特許第6531204号(P6531204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6531204プリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6531204
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】プリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20190531BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20190531BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20190531BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20190531BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20190531BHJP
   B41M 3/06 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   B41J2/01 123
   B32B7/02 103
   B32B3/30
   B05D1/26 Z
   B05D5/06 101Z
   B41M3/06 A
   B41J2/01 501
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-124937(P2018-124937)
(22)【出願日】2018年6月29日
【審査請求日】2018年10月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 廣視
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−022615(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/013667(WO,A1)
【文献】 特開2014−195914(JP,A)
【文献】 特開2007−331232(JP,A)
【文献】 特開2007−260501(JP,A)
【文献】 特開2009−160534(JP,A)
【文献】 特開2008−018631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
B05D 1/26
B05D 5/06
B32B 3/30
B32B 7/023
B41M 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に設けられた光沢層とを備え、
前記基材は、鋼板、金属板、プラスチック板、フィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラスおよび布帛からなる群から選択される少なくとも1種であり(ただし、基材が透明部材である場合を除く)、
前記光沢層は、
透光性インクからなり、
前記基材の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条を含む第1領域と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条を含む第2領域とが形成されており、
前記第1の突条は、前記第1の方向から前記第2の方向へ湾曲し、前記第2の突条と接続される湾曲部を含む、プリント物。
【請求項2】
前記第1の方向に対して、前記第2の方向は、10〜80°傾いている、請求項1記載のプリント物。
【請求項3】
前記第1領域と、前記第2領域とは、前記基材の面内において、離間した位置に形成されている、請求項1または2記載のプリント物。
【請求項4】
前記第1領域と、前記第2領域とは、前記基材の面内において、隣接した位置に形成されている、請求項1または2記載のプリント物。
【請求項5】
前記基材と前記光沢層との間に、意匠層をさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のプリント物。
【請求項6】
前記意匠層は、木目調が印刷されている、請求項記載のプリント物。
【請求項7】
前記基材は、木材原料からなる、請求項1〜のいずれか1項に記載のプリント物。
【請求項8】
基材上に透光性インクを付与して光沢層を設け、表面光沢を付与する光沢付与方法であり、
前記基材は、鋼板、金属板、プラスチック板、フィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラスおよび布帛からなる群から選択される少なくとも1種であり(ただし、基材が透明部材である場合を除く)、
前記光沢層の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、前記透光性インクを付与する工程を含み、
前記第1の突条は、前記第1の方向から前記第2の方向へ湾曲し、前記第2の突条と接続される湾曲部を含むよう形成される、光沢付与方法。
【請求項9】
表面光沢を有するプリント物の製造方法であり、
インクジェット方式により、基材上に透光性インクを付与して光沢層を設けるインク付与工程を含み、
前記インク付与工程は、前記基材の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、前記透光性インクを付与する工程であり、
前記第1の突条は、前記第1の方向から前記第2の方向へ湾曲し、前記第2の突条と接続される湾曲部を含むよう形成され、
前記基材は、鋼板、金属板、プラスチック板、フィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラスおよび布帛からなる群から選択される少なくとも1種である(ただし、基材が透明部材である場合を除く)、プリント物の製造方法。
【請求項10】
基材と、前記基材上に設けられた光沢層とを備え、
前記光沢層は
透光性インクからなり、
前記基材の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条を含む第1領域と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条を含む第2領域とが形成されており、
前記基材は、透光性基材であり、
意匠層をさらに備え、
前記基材と、前記光沢層と、前記意匠層とが、順に形成されており、
前記第1の突条は、前記第1の方向から前記第2の方向へ湾曲し、前記第2の突条と接続される湾曲部を含む、プリント物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、基材の表面に光沢の異なる複数の領域を設けることにより、特殊な表面光沢(照り)が、種々の絵柄の基材上に付与されたプリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材の表面に木目調や金属調等の絵柄を設けた化粧シートが開発されている。特許文献1には、基材の表面に木目調を設けた化粧シートが開示されている。ところで、ハードメイプル、マホガニー等の特定の木材の木肌は、杢(キルト杢)と呼ばれる特殊な表面光沢(照り)を示す。このような表面光沢は、光を受けた木材の細胞内部からの光反射や散乱によって起こるといわれており、見る角度によって立体的に模様が揺らめくように輝き、優れた意匠性および高級感を示す。このようなキルト杢を示す木材の種類が限定されていることと、キルト杢の中でも種々の強弱が存在することから、強いキルト杢を示す木材は、しばしば高額で取引されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−320804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の発明によって形成される木目調は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)を付与することができない。また、このような特殊な表面光沢を付した種々の絵柄(たとえば金属調の絵柄に、金属では本来生じ得ないような上記キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)を付与した絵柄)を付したプリント物は、知られていない。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、特殊な表面光沢(照り)を、種々の絵柄上に表現したプリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、基材の表面に、透光性インクによって、それぞれ異なる方向に沿って延びる複数の突条をそれぞれ含む複数の領域を形成し、それぞれの領域が示す光沢の差を視覚効果として利用することにより、上記課題を好適に解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)基材と、前記基材上に設けられた光沢層とを備え、前記光沢層は、透光性インクからなり、前記基材の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条を含む第1領域と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条を含む第2領域とが形成されている、プリント物。
【0008】
このような構成によれば、プリント物は、基材の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条を含む第1領域と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条を含む第2領域とが形成されている。そのため、プリント物を観察する観察者は、第1領域の第1の突条によって光が反射することによる光沢と、第2領域の第2の突条によって光が反射することによる光沢とが同時に視界に入ることにより、それぞれの光沢の光沢差に基づく視覚効果が得られる。このような視覚効果は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)に類似している。その結果、プリント物は、特殊な表面光沢(照り)を示すことができる。この際、プリント物は、基材の種類が特に限定されない。そのため、たとえば基材に木目調の絵柄を印刷することにより、プリント物は、本来は上記特殊な表面光沢を示さない木材の木目に対して、特殊な表面光沢を付与し得る。また、プリント物は、木目調でない他の絵柄(たとえば金属調、合成皮革調、各種幾何学模様等)を付した基材に対しても、上記特殊な表面光沢を付与し得る。そのため、得られるプリント物は、従来存在しなかった種々の意匠を表現し得る。
【0009】
(2)前記第1の方向に対して、前記第2の方向は、10〜80°傾いている、(1)記載のプリント物。
【0010】
このような構成によれば、プリント物は、特殊な表面光沢(照り)を、より強く示すことができる。
【0011】
(3)前記第1領域と、前記第2領域とは、前記基材の面内において、離間した位置に形成されている、(1)または(2)記載のプリント物。
【0012】
このような構成によれば、プリント物は、特殊な表面光沢(照り)を示すとともに、表面光沢の強度を変化させることができる。
【0013】
(4)前記第1領域と、前記第2領域とは、前記基材の面内において、隣接した位置に形成されている、(1)または(2)記載のプリント物。
【0014】
このような構成によれば、プリント物は、特殊な表面光沢(照り)を示すとともに、表面光沢の強度を変化させることができる。
【0015】
(5)前記第1の突条は、前記第1の方向から前記第2の方向へ湾曲し、前記第2の突条と接続される湾曲部を備える、(4)記載のプリント物。
【0016】
このような構成によれば、プリント物は、湾曲部によって、第1領域と第2領域とが接続されている。そのため、プリント物は、より自然で立体感のある特殊な表面光沢(照り)を表現することができる。
【0017】
(6)前記基材と前記光沢層との間に、意匠層をさらに備える、(1)〜(5)のいずれかに記載のプリント物。
【0018】
このような構成によれば、プリント物は、種々の図柄や模様の形成された意匠層に、特殊な表面光沢(照り)を付与することができる。また、プリント物は、表面において光を反射する製品となり得る。
【0019】
(7)前記基材は、透光性基材であり、意匠層をさらに備え、前記基材と、前記光沢層と、前記意匠層とが、順に形成されている、(1)〜(5)のいずれかに記載のプリント物。
【0020】
このような構成によれば、プリント物は、種々の図柄や模様の形成された意匠層に、特殊な表面光沢(照り)を付与することができる。また、プリント物は、基材が光を透過するため、裏面において光を反射する製品となり得る。
【0021】
(8)前記意匠層は、木目調が印刷されている、(6)または(7)記載のプリント物。
【0022】
このような構成によれば、プリント物は、木材以外の基材を用いる場合であっても、特殊な表面光沢(照り)を付与した木目調を形成し得る。そのため、プリント物は、基材の材料を選択する幅が拡がり、軽量化、低コスト化等の種々の付加価値を与え得る。
【0023】
(9)前記基材は、木材原料からなる、(1)〜(7)のいずれかに記載のプリント物。
【0024】
このような構成によれば、プリント物は、基材として特殊な表面光沢(照り)を示さない木材原料を用いる場合であっても、特殊な表面光沢(照り)を付与することができる。そのため、プリント物は、基材の材料を選択する幅が拡がり、低コスト化等の種々の付加価値を与え得る。
【0025】
(10)基材上に透光性インクを付与して光沢層を設け、表面光沢を付与する光沢付与方法であり、前記光沢層の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、前記透光性インクを付与する工程を含む、光沢付与方法。
【0026】
このような構成によれば、得られるプリント物は、第1領域の第1の突条によって光が反射することによる光沢と、第2領域の第2の突条によって光が反射することによる光沢とが付与される。これらの異なる光沢は、観察者がプリント物を観察する際に、同時に視界に入り、それぞれの光沢の光沢差に基づく視覚効果を与える。このような視覚効果は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)に類似している。その結果、光沢付与方法は、種々の基材に対して、特殊な表面光沢(照り)を付与し得る。
【0027】
(11)表面光沢を有するプリント物の製造方法であり、インクジェット方式により、基材上に透光性インクを付与して光沢層を設けるインク付与工程を含み、前記インク付与工程は、前記基材の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、前記透光性インクを付与する工程である、プリント物の製造方法。
【0028】
このような構成によれば、得られるプリント物は、第1領域の第1の突条によって光が反射することによる光沢と、第2領域の第2の突条によって光が反射することによる光沢とが付与される。これらの異なる光沢は、観察者がプリント物を観察する際に、同時に視界に入り、それぞれの光沢の光沢差に基づく視覚効果を与える。このような視覚効果は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)に類似している。その結果、プリント物の製造方法は、種々の基材に対して、特殊な表面光沢(照り)を付与し得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、特殊な表面光沢(照り)を、種々の絵柄上に表現したプリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の一実施形態のプリント物の模式的な平面図である。
図2図2は、第1の突条の模式的な断面図である。
図3図3は、第1の突条の延びる角度を示す模式的な平面図である。
図4図4は、第1の突条の延びる角度を示す模式的な平面図である。
図5図5は、第1の突条の延びる角度を示す模式的な平面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態のプリント物の変形例に関する模式的な平面図である。
図7図7は、基材と光沢層との間に意匠層が設けられたプリント物の層構成を説明するための模式図である。
図8図8は、光沢層上に意匠層が設けられたプリント物の層構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<プリント物>
本発明の一実施形態のプリント物は、基材と、基材上に設けられた光沢層とを備える。図1は、本実施形態のプリント物1の模式的な平面図である。光沢層3は、透光性インクからなり、基材2の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条P1を含む第1領域R1と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条P2を含む第2領域R2とが形成されている。以下、それぞれについて説明する。
【0032】
(基材2)
基材2は特に限定されない。一例を挙げると、基材2は、鋼板、アルミ、ステンレス等の金属板、アクリル、ポリカーボネート、ABS、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル等のプラスチック板またはフィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラス等である。また、基材2は、カチオン可染ポリエステル(CDP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維等のポリエステル系繊維やアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維、ナイロン繊維等またはこれらの複合繊維からなる布帛等であってもよい。これらは、用途に応じて適宜選定され得る。基材2が布帛である場合、布帛は、プリント前に、前処理剤により処理されることが好ましい。前処理剤としては、水溶性ポリマー、非水溶性不活性有機化合物、難燃剤、紫外線吸収剤、還元防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、ヒドロトロープ剤、消泡剤、浸透剤、ミクロポーラス形成剤等が例示される。これら前処理剤を布帛に付与する方法としては、パッド法、スプレー法、浸漬法、コーティング法、ラミネート法、グラビア法、インクジェット法等が例示される。
【0033】
本実施形態のプリント物1は、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を付与することができる。そのため、たとえば、基材2が木材原料である場合には、プリント物1は、基材2として特殊な表面光沢(照り)を示さない木材原料が用いられている場合であっても、そのような基材2に対して特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を付与することができる。そのため、プリント物1は、基材2の材料を選択する幅が拡がり、低コスト化、量産化等の種々の付加価値を与え得る。
【0034】
同様に、基材2が木材以外の原料(たとえば上記ポリカーボネート板等のプラスチック板等)である場合には、プリント物1は、本来は特殊な表面光沢(照り)を示さない原料からなる基材2に対しても、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を付与することができる。そのため、プリント物1は、基材2の材料を選択する幅が拡がり、軽量化、低コスト化、量産化等の種々の付加価値を与え得る。また、得られるプリント物1は、従来、存在し得なかった、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)の付与されたプラスチック製や布帛等からなるプリント物となり得る。このようなプリント物1は、特殊な表面光沢を示すため、これまでにない意匠性を発揮することができる。
【0035】
(光沢層3)
光沢層3は、基材2上に設けられる層であり、透光性インクをインクジェット方式にて塗布することにより形成される層である。透光性インクは特に限定されない。一例を挙げると、透光性インクは、水系インク、溶剤系インク、無溶剤系(モノマー希釈)インク等である。透光性インクに添加される樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂は、紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等である。
【0036】
光沢層3は、基材2の表面における面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条P1を含む第1領域R1と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条P2を含む第2領域R2とが形成されている。なお、本実施形態の光沢層3に設けられる領域の数は、2以上であればよい。図1には、3つの領域を含む表面層が設けられている場合が例示されている。第1領域R1および第2領域R2は、これら3つ領域から選ばれる任意の領域である。
【0037】
・第1領域R1
第1領域R1は、所定の方向(第1の方向)に沿って延びる第1の突条P1が形成された領域である。第1の突条P1は、光沢層3の表面において、第1の方向に延びる突出部である。第1領域R1は、第1の突条P1が形成されていることにより、光を反射し、所望の光沢を示す。
【0038】
第1の突条P1の形状は特に限定されない。図2は、第1の突条P1の模式的な断面図である。図2に示されるように、本実施形態の第1の突条P1は、垂直方向の断面形状が、基端部から先端部にかけて尖った鋸歯状であり、複数の第1の突条P1同士が隣接するよう形成されている。第1の突条P1の断面形状は、このような鋸歯状のほか、他の形状(たとえば楕円状、矩形状等)であってもよい。また、それぞれの第1の突条P1の断面形状は、異なっていてもよい。
【0039】
それぞれの第1の突条P1の幅(L1)は特に限定されない。第1の突条P1の幅(L1)は、所望する光沢を生じるよう適宜設定される。一例を挙げると、第1の突条P1の幅(L1)は、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。また、第1の突条P1の幅(L1)は、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。第1の突条P1の幅(L1)が上記範囲内であることにより、第1領域R1は、所望の光沢を示しやすい。なお、それぞれの第1の突条P1の幅(L1)は、異なっていてもよい。
【0040】
それぞれの第1の突条P1の高さ(L2)は特に限定されない。第1の突条P1の高さ(L2)は、所望する光沢を生じるよう適宜設定される。一例を挙げると、第1の突条P1の高さ(L2)は、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、第1の突条P1の高さ(L2)は、1000μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。第1の突条P1の高さ(L2)が上記範囲内であることにより、第1領域R1は、所望の光沢を示しやすい。なお、それぞれの第1の突条P1の高さ(L2)は、異なっていてもよい。
【0041】
それぞれの第1の突条P1の基材2に対する角度は特に限定されない。基材2に対する角度は、上記第1の突条P1の幅(L1)および高さ(L2)によって適宜調整され得る。一例を挙げると、基材2対する角度は、0°を超え、180°未満であることが好ましく、10°以上170°以下であることがより好ましい。
【0042】
第1の突条P1の延びる方向は、後述する第2領域R2の第2の突条P2の延びる方向と異なる方向であればよい。すなわち、第1の突条P1の延びる方向は、上面視において、プリント物1の横方向の一辺に対して0〜180°の任意の角度となる方向であってもよい(ただし、第2の突条P2の延びる方向とは異なる)。図3図5は、第1の突条P1の延びる角度を示す模式的な平面図である。第1の突条P1の延びる方向は、上面視において、プリント物1の横方向の一辺に対して30°であってもよく(図3参照)、45°であってもよく(図4参照)、60°であってもよい(図5参照)。
【0043】
・第2領域R2
第2領域R2は、第1の方向とは異なる所定の方向(第2の方向)に沿って延びる第2の突条P2が形成された領域である。第2の突条P2は、光沢層3の表面において、第2の方向に延びる突出部である。第2領域R2は、第2の突条P2が形成されていることにより、光を反射し、第1領域R1によって生じる光沢とは異なる所望の光沢を示す。これにより、プリント物1を観察する観察者は、光沢の異なる複数の領域(第1領域R1および第2領域R2)を同時に観察することにより、光沢差に基づく視覚効果を得ることができる。
【0044】
第2の方向は、第1の方向と異なっていればよい。すなわち、第1の方向に対する第2の方向の角度は特に限定されない。一例を挙げると、第2の方向は、基材2の面内方向(すなわち図1に示される上面視)において、第1の方向に対して10°以上傾いていることが好ましく、20°以上傾いていることが好ましい。また、第2の方向は、基材2の面内方向において、第1の方向に対して80°以下傾いていることが好ましく、70°以下傾いていることが好ましい。第2の方向が第1の方向に対して上記範囲となる角度で傾いていることにより、第2領域R2によって生じる光沢が、第1領域R1によって生じる光沢と、光沢差を生じやすい。これにより、プリント物1を観察する観察者は、より大きな光沢差に基づく視覚効果を得ることができる。なお、後述するように、第1の突条P1や第2の突条P2が直線状でなく、たとえば湾曲する形状である場合、第1の方向に対する第2の方向の角度は、適宜変化してもよく、10〜80°の範囲内で変化することが好ましい。また、第1の突条P1および第2の突条P2が直線状でない場合、第1の突条P1および第2の突条P2は、部分的に、第1の方向と第2の方向とが同角度となってもよい。
【0045】
第2の突条P2の形状、幅および高さは、第1の突条P1に関連して上記した形状、幅および高さと同様であり、特に限定されない。
【0046】
上記した第1の突条P1および第2の突条P2の形状は、いずれも直線状に限定されない。すなわち、第1の突条P1は、第2の突条P2と異なる方向に沿って形成された部分を含んでいればよい。そのため、第1の突条P1および第2の突条P2は、いずれも湾曲した部分を含んでいてもよい。第1の突条P1は、第2の突条P2と近接する端部において、第2の突条P2と接続されるよう湾曲していてもよい。これにより、プリント物1は、異なる光沢を示す第1領域R1と第2領域R2とが、より滑らかに接続される。その結果、プリント物1は、第1領域R1に由来する光沢から第2領域R2に由来する光沢へと徐々に光沢を変化させることができ、より自然で立体感のある特殊な表面光沢(照り)を表現することができる。
【0047】
光沢層3全体の説明に戻り、上記した第1領域R1および第2領域R2は、基材2の全面に形成されていてもよく、一部に形成されていてもよい。第1領域R1および第2領域R2が基材2表面の一部に形成される場合、残りの領域は、光沢層3が平坦に形成された領域であってもよく、光沢層3の形成されていない露出した基材2表面であってもよく、第1の突条P1および第2の突条P2とは異なる方向に沿って形成された第3の突条P3を含む第3領域R3であってもよい。なお、第3の突条P3は、上記した第1の突条P1または第2の突条P2と同様である。
【0048】
図1に示されるプリント物1は、第1領域R1と第2領域R2とが隣接するよう形成されている。また、プリント物1は、第1領域R1および第2領域R2のほか、第3の突条P3を含む第3領域R3が形成されている。これにより、プリント物1は、光沢層3の全面に、所定の突条を含む領域が形成されている。このような第3領域R3が形成されていることにより、プリント物1は、第1領域R1〜第3領域R3に基づくそれぞれの光沢と、それらの光沢に基づく光沢差との影響により、より立体感のある特殊な表面光沢(照り)を示すことができる。
【0049】
また、第1領域R1と第2領域R2とは、離間するよう形成されてもよい。図6は、本実施形態のプリント物の変形例(プリント物1a)に関する模式的な平面図である。図6に示されるように、プリント物1aの光沢層3aには、第1領域R1と、第1領域R1と離間した位置に形成された第2領域R2とが形成されている。これにより、プリント物1aは、第1領域R1と第2領域R2とが隣接するよう形成されている場合(図1参照)と比較して、異なる表面光沢(照り)を示すことができる。
【0050】
本実施形態のプリント物1は、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を良好に発現するためには、第1の領域P1および第2の領域P2の面積は、それぞれ、1mm2以上となるよう形成されていることが好ましく、5mm2以上となるよう形成されていることがより好ましい。領域面積が上記範囲であることにより、プリント物1は、それぞれの領域に由来する光沢および光沢差を観察者に対して認識させやすく、特殊な表面光沢の視覚効果を発揮しやすい。
【0051】
プリント物全体の説明に戻り、本実施形態のプリント物は、基材と光沢層との間に、意匠層が設けられてもよい。図7は、基材2bと光沢層3bとの間に意匠層4が設けられたプリント物(プリント物1b)の層構成を説明するための模式図である。なお、図7において、矢印Aは光が入射する方向を示している。
【0052】
意匠層4は特に限定されない。一例を挙げると、意匠層4は、種々の図柄や模様の形成された層であり、各種木目調、金属調、カーボン調、合成皮革調、天然皮革調、石目調や、各種幾何学模様、写真等が形成された層である。プリント物1bは、このような意匠層4上に、上記した透光性インクからなる光沢層3bが形成されている。そのため、プリント物1bは、表面において光を反射する製品であり、種々の図柄や模様の形成された意匠層4に対して、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)が付与されている。
【0053】
また、意匠層4は、木目調が印刷された層であることが好ましい。このような木目調が印刷されていることにより、プリント物1bは、木材以外の基材2bを用いる場合であっても、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を付与した木目調を形成し得る。そのため、プリント物1bは、基材2bの材料を選択する幅が拡がり、軽量化、低コスト化等の種々の付加価値を与えられる。
【0054】
また、プリント物は、基材2cとして透光性基材が採用される場合には、基材2c上に上記した光沢層3cを形成し、さらに、光沢層3c上に上記した意匠層4が形成されてもよい。図8は、光沢層3c上に意匠層4が設けられたプリント物1cの層構成を説明するための模式図である。なお、図8において、矢印Aは光が入射する方向を示している。このようなプリント物1cは、基材2cが透光性を示すため、裏面において光を反射する製品であり、種々の図柄や模様の形成された意匠層4に対して、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)が付与されている。
【0055】
基材2cを構成する透光性材料は特に限定されない。一例を挙げると、透光性材料は、ガラス、水ガラス、低融点ガラス、シリコン樹脂、アルコキシシラン等の無機質材料や、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、セルロールアセトブチレート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の有機質材料である。
【0056】
なお、基材2cを構成する透光性材料と、光沢層3cを構成する樹脂材料とは、異なる種類であることが好ましい。すなわち、基材2cを構成する透光性材料と、光沢層3cを構成する樹脂材料とが同じかまたは類似する透光性を示す場合、基材2c上に光沢層3cが設けられると、第1領域R1により生じる光沢と、第2領域R2により生じる光沢との光沢差が判別されにくくなるためである。基材2cを構成する透光性材料が、光沢層3cを構成する樹脂材料と異なる種類であることにより、プリント物1cは、第1領域R1により生じる光沢と、第2領域R2により生じる光沢との光沢差が低減されにくく、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を示しやすい。
【0057】
以上、本実施形態のプリント物によれば、基材の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条を含む第1領域と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条を含む第2領域とが形成されている。そのため、プリント物を観察する観察者は、第1領域の第1の突条によって光が反射することによる光沢と、第2領域の第2の突条によって光が反射することによる光沢とが同時に視界に入ることにより、それぞれの光沢の光沢差に基づく視覚効果が得られる。このような視覚効果は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)に類似している。その結果、プリント物は、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を示すことができる。
【0058】
また、本実施形態のプリント物は、上記した特殊な表面光沢(照り)を、種々の基材に対して付与し得る。そのため、プリント物は、たとえば、家具、家電製品、自動車の内装部品、建材等の様々な製品や部品として利用され、これらの用途において高級感等を付与し得る。この際、プリント物は、基材の種類が特に限定されない。そのため、たとえば基材に木目調の絵柄を印刷することにより、プリント物は、本来は上記特殊な表面光沢を示さない木材の木目に対して、特殊な表面光沢を付与し得る。また、プリント物は、木目調でない他の絵柄(たとえば金属調、合成皮革調、各種幾何学模様等)を付した基材に対しても、上記特殊な表面光沢を付与し得る。そのため、得られるプリント物は、従来存在しなかった種々の意匠を表現し得る。
【0059】
なお、本実施形態の第1の突条および第2の突条は、いずれも、基端部から先端部にかけて尖った鋸歯状であり、光沢層(または基材)の表面から上方に立設されている場合について例示した。本実施形態の第1の突条および第2の突条の形状は、このような立設された形状に限定されない。すなわち、第1の突条および第2の突条は、所定の厚みの光沢層が形成された後、光沢層の表面に平行な複数の溝を設けることにより、形成されてもよい。
【0060】
<プリント物の製造方法>
本発明の一実施形態のプリント物の製造方法は、インクジェット方式により、基材上に透光性インクを付与して光沢層を設けるインク付与工程を含む。インク付与工程は、基材の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、透光性インクを付与する工程である。以下、それぞれについて説明する。なお、本実施形態のプリント物の製造方法は、インク付与工程に特徴を有する。そのため、インク付与工程以外の他の工程は、従来のプリント物の製造方法において採用されている工程と同様である。したがって、以下に示されるインク付与工程以外の工程は、例示であり、適宜、設計変更され得る。
【0061】
(インク付与工程)
インク付与工程は、インクジェット方式により、基材上に透光性インクを付与して光沢層を設ける工程である。この際、インク付与工程は、基材の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、透光性インクを付与する。
【0062】
インクジェット方式は特に限定されない。一例を挙げると、インクジェット方式は、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式等の連続方式、ピエゾ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式等のオン・デマンド方式等である。また、インクジェット方式は、記録ヘッドを固定して記録媒体に噴射させるタイプのライン型、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に動かすタイプのシリアル型のどちらのタイプに採用されてもよい。
【0063】
インクの付与量は特に限定されない。インクの付与量は、所望する光沢差を発揮するために必要な光沢層の厚みや突条の寸法等に合わせて適宜調整され得る。
【0064】
インクが付与された基材は、適宜、硬化処理や乾燥処理が行われてもよい。
【0065】
以上、本実施形態のプリント物の製造方法によれば、得られたプリント物は、第1領域の第1の突条によって光が反射することによる光沢と、第2領域の第2の突条によって光が反射することによる光沢とが付与される。これらの異なる光沢は、観察者がプリント物を観察する際に、同時に視界に入り、それぞれの光沢の光沢差に基づく視覚効果を与える。このような視覚効果は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)に類似している。その結果、プリント物の製造方法は、種々の基材に対して、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を付与し得る。
【0066】
なお、本実施形態では、基材に直接、光沢層を形成する場合について例示した。これに代えて、本実施形態のプリント物の製造方法は、上記したインク付与工程の前に、基材に意匠層を形成する意匠層形成工程を採用してもよい。この場合、意匠層は、公知のインクジェット方式にて、基材上に形成され得る。次いで、意匠層の形成された基材は、インク付与工程において、光沢層が設けられる。得られるプリント物は、表面において光を反射する製品であり、種々の図柄や模様の形成された意匠層に対して、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)が付与されている。
【0067】
<光沢付与方法>
本発明の一実施形態の光沢付与方法は、基材上に透光性インクを付与して光沢層を設け、表面光沢を付与する光沢付与方法である。光沢付与方法は、光沢層の表面に、面内の第1の方向に沿って第1の突条を含む第1領域を形成するとともに、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って第2の突条を含む第2領域を形成するよう、透光性インクを付与する工程を含む。
【0068】
なお、本実施形態において使用される基材、光沢層および透光性インクは、いずれもプリント物およびプリント物の製造方法の実施形態において上記したものと同様である。また、基材上に透光性インクを付与して光沢層を設ける具体的な方法は、プリント物の製造方法の実施形態に関連して上記したとおりである。
【0069】
本実施形態の光沢付与方法によれば、得られるプリント物は、第1領域の第1の突条によって光が反射することによる光沢と、第2領域の第2の突条によって光が反射することによる光沢とが付与される。これらの異なる光沢は、観察者がプリント物を観察する際に、同時に視界に入り、それぞれの光沢の光沢差に基づく視覚効果を与える。このような視覚効果は、キルト杢のような立体感のある特殊な表面光沢(照り)に類似している。その結果、光沢付与方法は、種々の基材に対して、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を付与し得る。
【0070】
また、本実施形態の光沢付与方法によれば、特定の木材が示すような特殊な表面光沢(照り)を、特定の木材以外の基材に対して付与することができる。そのため、光沢付与方法は、従来、成し得なかった高度な意匠を、種々の基材に対して付与することができ、意匠性の優れたプリント物を作製することができる。
【符号の説明】
【0071】
1、1a、1b、1c プリント物
2、2b、2c 基材
3、3a、3b、3c 光沢層
4 意匠層
L1 第1の突条の幅
L2 第1の突条の高さ
P1 第1の突条
P2 第2の突条
P3 第3の突条
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
【要約】
【課題】特殊な表面光沢(照り)が付与されたプリント物、光沢付与方法およびプリント物の製造方法を提供する。
【解決手段】基材と、基材上に設けられた光沢層とを備え、光沢層は、透光性インクからなり、基材の表面に、面内の第1の方向に沿って形成された第1の突条を含む第1領域と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って形成された第2の突条を含む第2領域とが形成されている、プリント物。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8