特許第6531097号(P6531097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6531097
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】電圧コンバータ補償装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20190531BHJP
【FI】
   H02M3/28 P
   H02M3/28 L
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-531826(P2016-531826)
(86)(22)【出願日】2014年7月29日
(65)【公表番号】特表2016-525872(P2016-525872A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】US2014048661
(87)【国際公開番号】WO2015017433
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年7月10日
(31)【優先権主張番号】61/859,589
(32)【優先日】2013年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/335,849
(32)【優先日】2014年7月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ビング ルー
(72)【発明者】
【氏名】ウーリッヒ ビー ゲールケ
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−261358(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0069609(US,A1)
【文献】 特開平02−179270(JP,A)
【文献】 特開2013−059234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
電圧コンバータの出力に結合される入力と、前記電圧コンバータの出力電圧に比例する感知電圧を生成するように構成される出力とを含む感知回路と、
前記感知回路の出力に結合され、前記感知電圧と基準電圧との間の差に基づいてフィードバック制御信号を生成するように構成されるレギュレーションコントローラであって、前記フィードバック制御信号が、パルス幅変調(PWM)レギュレーションコントローラによって受信される、前記レギュレーションコントローラと、
基準調節回路であって、
前記電圧コンバータの変圧器の2次巻線に結合されるダイオードと、
前記ダイオードに結合される入力と、前記レギュレーションコントローラに結合される出力とを有する電圧分圧器であって、前記出力が、前記ダイオードによって導かれる電流に基づいて前記基準電圧を調節するための調節信号を配送するように構成される、前記電圧分圧器と、
を含む、前記基準調節回路と、
を含む、回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路であって、
前記レギュレーションコントローラが、
前記基準調節回路の前記電圧分圧器の出力に結合される入力と、前記調節された基準電圧を配送するように構成される出力とを有する基準電圧源と、
前記感知回路の出力に結合される非反転入力と、前記基準電圧源の出力に結合される反転入力と、前記フィードバック制御信号を配送するように構成される出力とを有する増幅器と、
を含む、回路。
【請求項3】
請求項1に記載の回路であって、
前記レギュレーションコントローラが、
前記感知回路の出力に結合される基準端子と、前記基準調節回路の前記電圧分圧器の出力に結合される入力と、前記フィードバック制御信号を配送するように構成される出力とを有するシャントレギュレータを含む、回路。
【請求項4】
請求項3に記載の回路であって、
前記基準電圧が、前記シャントレギュレータに内在し、前記基準調節回路から受信される前記調節信号により調節可能である、回路。
【請求項5】
請求項1に記載の回路であって、
前記フィードバック制御信号を受信するように結合される光放出器と、前記PWMレギュレーションコントローラに結合されるように適用される光受信器とを有する、オプトカプラを更に含む、回路。
【請求項6】
請求項1に記載の回路であって、
前記感知回路が、
前記電圧コンバータの前記出力と前記レギュレーションコントローラとの間に結合される第1の電圧感知レジスタと、
前記レギュレーションコントローラと前記電圧コンバータの接地端子との間に結合される第2の電圧感知レジスタと、
を更に含む、回路。
【請求項7】
請求項1に記載の回路であって、
前記感知回路の出力と前記レギュレーションコントローラの出力との間に結合される第1のキャパシタを更に含み、
前記基準調節回路が、前記電圧分圧器の出力と前記電圧コンバータの接地端子との間に結合される第2のキャパシタを更に含む、回路。
【請求項8】
フライバック電圧コンバータにおける使用のための装置であって、
前記フライバック電圧コンバータにより生成される出力電圧に比例する感知電圧を生成するように前記フライバック電圧コンバータの出力に結合するための感知回路と、
前記感知電圧と基準電圧との間の電圧差に比例する負のフィードバック制御信号を生成するように前記感知回路に結合されるレギュレーションデバイスであって、前記負のフィードバック制御信号が、前記基準電圧に従って前記フライバック電圧コンバータの出力電圧をレギュレートするためにパルス幅変調(PWM)レギュレーションコントローラによって受信される、前記レギュレーションデバイスと、
前記フライバック電圧コンバータの変圧器の2次巻線の交流電流に比例して前記基準電圧を調節するために前記変圧器の前記2次巻線に結合するように構成される出力電流平均化回路であって、
前記変圧器の前記2次巻線に結合されるように構成されるアノードを有するダイオードと、
前記ダイオードのカソードに結合される第1の端子を備える第1のレジスタと、
前記第1のレジスタとコモン電圧ノードとの間に直列に結合される第2のレジスタと、
前記レギュレーションデバイスに関連付けられて前記基準電圧を生成する基準電圧源の端子に結合される前記第1及び第2のレジスタの間の電圧分圧ノードと、
を含む、前記出力電流平均化回路と、
を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記レギュレーションデバイスがシャントレギュレータを含む、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置であって、
前記出力電流平均化回路が、前記第2のレジスタに並列に結合されるキャパシタを更に含む、装置。
【請求項11】
請求項8に記載の装置であって、
前記負のフィードバック制御信号を受信するように結合される光放出器と、前記PWMレギュレーションコントローラに結合するように適用される光受信器とを有するオプトカプラを更に含む、装置。
【請求項12】
請求項8に記載の装置であって、
前記感知回路が、
前記フライバック電圧コンバータの出力と前記レギュレーションデバイスとの間に結合される第1の電圧感知レジスタと、
前記レギュレーションデバイスと前記フライバック電圧コンバータの接地端子との間に結合される第2の電圧感知レジスタと、
を含む、装置。
【請求項13】
請求項8に記載の装置であって、
前記感知回路と前記レギュレーションデバイスの出力との間に結合されるキャパシタを更に含む、装置。
【請求項14】
請求項8に記載の装置であって、
前記レギュレーションデバイスが、
前記出力電流平均化回路の電圧分圧ノードの出力に結合される入力と、前記調節された電圧を配送するように構成される出力とを有する前記基準電圧源と、
前記感知回路の出力に結合される非反転入力と、前記基準電圧源の出力に結合される反転入力と、前記負のフィードバック制御信号を配送するように構成される出力とを有する増幅器と、
を含む、装置。
【請求項15】
請求項8に記載の装置であって、
前記レギュレーションデバイスが、
前記感知回路の出力に結合される基準端子と、前記出力電流平均化回路の電圧分圧ノードに結合される入力と、前記フィードバック制御信号を配送するように構成される出力とを有するシャントレギュレータを含む、装置。
【請求項16】
請求項9に記載の装置であって、
前記基準電圧が、前記シャントレギュレータに内在し、前記電圧分圧ノードから受信される調節電圧により調節可能である、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して電子回路要素に関し、特に電圧コンバータ補償装置及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
電源と電源により電力供給されるデバイスとは概してケーブルにより接続され、ケーブルは、電源と電力供給されるべきデバイスとの間の電流フローを提供する。最近の電子回路は通常、直流(「DC)電力供給され、DC電力供給はしばしば、安定した供給電圧レベルを提供するため電圧レギュレーション回路要素を含む。便宜上及び規制認可を容易にするため、電力コンセント(ウォールコンバータ)にある小さな交流(AC)・DC電源(コンバータ)が、ここ数十年にわたってますます普及してきている。用語「コンバータ」、「電圧コンバータ」、「電力コンバータ」、及び「アダプター」は、本明細書において用いられるように同義である。本明細書における例により例示される原理は、AC/DCコンバータ及びDC/DCコンバータに等しく適用し得る。
【0003】
図1は、従来の電力コンバータ110及びコンバータ110により電力供給されるデバイス115のブロック図である。電力コンバータ110は、ウォールアダプターであってもよいが、そうでなくてもよい。電力コンバータ110及び電力供給されるデバイス115は、ケーブル120により接続される。ケーブル120は、二つ又はそれ以上の導体(例えば、導体125及び130)を含む。マルチ電圧電力コンバータの場合、二つ又はそれ以上の導体125が必要とされ得る。導体125は、電力供給されるデバイス115に電流135を搬送し、導体130はリターン電流140を搬送する。
【0004】
抵抗145が導体125に関連付けられ、抵抗150が導体130に関連付けられる。抵抗145及び150両方の値は、それぞれ、導体125及び130のゲージ、長さ、及び組成の関数である。それぞれ、抵抗145及び150を介して流れる電流135及び140は、ケーブル120の電圧降下を電流135及び140に比例させる。ケーブル電圧降下の結果、電力供給されるデバイス115への入力電圧V_PD160が、コンバータ110のレギュレートされた出力電圧V_OUT165と等しくなくなる。ケーブル抵抗特性及び電力供給されるデバイスの動作電流がコンバータ110の設計者により既知である場合、ケーブル電圧降下が補償され得る。
【0005】
次第に一般的になってきているタイプのAC/DCコンバータは、携帯電話及び他のポータブル電子デバイスの充電のために5.0vdcのレギュレートされたユニバーサルシリアルバス(USB)レベル電圧を供給する。電力供給されるデバイス115のこのような例は、ますます一層速く、一層パワフルなプロセッサ、及び一層大きな容量メモリデバイスを用いる結果、高電流の引き込みとなる。後者の高電流引き込みは、5.0vdcのUSBレベルのV_OUT165に関連して著しいケーブル電圧降下となり得る。この状況は、コンバータ110のレギュレーション回路要素におけるケーブル電圧降下補償に対する課題となり得る。
【発明の概要】
【0006】
記載される例において、電圧コンバータが出力電圧を生成する。感知回路が、出力電圧に比例する感知信号を生成する。レギュレーションフィードバックコントローラが、感知信号と基準電圧との間の差を判定し、負のフィードバック制御信号を生成し、この負のフィードバック制御信号が、パルス幅変調(PWM)レギュレーションコントローラに、基準電圧によって決められるセットポイントに一層近く出力電圧を駆動させる。コンバータの出力における電流フローの大きさに比例して基準電圧を増大させるように、及びコンバータとコンバータにより電力供給されるデバイスとの間の電圧降下を補償するためセットポイントを増大させるように、分圧器がフライバック変圧器の二次巻線に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来の電力コンバータと、このコンバータにより電力供給されるデバイスのブロック図である。
【0008】
図2】例示の実施例の電圧降下補償装置を含む、例示の電圧コンバータの概略図である。
【0009】
図3】例示の実施例の電圧降下補償装置を含む、例示の電圧コンバータの概略図である。
【0010】
図4】例示の実施例の電圧降下補償装置の出力電流比例分圧器及び平均化回路部分に関連付けられる波形図である。
【0011】
図5】例示の実施例の電圧降下補償装置を含むフライバック電圧コンバータにおける電圧レギュレーションの方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図2は、電圧降下補償装置240を含む、例示の電圧コンバータ200の概略図である。電圧コンバータ200はAC/DCコンバータの一例である。しかし、本明細書における実施例及び方法は、AC/DCコンバータ及びDC/DCコンバータに等しく適用する。例示の電圧コンバータ200は、DC電圧をフライバック変圧器216の一次巻線214に供給するよう、ブリッジ整流器205及び電圧リップルフィルタリング回路211を含む。パルス幅変調(PWM)レギュレーションコントローラ219が、一次巻線電流制御スイッチ221の適切な導通デューティサイクルを判定する。可変幅の一次巻線電圧パルスが、フライバック変圧器216の二次巻線223における電圧を誘導する。二次巻線電圧はダイオード225により整流され、結果のDC電圧はキャパシタ228によりフィルタリングされ、コンバータ200の出力232における出力電圧V_OUTとなる。
【0013】
電圧降下補償装置240は、電圧コンバータ200の出力232に結合される出力電圧感知回路243を含む。出力電圧感知回路243は、電圧コンバータ200により生成される出力電圧V_OUTに比例する出力電圧感知信号を生成する。幾つかの実施例において、出力電圧感知回路243は、第1の電圧感知レジスタ245を含み得る。第1の電圧感知レジスタ245は、差動増幅器258及び基準電圧源265など、電圧コンバータ200の出力232とレギュレーションフィードバックコントローラ255の電圧感知入力端子260との間に結合され得る。出力電圧感知回路243はまた、差動増幅器258の電圧感知入力260とコモン電圧レールとの間のノード246において結合される第2の電圧感知レジスタ247を含み得る。コモン電圧レールは、概して接地レールであるが、幾つかの実施例において接地以外の電圧レールとし得る。
【0014】
電圧降下補償装置240はまた、レギュレーションフィードバックコントローラ255を含む。フィードバックコントローラ255は、出力電圧感知回路243に(例えば、ノード246において)結合される。フィードバックコントローラ255は、出力電圧感知信号と基準電圧との間の電圧差を判定する。フィードバックコントローラ255は、PWMレギュレーションコントローラ219に送るための負のフィードバック制御信号を生成する。この負のフィードバック制御信号は、PWMレギュレーションコントローラ219に、基準電圧によって決められるセットポイントに一層近くコンバータ出力電圧V_OUTを駆動させる。
【0015】
幾つかの実施例において、レギュレーションフィードバックコントローラ255は、差動増幅器258を含み得る。このようなケースにおいて、差動増幅器258の電圧感知入力端子260が、出力電圧感知回路243に結合される。差動増幅器258の出力端子が、PWMレギュレーションコントローラ219に結合される。レギュレーションフィードバックコントローラ255はまた、基準電圧源265を含む。基準電圧源265は、出力電流比例分圧器280と差動増幅器258の基準電圧入力端子268との間に結合される。基準電圧源265は基準電圧を供給する。
【0016】
電圧降下補償装置240はまた、オプトカプラ(図2には示していない)を含み得る。オプトカプラは、電圧コンバータ200の一次側を電圧コンバータ200の二次側からガルバニックに隔離するように負のフィードバック制御信号の導体270と直列に接続される。
【0017】
電圧降下補償装置240はまた、出力電流比例分圧器280を含む。出力電流比例分圧器280は、フライバック変圧器216の二次巻線223に結合される。幾つかの実施例において、出力電流比例分圧器280はまた、接地レールを含むコモン電圧レールに結合され得る。分圧器280は、コンバータ200の出力232における電流フローの大きさに比例して入力端子268における基準電圧を増大させる。これは、コンバータ200とコンバータ200により電力供給されるデバイス(例えば、図1の電力供給されるデバイス115)との間の電圧降下を補償するようにコンバータ200の出力電圧セットポイントを増大させる。電圧降下は、コンバータ200及び電力供給されるデバイス115を接続するケーブルにわたって起こり得る。
【0018】
図3は、電圧降下補償装置340を含む、例示のフライバック電圧コンバータ300の概略図である。例示の電圧コンバータ300は、全て図2の電圧コンバータ200に関して説明したような、ブリッジ整流器205、電圧リップルフィルタリング回路211、フライバック変圧器216の一次巻線214、PWMレギュレーションコントローラ219、一次巻線電流制御スイッチ221、二次巻線223、ダイオード225、フィルタリングキャパシタ228、及び出力232を含む。
【0019】
電圧コンバータ300はまた、電圧降下補償装置を含む。電圧降下補償装置は、図2の電圧コンバータ200に関して上述したように出力電圧V_OUTに比例する出力電圧感知信号を生成するよう出力電圧感知回路243を含む。電圧感知回路243の幾つかの実施例が、それぞれ、第1及び第2の電圧感知レジスタ245及び247を含む。第1及び第2の電圧感知レジスタ245及び247は、電圧コンバータ300の出力232と接地レールなどのコモン電圧レールとの間に直列に結合される。第1及び第2の電圧感知レジスタ245及び247の接合ノード246が、レギュレーションデバイス310の基準入力端子315に結合される。幾つかの実施例において、レギュレーションデバイス310は、TL431などのシャントレギュレータとし得る。
【0020】
レギュレーションデバイス310は、出力電圧感知信号と内部基準電圧との間の電圧差を判定する。レギュレーションデバイス310は、この電圧差に比例する負のフィードバック制御信号を生成する。この負のフィードバック制御信号は、PWMレギュレーションコントローラ219に、基準電圧によって決められるセットポイントに一層近くコンバータ出力電圧VOUTを駆動させる。幾つかの実施例において、電圧降下補償装置はまた、オプトカプラを含む。オプトカプラの発光要素330が、レギュレーションデバイス310と電圧コンバータ300の出力232との間に通信可能に直列に結合される。オプトカプラは、負のフィードバック制御信号のガルバニックに隔離されたバージョンを光エネルギーとして、PWMレギュレーションコントローラ219において構成されるオプトカプラの光学的レシーバ部332に結合する。
【0021】
電圧降下補償装置はまた、出力電流比例分圧器及び平均化回路340を含む。回路340は、フライバック変圧器216の二次巻線223に結合される。回路340は、電圧コンバータ300の出力232における電流フローに比例して基準電圧を増大させる。これは、コンバータ300とコンバータ300により電力供給されるデバイス(例えば、図1の電力供給されるデバイス115)との間の電圧降下を補償するようにコンバータ出力電圧セットポイントを増大させる。電圧降下は、コンバータ300及び電力供給されるデバイス115を接続するケーブルにわたって起こり得る。
【0022】
図4は、回路340に関連付けられる波形図である。図3も参照すると、回路340の分圧器部分が補償ダイオード343を含む。補償ダイオード343は、フライバック変圧器216の二次巻線223にアノード結合される。補償ダイオード343は、電流フローを二次巻線223から順方向に向ける。
【0023】
図4の頂部の波形は、二次巻線223を横切る電流パルス405を図示する。PWMレギュレーションコントローラ219は、ピーク電流410を判定し、一次(及びそのため二次)巻線電流パルス405のデューティサイクルを調節する。デューティサイクルは、PWMサイクルピリオド435で割ったパルス長415として定義される。図4の中間の波形は、補償ダイオード343のカソードと第1の補償レジスタ345の端子とのノード接合365における電圧パルス420を図示する。カソード電圧パルス420のパルス長415は、二次電流パルス405のパルス長415に対応する。カソード電圧パルス420のピーク電圧425は、コンバータ300の出力電圧V_OUTに、整流ダイオード225の電圧降下を加え、補償ダイオード343の電圧降下を引いたものに等しい。ピーク電圧425はV_OUTにほぼ等しい。これは、2つのダイオード225及び343の電圧降下が、(反対の極性であるが)ほぼ等しく、ピーク電圧425を判定する際に互いに効果的に相殺するためである。
【0024】
回路340の分圧器部分はまた、第1の補償レジスタ345を含む。第1の補償レジスタ345の第1の端子が、補償ダイオード343のカソードに結合される。回路340の分圧器部分は更に、第2の補償レジスタ348を含む。第2の補償レジスタ348は、第1の補償レジスタ345とコモン電圧ノード(例えば、接地端子)との間に直列に結合される。
【0025】
分圧ノード370が、それぞれ、第1及び第2の補償レジスタ345及び348の接合において配置される。分圧ノード370は、レギュレーションデバイス310に関連付けられる基準電圧源(図3には示していない)の端子に結合される。シャントレギュレーションデバイス(TL431など)の例示のケースにおいて、基準電圧源はレギュレーションデバイス310の内部に配置される。分圧ノード370において生成される電圧は、基準電圧源により生成される基準電圧に付加される。従って、回路340の分圧器部分は、レギュレーションデバイスの総基準電圧310を、分圧ノード370において生成される電圧の大きさだけ増大させる。
【0026】
回路340の平均化回路部分355が、補償キャパシタ358を含む。補償キャパシタ358は、レジスタキャパシタ(RC)ローパスフィルタをつくるように第2の補償レジスタ348と並列に結合される。平均化回路355は、ノード365において現れる図4の矩形電圧波形パルス420の分圧されたバージョンを平均化する。各電圧パルス420の分圧されたバージョンは、分圧ノードにおいて連続的DCオフセット電圧430を生成するためPWMサイクルピリオド435にわたって平均化される。
【0027】
図5は、例示の実施例の電圧降下補償装置を含むフライバック電圧コンバータにおける電圧レギュレーションの方法500のフローチャートである。このような装置が、負のフィードバックコンバータ出力電圧制御ループを実装する。方法500は、電圧コンバータのコンバータ出力電圧感知回路に及びPWMレギュレーションコントローラ部分に通信可能に結合されるレギュレーションデバイスに関連付けられる。方法500は、補償された基準電圧を生成するためコンバータ出力における電流フローの大きさに比例する可変補償オフセット電圧の大きさだけ基準電圧を増大させることを含む。説明されるように基準電圧を補償することは、コンバータ出力電圧セットポイントを増大させる。これは、コンバータをコンバータにより電力供給されるデバイスに結合するために用いられるケーブルにおける電圧降下を補償する。
【0028】
方法500は、フライバック電圧コンバータに関連付けられるフライバック変圧器の二次巻線における矩形電圧波形を感知するブロック505において開始する。この矩形電圧波形は、PWMレギュレーションコントローラによって決められるように二次巻線を介して流れるパルスされる電流の波形のデューティサイクルに等しいデューティサイクルを有する。また、この矩形電圧波形は、コンバータ出力電圧に比例するピーク電圧の大きさを有する。
【0029】
ブロック510において、矩形電圧波形は、DCオフセット電圧を生成するようPWMサイクルピリオドにわたって平均化される。ブロック515において、DCオフセット電圧は、可変補償オフセット電圧を生成するように、選択された比で分圧される。
【0030】
ブロック520において、電圧コンバータにより生成される出力電圧に比例する出力電圧感知信号が生成される。ブロック525において、出力電圧感知信号の大きさとレギュレーションデバイスにおける補償された基準電圧との間の差が判定される。ブロック530において、この電圧差に比例する負のフィードバック制御信号が生成される。
【0031】
ブロック535において、負のフィードバック制御信号は、PWMレギュレーションコントローラにおいて受信される。ブロック540において、方法500の幾つかのバージョンが、負のフィードバック制御信号を用いてレギュレーションデバイスとPWMレギュレーションコントローラとの間に構成されるオプトカプラに関連付けられる発光要素を駆動することを含む。これは、フライバック電圧コンバータの一次側をコンバータの二次側からガルバニックに隔離する。
【0032】
ブロック545において、コンバータ出力電圧は、電圧差の大きさを低減するため、補償された基準電圧によって決められるセットポイントに一層近く駆動される。方法500は、ブロック545からブロック505までループすることにより無期限に継続する。
【0033】
本明細書に記載される装置及び方法は、電圧コンバータを電力供給されるべきデバイスに接続するケーブルの電圧降下のため電圧コンバータ出力電圧レベルを補償する以外の用途に有用であり得る。装置200及び300及び方法500は、種々の実施例の種々の方法及び構造のシーケンスの一般的な理解を提供する。
【0034】
こういった種々の実施例は、レセプタクル電力コンバータ、コンピュータにおいて用いられる電子回路要素、通信及び信号処理回路要素、シングルプロセッサ又はマルチプロセッサモジュール、単一又は複数の埋め込みプロセッサ、マルチコアプロセッサ、データスイッチ、及び、特に、多層及びマルチチップのモジュールを含む特定用途向けモジュール、において用いるための半導体アナログ及びデジタル回路に組み込まれ得る。また、このような装置及びシステムは、ロボット工学、医療デバイス(例えば、心拍モニタ、血圧モニタ)、車両、テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ)、ワークステーション、ラジオ、ビデオプレーヤ、オーディオプレーヤ(例えば、MP3(Motion Picture Experts Group, Audio Layer 3)プレーヤ)、セットトップボックス、家電などの、種々の電子的システム内のサブ構成要素として含まれ得る。
【0035】
従って、本明細書に開示する構造及び方法は、レギュレータ出力電流に比例する出力電流補償された基準電圧を生成するように、補償ダイオード、及び平均化回路を備えた分圧器を含む。電流補償基準電圧がレギュレーションフィードバックコントローラ基準電圧に付加され、これが、コンバータ出力電流の引き込みに比例してPWMレギュレーションコントローラへの負のフィードバック信号を調節する。最終的な効果は、コンバータを電力供給されるデバイスに接続するケーブルにおける電圧降下に対する補償としてコンバータ出力電流の引き込みに比例してコンバータ出力電圧を増大させることである。一層正確にレギュレートされた電圧レベルが、電力供給されるデバイスの入力に搬送され得る。
【0036】
本明細書に開示する装置は、「フライバック」タイプのPWM AC/DC及びDC/DCスイッチング電圧コンバータにおける電圧レギュレーション回路に適用可能である。フライバックコンバータは、変圧器の一次巻線を介して可変デューティサイクル電流パルスを受け取るようにフライバック変圧器を含む。本明細書において用いられるように、「フライバックコンバータ」という用語は、二次側巻線における電圧波形のデューティサイクルがコンバータ出力電流に比例するように、二次巻線において生成される電圧波形を制御するため、変圧器の一次側巻線を介して導通されるパルスの幅及び/又はデューティサイクルを調節する電圧コンバータを含む。
【0037】
フライバック電圧コンバータは、一次側レギュレーション又は二次側レギュレーションを用い得る。本明細書において用いられるように、「一次側」は、変圧器一次巻線に、又は一次巻線に参照される補助巻線に、直接的又は間接的に接続される回路要素を含む。「二次側」は、変圧器二次巻線に直接的又は間接的に接続される回路要素を含む。一次側レギュレーションにおいて、二次電圧が、補助変圧器巻線で感知され、一次側基準電圧と比較される。結果の差信号が、電圧レギュレーションの目的のため一次巻線駆動パルス幅及び/又はデューティサイクルを調節するようにPWMレギュレーションコントローラにフィードバックされる。二次側レギュレーションにおいて、整流されフィルタリングされたコンバータ出力電圧が、感知され、二次側基準電圧と比較される。結果の差信号が、一次巻線駆動パルスを調節するようにPWMレギュレーションコントローラにフィードバックされる。
【0038】
本明細書に開示する装置は、二次側のレギュレートされたフライバック電圧コンバータに適用可能である。大抵、二次側レギュレーションは、実際のDC出力電圧が電圧制御フィードバック信号をつくる際に用いられるため、一層正確である。しかし、レギュレータ出力電流の測定が、実際の相互接続ケーブル電圧降下及び対応するレギュレートされた出力電圧補償を判定するために有効である。出力電流は、レギュレータ出力に直列のレジスタの電圧降下を測定することにより測定され得る。しかし、このような直列レジスタは、外部構成要素としてコストを付加し、電力を消費し、熱を生成し、望ましくない。
【0039】
コンバータ出力電圧が、コンバータ出力と接地又はその他の感知回路との間に接続される分圧器において感知される。レギュレーションデバイス(TL431など)又は回路(レギュレーションフィードバックコントローラ)が、感知された出力電圧を基準電圧と比較する。レギュレーションフィードバックコントローラは、感知されたレギュレータ出力電圧と基準電圧との間の差を表す負のフィードバック制御信号を生成する。負のフィードバック制御信号は、一次電流パルス幅及び/又はデューティサイクルを調節するためPWMレギュレーションコントローラに配路される。電流パルスは、感知された出力電圧の大きさを、基準電圧の大きさに向かって駆動されるようさせる方向に調節される。幾つかの実施例において、レギュレーションフィードバックコントローラは、一次及び二次側回路要素を電気的に隔離するようにオプトカプラを駆動し得る。
【0040】
補償ダイオード、及び平均化回路を備えた分圧器が、PWMサイクルにわたって平均化されたレギュレータ出力電流に比例する電流補償基準電圧を生成する。電流補償基準電圧は、レギュレーションフィードバックコントローラ基準電圧に付加され、これが、コンバータ出力電流の引き込みに比例してPWMレギュレーションコントローラへの負のフィードバック信号を調節する。最終的な効果は、コンバータを電力供給されるデバイスに接続するケーブルにおける電圧降下に対する補償としてコンバータ出力電流の引き込みに比例してコンバータ出力電圧を増大させることである。
【0041】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、多くの他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
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図5