特許第6531001号(P6531001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6531001外容器を減容変形させた状態に維持できる二重容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6531001
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】外容器を減容変形させた状態に維持できる二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/32 20060101AFI20190531BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   B65D47/32 310
   B65D47/32BRP
   B65D1/02 111
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-152684(P2015-152684)
(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-30795(P2017-30795A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠明
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−251695(JP,A)
【文献】 実開昭52−030351(JP,U)
【文献】 実開平05−076842(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/32
B65D 1/02
B65D 51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容されると共に該内容物の減少に伴い減容変形する内容器、及び該内容器が内装される外容器を備える容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、且つ前記内容物の吐出孔が形成されたキャップ本体を有する吐出キャップと、を備え、
前記吐出キャップは、前記吐出孔と前記容器本体内との連通、遮断を切替える吐出弁を備え、
前記外容器及び前記キャップ本体のうちのいずれか一方の部材には、外部と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されていると共に、前記一方の部材の内側から前記外気導入孔を開放自在に閉塞する空気弁が配設され、
前記一方の部材には、該一方の部材の外側から前記外気導入孔を通して前記空気弁を開放させる開放部材が弾性変位可能に連結されていることを特徴とする二重容器。
【請求項2】
請求項1に記載の二重容器において、
前記開放部材は、前記外気導入孔を通して前記空気弁を押下する押下突起を備えていることを特徴とする二重容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の二重容器において、
前記キャップ本体は、前記吐出孔が形成された天壁部を有する有頂筒状に形成され、
前記外気導入孔及び前記開放部材は、前記天壁部に形成され、
前記外容器には、前記外気導入孔と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する吸気孔が形成されていることを特徴とする二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物が収容されると共に内容物の減少に伴い減容変形する内容器、及び内容器が内装される外容器を備える容器本体と、容器本体の口部に装着され、且つ内容物の吐出孔が形成された吐出キャップと、を備えた二重容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
上記吐出キャップには、外部と、内容器と外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されると共に、吐出キャップの内側から外気導入孔を開放自在に閉塞する空気弁と、吐出孔と容器本体内との連通、遮断を切替える吐出弁と、が設けられている。
【0003】
この二重容器では、外容器を径方向の内側に向けて押圧すると空気弁が閉弁し、外部と、内容器と外容器との間と、の連通が遮断される。また、この状態で吐出弁が開弁して吐出孔と容器本体内とが連通するので、内容物を吐出孔から外部に吐出することが可能となる。なお、内容物の吐出に伴って内容器が減容変形すると、内容器と外容器との間が負圧になるので空気弁が開弁する。これにより、外気導入孔を通じて内容器と外容器との間に外気を導入することができ、外容器を復元変形させつつ、内容器を減容変形させたままの状態に維持することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/099696号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の二重容器では、内容物を使い切った後に廃棄する際に、空気弁を通して外容器と内容器との間の空気を外部に排出することが困難であるので、外容器を潰して減容変形させることが難しく、かさ張るという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄時に、外容器を容易に減容変形させることができると共に、減容変形させた状態を維持することができる二重容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る二重容器は、内容物が収容されると共に該内容物の減少に伴い減容変形する内容器、及び該内容器が内装される外容器を備える容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、且つ前記内容物の吐出孔が形成されたキャップ本体を有する吐出キャップと、を備え、前記吐出キャップは、前記吐出孔と前記容器本体内との連通、遮断を切替える吐出弁を備え、前記外容器及び前記キャップ本体のうちのいずれか一方の部材には、外部と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されていると共に、前記一方の部材の内側から前記外気導入孔を開放自在に閉塞する空気弁が配設され、前記一方の部材には、該一方の部材の外側から前記外気導入孔を通して前記空気弁を開放させる開放部材が弾性変位可能に連結されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る二重容器によれば、内容物を使い切った際、内容器が減容変形したままの状態とされていると共に、空気弁が外気導入孔を一方の部材の内側から閉塞している。そのため、その後に廃棄する場合には、開放部材を弾性変位させることで、外気導入孔を通して空気弁を強制的に開放(開弁)することができる。これにより、外気導入孔を開放させることができる。
従って、空気弁を開放した状態で、外容器を径方向の内側に向けて押圧することで、外容器を容易に減容変形させることができる。また、外容器を減容変形させた状態で例えば吐出キャップを閉めることで、外容器を減容変形させたままの状態にすることができる。これにより、外容器を含む容器本体の全体を潰した状態に維持することができ、二重容器をかさ張ることなく廃棄することができる。従って、例えば処理コストの削減や廃棄作業における作業効率の向上化に繋げることができる。
【0009】
なお、開放部材の弾性変位を解除すると、開放部材を弾性力によって復元変位させることができるので、例えば廃棄前に開放部材を誤って操作してしまった場合であっても、開放部材を元の状態に容易に復帰させることができる。従って、誤操作にも対応することができ、使い易い。
【0010】
(2)前記開放部材は、前記外気導入孔を通して前記空気弁を押下する押下突起を備えていても良い。
【0011】
この場合には、開放部材を押下げるように弾性変位させることで、外気導入孔を通して空気弁を押下突起で強制的に押下げることができる。これにより、外気導入孔をより確実に開放させることができる。
【0012】
(3)前記キャップ本体は、前記吐出孔が形成された天壁部を有する有頂筒状に形成され、前記外気導入孔及び前記開放部材は、前記天壁部に形成され、前記外容器には、前記外気導入孔と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する吸気孔が形成されていても良い。
【0013】
この場合には、吐出孔が形成された天壁部に外気導入孔及び開放部材が形成されているので、内容物が残留している段階で、例えば指先が開放部材に触れてしまう等の外部干渉を防止し易い。従って、廃棄前に開放部材を誤って操作してしまうことを防止することができる。但し、廃棄前に開放部材を誤って操作してしまっても、先に述べたように、開放部材の操作を解除することで、開放部材を元の状態に復帰できる。
なお、天壁部に外気導入孔が形成されている場合であっても、外容器に形成された吸気孔を通して内容器と外容器との間に外気を適切に導入できるので、外容器に直接外気導入孔を形成した場合と同様の外気導入性能を確保できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二重容器によれば、廃棄時に、外容器を容易に減容変形させることができると共に、減容変形させたままの状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る二重容器の第1実施形態を示す縦断面図である。
図2図1に示す状態から、吐出キャップにおける蓋部をあけて吐出孔を開放させた状態を示す二重容器の縦断面図である。
図3図2に示す二重容器の上面図である。
図4図2に示す押下部の周辺を拡大した縦断面図である。
図5図4に示す押下部の上面図である。
図6図2に示す状態から内容物を使い切った後、押下部を押下げ操作して外気導入孔を開放させた状態を示す二重容器の縦断面図である。
図7図6に示す押下部の周辺を拡大した縦断面図である。
図8】本発明に係る二重容器の第2実施形態を示す縦断面図である。
図9図8に示す二重容器の上面図である。
図10図9に示す押下部の周辺を拡大した縦断面図であって、押下部を押下げ操作して外気導入孔を開放させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態の二重容器1は、図示しない内容物が収容されると共に内容物の減少に伴い減容変形(しぼみ変形)する可撓性に富む内容器(内層)2、及び内容器2が内装される外容器(外層)3を有する容器本体4と、容器本体4の口部4aに離脱自在に装着された吐出キャップ5と、を備えている。
【0018】
なお、内容器2及び外容器3は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置された状態で配設されている。そして、この共通軸と同軸に吐出キャップ5が配置されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿った吐出キャップ5側を上側、その反対側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0019】
容器本体4は、ブロー成形により形成され、外容器3の内面に内容器2が剥離可能に積層された積層剥離型容器(デラミボトル)とされている。
ブロー成形としては、例えば押出成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで容器本体4を形成しても良い(押出ブロー成形)。また、射出成形等によって外容器用のプリフォーム、及び内容器用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
なお、外容器用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器3を形成した後、内容器用のプリフォームを内部に配置し、その後、内容器用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
【0020】
なお、内容器2及び外容器3の材質は樹脂材料とされ、剥離可能な組み合わせであれば互いに同材質でも構わないし異材質でも構わない。樹脂材料の一例としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ナイロン(ポリアミド)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)等が挙げられる。これらの樹脂材料の中から、外容器3と内容器2とは剥離可能(相溶性がない)となる組み合わせで形成される。
【0021】
容器本体4は、口部4a、肩部4b、胴部(不図示)及び底部(不図示)が上側から順に連設された有底筒状に形成されている。肩部4bは、上側から下側に向かうにしたがい漸次拡径している。胴部は、例えば横断面視円形状に形成されている。
なお、容器本体4を構成する外容器3はスクイズ変形可能とされ、この外容器3のスクイズ変形に伴って内容器2は減容変形する。よって、外容器3のうち少なくとも胴部に位置する部分は、径方向内側(容器内側)に向けて弾性変形可能とされている。
【0022】
容器本体4の口部4aは、肩部4bの上端開口部から上方に向けて延びるように形成されている。この容器本体4の口部4aは、内容器2の口部2aと外容器3の口部3aとが積層された構成とされている。
内容器2の口部2aの上端部には、径方向外側に突出する環状の折り返し部2bが形成され、この折り返し部2bを利用して外容器3の口部3aの開口端を上方側から塞いでいる。そのため、外容器3の口部3aは、内容器2によって閉塞されている。外容器3の口部3aには、外容器3と内容器2との間に、後述する外気導入孔23を経由して外気を導入させる吸気孔6が形成されている。
【0023】
吐出キャップ5は、中栓部10、キャップ本体20及び蓋部30を備えている。
中栓部10は、容器本体4の口部4aの上端開口部上に配置されたベース部11と、ベース部11を上下方向に貫通する収容筒部12と、収容筒部12内に収容された弁体部13と、を備えている。
なお、図示の例では、ベース部11及び収容筒部12は一体に形成されているが、別体に形成しても構わない。
【0024】
ベース部11は、容器本体4の口部4aの上端開口部上に位置する外ベース部11aと、外ベース部11aよりも径方向内側に位置する内ベース部11bと、上下方向に延び、外ベース部11aの内端部と内ベース部11bの外端部とを連結する連結筒部11cと、を備えている。なお、内ベース部11bは外ベース部11aよりも上方に位置している。
【0025】
外ベース部11aには、連結筒部11cを径方向外側から囲む立ち上がり筒部14が上方に向けて突出するように形成されていると共に、容器本体4の口部4aの内側に嵌合して、容器本体4の口部4aをシールする嵌合筒部15が下方に向けて突出するように形成されている。
内ベース部11bには、内容物を流通させる流通孔16が容器軸Oに対して径方向にずれた位置に形成されていると共に、上記収容筒部12が形成されている。
【0026】
収容筒部12は、内ベース部11bのうち流通孔16に隣接した部分から下方に突出するように形成されている。図示の例では、収容筒部12は、容器軸Oに対して径方向にずれていると共に、その一部は連結筒部11cと一体化している。
収容筒部12の内部は、残留した内容物を収容する収容空間とされ、上下に開口している。収容筒部12の下側部分には、下端部に向かうにしたがい漸次縮径する縮径部(弁座部)12aが形成されている。また、収容筒部12の上側部分における内面には、弁体部13の上方への抜けを規制する規制突起12bが径方向内側に向けて突出するように形成されている。
【0027】
なお、図示の例では、規制突起12bを収容筒部12の内面の全周に亘って環状に形成している。但し、この場合に限定されるものではなく、例えば規制突起12bを収容筒部12の内面の1箇所に凸状に突起するように形成しても構わないし、凸状の突起を内面の周方向に沿って間隔をあけて複数形成しても構わない。
いずれにしても、弁体部13の上方への抜けを規制できれば、規制突起12bをどのように形成しても構わない。さらには、規制突起12bは必須なものではなく、具備しなくても構わない。この場合であっても、後述する吐出弁40を利用して弁体部13の上方への抜けを規制することが可能である。
【0028】
弁体部13は、収容筒部12内に上下方向に移動自在に収容され、縮径部12aの内周面上に上方向けて離反可能に着座している。なお、図示の例では、弁体部13は、球状に形成されたいわゆるボール弁とされている。
この弁体部13は、内容物を吐出するにあたって容器本体4を例えば傾倒又は上下反転させたときに規制突起12b側に移動し、容器本体4を元の正立姿勢に戻したときに、自重又は内容器2の復元力によって生じる負圧によって縮径部12a側に移動する。これにより、ベース部11の上側に存在する残留内容物を収容筒部12の内部に引き込むことができ、いわゆるサックバック効果により液だれを回避することが可能とされている。
【0029】
なお、弁体部13は、合成樹脂製又は金属製のいずれでも構わないが、金属製とした場合には、自重によるスムーズな移動が可能となるので、上記サックバック効果をより一層高めることができる。
【0030】
なお、弁体部13を合成樹脂製とした場合には、二重容器1を構成する部材の全てを合成樹脂製とすることが可能になり、低コスト化を図ることができると共に、各部材を異種材料ごとに分別する作業を行うことなく、二重容器1を廃棄することができる。
さらに、合成樹脂製の弁体部13とした場合には、金属製にした場合に比べて質量や内容物に対する比重を軽くすることができるので、例えば二重容器1を、吐出孔26を下方に向けた吐出姿勢にした状態で、容器本体4の外容器3に対する径方向内側に向けてのスクイズ変形を解除したときに、弁体部13を規制突起12bから速やかに離反させて縮径部12aの内周面上に着座させ易くなる。従って、弁体部13を利用して、外気が収容筒部12内を通して内容器2内に進入することを抑制することができる。
【0031】
キャップ本体20は、図2及び図3に示すように、容器本体4の口部4aに螺着された外筒部21と、外筒部21の上端部に連設され、容器本体4の口部4aの上方を覆う天壁部22と、を備えた有頂筒状に形成されている。
このキャップ本体20によって、吐出キャップ5は容器本体4の口部4aに離脱自在に装着されている。なお、キャップ本体20は、容器本体4の口部4aに対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合されていても構わない。
【0032】
天壁部22は、外筒部21に接続されている外側部分22aよりも中央部分22bの方が上方に位置するように、段差をつけて形成されている。そして、天壁部22のうち外側部分22aと中央部分22bとの接続部分には、外気導入孔23が形成されている。
図示の例では、外気導入孔23は周方向に沿って延びる平面視円弧状に形成されている。但し、この場合に限定されるものではなく、例えば外気導入孔23を周方向に間隔をあけて複数形成しても良い。
【0033】
天壁部22のうち中央部分22bには、垂下筒部24、及び垂下筒部24よりも外径が小さい吐出筒部25が形成されている。
垂下筒部24は、天壁部22のうち外気導入孔23よりも径方向内側に位置する部分から下方に向けて突出するように形成されている。吐出筒部25は、容器軸Oに対して径方向にずれた位置に形成されていると共に、天壁部22を上下に貫くように形成されている。この吐出筒部25は、流通孔16を通して内容器2の内部に連通可能とされ、その内周面は下側から上側に向かうにしたがい漸次拡径している。そして、吐出筒部25の上端部が内容物を吐出する吐出孔26とされている。
【0034】
上述したように構成された中栓部10とキャップ本体20との間には、図2に示すように、吐出弁40及び外気導入弁(空気弁)50が配置されている。
【0035】
吐出弁40は、吐出孔26と容器本体4内との連通、遮断を切替える弁であり、内ベース部11bの上面に離反可能に載置された弁本体41と、弁本体41と外気導入弁50の後述する筒体部51とを一体に繋ぐ複数(3本)の弾性アーム42と、を備えた例えば3点弁とされている。
【0036】
弁本体41は、例えば平面視円形状に形成されており、内ベース部11bに形成された流通孔16を開放自在に閉塞している。
なお、弁本体41は収容筒部12の上部開口を完全に閉塞していない。そのため、収容筒部12の内部は常時上方に向けて開放されている。
【0037】
弾性アーム42は、例えば周方向に延びるように形成されることで適度なばね性が確保されていると共に、内端部が弁本体41の外縁部に接続され、且つ外端部が筒体部51に接続されている。そして、この弾性アーム42は、外容器3のスクイズ変形によって内容器2の内圧が上昇した際に、弁本体41を上方に移動させるように弾性変形して、弁本体41を内ベース部11bの上面から離反させる。これにより、外容器3のスクイズ変形時、流通孔16を開放させて、吐出孔26と容器本体4内とを連通させると共に、内容物を吐出孔26側に流通させることが可能とされている。
【0038】
なお、弾性アーム42の数は3つに限定されるものではない。また、吐出弁40としては、外容器3のスクイズ変形時に流通孔16を開放できれば良く、上記構成以外の弁構造としても良い。
【0039】
外気導入弁50は、下端部がベース部11に形成された立ち上がり筒部14の内側に嵌合し、上端部が天壁部22に形成された垂下筒部24の内側に嵌合された筒体部51と、筒体部51の外周面から径方向外側に向けて環状に突設され、外端部52aが自由端とされた弾性変形な弁体52と、を備えている。
【0040】
弁体52は、全周に亘って外端部52aが天壁部22における外側部分22aの下面に下方から離反可能に当接している。これにより、外気導入弁50は、キャップ本体20の内側から外気導入孔23を開放自在に閉塞している。つまり弁体52は、外気導入孔23を通じた外部からの外気の流入を許容し、且つ外気導入孔23を通じた外部への外気の流出を規制する逆止弁として機能する。
なお、外気導入孔23を通じて外部から流入した外気は、図2に示す矢印のように、外容器3に形成された吸気孔6を通じて内容器2と外容器3との間に流入する。
【0041】
なお、外気導入弁50の筒体部51が中栓部10のベース部11、及びキャップ本体20の天壁部22にそれぞれ嵌合しているので、中栓部10とキャップ本体20とは外気導入弁50を介して一体に連結されている。これにより、中栓部10及びキャップ本体20を1つのユニットとして取り扱うことができる。
また、吐出弁40と外気導入弁50とを一体に形成したが、これらを別部材としても構わない。
【0042】
ところで、キャップ本体20には、図2図5に示すように、キャップ本体20の外側から外気導入孔23を通して外気導入弁50を開放させる押下部(開放部材)60が弾性変位自在に設けられている。
【0043】
この押下部60は、外気導入孔23の上方に配置されるように、垂下筒部24の上端部の一部から径方向外側に向かって突設されたレバー片61と、レバー片61から下方に向けて突設され、外気導入孔23内に配置されると共に外気導入孔23を通じて外気導入弁50を押下する押下突起62と、押下突起62とキャップ本体20とを連結する弾性連結片63と、を備えている。
【0044】
レバー片61は、図3及び図4に示すように、平面視半円状に形成され、その外周縁は外気導入孔23よりも径方向外側に配置されている。これにより、レバー片61は外気導入孔23の全体を上方から覆うように配置されている。
レバー片61と垂下筒部24との接続部分には、例えばレバー片61の他の部分よりも薄肉に形成された折曲部64が形成されている。これにより、押下部60は、折曲部64を介してキャップ本体20に連結されている。
【0045】
また、レバー片61は、天壁部22における外側部分22aよりも上方に配置された中央部分22bに形成された垂下筒部24の上端部に、折曲部64を介して連結されているので、外側部分22aとレバー片61との間には容器軸O方向に隙間が確保されている。従って、その隙間の分だけ、折曲部64を中心にレバー片61を下方に押下げ操作することが可能とされている。
【0046】
押下突起62は、図4及び図5に示すように円柱状に形成され、外気導入孔23内における周方向の中央部に配置されている。この際、押下突起62は垂下筒部24との間に隙間をあけた状態で、垂下筒部24よりも径方向外側に配置されている。これにより、垂下筒部24に対して押下突起62を干渉させることなく、折曲部64を中心にレバー片61を押下げ操作することが可能とされている。
押下突起62の下端部は、外気導入孔23を越えて下方に突出しており、外気導入弁50における弁体52に対して上方から当接或いは近接している。これにより、折曲部64を中心にレバー片61を押下げ操作することで、図6及び図7に示すように、押下突起62を利用して弁体52を下方に向けて強制的に押下することが可能とされている。
【0047】
弾性連結片63は、図4及び図5に示すように、押下突起62と外気導入孔23の周縁部23aとを連結する第1アーム片65と、押下突起62と垂下筒部24の外周面とを連結する第2アーム片66と、を備えている。
図示の例では、第1アーム片65及び第2アーム片66から構成される弾性連結片63は薄肉に形成され、外気導入孔23内における上方開口部側に配置されている。この際、図5に示すように、第1アーム片65と第2アーム片66とは、押下突起62を挟んで周方向の反対側に配置されている。
【0048】
第1アーム片65は、一端部65aが押下突起62に連結され、その連結部分から周方向に沿って延びた後、径方向外側に向かって屈曲することで、他端部65bが外気導入孔23の周縁部23aに連結されている。
第2アーム片66は、押下突起62のうち第1アーム片65の一端部65aが連結されている部分とは押下突起62を挟んで周方向の反対側に位置にする部分に、一端部66aが連結されている。そして、第2アーム片66は、押下突起62と一端部66aとの連結部分から周方向に沿って延びた後、径方向内側に向かって屈曲することで、他端部66bが垂下筒部24の外周面に連結されている。
【0049】
このように、第1アーム片65及び第2アーム片66が押下突起62にそれぞれ連結されているので、図6及び図7に示すように、レバー片61の押下げ操作によって押下突起62が下方移動すると、それに伴って第1アーム片65の一端部65a及び第2アーム片66の一端部66aが下方移動する。これにより、第1アーム片65及び第2アーム片66は捩じれるように弾性変形して弾性力(弾性エネルギー)を蓄えることが可能とされている。
【0050】
図1に示すように、蓋部30は、周壁部31と頂壁部32とで有頂筒状に形成され、キャップ本体20における外筒部21の上端部に着脱可能に外嵌されている。
頂壁部32には、下方に向けて突出したシール筒部33が形成されている。このシール筒部33は、吐出筒部25内に上方から挿入されていると共に、下端部が吐出筒部25の内側に着脱自在に嵌合されている。これにより、シール筒部33は吐出孔26を通じた内容物の吐出を規制している。
【0051】
周壁部31は、ヒンジ部34を介して外筒部21に連結されている。これにより、蓋部30はヒンジ部34回りに回動可能とされており、回動に伴ってシール筒部33を吐出筒部25から挿抜させて、吐出孔26を開閉することが可能とされている。
なお、周壁部31には、容器軸Oを挟んでヒンジ部34とは反対側に位置する部分から径方向外側に突出するように操作突片35が形成されている。これにより、操作突片35を利用して、蓋部30の回動操作を容易に行うことが可能とされている。
【0052】
(二重容器の作用)
このように構成された二重容器1を使用する場合について説明する。
内容物を吐出する場合には、まず図1に示す吐出キャップ5の蓋部30をヒンジ部34回りに回動させて、図2に示すように吐出孔26を開放させた後、例えば容器本体4を傾倒又は上下反転させながら容器本体4の外容器3を径方向内側にスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器2が外容器3と共に径方向内側に変形して減容するので、内容器2の内圧が上昇する。
【0053】
すると、吐出弁40における弁本体41が内ベース部11bの上面から上方に向けて離反するので、流通孔16が開放されて吐出孔26と内容器2の内部とが流通孔16を通じて連通する。これにより、吐出孔26を通じて、内容器2の内部に収容された内容物を外部に吐出することができる。なお、このとき収容筒部12内の弁体部13は、図2に示す点線のように規制突起12b側に移動する。
【0054】
その後、容器本体4のスクイズ変形を停止又は解除することで、内容器2の内圧の上昇が停止又は低下すると、吐出弁40の弁本体41が弾性アーム42の復元変形によって元の状態に戻り、内ベース部11bの上面に着座する。これにより、流通孔16を再び閉塞することができ、吐出孔26と内容器2の内部との連通を遮断する。このため、内容物の吐出を停止することができる。
【0055】
また、容器本体4のスクイズ変形を解除することで、外容器3が復元変形し始めるので、外容器3と内容器2との間に負圧が生じる。すると、この負圧が吸気孔6を通じて外気導入弁50に作用するので、弁体52の外端部52aが天壁部22の下面から下方に向けて離間し、外気導入孔23を開放する。これにより、外気導入孔23を通じて外部から外気が流入し、その外気が吸気孔6を通じて内容器2と外容器3との間に流入する。
その結果、外容器3が復元変形したとしても、内容器2を外容器3の内面から離間させ、減容変形させたままの状態にしておくことができる。
【0056】
また、容器本体4のスクイズ変形の解除にあわせて容器本体4を正立姿勢に戻すことで、収容筒部12内の弁体部13を自重により縮径部12a側に移動させて、該縮径部12aに着座させることができる。なお、自重だけでなく、内容器2の復元力によって生じる負圧化によっても、弁体部13を縮径部12a側に移動させることが可能である。
そして、弁体部13の移動に伴うサックバック効果によって、吐出筒部25と内ベース部11bとの間に内容物が残留したとしても、その残留した内容物を収容筒部12内に引き込むことができる。従って、残留内容物が吐出孔26を通じて外部に漏れ難く、液だれを防止することができる。
【0057】
なお、内容器2の内圧上昇を利用して、収容筒部12内の弁体部13を規制突起12b側に移動させることも可能であるので、内容物の吐出時に必ずしも容器本体4を傾倒又は上下反転させる必要はない。
【0058】
ところで、内容器2に収容されている内容物を吐出させ終わる(使い切る)と、内容器2のほぼ全体が減容変形して外容器3から離間した状態となっていると共に、外気導入弁50の弁体52の外端部52aが天壁部22の下面に接触することで外気導入孔23を閉塞している。
【0059】
そこで、二重容器1の廃棄を行う場合には、図6及び図7に示すように、折曲部64を折り曲げるように該折曲部64を中心に押下部60のレバー片61を押下げ操作する。これにより、レバー片61の押下げに伴って押下突起62を下方移動させることができ、外気導入孔23を通して外気導入弁50における弁体52の一部を上方から強制的に押下げて開放(開弁)させ、外気導入孔23を開放させることができる。
【0060】
従って、押下部60を押下げ操作した状態で、外容器3を径方向内側に向けて押圧することで、内容器2と外容器3との間の空気を吸気孔6及び外気導入孔23を通じて外部に排出できるので、外容器3を容易に減容変形させることができる。
特に、レバー片61を利用して、押下部60を例えば片手によるワンタッチで押下げ操作できるので、外容器3を減容変形させる作業を続けて容易に行い易い。さらに、外容器3を減容変形させた状態で、吐出キャップ5の蓋部30を閉めることで、外容器3を減容変形させたままの状態に維持することができる。
従って、外容器3を含む容器本体4の全体を潰した状態に維持することができ、二重容器1をかさ張ることなく廃棄することができる。従って、例えば処理コストの削減や廃棄作業における作業効率の向上化に繋げることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、吐出孔26が形成されたキャップ本体20の天壁部22に、外気導入孔23及び押下部60が形成されているので、内容物が残留している段階で、例えば指先が押下部60に触れてしまう等の外部干渉を防止し易い。従って、廃棄前に、押下部60を誤って押下げ操作してしまうことを防止することができる。
【0062】
ところで、レバー片61を押下げ操作している間、第1アーム片65及び第2アーム片66は、共に捩じれるように弾性変形することで弾性エネルギーを蓄えている。従って、レバー片61の押下げを解除すると、第1アーム片65及び第2アーム片66で構成される弾性連結片63は、弾性力によって復元変形し、押下部60を元の状態に復帰させる。
従って、例えば廃棄前に押下部60を誤って押下げ操作してしまった場合であっても、押下部60を元の状態に容易に復帰させることができる。従って、誤操作した場合であっても速やかに対応することができ、使い易い。
【0063】
なお、上述した第1実施形態では、押下突起62と外気導入孔23の周縁部23aとを第1アーム片65で連結すると共に、押下突起62と垂下筒部24の外周面とを第2アーム片66で連結した構成としたが、この場合に限定されるものではない。
例えば、第1アーム片65が、第2アーム片66と同様に、押下突起62と垂下筒部24の外周面とを連結しても構わない。また、第2アーム片66が、第1アーム片65と同様に、押下突起62と外気導入孔23の周縁部23aとを連結しても構わない。これらの場合であっても同様の作用効果を奏功することができる。但し、第1アーム片65及び第2アーム片66を上記実施形態のように構成することで、押下突起62をバランスよく支持できるので好ましい。
【0064】
さらに、弾性連結片63は、第1アーム片65及び第2アーム片66を有する構成に限定されるものではなく、例えば弾性連結片63を、レバー片61と天壁部22における外側部分22aの上面との間に配置し、レバー片61と天壁部22とを互いに連結する弾性体(板ばねやコイルバネ等)としても構わない。
【0065】
また、弾性連結片63の弾性力(ばね力)は自由に設定して構わない。この際、例えば弾性力を強く設定することで、押下部60を押下げ難くすることができるので、例えば廃棄前に押下部60を誤って押下げ操作してしまうことをより効果的に抑制することができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る二重容器の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0067】
図8図10に示すように、本実施形態の二重容器70は、周方向に沿って延びた平面視円弧状の押下部(開放部材)71を備え、キャップ本体20に対して弾性変位自在に組み合わされている。なお、本実施形態では、天壁部22における中央部分22bに外気導入孔23が平面視円弧状に形成されている。
【0068】
押下部71は、上方に向けて膨らむと共に、外気導入孔23を上方から覆うように天壁部22における中央部分22bの上面に配置された弾性変形可能な押下スイッチ(押下体)72と、押下スイッチ72から下方に向けて突設され、外気導入孔23内に配置された押下突起73と、を備えている。
【0069】
押下スイッチ72は、上方に向けて縦断面視半球状に膨らむように形成されていると共に、周方向に沿って延びる平面視円弧状に形成され、外気導入孔23における周方向の中央部に配置されている。この際、押下スイッチ72は、天壁部22における中央部分22bの上面に形成された平面視円弧状の溝部74内に配置され、その外周端部が溝部74の内側に嵌合している。これにより、押下スイッチ72は、天壁部22に対して位置決めされた状態で組み合わされている。
なお、押下スイッチ72は、周方向に沿った長さが外気導入孔23の周方向に沿った長さよりも短く形成されている。従って、外気導入孔23は、押下スイッチ72によって完全に塞がれてはいない。
【0070】
押下突起73は、押下スイッチ72における頂上部から下方に向けて延びると共に、押下スイッチ72に沿って周方向に延びた平面視円弧状の突起片73aと、突起片73aの下端部に形成され、外気導入弁50における弁体52の上方に配置された押下片73bと、を備えている。
押下片73bは、下方に向けて縦断面視半球状に膨らむように形成されていると共に、突起片73aに沿って周方向に沿って延びる平面視円弧状に形成されている。押下片73bの外周端部は、外気導入孔23よりも径方向外側及び径方向内側に拡がっており、天壁部22の下面に対して下方から接触している。これにより、押下部71は上方への抜けが規制された状態で天壁部22に対して組み合わされている。
【0071】
このように構成された二重容器70であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
すなわち、廃棄時に、押下スイッチ72を潰すように押下部71を押下げ操作することで、押下片73bを利用して外気導入弁50の弁体52を上方から押下げることができる。従って、弁体52の一部を強制的に押下げて開放(開弁)させることができ、外気導入孔23を開放させることができる。従って、押下部71を押下げ操作した状態で、外容器3を径方向内側に向けて押圧することで、外容器3と内容器2との間の空気を図10に示す矢印のように、吸気孔6及び外気導入孔23を通じて外部に排出することができる。従って、外容器3を容易に減容変形させることができ、容器本体4の全体を潰すことができる。
【0072】
さらに、押下部71の押下げ操作を解除すると押下スイッチ72が弾性力によって復元変形するので、例えば廃棄前に押下部71を誤って押下げ操作してしまった場合であっても、押下部71を元の状態に復帰させることができる。
【0073】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0074】
例えば、上記各実施形態では、二重容器として、内容器が外容器の内面に剥離可能に積層された積層剥離型容器としたが、これに限定されるものではなく、内容器と外容器との間に隙間が確保された二重容器としても構わない。但し、積層剥離型容器とした場合には、汎用性を高めることができるので好ましい。
【0075】
また、上各記実施形態では、外気導入孔、外気導入弁及び押下部をキャップ本体に設けた場合を例にして説明したが、これら外気導入孔、外気導入弁及び押下部を外容器に設けても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏功することができる。いずれにしても、外容器及びキャップ本体のうちのいずれか一方の部材に、外気導入孔、外気導入弁及び押下部を形成して良い。
但し、上記実施形態のように、外気導入孔、外気導入弁及び押下部をキャップ本体の天壁部に設けた場合には、誤って押下部に触れてしまうことを防止し易いので好ましい。
なお、天壁部に外気導入孔を形成した場合であっても、外容器に形成した吸気孔を通して内容器と外容器との間に外気を適切に導入できるので、外容器に直接外気導入孔を形成した場合と同様の外気導入性能を確保することができる。
【0076】
さらに、上記各実施形態では、開放部材として、外気導入弁における弁体の一部を押下げることで外気導入弁を開放する押下部を例に挙げて説明したが、開放部材の構成としては押下に限定されるものではなく、外気導入弁を開放させて外部との連通を可能にする構成であれば良い。
例えば、折曲部を中心に開放部材を折曲操作することで、弁体の一部を破断或いは穿刺して外気導入弁を開放させても構わない。
【符号の説明】
【0077】
1、70…二重容器
2…内容器
3…外容器
4…容器本体
4a…容器本体の口部
5…吐出キャップ
6…吸気孔
20…キャップ本体
22…天壁部
23…外気導入孔
26…吐出孔
40…吐出弁
50…外気導入弁(空気弁)
60、71…押下部(開放部材)
62、73…押下突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10