(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも2つの光学変位センサは、搬送される各錠剤の中心位置が通ると見込まれる線を挟んで対称的に配置された2つの光学変位センサを含む請求項2記載の錠剤印刷装置。
前記少なくとも2つの光学変位センサは、搬送される各錠剤の中心位置を通ると見込まれる線に対向するように配置された1つの光学変位センサを含む請求項2記載の錠剤印刷装置。
前記印刷データ調整手段は、前記錠剤が傾くことによって、前記錠剤の予め定めた基準の姿勢に対して前記インクジェットヘッドから離れた部分へのインク滴の吐出量を増やすように印刷データを調整する請求項2記載の錠剤印刷装置。
前記印刷データ調整工程は、前記錠剤が傾くことによって、前記錠剤の予め定めた基準の姿勢に対して、前記インクジェットヘッドから離れた部分へのインク滴の吐出量を増やすように印刷データを調整する請求項8記載の錠剤印刷方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
本発明に係る錠剤印刷装置の印刷対象物である錠剤は、一例である平面視で真円
状で、かつ、表面が曲面である錠剤Tbを例に挙げて説明するが、錠剤は、裸錠(素錠)、糖衣錠、フィルムコーティング錠(FC錠)、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠等の錠剤やタブレットを含むほか、硬カプセル、軟カプセル等のカプセル錠を含み得るもので、医薬用、食用、洗剤用、工業用等、その用途を問わない。
【0015】
本発明の実施の一形態に係る錠剤印刷装置は、
図1に示すように構成される。
図1において、印刷対象の錠剤を貯めるホッパー11から第1振動フィーダ12a及び第2振動フィーダ12bが続き、第2振動フィーダ12bから更に続いて第1受け渡しフィーダ13及び整列フィーダ14が配置されている。整列フィーダ14の後方には第1搬送機構17が配置されており、整列フィーダ14の後端部と第1搬送機構17の前端部に上からかぶさるように、第2受け渡しフィーダ16が配置されている。
【0016】
第1振動フィーダ12a及び第2振動フィーダ12bのそれぞれは、例えば、樋状の搬送路に加振器が設けられた構造となっており、ホッパー11から順次供給される錠剤Tbが振動によって前記搬送路内を整列フィーダ14に向けて順次移動する。整列フィーダ14は、搬送路上に整列ガイドが配置された構造となっており、その整列ガイドによって錠剤Tbを、例えば、2列に分けて、各列の錠剤Tbを第2受け渡しフィーダ16に向けて順次搬送する。第1受け渡しフィーダ13及び第2受け渡しフィーダ16のそれぞれは、図示しない2つのプーリに、気体透過性を有する搬送ベルトが巻き掛けられ、その搬送ベルトの内側に図示しない吸気装置が接続された吸気チャンバが設けられた構造となっている。そして、第1受け渡しフィーダ13において搬送ベルトは、第
2振動フィーダ12bからの錠剤Tbを吸気チャンバの吸気作用によって引き受けて搬送し、当該吸気チャンバの吸気作用が働かなくなる位置にて整列フィーダ14に引き渡す。また、第2受け渡しフィーダ16において搬送ベルトは、整列フィーダ14からの錠剤Tbを吸気チャンバの吸気作用によって吸引して搬送し、当該吸気チャンバの吸気作用が働かなくなる位置にて第1搬送機構17に引き渡す。
【0017】
第1搬送機構17は、駆動プーリ172と、テンションプーリ173と、2つの調整プーリ174a、174bとに搬送ベルト171が巻き掛けられた構造となっている。搬送ベルト171には、
図2に示すように、当該搬送ベルト171の移動方向に所定間隔をもって配列されるように通孔176が設けられている。この通孔176は、整列フィーダ14により2列に整列されて搬送ベルト171に供給される錠剤Tbの各列に対応するように、2列設けられている。各通孔176に吸引空気を通して、錠剤Tbを当該搬送ベルト171に吸着させる。駆動プーリ172は、モータMによって駆動され、モータMの駆動に伴う駆動プーリ172の回転によって環状の搬送ベルト171が回転移動する。また、駆動プーリ172側には、モータMの駆動軸の回転に伴って動作する第1エンコーダ45が設けられている。環状の搬送ベルト171の内側には、図示しない吸気装置(例えば、真空ポンプ)が接続された吸気チャンバ175が設けられている。吸気チャンバ175の吸気作用により、搬送ベルト171の裏面側から空気が吸引され、それにより、前記通孔176を介して搬送ベルト171の表面に錠剤Tbが吸着保持される。
【0018】
この錠剤印刷装置では、インク滴を吐出する複数のノズルを備えたインクジェットヘッドを有し、印刷データに従って、圧電素子や熱素子等のエネルギー発生素子を駆動させることにより、各ノズルからインク滴を吐出して印刷を行うインクジェット方式の印刷機構が用いられている。搬送ベルト171の周囲には、前記インクジェット方式の印刷機構のインクジェットルヘッド(第1インクジェットヘッドという)21、2つのレーザ変位センサ23a、23b(
図3A〜
図3C参照)で構成される第1錠剤姿勢センサユニット23、第1姿勢確認カメラ24、第1印刷確認カメラ25、第1乾燥ユニット27及び2つの回収トレイ28a、28bが設けられている。吸気チャンバ175内には、2つのエアー噴射ノズル26a、26bが、搬送ベルト171を挟んで回収トレイ28a、28bに対向するように設けられている。
【0019】
前述したように、整列フィーダ14によって2列に配列された錠剤Tbが第2受け渡しフィーダ16を介して第1搬送機構17の搬送ベルト171に供給される。この場合、搬送ベルト171上の2列の錠剤Tbのそれぞれについて印刷を行うために、実際には、上述した第1インクジェットヘッド21、第1錠剤姿勢センサユニット23、第1姿勢確認カメラ24、第1印刷確認カメラ25、2つのエアー噴射ノズル26a、26b、第1乾燥ユニット27及び2つの回収トレイ28a、28bは、当該2列の錠剤Tbに対応するように、2セット設けられている。この2セットは同じ動作を行うので、以下、1セットについて説明する。
【0020】
第1インクジェットヘッド21(複数のノズル)は、印刷位置Ppにおいて、搬送ベルト171の表面に対向して配置されている。第1錠剤姿勢センサユニット23は、印刷位置Ppの搬送ベルト171の移動方向D(錠剤Tbの搬送方向D)における上流側の所定位置に設定された錠剤検出位置Pdで、錠剤Tbの、搬送ベルト171の表面に対する傾き姿勢に基づいた検出信号を出力する。また、第1錠剤姿勢センサユニット23からの検出信号は、錠剤検出位置Pdにおける搬送ベルト171上の錠剤Tbの有無を表す信号として用いることができる。第1姿勢確認カメラ24の撮影領域は、搬送ベルト171の上記印刷位置Ppと錠剤検出位置Pdとの間の所定範囲を含む。第1印刷確認カメラ25の撮影領域は、搬送ベルト171の移動方向D(錠剤Tbの搬送方向D)における印刷位置Ppの下流側の所定範囲に設定されている。2つのエアー噴射ノズル26a、26bと2つの回収トレイ28a、28bとは、吸気チャンバ175の下側、すなわち、駆動プーリ172と調整プーリ174bとの間に張られた搬送ベルト171を挟むように配置されている。また、回収トレイ28a、28bの上流側の所定位置には、搬送ベルト171に対向して第1乾燥ユニット27が配置されている。
【0021】
前述した第1錠剤姿勢センサユニット23は、
図3A〜
図3Cに示すように、搬送ベルト171に対向するように配置されている。なお、
図3Aは、搬送ベルト上の錠剤Tbと、第1錠剤姿勢センサユニット23とを、搬送方向から見た状態を示す図であり、
図3Bは、搬送ベルト上の錠剤Tbと第1錠剤姿勢センサユニット23との位置関係を示す平面図であり、
図3Cは、搬送ベルト上の錠剤Tbと、第1錠剤姿勢センサユニット23とを、搬送方向に直交する方向から見た状態を示す図である、
【0022】
図3A〜
図3Cにおいて、第1錠剤姿勢センサユニット23は、右レーザ変位センサ23a及び左
レーザ変位センサ23bの2つのレーザ変位センサ(光学変位センサ)を有し、これら2つのレーザ変位センサ23a、23bは、錠剤Tbの搬送方向Dに直交する方向(搬送方向Dを横切る方向)に並ぶように、配置されている。また、レーザ変位センサ23a、23bは、搬送される各錠剤Tbの中心位置が通ると見込まれる線CL、具体的には、搬送ベルト171の通孔176が並ぶ線CL(
図3B参照)を挟んで、対称的に配置されている。2つのレーザ変位センサ23a、23bの間隔Wは、錠剤Tbの直径より僅かに小さい、所定の値に設定されている。右レーザ変位センサ23a及び左レーザ変位センサ23bのそれぞれは、出射されるレーザ光が反射する物体表面との距離(例えば、出射されるレーザ光が反射する錠剤Tbの表面との距離)に応じたレベルの検出信号を出力する。
【0023】
図1に戻って、第2搬送機構18は、上述した第1搬送機構17の構造と略同様の構造である。具体的には、第2搬送機構18は、第2エンコーダ46が装着されたモータMで駆動される駆動プーリ182と、テンションプーリ183と、2つの調整プーリ184a、184bとに搬送ベルト181が巻き掛けられた構造であって、搬送ベルト181の内側に吸気チャンバ185が設けられている。吸気チャンバ185は、図示しない吸気装置に排気口185aを介して接続されている。また、搬送ベルト181には、搬送ベルト171と同様に、搬送ベルト181の移動方向に所定間隔をもって通孔が形成されている。そして、吸気チャンバ185の吸気作用により、前記通孔を介して、錠剤Tbが搬送ベルト181に吸着保持されるようになっている。搬送ベルト181の周囲に、前記インクジェット方式の印刷機構の第2インクジェットヘッド31(印刷位置Pp)、第2錠剤姿勢センサユニット33(錠剤検出位置Pd)、第2姿勢確認カメラ34、第2印刷確認カメラ35、第2乾燥ユニット37及び2つの回収トレイ38a、38bが設けられている。また、吸
気チャンバ185内には、2つのエアー噴射ノズル36a、36bが、搬送ベルト181を挟んで2つの回収トレイ38a、38bに対向するように配置されている。特に、第2搬送機構18では、搬送ベルト181の移動方向D(錠剤Tbの搬送方向D)における最下流の部分に対向して収納トレイ40が配置されている。
【0024】
上述した構造の錠剤印刷装置では、印刷制御部100の制御のもと、次のようにして順次錠剤Tbの表面に文字やマークが印刷される。
【0025】
錠剤Tbは、ホッパー11から順次供給されて第1振動フィーダ12a及び第2振動フィーダ12bを移動していき、第1受け渡しフィーダ13により整列フィーダ14に引き渡される。そして、錠剤Tbは、整列フィーダ14により、例えば、2列に配列され、第2受け渡しフィーダ16によって第1搬送機構17に順次引き渡されていく。第2受け渡しフィーダ16により順次第1搬送機構17に引き渡された錠剤Tbは、2列になって搬送ベルト171に吸着保持された状態で順次搬送されていく(
図2参照)。
【0026】
第1搬送機構17において、各列の錠剤Tbが搬送されていく過程で、第1錠剤姿勢センサユニット23(レーザ変位センサ23a、23b)からの検出信号に基づいて錠剤Tb(錠剤検出位置Pdに位置する)が検出されると、以後、第1エンコーダ45の値に基づいて錠剤検出位置Pdを基点として、その検出された錠剤Tbの位置が印刷制御部100によって認識される。例えば、レーザ変位センサ23a、23bのうちの、先に錠剤Tbを検出した方の検出結果に基づいて、錠剤Tbの位置を認識するようにする。また、印刷制御部100は、錠剤Tbが第1錠剤姿勢センサユニット23の下方を通過する際に、第1錠剤姿勢センサユニット23の光の右レーザ変位センサ23a及び左レーザ変位センサ23bのそれぞれから出力される検出信号に基づいて、錠剤Tbの傾き姿勢を表す傾き姿勢情報を生成する(傾き姿勢情報生成手段)。この錠剤Tbの傾き姿勢とは、搬送ベルト171の表面に対する傾きである。右レーザ変位センサ23a及び左レーザ変位センサ23bから出力される検出信号は、錠剤Tbの傾き姿勢に応じて変化するものであって、これら右レーザ変位センサ23a及び左レーザ変位センサ23b(光学変位センサ)と、印刷制御部100の前記傾き姿勢情報を生成する機能とによって、傾き姿勢検出手段が構成される。なお、傾き姿勢情報の生成の詳細については、後述する。
【0027】
錠剤Tbが第1姿勢確認カメラ24の撮影領域に進入すると、第1姿勢確認カメラ24で所定の撮影範囲の撮影がなされる。印刷制御部100は、この第1姿勢確認カメラ24での撮影により得られた撮影画像に基づいて、錠剤Tbの汚れ、カケ等の損傷の有無を判定する。更に、印刷制御部100は、損傷が無いと判定された錠剤Tbの搬送ベルト171上での平面的な姿勢(錠剤Tbの表裏や、搬送ベルト171上での位置、ベルト上での保持されている向きなどの姿勢を含む)を表す平面姿勢情報を生成する。そして、印刷制御部100は、錠剤Tbの基準の姿勢に対応した印刷データを、前記平面姿勢情報及び傾き姿勢情報に基づいて、実際の平面姿勢及び傾き姿勢となる錠剤Tbに所定の印刷がなされるように、調整する(印刷データ調整手段)。ここで言う錠剤Tbの基準の姿勢とは、例えば、錠剤Tbに印刷する文字やマークの印刷方向が搬送方向と直交する方向となり、錠剤Tbの中心位置が通孔176の並ぶ線CLに一致し、錠剤Tbが搬送ベルト171の表面に対して傾いていない姿勢のことをいう。なお、この基準の姿勢に対応する印刷データは、予め設定されている。印刷データの調整は、実際の平面姿勢及び傾き姿勢を有する錠剤Tbが、予め定めた姿勢である基準の姿勢に印刷をしたときと同じ印刷がなされるように、予め定めた印刷データを調整することによって行われる。
【0028】
例えば、
図4Aに示すように、基準の姿勢の錠剤Tbに印刷する場合、錠剤Tb上の印刷範囲Epと、印刷データによるインク滴の吐出範囲Edとは、一致している(Ed=Ep)。これに対して、例えば、
図4Bに示すように、搬送ベルト171の表面に対して角度θ傾いた姿勢の錠剤Tbに印刷する場合、傾いた錠剤Tb上の印刷範囲Epに正規の印刷を行うために、この印刷範囲Epより狭いインク滴の吐出範囲Edcとなるように印刷データが調整される(Edc<Ep)。
【0029】
また、インクジェットヘッド21と印刷面との距離も錠剤Tbの傾きによって変化してしまう。これに対しては、インク滴の吐出条件を調整する。例えば、錠剤Tbが傾くことによって、基準の姿勢に対して、インクジェットヘッド21に近づいた部分へのインク滴の吐出量を減らし、インクジェットヘッド21から離れた部分へのインク滴の吐出量を増やすように印刷データが調整される。このような調整で、インクジェットヘッド21に近い位置へのインク滴の着弾は小さく、インクジェットヘッド21から遠い位置へのインク滴の着弾は大きくなるように調整され、錠剤Tb全体においての印刷状態が正常に保たれる。これは、インクジェットヘッド21と印刷面との距離が長くなっても、吐出量を増やすことでインク滴の重量を増やし、予定している着弾位置に確実にインク滴を着弾させることができるからである。この吐出量の調整は圧電素子や熱素子等のエネルギー発生素子の駆動量の調整を行う。例えば圧電素子に印加する電圧を調整する。なお、吐出量の調整は、インクジェットヘッド21に近づいた部分に対する調整は行わずに、離れた部分に対する調整のみを行うようにしてもよい。
【0030】
また、インクジェットヘッド21の複数のノズルから吐出されて印刷面に着弾するインク滴のピッチも錠剤の傾き状態で変化する。例えば平面に着弾するインク滴のピッチはノズルのピッチとほぼ同じになるが、傾いた面に着弾したインク滴のピッチは傾いた面をその方向から見るとノズルのピッチより広がってしまう。この点を考慮してインク滴を吐出するノズルを選択して着弾するインク滴のピッチを調整すると、傾いた錠剤に印刷したとしても、その錠剤を傾かない状態で視認して、傾かない状態で印刷した時と変わらない印刷状態とできる。
【0031】
そして、損傷が無いと判定された錠剤Tbが印刷位置Ppを通過する際に、印刷制御部100は、上記のように調整された印刷データに従って第1インクジェットヘッド21の複数のノズルからのインク滴の吐出パターン(インクを吐出するノズルの選択やインクの吐出量等)を制御する。その結果、印刷位置Ppを通過する当該錠剤Tbの表面の所定の位置に所定の向きにて文字やマーク等が印刷される。
【0032】
更に、印刷(印刷位置Pp)を経た錠剤Tbが第1印刷確認カメラ25の撮影領域に進入すると、第1印刷確認カメラ25で所定の撮影範囲の撮影がなされる。印刷制御部100は、この第1印刷確認カメラ25での撮影で得られた撮影画像に基づいて錠剤Tbに正常に文字やマークが印刷されたか否かを判定する。そして、印刷制御部100は、以後、正常に印刷がなされなかったと判定された錠剤Tbの位置(第1エンコーダ45の値に基づく)を追跡する。
【0033】
印刷が完了して第1印刷確認カメラ25の撮影領域を通過した錠剤Tbは、搬送ベルト171の移動に伴って搬送され、第1乾燥ユニット27に対向して搬送される際に、表面に印刷された文字やマークのインクが乾燥(定着)させられる。カケ等の損傷により印刷がなされずに、印刷制御部100により位置が追跡されている錠剤Tbは、一方のエアー噴射ノズル26aに対向する位置に到達すると、そのエアー噴射ノズル26aから噴射されるエアーによって搬送ベルト171から飛ばされて、回収トレイ28aに回収される。また、カケ等の損傷はないが、印刷が正常になされずに、印刷制御部100により位置が追跡されている錠剤Tbは、他方のエアー噴射ノズル26bに対向する位置に達すると、そのエアー噴射ノズル26bから噴射されるエアーによって搬送ベルト171から飛ばされて、他方の回収トレイ28bに回収される。
【0034】
表面に文字やマークが正常に印刷された錠剤Tbは、搬送ベルト171の移動に伴って搬送され、吸
気チャンバ175の吸気作用が働かなくなった位置にて搬送ベルト171から第2搬送機構18の搬送ベルト181上に落ちる。このようにして、表面に正常に印刷のなされた錠剤Tbが第1搬送機構17から第2搬送機構18に受け渡される。すなわち、印刷された面が搬送ベルト181側になるように裏返された状態で受け渡される。
【0035】
第2搬送機構18においても、第1搬送機構17の場合と同様に、搬送ベルト181の移動に伴って順次搬送される錠剤Tbの、第2錠剤姿勢センサユニット33(錠剤検出位置Pd)の検出信号の出力タイミングを基点とした第2エンコーダ46の値に基づく位置追跡、傾き姿勢情報及び平面姿勢情報の生成、傾き姿勢情報及び平面姿勢情報に基づいた印刷データの調整、調整後の印刷データに基づく、各錠剤Tbの裏面(第1搬送機構17で印刷された面の反対側の面)に対する第2インクジェットヘッド31(印刷位置Ppに位置する)による文字やマーク等の印刷、第2乾燥ユニット37による錠剤Tbに印刷された文字やマークのインクの乾燥、エアー噴射ノズル36aによる損傷のある錠剤Tbの回収トレイ38aへの回収、及びエアー噴射ノズル36bによる印刷不良の錠剤Tbの回収トレイ38bへの回収について印刷制御部100が制御する。そして、正常に印刷された錠剤Tbは、吸
気チャンバ185の吸気作用が働かなくなった位置にて、収納トレイ40内に落ち収容される。
【0036】
上述した傾き姿勢情報の生成の原理について説明する。
【0037】
第1錠剤姿勢センサユニット23の出力信号は、レーザ光の出射面と錠剤Tb表面との距離によって変化し、距離が短いほど高い値として出力される。例えば、
図5(a:搬送方向から見た図、b:平面図、c:搬送方向に直交する方向から見た図(以下、
図6〜
図9において同じ))は、錠剤Tbが傾くことなく、第1錠剤姿勢センサユニット23(レーザ変位センサ23a、23b)の下方を通過する状態を示している。このとき、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1と左レーザ変位センサ23bの出力信号out2とは、
図5(d)、(e)に示すように、略同じような波形になる。即ち、各出力信号out1、out2は、対応するレーザ変位センサ23a、23bからのレーザスポットが錠剤Tb内に進入するときに立ち上がり、該レーザスポットの走査線上の錠剤Tbの形状に応じてレベル変化しつつ、当該レーザスポットが錠剤Tbから外れるときに立ち下がって、そのレーザスポットによる錠剤Tbの表面の走査時間に対応した幅A1、A2の立ち上がり状態の期間を有する。そして、右レーザ変位センサ23aから錠剤Tbの表面までの距離L1と、左レーザ変位センサ23bから錠剤Tbの表面までの距離L2とは略等しい(L1=L2:
図5(a)参照)ので、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1のレベルと左レーザ変位センサ23bの出力信号out2のレベルとは全体的に略等しい(
図5(d)、(e)参照)。
【0038】
例えば、
図6(a)、(b)、(c)に示すように、錠剤Tbが、搬送方向D左側が持ち上がるように当該進行方向Dに直交する方向に傾いた状態で、第1錠剤姿勢センサユニット23の下方を通過する際には、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1は、
図6(d)に示すような波形となり、左レーザ変位センサ23bの出力信号out2は、
図6(e)に示すような波形となる。即ち、各出力信号out1、out2は、
図5(d)、(e)に示す場合と同様に、対応するレーザ変位センサ23a、23bからのレーザスポットによる錠剤Tbの表面の走査時間に対応した幅A1、A2の立ち上がり状態の期間を有する。そして、右レーザ変位センサ23aから錠剤Tbの表面までの距離L1は、左レーザ変位センサ23bから錠剤Tbの表面までの距離L2より大きい(L1>L2:
図6(a)参照)ので、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1のレベルは、全体的に、左レーザ変位センサ23bの出力out2のレベルより低い(
図6(d)、(e)参照)。
【0039】
例えば、
図7(a)、(b)、(c)に示すように、錠剤Tbが、搬送方向D右側が持ち上がるように当該進行方向Dに直交する方向に傾いた状態で、第1錠剤姿勢センサユニット23の下方を通過する際には、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1は、
図7(d)に示すような波形となり、左レーザ変位センサ23bの出力信号out2は、
図7(e)に示すような波形となる。即ち、各出力信号out1、out2は、
図5(d)、(e)、
図6(d)、(e)のそれぞれに示す場合と同様に、対応するレーザ変位センサ23a、23bからのレーザスポットによる錠剤Tbの表面の走査時間に対応した幅A1、A2の立ち上がり状態の期間を有する。そして、右レーザ変位センサ23aから錠剤Tbの表面までの距離L1は、左レーザ変位センサ23bから錠剤Tbの表面までの距離L2より小さい(L1<L2:
図7(a)参照)ので、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1のレベルは、全体的に、左レーザ変位センサ23bの出力信号out2のレベルより高い(
図7(d)、(e)参照)。
【0040】
例えば、
図8(a)、(b)、(c)に示すように、錠剤Tbが、搬送方向Dの上流側が持ち上がるように当該進行方向Dに傾いた状態で、第1錠剤姿勢センサユニット23の下方を通過する際には、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1は、
図8(d)に示すような波形となり、左レーザ変位センサ23bの出力信号out2は、
図8(
e)に示すような波形となる。即ち、各出力信号out1、out2は、
図5(d)、(e)、
図6(d)、(e)、
図7(d)、(e)のそれぞれに示す場合と同様に、対応するレーザ変位センサ23a、23bからのレーザスポットによる錠剤Tbの表面の走査時間に対応した幅A1、A2の立ち上がり状態の期間を有する。そして、レーザスポットが錠剤Tbに進入したとき(走査開始時)の各レーザ変位センサ23a、23bから錠剤Tbの表面までの距離Luは、レーザスポットが錠剤Tbから外れたとき(走査終了時)の各レーザ変位センサ23a、23bから錠剤Tbの表面までの距離Ldより大きい(Lu>Ld:
図8(c)参照)ので、立ち上がった各出力信号out1、out1のレベルは、傾いた錠剤Tbの表面の形状に応じて徐々に上昇して、最大レベル値となって、立ち下がる(
図8(d)、(e)参照)。
【0041】
例えば、
図9(a)、(b)、(c)に示すように、錠剤Tbが、搬送方向Dの下流側が持ち上がるように当該進行方向Dに傾いた状態で、第1錠剤姿勢センサユニット23の下方を通過する際には、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1は、
図9(d)に示すような波形となり、左レーザ変位センサ23bの出力信号out2は、
図9(e)に示すような波形となる。即ち、各出力信号out1、out2は、
図5(d)、(e)、
図6(d)、(e)、
図7(d)、(e)、
図8(d)、(e)のそれぞれの場合に示す場合と同様に、対応するレーザ変位センサ23a、23bからのレーザスポットによる錠剤Tbの表面の走査時間に対応した幅A1、A2の立ち上がり状態の期間を有する。そして、レーザスポットが錠剤Tbに進入したとき(走査開始時)の各レーザ変位センサ23a、23bから錠剤Tbの表面までの距離Luは、レーザスポットが錠剤Tbから外れたとき(走査終了時)の各レーザ変位センサ23a、23bから錠剤Tbの表面までの距離Ldより小さい(Lu<Ld:
図9(c)参照)ので、立ち上がった各出力信号out1、out2のレベルは、傾いた錠剤Tbの表面の形状に応じて徐々に下降して、最小レベル値となって、立ち下がる(
図9(d)、(e)参照)。
【0042】
上述したように、錠剤Tbが、傾いていない場合(
図5参照)、搬送方向Dと直交する方向に傾いている場合(
図6、
図7参照)及び搬送方向Dに傾いている場合(
図8、
図9参照)のそれぞれで波形の異なる右レーザ変位センサ23a及び左レーザ変位センサ23bからの出力信号out1、out2に基づいて錠剤Tbの傾き姿勢情報が生成される。
【0043】
具体的には、搬送方向Dに直交する方向の傾き成分を表す横傾き姿勢情報は、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1から得られる所定点での値(例えば、立ち上がり点での距離h1u(
図5(d)〜
図9(d)参照))と、左レーザ変位センサ23bの出力信号out2から得られる対応点での値(例えば、立ち上がり点での距離h2u(
図5(e)〜
図9(e)参照))との差(h1u−h2u)を右レーザ変位センサ23aと左レーザ変位センサ23bとの間隔Wで除した値((h1u−h2u)/W)の関数として算出される。
横傾き
姿勢情報=FT((h1u−h2u)/W)
【0044】
例えば、
図5、
図8及び
図9に示すように、錠剤Tbが搬送方向Dに直交する方向に傾いていない場合、h1u=h2uであるので、h1u−h2u=0であって、横傾き姿勢情報はF
T(0)となる。この横傾き姿勢情報F
T(0)は、錠剤Tbが搬送方向Dに直交する方向に傾いていないことを表す。
【0045】
なお、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1と左レーザ変位センサ23bの出力信号out2とにおける対応する所定点として、各出力信号out1、out2の立ち上がり点としたが、これに限定されない、各出力信号out1、out2の立下り点であっても、他の対応する点であってもよい。
【0046】
搬送方向Dの傾き成分を表す縦傾き姿勢情報は、右レーザ変位センサ23aの出力信号out1または左レーザ変位センサ23bの出力信号out2から得られる立ち上がり点での値h1u(h2u)と立下り点に対応する値h1d(h2d)との差(h1u−h1d)を右レーザ変位センサ23aの出力信号out1の立ち上がりから立下りまでの幅A1(A2)で除した値((h1u−h1d)/A1)の関数として算出される。
縦傾き
姿勢情報=FL(h1u−h1d)/A1
【0047】
例えば、
図5、
図6、
図7に示すように、錠剤Tbが搬送方向Dに傾いていない場合、h1u=h1dであるので、h1u−h2u=0であって、縦傾き姿勢情報F
L(0)となる。この縦傾き姿勢情報F
L(0)は、錠剤Tbが搬送方向Dに傾いていないことを表す。
【0048】
上述したようにして右レーザ変位センサ23aの出力信号out1と左レーザ変位センサ23bの出力信号out2とに基づいて得られる傾き姿勢情報(横傾き姿勢情報及び縦傾き姿勢情報)に基づいて、印刷制御部100(印刷データ調整手段)が、前述したように錠剤Tbに所定の印刷がなされるように、印刷データを調整する。
【0049】
ところで、搬送される錠剤Tbは、搬送ベルト171上において、例えば、
図10に示すように、搬送方向Dに対して左右にずれる場合がある。この場合、左方向に大きくずれた錠剤Tbs1は、右レーザ変位センサ23aからのレーザスポットによって走査されず、当該錠剤Tbs1の傾き姿勢情報を得ることができない。また、右方向に大きくずれた
錠剤Tbs2は、左レーザ変位センサ23bからのレーザスポットによって走査されず、当該錠剤Tbs2の傾き姿勢情報を得ることができない(
図10において走査されないことを×印で示した)。
【0050】
このような不具合を解決するために、
図11に示すように、一方のレーザ変位センサ(例えば、左レーザ変位センサ23b)を、搬送される各錠剤Tbの中心位置を通ると見込まれる線CL(通孔176が並ぶ線)に対向するように配置することが好ましい。
【0051】
このように2つのレーザ変位センサ23a、23bを配置することにより、錠剤Tbが大きく左右方向にずれたとしても、少なくとも左レーザ変位センサ23bからのレーザビームが錠剤Tbから外れることは防止できる。例えば、
図12に示すように、左方向に大きくずれた錠剤Tbs1が、右レーザ変位センサ23aからのレーザスポットによって走査されずに、右レーザ変位センサ23aからの出力信号out1のレベルが無くなる場合には、右レーザ変位センサ23aからの出力信号out1は検出されない。しかしながら、右方向にずれた錠剤Tbs2は、左レーザ
変位センサ23bからのレーザスポットによって走査され、出力信号out2が検出される。つまり、搬送される錠剤Tbが左右方向に大きくずれて搬送されてきたとしても、搬送される各錠剤Tbの中心位置を通ると見込まれる線CL(通孔176が並ぶ線)に対向するように左レーザ変位センサ23bを配置することによって、少なくとも右側にずれた場合においては、右レーザ変位センサ23a、左レーザ変位センサ23bの両方から検出信号を得ることができる。よって、錠剤Tbの傾き姿勢情報を生成することができない場合が減り、各錠剤Tbに対して確実に印刷をすることができる確率を上げることができる。
【0052】
上述した例では、第1錠剤姿勢センサユニット23を構成するレーザ変位センサは2つであるとしたが、これに限られない。例えば、右レーザ変位センサ23aと左レーザ変位センサ23bとの間に中央レーザ変位センサ(図示せず)を有するようにしてもよい。
【0053】
上述した例では、第1錠剤姿勢センサユニット23を構成する右レーザ変位センサ23aと左レーザ変位センサ23bとは、搬送方向Dに直交する方向に並ぶように配置されていたがこれに限られない。例えば、
図13に示すように、右レーザ変位センサ23aと左レーザ変位センサ23bとが、搬送方向Dに対して斜め方向に並ぶように配置されるものであってもよい。
【0054】
また、上述した例では、第1錠剤姿勢センサユニット23は、2つのレーザ変位センサ23a、23bで構成されていが、これに限定されない。例えば、
図14Aに示すように、3つのレーザ変位センサ23a、23b、23cを、搬送方向Dを横切るように並べて配置するようにしてもよい。この場合、錠剤Tbの表面のより多くの当該錠剤Tbの傾き姿勢に基づいた信号を得ることができ、これらの3つの信号に基づいて傾き姿勢情報を得ることができるので、より精度の良い傾き姿勢情報を得ることができる。また、上述のように錠剤Tbが左右方向にずれたとしても錠剤Tbの傾き姿勢情報を生成することができない場合が更に減り、各錠剤Tbに対して確実に印刷をすることができるようになる。
【0055】
更に、3つのレーザ変位センサ23a、23b、23cは、
図14Aに示すように、一直線上に配置することに限定されない。例えば、
図14Bに示すように、中央のレーザ変位センサ23cを2つのレーザ変位センサ23a、23
bよりも下流側に配置するようにしてもよい。
【0056】
また、第1錠剤姿勢センサユニット23を構成するレーザ変位センサの数は、前述した2つ及び3つに限定されず、4つ以上であってもよい。更に、搬送方向Dを横切る方向(例えば、搬送方向Dに直交する方向)に、搬送される錠剤Tbの表面を直線状のレーザビームで走査する単一のレーザ変位センサで第1錠剤姿勢センサユニット23を構成することも可能である。
【0057】
なお、上述した例では、搬送ベルト171(181)に錠剤Tbが2列になって供給されている(
図3参照)が、これに限らない。搬送ベルト171(181)に錠剤Tbが、1列や3列以上で供給されるようにしてもよい。更に、搬送ベルトを並列に複数配列し、各搬送ベルトに錠剤Tbを1列にて供給するようにしてもよい。特に、複数列で錠剤Tbを搬送する場合、インクジェットヘッド21(31)、カメラ24、25(34、35)、乾燥ユニット27(37)、回収機構(28a、28b、40、38a、38b)は、それら複数の列の錠剤Tbに対して共用させるようにすることもできる。
【0058】
前述した例では、錠剤Tbの傾き姿勢を検出するために複数のレーザ変位センサ(23a、23b、23c)を用いたが、これに限定されない。前記錠剤Tbの傾き姿勢を検出するために、カメラを用いることができる。この場合、第1錠剤姿勢センサユニット23に代えて別個のカメラを用いるようにしても、また、錠剤Tbの平面姿勢を検出するために用いられる第1姿勢確認カメラ24を、錠剤Tbの傾き姿勢を検出するためにも用いるようにしてもよい。
【0059】
搬送ベルト171により搬送される錠剤Tbの上方に設置されたカメラにて当該錠剤Tbを撮影し、その撮影画像に基づいて前記錠剤Tbの傾き姿勢を表す傾き姿勢情報を生成することができる。例えば、撮影により得られた錠剤Tbの平面画像の各部位の焦点のずれ量を濃淡情報から算出し、その焦点のずれ量に基づいて、錠剤Tbの傾き姿勢を表す傾き姿勢情報を生成することができる。また、例えば、錠剤Tbの傾き度合に応じて平面形状が異なることを利用して、撮影により得られた錠剤Tbの平面画像の形状と、傾きの無い状態の錠剤Tbの平面形状(基準平面形状)との比較結果に基づいて、錠剤Tbの傾き姿勢を表す傾き姿勢情報を生成することができる。また、傾きによって錠剤Tbのカメラに近い部分と遠い部分での反射光の強度が異なることを利用して、撮影により得られた錠剤Tbの平面画像の濃淡分布に基づいて錠剤の傾き姿勢を表す傾き姿勢情報を生成することができる。更に、錠剤Tbの上方から撮影するカメラと、錠剤Tbの側方から撮影するカメラと、を用い、それら2つのカメラの撮影により得られた錠剤Tbの平面画像と側面画像とから、錠剤Tbの傾き姿勢を表す傾き姿勢情報を生成することができる。
【0060】
更に、複数のCCD素子がライン状に配列されたラインセンサを用いて錠剤Tbの傾き姿勢を検出することができる。例えば、ラインセンサを搬送ベルト171の上方所定位置に錠剤Tbの搬送方向Dを横切る方向(例えば、搬送方向Dに直交する方向)に延びるように設置し、搬送される錠剤Tbを副走査(CCD素子の並び方向の走査)及び主走査(搬送方向Dと逆方向の走査)することによって、平面画像を得ることができる。そして、上述したカメラの場合と同様に、前記平面画像から錠剤Tbの傾き姿勢を検出、即ち、傾き姿勢情報を生成することができる。
【0061】
また、前述した例では、第1姿勢確認カメラ24によって錠剤Tbの損傷を検出するとともに、錠剤Tbの姿勢を確認しているが、これに限られない。例えば、右レーザ変位センサ23aおよび左レーザ変位センサ23bにおいて、錠剤Tbの位置を検出するようにし、第1姿勢確認カメラ24を省略することもできる。左レーザ変位センサ23bを、
図11に示すように配置した場合、左レーザ変位センサ23bの出力out2の立ち下りが、基準の姿勢で錠剤Tbが搬送されている場合と比べて速く現れた場合、搬送されている錠剤Tbは搬送方向と直交する方向にずれた状態であることが分かる。右レーザ変位センサ23aの出力out1の値
との組み合わせと、錠剤Tbが存在する位置の関係を予め印刷制御部100に記憶させておき、実際の出力値と比較することによって、錠剤Tbの位置を検出することができる。
【0062】
また、第1錠剤姿勢センサユニット23によって位置を検出する場合において、さらに、実施形態において述べた錠剤印刷装置の前の工程に錠剤検査装置を配置し、予め錠剤Tbの損傷を検査するようにした場合には、印刷前の損傷の検査を省略することができるため、第1姿勢確認カメラ24を省略することができる。
【0063】
なお、本発明に基づく簡易的な錠剤印刷装置を、例えば薬局に設置するようにしても良い。この場合、錠剤印刷装置には、薬剤師が、処方箋に記載された内容に基づいて錠剤Tbへの印刷情報(印刷データ)を入力できる印刷情報入力部が設けられるようにするとよい。この印刷情報入力部に入力される情報としては、錠剤Tbを服用する患者名、年齢、1回に服用する錠剤数、服用する時間帯(朝、昼、就寝前など)、印刷色などが考えられる。錠剤印刷装置は、これらの入力情報に基づいて錠剤Tbに印刷を施す。
図15は、このようにして、患者名、年齢、服用する時間帯等の文字・記号列CSが印刷された錠剤Tbのサンプルを示す。
【0064】
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。