(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ウレタンプレポリマーは、重量平均分子量(Mw)が400,000〜700,000であることを特徴とする請求項1に記載の防汚性を有するスエードタイプ人工皮革。
極細纎維が3次元的に交絡されて形成された不織布を、高分子弾性体を含んだ含浸液に浸漬することで、前記高分子弾性体を含浸させ、起毛加工してなる人工皮革の製造方法において、
前記高分子弾性体がフッ素含有変性ポリウレタンであり、
前記フッ素含有変性ポリウレタンは、ジオールとジイソシアネートを反応させて重量平均分子量(Mw)が400,000〜700,000であるウレタンプレポリマーを製造し、前記製造されたプレポリマーと、両末端にヒドロキシ官能基が付与されたフッ化炭素化合物とを反応させて、重量平均分子量(Mw)が500,000〜800,000の重合物に製造されることを特徴とする防汚性を有するスエードタイプ人工皮革の製造方法。
【背景技術】
【0002】
人工皮革は、極細纎維が3次元的に交絡されて形成された不織布に、高分子弾性体が含浸されてなるものである。人工皮革は、天然皮革と類似するように柔らかい質感及び独特の外観を有するので、履物、衣類、手袋、雑貨、家具、及び自動車の内装材などといった多様な分野で広く利用されている。
【0003】
人工皮革は、用途により、備えられるべき特性などが相違する。例えば、衣類用の人工皮革で要求される特性などとしては、高耐久性、高感性、多様な色と濃度で染色されうる優れた染色性、及び高い堅牢度がある。
【0004】
このように要求される特性の中の、耐久性の向上において、長期間にわたって使っても汚染の発生が抑制されるようにする、撥水及び撥油機能を含んだ防汚機能の付与が、人工皮革で要求されている。
【0005】
人工皮革に防汚機能を付与する方法として、フッ素系またはシリコン系界面活性剤を、高分子弾性体であるポリウレタンと混合して不織布に含浸させ、人工皮革の表面にて、フッ素直鎖またはシリコン直鎖を生やして、外部からの汚染を抑制する方法がある。
【0006】
しかしながら、フッ素系またはシリコン系界面活性剤は、一般に非活性添加物としてポリウレタンと混合する場合、化学的な結合が形成されずウレタン分子構造内での挙動が自由である。これによって、人工皮革の表面に移行する現象が発生して人工皮革の表面の経時変化を起こすという問題点がある。
【0007】
フッ素系化合物を別途添加せず、フッ素が結合した変性ポリウレタン及びこのような変性ポリウレタンを利用して皮革に類似のシート状物を製造する方法が韓国登録特許第0969839号に記載されている。
【0008】
前記特許によると、
(i) 分子量が500〜5,000であるウレタン結合含有化合物に、分子量が200〜1,000であるフッ素含有側鎖が3〜12個結合されており、
(ii) フッ素含有量がフッ素原子に換算して20〜60重量%であって、
(iii) 1分子当り、ウレタン結合を6〜36個含有している、
フッ素含有側鎖変性ウレタン化合物及びこのウレタン化合物を利用することにより、皮革に類似のシート状物を裁断した断面で、撥水性及び耐水性が優れたものになるということが記載されている。
【0009】
しかしながら、前記特許による変性ポリウレタンは、皮革に類似のシート状物の処理液を、弾性体であるポリウレタンと共に添加される添加物として使うことによって、撥水剤としての効果を表している。
【0010】
従って、人工皮革で防汚性添加剤を使わなくても、含浸された弾性体によって、防汚性を示すようにする開発が進められている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、極細纎維が3次元的に交絡されて形成された不織布に、高分子弾性体が含浸され、起毛が形成されてなる人工皮革において、前記高分子弾性体がフッ素含有変性ポリウレタンであることを特徴とする人工皮革に関するものである。
【0018】
前記フッ素含有変性ポリウレタンは、ジオールとジイソシアネートを付加反応させて得られた末端にイソシアネート基が位置した重量平均分子量(Mw)が400,000〜700,000であるウレタンプレポリマーと、両末端にヒドロキシ官能基が付与されたフッ化炭素化合物との付加反応による重合生成物であって、Mwが500,000〜800,000であるフッ素含有変性ポリウレタンである。
【0019】
前記ジオールとしては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールといったジオール類が、単独、または組み合わせて使用されることができる。
【0020】
前記ジイソシアネートとしては、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6 ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-乃至1,4-ジイソシアネート、1-イソシアネート-3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、ビス-(4-イソシアネートシクロヘキシル)メタン(水添MDI),2-乃至4-イソシアネートシクロヘキシル-2-イソシアネートシクロヘキシルメタン、1,3-乃至1,4-テトラメチルキシレンジイソシアネート、2,4-乃至2,6-トルエンジイソシアネート、2,2-2,4-乃至4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニル-4,4-ジイソシアネート等があり、これに限定されない。
【0021】
本発明では、ジオールとジイソシアネートを反応させる際、その反応させる割合は、全OH基よりも全NCO基が過剰になる量比である必要がある。このようにジオールとジイソシアネートの割合を調整して反応させることにより、得られるウレタンプレポリマーが、側鎖にイソシアネート基の末端を有することができる。
【0022】
ここで、ジオールとジイソシアネートのモル比は、1:1.2〜1:1.4の範囲であるのが、本発明の重量平均分子量の範囲を有するフッ素含有変性ポリウレタンを製造することができることから望ましい。
【0023】
前記モル比が1:1.2より小さい場合は、空気中の水分や活性水素などによって副反応が起きたりイソシアネート同士が反応してトリマー(trimer)を形成しようとするイソシアネートの性質が発現し、非活性NCOの増加により重合効率が低下する。前記モル比が1:1.4より大きい場合は、過剰量のNCO基によってOH基の不足が甚だしくなり重合度の上昇が難しくなるので望ましくない。
【0024】
本発明のフッ素含有変性ポリウレタンが、人工皮革に適用される際に要求される機械的物性を確保するため、重合分子量を適正な水準にまで容易に上昇させる必要があるが、このためには、ウレタンプレポリマーを先に製造することができる。
【0025】
前記ウレタンプレポリマーにて、重量平均分子量(Mw)が400,000未満であれば、最終的に得られるフッ素含有変性ポリウレタンの分子量が低下して、引裂き強度等といった機械的物性が低下し、熱的安定性、耐加水分解性などといった化学的物性も低下する。700,000を超えれば、フッ素含有変性ポリウレタンの製造の際にゲル化現象が発生しうるのであって、弾性体含浸液を取り合わせて製造する際にフッ素含有変性ポリウレタンの粘度が高いことから作業性が低下しうるのであり、最終的に得られるフッ素含有変性ポリウレタンが硬くなりうることから人工皮革における感性・品質が低下しうるので望ましくない。
【0026】
前記両末端にヒドロキシ官能基が付与されたフッ化炭素化合物は、下記の化学式1に示され、1個の鎖にフッ素基が8〜14個結合していて、1個の構造団にフッ素含量が50〜70モル%であって、両末端にヒドロキシ官能基が付与されたエーテルジオール(ether diol)である。
【0027】
[化学式1]
HO-CH
2-CF
2-O-(CF
2CF
2O)m-(CF
2O)n-CF
2-CH
2-OH
【0028】
前記化学式1のエーテルジオールとウレタン重合体を反応させて得られるフッ素含有変性ポリウレタンは、ウレタン重合体の側鎖に、元素状態では2原子分子で存在するフッ素を結合させることにより、他の原子または分子との結合を抑制することで、撥水力と撥油力を付与することができる。これにより、本発明のフッ素含有変性ポリウレタンが、外部汚染原の被着を抑制し、被覆面の汚染物質が容易に除去されるようにできるのである。
【0029】
前記両末端にヒドロキシ官能基が付与されたフッ素化炭素化合物についての商業化された製品としてはソルベイのフルオロリンク(FLUOROLINK;登録商標)がある。
【0030】
本発明のフッ素含有変性ポリウレタンの重合は、両末端にイソシアネートが結合した前記ウレタンプレポリマーにおける、過剰のイソシアネートのモルだけ、前記の両末端にヒドロキシ官能基が付与されたフッ化炭素化合物を、前記ウレタンプレポリマーに滴下することで、適正な分子量に到逹するまで付加重合を行うことができる。
【0031】
前記の両末端にヒドロキシ官能基が付与されたフッ素化炭素化合物を、いちどに投入する場合、部分的に結合が形成されてフッ素基の分散が不充分となり、これにより、全体的に均一な防汚性能を発現させにくくなるので、ゆっくり滴下して投入するのが望ましい。
【0032】
本発明のフッ素含有変性ポリウレタンは、前記方法で重合され、重量平均分子量(Mw)が500,000〜800,000であることを特徴とする。重量平均分子量(Mw)が500,000未満であれば、人工皮革にて、引裂き強度などの機械的な強度、及び、熱的安定性、耐加水分解性などの化学的物性の低下を引き起こしうる。重量平均分子量(Mw)が800,000を超えれば、弾性体含浸液を取り合わせて製造する際、フッ素含有変性ポリウレタンの粘度が高いことから作業性が低下しうるのであり、最終的に得られるフッ素含有変性ポリウレタンが堅くなることから人工皮革における感性・品質が低下しうるので望ましくない。
【0033】
本発明のフッ素含有変性ポリウレタンは、フッ素成分が5〜20モル%であるのが望ましいが、5モル%以下であれば、防汚性能の発現が充分ではなく、20モル%超えれば、撥水性能が、あまりにも強く発現されることから、人工皮革の製造工程でフッ素含有変性ポリウレタンの置換凝固が進まないことがありうるので望ましくない。
【0034】
以上における記述したフッ素含有変性ポリウレタンの合成反応式の一例を、下記のとおりの反応式で示すことができる。
【0036】
その際、R及びR'は、それぞれ独立にアルキル基である。
【0037】
一般に人工皮革は、極細纎維が3次元的に交絡されて形成された不織布を、ポリウレタンといった高分子弾性体を含んだ含浸液に浸漬することで高分子弾性体を含浸させ、凝固させることで不織布に弾性体を付与した後、研削して起毛加工し、染色することにより、製造されうる。
【0038】
本発明では、前記含浸液の高分子弾性体として、本発明のフッ素含有変性ポリウレタンを使うことができるのであるが、前記フッ素含有変性ポリウレタンの重量に対して100〜200%のジメチルホルムアミドに、フッ素含有変性ポリウレタンを希釈して、含浸液として使うことができる。
【0039】
以下では、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明する。但し、下記の実施例及び比較例は、本発明を例示するためのものとして、本発明が下記の実施例に限定されるのではなく、本発明の技術的な思想を外れない範囲内で、置換、及び均等な他の実施例に変更することができるのは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとり明白であろう。
【0040】
[製造例1]
ポリテトラメチレングリコール0.45モル(Mw: 1500〜2500)、エチレングリコール0.47モル、及び1,4-ブタンジオール0.08モルを4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート1.2モルと付加反応させて重合し、このように重合された重合物の総固形分が40重量%となるようにジメチルホルムアミドに希釈溶解して、重量平均分子量(Mw)が700,000であるNCO末端ポリウレタンプレポリマーを製造した。
【0041】
製造されたプレポリマーを、両末端にヒドロキシ基側鎖が結合したフッ化炭素化合物(商品名フルオロリンク(FLUOROLINK)D10-H、ソルベイ社、Mw:1,400)0.2モルと付加重合した後、このように重合された重合物の総固形分が30重量%となるように、ジメチルホルムアミドに希釈溶解して、最終の反応が終決した、重量平均分子量(Mw)が800,000であるフッ素含有変性ポリウレタン化合物を製造した。
【0042】
[製造例2]
ポリテトラメチレングリコール0.45モル(Mw:1500〜2500)、エチレングリコール0.47モル、及び1,4-ブタンジオール0.08モルを、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート1.3モルと付加反応させて重合し、このように重合された重合物の総固形分が40重量%となるように、ジメチルホルムアミドに希釈溶解して、重量平均分子量(Mw)が600,000であるNCO末端ポリウレタンプレポリマーを製造した。
【0043】
製造されたプレポリマーを、両末端にヒドロキシ基側鎖が結合したフッ化炭素化合物(商品名:フルオロリンク(FLUOROLINK) D10-H、ソルベイ社、Mw:1,400)0.3モルと付加重合した後、このように重合された重合物の総固形分が30重量%となるようにジメチルホルムアミドに希釈溶解して、最終の反応が終決した、重量平均分子量(Mw)が700,000であるフッ素含有変性ポリウレタン化合物を製造した。
【0044】
[製造例3]
ポリテトラメチレングリコール0.45モル(Mw:1500〜2500)、エチレングリコール0.47モル、及び1,4-ブタンジオール0.08モルを、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート1.4モルと付加反応させて重合し、このように重合された重合物の総固形分が40重量%となるようにジメチルホルムアミドに希釈溶解して、重量平均分子量(Mw)が400,000であるNCO末端ポリウレタンプレポリマーを製造した。
【0045】
製造されたプレポリマーを、両末端にヒドロキシ基側鎖が結合したフッ化炭素化合物0.4モルと付加重合した後、このように重合された重合物の総固形分が30重量%となるようにジメチルホルムアミドに希釈溶解して、最終の反応が終決した、重量平均分子量(Mw)が500,000であるフッ素含有変性ポリウレタン化合物を製造した。
【0046】
[製造例4]
ポリテトラメチレングリコール0.45モル(Mw:1500〜2500)、エチレングリコール0.47モル、及び1,4-ブタンジオール0.08モルを、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート1.0モルと付加反応させて重合し、このように重合された重合物の総固形分が70重量%となるようにジメチルホルムアミドに希釈溶解して重量平均分子量(Mw)が700,000である反応終決型ポリウレタン化合物を製造した。
【0047】
[製造例5]
ポリテトラメチレングリコール0.45モル(Mw:1500〜2500)、エチレングリコール0.47モル、及び1,4-ブタンジオール0.08モルを、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート1.7モルと付加反応させて重合し、このように重合された重合物の総固形分が40重量%となるようにジメチルホルムアミドに希釈溶解して、重量平均分子量(Mw)が350,000であるNCO末端ポリウレタンプレポリマーを製造した。
【0048】
製造されたプレポリマーを、両末端にヒドロキシ基側鎖が結合したフッ化炭素化合物0.7モルと付加重合した後、このように重合された重合物の総固形分が30重量%となるように、ジメチルホルムアミドに希釈溶解して、最終の反応が終決した、重量平均分子量(Mw)が450,000であるフッ素含有変性ポリウレタン化合物を製造した。
【0049】
[製造例6]
ポリテトラメチレングリコール0.45モル(Mw:1500〜2500)、エチレングリコール0.47モル、及び1,4-ブタンジオール0.08モルを、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート1.0モルと付加反応させて重合し、このように重合された重合物の総固形分が70重量%となるように、ジメチルホルムアミドに希釈溶解して、重量平均分子量(Mw)が700,000である反応終決型ポリウレタン化合物を製造した。
【0050】
[実施例1]
前記製造例1のフッ素含有変性ポリウレタン化合物を、前記化合物の重量に対して150%のジメチルホルムアミドに希釈して、含浸液を準備した。
【0051】
ポリエステル纎維(0.3デニール、繊維長51mm)が、自律交絡された不織布を前記含浸液に浸漬して取り出し、ジメチルホルムアミド20重量%が希釈された水溶液にて凝固加工し、フッ素含有変性ポリウレタン化合物弾性体が含浸され、繊維組織内に微細な多孔質層が形成されている弾性体含浸不織布を製造した。
【0052】
その後、前記弾性体含浸不織布の表面を研削して、表面上に纎維起毛を形成することで、スエードタイプ人工皮革を製造した。
【0054】
前記実施例1にて、前記製造例2のフッ素含有変性ポリウレタン化合物を使って含浸液を製造したことを除き、実施例1と同じ方法を使ってスエードタイプ人工皮革を製造した。
【0055】
[実施例 3]
前記実施例1にて、前記製造例3のフッ素含有変性ポリウレタン化合物を使って含浸液を製造したことを除き、実施例1と同じ方法を使ってスエードタイプ人工皮革を製造した。
【0056】
[比較例1]
前記実施例1にて、前記製造例4のフッ素含有変性ポリウレタン化合物を使って含浸液を製造したことを除き、実施例1と同じ方法を使ってスエードタイプ人工皮革を製造した。
【0057】
[比較例2]
前記実施例1にて、前記製造例5のフッ素含有変性ポリウレタン化合物を使って含浸液を製造したことを除き、実施例1と同じ方法を使ってスエードタイプ人工皮革を製造した。
【0058】
[比較例3]
前記実施例1にて、前記製造例6の反応終決型ポリウレタン化合物を、重量比で150%のジメチルホルムアミドと0.5%のフッ素系界面活性剤(商品名FC-4430、3M社)の混合物に希釈して含浸液を準備したことを除き、実施例1と同じ方法を使ってスエードタイプ人工皮革を製造した。
【0059】
前記実施例及び比較例にて製造されたポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(RI-8000、Tosoh社)を利用してテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)(流速1mL/min)を移動相にし、TSKgel super HM-L, TSKgel super HM-M, TSKgel super HM-N(Tosoh社)を直列で連結したカラムを通過させてカラムオーブンの温度を40℃にした条件で測定した。
【0060】
前記製造例に対する重合原料構成比と重合された重合物の重量平均分子量を下記の表1に示す。
【0062】
前記実施例及び比較例にて製造された人工皮革に対して、下記の耐汚染性の評価方法にしたがって特性を評価し、その結果を下記の表2に示した。
【0063】
耐汚染性の評価方法
人工皮革測定試料を5x15cmの大きさで切り取って摩擦堅牢度試験機(モデル DL-2007)に配置し、汚染布(Test fabric、品名:IEC carbon black/mineral oil、EMPA社)を被汚染試料の表面に配置し、10回の往復摩擦を実施して、被汚染された試料を肉眼で比較して汚染等級を付与する。
【0064】
(汚染等級の基準、
5:被汚染物が全然見えない。4:被汚染物が若干見えるか、ほとんど目立たない。3:被汚染物が若干あり目に見える。2:被汚染物が若干甚だしく見える。1:被汚染物が相当に甚だしく見える。)
【0065】
撥水度の評価方法
人工皮革測定試料を、下記の
図2のように固定(直径10cmした後、45゜の角度に傾けて置く。その後、上部に位置した噴霧型漏斗に100mlの水を入れて噴射し、噴射完了後、試料の表面についた水滴の分布図を観察して、下記の
図3の基準で等級を付与する。
【0067】
前記表2から、本発明のフッ素含有変性ポリウレタンを弾性体として含浸させた実施例の人工皮革が、フッ素系界面活性剤を別途添加した人工皮革(比較例3)と同等の防汚性能を発揮し、且つ向上した撥水性を示すことを確認することができる。