(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光学式センサにより得られた光強度信号を用いて、少なくとも脈波情報、脱酸素化ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度の和の情報であるヘモグロビン濃度情報及び加速度脈波情報を含む生体情報を生成する生体情報生成部と、
前記生体情報生成部から前記生体情報を受け付けて、少なくとも脈波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形を同一画面上に同時に同期させて表示させる表示制御部とを備え、
前記表示制御部が、前記画面上のグラフ表示領域において、上下方向に沿って上から順に、ヘモグロビン濃度波形を示すグラフ、脈波波形を示すグラフ、及び、加速度脈波波形を示すグラフを並べて表示させる生体情報表示装置。
前記表示制御部が、前記脈波波形を示すグラフ、前記ヘモグロビン濃度波形を示すグラフ及び前記加速度脈波波形を示すグラフを上下方向又は左右方向の所定方向に一覧表示し、当該一覧表示した各グラフの時間軸の表示範囲が同じである、請求項1又は2記載の生体情報表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本願発明者は、酸素飽和度(SpO
2)とその他の生体情報を関連付けて表示するのではなく、ヘモグロビン濃度に着目し、当該ヘモグロビン濃度と、脈波及び加速度脈波とを関連付けて表示することによって、ヘモグロビン濃度と、脈波及び加速度脈波との関係から、健康管理を行うことを考えている。
【0007】
そこで本発明は、ヘモグロビン濃度と脈波及び加速度脈波とを関連付けて表示することによって、ヘモグロビン濃度と脈波及び加速度脈波との関係から、適切な健康管理を行うことができる生体情報表示装置を提供することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る生体情報表示装置は、光学式センサにより得られた光強度信号を用いて、少なくとも脈波情報、ヘモグロビン濃度情報及び加速度脈波情報を含む生体情報を生成する生体情報生成部と、前記生体情報生成部から前記生体情報を受け付けて、少なくとも脈波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形を同一画面上に同時に同期させて表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、少なくとも脈波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形を同一画面上に同期させて表示しているので、ヘモグロビン濃度と脈波及び加速度脈波との相互の関係から、適切な健康管理を行うことができる。
ここで、従来のように基本的に各種測定結果を数値で表示するものでは、各種測定結果の関連性が分かり難く、被験者(使用者)の疾患又はその疾患の原因を把握又は予測し難い。一方で、本発明は、少なくとも脈波、ヘモグロビン濃度及び加速度脈波をそれぞれ波形で表示しているので、脈波、ヘモグロビン濃度及び加速度の変化態様を見比べることで、被験者(使用者)の疾患又はその疾患の原因を把握又は予測いし易くすることができる。
具体的には、不整脈を診断する場合には、脈波(脈拍)だけでは把握が難しいが、当該脈拍とともに、加速度脈波を用いることで把握することができる。
また、生理的変動に伴って変化する、ヘモグロビン濃度、脈波及び加速度脈波の関係から、被験者の健康診断を行うことができる。例えば、ヘモグロビン濃度が高い場合には、脱水症状等の疾患が疑われ、このときの脈波及び加速度脈波を見ることで、脱水症状等であるか否かをより確実に判断することができる。また、ヘモグロビン濃度が低い場合には、真正多血省や貧血等の疾患が疑われ、このときの脈波及び加速度脈波を見ることで、貧血等であるか否かをより確実に判断することができる。
その他、前記生体情報が、血中酸素濃度(SpO
2)情報をさらに含み、前記表示制御部が、前記脈波波形、前記ヘモグロビン濃度波形及び前記加速度脈波波形とともに、SpO
2波形を表示するものであれば、組織の生死判定を行うこともできる。
【0010】
生体情報表示装置の使い勝手をより良くするためには、前記生体情報が、推定血圧をさらに含み、前記表示制御部が、前記脈波波形、前記ヘモグロビン濃度波形及び前記加速度脈波波形とともに、前記推定血圧を表示するものであることが望ましい。
【0011】
前記表示制御部が、前記脈波波形を示すグラフ、前記ヘモグロビン濃度波形を示すグラフ及び前記加速度脈波波形を示すグラフを上下方向又は左右方向の所定方向に一覧表示し、当該一覧表示した各グラフの時間軸の表示範囲が同じであることが望ましい。
これならば、脳波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形の時間的な対応関係を一見して認識することができ、生体情報表示装置の使い勝手をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
このような構成の本発明によれば、少なくとも脈波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形を同一画面上に同時に同期させて表示するので、ヘモグロビン濃度と脈波及び加速度脈波との相互の関係から、適切な健康管理を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の生体情報表示装置を用いた生体情報計測システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
本実施形態の生体情報計測システム100は、被験者(使用者)の生体情報を非侵襲且つ連続的に計測するものであり、使用者の手首の血管を流れる血液から少なくとも脈拍及び血中酸素濃度を取得する手首装着型パルスオキシメータである。
【0016】
具体的にこの生体情報計測システム100は、
図1に示すように、使用者の手首に装着される計測ユニット2と、当該計測ユニット2により得られたデータを演算処理して生体情報を生成する情報処理ユニット3とを備えている。
【0017】
まず、計測ユニット2について詳述する。
計測ユニット2は、手首の動脈を通る血液に検査光を照射するとともに、当該血液により反射して手首の生体組織を透過して外部に出た反射光を検出するものである。
【0018】
具体的に計測ユニット2は、
図1及び
図2に示すように、手首に巻回されて装着される巻回タイプのものであり、前記検査光を手首に照射するとともに前記反射光を検出する光学センサ部21と、当該光学センサ部21が取り付けられ、手首に巻回される装着ベルト22とを備えている。なお、装着ベルト22は、手首に装着できる構成であれば良く、例えば面ファスナーやバックル等を有するものが考えられる。
【0019】
光学センサ部21は、特に
図2に示すように、互いに波長の異なる赤外光を検査光として手首に照射する発光部211と、手首の生体組織を透過して外部に出た赤外光を受光する受光素子212aを有する受光部212と、発光部211及び受光部212を支持する計測基板213とを備えている。
【0020】
発光部211は、第1波長の赤外光を射出する第1発光素子211a及び第1波長よりも波長の長い第2波長の赤外光を射出する第2発光素子211bを有する。
【0021】
第1発光素子211a及び第2発光素子211bはともにLEDから構成されており、例えば表面実装型LEDであり、集光レンズが一体に形成されたレンズ付きのものであっても良い。
【0022】
そして、本実施形態の第1発光素子211aの第1波長及び第2発光素子211bの第2波長は、次のように設定されている。
つまり、
図3に示すように、第1波長における脱酸素化ヘモグロビン及び酸素化ヘモグロビンの吸収係数(脱酸素化ヘモグロビンの吸収係数(モル分子吸光係数)と酸素化ヘモグロビンの吸収係数(モル分子吸光係数)との和)と、第2波長における脱酸素化ヘモグロビン及び酸素化ヘモグロビンの吸収係数とが実質的に同一となるように設定されている。より具体的には、第1波長は、脱酸素化ヘモグロビンの吸収係数と酸素化ヘモグロビンの吸収係数が同一となる等吸収点の波長(約805nm)よりも短い波長であり、第2波長は、前記等吸収点の波長(約805nm)よりも長い波長である。具体的に本実施形態では、第1波長は760nmであり、第2波長は850nmである。
【0023】
このように、第1波長における脱酸素化ヘモグロビン及び酸素化ヘモグロビンの吸収係数と第2波長における脱酸素化ヘモグロビン及び酸素化ヘモグロビンの吸収係数とが実質的に同一となるように、第1波長及び第2波長が設定されているので、後述する情報処理ユニット3における信号処理、具体的には、信号処理回路32における増幅率を、第1波長及び第2波長の区別無く同一にすることができ、信号処理を簡易にすることができる。
また、単一の増幅回路により同一の増幅率で信号を増幅することにより、第1波長の信号(電圧信号)と第2波長の信号(電圧信号)とで、増幅により生じるノイズを同じにすることができる。これにより、後述するヘモグロビン濃度等の測定精度を向上させることができる。
さらに、手首装着型の計測ユニット2において、従来のように640nm(赤色光)及び940nm(赤外光)を用いたものでは、動脈まで光が届きにくくS/N比が悪くなってしまうが、本実施形態では第1波長及び第2波長を赤外波長領域から選択しているので、動脈まで光を届かせることができ、S/N比を良くすることができる。つまり、各発光素子211a、211bの波長を赤外波長領域から選択することで、手首装着型の計測ユニット2に好適に用いることができる。
【0024】
受光部212は、第1波長の赤外光及び第2波長の赤外光に対して検出感度を有する受光素子212aを有しており、本実施形態では、第1波長(760nm)及び第2波長(850nm)を含む感度波長範囲を有するセラミックパッケージフォトダイオードである。セラミックパッケージフォトダイオードを用いることで、パッケージの側面等からの迷光入射が防ぎ、高精度に赤外光を測定することができる。
なお、受光部212は、第1波長の赤外光を検出する第1受光素子及び第2波長の赤外光を検出する第2受光素子を有するものであっても良い。
【0025】
計測基板213は、前記第1発光素子211a、第2発光素子211b及び受光素子212aが固定されるとともに発光素子211a、211bに給電するための配線及び受光素子212aにより生じた逆電流を検出するための配線が施されている。また、本実施形態の計測基板213には、受光素子212aにより生じた逆電流を電圧に変換するための電流−電圧変換回路214(
図4参照)が搭載されている。なお、本実施形態の計測基板213は、平板状をなすものである。なお、第1発光素子211a及び第2発光素子211bへの給電の制御及び受光素子212aにより得られた電圧信号の演算処理は、後述する情報処理ユニット3により行われる。
【0026】
この光学センサ部21において、
図2に示すように、第1発光素子211a及び第2発光素子211bと受光素子212aとの高さ位置が、所定の基準面に対して互いに異なるように構成されている。
【0027】
具体的には、受光素子212aの受光面(不図示)の高さ位置が、計測基板213の取り付け面213xに対して、第1発光素子211a及び第2発光素子211bの発光面(不図示)の高さ位置よりも高くなるように固定されている。つまり、受光素子212aの受光面が、計測基板213の取り付け面213xに対して、第1発光素子211a及び第2発光素子211bの発光面よりも前方に位置している。これにより、計測ユニット2を手首に装着した状態において、受光素子212aが手首側に位置することになる。これにより、第1発光素子211a及び第2発光素子211bからの直接光が受光素子212aに直接受光されることを一層防ぐことができる。
【0028】
また、本実施形態の計測ユニット2は、計測基板213と手首との間に設けられ、光学センサ部21の手首に対する接触圧を調整するクッション部材23を備えている。
【0029】
クッション部材23は、光学センサ部21が手首に与える接触圧を分散及び均一化するものであり、スポンジ状をなすゴムから形成されており、発光部211を構成する第1発光素子211a及び第2発光素子211bと、受光部212を構成する受光素子212aの周囲を取り囲むように構成されている。具体的にクッション部材23は、計測基板213の取り付け面213xに固定されており、第1発光素子211aが内部に配置される第1収容孔部231と、第2発光素子211bが内部に配置される第2収容孔部232と、受光素子212aが内部に配置される受光用収容孔部233とが形成されている。
【0030】
このように構成したクッション部材23において、第1収容孔部231と受光用収容孔部233との間の部分234が第1発光素子211aと受光素子212aとの間を仕切る仕切壁部となり、第2収容孔部232と受光用収容孔部233との間の部分235が第2発光素子211bと受光素子212aとの間を仕切る仕切壁部となる。これにより、第1発光素子211a及び第2発光素子211bからの直接光が受光素子212aに直接受光されることを一層防ぐことができる。
【0031】
次に、情報処理ユニット3について詳述する。
情報処理ユニット3は、計測ユニット2の発光部211を制御するとともに、受光部212により得られた電圧信号を処理して、生体情報を生成するものである。
【0032】
具体的に情報処理ユニット3は、
図4に示すように、第1発光素子211a及び第2発光素子211bを交互点灯させるためのLED制御回路部31と、電流−電圧変換回路214から出力される電圧信号を増幅して波長毎の電圧信号に分離する信号処理回路部32と、信号処理回路部32により得られた各波長の電圧信号から生体情報を生成する演算処理部33とを有している。なお、本実施形態では、LED制御回路部31及び信号処理回路部32は、単一のメイン基板300上に搭載されている。
【0033】
LED制御回路部31は、所定の周期で第1発光素子211a及び第2発光素子211bを交互点灯させるものであり、例えば、タイマーICとシュミットトリガーとを用いて構成されている。なお、LED制御回路部31は、計測基板213(発光部211)と電気ケーブルにより接続されている。
【0034】
信号処理回路部32は、電流−電圧変換回路214から出力される電圧信号(アナログ信号)を増幅するオペアンプを用いた増幅回路と、増幅された電圧信号を各発光素子の発光タイミングに同期させて、第1発光素子211aが発光した際に得られた電圧信号と第2発光素子211bが発光した際に得られた電圧信号とに分離するものである。なお、信号処理回路部32は、計測基板213(電流−電圧変換回路214)と電気ケーブルにより接続されているとともに、演算処理部33と電気ケーブルにより接続されている。
【0035】
演算処理部33は、信号処理回路部32により得られた各波長の電圧信号を取得してデジタル信号に変換するとともに、当該デジタル信号を演算処理することにより、生体情報を生成する。なお、演算処理部33は、CPU、メモリ、AD変換器、入出力インターフェイス、キーボードやマウス等の入力手段及びディスプレイを有する専用乃至汎用のコンピュータである。なお、入力手段及びディスプレイが一体とされたタッチパネルディスプレイであっても良い。
【0036】
そして、この演算処理部33は、前記メモリに格納された各種プログラムをCPUによって実行することにより、
図5に示すように、信号受付部33a、生体情報生成部33b、表示制御部33c、ユーザ入力受付部33d等の機能を発揮するものである。
【0037】
信号受付部33aは、信号処理回路部32により得られた各波長の電圧信号を取得してデジタル信号に変換して、光強度信号を生成するものである。
【0038】
生体情報生成部33bは、信号受付部33aにより得られた光強度信号を取得して、当該光強度信号を用いて各種生体情報を生成するものである。
【0039】
具体的に生体情報生成部33bは、第1波長の光強度信号又は第2波長の光強度信号を用いて脈波情報又は脈拍情報を生成し、前記脈波情報を2回微分することにより、加速度脈波情報を生成する。
また、生体情報生成部33bは、第1波長の光強度信号から、第1波長の赤外光を照射した場合の第1吸収係数を算出するとともに、第2波長の光強度信号から、第2波長の赤外光を照射した場合の第2吸収係数を算出して、これら第1吸収係数及び第2吸収係数を用いて、血液中のヘモグロビン濃度(脱酸素化ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度の和)を算出して、ヘモグロビン濃度情報を生成する。
さらに、生体情報生成部33bは、第1吸収係数及び第2吸収係数を用いて血中酸素濃度(SpO
2)を算出し、血中酸素濃度情報を生成する。
【0040】
表示制御部33cは、前記生体情報生成部33bにより得られた各種生体情報をディスプレイ上に表示するものである。
【0041】
具体的に表示制御部33cは、
図6に示すように、ディスプレイの画面上に、機器制御設定領域W1、計算用パラメータ設定領域W2、グラフ用パラメータ設定領域W3、ピーク計算領域W4及びグラフ表示領域W5を表示するものである。
【0042】
本実施形態では、機器制御設定領域W1、計算用パラメータ設定領域W2、グラフ用パラメータ設定領域W3及びピーク計算領域W4を画面の左領域に上下方向に一覧表示し、画面の右側にグラフ表示領域W5を表示した場合を示しているが、各領域W1〜W5の配置態様は、これに限られない。
【0043】
機器制御設定領域W1は、点灯させる発光素子(CN1〜CN4のチェックボックス)の選択、及び選択した発光素子の光量調整(Range(±5V))の設定、交互点灯の周期(Clock Interval=1000)の設定、及び、測定開始(Startボタン)、測定終了(Stopボタン)、及び、測定データ記録(Saveボタン)を行うためのものである。なお、これらの設定は、使用者が入力手段を用いて行い、当該入力手段による入力信号は、ユーザ入力受付部33dにより受け付けられる。
【0044】
計算用パラメータ設定領域W2は、酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度及び全ヘモグロビン濃度を計算するためのパラメータの設定、血中酸素濃度(SpO
2)を計算するためのパラメータの設定、加速度脈波を計算するためのパラメータの設定などを行うためのものである。なお、これらの設定は、使用者が入力手段を用いて行い、当該入力手段による入力信号は、ユーザ入力受付部33dにより受け付けられる。
【0045】
グラフ用パラメータ設定領域W3は、グラフの描画間隔及び表示範囲の設定、各グラフの縦軸の最大値及び最小値の設定を行うためのものである。また、ピーク計算領域W4は、脈、酸素度、脈間隔、吸収率などのピーク値を表示する領域である。なお、これらの設定は、使用者が入力手段を用いて行い、当該入力手段による入力信号は、ユーザ入力受付部33dにより受け付けられる。
【0046】
そして、グラフ表示領域W5には、脈波波形、ヘモグロビン濃度波形、加速度脈波波形及びSpO
2波形が表示される。具体的には、グラフ表示領域W5において、上下方向に沿って、脈波波形を示すグラフG1、ヘモグロビン濃度波形を示すグラフG2、加速度脈波波形を示すグラフG3及びSpO
2波形を示すグラフG4が一覧表示される。本実施形態では、上から順に、ヘモグロビン濃度波形を示すグラフG2、SpO
2波形を示すグラフG4、脈波波形を示すグラフG1、及び、加速度脈波波形を示すグラフG3が並べて表示されている。
【0047】
そして、各グラフG1〜G4の時間軸は、横軸に設定されており、各グラフG1〜G4の時間軸の表示範囲が同じになるように表示されている。なお、この横軸の表示範囲及び時間間隔は、グラフ用パラメータ設定領域W3の表示範囲の入力欄及び描画間隔の入力欄に任意の数値を入力することによって変更可能である。本実施形態では、グラフ用パラメータ設定領域W3の表示範囲及び描画間隔によりそれらを設定することによって、全てのグラフG1〜G4の時間軸を一括して変更可能に構成している。また、各グラフG1〜G4の縦軸の最大値及び最小値もグラフ用パラメータ設定領域W3の各グラフG1〜G4に対応する入力欄に任意の数値を入力することによってグラフG1〜G4毎に変更可能である。
【0048】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る生体情報計測システム100によれば、少なくとも脈波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形を同一画面上に同期させて表示しているので、ヘモグロビン濃度と脈波及び加速度脈波との相互の関係から、適切な健康管理を行うことができる。例えば、生理的変動に伴うヘモグロビン濃度と脈波及び加速度脈波との関係から、被験者の健康診断を行うことができる。
また、脈波波形を示すグラフ、ヘモグロビン濃度波形を示すグラフ及び加速度脈波波形を示すグラフを上下方向に一覧表示し、当該一覧表示した各グラフの時間軸の表示範囲が同じであるので、脳波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形の時間的な対応関係を一見して認識することができ、生体情報表示装置の使い勝手をより一層向上させることができる。
【0049】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0050】
例えば、生体情報生成部は、前記加速度脈波から推定血圧を算出し、推定血圧情報を生成するものであり、表示制御部が、各種波形に加えて推定血圧を表示するように攻勢しても良い。
【0051】
また、前記実施形態では、脈波波形、ヘモグロビン濃度波形及び加速度脈波波形の他にSpO
2波形を同時に表示するものであったが、SpO
2波形を表示しないように構成しても良い。また、波形の一覧表示の配置順を変更可能に構成しても良い。
【0052】
さらに、前記実施形態は、巻回タイプの計測ユニットについて説明したが、手首を手のひら側及び手の甲側から挟むクリップタイプの計測ユニットであっても良い。
【0053】
その上、前記実施形態では、受光素子の受光面の高さ位置が発光素子の発光面の高さ位置よりも高くなるように構成されているが、逆の関係であっても良い。
【0054】
加えて、前記実施形態では、手首装着型パルスオキシメータであったが、指又は耳等のその他の生体部分に装着されるものであっても良いし、パルスオキシメータ以外の生体情報計測システムに適用することもできる。
【0055】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。