(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザの番組の視聴履歴に基づいて、ユーザの番組の視聴度合いを、番組が属するジャンルごとに特定し、前記視聴度合いと、前記ジャンルと、前記番組の視聴日時とを関連付けて視聴度合い情報として記憶部に記憶させる視聴度合い特定部と、
前記視聴度合い情報に基づいて推薦対象のジャンルを特定し、特定されたジャンルと、当該ジャンルが特定された時間とを関連付けて前記記憶部に記憶させるジャンル特定部と、
特定されたジャンルに対応する番組を推薦する推薦部と、
特定されたジャンルと、当該ジャンルが特定された時間とに基づいて、前記視聴度合い情報の残存期間を変化させて前記記憶部に記憶されている前記視聴度合い情報を消去する消去部と、
を備える番組推薦装置。
前記消去部は、前記記憶部に既に記憶されているジャンルと、前記ジャンル特定部によって新たに特定されたジャンルとが異なる場合に、既に記憶されているジャンルに対応する前記視聴度合い情報の残存期間を、新たに特定されたジャンルに対応する前記視聴度合い情報の残存期間よりも短く設定する、
請求項1に記載の番組推薦装置。
前記消去部は、複数の番組のそれぞれが属するジャンルに基づいて、複数のジャンルのそれぞれの希少さを示すジャンル希少度を特定し、前記視聴度合い情報に含まれるジャンルの前記ジャンル希少度に基づいて、当該視聴度合い情報の残存期間を変化させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の番組推薦装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
[番組推薦装置1の概要]
図1は、第1実施形態に係る番組推薦装置1の概要を示す図である。番組推薦装置1は、例えば、ケーブルテレビを利用するユーザの自宅に設けられており、ケーブルテレビ放送や地上デジタルテレビ放送等の放送信号を受信するセットトップボックスである。
【0016】
番組推薦装置1は、各種の放送信号を受信することにより、放送局やケーブルテレビ事業者が放送する番組コンテンツ(以下、単に「番組」という。)を取得し、自身に接続されているテレビ受信機等のディスプレイ2に表示させる。番組推薦装置1を利用するユーザには、番組推薦装置1が設置されている場所に同居する家族等が含まれるものとする。例えば、4人家族の住宅に番組推薦装置1が設置されている場合、ユーザは家族4人である。
【0017】
第1実施形態において、番組推薦装置1は、ユーザの番組の視聴履歴に基づいて、ユーザの番組の視聴度合いを、曜日、時間帯、ジャンルごとに特定し(
図1の(1))、曜日及び時間帯ごとに、特定した視聴度合いと、ジャンルと、ジャンルを特定した日付とを関連付けた視聴度合い情報を記憶部に記憶させる(
図1の(2))。
【0018】
番組推薦装置1は、視聴度合い情報に含まれる視聴度合いに基づいて、曜日及び時間帯ごとに推薦対象のジャンルを特定する(
図1の(3))。番組推薦装置1は、自身のメニュー画面をディスプレイ2に表示させる際に、特定したジャンルに対応する番組を、番組推薦装置1が推薦する推薦番組として当該メニュー画面に表示させる(
図1の(4))。
【0019】
番組推薦装置1は、記憶部に記憶されている視聴度合い情報のうち、相対的に古い視聴度合い情報を当該記憶部から消去する(
図1(5))。番組推薦装置1は、相対的に古い視聴度合い情報を消去して推薦対象のジャンルを特定し、当該ジャンルに対応する番組を推薦番組とするので、ユーザの嗜好の変化に対応して、ユーザに適した番組を推薦することができる。
以下、番組推薦装置1の構成について説明する。
【0020】
[番組推薦装置1の構成例]
図2は、第1実施形態に係る番組推薦装置1の構成を示す図である。
番組推薦装置1は、入力部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
【0021】
入力部11は、例えば、番組推薦装置1に設けられたボタンやリモコンであり、番組推薦装置1のユーザから操作入力を受け付ける。
通信部12は、例えば、チューナーであり、各種の放送信号を受信することにより、当該放送信号に対応する番組を取得する。また、通信部12は、インターネット等の通信ネットワークを介して、各種サーバと通信を行う。
【0022】
例えば、通信部12は、通信ネットワークを介して、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を配信する配信サーバから電子番組表を受信する。電子番組表には、各チャンネルにおける番組のスケジュールと、番組のジャンルと、番組の内容を説明する説明情報とが含まれている。また、通信部12は、ディスプレイ2と通信を行うとともに、番組の録画を行う録画機器(不図示)と通信を行う。録画機器は、番組推薦装置1のユーザから番組の録画予約を受け付け、当該予約に応じて番組を予約するものとする。
【0023】
記憶部13は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部13は、番組推薦装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部13は、番組推薦装置1の制御部14を、後述する記憶制御部141、視聴度合い特定部142、消去部145、ジャンル特定部143及び推薦部144として機能させる番組推薦プログラムを記憶する。
【0024】
また、記憶部13は、通信部12が受信した電子番組表と、ユーザが視聴した番組の履歴を示す視聴履歴情報とを記憶する。
図3は、視聴履歴情報の一例を示す図である。
図3に示すように、視聴履歴情報は、ユーザが番組の視聴を開始した時刻を示す視聴開始時刻と、ユーザが番組の視聴を終了した時刻を示す視聴終了時刻と、ユーザが視聴した番組に対応するチャンネルと、ユーザが視聴した番組を識別する番組IDと、視聴種別とを含んでいる。視聴種別は、番組の視聴が放送中の番組の視聴であるか、録画された番組の視聴であるかを示す情報である。
【0025】
制御部14は、例えばCPUである。制御部14は、記憶部13に記憶されている各種プログラムを実行することにより、番組推薦装置1に係る機能を制御する。制御部14は、記憶制御部141と、視聴度合い特定部142と、ジャンル特定部143と、推薦部144と、消去部145とを備える。
【0026】
記憶制御部141は、ユーザが視聴した番組に対応する視聴履歴情報を記憶部13に記憶させる。具体的には、記憶制御部141は、選択操作によって番組が選択されると、選択された時刻を視聴開始時刻とするとともに、選択された番組に対応するチャンネルと、選択された番組を識別する番組IDと、視聴種別とを特定する。記憶制御部141は、入力部11が、チャンネルを切り替える操作、又は番組推薦装置1の電源をオフにする操作を受け付けると、これまでにユーザが視聴していた番組の視聴が終了したと判定し、当該操作を受け付けた時刻を当該番組の視聴終了時刻とする。そして、記憶制御部141は、視聴開始時刻と、視聴終了時刻と、チャンネルと、番組IDと、視聴種別とを関連付けて視聴履歴情報として記憶部13に記憶させる。
【0027】
視聴度合い特定部142は、ユーザの番組の視聴履歴に基づいて、ユーザの番組の視聴度合いを、曜日、時間帯、及び番組が属するジャンルごとに特定する。具体的には、視聴度合い特定部142は、番組の視聴が終了し、当該番組に対応する視聴履歴情報が記憶部13に記憶されたことに応じて、視聴履歴情報に含まれる視聴開始時刻に基づいて、ユーザが当該番組を視聴した曜日及び時間帯を特定する。なお、視聴度合い特定部142は、視聴履歴情報に含まれる視聴開始時刻及び視聴終了時刻の少なくともいずれかに基づいて、ユーザが当該番組を視聴した曜日及び時間帯を特定してもよい。また、視聴度合い特定部142は、記憶部13に記憶されている電子番組表を参照し、ユーザが視聴していた番組が属するジャンルを特定する。
【0028】
視聴度合い特定部142は、視聴履歴情報に含まれる視聴開始時刻及び視聴終了時刻に基づいて、ユーザの番組の視聴時間を算出し、当該視聴時間に基づいて視聴度合いを示す値を算出する。ここで、視聴度合い特定部142は、記憶部13に記憶されている視聴履歴情報に基づいて、ユーザの番組の視聴状況を推定し、当該視聴状況に基づいて視聴度合いに重み付けを行う。
【0029】
具体的には、視聴度合い特定部142は、視聴履歴情報に含まれる視聴種別に基づいて、番組の視聴が放送中の番組の視聴であるか、録画された番組の視聴であるかを特定し、特定結果に基づいて視聴度合いに重み付けを行う。ユーザが録画された番組を視聴する場合、ユーザが当該番組を意識的に視聴していると考えられる。これに対して、ユーザが放送中の番組を視聴する場合、ユーザが、入力部11による操作を行った結果、偶然視聴していた可能性がある。このため、視聴度合い特定部142は、番組の視聴が録画された番組の視聴である場合、放送中の番組の視聴である場合に比べて、視聴度合いを示す値を大きくする。このようにすることで、番組推薦装置1は、ユーザが意識的に視聴している可能性が高い番組に対応するジャンルの視聴度合いを大きくすることができる。
【0030】
また、視聴度合い特定部142は、視聴履歴情報に基づいて、ユーザがザッピングをしているか否かを推定し、当該推定結果に基づいて視聴度合いに重み付けを行う。例えば、ユーザの番組の視聴時間が所定時間(例えば、1分)に満たない場合には、ユーザがザッピングをしており、番組を意識的に視聴していない可能性が高い。そこで、視聴度合い特定部142は、番組の視聴がザッピングによるものであると判定すると、ユーザが当該番組を視聴していないとみなし、視聴度合いを示す値を、視聴していないことを示す値や、当該値に近い値とする。このようにすることで、番組推薦装置1は、ザッピングによる視聴が視聴度合いの算出に及ぼす影響を少なくすることができる。
【0031】
なお、視聴度合い特定部142は、後述する推薦部144によって推薦された番組が視聴されなかった場合、当該番組が属するジャンルの視聴度合いを下げるようにしてもよい。例えば、推薦部144によって推薦された番組が視聴されなかった場合、当該番組が放送される曜日及び時間帯に対応する、当該番組が属するジャンルを特定する。そして、新たに視聴された番組のジャンルが、特定したジャンルと一致した場合、新たに視聴された番組の視聴度合いを小さくする。このようにすることで、番組推薦装置1は、ユーザが閲覧する可能性が低い番組を推薦しないようにすることができる。
【0032】
また、視聴度合い特定部142は、番組に対応する放送の種別(例えば、地上デジタルテレビ放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送等)によって、当該番組が属するジャンルの視聴度合いを調整してもよい。一般的に地上デジタルテレビ放送の番組は、BSデジタル放送、CSデジタル放送等の番組に比べて知名度が高い。このため、BSデジタル放送、CSデジタル放送等の番組をユーザが視聴した場合には、ユーザは、当該番組を意識的に視聴している可能性が高い。よって、視聴度合い特定部142は、番組に対応する放送の種別が地上デジタルテレビ放送以外の放送に対応している場合、当該番組の視聴度合いを相対的に大きくしてもよい。
【0033】
視聴度合い特定部142は、特定した曜日、時間帯、及び番組が属するジャンルごとに、視聴度合いを示す値を記憶部13に記憶させる。視聴度合い特定部142は、例えば、
図4に示すように、曜日及び時間帯ごとに、番組が属するジャンルと、当該番組に対応する視聴度合いを示す値と、当該番組の視聴日時とを関連付けて視聴度合い情報として記憶部13に記憶させる。
【0034】
なお、視聴度合い特定部142は、番組推薦装置1が通信可能な管理サーバに視聴度合い情報を記憶させるようにしてもよい。このようにすることで、管理サーバでは、複数の番組推薦装置1のそれぞれから視聴度合い情報を取得することができ、複数のユーザ間での視聴度合いの分析を行うことができる。
【0035】
ジャンル特定部143は、視聴度合い特定部142が特定した視聴度合いに基づいて、曜日及び時間帯ごとに推薦対象のジャンルを特定する。例えば、ジャンル特定部143は、記憶部13に記憶されている視聴度合い情報を参照して、曜日、時間帯及びジャンルごとに、視聴度合いの値を集計する。そして、ジャンル特定部143は、曜日及び時間帯ごとに、集計値が相対的に高い所定数(例えば、3つ)のジャンルを推薦対象のジャンルと特定する。ジャンル特定部143は、特定されたジャンルと、当該ジャンルが特定された時間とを関連付けて推薦ジャンル情報として記憶部13に記憶させる。
【0036】
推薦部144は、現在時刻が属する曜日及び時間帯に対して特定されたジャンルに対応する番組を推薦する。具体的には、推薦部144は、ユーザが番組推薦装置1の電源をオンにするか、入力部11によりメニュー画面の表示操作を行ったことに応じて、記憶部13に記憶されている電子番組表を参照して、ジャンル特定部143が特定したジャンルに対応する番組を特定する。ここで、ジャンル特定部143が特定したジャンルは、記憶部13に記憶されている推薦ジャンル情報に含まれるジャンルのうち、最新の日付に関連付けられているジャンルであるものとする。なお、推薦部144は、番組のジャンルや番組の内容等のメタ情報を管理する外部サーバに対して、特定したジャンルを示す情報を送信し、当該外部サーバから、特定したジャンルに対応する番組を示す情報を受信することにより、当該ジャンルに対応する番組を特定してもよい。
【0037】
そして、推薦部144は、特定した番組を番組推薦装置1が推薦する推薦番組とし、当該推薦番組を示す情報(例えば、番組紹介情報)を含むメニュー画面をディスプレイ2に表示させる。
図5は、ディスプレイ2に表示されるメニュー画面の例を示す図である。
図5に示す例では、推薦番組A、B、C及びDのサムネイル画像が表示されていることが確認できる。
【0038】
ここで、推薦部144は、ユーザの番組の視聴状況を推定し、当該視聴状況に基づいて推薦番組を選択するようにしてもよい。例えば、推薦部144は、番組推薦装置1と接続されている録画機器から番組の予約状況を示す情報を取得し、ユーザの番組の録画予約状況に基づいて、ユーザが録画予約を行っていない番組を推薦番組とする。このようにすることで、番組推薦装置1は、ユーザが既に録画予約を行っており、番組の推薦をしなくても視聴が期待できる番組を推薦対象の番組から除外することができる。
【0039】
また、推薦部144は、特定したジャンルに対応する番組について、番組の放送が開始されるまでの時間に基づいて重み付けを行い、当該重み付けを行った結果に基づいて、推薦番組を選択するようにしてもよい。例えば、推薦部144は、特定したジャンルに対応する番組に対して、現在時刻から放送されるまでの時間が短いほど多くの重み付け値を付与する。そして、推薦部144は、重み付け値が多い順に推薦番組を選択する。このようにすることで、番組推薦装置1は、現在放送されている番組を優先的に推薦番組とすることができる。
【0040】
また、推薦部144は、特定したジャンルに対応する番組について、番組に対応する放送の種別によって重み付けを行い、当該重み付けを行った結果に基づいて、推薦番組を選択するようにしてもよい。例えば、推薦部144は、特定したジャンルに対応する番組が、CSデジタル放送の番組である場合には、他の放送の種別の番組に比べて多くの重み付け値を付与し、重み付け値が多い順に推薦番組を選択するようにしてもよい。
【0041】
また、推薦部144は、視聴履歴情報に基づいて、特定したジャンルに対応する番組のうち、視聴する可能性が低い番組を推定し、当該番組を、推薦番組から除外するようにしてもよい。例えば、推薦部144は、電子番組表を参照して、ジャンル特定部143が特定したジャンルに対応する番組の内容を示す説明情報を特定し、当該説明情報に基づいて当該番組に対応するキーワードを特定する。
【0042】
ここで、キーワードは、スポーツチーム、著名人、地名、番組のタイトルに含まれる単語である。推薦部144は、視聴履歴情報に基づいて、特定したキーワードに対応する過去の番組がザッピングされている頻度を特定する。そして、推薦部144は、当該頻度が所定の閾値を超える場合、当該キーワードに対応する番組をユーザが意識的に避けており、視聴する可能性が低いと推定し、推薦番組から当該番組を除外する。例えば、推薦部144は、ユーザが所定のスポーツチームに関する番組を意識的に避けていると判定すると、当該スポーツチームに対応する番組を推薦番組から除外する。
【0043】
また、推薦部144は、推薦された番組が視聴されなかった場合、新たに推薦する番組から、当該番組を除外する。例えば、推薦部144は、
図5に示すように、ジャンル特定部143が特定したジャンルに対応する推薦番組を所定回数表示した結果、当該推薦番組が選択されなかったことに応じて、当該推薦番組が視聴されなかったと判定し、新たな推薦番組を選択する場合に、視聴されなかった推薦番組を新たな推薦番組から除外する。このようにすることで、ユーザによって視聴されない番組が推薦番組として表示され続けることを防止することができる。
【0044】
また、推薦部144は、推薦された番組が視聴された場合、新たに推薦する番組から、当該番組を除外するようにしてもよい。例えば、推薦部144は、
図5に示すように、ジャンル特定部143が特定したジャンルに対応する推薦番組を所定期間(例えば、4週間)中に所定回数表示した結果、当該推薦番組が予め定めた回数(例えば、2回)選択されて視聴されたことに応じて、当該番組が継続的に視聴されている判定し、当該番組を新たな推薦番組から除外する。このようにすることで、推薦番組としてユーザに提示しなくてもユーザの視聴が見込まれる番組を推薦しないようにすることができる。
【0045】
また、推薦部144は、特定されたジャンルに対応する番組の中に、一連の番組が含まれている場合、当該一連の番組に含まれる一の番組のみ推薦するようにしてもよい。ここで、一連の番組は、ドラマやアニメ等の複数回の番組によって一のストーリーが完結する番組である。当該一の番組を視聴するユーザは、一連の番組のうち、当該一の番組とは異なる他の番組も視聴する可能性が高いので、当該他の番組を推薦する効果が低い。これに対して、推薦部144は、一連の番組のうち、他の番組を推薦する代わりに、一連の番組とは異なる番組を推薦することができるので、様々な種類の番組を効果的にユーザに推薦することができる。
【0046】
消去部145は、ジャンル特定部143によって新たに特定されたジャンルと、当該ジャンルが特定された時間とに基づいて、視聴度合い情報の残存期間を変化させて、記憶部13に記憶されている視聴度合い情報を消去する。具体的には、消去部145は、記憶部13に記憶されている推薦ジャンル情報に含まれているジャンルと、ジャンル特定部143によって新たに特定され、記憶部13に新たに記憶されたジャンルとが異なる場合に、既に記憶されているジャンルに対応する視聴度合い情報の残存期間を、新たに特定されたジャンルに対応する視聴度合い情報の残存期間よりも短くする。ここで、新たに特定されたジャンルは、推薦ジャンル情報において、最新の日付に関連付けられているジャンルであるものとする。
【0047】
例えば、消去部145は、全ての視聴度合い情報のデフォルトの残存期間を所定期間(例えば、1カ月)としておく。そして、消去部145は、記憶部13に既に記憶されているジャンルと、新たに特定されたジャンルとが異なると判定すると、既に記憶されているジャンルに対応する視聴度合い情報の残存期間を所定期間よりも短い期間(例えば、3週間)とし、新たに特定されたジャンルに対応する視聴度合い情報の残存期間を所定期間よりも長い期間(例えば、5週間)とする。
【0048】
既に記憶されているジャンルと、新たに特定されたジャンルとが異なる場合、既に記憶されているジャンルに対するユーザの興味が薄れ、新たに特定されたジャンルに対するユーザの興味が高まったと考えられる。これに対して、番組推薦装置1は、既に記憶されているジャンル、すなわち、興味が薄れた可能性が高いジャンルに対応する視聴度合い情報を早期に消去して、当該ジャンルに対応する番組を推薦されにくくすることができる。また、番組推薦装置1は、新たに特定されたジャンル、すなわち、興味が高まった可能性が高いジャンルに対応する視聴度合い情報を長く残存させて、当該ジャンルに対応する番組を推薦されやすくすることができる。
【0049】
なお、消去部145は、既に記憶されているジャンル(第1ジャンル)から新たに特定されたジャンル(第2ジャンル)に対応する視聴度合い情報の残存期間を長くした後に、さらに特定されたジャンル(第3ジャンル)が、既に記憶されているジャンル(第1ジャンル)に戻ったと判定すると、当該新たに特定されたジャンル(第2ジャンル)に対応する視聴度合い情報の残存期間を元の残存期間に戻すようにしてもよい。
例えば、ユーザ宅に年末年始等の特定時期に訪問した客が番組推薦装置1を介して番組を視聴することにより推薦対象のジャンルが変化した場合であっても、推薦対象のジャンルを元のジャンルに早期に戻し、当該客が視聴した番組に対応する視聴度合い情報が、推薦対象のジャンルの特定に影響することを抑制することができる。
【0050】
また、消去部145は、複数のジャンルのそれぞれに対応する視聴度合い情報の残存期間を変化させるようにしてもよい。具体的には、消去部145は、複数の番組のそれぞれが属するジャンルに基づいて、複数のジャンルのそれぞれの希少さを示すジャンル希少度を特定する。ここで、ジャンル希少度は、希少なジャンルであればあるほど大きいものとする。
【0051】
より具体的には、消去部145は、電子番組表を参照して、複数の番組のそれぞれが属するジャンルを特定し、複数のジャンルのそれぞれに対応する番組の放送数を算出する。そして、消去部145は、全ての番組の放送数に対する、複数のジャンルのそれぞれの番組の放送数の割合を算出し、当該割合に基づいてジャンル希少度を特定する。なお、消去部145は、複数のジャンルのそれぞれに対応する番組の放送時間の長さの合計を算出してもよい。そして、消去部145は、全ての番組の放送時間の長さの合計に対する、複数のジャンルのそれぞれに対応する番組の放送時間の長さの合計の割合を算出し、当該割合に基づいてジャンル希少度を特定してもよい。
【0052】
消去部145は、視聴度合い情報に含まれているジャンルのジャンル希少度に基づいて、視聴度合い情報の残存期間を変化させる。例えば、消去部145は、ジャンル希少度が所定の閾値よりも大きいジャンル、すなわち、希少なジャンルに対応する視聴度合い情報の残存期間を相対的に長くする。
【0053】
希少度が大きいジャンルの番組は、放送回数が少なかったり、放送時間が短かったりするので、ユーザが当該ジャンルに興味を持っていても視聴度合いが小さくなりやすく、当該ジャンルの番組が推薦されにくい。これに対して、番組推薦装置1は、希少度が大きいジャンルに対応する視聴度合い情報の残存期間を相対的に長くすることにより、視聴度合いが小さくなることを抑制し、当該ジャンルの番組が推薦される可能性を高めることができる。
【0054】
[番組推薦装置1における処理の流れ]
続いて、番組推薦装置1における処理の流れについて説明する。まず、視聴度合いを算出する処理の流れについて説明する。
図6は、番組推薦装置1において、視聴度合いを算出する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、視聴度合い特定部142は、記憶制御部141により視聴履歴情報が記憶部13に新たに記憶されたか否かを判定する(S1)。視聴度合い特定部142は、視聴履歴情報が新たに記憶されたと判定すると、S2に処理を移し、視聴履歴情報が新たに記憶されていないと判定すると、S1を再実行する。
【0055】
続いて、視聴度合い特定部142は、記憶部13に記憶されている電子番組表を参照し、新たに記憶された視聴履歴情報に含まれる番組IDが示す番組が属するジャンルを特定する(S2)。
続いて、視聴度合い特定部142は、新たに記憶された視聴履歴情報に基づいて、当該視聴履歴情報に対応する番組の視聴状況を推定し、推定結果に基づいて当該番組の視聴度合いを特定する(S3)。
【0056】
続いて、視聴度合い特定部142は、新たに記憶された視聴履歴情報に対応する番組を視聴していた曜日、時間帯、及び特定したジャンルに基づいて視聴度合い情報を新たに記憶させる(S4)。具体的には、視聴度合い特定部142は、記憶部13に記憶されている、番組を視聴していた曜日と、時間帯と、S2において特定されたジャンルと、番組を視聴していた日時と、視聴度合いとを関連付けて視聴度合い情報として記憶部13に記憶させる。
【0057】
続いて、番組を推薦する処理の流れについて説明する。
図7は、番組推薦装置1において、番組を推薦する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、推薦部144は、メニュー画面の表示要求が行われたか否かを判定する(S11)。推薦部144は、メニュー画面の表示要求が行われたと判定すると、S12に処理を移し、メニュー画面の表示要求が行われていないと判定すると、S11を再実行する。
【0058】
続いて、推薦部144は、現在の曜日及び時間帯における推薦対象のジャンルを特定する(S12)。
続いて、推薦部144は、S12において特定された推薦対象のジャンルに対応する番組を、記憶部13に記憶されている電子番組表から特定し、当該番組を推薦番組として特定する(S13)。
続いて、推薦部144は、S13において特定された推薦番組を示す情報をメニュー画面に表示させる(S14)。
【0059】
[第1実施形態における効果]
以上のとおり、第1実施形態に係る番組推薦装置1は、ユーザの番組の視聴度合いと、番組が属するジャンルと、番組の視聴日時とを関連付けた視聴度合い情報に基づいて推薦対象のジャンルを特定し、特定されたジャンルと、当該ジャンルが特定された時間とを関連付けて記憶部13に記憶させる。そして、番組推薦装置1は、特定されたジャンルと、当該ジャンルが特定された時間とに基づいて、視聴度合い情報の残存期間を変化させて記憶部13に記憶されている視聴度合い情報を消去する。
【0060】
このようにすることで、ユーザに対して推薦する対象となるジャンルが変化した場合に、変化する前のジャンルの残存期間を相対的に短くすることができる。変化する前のジャンルは、ユーザの興味が薄れている可能性が高いジャンルと考えられることから、番組推薦装置1は、当該ジャンルに対応する視聴度合い情報を早期に消去して、当該ジャンルに対応する番組が推薦されることを抑制することができる。これにより、番組推薦装置1は、ユーザに適した番組を推薦することができる。
【0061】
<第2実施形態>
[番組の希少度に基づいて視聴度合い情報の残存期間を変化させる]
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、番組推薦装置1が、番組の希少度に基づいて視聴度合い情報の残存期間を変化させる点で第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる部分について説明を行う。第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0062】
第2実施形態において、視聴度合い特定部142は、ユーザの番組の視聴度合いを、番組が属するジャンルごとに特定する。そして、視聴度合い特定部142は、特定した視聴度合いと、ジャンルと、番組の識別情報と、番組の視聴日時とを関連付けて視聴度合い情報として記憶部13に記憶させる。
【0063】
図8は、第2実施形態における、曜日及び時間帯、及びジャンルごとの視聴度合いを示す値の一例である。
図8では、曜日及び時間帯ごとに、番組の視聴日時と、番組IDと、ジャンルと、視聴度合いを示す値とが関連付けられていることが確認できる。
図8において、例えば、日曜日の6時〜11時には、番組の視聴日時「2/1」に、番組ID「3124」と、ジャンル「ジャンルA」と、視聴度合いを示す値「1p」とが関連付けられていることを確認することができる。
【0064】
消去部145は、複数の番組のそれぞれの希少さを示す番組希少度を特定する。具体的には、消去部145は、複数の番組のそれぞれの放送時期に基づいて、番組希少度を特定する。ここで、番組希少度は、希少な番組であればあるほど大きいものとする。
例えば、季節の変わり目や正月等の所定の放送時期に特別に編成される番組である特番があり、これらの特番の放送回数は、毎週放送される番組の放送回数に比べて著しく少ない。これに対して、消去部145は、所定の放送時期に放送される番組の希少度を大きくする。
【0065】
また、消去部145は、複数の番組のそれぞれの放送時間の長さに基づいて番組希少度を特定してもよい。特番の放送時間の長さは、毎週放送される番組の放送回数に比べて長いことが多いので、消去部145は、放送時間の長さが所定の長さ以上の番組の希少度を大きくする。なお、消去部145は、電子番組表に含まれる番組の説明や番組のタイトルに「特番」や「スペシャル」等の特番であることを示すキーワードが含まれている場合に、当該番組の希少度を大きくしてもよい。
【0066】
そして、消去部145は、番組の希少度に基づいて視聴度合い情報の残存期間を変化させ、当該残存期間に基づいて記憶部13に記憶されている視聴度合い情報を消去する。このようにすることで、番組推薦装置1は、特番に対応する視聴度合い情報を長期間にわたって残存させることができ、当該視聴度合い情報に基づいて、ユーザに適切な番組を推薦することができる。
【0067】
[第2実施形態における効果]
以上のとおり、第2実施形態に係る番組推薦装置1は、番組の希少度に基づいて視聴度合い情報の残存期間を変化させ、当該残存期間に基づいて記憶部13に記憶されている視聴度合い情報を消去するので、例えば、希少度が大きい番組に対応する視聴度合い情報の残存期間を長く設定することができる。これにより、番組推薦装置1は、希少な番組に基づいて推薦するジャンルを設定し、当該ジャンルに基づいてユーザに適切な番組を推薦することができる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。例えば、上述の実施形態では、番組推薦装置1は、視聴履歴に基づいて、ユーザの番組の視聴度合いを、曜日、時間帯、及び番組が属するジャンルごとに特定し、現在時刻が属する曜日及び時間帯に対して特定されているジャンルに対応する番組を推薦したが、これに限らない。例えば、番組推薦装置1は、ユーザの番組の視聴度合いをジャンルごとに特定し、当該ジャンルに対応する番組を推薦するようにしてもよい。また、上述の実施形態では、曜日、時間帯、及びジャンルごとに視聴度合いを特定し、曜日、時間帯ごとに推薦対象のジャンルを特定したが、これに限らない。例えば、番組推薦装置1は、曜日、時間帯、及びチャンネルごとに視聴度合いを特定し、曜日、時間帯ごとに推薦対象のチャンネルを特定してもよい。
【0069】
また、上述の実施形態において、視聴度合い特定部142は、番組の視聴がザッピングによるものであると判定すると、ユーザが当該番組を視聴していないとみなし、視聴度合いを示す値を、視聴していないことを示す値や、当該値に近い値としたが、これに限らない。視聴度合い特定部142は、当該番組が希少度の大きい番組であるときには、番組の視聴がザッピングによるものであっても、当該番組を視聴していたとみなしてもよい。そして、視聴度合い特定部142は、希少度の大きい番組のザッピングに対応する視聴度合い情報を記憶部13に記憶させるようにしてもよい。また、消去部145は、希少度の大きい番組のザッピングに対応する視聴度合い情報の残存期間を、希少度が相対的に小さい番組に対応する視聴度合い情報の残存期間に比べて長くしてもよい。
【0070】
また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。