特許第6531154号(P6531154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6531154移植された医療デバイスの光に基づく位置づけおよび識別
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6531154
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】移植された医療デバイスの光に基づく位置づけおよび識別
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20190531BHJP
   A61M 37/00 20060101ALI20190531BHJP
   A61M 39/02 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   A61B34/20
   A61M37/00 560
   A61M39/02 102
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-222500(P2017-222500)
(22)【出願日】2017年11月20日
(62)【分割の表示】特願2016-567482(P2016-567482)の分割
【原出願日】2015年2月4日
(65)【公開番号】特開2018-47274(P2018-47274A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2017年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/935,527
(32)【優先日】2014年2月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591184334
【氏名又は名称】メディカル コンポーネンツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】プレムクマール バブ
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−009949(JP,A)
【文献】 特表2013−531999(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/180127(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/138813(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0338609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61M 37/00
A61M 39/02
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植された医療デバイスに関する情報を判定する方法であって、
患者に移植されている医療デバイスを提供するステップであって、前記医療デバイスは隔壁を含み、
記隔壁は表面を有し、前記表面は、有第1の光作用面積および前記第1の光作用面積に隣接する第2の光作用面積を含む複数の光作用面積によって包囲されており
ここで、前記第1の光作用面積は、前記第2の光作用面積よりも多くの光を吸収する赤外または近赤外吸収特性を有し、前記第1の光作用面積は、第1の光信号を伝達することで前記医療デバイスに関する情報を提供するように構成されており、前記第2の光作用面積は、第2の光信号を伝達することで前記医療デバイスに関する情報を提供するように構成されている、ステップと、
プロセッサを含む光走査デバイスを提供するステップと、
前記光走査デバイスが、前記医療デバイスが移植された前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積にわたって赤外または近赤外レーザを走査するステップと、
前記光走査デバイスが、前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積から前記第1の光信号および前記第2の光信号を感知するステップと、
前記プロセッサが、前記第1の光作用面積からの前記第1の光信号および前記第2の光作用面積からの前記第2の光信号を処理し、前記第1の光信号および前記第2の光信号における差異を示す画像を作成するステップと、
作成された前記画像を表示するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記作成された画像を表示するステップが、前記画像を前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積上に可視光として投影することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可視光が、前記赤外または近赤外レーザとは異なる波長を伴う可視レーザである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像を前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積上に可視光として投影することが、ほぼリアルタイムで行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画像を表示するステップが、前記画像を前記走査デバイスのディスプレイ上に表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
判定されるべき前記情報が、前記医療デバイスの場所、配向、または属性のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の少なくとも一方のパターンが、前記医療デバイスの属性を示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記医療デバイスが静脈アクセスポートを含み、前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の少なくとも一方の前記パターンが、前記静脈アクセスポートが高圧注入可能であるかどうかを示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記医療デバイスがカテーテルであり、前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積の少なくとも一方が、少なくとも前記カテーテルの遠位端上に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積が、色;前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積を構築した材料;前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の少なくとも一方に適用される1つまたはそれを上回るコーティング;前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の可変凹面または凸面;光を生成するLED、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれより多くで画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
移植された医療デバイスに関する情報を判定する方法であって、
患者に移植されている医療デバイスを提供するステップであって、前記医療デバイスは隔壁を含み、前記隔壁は表面を有し、前記表面は、第1の光作用面積および前記第1の光作用面積に隣接する第2の光作用面積を含む複数の光作用面積に包囲されており、ここで、前記第1の光作用面積は、前記第2の光作用面積よりも多くの光を反射する赤外または近赤外反射特性を有し、前記第1の光作用面積は、第1の光信号を伝達することで前記医療デバイスに関する情報を提供するように構成されており、前記第2の光作用面積は、第2の光信号を伝達することで前記医療デバイスに関する情報を提供するように構成されている、ステップと、
プロセッサを含む光走査デバイスを提供するステップと、
前記光走査デバイスが、前記医療デバイスが移植された前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積にわたって赤外または近赤外レーザを走査するステップと、
前記光走査デバイスが、前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積から前記第1の光信号および前記第2の光信号を感知するステップと、
前記プロセッサが、前記第1の光作用面積からの前記第1の光信号および前記第2の光作用面積からの前記第2の光信号を処理し、前記第1の光信号および前記第2の光信号における差異を示す画像を作成するステップと、
作成された前記画像を表示するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記作成された画像を表示するステップが、前記画像を前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積上に可視光として投影することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記可視光が、前記赤外または近赤外レーザとは異なる波長を伴う可視レーザである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記画像を前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積上に可視光として投影することが、ほぼリアルタイムで行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記画像を表示するステップが、前記画像を前記走査デバイスのディスプレイ上に表示することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
判定されるべき前記情報が、前記医療デバイスの場所、配向、または属性のうちの1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の少なくとも一方のパターンが、前記医療デバイスの属性を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記医療デバイスが静脈アクセスポートを含み、前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の少なくとも一方の前記パターンが、前記静脈アクセスポートが高圧注入可能であるかどうかを示す、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記医療デバイスがカテーテルであり、前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積の少なくとも一方が、少なくとも前記カテーテルの遠位端上に提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の光作用面積および前記第2の光作用面積が、色;前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積を構築した材料;前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の少なくとも一方に適用される1つまたはそれを上回るコーティング;前記第1の光作用面積または前記第2の光作用面積の可変凹面または凸面;光を生成するLED、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれより多くで画定される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年2月4日に出願された米国仮出願番号第61/935,527号の利益を主張しており、その内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスに関し、より具体的には、光に基づくシステムを利用する、移植された医療デバイスの位置づけおよび識別に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
移植可能な医療デバイスは、皮下に移植されるデバイスであり、患者に対して生物学的機能を提供する。そのような移植可能な医療デバイスは、例えば、ねじ、ピン、プレート、ポッド、人工関節、冠動脈ステント、除細動器、心臓ペースメーカー、IUD(子宮内避妊具)、カテーテル、および静脈アクセスポートを含む。
【0004】
移植後、また時として、移植手技中、移植された医療デバイスの位置および/または配向を特定し、また、医療デバイスの属性を確認もしくは判定することが必要である。多くの状況では、皮下デバイスは、可視不能であり、したがって、他の技法が、医療デバイスの場所、配向、または属性を判定するために利用されなければならない。例示的技法は、触診、すなわち、デバイスを手探りで調べることと、x線撮像とを含む。
【0005】
これらの技法は、いくつかの必要性を満たしているが、それぞれはまた、欠点も有する。一例示的用途、すなわち、静脈アクセスポートでは、触診は、医師が、患者の脂肪層内の皮下ポートを手探りで調べることを要求する。いくつかの事例では、医師は、ある他の硬化した物体に触れ、これをポートと誤認し得る。加えて、ポートが特定される場合であっても、医師は、ポートの隔壁部分を具体的に特定することが困難であり得、大体の面積におけるいくつかの針刺しが、必要となり得る。代替として、医師は、ポートを正しく特定し得るが、しかしながら、ポートが、隔壁が部分的または完全に利用可能でなくなるほど回転された場合、医師は、いくつかの針刺しの後まで、そのように判定することが不可能であり得る。x線撮像は、皮下ポートのより精密な視認を提供するが、これは、その独自の欠点を有し得る。第1に、x線撮像は、典型的には、患者が具体的なx線撮像場所に運ばれることを要求し、これは、本手技を遅延させ、付加的なリソースを要求する。加えて、各x線手技は、患者を付加的な放射線に被爆させ、これは、概して、最小限に保たれることが所望される。
【0006】
医師に、移植可能な医療デバイスの1つまたはそれを上回る特性を判別する能力を提供する、システムおよび方法を提供することが、所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
少なくとも一実施形態では、本発明は、移植された医療デバイスに関する情報を判定する方法を提供する。本方法は、医療デバイスであって、その上に画定される少なくとも1つの光作用面積を有する医療デバイスが移植される、標的面積にわたって、赤外または近赤外光を走査するステップを含む。光作用面積とは、その面積が、赤外または近赤外光に対して、周辺面積よりも大きな吸収もしくは反射効果を有することによって、光により作用することを意味する。本方法はさらに、走査された面積から反射される光を受信するステップまたは吸収される光を感知するステップと、反射もしくは吸収された光を処理し、受信される反射または吸収された光における差異に基づいて、光作用面積を示す画像を作成するステップと、作成された画像を表示するステップとを含む。
【0008】
少なくとも一実施形態では、作成された画像を表示するステップは、作成された画像を、標的面積上に可視光として投影することを含む。
【0009】
少なくとも一実施形態では、判定されるべき情報は、医療デバイスの場所、配向、または属性のうちの1つを含む。
【0010】
少なくとも一実施形態では、本発明は、移植された医療デバイスに関する情報を判定するためのシステムを提供する。本システムは、医療デバイスであって、その上に画定される少なくとも1つの光作用面積を有する、医療デバイスと、光感知デバイスとを含む。光感知デバイスは、赤外または近赤外光を用いて、標的面積を走査し、標的面積から反射される光を受信するか、もしくはそれから吸収される光を感知し、受信された反射光または吸収光における差異に基づいて、光作用面積を示す画像を作成するように構成される。
【0011】
少なくとも一実施形態では、本発明は、放出ポートと連通する内部リザーバを画定する、本体と、内部リザーバの上方に位置付けられる、隔壁と、隔壁の場所を識別するように構成される、少なくとも1つの光作用面積であって、本体の残りとは異なって赤外または近赤外光を吸収または反射する、少なくとも1つの光作用面積とを含む、静脈アクセスポートを提供する。一実施形態では、少なくとも1つの光作用面積は、隔壁の周りに画定される。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの光作用面積は、隔壁によって画定される。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
移植された医療デバイスに関する情報を判定する方法であって、
医療デバイスであって、その上に画定される少なくとも1つの光作用面積を有する医療デバイスが移植される標的面積にわたって、赤外または近赤外レーザを走査するステップと、
走査された前記面積から反射された光を感知するステップと、
前記反射された光の信号を処理し、受信された前記反射された光の信号における差異に基づいて、前記光作用面積を示す画像を作成するステップと、
作成された前記画像を表示するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記作成された画像を表示するステップは、前記作成された画像を、前記標的面積上に可視光として投影することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記可視光は、前記赤外または近赤外レーザとは異なる波長を伴う、可視レーザである、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記作成された画像を、前記標的面積上に可視光として投影することは、ほぼリアルタイムで行われる、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記作成された画像を表示するステップは、前記作成された画像を、前記赤外または近赤外レーザを生成するために使用される走査デバイスのディスプレイ上に表示することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
判定されるべき前記情報は、前記医療デバイスの場所、配向、または属性のうちの1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記光作用面積のパターンが、前記医療デバイスの属性を示す、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記医療デバイスは、静脈アクセスポートであり、前記光作用面積のパターンは、前記静脈アクセスポートが高圧注入可能であるかどうかを示す、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記医療デバイスは、カテーテルであって、前記少なくとも1つの光作用領域は、少なくとも前記カテーテルの遠位端上に提供される、項目1に記載の方法。
(項目10)
移植された医療デバイスに関する情報を判定するためのシステムであって、
医療デバイスであって、その上に画定される少なくとも1つの光作用面積を有する、医療デバイスと、
光感知デバイスであって、赤外または近赤外光を用いて、標的面積を走査し、前記標的面積から反射された光を受信し、受信された前記反射された光における差異に基づいて、前記光作用面積を示す画像を作成するように構成される、光感知デバイスと
を備える、システム。
(項目11)
前記光感知デバイスは、ハンドヘルドデバイスである、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記光感知デバイスはさらに、前記作成された画像を、前記標的面積上に可視光として投影するように構成される、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記可視光は、前記赤外または近赤外レーザとは異なる波長を伴う、可視レーザであり、両方のレーザは、前記光感知デバイスによって生成される、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記光感知デバイスは、前記作成された画像を、前記標的面積上に可視光としてほぼリアルタイムで投影するように構成される、項目12に記載のシステム。
(項目15)
前記光感知デバイスはさらに、前記作成された画像を、前記光感知デバイスのディスプレイ上に表示するように構成される、項目10に記載のシステム。
(項目16)
前記少なくとも1つの光作用面積は、吸収性または反射性が異なる色;前記面積を画定する、材料のIRまたはNIR吸収性もしくは反射性の品質;吸収性または反射性が異なる材料を用いて前記面積に適用される、1つまたはそれを上回るコーティング;可変凹面または凸面を含む、可変構成;光を生成するLED、またはそれらの組み合わせによって画定される、項目10に記載のシステム。
(項目17)
静脈アクセスポートであって、
放出ポートと連通する少なくとも1つの内部リザーバを画定する、本体と、
各内部リザーバの上方に位置付けられる、隔壁と、
各隔壁の場所を識別するように構成される、少なくとも1つの光作用面積であって、前記本体の残りとは異なって赤外または近赤外光を吸収または反射する、少なくとも1つの光作用面積と
を含む、静脈アクセスポート。
(項目18)
前記少なくとも1つの光作用面積は、各隔壁の周りに画定される、項目17に記載の静脈アクセスポート。
(項目19)
前記少なくとも1つの光作用面積は、各隔壁によって画定される、項目17に記載の静脈アクセスポート。
(項目20)
前記少なくとも1つの光作用面積は、前記静脈アクセスポートの属性を示す、項目17に記載の静脈アクセスポート。
(項目21)
前記少なくとも1つの光作用面積は、前記静脈アクセスポートが高圧注入可能であるかどうかを示す、項目20に記載の静脈アクセスポート。
(項目22)
前記少なくとも1つの光作用面積は、前記静脈アクセスポートが高圧注入可能であるかどうかを示すために、規格化されたパターンで分布される、項目21に記載の静脈アクセスポート。
(項目23)
前記少なくとも1つの光作用面積は、前記静脈アクセスポートが高圧注入可能であるかどうかを示すために、少なくとも1つの英数字記号を画定する、項目21に記載の静脈アクセスポート。
(項目24)
前記少なくとも1つの光作用面積は、吸収性または反射性が異なる色;前記面積を画定する、材料のIRまたはNIR吸収性もしくは反射性品質;吸収性または反射性が異なる材料を用いて前記面積に適用される、1つまたはそれを上回るコーティング;可変凹面または凸面を含む、可変構成;光を生成するLED;またはそれらの組み合わせによって画定される、項目17に記載の静脈アクセスポート。
【0012】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する、付随の図面は、本発明の現在好ましい実施形態を例証し、前述される一般的説明と、後述される詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役割を果たす。図面は、以下である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の例示的実施形態による、移植された例示的静脈アクセスポートを視覚化するための光走査デバイスの使用を例証する、斜視図である。
図2図2は、本発明の例示的実施形態による、移植された例示的カテーテルを視覚化するための光走査デバイスの使用を例証する、斜視図である。
図3図3は、本発明に従って使用可能である、静脈アクセスポートの一実施形態の斜視図である。
図4図4は、図3のポートの上部平面図である。
図5図5は、図3のポートの底部平面図である。
図6図6は、図4の線6−6に沿った断面図である。
図7図7は、図4の線7−7に沿った断面図である。
図8図8は、代替としてマーキングされたポートを例証する、図4と類似する上部平面図である。
図9図9は、本発明に従って使用可能である、代替静脈アクセスポートの上部平面図である。
図10図10は、図9の線10−10に沿った断面図である。
図11図11は、図9のポートの底部平面図である。
図12図12は、図3のポートに適用されるような、光走査デバイスによって検出される光の例証画像である。
図13図13は、図12に例証されるような検出される光に基づく、光走査デバイスからの例証投影画像である。
図14図14は、図8のポートから検出される光に基づく、光走査デバイスからの代替投影画像である。
図15図15は、代替静脈アクセスポートから検出される光に基づく、光走査デバイスからの代替投影画像である。
図16図16は、図9のポートから検出される光に基づく、光走査デバイスからの代替投影画像である。
図17図17および18は、図2のカテーテルから検出される光に基づく、光走査デバイスからの代替投影画像である。
図18図17および18は、図2のカテーテルから検出される光に基づく、光走査デバイスからの代替投影画像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
図面では、同様の番号は、全体を通して同様の要素を示す。ある用語が、本明細書に便宜のためだけに使用され、本発明に対する限定として解釈されるべきではない。以下は、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、本開示に基づいて、本発明は、本明細書に説明される好ましい実施形態によって限定されないことを理解されたい。
【0015】
図1および2を参照すると、例示的光走査デバイス20が、移植された医療デバイス、すなわち、図1の静脈アクセスポート50、および図2のカテーテル150を検出するための使用において例証される。例示的光走査デバイス20は、患者10の標的面積12にわたって、赤外(IR)または近赤外(NIR)レーザ22を掃引するために、2軸式光学走査装置を使用する。掃引レーザ22は、2次元視野24を画定する。以降でより詳細に説明されるように、移植された医療デバイス50、150は、少なくとも1つの光作用面積とともに形成され、この光作用面積は、周辺組織および医療デバイス50、150の残りの構成要素と比較して、異なってIRまたはNIR光に作用するように構成される。例えば、医療デバイス50、150は、IRもしくはNIR光を吸収するように構成される面積を有してもよく、そのため、その面積では、光がほとんど反射されないか、またはIRもしくはNIR光を反射するように構成される面積を有してもよく、そのため、周辺面積と比較して、その面積では、より多くの光が反射される。
【0016】
同時に、光走査デバイス20は、レーザ22の波長に同調されたフォトダイオードまたは同等物を使用して、視野24から反射された光を受信および記録するように構成される。光感知デバイス20は、感知された視野の画像を作成するために、受信される反射された光に対応する信号を受信し、デジタル信号処理または同等物を利用する、プロセッサ(図示せず)を含む。光感知デバイス20は、画像が表示されるディスプレイ28を含んでもよい。加えて、光感知デバイス20はさらに、可視レーザを使用して、作成された画像を皮膚上に再投影するように構成される。例示的実施形態では、IRまたはNIRレーザ22は、およそ785nmの波長を有し、可視レーザは、およそ642nmの波長を有する。赤外域範囲において取得されたデータと連携して、投影された画像は、医師に、移植された医療デバイス50、150の場所および配向に対する直接かつ即時のフィードバックを提供する。
【0017】
光走査デバイス20は、IRまたはNIR光を生成および検出し、可視光を使用して投影される画像を生成するために、種々の内部構成要素を有してもよい。加えて、光走査デバイス20は、静止デバイスまたはポータブルデバイスであってもよい。そのような光感知および画像生成を実行するための種々のシステムが、米国特許第8,073,531号、第8,255,040号、第8,295,904号、第8,328,368号、第8,380,291号、第8,391,960号、第8,463,364号、第8,478,386号、第8,489,178号、および第8,594,770号(そのそれぞれは、参照することによって本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0018】
前述されるように、医療デバイス50、150は、好ましくは、少なくとも1つの光作用面積とともに形成され、これは、周辺組織および医療デバイス50、150の残りの構成要素と比較して、異なってIRまたはNIR光と相互作用するように構成される。そのような光作用面積を組み込む例示的静脈アクセスポート50が、図3−11を参照して説明される。
【0019】
図3−7を参照すると、第1の例示的静脈アクセスポート50が、説明される。ポート50は、概して、米国特許第8,257,325号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるポート構造と類似する構造を有する。概して、静脈アクセスポート50は、筐体52と、隔壁54とを含み、ポートアセンブリ50の遠位端58から延在する放出ポート56が、カテーテル(図示せず)の近位端に確実かつ密封式に取り付けられる。通路60が、内部リザーバ62から、放出ポート56の遠位先端開口部64に延在する。
【0020】
ここで、図6および7を参照すると、ポートアセンブリ50の内部が、内部リザーバ62を提供するように示される。筐体52は、隔壁54の真下に内部リザーバ62を画定する、底床部72および側壁74を有するウェル70を含む、針穿通不可能材料の筐体基部68を含むように示される。スカート82が、筐体基部68の周りにオーバーモールドされ、シリコーンエラストマまたは他の生体適合性材料から成ってもよい。キャップ88もまた、筐体基部68に固着され、順に、隔壁54をポートアセンブリ50における定位置に固着させる。筐体基部68は、隔壁のフランジが着座される、ウェル70の上部の中に延在する隔壁座部92を含む。
【0021】
図3および4を参照すると、キャップ88は、隔壁54の周りに、一連の光作用面積91、93を環状に画定する。この例証的ポート50では、4つのより暗い吸収性面積91が、4つのより明るい吸収性面積93と交互になる。より暗い吸収性面積91は、反射された光が殆どこれらの面積に対して受信されないように、より多くのIRまたはNIR光22を吸収するように構成される一方、より明るい吸収性面積93は、より多くの反射された光がこれらの面積に対して受信されるように、IRまたはNIRレーザ22を殆ど吸収しないように構成される。
【0022】
光作用面積91、93は、種々の技法を利用して画定されてもよい。例として、光作用面積91、93は、他の面積および他の構成要素とは、吸収性または反射性が異なる色を有するように画定されてもよい。代替として、異なるIRまたはNIR吸収性もしくは反射性品質を有する材料が、選択されてもよい。例えば、キャップ88の全てまたは一部が、吸収性または反射性が異なる材料から作製されてもよい。別の実施形態では、隔壁54自体が、隔壁が光作用面積を画定し、再投影画像26の明確に明るい面積として現れるように、吸収性または反射性が異なる材料から製造されてもよい。別の例示的代替として、光作用面積91、93は、吸収性または反射性が異なる材料、例えば、異なる蛍光性を有する材料を用いて、面積をコーティングすることによって画定されてもよい。さらに別の例示的代替として、光作用面積91、93は、吸収性または反射性が異なる面積を生じさせる、可変構成、例えば、異なる凹面または凸面を有してもよい。他の機構、例えば、光を生成するLEDもしくは光反射性金属、コーティング、または同等物が、光作用面積91、93に位置付けられてもよい。本発明は、吸収性または反射性が異なる面積を達成するためのこれらの例示的機構に限定されず、他の機構が、利用されてもよい。
【0023】
ポート50の本実施形態に対して受信される反射された光は、図12に例証され、より暗い吸収性面積91に対応する面積は、より明るい吸収性面積93に対応する面積よりも暗く現れる。本実施形態は、吸収性面積としての光作用面積91、93とともに説明されているが、面積の一方または両方が、代わりに、反射性面積であり得ることを認識されたい。例証されるように、光作用面積91、93はそれぞれ、周辺面積および隔壁54を含むポート50の残りとは異なる。このように、隔壁54は、これが光作用面積91および93によって包囲されるため、明確に識別可能である。
【0024】
図13は、図12に例証されるように受信された光に基づく、例示的再投影可視画像26を例証する。光感知デバイス20は、好ましくは、再投影可視画像26が、受信された光に対応するが、対照面積においてより鮮鋭化され、よりクリアであるように、受信された信号を処理するように構成される。見られるように、再投影画像26は、医師が、ポート50、より具体的には、標的隔壁54の場所を明確に識別することを可能にし得る。医師は、触診技法を使用して要求され得るような、隔壁54の厳密な場所を推測する必要性なく、その中に針を容易に挿入することができる。加えて、感知された光および投影画像26は、医師が、ポート50の配向を容易に判定することを可能にする。ポート50が患者内で向きを変え始めた場合、医師は、そのような配向の変化を認識し、是正措置が、従来技法を用いる場合よりも速やかに開始され得る。
【0025】
光作用面積91、93はまた、医療デバイスの属性を提供するために利用されてもよい。例えば、図3−7のポート50は、高圧注入可能ポートであり、光作用面積91、93のパターン(例えば、4つの交互の面積)は、ポート50が高圧注入可能であることを伝えるように構成されてもよい。これを図8に例証されるポート50’と対比すると、これは、ポート50と略同一であるが、高圧注入可能ではない。キャップ88’は、隔壁54の周りに一連の光作用面積91’および93’を含むが、しかしながら、それぞれ3つの光作用面積91’、93’のみが、提供される。3つの光作用面積91’、93’の交互パターンが高圧注入不可能ポート50’に対応するように、基準が、設定されてもよい。図14のポート50’の再投影可視画像26’と、図13のポート50の画像26を比較すると、どのポートが高圧注入可能であるか、そうでないかが、医師にとって明確になるであろう。代替として、非高圧ポートは、いずれの吸収性/反射性パターンも伴わずに作製されてもよく、それが全く存在しないことによって、ポートが高圧注入不可能であることが、医師にとって明確になるであろう。
【0026】
図5に例証されるように、ポート50はさらに、ポート50を高圧注入可能として指定するために、放射線不透過性マーキング100を含んでもよい。より大きな外円102が、底部基部表面94の最も外周上に提供されて観察され、より小さい内円104が、より中心に提供されて観察される。外円および内円または外側および内側リング102、104は、放射線不透過性印110に外接する。示される要素とは異なる他の放射線不透過性マーキング100もまた、利用されてもよい。光作用面積91、93に加えて、放射線不透過性マーキングの包含は、光感知デバイス20が利用可能ではない場合、または患者がx線を受けている場合のいずれであっても、ポート50の属性が識別されることを可能にする。
【0027】
図15を参照すると、場所/配向機能は、属性識別機能とは別個であり得る。例えば、再投影画像26’’は、隔壁54の場所および配向の指示を提供するために、単一光作用面積91’’が隔壁54を包囲する、高圧注入可能ポート50’’を表す。英数字印、すなわち、「CT」の形態の第2の光作用面積95が、隔壁54の中央に画定され、再投影画像26’’において見える。他の基準が、属性情報を伝えるために利用されてもよい。また、高圧注入可能性以外の付加的な属性情報が、光作用面積によって表わされる情報に組み込まれてもよい。
【0028】
図9−11および16を参照すると、別の例示的ポート50’’’が、説明される。ポート50’’’は、先の実施形態と類似するが、隔壁54、54’の対がそれぞれのリザーバ62、62’にわたって位置付けられる、デュアルポートを提供する。それぞれの通路60、60’が、各内部リザーバ62、62’から、放出ポート56の遠位先端開口部に延在する。図9に例証されるように、一連の光作用面積91、92が、各隔壁54、54’を中心として提供されてもよく、そのため、2つの別個の標的面積が、図16に例証されるように、再投影画像26’’’において見える。
【0029】
図2および17−18を参照すると、光感知デバイスと、代替移植可能医療デバイス、すなわち、カテーテル150との使用が、説明される。例証される実施形態では、光作用面積191が、カテーテルチューブ154の先端152に画定される。光作用面積191は、前述される光作用面積と類似する。例証される実施形態は、先端152における光作用面積191のみを含むが、これは、より広い面積にわたって、離間間隔において、または任意の他の所望される構成において提供されてもよい。図17に例証されるように、再投影画像26ivは、カテーテル本体154が、切開部155を通して、患者の皮膚下に前進されるにつれて、先端152の位置を示し得る。加えて、または代替として、光作用面積191の構成は、これがカテーテル150を通過されることが意図される流体160とは吸収性または反射性が異なり、先端152と、カテーテル内の流体160の存在の両方が、図18に例証されるように、再投影画像26上で見えるように選択されてもよい。
【0030】
本発明は、種々の静脈アクセスポートおよびカテーテルに関して説明されているが、本発明は、そのように限定されず、他の医療デバイスが、光作用面積とともに形成されてもよく、光走査デバイスが、皮下に移植される医療デバイスについての場所、配向、属性、および他の情報を判定するために利用されてもよい。
【0031】
本発明のこれらおよび他の利点が、前述の明細書から当業者に明白となる。故に、変更または修正が、本発明の広い発明的概念から逸脱することなく、前述される実施形態に成され得ることが、当業者によって認識され得る。したがって、本発明は、本明細書に説明される特定の実施形態に限定されず、本請求項に定義されるような本発明の範囲および精神内である、全ての変更および修正を含むことが意図されることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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