特許第6531096号(P6531096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6531096細胞培養物からポリヒドロキシアルカノエートを回収しかつ精製するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6531096
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】細胞培養物からポリヒドロキシアルカノエートを回収しかつ精製するための方法
(51)【国際特許分類】
   C12P 7/62 20060101AFI20190531BHJP
【FI】
   C12P7/62
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-530643(P2016-530643)
(86)(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公表番号】特表2016-524926(P2016-524926A)
(43)【公表日】2016年8月22日
(86)【国際出願番号】IB2014063475
(87)【国際公開番号】WO2015015395
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年7月25日
(31)【優先権主張番号】MI2013A001276
(32)【優先日】2013年7月30日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516023940
【氏名又は名称】ビオ オン ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】ベゴッティ シモーネ
【審査官】 市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/085461(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/067542(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/067541(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/067543(WO,A1)
【文献】 特開2008−054541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 1/00−41/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養物からポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収し且つ精製する方法であって、以下の工程:
(a) 硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、酢酸、クエン酸又はこれらの混合物から選択される無機酸又は有機酸の水性溶液を添加することによって前記細胞培養物を酸性化して、6以下のpH値を得、且つ前記細胞培養物を10℃〜80℃の温度での高圧均質化による細胞分画処理に掛けて、PHA懸濁液を得る工程、
(b) このようにして得た前記PHA懸濁液を塩基性化して、8以上のpH値を得る工程、
(c) 前記PHA懸濁液を希釈し、且つこれをタンジェンシャル濾過に掛けて、濃縮されたPHA懸濁液を保持画分として、及び水性相を透過画分として得る工程、
(d) 前記濃縮されたPHA懸濁液を漂白工程に掛ける工程、
(e) 前記漂白工程後の前記PHA懸濁液を希釈し、且つこれをタンジェンシャル濾過に掛けて、濃縮され漂白されたPHA懸濁液を保持画分として、及び水性相を透過画分として得る工程、
(f) 前記濃縮され漂白されたPHA懸濁液を乾燥処理に掛ける工程、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記細胞培養物を、濃縮による予備工程に掛ける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記濃縮による予備工程により、20〜800g/L、好ましくは40〜500g/Lの細胞濃度を得る、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)において、前記細胞培養物を酸性化して、5以下のpH値を得る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
50MPa〜200MPa(500bar〜2,000bar)、好ましくは50MPa〜150MPa(500bar〜1,500bar)の圧力を、前記均質化の間に適用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)において、前記PHA懸濁液を、9以上のpH値を得るまで塩基性化する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
このようにして塩基性化された前記PHA懸濁液を、10℃〜80℃、好ましくは20℃〜50℃の温度で、少なくとも1種の界面活性剤で処理する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程(b)に従う処理後に、前記PHA懸濁液を希釈して、10〜500g/L、好ましくは25〜100g/Lの固形物濃度を得る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つの前記タンジェンシャル濾過工程において、0.05μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5μmの平均孔寸法を持つ、少なくとも一つのセラミック膜又はポリマー膜を使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも一つの前記タンジェンシャル濾過工程において、前記PHA懸濁液を、0.1〜1MPa(1〜10bar)、好ましくは0.2〜0.6MPa(2〜6bar)の圧力を用いて、前記少なくとも一つのタンジェンシャルフローフィルタを通して供給する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの前記タンジェンシャル濾過工程において、前記タンジェンシャルフィルタを通して、2〜10m/秒、好ましくは3〜8m/秒からなる流速を維持する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
漂白工程(d)が、酸化剤を添加することにより行われる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
漂白工程(d)が、10℃〜60℃の温度にて行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程(d)に従う前記処理後に、前記漂白されたPHA懸濁液を希釈して、10g/L〜100g/Lの固形物濃度を得る、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程(e)から得た前記濃縮され漂白されたPHA懸濁液が、オルトゴナル濾過によって更に濃縮され、次いで乾燥工程(f)に送られる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記濃縮され漂白されたPHA懸濁液に、少なくとも1種の凝集剤を添加し、次いで前記懸濁液を前記オルトゴナル濾過工程に供給する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養物からポリヒドロキシアルカノエートを回収しかつ精製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、ヒドロキシアルカノエートホモポリマーまたはコポリマー、例えば3-ヒドロキシブチレート(3HB)、3-ヒドロキシバレレート(3HV)、4-ヒドロキシバレレート(4HV)および3-ヒドロキシヘキサノエート(3HH)である。これらは、細胞代謝用の炭素およびエネルギーの蓄えとして、様々な微生物、特にバクテリアにより合成されかつ蓄積されている。PHAは、通常炭水化物、アルコールおよび有機酸をベースとする有機基質上での、適当なバクテリア菌株の醗酵によって製造され得る。バイオポリエステルは、該細胞によって合成され、かつ貯蔵されるが、次にこれらを、十分な純度を持つ上記ポリマー材料を得るように、該細胞から抽出する必要がある。
合成ポリマーおよび再生可能資源(例えば、ポリ乳酸(PLA))から得られる他のバイオポリマーに対して、PHAは、特に生分解性、リサイクル可能性および疎水性に関して多数の利点を有しており、これらの利点は、このような生成物を、石油化学起源のポリマーの生分解性代替品として特に有望なものとしている。
PHAを製造するための上記方法は、上記バクテリア細胞が、上記ポリマーを合成し、かつこれをその内部に蓄積する醗酵過程後に、該細胞からPHAを取出す工程、および該PHAを精製し、かつ漂白する工程を必要とし、該PHAを取出す工程において、該細胞の細胞壁は破壊され、該PHAから分離される。
【0003】
PHAを生産した細胞からこれを取出す方法は、例えば特許出願EP 1,739,182 A1に記載されているように、該ポリマーを可溶化することのできる有機溶媒の使用を含む。このような方法は、特にPHA溶液の高い粘度のために多数の欠点を有しており、該PHA溶液を処理するためには、これを大量の溶媒で希釈する必要があり、該溶媒の回収および処理費に関する明確な問題を伴う。その上、このようにして回収された該PHAを、次に、例えば該PHAが不十分に溶解性である他の溶媒を添加することによって沈殿させることにより、該有機溶媒から分離する必要がある。このことは、該溶媒による処理を、極めて経費の掛かるものとし、かつ環境が関係している限りにおいて問題のあるものとしている。
特許US 7,314,740 B2は、PHAを製造する方法を記載しており、該方法は、強塩基等のアルカリ性物質を添加して、9〜13.5のpH値を得、また同時に、例えば乳化装置または高圧ホモジナイザーによって施される該懸濁液に対する機械的作用により、該PHAを含有する上記細胞膜を破壊するための工程の実施を含む。次いで、該ポリマーは、遠心分離により分離される。
米国特許US 7,393,668 B2は、以下の操作により、PHAを生産した細胞からこれを回収する方法に係る:(a) 攪拌および該細胞の膜を破壊するための機械的な作用の下に、アルカリ性製品を添加する操作、これは該細胞の生体物質を可溶化し、かつその後の該PHAの分離を伴う;および(b) このようにして得た該PHAの、酵素および/または該PHAに含まれる不純物を可溶化するための界面活性剤による処理、およびその後の親水性溶媒および/または水による該PHAの洗浄操作。特に、該PHAの分子量における低下を回避するために、該細胞膜の機械的破壊工程は、該アルカリ性製品の添加前に行われるが、その理由は該アルカリ化工程後に施される該機械的作用が、該ポリマーの分子量における実質的かつ望ましからぬ減少を結果としてもたらす恐れがあると思われるからである。該細胞の破壊は、高圧ホモジナイザー、超音波装置、乳化装置、ミル等によって行うことができる。
【0004】
米国特許US 7,514,525号は、PHAを含有する細胞集団からこれを回収し、精製しかつ単離するための方法を記載しており、該方法は以下の処理を含んでいる:(a) 酸性溶液内でPHAとは異なる該細胞集団を可溶化し、部分的に結晶化したPHA顆粒の懸濁液を形成し;(b) 該懸濁液のpHを7〜11の値に調節し、かつ該固体PHAを該溶解した細胞集団から分離し;(c) 該固体PHAを漂泊溶液に再懸濁させ;(d) このようにして得た該固体PHAを乾燥する。工程(a)に従う可溶化は、高温においてかつ長期間に渡り、特に80〜130℃にて、好ましくは100〜110℃にて、30分〜4時間、好ましくは2時間に渡り行われる。該溶解された細胞集団からの該固体PHAの分離は、長期の高速遠心分離(4,000gで20分間)により行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、主として、PHAを含有する細胞集団からPHAを回収しかつ精製するための方法の提供を目的とし、該方法は、連続的に、即ち懸濁液から該PHAを分離するための、例えば遠心分離等のバッチ式工程の使用なしに実施することができ、該バッチ式工程は、大容量で実施するには一般的に複雑であり、経費の掛かる機械の使用を要し、また不可避的にプロセスの生産性を低下する。本発明のもう一つの目的は、有機溶媒を使用することなしに該方法を実施することにあり、該有機溶媒の使用は、上に示された如く、大規模で該方法を実施するに際してかなりの困難をもたらすことに加えて、エコロジーの観点から望ましくない。更なる目的は、分子量の低下を引起すことなしに、可能な限り純粋な形状で該PHAを得ることにあり、該分子量の低下は、該ポリマー材料の機械的な性能に、不可避の影響を及ぼすであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願人は、これらのおよび後の説明において更に詳細に示されるであろうその他の目的が、以下においておよび添付した特許請求の範囲において規定されるような方法によって実現し得ることを、今や見出した。
即ち、第一の局面において、本発明は、細胞培養物からポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収しかつ精製するための方法に係り、該方法は以下の工程を含む:
(a) 6に等しいかまたはそれ未満のpH値を得るように、該細胞培養物を酸性化し、および該細胞培養物を、10℃〜80℃の温度にて、高圧均質化による細胞分画処理に掛けて、PHA懸濁液を得る工程;
(b) このようにして得た該PHA懸濁液を塩基性化して、8に等しいかまたはこれを超えるpH値を得る工程;
(c) 該PHA懸濁液を希釈し、およびこれをタンジェンシャル濾過(tangential filtration)に掛けて、濃縮されたPHA懸濁液を保持画分(retentate)として、および水性相を透過画分(permeate)として得る工程;
(d) 該PHA懸濁液を漂白工程に掛ける工程;
(e) 該漂白工程後の該PHA懸濁液を希釈し、およびこれをタンジェンシャル濾過に掛けて、濃縮され漂白されたPHA懸濁液を保持画分として、および水性相を透過画分として得る工程;
(f) 該濃縮され漂白されたPHA懸濁液を乾燥処理に掛ける工程。
【0007】
上記出発細胞培養物は、一般的にPHAを生産することのできるバクテリアの菌株によって、栄養有機基質上で行われる発酵過程を由来とする。このようなバクテリアの菌株は、例えば以下の属から選択される:カプリアビダス(Cupriavidus)、アゾトバクター(Azotobacter)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、アエロモナス(Aeromonas)、ノカルディア(Nocardia)、ラルストニア(Ralstonia)、シュードモナス(Pseudomonas)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、バチルス(Bacillus)。特に好ましいものは、以下の属:ラルストニア(Ralstonia)、カプリビダス(Cuprividus)およびメチロバクテリウム(Methylobacterium)であり、および一層具体的には、ラルストニアユートロファ(Ralstonia eutropha)、カプリアビダスネカトール(Cupriavidus necator)およびメチロバクテリウムローデシアヌム(Methylobacterium rhodesianum)種である。
上記栄養基質は、上記バクテリアによって代謝されて、PHAを生成することのできる任意の型の基質であり得、該基質は、例えば果実、テンサイ糖、サトウキビ、油糧種子等といった、植物製品を加工することにより得られるジュース、糖蜜または果肉から選択することができる。このような基質は、炭水化物およびタンパク質に加えて、一般に様々な性質を持つ成長因子、窒素および/またはリンを含有する化合物および細胞成長にとって有用なその他の元素を含む。
【0008】
上記醗酵工程の終了時点において、該細胞培養物は、ことによればその後の工程において処理すべき容量を減じる目的で、予備濃縮工程に掛けることができる。好ましくは、該予備濃縮工程は、20〜800g/L、より好ましくは40〜500g/Lの細胞濃度の達成へと導く。このような濃縮工程は、工程(c)との関連で後に記載されるものと類似する方法に従って、タンジェンシャル濾過により有利に実施し得る。
工程(a)によれば、上記細胞培養物は、6に等しいかまたはそれ未満、好ましくは5に等しいかまたはそれ未満のpH値を達成するように、酸性化される。この酸性化は、一般に室温にて酸を添加することにより、特に無機酸または有機酸の水性溶液を添加することにより行われ、該酸は、例えば硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、酢酸、クエン酸、またはこれらの混合物から選択される。
このようにして酸性化された上記細胞培養物は、次に高圧ホモジナイザーの使用を要する、細胞分画処理に掛けられる。このような処理は、高圧ゾーンから低圧ゾーンへと液体を通すことにより連続的に行って、該細胞を機械的な衝撃に掛けて、例えば該細胞の膜を崩壊させかつその内容物を開放させることが可能である。一般的に、当業者にとって周知の技術によれば、該ホモジナイザーは、ピストン容量型ポンプ(piston volumetric pump)および調節可能な幾何学的形状を持つバルブを含み、ここにおいて動圧は、連続流動条件にて発生される。
好ましくは、上記高圧ゾーンにおいて、約50MPa〜約200MPa(500bar〜2,000bar)、より好ましくは約50MPa〜約150MPa(500bar〜1,500bar)という一定の圧力が適用される。一般に、上記均質化工程は、該装置内に1〜5回通すことを必要とし、また十分な程度の細胞分画を達成するのに必要とされるこの通過回数は、印加される最大の圧力が増大するのに伴って減少する。
【0009】
上記均質化工程中に、上記細胞懸濁液に及ぼされる機械的な作用は、温度の上昇を引起すが、これは、何れの場合にも、結果として上記PHAの平均分子量の低下を伴う、該PHAの起り得る分解を回避するために、10〜80℃、好ましくは20〜50℃の区間内に維持される。
上記均質化工程の後に、該PHA懸濁液は、8に等しいかまたはこれを超え、好ましくは9に等しいかまたはこれを超えるpH値を達成するように、塩基性化される。好ましくは、この塩基性化工程は、強塩基、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたはこれらの混合物等の強力な無機塩基溶液を添加することにより行うことができる。
好ましい一態様において、かくして塩基性化された上記PHA懸濁液は、10〜80℃、好ましくは20〜50℃の温度にて、少なくとも1種の界面活性剤で処理される。
好ましくは、上記界面活性剤は、例えば0.5〜10g/Lという少量で添加され、また該PHAからの上記細胞膜の破壊に由来する残留物の除去を促進する機能を、主として持つ。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、またはノニオン性界面活性剤が好ましく使用される。このような界面活性剤は、好ましくは廃棄の問題を回避するように、低い環境への影響を持つものから選択される。アニオン性界面活性剤の例は、アルキルまたはアルケニルサルフェート、アルキルまたはアルケニルベンゼンスルホネート、アルキルまたはアルケニルエーテルサルフェート、アルキルまたはアルケニルカルボキシレート、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボキシレート等である。特に好ましいものは、C10-C18アルキルサルフェートである。
【0010】
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウムまたはジアルキルジメチルアンモニウム塩を使用することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン(好ましくはポリオキシエチレン)アルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレン(好ましくはポリオキシエチレン)アルキルまたはアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー等を使用することができる。
工程(b)に従う上記処理の後、上記PHA懸濁液を、一般的には水で希釈して、好ましくは10〜500g/L、より好ましくは25〜100g/Lの固形物濃度を得、また次にタンジェンシャル濾過処理に掛けて、保持画分として濃縮されたPHA懸濁液を、および透過画分として水性相を得る。このタンジェンシャル濾過は、該懸濁液を連続的な様式で、少なくとも一つのタンジェンシャルフローフィルタを通過させることにより、公知の方法に従って実施することができ、該フィルタには少なくとも一つのセラミックまたはポリマー製の膜があり、該膜は、0.05μ〜10μm、より好ましくは0.2μm〜5μmの平均孔寸法を持つ。このような方法は、該進入してくる懸濁液を、実質的に円筒状の展開(cylindrical development)を示す上記膜によって画成されるチャンネル、好ましくは管状のチャンネルに連続的に通すことにより、該保持画分を該透過画分から分離することを可能とする。好ましくは、タンジェンシャル濾過に掛けるべき該PHA懸濁液は、約0.1〜約1MPa(1〜10bar)、より好ましくは約0.2〜約0.6MPa(2〜6bar)で変え得ることが好ましい圧力によって、上記少なくとも一つのタンジェンシャルフローフィルタを通して供給される。
【0011】
上記PHA懸濁粒子の平均寸法は、一般に0.3μm〜2μm、好ましくは0.5μm〜1.5μmからなっている。これ程に小さな寸法を持つ粒子の存在は、該懸濁液が流通する上記タンジェンシャルフィルタの表面の所謂「ファウリング(fouling)」のために、該フィルタの迅速な閉塞をもたらす可能性があり、これは該濾過表面の透過性の変更および低下を引起す。このような現象を抑制するために、2〜10m/秒、より好ましくは3〜8m/秒からなる該タンジェンシャルフィルタを介する流速を保つことが好ましい。
従って、タンジェンシャル濾過工程(c)由来の保持画分として得られた上記濃縮されたPHA懸濁液は、漂白工程を経るが、該工程は、例えば酸化剤、特に次亜塩素酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)または好ましくは過酸化水素の水性溶液を添加することにより行うことができる。特に好ましい溶液は、10%〜35質量%の濃度を持つ過酸化水素である。好ましくは、該漂白工程は10°C〜60°Cの温度にて実施される。
工程(d)に従う上記処理の後、該漂白されたPHA懸濁液を、一般的には水で希釈して、好ましくは10g/L〜100g/Lの固形物濃度を得、次いでタンジェンシャル濾過に掛けて、保持画分として濃縮され漂白されたPHA懸濁液をおよび透過画分として水性相を得る。このようなタンジェンシャル濾過工程は、上述の工程(c)と同様な方法で実施できる。
次に、上記濃縮され漂白されたPHA懸濁液は、特に高温空気流を介する、従来法に従う乾燥処理を受ける。このような目的に対して、噴霧乾燥器、流動床乾燥機等を使用することが可能である。
【0012】
好ましい一態様において、工程(e)から得られる上記濃縮され漂白されたPHA懸濁液は、オルトゴナル濾過(orthogonal filtration)により更に濃縮され、次に乾燥工程(f)に送られる。このようにして、乾燥を行うのに必要な時間および相対的なエネルギー消費量が減じられる。タンジェンシャル濾過によって達成し得る限界に対して、より一層濃縮された懸濁液を得ることが望ましい場合には、該オルトゴナル濾過が必要となる可能性がある。
上記PHA懸濁液の可能なオルトゴナル濾過は、ドラムフィルタ、ロータリーフィルタまたはキャンドルフィルタによって実施することができる。上記粒子は小さな寸法を持つから、上記水性相の透過の結果的な阻止(不透過性化)を伴う、該フィルタの早期の詰りを回避するために、該濃縮され漂白されたPHA懸濁液に、少なくとも1種の凝集剤、好ましくは少なくとも1種の非-ポリマー型の凝集剤を添加して、最終的なPHAの汚染を回避することが好ましい。好ましくは、該少なくとも1種の凝集剤は、無機製品、例えば酸化カルシウム、硫酸アルミニウム、リン酸、およびこれらの混合物から選択される。
本発明に従う方法を適用することができる上記PHAに関しては、一般的に、以下の式の繰返し単位を含むポリマーがある:
-O-CHR1-(CH2)n-CO- (I)
ここで、R1は-H;ハロゲン原子(F、Cl、Br)、-CN、-OH、-COOH、-OR、-COOR(R = C1-C4アルキル基、ベンジル基)から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい、C1-C12アルキル基、C4-C16シクロアルキル基、C2-C12アルケニル基から選択され、
nは1〜6、好ましくは1または2の整数である。
好ましくは、R1はメチル基またはエチル基であり、かつnは1または2である。
【0013】
上記PHAは、ホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーであり得る。コポリマーまたはターポリマーの場合、これらは式(I)の異なる繰返し単位から、あるいはヒドロキシアルカノエートと共重合可能なコモノマー、例えばラクトンまたはラクタムを由来とする少なくとも1種の繰返し単位との組合せで、式(I)の少なくとも1種の繰返し単位からなるものであり得る。この最後の場合において、該式(I)の繰返し単位は、繰返し単位の全モル数に対して少なくとも10モル%に等しい量で存在する。
特に好ましい式(I)の繰返し単位は、3-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシバレレート、3-ヒドロキシヘキサノエート、3-ヒドロキシオクタノエート、3-ヒドロキシウンデセ-10-ノエート、4-ヒドロキシバレレートから誘導されるものである。
特に好ましいPHAは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ-3-ヒドロキシバレレート(PHV)、ポリ-3-ヒドロキシヘキサノエート(PHH)、ポリ-3-ヒドロキシオクタノエート(PHO)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート-co-3-ヒドロキシウンデセ-10-ノエート)(PHOU)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート(PHBVV)、またはこれらの混合物である。
【実施例】
【0014】
以下の実施例は、あくまでも本発明を例証するために与えられるものであり、また決して添付された特許請求の範囲によって規定される本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0015】
実施例1
醗酵工程を、テンサイを処理することにより誘導された有機糖蜜ベースの基質上で、ラルストニアユートロファ(Ralstonia eutropha)菌株によって実施し、80g/Lに等しい細胞濃度を達成した。
この培養ブロスを、1.2μmに等しい孔径(カットオフ)を持つタンジェンシャルフローフィルタにより濃縮して、150g/Lに等しい細胞濃度を得た。
このようにして濃縮した上記細胞培養物を、約4.5に等しいpH値を得るような量で、硫酸溶液(濃度10質量%)に添加した。
次に、上記酸性化した培養物を、室温にて高圧ホモジナイザー(最大圧力:約150MPa(1,500bar))に導入した。この均質化工程を、該ホモジナイザー内に継続して3回通すことにより、連続的に実施した。
このようにして得られた上記PHA懸濁液に、次いで約10.0に等しいpH値を得るように、水酸化ナトリウム溶液(濃度:50質量%)を添加し、次にドデシル硫酸ナトリウム溶液(懸濁液1L当たり4gの界面活性剤)を添加し、一方この懸濁液を室温に保った。
このように処理された上記懸濁液を、次に1:4の比にて水で希釈し、次いで0.8μmに等しいカットオフを持つタンジェンシャルフローフィルタを介する濾過処理に掛けて、150g/Lに等しい固形物濃度を得た。
このようにして得た上記濃縮されたPHA懸濁液を、次に該懸濁液の体積に対して1:8の比で、30質量%にて過酸化水素溶液を添加することにより、漂白処理に掛けた。
1:3の比にて水で希釈した後、上記漂白された懸濁液を、上記塩基性化工程後に使用したものと同一の型のフィルタ(カットオフ:0.8μm)を用いて、タンジェンシャル濾過に掛けた。得られた保持画分は精製されたPHAの顆粒を含み、一方得られた透過画分は、上記希釈工程のために使用された。
上記保持画分は、240℃にて噴霧乾燥器による乾燥処理に掛けられて、1質量%未満の含水率を持つPHA粉末を得た。
【0016】
実施例2
実施例1と同等な培養ブロスを、PHAを回収しかつ精製するために、以下のように処理した:
上記培養ブロスを、0.4μmに等しいカットオフを持つタンジェンシャルフローフィルタによって濃縮して、250g/Lに等しい細胞濃度を達成した。
このようにして濃縮された上記細胞培養物に、約4.5に等しいpH値を達成するような量にて、硫酸溶液(濃度30質量%)を添加した。
次いで、上記酸性化された培養物を、室温にて高圧ホモジナイザー(最大圧力:約100MPa(1,000bar))に導入した。この均質化工程は、該ホモジナイザー内に継続して2回通すことにより、連続的に実施した。
次いで、このようにして得た上記PHA懸濁液に、約9.0に等しいpH値を得るように、水酸化ナトリウム溶液(濃度:30質量%)を、次にドデシル硫酸ナトリウム水性溶液(懸濁液1L当たり5gの界面活性剤)を添加し、一方で該懸濁液を室温に保った。
次に、このように処理した上記懸濁液を、1:3の比にて水で希釈し、次いで。0.4μmに等しいカットオフを持つタンジェンシャルフローフィルタを介する濾過処理に掛けて、150g/Lに等しい固形物濃度を得た。
次いで、このようにして得た上記濃縮されたPHA懸濁液を、該懸濁液の体積に対して1:4の比で、30質量%にて過酸化水素溶液を添加することにより、漂白処理に掛けた。
1:3の比にて水で希釈した後、上記漂白された懸濁液を、上記塩基性化工程後に使用したものと同一の型のフィルタ(カットオフ:0.8μm)を用いて、タンジェンシャル濾過に掛けた。得られた保持画分は精製されたPHAの顆粒を含み、一方得られた透過画分は、上記希釈工程のために使用された。
上記保持画分を、キャンドルフィルタを介する更なる濾過操作に掛けた。該濾過操作において、上記懸濁液は、約0.4MPa(4.0bar)に等しい圧力を用いて導入され、該操作から水性透過画分および濃縮された懸濁液が得られ、次に後者を180℃にて流動床乾燥機による乾燥処理に掛けて、0.5質量%未満の含水率を持つPHAの粉末を得た。
【0017】
実施例3
77g/Lの乾燥塊状物濃度および53g/Lに等しいPHA含有量を持つ500Lの細胞懸濁液から出発して、実施例1を同一条件で繰り返した。表1は、全塊状物の乾燥基準での濃度および上記様々な処理工程において測定された、即ち上記塩基処理後(処理された細胞懸濁液)、および漂白およびタンジェンシャル濾過後の該処理の終了時点(最終的なPHA懸濁液)において測定されたPHAの濃度を示す。得られた該PHAを純度、分子量および収率に関して特徴付けした。
上記分子量(平均ポンデラル(mean ponderal)分子量:Mw)は、屈折率検出計およびUV-VISを備えた、ウォーターズ(Waters)社製の装置GPC-HPLCブリーズ(Breeze) 2を、クロマトグラフィーカラムミニミックス(Mini Mix) D(分子量範囲:200〜400,000Da)と共に使用して測定された。そのキャリブレーションは、単分散性ポリスチレン標準物質(シグマアルドリッチ、ミラノ(Sigma Aldrich, Milano))を用いて行われた。該標準物質は以下の分子量を持つ:2,440Da、13,700Da、29,300Da、50,400Da、105,600Daおよび370,000Da。その移動相の流速は0.3ml/分であり、一方該注入されたPHAクロロホルム溶液の濃度は、約3mg/mLであった。
上記PHAの純度は、クロマトグラフィーカラム:オールテック(Alltech) OA-1000を備えた、装置HPLCシマズ(Shimadzu)により測定された。その流速は0.7mL/分であり、またその移動相は、硫酸によって2に等しいpHとされた水性溶液であった。分析前に、該PHA懸濁液を乾燥させて、粉末を得、次いで該PHAを、メタノールおよび3%硫酸中でのメタノリシス工程により解重合させ、該ポリマーをそのモノマーに分解させた。
【0018】
【0019】
表1に示されたデータは、得られたPHAが99%の純度、78%の収率および278kDaの分子量を持つことを強調している。該表に示されたデータは、20例のサンプルについて実施された実験の結果であり、従ってこれらが反復性あるデータであることを立証している。
【0020】
実施例4(比較例)
実施例3において使用したものと同一の細胞懸濁液から出発して、WO 2011/045625の頁6-8に記載されている回収かつ精製工程を繰返した。このようにして得たPHAを、実施例3に記載されたようにして特徴付けした。表2に示されたデータは、得られたこのPHAが、95%の純度、59%の収率および167kDaの分子量を持つことを強調している。この場合においても、示されたデータは、20例のサンプルについて実施された実験の結果である。
実施例3および4において得られた結果の比較から、PHAを含有する同一の細胞懸濁液から出発することにより、どれ程本発明の方法が、より高い純度、より高い収率およびより大きな分子量を持つPHAを得ることを可能とするかは、明白である。
【0021】
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕細胞培養物からポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収し且つ精製する方法であって、以下の工程:
(a) 前記細胞培養物を酸性化して、6以下のpH値を得、且つ前記細胞培養物を10℃〜80℃の温度での高圧均質化による細胞分画処理に掛けて、PHA懸濁液を得る工程、
(b) このようにして得た前記PHA懸濁液を塩基性化して、8以上のpH値を得る工程、
(c) 前記PHA懸濁液を希釈し、且つこれをタンジェンシャル濾過に掛けて、濃縮されたPHA懸濁液を保持画分として、及び水性相を透過画分として得る工程、
(d) 前記濃縮されたPHA懸濁液を漂白工程に掛ける工程、
(e) 前記漂白工程後の前記PHA懸濁液を希釈し、且つこれをタンジェンシャル濾過に掛けて、濃縮され漂白されたPHA懸濁液を保持画分として、及び水性相を透過画分として得る工程、
(f) 前記濃縮され漂白されたPHA懸濁液を乾燥処理に掛ける工程、
を含む、前記方法。
〔2〕前記細胞培養物を、濃縮による予備工程に掛ける、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記濃縮による予備工程により、20〜800g/L、好ましくは40〜500g/Lの細胞濃度を得る、前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕工程(a)において、前記細胞培養物を酸性化して、5以下のpH値を得る、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕50MPa〜200MPa(500bar〜2,000bar)、好ましくは50MPa〜150MPa(500bar〜1,500bar)の圧力を、前記均質化の間に適用する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕工程(b)において、前記PHA懸濁液を、9以上のpH値を得るまで塩基性化する、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7〕このようにして塩基性化された前記PHA懸濁液を、10℃〜80℃、好ましくは20℃〜50℃の温度で、少なくとも1種の界面活性剤で処理する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8〕工程(b)に従う処理後に、前記PHA懸濁液を希釈して、10〜500g/L、好ましくは25〜100g/Lの固形物濃度を得る、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕少なくとも一つの前記タンジェンシャル濾過工程において、0.05μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5μmの平均孔寸法を持つ、少なくとも一つのセラミック膜又はポリマー膜を使用する、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕少なくとも一つの前記タンジェンシャル濾過工程において、前記PHA懸濁液を、0.1〜1MPa(1〜10bar)、好ましくは0.2〜0.6MPa(2〜6bar)の圧力を用いて、前記少なくとも一つのタンジェンシャルフローフィルタを通して供給する、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11〕少なくとも一つの前記タンジェンシャル濾過工程において、前記タンジェンシャルフィルタを通して、2〜10m/秒、好ましくは3〜8m/秒からなる流速を維持する、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12〕漂白工程(d)が、酸化剤を添加することにより行われる、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕漂白工程(d)が、10℃〜60℃の温度にて行われる、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕工程(d)に従う前記処理後に、前記漂白されたPHA懸濁液を希釈して、10g/L〜100g/Lの固形物濃度を得る、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の方法。
〔15〕工程(e)から得た前記濃縮され漂白されたPHA懸濁液が、オルトゴナル濾過によって更に濃縮され、次いで乾燥工程(f)に送られる、前記〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の方法。
〔16〕前記濃縮され漂白されたPHA懸濁液に、少なくとも1種の凝集剤を添加し、次いで前記懸濁液を前記オルトゴナル濾過工程に供給する、前記〔15〕に記載の方法。