特許第6530754号(P6530754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000047
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000048
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000049
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000050
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000051
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000052
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000053
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000054
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000055
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000056
  • 特許6530754-軽量、高剛性ガラスラミネート構造 図000057
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6530754
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】軽量、高剛性ガラスラミネート構造
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20190531BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   C03C27/12 K
   C03C27/12 R
   B32B17/10
【請求項の数】4
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2016-537843(P2016-537843)
(86)(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公表番号】特表2016-538227(P2016-538227A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】US2014053115
(87)【国際公開番号】WO2015031590
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年8月24日
(31)【優先権主張番号】61/871,928
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,アヌラグ
(72)【発明者】
【氏名】ローリン,マイケル エム
(72)【発明者】
【氏名】マース,クリスティアヌス ヨハネス ジェイコブス
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,マイケル アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,チャーリー ダヴリュー
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5589272(US,A)
【文献】 国際公開第2012/051038(WO,A1)
【文献】 特開2007−261837(JP,A)
【文献】 特開2003−160737(JP,A)
【文献】 特表2011−530612(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2363285(EP,A1)
【文献】 特開平2−31925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C27/00−27/12
B32B17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガラス層と;
第2のガラス層と;
前記第1および第2のガラス層の中間に介在するポリマー中間層構造と
を備えたラミネート構造において、
前記ポリマー中間層構造が、
前記第1のガラス層に隣接する第1のポリマー層と、
前記第2のガラス層に隣接する第2のポリマー層と、
前記第1および第2のポリマー層の中間に介在するポリマーコアであって、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリカーボネート、前記1種以上を含むコポリマーおよびそれらの組合せの1種以上を含むポリマーコアと
から構成され、
前記第1のガラス層が強化ガラスから構成され、
前記第2のガラス層が、化学的に強化されたガラスまたは熱的に強化されたガラスから構成され、
前記第1のガラス層の厚さが、1.0mm以下の厚さであり、
前記第1および第2のガラス層の前記厚さが異なり、
前記第1のガラス層が、400MPa〜900MPaの表面圧縮応力、および30マイクロメートル以上の圧縮応力層深さを有し、
前記コアが、
a.)次式:
【化1】
または次式:
【化2】
(式中、Eは4〜50であり;それぞれのRは、同一であるかまたは異なり、およびC1〜13一価有機基であり、かつRは、独立して、二価C1〜30アルキレンまたはC7〜30アリーレン−アルキレンであり;かつArはC6〜30アリーレン基である)のポリシロキサン単位と;
b.)50〜100モルパーセントのアリレートエステル単位、50モルパーセント未満の芳香族カーボネート単位、30モルパーセント未満のレゾルシノールカーボネート単位、および35モルパーセント未満のビスフェノールカーボネート単位からなるアリレート含有単位と
を含む、ポリシロキサンコポリマーを含み、
前記ポリシロキサン単位のうちの前記シロキサン単位が、ポリシロキサンコポリマー組成物において、前記ポリシロキサンコポリマー組成物の重量に基づき、0.2〜10重量%の量で存在することを特徴とする、ラミネート構造。
【請求項2】
前記第2のガラス層の厚さが、1.5mm以下の厚さであることを特徴とする、請求項1に記載のラミネート構造。
【請求項3】
前記第1および第2のガラス層の組成が異なるか、または前記第1および第2のポリマー層の組成が異なることを特徴とする、請求項1または2に記載のラミネート構造。
【請求項4】
前記ポリマー層が、前記組成物、1つ以上の難燃剤の全重量に基づき、0.1〜1.0重量%のリンを提供するために有効な量で有機リン化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラミネート構造。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2013年8月30日出願の米国特許出願第61/871928号明細書に対する優先権の利益を主張する。上記米国特許出願の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、軽量、高剛性ガラスラミネート構造に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラスラミネートは、建築、ならびに自動車、貨物自動車、機関車および飛行機を含む車両または輸送用途において、窓およびグレイジングとして使用することができる。またガラスラミネートは、手すりおよび階段におけるガラスパネルとして、ならびに壁、支柱、エレベーターキャブ、台所電気機器および他の用途のための装飾的パネルまたはカバーとしても使用することができる。本明細書で使用される場合、グレイジングまたは合わせガラス構造は、窓、パネル、壁、エンクロージャ、サインまたは他の構造の透明、半透明、透光性または不透明部品であることができる。建築および/または車両用途で使用されるグレイジングの一般的な種類には、透明および着色した合わせガラス構造が含まれる。
【0004】
サイドパネルのための従来の自動車グレイジング構造は、典型的に、厚さ5mmのモノリシックソーダ石灰ガラス層、あるいは中間に介在する3層の防音中間層を有する、2プライの2.1mmまたは2.0mmのソーダ石灰ガラスを含む。これらの構造は、自動車および他の用途に関して、低コストおよび十分な耐衝撃性を含む特定の利点を有する。しかしながら、それらの限られた耐衝撃性およびより重い重量のため、これらのラミネートは、沿道の破片、破壊物およびその他の衝撃物に衝突時のより高い破損の確率、ならびにそれぞれの車両のより低い燃料効率を含む、低い性能特性を示す。
【0005】
上記のとおり、そのようなガラス窓ペインは重質であり、衝突した岩石または他の形態の破壊による破損の傾向がある。ポリマー窓ペインは本来的にガラス窓ペインより軽量であり、破損する傾向が低いことができるため、ポリマー窓ペインでガラス窓ペインを置き換えるための努力がなされている。ポリマー窓ペインも破損の傾向があり、弾道およびブロック試験に関して、しばしば連邦鉄道規定(Federal Railway Regulations)を満たすことができない。さらにまた、ポリマー窓ペインは引掻き傷がつく傾向があり、定期的に交換しなければならない。さらにまた、ポリマー窓ペインは、厳密な可燃性試験、例えば、連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)、欧州規定(European Regulations)および英国規定(British Regulations)の1つ以上に合格することが一般に不可能である。
【0006】
強度が重要である用途において、従来のガラスの強度は、コーティング、熱テンパリング、および化学的強化(イオン交換)を含むいくつかの方法によって向上させることができる。熱テンパリングは、従来は、厚いモノリシックガラスシートなどの用途で利用され、ガラス表面を通って、典型的に全ガラス厚さの20〜25%の厚い圧縮層を作製する利点を有する。圧縮応力の大きさは比較的低いが、典型的に100MPa未満である。さらにまた、熱テンパリングは、例えば約2mm未満の比較的薄いガラスにますます無効になる。対照的に、イオン交換(IX)技術は、処理されたガラスにおいて、表面において約1000MPa程度の高水準の圧縮応力を生じさせることができ、非常に薄いガラスに適切である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
テンパリングされたガラス(熱テンパリングおよび化学テンパリングの両方)は、破損に対してより耐性となるという利点を有し、これは、ラミネート自動車グレイジングの信頼性を向上させるために望ましいことができる。特に、薄い化学テンパリングされたガラスは、強くて軽量の自動車グレイジングの製造に使用するために望ましいことができる。したがって、改善された自動車ラミネート構造を提供することが要求されている。さらにまた、例えば、連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)、欧州規定(European Regulations)、英国規定(British Regulations)および連邦鉄道規定(Federal Railway Regulations)の1つ以上に合格することが可能である、ポリマーを含む改善された窓システムを提供することが要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示される実施形態は、一般に、合わせガラスを有するグレイジングまたはラミネートに関する。従来のモノリシックガラスを、ポリマー中間層(例えば、標準または防音ポリビニルブチラール)とともに化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)Glass)の複数のシートを有する例示的なラミネート構造と置き換えることによって、有意な重量削減を達成することができる。ラミネート構造の従来のガラスシートを、より薄い化学的に強化されたガラスと単に置き換えることによって重量削減をもたらすことができるが、自動車のサイドガラス用途で使用される典型的な中間層材料の弾性率は、ガラスの弾性率より約10〜10倍低いため、軟質ポリマー中間層とともにガラスの厚さを減少させることによって、機械負荷下における合わせガラス構造の全体的な構造的剛性の低下が生じるおそれがある。
【0009】
本開示の実施形態は、例示的なポリカーボネート熱可塑性ポリマーを、自動車サイドガラス用途のための中間層材料として利用することができる。ポリカーボネートの弾性率は、Gorilla(登録商標)Glassの弾性率よりも約30倍低くなり得、ポリカーボネートの密度は、産業で利用される標準ポリマー中間層に匹敵し得る。例示的な実施形態のガラスシートの厚さ次第で、例示的な合わせガラス構造の機械的剛性を悪化させることなく、最大重量削減を達成するために、ポリカーボネート厚さを選択することができる。
【0010】
したがって、いくつかの実施形態は、連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)、欧州規定(European Regulations)および英国規定(British Regulations)の1つ以上による可燃性試験に合格することができ、ならびに/または連邦鉄道規定(Federal Railway Regulations)の弾道およびブロック試験の一方または両方を満たすことができる、ポリマー組成物を含む改善された窓ペインを提供する。これらの規定にポリマー組成物が合格することは困難であり、現在のところ、ポリマーを含む全ての窓ペインは英国規定に不合格であると考えられている。したがって、硬化されたガラス、中間層およびポリマー層を含む改善された多層システムが開発された。様々な構成において、多層システムは、1つ以上の所望の規制試験を合格することができる。多層システムは、それらのガラス窓ペイン対照物と比較して軽量であり、良好な耐引掻き性を提供する。なお、窓ペインに関して考慮されるが、開示された多層構造は、ドア(例えば、レールドア、プラットホームドアおよびエレベータードア)用に、ならびに航空機内部グレイジング、重トラックグレイジング、農業車両グレイジング、バスグレイジングおよび自動車グレイジングなどの同様の必要条件を有する他の用途において、同様に使用することができる。同一または同様のポリマー調製物およびラミネート積層物が、建築および構造グレイジングに関する必要性を満たすことも想定される。
【0011】
本明細書の1つ以上の実施形態に従って、薄い軽量ガラス構造は、複数の輸送、建築または他の用途に提供される。いくつかの実施形態において、薄い軽量ガラス構造は、自動車側面窓、サンルーフなどに提供され、中間層材料としてのポリカーボネート、およびポリカーボネートとガラスシートとの間の中間層としての追加的なポリマー中間層(例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)など)とともに、薄い化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)Glass)を含む。いくつかの実施形態において、ポリカーボネートは、例示的な薄い側面窓の実施形態に、所望の機械的剛性を与えることができる。他の実施形態において、ポリカーボネートの厚さは、側面窓荷重−撓み特性を変更しないように外部ガラスシート厚さに基づいて選択することができる。ポリカーボネートのいずれかの側面の例示的なポリマー層は、ガラスシートとポリカーボネートとの間の接着を促進することができ、かつ例示的なラミネート構造に追加的な防音性能を提供することもできる。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1のガラス層と、第2のガラス層と、第1および第2のガラス層の中間に介在するポリマー中間層構造とを有するラミネート構造が提供される。ポリマー中間層構造は、第1のガラス層に隣接する第1のポリマー層と、第2のガラス層に隣接する第2のポリマー層と、第1および第2のポリマー層の中間に介在するポリマー剛性コアとを含むことができ、それによって、第1のガラス層は強化ガラスから構成される。
【0013】
他の実施形態において、第1の化学的に強化されたガラス層と、第2の化学的に強化されたガラス層と、第1および第2のガラス層の中間に介在するポリマー中間層構造とを有するラミネート構造が提供される。ポリマー中間層構造は、第1のガラス層に隣接する第1のポリマー層と、第2のガラス層に隣接する第2のポリマー層と、第1および第2のポリマー層の中間に介在するポリマー剛性コアとを含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、約250MPa〜約350MPaの表面圧縮応力および60μmより大きい圧縮応力層深さを有する、薄い化学的に強化されたガラスから構成される第1のガラス層を含む多層物品が提供される。そのような物品は、第1の中間層と、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリカーボネート、上記の1種以上を含むコポリマー、あるいは上記の1種以上を含むブレンドを含むポリマー層とを含む。第1のガラス層は0.5〜1.5mmであることができ、第1の中間層は0.2〜1.4mmであることができ、およびポリマー層は2〜15mmであることができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、約250MPa〜約350MPaの表面圧縮応力および60μmより大きい圧縮応力層深さ(DOL)を有する、薄い化学的に強化されたガラスから構成される第1のガラス層と、第1のガラス層および第1のポリマー層の間に位置する第1の中間層とを含み、第1のポリマー層が、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリカーボネート、上記の1種以上を含むコポリマー、あるいは上記の1種以上を含むブレンドを含む第1のペインを含む二重ペイン窓が提供される。窓は、約250MPa〜約350MPaの表面圧縮応力および60μmより大きい圧縮応力層深さ(DOL)を有する、薄い化学的に強化されたガラスから構成される第3のガラス層と、第3のガラス層および第2のポリマー層の間に位置する第3の中間層とを含み、第2のポリマー層が、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリカーボネート、上記の1種以上を含むコポリマー、あるいは上記の1種以上を含むブレンドを含む第2のペインをさらに含む。窓は、第1のペインと第2のペインとの間に位置する隙間と、第1のペインおよび第2のペインの端縁を包囲するフレームとを含んでもよい。
【0016】
以上の概要および以下の詳細な説明は、両方とも本開示の実施形態を提供し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要またはフレームワークを提供することが意図されることが理解されるであろう。添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、および本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する。図面は様々な実施形態を例示し、説明とともに、特許請求される主題の原理および操作を説明するために有用である。
【0017】
例示の目的のために、現在好ましい形態が図面に示されるが、本明細書に開示および検討される実施形態が、示される厳密な配置および手段に限定されないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示のいくつかの実施形態を例示するフローチャートである。
図2】片面多層物品の断面図である。
図3】両面多層物品の断面図である。
図4】ポリカーボネート厚さ対ガラス厚さのプロットである。
図5】種々の外部ガラス厚さに対するポリカーボネートラミネート質量のプロットである。
図6】ポリカーボネート厚さ対ガラス厚さの別のプロットである。
図7】種々の外部ガラス厚さに対するポリカーボネートラミネート質量の別のプロットである。
図8】モノリシックソーダ石灰ガラス構造を有する本開示の実施形態の防音性能を比較するプロットである。
図9】ソーダ石灰ガラスラミネート構造を有する本開示の実施形態の防音性能を比較するプロットである。
図10】例示的な多ペイン多層物品の断面図である。
図11】別の例示的な多ペイン多層物品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、同様の参照符号は、図面に示されるいくつかの表示を通して、同様または相当する部品を明示する。他に明記されない限り、「上部」、「底部」、「外側」、「内側」などの用語は、便宜上の用語であり、限定的な用語として解釈されないことも理解される。加えて、群が、要素の群の少なくとも1つ、およびそれらの組合せを含むものとして記載される場合、その群は、個々に、または互いに組み合わせて、いずれかの数の記載されたそれらの要素を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれからなり得ることが理解される。
【0020】
同様に、群が、要素の群の少なくとも1つ、およびそれらの組合せからなるものとして記載される場合、その群は、個々に、または互いに組み合わせて、いずれかの数の記載されたそれらの要素からなり得ることが理解される。特に明記されない限り、値の範囲は、列挙される場合、範囲の上限および下限を含む。本明細書で使用される場合、名詞は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の対象を指す。
【0021】
本開示の以下の記載は、それらの実際的な教示、およびその最良の現在既知の実施形態として提供される。本開示の有利な結果をなお得ながらも、本明細書に記載の実施形態に対して多くの変更形態をなし得ることを当業者は認識するであろう。本開示の所望の利益のいくつかは、他の特徴を利用することなく、本開示の特徴のいくつかを選択することによって得ることができることも明らかであろう。したがって、本開示の多くの修正形態および適合形態が可能であり、かつ特定の状況で望ましくなる可能性さえあり、かつ本開示の一部であることが当業者に認識されるであろう。したがって、以下の記載は、本開示の原理の例示として提供されるが、それらに限定されない。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態を例示するフローチャートである。図1に関して、いくつかの実施形態は、比較的中程度の圧縮応力(CS)、比較的大きい圧縮層深さ(DOL)、および/または中程度の中心張力(CT)などの特定の特性を有する比較的薄いガラスシート(約2mm以下程度)を製造するための1つ以上のプロセスの適用を含む。このプロセスは、イオン交換(ステップ100)が可能なガラスシートを調製するステップを含む。ガラスシートは、次いで、イオン交換プロセス(ステップ101)を受けることができ、その後、ガラスシートは、必要に応じて、焼鈍しプロセス(ステップ103)を受けることができる。当然のことながら、ガラスシートのCSおよびDOLが、イオン交換ステップ(ステップ101)から得られるレベルで望ましい場合、焼鈍しステップ(ステップ103)は必要とされない。他の実施形態において、適切なガラス表面においてCSを増加させるために、酸エッチングプロセス(ステップ105)を使用することができる。
【0023】
イオン交換プロセス101には、約400〜500℃の範囲内の1つ以上の第1の温度で、および/または約1〜24時間の範囲内、例えば、限定されないが約8時間の第1の時間で、KNO、好ましくは比較的純粋なKNOを含む溶融塩浴をガラスシートに受けさせるステップが関与することができる。なお、他の塩浴組成物が可能であり、そのような代替物を考慮することは当業者の技術レベルの範囲内である。したがって、KNOの開示は、本明細書に添付される特許請求の範囲を限定するべきではない。そのような例示的なイオン交換プロセスは、ガラスシートの表面における初期圧縮応力(iCS)、ガラスシートへの初期圧縮層深さ(iDOL)、およびガラスシート内の初期中心張力(iCT)をもたらすことができる。
【0024】
一般には、例示的なイオン交換プロセスの後、初期圧縮応力(iCS)は、所定の(または所望の)値より高くなることができ、例えば、いくつかのガラスにおいて、いくつかの処理プロフィール下で、約500MPa以上であり得、かつ典型的に600MPa以上に達することができるか、または1000MPa以上に達することさえもできる。あるいは、例示的なイオン交換プロセスの後、初期圧縮層深さ(iDOL)は、所定の(または所望の)値未満となることができ、例えば、いくつかのガラスにおいて、いくつかの処理プロフィール下で、約75μm以下であるか、さらにより小さいことができる。あるいは、例示的なイオン交換プロセスの後、初期中心張力(iCT)は、所定の(または所望の)値より高くなることができ、例えば、いくつかのガラスにおいて、ガラスシートの所定の脆さ限界を上回ることができ、約40MPa以上、または特に約48MPa以上であることができる。
【0025】
初期圧縮応力(iCS)が所望の値より高くなり、初期圧縮層深さ(iDOL)が所望の値未満であり、かつ/または初期中心張力(iCT)が所望の値より高くなる場合、それぞれのガラスシートを使用して製造される最終製品において望ましくない特性が導かれるおそれがある。例えば、初期圧縮応力(iCS)が所望の値より高くなる(例えば、1000MPaを達成する)場合、次いで、特定の状況下のガラスの製造は生じないことがあり得る。これは反直感的であり得るが、いくつかの状況において、ガラスシートは、怪我を防ぐために、ある種の衝撃負荷時にガラスが破損しなければならない自動車ガラス用途などにおいて、破損することが可能でなければならない。
【0026】
さらに、初期圧縮層深さ(iDOL)が所望の値未満である場合、特定の状況下で、ガラスシートは、予想外に、かつ望ましくない状況下で破損する可能性がある。典型的なイオン交換プロセスは、40〜60μm以下の初期圧縮層深さ(iDOL)をもたらすことができ、これは、使用間にガラスシートで生じる引掻き傷、穴などの深さ未満であり得る。例えば、設置された自動車グレイジング(イオン交換ガラスを使用)は、ガラスシートが使用される環境内でのシリカ砂、飛行破片などの研磨材料への曝露のため、約75μm以上の深さに達する外部引掻き傷を生じ得ることが発見されている。この深さは圧縮層の典型的な深さを超えることができ、使用の間に予想外に折れるガラスが導かれるおそれがある。
【0027】
最終的に、初期中心張力(iCT)が所望の値より高くなり、例えば、ガラスの選択された脆性限界に達するか、それより高くなる場合、ガラスシートは、予想外に、かつ望ましくない状況下で破損するおそれがある。例えば、Corning Gorilla(登録商標)Glassの4インチ(10.16センチメートル)×4インチ(10.16センチメートル)×0.7mmシートには、長い単一ステップイオン交換プロセス(475℃で8時間)が純粋なKNOで実行された場合に、望ましくない断片化(破損時の多数の小さな断片へのエネルギー破損)が生じる性能特性を示すことが発見されている。約101μmのDOLが達成されたが、65MPaの比較的高いCTが生じ、これは、対象のガラスシートの選択された脆性限界(48MPa)より高かった。
【0028】
しかしながら、1つ以上の実施形態に従って、ガラスシートがイオン交換を受けた後、ガラスシートは、ガラスシートを第2の期間にわたり1つ以上の第2の温度まで高めることによって、焼鈍しプロセス104を受けることができる。例えば、焼鈍しプロセス104は、空気環境で実行することができ、約400〜500℃の範囲内の第2の温度で実行することができ、約4〜24時間の範囲内、例えば、限定されないが、約8時間の第2の時間で実行することができる。焼鈍しプロセス104は、したがって、初期圧縮応力(iCS)、初期圧縮層深さ(iDOL)および初期中心張力(iCT)の少なくとも1つの変更を引き起こすことができる。
【0029】
例えば、焼鈍しプロセス104の後、初期圧縮応力(iCS)は、所定の値以下である最終圧縮応力(fCS)まで低下することができる。一例として、初期圧縮応力(iCS)は約500MPa以上であることができるが、最終圧縮応力(fCS)は、約400MPa、350MPaまたは300MPa以下であることができる。なお、最終圧縮応力(fCS)の対象は、ガラス厚さの関数であることができ、より厚いガラスにおいて、より低いfCSが望ましくなる可能性があり、およびより薄いガラスにおいて、より高いfCSが許容可能となることができる。
【0030】
追加的に、焼鈍しプロセス104の後、初期圧縮層深さ(iDOL)は、所定の値以上の最終圧縮層深さ(fDOL)まで増加することができる。一例として、初期圧縮層深さ(iDOL)は、約75μm以下であることができ、および最終圧縮層深さ(fDOL)は、約80μmまたは90μm以上、例えば、100μm以上であることができる。
【0031】
あるいは、焼鈍しプロセス104の後、初期中心張力(iCT)は、所定の値以下の最終中心張力(fCT)まで低下することができる。一例として、初期中心張力(iCT)は、ガラスシートの選択された脆性限界(例えば、約40〜48MPa)以上であることができ、および最終中心張力(fCT)は、ガラスシートの選択された脆性限界未満であることができる。例示的なイオン交換可能なガラス構造を生じるための追加的な実施例は、2012年9月26日出願の同時係属中の米国特許出願第13/626,958号明細書および2013年6月25日出願の米国特許出願第13/926,461号明細書に記載されており、上記特許出願は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
上記のとおり、イオン交換ステップおよび焼鈍しステップの条件は、所望のガラス表面における圧縮応力(CS)、圧縮層深さ(DOL)および中心張力(CT)を達成するために調節することができる。イオン交換ステップは、所定の期間の溶融塩浴へのガラスシートの浸漬によって実行することができ、ここでは、それらの表面またはその付近のガラスシート内のイオンが、例えば、塩浴からのより大きい金属イオンに交換される。一例として、溶融塩浴はKNOを含むことができ、溶融塩浴の温度は、約400〜500℃の範囲内にあることができ、および所定の時間は、約1〜24時間の範囲、好ましくは約2〜8時間の範囲内であることができる。ガラスへのより大きいイオンの組み込みは、近表面領域で圧縮応力を形成することによってシートを強化する。圧縮応力の釣合いをとるために、相当する引張応力をガラスシートの中心領域内で誘導することができる。
【0033】
さらなる例として、ガラスシート内のナトリウムイオンは、溶融塩浴からのカリウムイオンによって置き換えられることができるが、ルビジウムまたはセシウムなどのより大きい原子半径を有する他のアルカリ金属イオンによって、ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンを置き換えることもできる。いくつかの実施形態によると、ガラスシート内のより小さいアルカリ金属イオンは、Agイオンによって置き換えられることができる。同様に、限定されないが、硫酸塩、ハロゲン化物などの他のアルカリ金属塩をイオン交換プロセスに使用することができる。
【0034】
ガラス網状構造がゆるむことができる温度未満の温度における、より大きいイオンによるより小さいイオンの置換によって、ガラスシートの表面にわたるイオンの分布が生じ、応力プロフィールがもたらされる。入ってくるイオンの体積がより大きいほど、表面上の圧縮応力(CS)およびガラスの中心領域の張力(中心張力またはCT)が生じる。圧縮応力は、以下の近似関係によって中心張力に関連する。
【0035】
【数1】
【0036】
(式中、tはガラスシートの全厚さを表し、かつDOLは交換の深さを表し、圧縮層深さとも呼ばれる。)
いくつかの実施形態において、ガラス表面の酸エッチング(ステップ105)によって、ガラスシートのそれぞれの表面において、欠陥の数、径および重大度を低減させることができる。表面欠陥は、ガラスシートにおいて破断部位として作用する。これらの表面で欠陥の数、径および重大度を低減させることによって、これらの表面における潜在的破断開始部位の径を除去または最小化することができ、それによって、それぞれのガラスシートの表面が強化される。酸エッチング表面処理の使用は、ガラスシートの1つの表面を酸ガラスエッチング媒体と接触させるステップを含むことができ、および用途が広く、ほとんどのガラスに容易に調整され、かつ平面および複雑なカバーグラスシート幾何学的配列に容易に適用することができる。さらに例示的な酸エッチングは、製造の間、または製造後処理の間に導入される表面欠陥がほとんどないと従来は考えられていたアップドローまたはダウンドロー(例えば、フュージョンドロー)ガラスシートを含む表面欠陥の低い発生率を有するガラスでさえ、強度可変性を減少させるために有効であることが発見された。例示的な酸処理ステップは、径を変更することができ、表面欠陥の幾何学的配列を変更することができ、および/または表面欠陥の径および数を低減させることができるが、処理された表面の一般的なトポグラフィーに対する最小限の影響を有する、ガラス表面の化学研磨を提供することができる。一般には、酸エッチング処理は、表面ガラスの約4μm以下、またはいくつかの実施形態において、表面ガラスの約2μm以下、または表面ガラスの約1μm以下を除去するために利用することができる。酸エッチング処理は、それぞれの表面をいずれかの新しい欠陥の形成から保護するためのラミネーションの前に有利に実行することができる。
【0037】
表面圧縮層の厚さ、およびその層によって提供される表面圧縮応力のレベルが容認できないほど減少することは、それぞれのガラスシートの衝撃および曲げ損傷耐性に不利益となる可能性があることから、それが起こらないことを確実にするために、化学テンパリングされたガラスシートからの表面ガラスの所定の厚さを超える酸除去は回避されるべきである。追加的に、ガラス表面の過度のエッチングは、好ましくないレベルまでガラスの表面曇りの度合を増加させることができる。窓、自動車グレイジングおよび消費者向け電子機器ディスプレイ用途に関して、ディスプレイのガラスカバーシートにおける視覚的に検出可能な表面曇りが典型的にないか、または非常に制限されることが容認される。
【0038】
様々なエッチング液化学薬品、濃度および処理時間を使用して、本開示の実施形態において、所望のレベルの表面処理および強化を達成することができる。酸処理ステップを実行するために有用な例示的な化学薬品には、限定されないが、HF、HFおよびHCL、HNOおよびHSOの1種以上との組合せ、重フッ化アンモニウム、重フッ化ナトリウムおよび他の適切な化合物を含む少なくとも1種の活性ガラスエッチング化合物を含有するフッ化物含有水性処理媒体が含まれる。例えば、水中5体積%のHF(48%)および5体積%のHSO(98%)を有する酸性水溶液は、1分程度の短い処理時間を使用して、約0.5mm〜約1.5mmの範囲の厚さを有するイオン交換強化アルカリアルミノシリケートガラスシートのボール落下性能を改善することができる。酸エッチングの前後にイオン交換強化または熱テンパリングを受けない例示的なガラス層は、ボール落下試験結果の大きい改善を達成するために、エッチング媒体の異なる組合せを必要とすることができることに留意すべきである。
【0039】
HF含有溶液におけるエッチングによって除去されるガラス層の厚さの適切な制御を維持することは、溶液中のHFの濃度および溶解されたガラス成分が厳密に制御される場合、促進可能である。容認できるエッチング速度を回復させるための全エッチング浴の周期的な置換は、この目的のために有効であるが、浴置換は高価であり、かつ消耗したエッチング溶液の効果的な処理および配置の費用は高額となるおそれがある。ガラス層のエッチングのための例示的な方法は、2013年5月31日出願の同時係属中の国際出願PCT/米国特許出願第13/43561号明細書に記載されており、上記国際出願は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
十分に強化されたガラスシートまたは層は、表面エッチング後、少なくとも30μmまたは40μmのDOLを有する圧縮表面境界層を維持することができ、表面境界層は、少なくとも500MPaまたは650MPaのピーク圧縮応力レベルを提供する。特性のこの組合せを提供する薄アルカリアルミノシリケートガラスシートを提供するため、制限された時間のシート表面エッチング処理が必要とされる可能性がある。特に、ガラスシートの表面をエッチング媒体と接触させるステップは、表面ガラスの2μmの有効な除去のために必要とされる時間を超えない時間で、またはいくつかの実施形態において、表面ガラスの1μmの有効な除去のために必要とされる時間を超えない時間で実行することができる。当然のことながら、いずれかの特定の事例においてガラス除去を制限するために必要とされる実際のエッチング時間は、エッチング媒体の組成および温度、ならびに溶液および処理されるガラスの組成次第であり得るが、選択されたガラスシートの表面から約1μmまたは約2μm以下のガラスを除去するために有効な処理は、通常の実験によって決定することができる。
【0041】
ガラスシート強度および表面圧縮層深さが適切であることを確実にするための別の方法には、エッチングの進行に伴う表面圧縮応力レベルの低下を追跡するステップが関与することができる。エッチング時間は、エッチング処理に必ず起因する表面圧縮応力の低下を制限するために制御することができる。したがって、いくつかの実施形態において、強化されたアルカリアルミノシリケートガラスシートの表面をエッチング媒体と接触させるステップを、ガラスシート表面の圧縮応力レベルを3%または別の容認できる量だけ低下させるために有効な時間を超えない時間で実行することができる。再び、所定の量のガラス除去を達成するために適切な時間は、エッチング媒体の組成および温度、ならびにガラスシートの組成次第であり得るが、これは通常の実験によって容易に決定することもできる。ガラス表面の酸またはエッチング処理に関する追加的な詳細は、2011年1月7日出願の同時係属中の米国特許出願第12/986,424号明細書において見ることができ、上記特許出願の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
追加的なエッチング処理は、本質的に局所化可能である。例えば、表面装飾またはマスクをガラスシートまたは物品の部分に配置することができる。ガラスシートは、エッチングに暴露された領域の表面圧縮応力が増加するように、次いでエッチングされることができるが、表面装飾またはマスクの下にある部分では、最初の表面圧縮応力(例えば、最初のイオン交換されたガラスの表面圧縮応力)を維持することができる。当然のことながら、それぞれのプロセスステップの条件は、ガラス表面における所望の圧縮応力、所望の圧縮層深さおよび所望の中心張力に基づいて調節することができる。
【0043】
ガラスシートを製造する際、特定のガラス組成物の多くを利用することができる。例えば、本明細書の実施形態における使用のために適切なイオン交換可能なガラスとしては、アルカリアルミノシリケートガラスまたはアルカリアルミノボロシリケートガラスが含まれるが、他のガラス組成物も想定される。本明細書で使用される場合、「イオン交換可能」とは、ガラスが、ガラスの表面またはその付近に位置するカチオンを、大きさがより大きいか、またはより小さい同一原子価のカチオンと交換可能であることを意味する。
【0044】
例えば、適切なガラス組成物は、(SiO+B)≧66モル%、およびNaO≧9モル%で、SiO、BおよびNaOを含む。一実施形態において、ガラスシートは、少なくとも6重量%の酸化アルミニウムを含む。さらなる実施形態において、ガラスシートは、アルカリ土属酸化物の含有量が少なくとも5重量%であるように、1つ以上のアルカリ土属酸化物を含む。適切なガラス組成物は、いくつかの実施形態において、KO、MgOおよびCaOの少なくとも1つをさらに含む。特定の実施形態において、ガラスは、61〜75モル%のSiO、7〜15モル%のAl、0〜12モル%のB、9〜21モル%のNaO、0〜4モル%のKO、0〜7モル%のMgO、および0〜3モル%のCaOを含むことができる。
【0045】
ハイブリッドガラスラミネートを形成するために適切なガラス組成物のさらなる実施例は、60〜70モル%のSiO、6〜14モル%のAl、0〜15モル%のB、0〜15モル%のLiO、0〜20モル%のNaO、0〜10モル%のKO、0〜8モル%のMgO、0〜10モル%のCaO、0〜5モル%のZrO、0〜1モル%のSnO、0〜1モル%のCeO、50ppm未満のAs、および50ppm未満のSbを含み、12モル%≦(LiO+NaO+KO)≦20モル%、および0モル%≦(MgO+CaO)≦10モル%である。
【0046】
ガラス組成物のなおさらなる実施例は、63.5〜66.5モル%のSiO、8〜12モル%のAl、0〜3モル%のB、0〜5モル%のLiO、8〜18モル%のNaO、0〜5モル%のKO、1〜7モル%のMgO、0〜2.5モル%のCaO、0〜3モル%のZrO、0.05〜0.25モル%のSnO、0.05〜0.5モル%のCeO、50ppm未満のAs、および50ppm未満のSbを含み、14モル%≦(LiO+NaO+K2O)≦18モル%、および2モル%≦(MgO+CaO)≦7モル%である。
【0047】
別の実施形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、61〜75モル%のSiO、7〜15モル%のAl、0〜12モル%のB、9〜21モル%のNaO、0〜4モル%のKO、0〜7モル%のMgO、および0〜3モル%のCaOを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなる。
【0048】
特定の実施形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、アルミナ、少なくとも1種のアルカリ金属、ならびに、いくつかの実施形態において、50モル%より多いSiO、他の実施形態において、少なくとも58モル%のSiO、さらに他の実施形態において、少なくとも60モル%のSiOを含み、比率
【0049】
【数2】
【0050】
である(比率中、成分はモル%で表され、かつ変性剤はアルカリ金属酸化物である)。このガラスは、特定の実施形態において、58〜72モル%のSiO、9〜17モル%のAl、2〜12モル%のB、8〜16モル%のNaO、および0〜4モル%のKOを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなり、比率
【0051】
【数3】
【0052】
である。
【0053】
さらに別の実施形態において、アルカリアルミノシリケートガラス基板は、60〜70モル%のSiO、6〜14モル%のAl、0〜15モル%のB、0〜15モル%のLiO、0〜20モル%のNaO、0〜10モル%のKO、0〜8モル%のMgO、0〜10モル%のCaO、0〜5モル%のZrO、0〜1モル%のSnO、0〜1モル%のCeO、50ppm未満のAs、および50ppm未満のSbを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなり、12モル%≦LiO+NaO+KO≦20モル%、および0モル%≦MgO+CaO≦10モル%である。
【0054】
なおさらに別の実施形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、64〜68モル%のSiO、12〜16モル%のNaO、8〜12モル%のAl、0〜3モル%のB、2〜5モル%のKO、4〜6モル%のMgO、および0〜5モル%のCaOを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなり、66モル%≦SiO+B+CaO≦69モル%;NaO+KO+B+MgO+CaO+SrO>10モル%;5モル%≦MgO+CaO+SrO≦8モル%;(NaO+B)≦Al≦2モル%;2モル%≦NaO≦Al≦6モル%;および4モル%≦(NaO+KO)≦Al≦10モル%である。例示的なガラス構造の追加的な組成物は、2012年9月26日出願の同時係属中の米国特許出願第13/626,958号明細書および2013年6月25日出願の米国特許出願第13/926,461号明細書に記載されており、それぞれの上記特許出願の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
図2は、片面多層物品の断面図である。図2に関して、例示的な多層物品は、ポリマー側面32およびポリマー側面34を有するポリマー層30、中間層側面22および中間層側面24を有する中間層20、ならびにガラス側面12およびガラス側面14を有するガラス層10を有する片面物品2であることができる。図2は、ガラス側面14が中間層側面22と直接接触し、かつ中間層側面24がポリマー側面32と直接接触することを例示する。片面多層物品の全厚さは、約2〜20mm、具体的には約4〜16mm、より具体的には約5〜14mm、およびそれらの間の全ての部分範囲であることができる。一実施形態において、ポリマー側面32上へ装飾層が配置される。別の実施形態において、ガラス側面14上へ装飾層が配置される。一実施形態において、ポリマー側面32およびガラス側面14上へ装飾層が配置される。装飾層は、別々に、または、多層物品の上記層上に装飾層を有することに加えて、ガラス側面12および/またはポリマー側面34上へ配置されることができることも考えられる。
【0056】
多層物品は、ポリマー側面Aおよびポリマー側面Bを有するポリマー層;第1のガラス層とポリマー層の間に位置する第1の中間層を伴って、ポリマー側面A上に位置する第1のガラス層;および第1のガラス層とポリマー層の間に位置する第2の中間層を伴って、ポリマー側面B上に位置する第2のガラス層を含む両面物品であることができる。図3は、ポリマー側面32およびポリマー側面34を有するポリマー層30、中間層側面22および中間層側面24を有する中間層20、中間層側面42および中間層側面44を有する中間層40、ガラス側面52およびガラス側面54を有するガラス層50、ならびにガラス側面12およびガラス側面14を有するガラス層10を有する両面多層物品4の断面図である。図3は、ガラス側面14が中間層側面22と直接接触し、中間層側面24がポリマー側面32と直接接触し、ポリマー側面34が中間層側面42と直接接触し、かつ中間層側面44がガラス側面52と直接接触することを例示する。なお、ガラス層10および50の一方または両方が、硬化ガラスを含むことができる。両面多層物品の全厚さは、約2〜25mm、具体的には約4〜18mm、より具体的には約5〜14mm、およびそれらの間の全ての部分範囲であることができる。一実施形態において、ポリマー側面32および/または34上へ装飾層が配置される。別の実施形態において、ガラス側面14および/または52上へ装飾層が配置される。一実施形態において、ポリマー側面32および/またはポリマー側面34ならびに/あるいはガラス側面14および/またはガラス側面52上へ装飾層が配置される。装飾層は、別々に、または、多層物品の上記層上に装飾層を有することに加えて、ガラス側面12および/または54上へ配置されることができることも考えられる。
【0057】
図2および3を引き続き参照すると、本開示のいくつかの実施形態は、1層の化学的に強化されたガラス(図2)、または2層の化学的に強化されたガラス(図3)、例えば、上記のとおり、熱処理され、イオン交換され、焼き鈍しされ、かつ/または化学エッチングがされたGorilla(登録商標)Glassを含むことができる。追加的な実施形態において、適用可能な場合、化学的に強化されたガラスの一方または両方の層は、熱処理およびイオン交換のみがされていた。いくつかの実施形態において、ラミネートまたは物品4は、イオン交換プロセス後に焼き鈍しされる場合、約1.0mm以下の厚さを有し、かつ60マイクロメートルより大きいDOLで、約250MPa〜約350MPaの残留表面CSレベルを有するガラスの外部層10から構成されることができる。他の実施形態において、外部層10のCSレベルは、上記のとおり、実施形態で実行されるプロセス次第で、350MPaより高いことができ、かつ400MPa〜900MPaであることができる。ラミネートまたは物品4は、剛性ポリマーコア30および2層の外部ポリマー層20、40を含むポリマー中間層も含む。物品4は、イオン交換プロセス後に焼き鈍しされる場合、約1.0mm以下の厚さを有し、かつ60マイクロメートルより大きいDOLで、約250MPa〜約350MPaの残留表面CSレベルを有するガラスの内部層50をさらに含む。他の実施形態において、内部層50のCSレベルは、上記のとおり、実施形態で実行されるプロセス次第で、350MPaより高いことができ、かつ400MPa〜900MPaであることができる。いくつかの実施形態において、剛性コア30は、ポリカーボネート材料または他の適切な材料から形成される。この剛性コア30は、例示的な物品4、およびそれから得られる窓構造のいずれにも、所望の機械的剛性を与えることができる。ポリカーボネートの厚さは、自動車の窓の荷重−撓み特性を変更しないように外部ガラスプライの厚さに基づいて選択することができる。ポリマー中間層の例示的な厚さは、0.1mm〜0.3mm、0.5mmまで、0.8mm以上までの厚さで変動することができる。剛性コア30の例示的な厚さは、2.0mm〜3.8mm、5.0mm以上までの厚さで変動することができる。2層の外部ポリマー層20、40、さらには剛性ポリマーコア30のための例示的な材料は、以下にさらに詳細に検討されるが、ただし、限定されないがポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、防音PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料およびそれらの組合せが含まれる。ポリマー中間層の例示的な厚さは、0.1mm〜0.3mm、0.5mmまで、0.8mm以上までの厚さで変動することができる。剛性ポリマーコア30の両側の例示的な外部ポリマー層20、40は、ガラス層10、50および剛性ポリマーコア30の間の接着を促進することができ、また、それぞれの窓に防音性能を追加することができる。
【0058】
本開示の別の実施形態において、薄いが高強度のガラスの少なくとも1つの層を使用して、例示的なラミネート構造を構成することができる。そのような実施形態において、化学的に強化されたガラス、例えば、Gorilla(登録商標)Glassを、例示的な物品4のガラスの外部層10および/または内部層50に使用することができる。別の実施形態において、ガラスの内部層50は、従来のソーダ石灰ガラス、焼鈍しガラスなどであることができる。外部および/または内部層10、50の例示的な厚さは、0.55mm〜1.5mm、2.0mm以上までの厚さで変動することができる。追加的な厚さは、約0.1mm〜2.0mm、0.1〜0.3mm、0.1〜0.5mm、0.1〜1.5mm以上、およびそれらの間の全ての部分範囲であることができる。追加的に、外部および内部層10、50の厚さは、ラミネート構造または物品4において異なることができる。例示的なガラス層は、米国特許第7,666,511号明細書、同第4,483,700号明細書および同第5,674,790号明細書に記載のフュージョンドローと、そのようなドローガラスの化学的に強化によって製造可能である。それぞれの上記特許の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的なガラス層10、50は、したがってCSの深いDOLを所有することができ、高い曲げ強度、引掻き耐性および衝撃耐性を示すことができる。例示的な実施形態は、衝耐性を高めるために酸エッチングされたか、またはフレア加工された表面を含むこともでき、これらの表面における欠陥の径および重大度を低減させることによって、そのような表面の強度を増加させる。ラミネーションの直前にエッチングが行われる場合、エッチングまたはフレア強化の利点は、中間層に結合した表面で維持されることができる。
【0059】
いくつかの実験において、非線形有限要素解析の計算を使用して平坦な長方形のガラスパネルを評価した。ガラスパネルの寸法は、約1000mm×800mmであり、これは、Ford Taurusの側面窓の寸法と同様であった。ガラスパネルは、典型的な風圧に近いように、ガラスパネルの表面の1つにおいて適用される約2000Pa(0.3psi)の均一な圧力負荷によって、4つの端縁全ての上で担持されることが仮定された。1つの実験において、モノリシックガラスシートの撓みを本開示の実施形態と比較するためのベンチマークとして、約5mmの厚さの従来のモノリシックガラスが使用された。別の実験において、この従来のラミネート構造の撓みを本開示の実施形態と比較するためのベンチマークとして、2枚の2.1mmのガラスシートを有する2つのプライラミネート構造も使用された。以下に提供される表Aは、従来の5mmのモノリシックガラスの撓みと、2枚の2.1mmのガラスシートを有する従来の2つのプライラミネート構造をまとめる。
【0060】
上記の表Aで提供される値は、本開示の実施形態によるラミネート構造を評価するためのベンチマークとして使用された。以下に提供される表Bは、実験で使用される様々な材料の機械特性を示す。
【0061】
図4は、ポリカーボネート厚さ対ガラス厚さのプロットである。図4に関して、合わせガラスパネルのガラス厚さ対ポリカーボネート厚さのプロットによって、上記の圧力および支持/負荷条件に関して、5.0mmのモノリスガラスと同じ、5.4mmに等しい撓みを有することが例示される。曲線は、外部の化学的に強化されたガラス層の厚さが変更された場合に、5.4mmの撓みを達成するために必要な例示的な剛性またはポリカーボネートコアの厚さを一般に例示する。したがって、本開示の実施形態の外部ガラス層の厚さが減少する場合、剛性コア、例えば、ポリカーボネートの厚さは、5mmのモノリシック構造と同一の撓みを達成するために増加させなければならない。
【0062】
図5は、異なる外部ガラス厚さに関するポリカーボネートラミネート質量のプロットである。図5に関して、外部ガラスプライ厚さ対全ラミネート重量のプロットが例示される。このプロットは、5mmのモノリシックなガラス構造と比較して、厚さ0.8mmの化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標Glass)を使用する場合、約20%の最大重量削減が達成可能であることを示す。そのような実施形態において、ラミネート構造は、所望の撓みを達成するために、約4.5mmの厚さのポリカーボネートコア(図4を参照のこと)の使用を必要とするであろう。また、厚さ0.7mmの化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)Glass)を使用する場合、重量削減は約19%であり、厚さ約5mmのポリカーボネートコアの使用が利用されなければならない。
【0063】
図6は、ポリカーボネート厚さ対ガラス厚さの別のプロットである。図7は、異なる外部ガラス厚さに関するポリカーボネートラミネート質量の別のプロットである。図6に関して、合わせガラスパネルのガラス厚さ対ポリカーボネート厚さのプロットによって、上記の圧力および支持/負荷条件に関して、従来の2プライラミネート構造(2枚の2.1mmのソーダ石灰ガラス)と同じ撓みを有することが例示される。図7に関して、外部ガラスプライの厚さ対全ラミネート重量のプロットは、この同一の従来の2プライラミネート構造に関して例示される。これらの2つのプロットは、外部ガラス層として厚さ約0.7mmの化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)Glass)を使用する場合、約4mmの厚さのポリカーボネートコアを使用して、21.5%の重量削減が達成可能であることを示す。そのような例示的な構造は、上記された圧力および支持条件下で、従来の2プライラミネート構造と同一の撓みを有する。したがって、本開示の実施形態に関して、従来の構造より20%以上の重量減少も達成することができる。そのような例示的な構造は、顧客の撓みおよび防音必要条件を満たすことも、また標準検定試験を合格することもできる。
【0064】
図8は、本開示の実施形態の防音性能を、モノリシックソーダ石灰ガラス構造と比較するプロットである。図9は、本開示の実施形態の防音性能をソーダ石灰ガラスラミネート構造と比較するプロットである。図8に関して、0.3mmのEVA層および5mmのポリカーボネートの剛性コアとともに、厚さ0.7mmの化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)Glass)を有する本開示の実施形態は、20%の重量削減を提供しながら、厚さ約5mmのモノリシックソーダ石灰ガラス構造の曲げ特性に実質的に相当することを観察することができる。さらに図8は、本開示の実施形態とモノリシックソーダ石灰ガラス構造との間の比較できる透過損失を例示するが、これらの実施形態が厚さ5mmのモノリシックガラスより20%軽量であるため、透過損失は、本開示の実施形態に関してわずかに少ないことは予想される。しかしながら、非常にわずかな透過損失の差異がコインシデンス周波数において観察され、場合によっては本開示の実施形態において追加的低下が観察されたことに留意すべきである。図9に関して、0.3mmのEVA層および3.8mmのポリカーボネートの剛性コアとともに、厚さ0.7mmの化学的に強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)Glass)を有する本開示の実施形態は、30%の重量削減を提供しながら、防音PVB中間層とともに2枚の2.1mmソーダ石灰ガラスを有する従来の2プライソーダ石灰ガラスラミネート構造の曲げ特性に実質的に相当することを観察することができる。本開示の実施形態の透過損失は、そのような実施形態の30%の重量削減のために、従来の2プライソーダ石灰ガラスラミネートのものより約2dB少ないことも観察し得る。2500Hzのコインシデンス周波数において、いくつかの実施形態は、コインシデンスディップの深さを減少させ、それをより高い周波数へシフトするように作用するソーダ石灰ガラスラミネート構造の防音PVBのために、従来の2.1mmのソーダ石灰ガラスラミネート構造より少ない透過損失を提供することができる。約5000Hzより高い周波数において、本開示の実施形態の透過損失は、ソーダ石灰ガラスラミネート構造のものよりも約3dB高かった。
【0065】
いくつかの実施形態において、例示的な多層物品は、図10に例示されるように、その間に隙間が位置する第1および第2のペインを含む二重ペイン物品であることができる。二重ペイン物品は、少なくとも1つの片面多層または少なくとも1つの両面多層ペインを含むことができる。第2のペインは、例えば、片面多層、両面多層ペイン、ガラス枠またはポリマーペインであることができる。隙間は、約4〜25mm、具体的には約6〜20mm、より具体的には約10〜14mm、およびそれらの間の全ての部分範囲であることができる。隙間は、構造の絶縁特性を改善するために、アルゴンなどの液体またはガスを含有するように製造されてもよい。この構造内のいずれか、および/または全ての層および側面を装飾することも想定される。
【0066】
図10に示される二重ペイン物品は、2つの片面多層を含むことができ、片面多層のそれぞれのポリマー層は、2つのペイン間に位置する隙間と接触することができる。例えば、図10は、中間隙間90を有する2つの片面多層2および102を含む二重ペイン物品を例示する。図10は、中間的な第1の中間層20を有する第1のガラス層10および第1のポリマー層30、ならびに中間的な第4の中間層120を有する第4のガラス層110および第2のポリマー層130を例示する。隙間90は、ポリマー層30および130の中間に介在するものとして例示される。なお、ガラス層10および110の1つ以上は、硬化されたガラスを含むことができる。この構造内のいずれか、および/または全ての層および側面を装飾することも想定される。
【0067】
他の実施形態において、二重ペイン物品は、その間に隙間が位置する、2つの両面多層を含むことができる。例えば、図11は、それぞれ、第1のポリマー層30および第2のポリマー層130を含む2つの両面多層4および104を含む二重ペイン物品を例示する。この物品は、隙間90の次に位置する第2のガラス層50および第3のガラス層150を含み、第1のガラス層10および第4のガラス層110は、二重ペイン物品の外面である。第1の中間層20および第2の中間層40は、それぞれ、第1のポリマー層30および第1のガラス層10の中間に介在し、第1のポリマー層30および第2のガラス層50の中間に介在する。第4の中間層120および第3の中間層140は、それぞれ、第2のポリマー層130および第4のガラス層110の中間に介在し、かつ第2のポリマー層130および第3のガラス層150の中間に介在する。当然のことながら、ガラス層10、50、150および110の1つ以上は、硬化されたガラスを含むことができる。
【0068】
単一ペインまたは二重ペイン物品のための1つ以上の装飾層は、限定されないが、スクリーン印刷、レーザーマーキング、ローターグラビア印刷、パッド印刷、デジタルインクジェット印刷、ハイドログラフィックス、レーザーエッチング、レーザー印刷および転写印刷を含む方法によって、ポリマーおよび/またはガラス層に適用されてもよい。いくつかの実施形態において、多層物品は、限定または封着された領域、例えば、航空機の内部で使用されることができる。そのような用途に関して、様々な難燃性特性は重要性が高い。航空会社輸送産業において、熱可塑性材料の有用な難燃性特性、特に、放熱速度は、連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)(FAR)、特にFAR 25.853(d)によって、典型的に測定および調節される。FAR F25.4(FAR Section 25,Appendix F,Part IV)に記載される放熱速度標準は、そのような特定化された特性の1つであり、この標準に適合する熱可塑性材料は、1平方メートルにつき65キロワット−分(kW−分/m)以下の2分の集積化された放熱速度、1平方メートルにつき65キロワット未満(kW/m)のピーク放熱速度を有することが必要とされ、これは、OSU 65/65(2分/ピーク)として略されるOhio State University熱量計を使用して決定される。より高い放熱速度性能が要求されるいくつかの厳しい用途において、55kW−分/m以下の2分の集積化された放熱速度、および55kW/m未満のピーク放熱速度(OSU 55/55として略される)が必要とされることができる。加えて、多くの用途のために、熱可塑性材料は、ASTM F814−83によって、火炎または非火炎条件のいずれかで4分後に測定される、200未満のFAR F25.5(FAR Section 25,Appendix F,Part V)に記載される、煤煙濃度(D)を有する必要がある。いくつかの実施形態において、多層物品は、毒性試験のために、Bombardier SMP 800CおよびBoeing BSS 7239を満たすことができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、多層物品は、弾道脅威およびブロック脅威に関して連邦鉄道管理局(Federal Railroad Administration)(FRA)の必要条件を満たすことができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、.22口径LR(ロングライフル銃)、40.0−グレイン、鉛弾を使用して、1秒あたり960フィート(fps)(1秒あたり293メートル)の最小衝撃速度で試験試料の中央に発砲される、CFR 49,Chapter II,Federal Railroad Administration,DOT,Part 223,Subpart B,Appendix A,Type I,Ballistic Threatに合格することができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、30フィート(9.14メートル(m))で停止し、次いで、試験試料の中心の1インチ(2.54センチメートル(cm))上に落下した25ポンド(lbs)(11.33キログラム(kg))の最小重量を有するコンクリートブロックを使用してCFR 49,Chapter II,Federal Railroad Administration,DOT,Part 223,Subpart B,Appendix A,Type I,Block Threatに合格することができる。
【0070】
輸送産業において、熱可塑性材料の有用な難燃性特性、特に、放熱速度は、欧州試験規格EN45545およびISO 5660に従って測定および調節することができる。したがって、いくつかの実施形態において、多層物品は、EN45545およびISO 5660に従って、90キロワット(kW)未満の放熱を有することができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、EN45545およびISO 5658−2に示される方法に従って、20kWより大きい火炎伝播を有することができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、240秒における煤煙密度に関するEN 45545−2およびISO 5659に示される方法に従って、煤煙密度を有することができ、多層物品は、300未満の煤煙密度および/またはVOFを有することができ、物品は、600未満の煤煙密度を有することができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、EN45545−2 Annex C(50kW)によって必要とされるガス分析に関してFTIRを使用するISO 5659−2に示される方法に従って、毒性レベルを有することができ、多層物品は、HL2評価に関して0.9未満またはHL1評価に関して1.2未満のCITGで毒性レベルを有することができる。
【0071】
輸送産業において、熱可塑性材料の有用な難燃性特性、特に、火炎拡散および火炎伝播は、それぞれ、英国試験規格BS476 Part 7およびPart 6に従って測定および調節することができる。したがって、いくつかの実施形態において、多層物品は、BS476 Part 7に従って、165mm以下の火炎拡散を有することができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、BS476 Part 6に従って、12以下の火炎伝播を有することができる。
【0072】
輸送産業において、熱可塑性材料の火からのガスの有用な難燃性特性、特に、発煙および毒性は、それぞれ、英国試験規格BS 6853:1999 Annex D8.4 Panel Smoke testおよびAnnex B.2 Toxicity testに従って測定および調節することができる。したがって、いくつかの実施形態において、多層物品は、BS 6853:1999 Annex D8.4に従って、2.6未満のAo(On)および3.9未満のAo(off)を有することができる。いくつかの実施形態において、多層物品は、BS 6853:1999 Annex B.2に従って、1未満の毒性を有することができる。
【0073】
例示的な多層物品は不透明であることができる。例示的な多層物品は、優れた透明度を有することもできる。例えば、多層物品は、それぞれ、色空間CIE1931(発光物Cおよび2°観察装置)を使用して、または0.125インチ(3.2mm)の厚さで発光物Cを使用してASTM D 1003(2007)に従って測定される、10%未満の曇りおよび70%より高い透過率を有することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、1,467mm×1,215mmの試験試料は、1平方メートルあたり2,500ニュートン(N/m)(2,500パスカル(Pa))の負荷を受けた場合、5mm以下の最大撓みを有することができる。他の実施形態において、1,512mm×842mmの試験試料は、6,000N/m(6,000Pa)の負荷を受けた場合、5mm以下の最大撓みを有することができる。
【0075】
さらなる実施形態において、ガラス層の少なくとも1つは、硬化されたガラスシートを含む。上記の図1に関して検討されるように、硬化されたガラスシートは、置換イオンを含む溶液中にガラスシートを配置し、ガラスシートに存在するナトリウムイオンを置換イオンと交換することによって調製されることができる。ガラスシートは、酸化ナトリウムと、ケイ素、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、ホウ素、バリウム、ランタン、セリウム、鉛、ゲルマニウムの酸化物、または上記の1種以上を含む組合せを含むことができる。ガラスシートは、酸化ナトリウムと、ケイ素、カルシウム、アルミニウム、ホウ素の酸化物、または上記の1種以上を含む組合せを含むことができる。ガラスシートは、例えば、ナトリウムアルミノシリケートまたはナトリウムアルミノボロシリケートガラスであることができる。例示的なイオン交換プロセスにおいて、置換イオンは、ナトリウムより大きい原子半径を有するイオン、例えば、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、または上記の1種以上を含む組合せであることができる。置換イオンは、硫酸塩、ハロゲン化物などとして溶液中に存在することができる。溶液はKNOを含むことができ、具体的には溶液は溶融KNOから構成されることができる。置換は、摂氏400〜500度(℃)の温度で生じることができる。ガラスシートは、4〜24時間、具体的には6〜10時間、溶液中にあることができる。いくつかの実施形態において、例示的なイオン交換プロセスによって、(i)硬化されたガラスシートの表面におけるiCS、(ii)硬化されたガラスシートへのiDOL、および(iii)硬化されたガラスシート内のiCTを生じることができる。当然のことながら、イオンの置換後、硬化されたシートは、上記の酸エッチングステップおよび焼鈍しステップの一方または両方を受けることができる。酸エッチングステップは、酸性溶液に硬化されたガラスを導入するステップを含むことができる。酸は、フッ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、重フッ化アンモニウム、重フッ化ナトリウム、または上記の1種以上を含む組合せを含むことができる。酸エッチグステップによって、4マイクロメートル以下、具体的には2マイクロメートル以下、より具体的には1マイクロメートル以下の表面ガラスを除去することができる。焼鈍しステップにおいて、硬化されたガラスシートは、例えば400〜500℃の高温を受けることができる。焼鈍しステップは、空気中、または不活性環境で実行することができる。焼鈍しステップは、4〜24時間、具体的には6〜10時間実行して、iCSをfCSまで低下させることができる。fCSは、400MPa以下、具体的には350MPa以下、より具体的には300MPa以下であることができる。fCSは、200〜400MPa、具体的には250〜350MPaであることもできる。焼鈍しステップによって、iDOLをfDOLまで、60マイクロメートル以上、具体的には80マイクロメートル以上、より具体的には90マイクロメートル以上、さらに具体的には100マイクロメートル以上増加させることができる。再び、焼鈍しステップは、ガラスシートの選択された脆性限界未満で、iCTをfCTまで低下させることができる。
【0076】
例示的な硬化されたガラス層は、400〜900MPaの表面圧縮応力、および30マイクロメートル以上の圧縮応力層深さを有することができる。特に、硬化されたガラスは、60マイクロメートル以上の圧縮応力層深さで、250〜350MPaの表面圧縮応力を有することができる。
【0077】
ガラス層は、0.5〜1.5ミリメートル(mm)、具体的には0.55〜0.7mmまたは0.8〜1mmであることができる。2層以上のガラス層が存在する場合、それぞれのガラス層は、個々に、0.5〜1.5mm、具体的には0.55〜0.7mmまたは0.8〜1mmであることができる。追加的に、ガラス層は引掻き傷に対する改善された耐性を提供することができる。例えば、硬化されたガラス上でビッカーズインデンターを使用して、ガラスに損傷を引き起こすために3,000〜7,000グラムの負荷が必要である。標準安全ガラスと比較して、1,000グラムのみの負荷でも、安全ガラスに損傷を引き起こすのに十分である。
【0078】
いくつかの実施形態において、中間層は、ポリマー層およびガラス層が互いに接着することを可能にする層であることができる。中間層は、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)(EVA)、または上記の一方または両方を含む組合せを含むことができる。中間層は、EVAを含むことができる。
【0079】
TPUは、ジイソシアネートおよび存在する場合は鎖延長剤によって形成されたより短い硬質セグメントによって一緒に結合される長鎖のポリオール鎖を含むことができる。ポリオール鎖は、典型的に、低温可撓性および室温エラストマー特性を与える軟質セグメントと呼ばれる。一般に、軟質セグメント濃度が高いほど、弾性率、引張強さ、硬度が低くなるが、伸長は増加する。本発明の多層物品において結合層として使用されるポリオールは、3種類に一般に分類することができる:1)ポリエーテルポリオール、2)ポリエステルポリオール、および3)ポリブタジエンをベースとするポリオール。本発明の一実施形態において、ポリエーテル骨格鎖を有するポリオールを含む結合層が、自動車用途のために特に望ましい優れた加水分解安定性を有することが発見される。
【0080】
EVAは、EVAの全重量に基づき、20〜80重量%、具体的には20〜50重量%、より具体的には25〜35重量%の酢酸ビニル含有量を有することができる。EVAは、無水マレイン酸官能化EVAコポリマーを含むことができる。EVAは、ポリカーボネートを攻撃しないように、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)を含まないことが可能である。本明細書で使用される場合、ヒンダードアミン光安定剤を含まないEVAは、EVAが、中間層の全重量に基づき、0.1重量%以下、具体的には0〜0.01重量%のヒンダードアミン光安定剤を有することを意味する。
【0081】
中間層に含まれないヒンダードアミン光安定剤の例としては、一般式(2)を有する4−ピペリジノール誘導体が含まれる。
【0082】
【化1】
【0083】
(式中、Xは酸素であり、かつYは、水素、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはヒドロキシルおよびアミノ基によって置換されるC1〜20アルキルである。RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリルアルキル基からなる群から選択される。例えば、RおよびRは、それぞれ水素であることができる。R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、C1〜6アルキル基、フェニル、アリルアルキル基、C5〜6芳香族複素環基からなる群から選択することができ、かつ、酸素、硫黄または窒素原子を含有することができるか、あるいはR、R、R10およびR11は、それぞれ一緒に、またはそれらが結合する炭素原子とともに、C5〜12シクロアルキル基を表すことができる。R、R、R10およびR11は、メチルであることができる。Zは、オキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、未置換であるか、またはそのアリール部分で1つ以上の置換基を有するアリールアルキル基であり、例えば、2,3−エポキシプロピルが含まれる。Zは、式−CHCOOR12によって表すことができ、式中、R12がアルキル基、アルケニル基、フェニル基、アリールアルキル基またはシクロヘキシル基である。Zは、式−CHCH(R14)OR13を有することができ、式中、R14は、水素原子、メチル基またはフェニル基であり、かつR13は、水素原子、アルキル基、エステル、カルボニル、アシル基、脂肪族アシル基、または式−COOR15もしくは−OOCR15によって表される基であり、式中、R15は、アルキル基、ベンジル基、フェニル基などである。)
HALSの商業的に入手可能な例は、TINUVIN(商標)622(Ciba Specialty Chemicals,Inc.,Basel Switzerland)、TINUVIN(商標)770(Ciba Specialty Chemicals,Inc.,Basel Switzerland)、CYASORB(商標)UV−3529(Cytec)、CYASORB(商標)UV−3631(Cytec)、CYASORB(商標)UV−3346(Cytec)、CYASORB(商標)UV−4593(Cytec)、UVINUL(商標)5050H(BASF)、およびSANDUVOR(商標)3058(Clariant)である。
【0084】
中間層は、0.2〜1.4mm、具体的には0.2〜0.7mm、具体的には0.3〜0.6mm、より具体的には0.35〜0.5mmであることができる。ポリマー層は、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリカーボネート、上記の1種以上を含むコポリマー、あるいは上記の1種以上を含むブレンドを含むことができるポリマー組成物を含むことができる。ポリマー層は、ポリカーボネートを含むことができる。ポリカーボネートは、例えば、界面プロセスにおいて重合可能である。界面重合の反応条件は変更可能であるが、例示的なプロセスは、一般に、塩基水溶液中で二価フェノール反応物を溶解または分散するステップと、得られた混合物を、水と混和しない溶媒媒体に添加するステップと、制御されたpH条件、例えば、8〜11において、例えば、トリエチルアミンまたは相間移動触媒などの触媒の存在下、反応物を炭酸塩前駆体と接触させるステップとを含む。水と混和しない溶媒は、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどの1種以上を含むことができる。一般に、鉄捕捉剤などのキレート剤も不純物および汚染物質を除去するために使用することができる。
【0085】
例示的な炭酸塩前駆体としては、例えば、臭化カルボニルまたは塩化カルボニルなどのハロゲン化カルボニル、あるいはハロホルメート、例えば、二価フェノールのビスハロホルメート(例えば、ビスフェノール−Aのビスクロロホルメート、ヒドロキノンなど)、またはグリコールのビスハロホルメート(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールなどのビスハロホルメート)が含まれる。炭酸塩前駆体の上記の種類の少なくとも1つを含む組合せを使用することもできる。炭酸結合を形成する界面重合反応は炭酸塩前駆体としてホスゲンを使用し、ホスゲン化反応と呼ぶことができる。
【0086】
界面重合の反応条件は変更可能であるが、例示的なプロセスは、一般に、水酸化ナトリウムまたはカリウム水溶液中で二価フェノール反応物を溶解または分散するステップと、得られた混合物を、水と混和しない溶媒媒体に添加するステップと、制御されたpH条件、例えば、8〜11において、例えば、トリエチルアミンまたは相間移動触媒などの触媒の存在下、反応物を炭酸塩前駆体と接触させるステップとを含む。最も一般的に使用される水と混和しない溶媒は、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどを含む。
【0087】
使用可能な相間移動触媒としては、式(RQ+X(式中、それぞれのRは、同一であるかまたは異なり、かつC1〜10アルキル基であり、Qは、窒素またはリン原子であり、かつXは、ハロゲン原子またはC1〜8アルコキシ基もしくはC6〜18アリールオキシ基である)の触媒がある。例示的な相間移動触媒としては、例えば、[CH(CHNX、[CH(CHPX、[CH(CHNX、[CH(CH)6]NX、[CH(CHNX、CH[CH(CHNXおよびCH[CH(CHNX(式中、Xは、Cl、Br、C1〜8アルコキシ基またはC6〜18アリールオキシ基である)が含まれる。相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物のビスフェノールの重量に基づき、0.1〜10重量%であることができる。相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物のビスフェノールの重量に基づき、0.5〜2重量%であることができる。二価フェノール反応物は、非常に高純度かつ非常に低着色であり得、例えば、それは少なくとも99.80%の純度であり得る。
【0088】
一般的な重合プロセスは、二価フェノール反応物のためのビスフェノールA(BPA)、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、および炭酸塩前駆体としてホスゲンを使用する。BPAは、2つのグレード、ポリカーボネートグレードおよびエポキシグレードで製造することができる。ポリカーボネートグレードBPAは、より高純度であり、APHAによって325nmで測定される場合、より低い着色を有する。一般に、高純度BPAは、10未満の測定されたAPHAを有するが、低純度のエポキシグレードBPAは、40より高いAPHAを有する。本開示のポリカーボネート樹脂を形成するために使用されるBPAは、99.65%以上、具体的には99.80%以上の純度を有することができる。有機純度は、100重量%から、紫外線(UV)を使用して検出される既知および未知の不純物の合計を差し引いたものとして定義されることができる(Nowakowska et al.,Polish J.Appl.Chem.,XI(3),247−254(1996)のHPLC法を参照のこと)。そのような高品質ビスフェノールAは商業的に入手可能である。ポリカーボネートのためのBPAは、BPAのパラ,パラ−異性体であることができる。BPAは、燃焼および電量測定検出に基づく商業的に入手可能なTotal Sulfur Analysisによって測定する場合、重量による4百万分率(ppm)以下、具体的には2ppm以下、さらに具体的には1.5ppm以下の硫黄濃度を有することができる。
【0089】
塩化メチレンは、ポリカーボネートを形成するための溶媒として使用することができる。塩化メチレンは、汚染物質を残す蒸気沈殿によって精製することができる。例えば、塩化メチレンは、10ppm未満のカルシウム、1ppm未満の鉄、0.5%未満の塩および/または0.1%未満の分解ポリマーを含有することができる。塩基水溶液は、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液であることができる。NaOHは、反応pHを9.5〜10.0の典型的な範囲内に維持するため、およびホスゲンとのBPAの反応から形成されるHClを中和する(水を塩水に変化させる)ために使用することができる。NaOHは、塩化ナトリウムの電気分解によって製造することができる。電気分解において形成され、かつNaOHに存在する不純物の1つは、塩素酸ナトリウム(NaClO)である。NaClOの量は、炭素上で担持されたルテニウム触媒を使用して、水素とNaOH流を反応させることによって還元することができる。しかしながら、存在する全てのNaClOが反応することを保証することは不可能であり、処理されたNaOH溶液中に常にいくらか残存する。NaClOは酸化剤であり、BPAと反応することが実証されている。NaClOとBPAとの反応生成物は、完全に特徴づけられないが、BPAのフェノール基の酸化によって、典型的に高度に着色するキノン構造の形成が引き起こされると考えられる。NaOHと高濃度のNaClOを使用してポリカーボネート樹脂を製造することによって、成型時に着色が高く、かつ色安定性が低い樹脂が生じることが実証されている。本開示において使用されるNaOHは、10ppm未満のNaClOを含有することができる。追加的に、固体微粒子は、10マイクロメートル絶対媒体を使用する濾過によってNaOH溶液から除去することができる。
【0090】
ポリカーボネートの重合において高品質のホスゲンを使用することができる。ホスゲンは、一酸化炭素と塩素との反応によって製造することができる。この反応は、界面重合において不活性である一酸化炭素の過剰量を用いて典型的に実行される。しかしながら、少量の未反応の塩素はホスゲンに存在する可能性がある。界面重合反応において、塩素をNaOHと反応させて、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を生成することができ、これは、NaClOと同様の方法でBPAと反応することができる。塩素をBPAと直接反応させることもできる。BPAとの塩素の反応は、ポリマー骨格鎖の塩素化をもたらすことができる。ホスゲン中の遊離塩素濃度が500ppmより高い場合に生成されるポリカーボネートは、200ppmより高い境界塩素原子を有することができるポリカーボネート樹脂を生じることができる。この樹脂は、黄色の増加および色安定性の減少を有するおそれがある。ポリカーボネート樹脂中の組み込まれた塩素原子の濃度は、100ppm未満の遊離塩素を含有するホスゲンが使用される場合、20ppm未満であることができる。したがって、ホスゲンを通して導入された塩素の量を制御することが重要である。
【0091】
ポリカーボネート粉末を生じるためのホスゲンとBPAとの反応は、完全な分子量蓄積を確実にし、残留する未反応のBPAモノマーの量を最小化するようにホスゲンを用いて実行することができる。一般に、8〜10モル%過剰のホスゲンが適切である。8モル%過剰未満のホスゲンが使用される場合、所望よりも低い重量平均分子量(Mw)を有し、所望よりも高いOH末端基濃度を有するポリマーが生じる不完全なバッチ事象のより大きいリスク、および残留モノマー増大のリスクがある。一般に、ポリカーボネート中に50ppm未満のヒドロキシル末端基およびポリカーボネートの中に50ppm未満の残留BPAモノマーが存在し得る。
【0092】
ポリカーボネート粉末の重量平均分子量(Mw)は、連鎖停止剤またはエンドキャッピング剤を添加することによって制御することができる。例示的なエンドキャッピング剤としては、フェノール、パラ−t−ブチルフェノールおよびp−クミルフェノール(PCP)が含まれる。エンドキャッピング剤の量は2.25〜5.5モル%であり得、ポリカーボネート標準を使用してゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定する場合、1モルあたり36,000〜17,000グラム(g/mol)のMwを得ることができる。より一般に、エンドキャッピング剤の量は、2.9〜4.3モルパーセント(モル%)であり得、30,000〜21,000g/モルのMwを得ることができる。エンドキャッピング剤は、ポリカーボネートを含む結果として生じる組成物が、150ppm以下、より具体的には25〜150ppm、さらに具体的には30〜100ppmの遊離ヒドロキシル濃度を含むように、反応において利用することができる。
【0093】
ポリカーボネートの反応後処理は、低着色および色安定性のポリカーボネート樹脂を生じる際に重要となる可能性がある。ポリカーボネート、塩水、水と混和しない溶媒および不純物を含有する反応混合物は、バッチであると考えることができる。バッチは、一連の精製段階を通して、排出および精製されることができる。それぞれの段階は、例えば、1つ以上の液体−液体遠心分離機から構成することができる。
【0094】
第1の精製段階において、溶解されたポリカーボネートを含有する塩化メチレン相から、塩水相を分離することができる。第2の精製段階において、塩化メチレン相から触媒を抽出することができる。これは、希釈塩酸水溶液を使用して実行することができる。第3の精製段階において、高品質水を使用して塩化メチレン相を洗浄することによって、残留イオン種を除去することができる。高品質水は、一般に、ほとんどの汚染物質が水中に存在しないように、蒸気から凝縮されたか、脱イオン化を使用して精製されている。例えば、高品質水の導電率は、1センチメートルあたり10マイクロジーメンス(マイクロジーメンス/cm)未満であることができる。その結果、ポリカーボネートは低残留塩化物イオンを有することができる。鉱物およびカルシウム、シリケート、鉄、硫酸塩などの金属不純物を含有する水が使用される場合、その後のポリカーボネート樹脂から製造される成形品は、増加した曇りおよび黄色さを有するおそれがあることが示されている。
【0095】
精製後、溶解したポリカーボネートを含有する非水性相を、任意選択的に、1〜10マイクロメートル絶対濾過装置を使用して濾過することができる。次いで、蒸気沈殿によってポリカーボネートを濃縮および単離することができる。これは蒸気との直接接触の間にジクロロメタン溶媒を瞬間的に蒸発させる。沈殿のために使用される蒸気は、鉱物およびイオン含有量が非常に低く、好ましくは1マイクロジーメンス/cm未満の導電率値を有することができる。単離のために使用される蒸気は、任意選択的に、1〜50マイクロメートル絶対濾過装置を使用して濾過することができる。高い鉱物またはイオン含有量(10マイクロジーメンス/cm超)で蒸気を使用する樹脂の沈殿は、ポリカーボネート樹脂の高い黄色および低い溶融安定性をもたらすおそれがある。
【0096】
ジクロロメタンおよび蒸気を湿潤ポリカーボネートから分離することができる。ジクロロメタンおよび蒸気は、それら自体で凝縮および分離可能である。回収されたジクロロメタンは、蒸発によって高純度となり得、BPAのその後の重合に再利用することができる。回収された水も高純度であることができ、触媒の洗浄または抽出のための精製段階に使用することもできる。回収された触媒/水混合物は、BPAのその後の重合に再利用することができる。
【0097】
残留ジクロロメタンは、逆流蒸気を使用して、プラグフローカラムにおいて湿潤ポリカーボネートから除去することができる。残留水は、加熱された空気を使用して、流動床乾燥器において湿潤ポリカーボネートから除去することができる。次いで、得られたポリカーボネート粉末を収集することができる。
【0098】
要約すると、高品質のポリカーボネートを製造するために、多数のステップを実行することができる。低着色および特に色安定性である高純度BPAを使用することができる。NaOH塩基は塩素酸ナトリウム含有量が低くてもよく、かつ濾過することができる。ホスゲンは、未反応の塩素含有量が低くてもよい。完全重合を確実にする保存性反応条件を使用することができる。ポリカーボネートを得る精製段階の間において、高純度水が使用されなければならない。
【0099】
次に、ポリカーボネート樹脂を形成する調合プロセスも同様に最適化することができる。最初に、製造された高品質のポリカーボネートを単離し、調合作業に設計されたサイロに分離することができる。またそれぞれのサイロは、相互汚染がないことを確実にするために、いずれの残留粉末もクリーニングすることができる。サイロから押出成形ラインまでポリカーボネート粉末を移動するために使用される移送ラインも、移送前にクリーニングすることができる。濾過された空気は、移送用に使用することができる。いずれの添加剤(着色剤、安定剤など)も、専用の供給機を使用して、押出機に直接測定されることができる。
【0100】
ポリカーボネート粉末の調合は、押出機で実行することができる。押出機は、フィルム、シートまたはプロフィールの調合、成形、ペレット化または形成のために使用することができる。そのような押出機は、典型的に、加熱された押出成形バレル、およびバレル内に1つまたは2つのスクリューレボルビングを有し、押出成形ノズルのオリフィスを通してポリカーボネートを圧縮、溶解および押出成形する。バレルは、いくつかの異なる領域、例えば、原材料、転移、混合、分散および測定領域に分割することができる。
【0101】
ポリカーボネートは、添加剤とともに、制御された温度で溶融押出成形されることができる。高純度ポリカーボネート樹脂のために、典型的に58mmまたは70mmの押出機が使用されることができる。ポリカーボネートは、微粒子の汚染を減少させるために、30マイクロメートルフィルタースタックを通して溶融濾過されることができる。生成物の品質をさらに改善するために、より小さいメッシュのフィルター(10マイクロメートル)を使用することできる。汚染を最小化するために、0.5マイクロメートルで濾過された水によるステンレス鋼水浴を使用することができる。押出機を出るポリカーボネート樹脂は、ペレット化されて、バルクボックスまたはスーパーの袋などの包装に収集することができる。空気および水移動システムに存在する可能性がある微粒子を排除するために、押出成形および包装プロセスの間に配慮される可能性がある。
【0102】
この点で、調合ロセスの2つの態様は、本開示の高品質のポリカーボネート樹脂を得るために重要となる可能性がある。最初に、溶融フィルター径がより小さくなると、ポリカーボネートがフィルターチャネルを通過して、剪断力および温度を上昇させることができる。これによって、得られたポリカーボネートにおける黄色の増加が生じるおそれがある。第2に、青色着色剤の量は、いずれかの黄色を相殺するためにポリカーボネートに添加することができる。押出機が安定な作動状態を達成したら、ペレットが製造され、ペレットの小試料を、特定の厚さで色プラークに成形することができる。比色測定を記録し、生成物の所望の仕様と比較することができる。着色剤の量またはそれらの強度は、仕様の範囲内のポリカーボネート生成物をもたらすために、次いで調節することができる。再び、ポリカーボネートの黄色を制御することによって、着色剤仕様(b)を満たすために必要な着色剤の量を低減することができ、それによって輝度(L)が高まる。
【0103】
向上した光透過率および清潔度を有する高品質ポリカーボネートを得るため、押出機への供給速度、押出機のトルク、着色剤の設定値、および押出機の温度を最適化することができる。これは、所望の生成物を得るためのフィードバックループを使用して実行することができる。着色剤は典型的にライン速度のパーセントとして測定される。トルクは70%〜90%であることができる。
【0104】
添加剤と一緒のポリエステルカーボネートの調合の特定の事例において、剪断加熱および黒色細粒発生を最小化するように設計された押出機を使用することが有利であることができる。例えば、マイルドスクリュー設計およびマイルド押出成形条件によるかみあい型同方向二軸押出機が好ましい。かみあい型同方向二軸押出機は、自己拭き取りスクリュー要素の利点を有し、したがって、黒色細粒発生を最小化する。マイルドスクリュー設計は当該技術分野において既知であり、かつ典型的に高剪断混合要素の数を最小化し、例えば、広範囲から中程度の範囲にわたる混練ブロックおよび/またはレフトハンデッド混練ブロック(2つまたは3つのローブ要素を利用する)が溶解を達成し、かついずれの添加剤/着色剤の良好な分配混合のためにも、ZME(Zahn混合要素)、TME(タービン混合要素)、および/またはSME(スクリュー混合要素)などの低剪断混合要素を使用する。一軸押出機は、低剪断溶解および混合を提供することができるが、自己拭き取り能がないため、より高い黒色細粒発生の不都合を有するおそれがある。
【0105】
低剪断押出機の使用に加えて、低着色、高透過樹脂のために、マイルド押出成形条件を使用することも有利となる可能性がある。これらの条件は当該技術分野において既知であり、典型的に特定のエネルギーを最小化し、かつ/またはトルクを最大化する。押出機への供給速度、スクリュー速度、着色剤濃度、および押出機の温度は、特性エネルギーを最小化し、トルクを最大化し、色および透過を最適化するために最適化することができる。
【0106】
高い光学品質ポリエステルカーボネート樹脂および物品を得るために、非混和性樹脂の汚染を排除することがしばしば有利である。非混和性曇り原因樹脂としては、例えば、BPAポリカーボネートを含むことができる。「ポリカーボネート」は、式(1):
【0107】
【化2】
【0108】
(式中、R基の総数の少なくとも60%は芳香族部分を含有し、かつそれらの残りは、脂肪族、脂環式、または芳香族である)の繰り返し構造のカーボネート単位を有する組成物を意味する。
【0109】
ポリカーボネートは、ビスフェノールAから誘導することができる。それぞれのR基は二価芳香族基であることができ、例えば、式(3):
【0110】
【化3】
【0111】
(式中、AおよびAのそれぞれは、単環式二価アリーレン基であり、かつYは単結合、またはAをAから分離する1、2個の原子を有する架橋基である。AおよびAのそれぞれがフェニレンである場合、Yはフェニレン上のそれぞれのヒドロキシル基に対してパラ位であることができる。この種類の基の実例となる非限定的な例は、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシル−メチレン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデンおよびアダマンチリデンである)の芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導することができる。架橋基Yは、炭化水素基または飽和炭化水素基、例えば、メチレン、シクロヘキシリデンまたはイソプロピリデンであることができる。一実施形態において、1個の原子がAをAから分離する。
【0112】
一般式(4)のビスフェノール化合物は、式(3)の範囲に含まれる。
【0113】
【化4】
【0114】
(式中、RおよびRは、それぞれハロゲン原子または一価炭化水素基を表し、かつ同一であることも、異なることも可能であり、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、かつXは、単結合または式(5)または(6)
【0115】
【化5】
【0116】
【化6】
【0117】
の基の1つを表し、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C1〜12アルキル、C1〜12シクロアルキル、C7〜12アリールアルキル、C1〜12ヘテロアルキル、または環式C7〜12ヘテロアリールアルキルであり、かつRは二価C1〜12炭化水素基である。RおよびRは、それぞれ、同一の水素またはC1〜4アルキル基、具体的には同一のC1〜3アルキル基、さらに具体的にはメチルであることができる。)
およびRは、一緒になって、C3〜20環式アルキレン基、または炭素原子および2以上の原子価を有するヘテロ原子を含むヘテロ原子含有C3〜20環式アルキレン基を表すことができる。これらの基は、単一飽和または不飽和環の形態であることができるか、あるいは縮合環が飽和、不飽和、または芳香族である縮合多環式環系であることができる。特定のヘテロ原子含有環式アルキレン基は、2以上の原子価を有する少なくとも1個のヘテロ原子および少なくとも2個の炭素原子を含む。ヘテロ原子含有環式アルキレン基中の例示的なヘテロ原子としては、−O−、−S−および−N(Z)−が含まれ、Zは、水素、ヒドロキシ、C1〜12アルキル、C1〜12アルコキシ、またはC1〜12アシルから選択される置換基である。
【0118】
は、式(7):
【0119】
【化7】
【0120】
(式中、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、酸素またはC1〜12有機基であり、Iは、直接結合、炭素または二価酸素、硫黄、または−N(Z)−であり、Zは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜12アルキル、C1〜12アルコキシ、またはC1〜12アシルであり、hは0〜2であり、jは1または2であり、iは0または1の整数であり、かつkは0〜3の整数であるが、ただし、R、R、RおよびRの少なくとも2つは一緒になって、縮合脂環式、芳香族または複素環式芳香族環を形成する)の置換されたC3〜18シクロアルキリデンであることができる。縮合環が芳香族である場合、式(7)に示す環は、環が縮合される不飽和炭素−炭素結合を有することが理解されるであろう。kが1であり、かつiが0である場合、式(7)に示す環は、4個の炭素原子を含有し、kが2である場合、示される環は5個の炭素原子を含有し、およびkが3である場合、環は6個の炭素原子を含有する。2つの隣接基(例えば、一緒になったRおよびR)は、一緒になって芳香族基を形成することができる。さらに、複数の基が一緒になって、2個以上の芳香族基を形成することができる(例えば、RおよびRが一緒になって1つの芳香族基を形成し、かつRおよびRが一緒になって第2の芳香族基を形成する)。
【0121】
kが3であり、かつiが0である場合、置換または未置換シクロヘキサン単位を含有するビスフェノールが使用され、例えば、式(8):
【0122】
【化8】
【0123】
(式中、Rのそれぞれは独立して、水素、C1〜12アルキルまたはハロゲンであり、かつRのそれぞれは独立して、水素またはC1〜12アルキルである)のビスフェノールである。置換基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分岐鎖、飽和または不飽和であり得る。そのようなシクロヘキサン含有ビスフェノール、例えば、2モルのフェノールと1モルの水素化されたイソホロンとの反応生成物は、高いガラス転移温度および高い熱変形温度を有するポリカーボネートポリマーを製造するために有用である。ポリカーボネートを含有するシクロヘキシルビスフェノール、または上記の少なくとも1つと他のビスフェノールポリカーボネートを含む組合せは、APECの商標名でBayer Co.によって供給される。
【0124】
式HO−R−OHを有する他の可能なジヒドロキシ化合物としては、式(9):
【0125】
【化9】
【0126】
(式中、Rのそれぞれは独立して、水素原子、C1〜10ヒドロカルビル、例えば、C1〜10アルキル基、ハロゲン置換C1〜10ヒドロカルビル、例えば、ハロゲン置換C1〜10アルキル基であり、かつnは0〜4である)の芳香族ジヒドロキシ化合物が含まれる。ハロゲンは臭素であることができる。
【0127】
ジヒドロキシ化合物のいくつかの実例となる例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンチン、アルファ、アルファ’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フッ素、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ダイオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、および2,7−ジヒドロキシカルバゾール、レゾルシノール、置換レゾルシノール化合物、例えば、5−メチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、5−t−ブチルレゾルシノール、5−フェニルレゾルシノール、5−クミルレゾルシノール、2,4,5,6−テトラフルオロレゾルシノール、2,4,5,6−テトラブロモレゾルシノールなど;カテコール;ヒドロキノン;置換ヒドロキノン、例えば、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−プロピルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモヒドロキノンなど、ならびに上記ジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。
【0128】
式(3)によって表すことができるビスフェノール化合物の特定の例としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノール−A」または「BPA」)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン(PPPBP)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)が含まれる。上記ジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せを使用することもできる。
【0129】
「ポリカーボネート」には、本明細書で使用される場合、ホモポリカーボネート、カーボネートにおいて異なるR部分を含むコポリマー(本明細書には「コポリカーボネート」として記載される)、ならびにカーボネート単位および他の種類のポリマー単位、例えばエステル単位を含むコポリマーが含まれる。ポリカーボネートは、直鎖ホモポリマー、またはビスフェノール−Aから誘導される単位を含むコポリマーであることができ、AおよびAのそれぞれがp−フェニレンであり、かつYは式(3)のイソプロピリデンである。ポリカーボネートのR基の、より具体的には少なくとも60%、より具体的には少なくとも80%をビスフェノール−Aから誘導することができる。
【0130】
分岐鎖ポリカーボネートブロックは、重合の間に分岐剤を添加することによって調製されることができる。これらの分岐剤としては、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハロホルミルおよび上記官能基の混合物から選択される少なくとも3つの官能基を含有する多官能性有機化合物が含まれる。特定の例としては、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸三塩化物(TMTC)、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン(THPE)、3,3−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−オキシインドール(別名イサチン−ビス−フェノール)、トリス−フェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)アルファ,アルファ−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸およびベンゾフェノントリカルボン酸が含まれる。分岐剤は、0.05〜2.0重量%の濃度で添加されることができる。直鎖ポリカーボネートおよび分岐鎖ポリカーボネートを含む混合物を使用することができる。
【0131】
分岐鎖ポリカーボネート材料を製造するために、特定の種類の分岐剤を使用することができる。これらの分岐鎖ポリカーボネート材料は、統計学的に3個以上の末端基を有する。分岐剤は、所望の分岐含有量、すなわち3個以上の末端基を達成するために(ビスフェノールモノマーに対して)十分な量で添加される。ポリマーの分子量は、分岐剤の添加時に非常に高くなるおそれがあり、ホスゲン化の間、粘度の問題を導くおそれがある。したがって、連鎖停止剤の量の増加を重合で使用することができる。特定の分岐剤が使用される場合に使用される連鎖停止剤の量は、連鎖停止剤のみが使用される場合よりも一般に高い。使用される連鎖停止剤の量は、一般に、ビスフェノールモノマーと比較して、5モル%より多く、かつ20モル%未満である。
【0132】
分岐剤は、式(21):
【0133】
【化10】
【0134】
(式中、Zは、水素、ハロゲン、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、C7〜12アリールアルキル、アルキルアリールまたはニトロ基であり、かつzは0〜3である)の三酸三塩化物から誘導される構造であることができるか、あるいは式(22):
【0135】
【化11】
【0136】
(式中、Tは、C1〜20アルキル基、C1〜20アルキレンオキシ基、C7〜12アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり、Sは、水素、ハロゲン、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、C7〜12アリールアルキル、アルキルアリールまたはニトロ基であり、sは0〜4である)の三置換フェノールとの反応から誘導される分岐剤であることができる。
【0137】
別の実施形態において、分岐剤は、式(23):
【0138】
【化12】
【0139】
を有する構造である。
【0140】
実施形態において特に有効である特定の分岐剤の例としては、トリメリット酸三塩化物(TMTC)、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン(THPE)、およびイサチン−ビス−フェノールが含まれる。式(21)中、Zは水素であることができ、およびzは3であることができる。式(22)中、Sは水素であることができ、Tはメチルであることができ、およびsは4であることができる。
【0141】
本実施形態によるポリマーの製造において使用される分岐剤の相対的な量は、多数の考慮すべき問題、例えば、R基の種類、シアノフェノールの量、およびポリカーボネートの所望の分子量次第である。一般には、分岐剤の量は、100のR単位あたり0.1〜10の分岐単位、具体的には100のR単位あたり0.5〜8の分岐単位、より具体的には100のR単位あたり0.75〜5の分岐単位を提供するために有効である。式(21)を有する分岐剤に関して、分岐剤トリエステル基の量は、100のR単位あたり0.1〜10の分岐単位、具体的には100のR単位あたり0.5〜8の分岐単位、より具体的には100のR単位あたり0.75〜5のトリエステル単位の量で存在する。式(22)を有する分岐剤に関して、分岐剤トリカーボネート基の量は、100のR単位あたり0.1〜10の分岐単位、具体的には100のR単位あたり0.5〜8の分岐単位、より具体的には100のR単位あたり0.75〜5のトリフェニルカルボネートの量で存在する。いくつかの実施形態において、2つ以上の分岐剤の組合せを使用することができる。一実施形態において、組成物のポリカーボネートは、1%以上、または2%以上、または3%以上、または1%〜3%の分岐レベルを有する。
【0142】
様々な種類のエンドキャッピング剤を、本開示によって包含される実施形態に利用することができる。エンドキャッピング剤は、上記ポリカーボネートの分子量および上記分岐剤によって与えられる上記分岐レベルに基づいて選択することができる。エンドキャッピング剤は、フェノール、または脂肪族基、オレフィン基、芳香族基、ハロゲン、エステル基およびエーテル基の少なくとも1つによる1つ以上の置換を含有するフェノールの少なくとも1つから選択することができる。エンドキャッピング剤は、フェノール、パラ−t−ブチルフェノールまたはパラ−クミルフェノールの少なくとも1つから選択することができる。
【0143】
本開示によって包含されるポリカーボネートは、上記ポリカーボネートの少なくとも1つを製造するための溶融重合プロセスの利用を排除することができる。プロトコルは、本開示の範囲内の所望の生成物を得るために調節することができ、これは過度の実験を行わずに実行することができる。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物はポリエステルを含むことができる。ポリエステルは、式(10):
【0144】
【化13】
【0145】
(式中、Dは、ジヒドロキシ化合物から誘導される二価基であり、かつ、例えば、C2〜10アルキレン基、C6〜20脂環式基、C6〜20芳香族基、またはアルキレン基が2〜6個の炭素原子、具体的には2個、3個または4個の炭素原子を含有するポリオキシアルキレン基であることができ、かつTは、ジカルボン酸から誘導される二価基であり、かつ、例えば、C2〜10アルキレン基、C6〜20脂環式基、C6〜20アルキル芳香族基またはC6〜20芳香族基であることができる)の繰り返し単位を含有する。Dは、直鎖、分岐鎖または環式(多環式を含む)構造を有するC2〜30アルキレン基であることができる。Dは、上記式(4)の芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導することができ、かつ/またはDは、上記式(9)の芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導することができる。
【0146】
ポリエステル単位を調製するために使用することができる芳香族ジカルボン酸の例としては、イソフタル酸またはテレフタル酸、1,2−ジ(p−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ビス安息香酸、および上記酸の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。1,4−、1,5−または2,6−ナフタレンジカルボン酸などの縮合環を含有する酸も存在することができる。特定のジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸またはそれらの組合せである。特定のジカルボン酸は、イソフタル酸およびテレフタル酸の組合せを含み、イソフタル酸対テレフタル酸の重量比は91:9〜2:98である。Dは、C2〜6アルキレン基であることができ、およびTは、p−フェニレン、m−フェニレン、ナフタレン、二価脂環式基またはそれらの組合せであることができる。この種類のポリエステルには、ポリ(アルキレンテレフタレート)が含まれる。
【0147】
ポリエステルは、アリレート含有単位のアリレートエステル単位を含むこともでき、かつ1当量のイソフタル酸誘導体および/またはテレフタル酸誘導体の反応生成物から誘導される。アリレート単位は式(9):
【0148】
【化14】
【0149】
(式中、Rおよびuは上記式(7)に関して定義され、かつmは4以上である)で例示される。一実施形態において、mは、4〜50、具体的には5〜30、より具体的には5〜25、なお具体的には10〜20である。また一実施形態において、mは、100以下、具体的には90以下、より具体的には70以下、なお具体的には50以下である。mの低いおよび高い終点値が独立して組合せ可能であることが理解されよう。別の実施形態において、イソフタレート対テレフタレートのモル比は、約0.25:1〜約4.0:1であることができる。特定の実施形態において、アリレートエステル単位は、イソフタレート−テレフタレートエステル単位からなる。別の実施形態において、アリレートエステル単位は、1当量のイソフタル酸誘導体および/またはテレフタル酸誘導体と式(7)のレゾルシノールとの反応生成物から誘導される。そのようなアリレートエステル単位は、レゾルシノールから誘導されるRに相当する。
【0150】
例示的なアリレートエステル単位は、芳香族ポリエステル単位、例えば、イソフタレート−テレフタレート−レゾルシノールエステル単位、イソフタレート−テレフタレート−ビスフェノールエステル単位、またはこれらのそれぞれを含む組合せである。特定のアリレートエステル単位には、ポリ(イソフタレート−テレフタレート−レゾルシノール)エステル、ポリ(イソフタレート−テレフタレート−ビスフェノール−A)エステル、ポリ[(イソフタレート−テレフタレート−レゾルシノール)エステル−コ−(イソフタレート−テレフタレート−ビスフェノール−A)]エステル、またはこれらの少なくとも1つを含む組合せが含まれる。一実施形態において、アリレートエステル単位は、ポリ(イソフタレート−テレフタレート−レゾルシノール)エステルである。一実施形態において、アリレートエステル単位は、ポリアリレート単位におけるエステル単位の全モル数に基づき、95モル%以上、具体的には99モル%以上、なお具体的には99.5モル%以上の量で、イソフタレート−テレフタレート−レゾルシノールエステル単位を含む。別の実施形態において、アリレートエステル単位は、例えば、アルキル、アルコキシ、またはアルキレン置換基などの非芳香族炭化水素含有置換基で置換されない。
【0151】
ポリエステルは、別のエステル基を有するアルキレンテレフタレート繰り返しエステル単位を含むコポリマーを含むことができる。具体的には、エステル単位は、個々の単位またはポリ(アルキレンテレフタレート)の単位としてポリマー鎖に存在し得る異なるアルキレンテレフタレート単位を含むことができる。例えば、ポリエステルコポリマーは、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)−コ−ポリ(エチレンテレフタレート)を含むことができ、これは、50モル%以上のポリ(エチレンテレフタレート)を含む場合、PETGとして略され、および50モル%超のポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)を含む場合、PCTGとして略される。
【0152】
ポリエステルは、ポリ(アルキレンシクロヘキサンジカルボキシレート)を含むことができる。これらのうち、特定の例は、式(34):
【0153】
【化15】
【0154】
(式中、式(8)を使用して記載されたように、Dは、シクロヘキサンジメタノールから誘導されるジメチレンシクロヘキサン基であり、かつTは、シクロヘキサンジカルボキシレートから誘導されるシクロヘキサン環またはそれらの化学当量であり、かつシス異性体、トランス異性体またはシスおよびトランス異性体の組合せから選択される)の繰り返し単位を有する、ポリ(1,4−シクロヘキサン−ジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(PCCD)である。
【0155】
ポリマー組成物は、ポリシロキサンを含むことができる。ポリシロキサン(本明細書中、「ポリジオルガノシロキサン」としても記載れる)は、式(11):
【0156】
【化16】
【0157】
(式中、Rのそれぞれの出現は、同一であるかまたは異なり、C1〜13一価有機基である)の繰り返し単位を有する。例えば、それぞれのRは、独立して、C1〜13アルキル基、C1〜13アルコキシ基、C2〜13アルケニル基、C2〜13アルケニルオキシ基、C3〜6シクロアルキル基、C3〜6シクロアルコキシ基、C6〜14アリール基、C6〜10アリールオキシ基、C7〜13アリルアルキル基、C7〜13アリールアルコキシ基、C7〜13アルキルアリール基、またはC7〜13アルキルアリールオキシ基であることができる。上記の基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、あるいはそれらの組合せによって完全に、または部分的にハロゲン化されることができる。同一コポリマーで上記のR基の組合せを使用することができる。一実施形態において、ポリシロキサンは、最小炭化水素含有量を有することができるR基を含む。最小炭化水素含有量を有するR基は、メチル基であることができる。
【0158】
式(11)中のEの値は、ポリマー組成物におけるそれぞれの構成要素の種類および相対的な量、組成物の所望の特性および同様の考慮すべき問題次第で広範囲に変動可能である。本明細書中、Eは、2〜1,000、具体的には10〜100、より具体的には25〜75、より具体的には40〜50の平均値を有することができる。Eは、4〜60、具体的には16〜50、具体的には20〜45、より具体的には25〜45の平均値を有することができる。Eは、4〜15、具体的には5〜15、より具体的には6〜15、なお具体的には7〜12の平均値を有することができる。
【0159】
ポリジオルガノシロキサン単位は、式(12):
【0160】
【化17】
【0161】
(式中、Eは上記で定義されたとおりであり、それぞれのRは、独立して、同一であるかまたは異なることができ、上記で定義されたとおりであり、それぞれのArは、独立して、同一であるかまたは異なることができ、かつ置換されたか、または未置換のC6〜30アリーレン基であり、結合は芳香族部分に直接結合される)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。式(12)の例示的なAr基は、C6〜30ジヒドロキシ芳香族化合物、例えば、上記式(3)、(4)、(8)または(9)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。上記のジヒドロキシ芳香族化合物の少なくとも1つを含む組合せを使用することもできる。例示的なジヒドロキシ芳香族化合物は、レゾルシノール(すなわち、1,3−ジヒドロキシベンゼン)、4−メチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ジメチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニルスルフィド)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンである。上記のジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せを使用することもできる。ジヒドロキシ芳香族化合物は未置換であることができるか、あるいは、例えば、アルコキシ、アルキルまたはアルキレン置換基などの非芳香族炭化水素含有置換基で置換されない。
【0162】
Arがレゾルシノールから誘導される場合、ポリジオルガノシロキサン繰り返し単位は、式(13):
【0163】
【化18】
【0164】
のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができるか、あるいはArがビスフェノール−Aから誘導される場合、ポリジオルガノシロキサン繰り返し単位は、式(14):
【0165】
【化19】
【0166】
(式中、Eは上記で定義されたとおりである)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。
【0167】
ポリジオルガノシロキサン単位は、式(15):
【0168】
【化20】
【0169】
(式中、RおよびEは上記されたとおりであり、かつそれぞれのRは、独立して、二価C1〜30アルキレンまたはC7〜30アリーレン−アルキレンであり、かつ重合ポリシロキサン単位は、その相当するジヒドロキシ芳香族化合物の反応残基である)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。RがC7〜30アリーレン−アルキレンである場合、ポリジオルガノシロキサン単位は、式(16):
【0170】
【化21】
【0171】
(式中、R(例えば、アリール(例えば、フェニル、クロロフェニルもしくはトリル)、またはC1〜8アルキル(例えば、メチル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロプロピル)またはシアノアルキル))およびEは上記で定義されたとおりである)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。それぞれのRは、独立して、二価C2〜8脂肪族基(例えば、ジメチレン、トリメチレンまたはテトラメチレン)である。それぞれのMは、同一であるかまたは異なることができ、かつハロゲン(例えば、ブロモまたはクロロ)、シアノ、ニトロ、C1〜8アルキルチオ、C1〜8アルキル(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)、C1〜8アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシ)、C2〜8アルケニル、C2〜8アルケニルオキシ基、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルコキシ、C6〜10アリール(例えばフェニル、クロロフェニルまたはトリル)、C6〜10アリールオキシ、C7〜12アリールアルキル、C7〜12アリールアルコキシ、C7〜12アルキルアリール、またはC7〜12アルキルアリールオキシであることができ、それぞれのnは、独立して、0、1、2、3または4である。例えば、Mはメトキシであることができ、nは1であることができ、Rは二価C〜C脂肪族基であることができ、かつRはメチルであることができる。
【0172】
Mは、ブロモまたはクロロ、アルキル基、例えば、メチル、エチルまたはプロピル、アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシ、またはアリール基、例えば、フェニル、クロロフェニルまたはトリルであることができ、Rは、ジメチレン、トリメチレンまたはテトラメチレン基であることができ、かつRは、C1〜8アルキル、ハロアルキル、例えば、トリフルオロプロピル、シアノアルキルまたはアリール、例えば、フェニル、クロロフェニルまたはトリルであることができる。Rは、メチル、またはメチルとトリフルオロプロピルとの組合せ、またはメチルとフェニルとの組合せであることができる。Mは、メトキシであることができ、nは0または1であることができ、Rは二価C1〜3脂肪族基であることができ、かつRはメチルであることができる。
【0173】
ポリジオルガノシロキサン単位は、式(17):
【0174】
【化22】
【0175】
(式中、Eは上記で定義されたとおりである)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。
【0176】
ポリジオルガノシロキサン単位は、式(18):
【0177】
【化23】
【0178】
(式中、Eは上記で定義されたとおりである)のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導することができる。
【0179】
ジヒドロキシポリシロキサンは、典型的に、式(19):
【0180】
【化24】
【0181】
(式中、RおよびEは、上記で定義されたとおりであり、かつZはH、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)またはカルボキシレートである)の置換シロキサンオリゴマーを官能化することによって製造することができる。例示的なカルボキシレートには、アセテート、ホルメート、ベンゾエートなどが含まれる。例示的な実施形態において、ZがHである場合、式(19)の化合物は、脂肪族不飽和一価フェノールによる白金触媒付加によって調製されることができる。例示的な脂肪族不飽和一価フェノールとしては、例えば、オイゲノール、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、4−アリル−2−メチルフェノール、4−アリル−2−フェニルフェノール、4−アリル−2−ブロモフェノール、4−アリル−2−t−ブトキシフェノール、4−フェニル−2−アリルフェノール、2−メチル−4−プロペニルフェノール、2−アリル−4,6−ジメチルフェノール、2−アリル−4−ブロモ−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシ−4−メチルフェノールおよび2−アリル−4,6−ジメチルフェノールが含まれる。上記の少なくとも1つを含む組合せを使用することもできる。Zがハロゲンまたはカルボキシレートである場合、官能化は、式(3)、(4)、(8)、(9)のジヒドロキシ芳香族化合物、または上記のジヒドロキシ芳香族化合物の少なくとも1つを含む組合せとの反応によって達成することができる。式(12)の化合物は、相間移動条件下でアルファ,オメガ−ビスアセトキシポリジオルガノシロキサンおよびジヒドロキシ芳香族化合物から形成することができる。
【0182】
ポリマー組成物は、1つ以上のコポリマーを含むことができる。コポリマーの例としては、ポリカーボネート−ポリエステル、ポリカーボネート−ポリシロキサン、ポリエステル−ポリシロキサンおよびポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンが含まれる。
【0183】
ポリエステル−ポリカーボネートコポリマーは、1:99〜99:1、具体的には10:90〜90:10、より具体的には25:75〜75:25のエステル単位対カーボネート単位のモル比を有することができる。ポリエステル−ポリカーボネートは、式(114):
【0184】
【化25】
【0185】
(式中、R、u、m、nおよびRは上記で定義されるとおりである)に示される構造を有することができる。ポリエステル−ポリカーボネートにおけるイソフタレート−テレフタレートエステル単位対カーボネート単位のモル比は、1:99〜99:1、具体的には5:95〜90:10、より具体的には10:90〜80:20であることができる。Rは、レゾルシノール繰り返し単位を含むことができる。Rは、ジアリールカーボネート繰り返し単位を含むことができる。Rがレゾルシノール繰り返し単位およびジアリールカーボネート繰り返し単位の両方を含む場合、それらは、1:99〜100:0のレゾルシノールカーボネート単位対ビスフェノールカーボネート単位のモル比で存在することができる。アリレートブロックのMWは、当該技術分野(例えば、米国特許出願公開第2006/0160961A1号明細書)において既知であるように、二酸塩化物に対してモル過剰なレゾルシノール、二酸塩化物添加の間の腐食剤対二酸塩化物のモル比、およびオリゴマー化ステップの間の塩濃度を調節することによって制御することができる。ポリエステル−ポリカーボネート単位中のアリレート含有単位(s)は、2,000〜100,000g/モル、具体的には3,000〜75,000g/モル、より具体的には4,000〜50,000g/モル、より具体的には5,000〜18,000g/モル、なおより具体的には9,000〜14,000g/モルのMwを有することができる。分子量の決定は、架橋されたスチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用して、1ミリリットルあたり1ミリグラムの試料濃度で、かつポリカーボネート標準で較正する、GPCを使用して実行される。溶離剤として塩化メチレンを用いて、約1.0ml/分の流速で試料を溶離する。
【0186】
ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーは、ポリシロキサン繰り返し単位によって末端基が官能化されたポリカーボネートであることができる。ポリシロキサン末端基は、15以下のシロキサン単位を有することができる。ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーは、ポリカーボネートブロックのモルと比較して、1〜60モル%、具体的には3〜50モル%のポリジオルガノシロキサンブロックを含むことができる。ポリシロキサンコポリマーは、エステル繰り返し単位(例えば、イソフタレート−テレフタレート−レゾルシノールエステル繰り返し単位)、カーボネート単位(例えば、ビスフェノールA繰り返し単位)、または上記の一方または両方を含む組合せを含むことができる。ポリシロキサンコポリマーは、ポリエステルおよび/またはポリカーボネート繰り返し単位において、例えば、アリレート含有単位を含むことができる。アリレート含有ポリシロキサンコポリマーは、ポリシロキサンコポリマー中の繰り返し単位の全モルに基づき、50〜99モル%のアリレートエステル単位、具体的には58〜90モル%のアリレートエステル単位;0〜50モル%の芳香族カーボネート単位(例えば、レゾルシノールカーボネート単位、ビスフェノールカーボネート単位、および脂肪族カーボネート単位などの他のカーボネート単位)を含むことができる。具体的には、アリレート含有ポリシロキサンコポリマーは、ポリシロキサンコポリマー中の繰り返し単位の全モルに基づき、0〜30モル%のレゾルシノールカーボネート単位、具体的には5〜20モル%のレゾルシノールカーボネート単位;および0〜35モル%のビスフェノールカーボネート単位、具体的には、5〜35モル%のビスフェノールカーボネート単位を含むことができる。
【0187】
ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンには、RがC6〜30アリーレン基である式(1)のポリカーボネート単位、式(14)、(17)または(18)のシロキサンジオールから誘導されるポリシロキサン単位、およびTがC6〜30アリーレン基であるポリエステル単位を有するものが含まれる。Tは、イソフタル酸および/またはテレフタル酸、あるいはそれらの反応性化学的当量から誘導することができる。Rは、式(9)のレゾルシノールのカーボネート反応生成物、または式(9)のレゾルシノールと式(4)のビスフェノールとの組合せから誘導することができる。
【0188】
ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンコポリマーは、ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンコポリマーの全重量に基づき、0.1〜25重量パーセント(重量%)、具体的には0.2〜10重量%、より具体的には0.2〜6重量%、さらに具体的には0.2〜5重量%、なおより具体的には0.25〜2重量%の量でシロキサン単位を含むことができるが、ただし、シロキサン単位は、ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンターポリマーのポリマー骨格鎖において共有結合したポリシロキサン単位によって提供される。ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンコポリマーは、ポリシロキサン単位、エステル単位およびカーボネート単位の全重量に基づき、0.1〜49.85重量%のカーボネート単位、50〜99.7重量%のエステル単位および0.2〜6重量%のポリシロキサン単位を含むことができる。あるいは、ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンコポリマーは、ポリシロキサン単位、エステル単位およびカーボネート単位の全重量に基づき、0.25〜2重量%のポリシロキサン単位、60〜96.75重量%のエステル単位、および3.25〜39.75重量%のカーボネート単位を含むことができる。
【0189】
ポリカーボネート−ポリエステル−ポリシロキサンコポリマーは、コポリマーを通してランダムに分配される繰り返し単位を含むことができる。あるいは、ポリカーボネート単位においてポリシロキサン単位を分配し、それによってポリシロキサン−エステル結合の形成が排除されることも望ましくなり得る。あるいは、ポリエステル単位において主にポリシロキサン単位を分配することも望ましくなり得る。一実施形態において、ポリエステル単位を形成するためのオリゴマー化は末端基官能化ポリシロキサンの存在下で完了され、そのときにシロキサンの有意な量がポリアリレートブロックに組み込まれる。第2のジヒドロキシ芳香族化合物の添加後、残りの未反応の末端基官能化ポリシロキサンは、カルボニル供給源の添加によってカーボネートブロックに組み込まれる。第2の実施形態において、ポリエステル単位を形成するためのオリゴマー化は、末端基官能化ポリシロキサンの非存在下で完了され、および末端基官能化ポリシロキサンは、ジヒドロキシ芳香族化合物とともに反応に添加され、続いてカルボニル供給源が添加される。一実施形態において、末端基官能化ポリシロキサンは、ヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンである。別の実施形態において、ヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンは、ジヒドロキシ芳香族化合物の前に添加され、カルボニル供給源の添加の一部と反応させる。本明細書で考察されるヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンのいくつかは(例えば、オイゲノールから誘導されるもの)は、レゾルシノールおよび/またはビスフェノールなどのジヒドロキシ芳香族化合物よりも低い反応性を有することができ、したがって、反応において後で形成されるポリマーセグメントにおいてより濃縮されるポリシロキサンの分布を提供し得る。別の実施形態において、ジヒドロキシ芳香族化合物およびカルボニル供給源は、ヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンの添加の後に重合に数回にわけて添加される。一実施形態において、末端基官能化ポリシロキサンが15以下のシロキサン単位を有する場合、この方法によって調製されたポリシロキサンコポリマー組成物は低い曇りを有する。
【0190】
別の実施形態において、ポリカーボネート単位においてカーボネート単位とともにランダムにポリシロキサン単位を分配することが望ましい場合、ジヒドロキシ芳香族化合物および/またはヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンは、ポリカーボネートのカーボネート連結基を形成する縮合の前に、その相当するビスクロロホルメートに変換される。このプロセスでは、アミンまたは縮合触媒が存在しない状態で、ポリアリレートオリゴマーは、相間移動触媒を使用して、二相媒体において最初に調製される。一実施形態において、ポリアリレートオリゴマーは、オリゴマー末端基を含むレゾルシノールを使用して調製される。ポリアリレートオリゴマーおよび過剰量のレゾルシノールは、2〜11のpHでホスゲン化されることができる。一実施形態において、ポリアリレートオリゴマーは、クロロホルメート末端基を提供するために、4〜10、具体的には5〜8のpHでホスゲン化され、その後、十分な時間、例えば、20分以内で、約8.5〜約11のpHで、ヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンと反応させる。レゾルシノールおよび/またはビスフェノールなどのジヒドロキシ芳香族化合物のさらなる添加、ならびにカルボニル供給源(例えば、ホスゲン)のさらなる添加を実行することができる。ポリマーの分子量は、例えば第3級アミンなどの縮合触媒の添加による反応において増加させることができる。任意選択的に、追加的なホスゲンは、実質的に全てフェノール末端基が組み込まれることを確実にするように添加することができる。別の実施形態において、ヒドロキシでエンドキャップされたポリアリレートを調製するためのオリゴマー化は、相間移動触媒を使用して実行され、ヒドロキシでエンドキャップされたポリシロキサンが添加される。例示的な実施形態において、相間移動触媒は、式(R)X(式中、R、QおよびXは、上記で定義されるとおりである)を有する。この組合せは、2〜11のpHで、具体的には4〜10のpHで、より具体的には4〜7のpHで、フェノールヒドロキシ末端基をクロロホルメート基に変換するためにホスゲン化される。レゾルシノールおよび/またはビスフェノールなどの第2のジヒドロキシ芳香族化合物は、クロロホルメートの組合せに添加されて、7.7〜11.5のpHで、具体的には8〜9のpHで凝縮され、クロロホルメートおよびジヒドロキシ芳香族化合物を追加的なホスゲンおよび第3級アミンと反応させる。重合を完了するために必要な場合、追加的なホスゲンを添加することができる。
【0191】
任意選択的に、第2のジヒドロキシ芳香族化合物を、ヒドロキシでエンドキャップされたシロキサン、過剰量のレゾルシノールおよび第3級アミン触媒を含有するポリアリレートオリゴマーに添加することができ、続いて、2〜11のpHでホスゲン化する。一実施形態において、混合物は、必要とされるホスゲンの第1の半分に関して6〜8のpHでホスゲン化され、続いて、ホスゲンの第2の半分に関して8.5〜10.5のpHでホスゲン化される。
【0192】
シロキサン−ポリエステル−ポリカーボネートコポリマーは、15,000〜100,000g/モル、具体的には16,000〜75,000g/モル、より具体的には17,000〜50,000g/モル、より具体的には17,000〜45,000g/モル、なおより具体的には18,000〜30,000g/モルのMwを有することができる。分子量の決定は、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用するGPCを使用して、1ミリリットルあたり1ミリグラムの試料濃度で実行され、かつポリカーボネート標準で較正される。試料は、溶離剤として塩化メチレンを用いて約1.0ml/分の流速で溶離される。
【0193】
ポリマー組成物は、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリカーボネートの2種以上、および上記の1種以上を含むコポリマーを含むことができる。ポリマー組成物は、ポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーおよびポリカーボネートを含むことができ、およびポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーは、ポリカーボネートおよびいずれかの衝撃改質剤の100重量部に基づき、5〜50重量部、より具体的には10〜40重量部の量で存在することができる。
【0194】
例えば、ポリマー組成物は、ポリシロキサンコポリマー組成物およびポリエステルを、ポリシロキサンコポリマー組成物およびポリエステルの全重量に基づき、1:99〜99:1、具体的には10:90〜90:10、より具体的には30:70〜70:30の重量比で含むことができる。
【0195】
ポリマー組成物は、ポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーおよび臭素化されたポリカーボネートを含むことができる。例えば、ポリマー組成物は、5重量%以上、具体的には5〜80重量%のポリ(シロキサン−コ−カーボネート);20重量%以上、具体的には20〜95重量%の臭素化ポリカーボネート(例えば、2,2’,6,6’−テトラブロモ−4,4’−イソプロピリデンジフェノールから誘導される臭素化されたポリカーボネート(2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TBBPA)およびTBBPAではない少なくとも1つのジヒドロキシ芳香族化合物から誘導されるカーボネート単位(「TBBPAコポリマー」));ならびに任意選択的に、ポリ(シロキサン−コ−カーボネート)およびTBBPAコポリマーとは異なるポリカーボネートを含むことができる。第3のポリカーボネートは、ポリ(シロキサン−コ−カーボネート)、TBBPAコポリマーおよび任意選択的な第3のポリカーボネートの全重量に基づき、8〜12重量%の量で存在し得る。
【0196】
ポリマー組成物は、ポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーおよび臭素化オリゴマーを含むことができる。ポリマー組成物は、5重量%以上、具体的には5〜80重量%のポリ(シロキサン−コ−カーボネート);20重量%以上、具体的には20〜95重量%の臭素化オリゴマー;および任意選択的に、ポリ(シロキサン−コ−カーボネート)および臭素化オリゴマーとは異なるポリカーボネートを含むことができる。ポリマー組成物は、ポリ(シロキサン−コ−カーボネート)、臭素化オリゴマーおよび任意選択的な第3のポリカーボネートの全重量に基づき、0.3重量%以上のシロキサンおよび7.8重量%以上の臭素を含むことができる。第3のポリカーボネートは、ポリ(シロキサン−コ−カーボネート)、臭素化オリゴマーおよび任意選択的な第3のポリカーボネートの全重量に基づき、8〜12重量%の量で存在し得る。臭素化オリゴマーは、1000〜10,000の重量平均分子量を有することができる。
【0197】
ポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーおよび臭素化オリゴマーまたは臭素化ポリカーボネートを含むポリマー組成物は、ポリマー組成物の全重量に基づき、0.3重量%以上のシロキサンおよび7.8重量%以上の臭素を含むことができる。
【0198】
いくつかの実施形態において、ポリマー層は、2〜15mm、具体的には6〜13mm、より具体的には8〜13mmであることができる。ポリマー層は、2〜15mm、具体的には2〜12mm、より具体的には5〜8mmであることができる。
【0199】
ポリマー層はFRPC3を含むことができ、2〜15mm、具体的には6〜15mm、より具体的には8〜13mm、または12mm以下、具体的には2〜12mm、より具体的には5〜8mmの厚さを有することができる。ポリマー層はNonFRPCを含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には6〜13mm、より具体的には8〜13mmの厚さを有することができる。ポリマー層はFRPC1を含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には3〜13mmの厚さを有することができる。ポリマー層はFRPC2を含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には3〜13mmの厚さを有することができる。ポリマー層はFRPC4を含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には3〜13mmの厚さを有することができる。ポリマー層はFST1を含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には3〜13mmの厚さを有することができ、かつ0.7mmより厚い、具体的には0.8mm以上のガラス層の厚さにラミネートされることができる。ポリマー層はFST2を含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には3〜13mmの厚さを有することができる。ポリマー層はFST3を含むことができ、かつ2〜15mm、具体的には3〜13mmの厚さを有することができる。ポリマー層は難燃剤を含むことができる。難燃剤には、リン、臭素および/または塩素を含む有機化合物が含まれる。非臭素化および非塩素化リン含有難燃剤が、規制理由のため、特定の実施形態において好ましく、例えば、有機ホスフェートおよびリン窒素結合を含有する有機化合物である。
【0200】
有機ホスフェートの1種は、それぞれのGが独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアラルキル基であるが、ただし、少なくとも1つのGが芳香族基である、式(GO)P=Oの芳香族ホスフェートである。G基のうちの2つは、環式基、例えばジフェニルペンタエリスリトールジホスフェートを提供するために一緒に結合されることができる。芳香族ホスフェートには、フェニルビス(ドデシル)ホスフェート、フェニルビス(ネオペンチル)ホスフェート、フェニルビス(3,5,5’−トリメチルヘキシル)ホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジ(p−トリル)ホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)p−トリルホスフェート、トリトリルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)フェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスフェート、ビス(ドデシル)p−トリルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、2−クロロエチルジフェニルホスフェート、p−トリルビス(2,5,5’−トリメチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどが含まれる。特定の芳香族ホスフェートは、それぞれのGが、芳香族、例えば、トリフェニルホスフェート、リン酸トリクレジル、イソプロピル化トリフェニルホスフェートなどであるものである。
【0201】
二官能性または多官能性芳香族リン含有化合物は、次式:
【0202】
【化26】
【0203】
(式中、それぞれのGは、独立して、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素であり、それぞれのGは、独立して、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素またはヒドロカルボンオキシであり、それぞれのXは、独立して、臭素または塩素であり、mは0〜4であり、かつnは1〜30である)で例示される。この種類の二官能性または多官能性芳香族リン含有化合物には、それぞれ、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)ホスフェート、およびビスフェノールAのビス(ジフェニル)ホスフェート、それらのオリゴマーおよびポリマー対照物などが含まれる。
【0204】
リン窒素結合を含有する難燃性化合物には、塩化ホスホニトリル、リンエステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、およびトリス(アジリジニル)ホスフィンオキシドが含まれる。具体的な例としては、次式:
【0205】
【化27】
【0206】
(式中、それぞれのA部分は、2,6−ジメチルフェニル部分または2,4,6−トリメチルフェニル部分である)のリンアミドが含まれる。これらのリンアミドは、ピペラジン型リンアミドである。
【0207】
リン窒素結合を含有する他の難燃性化合物としてはホスファゼンが含まれる。具体的な例には、次式:
【0208】
【化28】
【0209】
(式中、Xは、−O−フェニル、アルキルフェニル、ジアルキルフェニルまたはトリアルキルフェニルである)のホスファゼンが含まれる。ホスファゼンの実例には、大塚化学株式会社からのSPB−100(X=フェニル)が含まれる。
【0210】
使用される場合、リン含有難燃剤は、いずれの充填剤も排除した全組成物の100重量部に基づき、0.1〜30重量部の量、具体的には1〜20重量部の量で存在することができる。
【0211】
ハロゲン化された材料も、難燃剤として使用することができ、例えば、式(20):
【0212】
【化29】
【0213】
(式中、Rは、アルキレン、アルキリデンまたは脂環式結合(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、イソプロピリデン、ブチレン、イソブチレン、アミレン、シクロヘキシレン、シクロペンチリデンなど)、酸素エーテル、カルボニル、アミン、硫黄含有結合から選択される結合(例えば、スルフィド、スルフォキシドまたはスルホン)、リン含有結合などであるか、あるいはRは、芳香族、アミノ、エーテル、カルボニル、スルフィド、スルフォキシド、スルホン、リン含有結合などの基によって結合された2個以上のアルキレンまたはアルキリデン結合からなることもでき;ArおよびAr’は、同一であるかまたは異なることができ、かつフェニレン、ビフェニレン、ターフェニレン、ナフチレンなどのモノまたはポリ炭素環式芳香族基であり;Yは、有機、無機または有機金属化合物基、例えば、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素)、EがXと同様の一価炭化水素基、Rによって表される種類の一価炭化水素基、または他の置換基(例えば、ニトロ、シアノなど)である一般式OEのエーテル基であり、上記置換基は本質的に不活性であるが、アリール核あたり、少なくとも1つ、好ましくは2つのハロゲン原子が存在し;それぞれのXは、同一であるかまたは異なり、かつ一価の炭化水素基、例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、デシルなど)、アリール(例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、キシリル、トリルなど)、アリールアルキレン(例えば、ベンジル、エチレンフェニルなど)、脂環式(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、ならびにその中に不活性置換基を含有する一価の炭化水素基であり;文字dは、1から、ArまたはAr’を含む芳香環上で置換される置換可能な水素の数の最大当量までの整数を表し;文字eは、0から、R上の置換可能な水素の数の最大当量までの整数を表し;文字a、bおよびcは、0を含む整数を表すが、ただし、bが0でない場合、aおよびcの両方が0以外であり得るか、あるいはaまたはcのいずれか一方(ただし両方ではない)が0であり得か、あるいはbが0である場合、芳香族基は炭素−炭素結合で直接結合し;芳香族基、ArおよびAr’上のヒドロキシルおよびY置換基は、芳香環上でオルト、メタまたはパラ位に変更可能であり、および基は、互いに対していずれの幾何学的な関係にあることができる)のハロゲン化合物およびポリマーである。
【0214】
上記の式の範囲内に含まれるものは、2,2−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−プロパン;ビス−(2−クロロフェニル)−メタン;ビス(2,6−ジブロモフェニル)−メタン;1,1−ビス−(4−ヨードフェニル)−エタン;1,2−ビス−(2,6−ジクロロフェニル)−エタン;1,1−ビス−(2−クロロ−4−ヨードフェニル)エタン;1,1−ビス−(2−クロロ−4−メチルフェニル)−エタン;1,1−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−エタン;2,2−ビス−(3−フェニル−4−ブロモフェニル)−エタン;2,6−ビス−(4,6−ジクロロナフチル)−プロパン;2,2−ビス−(2,6−ジクロロフェニル)−ペンタン;2,2−ビス−(3,5−ジブロモフェニル)−ヘキサン;ビス−(4−クロロフェニル)−フェニル−メタン;ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−シクロヘキシルメタン;ビス−(3−ニトロ−4−ブロモフェニル)−メタン;ビス−(4−ヒドロキシ−2,6−ジクロロ−3−メトキシフェニル)−メタン;および2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン 2,2ビス−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである。1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゼンおよびビフェニル、例えば、2,2’−ジクロロビフェニル、ポリ臭素化1,4−ジフェノキシベンゼン、2,4’−ジブロモビフェニルおよび2,4’−ジクロロビフェニル、ならびにデカブロモジフェニルオキシドなども上記の構造式の範囲内に含まれる。
【0215】
オリゴマーおよびポリマーハロゲン化芳香族化合物、例えば、ビスフェノールAおよびテトラブロモビスフェノールAおよびカーボネート前駆体、例えばホスゲンのコポリカーボネートも有用である。金属協力剤、例えば、アンチモンオキシドを難燃剤とともに使用することもできる。存在する場合、ハロゲン含有難燃剤は、いずれの充填剤も排除した全組成物の100重量部に基づき、1〜25重量部、具体的には2〜20重量部の量で存在することができる。
【0216】
ポリマー組成物は、塩素および臭素を実質的に含まないことが可能である。塩素および臭素を実質的に含まないとは、塩素または臭素、あるいは塩素または臭素含有材料の意図的な添加を行わずに材料が製造されたことを意味する。しかしながら、複数の製品を処理する設備において、一定量の相互汚染が生じる可能性があり、典型的に重量による百万分率の規模の臭素および/または塩素濃度がもたらされる。この理解によって、臭素および塩素を実質的に含まないとは、重量による100百万分率(ppm)以下、75ppm以下または50ppm以下の臭素および/または塩素含有量を有するものとして定義することができることは容易に認識することができる。この定義が難燃剤に適用される場合、それは難燃剤の全重量に基づく。この定義がポリマー組成物に適用される場合、それは、いずれの充填剤も排除した組成物の全重量に基づく。
【0217】
無機難燃剤、例えば、C2〜16アルキルスルホネート、例えば、カリウムペルフルオロブタンスルホネート(Rimar塩)、カリウムペルフルオロオクタンスルホネート、およびテトラエチルアンモニウムペルフルオロヘキサンスルホネート、芳香族スルホネートの塩、例えば、ナトリウムベンゼンスルホネート、ナトリウムトルエンスルホネート(NATS)など、芳香族スルホンスルホネートの塩、例えば、カリウムジフェニルスルホンスルホネート(KSS)など;例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウム塩)および無機酸錯体塩、例えば、オキソアニオン(例えば、炭酸のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えば、NaCO、KCO、MgCO、CaCOおよびBaCO、あるいはフルオロ−アニオン錯体、例えば、LiAlF、BaSiF、KBF、KAlF、KAlF、KSiFおよび/またはNaAlFなどを反応させることによって形成される塩も使用可能である。Rimar塩およびKSSおよびNATSは、単独で、または他の難燃剤と組み合わせて特に有用である。存在する場合、無機難燃性塩は、ポリカーボネートおよび衝撃改質剤の100重量部に基づき、0.01〜10重量部、より具体的には0.02〜1重量部の量で一般に存在する。Rimar塩およびKSSおよびNATSは、単独で、または他の難燃剤と組み合わせて特に有用である。ペルフルオロアルキルスルホネート塩は、組成物の全重量に基づき、0.30〜1.00重量%、具体的には0.40〜0.80重量%、より具体的には0.45〜0.70重量%の量で存在し得る。芳香族スルホネート塩は、最終ポリマー組成物中、0.01〜0.1重量%、具体的には0.02〜0.06重量%、より具体的には0.03〜0.05重量%の量で存在し得る。芳香族スルホンスルホネート塩の例示的な量は、ポリマー組成物の全重量に基づき、0.01〜0.6重量%、具体的には0.1〜0.4重量%、より具体的には0.25〜0.35重量%であることができる。
【0218】
上記の塩の少なくとも1つを含む組合せ、例えば、ペルフルオロアルキルスルホネート塩および芳香族ホスフェートエステル、または芳香族ホスフェートエステルおよびポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーの組合せは使用可能である。金属協力剤、例えば、アンチモンオキシドを難燃剤とともに使用することもできる。
【0219】
抗ドリップ剤、例えば、フィブリル形成または非フィブリル形成フルオロポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)も組成物中に使用することができる。抗ドリップ剤は、上記されたような剛性コポリマー、例えば、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)によってカプセル化されることができる。SANにカプセル化されたPTFEは、TSANとして既知である。カプセル化されたフルオロポリマーは、フルオロポリマー、例えば、水性分散体の存在下で、カプセル化するポリマーを重合させることによって製造することができる。TSANが組成物中でより容易に分散可能であるという点で、TSANはPTFEと比べて有意な利点を提供することができる。TSANは、カプセル化されたフルオロポリマーの全重量に基づき、50重量%のPTFEおよび50重量%のSANを含むことができる。SANは、例えば、コポリマーの全重量に基づき、75重量%のスチレンおよび25重量%のアクリロニトリルを含むことができる。あるいはフルオロポリマーは、いくつかの方法において、抗ドリップ剤として使用するための凝塊形成された材料を形成するために、芳香族ポリカーボネートまたはSANなどの第2のポリマーとあらかじめブレンドすることができる。カプセル化されたフルオロポリマーを製造するためのいずれの方法も使用することができる。抗ドリップ剤は、100重量%のポリカーボネートおよび衝撃改質剤に基づき、0.1〜10重量%の量で存在し得る。
【0220】
例示的な多層物品は、ポリマー層に中間層を追加するステップと;中間層にガラス層を追加して、多層構造を形成するステップと;多層構造をラミネートし、多層物品を形成するステップとによって調製することができる。例えば、多層物品は、第1のガラス層上に第1の中間層を配置し、次いで、第1の中間層上にポリマー層を配置し、次いで、ポリマー層上に第2の中間層を配置し、最後に第2の中間層上に第2のガラス層を配置することによって、ラミネートスタックを作製することによって調製することができる。多層物品のラミネートスタックは、同様に、第1のガラス層上に第1の中間層を配置し、次いで、第1の中間層上にポリマー層を配置することによって調製することができる。多層物品を作製するために使用されるラミネートスタックには、次いで、熱、圧力および真空が材料スタックに適用されるラミネーションプロセスを実施しなければならない。このプロセスの間、中間層材料は、それが材料スタックのガラスとポリマー層との間の結合を形成する点まで軟化しなければならない。ラミネーションプロセスは、当該技術分野において既知の様々なプロセスによって実行することができ、これには、オートクレーブラミネーション、真空バッグラミネーション、真空ラミネーションおよび/またはパラレルプラテンラミネーションが含まれる。
【0221】
一実施形態において、多層物品は、ラミネートスタックを真空バッグに配置し、次いで、真空バックのラミネートスタックをオートクレーブに配置することによって調製された。60°F(16℃)〜75°F(24℃)、具体的には66°F(19℃)の室温から、ラミネートスタックの温度が115°F(46℃)〜135°F(57℃)、具体的には125°F(52℃)に達するまで、1分あたり1〜5華氏度(°F/分)(1分あたり0.5〜2.5摂氏度(℃/分))、具体的には3.1°F/分(1.6℃/分)の速度でオートクレーブの温度を上昇させた。ラミネートスタック温度を、3〜10分間、具体的には5分間、この温度に安定させることが可能であった。この安定化ステップの後、オートクレーブの圧力および温度は上昇した。オートクレーブの圧力は徐々に上昇し、次いで、100〜125、具体的には1平方インチ(6.451平方センチメートル)あたり115ポンド(psi)(792897.4Pa)で、20〜50分間、具体的には35分間保持された。ラミネートスタックの温度は、30分間〜1時間30分、具体的には52分間にわたり、260〜290°F(127〜143℃)、具体的には275°F(135℃)まで徐々に上昇した。温度は、260〜290°F(127〜143℃)、具体的には275°F(135℃)で、10〜60分間、具体的には15分間保持された。ラミネートスタックを、−1〜−5°F/分(−0.5〜−2.5℃/分)、具体的には−2.24°F/分(−1.1℃/分)で100°F(38℃)〜130°F(54℃)、具体的には120°F(49℃)まで除去に冷却し、ここでオートクレーブの圧力を解除した。オートクレーブを開放し、ラミネートスタックを室温まで戻した。
【0222】
別の実施形態において、多層物品は、真空ラミネート装置にラミネートスタックを配置することによって調製した。30℃の室温から、圧力の読み取りが0ミリバールとなるように真空ラミネート装置において真空化した。この条件を15分間保持した。1バールの圧力が真空圧力に追加される間、温度は1℃/分で30℃から90℃まで上昇した。ラミネートスタックを、4時間、90℃、0バール真空および1バール圧力に保持した。真空および圧力を維持する間、温度は1℃/分で90℃から115℃まで上昇した。ラミネートスタックを、5時間30分にわたり115℃、0バール真空および1バール圧力で保持した。真空および圧力を次いで解除し、真空ラミネート装置から取り出す前に、試料を室温まで戻した。この例において、ポリマー層は、ポリマーのガラス転移温度、具体的にはポリカーボネートに関する250°F(121℃)で12時間、オーブン中で乾燥された。
【0223】
以下の実施例は、多層物品の難燃性特性を例示するために提供される。実施例は単に実例となるのみであり、本開示によって製造されるデバイスを、実施例で明示される材料、条件またはプロセスパラメーターに限定することは意図されない。
【実施例】
【0224】
表1に記載される材料を下記の実施例で使用した。
【0225】
【表1-1】
【0226】
【表1-2】
【0227】
実施例1〜6:両面多層物品のFAR試験
表2に示すように、硬化されたガラス層、TPUまたはHALSを含まないEVA中間層、およびポリカーボネートポリマー層を有する両面多層物品を調製し、連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)の順守に関して試験した。
【0228】
発熱試験は、厚さ1.5mmの15.2×15.2センチメートル(cm)のプラーク上で、Ohio State University(OSU)65/65レート−オブ−ヒートリリース(rate−of−heat release)装置を使用して、FAR 25.853(d)およびAppendix F,section IV(FAR F25.4)に示される方法に従って実行した。全発熱は、kW−分/mで2分マークまで測定した。ピーク発熱は、kW/mとして測定された。発熱試験法は、「Aircraft Materials Fire Test Handbook」DOT/FAA/AR−00/12,Chapter 5「Heat Release Test for Cabin Materials」にも記載されている。「合格」を得るため、2分の全発熱は65kW−分/m以下でなければならず、またピーク発熱率は65kW/m以下でなければならなかった。
【0229】
ASTM E−162で示される方法による火炎拡散は、5mm〜17mmの範囲の厚さを有する15.24cm×45.72cmの試料上で実行された。「合格」を得るために、火炎拡散指標は、100以下でなければならなかった。ASTM E−162、ASTM E−662−83、Bombardier SMP 800−C、ASTM F−814−83、Airbus ABD0031およびBoeing BSS 7239に示される方法によると、煤煙密度および毒性試験は、5mm〜17mmの範囲の厚さを有する7.5×7.5cmの試料上で実行された。煤煙密度は、火炎モード下4.0分で測定した。「合格」を得るために、煤煙密度は、4分で200以下でなければならなかった。毒性試験に関して「合格」を得るために、材料燃焼から生じる毒ガスは、関連する毒ガスに関して示される特定の最大:一酸化炭素に関して3500、二酸化炭素に関して90000、酸化窒素に関して100、二酸化硫黄に関して100、塩化水素に関して500、フッ化水素に関して100、臭化水素に関して100、シアン化水素に関して100より高くなることは不可能であった。FAR 25.853(d),Amendment No.25−83およびAppendix F,section V(DOT/FAA/AR−00/12)(FAR F25.5)に示される方法による発煙は、5mm〜17mmの範囲の厚さを有する7.62cm×30.48cmの試料上で実行された。「合格」を得るために、発煙は200以下でなければならなかった。
【0230】
【表2】
【0231】
表2は、ガラス層厚さ、TPU中間層またはHALSを含まないEVA中間層およびNonFRPCまたはFRPC3ポリマー層を有する多層物品が、火炎拡散、煤煙密度、発煙および毒性に関して、連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)に合格することが可能であったことを示す。
【0232】
実施例7〜14:片面および両面多層物品の弾道試験
片面多層物品(実施例7〜8)および両面多層物品(実施例9〜11)を調製し、連邦鉄道規定(Federal Railway Regulations)による弾道およびブロック試験の順守に関して試験し、これを表3に示す。
【0233】
【表3】
【0234】
表3は、片面多層物品に関して、弾道およびブロック試験を合格するために、ガラス層は0.7mm以上でなければならず、およびポリマー層は6mm以上でなければならないことを示す。表3は、両面多層物品に関して、弾道およびブロック試験を合格するために、ガラス層は0.7mm以上でなければならず、およびポリマー層は9mm以上でなければならないことを示す。表3は、いずれかのガラスラミネートのないポリマー層は、弾道およびブロック試験を合格するために、12mm以上でなければならないことを示す。
【0235】
実施例15〜25:欧州可燃性試験の順守に関する両面多層物品の試験
表4に示すように、硬化されたガラス層、TPUまたはHALSを含まないEVA中間層、ならびにポリカーボネートポリマーおよびコポリマー層を有する両面多層物品を調製し、欧州可燃性規定の順守に関して試験した。
【0236】
発熱試験は、4.5〜17mmの範囲の厚さの10×10センチメートル(cm)のプラーク上で、EN45545およびISO 5660に示される方法に従って実行した。最大平均発熱(MARHE)は、平方メートルあたりのキロワット(kW/m)で測定した。HL2レベル「合格」を得るために、発熱は90kW/m未満でなければならなかった。
【0237】
火炎伝播試験は、4.5〜17mmの範囲の厚さの80×15.5センチメートル(cm)のプラーク上で、EN45545およびISO 5658−2に示される方法に従って実行した。「合格」を得るために、消滅における限界流束(critical flux at extinguishment)(CFE)は、20kW/mより高くなければならなかった。
【0238】
煤煙密度および毒性試験は、4.5〜17mmの範囲の厚さの7.5×7.5cmのプラーク上で、EN 45545およびISO 5659−2で示される方法に従って実行した。240秒における煤煙密度に関して、「合格」を得るために、煤煙密度は300未満でなければならず、かつVOFに関して、「合格」を得るために、煤煙密度は600未満でなければならず、かつCITに関して、「合格」を得るために、毒性は、HL2評価に関して0.9未満およびHL1評価に関して1.2未満でなければならなかった。
【0239】
【表4】
【0240】
上記の表4は、実施例18、19、22〜26が全て、驚くべきことに欧州可燃性試験を合格することが可能であったことを示す。また表4は、TPU中間層を有する実施例15および17のいずれも、中間層の厚さがより薄い場合でさえ、発熱試験を合格することが不可能であったことを示す。また表4は、実施例16、20および21に示すような十分な難燃剤を含まない材料が合格しないことを示す。また表4は、実施例19に示すように、難燃剤に関して高濃度の臭素を有する材料は、毒性に関するより低い級の評価をもたらすことを示す。
【0241】
実施例27〜37:英可燃性試験の順守に関する両面多層物品の試験
表5に示すように、硬化されたガラス層、HALSを含まないEVA中間層、ならびにポリカーボネートポリマーおよびコポリマー層を有する両面多層物品27〜37を調製し、英国可燃性規定の順守に関して試験した。
【0242】
火炎拡散試験は、BS476,Part 7に示される方法に従って実行した。「合格」を得るために、火炎拡散は、165mm以下でなければならなかった。火炎伝播試験は、BS476,Part 6に示される方法に従って実行した。「合格」を得るために、火炎伝播は、12以下でなければならなかった。発煙試験は、BS 6853:1999 Annex D8.4 Panel Smoke testに示される方法に従って実行した。「合格」を得るために、試験された物品は、2.6未満のAo(On)および3.9未満のAo(off)を有さなければならない。毒性試験は、BS 6853:1999 Annex B.2に示される方法に従って実行した。「合格」を得るために、毒性は1以下でなければならなかった。
【0243】
【表5】
【0244】
表5は、実施例35、36および37が、驚くべきことに、火炎拡散、火炎伝播、煙および毒性試験に合格することが可能であることを示す。実施例34および35を比較すると、実施例35は1mmの厚いガラス層を有し、試験を合格することが可能であったが、実施例34は0.7mmのみのガラス層を有し、火炎伝播試験を合格することができなかった。実施例36は、FST2のポリマー層および0.7mmのガラス層の厚さを有し、全ての試験を合格することが可できた。
【0245】
実施例38〜43:鉄道規格の順守に関する両面多層物品の撓み試験
有限要素解析を使用してシミュレーションを実行した。シミュレーションにおいて、表6および7に示すように、硬化されたガラス層、ポリマー層にガラス層を完全に結合する中間層、およびポリカーボネートポリマー層を有する二重ペインの片面および両面多層物品を撓みに関してシミュレーションし、試験した。実施例38〜40および44〜45は、図11と同様の両面二重ペイン実施例であり、第1のポリマー層を含むペイン4は外側ペインであり、および第2のポリマー層を含むペイン104は内側ペインである。実施例41〜43および46〜47は、図10と同様の片面二重ペイン実施例であり、第1のポリマー層を含むペイン2は外側ペインであり、および第2のポリマー層を含むペイン102は内側ペインである。
【0246】
表6は、都市間連絡列車のための撓み試験を示し、ここでは、内側ペインに平方メートルあたり2,500ニュートン(N/m)(2,500パスカル(Pa))の負荷が適用された1,467mm×1,215mmの試験試料は、5mm以下の最大撓みを有したため、合格したと考えられる。
【0247】
【表6】
【0248】
表6は、実施例38および39の外側ペインが最大撓み試験を合格することが可能であったことを示す。なお、残りのペインが最大撓み試験を合格しない場合、例えば、ペインの面積を減少させることによって、ならびに/あるいはポリマー層および/またはガラス層の一方または両方の層の厚さを増加させることによってペインを変性することによって合格が得られるであろう。
【0249】
表7は、高速列車のための撓み試験を示し、ここでは、内側ペインに6,000N/m(6,000Pa)の負荷が適用された1,512mm×842mmの試験試料は、5mm以下の最大撓みを有したため、合格したと考えられる。
【0250】
【表7】
【0251】
表7は、実施例44および45の外側および内側ペイン、ならびに実施例46の外側ペインが最大撓み試験を合格することが可能であったことを示す。なお、残りのペインが最大撓み試験を合格しない場合、例えば、ペインの面積を減少させることによって、ならびに/あるいはポリマー層および/またはガラス層の一方または両方の層の厚さを増加させることによってペインを変性することによって合格が得られるであろう。
【0252】
実施例48〜56:連邦航空規定(Federal Aviation Regulations)(FARs)、特にFAR 25.853(d)Appendix F,Part IVに記載の、Ohio State University熱量計を使用して決定された発熱率規格の順守に関する両面多層物品の試験
硬化されたガラス層、HALSを含まないEVA中間層、ならびにポリカーボネートポリマーおよびコポリマー層を有する両面多層物品48〜56を調製し、FAR 25.853(d)Appendix F,Part IVの順守に関して試験し、Ohio State University熱量計を使用して決定した。「合格」するために、物品は、Ohio State University熱量計を使用して決定され、OSU 65/65(2分/ピーク)として略される、1平方メートルあたり65キロワット−分(kW−分/m)以下の2分の積分発熱率、および1平方メートルあたり65キロワット(kW/m)未満のピーク発熱率を有さなければならない。より厳しい試験に「合格」するために、物品は、55kW−分/m以下の2分の積分発熱率および55kW/m未満のピーク発熱率(OSU 55/55として略される)を有さなければならない。
【0253】
【表8】
【0254】
表8は、実施例48および49の場合のように、組成物中に難燃剤を有さないポリマーまたはコポリマーによって製造される多層物品の実施例は、OSU 65/65または55/55試験を合格しなかったことを示す。実施例50に示すようないくつかの難燃剤、または実施例52および53に示すような臭素化難燃剤をポリマー組成物に追加することによって、65/65規格の合格が得られた。実施例54、55および56に示すコポリマーの使用によって、65/65および55/55試験の合格が得られた。
【0255】
実施形態は、本明細書に開示されるいずれか適切な構成要素を代わりとして含んでもよく、それからなってもよく、またはそれから実質的になってもよい。さらに、実施形態は、追加的に、または代わりに、従来技術の組成物で使用されるか、あるいは、その他の場合、本開示の機能および/または目的の達成のために必要とされない、いずれの構成要素、材料、成分、補助剤または種も除去されるか、または実質的に含まないように調製されてもよい。
【0256】
本明細書に開示される全ての範囲は終点を含み、終点は互いに独立して組合せ可能である(例えば、「25重量%まで、またはより具体的には5〜20重量%」という範囲は、終点および「5〜25重量%」の範囲の全て中間値などを含む)。「組合せ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。さらに、本明細書中の「第1」、「第2」などの用語は、いずれかの順番、量または重要性を示さないが、別のものからから1つの要素を示すために使用される。「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」の用語は、本明細書中、量の制限を示さないが、本明細書に他に示されるか、または文脈によって明らかに否定されない限り、単数および複数の両方に適用されるように解釈される。接尾辞「(s)」は、本明細書で使用される場合、それが修飾する用語の単数および複数の両方を含むように意図され、それによって、その用語の1つ以上を含む(例えば、フィルムは1つ以上のフィルムを含む)。本明細書全体で「一実施形態」、「別の実施形態」、「実施形態」などの言及は、その実施形態と関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造および/または特性)が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、かつ他の実施形態に存在してもよく、または存在していなくてもよいことを意味する。加えて、記載された要素が、いずれかの適切な方法で様々な実施形態において組み合わせられてもよいことが理解されるべきである。
【0257】
特定の実施形態が記載されるが、不測であるか、または現在は不測であり得る代替形態、修正形態、変形形態、改良形態および実質的な均等物が本出願人および当業者に想到されてもよい。したがって、出願され、かつ修正されてもよい添付の特許請求の範囲は、全てのそのような代替形態、修正形態、変形形態、改良形態および実質的な均等物を包含するように意図される。
【0258】
化合物は、標準命名法を使用して記載される。例えば、いずれかの示される基によって置換されていない任意の位置が、示されるような結合、または水素原子によって満たされるその原子価を有すると理解される。2つの文字または記号の間にないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を示すために使用される。例えば、−CHOは、カルボニル基の炭素を通して結合される。加えて、記載された要素は、様々な実施形態において、いずれかの適切な方法で組み合わせられてもよいことが理解されるであろう。
【0259】
図面に関して、これらの図面は、本開示を実証することの便宜および容易さに基づき、単なる概略表示のみであり、したがって、それらのデバイスまたは構成要素の相対的な径および寸法を示すように、および/または例示的な実施形態の範囲を定義もしくは限定するようには意図されない。明瞭さのために特定の用語が記載中に使用されるが、これらの用語は、図面における例示のために選択される実施形態の特定の構造のみを指すように意図され、本開示の範囲を定義または限定するようには意図されない。本明細書の図面および記載中、同様の数字符号は同様の機能の構成要素を指すことが理解されるべきである。
【0260】
より広い範囲に加えたより狭い範囲の開示は、より広い範囲の否認でない。
【0261】
全ての引用された特許、特許出願および他の参照文献は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願における用語が、組み込まれた参照文献を否定するか、またはそれと不一致である場合、本出願からの用語は、組み込まれた参照からの不一致の用語よりも優先する。
【0262】
本記載には多くの詳細を含むことができるが、これらは、それらの範囲における限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に対して特定であり得る特徴の記載として解釈されるべきである。別々の実施形態に関連して、これまで記載された特定の特徴は、単一の実施形態における組合せにおいて実施されることもできる。逆に、単一の実施形態に関連して記載される様々な特徴は、別々に、またはいずれかの適切な部分的組合せにおいて、複数の実施形態において実施されることもできる。そのうえ、特徴が、特定の組合せにおいて作用するものとして上記されることができ、かつそのようなものとして最初に特許請求することもできるが、特許請求された組合せからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合、組合せから削除され得、特許請求された組合せは、部分的組合せまたは部分的組合せの変形形態に関するものであり得る。
【0263】
同様に、作動が特定の順番で図面または図中に示されるが、これは、そのような作動が、示される特定の順番または連続した順番で実行されること、あるいは望ましい結果を達成するために、全ての例示される作動が実行されることを要求するものとして理解されてはならない。特定の状況において、マルチタスキングおよびパラレル処理が有利となり得る。
【0264】
図1〜11に例示される様々な構成および実施形態で示すように、軽量、高剛性ガラスラミネート構造のための方法に関する様々な実施形態が記載された。
【0265】
本開示の好ましい実施形態が記載されるが、本明細書の閲覧から当業者に自然に想到される全範囲の均等物、多くの変形形態および修正形態が与えられる場合、記載される実施形態は実例となるのみであること、ならびに本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11