動作を説明する。
まずは
図3(a)に示すように乗員が乗車する前のとき、
図3(b)に示すように、サイドサポート装置30がクッションサイド部10を着座可能位置で支持した状態となっている。
また、ロック装置40がクッションサイド部10を着座可能位置でロックしており、ロック解除装置50の第1ロック解除レバー51及び第2ロック解除レバー54が、それぞれロック位置に付勢された状態となっている。
【0034】
そして、
図4(a)に示すように乗員が乗車しようとクッションサイド部10に腰を下ろしたとき、
図4(b)に示すように、第2ロック解除レバー54は所定の着座荷重が加わることでロック位置からロック解除位置へ回転移動する。
ここで、第2ロック解除レバー54のみがロック解除位置へ移動しただけでは、ロック装置40のロック状態は解除されない構成となっている。
【0035】
そして
図5(a)に示すように乗員が乗車しようとクッションサイド部10及びクッション中央部15に腰を下ろしたとき、
図5(b)に示すように、第2ロック解除レバー54がロック解除位置に位置した状態で、第1ロック解除レバー51は所定の着座荷重が加わることでロック位置からロック解除位置へ回転移動する。
ここで、第2ロック解除レバー54、第1ロック解除レバー51の順にロック解除位置へ移動した場合には、ロック装置40のロック状態は解除されない構成となっている。
【0036】
そして
図6(a)に示すように乗員が着座している状態のとき、
図6(b)に示すように、第2ロック解除レバー54は所定の着座荷重から解放されることでロック解除位置からロック位置へ戻り、また、第1ロック解除レバー51はロック解除位置に位置した状態となる。
このとき、クッションサイド部10がサイドサポート装置30によって着座可能位置で支持されているため、着座している乗員のホールド性を確保することができる。
【0037】
そして
図7(a)に示すように乗員が体をドア側に寄せて降車しようとしたとき、
図7(b)に示すように、第1ロック解除レバー51がロック解除位置に位置した状態で、第2ロック解除レバー54は所定の着座荷重が加わることでロック位置からロック解除位置へ回転移動する。
ここで、第1ロック解除レバー51、第2ロック解除レバー54の順にロック解除位置へ移動したことによって、ロック装置40のロック状態が解除される。
【0038】
そして
図8(a)に示すように乗員が体をさらにドア側に寄せて降車しようとしたとき、
図8(b)に示すように、クッションサイド部10に着座荷重がさらに加わることで、クッションサイド部10がサイドプレート31と共に着座可能位置から降車補助位置へ回転移動する。
その結果、降車している乗員のクッションサイド部10を乗り越えるための負担を軽減することができる。
【0039】
最後に
図9(a)に示すように乗員が降車を終えると、
図9(b)に示すように、第1ロック解除レバー51及び第2ロック解除レバー54が再びロック位置へ戻り、また、ロック装置40がクッションサイド部10を着座可能位置でロックした状態に戻る。
上記一連の動作によって、サイドサポート装置30は、着座している乗員のホールド性を安定して確保しながら、乗員の降車動作を補助することが可能となる。また、乗員の乗車動作の際にはクッションサイド部10をあえて傾倒させない構成になるため、乗員が確実に乗車できるような配慮がなされている。
【0040】
<<ロック装置、ロック解除装置の詳細>>
次に、
図10〜
図16に基づいてロック装置40及びロック解除装置50の詳細について説明する。
ロック装置40は、
図10に示すように、サイドブラケット32の内側面に支持軸42を介して回転可能となるように取り付けられるロックレバー41と、サイドベース34の内側面に固定ボルト44を用いて固定される被ロックレバー43と、から主に構成されている。
ロックレバー41と被ロックレバー43は、互いに対向する位置に配置されている。
【0041】
ロック装置40は、ロックレバー41が被ロックレバー43に係合する
図10に示す係合位置にいるときに、サイドプレート31(サイドブラケット32)を着座可能位置でロックする。すなわち、クッションサイド部10を着座可能位置でロックする。
またロック装置40は、ロックレバー41が被ロックレバー43から離脱する
図14に示す離脱位置にいるときに、サイドプレート31(サイドブラケット32)のロック状態を解除する。すなわち、クッションサイド部10のロック状態を解除する。
【0042】
ロックレバー41は、シート幅方向に沿って延びる支持軸42を中心として
図10に示す係合位置と、係合位置よりもシート前方に移動した離脱位置との間で回転する部材であって、不図示の付勢バネによって
図10に示す矢印A方向へ付勢されている。すなわち、係合位置側から離脱位置側へ付勢されている。
ロックレバー41には、被ロックレバー43に設けられた係合溝43aに係合する係合突起41aと、シート前後方向において係合突起41aとは反対側に配置され、後述の中継レバー80によって保持される被保持部41bと、シート幅方向の内側に突出し、後述の第1伝達レバー60に設けられた貫通穴60bの内部を移動可能に配置された貫通突起42cと、がそれぞれ形成されている。
ロックレバー41は、通常、中継レバー80によって保持されて、係合突起41aが係合溝43aに係合した係合位置に配置されている。
【0043】
ロック解除装置50は、
図10に示すように、サイドブラケット32の内側面に第1連結軸61を介して回転可能に取り付けられる第1伝達レバー60と、サイドブラケット32の内側面に第2連結軸71を介して回転可能に取り付けられる第2伝達レバー70と、サイドブラケット32と第1伝達レバー60の間に取り付けられ、第1連結軸61を介して回転可能となる中継レバー80と、をさらに備えている。
ロック解除装置50は、第1伝達レバー60及び第2伝達レバー70が
図10に示す基準位置から
図14に示す伝達位置へ移動したときに、中継レバー80を介してロックレバー41を
図10に示す係合位置から
図14に示す離脱位置へ移動させることができる。
【0044】
第1伝達レバー60は、シート幅方向に沿って延びる第1連結軸61を中心として
図10に示す基準位置と、基準位置よりも下方に移動した
図13に示す中間位置と、中間位置よりもさらに下方に移動した
図14に示す伝達位置との間で回転する部材である。
第1伝達レバー60は、不図示の付勢バネによって
図10に示す矢印B方向へ付勢されている。すなわち、伝達位置側から基準位置側へ付勢されている。
第1伝達レバー60には、第1伝達ケーブル53のケーブル取り付け端部53aを取り付けるための取り付け穴60aと、第1連結軸61に対して取り付け穴60aとは反対側にそれぞれ配置され、ロックレバー41の貫通突起41cを貫通させるための貫通穴60bと、中継レバー80に設けられた嵌合突起80aを嵌合させるための嵌合穴と、がそれぞれ形成されている。
【0045】
第1伝達レバー60は、通常、不図示の付勢バネによって矢印B方向へ付勢されて基準位置に配置されている。このとき、貫通穴60bの外縁部分と、ロックレバー41の貫通突起42cとが互いに当接しない位置に配置されている。
そして、第1伝達レバー60は、第1ロック解除レバー51の回転動作に伴って第1伝達ケーブル53によって牽引されることで、基準位置から中間位置へ回転移動する。このとき、貫通穴60bの外縁部分が貫通突起41cに当接することで、第1伝達レバー60が安定して中間位置で停止する。すなわち、貫通突起51cがストッパーとなる。
そして、第1伝達レバー60は、第2伝達レバー70の回転動作に伴って中継レバー80を介して中間位置から伝達位置へさらに移動する。このとき、取り付け穴aの外縁部分がケーブル取り付け端部53aに当接することで、第1伝達レバー60が安定して伝達位置で停止する。すなわち、ケーブル取り付け端部53aがストッパーとなる。
【0046】
第2伝達レバー70は、シート幅方向に沿って延びる第2連結軸71を中心として
図10に示す基準位置と、基準位置よりも上方に移動した
図14に示す伝達位置との間で回転する部材である。
第2伝達レバー70は、不図示の付勢バネによって
図10に示す矢印C方向へ付勢されている。すなわち、伝達位置側から基準位置側へ付勢されている。
第2伝達レバー70には、シート前後方向に沿って延びる連結ピン73を介して回転可能に取り付けられ、中継レバー80を押圧するための押圧レバー72が設けられている。
また第2伝達レバー70には、第2伝達ケーブル56のケーブル取り付け端部56aを取り付けるための取り付け穴70aと、第2連結軸71に対して取り付け穴70aとは反対側に配置され、押圧レバー72の貫通突起72aを貫通させるための貫通穴70bと、がそれぞれ形成されている。
【0047】
第2伝達レバー70は、通常、不図示の付勢バネによって矢印C方向へ付勢されて基準位置に配置されている。また、押圧レバー72についても、不図示の付勢バネによって矢印D方向へ付勢されて
図10に示す基準位置に配置されている。
このとき、押圧レバー72の貫通突起72aと、貫通穴70bの外縁部分とが互いに当接する位置に配置されている。
そして、第2伝達レバー70は、第2ロック解除レバー54の回転動作に伴って第2伝達ケーブル56によって牽引されることで、基準位置から伝達位置へ回転移動する。また、押圧レバー72についても基準位置から
図14に示す押圧位置へ回転移動する。
このとき、押圧レバー72の押圧部72bが、中継レバー80に設けられた押圧受け部80bを押し動かすことで、中継レバー80が第1ロック解除レバーと共に回転移動する。
【0048】
中継レバー80は、第1連結軸61を中心として
図10に示す保持位置と、保持位置よりも上方に移動した
図13に示す中間位置と、中間位置よりもさらに上方に移動した
図14に示す離脱位置との間で回転する部材である。
中継レバー80は、第1連結軸61及び嵌合突起80aを介して第1伝達レバー60と連結されており、第1伝達レバー60の付勢方向と同じ矢印B方向へ付勢されている。すなわち、離脱位置側から保持位置側へ付勢されている。
中継レバー80には、嵌合突起80aと、第1連結軸61に対して嵌合突起80aとは反対側に配置される押圧受け部80bと、第1連結軸61に対して嵌合突起80aと同一側に配置され、ロックレバー41の被保持部41bを保持する保持部80cと、がそれぞれ形成されている。
【0049】
中継レバー80は、通常、矢印B方向へ付勢されて保持位置に配置されている。ここで保持位置とは、保持部80cがロックレバー41を係合位置で保持している位置である。
そして、中継レバー80は、第1伝達レバー60の回転動作に伴って保持位置から中間位置へ回転移動する。このとき、保持部80cは、ロックレバー41を係合位置で保持した状態を維持している。
そして、中継レバー80は、第2伝達レバー70(押圧レバー72)の回転動作に伴って中間位置から離脱位置へ回転移動する。ここで離脱位置とは、保持部80cがロックレバー41を係合位置で保持している状態から離脱した位置である。
その結果、ロックレバー41が矢印A方向へ付勢されて係合位置から離脱位置へ移動する。すなわち、ロック装置40のロック状態が解除される。
【0050】
<<ロック装置、ロック解除装置の動作>>
次に、
図3〜
図9、
図10〜
図16に基づいてロック装置40、ロック解除装置50の具体的な動作を説明する。
まずは
図3(a)に示すように乗員が乗車する前のとき、
図10に示すように、ロックレバー41が被ロックレバー43に係合した係合位置に配置されている。
また、第1伝達レバー60、第2伝達レバー70(押圧レバー72)が基準位置に配置されており、中継レバー80が保持位置に配置されている。
つまり、
図3(b)に示すように、ロック装置40がクッションサイド部10を着座可能位置でロックした状態となっている。
【0051】
そして、
図4(a)に示すように乗員が乗車しようとクッションサイド部10に腰を下ろしたとき、
図11に示すように、第2伝達レバー70(押圧レバー72)が、第2ロック解除レバー54によって牽引されて基準位置から伝達位置へ回転移動する。
このときは、押圧レバー72が中継レバー80を押し動かすことがなく空振りする。
その結果、ロックレバー41が係合位置に配置されたままで、ロック装置40のロック状態は解除されない。
【0052】
そして
図5(a)に示すように乗員が乗車しようとクッションサイド部10及びクッション中央部15に腰を下ろしたとき、
図12に示すように、第2伝達レバー70(押圧レバー72)が伝達位置に位置した状態で、第1伝達レバー60が、第1ロック解除レバー51によって牽引されて基準位置から中間位置へ回転移動する。
また、中継レバー80が、第1伝達レバー60と共に回転することで、保持位置から中間位置へ移動する。
このときは、押圧レバー72と中継レバー80が互いに空振りした状態となっている。
その結果、ロックレバー41が係合位置に配置されたままで、ロック装置40のロック状態は解除されない。
【0053】
そして
図6(a)に示すように乗員が着座している状態のとき、
図13に示すように、第2伝達レバー70(押圧レバー72)が、第2ロック解除レバー54の牽引動作から解放されることで、再び伝達位置から基準位置へ戻る。
このとき、押圧レバー72は、第2伝達レバー70に対して連結ピン73を中心として回転することで、中継レバー80を乗り越えるように空振りして基準位置へ戻る。
その結果、ロックレバー41が係合位置に配置されたままで、ロック装置40のロック状態は解除されない。
【0054】
そして
図7(a)に示すように乗員が体をドア側に寄せて降車しようとしたとき、
図14に示すように、第1伝達レバー60が中間位置に位置した状態で、第2伝達レバー70(押圧レバー72)が、第2ロック解除レバー54によって牽引されて基準位置から伝達位置へ回転移動する。
また、中継レバー80が、押圧レバー72によって押し動かされることで、中間位置から離脱位置へ回転移動する。
その結果、ロックレバー41が中継レバー80によって係合位置に保持された状態から離脱し、係合位置から離脱位置へ回転移動する。すわなち、ロック装置40のロック状態が解除される。
【0055】
そして
図8(a)に示すように乗員が体をさらにドア側に寄せて降車しようとしたとき、
図15に示すように、サイドプレート31(サイドブラケット32)が、乗員の着座荷重が加わることでサイドベース34に対して着座可能位置から降車補助位置へ回転移動する。
その結果、
図8(b)に示すように、クッションサイド部10が着座可能位置から降車補助位置へ回転移動する。
【0056】
最後に
図9(a)に示すように乗員が降車を終えると、
図16に示すように、第1伝達レバー60、第2伝達レバー70(押圧レバー72)が再び基準位置へ戻り、中継レバー80が保持位置へ戻る。
また、ロックレバー41が被ロックレバー43に係合した係合位置に再び戻る。
上記一連の動作によって、ロック装置40及びロック解除装置50によるロック状態とロック解除状態との切り替えがなされる。
【0057】
<車両用シートの第2実施形態>
次に、車両用シートの第2実施例について、
図17〜
図19に基づいて説明する。
なお、上述した車両用シートSと重複する内容は説明を省略する。
第2実施形態の車両用シートS2は、
図17に示すように、シート本体と、シート本体のクッションサイド部10を着座可能位置と降車補助位置との間で切り替え移動可能に支持するサイドサポート装置30と、クッションサイド部10を着座可能位置でロックするロック装置40と、
図18に示すように、ロック装置40のロック状態を解除するように作動制御する作動制御装置150と、を備えている。
つまり、ロック解除装置50の代わりに作動制御装置150が取り付けられている。
作動制御装置150は、
図17、
図18に示すように、乗員がクッション中央部15に着座していることを検出する第1センサ160と、乗員が降車動作としてクッションサイド部10に着座していることを検出する第2センサ170と、を有しており、第1センサ160からの検出信号を受信し続けながら第2センサ170からの検出信号を受信した場合にロック状態を解除するように制御するものである。
なお、作動制御装置が、特許請求の範囲において作動装置に相当し、第1センサ、第2センサが、それぞれ第1検出体、第2検出体に相当する。
【0058】
作動制御装置150は、ECU(Electronic Control Unit)に相当し、電気制御を総合的に実行する中枢機能であって、
図18に示すように、サイドサポート装置30(ロック装置40)に駆動電力をそれぞれ供給する駆動回路151と、駆動回路151を介してサイドサポート装置30(ロック装置40)に接続されている車体電源152と、を備えている。
作動制御装置150は、駆動回路151がサイドサポート装置30に供給する駆動電力を制御し、例えば、不図示の電磁クラッチの電流をオン又はオフに制御することで、ロック装置40のロック状態を維持又は解除するように制御する。
【0059】
また、作動制御装置150は、第1センサ160と、第2センサ170と、シート本体に設けられ、シート本体に不図示のチャイルドシートが取り付けられていることを検出するチャイルドシート検出センサ180と、それぞれ接続されている。
上記構成において、作動制御装置150は、これら各センサから入力される検出信号を受信して、サイドサポート装置30(ロック装置40)を制御する。
【0060】
次に、作動制御装置150の制御の一例として、第1センサ160からの検出信号を受信し続けながら第2センサ170からの検出信号を受信した場合にロック装置40のロック状態を解除する制御について、
図19に基づいて説明する。
図19のフローチャートの処理は、例えば車両のイグニッションスイッチがオンになっている期間中、繰返し実行されるものである。
【0061】
図19のフローチャートの処理がスタートすると、まず、ステップ01(ST01)で、第1センサ160がオンされたか判定する。
第1センサ160がオンされていない場合(ST01:No)、車両用シートS2には乗員が着座していないため、乗員が着座するまでST01を繰り返す。
【0062】
第1センサ160がオンされた場合(ST01:Yes)、さらにST02で、第1センサがオンされた状態のままか判定する。
第1センサ160がオンされた状態のままでない場合(ST02:No)、乗員が再び着座していることを確認するため、ST01に戻る。
そうすることで、乗員が着座してから降車するまでの一連の動作に対応させてロック装置40のロック状態を解除させることができる。
【0063】
第1センサ160がオンされた状態のままの場合(ST02:Yes)、さらにST03で、第2センサ170がオンされたか判定する。
第2センサ170がオンされていない場合(ST03:No)、着座している乗員が体をドア側に寄せて降車しようとしていないものとして、乗員が降車しようとするまでST03を繰り返す。
【0064】
第2センサ170がオンされている場合(ST03:Yes)、着座している乗員が体をドア側に寄せて降車しようとしているものとして、ST04で、サイドサポート装置30を作動させてロック装置40のロック状態を解除する。
これにより、乗員が体をさらにドア側に寄せて降車しようとしたとき、クッションサイド部10に着座荷重がさらに加わることで、クッションサイド部10がサイドサポート装置30とともに着座可能位置から降車補助位置へ切り替わる。
その結果、降車している乗員のクッションサイド部10を乗り越える負担を軽減することができる。
【0065】
ロック装置40の解除後、ST05で、第1センサ160又は第2センサ170がオン状態からオフに切り替わっているか判定する。
第1センサ160又は第2センサ170がオフに切り替わっていない場合(ST05:No)、乗員が降車動作を完了していないものとして、ST05を繰り返す。
【0066】
第1センサ160又は第2センサ170がオフに切り替わった場合(ST05:Yes)、乗員が降車動作を完了したものとして、ST06で、サイドサポート装置30を作動させてロック装置40をロック状態に戻す。
上記ST01からST06を経て
図19の処理を終了する。
【0067】
上記の一連の処理フローによって、サイドサポート装置30は、着座している乗員のホールド性を安定して確保しながら、乗員の降車動作を補助することができる。また、乗員の乗車動作の際にはクッションサイド部10をあえて傾倒させない構成になるため、乗員が確実に乗車できるような配慮がなされている。
【0068】
なお、上記の処理フローの前に、作動制御装置150が予めチャイルドシート検出センサ180からの検出信号を受信している場合には、クッションサイド部10を切り替え不能となるようにサイドサポート装置30を制御する構成となっている。
そうすることで、不図示のチャイルドシートが取り付けられている場合には、予め幼児や子供向けに安全ロックをかけることができる。
【0069】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、クッションサイド部10は、
図3に示す着座可能状態と、
図8に示すように、クッション材12が下方へ後退する降車補助状態との間で移動可能となっているが、降車補助状態について特に限定されることなく変更可能である。
例えば、クッション材12がシート後方に格納されるように後退しても良いし、クッション材12が部分的に下方へ後退しても良く、乗員が降車し易い状態になっていれば良い。
【0070】
上記実施形態において、クッションサイド部10は、ロック装置のロック状態が解除された後、乗員の着座荷重に伴って着座可能位置から降車補助位置へ移動する構成となっているが、特に限定されることなく、自動で着座可能位置から降車補助位置へ移動するような構造となっていても良い。
【0071】
上記実施形態において、サイドサポート装置30は、乗員の降車動作を補助することが可能な装置として構成されているが、特に限定されることなく、乗員の乗車動作及び降車動作を補助することが可能な装置として構成されていても良い。
その場合、乗員の乗車動作のときには、降車動作のときよりもサイドサポート装置30によるクッションサイド部10の移動量を小さくしておくとより望ましい。
また、乗員の乗車動作のみを補助可能な装置として構成されても良い。
【0072】
上記実施形態において、ロック解除装置50は、第1ロック解除レバー51、第2ロック解除レバー54の順にロック解除位置へ移動するとロック状態が解除される構成となっているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、第1ロック解除レバー51と第2ロック解除レバー54が同時にロック解除位置へ移動したときにロック解除されても良いし、また、第2ロック解除レバー54、第1ロック解除レバー51の順にロック解除位置へ移動したときにロック解除されても良い。
【0073】
上記実施形態において、
図1に示すように、第1ロック解除レバー51はクッション中央部15に配置され、第2ロック解除レバー54はクッションサイド部10に配置されており、それぞれシート本体の左右中心位置よりも左右外側に配置され、また、シート本体に取り付けられたアンカー部材2cよりも左右外側に配置されているが、特に配置限定されることなく変更可能である。
例えば、第1ロック解除レバー51がシートクッション1又はシートバック2の所定位置に配置され、第2ロック解除レバー54が車両ドアの所定位置に配置されていても良い。
また例えば、第1ロック解除レバー51が不図示のシートベルト装置に対して取り付けられ、シートベルトの取り外しに対応して動作するように設けられ、第2ロック解除レバー54が車両ドア用の所定位置に取り付けられ、ドアの開閉動作に対応して動作するように設けられても良い。
【0074】
上記実施形態において、
図17に示すように、作動制御装置150は、
図17に示すように、乗員がクッション中央部15に着座していることを検出する第1センサ160と、乗員が降車動作としてクッションサイド部10に着座していることを検出する第2センサ170と、を有しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、第2センサ170の代わりに、
図20に示すように、車両ドアDに取り付けられ、乗員が降車動作として車両ドアDを開いたことを検出する第2ドアセンサ190を有していても良い。
また例えば、第2センサ170の代わりに、乗員が降車動作として車両ドアDのインナハンドルを回したことを検出する第2ハンドルセンサを有していても良い。
すなわち、第2センサは、乗員の降車動作に対応して状態が変化する被検出物の状態変化を検出するものであれば、適宜変更することが可能である。
【0075】
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる収納可能な車両用シートについて説明したが、これに限定されることなく、電車、バス等の車両用シートのほか、飛行機、船等の乗り物用シートとしても利用することができる。
【0076】
本実施形態では、主として本発明に係る車両用シートSに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。