(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の減速機構付モータにおいて、前記基端部に、前記アーマチュア軸の回転方向に沿って湾曲する湾曲面部が形成され、当該湾曲面部の径方向外側に前記ブラシを前記コンミテータに向けて押圧する前記捩りコイルバネの径方向外側が略点接触され、かつ一対の前記ブラシホルダのそれぞれに対応して設けられた前記バネ用支柱が、いずれも前記アーマチュア軸の回転方向に沿う一方側に配置されていることを特徴とする減速機構付モータ。
請求項1または2記載の減速機構付モータにおいて、前記アーマチュア軸の中心と一対の前記ブラシホルダの中間部分とを通る対称軸が、前記アーマチュア軸の中心と前記円弧部の中央部分とを通る対称軸に対して、前記アーマチュア軸の回転方向に所定角度ずれるよう、一対の前記ブラシホルダが前記円弧部に配置されていることを特徴とする減速機構付モータ。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の減速機構付モータにおいて、前記給電ユニットは、樹脂材料により外郭が略小判形状に形成されたホルダステーと、前記ホルダステーに一体に形成された一対の前記ブラシホルダと、を有することを特徴とする減速機構付モータ。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の減速機構付モータにおいて、前記ベースの軸心には貫通孔が設けられ、前記アーマチュア軸および前記コンミテータが前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の周方向に沿う前記先端側支持部の両側に、前記貫通孔の径方向外側に窪んだ凹部が設けられていることを特徴とする減速機構付モータ。
請求項6記載の減速機構付モータにおいて、前記基端部に、前記アーマチュア軸の回転方向に沿って湾曲する湾曲面部が形成され、当該湾曲面部の径方向外側に前記ブラシを前記コンミテータに向けて押圧する前記捩りコイルバネの径方向外側が略点接触され、かつ一対の前記ブラシホルダのそれぞれに対応して設けられた前記バネ用支柱が、いずれも前記アーマチュア軸の回転方向に沿う一方側に配置されていることを特徴とする減速機構付モータ。
請求項6または7記載の減速機構付モータにおいて、前記アーマチュア軸の中心と一対の前記ブラシホルダの中間部分とを通る対称軸が、前記アーマチュア軸の中心と前記円弧部の中央部分とを通る対称軸に対して、前記アーマチュア軸の回転方向に所定角度ずれるよう、一対の前記ブラシホルダが前記円弧部に配置されていることを特徴とする減速機構付モータ。
請求項6〜8のいずれか1項に記載の減速機構付モータにおいて、前記給電ユニットは、樹脂材料により外郭が略小判形状に形成されたホルダステーと、前記ホルダステーに一体に形成された一対の前記ブラシホルダと、を有することを特徴とする減速機構付モータ。
請求項6〜9のいずれか1項に記載の減速機構付モータにおいて、前記ベースの軸心には貫通孔が設けられ、前記アーマチュア軸および前記コンミテータが前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の周方向に沿う前記先端側支持部の両側に、前記貫通孔の径方向外側に窪んだ凹部が設けられていることを特徴とする減速機構付モータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、モータを小型化すると、これに伴ってモータを構成する構成部品の直径寸法が小さくなり、ひいてはコンミテータの直径寸法も小さくなる。これによりコンミテータを形成するセグメントの幅寸法も小さくなる。すると、セグメントの幅寸法によって大きさが決まるブラシにおいても、コンミテータの回転方向に沿う幅寸法が小さくなる。
【0007】
したがって、上述の特許文献1に記載されたモータにおいては、略直方体形状に形成されたブラシを用いているため、ブラシの基端側においてもコンミテータの回転方向に沿う幅寸法が小さくなり、これにより小さい直径寸法の導電線を使用せざるを得なくなる。ここで、導電線の直径寸法を小さくすると、当該導電線を流れる電流の電流密度が増大し、導電線が発熱し易くなって焼損する等の問題を生じ得る。
【0008】
そこで、コンミテータの回転方向に沿うブラシの基端側の幅寸法を大きくすることが考えられるが、単にこのようにしたのではブラシホルダによるブラシの保持が不安定になる。例えば、当該ブラシの適用対象を正逆回転式のモータとした場合には、コンミテータの正逆回転に伴いブラシが一側および他側に傾斜し、ひいては大きな騒音の発生原因となる。この場合、ブラシが繰り返し傾斜することにより当該ブラシには亀裂が生じ、ひいてはモータの寿命が短くなる等の問題も生じ得る。
【0009】
本発明の目的は、導電線の直径寸法を小さくせずに小型化や高出力化に対応でき、かつ騒音を抑制しつつブラシの長寿命化が図れる減速機構付モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の減速機構付モータは、有底筒状に形成されたヨークと、前記ヨークの内周面に固定された4極のマグネットと、前記ヨークに回転自在に収容されたアーマチュアと、を備え、前記アーマチュアは、前記ヨークに回転自在に支持されたアーマチュア軸と、前記アーマチュア軸に固定され、前記マグネットに対して所定の隙間を介して配置されたアーマチュアコアと、前記アーマチュアコアに巻装されたアーマチュアコイルと、前記アーマチュア軸に固定されたコンミテータと、を有するモータ部と、前記ヨークの開口側に固定されたギヤケースと、前記ギヤケースに収容され、前記アーマチュア軸の回転を減速する減速機構と、を有する減速機構部と、略平行な一対の平坦部および前記平坦部に連なる円弧部を備えるベースと、前記ベースに一体に設けられ、天壁と一対の側壁とを備えたトンネル形状に形成された一対のブラシホルダと、前記ブラシホルダに摺動自在に保持されるとともに前記コンミテータに摺接するブラシと、前記アーマチュア軸の軸方向に延び、前記ブラシホルダに近接して前記ベースに一体に設けられたバネ用支柱と、前記バネ用支柱が挿通されるコイル本体と、前記コイル本体の一端側を形成するコイル基端部と、前記コイル本体の他端側を形成する先端曲部を有するコイル先端部と、を備えた捩りコイルバネと、を有する給電ユニットと、を備えた正逆回転可能な減速機構付モータであって、前記ベース、前記ブラシホルダおよび前記バネ用支柱は射出成形品であり、前記ブラシは、前記アーマチュア軸の径方向外側に配置される基端部と、前記基端部に一体に設けられ、かつ前記基端部よりも前記アーマチュア軸の径方向内側に配置される先端部と、を有し、前記基端部の前記天壁と対向する面には、導電線が電気的に接続され、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記先端部の両側面間の距離が、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記基端部の両側面間の距離よりも幅狭となるよう形成され、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記ブラシの両側面で、かつ前記基端部と前記先端部との間には、それぞれテーパ面が設けられ、前記ブラシにおける前記基端部の前記天壁と対向する面および前記先端部の前記天壁と対向する面と、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記ブラシの両側面とは、傾斜面で互いに接続されており、一対の前記ブラシホルダは、前記アーマチュア軸の回転方向に互いに90度ずれて配置され、それぞれの前記ブラシホルダは、前記アーマチュア軸の径方向に沿う外側から内側に向けて前記天壁に形成され、前記導電線を案内する案内溝と、前記アーマチュア軸の径方向に沿う外側から内側に向けて前記側壁の一方に形成され、前記捩りコイルバネの前記コイル先端部を受け入れるバネ用開口部と、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記基端部の両側を支持する一対の基端側支持部と、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記先端部の両側を支持する一対の先端側支持部と、を有し、それぞれの前記ブラシの前記天壁に対向した面側における前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記先端部の長さ寸法が、前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記先端側支持部の長さ寸法よりも長く形成され、それぞれの前記ブラシの前記天壁に対向した面側における前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記基端部の長さ寸法が、前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記基端側支持部の長さ寸法よりも短く形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の減速機構付モータは、前記基端部に、前記アーマチュア軸の回転方向に沿って湾曲する湾曲面部が形成され、当該湾曲面部の径方向外側に前記ブラシを前記コンミテータに向けて押圧する前記捩りコイルバネの径方向外側が略点接触され、かつ一対の前記ブラシホルダのそれぞれに対応して設けられた前記バネ用支柱が、いずれも前記アーマチュア軸の回転方向に沿う一方側に配置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の減速機構付モータは、前記アーマチュア軸の中心と一対の前記ブラシホルダの中間部分とを通る対称軸が、前記アーマチュア軸の中心と前記円弧部の中央部分とを通る対称軸に対して、前記アーマチュア軸の回転方向に所定角度ずれるよう、一対の前記ブラシホルダが前記円弧部に配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の減速機構付モータは、前記給電ユニットは、樹脂材料により外郭が略小判形状に形成されたホルダステーと、前記ホルダステーに一体に形成された一対の前記ブラシホルダと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の減速機構付モータは、前記ベースの軸心には貫通孔が設けられ、前記アーマチュア軸および前記コンミテータが前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の周方向に沿う前記先端側支持部の両側に、前記貫通孔の径方向外側に窪んだ凹部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明の減速機構付モータは、有底筒状に形成されたヨークと、前記ヨークの内周面に固定された4極のマグネットと、前記ヨークに回転自在に収容されたアーマチュアと、を備え、前記アーマチュアは、前記ヨークに回転自在に支持されたアーマチュア軸と、前記アーマチュア軸に固定され、前記マグネットに対して所定の隙間を介して配置されたアーマチュアコアと、前記アーマチュアコアに巻装されたアーマチュアコイルと、前記アーマチュア軸に固定されたコンミテータと、を有するモータ部と、前記ヨークの開口側に固定されたギヤケースと、前記ギヤケースに収容され、前記アーマチュア軸の回転を減速する減速機構と、を有する減速機構部と、略平行な一対の平坦部および前記平坦部に連なる円弧部を備えるベースと、前記ベースに一体に設けられ、天壁と一対の側壁とを備えたトンネル形状に形成された一対のブラシホルダと、前記ブラシホルダに摺動自在に保持されるとともに前記コンミテータに摺接するブラシと、前記アーマチュア軸の軸方向に延び、前記ブラシホルダに近接して前記ベースに一体に設けられたバネ用支柱と、前記バネ用支柱が挿通されるコイル本体と、前記コイル本体の一端側を形成するコイル基端部と、前記コイル本体の他端側を形成する先端曲部を有するコイル先端部と、を備えた捩りコイルバネと、を有する給電ユニットと、を備えた正逆回転可能な減速機構付モータであって、前記ブラシは、前記アーマチュア軸の径方向外側に配置される基端部と、前記基端部に一体に設けられ、かつ前記基端部よりも前記アーマチュア軸の径方向内側に配置される先端部と、を有し、前記基端部の前記天壁と対向する面には、導電線が電気的に接続され、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記先端部の両側面間の距離が、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記基端部の両側面間の距離よりも幅狭となるよう形成され、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記ブラシの両側面で、かつ前記基端部と前記先端部との間には、それぞれテーパ面が設けられ、前記ブラシにおける前記基端部の前記天壁と対向する面および前記先端部の前記天壁と対向する面と、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記ブラシの両側面とは、傾斜面で互いに接続されており、一対の前記ブラシホルダは、前記アーマチュア軸の回転方向に互いに90度ずれて配置され、それぞれの前記ブラシホルダは、前記アーマチュア軸の径方向に沿う外側から内側に向けて前記天壁に形成され、前記導電線を案内する案内溝と、前記アーマチュア軸の径方向に沿う外側から内側に向けて前記側壁の一方に形成され、前記捩りコイルバネの前記コイル先端部を受け入れるバネ用開口部と、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記基端部の両側を支持する一対の基端側支持部と、前記アーマチュア軸の回転方向に沿う前記先端部の両側を支持する一対の先端側支持部と、を有し、それぞれの前記ブラシの前記天壁に対向した面側における前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記先端部の長さ寸法が、前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記先端側支持部の長さ寸法よりも長く形成され、それぞれの前記ブラシの前記天壁に対向した面側における前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記基端部の長さ寸法が、前記アーマチュア軸の径方向に沿う前記基端側支持部の長さ寸法よりも短く形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の減速機構付モータは、前記基端部に、前記アーマチュア軸の回転方向に沿って湾曲する湾曲面部が形成され、当該湾曲面部の径方向外側に前記ブラシを前記コンミテータに向けて押圧する前記捩りコイルバネの径方向外側が略点接触され、かつ一対の前記ブラシホルダのそれぞれに対応して設けられた前記バネ用支柱が、いずれも前記アーマチュア軸の回転方向に沿う一方側に配置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の減速機構付モータは、前記アーマチュア軸の中心と一対の前記ブラシホルダの中間部分とを通る対称軸が、前記アーマチュア軸の中心と前記円弧部の中央部分とを通る対称軸に対して、前記アーマチュア軸の回転方向に所定角度ずれるよう、一対の前記ブラシホルダが前記円弧部に配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の減速機構付モータは、前記給電ユニットは、樹脂材料により外郭が略小判形状に形成されたホルダステーと、前記ホルダステーに一体に形成された一対の前記ブラシホルダと、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の減速機構付モータは、前記ベースの軸心には貫通孔が設けられ、前記アーマチュア軸および前記コンミテータが前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の周方向に沿う前記先端側支持部の両側に、前記貫通孔の径方向外側に窪んだ凹部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の減速機構付モータによれば、ブラシの先端部を幅狭としつつ、ブラシの基端部の幅寸法を確保できるので、減速機構付モータの小型化に対応できる。また、減速機構付モータを小型化しても導電線の直径寸法を小さくしなくて済むので、導電線の発熱を抑制しつつコンミテータへの給電量の減少を抑制でき、ひいては減速機構付モータの長寿命化および高出力化に対応できる。さらに、ブラシホルダは、一対の基端側支持部および一対の先端側支持部により、ブラシの先端部および基端部をアーマチュア軸の回転方向に沿う両側からそれぞれ支持するので、コンミテータの正逆回転に伴うブラシの一側および他側への傾斜を抑制して、減速機構付モータの騒音を抑制しつつブラシの長寿命化を図ることができる。
【0021】
また、本発明の減速機構付モータによれば、先端側支持部が、ブラシホルダのコンミテータ寄りに設けられるので、充分なブラシストロークを確保することができる。
【0022】
さらに、本発明の減速機構付モータによれば、基端部に、アーマチュア軸の回転方向に沿って湾曲する湾曲面部が形成され、当該湾曲面部にブラシをコンミテータに向けて押圧するスプリングが接触されるので、コンミテータの回転方向に依らず、ブラシホルダに対してブラシをスムーズに摺動させることができ、ひいてはガタや異音の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
図1は車両に搭載されるリヤワイパモータの平面図を、
図2は
図1に示す給電ユニットの詳細を示す断面図を、
図3は
図1の破線円A部分の構造を示す斜視図を、
図4(a)はブラシを先端部側から見た斜視図、(b)はブラシを基端部側から見た斜視図を、
図5(a)はブラシホルダをその案内溝側から見た平面図、(b)は(a)に対応したブラシホルダの断面図をそれぞれ表している。
【0026】
図1に示すように、減速機構付モータとしてのリヤワイパモータ10は、自動車等の車両のリヤハッチ等に搭載されるリヤワイパ装置(図示せず)の駆動源として用いられるもので、モータ部20および減速機構部30を備えている。
【0027】
モータ部20は、ブラシ付きの4極モータとして構成され、磁性体としての鋼板をプレス加工して有底筒状に形成されたヨーク21を備えている。ヨーク21の内周面には、合計4つのマグネット22(図示では2つのみを示す)が固定されており、当該マグネット22の内側には、所定の隙間(エアギャップ)を介してアーマチュア23が回転自在に収容されている。
【0028】
アーマチュア23は、ヨーク21に回転自在に支持されたアーマチュア軸24を備えており、当該アーマチュア軸24には、コンミテータ(整流子)25およびアーマチュアコア26が固定されている。コンミテータ25は複数のセグメント25a(
図2参照)を備えており、アーマチュアコア26には複数のアーマチュアコイル(図示せず)が巻装されている。そして、各アーマチュアコイルのコイル端は、各セグメント25aにそれぞれ電気的に接続されている。
【0029】
ヨーク21の開口側(図中左側)の内部には、給電ユニット50が装着されており、減速機構部30に設けたコネクタCNから供給される駆動電流は、給電ユニット50を介してアーマチュア23に供給されるようになっている。アーマチュア23に駆動電流が供給されると、モータ部20が作動し、アーマチュア軸24が所定方向に所定速度で回転する。ここで、リヤワイパモータ10を形成するモータ部20は、アーマチュア軸24が一方向にのみ回転する一方向回転型となっている。
【0030】
減速機構部30は、溶融したアルミ材料を鋳造成形することにより略バスタブ形状に形成されたギヤケース31を備えている。ギヤケース31は、2つの固定ネジSによってヨーク21の開口側に固定されている。
【0031】
アーマチュア軸24の先端側は、ヨーク21の開口側から突出してギヤケース31の内部に延在しており、アーマチュア軸24の先端部分には、ギヤケース31内に回転自在に収容されたウォーム軸32の基端部分が連結されている。ギヤケース31内には、歯部33aを備えたウォームホイール33が支軸34により支持されて回転自在に収容されており、当該ウォームホイール33の歯部33aは、ウォーム軸32に一体に設けられたウォーム32aに噛み合わされている。
【0032】
ウォームホイール33の回転運動を揺動運動に変換し、当該揺動運動を出力軸35に伝達するために、ギヤケース31内には動力変換機構36が収容されている。動力変換機構36は出力軸35に固定されたピニオン37を備え、当該ピニオン37とウォームホイール33との間には動力変換部材38が設けられている。動力変換部材38はピニオン37に噛み合うセクタギヤ部38aを備え、セクタギヤ部38aの軸心に設けられたピン部材39と出力軸35とは、連結板40によって回動自在に連結されている。また、動力変換部材38はセクタギヤ部38aからウォームホイール33に向けて延びるアーム部38bを備え、当該アーム部38bの先端部分はピン部材41によってウォームホイール33の側面に回転自在に連結されている。
【0033】
出力軸35はギヤケース31に回転自在に支持されており、出力軸35のギヤケース31の外部に突出した先端部分(図示せず)には、リヤウィンドガラスを払拭するリヤワイパアーム(図示せず)が固定されている。これにより、モータ部20が作動してアーマチュア軸24が回転すると、その回転がウォーム32aおよびウォームホイール33により減速されて高トルク化され、ウォームホイール33に伝達される。そして、ウォームホイール33の回転運動が動力変換機構36により揺動運動に変換されて出力軸35からリヤワイパアームに出力され、リヤワイパアームがリヤウィンドガラス上を往復払拭動作する。
【0034】
次に、モータ部20に装着した給電ユニット50の詳細構造について説明する。
【0035】
図2,3に示すように、給電ユニット50は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することにより、ヨーク21(
図1参照)の断面形状に対応して外郭が略小判形状に形成されたホルダステー51を備えている。これにより、給電ユニット50はヨーク21に対してがたつくこと無く、相対回転不能に装着されるようになっている。
【0036】
ホルダステー51は、互いに一体となったベース52とガイド壁53とを備えており、ベース52はアーマチュア軸24と直交する方向に広がる略小判形状の板体となっている。つまり、ベース52は、アーマチュア軸24と同心の一対の円弧部52a,52bと、各円弧部52a,52bに連なる一対の平坦部52c,52dとを備えている。ベース52の軸心には貫通孔52eが設けられており、アーマチュア軸24およびコンミテータ25は貫通孔52eに挿通され、これにより給電ユニット50を貫通している。一方、ガイド壁53は、ベース52の外周縁に一体に設けられ、アーマチュア軸24の軸方向に延ばされている。ガイド壁53の外周面は、給電ユニット50をヨーク21に装着することで、ヨーク21の内周面に当接するようになっている。
【0037】
ベース52の一方の円弧部52aには、一対のブラシホルダ54が一体に設けられ、各ブラシホルダ54はブラシ55をそれぞれ摺動自在に保持するようになっている。各ブラシホルダ54は、アーマチュア軸24の中心、つまり貫通孔52eの軸心を中心として、互いにアーマチュア軸24の回転方向に90度ずれて配置されている。また、各ブラシホルダ54は、ブラシ55の摺動方向が貫通孔52eの中心に向くよう円弧部52aに配置されている。さらに、各ブラシホルダ54は、アーマチュア軸24の中心と各ブラシホルダ54の中間部分とを通る対称軸A1が、アーマチュア軸24の中心と円弧部52aの中央部分とを通る対称軸A2に対して、アーマチュア軸24の回転方向に所定角度ずれるよう円弧部52aに配置されている。
【0038】
図2,4に示すように、ブラシ55は、炭素や黒鉛等の導体により略直方体形状に形成され、基端部55aと先端部55bとを備えている。ここで、ブラシ55をブラシホルダ54に摺動自在に保持させた状態のもとで、基端部55aはアーマチュア軸24の径方向外側に位置し、先端部55bはアーマチュア軸24の径方向内側(コンミテータ25側)に位置するようになっている。
【0039】
基端部55aのアーマチュア軸24の軸方向に沿う一側面55cには、導電線としてのピグテールPGの端部が電気的に接続されており、当該ピグテールPGは、基端部55a(ブラシ55)に対して駆動電流を供給するようになっている。ここで、本実施の形態に適用されるピグテールPGは、充分な直径寸法を有する大きな出力に対応した導電線であり、リヤワイパモータ10の通常作動状態においては、ピグテールPGが発熱して焼損するようなことは無い。
【0040】
基端部55aの厚み寸法、つまり基端部55aのアーマチュア軸24の回転方向に沿う幅寸法は、ピグテールPGを接続し得る幅寸法T1に設定されている。また、先端部55bの厚み寸法、つまり先端部55bのアーマチュア軸24の回転方向に沿う幅寸法は、基端部55aの幅寸法T1よりも小さい幅寸法T2に設定されている(T2<T1)。先端部55bは、基端部55aのアーマチュア軸24の回転方向に沿う両側面から幅狭となるよう形成され、したがってブラシ55は、アーマチュア軸24の径方向に沿う基準線Bを中心として、幅方向に鏡像対象となるよう形成されている。
【0041】
基端部55aのアーマチュア軸24の径方向に沿う長さ寸法はL1に設定され、当該基端部55aの長さ寸法L1は、ピグテールPGを接続し得る長さ寸法L1に設定されている。つまり、基端部55aの長さ寸法L1および幅寸法T1は、略同じ寸法に設定されている(L1≒T1)。一方、先端部55bのアーマチュア軸24の径方向に沿う長さ寸法は、基端部55aの長さ寸法L1よりも長い長さ寸法L2に設定されている(L2>L1)。
【0042】
このように、先端部55bの幅寸法T2を基端部55aの幅寸法T1よりも小さくすることで、ブラシ55を、コンミテータ25側を細くした先細り形状として、リヤワイパモータ10の小型化を実現するようにしている。また、基端部55aの幅寸法T1および長さ寸法L1を、それぞれピグテールPGを接続し得る寸法に設定することで、リヤワイパモータ10の小型化に対応させてピグテールの直径寸法を小さくする必要性を無くし、リヤワイパモータ10の高出力化を実現するようにしている。
【0043】
ここで、ブラシ55のアーマチュア軸24の回転方向に沿う両側面で、かつ基端部55aと先端部55bとの間には、それぞれテーパ面TPを設けている。各テーパ面TPは、基端部55aと先端部55bとを滑らかに接続してブラシ55の剛性を確保するものである。具体的には、例えば、ブラシ55にこじるような横応力が作用したとしても、基端部55aと先端部55bとを直角で接続した場合に比して、各テーパ面TPによって応力集中を分散できる。このように、各テーパ面TPを設けることでブラシ55の剛性を確保し、ひいてはブラシ55が早期に損傷するのを抑制している。
【0044】
基端部55aの先端部55b側とは反対側には、アーマチュア軸24の回転方向に沿って湾曲する一対の湾曲面部CSが設けられている。各湾曲面部CSの曲率半径はR1に設定されており、各湾曲面部CSのうちの一方の湾曲面部CSには、捩りコイルバネ56の先端曲部56c(
図3参照)が接触するようになっている。このように、湾曲面部CSに捩りコイルバネ56の先端曲部56cを接触させることで、ブラシホルダ54に対するブラシ55のスムーズな摺動を実現している。ただし、基端部55aには、一対の湾曲面部CSを設けるに限らず、その曲率半径を大きくして1つの湾曲面部を設けるようにしても良い。
【0045】
図3,5に示すように、ブラシホルダ54は略直方体の箱形状に形成され、天壁54aと一対の側壁54bとを備えたトンネル形状に形成されている。ブラシホルダ54は若干の隙間を介してブラシ55を保持しており、これによりブラシ55はコンミテータ25(
図2参照)に向けてスムーズに進退移動自在、つまりコンミテータ25に対してスムーズに接近または離間できるようになっている。
【0046】
天壁54aには、アーマチュア軸24の径方向に延びるようにして案内溝54cが形成されており、当該案内溝54cは、天壁54aのアーマチュア軸24の径方向に沿う外側から内側に向けて所定の切り込み深さで切り欠いて形成されている。案内溝54cの幅寸法は、ピグテールPGの直径寸法よりも若干大きい寸法に設定されており、これによりピグテールPGが案内溝54cに干渉せず、ひいてはピグテールPGの損傷を防止しつつ、ブラシ55のスムーズな摺動を確保している。
【0047】
各側壁54bのうちの一方には、捩りコイルバネ56が入り込むバネ用スリット54dが形成されており、当該バネ用スリット54dにおいても、案内溝54cと同様にアーマチュア軸24の径方向に沿う外側から内側に向けて所定の切り込み深さで切り欠いて形成されている。バネ用スリット54dの幅寸法は、捩りコイルバネ56の直径寸法よりも若干大きい寸法に設定され、これにより捩りコイルバネ56がバネ用スリット54dに引っ掛かる等して、ブラシ55のコンミテータ25に対する押圧力がばらついたりするのを抑制するようにしている。
【0048】
図5に示すように、各側壁54bは、それぞれ基端側支持部54eと先端側支持部54fとを備えている。対向し合う各基端側支持部54eは、ブラシ55の基端部55a(
図4参照)を、アーマチュア軸24の回転方向に沿う両側から支持するようになっており、対向し合う各先端側支持部54fは、ブラシ55の先端部55b(
図4参照)を、アーマチュア軸24の回転方向に沿う両側から支持するようになっている。これによりブラシホルダ54は、先細り形状のブラシ55を、アーマチュア軸24の回転方向に向けて振れること無く、摺動自在に保持できるようになっている。
【0049】
各先端側支持部54fは、アーマチュア軸24の径方向に沿う内側、つまりブラシホルダ54のコンミテータ25寄りの先端に設けられ、各先端側支持部54fのアーマチュア軸24の径方向に沿う長さ寸法はL3に設定されている。一方、各基端側支持部54eのアーマチュア軸24の径方向に沿う長さ寸法は、各先端側支持部54fの長さ寸法L3よりも長い長さ寸法L4に設定されている(L4>L3)。
【0050】
このように、各先端側支持部54fをブラシホルダ54のコンミテータ25寄りの先端に設け、その長さ寸法L3を短く設定(L3<L4)することにより、ブラシ55の基端部55a(長さ寸法L1)は、各基端側支持部54e(長さ寸法L4)に支持され、ブラシ55の先端部55b(長さ寸法L2)は、各先端側支持部54f(長さ寸法L3)に支持される。これにより、ブラシホルダ54に対する先細り形状に形成したブラシ55の充分なブラシストロークを確保している。また、ブラシ55とブラシホルダ54との摺動部分は、基端部55aの部分および各先端側支持部54fの部分となるので、ブラシ55のブラシホルダ54に対する摺動面積を小さくして、ブラシ55の摺動抵抗が増大するのを抑えている。
【0051】
図2,3に示すように、ホルダステー51には、一対の捩りコイルバネ(スプリング)56が設けられている。捩りコイルバネ56は、コイル本体56aと、コイル本体56aの一端側を形成するコイル基端部56bと、コイル本体56aの他端側を形成し、曲率半径R2に設定された先端曲部56cとを備えている。また、ホルダステー51のベース52には、各ブラシホルダ54の各バネ用スリット54d側に近接して、一対のバネ支柱57が一体に設けられている。バネ支柱57は捩りコイルバネ56のコイル本体56aに挿通されるようになっており、つまりバネ支柱57は捩りコイルバネ56を支持するようになっている。
【0052】
コイル基端部56bは、ホルダステー51のガイド壁53に近接して設けられた支持部58に接触しており、先端曲部56cは、ブラシ55の一方の湾曲面部CSに接触している。これにより、各ブラシ55は各捩りコイルバネ56によりコンミテータ25に向けて押圧され、各ブラシ55の先端部55bがコンミテータ25の外周面に弾性的に摺接するようになっている。
【0053】
図2に示すように、ホルダステー51にはコネクタCN(
図1参照)に接続される一対の給電端子59が設けられている。各給電端子59のうちの一方は、チョークコイル(図示せず)を介して一方のピグテールPGに電気的に接続され、各給電端子59のうちの他方は、サーキットブレーカ60とチョークコイル(図示せず)とを介して他方のピグテールPGに接続されている。各給電端子59は、コネクタCNを介して車両に搭載されたバッテリ等の電源に接続され、車室内に設けられたワイパスイッチのオン操作に基づいて、電源から各給電端子59に駆動電流が供給されるようになっている。そして、各給電端子59に駆動電流が供給されると、ブラシ55とコンミテータ25とにより所定のタイミングで転流された駆動電流がアーマチュアコイルに供給され、アーマチュア23に電磁力が発生してアーマチュア軸24が回転するようになっている。
【0054】
次に、以上のように形成したリヤワイパモータ10の動作、特に、給電ユニット50を形成するブラシ55のブラシホルダ54に対する摺動状態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0055】
図6(a),(b)はブラシのブラシホルダに対する摺動状態を説明する説明図を、
図7(a),(b)はコンミテータの正逆回転に伴うブラシの傾斜状態を説明する説明図をそれぞれ表している。
【0056】
図6(a)はブラシ55が略新品の状態を示し、
図6(b)はブラシ55の摩耗が進んだ状態を示している。リヤワイパモータ10のモータ部20(
図1参照)が作動して、ブラシ55の先端部55bとコンミテータ25とが摺接すると、先端部55bは徐々に摩耗して短くなっていく。このとき、捩りコイルバネ56の先端曲部56cの径方向外側と、ブラシ55の基端部55aに設けた一方の湾曲面部CSの径方向外側とが互いに接触しているので、両者は略点接触となっている。したがって、捩りコイルバネ56のバネ力Fは、ブラシ55をブラシホルダ54に対してこじること無く略真っ直ぐにコンミテータ25に向けて作用するようになっている。
【0057】
ブラシ55の先端部55bが摩耗していくと、捩りコイルバネ56の先端曲部56c側がブラシホルダ54のバネ用スリット54dに入り込み、当該バネ用スリット54d内を移動するようになる。このとき、捩りコイルバネ56はバネ用スリット54dに干渉しないので、スムーズに移動するようになっている。また、このときピグテールPG(破線)は案内溝54c(
図5参照)内を移動するが、ピグテールPGにおいても案内溝54cに干渉しないので、スムーズに移動するようになっている。さらには、ブラシ55とブラシホルダ54との摺動面積を小さくしているので、捩りコイルバネ56のバネ力Fは、その途中で殆どロスすること無くブラシ55の先端部55bに伝達される。
【0058】
ここで、コンミテータ25の矢印R方向への回転に伴って、ブラシ55は矢印M方向に傾斜するようになるが、モータ部20は一方向回転型であるので、ブラシ55はブラシホルダ54に対して殆どがたつくことが無い。よって、モータ部20は、ブラシ55のがたつきに起因する騒音を殆ど発生させない静粛性に優れたものとなっている。
【0059】
例えば、
図7に示すように、モータ部20を正逆回転式電動モータとした場合においては、コンミテータ25の矢印FWD方向(時計方向)への回転に伴いブラシ55は矢印M1方向(反時計方向)に傾斜し、コンミテータ25の矢印REV方向(反時計方向)への回転に伴いブラシ55は矢印M2方向(時計方向)に傾斜するようになる。この場合、
図4に示すように、ブラシ55は、アーマチュア軸24の径方向に沿う基準線Bを中心として幅方向に鏡像対象となるよう形成されているので、矢印M1方向および矢印M2方向への傾斜具合(傾斜角度)がバランスして略同等となり、これによりブラシ55のがたつきに起因する騒音の発生を抑制しつつ、ブラシ55の先端部55bの偏摩耗が抑制される。
【0060】
以上詳述したように、本実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、ブラシ55を、アーマチュア軸24の径方向外側の基端部55aとアーマチュア軸24の径方向内側の先端部55bとから形成し、基端部55aのアーマチュア軸24の軸方向に沿う一側面55cにピグテールPGを電気的に接続し、先端部55bを基端部55aのアーマチュア軸24の回転方向に沿う両側面から幅狭となるよう形成した。また、アーマチュア軸24の径方向に沿うブラシ55の先端部55bの長さ寸法L2を、アーマチュア軸24の径方向に沿うブラシ55の基端部55aの長さ寸法L1よりも長くした。ブラシホルダ54には、ブラシ55の基端部55aをアーマチュア軸24の回転方向に沿う両側から支持する一対の基端側支持部54eと、ブラシ55の先端部55bをアーマチュア軸24の回転方向に沿う両側から支持する一対の先端側支持部54fとを設け、アーマチュア軸24の径方向に沿う基端側支持部54eの長さ寸法L4を、アーマチュア軸24の径方向に沿う先端側支持部54fの長さ寸法L3よりも長くした。
【0061】
これにより、ブラシ55の先端部55bを幅狭としつつ、ブラシ55の基端部55aの幅寸法T1を確保できるので、リヤワイパモータ10の小型化に対応できる。また、リヤワイパモータ10を小型化してもピグテールPGの直径寸法を小さくしなくて済むので、ピグテールPGの発熱を抑制しつつコンミテータ25への給電量の減少を抑制でき、ひいてはリヤワイパモータ10の長寿命化および高出力化に対応できる。さらに、ブラシホルダ54は、一対の基端側支持部54eおよび一対の先端側支持部54fにより、ブラシ55の先端部55bおよび基端部55aをアーマチュア軸25の回転方向に沿う両側からそれぞれ支持するので、コンミテータ25の正逆回転に伴うブラシ55の一側および他側への傾斜を抑制して、リヤワイパモータ10の騒音を抑制しつつブラシ55の長寿命化を図ることができる。また、ブラシ55の一側および他側への傾斜を抑制できるので、正逆回転式電動モータおよび一方向回転式電動モータの双方に対応できる。さらに、アーマチュア軸24の径方向に沿うブラシ55の先端部55bの長さ寸法L2は、アーマチュア軸24の径方向に沿うブラシ55の基端部55aの長さ寸法L1よりも長いので(L2>L1)、リヤワイパモータ10をより小型化して軽量化を図ることができる。また、アーマチュア軸24の径方向に沿う基端側支持部54eの長さ寸法L4は、アーマチュア軸24の径方向に沿う先端側支持部54fの長さ寸法L3よりも長いので(L4>L3)、充分なブラシストロークを確保することができ、ブラシ交換等のメンテナンスを頻繁に行わなくて済む。
【0062】
また、本実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、先端側支持部54fを、ブラシホルダ54のコンミテータ25寄りの先端に設けたので、より充分なブラシストロークを確保することができる。
【0063】
さらに、本実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、基端部55aに、アーマチュア軸24の回転方向に沿って湾曲する湾曲面部CSを形成し、当該湾曲面部CSにブラシ55をコンミテータ25に向けて押圧する捩りコイルバネ56を接触させたので、コンミテータ25の回転方向に依らず、ブラシホルダ54に対してブラシ55をスムーズに摺動させることができ、ひいてはガタや異音の発生を抑制することができる。
【0064】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、本発明をリヤワイパモータ10に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、自動車等の車両のフロントワイパ装置の駆動源に適用しても良いし、ワイパ装置以外の他の装置の駆動源に適用しても良い。
【0065】
また、上記実施の形態においては、スプリングとして捩りコイルバネ56を用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、ブラシ55をコンミテータ25に向けて真っ直ぐに押圧できるものであれば、線間に所定の隙間を有するよう螺旋状に形成されたコイルスプリング等、他のスプリングを用いても良い。