特許第6530921号(P6530921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6530921
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】仮撚加工機及び巻取装置ユニット
(51)【国際特許分類】
   D02G 1/04 20060101AFI20190531BHJP
【FI】
   D02G1/04 Z
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-19929(P2015-19929)
(22)【出願日】2015年2月4日
(65)【公開番号】特開2016-141912(P2016-141912A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】502455511
【氏名又は名称】TMTマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 欣三
【審査官】 岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−077217(JP,A)
【文献】 実開平06−020480(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D02G 1/00−3/48
D02J 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機であって、
前記巻取部は、
前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置された巻取装置ユニットを備え、
前記巻取装置ユニットは、
前記ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、
前記複数の巻取装置を支持するための支持フレームと、を有し、
前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ
前記支持フレームのうち下側の部分を形成する下側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に3段に設けられた下側部分ユニットと、
前記支持フレームのうち、前記下側フレームよりも上側の部分を形成する上側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に2段又は3段に設けられた上側部分ユニットと、に分割可能に構成され、
前記下側部分ユニット及び前記上側部分ユニットの高さが2200mmよりも低く、且つ、前記下側部分ユニットの高さと前記上側部分ユニットの高さとの合計が2200mmよりも高いことを特徴とする仮撚加工機。
【請求項2】
糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機であって、
前記巻取部は、
前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置された巻取装置ユニットを備え、
前記巻取装置ユニットは、
前記ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、
前記複数の巻取装置を支持するための支持フレームと、を有し、
前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ
前記支持フレームのうちの一部分を形成するフレーム部分に、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が鉛直方向に3段以下に設けられた、複数の部分ユニットに分割可能に構成され、
前記複数の部分ユニットの高さが、それぞれ、2200mmよりも低く、且つ、前記複数の部分ユニットの高さの合計が2200mmよりも高いことを特徴とする仮撚加工機。
【請求項3】
前記支持フレームは、
前記機台長手方向に対向して配置された一対の対向部材と、
前記一対の対向部材の間において前記機台長手方向に延び、前記機台長手方向の両端部が前記一対の対向部材に固定された梁部材と、を備え、
前記梁部材は、鉛直方向に5段以上に設けられ、
各梁部材に、前記機台長手方向に配列された4つの前記巻取装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮撚加工機。
【請求項4】
前記一対の対向部材は、
前記機台長手方向と直交する方向を面方向とする板状の部材であり、
前記機台長手方向及び前記鉛直方向の両方と直交する機台幅方向における端部が前記機台長手方向に折り曲げられていることを特徴とする請求項に記載の仮撚加工機。
【請求項5】
前記仮撚部が、
糸を加熱する加熱装置と、
前記仮撚部における糸道の前記加熱装置よりも下流側に、前記機台長手方向及び前記鉛直方向の両方と直交する機台幅方向において前記加熱装置と並んで配置され、糸を冷却する冷却装置と、
前記仮撚部における糸道の、前記冷却装置よりも下流側に配置され、糸に仮撚加工を施す加撚装置と、を備え、
前記加熱装置は、
前記巻取装置ユニットの上方に配置され、且つ、前記機台幅方向における前記冷却装置と反対側の端部において前記巻取装置ユニットと鉛直方向に重なっており、
前記機台幅方向において前記冷却装置から離れるほど上側に位置するように、前記機台幅方向に対して傾いていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の仮撚加工機。
【請求項6】
前記仮撚部は、
糸を加熱する加熱装置と、
前記仮撚部における糸道の、前記加熱装置よりも下流側に配置され、糸を冷却する冷却装置と、
前記仮撚部における糸道の、前記冷却装置よりも下流側に配置され、糸に仮撚加工を施す加撚装置と、
前記仮撚部における糸道の、前記加熱装置よりも上流側に配置され、前記給糸部からの糸を前記加熱装置に向けて送る一次フィードローラと、
前記仮撚部における糸道の、前記加撚装置よりも下流側に配置され、前記加撚装置によって仮撚加工が施された糸を糸道の下流側に送る二次フィードローラと、を備え、
前記加撚装置は、前記二次フィードローラよりも上側に配置され、
前記一次フィードローラは、前記加撚装置と同じ高さに配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の仮撚加工機。
【請求項7】
糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機において、前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置される、前記巻取部を構成するための巻取装置ユニットであって、
ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、
前記複数の巻取装置を支持する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ
前記支持フレームのうち下側の部分を形成する下側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に3段に設けられた下側部分ユニットと、
前記支持フレームのうち、前記下側フレームよりも上側の部分を形成する上側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に2段又は3段に設けられた上側部分ユニットと、に分割可能に構成され、
前記下側部分ユニット及び前記上側部分ユニットの高さが2200mmよりも低く、且つ、前記下側部分ユニットの高さと前記上側部分ユニットの高さとの合計が2200mmよりも高いことを特徴とする巻取装置ユニット。
【請求項8】
糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機において、前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置される、前記巻取部を構成するための巻取装置ユニットであって、
ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、
前記複数の巻取装置を支持する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ
前記支持フレームのうちの一部分を形成するフレーム部分に、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が鉛直方向に3段以下に設けられた、複数の部分ユニットに分割可能に構成され、
前記複数の部分ユニットの高さが、それぞれ、2200mmよりも低く、且つ、前記複数の部分ユニットの高さの合計が2200mmよりも高いことを特徴とする巻取装置ユニット。
【請求項9】
前記支持フレームは、
前記機台長手方向に対向して配置された一対の対向部材と、
前記一対の対向部材の間において前記機台長手方向に延び、前記機台長手方向の両端部が前記一対の対向部材に固定された梁部材と、を備え、
前記梁部材は、鉛直方向に5段以上に設けられ、
各梁部材に、前記機台長手方向に配列された4つの前記巻取装置が取り付けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の巻取装置ユニット。
【請求項10】
前記一対の対向部材は、
前記機台長手方向と直交する方向を面方向とする板状の部材であり、
前記機台長手方向及び前記鉛直方向の両方と直交する機台幅方向における端部が前記機台長手方向に折り曲げられていることを特徴とする請求項に記載の巻取装置ユニット。
【請求項11】
前記機台長手方向の長さが2250[mm]よりも短く、且つ、前記機台長手方向の長さを1.25倍した長さが2250[mm]よりも長いことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の巻取装置ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸を仮撚加工する仮撚加工機、及び、仮撚加工機を構成する巻取装置ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給糸ボビンから供給された複数の糸に仮撚加工を施し、加工後の糸を巻取装置において巻き取ってパッケージを形成する仮撚加工機が記載されている。特許文献1に記載の仮撚加工機では、巻取装置が鉛直方向に4段に設けられ、1スパン当たり、1段に4つの巻取装置が並べて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-97369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年、生産性向上のため、短時間でより多くのパッケージの形成を行うことが望まれている。そして、そのために、仮撚加工機における巻取装置などの数を増やすことが考えられる。しかしながら、特許文献1において、各段に並べる巻取装置の数5つ以上とすると、後述するように種々の問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、各段に配列する巻取装置の数を維持したまま、巻取装置の数を増やすことが可能な仮撚加工機及び巻取装置ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る仮撚加工機は、糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機であって、前記巻取部は、前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置された巻取装置ユニットを備え、前記巻取装置ユニットは、前記ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、前記複数の巻取装置を支持するための支持フレームと、を有し、前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ、前記支持フレームのうち下側の部分を形成する下側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に3段に設けられた下側部分ユニットと、前記支持フレームのうち、前記下側フレームよりも上側の部分を形成する上側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に2段又は3段に設けられた上側部分ユニットと、に分割可能に構成され、前記下側部分ユニット及び前記上側部分ユニットの高さが2200mmよりも低く、且つ、前記下側部分ユニットの高さと前記上側部分ユニットの高さとの合計が2200mmよりも高い
第2の発明に係る仮撚加工機は、糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機であって、前記巻取部は、前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置された巻取装置ユニットを備え、前記巻取装置ユニットは、前記ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、前記複数の巻取装置を支持するための支持フレームと、を有し、前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ、前記支持フレームのうちの一部分を形成するフレーム部分に、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が鉛直方向に3段以下に設けられた、複数の部分ユニットに分割可能に構成され、前記複数の部分ユニットの高さが、それぞれ、2200mmよりも低く、且つ、前記複数の部分ユニットの高さの合計が2200mmよりも高い
【0007】
機台長手方向に5列以上に配列された巻取装置を鉛直方向に4段に設けても、本発明と同じ数の巻取装置を1つの巻取装置ユニットに設けることができる。しかしながら、この場合には、本発明の場合と比較して、各巻取装置ユニットが機台長手方向に長くなる。そのため、機台長手方向に配列された複数の巻取装置ユニットを備えた仮撚加工機の機台長手方向への大型化が顕著なものとなってしまう。
【0008】
本発明では、機台長手方向に4列に配列された巻取装置を鉛直方向に5段以上に設けているため、上記の場合と比較して、仮撚加工機の機台長手方向への大型化を抑えることができる。また、本発明では、巻取装置を鉛直方向に4段に設ける場合と比較して、巻取装置ユニットの高さが高く(鉛直方向の寸法が大きく)なり、仮撚加工機が鉛直方向に大型化する。しかしながら、仮撚加工機の鉛直方向への大型化の程度は、機台長手方向に配列される巻取装置ユニットの台数によって変わることはない。すなわち、複数の巻取装置ユニットを備えた仮撚加工機の鉛直方向への大型化が顕著なものとなることがない。
【0009】
の発明に係る仮撚加工機は、第1又は第2の発明に係る仮撚加工機において、前記支持フレームは、前記機台長手方向に対向して配置された一対の対向部材と、前記一対の対向部材の間において前記機台長手方向に延び、前記機台長手方向の両端部が前記一対の対向部材に固定された梁部材と、を備え、前記梁部材は、鉛直方向に5段以上に設けられ、各梁部材に、前記機台長手方向に配列された4つの前記巻取装置が取り付けられている。
【0010】
本発明とは異なり、各梁部材に機台長手方向に配列された5以上の巻取装置が取り付けられるとすると、本発明の場合よりも、巻取装置が取り付けられた梁部材が機台長手方向に長尺になり、巻取装置から梁部材に加えられる荷重も大きくなる。そのため、この場合には、梁部材の機台長手方向に沿った撓みを抑えるために、梁部材を太くするなどして梁部材の剛性を高める必要がある。
【0011】
本発明では、梁部材に機台長手方向に配列された4つの巻取装置が取り付けられている。したがって、上記の場合よりも、梁部材の機台長手方向の長さが短く、梁部材当りの巻取装置の数が少ないために巻取装置から梁部材に加えられる荷重も小さい。また、上記の場合と比較して、巻取装置ユニットにおける梁部材の数が多い。これらのことから、個々の梁部材の剛性を高くしなくても、巻取装置が取り付けられた梁部材の撓みが増大することがない。また、梁部材の機台長手方向の長さが短いため、梁部材が対向部材を撓ませようとするモーメントは、上記の場合よりも小さい。したがって、巻取装置ユニットにおける巻取装置の数が増加しても、対向部材は鉛直方向に対して撓みにくい。
【0012】
の発明に係る仮撚加工機は、第の発明に係る仮撚加工機において、前記一対の対向部材は、前記機台長手方向と直交する方向を面方向とする板状の部材であり、前記機台長手方向及び前記鉛直方向の両方と直交する機台幅方向における端部が前記機台長手方向に折り曲げられている。
【0013】
本発明によると、対向部材の機台幅方向における端部を機台長手方向に折り曲げることにより、対向部材の曲げ剛性を高めることができ、梁部材の支持部の撓みを抑えることができるため、梁部材の撓みを小さく抑えることができる。
【0014】
の発明に係る仮撚加工機は、第1〜第のいずれかの発明に係る仮撚加工機において、前記仮撚部が、糸を加熱する加熱装置と、前記仮撚部における糸道の前記加熱装置よりも下流側に、前記機台長手方向及び前記鉛直方向の両方と直交する機台幅方向において前記加熱装置と並んで配置され、糸を冷却する冷却装置と、前記仮撚部における糸道の、前記冷却装置よりも下流側に配置され、糸に仮撚加工を施す加撚装置と、を備え、前記加熱装置は、前記巻取装置ユニットの上方に配置され、且つ、前記機台幅方向における前記冷却装置と反対側の端部において前記巻取装置ユニットと鉛直方向に重なっており、前記機台幅方向において前記冷却装置から離れるほど上側に位置するように、前記機台幅方向に対して傾いている。
【0015】
本発明によると、加熱装置が水平に(機台幅方向と平行に)延びている場合よりも、冷却装置を低い位置に配置することができる。これにより、仮撚加工機の鉛直方向への大型化を極力抑えることができる。
【0016】
の発明に係る仮撚加工機は、第1〜第のいずれかの発明に係る仮撚加工機において、前記仮撚部は、糸を加熱する加熱装置と、前記仮撚部における糸道の、前記加熱装置よりも下流側に配置され、糸を冷却する冷却装置と、前記仮撚部における糸道の、前記冷却装置よりも下流側に配置され、糸に仮撚加工を施す加撚装置と、前記仮撚部における糸道の、前記加熱装置よりも上流側に配置され、前記給糸部からの糸を前記加熱装置に向けて送る一次フィードローラと、前記仮撚部における糸道の、前記加撚装置よりも下流側に配置され、前記加撚装置によって仮撚加工が施された糸を糸道の下流側に送る二次フィードローラと、を備え、前記加撚装置は、前記二次フィードローラよりも上側に配置され、前記一次フィードローラは、前記加撚装置とほぼ同じ高さに配置されている。
【0017】
本発明によると、一次フィードローラが加熱装置とほぼ同じ高さに配置されていることで、一次フィードローラが加撚装置よりも下側に配置される場合と比較して、一次フィードローラと加撚装置との間の糸道の長さ、すなわち、糸の撚りが付与される区間の長さを短くすることができる。これにより、糸に効率よく撚りを付与することができる。
【0018】
の発明に係る巻取装置ユニットは、糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機において、前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置される、前記巻取部を構成するための巻取装置ユニットであって、ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、前記複数の巻取装置を支持する支持フレームと、を備え、前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ、前記支持フレームのうち下側の部分を形成する下側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に3段に設けられた下側部分ユニットと、前記支持フレームのうち、前記下側フレームよりも上側の部分を形成する上側フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に2段又は3段に設けられた上側部分ユニットと、に分割可能に構成され、前記下側部分ユニット及び前記上側部分ユニットの高さが2200mmよりも低く、且つ、前記下側部分ユニットの高さと前記上側部分ユニットの高さとの合計が2200mmよりも高い
第8の発明に係る巻取装置ユニットは、糸を供給するための給糸部と、前記給糸部から供給された糸を仮撚りするための仮撚部と、前記仮撚部において仮撚りされた糸をボビンに巻き取るための巻取部と、を備えた、機台長手方向に長尺な仮撚加工機において、前記機台長手方向に配列された複数の区画にそれぞれ配置される、前記巻取部を構成するための巻取装置ユニットであって、ボビンを取り付け可能に構成され、取り付けられた前記ボビンの軸方向が前記機台長手方向と平行となるような姿勢で配置された、前記ボビンに糸を巻き取る複数の巻取装置と、前記複数の巻取装置を支持する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームに、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が、鉛直方向に5段以上に設けられ、前記支持フレームのうちの一部分を形成するフレーム部分に、前記機台長手方向に4列に配列された前記巻取装置が鉛直方向に3段以下に設けられた、複数の部分ユニットに分割可能に構成され、前記複数の部分ユニットの高さが、それぞれ、2200mmよりも低く、且つ、前記複数の部分ユニットの高さの合計が2200mmよりも高い。
【0019】
機台長手方向に5列以上に配列された巻取装置を鉛直方向に4段に設けても、本発明と同じ数の巻取装置を1つの巻取装置ユニットに設けることができる。しかしながら、この場合には、本発明の場合と比較して、各巻取装置ユニットが機台長手方向に長くなる。そのため、機台長手方向に配列された複数の巻取装置ユニットを備えた仮撚加工機の機台長手方向への大型化が顕著なものとなってしまう。
【0020】
本発明では、機台長手方向に4列に配列された巻取装置を鉛直方向に5段以上に設けているため、上記の場合と比較して、仮撚加工機の機台長手方向への大型化を抑えることができる。また、本発明では、巻取装置を鉛直方向に4段に設ける場合と比較して、巻取装置ユニットの高さが高く(鉛直方向の寸法が大きく)なり、仮撚加工機が鉛直方向に大型化する。しかしながら、仮撚加工機の鉛直方向への大型化の程度は、機台長手方向に配列される巻取装置ユニットの数によって変わることはない。すなわち、複数の巻取装置ユニットを備えた仮撚加工機の鉛直方向への大型化が顕著なものとなることがない。
【0021】
の発明に係る巻取装置ユニットは、第7又は第8の発明に係る巻取装置ユニットにおいて、前記支持フレームは、前記機台長手方向に対向して配置された一対の対向部材と、前記一対の対向部材の間において前記機台長手方向に延び、前記機台長手方向の両端部が前記一対の対向部材に固定され、鉛直方向に5段以上に設けられた梁部材と、を備え、前記梁部材は、鉛直方向に5段以上に設けられ、各梁部材に、前記機台長手方向に配列された4つの前記巻取装置が取り付けられている。
【0022】
本発明とは異なり、各梁部材に機台長手方向に配列された5以上の巻取装置が取り付けられるとすると、本発明の場合よりも、巻取装置が取り付けられた梁部材が機台長手方向に長尺になり、巻取装置から梁部材に加えられる荷重も大きくなる。そのため、この場合には、梁部材の機台長手方向に沿った撓みを抑えるために、梁部材を太くするなどして梁部材の剛性を高める必要がある。
【0023】
本発明では、梁部材に機台長手方向に配列された4つの巻取装置が取り付けられている。したがって、上記の場合よりも、梁部材の機台長手方向の長さが短く、梁部材当りの巻取装置の数が少ないために巻取装置から梁部材に加えられる荷重も小さい。また、上記の場合と比較して、巻取装置ユニットにおける梁部材の数が多い。これらのことから、個々の梁部材の剛性を高くしなくても、巻取装置が取り付けられた梁部材の撓みが増大することがない。また、梁部材の機台長手方向の長さが短いため、梁部材が対向部材を撓ませようとするモーメントは、上記の場合よりも小さい。したがって、巻取装置ユニットにおける巻取装置の数が増加しても、対向部材は鉛直方向に対して撓みにくい。
【0024】
10の発明に係る巻取装置ユニットは、第の発明に係る巻取装置ユニットにおいて、前記一対の対向部材は、前記機台長手方向と直交する方向を面方向とする板状の部材であり、前記機台長手方向及び前記鉛直方向の両方と直交する機台幅方向における端部が前記機台長手方向に折り曲げられている。
【0025】
本発明によると、対向部材の機台幅方向における端部を機台長手方向に折り曲げることにより、対向部材の曲げ剛性を高くすることができる。
【0027】
既存の40ftコンテナの高さ方向の内寸は、2200[mm]よりも若干大きい(例えば、2260[mm]〜2340[mm]程度)。本発明によると、下側部分ユニット及び上側部分ユニットの高さが、40ftコンテナの鉛直方向の高さ方向の内寸よりも短いため、下側部分ユニット及び上側部分ユニットを、仮撚加工機を形成している状態で鉛直方向となる方向がコンテナの高さ方向と平行となるよう姿勢で、コンテナに載せることができる。なお、下側部分ユニットの高さと上側部分ユニットの高さの合計、すなわち巻取装置ユニット全体の高さが、2200[mm]よりも高いため、巻取装置ユニットを下側部分ユニットと上側部分ユニットに分割せずに40ftコンテナに載せることはできない。
【0028】
11の発明に係る巻取装置ユニットは、第7〜第10のいずれかの発明に係る巻取装置ユニットにおいて、前記機台長手方向の長さが2250[mm]よりも短く、且つ、前記機台長手方向の長さを1.25倍した長さが2250[mm]よりも長い。
【0029】
既存の40ftコンテナは、幅方向の内寸(扉開口幅寸法)が、2250[mm]よりも若干大きい(例えば、2280[mm]〜2390[mm]程度)。本発明によると、巻取装置ユニットの機台長手方向の長さが、40ftコンテナの幅方向の幅方向の内寸(扉開口幅寸法)よりも短いため、巻取装置ユニットを、仮撚加工機を形成している状態で機台長手方向となる方向が、コンテナの幅方向と平行となるような姿勢でコンテナに載せることができる。また、巻取装置ユニットの機台長手方向の長さを1.25倍(=5/4倍)した長さが、2250[mm]よりも長いため、巻取装置ユニットを巻取装置が機台長手方向に5列に配列されたものとした場合には、巻取装置ユニットを40ftコンテナに載せることができない。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、仮撚加工機の機台長手方向への大型化を抑えることができる。また、本発明では、巻取装置ユニットの高さが高く(鉛直方向の寸法が大きく)なり、仮撚加工機が鉛直方向に大型化する。しかしながら、仮撚加工機の鉛直方向への大型化の程度は、機台長手方向に配列される巻取装置ユニットの数によって変わることはない。すなわち、複数の巻取装置ユニットを備えた仮撚加工機の鉛直方向への大型化が顕著なものとなることがない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施の形態に係る仮撚加工機の各装置の配置を示す図である。
図2図1を矢印IIの方向から見た図である。
図3図2の矢印IIIの方向から見た、巻取装置ユニットの図である。
図4図3を矢印IVの方向から見た図である。
図5】巻取装置ユニットを下側部分ユニットと上側部分ユニットとに分割した図である。
図6】巻取装置が機台長手方向に5列に鉛直方向に4段に設けられるとした場合の図3相当の図である。
図7】巻取装置が機台長手方向に4列に鉛直方向に4段に設けられるとした場合の図3相当の図である。
図8】輸送時に巻取装置ユニットを載せるコンテナを示す図である。
図9】(a)がコンテナの奥行方向から見た、コンテナに下側部分ユニットを載せた状態を示す図であり、(b)がコンテナの奥行方向から見た、コンテナに上側部分ユニットを載せた状態を示す図である。
図10】巻取装置が鉛直方向4段に設けられるとした場合の図2相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0033】
図1図2に示すように、本実施の形態に係る仮撚加工機1は、後述する仮撚部3を構成する各装置(後述の一次フィードローラ20、一次加熱装置21、撚止ガイド22、冷却装置23、加撚装置24、二次フィードローラ25、二次加熱装置26、三次フィードローラ27等)が、それぞれ、給糸部2から仮撚部3を通って巻取部4に至る糸道が配置される糸の走行面(図2の紙面)と直交する、水平な機台長手方向に複数配列された、機台長手方向に長尺の装置である。そして、図1に示すように、仮撚加工機1の機台長手方向に並ぶ複数の区画K(例えば、24区画)に、それぞれ、以下に説明するように、給糸部2を構成するクリールスタンド11、仮撚部3を構成する各装置、及び、巻取部4を構成する巻取装置ユニット31が配置されている。
【0034】
なお、以下では、重力が作用する方向(図1の上下方向)を鉛直方向、機台長手方向及び鉛直方向の両方と直交する方向(図1の左右方向)を機台幅方向と定義して説明を行う。また、仮撚加工機1では、給糸部2が仮撚加工機1の機台幅方向における両端部に位置するように、給糸部2、仮撚部3及び巻取部4が、機台幅方向に対称に配置されている。また、仮撚部3(後述の一次加熱装置21)と巻取部4(後述の巻取装置ユニット31)とは、図2に示すように、部分的に鉛直方向に重なるが、図1では、図面をわかりやすくするために、仮撚部3と巻取部4を機台幅方向に離して図示している。
【0035】
給糸部2は、複数のクリールスタンド11を備えている。クリールスタンド11は、図2に示すように、1つの区画Kに1つずつ設けられている。クリールスタンド11は、40個のクリール11aを有している。クリール11aは、給糸パッケージSを保持している。そして、40個のクリール11aのうち、20個のクリール11aに保持された20個の給糸パッケージSの糸Yが仮撚部3に向けて送られる。また、これら20個のクリール11aに保持された給糸パッケージSの糸Yの糸端と、残り20個のクリール11aに保持された給糸パッケージ20の糸端とがつながれている(いわゆる、テールつなぎ)。
【0036】
仮撚部3は、糸道の上流側から順に、一次フィードローラ20、一次加熱装置21、冷却装置23、加撚装置24、二次フィードローラ25、二次加熱装置26、三次フィードローラ27などを備えている。
【0037】
一次フィードローラ20は、給糸パッケージSから供給される複数の糸Yに対して個別に複数設けられ、後述の巻取装置ユニット31の上方に配置されている。これら複数の一次フィードローラ20は、機台長手方向に沿って配列されており、1つの区画Kに20本の糸Yに対応する一次フィードローラ20が配置されている。一次フィードローラ20は、糸Yを一次加熱装置21に向けて搬送する。
【0038】
一次加熱装置21は、給糸パッケージSから供給される複数の糸Yに対して個別に複数設けられ、一次フィードローラ20の上方で、且つ、一次フィードローラ20から機台幅方向の給糸部2と反対側の位置に配置されている。これら複数の一次加熱装置21は、機台長手方向に沿って配列され、1つの区画K内に20本の糸Yに対応する一次加熱装置21が配置されている。一次加熱装置21は、送られてきた糸Yを加熱する。また、各一次加熱装置21のすぐ上流側(機台幅方向の端側)には、撚止ガイド22が設けられている。撚止ガイド22は、一次フィードローラ20のほぼ真上に位置している。撚止ガイド22は、後述するように糸Yに撚りを付与したときに、撚りが撚止ガイド22よりも上流側に伝達されないようにするためのものである。
【0039】
冷却装置23は、給糸パッケージSから供給される複数の糸Yに対して個別に複数設けられ、一次加熱装置21の機台幅方向における一次フィードローラ20と反対側に、一次加熱装置21と機台幅方向に並んで配置されている。これら複数の冷却装置23は、機台長手方向に配列され、1つの区画Kに20本の糸Yに対応する冷却装置23が配置されている。冷却装置23は、送られてきた糸Yを冷却する。
【0040】
なお、一次加熱装置21及び冷却装置23の配置(後述の巻取装置ユニット31との位置関係等)については、後程詳細に説明する。
【0041】
加撚装置24は、給糸パッケージSから供給される複数の糸Yに対して個別に複数設けられ、冷却装置23の機台幅方向における加熱装置22と反対側に配置されている。これら複数の加撚装置24は、機台長手方向に配列され、1つの区画Kに20本の糸Yに対応する加撚装置24が配置されている
【0042】
加撚装置24は、糸Yに仮撚加工を施す。このとき、糸Yのうち、撚止ガイド22と加撚装置24との間の部分に撚りが付与される。また、このとき、糸Yは、一次加熱装置21によって加熱された上で撚りが付与され、撚りが付与された糸Yが冷却装置23によって冷却されることで熱固定される。また、撚止ガイド22と加撚装置24との間で撚りが熱固定された糸Yは、加撚装置24と二次フィードローラ25との間で解撚される。これにより、糸Yの撚りが解かれるが、糸Yは、撚りが熱固定されているため、各フィラメントが波状の形態をした仮撚りされた状態となっている。
【0043】
二次フィードローラ25は、給糸パッケージSから供給される複数の糸Yに対して個別に設けられ、加撚装置24の下側且つ機台幅方向における冷却装置23と反対側に配置されている。これら複数の二次フィードローラ25は、機台長手方向に配列され、1つの区画Kに20本の糸Yに対応する二次フィードローラ25が配置されている。二次フィードローラ25は、加撚装置24によって仮撚加工が施された糸Yを、二次加熱装置26に向けて搬送する。また、二次フィードローラ25による糸Yの搬送速度は、一次フィードローラ20による糸Yの搬送速度よりも速くなっており、糸Yは、一次フィードローラ20と二次フィードローラ25による搬送速度の差によって延伸される。
【0044】
二次加熱装置26は、1つの区画Kに1つずつ設けられ、二次フィードローラ25の下側に配置され、鉛直方向に沿って延びている。二次加熱装置26は、延伸され、仮撚加工が施された20本の糸Yに所定の弛緩熱処理を施す。
【0045】
三次フィードローラ27は、複数の糸Yに対して個別に複数設けられ、二次加熱装置26よりも機台幅方向における巻取部4側に、二次加熱装置26と間隔をあけて配置されている。これら複数の三次フィードローラ27は、機台長手方向に配列されており、1つの区画Kに20本の糸Yに対応する三次フィードローラ27が配置されている。また、二次加熱装置26と三次フィードローラ27との間の糸が走行する空間の上部には、図示しない作業台や作業台車が設けられ、作業者が、この作業台又は作業台車の上で、糸掛けなどの作業を行うことができるようになっている。
【0046】
巻取部4は、複数の巻取装置ユニット31を備えている。巻取装置ユニット31は、各区画Kに1つずつ設けられている。
【0047】
巻取装置ユニット31は、図2図4に示すように、20台の巻取装置32と、20台の巻取装置32を支持するための支持フレーム33とを備えている。なお、図4では、支持フレームの構造を見やすくするため、巻取装置32及び後述の連結部材54の図示を省略するとともに、これらの位置を一点鎖線で示している。
【0048】
巻取装置32は、ボビンBを取り付け可能に構成され、三次フィードローラ27から送られてきた糸Yを、ボビンBの軸方向に綾振りしつつボビンBに巻き取ることで、パッケージPを形成する。複数の巻取装置32の配置については、後程詳細に説明する。
【0049】
支持フレーム33は、一対の対向部材51と、5本の梁部材52と、連結部材53、54とを備えている。一対の対向部材51は、鉛直方向及び機台幅方向を面方向とする略矩形の板状の部材であり、機台長手方向に間隔をあけて配置されている。ここで、対向部材51は、その下側の部分を形成する下側対向部材51aと、下側対向部材51aよりも上側の部分を形成する上側対向部材51bとによって構成されている。下側対向部材51aと上側対向部材51bとは、連結部材55によって連結されている。連結部材55は、下側対向部材51aと上側対向部材51bの、機台長手方向における巻取装置ユニット31の内側に位置する端面にまたがって延びて、下側対向部材51aと上側対向部材とを連結している。また、対向部材51(下側対向部材51a及び上側対向部材51b)は、曲げ剛性を高めるために、機台幅方向の両端部が、機台長手方向における巻取装置ユニット31の内側に折り曲げられている。また、隣接する2つの区画Kに配置された2つの巻取装置ユニット31の対向部材51同士は図示しないボルトなどによって互いに連結されている。
【0050】
梁部材52は、金属材料等からなる、機台長手方向に延びた矩形筒状の部材である。梁部材52は、鉛直方向に5段に設けられている。そして、5段に設けられた梁部材52は、機台長手方向の両端部において、一対の対向部材51に固定されている。より詳細に説明すると、5段のうち下側3段の梁部材52は、機台長手方向の両端部において、一対の下側対向部材51aに固定されている。一方、5段のうち上側2段の梁部材52は、機台長手方向の両端部において、一対の上側対向部材51bに固定されている。
【0051】
各梁部材52には、4つの巻取装置32が取り付けられている。より詳細に説明すると、巻取装置32は、取り付けられるボビンBの軸方向が、機台長手方向と平行となるような姿勢で、梁部材52に取り付けられている。また、各梁部材52に取り付けられた4つの巻取装置32は、機台長手方向に配列されている。
【0052】
このように、巻取装置ユニット31では、梁部材52が鉛直方向に5段に設けられ、各梁部材52に4つの巻取装置32が機台長手方向に並べて取り付けられていることにより、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が、鉛直方向に5段に設けられている。
【0053】
連結部材53は、機台長手方向に延びた板状の部材であり、一対の対向部材51(下側対向部材51a)の下端部同士を連結している。また、連結部材53の下面には、機台長手方向における両端部にそれぞれ、ジャッキボルト56が取り付けられている。ジャッキボルト56は、巻取装置ユニット31の高さの微調整を行うためのものである。連結部材54は、機台長手方向に延びた略矩形の板状の部材であり、一対の対向部材51(上側対向部材51b)の上端部同士を連結している。ここで、ジャッキボルト56は連結部材53を介して対向部材51に固定されている必要はなく、対向部材51とは別に設けられた図示しないブラケット部材を介して対向部材51に固定されていても構わない。
【0054】
ここで、巻取装置ユニット31は、機台長手方向の長さW1が2000[mm]程度、高さH1が3380[mm]程度、機台幅方向の長さD1が1500[mm]程度となっている。
【0055】
また、巻取装置ユニット31は、対向部材51を、下側対向部材51aと上側対向部材51bとに分割することにより、図5に示すように、下側部分ユニット31aと上側部分ユニット31bとに分割することができる。そして、下側部分ユニット31aでは、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が、鉛直方向に3段に設けられている。一方、上側部分ユニット31bでは、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が、鉛直方向に2段に設けられている。なお、本実施の形態では、一対の下側対向部材51aと、下側3段の梁部材52とを合わせたものが、本発明に係る下側フレームに相当する。また、一対の上側対向部材51bと、上側2段の梁部材52とを合わせたものが、本発明に係る上側フレームに相当する。
【0056】
また、下側部分ユニット31aの高さHaは1970[mm]程度となっており、上側部分ユニット31bの高さHbは1410[mm]程度となっている。なお、下側部分ユニット31a及び上側部分ユニット31bの機台長手方向の長さ及び機台幅方向の長さは、それぞれ、巻取装置ユニット31全体での機台長手方向の長さW1(=2000[mm]程度)及び機台幅方向の長さD1(=1500[mm]程度)とほぼ同じである。
【0057】
ここで、本実施の形態では、上述したように、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32を鉛直方向に5段に設けることによって、20台の巻取装置32を有する巻取装置ユニット31を形成している。これに対して、本発明とは異なり、例えば、図6に示すように、機台長手方向に5列に配列された巻取装置32を鉛直方向に4段に設けることによって、20台の巻取装置32を有する巻取装置ユニット101を形成することも可能である。
【0058】
ただし、巻取装置ユニット101は、図7に示すような、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32を鉛直方向に4段に設けた巻取装置ユニット102と比較すると、機台長手方向に配列される巻取装置32の数が多い。そのため、巻取装置ユニット101の機台長手方向の長さW2は、巻取装置ユニット102の機台長手方向の長さW3よりも長くなる。ここで、仮撚加工機1では、上述したように、複数の巻取装置ユニットが機台長手方向に配列されているため、巻取装置ユニットが機台長手方向に長くなると、仮撚加工機1の機台長手方向への大型化が顕著なものとなる。具体的には、例えば、仮撚加工機1の区画Kの数がN(例えば、N=24)である場合には、各巻取装置ユニットの機台長手方向の長さがX[mm]だけ長くなると、仮撚加工機全体では、N×X[mm]だけ長くなる。
【0059】
これに対して、本実施の形態の巻取装置ユニット31は、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が鉛直方向に5段に設けられている。そのため、巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1を、巻取装置ユニット102の機台長手方向の長さW3とほぼ同じにすることができる。
【0060】
一方で、巻取装置ユニット31は、巻取装置ユニット102よりも鉛直方向における巻取装置32の段数が多いため、巻取装置ユニット31の高さH1は、巻取装置ユニット102の高さH3よりも高くなるため、仮撚加工機1は鉛直方向に大型化する。しかしながら、仮撚加工機1の鉛直方向への大型化の程度は、機台長手方向に配列される巻取装置ユニット31の数(区画Kの数)によって変わることはない。すなわち、複数の巻取装置ユニットを備えた仮撚加工機の鉛直方向への大型化が顕著なものとなることがない。
【0061】
また、巻取装置ユニット101では、巻取装置ユニット102よりも、1つの梁部材52に取り付けられる巻取装置52の数が多い。そのため、巻取装置ユニット101では、巻取装置ユニット102と比較して、梁部材52の機台長手方向の長さが長くなり、各梁部材52に加えられる荷重も大きくなる。したがって、巻取装置ユニット101の梁部材52は、巻取装置ユニット102の梁部材52と比較して、下側に撓みやすい。そのため、巻取装置ユニット101では、梁部材52の撓みを防止するために、巻取装置ユニット102よりも、梁部材52を太く(機台幅方向及び鉛直方向の寸法を大きく)して梁部材52の剛性を大きく高めるなどする必要がある。これらのことから、巻取装置ユニット101では、巻取装置ユニット102の梁部材52をそのまま用いることはできず、巻取装置ユニット102よりも機台長手方向に長く、且つ、太い梁部材52を用いる必要がある。
【0062】
これに対して、本実施の形態の巻取装置ユニット31では、巻取装置ユニット102と、1つの梁部材52に取り付けられる巻取装置32の数が同じである。したがって、巻取装置ユニット31では、巻取装置ユニット102と同じ梁部材52を用いることができる。すなわち、巻取装置ユニット31では、巻取装置ユニット101よりも、梁部材52の機台長手方向の長さが短く、巻取装置32から梁部材に加えられる荷重も小さい。また、巻取装置ユニット31では、巻取装置ユニット102よりも、梁部材52の数が1つ多い。これらのことから、梁部材52の剛性を高くしなくても、梁部材52が撓むことがない。
【0063】
また、巻取装置ユニット101において、上述したように、巻取装置ユニット31よりも、梁部材52を太くするために、梁部材52の鉛直方向の寸法を大きくすることが考えられる。この場合には、梁部材52と巻取装置32との干渉を避けるために、巻取装置ユニット31よりも、鉛直方向における梁部材52同士の間隔を大きくする必要がある。鉛直方向における梁部材52同士の間隔を大きくすると、巻取装置ユニット101の高さが高くなる。したがって、この場合には、上述したような、巻取装置ユニット101を巻取装置ユニット31よりも高さを低くすることができるというメリットは、それほど大きなものとならない。すなわち、高さH1と高さH3との差はそれほど大きなものとはならない。
【0064】
また、巻取装置ユニット101では、巻取装置ユニット102よりも、機台長手方向における梁部材52の長さが長い。そのため、巻取装置ユニット101では、巻取装置ユニット02よりも、梁部材52が対向部材51を撓ませようとするモーメントが大きい。したがって、対向部材51の厚みを大きく(機台長手方向の寸法を大きく)するなどして、剛性を高める必要がある。
【0065】
これに対して、巻取装置ユニット31では、巻取装置ユニット102と、機台長手方向における梁部材52の長さがほぼ同じである。すなわち、巻取装置ユニット31では、巻取装置ユニット102と、梁部材52が対向部材51を撓ませようとするモーメントがほぼ同じとなる。したがって、巻取装置ユニット31では、対向部材51の厚みを大きく(機台長手方向の寸法を大きく)するなどして、剛性を高める必要がない。あるいは、仮に対向部材51の剛性を高める必要があるとしても、板状の対向部材51は、その厚みを少し大きくすれば十分に剛性を高くすることができる。したがって、この場合でも、対向部材51の剛性を高くすることによる、巻取装置ユニット31の機台長手方向への大型化は僅かなものとなる。
【0066】
ここで、巻取装置ユニット31は、輸送時に、図8に示すようなコンテナCに載せられる。コンテナCは、40ftのコンテナである。40ftコンテナCは、奥行方向と直交し且つ水平な幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcが2250[mm]よりも若干大きく(例えば、2280[mm]〜2390[mm]程度)、奥行方向及び幅方向の両方と直交する高さ方向の内寸Hcが2200[mm]よりも若干大きい(例えば、2260[mm]〜2340[mm]程度)。なお、40ftコンテナCの長尺方向(以下、奥行方向とする)の内寸Dcが12000[mm]程度である。
【0067】
巻取装置ユニット31は、上述したように、機台長手方向の長さW1が2000[mm]程度であり、2250[mm]よりも短い。したがって、巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1は、コンテナCの幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcよりも短い。また、巻取装置ユニット31は、上述したように、下側部分ユニット31aと上側部分ユニット31bに分割することができる。そして、下側部分ユニット31aの高さHaは1970[mm]程度であり、上側部分ユニット31bの高さHbは1410[mm]程度であり、いずれも、2200[mm]よりも短い。したがって、下側部分ユニット31aの高さHa及び上側部分ユニット31bの高さHbは、いずれもコンテナCの高さ方向の内寸Hcよりも短い。
【0068】
これらのことから、下側部分ユニット31a及び上側部分ユニット31bは、いずれも、図9(a)、(b)に示すように、仮撚加工機1を形成している状態で機台長手方向となる方向がコンテナCの幅方向と平行となり、且つ、仮撚加工機1を形成している状態で鉛直方向となる方向がコンテナCの高さ方向と平行となるような姿勢で、コンテナCに載せることができる。なお、巻取装置ユニット31全体の高さH1(=Ha+Hb)は3380[mm]程度であり、2200[mm]よりも高い。したがって、巻取装置ユニット31全体の高さH1は、コンテナCの高さ方向の内寸Hcよりも長い。そのため、巻取装置ユニット31を、下側部分ユニット31aと上側部分ユニット31bとに分割せずに、上述したのと同様の姿勢でコンテナCに載せることはできない。
【0069】
一方、図6に示すような、機台長手方向に5列に配列された巻取装置32が鉛直方向に4段に設けられた巻取装置ユニット101の機台長手方向の長さW2は、巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1(=2000[mm]程度)の約1.25倍の長さ(=2500[mm]程度)となり、2250[mm]よりも長い。したがって、巻取装置ユニット101の機台長手方向の長さW2は、コンテナCの幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcよりも長くなる。そのため、巻取装置ユニット101を、上述したのと同様の姿勢でコンテナCに載せることはできない。すなわち、巻取装置ユニットを、仮撚加工機を形成している状態で機台長手方向となる方向がコンテナCの幅方向と平行となり、且つ、仮撚加工機を形成している状態で鉛直方向となる方向がコンテナCの高さ方向と平行となるような姿勢で、コンテナCに載せようとした場合、機台長手方向に配列することのできる巻取装置32の数は最大4つである。
【0070】
また、コンテナCの奥行方向の内寸Dc(=12000[mm]程度)は、下側部分ユニット31a及び上側部分ユニット31bの機台幅方向の長さD1(=1500[mm]程度)に対してきわめて長くなっている。したがって、複数の巻取装置ユニット31を構成する複数の下側部分ユニット31a及び上側部分ユニット31bを、奥行方向に並べてコンテナCに載せることができる。
【0071】
(一次加熱装置及び冷却装置と巻取装置ユニットとの位置関係)
次に、一次加熱装置21及び冷却装置23と、巻取装置ユニット31との位置関係について説明する。上述したように、一次加熱装置21と冷却装置23とは、機台幅方向に並んで配置されている。また、一次加熱装置21は、機台幅方向に沿って延びており、機台幅方向における冷却装置23と反対側の端部において、巻取装置ユニット31と鉛直方向に重なっている。また、一次加熱装置21は、機台幅方向において冷却装置23から離れるほど上側に位置するように、機台幅方向に対して傾いている。また、冷却装置23は、一次加熱装置21の機台幅方向における冷却装置23側の端部とほぼ同じ高さに配置されている。ここで、本実施の形態では、上述したように、巻取装置ユニット31において、巻取装置32が鉛直方向に5段に設けられているため、巻取装置32が鉛直方向に4段に設けられている場合よりも巻取装置ユニット31の高さが高くなる。一方、上記のとおり、一次加熱装置21は、機台幅方向における冷却装置23と反対側の端部において、巻取装置ユニット31と鉛直方向に重なっているため、本実施の形態では、一次加熱装置21のうち、少なくとも巻取装置ユニット31と重なる部分は、巻取装置32が鉛直方向に4段に設けられている場合よりも高い位置に配置される。
【0072】
このとき、本実施の形態とは異なり、一次加熱装置21を機台幅方向に対して傾けずに配置することも考えられる。しかしながら、この場合には、一次加熱装置21の機台幅方向の冷却装置23側の端部の位置も高くなり、一次加熱装置21の機台幅方向における冷却装置23側の端部の高さに合わせて配置される冷却装置23の位置も高くなる。その結果、仮撚加工機1の鉛直方向への大型化につながる。
【0073】
これに対して、本実施の形態では、上記のとおり、一次加熱装置21は、機台幅方向において冷却装置23から離れるほど上側に位置するように、機台幅方向に対して傾いている。したがって、一次加熱装置21を傾けずに記載幅方向に平行に配置する場合よりも、冷却装置23の位置を下げることができる。これにより、巻取装置32を鉛直方向に5段に設けたことによる、仮撚加工機1の鉛直方向への大型化を極力抑えることができる。
【0074】
(巻取装置の段数と、一次、二次フィードローラ及び加撚装置の高さとの関係)
次に、巻取装置32の段数と、フィードローラ20、25及び加撚装置24の高さとの関係について説明する。ここで、まず、本発明とは異なり、図10に示すような、巻取装置32が鉛直方向に4段に設けられた巻取装置ユニット102を有する仮撚加工機103について説明する。仮撚加工機103では、糸掛けの利便性などの観点から、一次フィードローラ20と二次フィードローラ25とをほぼ同じ高さに配置することがある(例えば、特開2014−081221号公報参照)。一方で、加撚装置24は二次フィードローラ25よりも上側に位置している。したがって、仮撚加工機103では、一次フィードローラ20が加撚装置24よりも下側に位置している。
【0075】
これに対して、巻取装置32が5段に設けられた巻取装置ユニット31を有する仮撚加工機1では、巻取装置ユニット31の高さが巻取装置ユニット102の高さよりも高い。また、一次フィードローラ20は、巻取装置ユニット31の上方に配置される。これらのことから、仮撚加工機1では、仮撚加工機103よりも、一次フィードローラ20が高い位置に配置される。一方で、仮撚加工機1の鉛直方向への大型化を極力抑える観点から、仮撚加工機1と仮撚加工機103とで、二次フィードローラ25及び加撚装置24が配置される高さはほぼ同じとすることが好ましい。そこで、本実施の形態では、図1に示すように、一次フィードローラ20を、二次フィードローラ25よりも高い位置に配置することで、加撚装置24とほぼ同じ高さに位置させている。なお、仮撚加工機1と仮撚加工機103とで、機台幅方向における加撚装置24の位置は同じである。
【0076】
そして、仮撚加工機103では、糸Yは、一次フィードローラ20から、一次フィードローラ20よりも上側に位置する加撚装置24に搬送される。これに対して、本実施の形態の仮撚加工機1では、糸Yは、一次フィードローラ20から、一次フィードローラ20とほぼ同じ高さに位置する加撚装置24に搬送される。したがって、仮撚加工機1では、仮撚加工機103と比較して、一次フィードローラ20と加撚装置24との間の糸道の長さ(いわゆるドローゾーンの長さ)が短くなる。すなわち、仮撚加工機1では、仮撚加工機103よりも、糸Yの撚りが付与される区間の長さが短くなる。これにより、仮撚加工機1では、糸Yに効率よく撚りを付与することができる。
【0077】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
【0078】
上述の実施の形態では、対向部材51が、機台長手方向と直交する方向を面方向とする板状の部材であり、機台幅方向における両端部が、機台長手方向における巻取装置ユニット31の内側に折り曲げられていたが、これには限られない。対向部材51の機台幅方向における両端部が、機台長手方向における巻取装置ユニット31の外側に折り曲げられていてもよい。また、対向部材51は、機台幅方向における片側の端部のみが折り曲げられていてもよい。また、対向部材51が十分な厚みを有するものであれば、対向部材51の機台方向における両端部は折り曲げられていなくてもよい。さらには、対向部材51は、板状の部材であることにも限られない。対向部材51は、例えば、鉛直方向に延びた矩形筒状の部材などであってもよい。
【0079】
また、上述の実施の形態では、支持フレーム33が、一対の対向部材51と、5つの梁部材52とを有するものであったが、これには限られない。巻取装置32を支持する支持フレーム33は、これとは別の構成を有するものであってもよい。
【0080】
支持フレームの構造によらず、機台長手方向に5列以上に配列された巻取装置32が鉛直方向に4段に配列された巻取装置ユニット101は、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が鉛直方向に5段に設けられた巻取装置ユニット31と比較して、巻取装置ユニットの機台長手方向に長くなる。そのため、仮撚加工機1の機台長手方向への大型化が顕著なものとなる。これに対して、機台長手方向に配列された4つの巻取装置32が鉛直方向に5段に設けられた巻取装置ユニット31では、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が鉛直方向に4段に設けられた巻取装置ユニット102と、機台長手方向の長さをほぼ同じとすることができるため、仮撚加工機1の機台長手方向への大幅な大型化を防止することができる。
【0081】
また、上述の実施の形態では、一次加熱装置21が、機台幅方向において冷却装置23から離れるほど上側に位置するように機台幅方向に対して傾いていたが、これには限られない。一次加熱装置21は、機台幅方向に対して傾いておらず、機台幅方向と平行に延びていてもよい。ただし、この場合には、一次加熱装置21の機台幅方向における冷却装置23側の端部が、上述の実施の形態よりも高い位置にくる。そのため、一次加熱装置21の機台幅方向の冷却装置23側の端部の高さに合わせて配置される冷却装置23なども、上述の実施の形態の場合よりも高い位置にくる。
【0082】
また、上述の実施の形態では、巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1が、上記40ftコンテナCの幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcよりも短く、且つ、巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1を1.25倍した長さが、コンテナCの幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcよりも長くなっていたが、これには限られない。巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1を1.25倍した長さがコンテナCの幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcよりも短くてもよい。あるいは、巻取装置ユニット31の機台長手方向の長さW1は、コンテナCの幅方向の内寸(扉開口幅寸法)Wcよりも長くてもよい。
【0083】
また、上述の実施の形態では、巻取装置ユニット31を下側部分ユニット31aと上側部分ユニット31bとに分割可能となっていたが、これには限られない。対向部材51が1枚の板状の部材によって構成されており、巻取装置ユニット31が上下に分割することができなくなっていてもよい。
【0084】
また、上述の実施の形態では、一次フィードローラ20が、二次フィードローラ25よりも上側に配置されていることにより、加撚装置24とほぼ同じ高さに位置していたが、これには限られない。一次フィードローラ20と二次フィードローラ25と加撚装置24との高さの関係は、上述の実施の形態とは異なっていてもよい。例えば、一次フィードローラ20が二次フィードローラ25と同じ高さに配置されることで、一次フィードローラ20が加撚装置24よりも下側に位置していてもよい。あるいは、一次フィードローラ20と二次フィードローラ25と加撚装置24とが互いに異なる高さに配置されていてもよい。
【0085】
また、上述の実施の形態では、巻取装置ユニット31が、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が鉛直方向に5段に設けられたものであったが、これには限られない。巻取装置ユニットは、機台長手方向に4列に配列された巻取装置32が、鉛直方向に6段以上に設けられたものであってもよい。
【0086】
ここで、巻取ユニット31が、巻取装置32が鉛直方向に6段に設けられたものである場合には、巻取装置ユニット31を、巻取装置32が鉛直方向に3段にそれぞれ設けられた上側部分ユニットと下側部分ユニットによって構成されるものとすることにより、上述の実施の形態と同様、これらの部分ユニットの高さを、2200[mm]以下とすることができる。これにより、これらの部分ユニットをコンテナCに載せることができる。
【0087】
一方、巻取装置ユニット31が、巻取装置32が鉛直方向に7段以上に設けられたものである場合には、巻取装置ユニット31を、巻取装置32の鉛直方向の段数が3段以下の、3以上の部分ユニットによって構成されるものとすることにより、上述の実施の形態と同様、これらの部分ユニットの高さを、2200[mm]以下とすることができる。これにより、これらの部分ユニットを、コンテナCに載せることができる。
【0088】
例えば、巻取装置ユニット31が、巻取装置32が鉛直方向に7段に設けられたものである場合であれば、巻取装置ユニットを、巻取装置32が鉛直方向に3段に設けられた1つの部分ユニットと、2段に設けられた2つの部分ユニットの、合計3つの部分ユニットによって構成されるものとする。あるいは、巻取装置ユニットを、巻取装置32が鉛直方向に3段に設けられた2つの部分ユニットと、1段に設けられた1つの部分ユニットの、合計3つの部分ユニットによって構成されるものとする。
【符号の説明】
【0089】
1 仮撚加工機
2 給糸部
20 一次フィードローラ
21 一次加熱装置
23 冷却装置
24 加撚装置
25 二次フィードローラ
32 巻取装置
33 支持フレーム
51 対向部材
52 梁部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10