(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6530503
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】サスペンデッドチャネルプラズマ波トランジスタの性能評価方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20190531BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20190531BHJP
G01R 31/26 20140101ALI20190531BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20190531BHJP
H01L 29/00 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
H01L29/78 301J
G01R31/26 A
H01L29/06 601N
H01L29/00
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-549309(P2017-549309)
(86)(22)【出願日】2015年12月31日
(65)【公表番号】特表2018-517887(P2018-517887A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】KR2015014575
(87)【国際公開番号】WO2017115895
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】515351884
【氏名又は名称】ユニスト(ウルサン ナショナル インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー)
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】キム キョン−ロク
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン−ユル
(72)【発明者】
【氏名】キム ソン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ユ−チョン
【審査官】
辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/073298(WO,A1)
【文献】
特開2011−176103(JP,A)
【文献】
特開2006−216646(JP,A)
【文献】
F.TEPPE et al.,Terahertz Resonant Detection by Plasma Waves in Nanometric Transistors,ACTA PHYSICA POLONICA A,PL,Institute of Physics of the Polish Academy of Sciences,2008年,Vol.113,pp.815-820
【文献】
Michael Dyakonov, Michael Shur,Shallow Water Analogy for a Ballistic Field Effect Transistor:New Mechanism of Plasma Wave Generation by dc Current,PHYSICAL REVIEW LETTERS,米国,American Physical Society,1993年10月11日,Vol.71, No.15,pp.2465-2468
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/00
H01L 29/06
H01L 29/78
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスの性能評価方法において、
電子漂流速度をx軸に設定するx軸設定ステップと、
プラズマ波速度をy軸に設定するy軸設定ステップと、
電子漂流速度によるプラズマ波速度の関係式とサスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスのプラズマ波発生条件を用いて、デザインウィンドウを生成して素子の動作を判断する素子性能判断ステップと、
を含み、
前記サスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスのプラズマ波発生条件は、周波数条件、増加条件、及び不安定条件を含むことを特徴とするサスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスの性能評価方法。
【請求項2】
前記増加条件は、理想的なドレインインピーダンス及び有限インピーダンスを区分して判断することを特徴とする請求項1に記載のサスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスの性能評価方法。
【請求項3】
前記有限インピーダンスで増加条件は、ω’値を固定した周波数条件と交点を用いることを特徴とする請求項2に記載のサスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスの性能評価方法。
【請求項4】
素子性能判断ステップは、チャネル長さをz軸に設定するz軸設定ステップをさらに含み、3次元形状のデザインウィンドウを用いて素子性能を判断することを特徴とする請求項1に記載のサスペンデッドチャネルプラズマ波デバイスの性能評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンデッドチャネルプラズマ波トランジスタの性能評価方法に関し、より詳しくは、デザインウィンドウを用いたスサスペンデッドチャネルプラズマ波トランジスタの性能評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テラヘルツ波は100GHz〜10THz帯域の未開発周波数リソースであって、電磁波スペクトルで赤外線とミリ波の中間領域であり、現在の技術レベルでは進入障壁が極めて高いことから一種のテラヘルツギャップと認識される未開拓の技術分野である。テラヘルツ波技術は、最初には主に光学的な領域であったが、徐々にナノ級電子素子/素材技術が発達しながら光工学技術と電子工学技術が混在する態様に展開している。
【0003】
電子工学技術として、RTD(resonant tunneling diode)、SBD(schottky barrier diode)などの受動素子に対する研究が活発に進行中であり、III−V HBT、HEMT素子は、最近遮断周波数1THzまで接近してSub−THz動作が可能になった。一方、光工学技術として、光伝導スイッチ、光整流、差周波数発生(DFG)、光パラメトリック、テラヘルツ量子カスケードレーザ(THz−QCL)、及び単一走行キャリアフォトダイオード(UTC−PD)などのような素子の開発を現実化しながらテラヘルツ技術をより引っ張っている。
【0004】
現在のナノトランジスタ技術は、より高い動作周波数のために持続的に20nmまでスケールダウンしているが、トランジットモード(transit−mode)におけるチャネル縮小化だけでは500GHz以上の帯域で動作するには限界がある。これを克服するための新しい概念の素子であるプラズマ波トランジスタ(plasma wave transistor:PWT)は、チャネル電子密度の時空間の振動波として定義されるプラズマ波を用いてトランジットモード電子漂流速度の10〜100倍の速度で動作可能である。このような2Dチャネル電子密度のプラズマ共振現象を用いてトランジスタの遮断周波数よりも高い周波数領域で動作するテラヘルツ発振及び検出用プラズマ波トランジスタに対する素子研究は、テラヘルツギャップを埋めるための技術として世界的に多くの研究が行われている。
【0005】
プラズマ波トランジスタを用いたテラヘルツ発振及び検出素子の研究は、1993年の米国RPIのMichael Shur教授が初めて提示した後、20年間の実現及び応用への研究が米国、日本、ヨーロッパの大学を中心に進行しているが、依然として商用化レベルに達するテラヘルツ素子及び特性を評価するには技術的な困難が存在する。
【0006】
一方、Terahertz Emitters、Detectors and Sensors:Current Status and Future Prospects、M.Ghanashyam Krishna、Sachin D.vKshirsagar and Surya P.Tewari、intech.とTerahertz Resonant Detection by Plasma Waves in Nanometric Transistors、F.Teppe、A.El Fatimy、S.Boubanga、D.Seliuta、G.Valusis、B.Chenaud and W.Knap、Proceedings of the 13th International Symposium UFPS.には、プラズマ波のための共振器を用いてテラヘルツ範囲内に到達する技術的な概要とドレイン−ソース電流やプラズマ波の周波数に関する相関関係ないしプラズマ波の速度及びドリフト速度の関係を理論的に解説している。
【0007】
前記先行技術の理論を用いたプラズマ波トランジスタの性能を評価する方法が本出願人によって出願され、登録特許第1521116号として登録されている。前記特許は、共振型プラズマ波トランジスタをその対象にし、テラヘルツ発振器で適用特性を評価することを特徴としている。
【0008】
一方、本出願人は、既存の共振型プラズマ波トランジスタの短所を克服したサスペンデッドチャネルプラズマ波トランジスタ(SC−PWT、suspended channel plasma wave transistor)を提案し、前記構成に基づいて発振器及び検出器の構成について特許第2014−0193098号に出願した。
【0009】
前記SC−PWT(又は、SC−PWD、suspended channel plasma wave device)の場合、共振型プラズマ波トランジスタと基本的な特性において差があり、従来の評価方法によって素子特性の評価は不適であるため、新しい方式の評価方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような必要によって案出されたものであり、サスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの物理的特性を用いて当該素子のテラヘルツ発振の可能性を評価するサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために本発明は、サスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法において、電子漂流速度をx軸に設定するx軸設定ステップと、プラズマ波速度をy軸に設定するy軸設定ステップと、電子漂流速度によるプラズマ波速度の関係式とサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスのプラズマ波発生条件を用いて、デザインウィンドウを生成して素子の動作を判断する素子性能判断ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
より好ましくは、前記サスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスのプラズマ波発生条件は、周波数条件、増加条件、及び不安定条件を含むことを特徴とする。
【0013】
より好ましくは、前記増加条件は、理想的なドレインインピーダンス及び有限インピーダンスを区分して判断することを特徴とする。
【0014】
より好ましくは、前記有限インピーダンスで増加条件は、ω’値を固定した周波数条件と交点を用いることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、素子性能判断ステップは、チャネル長さをz軸に設定するz軸設定ステップをさらに含み、3次元形状のデザインウィンドウを用いて素子性能を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法は、サスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの評価において、エミッション性能に影響を及ぼす性能パラメータを選定してその関係を導き出し、試験前にエミッタが理論的にいかなる性能を発現するかを検査できるデザインウィンドウを設計することで、サスペンデッドチャネルプラズマ波プラズマパ
デバイスがテラヘルツ発振器として動作できるかを容易に評価し、半導体素子に活用され得る様々な物質に対するエミッタ性能評価によって新しい素材を活用したサスペンデッドチャネルプラズマ波テラヘルツエミッタの開発を提案できる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法の手続図である。
【
図2】周波数条件によるデザインウィンドウグラフである。
【
図3】増加条件によるデザインウィンドウグラフである。
【
図4】有限インピーダンスを有する増加条件によるデザインウィンドウグラフである。
【
図5】不安定条件によるデザインウィンドウグラフである。
【
図6】全体条件によるデザインウィンドウグラフである。
【
図7】実施形態1に係るデザインウィンドウグラフである。
【
図8】実施形態2に係るデザインウィンドウグラフである。
【
図9】実施形態3に係るデザインウィンドウグラフである。
【
図10】実施形態4に係るデザインウィンドウグラフである。
【
図11】実施形態5に係るデザインウィンドウグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る好適な実施形態を添付した図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
また、本発明に係るサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法は、下記の非特許文献で提案された関係式を用いて必要な数式を誘導してデザインウィンドウを示す。
【0020】
非特許文献1:Michel Dyakonov、Laboratoire’de Physique Theorique et Asteropaticules、cc 070、Univesite’Montpellier H、34095 Montpellier、France
非特許文献2:Michael S.Shur、Rensselar Polytechnic Institute、CII-9017、ECSE and Broadband Data Transport Center、Try、New York 1218
非特許文献3:M.V.Cheremisin、Solid-State Electronics 52、338 2008
まず、2次元SC−PWDにおいて、拡散関係(dispertion relation)とプラズマ波速度(velocity of plasma−wave)は非特許文献1及び非特許文献2の関係式、チャネル内部プラズマ波関係式、オイラー式と連続方程式を用いる場合に次のように誘導される。
【0023】
【数2】
ここで、ωは角速度、eは電荷量、kは波数(wave number)、νは電子漂流の速度、n
0は表面電子密度、k±はそれぞれ下流(downstream)と上流(upstream)に対する波数、εは2Dチャネル物質の誘電定数、S±はプラズマ波速度を意味する。
【0024】
そして、k±は、非特許文献3に開示された波数と周波数の関係式を用いる場合、次の数式(3)のように誘導される。
【0025】
【数3】
ここで、αはプラズマ波の加速度成分であり、角周波数(Angular frequencyω’+iω”)は次のように誘導される。
【0026】
【数4】
ここでω”>0であれば、プラズマ波増幅が開始される。
【0027】
そして、ドレイン反射係数は、ドレイン境界条件インピーダンス値がZ
dである場合に、数式(5)のように誘導される。
【0030】
【数5】
一方、SC−PWDは、次の表1のような条件下でテラヘルツ素子として動作する。
【0031】
【表1】
すなわち、SC−PWDのプラズマ波が発生する判定基準は、不安定(instability)、増加(increment)及び周波数(frequency)条件である。したがって、SC−PWDは、前記表1の条件下でテラヘルツ発振器として動作し、前記条件を各パラメータに対して説明する。
【0032】
そして、ηを導入する場合、プラズマ波速度と電子漂流速度との関係を示す基本式は数式(6)のように整理される。
【0033】
【数6】
以下、本発明に係るサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法は、
図1に示すように、電子漂流速度をx軸に設定するx軸設定ステップ(S1)、プラズマ波速度をy軸に設定するy軸設定ステップ(S2)、及び電子漂流速度によるプラズマ波速度の関係を示すデザインウィンドウを生成して素子の動作を判断する素子性能判断ステップ(S3)を含んで構成される。
【0035】
x軸設定ステップ(S1)
デザインウィンドウは、x軸、y軸、及び必要な場合にz軸を含む。
【0036】
ここで、x軸は電子漂流の速度v
0に設定する。前記v
0は0から次第に増加させる。
【0037】
y軸設定ステップ(S2)
デザインウィンドウのy軸を設定するステップであって、y値はx値の変化により変化し、ここで、y軸はプラズマ波速度s+に設定する。
【0038】
素子性能判断ステップ(S3)
素子性能判断ステップ(S3)は、v
0値と素子パラメータであるチャネル長さL、チャネル幅W、移動度μ、ドレインインピーダンスZdの変化によるデザインウィンドウを生成してエミッタの動作範囲を判断するステップであって、表1の3つの条件を適用して素子の動作範囲を判断する。
【0039】
1.周波数条件(frequency condition f<10THz)
数式(4)及び数式(6)を用いる場合、角周波数の条件でプラズマ波速度と電子漂流速度の関係は数式(7)のように誘導される。
【0040】
【数7】
ここで、周波数の大きさによるプラズマ波速度と電子漂流の速度関係は、
図2に示すグラフのように示される。
【0041】
2.増加条件(increment condition、ω”=0)
ω”=0はrd=rd、i=rd、cとなる地点を意味するため、数式(4)及び数式(6)を用いて次のような数式(8)が誘導される。
【0042】
【数8】
前記数式(8)を用いた場合、
図3に示すグラフを取得できる。
【0043】
3.増加条件−有限Zd(increment condition、ω”=0)
また、ω”=0はrd=rd、i=rd、cとなる地点を意味するため、数式(4)及び数式(6)を用いてインピーダンスが追加されるため、数式(3)を追加すると、次のような数式(9)が誘導される。
【0044】
【数9】
しかし、前記数式(9)はω’を含んでいるため、ηの変化だけでウィンドウを図示することができない。したがって、別途の式が必要であれば、本発明では数式(7)及び数式(9)を使用し、ここで、v0−vo’=0の条件であり、この条件は数式(10)に誘導される。したがって、ω’を固定した後、η値を数式(10)の非線型方程式に解いて求める。
【0045】
【数10】
数式(10)と数式(9)を利用すると、
図4に示すグラフを取得できる。
【0046】
4.不安定条件(instability condition)
dc電流源の付加によりv0はチャネルの全般にわたって定数値を有するものと仮定し、ここで、最大速度は、ソースから電子が注入された速度v
injのように仮定し、また、v
0はプラズマ波速度sを超えない状況であると仮定すれば、条件はv
0=v
injに限定される。
【0047】
前記の不安定条件を付加したグラフが
図5に示す通りであり、全体の2つの条件を総合すると、
図6に示すような最終デザインウィンドウを取得できる。
【0048】
以下、本発明を実施形態によりさらに詳しく説明する。
【0049】
実施形態1
移動度10万のsuspended graphene(m=0.02m
0)をL(長さ)=300nm、W(幅)=1000nmの大きさを有するチャネル物質に使用するとき、SC−PWD THzエミッタのデザインウィンドウの変化を|Z
d|により示したグラフを
図7に示した。
【0050】
実施形態2
移動度の変化によるデザインウィンドウの変化を
図8に示した。前記
図8に示すように、高い移動度で比較的に広いデザイン自由度を有するものと分析された。
【0051】
実施形態3
同一の移動度を有するとき、チャネルの長さに対して変化するデザインウィンドウを
図9に示した。同一のmin.hを共有する。
【0052】
前記
図9に示すように、チャネル長さが長くなるにつれて次第にデザインウィンドウの幅が狭くなり、L
maxに達すると、デザインウィンドウが消えることになる。
【0053】
一方、移動度が10万、有効質量m=0.02m
0のsuspended grapheneの場合、L
max=865nmであることを算出する。そして、チャネル移動度がより増加すると、もし、移動度が15万のsuspended grapheneを確保することになると、L
max=1298nmになることが確認された。
【0054】
実施形態4
チャネル幅に対する共振ウィンドウ(デザインウィンドウ)の変化を
図10に示した。
図10に示すように、ある程度のチャネル幅が増加すれば、周波数レンジは大幅に増加し、共振を発生させるための閾値インピーダンス|Z
d、c|が増加することになり、これと同時に理想的にはx軸の一方向に進行しなければならないプラズマ波がチャネル幅の増加によってy軸にも進行する成分が次第に増大することでその特性が低下する恐れがあるが、
図10に示すようなデザインウィンドウで適切な値を選定する場合は有用な素子を設計できるという長所がある。
【0055】
実施形態5
チャネル長さLをz軸に追加する場合、
図11に示すような3次元グラフを取得することができる。
図11によって様々な変数に対する共振ウィンドウの変化を一回に察し得る長所がある。特に、チャネル移動度も10万、有効質量m=0.02m
0、理想的なドレインインピーダンスを想定した場合にL
max=865nmであるが、800nmの近所では高い|Zd|を確保しなければならないことが分かる。
【0056】
したがって、可能な限り短いチャネルの長さを有するSC−PWDを作ることによりTHzエミッタの実現可能性も高まることが
図11によって確認できる。
【0057】
上記のように本発明に係るサスペンデッドチャネルプラズマ波
デバイスの性能評価方法は、構成物質を選定した後、チャネル長さ、チャネル幅、及びインピーダンスによる素子特性を把握することができ、反対に、チャネル長さ、チャネル幅、及びインピーダンスを選定した後、発振器で使用可能な物質を選定することもできる。
【0058】
また、4つのパラメータのうち3つを固定した後、1つのパラメータを変化させて発振器で使用可能な当該パラメータの範囲を設定し得る。
【0059】
以上では本発明を特定の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されず、当該の発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的な思想を逸脱しない範囲内で実施できる様々な形態の実施形態を全て含む。
【符号の説明】
【0060】
S1:x軸設定ステップ
S2:y軸設定ステップ
S3:素子性能評価ステップ