特許第6530517号(P6530517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6530517
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】安全性を向上させる挟み込み防止ドア
(51)【国際特許分類】
   E05F 3/14 20060101AFI20190531BHJP
   E06B 7/36 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   E05F3/14
   E06B7/36 Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-4734(P2018-4734)
(22)【出願日】2018年1月16日
【審査請求日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】106146081
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518017152
【氏名又は名称】松之門控設備股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100117466
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 渉
(72)【発明者】
【氏名】游 舜顯
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−130880(JP,U)
【文献】 特開平08−049467(JP,A)
【文献】 特開2014−031648(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0079837(KR,A)
【文献】 国際公開第2017/059916(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00 − 13/04 、 17/00
E06B 7/00 − 7/36
E05D 1/00 − 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア枠、ドア板、調整機構および開閉器を備え、
前記ドア枠は、上枠部、下枠部、第一側枠部および第二側枠部を有し、前記第一側枠部および前記第二側枠部は相対するように前記上枠部および前記下枠部に連結され、前記第一側枠部は前記第二側枠部に相対する側面に凹状部を有し、
前記ドア板は、頂部が前記ドア枠の前記上枠部に接続され、底面の内部に形成された装着溝部と、前記ドア枠の前記第一側枠部に相対する側辺に形成された円弧状突出部とを有し、前記ドア板が閉じた場合、前記ドア板の前記円弧状突出部は前記ドア枠の前記第一側枠部の前記凹状部に嵌め込まれ、
前記調整機構は、固定座、可動板、固定軸および固定ギアを有し、前記固定座は前記ドア枠の前記第一側枠部に接するように前記ドア枠の前記下枠部に装着され、前記可動板は前記ドア枠の前記第一側枠部に相対して移動できるように前記固定座に配置され、前記固定軸は底部が前記可動板に連結され、前記固定ギアは前記固定軸に接続され、
前記開閉器は、本体、回転軸および伝達歯車を有し、前記本体は前記ドア板の前記装着溝部に格納され、前記調整機構の前記固定軸の頂部に接続されるため、前記ドア板の開閉作動に伴って前記固定軸に対して回転することができ、前記回転軸は回転可能なように前記本体に配置され、頂部が前記本体に入り込み、下向きの底部が前記本体に突出し、伝達歯車は前記調整機構の前記固定ギアと噛み合うように前記回転軸の前記底部に連結されるため、前記本体に対して前記回転軸を回転させることができることを特徴とする挟み込み防止ドア。
【請求項2】
前記可動板は一端にねじ穴を有し、
前記調整機構はさらに調整ボルトを有し、前記調整ボルトは前記可動板の前記ねじ穴に装着されることで前記可動板を前記ドア枠の前記第一側枠部へ移動させることを特徴とする請求項1に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項3】
前記固定座は、前記可動板の格納に用いられる格納溝と、前記固定座の一端に形成される二対のストッパーと、前記格納溝と繋がるように二つの前記ストッパーの間に形成される欠け口とを有し、
前記調整ボルトはヘッド部およびねじ部を有し、前記ヘッド部は二つの前記ストッパー上の前記格納溝に背く側面に当接し、前記ねじ部は前記欠け口に差し込まれ、一端が前記ヘッド部に連結され、他端が前記可動板の前記ねじ穴内に締め付けられることを特徴とする請求項2に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項4】
前記調整機構は、さらにリングストッパーを有し、前記リングストッパーは前記調整ボルトの前記ねじ部に接続され、前記固定座の二つの前記ストッパー上の前記格納溝に相対する側面に当接することを特徴とする請求項3に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項5】
前記固定座はさらに一端に形成される開口溝を有し、前記開口溝はは前記欠け口と繋がり、
前記調整ボルトの前記ねじ部が前記欠け口に差し込まれることを特徴とする請求項3に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項6】
前記固定座はさらに二つの相対する側辺に別々に形成される穿孔を有し、前記穿孔は前記格納溝と繋がり、軸方向が前記可動板の前記ねじ穴の軸方向に垂直であり、
前記調整機構はさらに二つの当接部を有し、前記当接部は移動可能なように前記穿孔に装着され、前記可動板に当接することを特徴とする請求項3に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項7】
前記ドア枠の前記凹状部は矩形溝部であることを特徴とする請求項1に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項8】
前記ドア枠の前記凹状部は前記ドア枠の前記上枠部の底面から前記ドア枠の前記下枠部の頂面まで伸びて形成されることを特徴とする請求項7に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項9】
前記ドア板の前記円弧状突出部の長さは前記ドア枠の前記凹状部の長さに対応することを特徴とする請求項8に記載の挟み込み防止ドア。
【請求項10】
前記ドア枠の前記凹状部の幅は前記ドア板の前記円弧状突出部の厚さより大きいことを特徴とする請求項7に記載の挟み込み防止ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドアに関し、詳しくは安全性を向上させる挟み込み防止ドアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般のドア板は蝶番によってドア枠に接続され、ドア枠に相対して開閉作動することができる。ドア板とドア枠との間の隙間はドア板の開閉作動によって増減する。
【0003】
開いたドア板の横で遊んでいた子供の指が不注意でドアの隙間に入った時に、ドア板が突然に誰かに閉められ、子供の指を挟んで怪我をさせてしまう事故がよくある。子供だけでなく大人でもこのような思いがけない事故が避けられない。従って、上述した従来のドアは常に見えない危険性を抱えているため、安全面において改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ドア板の開閉作動の邪魔にならず指挟み事故を防止し、使用上の安全性を向上させる挟み込み防止ドアを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、挟み込み防止ドアはドア枠、ドア板、調整機構および開閉器を備える。ドア枠は上枠部、下枠部、第一側枠部および第二側枠部を有する。第一側枠部および第二側枠部は相対するように上枠部および下枠部に連結される。第一側枠部は第二側枠部に相対する側面に凹状部を有する。ドア板は頂部がドア枠の上枠部に接続され、底面の内部に形成された装着溝部と、ドア枠の第一側枠部に相対する側辺に形成された円弧状突出部とを有する。ドア板が閉じた場合、ドア板の円弧状突出部はドア枠の第一側枠部の凹状部に嵌まり込む。調整機構は固定座、可動板、固定軸および固定ギアを有する。固定座はドア枠の第一側枠部に接するようにドア枠の下枠部に装着される。可動板はドア枠の第一側枠部に相対して移動できるように固定座に配置される。固定軸は底部が可動板に連結されることによって可動板とともに移動する。固定ギアは固定軸に接続されることで固定軸とともに移動する。開閉器は本体、回転軸および伝達歯車を有する。本体はドア板の装着溝部に格納され、調整機構の固定軸の頂部に接続されるため、ドア板の開閉作動に伴って固定軸を中心に回転することができる。回転軸は回転可能なように本体を貫通し、頂部が本体に入り込み、下向きの底部が本体に突出する。伝達歯車は調整機構の固定ギアと噛み合うように回転軸の底部に連結されるため、ドア板が開閉作動する際、回転軸によって駆動され、固定ギアを中心に公転する。このとき固定ギアは回転しないため、伝達歯車は公転と同時に自転もする。回転軸は伝達歯車の回転によって開閉器の本体内のダンパーを作動させる。ダンパーは油圧によってドアの開閉作動に抵抗を生じる。
【0006】
上述したとおり、本発明による挟み込み防止ドアはドア枠の凹状部とドア板の円弧状突出部の組み合わせによって開いたドア板とドア枠との間の隙間を効果的に遮蔽することができる。一方、ドア板の取付作業が完了した後、またはドア板が何回か使用された後、可動板によってドア板の位置を調整し、閉じたドア板の円弧状突出部をドア枠の凹状部内に維持することができる。つまり、本発明はドア板の開閉作動の邪魔にならず指挟み事故を防止し、使用上の安全性を向上させることができる。
【0007】
本発明による挟み込み防止ドアの詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法は、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。また、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある人ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアにおいてドア板が閉じた状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアのドア枠を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアのドア板を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアにおいてのドアクローザーおよび開閉器の配置位置を示す平面図である。
図5図4中の5−5線に沿った断面図である。
図6図5の一部分の拡大図である。
図7図4に示したドア板が45度開いた状態を示す断面図である。
図8図4に示したドア板が90度開いた状態を示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアの調整機構を示す分解斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアの調整機構において四つの当接部がそれぞれ可動板の二つの相対する長辺に当接する状態を示す平面図である。
図11】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアの調整機構の一部分を示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアの調整機構の調整ボルトによって可動板をドア枠の第一側枠部へ移動させる状態を示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアにおいて調整機構の一部分、即ち固定軸と固定ギアおよび開閉器の伝達歯車と回転軸とが結合した状態を示す断面図である。
図14】本発明の一実施形態による挟み込み防止ドアにおいて調整機構の一部分、即ち固定軸と固定ギアと結合した開閉器の伝達歯車が自転と同時に固定ギアを中心に公転する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による挟み込み防止ドアを図面に基づいて説明する。なお、本明細書において、上下、内外、前後および左右などの方向性のある用語は通常に作業する際の向きを表示するための説明に過ぎないため、本発明の請求範囲を限定できない。
【0010】
(一実施形態)
図1から図4に示すように、本発明の一実施形態による挟み込み防止ドア10は、ドア枠20、ドア板30、調整機構40および開閉器50を備える。
【0011】
図2に示すように、ドア枠20は上枠部21、下枠部22、第一側枠部23および第二側枠部24を有する。第一側枠部23および第二側枠部24は相対するように上枠部21および下枠部22に連結される。第一側枠部23は内側面(即ち第二側枠部24に相対する側面)に凹状部25を有する。凹状部25即ち矩形溝部(図6参照)は上枠部21の底面から下枠部22の頂面まで伸びて形成される。
【0012】
図4に示すように、ドア板30はドアクローザー12によって頂部がドア枠20の上枠部21の一端に接続される。周知のドアクローザー12は本発明の技術重点ではないため、詳細な説明を省略する。図3および図4に示すように、ドア板30は装着溝部31および円弧状突出部32を有する。装着溝部31はドア枠20の第一側枠部23に接するようにドア板30の底面の内部に形成される。円弧状突出部32はドア枠20の第一側枠部23に相対するドア板30の側辺に形成される。図3に示すように、ドア板30の円弧状突出部32の長さはドア枠20の凹状部25の長さに対応する。図6に示すように、ドア板30の厚さTはドア枠20の凹状部25の幅Wより小さい。ドア板30が閉じた場合、図5に示すようにドア板30の円弧状突出部32はドア枠20の第一側枠部23の凹状部25に嵌まり込む。ドア板30が開いた場合、ドア板30の円弧状突出部32は開いたドア板30の角度によって全体または一部分がドア枠20の第一側枠部23の凹状部25と分離する。開いたドア板30が45度を呈する際、図7に示すように、ドア板30の円弧状突出部32は半分がドア枠20の第一側枠部23の凹状部25に突出し、別の半分がドア枠20の第一側枠部23の凹状部25に入り込む。開いたドア板30が90度を呈する際、図8に示すように、ドア板30の円弧状突出部32とドア枠20の第一側枠部23の凹状部25とは完全に分離する。
【0013】
図9に示すように、調整機構40は固定座41、可動板42、調整ボルト43、リングストッパー44、二対の当接部45、固定軸46および固定ギア47を有する。
【0014】
固定座41は、ドア枠20の下枠部22の頂面(図1および図4参照)に装着され、一端がドア枠20の第一側枠部23に当接し、かつ格納溝411と、二対のストッパー412、欠け口413、開口溝414および複数の穿孔415を有する。二対のストッパー412は固定座41の他端に形成される。欠け口413は格納溝411と繋がるように二つのストッパー412の間に形成される。開口溝414は欠け口413と繋がる。複数の穿孔415は固定座41の二つの相対する長辺に間隔を置いて形成される。すべての穿孔415と格納溝411とは相互に繋がる。
【0015】
図10に示すように、可動板42は固定座41の格納溝411に格納され、長さおよび幅が固定座41の格納溝411より小さいため、格納溝411内を前後および左右に移動できる。可動板42は右端(即ち固定座41のストッパー412に近い一端)にねじ穴421を有し、左端(即ち固定座41のストッパー412から離れる一端)に非円形固定孔422を有する。ねじ穴421の軸方向は固定座41の穿孔415の軸方向に垂直である。
【0016】
図10に示すように、調整ボルト43はヘッド部431およびねじ部432を有する。ヘッド部431は固定座41のストッパー412の外側面(即ち格納溝411に背く側面)に当接するように固定座41の開口溝414内に位置する。ねじ部432は固定座41の欠け口413に差し込まれ、一端がヘッド部431に連結され、他端が可動板42のねじ穴421内に締め付けられる。図11および図12に示すように、調整ボルト43はハンド工具(図中未表示)からの外力によって移動せず回転すると同時に可動板42をドア枠20の第一側枠部23に接近させる。
【0017】
図10に示すように、リングストッパー44は、調整ボルト43のねじ部432に接続され、固定座41のストッパー412の内側面(即ち格納溝411に相対する側面)に当接するため、調整ボルト43が固定座41から逸脱することを抑制できる。
【0018】
図10に示すように、当接部45は一つずつ固定座41の穿孔415に差し込まれ、末端部が固定座41の穿孔415に突出し、可動板42の長い側辺に当接することによって可動板42のスウィングを維持する角度を調整する。調整の利便性を向上させるために当接部45の外周面にねじ山を形成し、穿孔415の内壁面にねじ山を形成すればよい。当接部45のねじ山と穿孔415のねじ山とは相互に噛み合うように結合できるため、当接部45はハンド工具(例えばドライバー)からの外力によって穿孔415の軸方向に沿って前進したり後退したりできる。
【0019】
図9および図11に示すように、固定軸46は底部が可動板42の固定孔422に嵌まり込むことによって可動板42とともに移動する。
【0020】
図9および図11に示すように、固定ギア47は固定軸46に被さって接続され、かつ可動板42の頂面に接するため、自ら回転することなく、可動板42に伴って固定軸46と一緒に移動することができる。
【0021】
図4および図11に示すように、開閉器50は本体51、回転軸54および伝達歯車55を有する。開閉器50のそれ以外の部品は従来の技術で本発明の技術特徴ではないため、詳細な説明を省略する。本体51はドア板30の装着溝部31に格納され、一端の底面に接続孔52およびそれに接する軸孔53を有する。本体51は軸受56が接続孔52に入り込むことによって調整機構40の固定軸46の頂部に接続されるため、ドア板30の開閉動作に伴って固定軸46に対して回転することができる。図9および図11に示すように、回転軸54は本体51の軸孔53に回転可能なように差し込まれ、頂部が本体51に入り込み、下向きの底部が本体51に突出する。伝達歯車55は調整機構40の固定ギア47と噛み合うように回転軸54の底部に連結されるため、ドア板30が開閉作動する際、回転軸54の駆動力を受けて固定ギア47を中心に公転する。図13および図14に示すように、固定ギア47は回転しないため、伝達歯車55は公転と同時に自転もする。回転軸54は伝達歯車55とともに回転すると同時に、開閉器50の本体51内のダンパー(図中未表示)を作動させる。ダンパーは油圧によってドアの開閉作動に抵抗を生じる。
【0022】
上述したとおり、本発明による挟み込み防止ドア10はドア枠20の凹状部25とドア板30の円弧状突出部32の組み合わせによって異なる角度で開いたドア板30(図7および図8参照)とドア枠20との間の隙間を効果的に遮蔽することができる。一方、ドア板30の取付作業が完了した後、またはドア板30が何回か使用された後、調整ボルト43によってドア枠20の第一側枠部23に相対する可動板42の位置を調整する。このとき可動板42は調整ボルト43によって駆動され、ドア枠20の第一側枠部23の方向へ移動する。図11および図12に示すように、移動中の可動板42は固定軸46によって開閉器50の本体51を移動させると同時にドア板30を開閉器50の本体51とともにドア枠20の第一側枠部23の方向へ移動させるため、図6に示すように、閉じたドア板30の円弧状突出部32をドア枠20の凹状部25内に維持することができる。一方、一つまたは一つ以上の当接部45によって可動板42のスウィングを維持する角度を微調整すれば、閉じたドア板30を適切な位置に維持する、例えば図6に示すようにドア板30の円弧状突出部32をドア枠20の凹状部25の中央に維持することができる。上述したとおり、本発明による挟み込み防止ドア10はドア板30の開閉作動の邪魔にならず指挟み事故を防止し、状況に応じてドア板30の位置を調整し、使用上の安全性および利便性を向上させることができるだけでなく、調整作業が非常に簡単である。
【符号の説明】
【0023】
10:挟み込む防止ドア、 12:ドアクローザー、 20:ドア枠、 21:上枠部、 22:下枠部、 23:第一側枠部、 24:第二側枠部、 25:凹状部、 W:幅、 30:ドア板、 31:装着溝部、 32:円弧状突出部、T:厚さ、 40:調整機構、 41:固定座、 411:格納溝、 412:ストッパー、 413:欠け口、 414:開口溝、 415:穿孔、 42;可動板、 421:ねじ穴、 422:固定孔、 43:調整ボルト、 431:ヘッド部、 432:ねじ部、 44:リングストッパー、 45:当接部、 46:固定軸、 47:固定ギア、 50:開閉器、 51:本体、 52:接続孔、 53:軸孔、 54:回転軸、 55:伝達歯車、 56:軸受
【要約】
【課題】挟み込み防止ドアを提供する。
【解決手段】挟み込み防止ドアはドア枠、ドア板、調整機構および開閉器を備える。ドア枠は内周縁部に上下に伸びて形成された凹状部を有する。ドア板は外周縁部に円弧状突出部を有する。ドア板が閉じた時、ドア板の円弧状突出部はドア枠の凹状部に嵌まり込むため、ドア板とドア枠との間の隙間を確実に遮蔽し、指挟み事故を防止することができる。調整機構はドア板の下方に配置されるため、閉じたドア板の円弧状突出部をドア枠の凹状部内に維持することができる。調整機構は固定軸と、固定軸に配置された固定ギアとを有する。開閉器は本体、回転軸および伝達歯車を有する。本体はドア板内に格納され、調整機構の固定軸に接続される。回転軸は本体に配置され、調整機構の固定ギアと噛み合う伝達歯車と連結されるため、開閉器は伝達歯車によってドアの開閉作動に抵抗を生じることができる。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14