特許第6530712号(P6530712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6530712
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】窓ステー、窓システム及び設置方法
(51)【国際特許分類】
   E05C 17/32 20060101AFI20190531BHJP
   E05D 15/46 20060101ALI20190531BHJP
   E06B 3/34 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   E05C17/32
   E05D15/46
   E06B3/34
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-529719(P2015-529719)
(86)(22)【出願日】2013年8月20日
(65)【公表番号】特表2015-530499(P2015-530499A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】NZ2013000148
(87)【国際公開番号】WO2014035259
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年7月22日
(31)【優先権主張番号】602157
(32)【優先日】2012年8月31日
(33)【優先権主張国】NZ
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505138978
【氏名又は名称】エイエスエスエイ・アブロイ・ニュージーランド・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンリー,スーザン・マートル
(72)【発明者】
【氏名】ホーウッド,スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】マクレガー,ダンカン・ダフ
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−242525(JP,A)
【文献】 特開2008−231761(JP,A)
【文献】 実開平04−027079(JP,U)
【文献】 特開2012−036581(JP,A)
【文献】 米国特許第07490442(US,B1)
【文献】 独国特許発明第19544719(DE,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 17/32
E05D 15/40−15/46
E05F 11/16
E06B 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓サッシ、窓枠および1つ又は複数の窓ステーを含む、窓であって、
前記各々の窓ステーは、
i.前記窓枠への取り付けのために構成された枠板;
ii.前記窓サッシへの取り付けのために構成されたサッシ板;及び
iii.前記枠板と前記サッシ板との間の相対移動を可能とするよう構成された前記枠板と前記サッシ板とを接続する1つ又は複数の接続要素
を含む、窓ステーであって、
前記枠板及び前記サッシ板のうちの少なくとも一方は第1の協働要素を有し、前記第1の協働要素は、前記窓枠又は前記窓サッシにおいて第2の協働要素と係合して、据え付け中に前記窓枠又は前記窓サッシへの前記枠板又は前記サッシ板の予備取り付けを可能にするように構成され、
前記第1の協働要素は係留要素であり、前記第2の協働要素は、前記係留要素を受承するように構成及び位置決めされた開口部又は凹部であり、
前記開口部又は凹部は、前記窓枠又は窓サッシに直接設けられており、
前記窓枠又は前記窓サッシの上下端にわたって延在する隆起又は肩部として形成された形成物を更に含み、
前記枠板又は前記サッシ板は、据え付け中に前記第1の協働要素と前記第2の協働要素とが整列する位置へと、前記形成物に沿って摺動するように構成されている、窓。
【請求項2】
前記第1の協働要素は前記枠板上に形成され、前記第2の協働要素は前記窓枠上に形成されている、請求項1に記載の窓。
【請求項3】
前記第1の協働要素は、前記枠板の上端部付近に形成されている、請求項2に記載の窓。
【請求項4】
前記係留要素は弾性要素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窓。
【請求項5】
前記第1の協働要素は、前記窓ステーの前記枠板又は前記サッシ板と一体として形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窓。
【請求項6】
前記第1の協働要素は、前記枠板又は前記サッシ板をプレス加工、穴開け又は打ち抜き加工することにより形成されている、請求項5に記載の窓。
【請求項7】
前記第1の協働要素は、前記枠板又は前記サッシ板に取り付けられた別個の要素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窓。
【請求項8】
前記別個の要素は圧入によって取り付けられる、請求項7に記載の窓。
【請求項9】
前記第1の協働要素は、前記接続要素の少なくとも1つの回転を制限する機械的停止部
と一体的に形成される、請求項7に記載の窓。
【請求項10】
前記枠板は、前記窓枠に直接取り付けられるように構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の窓。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の窓における前記窓サッシを前記窓枠に据え付ける方法であって、
前記窓枠は、前記窓サッシと前記窓枠とを接続する前記1つ又は複数の窓ステーを有し、
前記方法は:
i.前記サッシ板を前記窓サッシに取り付けるステップ;
ii.前記枠板及び前記窓枠上の協働要素が係合して、前記枠板及び前記窓枠の予備取り付けを達成するように、前記枠板を前記窓枠上に位置決めするステップ;並びに
iii.前記枠板を前記窓枠に取り付けるステップ
を含む、方法。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の窓における前記窓サッシを前記窓枠に据え付ける方法であって、
前記窓枠は、前記窓サッシと前記窓枠とを接続する前記1つ又は複数の窓ステーを有し、
前記方法は:
i.前記枠板を前記窓枠に取り付けるステップ;
ii.前記サッシ板及び前記窓サッシ上の協働要素が係合して、前記サッシ板及び前記窓サッシの予備取り付けを達成するように、前記サッシ板を前記窓サッシ上に位置決めするステップ;並びに
iii.前記サッシ板を前記窓サッシに取り付けるステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窓に関し、特に窓サッシの窓枠への据え付けを容易にする構成に関する。
【背景技術】
【0002】
窓の製作プロセスは、窓サッシ及び窓枠の製造から始められる。サッシ及び枠の構成部品は、押出し成形したアルミニウム、押出し成形したuPVC又は木材製であってよい。
【0003】
窓サッシと窓枠とを一体に接続するために、2つの窓ステー(窓ステーヒンジとしても公知である)を使用することが多く、これらはヒンジ機構を提供し、このヒンジ機構によって窓を開閉できる。オーニングタイプの場合、窓ステーは一般に、窓サッシの上部付近の各側部及び窓枠の上部付近の各側部に取り付けられる。窓サッシの据え付け中、窓ステーは、一般に窓サッシを窓枠に据え付ける以前に窓サッシに取り付けられる。
【0004】
窓の工場内での製作は、窓枠を水平位置にした状態で行われる。窓サッシを窓枠に据え付けるためには、製作者が窓サッシの重量を彼らの体からある距離だけ離して片持ち状態で支えなければならないか、又は窓サッシを窓枠へと持ち上げるのを助ける追加の補助者が必要である。続いて製作者は、枠板を通して締結器具(ねじ、リベット等)を窓枠に据え付けるために、水平な窓枠の下を移動(即ち這って行く)しなければならない。
【0005】
現場での据え付けは、1人の据付者が建物に入る間に窓サッシを窓枠へと位置決めして窓サッシを保持し、窓枠のもう一方の側において、締結器具を枠板を通して窓枠へと挿入するために、2人の作業者を必要とする。
【0006】
特許文献1は、枠板と窓枠とを整列させるために使用できる追加の設置板を開示している。この設置板は有用な設置具を提供する一方で、枠板を設置板と整列させるのが困難となる。更に、この機構は更に頑丈な構成部品を必要とする。
【0007】
本明細書におけるいずれの従来技術の参照は、これら従来技術が技術常識の一部を形成することに対する承認を構成するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6138325号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、窓及び/若しくは窓ステーのより容易な据え付けを提供することであり、又は少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、より容易な据え付けのために、窓枠又は窓サッシと協働するように構成された窓ステーに関する。これは、ステーの枠板又は窓枠のうち一方の上にある係留構成部品と、上記枠板又は窓枠のうち他方の上にある協働要素とによって達成できる。あるいはこれは、ステーのサッシ板又は窓サッシのうち一方の上にある係留構成部品と、上記サッシ板又は窓サッシのうち他方の上にある協働要素とによって達成できる。
【0011】
本発明が提供する改良は、指物製作者による窓製造プロセスの一部として、又は既に建造物内に据え付けられた窓枠への窓サッシの据え付け中に有用である。主要な便益はアルミニウム窓に関するものの、本発明は、木材、プラスチック等を含む他の材料から形成された窓と共に使用できる。
【0012】
第1の態様では、本発明は:窓枠への取り付けのために構成された枠板;窓サッシへの取り付けのために構成されたサッシ板;及び枠板とサッシ板との間の相対移動を可能とするよう構成された、枠板とサッシ板とを接続する1つ又は複数の接続要素を含む窓ステーを提供し、ここで枠板及びサッシ板のうちの少なくとも一方は第1の協働要素を含み、この第1の協働要素は、窓枠又は窓サッシにおいて第2の協働要素と係合して、据え付け中に窓枠又は窓サッシへの枠板又はサッシ板の予備取り付けを提供するよう構成される。
【0013】
好ましくは、第1の協働要素は枠板上に形成され、第2の協働要素は窓枠上に形成される。好ましくは、第1の協働要素は、枠板の上端部付近に形成される。
【0014】
好ましくは、第1の協働要素は係留要素であり、第2の協働要素は、上記係留要素を受承するよう構成及び位置決めされた開口部又は凹部である。
【0015】
あるいは、第2の協働要素は係留要素であり、第1の協働要素は、上記係留要素を受承するよう構成及び位置決めされた開口部又は凹部である。
【0016】
好ましくは、係留要素は弾性要素である。
【0017】
好ましくは、第1の協働要素は、窓ステーの枠板又はサッシ板と一体として形成される。好ましくは、第1の協働要素は、枠板又はサッシ板をプレス加工、穴開け又は打ち抜き加工することにより形成される。
【0018】
あるいは、第1の協働要素は、枠板又はサッシ板に取り付けられた別個の要素である。好ましくは、上記別個の要素は圧入によって取り付けられる。
【0019】
第2の態様では、本発明は:窓サッシ;窓枠;及び窓サッシと窓枠とを接続する1つ又は複数の窓ステーを含む窓を提供し、各ステーは:窓枠への取り付けのために構成された枠板;窓サッシへの取り付けのために構成されたサッシ板;及び枠板とサッシ板との間の相対移動を可能とするよう構成され、枠板とサッシ板とを接続する1つ又は複数の接続要素を含み、ここで枠板及びサッシ板のうちの少なくとも一方は第1の協働要素を含み、この第1の協働要素は、窓枠又は窓サッシにおいて第2の協働要素と係合して、据え付け中に窓枠又は窓サッシへの枠板又はサッシ板の予備取り付けを提供するよう構成される。
【0020】
好ましくは、窓は窓枠又は窓サッシ上に形成物を含み、据え付け中に枠板又はサッシ板を、第1の協働要素と第2の協働要素とが整列する位置へと、この形成物に沿って摺動させてよい。
【0021】
好ましくは、枠板又はサッシ板は形成物によって支持され、これは予備取り付けと共に窓サッシの重量を確実に支承する。
【0022】
好ましくは、第1の協働要素は枠板上に形成され、第2の協働要素は窓枠上に形成される。
【0023】
好ましくは、第1の協働要素は枠板の上端部付近に形成される。
【0024】
好ましくは、第1の協働要素は係留要素であり、第2の協働要素は、上記係留要素を受承するよう構成及び位置決めされた開口部又は凹部である。
【0025】
あるいは、第2の協働要素は係留要素であり、第1の協働要素は、上記係留要素を受承するよう構成及び位置決めされた開口部又は凹部である。
【0026】
好ましくは、係留要素は弾性要素である。
【0027】
好ましくは、第1の協働要素は枠板又はサッシ板と一体に形成される。好ましくは、第1の協働要素は、枠板又はサッシ板をプレス加工、穴開け又は打ち抜き加工することにより形成される。
【0028】
あるいは、第1の協働要素は、枠板又はサッシ板に取り付けられた別個の要素である。好ましくは、上記別個の要素は圧入によって取り付けられる。
【0029】
第3の態様では、本発明は、窓サッシを窓枠に据え付ける方法を提供する。上記窓枠は、窓サッシと窓枠とを接続する1つ又は複数の窓ステーを有し、各ステーは:窓枠への取り付けのために構成された枠板;窓サッシへの取り付けのために構成されたサッシ板;及び枠板とサッシ板との間の相対移動を可能とするよう構成され、枠板とサッシ板とを接続する1つ又は複数の接続要素を含む。本方法は:サッシ板を窓サッシに取り付けるステップ;枠板及び窓枠上の協働要素が係合して、枠板及び窓枠の予備取り付けを達成するように、枠板を窓枠上に位置決めするステップ;並びに枠板を窓枠に取り付けるステップを含む。
【0030】
好ましくは、枠板を位置決めするステップは:枠板を窓枠上の形成物と整列させること;協働要素が係合するまで枠板を上記形成物に沿って摺動させることを含む。
【0031】
好ましくは、上記形成物は、窓枠部材の長さに沿って延在する隆起又は肩部である。
【0032】
第4の態様では、本発明は、窓サッシを窓枠に据え付ける方法を提供する。上記窓枠は、窓サッシと窓枠とを接続する1つ又は複数の窓ステーを有し、各ステーは:窓枠への取り付けのために構成された枠板;窓サッシへの取り付けのために構成されたサッシ板;及び枠板とサッシ板との間の相対移動を可能とするよう構成され、枠板とサッシ板とを接続する1つ又は複数の接続要素を含む。上記方法は:枠板を窓枠に取り付けるステップ;サッシ板及び窓サッシ上の協働要素が係合して、サッシ板及び窓サッシの予備取り付けを達成するように、サッシ板を窓サッシ上に位置決めするステップ;並びにサッシ板を窓サッシに取り付けるステップを含む。
【0033】
好ましくは、サッシ板を位置決めするステップは:サッシ板を窓サッシ上の形成物と整列させること;協働要素が係合するまでサッシ板を上記形成物に沿って摺動させることを含む。
【0034】
好ましくは、上記形成物は、窓サッシ部材の長さに沿って延在する隆起又は肩部である。
【0035】
これより本発明を、添付した図面を参照して、単なる例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、一実施形態による窓ステーの側面図である。
図2図2は、図1の窓ステーに形成された第1の協働要素を示す。
図3図3は、図2の第1の協働要素の更なる図である。
図4図4は、窓枠へのサッシの据え付け前に据え付けられた2つの窓ステーを有する、窓サッシを示す。
図5図5は、窓枠上の第1の位置にある窓サッシを示す。
図6図6は、第1の協働要素と第2の協働要素との間の係合をもたらすための、窓サッシ及び窓ステーの移動を示す。
図7図7は、中間摺動位置における窓ステー及び窓枠を示す。
図8図8は、図7の位置の更なる図である。
図9図9は、協働要素が係合した後の窓サッシ、窓ステー及び窓枠を示す。
図10図10は、図9の位置における更なる図である。
図11図11は、更なる実施形態による係留要素を示す。
図12図12は、図11の係留要素が据え付けられた状態のステーを示す。
図13図13は、図12のステーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、一実施形態による窓ステー1を示す。窓ステー1は、窓枠への設置のための枠板2と、窓サッシへの設置のためのサッシ板3とを含む。枠板2及び窓サッシ3は、アーム4、5及びジョイント6、7、8、9の形態の接続要素によって接続される。ジョイント6、7、8、9は、この用途において周知である摩擦リベットジョイントであってもよい。この構成により、枠板2とサッシ板3との間の相対移動が可能となり、これによって、据え付けられた窓サッシが開位置と閉位置との間で移動できる。枠板の窓枠への、及びサッシ板の窓サッシへの取り付けそれぞれのための締結器具を受承するために、1つ又は複数の孔10、11が枠板及びサッシ板に設けられる。
【0038】
図1は第1の協働要素14も示しており、図2図3はこれをより詳細に示す。図示した第1の協働要素は、弾性ベース部分16上に設置された小さな突出部15を含む。この弾性ベース部分16により、突出部15は僅かに押し下げられたり、その後図3の突出位置まで戻ったりすることができる。この機構は高い可撓性を有する必要はなく、また一般に窓が据え付けられる際の1度だけしか使用されないため、度重なる曲げに耐える必要はない。しかしながらこれは、以下に説明するように、窓の据え付け時に突出部15の押し下げ及び戻りを可能とするために、柔軟性及び弾性を有していなければならない。
【0039】
突出部15は、第1の協働要素14に沿ったいずれかの場所に位置決めできる。この突出部15は円形として示されているが、いずれかの適切な形態又は形状を有することができる。
【0040】
協働要素14は、好ましくは枠板2の上部17付近に位置決めされていることに留意されたい。以下で明らかとなるように、これは、窓枠の突出部によって支持される枠板の他の部分との組み合わせで、サッシの重量を確実に支承する。
【0041】
図4は、窓サッシ18上に据え付けられた、ただし窓枠19への据え付け前の、2つの窓ステー1を示す。図示した実施形態では、サッシ18及び枠19は両方とも、アルミニウム押出成形品から形成されている。各サッシ板3は、孔11に配置された締結器具を用いて窓サッシ18に取り付けられる。
【0042】
図4は、第1の協働要素14と協働するよう構成された第2の協働要素20も示す。図4には示していないが、同様の第2の協働要素が窓枠19の手前側にも設けられ、第2の枠板の第1の協働要素14と係合する。第2の協働要素の位置は、各窓ステーの第1の協働要素の最終設置位置に適合する。図示した実施形態では、第2の協働要素は孔又は切欠きであり、この例では突出部15の形状に適合するように円形である。しかしながら、第1の協働要素と協働する限り、いずれの他の形状又はサイズの切欠きを使用してもよい。
【0043】
図5では、窓ステー1は窓枠19と接触するよう移動されている。窓枠19は、窓サッシ及び窓ステーを受承する凹部を有する。枠板2を、窓枠19の側部の長さに沿ったいずれの地点において、窓枠19に挿入してよい。窓枠の押出成形部は、肩部又はリッジ等の形成物22と共に形成され、窓枠内で適切に整列した場合にこの形成物22によって枠板2が支持される。2つの枠板2を挿入するために、これらをごく僅かに内側に向けて2つの突出部15に適合させる。図5の位置において、2つの突出部15は押し下げ位置にあり、突出部15と整列した窓枠19に凹部又は切欠きは存在しない。
【0044】
形成物22に対して適切に整列させた後、図6に矢印23で示すように、サッシ及び窓ステーを上方に摺動させることにより、据え付けを完了できる。図7図8は、枠板2の上部17がちょうど第2の協働要素20の開口部を通過している状態を示す。図8では、窓枠の押出成形部の一部は、押出成形部の内壁25及びそこに形成された第2の協働要素20を示すために、(24で示すように)図面から除外されている。
【0045】
据付者は、図9図10に示す位置に到達するまで、サッシ18及びステー1を摺動させ続けることになる。図10では、窓枠の押出成形部の一部は再び、押出成形部の内壁25及びそこに形成された第2の協働要素20を示すために、(24で示すように)図面から除外されている。しかしながらこの位置において、第1の協働要素14及び第2の協働要素20は互いに整列した状態となっている。突出部15は、第1の協働要素14の弾性により、図10に示すように、第2の協働要素の開口部20に係留する。これは窓枠19上の正確な位置に枠板2を正確に整列させ、枠板2と窓枠19との間の予備取り付けを形成する。同一の予備取り付けが、窓サッシの反対側の第2の窓ステーの枠板2と窓枠19との間に形成される。
【0046】
図9図10に示す位置において、協働要素は枠に対する枠板の上端部の移動を妨げる。更に、枠板は形成物22によって支持される。この組み合わせは、枠板2のいずれの移動も妨げる。協働要素14、20によって形成された予備取り付けは、窓サッシ18の重量を保持し、これにより据付者は、窓サッシ18から手を放して締結器具を据え付けて、枠板2を窓枠19に接続できる。窓ステーの係留構成部品が窓サッシ18を正確な位置に保持しているため、締結器具を容易かつ迅速に接続できる。従ってこの位置において、据付者は、孔10に配置された締結器具を用いて枠板2を枠19に恒久的に固定する前に、サッシ18から手を放すことができる。
【0047】
製作プロセス中、上記機構により、窓枠を据え付けのための垂直位置に保持できる。窓サッシ18を窓枠19に挿入する間、据付者は、彼らの体から快適な距離に保持された状態に窓サッシを維持でき、窓サッシを挿入でき、協働要素を係合させることができ、窓枠19の周りを歩き回って、締結器具を枠板2を通して窓枠19に据え付けることができる。
【0048】
窓サッシ18を既に据え付けられた窓枠19に据え付ける際、窓の重量により、1人の据付者が窓サッシを挿入し、協働要素を係合させ、その後建物に入って締結器具を枠板2を通して窓枠19に据え付けることができる。
【0049】
第1の及び第2の協働要素は、恒久的な締結器具が据え付けられる以前に、追加の締結器具を使用しない窓ステーと窓枠との間の予備接続を提供し、窓サッシの重量を支持する。更に、この機構は窓サッシを窓枠内の正確な位置に保持し、一方で窓ステーは窓枠に恒久的に締結される。これにより、窓の製作に関するプロセス及び製造時間を改善し、サッシの重量が許せば、1人の人間で窓サッシを据え付けることができるようになる。より重いサッシの場合は、協働要素が係合する位置へとサッシを持ち上げるために、2人以上の作業者が必要になる場合がある。より重いサッシには、より堅牢な協働要素を使用してもよい。多数の協働要素を使用して、より強力な予備取り付けを提供してもよい。
【0050】
図1〜10に示す実施形態では、第1の協働要素の係留構成部品は、枠板に組み込まれているか、又は枠板に形成されるが、代替実施形態では、これは窓サッシ取り付けられる窓ステー要素、即ちサッシ板に組み込まれてよいか、又はサッシ板に形成されていてもよい。その後、第2の協働要素は窓サッシ上に位置決めされ、ステーはまず枠に取り付けられ、次にサッシに取り付けられることになる。
【0051】
一実施形態では、協働要素は、ステーの構造全体の一部として組み込まれている可撓性要素(上述の弾性突出部14、15、16等)であってもよい。この要素を、サッシ、ステー又はステーが配置される枠と一体に形成してもよい。この要素を例えば、プレス加工、穴開け又は打ち抜き加工することによって形成できる。
【0052】
別の実施形態では、この要素は、押出成形部の開口部に圧入される別個の要素であり得る。このような別個の要素は、金属又はプラスチック又は必要な弾性若しくは可撓性を提供する他の何らかの材料から形成してもよい。別個の可撓性要素を、枠板又はサッシ板内に作製されたポケット又は開口部内において窓ステーに取り付けてもよい。可撓性構成部品を所定の位置に効果的に保持する可撓性要素の一方の端部の縁部全体に対して、ポケットの縁部を押圧してもよい。1つ又は複数のねじ又はリベット又は他の押圧された特徴部分等の、他の取り付け形態を用いてもよい。
【0053】
更なる実施形態では、係留構成部品は窓ステーの追加の特徴部分の一部であってよく、この特徴部分は例えば、強い風若しくは吸気圧力下にある場合に窓の水平移動を制限するヘッドロック特徴部分、又はニュージーランド特許第286247号に開示されているような二段作用式ステーの摺動構成部品である。この設計により、可撓性又は非可撓性要素を上記追加の特徴部分に組み込むことができ、従ってステーの構造全体の一部とすることができる。
【0054】
図11図13は、突出部15’を有する第1の協働要素14’を示す。この実施形態では、協働要素14は、機械的停止部100と単一の部品として形成され、突出部15’をサッシの据え付け中に必要に応じて移動可能とするために十分な可撓性を有するアーム101によって、機械的停止100に接合される。この単一部品を、リベット又は他の締結器具102によって枠板2に取り付けてよく、突出部は枠板2内の孔を通って延在する。図12に示すように、機械的停止100は、リベットジョイント6の周りでの短アーム4の回転を制限するよう作用する。この実施形態では、協働要素14’は依然として枠板2の上部付近にあるが、ここでは上部リベットジョイント6の下方に位置決めされる。
【0055】
上述したような様々な形態のうちのいずれか1つを採る係留構成部品の更なる実施形態は、枠部に組み込まれた特徴部分と係合してもよい。例えばこの係留構成部品は、窓枠内の凹部又は切欠きではなく、窓枠の側部又は上部内のアンダカットに係留してもよい。適切なアンダカットを押出成形部の特徴部分として提供してもよく、この押出し成形部は、押出成形部内に孔を作製することなくアンダカットを提供するよう機械加工できる。
【0056】
アルミニウムの指物に関して記載したが、本出願人の発明は木材を含む他の材料と共に使用してもよい。
【0057】
本発明を、窓サッシの各側にステーを有するオーニング(即ち上部でヒンジ留めされた)窓に関して記載した。しかしながら、本発明をケースメント(即ち側部でヒンジ留めされた)窓にも適用できる。
【0058】
本発明の複数の実施形態の説明により本発明を例示し、これらの実施形態を詳細に説明したが、添付の請求項の範囲を上記詳細に限定すること、又は多少なりとも制限することは、出願人の意図するところではない。追加の利点及び改変は、当業者には容易に明らかとなるであろう。従って本発明はその広範な態様において、ここで図示並びに説明した特定の詳細な説明、代表例としての装置及び方法、並びに例示的な実施例に限定されない。よって、出願人の一般発明概念の精神又は範囲から逸脱することなく、上述の詳細を発展させることができる。
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図13